福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

真言教誠義・・6

2018-05-14 | 法話
凡そ真言行者は上根上智の頓悟の極利人なればすでに正法千年のうちには天竺には金剛智三蔵と不空三蔵と善無畏三蔵との三人のみなり。大唐には一行阿闍梨と恵果阿闍梨との二人なり。所余の人に三密の法を依学するもこれあれども上根上智の頓悟の人に非ざれば大日如来の常恒説法を見聞することあたわざるなり。日本には弘法大師と道興大師(大師の十大弟子の一人、実恵)と法光大師(大師の弟、真雅、清和天皇の御願寺である貞観寺の開基)と本覚大師(東密広沢流の祖、益信)と理源大師(醍醐寺の開祖で、真言宗小野流の祖、聖寶)と興教大師等は皆正所被の上根上智の真言行人なれば実に三密の法に遇ひて即身成仏を唱えたる人なり。このごとく真言の法は甚深にして劣鈍の人の解了におよばざる教えなれどば、真言密教のおしえといふ。況や在家の人の耳には入りがたき法なれども、当来成仏の結縁のために各々の耳にいれおくなり。今この顕佛と密佛徒の中に各々法身と報身と変化身とあり。顕の佛の三身は釈迦の三身なり。密の佛の三身は大日の三身なり。また三世に皆無量無数の佛あり。密教の意は大日経に生住異滅の四相は常恒とときたまふ。三世は常恒にして不生不滅なり。四相(生住異滅)の遷流無常は凡夫の迷見なり。経中に三千佛を説きて過去の荘厳劫の千仏と現在の賢劫の千仏と未来の星宿劫の千仏というは、満数に訳して説けり(多いことをいったにすぎない)。いまこの三世の無量無数の諸仏は本来一切衆生の身中にありと大師のおおせなり。このほかに十方世界において出現し遊行して十方世界の衆生を加護したまふ佛に三十五の佛あり。このごとく密教に説く十方三世の無量無数の佛は三密の妙法をば師匠として伝えて示し玉ふの人なり。又顕教の中に説く燃灯佛、毘婆尸仏;、尸棄仏、倶留孫仏、阿弥陀仏等は真如無相の法をば師範としてつたへて示したまふの人なり。・・
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