福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

佛説佛頂尊勝陀羅尼經

2019-09-03 | 諸経
佛説佛頂尊勝陀羅尼經
 大唐三藏沙門義淨奉制譯 
如是我聞。一時薄伽梵、室羅筏城(シーラバートゥ・舍衛國)逝多林給孤獨園(ジェータリン・ぎっこどくおん)に在しき。大苾芻衆千二百五十人、菩薩摩訶薩萬二千人と倶なりき、爾時、三十三天善法堂會(俱舍論十一に「須弥山の外、西南角に善法堂有り,三十三天時に彼に集まり、如法・不如法の事を論ず。」)に一天子あり、名て曰く善住。諸大天并びに諸天女前後を圍遶し勝尊貴を受ける。種種天樂を歡娯遊戲し共に相娯樂し諸快樂を受く。爾時、善住天子、其夜分において聲言あるを聞く。「善住天子は却って七日の後、決して命終せんとす。此に於いて沒して後に贍部洲に生まる。便ち七返傍生の身を受け、次に地獄苦を受け地獄より出る。希に人身を得ても生貧は賤家なり。處して母胎において即ち兩目なし」。善住天子、此聲を聞き已りて身毛皆竪ちて大怖懼を生ず。愁憂して樂しまず惶怖計るなし。即便ち速疾に天帝釋所に往詣し悲號啼哭、天帝の二足尊を頂禮し已って帝釋に白して曰さく「惟だ願くは天尊、我が所説を聽きたまへ。我れ天女と共に相圍遶し、快樂を受る時、聲言有るを聞く。『善住天子は却って後七日、命將に終らんとす、命終の後は贍部洲に生まれ、便ち七返傍生の身を受く。次に地獄苦を受け地獄より出る。希に人身を得ても貧賤家に生まれる。母胎中にありて即ち兩目なし。』我斯語を聞き惶怖計るなし。云何ぞ我をして斯苦を免れ得るや」。
爾時、天帝釋は善住天子の語るを聞き已り、甚だ大に驚愕し諦想思惟す。此之の善住何ぞ七返惡趣之身を受け、須臾に靜住して注想諦觀す。便ち善住を見るに當に七返惡趣之身を受く。所謂、猪狗・野干・獼猴・蟒蛇(うわばみ)烏鷲(うろ・カラスとサギ)等の身なり。諸の穢惡不淨之物を食す。爾時、帝釋は善住天子が當に七返惡趣身に墮し已るを觀る。極めて軫念(しんねん・憂う)愁憂苦惱身心を痛貫す。諦思するに何ぞ計らん、何ぞ歸依するところや。誰か能く覆護して斯る苦を免るを得しむ。復た是念を作す、唯だ如來應正等覺大慈悲父ありて、其の善住をして斯る苦を免ぜしむ耶。」爾時、帝釋是の念を作し已り、初夜分において種種華天妙衣服を以て自ら莊嚴し、花香を執持して逝多林に往く。世尊の所に詣でて恭敬供養し雙足を頂禮して七匝遶両已って長跪合掌して佛に白して言さく、「善住天子、聲言有るを聞く。却後七日して命終し七返傍生惡趣之身を受く。此語を聞き已りて極めて憂苦を懷き心に痛貫す。世尊、大慈をもって哀愍利益し云何が斯の苦を免ずることを得るや耶」。
爾時、世尊、此語を聞き已りて即便ち微笑して其頂上において種種光を放ち三千大千世界を遍照し還りて佛所に至る。若し佛世尊が過去事を説けば光は背より入る。若し未來事を説けば光は胸より入る。若し地獄事を説けば光は足下より入る。若し傍生事を説けば
光は足跟より入る。若し餓鬼事を説けば光は足指より入る。若し人事を説けば光は膝より入る。若し力輪王事を説けば光は左手掌より入る。若し轉輪王事を説けば光は右手掌より入る。若し天事を説けば光は臍より入る。若し聲聞事を説けば光は口より入る。若し獨覺
事を説けば光は眉間より入る。若し阿耨多羅三藐三菩提事を説けば光は頂より入る。是時、光明還って佛所に至り仏を遶って三匝し佛口より入る。爾時、世尊は帝釋に告げて曰く、「天帝よ、陀羅尼あり。名て如來佛頂尊勝と為す。能く一切惡趣生死の苦惱を淨む。又能く一切地獄琰摩王界傍生之苦を淨除す。又一切地獄之業を破し善道に迴趣す。天帝よ、此の佛頂尊勝陀羅尼は不可思議にして大神力あり。若し復た人ありて一經を耳にすれば、先世に所造の一切惡業悉く皆な消滅し當に清淨勝妙之身を得る。隨所生處に憶持して忘れず、一佛土より一佛土に至り、一天界より一天界に至り、乃至三十三天を遍歴しても、所生之處で憶持し忘れざれば、復た次の天帝、若し人終らんと欲して須臾に此陀羅尼を憶念せば増壽を還得す。
身口意淨くして亦た苦痛なし。其福利に隨って悉く安隱を蒙る。亦た一切如來の瞻視するところ、一切天神の常に侍衞するところ、人の敬重して惡障消除するところ、一切菩薩の同く覆護するところなり。若
し男子女人ありて、須臾も此陀羅尼を讀誦持する者は當に知るべし此人所有の三惡道苦は破壞消滅し遺餘あることなし。諸佛淨土及び諸天宮は一切菩薩甚深行願にして隨意に遊入すること悉く無障礙なり」。
是時、帝釋は一心に樂聞す。爾時、薄伽梵は帝釋の心の所念を觀察し、大慈悲心を以て是陀羅尼法を説く。即説呪曰
「ノウボバキャバテイ タレイロキャ ハラチ ビシュダヤ ボダヤバキャバテイ タニヤタオン ビシュダヤビシュダヤ アサマサマサンマ サンマンダババシャ ソハランダギャチギャガノウ ソハハンバビシュデイ アビシンジャトマンソギャタバラバシャノウ

アミリタビセイケイ マカマンダラハダイ アカラアカラ アユサンダラニ シュダヤシュダヤ ギャギャノウビシュデイ ウシュニシャビジャヤ ビシュデイ サカサラアラシメイ サンソジテイ サラバタタギャタ バロキャニ シャタハラミタハリホラニ サラバタタギャタ キリダヤ ジシュタナウジシュチテイ マカボダレイ バザラキャヤ ソワガタナウ ビシュデイ サラババダダバヤ ドラギャチハリビシュデイ ハラチニバリタヤ アユシュデイ サンマヤジシュチテイ マニマニマカマニ タタタボタクチハリシュデイ ビソホタボウジシュデイ ジャヤジャヤビジャヤビジャヤ サンマラ サンマラ サラバボダジシュチタシュデイ バジリバザラギャラベイ バザランババトママシャリラン   
サラバサトバンナン シャキャヤハリビシュデイ サラバギャチハリシュデイ サラバタタァギャタン シッシャメイ サマジンバサエンドウ サラバタタギャタ サマシンバサ ジシュチテイ ボウジヤボウジヤ ビボウジャビボウジャ ボウダヤボウダヤ

ビボウダヤビボウダヤ サンマンダ ハリシュデイ
サラバタタギャタ キリダヤ ジシュタノウ ジシュチタ マカボダレイ ソワカ」


爾時、世尊此陀羅尼を説き已り、帝釋に告げて曰く、「此陀羅尼印は名て淨除一切惡趣佛頂尊勝陀羅尼法という。
亦能く一切罪業等障を除滅し、能く一切穢惡道苦を浄む。天帝よ、此陀羅尼は八十八弶伽沙(恒河沙のこと)倶胝百千諸佛、同く共に宣説し隨喜受持す。大日如來智印を以て爲に一切有情三惡趣網を破し、爲に一切地獄傍生琰摩王界之所有情をして解脱を得しむ。衆苦逼迫し生死海に墮す有情をして解脱を得せしむ故に。亦た短命薄福にして現に無救護の衆生、樂造雜染惡業の有情をして饒益を得せしむ故に。此陀羅尼は贍部洲において住持力の故に。又、邪見にして善惡不信、三惡趣中に種種に流轉し生死苦惱し薄福なる有情の正路を迷失せるものをして如是等の類に益を蒙らざることなきがゆえに。擔じて悉く衆苦を解脱せしむ。
重ねて佛、天帝に告げたまう、「我今此陀羅尼を宣説し汝に付囑せり。汝當に善住天子に授与し、其をして受持讀誦思惟愛敬供養憶持して忘ることなからしめよ。亦た贍部洲中一切有情をして。此陀羅尼の利益無量なることを廣宣流布せよ。亦た一切諸天子等の為に、此大陀羅尼印を説いて汝に付囑す。天帝よ、汝當に正意憶持勤加守護して忘失せしむ勿れ。復次に天帝よ、若し復た人ありて須臾も此陀羅尼を聞くを得ば、千劫已來積集の重障惡業之罪は應に種種生死流轉を受けるも、地獄・餓鬼・傍生・琰摩王界・阿蘇羅身(阿修羅)・藥叉・鬼神・布單那(餓鬼中福最勝の鬼)・羯吒布單那(極臭鬼)・阿波娑摩囉・蚊・虻・亀・狗・蟒蛇等の身、一切諸鳥及諸猛獸・一切有情乃至蟻子之身、更に重ねて受けず便ち轉生するを得、諸佛世尊一生補處菩薩と同會一處なり。或は大姓婆羅門家に生れることを得る。或は刹帝利種及び豪貴最勝家に生れることを得る。天帝よ、此の人身等の如上の勝處に生れる者は皆此の陀羅尼を聞くによる故なり。隨所の生處は皆清淨勝妙之身を得る。天帝よ、如是の果報乃至菩提最勝之處は皆此の陀羅尼殊勝功徳を讃歎するによる。天帝よ、此陀羅尼の名は吉祥と為す。何を以っての故にといえば能く一切三惡道を除く故なり。此の佛頂尊勝陀羅尼は猶ほ日藏摩尼之寶の如し。淨無瑕翳なること猶し虚空のごとし。光焔照徹して周遍せざるなし。若し諸有情淨心に此陀羅尼を持つ者は亦復た是の如し。善好明淨柔軟にして人をして喜見せしむるがごとし。穢惡之所に染著せず。亦た蓮華の如く飛塵不染なり。天帝よ、此陀羅尼を持す者は亦復た如是なり。此淨業に乗りて必ず善趣に生ず。天帝よ、此陀羅尼は隨所方處。若し能く如是に書寫・受持・聽聞・讃誦・恭敬供養する者は一切惡道皆清淨なることを得、諸地獄苦は速ち能く消滅す。
天帝よ、若し男子女人ありて、此陀羅尼を書寫し高幢上に安んじ、或は高山に安んじ或は樓臺に置き、乃至窣堵波中に安置せば、天帝よ、若し苾芻・苾芻尼・鄔波索迦(upāsaka近事男)鄔波斯迦(upāsikā近事女)族姓男女ありて幢等の前に於いて或は時に遙見し、或は與相に其影映身にちかずき、或は復た風が陀羅尼等を吹き、幢上の輕塵が在身に落ちる者は、天帝よ、彼の諸衆生有する所の罪業、應に惡趣地獄餓鬼傍生琰摩王界阿蘇羅身に堕すべき衆惡之苦は皆な悉く不受なり。亦復た罪垢染汚せず。天帝よ、此等有情一切諸佛の授記するところなり。皆な阿耨多羅三藐三菩提において不退轉を得る。天帝よ、何ぞ況んや、更に種種の華鬘・塗香・末香・幢幡・花蓋・衣服・瓔珞を以て諸妓樂種種莊嚴を作し、四衢道において窣堵波を造り陀羅尼を安置し合掌恭敬し、旋遶周行歸命禮拜せんをや。天帝よ、彼の人、能く如是に供養する者を名けて摩訶薩埵という。是真の佛子にして持法の棟梁なり。又是の如來全身舍利窣堵波塔は爾時の琰摩法王、夜初分に來詣する佛所なり。種種の妙衣・種種華香・塗香・末香・栴檀・沈水を以て恭敬供養し仏を遶ること七匝、雙足を禮し已って是の言を作す、「我れ如來が大力陀羅尼法を演説するを聞き、功徳不可思議を讃持す。世尊の大慈は
罪苦の衆生を憐愍利益す。世尊よ、我常に隨逐守護し持者をして地獄に墮せしめず。彼れ如來言教に隨順するを以て之を護念す。爾時、護世四大天王は仏を遶ること三匝して一面に立つあり。佛に白して言さく「世尊よ、唯だ願くは如來重ねて我等がために陀羅尼
法を廣説したまへ」。爾時、世尊は四大天王につげて曰く、「汝等諦聽せよ、我當に汝の為にこの陀羅尼法を説く。亦た短命の諸有情の為に説く。若し受持せんと欲せば當に淨く洗浴し新淨衣を著し、白月よりはじめて一日乃至圓滿して十五日時、齋戒して一心に陀羅尼を誦すること其千遍に滿れば、短命者をして命を還って増續せしめ、病苦を永離し、一切業障悉く能く消滅し、一切地獄之苦・一切鳥獸乃至有命之類は此の陀羅尼の聲を耳に一び經るを聞けば、盡く此身は已更に復た一切衆苦を受けず。佛言く「若し復た人有って
忽ちに惡病衆苦逼迫に遇ひ、此陀羅尼を聞く者は即ち
一切惡病を永離し衆苦は消滅することを得る。若し應に惡道に墮在しても亦た解脱することを得、即得に妙喜世界に往生す。此身を盡して已後は更に胞胎之身を受けず。所在の處に蓮花化生す。其の生れるところに随って常に宿命を得て憶持不忘なり。
佛言く、「若し復た人ありて、先に造るところの一切極重業已遂して即ち命終せんに、此惡業によって應に地獄に墮し、或は傍生・琰摩王界・餓鬼之趣に墮し、乃至捺洛迦中に墮在し、或は水中に生れ、或は禽獸種種之身となるとき、其亡者の隨身分骨を取り、淨き土を一把、陀羅尼呪の二十一遍を以て、骨上に散ずれば、亡者は生天す」。
佛言く「若し人、常に能く日日此陀羅尼を誦し
二十一遍に滿れば、應に一切世間を消し殊勝供養し往生極樂世界に捨身す。若し常に誦念すれば復た壽命を増し諸快樂を受く。此身を捨て已って種種の微妙諸佛刹土に即得往生す。常に諸佛と倶會一處なり。一切如來常に爲に微妙の法を演説し、一切諸佛菩提授記し、身光は一切刹土を照曜し乃至無上涅槃を獲得す。
復た次に若し此陀羅尼法を其佛前において誦し、先に取るところの淨土で作壇し、其大小正方に随って作り、種種草花を以て壇上に散じ、衆の名香を焼いて雙膝を地に著し或は時に蹲踞し、心に常に佛を念じ陀羅尼印を作慕せよ。先ず頭指を屈し大拇指を以て押せ。然後に心にあて合掌。陀羅尼を誦すること一百八遍に滿てよ。其壇中において猶ほ雲王の種種花を雨ふらすが如く。能く遍じて八十八倶胝弶伽沙(恆河沙)數那庾多百千諸佛を供養せよ」。彼佛世尊咸共に讃じて言く、「善哉善哉、此希有なり眞是佛子となす。無障礙智三昧及菩提心莊嚴三昧を證得す。此陀羅尼を持する者は應に如是に佛言を作す。天帝、我善巧方便を以て若し一切衆生ありて應に地獄に墮せんとするとき即ち解脱せしむ。一切惡道亦た清淨にして消滅無餘ならしむ。復た持者をして増益壽命ならしむ。天帝よ、汝今將に我が陀羅尼法を善住天子に授與し、即ち持誦すること滿七日を已せよ。汝善住と倶に來って我を見るべし」。
爾時、天帝釋は世尊の前において、親しく陀羅尼法を受け奉持憶念して本宮に還り、善住天子に授與す。爾時善住天子此陀羅尼法を受得し已って滿六日六夜依法受持し一切願を滿ず。先に應に受るところの彼の一切惡趣之苦を即時解脱し菩提分に住し増益壽命す。無量福業は應時雲集す。慶悦無量にして高聲に唱えて言く「希有なり如來斯妙法を説く。希有なり甚大難量を明驗す。大慈世尊は能く我等及諸有情の為に此神呪を説き、我をして惡趣之苦から解脱せしむ」。爾
時、天帝釋七日已るに至って善住天子及諸天衆とともに花鬘を嚴飾し齎しく妙香寶幢幡蓋天衣瓔珞を以て
微妙に荘厳し、佛所に来敬し 供養しおわりぬ。
天妙衣及諸瓔珞を以て世尊に奉上し遶ること百千匝。踊躍歡喜して一面にありて坐す。尊容を瞻仰し目て未だ曾って捨てず。爾時世尊金色臂を舒べて、便ち百福莊嚴衆相を以て無畏右手を具足す。善住天子の頂を摩して爲に説法して菩提の記を授く。佛善住天子に告げて曰く、「此陀羅尼印を名けて淨除一切惡趣佛頂尊勝陀羅尼となす。汝應に授持せり。」
爾時、善住天子及び天帝釋・諸來天衆・一切大
會は佛説を聞き已って皆大歡喜し信受奉行せり。

佛説佛頂尊勝陀羅尼經
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 福聚講、今日の言葉 | トップ | 「十善法語」その3 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

諸経」カテゴリの最新記事