極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 94 

2025年01月01日 | suma-to

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

             
  
                         
【季語と季語と短歌:1月2日】

         歯応え唯一絶品数の子ぞ


                  高山 宇 (赤鬼)


遠き日に購ひし詩集を読み直す老眼われは両手を伸ばし

文庫本の文字は今より小さくて半世紀経し紙は黄ばみて
道造中也もわれより歳上で夭折などをあくがれしころ
享年は道道二十四中也三十、われは六十五享年未だし
未練引きし詩篇のあれど読み直す未線なき詩のいくつもゆかし

          この詠草欄に応募し始めて十年以上になります。
          最近では五首のテーマ捜しや、それをいかにして
          歌に起こすかという産みの苦しみも却って快感に
          なってきたようです。これを短歌ハイと名づけて
          います。
                   浅井克宏氏 愛知県名古屋市
        「短歌研究詠草」(「短歌研究年鑑2024」)より

立原道造全集 全5巻セット

🪄短歌が書けない日々が9月から続いている。「気鬱」抱え、この五首が
   印象に残り掲載。一首目の「老眼われは両手」に託す。


✳️ 露が日韓の攻撃リスト準備
12月31日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)はロシア軍が日本や韓国
との戦闘を想定し、両国の原子力発電所など計160カ所の攻撃対象リストを
作成していたと伝えた。この機密文書の作成は2008~14年だが、同紙は「
現在にも関係する戦略」との見方を示している。
標的は原発や防衛施設の
ほか、道路やトンネル、橋といった民生インフラも含まれる。日本では、
原発など原子力関連施設が集まる茨城県東海村、自衛隊の防空監視所があ
る北海道・奥尻島、山口県と福岡県を結ぶ関門トンネルなどが攻撃対象と
なっている。奥尻島の建物は、細かい寸法まで記載されているという。

国では、浦項(ポハン)製鉄所や釜山(プサン)の化学工場などが標的に
挙がっている。
文書作成の詳細な経緯は不明。同紙によると、仮にロシア
が北大西洋条約機構(NATO)加盟国との戦争に突入した場合、東のアジ
ア方面の守りが手薄になることを恐れ、あらかじめ日韓の主要施設をリス
ト化した可能性があるという。
NATOで核軍縮・軍備管理を担当してきた
元高官のウィリアム・アルバーク氏は、同紙に「文書は、欧州とアジアが
(ロシアによる)戦闘の舞台として切り離せないことを示している」と述
べた。
同紙はペスコフ露大統領報道官にコメントを求めたが、応じなかっ
たという。


東海再処理施設の高レベル放射性廃液の20%が外部に放出された場合の
シミュレーション。1個で死者20人を示す■は、実際には無数に重なり
合っている(上岡直見氏作成)


⛑️ ウクライナのチェルノブイリ原発をロシアはなぜ制圧したのか? 東京新聞 2022年2月25日

 🪄「悪魔の道」或は「糞垂れの道」、つまり「破滅の道」しか残されて
      いない。

図1 新世代のハイブリッドシステム
図1 新世代のハイブリッドシステム:「スイフト」の
エンジン「Z12E」と無段変速機(CVT)を組み合わす。

✳️ スズキの48V新ハイブリッド
スズキが小型車用の新世代のハイブリッドシステム「スーパーエネチャー
ジ」を発表した(図1)。汎用性を重視しており、多様なエンジンや駆動方
式、変速機に設定できる。スズキ四輪パワートレイン技術本部本部長の高
田英樹氏は「MT(手動変速機)やFR(前部エンジン・後輪駆動)でも組
み合わせられるシステムにした」と明かす。スズキは国や地域の再生可能
エネルギー化の状況、顧客の使用状況に合わせ、適所適材な電動車を届け
る「マルチパスウェイ戦略」を掲げる。電気自動車(EV)と共に、効率に
優れたハイブリッド車(HEV)やエンジンの開発を進めている。同社代表
取締役社長の鈴木俊宏氏は「(非化石エネルギーが普及し切るまでは)
HEVの生きる道はある」と語っている。


図 1. 落下衝撃の高速ビデオを収集するために使用した実験装置の概略図

✳️  説明可能なAIによる液滴衝突の観察手法開発

液滴が固体面に衝突する現象(液滴衝突現象)は,航空や医用生体工学な
ど様々な分野に応用できる。この液滴衝突現象を理解するには,注意深く
観察することが大切だが,物質の持つ様々な性質の影響を受けるため,肉
眼での観察は難しい。
近年,画像分類AIが著しく発展し,今まで人間の肉眼で行ってきたタスク
を高速・高精度で行なうことが可能になった。しかし,AIが何を根拠に画
像を判断・分類しているのかについては,現状解明されていない。
研究で
は,固体面に衝突した液滴が飛散する動画と,飛散しない動画を分類でき
るXAIを新たに構築し,低粘度と高粘度の液滴衝突動画を学習させた。XA
Iは低粘度液体の飛散では92%,高粘度の液体の飛散では100%の精度で画
像を分類。

図2 液滴衝突動画で学習させたXAI の分類過程の可視化結果。(Yee et al., Morphological evolution
of splashing drop revealed by interpretation of explainable artificial intelligence, Flow, 2024)

このXAIの分類根拠を可視化し,分析を行なった。その結果,XAIは液滴の
輪郭,飛び散った小滴,また液滴の底部から皿状に広がった液膜に基づい
て画像を分類していることが分かった。また,XAIは動画のフレームごと
を数値化して,液滴が飛び散るかどうかを判断して分類していることが判
明。
結果として,XAIは低粘度の液滴に対し衝突の早い段階で分類でき,
高粘度の液滴に対しては衝突の遅い段階で分類できることが分かった。こ
のように液滴の時間変化に対してもXAIからこれまでにない知見を得られた
点に,この研究の革新性があるとする。

開発したXAIを用いた研究観察手法は,肉眼に代わる,より高速・高精度
な観察方法として期待される。研究グループでは今後,液滴衝突現象の解
明や様々な分野への応用が期待される。

図 3. 収集されたすべてのエタノール滴データの平均である正規化された滴頂点と正規化された衝突時間
【掲載論文】
本研究成果は、Flow (IF=2.8)(12月20日付)に掲載
論文タイトル: Morphological evolution of splashing drop revealed by
interpretation of explainable artificial intelligence
URL:https://doi.org/10.1017/flo.2024.28

 ✳️ ペロブスカイト物質の光学特性を解明
上智大学,静岡大学,東京大学は,金属ハライドペロブスカイト(MHP)
材料のCsPbBr3単結晶を用いて,励起子と光の相互作用の大きさ(LT分裂
エネルギー),励起子が2個結合した励起子分子,励起子と光の結合状態
の特性について詳細な実験を行ない,これらの特性を明らかにした。
MHPは,太陽電池や発光デバイス,放射線検出器,非線形光学など幅広い
分野で注目を集める材料。その理由は,優れた光学的特性にあるが,それ
らを支える基礎物性,特に励起子の特性については十分に理解されていな
かった。励起子は光と物質の相互作用における重要な役割を果たす準粒子
であり,その束縛エネルギーや励起子と光の相互作用の大きさを示すLT分
裂エネルギーは,光学デバイス設計における重要な基礎情報となる。これ
までの研究では,2次元のMHPの励起子に関する研究は多くあるものの,
3次元のMHPでは,励起子のパラメータの測定にばらつきがあり,正確な
特性評価が課題とされてきた。


図1 高励起条件下での(左)発光スペクトル、(右)時間分解発光イメージ。 励起子、2種類の
励起子分子、励起子-励起子散乱の発光を観測。


研究グループは,3次元MHPの一つであるCsPbBr3の高品質な単結晶を用
い,極低温下で光学測定し,詳細な解析を行なった。反射スペクトルの分
析により,LT分裂エネルギーが約7meVであることを明らかにした。
また
高励起条件下での発光および時間分解発光測定により,励起子分子による
2種類の発光(縦波励起子および横波励起子への遷移)と励起子-励起子散
乱による発光を観測した。これらの発光エネルギーの位置から,励起子分
子の束縛エネルギー,励起子の束縛エネルギーを見積もることに成功した。

さらに,白色パルス光を用いた時間分解透過測定により励起子ポラリトン
の群速度分散を測定した。その結果,この分散がローレンツモデルを用い
た計算と一致することが確認され,CsPbBr3における励起子のダイナミク
スがこの単純なモデルで記述可能であることが明らかになった。
励起子分
子に関しては,さらに詳細な測定を行なわないと断定はできないが,明瞭
な励起子分子からの発光を観測できたこと,および励起子ポラリトンの試
料裏面からの反射が観測されたことは,非常に高品質な単結晶が得られた
ことによる。
研究グループは,この研究で明らかにされたパラメータは,
高効率な太陽電池や発光デバイスなど,幅広い応用分野における技術基盤
として寄与することが期待されるとしている。
【掲載論文】
・The Journal of Chemical Physics
・Title:Exciton dynamics in CsPbBr3 single crystal: LT splitting energy,
 exciton–polariton dispersion, and biexciton binding energy
・https://doi.org/10.1063/5.0232604
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
🎈励起子ポラリトン Exciton-polariton
励起子ポラリトンとは、光のエネルギー状態と励起子のエネルギー状態が
結合した結果生じる準粒子である。光は波動方程式によって波として記述
することができる。また、ド・ブロイ波の概念より、励起子も波として記
述することができる。波は重ね合わせることが可能となるため、この重ね
合わさった状態を、励起子ポラリトンという新たな物質の状態としてとら
えることができる。励起子ポラリトンが形成されると、光のエネルギー準
位と励起子のエネルギー準位が結合し、エネルギーが分子軌道のように2つ
の状態に分裂する(図2)。エネルギーが高いものをアッパーポラリトン(
Upper
Polariton, UP)、低いものをロウワーポラリトン(Lower Polariton,
LP)と呼
び、両者のエネルギー差()をラビ分裂(Rabi splitting)と呼ぶ。
この現象により、本来の物質が持つ準位構造を変化させることができる。


図.光と励起子が混ざった準粒子 ”励起子ポラリトン”

図2. 励起子ポラリトンのエネルギー準位図

⛑️
励起子ポラリトンの発生
2枚のミラーを向かい合わせにしたキャビティ(共振器とも呼ぶ)構造を
用いると、光を閉じ込めることができる。このときミラーの距離を入射光
の波長の整数倍/2の長さにすることで、光が何度も往復して干渉し、定在
波となる (図3)。このキャビティに閉じ込められた光子をキャビティ光子
と呼び、離散的なエネルギー準位が形成される。

図3. 定在波ができる過程

キャビティの中に発光効率の良い半導体などを入れ、光を入射することで
電子が励起され、正孔と結びついて励起子を形成する。この励起子の吸収
ピークと定在波のピーク(キャビティモードと呼ぶ)が一致するようにキ
ャビティの幅を調整することで、励起子がエネルギーを光子として放出し
た瞬間に定在波によって再度励起されるという現象が発生する。また、半
導体から放出された光子はキャビティ内を往復するため、放出された光子
が再度半導体に吸収される。この状況は、光と励起子の間でエネルギーが
共有されているとみなせる。この状態を強結合状態と呼び、生成される混
成状態を励起子ポラリトンという準粒子として扱う。

🎈励起子ポラリトンの性質と応用
励起子ポラリトン状態では、物質と光の状態が混ざったような物性を確認
することができる。具体的には、物質由来のスピンの情報をもちあわせた
偏光を示す一方、光由来の超高速かつ超軽量な性質を持つ。また、分子間
のエネルギーの授受において、エネルギーを受容する分子をポラリトン状
態にし、エネルギーを供与する分子のエネルギーに近い準位を新たに形成
することで、分子間の軌道の相互作用が大きくなり、高効率なエネルギー
輸送ができるとされている。この現象を用いることで、高効率なエネルギ
ー変換を叶える太陽電池の開発などに応用できるのではないかとの期待が
高まっている。

   『
B'z:ultra soul

【B'z】「ultra soul」NHKホールの観客も総立ち【紅白】|NHK

        
B'z:ultra soul
 


        『B'z:LOVE PHANTOM』


● 今日の言葉:

        春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している。

                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』   
                       (因果報応の季節風)より

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする