今日天長元年9月27日は高尾山寺が神護国祚真言寺となった日です

・今日天長元年9月27日は、高雄山寺が定額寺となり、真言僧21名を置き神護国祚真言寺と改称された日です。

『類聚国史』天長元年9月壬申（27日）条（824年大師御年51歳）

「高雄寺を定額となす。并びに得度経業等を定む。正五位下行河内守和気朝臣真綱。従五位下弾正少弼和気朝臣仲世等言わく、「臣聞く。父構え子終る。之を大孝という。公を営み可を献ず。之を至忠という一。惟忠惟孝。不可不順の者也。昔景雲年中。僧道鏡佞邪之資をもって、玄扈之上に登り辱けなくも法王之号を僭し、遂に窺覦之心を懐く。偏二邪幣於群神一。行二権譎於佞党一。爰に八幡大神天嗣之傾弱を痛み、狼奴之将を憂い、神兵鋒尖し、鬼戦連年。彼衆我寡。邪は強く、正は弱し。大神自威之難を歎じ仏力の奇護を仰ぐ。乃ち御夢に入りて使者を請う。勅あり。臣等故考従三位行民部卿清麻呂を追引す。面して御夢之事を述ぶ。仍以下天位を一譲二道鏡一之事上。令レ言二大神一。清麻呂詔旨を奉じて宇佐神宮に向かう。時に大神託宣す。夫れ神に大小あり、好悪不同なり。善神淫祀を悪み、貪神は邪幣を受ける。我為下皇緒を紹隆し国家を扶済す。一切経及仏を写造し、最勝王経万巻を諷誦せん。伽藍を建て凶逆を一旦に除かん。万代に社稷を固めん。汝、此言を承って遺失あることなかれ。清麻呂大神に対して誓って云わく、「国家平定之後。必ず後帝に奏して、神願を果たし奉る。身を粉にし、命を殞って神言に錯たず。還って此言を奏す。時不遇に遭い身に刑獄降り遂に荒隅に配す。幸に神力を蒙り再び帝都にいる。後田原天皇宝亀十一年此事を奏す。天皇感嘆親しく詔書を製す。未だ行われざるの間譲位之事に遇う。天応二年亦之を柏原先帝に奏す。即ち前詔を以て普く天下に告げらる。延暦年中に至り私に伽藍を建つ。名ずけて神願寺という。天皇先功を追嘉す。神願寺を以て定額となす。今此寺地勢汚穢。壇場によろしからず。伏望むらくは、高雄寺に相替えて定額となし名ずけて曰く神護国祚真言寺と。仏像は大悲胎蔵及金剛界等に依る。真言を解する僧七人を簡び、永く国家の為に三密の法門を修行す。其僧闕有れば道行有る僧を択びて之を補す。又た　　貞操沙弥二七人を簡びて守護国界主経及調和風雨成熟五穀経等を転読せしむ。昼夜更代其声断ぜず。七年之後得度を預かる。一に則ち大神之大願を果たす。二に則ち国家之災難を除く。勅す。一代之間毎年一人を度するを聴す。又備前国水田廿町。賜うて二世に伝えて功田と為し、彼寺に入れて充てよ。神願を果たす者は更に二世に延ばす。自余は請に依れ。