日々の恐怖 4月25日 公民館(2)
でも、公民館の中は真っ暗だった。
もちろん倉庫も真っ暗だったので、
” 肝の据わった子だな・・・。”
と感心してた。
で、もう一度電気をつけて倉庫に向かった。
扉を開けると、誰かがいる気配はなく、さっきまでの物音は嘘のように静まり返っていた。
でも、物音の原因を確かめるためには、中を見てまわるしかなかった。
一通り子供が隠れそうなところを見て、誰もいないことを確認した。
最後に跳び箱に目がいった。
と同時に、
” ギョッ!!”
とした。
持ち上げるときに手を入れる隙間から手が出ていた。
出てるって言っても指までだった。
人一人分の指が隙間から出ていた。
ちょっとびびったけど、指は子供の指だったので、
” ああ、やっぱり隠れてたんだな!”
と思い、声をかけて跳び箱に近づいた。
すると、
” スルッ!”
と指は跳び箱の中に入っていった。
” 見つかったんだから、声ぐらい出せばいいのに・・・。”
と思いながら、跳び箱を持ち上げた。
中には誰もいなかった。
びびりすぎて、なにも言えなかった。
パニックになりかけたけど、そっと跳び箱を元に戻して、足早に扉まで向かって電気を消した。
扉を閉めようとしたとき、音からして明らかに跳び箱が持ち上がる音がした。
もうその後は一目散に逃げた。
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