福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

前陸奥守安大夫華山寺に於いて法華経を講ずる願文(道真公)

2023-04-23 | 諸経

前陸奥守安大夫(安倍貞行)華山寺に於いて法華経を講ずる願文

 

「弟子従四位安倍朝臣貞行、敬って妙法蓮華経一部を写し奉る。即華山寺に於いて高僧を禮請し妙義を演説す。二十三日より二十六日に至る朝夕八座、三尊を敬禮す。今日也。先孝過去の夕は此の寺也。弟子帰依の地、發意由あり。宿縁すでに結ぶ、弟子先に外吏と為りて平生念を作す。三七五七、四十九日、善功徳事、逆修並に畢りぬ。今此の大乗経を荘厳し便ち周忌追福に充つ。弟子仁ならず智ならず、業障老因の為に財無く貨無し。是清貧の家主、縦へ年満ち老至り、気絶へ命終る。則ち冥途督過の意有り。家胤贖罪に資する無し。是の故弟子官禄の餘豊を割きて公俸の贖足に乗ず。帰命頂礼、恭敬供養。仰ぎ願はくは三世の尊者、一乗の妙典、弟子が至心を哀聴し弟子の本願を護念したまへ。修る所の善功、孝妣の尊霊に翊奉り、生生劫劫恒に抜済を得て七世の父母六親眷属、十方世界、四大海中、毎各願に随い幽明共に利せんことを。」

 

注。これは貞観18年(876)4月23日には前陸奥守安倍貞行が法華経一部を書写し、華山寺にて僧を屈請して法華経を講じた時の願文を菅原道真公が代筆されたもの。

安倍貞行(父は大納言・安倍安仁)は摂津守・上野介・陸奥守などを歴任。貞観十五年十二月二十三日陸奥守として在任中の三事の起請(蝦夷への爵位の与え方等)をしています。(三代実録)

華山寺は元慶寺のこと。今も京都市山科区北花山河原町にある天台宗の寺院。山号は華頂山。本尊は薬師瑠璃光如来。西国三十三所番外札所。花山天皇出家の御旧跡。

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