奇跡の山椒にアゲハの幼虫が

人手を極端に減らしている。
先の見えない不況とインフルエンザの脅威から店を守る為に。
店の再建に多額の投資をして、返済があるから、経費を出来るだけ押さえ様と考えての事。
でも年を取ると疲れるし、スタッフも疲れ気味。
バイトの高校生も学校に戻った。
予約が無いからと叉無断休業。
また海に行った。
蛤もいなくなって、海遊び。
満月に近い月明かりの中、明日は満月と思いながら帰った。
疲れを取らないつけが朝現れた。
目覚ましがうるさい事。
店に行く道中の綺麗な事。
東の空に少し残った晴れ間から隠れている朝日の光が山の峰峰を浮かび上がらせ、影絵の山は近くに近づくにつれ濃淡が濃くなり、魚野川は間接の光で静かに輝き、哲学者のゴイ鷺がうなだれて立ち尽くしている。
ハマグリのすなだしを見て、朝食トマトを食べて、山椒の木に目をやると、葉が少なくなっていた。
ピザの燃料にもらった生木の窪みに鳥が落として生えた小さな若芽が今は親指くらいに成長していた。
葉を取ると成長が遅れるので、摘みたい葉を我慢して眺めていたのにかなりあらされていた。
大きなアゲハの幼虫が三匹丸々太って横になっていた。
つまむと独特の威嚇臭。
黄色な眉毛も飛び出て怒っていた。
可哀想と思ったが足でぎゅ。
西の方は濃い雲が近づいてきた。


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