大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 2月9日 第一便(2)

2019-02-09 19:14:18 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 2月9日 第一便(2)






 俺が、

「 いいえ息子ですが、何でしょうか?」

と返すと、何か返事をボソボソ言っている。
それで、聞き取り難い声を、聞き耳を立てて無理矢理に聞いた返事の内容を要約すると、

「 跡継ぎの方ですね。」
「 もうすぐ24年前に出した荷が届きます。」
「 第一便です。」
「 ここで待っていますか?」

と言っているようだった。
 そう言い終わると、

“ ふっ!”

と気配が消えた。

「 おっかしいな・・。」

と思って外に出てみようとしたら、

“ ダガーン!”

とすごい音がした。
 驚いてサンダルを履きかけてたのを脱いで廊下に上がった。
二つの丸い光が、ガラス戸ごしに近づいてきて一瞬で玄関が壊れ、目の前に小型トラックが飛び込んできた。
俺は後ろにひっくり返るように倒れ、そのあと記憶がない。
 気がついたら病院にいた。
脳震盪と右の足首の骨折、それから下半身のあちこちにガラスによる切り傷。
 あとで聞いたところでは、居眠り運転のトラックが一度電柱に激突して、それから俺んちに突っ込んだみたいだ。
運転手もかなりのケガをしたらしかったが命に別状はなく、後でそこの会社の社長が謝りにきた。
玄関はすべて相手持ちで弁償してもらって新しくなった。
 入院中に、

「 なんで玄関にいたんだ?」

と両親に聞かれたんで、あったことをそのまま話したら、親父は、

「 寝ぼけたんじゃないか?」

みたいな反応だったけど、母親は24年前という俺の言葉を聞いてちょっと顔色が変わった。
けど何も言わなかった。
 その後、俺は大学に進学して実家を出、そっちで就職した。
あれは何だったんだろうといまだに不思議だけど、特に第一便という言葉が気になる。
これまでのところは、俺も実家のほうもなんともない。













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2月8日(金)のつぶやき

2019-02-09 07:02:46 | _HOMEページ_

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