12月8日はお釈迦様のお覚りの日です。
お釈迦様は仏陀伽邪で35歳の12月8日未明、明星をみて悟りを開かれました(注1)。わたしも四国太龍寺で求聞持を行じたとき明け方の空にあかあかと明星が昇ってくるのを拝せたときは本当に有難い気持ちになりました。「註華嚴法界觀門 」等には此の時お釈迦様は「奇なるかな奇なるかな一切衆生は如來智慧徳相を具有す、但だ妄想執著を以ての故に見ず・・」とおっしゃったといわれます。これは「一切衆生悉有仏性」のことをおっしゃったのでしょうが、一般的にはこのときのお悟りは中道、縁起、四聖諦、八正道の四つの真理から成り立っているとされます。佛本行集経成無上道品第十三では、四禅を証され、三明六通を得、十二縁起を覚られたとします。そして「第四夜の後分において明星まさにはじめて出現せんと欲するとき、・・・このとき婆伽婆、即ち智見を生じて阿耨多羅三藐三菩を成じたまふ。・・・そのとき衆生は瞋等なく衆苦を滅して大快楽を受け酒酔狂癲は本性を得、一切おそるるものみな安きを得たり。」書いています。
注1)普曜経「明星出時廓然大悟。得無上正真道。為最正覺。」
佛説太子瑞應本起經「明星出時。廓然大悟。得無上正真之道。」
佛本行集経「爾時如來於彼後夜明星出時。得成阿耨多羅三藐三菩提已。於時世間自然而有最大光明。地六種動」などとでてきます。
大慧普覺禪師普説には有名な「初在正覺山前。舉頭見明星出現。忽然悟道。遂乃歎曰。奇哉一切眾生具有如來智慧相。」との文があります。
道元禅師も「渓声山色の功徳によりて、大地有情同時成道し、見明星悟道す」(『正法眼蔵渓声山色』)。「瞬目とは、樹下に打坐して明星に眼睛を換却せしときなり。このとき摩訶迦葉、破顔微笑するなり。」『正法眼蔵優曇華』)と書いておられます。
このお覚りの内容をもとめて古今東西の高僧が修行に励まれたのですがいずれにせよさきの佛本行集経にあるようにすべて苦悩する衆生を助けてやりたいという火のようなおこころがその動機なのです。
以前、釈尊成道の地ブッダガヤに参拝に行きました。ブッダガヤの大菩提寺には53mの大塔があり、入り口で靴を脱ぎ裸足で参拝します。塔の中の金色のお釈迦様めがけて各国の参拝者で行列ができています。裏手には何代めかの菩提樹の下にお釈迦様成道の時お座りに成っていたと言われる金剛座が置かれていました。以前は自由にこの上で瞑想できたそうですが例のオウムの事件以来枠でかこってありました。今では懐かしい思い出です。以前こういうところに当時の記録を載せていました。』