福聚講

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政治家の「瞳」

2017-09-29 | 法話
最近の話題の中心の政治家の顔、特に「瞳」が濁っているのが大変気になります。そしていつも、良寛さんが好んだという「君看よ双眼の色、語らざれば憂無きに似たり」という句を思い出します。
これは「千峯雨霽露光冷(せんぽうあめはれて、ろこうすさまじ)」という大燈国師の句に、白隠禅師がつけた偈だということです。良寛和尚はこの偈をいつも揮毫されていたといいます。「君看よ双眼の色、語らざれば憂無きに似たり」という句の意味は「語れないほどの深い悲しみを知っているからこそ、その瞳は澄みわたり光り輝いている」「瞳が澄んでいるのは語れないほどの深い澄んだ心を秘めているからだ」というものでしょう。(悟りの境地からはもっと深い意味があるようですが今回はここまでにします。)

瞳といえば今昔物語には、お地蔵様が地蔵菩薩信者の僧に「汝ぢ、我れを知れりや。我れは、此れ汝が日毎の晨朝に念ずる地蔵菩薩也。大悲の誓願に依て、汝を守る事、尚し眼精を守るが如く也。・・」とおっしゃるところがあります。「自分の瞳を守るがごとくこの上なく大切に汝を守ってやる」という意味です。

これらの例をみても 古来日本人は「瞳」を命の様に大切に考えてきた ことがわかります。澄んだ瞳は、まさにその人の本質を現しているといえましょう。
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