日々の恐怖 8月13日 海の家 (6)
母曰く、
「 あの頃、うちは貧乏だったから、アレも哀れに思ったんだろう。」
ただ、骸骨だけは、
「 いかんヤツ。」
だと母は認識していた。
「 アレは、海で死んで、遺体が発見されてないヤツなんだと思う。」
骸骨は置いておいて、俺は海藻人間が見た目よりいいヤツだったことを、ここで初めて知った。
父は母から、
「 あの海の家はお化け屋敷だ、早く何とかしてくれ。」
と何度も電話で言われていたらしい。
しかし、理数系だった父は信じず、あの8月15日の骸骨を見るまでは、
“ 面倒臭い・・・・・。”
としか思っていなかったらしい。
それが、あの骸骨を見て、
“ あんなお化け屋敷に妻子を置いておけない!”
と、本気で借金処理を頑張ったんだと、後から知った。
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