実語教(傳、弘法大師作、寺子屋等で使用。「実語教註慈賢(鎌倉時代の天台座主)」「実語教諺解(覚賢慧空)」等より解説)解説・・・13
・父母には朝夕に孝せよ、 師君には昼夜に仕へよ 。(群書拾唾(ぐんしょしゅうだ・明張九韶編)に、「親に仕える、師に仕える、君に仕える、この三つを三事という」。国語晋語の篇に「樂共子がいわく『民は三に於いて生る、之に事ること一の如し、父之を生み、師之を教え、君之を食う』」。宝蔵経に「父母に孝事すれば天主帝尺汝が家の中にいます、又よく孝を行ずれば大梵尊天汝が家中に居す。またよく孝を尽くせば尺迦文佛汝が家の中に在す」。四十二章経に「一億の羅漢、百億の支佛に施さんよりは三尊の教えを以て一世の父母に度せむには如かず」。孝経に「孝は人の高行なり」「天地の性、人を貴となす、人の行は孝行より大なるはなし」。後漢書に「孝は百行の本、衆善の始まり也」尓雅しが曰く「善く父母に仕ふるを孝といふ」ある文に曰く「一夜に五度起きて孝せよと、五起とは、一は枕高きは少し下せ、二は枕下しはすこし揚げよ、三は衣厚くば単を取れ、四は衣薄くば重ねよ、五は寒きときには先ず自ら臥して床をよく暖めて親に譲れ、熱きときには筵を扇ぎてその床を涼しくしなして親に与えよ。祖悦は天道仏神の御憐れみを蒙りて無病長寿にて福楽豊なり」。孝経に「身体髪膚これを父母に受く、敢て 毀傷せざるは孝之始也、身を立て道を行 い 名を 後世に挙げ 以って父母を顕すは孝之 終也 」「父母に仕えて孝子あるときは天地明察し感動乾霊なり。」「親に礼を為さず、命に背き不孝なるは現世に冥加無きのみにあらず、後生には奈梨極闇に堕して出る期あるべからず」。法華玄論第八に「法はすなわち尊妙にしてかならず人によって弘まる、人に法を弘める功ある人をなずけて法師となす」。善因縁経に「君の恩を報ずる人六種の勝利を得、一には悪王の時に遇わず、二には王難に遇わず、三には刀兵賊難に遇わず、四には正教の時に値う,五には天王の慈を蒙りて名普天に聞こえ大福楽を得る、六には人天の導師となって人民に敬る、其の人の威徳等如来の如し」。)
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