今朝のテレビでやっていたニュース
兵庫労働局汚職:キャリア組が「流用」 懲戒免の元係長暴露--人事院の公開審理
(毎日新聞 2006年5月22日 東京夕刊)
厚生労働省兵庫労働局の裏金事件で懲戒免職になったノンキャリアの元係長が処分を不服として人事院に審査を請求し、公開審理の場で、キャリア官僚による飲食や個人流用、風俗店での接待など実態を暴露した。同省はキャリア組を停職・減給処分にとどめており、元係長は「裏金で飲み食いした上司の官僚が残り、裏金を作った部下だけが懲戒免職になるのは不平等で納得できない」と訴えている。
事件を巡っては、厚労省が昨年7月、99~04年度に事務用品の架空発注などで約5億9000万円を不正支出したとする内部調査結果を公表。詐欺罪などで起訴された主任2人を含めて計7人の職員を懲戒免職としたが、当時、同局に出向していたキャリア官僚8人は「管理責任」を問われただけだった。
審査請求したのは懲戒免職になった職員2人。このうち裏金の保管役だった元係長は今月11、12の両日、人事院近畿事務局(大阪市)であった公開審理に出席。職業安定部長(00、01年度)の友人の外郭団体職員が2年間に約10回は神戸を訪れ、宿泊費や福原(神戸市)のソープランド代を支払った▽局長(00、01年度)は裏金で買ったパソコンを自分の娘にプレゼントした▽局長(02、03年度)は管内巡視の際、高級温泉旅館での宿泊を要求し、裏金で支払った--など、キャリア官僚たちによる流用を証言。厚労省から出向していた兵庫県の課長の接待費や、キャリア官僚たちが休日に楽しむゴルフ代金まで裏金で支払っていたことも明らかにした。
兵庫労働局は昨年10月、不正支出の一部約2億5000万円の支払いを元係長に請求。今年2月には自宅や預金通帳を仮差し押さえした。元係長は「住宅ローンも残っているのに、私に『死ね』ということか」と嘆いている。
厚労省側は公開審理で裏金がキャリア官僚によって個人的に使われていた事実を一部認めた。しかし、元係長の処分について、裏金の出入金の差額から「少なくとも約2300万円着服したのは明らか」と妥当性を主張している。毎日新聞は元係長が名前を挙げた官僚に取材を申し込んだが、同省地方課は「審理中なので一切コメントできない」としている。
対外的なポーズのための懲戒だとしたら、処分とセットで口封じのためのセーフティーネットを用意しておくのが普通だと思うのですが、「少なくとも2,300万円の着服は明らか」とはいえ懲戒免職に加えて「明らか」な額の10倍の2億5,000万円もの請求をされたら誰でも刺し違える覚悟になりますよねぇ。
「元係長」の証言が事実だとすると、この係長は裏金の管理やキャリア官僚のtake careなど兵庫県労働局の「大人の常識」を一手に引き受けていたキーマンだったのではないでしょうか。
この係長がいなくなってしまったために、懲戒処分の匙加減がわかる人がいなくなり、今回のような過剰な懲戒処分に走り、挙句の果てに返り討ちにあってしまったように思います。
拙blogのタイトルは例えであって、実際にやっちゃいけませんぜ・・・
なくなってしまった5億円以上に、組織として自律してもおらず、適正な状況判断もできない組織が行政を司っているというところに非常な不安を覚えます。