大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 7月9日 コンビニ

2014-07-09 18:36:05 | B,日々の恐怖



      日々の恐怖 7月9日 コンビニ



 都心部も少し外れたところはコンビニが少ないので、行きつけのコンビニが自然と決まってくる。
当時、高校生だった俺は一箇所をよく利用してて、ほとんどの店員と知り合いになっていた。
 その日はたまたまレポート用紙が足りなくなって、夜に買い足しに行った。
その時のレジも馴染みのバイトの姉ちゃんで、年は25って言ってたかな。

「 こんな遅くに珍しいね。」
「 あー、レポート用紙なくなって。」

とか、まぁレジで当たり障りのない会話をしたりしてた。
すると清算してる最中に、姉ちゃんがいきなり頭痛に襲われたようで、

「 大丈夫ですか?」

と聞くと、数秒もないうちに、

「 ええ、なんとか。」

痛みはすぐに治まったようだったから、さほど気にせずに帰路についた。
 それで、家に帰ると、何も言わずに出てたもんだから親に問いただされて、

「 あぁごめん。レポート用紙を買いに・・・。」

って袋を掲げようとしたら、どういうわけか俺は何も持ってない。
確かに買ったはずなのにって財布を確認しても、レシートや小銭が減った形跡がまるで残ってなかった。
 それでも一応、帰り道に落としたor店に置き忘れた可能性を考えて、道を注意しながらコンビニまで逆戻りする羽目になったんだが、結局落としたのは見つからず、コンビニまで戻ってしまった。

“ 店に忘れるなんて有り得ないしなぁ・・・。”

とか色々悩みながら店に入ると、夜の時間帯にはめったに見ない店長が、スーツ着て来ている。
話を伺うと、その姉ちゃん、バイト入る前に自室で倒れていたらしくて、これから人員補充して、容態確認しに行くとのことだった。
 結局、姉ちゃんの倒れていた原因は脳溢血で、手当ての甲斐なく亡くなってしまったんだが、その時の何でもないやりとりをした記憶と、買い物が綺麗さっぱりなかったことになった経験が、今でも忘れられない。
恨みや未練で人に憑くような性格ではなかったから、怖くはなかったけど、ちゃんと成仏できたのかなと、しばらく心配だった。
その後、変な噂は一切立たなかったし、身の回りで怪現象が起こったわけでもなかったから、今では大丈夫と思う。

 実を言うと、気になっていたので、お葬式が一段落した頃合を見計らって、線香を上げに伺った時に、このことを家族さんに話しました。
 小さな菓子折りを香典として持っていきましたが、学生がそこまで気を遣うなと怒られてしまいました。
そして、

「 こんな話は初めてだけど、あの子ならおかしくない。」

と、神妙な顔をされてました。
思い返すと切なくなってきました。











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しづめばこ 7月9日 P317

2014-07-09 18:35:40 | C,しづめばこ
しづめばこ 7月9日 P317  、大峰正楓の小説部屋で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
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小説“しづめばこ”



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