村上ファンド、阪神取締役の過半数要求
(2006年5月3日(水)22:10 朝日新聞)
5/2付の阪神電鉄のリリースはこちら「株式会社M &A コンサルティング関連ファンドの株主提案について」
上記のM&A コンサルティング社関連ファンドは、以下の9 名を取締役候補者とする議案を、本年6月の当社定時株主総会の会議の目的とするよう請求しております。
とあるのですが、そもそも多数が確保できるかが一番大事なのでしょうが、この株主提案に対する株主総会の決議の仕方細かいところをつめていくとけっこうやっかいそうです。
ちょっと思いついたところでは(あまり深く考えていませんので勘違いかもしれませんが)
取締役選任議案は個々の取締役ごとに賛否を投票することになるが、定款の員数以上の会社側の候補者について選任が可決された場合にどうなるのか(現行取締役は16人ですが、定款での上限が24人以下だとこの問題が生じます)
その場合、たとえば「賛成の票が多い順に定数まで」とかのルールについては議長権限で決められるものなのか(少なくとも招集通知には記載する必要があるような)
9名一括選任の議案として取り扱い、一括して否決した場合、適法な決議といえるか(逆に可決されるとシャレにならないですが。また、MACは現取締役1名を候補者に入れているのでその辺もややこしいですね)
という問題があるのではないかと思います。
※ ところで確かMACは40%超保有していたはずですが、今回の株主提案は22%分というところは、保有しているファンドの性格が違うという事なんでしょうか?
ところで、上のリリースで気になったのが「3 株主提案に対する当社の考え方」の書きぶり。
内容的にでなく、3の本文と(1)が(2)以下と文章のトーンが違うように感じられます。特に前者の方が読点(「、」)が多く、パソコンを打ちながら作った文章にありがちな推敲が足りない(してるとしてもディスプレイ上のみの)文章の感じがします。
今回の文章のポイントはまさに3本文および(1)なので(1,2はMACからの提案内容を書いただけですし、(2)(3)は以前に出した経営方針のくり返し)今回そこだけ誰か(弁護士とかアドバイザー)が書いたのかもしれませんね。
そのこと自体は悪い事ではないのですが、心配なのは、最終的に出す文章のトーンとか平仄を阪神電鉄の社内でチェックする余裕がなくなっているのではないかということです。
弁護士等に任せきりにして自分が考えるのを止めて判断停止になっているとか、「どうせ負け戦なのであまりコミットしたくない」という厭戦気分が社内にあるとか、どうも会社全体(少なくとも経営陣なり本件を担当しているスタッフ)として「やったるで!」というパワーが落ちているとしたらまずい状況だと思います。
阪急との「関係強化」についても具体的な進展がなく後手に回っている感は否めないので、タイガースファンとしては心配が続きます。