大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆分野を選択して、カテゴリーに入って下さい。

A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

しづめばこ 7月14日 P318

2014-07-14 19:40:59 | C,しづめばこ
しづめばこ 7月14日 P318  、大峰正楓の小説部屋で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。(FC2小説)

小説“しづめばこ”



童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日々の恐怖 7月14日 自転車

2014-07-14 19:40:00 | B,日々の恐怖



   日々の恐怖 7月14日 自転車



 友人Aの話です。
Aには愛用の自転車がありました。
それを飛ばして学校へと来ていましたが、ある日派手に転倒してぶっ壊れたそうです。
それからと言うもの、しばらくAは早起きして、歩きで登校していました。
この間、Aは相当愚痴っていました。

 それからまた、幾日か経ったある日のことです。
自転車で登校してきたAと、校門で鉢合わせになりました。
Aは新しい自転車に乗っていました。
私は、

「 ついにあの自転車捨てたのか!」

と言い、茶化しました。
しかしAはちょっと嫌そうな顔で、

「 捨てたのは捨てたけど、お前が思ってるような理由じゃない。」

と言いました。
気になった私は、詳しく話を聞きました。


 Aは、壊れた自転車を家まで持って帰っていました。
その自転車が壊れてしまってから数日後に、修理されている事に気付いたそうです。
それはかなり荒っぽい修理で、

『 機械には弱いけど、頑張って直したよ!』

というような仕上がりだったらしく、辺りには部品のような物も落ちていました。
 無論、Aの知る人物でそれをした者はいません。

“ 一体誰が・・・?”

と思いました。
 A曰く、

“ その時、もう、かなり嫌な感じがした。”

そうです。
それは、夜、自分の自転車置き場から妙な音が聞こえてきた事で、確信へと変わりました。
Aは彼の父親に説明し、2人で恐る恐る見に行ったそうです。
 そこにいたのは、手が血だらけになった中年の女性でした。
女性は、こちらに気付く様子も無く、Aの自転車を一生懸命直しています。
手の怪我は、慣れない工具を扱ったためだろう、とAは推測していました。
とにかく訳が分からず、

“ はあ・・・?”

と思った2人が近付こうとすると、 女性はそれに気付いたようで、

「 えええええええエーーーーーーっ!?」

と、ものすごい驚いたような声を上げ、工具をほっぽり出して、小走りで走っていったそうです。
 残されたのは、血が所々に付着した自分の自転車。
不気味すぎて追いかける気にもならなかったそうです。

 その後、Aの父親が調べた所によると、Aの自宅から少し離れた所に、小さな自転車修理屋を経営している夫婦がいたそうです。
夫が亡くなってからは店を閉めたそうですが、その後の妻の行方がわからない。
実家に帰ったのだろうかは分かりません。
いずれにせよ、その2人はとても仲が良かったそうです。
もしかしたら彼女ではないか、という事でした。

 新しい自転車に買い換えてからは、何も起きなくなったようです。
Aは言いました。

「 だから捨てたんだよ、俺の気持ちも分かるだろ?」

私は、妙に納得して頷きました。











童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

☆童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。

-------大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ-------