大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

☆奇妙な恐怖小説群
☆ghanayama童話
☆写真絵画鑑賞
☆日々の出来事
☆不条理日記

日々の恐怖 8月13日 故郷

2023-08-13 10:16:43 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 8月13日 故郷






 小学2年の夏休みだった。
8月の始めに一人でおじいちゃんの家に行った。
1週間くらい遊んで、お盆に母と弟が合流して帰るという方法だった。
 夏休みなので朝はラジオ体操があるわけだが、地元の子たちに混じってやるのがなんか恥ずかしい。
知らないやつらだし、スタンプだって違うだろうし。
 でも、いざ行ってみると、別に普通に受け入れられた。

「 スタンプカード違う!」

とかって最初に話しかけてくれたのが、5年生のお兄ちゃん。
そのお兄ちゃんとは帰るまでの間、ラジオ体操をやる家に集合してから開始までに結構話した。
 最後の日は、

「 来年もくる?」

って言ってくれた。
 結局その年以降は、おじいちゃんの家にお盆に行っても日帰りという方法になり会えなかったんだけど、
この間おじいちゃんの家に行ったときに、従兄弟と犬の散歩をしてたら、同じく犬の散歩をしている近所の姉妹が話しかけてきた。
 従兄弟と話してて、

「 隣の人は?」
「 従兄の兄さん」
「 昔ラジオ体操さ来てねがった?」

という流れになったので、

「 はい。」

って答えて、ちょっと話してお兄ちゃんの事を聞いてみたら、

「 誰だば?」
「 あの年、男一人だいな?」

 従兄弟や近所の姉妹のラジオ体操範囲だと、従兄弟が小学校にあがる年まで男の子がいなかったらしい。
期間限定とはいえ、

「 あなたの参戦が初の男の子だから覚えじゃーよ。」

と言われた。
 従兄弟も、

「 確かにうちの範囲ならんだよな。」

って。
 もう少し上の学年ならいるが、年が一致しないみたい。
姉妹が他の人たちに電話したり、ちょっとした騒ぎになった。
 俺と同じく、夏休みにおじいちゃんの家に来てた他の家の男の子なのでは?という説を俺が出したが、

「 男いねがったんだって!絶対!」

と一蹴。
 女の子を男だと勘違いしたのでは?という説が出るも、髪はみんな伸ばしてたそう。
そのまま回答が見つからずに解散し、従兄弟に、

「 ま、記憶ってアテにならね~はんでな。」

とからかわれた。
 近隣で鬼の子の伝承があるわけでもない。
近くの川で亡くなった子もいるがもっと小さい子だし。
周りが女の子ばっかで俺が生み出した幻だったのか?
スタンプ貰ってたけど。









童話・恐怖小説・写真絵画MAINページに戻る。
 大峰正楓の童話・恐怖小説・写真絵画MAINページ



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日々の恐怖 8月7日 異国... | トップ | 日々の恐怖 8月20日 オ... »
最新の画像もっと見る

B,日々の恐怖」カテゴリの最新記事