如来は弟子が真理に惑い、真智を失い、己が情識に索れて非真理の宗教・学術を迷信せんことを恐れて「四依法」を説きたまふ。「(涅槃経に)曰く「法によりて人によらず。義によりて語に依らず、了儀によりて不良義に依らず。智によりて識に依らず。」と勧戒したまえり。
維摩経にも「義に依りて語に依らず、智に依りて識に依らず、了儀経によりて不良義経に依らず、法に依りて人に依らず(説かれている内容・精神を大切にして語句に迷わされない。深い智慧を頼りとして表面的知識にたよらない。覚りをわかっているお経に依りて、分かってないお経によらない。真理をたよりとして人をたよりとしない)」とあります。
世人が世の現象を見て、原因のみあって結果がないとか、結果のみあって原因がないような現象があるように思うのは、因果の一部分のみを見て因果を極めてないからである。すなわち「了義」をきわめてないからである。
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