まぜごはん

ミーハーなマチルダが気まぐれに
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マイ・マザー  大人にならなきゃ

2014-11-09 00:55:00 | 映画 

グザヴィエ・ドラン監督作品で最初に観たのがこれでした。

マイ・マザー J'ai Tue Ma Mere  2009年 カナダ映画  

16歳のユベール。母と二人暮らし。最近母のすることがいちいち気に障る。
 
朝車で学校まで送ってもらうわずかな時間に口げんかになってしまい、学校の手前で降ろされた。
 
授業の一環で 「親の職場環境を調べてきましょう」というのがあって、「母は死にました」ってことにしておいたのがばれて母さん学校へ乗り込んできた・・・・必死で逃げた。
 
「週末に友だちをうちに泊めるけどいいよね?」
と朝オッケーもらったのに、夕食のとき念押ししたら
「そういうことは前もって言ってほしかったわ。週末は友だちのデニースに会うのよ。あなたも一緒に」
と言われて口論になり「じゃあ、パパと一緒に暮らしたら?」
といわれると何もいえない。結局おばちゃんの集まりに付き合わされることになる。 そのあと気まずいのか鼻歌歌ってる母さんにむかつく。
 
18歳まで母さんが管理するおばあちゃんの遺産を前倒しして使って、部屋を借りて一人暮らし・・・というナイスなアイデアを母さんに話したら賛成してくれたのに、翌日には「16歳で一人暮らしは早いわ」と反対されてまた口論。
 
 
どなりあい → 我に返って息子はお手伝い、母は息子の好物を料理 → 「ママ、愛してる」「私もよ」 → ささいなことで「ムカ~!」のスイッチオン → どなりあい
 
この繰り返しが、笑えます。そしてなんかみょうに納得というか、「あるわ~」と思いつつ(母目線で)観ていた。
せっかく作った晩御飯を無言で食べてるユベールに「ここはホテルなの?私は家事をするだけ?」(だったかな)と母さんがいうセリフ、なんかわかる。(ま、我が家の場合は・・・というと、なんの手伝いもしないヤツらから「ご飯まだ?」が出た場合「うちはレストランかっ!?」とゆってしまうわけですけども・・・)
 
 
 

ユベールの友だちアントノンのママと日サロでばったり会って

「もうすぐ息子たちは2か月ですね~」

と挨拶されて「???」なユベールの母さん。アントノンはユベールの恋人。ユベールはゲイ、ふたりがおつきあいをはじめてもうすぐ2か月・・・・とこの瞬間知った母さんはショックを隠せない。「昔はなんでも話してくれたのに・・・そんなこと赤の他人から聞かされるなんて」とデニース相手に嘆く。

しかしそういう話をお天気の話題みたいにあっけら~とやっちゃう、アントノンのママって・・・・!アントノンのうちにはママの若い恋人が半裸でうろちょろしていたりするんですが自由奔放な母に鍛えられているのかこの子は平然としてます。ちょっと大人なのよね。

アントノンと勉強しているところにパパから電話。「久しぶりに家で映画を観てパスタでも食べよう」と誘われて4か月ぶりに会いに行く。

「最近ママとうまくいってないんだ」と愚痴ろうとしたらそこにママがいて、田舎の寄宿学校へ転校させられる話が出来上がっていた・・・。(ここはさすがに、だまし討ちだわ~、と思っちゃいました。)

 

アントノンが転校するユベールに「浮気すんなよ」とくれたのはアントノンが作った2人の人形と母さんの人形。

 

寄宿学校へ行くバスに乗るユベールを母さんが送っていく。車から降りて、見送ろうとする母さんに

「僕を追い払ったのに別れを惜しむの?母さんはクソ女だ!・・・・今日僕が死んだら?」

母さんは何も答えない。そしてユベールが去ってから

「明日私も死ぬわ」

とつぶやきます。 

  

「ばれたら停職だわ」とかいいつつも家出したユベールを泊めてくれて話を聞いてくれたジュリー先生。先生は父親と10年も話していないという。

「僕は息子に向いていないのかも」というユベールに「母親に向いていない人もいるわ」と、言う先生。

寄宿学校へ転校した後もユベールを気にかけてくれた。

ジュリー先生のユベールへのメールで「バンクーバーの友だちを訪ねるわ」というのがあって、「なんで”カナダ”じゃなくて”バンクーバー”と都市名をいうんだろう・・・?」と不思議に思った私。バンクーバーは、国内だったのね。ここまで「カナダ映画」じゃなくて「フランス映画」だと思って観てましたよ・・・

どよ~んと 寄宿学校へやってきたユベール  

 食堂で隣に座ってきてじ~っとみつめて「友だちになりたい」と言ってきたエリック。(マシュマロ男ですねっ)

仲良くなってパーティーで一緒に踊り、エリックはユベールを抱きしめてキスしたのに、ユベールはその腕をするりとほどいて行ってしまった.

 

 

アート作品を見ているような感覚は胸騒ぎの恋人でも感じたけどこの映画もそう。

料理のプレートや壁の絵や家具、ティーカップもポップでカラフル。

アントノンのママに会社の事務所の壁に自由に絵を描いてと言われて、ペンキを付けた刷毛を壁に投げつけるようにして色を重ねていく。

(ドリッピング手法というんですねっ)

ペンキで汚れていく新聞紙の上に横たわる2人・・・こういうところもとってもオシャレ。

 

「僕は王国にいる」と言い残して姿を消したユベール。

母さんにはそれがどこかすぐにわかった。ユベールが小さい頃母さんと暮らした海辺の家。

大好きなママ、小さくてかわいいユベール。宝物のような幸せな時間。・・・でもずっとそのままじゃいられない。

 

子供と大人の間でもがいている思春期の男の子の焦り、とかイライラとかそういったものがユーモアたっぷりに描かれてました。

ドラン監督、19歳の時のデビュー作。19さい・・・やっぱ恐ろしい子!

 

 

 

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