実語教(傳、弘法大師作、寺子屋等で使用。「実語教註慈賢(鎌倉時代の天台座主)」「実語教諺解(覚賢慧空)」等より解説)解説・・・12
・父母は天地の如く、 師君は日月の如し。(孝経に「周公丹も周の始祖后稷を祀りて天に配せり」。易にいう、「乾は天なり、故に父と称す、坤は地なり、ゆえに母と称す」。楊氏法言の孝至父の篇に「父母は子の天地か、天無くば何か生ぜん、地なくば何か成ぜん」。李䡄りきが註に「天は形を懸け、地は形を載す、父は気を受け、母は化成す」。淮南子精神訓に「天を以て父とな3地を以て母と為す、陰陽を綱と為し四時を紀と為す」。雑寶蔵経に「父母の恩重き事猶天地の如し、懐抱十月」。班固云う「其れ天地に君たることは之をてらすこと日の如く、之に威あること神の如し」。六韜盈虚篇に「百姓其の君を戴くこと日月の如く、其の君を親すること父母の如し」。雑宝蔵経巻六に「王者は日の如く世間を照らし、王者は月の如く物に清涼を与ふ」
・親族はたとへば葦の如く、 夫妻はなほ瓦の如し。(書言故事大全巻二に親戚の類を見れば、親類を葭莩かふの類という事、漢中山せい王の言葉より出でたるよしあり。註に葭は葦なり、莩はその皮の至りて白きもの也とあり。此の故事に依れば父母師君の他のあらゆる一門一族などは葦の皮の薄き如くそさうなるものぞ、と也。また葦の如しとは多く茂れることをいう。瓦の如し、とは卑下の言葉。)
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