遅ればせながら神田秀樹先生の岩波新書『会社法入門』を読みました。
会社法の改正の歴史や欧米における会社法の役割の変化という広い視点から俯瞰しながら、体系的にかつわかりやすく新会社法の説明をされています。
具体例(特に株式の部分)が秀逸です。
私は新書はあとがきから読むことが多いのですが、
今回の会社法を日本語として読むだけでは、実際のイメージをつかむのは難しい上、その内容もよく理解できないと思われることである。
という部分を読んで、最初に安心しました^^
そして、講義なら小声でぼそぼそっとおっしゃるのであろう細かい突っ込みや鋭い指摘が要所要所に配されていいて、楽しめたり関心したり興味をそそられたり、というおまけまであります。
※詳細はご覧になってのお楽しみということで、個人的にとてもウケたところを1つだけご紹介させていただきます。(一番下に書きますので、ご覧になりたくない方は飛ばしてください)
すでにろじゃあさんやtoshiさんもご推薦の本書ですが、
会社法ってなんだ?という人から、七面倒くさい条文とか規則とのにらめっこからちょっと気分転換したい人まで幅広くお勧めできると思います。
(株主と債権者の利害調整、という項で)
なお、余計なことをひとことだけ述べておきたい。読者は、これらの例を見て、株主とすれば借金をしたほうが得だと思うかもしれない。(中略)借金によるこうした効果を「テコの効果」(レバレッジ効果)と呼ぶことがあるが、実際には、そのような「うまい話」はまずない。そのことはここでは立ち入らない。