日々の恐怖 8月20日 オッサンの家(1)
お嬢様育ちで世間知らずな母が、俺と弟と妹を連れて父と離婚したのは俺が小学校低学年の時だった。
母の実家が地方都市のそこそこの名家っだったんで、自由で裕福な暮らしが出来ると思ったらしい。
しかし祖父母は激怒し1年足らずで絶縁状態となり家を追い出され、地元でも評判の悪い土建屋のオッサンと再婚した。
オッサンはいかにも成金で趣味の悪い男だったが、両親に絶縁され頼る者が無かった母からすれば最高の男だったんだと思う。
しばらくのホテル暮らしのあと、オッサンの家に引っ越す事になった。
オッサンの家は無理に増改築をしたのか、大きいのだが和風の家にプレハブ小屋みたいのを足した感じで、歪な感じだった。
しかしガキで何も知らないオレ達は、無邪気にデカイ家を見て喜んでいた。
童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ