大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 2月14日 客(1)

2019-02-14 11:23:02 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 2月14日 客(1)






 若い頃とあるスナックに勤めていた。
基本的に客層の良いお店だったが、まれに変なお客さんもいた。
 ある晩一人でふらりと来店したお客さんの話なんだけど、名前は名無しさん。
なぜ名無しなのかは読んでもらえればわかると思う。
 名無しさんは20代前半の若いお客さんだった。
だけど金回りが良いのか、金払いの良いお客さんだった。
一見さんはどんなお客さんか見るため、客あしらいのうまい私が担当していた。
 一度目の来店で高い酒をボトルキープし、店で一番高いつまみを頼み、ホステス全員に寿司まで振舞ってご機嫌で帰って行った。
 二度目の来店でボトルが空いたので、さらに高いボトルをキープ。
店にいるホステス全員にチップを渡し、これまたご機嫌で帰って行った。
 三度目の来店でボトルが空き、同じ酒をキープしつまみもじゃんじゃん頼んだ。
会計時に、

「 今日はお金ないからツケでいい?」

って言ってきた。
対応をマスターに代わってもらったら、マスターが、

「 名刺をいただけますか?」

って言ってた。
 因みに、来店してからの二度とも仕事についてや名前について聞いたけどはぐらかされてた。
だからニックネームやボトルネームは名無しさんだったのだ。
 名無しさんは、

「 名刺はちょっと切らしてる。」

とかもごもご言っていた。
 しかし、

「 名前も職業もわからない人のツケは流石にちょっと・・・・。」

とマスターも断った。
 名無しさんは、

「 今度来たら必ず払いますから・・・・。」

って土下座までして頼み込んだ。
 マスターもこれには折れて、と言うかもう現れないだろうって感じで半分諦めてツケを了承した。
変な空気のまま名無しさんは帰って行った。














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2月13日(水)のつぶやき

2019-02-14 07:00:48 | _HOMEページ_

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