福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

今日は勧学会の始まった日

2024-03-15 | 法話

今日は勧学会の始まった日

「扶桑略記」「二十六村上天皇」

「(康保元年964)三月十五日、大学寮北堂学生等、叡山西坂下に於て、始めて、勧学会を修す・・」

 

「三宝絵詞」に「村上の御代、康保の初の年、大学の北の堂の学生の中に、心ざしをおなじくし、まじらひをむすべる人あひかたらひて云、人の世にある事、ひまをすぐる駒のごとし、

我等たとひ窟の申に雪をば聚とも、旦は門の外に煙を遁む願は僧と契をむすびて、寺にまうで、会を行はむ、くれの春、すえの秋の望をその日に定て、経を講じ仏を念ずる事を其勧

とせむ、この世後の世にながき友として、法の道、文の道をたがひにあひすすめならはむと云て、始行へる事を勧学会と名つくるなり。十四日の夕に、僧は山よりおりて、ふもとに

あつまり、俗は月に乗て寺にゆく、道の間に聲を同くして居位(白楽天)のつくれる「百千萬劫の菩提の種、八十三年の功徳林」(注1)と云ふ偈を誦してあゆみゆくにやうやう寺にきぬるほどに僧又声を同じくして法華経の中の「志求仏道者 無量千万億 咸以恭敬心 皆来至仏所」(注2) と云偈を誦してまちむかふ。十五日の朝には法華経を講じ夕には弥陀仏を念じて、そののちは暁に至るまで詩を作りて仏をほめ法をほめたてまつりて、その詩は寺にをく。又居易のみつ゛からつくれる詩をあつめ香山寺にをさめし時に「願はくはこの世の世俗文字の業、狂言綺語のあやまりをもてかへして当来世世讃佛乗の因、転法輪の縁とせむ」(注3)といへる願の偈誦し又、「此の身何ぞ愛するに足らん、万劫煩悩の根。此の身何ぞ厭ふに足らん、一聚虚空の塵」(注4)といへる詩などを誦する。僧も互に法華経の「聞法歓喜讃 乃至発一言 則為已供養 一切三世仏」(注5)といふ偈、又龍樹菩薩の十二礼拝の偈(注6)等を誦して夜をあかす」

 

(注1)贈鉢 塔院如満大師

     白居易

百千萬劫菩提種 百千万劫菩提の種

八十三年功德林 八十三年功徳の林

若不秉持僧行苦 若し僧行の苦しきを秉持せずんば

將何報答佛恩深 何を将てか仏恩の深さに報答せん

慈悲不瞬諸天眼 慈悲瞬かず諸天の眼

清靜無塵幾地心 清浄塵無し幾地の心

每歳八關蒙九授 毎歳の八関九授を蒙り

慇懃一戒重千金 慇懃なる一戒は千金よりも重し

 

(注2)「法華経方便品第二」「舎利弗当に知るべし 我仏子等を見るに 仏道を志求する者 無量千万億 咸く恭敬の心を以て 皆仏所に来至せり。曾て諸仏に従いたてまつって 方便所説の法を聞けり」

 

(注3)香山寺白氏洛中集記  白居易(白氏文集 巻七十)

白氏洛中集者、楽天在洛所著書也。大和三年春、楽天始以太子賓客分司東都、及茲十有二年矣。其間賦格律詩凡八百首、合為十巻。今納于竜門香山寺経蔵堂。夫以狂簡斐然之文、而帰依支提法宝蔵者、於意云何。我有本願、 願以今生世俗文字之業、狂言綺語之過、転為将来世世讃仏乗之因、転法輪之縁也。十方三世諸仏応知。噫、経堂未滅、記石未泯之間、乗此願力、安知我他生不復游是寺、復覩斯文、得宿命通、省今日事、如智大師記霊山於前会、羊叔子識金鐶於後身者歟。於戯垂老之年、絶筆於此、有知我者、亦無隠焉。大唐開成五年十一月二日、中大夫守太子少傅馮翊県開国侯上柱国賜紫金魚袋白居易楽天記。

(注4)「白氏文集・逍遥歌」「亦此の身、恋ふること莫く、亦此の身、厭ふこと莫し。

此の身何ぞ愛するに足らん、万劫煩悩の根。此の身何ぞ厭ふに足らん、一聚虚空の塵。恋ふることなく、亦厭ふことなし。始めて是れ逍遥の人」

(注5)「三世諸仏の 説法の儀式の如く 我も今亦是の如く 無分別の法を説く。諸仏世に出たもうこと 懸遠にして値遇すること難し たとへ世に出でたもうとも 是の法を説きたもうこと復難し。無量無数劫にも 是の法を聞くこと亦難し。能く是の法を聴く者 斯の人亦復難し。譬ば優曇華の 一切皆愛楽し 天人の希有にする所として 時時に乃し一たび出ずるが如し。法を聞きて歓喜し讃めて 乃至一言をも発せば 則ち為れ已に 一切三世の仏を供養するなり。是の人甚だ希有なること 優曇華に過ぎたり」(法華経方便品第二)

(注6)

十二礼

 

稽首天人所恭敬 阿弥陀仙両足尊

 

在彼微妙安楽国 無量仏子衆囲繞

 

金色身浄如山王 奢摩他行如象歩

 

両目浄若青蓮華 故我頂礼弥陀尊

 

面善円浄如満月 威光猶如千日月

 

声如天鼓倶翅羅 故我頂礼弥陀尊

 

観音頂戴冠中住 種種妙相宝荘厳

 

能伏外道魔驕慢 故我頂礼弥陀尊

 

無比無垢広清浄 衆徳皎潔如虚空

 

所作利益得自在 故我頂礼弥陀尊

 

十方名聞菩薩衆 無量諸魔常讃歎

 

為諸衆生願力住 故我頂礼弥陀尊

 

金底宝間池生華 善根所成妙台座

 

於彼座上如山王 故我頂礼弥陀尊

 

十方所来諸仏子 顕現神通至安楽

 

瞻仰尊顔常恭敬 故我頂礼弥陀尊

 

諸有無常無我等 亦如水月電影露

 

為衆説法無名字 故我頂礼弥陀尊

 

彼尊仏刹無悪名 亦無女人悪道怖

 

衆人至心敬彼尊 故我頂礼弥陀尊

 

彼尊無量方便境 無有諸趣悪知識

 

往生不退至菩提 故我頂礼弥陀尊

 

我説彼尊功徳事 衆善無辺如海水

 

所獲善根清浄者 回施衆生生彼国

 

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