俺は女の子が言った言葉を思い出していた。
“ 確か『この病院で、ずっと遊べるね』って言ってたぞ。
この病院で、ずっと遊べる。
退院、無し?
この病院で・・・・・。
ずっと遊べる・・・・。
連れて行く・・・・。
俺もってか!?
うわっ、大変だ。
遊びたくない。
これはお揚げ婆さんどころではないぞ・・・。
俺は、ずっとこの病院にいなければならないって・・。
ヤバッ!
ヤバイぞ!
これは、どうしたらいいんだ・・・・?”
通路に慌しい複数の足音が響き、見知らぬ奥の病室に入って行く。
“ これは、どうしたらいいんだ・・・・?”
そして、少し間を置いて去って行く。
“ ホント、どうしたらいいんだ・・・・?”
通路をストレッチャーが遠ざかって行く音がする。
“ キュルキュルキュル・・・。”
辺りは静かになり病院は闇に溶け込んだ。
時計の音が俺の頭の上で規則正しく打っている。
“ コチ、コチ、コチ、コチ、・・・・。”
俺は時計の音から逃れるため布団をガバッと被った。
口をついて言葉が漏れる。
“ 大変だ、大変だ、大変だ・・・。”
俺は“大変だ念仏”を唱えながら、対策も分からないままコテッと寝てしまった。
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