福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

修験宗旨書等・・・17

2017-12-17 | 諸経
修験宗旨書等・・・17
螺緒大事第十七(螺緒(かいのお、ザイルのこと二本1セットで、腰の両側に房が垂れ下がるよう結ぶ)とは梵字の阿字出入の命息である
夫れ修験法螺とは梵字のばん字言説の智体法身説法内証なり。螺緒(かいのお)とは梵字の阿字出入の命息なり。二色和合の線源なり。故に両の緒は各の梵字のばん字の形に之を結ぶ、すなわち二水和合の姿也。経に曰く、「二水和合して一円塔を成す。ばん字転成して三業に連なる」(出典不明)。口説にいわく「根緒五寸は五智、両の緒結合して三十七尺は三十七尊、赤色は智相、緒のおおきさ空指量は智、口伝以上は金界の智門を表す。これに五色の分別有り、黄色は胎界の理相、順峰にこれを曳く。赤色は金界の智相、逆峰にこれを曳く。黒色は胎金不二、梵字のうん字相諸法未分の極相、夏峰にこれを曳く。白色は衆生の根源水輪相、初先達曳く。青色は五大究竟の相、大越家に至ってはじめてこれを曳く。裏書に曰く「片緒とは、生界因分の位なり、両の緒とは因果円満生佛一体の位なり。秘記にいわく「螺緒に付いて両義あり、一義にいわく、彦山十四代越家宝連上人の伝にいわく「螺緒とは陰陽不二の根源、金胎両壇の糸なり。
行者臍輪緒曳の事、腰下は方壇、梵字の阿字なり。腰上は円壇、梵字ばん字なり。臍輪は金胎不二の所なり。凡そ両部とは我等の色身の異名なり。色とは五大本有の理体(胎界)。心とは識大本覚の智徳(金界)。色心すなわち両部なり。故に行者肉身の外に更に仏体を求めること無し。凡聖迷悟法然として不動、しかれば則ち行者の色心まったく毘盧の覚体にして両部方円の密壇なり。四重円壇の諸尊は自性心連に住し、九会曼荼の輪光は本具月輪に皎らかなり。蓮華三昧経にいわく「帰命本覚心法身、常住妙法心蓮台(八部の肉団胎蔵本分の八葉なり)本来具足三身徳(我らが一身の上、無作の三身なり)三十七尊住心城(自身の浄土、大日心王の密宮なり)」(「金剛頂瑜伽最勝祕密成佛隨求即得神變加持成就陀羅尼儀軌」にあり) 。これを思うべし。已上宝蓮上人義伝おわり)。
一義にいわく、醍醐開基僧正聖宝尊師伝にいわく「螺緒とは金胎不二の佛身を象り、理智事の三点を表す。所謂、左は胎界・理・母・陰・定・長さ二十一尺なり。是を曳周という。右、金界、智・父・陽・恵、長さ十六尺なり。是を螺緒(かいのお)という。行者は不二なり。理とは胎・母、智とは父・金、事とは行者なり。理を以て体と為し,智を以て性となし、和合を以て身と為す。理智和合の一身を自性身と名く。他宗各各理智本有を談ずと雖も、この自性身の本有を許さず。修験の意は人法爾爾なるゆえ、三点同じく本有なり。故に父母所生の肉身すなわち理智不二金剛不壊の法身なり。定慧の二法相資して五智の種を生じ、陰陽父母和合して六大の五行の子を成す。経にいわく「梵字のば字、法界種相形如円塔、理智不二を以て是を法身体と名く」と。実に是父母未誕の根源、法爾具徳の内証、十界衆生一人にしてしかもこの緒を曳かずということなし、すでに知りぬ自性法身の極位、両部冥会の内証也。
右修験一家の高端を為すに依ってたやすく翰墨に載せ難しといえども、末代修行の鈍機を導かんがために、しばらく両流の秘伝にまかせて窮にこれを註記す。大先達の位に非ずんばあえてこれを示すべからず。なんぞ況や度衆新客等においておや。深く心蔵に納めてゆるがせにするなかれ。祖師の制戒怖るべし慎むべし。

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