1,いろいろ意に染まないことがあり、いくら祈っても改善の兆しが見えないので最近も「天道是か非か」と言う気持ちが沸々と湧いてきていました。
そいう中で両手足のない中村久子女史が「業の深さが胸のどん底に沁みてこそ、初めて仏のお慈悲が分からせていただけるのです。業の深き身であればこそ真実お念仏が申させていただけるのです。」https://blog.goo.ne.jp/fukujukai/e/c6ff7d8c1ca9266adf3cf7c4435decbf
といい、
・又両手を義父に切断され尼僧になった大石順教尼が「つみぶかく あはす手もなき身をもちて 大師のみことなるぞ 嬉しき」といい、京都山科勧修寺に日本で初めての身障者厚生施設「自在会」を設立、多くの障害者を指導され、73歳で「宗教法人仏光院」を建立、口筆般若心経で日展に入選など八面六臂の大活躍をされたことを思い起こしました。https://blog.goo.ne.jp/fukujukai/e/27461fdf8be7e20ed16047f57113c3ff
これらの例に思いを致すとき、前世からの業を徹底して「懺悔」することの大切さに改めて思い至りました。自分の人生を振り返る時、自分は至らない低下の者だと思っていた時はその後、運気が開けています。逆に成果が出て「自分は成功者だ」などと思いあがっているとそのままではいくら祈ってもお陰は出ませんでした。
2,今でも真言宗をはじめほとんどの宗派で修正會・修二会が行われますが、これは諸仏に懺悔して吉祥を祈る法会です。
典拠と為る経典にも懺悔すれば所願成就とされています。
・「皆當悔過不當覆藏佛語舍利弗。若有善男子善女人。各當日三稽首爲十方現在諸佛作禮。十方諸佛皆以中正迴教天下人。日月所照人民使作善佛 以經道雨於天下。譬如天雨百穀草木皆茂好。佛以經道雨於天下。故生侯王四天王。上至三十三天上豪貴富樂。」(佛説舍利弗悔過經)
・「若し富樂之家に生じ多饒財寶を願ふあらば復た意を發して大乘を修習し、亦應に懺悔して業障を滅除すべし。豪貴婆羅門種刹帝利家及轉輪王に生じ七寶具足せんと欲せば亦應に懺悔して業障を滅除すべし。」(金光明最勝王經卷第三 滅業障品第五。最後に全文あり)
3,今でも毎日各宗派で勤行の最初に懺悔文「我昔所造諸悪業 皆由無始貪瞋痴従身語意之所生 一切我今皆懺悔」(華厳経普賢行願品)を唱えますがこれは実は大変な功徳をもたらすものだったのです。当方もお座なりに唱えていては駄目だと改めて反省しています。
・「懺悔すれば必ず佛祖の冥助あるなり」(修証義)
(参考)「金光明最勝王經卷第三 滅業障品第五」
爾時世尊は正分別に住し、甚深微妙靜慮に入り
身毛孔より大光明を放つ。無量百千の種種の諸色あり。
諸佛刹土は悉く光中に現ず。十方恒河沙の校量譬喩も能く及ぶところにあらず。。五濁惡世は光に照さる。是の諸衆生は十惡業五無間罪を作り三寶を誹謗し尊親に不孝、師長婆羅門衆を輕慢し應に地獄餓鬼傍生に堕す。彼の各は光の所住處に至るを蒙る。是諸有情は斯光を見已り光力によるが故に皆安樂を得、端正姝妙にして色相具足、福智莊嚴し、諸佛を見ることを得たり。是時帝釋・一切天衆及び恒河女神并諸大衆は光の希有なるを蒙りて、皆佛所に至り右遶三匝して退き一面に坐す。
爾時、天帝釋は佛威力を承け、即ち座より起ち偏袒右肩・右膝著地・合掌向佛し佛に白して言さく「世尊よ。云何が善男子善女人は阿耨多羅三藐三菩提を願求し、大乘を修行し、一切邪倒有情を攝受するや。曾って造作する所の業障罪は云何が懺悔し當に除滅することを得べきや」。
佛、天帝釋に告げたまはく「善哉善哉。善男子。汝今修行し無量無邊の衆生の為に清淨解脱安樂を得せしめ、世間を哀愍し一切を福利せん。若し衆生ありて業障によるが故に諸罪を造る者は應當に策勵して晝夜六時に偏袒右肩右膝著地合掌恭敬し一心專念して口に自ら説きて言へ「歸命頂禮。現在十方一切諸佛、已に阿耨多羅三藐三菩提を得たまへる者よ。妙法輪を轉じ、照法輪を持し大法雨を雨ふらし、大法鼓を撃ち、大法螺を吹き、大法幢を建て、大法炬を秉(と)る。諸衆生を利益安樂せんと欲するが為の故に、常に法施を行じ群迷を誘進し大果を得て常樂を證せしめんがための故に、如是等の諸佛世尊は身語意を以て稽首・歸誠・至心禮敬す。彼の諸世尊は眞實慧を以て、眞實眼・眞實證明・眞實平等を以て、悉く一切衆生の善惡の業を知り、悉くこれを見る。我無始生死より以來、惡に随ひて流轉し、諸衆生と共に業障罪を造る。貪瞋癡のために纒縛せられ、未だ佛を識らざる時、未だ法を識らざる時、未だ僧を識らざる時、未だ善惡を識らず、身語意によりて無間罪を造る。惡心にて佛身より血を出し、正法を誹謗し、和合僧を破し、阿羅漢を殺し、父母を殺害す。身三語四意三種行に十惡業を造る。自ら作し他を教へ作を見て隨喜す。諸善人に横に毀謗を生じ、斗秤を欺誑し僞を以て眞と為し、不淨の飮食を一切に施与し、六道中にあらゆる父母更相に惱害し、或は窣堵波物・四方僧物・現前僧物を盗み自在に用ひ、世尊の法律は奉行を樂はず、師長教示は相隨順せず、聲聞獨覺大乘の行者を見ては喜んで罵辱を生じ諸行人をして心に悔惱を生ぜしむ。已に勝るものあるを見ては便ち嫉妬を懷き、法施・財施は常に慳惜を生じ、
無明の覆ところにして邪見惑心なり。善因を修せず惡をして増長せしむ。諸佛所において誹謗を起こし、法を非法と説き、非法を法と説く。如是の衆罪を佛は眞實慧・眞實眼・眞實證明・眞實平等を以て悉く知り悉く見る。我今歸命し諸佛前に対し皆悉く發露す。敢て覆藏せず。未作之罪は更に復た作さじ。已作之罪は今皆懺悔す。所作の業障は應に惡道・地獄・傍生・餓鬼の中、阿蘇羅衆及び八難處に墮すべし。願くは我此生のあらゆる業障皆消滅するを得、あらゆる惡報未來に受けざらんことを。亦た過去諸大菩薩、菩提行を修してあらゆる業障悉く已に懺悔するが如く、我の業障も今亦た懺悔し、皆悉く發露し敢て覆藏せず。已に作す罪は願くは除滅するを得、未來之惡は更に敢て造らざらん。亦た未來の諸大菩薩は菩提行を修しあらゆる業障悉く皆懺悔するが如く、我之業障も今亦懺悔し、皆悉く發露し敢て覆藏せず。已作の罪は願くは除滅することを得、未來之惡は更に敢て造らじ。亦た現在十方世界の諸大菩薩が菩提行を修しあらゆる業障悉く已に懺悔するが如く、我之業障も今亦た懺悔し、皆悉く發露し敢て覆藏せず。已作之罪も願はくは除滅するを得、未來之惡も更に敢て造らじ
善男子よ、是因縁を以て、若し造罪あらば一刹那中も覆藏するを得ざれ。何に況んや一日一夜乃至多時をや。若し犯罪ありて清淨心を欲求せば愧恥を懐き、未來に必ず惡報あるを信じ、大恐怖を生じ、應に如是に懺悔すべし。人の火に頭を燒かれ衣を燒かるれば救うて速滅せしむるが如し。火若し未だ滅せざれば心安きを得ず。若し人、罪を犯すも亦復如是なり。即ち應に懺悔して速かに除滅せしむべし。若し富樂之家に生じ多饒財寶を願ふあらば復た意を發して大乘を修習し、亦應に懺悔して業障を滅除すべし。豪貴婆羅門種刹帝利家及轉輪王に生じ七寶具足せんと欲せば亦應に懺悔して業障を滅除すべし。
善男子よ。若し四天王衆天・三十三天・夜摩天・覩史多天・樂變化天・他化自在天に生まれんと欲するあらば、亦應に懺悔して業障を滅除せよ。若し欲生梵衆・梵輔・大梵天・少光・無量光・極光淨天・少淨・無量淨・遍淨天・無雲・福生・廣果天・無煩・無熱・善現天・善見・色究竟天に生ぜんと欲せば、亦應に懺悔し業障を滅除せよ。若し預流果・一來果・不還果・阿羅漢果を求めんと欲せば亦應に懺悔し業障を滅除せよ。若し三明・六通・聲聞・獨覺自在菩提を願求し究竟地に至り一切智智・淨智・不思議智・不動智・三藐三菩提正遍智者を求めんと欲せば亦應に懺悔して業障を滅除せよ。何以故。善男子よ、一切諸法は因縁より生ず。如來所説の異相生・異相滅と因縁異なるが故に如是に過去諸法皆已に滅盡しあらゆる業障復た遺餘あることなし。是諸行法は未だ現ずるを得ざりしに今生ずるを得、未來の業障は更に復た起らず。何以故。善男子よ、一切法は空なり。如來所説に(いう)我・人・衆生・壽者あることなく、亦た生滅なく亦た行法なし。善男子よ、一切諸法は皆な本に依る。亦不可説。何以故。一切相を過ぐるが故に。若し善男子善女人ありて如是に微妙眞理に入り信敬心を生ぜば、是を衆生無くして本に依ると名く。是の義を以ての故に、懺悔して業障を滅除すと説く。
善男子よ、若し人が四法を成就せば能く業障を除き永く清淨を得る。
云何爲四。
一は邪心を起こさず正念成就す。
二は甚深の理に於いて誹謗を生ぜず。
三は初行菩薩に於いて一切智の心を起こす。
四は諸衆生に於いて慈無量を起こす。
是謂爲四」。
爾時世尊頌を説いて言はく
「專心に三業を護り深法を誹謗せず
一切智の想を作し 慈心にて業障を淨めよ」
「善男子よ、四業障あり。滅除すべきこと難し。云何爲四。
一は菩薩律儀において極重惡を犯す。
二は大乘經において心に誹謗を生ず。
三は自善根に於いて増長すること能わず。
四は三有に貪著し出離心なし。
復四種あり。業障を對治す。云何爲四。
一は十方世界一切如來に至心に親近し、一切の罪を説く。
二は一切衆生の為に諸佛を勸請し深妙法を説かしむ。三は一切衆生所有功徳を隨喜し。
四は所有(あらゆる)一切功徳善根を悉く皆な阿
耨多羅三藐三菩提に廻向す」。
爾時天帝釋白佛言。
「世尊よ、世間の所有男子女人は大乘行に於いて、能く行ずる者あり、行ぜざる者あり。云何が能く一切衆生の功徳善根を隨喜するを得んや」。
佛言「善男子。若し衆生ありて大乘を未だ修習する能わずといへども、然も晝夜六時に偏袒右肩右膝著地合掌恭敬一心專念に隨喜を作す時は福を得ること無量なり。應に是の言を作せよ。『十方世界の一切衆生は現在に施・戒・心慧を修行す、我今皆悉く深く隨喜を生ず』と。如是の隨喜をなす福に依るが故に必ず當に尊重殊勝無上無等最妙之果を獲得すべし。如是に過去未來の一切衆生は所有る善根皆悉く隨喜す。又現在における初行の菩薩、發菩提心の所有る功徳と百大劫を過ぎて菩薩行を行ずる大功徳有ると、無生忍を獲たると、不退轉に至れると、一生補處と、如是の一切功徳之蘊は皆悉く至心に隨喜讃歎す。過去未來の一切菩薩、所有功徳を隨喜讃歎すること亦復如是なり。復た現在十方世界における一切諸佛應正遍知の妙菩提を證し、無邊の諸衆生を度せんが為の故に無上法輪を轉じ無礙の法施を行じ、法鼓を撃ち、法螺を吹き、法幢を建て、法雨を雨らし、一切衆生を哀愍勸化して咸く信受せしめ、皆法施を蒙りて悉く無盡の安樂を充足するを得、又復た所有る菩薩聲聞獨覺の功徳善根を積集す。若し衆生ありて未だ如是の諸功徳を具すせざる者には悉く具足せめて我皆な隨喜せん。如是に過去未來の諸佛菩薩聲聞獨覺所有る功徳、亦皆至心に隨喜讃歎す。善男子よ。如是に隨喜は當に無量功徳之聚、恒河沙の如きを得べし。三千大千世界の所有る衆生は、皆煩惱を斷じて阿羅漢を成ぜん。若し善男子善女人ありて、其形壽を盡くすまで常に上妙の衣服飮食臥具醫藥を以て供養せんに如是の功徳は如前の隨喜の功徳の千分之一にも及ばず。何以故。供養の功徳は數あり量あり。一切諸功徳を攝ぜざるが故なり。隨喜の功徳は無量無數にして能く三世一切の功徳を攝す。是故に、若し人、勝善根を増長せんとことを欲求する者は應に如是の隨喜功徳を修せよ。若し女人ありて、轉女身爲男子を願ふ者は亦應に隨喜
功徳を修習すべし。必ず隨心に現成男子となるを得る。爾時天帝釋白佛言「世尊。已に隨喜の功徳。、勸請の功徳を知る。惟願くは爲に説け。未來一切の菩薩をして當に轉法輪せしめ現在菩薩をして正修行せしめんと欲するが故なり」。佛告帝釋「若し善男子善女人ありて阿耨多羅三藐三菩提を願求する者、應當に聲聞獨覺大乘之道を修行するもの、是人は當に晝夜六時において前の威儀の如く一心に專念し如是の言を作せよ。『我今歸依す、十方一切諸佛世尊の已に阿耨多羅三藐三菩提を得たまへるもの、未だ無上法輪を轉じたまはざるもの、報身を捨てて入涅槃せんと欲したまはざる者、我皆至誠に頂禮し、轉大法輪、雨大法雨、然大法燈、照明理趣、施無礙法、莫般涅槃、久住於世、度脱安樂一切衆生、如前所説乃至無盡安樂を得せしめんことを勧請す。我今此の勸請功徳を以て阿耨多羅三藐三菩提に廻向し、過去未來現在の諸大菩薩の勸請功徳を菩提に廻向するが如く、我亦如是に勸請功徳し無上正等菩提に廻向す。善男子よ、假使、人ありて三千大千世界滿中の七寶を以て如來を供養せんに、若し復た人ありて如來の大法輪を転ぜんことを勸請せば所得の功徳、其福は彼に勝る。何以故。彼は是れ財施。此れは是れ法施なるがゆえなり。善男子。且く三千大千世界七寳の布施を置き、若し人、滿恒河沙數大千世界七寶を以て一切諸佛を供養せんに、勸請の功徳は亦た彼より勝れたり。其の法施に五勝利あるに由る。云何爲五。一は法施は自他を兼ねて利する。財施は爾らず。二は法施は能く衆生をして三界を出しむ。財施之福は欲界を出さず。三は法施は能く法身を清む。財施は但唯だ色を増長す。四は法施は無窮にして財施は有盡。五は法施は能く無明を断ず。財施は唯だ貪愛を伏す。是故に善男子よ、勸請の功徳は無量無邊にして譬喩すべきこと難し。
我がごときは昔菩薩道を行ぜし時、諸佛の轉大法輪を勸請す。彼の善根により是故に今日一切帝釋諸梵王等は我に轉大法輪を勸請す。善男子。請轉法輪は諸衆生を度脱安樂せしめんがための故なり。我往昔において、菩提行の為に、如來久住於世莫般涅槃を勸請す。此の善根に依りて我十力・四無所畏・四無礙辯・大慈大悲を得、無數の不共之法を證得したり。我當に無餘涅槃に入るべきも我正法は世に久住す。我が法身は清淨無比・種種妙相・無量智慧・無量自在・無量功徳・難可思議なり。一切衆生は皆利益を蒙る。百千萬劫も説き盡すこと不能。法身は一切諸法を攝藏す。一切諸法は法身を攝せず。法身は常住なるも常見に堕せず。復た斷滅すと雖も亦た斷見にあらず。能く衆生の種種の異見を破し、能く衆生の種種の眞見を生ず。能く一切衆生之縛を解き縛の解くべきなし。能く衆生に諸善の根本を植へ、未成熟者をして成熟せしめ、已成熟者をして解脱せしむ。無作無動、憒閙(けにょう・みられ騒がしい)を遠離す。寂靜無爲。自在安樂。三世を過ぎて能く三世を現ず。聲聞獨覺之境を出て、諸大菩薩之修行する所なり。一切如來の體は異あることなし。此等は皆な勸請功徳善根力に由るが故なり。如是の法身我今已得。是故。若し阿耨多羅三藐三菩提を得ることを欲する者あらば諸經中において、一句一頌を人の為に解説すべし。功徳善根は尚ほ無限量なり。何況、如來に大法輪を転じ世に久住して般涅槃すること莫れと勸請するをや。時に天帝釋、復た佛に白して言さく「世尊よ、若し善男子善女人、阿耨多羅三藐三菩提を求めんが為の故に三乘道の所有る善根を修して云何が一切智智に廻向するや」。佛告天帝「善男子。若衆生ありて菩提を求め三乘道を修して所有あらゆる善根を願ふて迴向せんと欲する者は、當に晝夜六時に慇重至心に如是の説を作せ。『我無始生死より以來、三寶の所において修行し成就せるあらゆる善根乃至傍生に施與せし一搏之食、或は善言を以て和解せる諍訟、或は三歸及諸學處を受け、或は復た懺悔勸請隨喜せる所有る善根、我今作意し、悉く皆攝取し、一切衆生に廻向し悔悋心無し。是れ解脱分の善根所攝なればなり。
佛世尊之知見する所は不可稱量にして無礙にして清淨なり。
如是に所有る功徳善根は悉く以って一切衆生に廻施し、不住相心・不捨相心なり(自身・果報・空見に執着しない)。我亦如是の功徳善根を以て悉く一切衆生に迴施す。願くは皆な如意之手を獲得し、空を撝ふりて寶を出し衆生願を満たし富樂無盡・智慧無窮・妙法
辯才悉皆無滯ならん。諸衆生と共に同じく阿耨多羅三藐三菩提を証し、一切智を得ん。此善根により更に復た無量善法を出生し亦た皆な無上菩提に廻向せん。又過去諸大菩薩の修行之時の如き功徳善根は悉く皆な一切種智に迴向す。現在未來亦復如是。然るに我所有る功徳善根は亦た皆な阿耨多羅三藐三菩提に迴向す。是の諸善根を以て願くは共に一切衆生倶成正覺し、如餘の諸佛、道場菩提樹下に坐し、不可思議無礙清淨にして無盡法藏陀羅尼首楞嚴定に住し、魔波旬の無量兵衆を破り、見覺知すべく通達すべきもの、如是の一切は一刹那中に悉皆照了す。後夜中において甘露法を獲て甘露義を証するが如く、我及衆生、願くは皆同く如是の妙覺を證せんこと、猶ほ無量壽佛・勝光佛・妙光佛・阿閦佛・功徳善光佛・師子光明佛・百光明佛・網光明佛・寶相佛・寶焔佛・焔明佛・焔盛光明佛・吉祥上王佛・微妙聲佛・妙莊嚴佛・法幢佛・上勝身佛・可愛色身佛・光明遍照佛・梵淨王佛・上性佛の如くならん。
如是等の如來應正遍知は過去未來及以現在に應化を示現し阿耨多羅三藐三菩提を得て無上
法輪を転ず。衆生を度せんが為に我亦た如是ならん」と』廣説如上。
善男子よ、若し淨信の男子女人ありて此金光明最勝王經滅業障品を受持讀誦憶念不忘、他の為に廣説せば無量無邊の大功徳聚を得る。譬ば三千大千世界の所有る衆生、一時に皆な人身を成就するを得、人身を已おわりて獨覺道を成ぜんに若し善男子善女人ありて盡其形壽恭敬尊重四事供養し一一獨覺に各七寶を施すこと須彌山の如くし、此諸獨覺入涅槃後には皆な珍寶を以て起塔供養し其塔高廣十二瑜繕那、諸花香寶幢幡蓋を以て常に供養を為すが如し。善男子よ、意において云何。是人の所獲功徳は寧ほ多となすや不や」。
天帝釋言「甚だ多し。世尊」。「善男子よ、若し復た人
ありて此金光明微妙經典衆經之王滅業障品において
受持讀誦・憶念不忘・爲他廣説せば所獲の功徳にたいし前の所説の供養功徳は百分一に及ばず。百千萬億分乃至校量譬喩の能く及ばざるところなり。何以故。
是善男子善女人は正行中に住し、十方一切諸佛に轉無上法輪を勸請せば、皆な諸佛に歡喜讃歎せらるる故なり。善男子よ、我が所説の如き、一切施中に法施を勝れたりとなせばなり。是故に善男子よ、三寶所において諸供養を設けんも比となすべからず。勸て三歸を受けしめ、一切戒を持し、毀あることなく、三業空しからざるも比となすべからず。一切世界の一切の衆生は力に随ひ能に随ひ願樂する所に随ひて、三乘中に菩提心を勸發するも比となすべからず。三世中において一切世界のあらゆる衆生は皆な無礙を得、速かに無量功徳を成就せしめんも比となすべからず。三世刹土の一切衆生、無障礙にして三菩提を得せしめんも比となすべからず。三世刹土の一切衆生、勸て速かに四惡道の苦を出でしめんも比となすべからず。三世刹土の一切衆生、勸て極重惡業を除滅せしめんも比となすべからず。一切苦惱勸て解脱せしめんも比となすべからず。一切の怖畏苦惱逼切、皆な得脱せしめんも比となすべからず。三世佛前の一切衆生の所有る功徳を勸て隨喜し菩提願を發せしめんも比となすべからず。勸て惡行罵辱之業を除き一切功徳、皆な成就を願ひ、所在の生中に一切三寶を勸請供養尊重讃歎し、衆生を勸請し福行を淨修し菩提を成滿せしめんも比となすべからず。是故當知。一切世界三世三寶を勸請し、滿足六波羅蜜を勸請し、於無上法輪を轉ぜんことを勸請し、世に住すること無量劫を経て無量甚深妙法を演説せんことを勧請するは、功徳甚深にして能く比する者なし。
爾時、天帝釋及恒河女神・無量梵王・四大天
衆は座より起ち、偏袒右肩右膝著地、合掌頂
禮して佛に白して言さく「世尊。我等皆是の金光明最勝王經を聞くを得、今悉く受持・讀誦・通利・爲他廣説し此法に依りて住せん。何以故。世尊。我等阿耨多羅三藐三菩提を求めんと欲し、此義種種勝相に隨順し、如法に行ずるが故なり」。爾時、梵王及天帝釋等は説法處において皆な種種の曼陀羅花を以て佛上に散じ、三千大千世界の地は皆な大動す。一切の天鼓及び諸音樂は鼓たざるに自鳴し、金色光を放ち、世界に遍滿して妙音聲を出す。時に天帝釋白佛言「世尊。此等皆是金光明經威神之力なり。慈悲普く救ひ種種に利益す。種種に菩薩善根を増長し、諸業障を滅す」。佛言「如是なり如是なり。汝の所説のごとし。何以故。善男子。我往昔を念ふに無量百千阿僧祇劫を過ぎて佛有り、名て寶王大光照如來應正遍知といふ。世に出現し、世に住すること六百八十億劫なり。爾時、寶王大光照如來は、人・天・釋・梵・沙門・婆羅門・一切衆生を度脱し安樂ならしめんと欲するが為の故に、當に出現時初會説法に百千億億萬衆を度して皆な阿羅漢果を得しむ。諸漏已に盡き三明六通自在無礙なり。第二會において復た九十千億億萬衆を度し、皆阿羅漢果を得しめ諸漏已に盡き三明六通自在無礙なり。第三會において復た九十八千億億萬衆を度す。皆阿羅漢果を得、圓滿なること上の如し。
善男子よ、我爾時において女人身となり、福寶光明と名く。
第三會において世尊に親近し是の金光明經を受持讀誦し他のために廣説し、阿耨多羅三藐三菩提を求む。この故に時に彼の世尊は我為に授記す。「此の福寳光明女は未來世において當に佛と作るを得て、釋迦牟尼如來應供正遍知明行足善逝世間解無上士調御丈夫天人師佛世尊と號すべし」と。女身を捨てて後、是より以來、四惡道を越え人天中に生じ上妙樂を受け、八十四百千生に轉輪王と作り、今日に至り成正覺を得て、名稱普く聞へて世界に遍滿す」。
時に會の大衆、忽然として皆な寶王大光照如來が無上法輪を轉じて微妙法を説くを見る。「善男子。此の索訶世界を去りて、東方百千恒河沙數佛土を過ぎ世界あり、寶莊嚴と名く。其寶王大光照如來は今現に彼に在し、未だ般涅槃せず。微妙法を説きて群生を廣化す。汝等見者は即ち是れ彼の佛なり。善男子。若し善男子善女人ありて、是の寳王大光照如來の名號を聞く者は、菩薩地において不退轉を得て大涅槃に至る。若し女人ありて是の佛名を聞く者は臨命終時に彼の佛其所に來至するを見ん。既に見佛已らば究竟じて復更に女身を受けじ。善男子。是の金光明微妙經典は種種に利益し、種種に菩薩善根を増長し、諸業障を滅す。善男子。若し苾芻・苾芻尼・鄔波索迦(優婆塞)・鄔波斯迦(優婆夷)ありて隨って何處にあらんも、人のために是金光明微妙經典を講説せば、其國土において皆な四種の福利善根を得ん。云何爲四。一は國王無病にして諸災厄を離る。二は壽命長遠にして障礙あるなし。三は諸怨敵なく兵衆勇健なり。四は安隱豐樂にして正法流通す。何以故。如是の人王は常に釋梵四王藥叉之衆のために共に守護せらるるが故なり。」
爾時世尊天衆に告げて曰く、「善男子。是事實なりや不や」。是時、無量の釋梵四王及藥叉衆は倶時に同聲に世尊に答へて言く「如是なり如是なり。若し國王ありて此妙經王を講宣讀誦せば、是の諸國主を我等四王は常に來りて擁護し行住共に其王と倶にせん。若し一切災障及諸怨敵あらば、我等四王皆消殄せしめ憂愁疾疫亦除差せしめ壽命を増益し禎祥を感應せしめ所願遂心し恒に歡喜を生ぜしめん。
我等亦た能く其國中所有る軍兵を悉く皆な勇健ならしめん」。佛言く「善哉善哉。善男子。汝所説の如く汝當に修行すべし。何以故。是の諸國王如法に行ずる時は一切の人民は王に隨ひて如法に行を修習せん。汝等皆色力勝利を蒙り、宮殿光明眷屬強盛ならん」。時に釋梵等白佛言「如是なり世尊」。佛言「若し此妙經典を講讀するあらば流通之處、其國中において大臣輔相に四種益あり。云何爲四。一は更に相親穆尊重愛念す。二は常に人王に愛重せられん。亦た沙門婆羅門、大國小國之所遵敬せられん。三は財を輕んじ法を重んじ世利を求めず嘉名普く曁および衆の欽仰するところとなる。四は壽命延長安隱快樂ならん。是を四種の利益と名く。若し國土ありて是經を宣説せば、沙門婆羅門は四種の勝利を得る。云何爲四。
一は衣服飮食臥具醫藥乏少あうるところなし。二は
皆安心を得、思惟讀誦せん。三は山林により安
樂住を得ん。四は隨心所願皆な滿足を得ん。是を四種勝利と名く。若し國土ありて是經を宣説せば一切人民皆な豐樂を得て諸疾疫無く商估は往還に寶貨を多獲し勝福を具足す。是を種種功徳利益と名く。
爾時、梵釋四天王及諸大衆、白佛言「世尊。如
是經典の甚深之義は若し現在せば當に知るべし、如來三十七種助菩提法は世に住して未だ滅せずと。若し是の經典滅盡之時は正法も亦た滅せん」。佛言「如是なり如是なり。善男子。是故に汝等、此金光明經の一句一頌一品一部、皆な當に一心に正しく讀誦し、正しく聞持し、正しく思惟し。正しく修習し、諸衆生のために廣宣流布せば長夜に安樂に福利無邊ならん」。時に諸大衆は佛説を聞き已りて咸く勝益を蒙り歡喜受
持せり。
(金光明最勝王經卷第三終わり)