我が家の下の古本屋にあったから買って読んだ。
当時はどうせ話題性で芥川賞になった文藝春秋社の営業戦略だと思うほかなかったので、
当然読むことも無かった。
今回は200円だし、取り敢えずは読んでおこう的な感じ。
ネットのレビューはどれもこれも酷い批評で☆星一つが多い。
芥川賞なんて・・・というものだ。タレントで素人みたいな、単なる話題作りでドラマ化を考えただけみたいな。
しかし、読むと意外にも面白かったし、重いテーマでもあったし、記憶にも残る感じだった。
想定ではもっと芥川賞っぽく文学的に書いたのかと思ったが、芥川賞と直木賞の中間ぐらいな感じ。
出だしは丁寧に文学的に書いてあるが、少しずつスピード感や日常感が出てきて、ちぐはぐと言われそうだが、
読んでる方の気持ちも変わるのだから、何も問題無し。ずっと文学的だと逆に疲れる。
吉祥寺や井の頭公園が舞台で、なんだか軽いなあとも思ったが、調べてみたら、ピース又吉本人が
三鷹市下連雀の築60年のボロアパートに住んでたので、記憶に沿って書いたのすぎない。
小説の主人公が少し稼げるようになって、二子玉川方面に住むのも軽々しい設定だなと思ったが、
これも事実から来てるだけなんだろう。
あらすじは書かないけれど、人の人生に関して真面目に書かれた本だと思う。
なかなか良い本だった。みんなが酷評する本では無かった。
ただ関西弁が苦手だとニュアンスが伝わらないし、嫌になるんだろうなとは思う。
舞台が東京で、関西芸人の2人が登場するので。
そこは難しいかな。
星は四つ半。