極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

小さな巨人Ⅳ

2018年02月10日 | デジタル革命渦論

 

                     告子(こくし)    /    孟子    

                                   

            ※ 性善説と本性論 あるとき公都子が疑問を出した。「先生、
             告子は『人間の本性は善でも不善でもない』と主張していま
             す。ところが別の一派は、
『人間の本性は善にも不善にもな
             りうるものだ。それはたとえば、文王、武王といった聖王の
             治下で
は、人民は善に同化したが、無道な幽王、肩王の治下
             では、人民も暴虐化したことからも明らかだ』
と説き、さら
             に別の派は、
『本性の善不言は、人によって生まれつき決定
             している。それはたとえば、聖王堯のもとに悪臣象が いたし、
             悪逆な鼓膄(こそう)が聖人舜を生んだ。また暴君紂の叔父
             や臣下に、賢者叔子啓や王子比干がいた。このことからも明
             らかだ』と諭じています。ところで先生は、『本性は善であ
             る』と断じておられます。とすれば、かれらの論はみな間違
             いなのでしょうか」
 
             孟子は笞えた。

             「人間は天与の情に順えばだれでも善を行なうことができる。
             これがわたしの性善説だ。あるいは悪を行なう者がいるかも
             しれんが、それは天与の資穴が劣っているということ.では
             ない。かわいそうだと思う心、悪を恥じる心、誼りあいの心、
             善悪を判断する心、これはどんな人間にも備わっている。そ
             して、かわいそうだと思う心は仁に、悪を恥じる心は義に、
             誼りあいの心は礼に、善悪を判断する心は皆につながる。

             この仁義礼皆は外から付与されたものではなく、本来的に我
             身に僅わっているものだ。だがこの固有の心も、これを探究
             しなければ無きにひとしい。それは、『つかまえていれば居
             るけれども、うっかりすると居なくなる』といわれるとおり
             だ。本米谷でありながら、はじめは二倍、五倍、そしてつい
             には無限の悪へと向かって行くものがあるが、それは天与の
             回遊をまっすぐに仲ばすことができなかったものである。

             詩経にも、『天は楽長を生みたもう 天の生みみ かの美し
             き徳を好む』とうたっている。これについて、孔子はこう批
             評している。『この詩の作者こそ、遊冶の本質をわきまえた
             人物だ』このように『、すべての事物に存在の法則があり、
             人員はこの法則にのっとっているのであるから、一定不変の
             法則を好ひものなのだ」

   
高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』
   

    第3章 奇跡の終焉と「狂乱物価」の正体

   第3節 固定相場を維持するには膨大なドル買いが必要になる

  今、述べてきたように、固定相場制についての最大の誤解は、相場を決めれば自動的に相場が維持
 されると思っている人が多いことです。何度もいいますが、固定相場制とは、「為替介入をしない制
 度」ではなく、「常に為替介入をする制度」です。

  1ドル=360円という数字を決めただけでは相場は維持できません。実際には、相場を維持する
 ために猛烈な介入が必要になります。
  円安気味になりそうになったら、円を買い込んで1ドル=360円が保たれるようにします。円高
 に振れそうなときには、ドルを買いまくって1ドル=360円を維持します。介入をし続けることで
 維持されるのが固定相場制です。

  詳しい仕組みを説明しますと、相場を維持する責任を負っているのは大蔵省(当時)です,大蔵省
 は特別会計で外貨を買うために、為券(外国為替資金証券)という政府短期証券を発行します。為券
 を発行して資金を調達して、その資金で外債を買って、為替相場を維持します。
  為券は大蔵省の発行する国債ですが、市中に為券を出してお金を調達すると、国債増発と同じで金
 利が高くなってしまうことかあります。実体経済に影響が出てしまうといけないので、為券は日銀が
 すべて大蔵省から買い取っていました。

  固定為替相場維持のために、日銀は大蔵省に指示されるままに、円を発行し続けます。日銀からお
 金が出ていく形になりますので、その分だけインフレ気味になる現象が起こりました,
  日銀の独立性などまったくありません。大蔵省が「為替介入する」といったら、インフレになろう
 がどうなろうが、日銀は円を刷らなければいけなかったのです。「国際金融のトリレンマ」で説明し
 たように、固定相場を維持するために、独立した金融政策が犠牲になっていたということです。
 
  1985年のプラザ合意までは、実は、実質的な「固定相場制」だった 固定相場を続けている限
 り、独立した金融政策を打つことはできません。固定相場制から変動相場制に移行することで、初め
 て日銀は独立した金融政策をとることができるようになります。

  では、いつから変動相場制に移行したのでしょうか。

  社会の教科書では1973年2月から変動相場制に移行したとされています。しかし、国民には知
 らされていない裏があります。
  制度上は1973年に変動相場制になったのですが、実際には猛烈な為替介入が続いていました。
 「ダーティ・フロート」という裏の介入が続いていたのです。もちろん国民にはわかりにくい形にさ
 れていました。
 「ダーティ・フロート」を完全にやめて、変動相場制に移行したのが1985年の 『フラザ合意」
 です。Iドル=360円時代は、360円から上下への変動をまったく許さない為替介入をし、19
 73年2月からプラザ合意までは、上下への変動をある程度許す為替介入をしていました。プラザ合
 意以降は「クリーン・フロート」にして為替介入をやめました,
  日本が固定相場制から、為替介入しない変動相場制に移行したのは、「1973年2月」ではなく、
 「1985年9月」のプラザ合意です。ここを見誤ると、1973年から1985年までの日本経済
 を正しく理解できなくなります。

  為替介入をやめて変動相場制にすると、為替は計算上の均衡レートとほぼ一致した数値になります。
 岡引のグラフをもう一度見て下さい。グラフの2つの折れ線が急激に近づいていくのは、1985年
 以降です。それまでは両者には開きがあります。これは介入を続けていたことを意味しています。
 整理しますと、

  ≒フラザ合意まで → 固定相場制(1972~1985年は実質的固定相場)
  ≒フラザ合意以降 → 変動相場制

 となります。

 「国際金融のトリレンマ」に則していえば、1985年までは固定相場制だったため独立した金融政
 策をとることができず、1985年に変勤相場制になってようやく独立した金融政策をとれるように
 なりました。



  第4節 「マンデル・フレミング」を知れば、財政と金融のどちらが効果的かわかる

  マクロ経済学には「マンデル・フレミング効果」というものがあります。1999年にノーベル経
 
済学賞を受賞したコロンビア大学のロバート・マンデル教授と経済学者のジョン・マーカス・フレミ
 
ング氏による理論です,単純化していいますと、表1のようになります, マクロ経済政策には、た
 った2つの政策しかおりません。1つは税金をとって公共投資をする「財政政策」、もう1つは「金
 融政策」です。

 「金融」というと、日本では金融機関と混同されてしまうことかあるのですが、ここでいう金融は「
 マネタリー」のことです。
  英語では、金融政策の場合には「マネタリー(manetary」が使われ、金融機関の場合は「フアイナ
  ンシヤル(nnancial)」が使われます。日本語ではどちらも「金融」ですが、両者はまったく別の概念
  です。金融政策は「マネタリー」の意味だと考えて下さい。

  話を戻しますと、マンデル・フレミング効果は、「固定相場制のときには、財政政策が効いて、金
 融政策は効かない。変動相場制のときには、財政政策があまり効かなくて、金融政策が効く」という
 ものです。ただし、変動相場制でも、十分に金融緩和されていれば、財政政策も効きます。
  プラザ合意までは、実質的に固定相場制ですから、金融政策は効かず、財政政策が効く状態でした。
  そういう意味では、田中政権時代(1972年7月~1974年12月)の「日本列島改造諭」に
 よる公共投資は間違った政策ではありませんでした。固定相場制のときには、財政政策は効き目があ
 ります。

  ただ、為替相場の維持のために大量のマネーが市場に出回っており、インフレ気味になっていまし
 た。そこに財政政策の効き目が加わったため、効きすぎてしまった面があります,政策手段そのもの
 は間違っていなかったのですが、インフレ状態のところに火に油を注いでしまった形となり、結果的
 に急激な物価上昇を生み出しました。

  The Works of Robert

    第5節 石油ショックで急激なインフレが起こった」はウソ

  戦後経済を見るときに、日本人が一番誤解している点は、「石油ショックで急激なインフレが起こ
 った」というものです。これは事実とはまったく追っています。
  第一次石油ショックは、1973年10月に、中東アラブ諸国とイスラエルの間で第四次中東戦争が
 勃発したことから始まっています。アラブ石油輸出国機構(OAPEC)は、イスラエル寄りの欧米
 や日本向けの輸出を制限して、さらにペルシア湾岸産油国が段階的に原油価格を4倍に引き土げまし
 た。この原油価格の高騰は世界経済に影響を与え、日本経済にも大きな打撃を与えました。

 

   石油ショックが起こると、洗剤やトイレットペーパーなどの買い占め騒ぎが各地で起きた(写真:朝日
 新聞社/時事通信フォト)。
この第一次石油ショックをきっかけに激しいインフレが起こり、狂乱物価
 が生じたと
考えている人がたくさんいます。
  しかし、インフレの真の原因は石油ショックではありませんでした。主たる要因はマネーの過剰流
 動性であり、第四次中東戦争勃発以前からインフレは始まっていました


  マネーが過剰になった理由は、為替相場です。1973年2月に制度上は変動相場制に移行してお
 り、市場に為替相場を完全に委ねてしまうと、急激に円高に振れるリスク
を抱えていました。
  圀1のグラフを見ていただくとわかるように、1973年ごろの均衡レートは140円程度です,
 308円の固定相場から一気に140円に近づいてしまったら、日本の輸出企業はバタバタと倒産し
 てしまいます。これを防ぐために、大蔵省は裏の「ダーティ・フロー
ト」で猛烈な為替介入を行いま
 した。前述したように外債を買うために為券を発行し
て、日銀に引き取らせる手法で、市場に大量の
 マネーが供給されることになりました。


  マネタリーベースが大きく増えたためにインフレが生じたのです,
  総務省統計局の消費者物価指数(総合、前年同月比の推移)を見ると、1972年10月時点では、
 物価上昇率は5・7%でしたが、翌1973年1月に6・7%となり、
変動相場制に移行した同年2
 月には、7・O%になっています。
石油ショックが起こったのは10月ですが、それ以前にすでに
 物価は急激に上がり始めていたのです。

  マネーが増えていたところに、石油ショックが起こって追い打ちをかけたため、翌1974年には
 各月の物価上昇率がいずれも20%を超えるインフレ状態となりました。
  もし、石油ショックが主たる要因だとするならば、石油ショックが起こる以前に物価が急上昇して
 いた理由の説明がつきません。やはり、インフレを生んだのはマネーが過剰になっていたことが最大
 の要因なのです。

  事実上の固定相場制を続けようとしたことで、マネーをコントロールすることができなくなり、意
 図せぬインフレが起こったと考えるとわかりやすいでしょう。1973年以降の物価高騰は、石油シ
 ョックという外的要因によるものではなく、貨幣的な現象です。
  過剰流動性の素地がない状態なら、石油価格の高騰は物価にそれほど大きな影響を及ぼさなかった
 でしょう。
  マネーがあふれているところに石油ショックが「火に油を注いでしまった」というのが正しい認識
 です。


                                        この項つづく

      
     
No.148 

【サーモタイル篇:最新光レクテナ技術Ⅱ】 

 ● 28.3THzにおけるAl2O3MIM受動レクテナによる光整流 

【材料と方法】

1.シミュレーション

IR波を照射するイルミネーションアンテナは、金属/誘電体界面にプラズモン振動を発生させる。以前の研
究では、異なる幾何学的形状を持つアンテナを比較蝶ネクタイ型アンテナは、他のものと比較してより高
い電界増強性を生かし簡素な製作と統合を考慮し設計する。新しいスタックアップに関するシミュレーシ
ョン操作を繰り返しパラメータの最適化を行い最大電界強化を得た。

1.1 隙間のある蝶ネクタイ型アンテナ

有限のギャップ(50nm)をもつAuアームとTiアームからなるボウタイアンテナを図2(a)に示す。28.3
ラヘルツで最高の電界増強のためにアンテナジオメトリを最適化するために、この設計の最適値の決定に
アームの長さ、先端角、ギャップおよび金属の厚さの主要パラメータを調査する。電磁ソルバーCST
Microwave Studio)での電場増強を図2(b)に図示。図2(b)から明らかなように、先端部では表面プラ
ズモン波の群速度と位相速度がゼロになるため、アンテナアームの鋭い先端とギャップに電界が増強され、
高度にローカライズされた領域につながる。

材料の電気的特性はより高い周波数で変化し、典型的にはDrudeモデルがシミュレータで使用するが、電子
-電子相互作用ならびに電子-イオン相互作用は無視する。したがって、実験的に得られたAuTiの周波
数依存性の材料特性をCSTに挿入。蝶ネクタイアンテナは、アームの長さと弓の角度により定義、アンテ
ナの物理的長さは、動作波長に比例するので、図2(c)の図示示ように アームの長さの変化に伴って動
作周波数が大きく変化する。図2(d~e)から、曲がり角度と金属厚さはフィールドエンハンスメントに
大きな影響を及ぼさないが、60°の曲がり角度と80nmの金属厚さを選択。アンテナ先端の電界強度はアー
ム間の隙間が小さいほど大きくなる。図2(f)から明らかなように、より小さいギャップサイズについて
はより高い電界増強があり、ギャップサイズの増加と共に減少する。最適化された蝶ネクタイ型アンテナ
は、アームの長さが2.7μm、曲がり角度が60°、金属の厚さが80nmである。アームと上記の寸法との間に、
1nmのギャップがあると、蝶ネクタイ型アンテナ先端で8桁の電界増強が得られる

1.2 オーバーラップアンテナシミュレーション 

図3(a)に図示すように、最後の設計ではアンテナアームの重なりによって蝶ネクタイ型アンテナ中央に
MIMダイオードが必要となるため、図3(a)に示すように、レクテナの重なり合った構成でシミュレーシ
ョンの実行も重要となる。この研究では、電磁気シミュレーションから得られた最適化されたアンテナ寸
法を使用、が、非常に薄い絶縁体層(Al 2 O 3)が2つの重なり合ったアンテナアーム先端の間に挟まれる。
その間の絶縁層として空気を用いた場合、アンテナアームが重なるとアンテナのピーク電界強度がより大
きな波長側にシフトする。図3(b)に示す重ね合わせアンテナピーク強度シフトは、低誘電率誘電体の導
入により補償される。計算されたアンテナ効率と抵抗値を図3(c)参照。シミュレーションでは、特定ス
タックで、約111%の放射効率と約55Ωのアンテナ抵抗(RA)を得た。


図3

                                         この項つづく 

    

❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.4

    ● かまぼこ屋だからこそできること  

  前後しますが、ここで自己紹介をさせてください。私は江戸のころよりかまぽこ屋 を家業とする
 家の次男として、神奈川県の小田原で生を享けました。自分の仕事のことを真剣に考え始めた大学生
 のころ、思い出したのは、幼いころ、父から聞かされていた父の夢の話でした。父は鈴本家の4人姉
 妹の長女である私の母のところへ婿養子に来ました。いま思えば、もともとのかまけこ屋でなかった
 からなのかもしれませんが、身のまわりから世界の動きまで視野を広く持って、かまぼこの使命や現
 在ふ本来の見通しを客観的に考えることができた人でした。そんな父から、よくこう聞かされていま
 した。「悌介、かまぼこって面白いぞ。魚の味も形も全く変えてしまう。この知恵を使えば世界中で
 捨てられている魚を使って、その国の人の口にあう新しいかまぼこができる。その技術とは実は魚の
 タンパク質の加工技術なのです。ですから、かまぽことはアミノ酸の固まりで、とてもシンプル&ヘ
 ルシーな食品です。まさに日本の伝統食であると同時に、これからの世界の食生活にも貢献できる未
 来食でもあると自負しております。ですから、このかまぼこというユニークな食べ物をより多くの人
 びとに広めたいと思うようになりました。 

  大字卒業を前に、私は次男坊という気安さもあり、それに挑戦してみたいという思いが募ってきま
 した。日本には戻らないと自分なりの固い決心の下、24浚でアメリカに渡りました。結果的には10年
 間あちらで仕事をすることになりました、
  まずはメキシコ湾で、それまで使い道のなかった原料である魚の調査にとりかかりました。州でい
 うとアラバマやミシシッピを沿岸に持つメキシコ湾はエビ漁が盛んなところですが、底引き船でエビ
 と一緒に獲れる魚はアメリカでは人気がなく利用されていませんでした。実にもったいない話です。
 それをかまぼこの原料にできないかという調査からスタートしました。

  振り返ってみれば、実に難題であったわけですが、大学を卒業したばかりの私は理想に燃えて取り
 組みました。ロスアンジェルスの日系二世の方が経営するかまぼこ屋さんとアラバマのエビの加工屋
 さんをパー・‐トナーにして現地に小さなすり身工場をつくりました。ところが、途中でその焦が穫
 れなくなってしまったためプロジェクトそのものは頓挫してしまいました。 しかし、若さゆえでし
 ょうか、落ち込むこともなく、「だったら、アメリカ人にかまぽこを食べさせようI」という方向に
 舵を切り直し、アメリカ人向けに、かに風味のかまぼこの製造販売をすることになり、会社を立ち上
 げ、工場をロスアンジェルスに建て、その会社の経営に携わることになりました。

  実は渡米して8年目に父が59歳で病気で急逝するという予期せぬ事態が起こり、私は帰国する決心
 をしました。いろいろ考え悩んだ末、会社設立当初から熱心にアプローチしてきた大手上場の食品コ
 ングロマリットの会社に自分の会社を売却することにしました。そして、一緒にがんばってきてくれ
 た社員の行く末を見極めたいと思い、売却後も残って約1年間その会社で働きました。昨日までは会
 社のオーナー経営者、今日からは大企業の事業部長という経験も貴重なものでした。アメリカの株式
 会社がどういう理屈で勤いているのか、それをよく理解し体感できました。
  その間、ほんとうにさまざまなビジネス上の経験をさせてもらいましたが、同時にビジネス以外で
 も学んだことが多々ありました。

  それは自分が日本人であるという当たり前のことと、自分がほんとうに日本のこと、特に日本の伝
 統文化といわれる分野のことを知らないという事実でした。たとえば、茶道において、なんで茶碗を
 まわすのかと聞かれるわけです。恥ずかしいことにすぐに笞えられない白分かいました。日本にいれ
 ばだれも聞かないようなことを、長く外国にいると予想もしないところであれこれ質問攻めに遭いま
 す。日本にいるときは当たり前のように行なわれていて、わかっているつもりでいたことが、まった
 く通らないわけです。

  そんな反省に立って、改めて日本という国を外から眺めてみると、その歴史と文化の深さと幅広さ
 に気づきました。外国からの文化を受け入れ、しかし、鵜呑みにすることなく、それまでの文化と上
 手に調合しながら昇華させていく。そのことを積み重ねてできあがってきた何とも垂層的な歴史、そ
 して、加えてそれが全国単一ではなく、各地でさまざまなバリエーションをもって進化していく。そ
 んな縦横に厚みのある歴史と文化が見えてきました。

              この項つづく

  

 

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小さな巨人Ⅲ

2018年02月09日 | デジタル革命渦論

 

                     告子(こくし)    /    孟子    

                                   

            ※ 人間の本性は牛の本性と同じか告子が言った。「生きてい
             くこと、それが本性だ」
              
孟子がきいた。
             「生きていくことが本性だというのは、白いものなら、すべ
             て白だというのと同じことかね」

             「そのとおりだ」
             「では、羽の白と雪の白は同じであり、雪の白と玉の白とは
             同じなのだね」

             「そのとおりだ」
             「とすれば、犬の本性は牛の本性と同じであり、牛の本性は
             人間の本性と同じだというのだね」  

      
     
No.147 

【サーモタイル篇:最新光レクテナ技術】 

 
下図(特開2016-119836  多帯域での高周波(RF)エネルギーハーベスティングを行うための整流回
路」のように、レクテナ(整流アンテナ)とは、電波エネルギーを直流電気に変換するために用いら
れる特別な
タイプのアンテナである。レクテナは、電力を電波で送信する無線電力伝送システム内で
使用される。典型的な
レクテナ素子は、ダイポールアンテナと、そのダイポール素子の両端に接続さ
れるダイオードで構成される。ア
ンテナ内で電波から誘導される交流電流をダイオードが整流して、
直流(電源を作り、この電源を用いて、ダイオードの両端に接続される負荷に電力を供給する。ショ
ットキーダイオードは、電圧降下が最も低く、スイッチング速度が最も速いという特性を有し、その
ため、伝導とスイッチングによる電力損失が最も低いことから、レクテナには、通常、このショット
キーダイオードが用いられている。大型のレクテナは、このような数多くのダイポール素子のアレイ
で構成される。また、効率的に高周波(RF)エネルギーを取り込むレクテナ開発は情報通信やエネル
ギーハーベスティングなどへの応用で非常にに関心が高まっている。遠隔装置/携帯用装置用電源供
給以外に、未使用の周囲RFエネルギーを効率的に再変換することができる、好適なレクテナがあれば、
バッテリやその他のリモート電源に取って代わり、エネルギーの需要全体を減らせる。特に、現在の
太陽光発電技術は可視光領域(400-750nm )からエネルギー回収されており、毎秒何百万ギガワット
にもなると推定される赤外線放射の絶え間ない漏出されているが赤外線(IR)領域からのエネルギー
回収は完全にアンタップ状態にある。
Jun. 30, 2016

このように、エネルギーハーベスティング用レクテナは、従来のレクテナがRFエネルギーをDC電
力に変換できるが、周囲のRFエネルギーの大部分を取り込むことができず、アンテナ(一般に、標準
の50オームまたは75オームのアンテナ)のインピーダンスを、整流回路(一般に、抵抗の他に、
強いインダクタンス/リアクタンスを有する整流回路)の入力インピーダンスと一致させるために、
従来の整流回路は、個別にRFマッチングステージを有すが、従来のRFレクテナでできることは、RF
の高出力密度のレベル(一般に、1W/mより高い)のもとで、使用可能なDC電圧を生成するだ
けであり、無線電力伝送システム内――専用高出力トランスミッタにより十分な高RFエネルギーが生
成されている。通常、周囲RFエネルギーは非常に弱く(mWからμWまで)、エネルギーハーベステ
ィングには、周囲の供給源の電力レベルが低く不十分であることが証明されている。また、従来の
テナは、単一の周波数帯用であり、大型のため適用性がなく、RFエネルギーの大部分を取り込むこ
とはできない。アンテナ(標準の50オームまたは75オームのアンテナ)のインピーダンスを、整
流回路(抵抗の他に強いインダクタンス/リアクタンスを有する整流回路)の入力インピーダンスと
一致させるため、従来の整流回路は、個別にRFマッチングステージを有し、従来型で可能なことは、
RFの高出力密度のレベル(1W/mより高い)のもとで、使用可能なDC電圧を生成するだけで、
無線電力伝送システム内で使用――専用高出力トランスミッタにより、十分なRFエネルギー生成され
る。周囲RFエネルギーは非常に弱く(mWからμWまで)、エネルギーハーベスティングを行うには
周囲の供給源の電力レベルが低く不十分であり、単一の周波数帯用(狭い帯域のRF信号を取り込む)
であり大型で適用しない。

このように、上図の特許事例では、周囲RFエネルギーを取り込み可能なRFエネルギーハーベスティ
ング装置を提供にあっては高周波(RF)エネルギーハーベスティング装置(レクテナ)は、RF周波
数で共振するよう構成されるアンテナ構造体と異なる順電圧値および異なるピーク逆電圧値を有する
2つのゼロバイアスショットキーダイオードD1、D2を用いることにより低いエネルギーレベルを
有する多帯域のRF信号を取り込み易くする整流回路とを含む。第1のアンテナ端点121で生成され
る、取り込まれたRF信号から発生する正電圧パルスは第1のダイオードにより第1の内部ノードに送
られ、そこで第2のアンテナ端点122で生成される第2のRF信号と合計され、それにより十分に
高い電圧レベルを有する第1の中間電圧が生成される。次いで、正電圧パルスは第1の内部のノード
から第2のダイオードを介して出力制御回路に送られて使用可能なDC出力電圧に変換されるように
工夫されている(詳細は上図クリック)。

 どこが違うのか 量子トンネル効果で光電変換:天候に関係なく24時間動作

今月8日、サウジアラビアのアブドゥラ科学技術大学らの研究グループは、金属|絶縁体|金属
MI
N
) 型ダイオード回路の金とチタンで構築した蝶ネクタイ型ナノスケールレクテナ(整流アンテナ)
を作製しその性能評価結果を公表
(論文名称:Optical rectification through an Al2O3 based MIM passive
rectenna at 28.3 THz,  Nove. 2, 2017
, Materials Today Energy ,  Vol 7, In progress , March 2018)。このアン
テナ作製でもっとも艱難だったのは2つのアンテナアームがナノスケールの重ね合わせ。新しく作製
されたMIMダイオードは、印加電圧ゼロで赤外線を正常に捕捉回収に成功する。従来のソーラーパネ
ルは、可視光スペクトルの小さな領域回収するだけだったが、今回、赤外線領域をすべて捕捉回収で
きること実証したことで、多くの課題をを残しつつも、これらのエネルギーハーベスタは総発電量を
増やすため何百万ものデバイスを接続することができ、天候に関係なく、24時間動作できという画
期的な技術になると期待されている。実に面白い。

● 28.3THzにおけるAl2O3MIM受動レクテナによる光整流

 【要約】

250K~1500Kの間で変動する廃熱、すなわち2~11μmでピークを迎えるエネルギーを捕捉すること
は再生可能エネルギー源への挑戦のゲーム・チェンジャーとなり得るが、この分野の研究は数多くの
課題を残している。廃熱が中赤外線(IR)周波数帯の電磁波(電磁波)であると考える。この周波数
帯は、共振アンテナを通して捕捉され、一般にレクテナと呼ばれるダイオードを介して有用なDCに整
流する。蝶ネクタイ型アンテナは、EMシミュレーションを介してIRフィールドの捕捉と強化のため
に最適化されている。蝶ネクタイ型アンテナの重なり部分には、このような高周波(28.3THzまたは
10.6μm
)で動作可能な金属 - 絶縁体 - 金属(MIM)ダイオードが実現されている。低誘電率絶縁体
Al 2 O 3)の選択は、RC時定数とダイオードのカットオフ周波数を測定するのに役立ちますが、金と
チタンの2つの異なる仕事関数金属は、レクテナデバイスのIR捕捉および整流能力を評価めに、10.6
μm
のCO 2レーザを使用するカスタムの光学特性設定が使用されている。ノイズレベルをはるかに上回
り、計算とよく一致する偏波依存電圧出力は、レクテナの動作成功のを確認する。これは印加電圧で
MIMダイオードベースのレクテナを通して28.3THz整流の最初の実証となる。

【鍵語】

光レクテナ/テラヘルツエネルギー収穫/ナノレクテナ/ 金属|絶縁体|金属(MIM)ダイオード/
トンネルダイオード

【概要】

IRスペクトルからのエネルギー収穫についての興味深い考え方は、この変動を高周波電磁波として扱
うことであり、これは、下図2に示すように、典型的にはレクテナ装置として知られているナノアン
テナと整流器の組み合わせにより収集および整流することができる:下図1(a)。尚、RFおよびマ
イクロ波帯におけるレクテナを介したエネルギー収穫は、何度も実証されている。マイクロ波周波数
のアンテナは、自由空間の電磁波を誘導波に変換し、誘導波を負荷に供給。しかし、IR周波数で動作
するアンテナは、表面プラズモン共鳴のために、ナノアンテナの鋭い先端に非常に局在した電界を多
く発生させる。

図1.レクテナシステムの概略図 (a)アンテナによって集められた波は、金属絶縁体金属(MIM
   ダイオードによって整流され、負荷に供給される、
(b)MIMダイオードを表す図

 



図2.(a)アンテナトポロジー、(b)ボウタイアンテナでのフィールドエンハンス (c)アームの
   長さ変動、(d)弓角変動、(e)金属厚さ変動、(f)ギャップサイズ変動。

 前回のの実験では、28.3THzの蝶ネクタイ型アンテナのギャップと形状を先端/先端チップを鋭くする
ことで最適化する。これらのフィールドはかなりローカライズし、フィールド強化の恩恵のため蝶ネ
クタイ中央部(シャープチップ間のギャップ)で修正する。このような高い周波数で半導体ベースの
ダイオードは動作せず、金属絶縁体金属(metal-insulator-metal、MIM)ダイオードとして知られている
トンネリングダイオードは、蝶ネクタイアンテナの2つのアームの間のナノメートルの薄い酸化物ア
ームを重ね合わせる。このMIMダイオードは、2つの異なる金属、すなわち、銅と金の間に0.7nmの酸
化銅絶縁体を備え、印加電圧なしで電子トンネリングを実現。DCにおいて適切な応答性を有するMIM
ダイオード動作を実験的に実証できたが、その周波数(εr〜7)においてCuOの高い誘電率のため28.3T
Hz
で完全なレクテナ機能を実証できなかった。デバイスのカットオフ周波数、およびサブnm酸化物に
よるデバイスの脆弱性を含むさまざまな要因に影響される。

MIMバンドベースのレクテナは、RF帯域で実証されているが、実際の実用性は、他の半導体ベースの
ダイオードが動作しない高周波数用。高周波数(約30THz程度)のMIMダイオードベースのレクテナ
に関するいくつかの論文が実証されているにもかかわらず、光整流に関連する多くの未解決の問題が
ある。それらのうちのいくつかは対称型MIMダイオードを利用しているため、動作にバイアスを必要
とするため、エネルギーハーベスティングアプリケーションには適さない。光の整流からの信号や
Seekbeck 効果の熱応答の出力に大きく寄与するという曖昧さがある。MIMダイオードの出力を金属の
みの構成(絶縁体層なし)の出力と比較することによって、この態様を明確にしようと試みた。

結果は、MIMダイオードの全体的な出力電圧への主な貢献がSeebeck であることを示した。MIMダイ
オード出力への熱寄与の問題は重要ではあるがトリッキーであり、これらの高周波でのMIMダイオー
ドの真の光整流を理解するためには注意深い検討が必要である。上記と以前の研究を考慮して、この
作業に絶縁体層として酸化アルミニウム(Al2 O3)を選択。 Al2O3は、より高い1Hz周波数で低い誘
電率(0.53.5の範囲)を有する。この値は、以前の研究のCuOのほぼ半分(またはそれ以下)であり
、MIMダイオードのカットオフ周波数を高めるのに役立つと期待される。またAuTiは、それぞれ仕
事関数(WF)が5.1 eVと4.33 eVになると予想される金属アームとして使用される。 金属間のこの高
い仕事関数差は、電子トンネリングを容易にする。前回の研究でのもう1つの問題は、非常に薄い絶
縁体層(約0.7 nm)に起因するデバイスの脆弱性である。この研究では、酸化物の厚さを約1.5nmに倍
増加。上記のステップにより、アンテナが信号(レクテナの偏光感応出力によって確認された)をピ
ックアップし、MIMダイオードが光学的整流(ゼロバイアスの応答性および計算によって確認される)
を提供できる28.3THz MIMダイオードベースのレクテナを実証できた。これは、MIMダイオードベース
のレクテナを使用した28.3 THz信号のゼロバイアス整流の最初のデモンストレーションである。
尚、この論文では、アンテナ部の完全電磁(EM)シミュレーション、MIMダイオード部の量子力学シ
ミュレーション、プロトタイプのレクテナのナノ加工プロセス、完全DCおよび光学的特性評価を記載。

                                       この項つづく 
                           

    

 

 ❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.3 

   ● 経済界からのもう一つの声  

  秋口に入り、原発が定期点検のためにIつひとつ停止していきました。すると並行して、原発
 がないと電気が足りなくなるという理由で再稼働を求める論調がかなり声高に
聞こえてくるよう
 になりました。一方、原発反対という声も聞こえます。そこで私か思
い浮かべたのは世論調査の
 通常の回答パターンでした。すなわち両端の2割が「そう思
う」「そうは思わない」、中間の6
 割が「どちらともいえない」。

  この2割一6劃一2割の論理を無理やり原発の議論に当てはめると、原発がなければこの国は
 立ち行かないとしきりに主張する経済界といわれる2割、昔から原発反対を唱
えるいわゆる市民
 運動派といわれるもう一端の2割、そして、真ん中の6割は、今回の
来電の事故でアッと驚きま
 したが、どっちを信じていいのかわからない多くの人たち、
私は脱原発だけを声高に言うつもり
 はありませんし、原発推進派を敵視するつもりも
ありません三肉極の2割の人たちの意見に乗っ
 かってなにかをしようとするのではなく、
福島原発事故でほぼ、みんなに共有できた「原発は危
 険だ」という観点から、できることをしていきたいのです。

  私かやりたいことは相手にする「だれか」を問題にすることではなく、「経済界」発とされる
 「原発がないと電気が足りなくなるぞ」「電気が足りなくなると海外に移転する企業が出てきて、
 GDPが下がって、国民はメシが食えなくなるぞ」といった発言に「違うぞ」と待ったをかけて、
 回じ経営者の立場から、6割の人たちが正しく判断するために、必要な正しい情報を提供してい
 くような活動なのです。
  真ん中の6割の人たちは、「原発は確かに危ない、怖い。だけど、原発がなくなってしまうと、
 ご飯が食べられなくなって困る」と思わされやすいし、思うと黙ってしまう。黙るということは
 すなわち「原発イエス」になってしまう。それを放置しておくと現状を改善していく力になって
 いかない。そこに強い危機感を感じました。メデイアを総動員して声高に主張を繰り返す経済界
 という2割、どうしてもイデオロギーだとか、偏っているとか、はたまた現実を知らない文化人
 が……シ」かいわれがちな真逆の2割、その間でどちらを信じていいか迷う6割という構図が見
 えてきました。市民活動はもっともっと盛り上げていただきたいと思いますが、敢えて誤解を恐
 れずに言えば市民運動ではなく経済人としてできる、やるべきデモンストレーションがあると思
 ったのです。それは「経済人」として「経済界」から違う意見を発信していくことだと思ったの
 です。
  具体的に仲間づくりを考える段階に至ったとき、商工会議所青年部の全国会長時代の仲間の顔
 が真っ先に浮かびました。ただし、この活動は商工会議所としての活動ではなく、あくまで趣旨
 に賛同する地域の中小零細企業を中心とした企業、団体の経営に関わる人たちによる活動である
 べきとの思いから、新たな会を立ち上げることにしました。

  2011年の秋口から私の考えをまとめたものを発信しながら、年明けから全国行脚を開始し
 ました。皆の知識レベルもまちまちですし、原発の対応についての見解も、いますぐとめろとい
 う人もいますし、ある程度の時間をかけてソフトランディングすべきだという人もいますし、脱
 原発であるにしても原子力の技術だけは継いでいかないといけないという人もいて、さまざまで
 す。しかし、「このシステムはおかしい」「何とか変えないと」という意見では一致していまし
 た。 世間には対立軸を明確にして議論を盛り上げるという方法を取る向きもあるようです。そ
 うではなく「原発は危ない」という共通項を大事にしながら、「私だけ言ってもどうにもならな
 い仁私の地域だけ動いても変わらない」と思っている人たちの背中を押していく。こういう活動
 を展開していきたい。このような考えをしたため、全国行脚しながら経穴者の仲間に伝えたとこ
 ろ、「議論をしたり、発信をする場があれば、俺たちも何かできるかもしれない」という声が数
 多く返ってきました。120余名の彼らには世話役として加わってもらい、またで今回対談にお
 付き合いくださった方々をはじめ各界の専門家の皆さまには、会のアドバイザーーとしてお知恵
 を借りることとして、2012年の3月20日に誕生したのが、「于不ルギーから経済を考える経
 営者ネットワーク会議」(以下「エネ経会議」)です。

                                     この項つづく

 

 ● 今夜の寸評:小さな巨人Ⅲ

再生可能エネルーのなかでも、デジタル革命基本則を強く反映し、地産地消型なものは、太陽光(太
陽熱)発電風力発
電、それに対し、バイオ(ネグロマスもそうですが)は木材は5~20年周期とな
りエネルギーを蓄積するものだから「デジ則」は反映しずらいが「地産地消」は可能、水力発電も同
じく時間をかけたエネルギー集約タイプでバイオマスと同じ。蓄電池は基本的に移動性の可否で分か
れるが、移動可能型は量産化とマテリアルイノベーションで「デジタル則」に沿うことも可能。そし
て、今日紹介した「光レクテナ」のように光熱電変換素子が商用レベルに仲間入りすれば、百パーセ
ント自然エネルギーは加速することになる。面白い時代である。 

  

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小さな巨人Ⅱ

2018年02月08日 | デジタル革命渦論

 

                     告子(こくし)    /    孟子    

                                   

            ※ 人間の本性は水?:告子が言った。「人間の本性は、ご渦巻
             く水のようなものだ。吐け口を東側につければ、東へ流れ、
             西側につければ、西へ流れる。水が東へも西へも流れるよう
             に、人間の本性にも善悪の区別はないのだ」孟子は反駁する。
             「たしかに水は東へも西へも流れる。だが、高い方へ流れる
             だろうか。人間の本性は善なのだ。それは水が低い方へ流れ
             るようなもの。低い方へ流れない水がないのと同様、善でな
             い人間もないのだ。なるほど、水を手でたたけば、頭より高
             くはねあがることもある。せきとめれぱ、山に逆流すること
             もあろう。しかし、それが水の"本性"であろうか。外から力
                          が加えられたからではないか。人間が悪事に走るのも、それ
             と同じ理屈だ」 

 

    

 ❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.2 

   ● 福島第一原発事故の衝撃 

  「3・11から3目後の14目、東京電力福島第一原発が爆発しましたで予断を許さない事態が
 続き、状況が深刻になるにつれて、前述のように、小田原・箱綴から一気にお客様がいなくなり
 ました。当初は大震災による自粛ムードが原因でしたが、爆発が起きてからは見えない放射能へ
 の恐怖が加わって、「こんなに観光客の姿がない小田原ふ相模は初めてだ」という極限に近い状
 態に陥ってしまいました。箱根の旅館から「キヤンセルが9割にもなって、とてもじゃないけど
 リストラしなければやっていけない」という悲鳴があちこちから聞こえるようになりました。私
 の会社も箱根の入り口に位置するのですが、店はまったくの開店休業状態で、この状況が続いた
 ら会社の存亡に関わると一時は真剣に心配しました。

  そういうなかで、首都圏では東京の水道水から放射性物質のセシウムが検出されたというニュ
 ースがアッという間に広がり、またたく間にペットボトルの水が商店の棚から消えました。小さ
 い子どもがいるおかあさんが困っていると聞いたので、かまぼこをつくるときに使う地下水にセ
 シウムが含まれないことを検査したうえで、駐車場に給本所を設けて無料開放しました。東京か
 らも毎日数百というお客様がわが子のためにと、車にポリバケツを積んで小田原まで水を汲みに
 来ていました。

  そのとき、つくづく思ったのが、普通に街を歩けて、普通に水が飲めて、普通の空気が吸える
 から、人間はおいしいものを食べに行こうとか、そろそろ新しい洋服を買おうとか、箱倶に遊び
 に行こうとなるわけで、いわゆる経済活動の大前提は、普通の安全・安心な暮らしであって、そ
 れなくして経済は成り立たないということです。
  どこからどこまでが安全で、いつからいつまで我慢すればいいというのがまったくわからない、
 絶えず見えない放射能におびえながら暮らしているなかで、GDPがどうとか経済成長がどうと
 かいっても意味がない、いや、そもそも成り立たないと思いました。

  一方、福島第一原発事故と同時進行的に計画停電が行なわれました。私の会社の五場はかまぼ
 こという生ものをつくっていますので、途中でやめるわけにいきません。ある日は午後から電気
 が止まるとなると、朝2時とか3時から始めて昼には仕事を終えなくてはなりません。困ったこ
 とに次の日は午前中に電気が止まるというのです。その目は昼から工場を動かして、深夜までや
 ることになります。そこには働く人がいます。これを続けることはできません。私どもはレスト
 ランもやっていますが、営衷時間だけ電気がくればよいというわけではなく、実際には開店前の
 仕込みという仕事がありますから、結屈二日中電気がないと店は開けられません。

  つくづくと思い知らされたのは、私たちの暮らし、特に経済活動は、電気というエネルギーが
 なくては成り立たないということでした。日本という国は先進国で磐石のエネルギー体制の上に
 立っていて、コスト削減のためだという意識で節電に励みっつも、一方で料金さえ払えばいつで
 も電気はくると思い込んでいたわけですが、ものの見事に足をすくわれた思いでした。わが国の
 エネルギー体制の脆弱さに気づかされたのです。
  原発のことを含め、日本の子不ルギー、特に電力の仕組みに関する本や情報を読みあさりまし
 た、そこには驚くような問題があることがわかってきました。

   ● かまぼこ屋のささやかな挑戦

  夏を迎えて私の地域では15パーセントの節電がいわれ、工場で大目契約をしている私の会社は
 「15パーセントカット」が義務づけられました、そのときに私は社内に宣言しました。
 「15パーセントなんてチャチなこといってないで、もう一声、20パーセントにチャレンジし
 よう」
  なぜ「20パーセント」かというと、当時、原発54基のうち確か17か18基が動いていました。
 そもそも原発は総発電量の3割を占めるということでしたから、稼働している原発の発電量は2
 割に満たないわけです。したがって、お客様にも迷惑をかけずに、社員のクビを切らずに「20
 パーセント」の節電を実現すれば、ごまめの歯ぎしりかもしれませんが、経済をまわすことがで
 き、「うちは原発の電気は要りません」と言えると思ったわけです。

  やってみようということで、実際に節電にチャレンジしました。節電には「ピークをどうしの
 ぐか」ということと「一定期間の積算使用量をどうやって減らすか」という2つの側面がありま
 す。
  時間がありませんでしたので、設備的な改善はほとんどできませんでしたが、運用面で工夫し
 ました。たとえば、かまぽこ工場では、通常1日10ラインを週5H流していたものを、ピークカ
 ットをするために1日7ラインに減らし、その代わり週7日間の稼働にしてみました。減少した
 3ライン分を穴埋めするために日数を増やしたわけです。もちろん、社員は交代でいままでと同
 じ日数の休みをとります。このように生産計画を変更することで、ピークカットはもちろん、よ
 り効率的な工場稼働により、契約電力を下げ、夏場の積算の電力使用量も減らすことができまし
 た。

  また店舗の空調。たとえば、これまでは10機の空調機を同時にスイッチオンとオフを繰り返し
 ていたものを一機ずつタイミングをずらしてオン・オフを調整してみたら、お客様に不快な感じ
 を与えることなく、体感温度の維持ができることがわかりました。結果として、お客様に迷惑を
 かけることなしに節電ができ、真夏の暑い数時間の電力不足から設定された、当時喫緊の課題で
 あったピークカットの目標を達成することができました。
  これまでも、私の会社でも電気料金はコストですから、節電、省子不はやってきたつもりでし
 た。が、まだ甘かった。ほんとうに切羽詰まって本気になれば、まだまだ賢いエネルギーの使い
 方はあるということを実感しました。今後は設備の改善も含めて取り組めば、省エネ、節電の余
 地はもっとあると思っています。その気になれば工夫できることはたくさんあるというのが実感
 で、要は決心二死悟だというのが率直な思いです。

                                     この項つづく 

      
     
No.146

【水素エネルギー篇:高活性窒素酸化物浄化触媒】 

今月7日、産総研らの県有グループは新たに開発したゼオライトの超高速合成法、粉体の微粒子化法
などを組み合わせ、低温から高温までの幅広い温度帯で高い触媒活性と耐久性を示す自動車用窒素酸
化物浄化触媒の開発に成功したことを公表。これにより、低温での活性向上に加え、高温での耐久試
験後もほとんど劣化せず高い活性を維持することから、従来使用できなかった温度帯での使用が可能
となり、自動車の燃費が飛躍的に向上し、また、水素モータ(水素ガスと空気燃料内燃機関)の弱点
をカーバーでき燃料電池だけでなく自動車や航空機のエンジン・タービンなどの排気ガス中の窒素酸
化物の除外が可能となる。

この研究開発の背景には、バスやトラック、乗用車などに対する環境規制は年々厳しくなり、特に窒
素酸化物(NOx)を効率的に浄化する触媒の開発が急務となっていた。自動車の排ガス触媒について
は、三元触媒があるものの、より効率的な運転が可能となる希薄燃焼条件で発生した排ガスでは、酸
素濃度が高くなり触媒として十分に働かないため、新たな触媒(スーパー触媒)が求められていた。
ところで、ゼオライトはシリコンおよびアルミニウムの化合物にアルカリ金属や有機物などを加え、
高温水中で加熱することで合成。得られるゼオライトは、上図1に示すように、シリコン、アルミニ
ウムおよび酸素原子が規則的に配列した骨格構造を持った結晶になっています。本研究では、Na(ナ
トリウム)イオンを用いてNa型ゼオライトを合成した後に、NaイオンとCu(銅)イオンを交換しCu
型ゼオライトとすることで排ガス処理触媒の活性する。Cu型ゼオライトの耐熱性は、この骨格構造内
に形成され残留する構造欠陥に依存し、低温域を含む広範囲温度での触媒活性は、Cuイオンのゼオラ
イト結晶内における分布や存在密度に依存すると考えられる。

 どこが違うのか

これまでのCu型ゼオライト触媒は200℃以下の低温での活性が低く、また高温水蒸気存在下におけ
る耐久試験後には活性が大きく低下していたが、ゼオライト構造の最適化と結晶内の欠陥を極限まで
低減させることにより達成された。また、ゼオライトの合成には、数日から数週間程度かかるのが、
この研究開発では数分から数十分で合成、最も短いもので6秒という超短時間で合成(下図2)。超
短時間合成は、新たに開発した反応物(ゼオライト原料混合物)と高温の水混合させることで高速
昇温を実現する二液混合型流通合成システムにより達成。今回得られたCu型ゼオライト触媒は、これ
らの技術を活かし合成されたNa型ゼオライト(数十分以内で合成可能)にCuイオンを導入することで
調製。さらに、高価な有機物や金属を用いない、または使用量を低減した合成法となっている。

さらに、合成されたゼオライトを適切な粒径に整粒し、活性点を導入することにより初めて触媒とし
て使用できるのだが、シミュレーション・スケールアップ方法とゼオライトの非晶質化を最低限に抑
えた粉体の微細化技術を開発し、細孔容積がほとんど変化しない量産レベルの微粉砕機ビーズミル(
図3)の運転条件を把握。さらに、ミリングにより構造が壊れた部分を再び結晶化させることで自在
に粒径を制御、およびCuイオンを導入するための電荷を供出するAl(アルミニウム)をゼオライトの
骨格から適切に除去し、活性点密度を効果的にコントロールしている。



このように、今回のNEDO先導プログラムにより、自動車用NOx除去触媒(スーパー触媒)の「実用化
に向けた課題」を明確にしたほか、「この課題を解決する方法」にもめどが立ちました。今後は実施
体制を一新し、産業界中心のより強固なチームに編成し直し、実用化に向けた研究を進めるとの方針。

※ 関連特許:特許6236647  アルミナ粒子 国立研究開発法人産業技術総合研究所 他


尚、水素モータによる窒素除去には、触媒反応効率とするか、燃焼混合方法や燃焼室の熱設計などの
工夫で改良など研究する予知あり、従って残件扱いとする。、

【新方式のアレーアンテナ、高精度にビーム走査】

今月6日、三菱電機は高い精度でビーム走査が可能なアレーアンテナ「REESA(リーサ)」を開発し
たことを公表。また、小型・低コスト化も実現。空港レーダーや移動体衛星通信に用いられるアンテ
ナはこれまで、機械駆動式のパラボラアンテナや高周波モジュールを用いたアレーアンテナが一般的
であった。これらのアンテナは形状や重さ、価格や精度などの点で課題であった

今回開発したREESAは、168個の円偏波アンテナ素子で構成。この素子を個別にモーターで回転さ
せると、各アンテナ素子の位相を約2度ステップで制御することができる。この結果、高周波モジュ
ールによるアレーアンテナに比べて、約5~10分の1の位相設定精度でビーム走査を行うことがで
きる。試作したREESAを用いて衛星放送の受信実験を行った結果、BS衛星方向にビームを走査し、放
送映像を映し出せることを確認。

アンテナ素子の給電には、ラジアルライン導波路を用いた。このラジアルライン導波路は、所定の間
隔を空けて配置した2枚の金属板により構成される中空型分配回路となっている。構造がシンプルで
低損失、という特長がある。試作品で特性を評価したところ、12GHz帯で効率85%を達成(一般
的なパラボラアンテナの効率は70%程度)。同社は20年ごろの製品化を目指す。用途は従来の空
港のレーダーや移動体衛星通信に加え、撮影した映像を長距離伝送するドローン装置や工業用マイク
ロ波加熱装置などへの応用も視野に入れる。

 どこが違うのか

● アンテナ素子を個別にモーターで回転させ、高精度なビーム走査を実現

・ 円偏波アンテナ素子を個別にモーターで回転させて位相(電波の山と谷の位置)を制御
・ 位相を約2度刻みで細かく制御できるので、高精度なビーム走査を実現
・ 機械駆動式パラボラアンテナ※6に比べ小型で、高周波モジュールを用いたアレーアンテナに比べ
  安価

 

● 高効率を実現し、低消費電力化に貢献

・ アンテナ素子への給電に低損失な中空型分配回路を採用し、12GHz帯で85%の高効率を実現

 

※ 関連特許

・特開2013-130405  アンテナインピーダンス測定方法、アクティブフェーズドアレーアンテナおよ
          びアンテナシステム
特開2017-055245  送受信モジュールおよびアクティブフェーズドアレーアンテナ

【概要】

簡易な構成によって、スプリアスの発生を抑制することができる送受信モジュールおよびそのような
送受信モジュールを備えるアクティブフェーズドアレーアンテナを提供する。局部発振器11は、外
部から入力される基準信号を逓倍した局部発振信号を生成する。DAC5は、基準信号に基づいて、
決められた周波数及び位相を有する波形のデジタル値を含むデジタル送信信号をアナログ送信信号に
変換する。アップミクサ4は、局部発振信号に基づいて、DAC5から出力される信号をRF周波数
帯の送信信号にアップコンバートする。ダウンミクサ8は、局部発振信号に基づいて、RF周波数帯
の受信信号をダウンコンバートする。ADC9は、基準信号に基づいて、ダウンミクサ8から出力さ
れるアナログ受信信号をサンプリングしてデジタル受信信号に変換する。



・特開2018-011249  通信システム、基地局装置、通信端末装置および通信方法

【概要】

通信端末装置間の干渉を低減して、システム容量を高めるとともに、通信端末装置の移動に伴う通信
性能の低下を抑えることができる通信システムおよび通信方法、ならびに前記通信システムを構成す
る基地局装置および通信端末装置を提供にたたって、通信システムにおいて、基地局1001は、複
数のアンテナ素子で構成されるアレーアンテナ部1002を用いて信号の送受信を行う。基地局10
01は、アレーアンテナ部1002によって、ビーム幅の異なる複数の指向性ビームを形成可能であ
る。基地局1001は、制御部1003およびビーム幅選択部1009によって、各通信端末から与
えられるフィードバック情報に基づいて、各通信端末に対する送受信に用いる指向性ビームのビーム
幅を制御する。


【図16】アレーアンテナ部1002でビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図
【図17】アレーアンテナ部1002でビームの形成に使用されるアンテナ素子を示す図
【図18】多素子アンテナから送信されるビームのメインビームからの角度と動作利得との関係図
【図19】複数の通信端末と基地局との通信に用いられる異なるビーム幅のビームの例を示す図

アレーアンテナは改良予知は大きいように思えるが、開発現場を知らないので、最新技術情報の収集
を継続する。

【植物工場篇:水耕栽培方法】

話は逸れるが、植物工場を全国展開する事業のこととビタミンB1をニンニクでとれないか考えてい
た。前者は、大雪や寒波といった異常気象が日常化する人為的地球温暖化時代対策としての植物工場
のリース事業化で作付けモデリングと規模を決め、生産者(リース先)と相談の上詳細を決定し植物
工場を貸し出しリース料を頂くというビジネスモデル。生産者は、生産物を顧客に販売しビジネスす
つもの。配送は自然エネルギーを使用したトラック、ジェット機を使用し配送する、何だったら配送
は委託させてもよいというもの。それで関連の最新特許事例をを調べていると2件の事例に着目。1
つは「特開2017-85933:水産養殖と植物栽培とを結合する方法及びシステム」でブログでもアイデア
掲載している。2つめは下図の「特開2017-85933:水耕栽培装置および水耕栽培方法」。これもブロ
グでもそのアイデアを掲載している(詳細は下図クリック参照)。

2つめは、植物工場とは関係ない寒さによる抵抗力低下(=免疫力強化)対策の実践だ。免疫力を高
めるには、活性酸素を取のり除く効果の高い抗酸化食品を積極的な摂取が奨励されているが、抗酸化
物質とはビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、β-カロテン、ポリフェノールなどで、野菜や果物に
含まれる。そのなかでニンニクは、アリインというたんばく質が多く含まれていて、アリインが酸素
に触れると、アリシンに変化。アリシンは細胞内に浸透しやすく、酸素と結びつき、細胞膜や遺伝子
の代わりに活性酸素に利用されて体外に排出する。にんにくには、こうした抗酸化作用でがん予防や
免疫強化作用に優れているので、1日1~2かけほどの適量を取ればよいとされる。そのほかバナナ、
カボチャ、ヨーグルト、ブロッコリーなども良いとされるが、過度なストレスは逆に免疫力低下させ
る。大量に摂取するには武田製薬の「アリナミン」で十分だが、値段が高い?1日3錠服用してアリ
ナミンEXプラスαで、約63円、国産ニンニクが1片で約66円、中国産で7円(ただし、1個6片
として経産)。圧倒的に中国産が安い、それでも国産の素性のしれた安いニンニクを購入したい(こ
残件扱い:国産ニンニクの植物工場での低価格化の事業開発)。1片の皮を剥き、ライスペーパーで
はなくチーズペーパーで挟むか、バターやマーガリンででコートし小皿に入れ、電子レンジ(5百ワ
ット)で、ニンニクの急激な揮発が起こらないように気をつけ、2秒加熱→2秒停止→2秒加熱を数
回繰り返す(プログラミング機能があれば助かるのだが)。串で中までホカホカに柔らかくなってい
たら、それを戴く試食を実行。美味しいことを確認。後は1日の摂取量とその効能確認を2週間続け
る(2月20日に中間総括の予定)。経過がよければ、チーズ、バター、電気などの詳細費用を計算
する。

 Feb. 7, 2018



● 5月にケープタウンの水がなくなる

南アの大都市で未曽有の水不足、都市の渇水は世界各地で起きている

 南アフリカ共和国きっての大都市ケープタウン。しかし数カ月後には、その市民400万人は列を作っ
て飲料水の配給
を受けることになるかもしれない。人口増加と記録的な干ばつが、かつてないほど深
刻な渇水危機を引き起こしている。南ア政府は、水道の水が使えなくなる「デイゼロ(Day Zero)」
の到来は避けられない見込みと警告する。デイゼロが来るのは5月11日と予想されており、貯水池
の水量が危険なほど低くなるため、市当局は家庭や商業用の水道を強制的に停止せざるを得ない。ケ
ープタウンのような国際都市で、これほど大規模な断水が起こる事態はほとんど想定されてこなかっ
た。ところが現在、北米、南米、オーストラリア、アジアに至る数々の都市で、深刻な飲料水不足に
陥る危険が高まっている。過剰な開発と人口増加、それに気候変動の影響で、水の利用と供給のバラ
ンスが崩れていることが背景にある。

 ● 今夜の寸評:小さな巨人Ⅱ

日本(では現代は第4次産業革命」の最中にある。 わたし(たち)は、第1次革命は農業革命(焼き畑農業と羊
の去勢)、2次産業革命は工具材料革命(第1.5次産業)、石器・木気・土器(セラミック)・青銅器・鉄器・セラ
ミックスに代表される。第3次革命は活版印刷・製本革命で現在の情報・通信に通じるもの、聖書の普及によ
り、識字率が向上、政教分離が進む。第4次産業は蒸気機関でお馴染みの地下化石燃料革命にあたる。そし
て、第4次革命ががデジタル革命(小さな巨人の進撃)で第4次革命(画像産業・6次産業=農業×工業×サー
ビス産業勃興)というストリームである。

 

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小さな巨人Ⅰ

2018年02月07日 | デジタル革命渦論

 

 

 

                     告子(こくし)    /    孟子    

                                   

            ※ 人間の本性は柳?:告子が言った。「人間の本性は、しなや
             かな柳のようなものだ。そして義という徳は、柳細工のよう
             なものだ。人間の本性で仁義という徳を作るのであって、こ
             れは、柳で細工物を作るようなものだ」孟子は反駁する。「
             あなたは、柳の性質を生かして細工するのか。それとも、柳
             の性質を殺してしまって、細工するのか。もし後者だとすれ
             ば、人を殺してしまってから、仁義という徳を作ることでは
             ないか。あなたのそういう意見が人々をまどわして、仁義を
             ゆがんだ方向に引っぱってしまうのだ」

          〈告子〉 孟子と同時代の人。事績はよくわからない。儒家、墨家
               の学を修めたという。人問の本性は善でも不善でもない
               と主張した。
          〈柳細工〉原文は「桮棬」(はいけん)、柳の枝を絹んで作った器
               である。

          【解説】 これ以下の五章は、性善説をめぐる告子との諭争である。
               人間の本性は善である。この人間性への信頼こそ、孟子
               の人間認識であり、修養諭の根底である。これをくつが
               えされれば、すべてが崩れる。孟子が、読むものに奇異
               の感さえ与えるほど、躍起になって反駁するのも、実は
               そのためである。汲子は巧みなレトリックで告子の矛盾
               を衝いてゆく。しかし仕苦役の論拠が積極的に腰問され
               ていないため、その巧みさも論駁のための論駁という感
               じを免れない。だが、逆に言えば、それだけ必死だった
               のである。 

      
     
No.145

 【ピエゾタイル篇:風圧分布高密度計測センサ薄膜】

今月6日、産総研の研究グループは、フィルムに形成した切り紙構造の動きを利用し、風圧の分布を高
密度に計測→
格子状に並んだ羽根状のフィルムの動きを、印刷法で形成した高感度ひずみセンサで個別
に検出→
低燃費ボディーの開発や姿勢制御技術の高度化など、モビリティー分野での幅広い応用に期待
鳥の翼をヒントに、切り紙構造と印刷技術で風圧分布を可視化の成功を公表。

今回開発したセンサは、単一の樹脂のフィルムを切り紙細工のように加工して小さな羽根状の可動構造
を形成
し、その動きを利用して風圧の分布を計測するものである。風圧に応じて動く羽根状の可動構造
が格子状に並
べることで、フィルムが受ける風圧の分布を個々の可動構造の動きとして捉える。フィル
ムの表面には高感度な
ひずみセンサを印刷形成、可動構造の動きを個別計測。また、印刷法とフィルム
加工製造センサは大面積化が
容易であり、自動車や航空機の低燃費化/姿勢制御の高度化など、モビリ
ティー分野での幅広い応用できる。


また、飛行機が乱気流に突入した時の揺れには誰もが不安や不快感を覚える。こうした乱気流の中でも
安定し
た飛行体勢を維持するために、バイオミメティクスの分野からは鷹やハヤブサなどの鳥類が持つ
風圧検知機能
の模倣が有効である。鳥類は翼の羽根1本1本を使い風を面状に受け、風圧の分布や流入
角度を捉えることで飛行に最適な姿勢を選択。この高度な風圧検知を風圧分布を高密度で計測するセン
サをが必要とする。また、自動車の低燃費ボディーの開発をはじめ各種産業への広い技術応用できるが、
従来の風圧や風速の検出センサは設置された1点のみの計測のため、多点計測には個別のセンサーを並
べ設置する必要があるため高密度分布計測が困難であり、また自動車や飛行機のボディー表面で計測に
は、面形状への設置や大面積化が必要であり、これらを可能にする新たなセンサーデバイスが求められ
ている。

開発したセンサフィルムの拡大写真を上図1(a)に示す。フィルムを切り抜いて空隙部を設けることで、
風を受ける面状の部位が細い柄を介してフィルム本体から突き出た羽根状の構造を形成。この構造は、
面状の部位が圧力を受けると細い柄がたわみ、センサーフィルム本体から独立して動く構造として働く。
この構造をフィルム面内に格子状に配列させることで、鳥の羽根の1本1本と同じように、風圧の分布を
個々の可動構造の動きから計測できる。今回開発したセンサシートでは、厚み50mmのポリエチレンナフ
タレート(PEN)フィルムをレーザーで加工し、図1(a)の羽根状の可動構造を10 mm間隔でX方向、Y方
向にそれぞれ13個ずつ配列させ、169個のセンサを1枚のフィルム内に格子状に形成させる。

風圧による羽根状の可動構造の動きを電気的計測には、可動部表面に生じるひずみ検出することが有効
なものの、従来のひずみセンサは、ひずみにより生じる電気抵抗変化率(ゲージ率)が低く、今回のよ
うに多点ひずみを一括検出の場合、個々の可動構造の変化を正確測定できない。高感度ひずみセンサ用
導電
インクを独自開発。このインクを印刷形成したひずみセンサーは、ひずみに応じて電気抵抗値が極
めて大きく変化する。上図1(c)のグラフの傾きに示されるように、ひずみセンサーの感度の指標とな
るゲージ率は約200で、これは市販の金属箔ひずみゲージの100倍の感度に相当。このひずみセン
サを図1(b)に示すように可動構造たわみ方向に沿わせて形成すると、たわみの大きさに応じて明確な電
気抵抗値の変化が示される。図1(d)のように、風圧検出部単体の風圧による電気抵抗値の変化率は、
風圧を受けていない状態からおよそ200 Paまで連続的に変化し、一般道路を走る自動車の制限速度であ
る時速60 kmで受ける風圧を計測範囲に収める。この風圧検出部の動作を多点で検出するために、タッチ
パネルなどで一般的に用いられる単純マトリクス駆動回路を同一フィルム表面に形成し、これに各ひず
みセンサーを接続。多点計測した場合でも、各センサが示す明確な電気抵抗の変化により、可動構造の
動きを個別に判別可能となる。このように個々の可動構造が風圧に応じて示す動きをひずみセンサを用
いて計測する風圧分布計測用のセンサフィルムを開発する。



このセンサーフィルムは、簡便な手法で製造できる。上図2に示すように単純マトリクスを構成するX電
極線とY電極線、それらの間に挿入されるドット状の絶縁層、そして独自開発した高感度ひずみセンサ用
導電インクのひずみ検出部はいずれもスクリーン印刷形成され、機能層が印刷されたフィルムに、微細
加工用に最適化したレーザー加工を施すことで、ひずみ検出機構と羽根状の可動構造が一体となったセ
ンサフィルムが製造される。これらの工程は全て大気中で行えるため、大掛かりな真空装置を必要とせ
ず。またこの製造工程で用いられる加熱処理は最高130 ℃であり、製造に必要なエネルギーも低く
抑えられる。製造に必要な負荷を設備面、エネルギー面の両面で抑えられ、開発したセンサフィルムは
量産化や大面積化に対応できそうである。

※ 関連特許

・特開2016-174699  ゲームコントローラ 大日本印刷株式会社 
・特開2017-208372  導電パターンの形成方法および電子デバイスの製造方法 DIC株式会社他 
・特開2017-183637  配線基板、配線基板巻回体及び配線基板の製造方法 大日本印刷株式会社
・特開2017-188510  電子デバイス、電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを備える実装基板
          大日本印刷株式会社 

【太陽光を無償設置するPPA事業】

● フリーソーラープロジェクトの普及拡大を後押し

今月1日、NTTスマイルエナジーとデンカシンキは、PPA(Power Purchase Agreement)事業――電気を利
用者に売る電気事業者と発電事業者の間で結ぶ「電力販売契約」――に関してビジネスパートナー契約
を締結したことを公表。デンカシンキが提供する第三者所有モデル「フリーソーラープロジェクト」の
さらなる普及拡大を狙い、NTTスマイルは「エコめがね」の提供に加え、住宅に設置された太陽光発電
システムのオーナーとして参画する。昨今では主に一般住宅を対象として、発電事業者が住宅オーナー
に太陽光発電システムを無償設置し、一定期間内は発電事業者がシステムを所有し売電収入を得るとい
う「第三者所有モデル」の普及が進んでいる。第三者所有モデルでは、一定期間内は住宅オーナーが余
剰電力の売電ができないなどの制限はあるが、住宅オーナーは次のようなメリットがある

・初期費用の負担なしで自宅に太陽光発電システムが設置できる
・一定期間利用後に、設置された太陽光システムが無償譲渡される
・災害時に非常用電源として利用できる

デンカシンキが提供する第三者所有モデルの住宅向け太陽光発電サービス「フリーソーラープロジェク
ト」は、一般的な従来の第三者所有モデルと比較して、設備譲渡までの期間が短くなるメリットがある。
無償で太陽光発電を設置、“発電払い”で需要家の負担ゼロ)。同社の試算では、設置から8~9年程
度で住宅オーナーに譲渡できる見込み。このフリーソーラープロジェクトでは、NTTスマイルエナジー
は既にPPA専用の「エコめがね」を提供していた。中国のOEMメーカーや個人投資家などからの出資を
集めデンカシンキは提案開始から約1年で600件程度の住宅オーナーと契約したとするが、本プロジェク
トのさらなる普及拡大のため、NTTスマイルエナジーは発電事業者としてシステムのオーナー兼投資家に
参画することを決定。オーナーとして参画するにあたり、NTTスマイルエナジーの資金調達は「NTTグル
ープとして数十億円程度を調達する」(NTTスマイルエナジー社長 小鶴慎吾氏)として、エコめがねの
拡販と売電収入の両面から投資回収を狙う。さらに、本プロジェクトの全国展開に向けて取り組むとし
ており、目標件数については「2018年度半ばをめどに早期1,000件を目指している。

 

  

 ❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.1

   ● 東日本大震災から学んだこと

  2011年3月11日、大震災が東北を襲ったそのとき、私は小田原箱根商工会議所で次の会議
 が始まるのを待っていました。激しい揺れが収まり、テレビのスイッチを入れると、津波が街をの
 み込んでいく映像が映し出されました。被災地には私が日本商工会議所青年部の会長のときに知り
 合った友人が多数います。そうした仲問たちの顔が一つひとつ浮かんできました。携帯電話で安否
 を確認しようとしても、まったくつながりません。急いで会社へ戻り、情報のネットワークをつく
 ろうと被災地以外の商工会議所青年部時代の友人に連絡をとりました。そうこうしているうちに、
 青年部時代の仲間のなかから鉄砲玉みたいな人間が現れて、翌朝、トラックに救援物資を積めるだ
 け積み込んで被災地に向かって出発しました。彼らが直接安否を確認して連絡してきてくれたおか
 げで青年部時代の仲間の生存が次々に判明していきました。

  そんな仲間の一人、気仙沼の坂井政行さんとのことをお話しします。坂井さんは私か全国の会長
 を務めた2003年度に東北地区大会の責任者を務めていただいた関係で2年ほど行動を共にした
 かけがえのない友人の一人です。彼の商売はクリーニング屋さんでした。海際の工業地帯にあるお
 店と工場と自宅が一つになった建物は津波ですべて流され、間一髪、奥さんと身一つで逃れて、高
 台にあったため避難所になっていた気仙沼高校に避難し、その避難所のリーダーをやっていること
 がわかりました。ようやく坂井さんと携帯電話がつながりました。

 「何か欲しい?」
 「何もないから何でもよい,とりあえず食い物が欲しい」
 「じゃあ、かまぼこだったらすぐに送れるから、どこへ送ったらいい?」
 「災害対策本部にだけは送らないでくれないか」

  災害対策本部に送られてしまうと荷物が出てこなくなってしまうからだというのです。私も現地
 の対策本部に何度か足を運びましたが、1カ月後でもまだ救援物資が臨時の倉庫に山積みのままと
 いうところが多かったことを覚えています。通常の災害と違って東日本大震災の被害の規模がいか
 に大きかったかを物語る話だと思います。そこで彼の言葉に従って、かまぼこをトラックに祓せて、
 気仙沼高校、坂井政行宛に送り続けました。その後も彼と連絡を取りながら、物資を送り続けてい
 ると、必要なものがどんどん変わっていくのがわかりました。食べ物の次は靴が欲しいというわけ
 です、まったく私の発想にはないことでしたが、考えてみれば、びしょ溢れになって逃げて、食べ
 物が間に合ったとなれば次に必要になるのは動きまわるための靴だというのが当然のなりゆきでし
 た。

  テレビで見ている限り、報道ではどこの週難所にも食べ物は行き渡っているように受け取れまし

 たが、実際には、坂井さんのところは間に合っていても、まだまだ行き渡っていない週難所がいく
 らでもあるというのが現実でした。それどころか彼のまわりには、行政が把握していないような避
 難所が何十ヵ所もあるというではありませんか。彼は自分白身もたいへんな状況なのに、できる限
 りそのような週報所にも物資を配るように努力すると言ってくれました。

 「じゃあ、食べ物はまだまだ要るよね」

  私はマスコミの報道に惑わされることなく食べ物を送り続けました、
  東日本大震災の救援活動を通じて強く思ったことは、私と彼の間に顔の見える関係がな甘、ひま
 ぽこ屋がヱネルキーのことを可えたのひなければ、こうはいかなかっただろうということです。テ
 レビを見ながら義援金を送ったり、救援物資を市役所に持ち込んだり、災害対策本部宛に送ったり
 などしていたのでは、自分が送った救援物資が役立ったかどうかもわからなかったと思います。中
 央集権的な仕組みは平時は効率よく勤くのでしょうが、ひとたび事が起きてしまうとシステムその
 ものがマヒしてしまうということもよくわかりました。

  そこでものをいうのは、「分散型・独立型・直接型」の仕組みです。中央集権型と分散型の両方
 の仕組みがないと、いろいろな状況には対応できないということを身をもって知りました。そして、
 いくらよい仕組みをつくっても、そこに人と人との顔の見える関係がないと、その仕組みはきちん
 と機能しないということがわかったのでした。
  顔の見える関係という意味で、実に得がたい教訓を得た出来事がありました。テレビなどで見か
 けるのは、被災者の皆さんがプライバシーのない避難所で冷たいおにぎりを食べ、風呂にも入れず、
 板の床に横になっている姿でした。他方、温泉のある箱根のホテルはキャンセル続きで、がら空き
 です。経営者はこのままだとパートさんのクビを切らないとやっていけなくなるという状態でした。
 私が素人考えで思ったのは、「一方に寒さで震えている人がいて、他方で部屋が空いて困っている
 なら、こっちへ来てもらえばいいじゃないか」ということでした。寒い避難所から暖かい箱倶に来
 てもらって温かいご飯を食べて、熟い温泉につかりながら1週間もすごしたら、元気を取り戻して
 くれるのではないかと単純に考えたわけです。

  すぐに小田原の市長さんと箱根の吋長さんと箱根の旅館組合の組合長さんのところへお願いに行
 き「受け入れ態勢をつくりませんか」と相談を持ちかけました。調べてみると、災害対策基本法に
 いい方法があることがわかりました。避難民に対して国から1泊5000円の補助金が出るという
 のです。いろいろと議論して計画を練り上げた結果、当座、箱根町が補助を肩代わりし、旅館組合
 も5000円でも入ればパートさんをクビにしないですむというので、まず700人の受け入れ態
 勢を整えてくれました。小田原市は被災地まで送迎のバスを手配してくれることになりました。私
 はその計画の情報を現地の避難所に流したのです。私のイメージでは町内会の旅行みたいにバスを
 2、3台連ね、まとめて送迎するはずでした。ところが、実績はゼロで終わってしまったのです。

  この失敗から私が個人的に学んだことは、気仙沼にしても石巻にしてもほかの被災地にしても、
 箱根は遠い場所です。そのうえ、行ったこともない、知った人もいない、そんなところには来ない
 ということでした。実際には群馬県の片品村へは行っているわけですから、そこよりも遠い箱根で
 あっても、だれかさんを普段から知っているという関係があれば、安心して来てもらえたのではな
 いかと思いました。どんなにいい仕組みをつくっても、顔の見える関係が伴わなければ、人は動か
 ず仕組みは役に立たないということを思い知らされました。
  顔の見える人と人のつながりがいかに大切か。そういうことまでわれわれは、あまりにも他人任
 せにしすぎたのではないか、これからは顔の見える仕組みを自分たちでつくっていかなければなら
 ない私はそれを痛感しました。

                             『エネルギーから経済を考える』


尚、本書は2013年11月1日発行「エネルギーから経済を考える」を新書判にしたもので、内容は
発行当時のものです。

                                       この項つづく 

 

● 事件背景と告発の意味 Ⅷ

 第2章 信教の自由・プライバシーと監視社会-テロ対策を改めて考える  

    第4節 流出資料で見る警備公安警察の監視の実態

  続いて下資料3は、都内にあるモスクの場所や代表者などを一覧表にまとめたものです。を見ると、
 モスクの設立年月日といった基礎的データのほか、モスクに出入りしている人の特徴、国籍、礼拝
 への参加者数、さらにはモスクの銀行口座までが記載されていて、違法に近い手段も駆使してモス
 クを日常的に徹底監視していることが浮かびあがります。 

 

 次の資料が「要警戒対象視察結果報告」、いわゆる尾行に関する記録です(資料4)。が「要警戒」
 と一方的に見定めたムスリムをどのように追いかけまわしていたかがわかります。たとえば、ここ
 にあるように、朝八時から「マルタイ=要警戒対象」の一視察」を開始し、居室のカーテンがどう
 なっているか、電灯はどうか、そして外出すると終日、すべての行動を尾行した結果が記録されま
 す。セブンーイレブンに入って何を買い物したがとか、飲食店で誰と接触したかといったことまで
 事緬かに報告され、「マルタイ」と接触した人物が何者かもやはり徹底的に調べ上げる。必要があ
 れば、接触者にも二四時間体制の尾行がついていることがうかがわれます。


  これらはいずれも日本の公安警察組織が左翼勢力を監視する際に使っていた手段であり、それら
 を駆使してムスリムたちを徹底的に監視しているわけです。


   第5節 ヨーロッパにおける監視捜査の状況


  個人情報の収集に関してヨーロッパとアメリカでは基礎となる考え方が異なります。それは
プラ
 イバシー権が発展してきた歴史が異なるためです.アメリカのプライバシーはアメリカ合
衆国憲法
 修正4条とともに発展してきました。修正4条は日本国憲法35条と類似した条文
で、主に住居の
 不可侵をうたったものです。無限定な捜索や差押を禁止し、特定の容疑と結び
付いた令状に基づく
 捜査を原則としています。

  そして判例法の発展とともに、住居などの閉鎖的な空間でなくとも、プライバシーの合理的な期
 待が及ぶ状況であれば、修正4条の理念が適用されるとして、通信の秘密などに厳格な保
護が及ぶ
 ようになっていきます。

  他方、ヨーロッパでは主にナチスードイツのポロコーストに対する反省が基礎とされています。
  ナチスはひとりひとりの個人情報を収集し、分析することでユダヤ人かどうかの選別を行
いまし
 た。国家権力が市民の個人情報を収集し、それが濫用された場合に最悪の結末が訪れる
という強烈
 な体験が土台にあります。そのため、EUでは国家が個人情報を収集すること自体
を厳格に制限し
 ています。

  このように国家による監視、個人情報の収集という現象に関して、ヨーロッパとアメリカでは状
 況が異なることを前提に宮下氏の説明を伺います。

                   
ナチスのユダヤ人大量虐殺を可能にしたものは

 
井桁:これまでのお話を踏まえて世界全体の監視の実情についてお話しいただけますか。

 宮下:2013年6月7日、スノーデン事件の直後ですけれども、オバマ大統領有時)が次の
よう
 な演説をしました。「100パーセントの安全と100パーセントのプライバシーを何の苦
労もな
 く持つことはできないと認識することが重要である」(14)

  みなさんがこの国を守らなければならない、そのような立場に立てばやはりテロ対策なり情報収
 集は必要となります。同時にテロと何の関係もない一般市民のプライバシー情報を無断で
収集する
 こともやはり許されないことです。

  昨年(2015年)靖國神社のとある公衆トイレで爆破事件が起きました。公衆トイレは危な
 場所であるとして、全国の公衆トイレに監視カメラをつけるとしたら賛成するでしょうか。

  このように、いくら監視をしてもテロを防げるかどうかはわからない。他方で監視をすればプ
 イバシーの侵害が起こってしまう。このことを議論の出発点としなければなりません。

  先月(2016年.5月)までベルギーのブリュッセル自由大学で研究をしておりました。テロ
 の
後、EU諸国でどのような対策が練られているのでしょうか。EUの各国首脳が集まるEU本
 では、「イスラム教徒はテロリストではない」というメッセージを発信しております。ごくご
く当
 たり前のメッセージです。しかし、このごくごく当たり前のことが共有できていないというのが、
 監視の現状なわけです。

  私はボーランドのワルシャワに国際会議で行ったことがあります。その際、ポーランドのアウシ
 ュビッツ収容所に行きました。広島よりも長崎よりも小さいこの場所で、100万人殺害されまし
 た。75年前の話です。携帯電話もパソコンもなかった時代、なぜ100万人をここに集めること
 ができたのでしょうか。それはナチスの監視によるものです。どのような監視をナチスは行ってき
 たのでしょうか。
  そうです、個人情報の収集です。ナチスがやったのは、ヨーロッパ全土を逃げ回るユダヤ人の個
 人情報を収集して、目の色、肌の色、髪の色、話す言語などの個人情報を、80項目に分類してパ
 ンチカードを使ってひとつひとつの項目に穴を開けて管理することでした。IBMのパンチカード
 カードです(15)。このような形でユダヤ火100万人が集められて、そして殺された。こうした
 監視という事態が、今現在スマートフォンによって同じように起きています。この手口はナチスの
 手口と非常によく似ていると思います。 

注(14)オバマ大統領はテロ対策とプライバシーに関する議論は望ましいし、民主々義にとって必要
だと述べたうえて、社会として選択をしなければならないと述べています。「ニューヨークタイム
紙」の解説記雅はこちらです。http://www.nytimes.com/2013/06/08/us/nationa1‐securicy‐agency‐surveihn-
ce.html
 発許の全文はこちらで読むことができます。http://blogs.wsj.com/washwire/2013/06/07/transcript-wha
t-obama-said-on
-nsa-contriversy/
注(15) IBMが国勢調査データを処理する目的で開発したホレリス機器を用いることにより、手作業
の数十倍
の速度でユダヤ人に関する個人情報の仕分け、管理が吋能となったとされています.ナチス
は国勢調査の以
回報をもとに、ドイツに居住するすべてのユダヤ大作記溥を作成し、その陵その登記
簿はヨーロッパ全土を対
象とするものへと拡大しました。ヨーロッパではナチスによるポロコースト
の反皆から、国家曜力が個人防報を
管理すること自体を基本権に対する侵害としてとらえる傾向にあ
ります。

                                      この項つづく

 Feb. 06, 2017

● 電動バイク MotoGPプロモーター2019年スタート

モトグランプリにも再エネの流れが加速している(決定との情報は未確認)。


Sep. 14, 2017


 Feb. 6, 2018

● 今夜の寸評:小さな巨人

NHKのあさイチで「早朝高血圧」のことが放映されていたが、ウエアラブルな血圧計が市場にでまわっ
ていないかネット検索をするが、カウスレス(スリーブレス:袖無し)型の血圧計は海外メーカのみの
ようだが、測定値の精度には問題がありそうだが、いずれこのタイプに集約されていくだろ(利便性的
側面で:下図参照)。なにせ、釈迦の唯我独尊、アドホックなキルケゴールのごときシームレスでいて
ボーダレス、デフレーション、ダウンサイジング、イレージングでエクスパンション な”小さな巨人”
のデジタル革命の基本特性を踏まえれば、それは自明だろう。 

  

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ふきのうとうの手紙

2018年02月06日 | 時事書評

 

                     告子(こくし)    /    孟子    

                                   

            ※ 現実の人間は醜い。心の美しい人ほど人間嫌いになるのはそ
             のためだ。人気のない野山に道ぶ
とき、わたしたちは暑苦し
             い人の世を忘れてホッとする。しかし人間はやはり、複雑な
             人間関係
の中で生きなければならない。わたしたちはいやお
             うなしに考察を迫られる。
             古くて新しい問題―――
人間とは何か。

            ことば

            「人の性の善なるは、なお水の下きに就くがごときなり」
            「一日これを暴(あたた)め、十日これを寒(ひやす)す」
            「仁は人の心なり、義は人の路なり」
            「その本を揣(かは)らずしてその末を斉しゅうせば、方寸の
            木も、岑楼(しんろう~より高からしひべし」
            「これを内に有すれば、必ずこれを外に形(あら)わす」

 

      
     
No.144

【サーモタイル篇:磁気モノポールの揺らぎ巨大熱電効果】

● 通常より1桁大きい熱電効果:磁気構造トポロジー型高効率熱電変換

先月30日、東京大学らの研究グループは、トポロジカル磁気構造体を持つ化合物「MnGe(マンガンゲ
ルマニウム)」が、磁場をかけると大きな熱電効果(ゼーベック効果)を示すことを発見したことを公
表。伝導電子に、磁気モノポール――磁場の湧き出しとなる素粒子で、未だ実験的には発見されていな
いが、今回扱った物質(MnGe化合物)では、電子とトポロジカル磁気構造体が結合することで固体中に
「実効的な」磁気モノポールが発生しているとみなすことができ、実際に従来の電磁気学では説明ので
きないさまざまな現象が引き起こされている――として作用するトポロジカル磁気構造体――多数の電
子スピンが作る構造のうち、それらのスピンをある一点に集めると全方位にスピンが向く磁気構造体の
ことで、トポロジカル磁気構造体は、連続変形して全てのスピンの向きが揃った状態にすることができ
ないため、トポロジーという幾何学的な制約によって守られた粒子としてみなすこともできる。このよ
うな磁気構造体と電子が結合することで、固体中に仮想的な磁場が発生し、電子の振る舞いに影響を与
える――の揺らぎが大きな熱電効果をもたらすことを発見。

このことで、多角的な検証実験や計算によって、磁気揺らぎと熱電効果との関連性を実証し、高い熱電
変換効率を実現する指針として固体中の磁気モノポールを用いる原理を世界で初めて提案するとともに、
環境にやさしい発電方法である熱電変換技術への、トポロジカル磁気構造体を利用する新たな観点を提
案し、今後の高効率化に向けた物質開拓の礎となる。


【研究成果】

廃熱などから電気を取り出す熱電効果は、環境に優しい発電方法として注目されており、その効率を高
めるための研究も進められている。特に、トポロジカル磁気構造体が電子と結合すると、固体中に発生
する仮想磁場が電子の運動に影響を与え、さまざまな現象を引き起こすことが分かっている。ただ、熱
電効果についてはこれまで明らかにされていなかった。そこで研究グループは、磁気構造のトポロジー
を用いて熱電変換の効率を高めるという新たな原理を提唱。MnGeに磁場をかけると従来の金属化合物に
比べて、1桁大きい熱電効果を示すことを発見→MnGeに存在する磁気モノポールと反モノポールの対消
滅が深くかかわっている→観測された巨大な熱電効果は、磁気モノポールの対消滅に伴う磁気揺らぎが
密接に関与→電子が固体中を流れるときに特殊散乱を受け、大きな熱電効果が発現→磁気抵抗測定結果
大きな異常を観測し、磁気気抵抗の大きさと強い相関関係もつ→大きな熱電効果の起源は、磁気モノポ
ールの仮想磁場の揺らぎに起因していことを突き止める。 

この成果であるトポロジカル磁気構造体における巨大な熱電効果の発見により、磁気構造のトポロジー
を利用し
た全く新しい高効率熱電変換の原理を提唱することで、省エネルギー問題に貢献することが期
待されます。今後、他のトポロジカル磁気構造体においても、同様の高効率な熱電変換現象の探索が求
められます。また、巨大な仮想磁場とその揺らぎを発生させる磁気モノポールのような特殊なトポロジ
カル磁気構造体を他の物質で実現させるため、新しい物質の探索を行う。

これは、世界初になるにはちがいなだろうが、いまいちシックリこないので残件扱い。

※ Large magneto-thermopower in MnGe with topological spin texture、DOI番号:10.1038/s41467-018-02857-1


【世界初、電子1個で1ビットを表現するデジタル変調】 

今月2日、産業技術総合研究所とNTT物性科学基礎研究所は、電流の最小単位である電子を1個単位で
オン/オフ制御できる単一電子デジタル変調技術を共同で開発を発表。
電流の最小単位である電子を1
個単位でオン/オフ制御できる単一電子デジタル変調技術を共同で開発したと発表した。極微小交流電
流の精密計測につながる技術で、次世代半導体素子の開発やナノ構造中で生じる物理現象の解明などの
基礎研究への貢献が期待される。

スピントロニクスを応用した次世代素子の開発などでは、素子性能の評価や物理現象の観測のために、
ナノ構造を流れるアトンアンペア(aA/10-18A)やフェムトアンペア(fA/10-15A)単位の極微小電流を
精密に計測する必要がある。既存の電流計測技術では、周波数帯域の交流の計測では不確かさが大きく
なるなどの課題があり、正確で信頼できる基準交流電流の発生技術が求められている。電流は、1秒間
当たりに流れた電子の個数で決まるため、電子1個1個制御する技術は極めて正確で信頼できる基準電
流を発生する最良の手法、基盤技術の開発を実施してきた。ただ、これまでは、一定周期で電子を1個
ずつ送り出し、極めて正確な直流電流を発生させる技術を中心に開発だったが、今回、周波数範囲が直
流からメガヘルツの交流電流を発生させる開発を行う。

直流電流は、電子を一定の周期で1個ずつ送り出すことで、正確に発生させられる。一方で、正弦波や
方形波など交流成分を含む電流を発生させるには、電流の振幅を時間的に変化させる必要がある。これ
を電子1個1個の制御で行うには、電子の時間的な分布を制御することが求められる。そこで、研究グ
ループは、デジタル信号の1と0を電流のオンオフなどで表現する手法である「デジタル変調」に着目。
デジタル変調ではデジタル信号の各ビットのデータ1と0を電気信号のオンとオフに対応させる。その
ため適切なビットパターンでオン信号の密度分布を変化させると、任意の波形を発生できることになる。
今回開発した単一電子デジタル変調技術は、この原理を電子1個の制御に応用して、電子の密度を時間
的に変化させ、任意波形の交流を発生させることに成功した。


研究グループでは、ナノ加工技術を用いて、電子1個1個を制御できる単一電子素子を作製。作製した
素子は、半導体の基板表面に微細加工で作製した電極に電圧をかける電気的な制御により、1個ずつ送り
出せる。この素子をデジタル信号の1と0に「送り出す」「送り出さない」を対応させて制御し、電流
パルスによるデジタル信号を実際に発生させた。1MHzまでの広い周波数範囲で交流電流を発生できるこ
とも実験で確認。研究グループでは今後の予定として「単一電子デジタル変調におけるビットエラーは
発生した電流の精度を決める要因であり、今後は、ビットエラーの低減や評価の研究開発を行い、発生
した電流の振幅の精度を評価する。また、動作速度を向上させて電子1個を制御する周期を短くするこ
とで、発生できる電流量を増加させることを目指す。

ここでの精密制御器機の発明は、全般的な社会・経済・産業の底上げにつながり、その技術(競争)力
が世界の貢献につながっていくことは間違いない。 

  Feb. 5, 2018

 ● 3時間で地球1周のボーイング超音速偵察機

ボーイング社は、3時間で地球を回る極超音速の軍用機の開発を行っている。伝説的なBlackbird SR-71
スパイ機の潜在的な後継者として請求された秘密のコンセプトカーは、コードネーム「Valkyrie Ⅱ」。
「ブラックバード」の後続機は、飛行速度の倍以上の高速スピードで航行する予定。「限りないのは、
それは欲望~♫」とかって、井上陽水は歌ったがきりがないですね。

 

● 事件背景と告発の意味 Ⅶ

 第2章 信教の自由・プライバシーと監視社会-テロ対策を改めて考える  

  第4節 日本におけるムスリムに対する監視の概要

  以下では日本におけるムスリムに対する監視の概要について、流出資料、すなわち2010年の
 10月末にインターネット上に流出した警察庁外事第三課などの捜査資料をもとにお話をさせてい
 ただきます。流出資料には日本に住む多数のイスラム教徒の方々の繊細な個人情報が大量に
含まれ
 ていました。警察は一応の謝罪はしたものの、資料が警察の資料であることは認めず
被害者への賠
 償もなされませんでした。被害者たちは国と東京都(回視庁)を相手取って裁判を
起こし、最高裁
 まで争われ、裁判所は流出した資料が公安警察の資料であることを認定し、情
報流出に対する損害
 賠償を認めましたが、監視捜査は合憲だと判断しました。捜査情報がイン
ターネット上に漏洩した
 経緯や、犯人などはいまだに特定されていません。

            冷戦終結後、9・11で新たなターゲットになったムスリム

 井桁:続いて日本のムスリム監視の話を青木理氏に伺います。日本ではムスリムに対してどのよう
 な監視が行われてきたのでしょうか。

 青木:まずはアメリカとの違いを説明しなくてはなりません。日本は戦後、CIAやNSAに類す
 る専門の情報機関を持たない状態をずっと維持してきました。これは主に戦前戦中の反省
づロペー
 などによるものでしょう。その代わり、警察組織の一部門である警備公安警察が、警察組
織として
 はアメリカのニューヨーク市費やFBIのような機能も持ちつつ、事実上の情報機関
としてテロ情
 報を収集しています,

 
井桁:日本の警察庁は、NSA、CIA、FBI、地元警察の機能をすべて兼ね備えているという
 ことですか。

 青木:そこまで強大な機能を兼ね備えているかどうかは別として、たとえばCIAのような国外の
 情報機関と情報交換などをする際の日本側の窓口は主に公安警察、具体的には警察庁警備
局や公安
 警察出身の宮原が配された組織になります。
また、内閣情報調査室や防衛省の情報機関にも警察官
 僚が出向しています。最近は防衛省の
情報機関も力を強めていますが、基本的には警察、特に警備
 公安部門の警察組織が日本におけ
るクーンテリジェンスーコミュニティ〃なるものの中枢にいると
 いうのが現状です。

 井桁:流出資料によって明らかになったムスリムに対する監視は、警察庁と地元警察のどちらが担
 当していたのでしょうか。それとも、両者が協力してやっていたというべきでしょうか。


 青木:一義的には首都警察である警視庁ですが、もちろん警察庁の意向を受けています。この
あた
 り、非常にわかりにくいので、ごく簡単な解説が必要だと思います。
戦前戦中の警察組織は内務省
 を頂点とする中央集権的な組織でしたが、戦後はGHQの意向
などを受けて自治体警察として再出
 発したわけです。現在でも、首都である東京には警視庁が
置かれ、ほかの道府県の警察本部は一応、
 それぞれ独立した組織になっています。
しかし、この自治体警察制度は徐々に骨抜きにされ、中央
 省庁として設置された警察庁が人
事や予算などの権限を握ることで、実態としては頂点に君臨する
 警察庁が各都道府県警察を統
制するピラミッド型の警察組織ができ上がりました。なかでも警備公
 安部門は中央集権的な色
彩が一層濃いのが特色です。

 警備公安警察の歴史も簡単に解説すると、これも敗戦と同時に思想統制的な特高警察などは撤廃さ
 れましたが、共産主義や左翼運動の監視を目的として息を吹き返し、徐々に巨大化して
いきました。
 つまり、戦後日本の警備公安警察は長きにわたって「反共」こそが最大のレーゾ
ンデートル淳在意
 義)だったわけです。共産党や各種の左翼運動の監視、取り締まりこそが警
備公安警察の仕事だっ
 た。
しかし、冷戦体制が終わり、警備公安警察も目的喪失、存在意義喪失の状態に陥り、徐々に
 員が減らされる局面に入っていたわけです。そういう中で起きたのが9・11でした。日本の警察
 でも、特に警備公安警察では、これは組織の存在意義を示す格好のテーマができたということで、
 日本でもイスラム原理主義者によるテロが起きるかもしれないという大義名分を掲げて一国際テロ
 対策」部門を充実させ始めた。特に首都警察である警視庁の公安部には、9・11が発生した翌年、
 新たに一外事三課」という組織が作られ、ムスリムを監視するということを
 始めたのです.以降、外事三課は主に都内に住むムスリムの方々を徹底的に監視し、その資料がネ
 ット上に大量流出してしまったわけです。

                  流出資料で見る警備公安警察の監視の実態

 井桁:具体的にどのような監視をしていたのでしょうか。

 青木:はい。その前に、ひとつお断りしておかなくてはならないことがあります。先ほどご紹介し
 ていただいたように、私はかつて通信社の記者として警備公安警察を集中的に取材しました。ちょ
 うどオウム真理牧事件が発生した頃のことで、それからしばらくして日本の公安警察の内情を明ら
 かにする本を書きました(『日本の公安警察』講談社現代糾ぶ、2000年)。それが大きな原因
 となって警備公安警察からはパージされ、以後は警備公安警察の実態というものをディープに取材
 はしていません。したがってこの十数年ほど、特にスマホやGPSといった、いわゆるデジタルデ
 バイスが登場してからの警備公安警察の活動実態というものを私はつぶさに把握していません。そ
 の前提の下で申し土げることをご承知おき下さい。

 まず、警備公安警察の情報収集の手法にはさまざまありますが、対象組織の拠点の監視や尾行はそ
 の代表的なものです。たとえば、ムスリムの監視ではモスクの前のアパートやマンションを借り上
 げてカメラを設置し、出入りする人々を24時間態勢で監視をする。また、それらの人々を尾行し、
 立ち寄り先や交友関係を調べ上げる。そうした人物をさらに尾行したり、警察の持つ各種公権力な
 ども使ってさまざまなプライバシー情報などをかき集めたりするわけです。彼らに言わせれば、そ
 うした情報収集によって点が徐になり、面になっていく。そのような監視活動の一端を、インター
 ネット上に流出した外事三課の内部資料から窺い見ることができます(資料1)。

 また資料2からは、都内に住むムスリムの男性のプライバシー情報を外套=一課がかき築めていた
 ことが浮かび七がります。氏名、住所、生年月日といった基礎的データはもちろん、家族関係、そ
 の生年月日や勤務先、旅券番呼、出入国歴、モスクヘの立ち入り状況から身体的な特徴に至るまで、
 ありとあらゆる情報を蓄積していて、こうした入物データは流出したものだけでも膨大なほにのぼ
 ります。

 

                                                         この項つづく

 

  ● 今夜の一曲 

『春の手紙』

大貫 妙子(おおぬき たえこ、1953年11月28日 - )は、日本のミュージシャン。愛称は「ター坊」。

 

   冬空に架る Rainbow

   風は運んでくる

   あなたとつないだ手の甘いぬくもり

   ただそばにいるだけで

   しあわせだったのに

    「好きだ」とは最後まで□にしなかった

   時が過ぎても本当のことを

   知リたいと思う時かおるの

   めぐる季節を私は見てる

   心に芽ばえる新しい春を待つように

   あなたの見つめていた公園の陽だまり

   ひとりに帰る時の遠い眼差

   笑顔を見せてうつ仁かないで

   正直な気持をととけて

   湛ついてても迷っていても

   あなたは誰よりも素敵だった

   めぐる季節を私は見てる

   それそれの想い出ぬぎすてそして

   巻へと贈る手紙は今も

   ピリ才ドをうてずにいるから

   あなたと生きてる

                                    作詞/作曲/歌  大貫 妙子 / Sep. 21, 1993 

● 寒い一日でした。

 
     極寒の雪の下には蕗の薹
     
             春告げる君が手にする蕗の薹


スマホのショートメールの俳句のやりとり。 打ち込みの練習にはなりますが、目が疲れます。彼女の季
語重なり
ですが、寒いという現実に同情して、アンサーハイクを届ける。面白いツールですよね。夕食
は蕗の薹入りポトフとして戴きましたが、さて、あまりの寒さに
雪中行軍訓練ではないが宅トレ、マッ
クス時速5.5キロでウォーキング合計時間1時間7234歩、5.5キロメートル。身体を暖めること
に成功。明日もこの調子でいくことに。

 

コメント
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蓬春と湘南電力

2018年02月05日 | ネオコンバーテック

 

                    万章(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 諌めても聞き入れられなければ:斉の宣王が、孟子に、大臣のあり方
         についてたずねた。すると、孟子はきいた。「どの大臣のことをおた
         ずねですか」「大臣といえばみな同じではあるまいか」「いえいえ、
         親族の大臣も、親族関係でない大臣もいます」「では親族の大臣につ
         いてお伺いしたい」「君主に重大な過失があれば、諌めます。たびた
         び諌めても関きいれられないときは、君主をとりかえるのです」王は
         さっと顔色をかえた。孟子は言った。「お気を悪くなさいますな。王
         のたってのおたずねなので、あえて正しい答えを申しあげたまでです」
         王は顔をやわらげ、ついで親族関係でない大臣についてたずねた。孟
         子は答えた。「君主に過失があれば諌め、たびたび諌めて聞き入れら
         れなければ、その国を立ち去るのです」

        【解説】 君主をとりかえよ、見切りをつけて去れ、とは激しいことば
         である。しかし、高位につくのは一身のためではないという孟子の持
         説からすれば、当然すぎるほど当然のことである。

       ※ 古人を友とする:孟子が万章に言った。「一村の善士(品行正しく徳
         を積んだ人)は一村善士を友とする。一国の善士は一国の善士を友と
         する。天下の善士は天下の善士を友とする。天下の善士を友としてな
         お不足を感ずるならば、歴史をさかのぽってむかしの人物を考えるの
         だ。その人の詩を口すさみ、その人の書物を読むだけでなく、人とな
         りを理解しなければいけない。そこで、さらにその時代の背景を考え
         る。これがさかのぼって友を求めるということだ」 

 

日曜美術館「山口蓬春 絵に年をとらせるな」

日曜日、テレビで昭和を代表する日本画家山口蓬春が紹介されていた。近年、葉山にある記念館で日記
や手紙などの整理が進み、人と作品に新しい光が当たり、「絵に年をとらせるな」という言葉に注目さ
れているという。蓬春は常に新しい表現を模索し続けた。大和絵で華やかなデビューを飾るが、戦争中
藤田嗣治とともに新しい表現を模索する。戦後、「蓬春モダニズム」と呼ばれる絵で画壇のスターとな
るが、それにも飽き足らず事物の本質を描こうと変わっていく姿が浮き彫りにされる。山口 蓬春(やま
ぐち ほうしゅん、1893年10月15日 - 1971年5月31日)は、日本画家。北海道松前郡松城町(現・松前町
)生まれ1913年に東京・高輪中学校を卒業後、東京美術学校(現・東京芸術大学)に進学。松岡映丘に
師事し、大和絵を習得。23年卒業、1924年新興大和絵会に参加する。26年帝国美術院賞受賞。29年帝展
審査員。50年日展運営会参事、日本芸術院会員、54年日展運営会理事、58年日展常務理事、1965年文化
勲章受章、文化功労者。69年日展顧問。

● 蓬春モダニズムの展開

昭和22年、蓬春は疎開先の山形・赤湯から帰り、葉山に移る。さらに、1年半後には現在の記念館とな
っている一色海岸近くに待望の新居を構えるが、ちなみにこの画室は28年に同窓の建築家吉田五十八が
設計したモダンな内装である。海に近いこの画室から夏の葉山の海岸を思わせるモチーフがたびたび登
場することになる。戦後の発表の舞台は日展が中心となり、第3回日展に出品した《山湖》が始まりで
あった。昭和20年代、日本画滅亡論が唱えられるころ、日本画は急速に西欧近代絵画を吸収する。その
なかで、蓬春は19世紀の以後のフランスを中心とした絵画に接近し、戦時の表現を払拭した新しい日本
画を積極的にめざし、時代の思考や感覚をもとに近代の造形性を消化してゆく。漫然とした概念的な自
然描写を排した表現や「もっと明るく、もっと複雑な、もっと強い、もっとリズミカルな」と言う蓬春
の色感は、新鮮な画面を生み出している。独特の造形感覚とともに、《望郷》にみられるようなしばし
ば卓抜した感性は、蓬春芸術のみせる大きな魅力でもある。こうした蓬春の作品は発表のたびに話題と
なり、明るく近代的な造形の追求は、"蓬春モダニズム"とよばれる世界を創出する。

● 新日本画の創造

西洋画、古典大和絵から出発し、時代に即した日本画の創造を目指した蓬春。その画業においての最終
的な課題は、和洋の真の融和とされる。
かつては大和絵の文学的抒情性から抜け出すために、人物や動
物は画面から消し去られていた。蓬春は『新日本画の技法』の中で「構図の為に殊更に鳥を配置するよ
うなことはせず、たとえ鳥が無くても、自然感の出るものは、強いて鳥を配する必要はない」「従来の
花鳥画には、無理に不自然な鳥を配するような悪習慣がある」と述べている。
それが晩年に至り、《春
》《夏》《秋》《冬》の連作を描き始めてから再び登場する小鳥の姿には、伝統的日本画の画題にあえ
て挑戦する蓬春の円熟した境地が窺える。
現代の視点によって再び捕らえ直された花鳥画。同じモチー
フにより繰り返し描かれた静物画。テーマを絞り込んだ晩年の作品では、岩絵具の清澄な色彩はますま
す深みを増し、洗練された構図と共に、近代的な明るさに満ちている。それこそ画家が独自に到達した
新日本画の姿と見ることができると表される。
誰かが蓬春のレベルを維持しなくてはならない 蓬
春死後、美術評論家河北倫明氏はそう語る。蓬春芸術は、西洋画、日本画を超えた近代日本美術の一つ
の頂点として湘南で巨匠が創作を行った地である。

  鈴廣蒲鉾本店 

  

 ❦「再生可能エネルギー連続講座」第2回 ❦

● ふるさとは未来からの借り物

昼から、滋賀県立大学「近江環人地域再生学座」卒業生を中心とするNPO、環人8プラス主催の『再生
可能エネルギー』をテーマにした連続講座に参加。この講座は、湖東地域の方々を中心に『再生可能エ
ネル
ギーの推進』の理解を深めるため、自らが再生可能エネルギー推進の担い手になっていただくこと
を目
的として活動。今回、小田原の老舗かまぼこ店、鈴廣かまぼこ株式会社の鈴木悌介副社長を招き、
ゼロ・
エネルギーを目指した本社ビルの取り組みの他、今後の再生可能エネルギーや鈴木氏の展望等に
ついて
講演。

さて、講師の鈴木悌介(すずきていすけ)は、下表のように、1955年神奈川県小田原市生まれ。鈴廣
かま
ぼこグループ代表取締役副社長。一般社団法人エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議

表理事。神奈川県立湘南高校、上智大学経済学部卒業。1981年から'91年まで、米国ロスアンジェルスに
てスリミ、かまぼこの普及のため、現地法人の立ち上げと
経営にあたる。帰国後は家業の鈴廣の経営に
参画。
慶応元年(1865年)創業の歴史を尊重しつつ、変化し続ける日本人の食生活の中で、かまぼこの存
在価値を高めるべく挑戦の日々をおくる。「食べもののい
のちを大切に」をモットーとする。商工会議
所活動にもかかわり、日本の元
気は地域からと、地域の資産を活かした地域の活性化と自立を目指す。
2000年から'01年度小田原箱根商工会議所青年部会長、'03年度日本商工会議所青年部会長、'09年第3回ロ
ーカルサミット実行委委員長などを歴任。ア
ジア商工会議所連合会若手経営者委員会副委員長。小田原
箱根商工会議所副
会長、合同会社「まち元気小田原」経営諮問委員、場所文化フオー-ラム会員。 




 Mar. 21, 2016

講演は現場の実践をもとに話され、平易にして説得力のあるものであり、何の違和感も生じなかった。
当日の資料もここで一部掲載したが、まとめてブログや環境工学研究所 WEEFのHP(あるいは「飲み水
を守る会」のブログ)に後日掲載するので参考されたし。さらには、講師の手になる『エネルギーから
経済』の感想を後日掲載し、このテーマの深掘りを残件とする。

※ 鈴木 悌介(エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議 代表理事/鈴廣かまぼこグルー
  プ副社長):FACTA ONLINEhttps://facta.co.jp/article/201403036.html

※  鈴廣かまぼこグループ 副社長、「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」代表理事
   鈴木悌
介 | ひと烈風録 | 週刊東洋経済プラス | 経済メディアのプラス価値tps://premium.toyokeiza
        i.net/articles/-/15322
  

      
     
No.143

【蓄電池篇:最新酸化物/グラフェン複合材料技術】

● 分子レベルの交互重ミルフィーユ構造:高容量・長寿命化を両立

<<先月25日、NIMSの研究グループは、酸化マンガンナノシートとグラフェンを分子レベルで交互に重
ねた材料を合成し、リチウムおよびナトリウムイオン二次電池の負極材料として使うことで、従来の2
倍以上高い充放電容量と、長いサイクル寿命を両立に成功する。 



図1 酸化マンガンナノシート (赤・青) とグラフェン (緑) の複合材料構造の模式図

【概要】

  • NIMSは、酸化マンガンナノシートとグラフェンを分子レベルで交互に重ねた材料を合成し、リチ
    ウムおよびナトリウムイオン二次電池の負極材料として使うことで、従来の2倍以上高い充放電
    容量と、長いサイクル寿命を両立させることに成功しました。高容量だが壊れやすい酸化マンガ
    ンをグラフェンで挟んだことで、酸化マンガンの形態が保持され、長寿命との両立が実現し、二
    次電池の高容量化と長寿命化を両立する負極材料として今後の応用が期待される。
  • 二次電池の高容量化が求められる中、現在負極に使われている炭素材料に代わる材料として、高
    い理論容量を持つ遷移金属酸化物に注目されているが、層状構造の酸化マンガンは、分子1層ま
    でバラバラに剥離したナノシートにして負極に使うことができれば、表面すべてが活性部位とな
    るため、大幅に容量を向上できると考えられている、酸化マンガンは充放電を繰り返すと構造が
    壊れやすく、しかもナノシートは団子状に凝集しやすいという課題を抱えていました。
  • 本研究では、溶液中に分散させた酸化マンガンナノシートとグラフェンを混ぜ合わせ、1層ずつ
    交互に積層させたミルフィーユ構造の複合材料を合成しました (下図参照) 。酸化マンガンとグ
    ラフェンは、ともに負に帯電しており、通常は反発しあいますが、研究グループが2015年に開発
    した技術を使い、グラフェンを化学的に修飾して正に帯電させることで、溶液を混ぜるだけで交
    互に積層させることに成功しました。この材料をリチウムイオン二次電池の負極として用いたと
    ころ、でした。これは、これまでに報告さ
    れている金属酸化物系負極材料の中で最も高い容量と長いサイクル寿命です。グラフェンで挟む
    ことで、充放電によって壊れやすい酸化マンガンの構造が保持されるとともに、電極材料全体の
    伝導性を改善した結果と考えらる。
  • 今回、2種類の物質を分子レベルで複合化することで、単独の材料では実現が困難な高度な特性を
    導き出しました。本材料は、二次電池以外にも、スーパーキャパシタや電極触媒など多くのエネ
    ルギー貯蔵および変換システムに大幅な性能向上をもたらすことが期待される。

 

 DOI: 10.1021/acsnano.7b08522
Titol: Genuine Unilamellar Metal Oxide Nanosheets Confined in a Superlattice-like Structure for Superior Energy
    Storage

関連特許:特開2015-201483  超格子構造体、その製造方法およびそれを用いた電極材料

【概要】

本健は、スーパーキャパシタ、擬似容量キャパシタ等に好適な超格子構造体、その製造方法およびそれ
を用いた電極材料を提供にあって、下図1のように、
超格子構造体が、M12+イオンとM23+イオ
ンとを含有する複水酸化物ナノシートと、還元された酸化グラフェンナノシートとが交互に積層され、
M12+イオンのM1元素は、Co、Fe、Ni、Mn、CuおよびZnからなる群から少なくとも1
つ選択される金属元素であり、M23+イオンのM2元素は、Al、Cr、Mn、Fe、Co、Ni
およびGaからなる群から少なくとも1つ選択される金属元素であり、層間距離は、0.8nm以上1
3nm未満の範囲である(詳細は下図クリック)。 

 【特許請求範囲】

  1. M12+イオンとM23+イオンとを含有する複水酸化物ナノシートと、還元された酸化グラフ
    ェンナノシー
    トとが交互に積層された超格子構造体であって、前記M12+イオンのM1元素は、
    Co、Fe、Ni、Mn、Cu
    およびZnからなる群から少なくとも1つ選択される金属元素で
    あり、 前記M23+イオンのM2元素は、Al、
    Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびGaから
    なる群から少なくとも1つ選択される金属元素であり、層間距離は、0
    8nm以上1.3nm未
    満の範囲である、超格子構造体。
  2. 前記M1元素はCoであり、前記M2元素はAlである、請求項1に記載の超格子構造体。
  3. 前記M1元素はCoおよびNiであり、前記M2元素はCoである、請求項1に記載の超格子構
    造体。
  4. 前記複水酸化物ナノシートの厚さは、0.48nm以上1.0nm以下の範囲である、請求項1
    に記載の超格
    子構造体。
  5. 前記還元された酸化グラフェンナノシートの厚さは、0.33nm以上0.83nm以下の範囲
    である、請求項
    1に記載の超格子構造体。
  6. 前記層間距離は、0.8nm以上1.1nm未満の範囲である、請求項1に記載の超格子構造体
  7. 前記複水酸化物ナノシートは、一般式[M12+1-xM23+x(OH)2]x+(xは0<
    x≦1/3の実数であ
    る)で表される、請求項1に記載の超格子構造体。
  8. 前記複水酸化物ナノシートは、一般式[M12+1-xM23+x(OH)2][Zn-x/n
    ・mH2O](Zは陰イオ
    ンであり、nは前記陰イオンZの価数であり、xは0<x≦1/3の実
    数であり、mは0<m<1の実数である
    )で表される層状複水酸化物から単層剥離されている、
    請求項7に記載の超格子構造体。
  9. 前記還元された酸化グラフェンナノシートは、酸化グラフェンから単層剥離された後、還元され
    ている、請
    求項1に記載の超格子構造体。
  10. 前記還元された酸化グラフェンナノシートの質量として前駆体であるグラファイトの質量(G)
    を用い、前記
    複水酸化物ナノシートの質量として前駆体である前記M12+イオンと前記M23
    +イオンとを含有する層
    状複水酸化物の質量(LDH)を用いた場合、前記グラファイトの質量(
    G)に対する前記層状複水酸化物の
    質量(LDH)の比(LDH/G)は、3以上4未満である、
    請求項1に記載の超格子構造体。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載の超格子構造体の製造方法であって、M12+イオンとM23
    +イオン
    とを含有する複水酸化物ナノシートが第1の非プロトン性極性溶媒に分散したカチオン
    性溶液と、還元さ
    れた酸化グラフェンナノシートが少なくとも第2の非プロトン性極性溶媒に分
    散したアニオン性溶液とを混
    合・撹拌するステップ  を包含する、方法。
  12. 前記混合・撹拌するステップにおいて、前記還元された酸化グラフェンナノシートの前駆体であ
    るグラファ
    イトの質量(G)に対する前記複水酸化物ナノシートの前駆体である前記M12+イ
    オンと前記M23+イオ
    ンとを含有する層状複水酸化物の質量(LDH)の比(LDH/G)は、
    3以上4未満である、請求項11に記
    載の方法。
  13. 前記アニオン性溶液において、前記還元された酸化グラフェンナノシートは、前記第2の非プロ
    トン性極性
    溶媒と水との混合溶媒に分散している、請求項11に記載の方法。
  14. 前記混合溶媒において、前記第2の非プロトン性極性溶媒(F)に対する前記水(H)の体積比
    (H/F)は、
    0以上0.5以下の範囲である、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第1の非プロトン性極性溶媒は、ホルムアミド、ジメチルスルホキド、メチルホルムアミド
    およびジメチ
    ルホルムアミドからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  16. 前記第2の非プロトン性極性溶媒は、ホルムアミド、ジメチルスルホキド、メチルホルムアミド
    およびジメチ
    ルホルムアミドからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  17. 前記混合・撹拌するステップは、前記カチオン性溶液を室温で撹拌しながら、1mL/分以上1
    0mL/分
    の速度で前記アニオン性溶液を添加する、請求項11に記載の方法。
  18. 前記混合・撹拌するステップは、前記アニオン性溶液を室温で撹拌しながら、1mL/分以上1
    0mL/分
    の速度で前記カチオン性溶液を添加する、請求項11に記載の方法。
  19. 前記混合・撹拌するステップに先立って、酸化グラフェンナノシートが少なくとも第2の非プロ
    トン性極性溶
    媒に分散した溶液に、還元剤を添加後加熱し、アニオン性溶液を調製するステップ
    をさらに包含する、請
    求項11に記載の方法。
  20. 超格子構造体からなる電極材料であって、前記超格子構造体は、請求項1~10のいずれかに記
    載の超格子構造体である、電極材料。

以上のように、❶極容量が従来の2倍以上 (0.1A/gの電流密度で1325mAh/g) となり、❷5000サイクル
充放電
を繰り返しても、❸1サイクル当たりの容量減少はわずか0.004%と、1日1充放電で約15年間
使うことができるというから驚く。

物質・材料研究機構らの研究グループは2月3日にも厚さわずか数分子、2次元有機単結晶ナノシート
の大面積成膜に成功しこのブログでも掲載している(エネルギーフリー社会を語ろう!No.142)。さら
に、下図のように、中部電力とトヨタ自動車は、中古蓄電池を系統安定化向けに活用する。電気自動車
(EV)やハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)の駆動用電池をリユース(再使用)
して大容量蓄電池システムを構築する。加えて使用済み電池のリサイクル(材料の再利用)についても
実証を開始する。1月31日に基本合意書を締結したことが公表されている。 そこに、昨日の「なぜ、か
まぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか?」(生成可能エネルギー連続講座)の基調講演での聴講で
ある。興奮しないわけがない。賢明なる読者者諸氏はお気付きのごとく、高性能な蓄電池が量産されそ
のリユース電池を再エネの出力変動を改善に使用するエンドレスループがよりスパイラルアップされる
ことで、低コストの燃料で環境に優しい「エネルギー地産・地消」が完成し、これに地方分権促進税制
だ導入されれば、環境・超少子/高齢・資源枯渇などの問題は解決されるというわけである。

かくして、神奈川は葉山の画家山口蓬春のモダニズム(それまでの価値観の全否定)と伝統の融合(不
易流行)
の果敢なる挑戦は、鈴木悌介鈴廣かまぼこグループ代表取締役副社長の 脱原発・エネルギーの
地産・地消、地方創生(あるいは「脱・欧米亜から稼ぎ資源国に貢ぐ前経済体制」)への挑戦とが合流
し湘南の風(いあ湘南の電力の風)となり旋風として駆け抜けていうるというわけで、それを担保する
科学技術力の実力が試されているということであろう。

出典:鈴木悌介氏

 

 

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追補-孤独の逃亡

2018年02月03日 | 時事書評

 

                    万章(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 禄 盗 人:仕官するのは生活のためではない。しかし、ときには生
         活のために仕官しなければならないこともある。妻をめとるのは、身
         のまわりの世話をさせるためではない。だが、ときには身のまわりの
         世話をさせるために、めとらなければならないこともある。生活のた
         めに仕官する者は、高い役目は辞退して低い役目につき、高禄は辞し
         て低い禄でがまんすべきである。それには、関所番か夜まわりが適当
         であろう。孔子はかつて生活のために貪雍番となったとき、「出し入
         れがきちんとしていれば、それでよい」と言った。
         また牧場の番人となったとき、「牛や羊が元気に育てば、それでよい」
         と言った。地位が低いのに、大きなことをいうのはまちがいである。
         政治にたずさわっていながら、正しい行なわれていないとすれば、恥
         である。 

 

 

【追補-孤独の逃亡】

俳優で歌手の福山雅治と、中国の人気俳優チャン・ハンユーが共演を果たした、ジョン・ウー監督の
最新作「追捕 MANHUNT」が、「マンハント」の邦題で2018年2月上旬に全国公開される。佐藤純彌
監督、故高倉健さん主演の「君よ憤怒の河を渉れ」(1976)の原作である、西村寿行の小説の再映画
化したサスペンスアクション。「M:I-2」「レッドクリフ」2部作などで知られるウー監督が、大阪を
中心に日本でロケを敢行。殺人の濡れ衣を着せられた国際弁護士ドゥ・チウ役をチャン、チウを追う
孤高の敏腕刑事・矢村聡役を福山が演じるほか、ハ・ジウォン、チー・ウェイと日中韓のスターがそ
ろう。日本人では國村隼、桜庭ななみ、池内博之、竹中直人、TAO、倉田保昭らが出演。すでにベネ
チア国際映画祭やトロント国際映画祭でお披露目されている。実直な国際弁護士ドゥ・チウ(チャン
)は、見に覚えのない殺人事件の容疑者に仕立て上げられ、罠にはめられたことに気づき逃走する。
孤高の敏腕刑事・谷村(福山)は独自の捜査でチウを追うが、事件に違和感を覚え、徐々に見解を変
えていく。やがて2人の間に絆が芽生え、チウと矢村はともに真実を追究することを決意する。このほ
ど公開された特報では、地下鉄が迫り来る線路へ飛び込んで逃亡を図るチウ(チャン)や、走り出す
直前の水上バイクに飛び乗る矢村(福山)、2人が銃を撃ちながら階段をすべり降りるシーンなど圧
倒的な熱量のアクションシーンが連続。ウー監督のトレードマークである“白い鳩”や、福山の英語
での演技にも注目されている。



尚、『君よ憤怒の河を渉れ』は1974年発行の西村寿行の小説。2005年に徳間書店から再版された。ま
たそれを原作として大映・永田プロが製作し、1976年2月11日に松竹系で封切り公開された日本映画。

この映画は中華人民共和国でも、1979年に『追捕』として公開され、文化大革命後に初めて公開され
た外国映画となった。公開は無実の罪で連行される主人公の姿と、文化大革命での理不尽な扱いを受
けた中国人の自身の姿を重ね合わせて、観客に共感を持たせ大変な人気を呼び、中国での観客動員数
は8億人に達したとされ、高倉健や中野良子は中国でも人気俳優となっているが、ジョン・ウー監督
も高倉健のファンであるという。 

 

【如月のラ・コリーナ】

節分だということで、天候は悪いが外でコーヒが飲みたいという買い物と恵方巻をビバで買ってきた
彼女が提案するので午前11時に近江八幡のたねやのラ・コリーナに向かう。一面の雪景色だったろ
う残雪がおかめ笹の合間に溶け込んで美しいシーンをつくりだしている。カフェコーナの「栗百本」
コーヒーとカステラセットを戴く。シャーレのように琵琶湖を眺めるkとはないが、セントラル・パ
ディ・フィールド(Central paddy field :休耕田)に張られた水面に八幡山・北之荘が写り込み味わい
のある如月の風情を醸している。

ところで、アップルの iPhon 7 で風景を撮ろうとしたが屋外では液晶画面の視認性が悪く、操作でき
ず、や
はりデジカメの方が操作性はましだ。有機EL画面の方が良いのだろうが、そこまで気をつけ購
入しなかった
ことを悔やむ。

 

      
     
No.142

 Feb. 2, 2018

【印刷できる高速有機集積回路基板】

● 厚さわずか数分子、2次元有機単結晶ナノシートの大面積成膜に成功

有機半導体は、簡便な印刷プロセスにより低コストで製造でき、次世代電子材料として注目されてい
るが、シリコンなどの無機半導体と比べて、良質な単結晶の大面積作製が困難であり、かつ非常に大
きな接触抵抗を持つため、高速な動作が難しいという問題があった。有機半導体インクを用いた簡便
な印刷技術によって、わずか数分子層の厚みからなる大面積2次元有機単結晶ナノシートを製膜する
プロセスを開発し、同ナノシートを用いた有機電界効果トランジスタにおいて、世界最高レベルの応
答周波数を達成。高移動度と低接触抵抗を両立できる高性能の有機半導体を実現した。有機半導体に
よる高速演算可能な大規模集積回路応用の可能性を拓くものであり、IoT社会を担う低コストのフィル
ムデバイスを実現する基盤技術となることが期待される。

2月2日、東京大学らの研究グループは、有機半導体インクを用いた簡便な印刷手法により、分子ス
ケールで膜厚が制御された厚さ15nm以下の2次元有機単結晶ナノシートを10cm角 以上の大面積にわた
って作製することに成功。近年の材料開発の進歩によって実用化の指標となる10 cm2/Vs  を超える高
い電荷移動度を示す有機電界効果トランジスタの報告が次第に増えており、無線タグなどの高速応答
が求められる論理素子への応用が期待されている。しかしながら、有機半導体はシリコンなどの無機
半導体に比べ非常に大きな接触抵抗を持つため、短チャネルのトランジスタの電荷移動度は単結晶本
来の値よりも大幅に低下し、応答速度が制限されてしまうという問題があった。今回、同グループで
開発されたわずか数分子層の厚みからなる2次元有機単結晶ナノシートは、電極から電荷輸送層への
スムーズな電荷注入が可能になったため、13 cm2/Vs  の高い電荷移動度に加え、有機電界効果トラン
ジスタとしては最小の47 Ωcmの接触抵抗を示すことがわかりました。また、短チャネルのデバイスに
おいて世界最高レベルの20MHz の遮断周波数を実現し、さらには無線タグの商用周波数の13.56 MHz
を大きく上回る29 MHz  で応答可能な整流素子を作製することに成功。 

  
※ 論文タイトル: Wafer-scale, layer-controlled organic single crystals for high-speed circuit operation、Akifumi
   Yamamura, Shun Watanabe, Mayumi Uno, Masato Mitani, Chikahiko Mitsui, Junto Tsurumi, Nobuaki Isahaya,
       Yusuke Kanaoka, Toshihiro Okamoto and Jun Takeya


【符号の説明】

 1  基板   2  ゲート電極   3  ゲート絶縁膜   4A  ソース電極   4B  ドレイン電極   5  有機半導体膜   6 
封止層   10、20  有機薄膜トランジスタ   41  塗布液   42  基板   43  部材

【図面の簡単な説明】 

【図1】有機薄膜トランジスタの一例であるボトムゲート-ボトムコンタクト型の有機薄膜トランジ
    スタの断
面模式図
【図2】有機薄膜トランジスタの一例であるボトムゲート-トップコンタクト型の有機薄膜トランジス
    タの断面
模式図。
【図3】有機薄膜トランジスタの製造方法における有機半導体膜を形成する好ましい方法を説明概略図
【図4】有機薄膜トランジスタの製造方法における有機半導体膜を形成する好ましい方法を説明概略図
【図5】有機薄膜トランジスタの製造方法における有機半導体膜を形成する好ましい方法を説明す図
【図6】有機薄膜トランジスタの製造方法に好ましく用いられる基板と部材の一例を示す概略図

 
本格的な有機エレクトロニクスデバイス時代に突入する。「ネオコンバーテック」の攻勢が始まる。その素地は
整っている、これも面白い。

 

 ● 今夜の一曲

『新幹線変形ロボ シンカリオン』(2018年1月6日スタート TBSテレビ毎週土曜あさ7時~7時30分)の
オープニング主題歌「Go One Step Ahead」が耳に残りユーチーブ。 

こんなはずじゃない」って抱え込んだ違和感は
ずっと昔に忘れたつもりだった
自分で描いた理想を満たすのは
他の誰でもない自分だってこと
嫌われるのが怖<でも
好きなもの失<すよりはマシさ
もう少しで手遅れだ
急がなくちゃねえもういいかい
切れかけてたネジを巻いて
遮ったカーテン千切って
君だけの本当の声聴かせて
誰かのせいにしないで
誰のあかげにもしないで
彷徨った果ての新天地を目指せ
先に行こうそれじゃバイバイ 

独りぼっちが怖<ても
嘘つき続けるよりはマシさ
もう少ししたら行こうか
準備はとうだいねえもういいかい
鍵かけてたドア開いて
縫い合わせた糸はといて
隠、してた本当の声聴かせて
何かを待ってたって
何も始まらないって
使い古した日々なら置いていけばいい
先に行こうそれじゃバイバイ
もうそんなことは無駄だって
訳知り顔した連中の
世迷言をかきけすように
今全身全霊の力で叫べ

                                     歌      伊東歌詞太郎
                                  作詞/作曲     ハヤシケイ      



久しぶりのビールと炒り大豆と山月の数の子が入った恵方巻が三位一体となり結構美味かった。
            

  

 

 

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高品位パワー半導体時代

2018年02月02日 | デジタル革命渦論

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 贈 り 物:万章が孟子にたずねた。「人と交わるにはどんな心構えが
         必要でしょうか」
「謙虚であることだね」
         「人から物を贈られて、それを押し返すのは謙虚でないといわれてい
         ますが、なぜでしょうか」

         「目上の人から贈られたのに、その贈り物が、不義によって俑けたもの
         かどうか詮索してから受けと
るとしたら、謙虚であるとはいえまい。だ
         から押し返さないのだ」

         「では、心の中では、不義なやり方で人民から取りあげたものだからと
         拒絶する。しかしあからさま
には断わらずに、他のことにかこつけて受
         けとらないようにする、これではいけませんか」

         「相手が道にかない、礼に則って交際を求めてきたのなら、孔子でもや
         はり贈り物を受けとったものだ」
         
「かりに城門のはずれで追い剥ぎをしてき記男でも、道とってよいので
         すか」
「それはいけない。書経の康浩篇にも『人を殺して物を奪いなが
         ら、罪の意識もなく死刑を恐れない者は、すべての民に憎まれる』とい
         っている。こんな奴は教化するまでもなく、死刑にすべきだ。贈り物な
         ど受けとれるものか」

         「いまの諸侯はまるで追い剥ぎのように、人民の財物を取りあげていま
         す。それなのに礼をつくして交際を求めてくれば、君子もそれを受ける
         とおっしゃるのは、いったいどういうわけですか」
         「ここに真の王者が現われたとしよう。この王者は、いまの諸侯が追い
         剥ぎ同然だからといって、片っぱしから死刑にすると思うかね。それと
         もまず教化して、見込みがないとわかってから死刑にすると思うかね。
         大体、他人の持ち物を取ったからといって、すぐ盗人ときめつけるのは、
         あまりにも極端すぎはしないかな。孔子は魯の国に仕えていたころ、魯
         の国の人々が狩猟の獲物を奪いあう催しをするときには、自分も参加し
         た。こんなことでさえ古い風習として許されるのだ。贈り物を受けとる
         くらいはかまわない」

         「孔子が仕えたのは、道を行なうためではなかったのですか」
         「道を行なうためだった」

         「ではなぜ獲物の奪いあいなどに参加されたのですか」
         「孔子はまず乱れていた祭器を正しく改め、むやみに供え物をしないで
         すむようにした。そして、供え物の獲物の奪いあいなどが、おのずと止
         むように努めたのだ」
         「どうして、そんな国を去らなかったのでしょう」
         「孔子は、まず正しい道が行なわれるきっかけをつくろうとしたのだ。
         きっかけをつくっても、道が行なわれないようであれば、はじめてその
         国を去った。だから同じ国にまる三年といなかったわけだ。孔子は三通
         りの仕え方をした。自分の理想が実現される可能性があれば仕える、礼
         儀正しく待遇されれば仕える。国君に賢人として敬われれば仕える、こ
         の三つだ。魯の季拍子には、理想が実現されそうだとみて仕えた。衛の
         霊公には、礼儀正しく待遇されたので仕えた。衛の孝公には、賢人とし
         て敬われたので仕えたのだ」

         〈狩猟の指物を奪いあう〉原文は「猟較」で、狩りの獲物をくらべあい、
         多いものが少ないものの獲物を奪って先祖の祭祀の供物にする風習。

         【解説】まるで強盗のように苛酷な徴税を行なう為政者――純真一途な
         万章がいきりたつのも無理はない。しかし孟子は誰々と敦えるのだ。理
         想を守りながら、しかも気長に現実を変えていかればならぬ。憩いも甘
         いも順みわけたあとの、老成した孟子の姿がうかがえる。 

 Sep. 29, 2016 

      
     
No.141

 

【省エネ事業篇:世界最高の定格出力密度パワー半導体モジュール】

● 出力密度はシリコン系比1.8倍、電力損失3分の1

先月31日、三菱電機は、ダイオードを内蔵したSiC(炭化ケイ素)によるMOSFETを使用し、6.5kV
圧のパワー半導体モジュールを開発したことを公表。これによりパワー半導体モジュールとして世界
最高の定格出力密度を実現。
6.5kV耐圧は、シリコン(Si)を用いたパワー半導体モジュールの最高耐
圧とされる。今回の成果により、ダイオード、トランジスタの双方をSiCデバイスで構成するフルSiC
パワー半導体モジュール
で、Siパワー半導体モジュールがカバーしてきた領域全て対応可能となる。

開発したパワー半導体モジュールは、新たに開発したダイオードをSiC-MOSFETに内蔵した1チップ
デバイスを採用している。これにより、従来のダイオードとMOSFETによる2チップ構成時に比べチッ
プ面積が半減した。ダイオード内蔵SiC-MOSFETチップの発熱対策として部材メーカー4社と連携し
優れた熱伝導性と耐熱性を兼ね備えた絶縁基板と、信頼性の高い接合技術を開発。高い放熱性と高耐
圧を備えながらパッケージを小型化に成功。その結果、定格出力密度は、Siパワー半導体モジュール
の1.8倍に相当する9.3kVA/cm3を実現。なおパッケージは、「HV100パッケージ」と互換を持つ。

 

開発品の電力損失は、Siパワー半導体モジュール比3分の1。動作周波数もSiパワー半導体モジュー
ルの4倍まで高められるという。
三菱電機は高耐圧フルSiCパワー半導体モジュールとして2013
年に3.3kV品を開発。開発した6.5kV品によりこれまで3.3kVのフルSiCパワー半導体モジュールを2つ
直列につないでいた回路を1つに置き換えることができ、パワーエレクトロニクス機器の回路構成を
簡素化。スイッチング損失の大幅低減、高周波動作対応により、パワーエレクトロニクス機器の省エ
ネ、周辺部品の小型化も実現できる。今後、要素技術の改善や信頼性評価を進め、鉄道や電力などの
パワーエレクトロニクス機器への搭載を目指す。 

尚、今回の6.5kV耐圧フルSiCパワー半導体モジュールの開発は、新エネルギー・産業技術総合開発機
構(NEDO)の助成を受け実施されたもの。同開発には、三菱電機の他、DOWAエレクトロニクス、三
菱マテリアル、デンカ、日本ファインセラミックス、東京工業大学、芝浦工業大学、九州工業大学、
産業技術総合研究所が参画。

 

【概要】

近年、電力用半導体装置は、一般産業用、電鉄用のみならず車載用にも広く使用されるようになって
きた。自動車では、限られたスペースの中で各部品を小型化することが車両性能に直結することから
、特に車載用の電力用半導体装置では、その小型化が求められている。また、一般的に、電力用半導
体装置では、その高出力密度化が求められている。電力用半導体装置の高出力密度化、具体的には半
導体素子の高電流密度化に伴って、半導体素子の通電時の温度も上昇する。そこで、車載用の電力用
半導体装置では、1つ以上の半導体素子を含む半導体モジュールの下面にはんだ材を介してヒートシ
ンクを取り付け、放熱性の向上を図っている。一般に、はんだ材を溶融させる方法として、❶誘導加
熱、❷レーザ光が使用されており、はんだ材などの導電性接合材を加熱する方法には、❶、❷の他、
❸赤外線を用いた輻射熱を用いている。ヒートシンクの上に導電性接合材を介して半導体モジュール
を配置し、赤外線を照射して導電性接合材を加熱する場合、ヒートシンクの表面に温度のばらつきが
生じると、形成される導電性接合層の質が低下し、ヒートシンクと半導体モジュールとの接合部の信
頼性が低下するという問題がある。特に、車載用の電力用半導体装置では、ヒートシンクの表面の面
積が大きくなるため、この問題が顕著になる。上述のような課題を解決に、導電性接合層を介してヒ
ートシンクに接合された半導体モジュールを備えた電力用半導体装置において、接合部の信頼性を従
来技術よりも向上させることを課題とする。このように、導電性接合層を介してヒートシンクに接合
された半導体モジュールを備えた電力用半導体装置において、接合部の信頼性を従来技術よりも向上
するには、下図4のごとく、電力用半導体装置は、表面120および裏面130を有するヒートシン
ク110と、導電性接合材61を介してヒートシンク110の表面120に接合された半導体モジュ
ール101~103と、を備えている。ヒートシンク110の裏面130には、所定波長の赤外線に
対して第1放射率を有する第1面部131と、所定波長の赤外線に対して第1放射率より小さい第2
放射率を有する平滑な第2面部132とが設けられている。ヒートシンク110の表面120には、
温度監視用の高放射率部121が設けらることで、ヒートシンクの表面に温度監視用の高放射率部が
設けられていることにより、高質の導電性接合層を設けることができ、これにより、接合部の信頼性
を向上させる。 

【関連特許事例】

❏ 特開2017-228713 電力用半導体装置および電力用半導体装置の製造方法

Dec. 28, 2017
【符号の説明】

10  基板、  21,22  半導体素子、  30  第1主端子、  40  第2主端子、  51~55 
主回路配線、  61~64  第1から第4接合層、  70  枠部材、  80  制御端子、  101~
106  半導体モジュール、  110  ヒートシンク、  111  天板、  112  放熱フィン、 
113  冷媒ジャケット、  114  入口部、  115  出口部、  120  (ヒートシンクの)表
面、  121  高放射率部、  130  (ヒートシンクの)裏面、  131  第1面部、  132 
第2面部、  210  放射温度計、  220  制御装置、  230  赤外線ヒータ装置、  231 
棒ヒータ、  232  赤外線、  310  リアクトル、  320  ステップダウンコンバータ、 
1000  電力用半導体装置

【図面の簡単な説明】

【図1】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置の半導体モジュールを示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置の半導体モジュールの一部を示す斜視図
【図4】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置を示す側面図 
【図5】図3のA-A線断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る電力用半導体装置が構成するインバータ回路を示す図


【図7】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置の製造方法を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1に係る電力用半導体装置の製造方法を示す図


【図9】本発明の実施の形態5に係る電力用半導体装置を示す斜視図
【図10】本発明の実施の形態5に係る電力用半導体装置を示す側面図


※ パワーエレクトロニクス(power electronics)は、電力用半導体素子を用いた電力変換、電力開閉
  
に関する技術を扱う工学である。 広義では、電力変換と制御を中心とした応用システム全般の
  技
術とも言える。1957年、ゼネラル・エレクトリック社によって開発されたサイリスタの登場以
  後、それまでの回転機や磁気、液体、気体などを用いたものと変わって、固体の半導体素子によ
  る電力変換、電力開閉技術が発展した。1969年、ゼネラル・エレクトリックのハーバート・スト
  ームがIEEE(アメリカの電気電子学会)の雑誌『スペクトラム』の記事で固体パワーエレクトロ
  ニクスという用語を用いてその定義を説明した。また1973年、ウェスティングハウス社のウィリ
  アム・ニューウェルによって「パワー(電気・電力・電力機器)と、エレクトロニクス(電子・
  回路・半導体)と、コントロール(制御)を融合した学際的分野」と図を用いて説明された。代
  表的な技術例として、交流から直流に変換する順変換器(整流器)、直流を交流に変換する逆変
  換器(インバータ)などの半導体電力変換装置が挙げられる。 またその利用例として、発電や
  送電などの電力分野、回転機・ファン・ポンプ・ブロアなどを利用する産業分野、通信システム
  や工場などの電源装置、電車の駆動・変電などの電気鉄道分野、自動車、家庭用電化製品など非
  常に幅広く使用されている。

● パワーデバイス2017 パワーデバイス業界に3つの動き




 Mar. 21, 2017

このようにパワーエレクトロニクス技術&市場は、『デジタル革命基本則』に従いにフルスロットル
で飛躍して
いく。間違いない。

【小型・低消費電力・廉価な汎用型高性能計測器技術】

2月1日、産業技術総合研究所の研究グループは、超伝導検出器に1本の読出線上に従来の5倍とな
る1000画素以上の信号を載せ、高性能計測器の小型化・低消費電力化・低廉化に向け、超伝導検出器
用の信号読出回路の開発に成功。これにより、 周波数変換の工夫で1本の読出配線上へ多重化でき
る信号数を増やし、大幅な多画素化を可能となることで、室温検出器を凌駕する性能で、分析電子顕
微鏡、光子顕微鏡、放射線分光器などへの応用の道が拓かれた。

超伝導検出器は、低周波磁界、ミリ波からX線・ガンマ線までの電磁波やエネルギー粒子を低雑音で
検出でき、室温動作の半導体検出器などを凌駕するので、脳磁計、心磁計、分析電子顕微鏡、天文観
測用受信器などで用いられているが、室温検出器に比べ、受光面積が2~3桁小さく、入射信号の検
出効率が2~3桁低い。このため少数の画素を走査しながらの撮像(イメージング)となり、一般に
室温検出器に比べて、測定時間が2桁程度長くなる。これらの問題を解決するには検出器の多画素化が
必要とされる。

しかし、高速信号をリアルタイムに読出せるように、極低温に置かれた多画素検出器と室温の信号処
理装置をつなぐ配線を増やし、これを並列接続し画素数を増やすと、配線経由の流入熱が増える(図
1:点線a)。このため極低温冷凍機の強化(大型化または多数化)が必要となり、検出器システム
の大型化により、消費電力が増加し、価格も上昇。さらに、極低温下で、複数の画素信号を画素ごと
に異なる周波数に変換して多重化して配線数を減らす超伝導周波数多重読出回路も研究されてきたが
従来技術では、1本あたり1000以上の多画素化は困難であった。

超伝導検出器も1000画素集められれば、市販半導体検出器と同等の受光面積が可能となり、同一測定
時間での比較で、遥かに優れた分光性能が実現できる。これにより、例えば、材料評価用の分析器の
革新的目標である、高い物質同定能力と高いスループット(単位時間あたりのデータ処理能力)の両
立が期待されている。


図2(b)で模式的に示した新規多重読出回路の具体的構成を図3に示す。この読出回路は、図の中央に
四角型点線で囲んだ極低温回路と、その外側の複数(N個)の室温処理装置から成る。室温処理装置
に設置されたN個の任意波形発生器群で、それぞれM個の異なる種類の低周波信号を発生させ、各信号
を周波数上方変換器群でマイクロ波に変換する。さらに超伝導検出器に接続された超伝導多重化チッ
プ内で、このN×M個の種類のマイクロ波信号の振幅と周波数を、各画素からの信号の大きさに基づい
変調させる。この2段階の多重化により、全画素からの信号をすべて異なる周波数のマイクロ波信
に変換できるので、1本の配線を通してマイクロ波信号を 極低温回路に導入するとともに、1本
読出線で全信号を室温側に取り出すことができる。

取り出された信号は、室温処理装置群の周波数下方変換器群とAD変換器群で低周波のデジタル信号に
変換され、パソコンに取り込まれる。この方式で当初問題となった室温処理装置間の信号の干渉は周
波数特性を選んだフィルタ群を用いることで防止できた。その結果、低周波-マイクロ波間の周波数変
換での、隣接する基準周波数の間隔を減少させ、1本の読出線上に多重化する画素数を増大できるこ
とを、世界で初めて明らかにした。さらに、この方式の試作として、1台の極低温冷却装置に実装さ
れた極低温回路、2台の室温信号処理装置、これらの間を接続する配線から成る、最も基本的な試験
装置を製作し、正常動作することを確認するとともに、読出回路として重要な、雑音や画素間クロス
トークの少なさが従来法に劣らないことを実証する。またひとつ世界初の成果が発信されることとな
った。何とも頼もしい限りではないか。面白い。



● 今夜の寸評:コインチェックの「NEM」不正流出問題

仮想通貨取引所大手コインチェックによる、約580億円相当の仮想通貨「NEM」の不正流出から1週間
が経過、本日金融庁によるコインチェックへの立ち入り調査が開始された。かって新自由主義のグロ
ーバリズムをわたし(たち)は英米流金融資本主義の社会行動形態として捉え動向を注視、今回は、
日本流金融資本主義的な仮想通貨の社会行動形態とし捉え動向を注視している。"弱肉強食"的側面を
排除できれば大きく成長できるのではと考えている。

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マスタード油混合燃料ジェット

2018年02月01日 | 環境工学システム論

 

                   万章篇(ぱんしよう)    /    孟子    

                                  
   
        ※ 交友について:万章が孟子にたずねた。「交友についてお聞かせいた
         だけましょうか」「年長であるとか、身分が高いとか、身内にえらい
         人がいるとか、そんなことを鼻にかけないで交際することだ。要は、
         相手の心の徳を友とするのだ。ほかのことを鼻にかけてはいけない。
         孟啓子は大臣の家柄で、五人の友人があった。楽正裘(がくせいきゅ
         と)牧仲と、あとの三人の名は忘れ たが、ともかく孟庶子がこの五
         人と交際するときは、自分の家柄を度外視していた。友人たちのほう
         でもそうだった。もしそうでなければ、孟猷子はかれらと交際しなか
         ったろう。こういう例は大臣の家だけにあるのではない。小国の君主
         にもある。費の恵公がそれだ。かれはこうう言っている。『子息(孔
         子の孫)はわたしの先生である。顔般はわたしの友人である。王順と
         長息はわたしの家来だ』

         小国の君主だけではない。大国の君主にもそういう人がいた。たとえ
         ば晋の平公だが、かれは亥唐を訪問したとき、亥唐にお入りください
         といわれて入り、お坐りくださいといわれて坐り、おあがりください
         といわれて食べた。しかも、玄米飯であろうが菜葉汁であろうが、い
         つも満腹するまで食べた。そうしないと賢者に対して失礼になると考
         えたのだ。ただし、平公の場合はそれだけにおわってしまった。天か
         ら授かった地位、封禄を、亥唐とともに分かち合うことまではしなか
         った。これでは、士が賢人を敬う態度であって、王侯が賢人を尊ぶ態
         度ではない。

         聖人堯は、自分の息子九人を舜に仕えさせ、二人の娘を舜にめあわせ
         た。そのうえ百官、牛車、穀倉を贈って舜のくらしを助けた。そうし
         てのちにかれを高い位につけた。これこそ王侯が賢人を尊ぶ態度であ
         る。また舜が訪ねてきたとき、見はこの女婿に控えの館を提供し、た
         がいに饗宴を催して客となり主人となった。これは天子でありながら
         平民を友とした例である。身分の低い者が身分の高い者をうやまうの
         が、貴人への敬意であり、身分の高い者が身分の低い者をうやまうの
         が、賢人への敬意である。貴人を尊ぷのと、賢人を尊ぶのとは一つの
         道理だ」

         〈亥唐〉春秋時代の賢人。最後まで仕官せず、貧民窟に隠棲していた。
         この話は、平公が、礼を厚くして彼を迎えようとした時のことである。

         【解説】金の切れ目が縁の切れ目。こうなるのは、金を鼻にかけて交
         際するからである。富貴権勢を忘れて相手の徳を友とすれば、たとい
         富貴を失っても友を失わずにすむ。 

      
     
No.140

【バイオマス事業篇:世界初のマスタード油混合燃料ジェット】

 Jan. 30, 2018

1月30日、世界で初めてボーイングドリームライナー(Boeing Dreamliner787-9 を定期旅客サービス
QF96)の15時間のフライトで使用し、同じ LAからメルボルンへの通常の飛行に比べ、カーボン排
出量を7%削減。ジェット燃料によるポンドと比較し、カリナタ(アブラナ属:マスタード種子)バイ
オ燃料は、燃料のライフサイクルにわたり80%の二酸化炭素排出量を削減する。毎年小麦栽培する農
家は、2または3年毎ごとにマスタード種子を栽培し、圧搾油を航空燃料用に販売できる。現在処理さ
れている多くのバイオディーゼルは、魚やチップショップなどの廃油を使用するが、安定して供給する
ことができない。1ヘクタールの作物を使用し、400リットルの航空燃料または1400リットルの
再エネディーゼル油を生産できる。2012年、カンタスとジェットスターは、シドニーからアデレー
ドへ、メルボルンからホバートへ調理用廃油を50%の混合燃料油を、オーストラリア初の国内バイオ
燃料の実証フライトを実施。

これまで、世界中の他の航空会社も、バイオ燃料を商業飛行に組み込む進めているが、2011年、ア
ラスカ航空は類の調理用オイルブレンドで75便を選択し、オランダ航空KLMは2013年にニューヨ
ークとアムステルダム間で毎週バイオ燃料を運航している。カンタス航空は、米国企業SGプレストンか
ら供給される、20年までにロサンゼルスを拠点とするすべての航空便に、再生可能燃料の形態(必ず
しもカリナータ由来ではない)を使用する。航空会社は、火曜日の飛行のためにカリナタ由来の燃料を
抽出したカナダのAgrisoma Biosciences社と提携し、近い将来オーストラリアのバイオリファイナリーを
設立することを目指す。現在の燃料仕様では、バイオ燃料ブレンドは50%に制限されているが、将来、
百%バイオ燃料飛行が可能になる。2017年の推定によると、全飛行距離は50年までに4倍になる
と予想しているが、飛行距離は全二酸化炭素排出量の2.5%を占める。

ここで、ブラッシカ・カリナタ(Brassica carinata)は、休閑地機能とし、定期的な作物周期の間に栽培
でき、水利用効率が高い。カリナタから作られたバイオジェット燃料――正確には、不飽和カルボン酸
誘導体混合物、例えば、大豆油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、落花生油、トウモロコシ油、パ
ーム油、ジャトロファ油、クフェア油、アブシシカ(abyssinica)、アブラナ属(Brassica carinata)、
アブラナ属(Brassica napus)、レスケレラ(Lesquerella)および他の一価不飽和酸含有油など――は バ
イオ燃料用の油と動物栄養タンパク質の双方の供給を行い土壌を強化でき、カンタス航空は、家畜、家
禽、乳製品市場向けに高タンパク食品に販売できる。また、1ヘクタールの種子から2千リットルの油
を生産、それは4百リットルのバイオ燃料を生産し、1400リットルの再生可能なディーゼル燃料を
生産できる。  

 

因みに、バイオ燃料は第2世代の開発研究段階に入っており関連する最新の特許技術事例3件を記載し
ておく
が、より生産性の高い不飽和カルボン酸誘導体混合物の開発――例えば油脂分濃度が高い新種改
良法として3つの――❶従来の育種法、❷下記のユーグレナ製造方法のような突然変異誘導型育種法、
❸より直接的な遺伝子組み替え法――があり、これらは、燃料向け/食品・医療品向けにおいての生態
系/環境紊乱リスク後者に従い高まる懸念がある。これ以上のことに踏み込むには知識がなく、研究課
題として残件となる。いずれまとめて考察事にする。

事例:特開2017-184699  油脂高含有ユーグレナの製造方法 

概要】

バイオ燃料の原料となる油脂の含量が高められた油脂高含有ユーグレナの製造方法を提供にあって、下
図のように、変異原を用いて、ユーグレナ生細胞の突然変異を誘発する突然変異誘発工程と、突然変異
誘発工程を経た細胞を、細胞内脂質を染色する蛍光試薬で染色した後、蛍光標識細胞分取により、染色
した細胞から所定の強度以上の蛍光強度を有する細胞を分取して、突然変異で細胞内油脂含量が高めら
れた変異体を濃縮する変異体濃縮工程と、変異体を培養する変異体培養工程と、を行う油脂高含有ユー
グレナの製造方法である。



微細藻類由来の生物学的製剤は、産業界及び学界において注目を集めてきた。微細藻類は、高等植物よ
りも高効率で光合成を行い、従来農業利用されてきた土地を用いずに培養可能である。微細藻類のこの
ような特徴から、ヒト及び他の動物の代替食物源として期待されており、これまで栄養価の高いArthro-
spira
及びChlorellaのような微細藻類の大量培養が実現されている。大量培養された微細藻類からのバイ
オマスは、栄養補助食品,医薬品及び化粧品に用いるためのβ-カロテン,アスタキサンチン及び多価
不飽和脂肪酸等の化学物質源としても利用されている。更に、微細藻類の多くの種は、窒素欠乏のよう
な栄養条件下及び環境条件下において、油脂を生産し貯蔵することが知られている。未解決の技術的課
題は多く残っているが、次世代のエネルギー源として、大量培養された微細藻類の蓄積する油脂から経
済的に維持可能なバイオ燃料を製造することが、大いに期待されている。

単細胞原生生物であるユーグレナは、既に食用利用されている微細藻類の一つである。ユーグレナのう
ちE. gracilisは、栄養価が高く、窒素欠乏時は貯蔵多糖として、パラミロン(結晶状のβ-1,3-グ
ルカン)を蓄積することが知られている。最近の報告では、パラミロンが、肝保護,アトピー治療,結
腸癌抑制等の機能性を有することが示唆されている。このような特徴に基づき大量培養されたE. gracilis
が、機能性食品やパラミロンの原料として、商業的に供給されている。E. gracilisはまた、低酸素状態に
おいて、細胞内のパラミロンを消費して酸素なしにエネルギーを獲得することも知られている。このプ
ロセスには、ワックスエステル(主に、C14:0飽和脂肪酸であるミリスチン酸及びミリスチルアルコール
から構成されるエステル)の生成が付随して起こる。脂肪酸及びアルコールが比較的短い鎖からなるた
め、当該油脂は特にバイオディーゼル及びバイオジェット燃料への利用に適す。

競争の厳しい燃料市場で利用可能とするには、ユーグレナのワックスエステルの生産性を向上し、バイ
オ燃料
の原料バイオマスとしての有用性を向上するために、利用しているユーグレナ株の品種改良、及
び有効な品種改良方法の開発が必要である。これまで、数多くのE. gracilisの変異体が取得されてきた
が、殆どは、葉緑体ゲノムにおける変異由来であり(例えば、非特許文献1)、育種に有効な核ゲノム
の変異体の獲得が困難であることが示唆される。更に、UV照射による死滅曲線は、E. gracilisが多倍体で
あることを示し、これに由来する冗長性が核ゲノムの変異の効果が発現しにくいことの原因と示唆され
る。このように、葉緑体の機能に関係する以外のユーグレナ変異体はこれまで獲得されておらず、また
ユーグレナのワックスエステルの生産性を向上可能な品種改良方法は、これまで知られていない。

【非特許文献1】

Schiff, J. A., Lyman, H. & Russell, G. K. [2] Isolation of mutants of Euglena gracilis: An addenum. Methods Enzy-
mol. 69, 23-29 (1980).

【非特許文献2

Efficient selective breeding of live oil-rich Euglena gracilis with fluorescence-activated cell sorting, doi:10.1038/srep26327



このように構成された製造方法により、同一培養条件で従来のユーグレナよりも細胞内油脂含量が高め
られた新規なユーグレナを得ることができる。その結果、より低コストで、エネルギー効率のよいユー
グレナ由来のバイオ燃料の製造が可能となる。また、本発明の高含有ユーグレナの製造方法の全体のプ
ロセスは、数週間で完了するため、短期間で、高含有ユーグレナ育種株を得ることができる。
また、前
記変異体濃縮工程では、前記染色した細胞を含む液体を、100μm以上の径のノズルから流して前記蛍光
標識細胞分取を行ってもよい。
従来、細胞壁をもたず、比較的サイズが大きいユーグレナは、処理中に
細胞が損傷を受け易いため、蛍光標識細胞分取処理を施すことが困難であったが、本発明では、このよ
うに構成しているため、ユーグレナに、ハイスループットによる蛍光標識細胞分取処理を施すことが可
能となった。
その結果、本発明の油脂高含有ユーグレナの製造方法の処理を経た後のユーグレナ生細胞
の生存率を高く維持することが可能となる。


【符号の説明】

1  装置 2 細胞浮遊液チューブ 3 シース液チューブ 4 フローセル 5 ノズル 6 光源 7 検出器
8  データ処理系 9  電場 
10  試験管

事例:特開2017-115156 天然油メタセシス組成物及びその方法

【概要】

石油の再生不可能性に鑑みて、バイオ燃料、ワックス、プラスチック、化粧品及びパーソナルケア用品
等を製造するための、石油ではない代替物質への強い要望がある。そうした物質の製造方法として、植
物油及び種子ベースの油といった天然油原料のメタセシス――狭義には、二種類のオレフィン間で結合
の組換えが起こる触媒反応のことである。「メタセシス」の語は「位置を交換する」という意味のギリ
シャ語に由来
――により組成物を形成するというものが挙げられる。



天然油」、「天然原料」又は「天然油原料」という用語は、植物または動物から得られ
る油のことを
示す。「天然油」という用語は、特に指示がない限り、天然油誘導体を
含む。また、この用語は、特に
指示がない限り、(例えば、遺伝子組み換え植物または遺伝
子組み換え動物といった)変性植物源また
は変性動物源を含む。天然油の例として、以下に
限定されるわけではないが、植物油、藻類油、魚油、
動物脂肪、タル油、これらの油の誘
導体及びこれらの油の任意の組み合わせ等が挙げられる。植物油の
代表的な非限定的な例
として、カノーラ油、菜種油、ココナツ油、コーン油、綿実油、オリーブ油、パ
ーム油、
落花生油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油(SBO)、ヒマワリ油、亜麻仁油、パーム核油、桐
油、ジャトロファ油、マスタード、グンバイナズナ油、ツバキ油及びヒマシ油が挙
げられる。動物脂
肪の典型的かつ非限定的な例として、ラード、獣脂、家禽脂肪、イエロ
ーグリース及び魚油がある。タ
ル油は木材パルプ製造の副産物である。

天然油の誘導体」という用語は、天然油から誘導された誘導体を示す。こうした天然油誘導体を形成
する方法として、付加、中性化、過塩基化、けん化、エステル交換、エステル化、アミド化、水素化、
異性化、酸化、アルキル化、アシル化、硫化、スルホン化、転位、還元、発酵、熱分解、加水分解、液
化、嫌気的消化、水熱処理、気化またはこれらの2つ以上の組み合わせのうち1つ若しくは複数が挙げ
られる。天然油誘導体の例として、カルボン酸類、ガム類、リン脂質類、ソーダ油滓、酸味のあるソー
ダ油滓、蒸留物または蒸留スラッジ、脂肪酸類、脂肪酸エステル類及び不飽和ポリオールエステル類と
いった天然油のヒドロキシ置換した変種が挙げられる。いくつかの実施形態では、天然油誘導体は、炭
化水素(アルケン)鎖に1又は複数の炭素‐炭素二重結合を有する炭素原子数約5~30の不飽和カル
ボン酸から成り得る。また、天然油誘導体は、天然油のグリセリドから誘導される不飽和脂肪酸アルキ
ル(例えば、メチル)エステルから成り得る。例えば、天然油誘導体は、天然油のグリセリドから誘導
される脂肪酸メチルエステル(FAME)であってもよい。いくつかの実施形態では、原料の例として、
カノーラ油又は大豆油が挙げられ、非限定的な例として、精製され、漂白され、そして脱臭された大豆
油(すなわち、RBD大豆油)が挙げられる。



低分子量オレフィン」という用語は、C~C14の範囲の不飽和の直鎖、枝分れ、または環状の炭化
水素のうち任意のもの、又はそれらの組み合わせを示し得る。低分子量オ
レフィンには「アルファオレ
フィン類」又は「末端オレフィン類」が含まれ、ここで不飽
和炭素‐炭素結合は化合物の一端に存在す
る。低分子量オレフィン類には、ジエン類または、
トリエン類も含まれる。C~Cの範囲の低分子量
オレフィン類の例として、以下に限
定はされないが、エチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、
イソブテン、1-ペ
ンテン、2-ペンテン、3-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2
-ブテ
ン、3-メチル-1-ブテン、シクロペンテン、1-ヘキセン、2-ヘキセン、3-ヘキセン、
4-ヘキセン、2-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチ
ル-1-ペンテン、
2-メチル-2-ペンテン、3-メチル-2-ペンテン、4-メチル
-2-ペンテン、2-メチル-3
-ペンテン及びシクロヘキセンが挙げられる。考えられ
る他の低分子量オレフィン類としては、スチレ
ン及びビニルシクロヘキサンが挙げられる
。特定の実施形態では、オレフィン類の混合物を用いること
が好ましく、この場合、その
混合物にはC~C10の範囲の直鎖及び枝分れの低分子量オレフィン類が
含まれる。一
実施形態では、直鎖及び枝分れのCオレフィン類の混合物(すなわち、1-ブテン、2
-ブテン/イソブテンの組み合わせ)を用いることが好ましいだろう。他の実施形態では、C11~C14
の高い範囲を用いてもよい。

メタセシスオクトマー」との用語は、1又は複数のメタセシス反応の生成物を示し、これは、1/複
数の炭素‐炭素二重結合を有し同一/異なる2つ以上の反応化合物の8つの分子が、1/複数のメタセ
シス反応の結果、それぞれの反応化合物の1/は複数の炭素‐炭素二重結合を介して結合されたもので
ある。オクトマーは、反応化合物から誘導される8つの結合基を有する。

メタセシスノナマー」との用語は、1/は複数のメタセシス反応の生成物を示し、これは、1/複数
の炭素‐炭素二重結合を有する同一/異なる2つ以上の反応化合物の9つの分子が、1/複数のメタセ
シス反応の結果、それぞれの反応化合物の1/複数の炭素‐炭素二重結合を介して結合されたものであ
る。ノナマーは、反応化合物から誘導される9つの結合基を有する。

メタセシスデカマー」との用語は、1/複数のメタセシス反応の生成物を示し、これは、1/は複数
の炭素‐炭素二重結合を有する同一/異なる2つ以上の反応化合物の10の分子が、1/複数のメタセ
シス反応の結果、それぞれの反応化合物の1/複数の炭素‐炭素二重結合を介して結合されたものであ
る。デカマーは、反応化合物から誘導される10の結合基を有する。

メタセシスオリゴマー」との用語は、1/複数のメタセシス反応の生成物を示し、これは、1/複数
の炭素‐炭素二重結合を有する同一/異なる2つ以上の反応化合物の2つ以上(例えば、2~10程度
2~40程度)の分子が、1複数のメタセシス反応の結果、それぞれの反応化合物の1又は複数の炭素
‐炭素二重結合を介して結合されたものである。オリゴマーは、反応化合物から誘導されるいくつか(
例えば、2~10程度/2~40程度)の結合基を有する。いくつかの実施形態では、「メタセシスオ
リゴマー」との用語は、1/複数のメタセシス反応の生成物を示し、これは、1/複数の炭素‐炭素二
重結合を有する同一又は異なる2つ以上の反応化合物の10超の分子が、1/複数のメタセシス反応の
結果、それぞれの反応化合物の1/複数の炭素‐炭素二重結合を介して結合されたものである。オリゴ
マーは、反応化合物から誘導される10超の結合基を有する。

 本明細書中の「メタセシス」及び「メタセシス化」との用語は、メタセシス触媒の存在下で天然油原料
を反応させて、新たなオレフィン化合物/エステルを含む「メタセシスされた天然油生成物(メタセシ
ス天然油生成物)」を形成することをいう。メタセシス化とは、交差メタセシス(通称コ-メタセシス)、
自己メタセシス、開環メタセシス、開環メタセシス重合(ROMP)、閉環メタセシス(RCM)及び
非環式ジエンメタセシス(ADMET)のことを言及し得る。非限定的な例として、メタセシス化とは、
触媒の存在下での、天然原料の中に存在している2つのトリグリセリド類の反応(自己メタセシス)の
ことを言及することができ、ここでそれぞれのトリグリセリドは不飽和の炭素‐炭素二重結合を有し、
それにより、オレフィン類とエステル類との新たな混合物を含むオリゴマーを形成する。こうしたオリ
ゴマーは、メタセシスモノマー類、メタセシスダイマー類、メタセシストライマー類、メタセシステト
ラマー類、メタセシスペンタマー類及び高次のメタセシスオリゴマー類(例えば、メタセシスヘキサマ
ー類、メタセシスへプタマー類、メタセシスオクタマー類、メタセシスノナマー類、メタセシスデカマ
ー類及びメタセシスデカマー類より高次のもの)のうち1/複数からなる。


【図1】天然油からメタセシス天然油生成物及びエステル交換生成物を生成するための工程概略図

上図1には、天然油のメタセシス及び得られた天然油のメタセシス化処理の工程が示されている。特定
の実施形態では、天然油を後のメタセシス反応に更に適したものとするため
に、メタセシス反応に先立
って天然油原料を処理することができる。一実施形態では、天
然油のそうした処理は、メタセシス触媒
の活性を低下させかねない過酸化物といった触媒
毒の除去を伴う。触媒毒を減少させるための天然油原
料の処理方法の非限定的な例として
、PCT/US2008/09604号、PCT/US2008/
09635号、米国特
許出願第12/672,651号及び米国特許出願第12/672,652号に
記載のも
のが挙げられ、これらの全内容を参照により本明細書に組み込むものとする。特定の実施形態
では、天然油原料は、酸素の非存在下で原料を100℃超の温度に加熱することによ
って熱処理され、
そして原料中で触媒毒が減少する程十分な時間にわたってその温度に保
たれる。他の実施形態では、そ
の温度は、約100℃~約300℃、約120℃~約25
0℃、約150℃~約210℃又は約190
℃~約200℃である。一実施形態では、酸
素が存在しない状態を、天然油原料を窒素でスパージする
ことによって実現でき、このと
き窒素ガスは原料処理容器の中に約10気圧(150psig)の圧力
で注入される。

このように、バイオ燃料、ワックス、プラスチック、化粧品及びパーソナルケア用品等を製造するため
の石油代替物質の製造方法として天然原料である植物油及び種子をベースとする組成物の提供。(i)
オレフィン類及び/若しくはエステル類の混合物又は(ii)メタセシス天然油を含むメタセシス天然
油組成物による。メタセシス天然油組成物の数平均分子量は約100g/mol~約150,000g
/mol、重量平均は約1,000g/mol~約100,000g/mol、Z平均分子量は約5,
000g/mol~約1,000,000g/mol、多分散指数は約1~約20である。メタセシス
天然油組成物は、少なくとも1回メタセシスされている組成物。

❏ 事例:  特開2017-221162  バイオ燃料の製造方法

【概要】

藻類が産生した油脂成分から広範な用途に利用できるバイオ燃料を製造する方法の提供にあって、上図
のように、
油脂成分を合成する能力のある藻類を培養した培養液中に、アルカリ剤を添加するとともに
中質油を吹き込むことによって、中質油と藻類のエマルジョンを生成させて浮上させる工程と、浮上し
た藻類のエマルジョンから水分を真空蒸発させることによって藻類の油脂成分・固形物及び中質油を得
て、藻類の油脂成分・固形物及び中質油を濾過によって油脂成分及び中質油と固形物とに分離する工程
と、分離された藻類の油脂成分及び中質油を分留し、分留成分をアルカリ剤を添加して熱分解すること
によって熱分解油と熱分解残渣を得て、熱分解油を熱分解ガス、軽質油、中質油及び重質油に分留する
工程と、分留された中質油から溶剤抽出によって不純物を除去してバイオディーゼル燃料油を得る工程
と、を備えたバイオ燃料製造方法

 

 ● 今夜の一曲

 I found a love for me
Darling, just dive right in and follow my lead
roman,times;">Well, I found a girl, beautiful and sweet
Oh, I never knew you were the someone waiting for me
'Cause we were just kids when we fell in love
Not knowing what it was
I will not give you up this time
But darling, just kiss me slow, your heart is all I own
And in your eyes you're holding mine

   Wikipedia

 

  

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