日々の恐怖 12月17日 モニター
俺が警備員やってたのは、テナントがいくつか入ってるビルだった。
常駐警備員ってのは途中に待機時間あるくらいで、基本的に交代制の24時間勤務だ。
故に深夜ビル内の巡回や駐車場の巡回なんかもやるんだけど、必ず決まった時間に発報するパッシブセンサー(人影とかで反応する)箇所がある。
先輩や隊長からは、
「 あのパッシブはオカルト発報だから。」
って聞いていたから、あまり気にしていなかった。
でも、発報あれば一応行かなきゃいけないのが警備員だから、一応行く、6階に。
でもって毎度のことながら発報したんだが、俺は駐車場の巡回をしていた。
無線で、
「 また発報したよ、外から何か見える?」
って言われたから、
「 見て来ます。」
って言って、ビルの表に回って6階を見上げた。
外から見て初めて気付づいたんだけど、6階のパッシブがある辺りが青く光っていた。
すごくビビって、無線で、
「 6階パッシブ近辺で光を見た!
急行して!」
って連絡してから、防災センターにダッシュで戻った。
防災センターで各階のエレベーターホール、各フロアのモニターを確認してたら、6階に急行した先輩の後ろを、
何か青い輪郭の影みたいのがついて行ってる。
先輩に無線で、
「 先輩の後ろに何かいます!」
って言ったんだけど、先輩に無線届いていないのか全然気にせず歩いている。
でもモニターには、先輩の後ろの影がずっとついて行って、その後、先輩が角を曲がって消えた。
先輩が戻ってきてからから経緯を話したんだけど、先輩から信じられない話を聞いた。
「 いつものことだと思って、6階に行かずにトイレ行って来た。」
「 えっ?
だってモニターに先輩が映ってましたから!
マジで影がいたんです!」
「 そんじゃモニターの録画見てみようぜ(笑)。」
なんて余裕かましてたから、ムカついて録画をみた。
「 ほら、これ、先輩・・・。」
「 いや、違うな。」
拡大してみたら、そこに映っていた警備員は、よく見ると先輩じゃなくて、俺だった。
「 え・・・?」
先輩に怒られた。
「 お前だろ、バカ!」
もう訳わからなくて、当時は6階に行くのが怖くなって、行くのを誤魔化していた。
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