ともかくあらゆることがすっきりしないというのがぼくの印象です。すっきりしないということを
前提にしておかないと、ひじょうにすっきりしたことをやれ、という言動になってしまうことに僕
はこだわっているんです。
「哲人・吉本隆明の世間と世界を透視する26:わが安保闘争の現在」1996.02
Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012
※ トランプ共和党大統領候補の外交発言で、関係国に防衛費負担を求めることは当然のように思える。
しかし、武力手段排除に切り替える外交政策への転換が一筋縄でないことも元民主党員であったな
ら自明のこと。「ネオコン」の二の舞にならぬことを祈るばかりだ。
● 熊本地震速報
※ 宇土市庁舎の崩壊映像は政府の「国土強靱化計画」の虚を突いた。地方の財政は四苦八苦を放置してきた財政・財
務・金融政策の限界(黙認してきたと指弾したくないが)を露呈。政権能力のほころびを象徴する一枚だろう(足
下の彦根市庁舎の耐震化を手抜きなしで急がねればならない)。
※ ブログでも掲載したが、長期に亘る地震動の被害影響を考えると、「大規模難疎開」を至急に考えなければならな
い。20年後の被災地の子供たちに与え、”二次的被災精神障害症候群の罹患”を憂う。
● 最新カラースリーディプリンタビジネス情報:ストラタシス・ジャパン
ストラタシス・ジャパンは19日、国内向けに「3Dパーツプリンティング・サービス」を開始することを発表。同サービスは国内企業
やユーザーを対象に、日本語にローカライズされた「ストラタシス・パーツサービス・ポータルサイト」を通じ製品開
発や製造過程を支援するフルカラーのオンデマンドパーツの製造ソリューションを提供するもの。国内企業/ユーザー
は、同社のプロフェッショナル向け3Dプリンタで製造するパーツの見積もり取得と発注を簡単に行うことができる。
ストラタシス・ダイレクト・マニュファクチャリング
今回提供を開始するフルカラー3Dプリントは、世界で初となる高精細フルカラーおよびマルチマテリアルを実現した
最新の3専用サービスであり、製品の国内リリースに先駆けて同パーツサービス利用者向けに先行して提供。この最新
技術を活用することで、コンシューマー製品、家電、自動車、アミューズメント、医療業界などにおける詳細なフルカ
ラー表現や透明カラーによる視覚化、繊細な感触の表現、デジタルモールドや治具などのツール、最終製品まで、同ポ
ータルサイトを通じてさまざまなニーズに対応するパーツをオンデマンドで再現することが可能となる。
高速量産には向かないが マテリアル革新との同伴で革命的なビジネスギャラクシが形成される。目が離せない!
● バイオセンサ革命:日本電波工業
日本電波工業は、その場でのウイルス検出や疾患マーカー検出に向ける手の平サイズのPOCT(point of care testing)検査
装置「NAPiCOS Lite」を発売。血液などの検体をセンサに10~100μL滴下するだけで、ウイルス感染や疾患を約10分
で判定できる。医療機関などでの利用を想定しており、「MEDTEC Japan 2016」に出展した。
同社のコア技術である水晶振動子を用いた装置で、15年4月開催の「MEDTEC Japan 2015」に参考出展していた。
15年に、埼玉県の事業で産業技術総合研究所および鹿児島大学と共同開発を進め、製品化にこぎつけ、産業技術総合
研究所がセンサの修飾膜に関する開発、鹿児島大学が測定の学術的な検証を担当。NAPiCOS Liteは、USBデバイスに似
た形状のセンサに試料を滴下し、これを装置本体に挿して測定する。測定感度は10ng/mLと高く、装置とBluetooth接続し
たタブレット端末などに結果を表示できる。感染症のほか、がんやアレルギー、心疾患などさまざまな疾患のスクリー
ニングに応用したい考え。まずは埼玉県下の医療機関などでの利用を見込んでいる。
ブログ掲載したことがあるが、入国手続きでの感染症検査システム組み込むためには検査所要時間は1分がシステムデ
ザインの基本的条件となる。これができれば世界事業のトップランナーになれるだろう。これは楽しみだ。
特開2015-037305 水晶振動子
【最新太陽電池製造講座 2:日出国之逆襲】
昨夜につづき。変換効率30%のソーラーパネルのファシリティ建設総額は、個人的には2百億円に押さえたいと考え
ている。その前提諸条件が明確でない段階で、いままでの体験からその倍の4億円も範囲にはいるがあえてその1/2
程度のプロセスデザインをなんとしても完成したいと考えている。さて、今夜は、参考に参考になる技術をピットアッ
する。
参考図書
(1)SSCT法の密度勾配ナノクリスタル構造層で光を閉じ込め変換効率を向上
下図の「特開2016-051893 シリコン基板、太陽電池およびその製造方法」のように、SSCT法で内部に密度勾配を
もつSiナノクリスタル構造層を形成し光を閉じ込め変換効率を向上するというもの。 半導体装置、例えば結晶性シ
リコン太陽電池において、表面での反射を防止し入射光を有効利用することは変換効率の向上に重要である。本発明者
らは、触媒となる白金箔をローラーに巻いて、HF/H2O2混合溶液中に浸漬した結晶性シリコン(Si)基板に接
触させることで、結晶性シリコン(Si)基板表面に多孔質層(シリコン(Si)ナノクリスタル構造層)を形成する
化学的転写法(Surface Structure Chemical Transfer:以下、SSCT法と略記)という方法で、Si基板の表面の
反射率を3%以下に低下し得る手法を開発した(特許文献1、特許文献2)。上述のSSCT法で形成したSiナノク
リスタル構造層では、その表面からSi基板の界面にかけての厚さ方向で空孔率が連続的に減少する構造を有している。
その結果、Si基板の表面での低反射化を可能とする。
【特許文献1】国際特許公開:WO2011/099594
【特許文献2】国際特許公開:WO2013/024746
本発明は、裏面がピラミッド構造のSi基板または、表裏面がピラミッド構造のSi基板に対して、その表面に、SSC
T法でSiナノクリスタル構造層を形成したものである。これにより、このSi基板では、表面側のSiナノクリスタ
ル構造層が粗で内部のSi基板面側が密になるような密度勾配が生じて、Si基板への入射光は、裏面のピラミッド構
造面で多反射して内部に留まり、さらに、Siナノクリスタル層内での密度勾配による屈折率の順次変化(低下)に従
って回折されることにより、Siナノクリスタル層の表面で全反射される結果、ナノクリスタル層内及びSi基坂内に
閉じ込められる,いわゆる光閉じ込め効果がより広い長波長域まで可能となる。本発明によると、太陽電池等における
Si基板を、裏面や表裏面をピラミッド構造にして、表面にSiナノクリスタル構造層を形成したことにより、吸収係
数の小さい長波長光に対しては、より広い長波長域まで光閉じ込め効果による極低反射化への効果を大きくして、一層
の光電変換効率向上を達成することができる。
図面の簡単な説明
【図1】本発明の実施例装置における反射率特性図である。
【図2】本発明の実施例太陽電池における表面部のTEM画像図である。
【図3】本発明の実施例で太陽電池の要部断面概念(モデル)図である。
【図4】本発明の実施例での太陽電池の断面構造図である。
【図5】本発明の実施例での太陽電池の電圧―電流曲線特性の測定値である。
1 シリコン基板、2 シリコンナノクリスタル構造層 3 Al(アルミニウム)層 11 p型シリコン基板 12 シリコンナノクリスタル構造
層 13 PSG膜 14 n型拡散層 15 p型拡散層 16 表面銀電極 17 裏面銀電極
その経緯はつぎのようになる。
結晶シリコン太陽電池は、市販太陽電池の85%以上を占める重要な太陽電池。研究室レベルの結晶シリコン太陽
電池では、25%以上の変換効率が達成されている。市販太陽電池では、バックコンパクト方式や混成多層方式を
除き、変換効率は20%以下。研究レベルでは、フォトリソグラフィー技術等の高コストな技術を用い、高効率が
達成できても、発電コストは高くなり市販太陽電池に反映されな
その具体的事例として(1) 欠陥消滅型半導体洗浄法、(2)硝酸酸化法、(3)化学的転写法などがある。こ
れらは「新規化学的手法を用いる結晶シリコン太陽電池の高効率化 小林 光 生産と技術 第65巻 第3号(201
3)」で紹介されているので参考願いたい。
(1)ではシリコン材料をHCN 水溶液に浸漬するだけで、電子とホールの再結合中心となる金属汚染物が完全に除
去できると共に、シリコンダングリングボンド等の欠陥準位が消滅する。
(2) では、シリコンウェーハを高濃度の特殊な硝酸に浸漬するだけで、超高性能の極薄二酸化シリコン(SiO2)
膜が形成され、表面パッシベーションが行われる結果、変換効率が向上する。
(3)では、薬液に浸漬したシリコンウェーハに触媒を接触させるだけで、瞬時に表面にシリコンナノクリスタル
層が形成され、反射率を極低化することができる。
これら三種類の技術は、太陽電池の製造コストを増加させることなく変換効率を向上できるため、太陽電池で最も
重要な発電コストを低減できる手法であると述べている。
● ボロンの最適ドーピング処理したパッシベーション膜で光劣化制御し変換効率向上
太陽電池10について、25℃のもとで、放射照度量100mW/cm2、スペクトルAM1.5グローバルの擬似
太陽光照射時の電気的特性の測定を行った。電気的特性は、初期特性(すなわち、初期変換効率)と、劣化後特性(
すなわち、光連続照射2時間後に初期変換効率と同条件で測定した劣化後変換効率)とについて測定を行った。ここ
で、変換効率は、(太陽電池からの出力/太陽電池に入った太陽エネルギー)×100である。測定結果を図5に示
す。図5において、劣化率は、(劣化後変換効率/初期変換効率)×100とした。図5からわかるように、シリコ
ン基板中のボロン濃度が5×1014原子/cm3を超えると、基板表面近傍のp型ドーパント濃度の増加、及び酸
化膜によるパッシベーション向上効果により初期変換効率は向上するが、光劣化も始まる。しかしながら、シリコン
基板中のボロン濃度が5×1014~1×1016原子/cm3の範囲では、光劣化よりも初期特性の改善効果が大き
いため、ボロン量が少ない(劣化しない)場合に比べ劣化後も変換効率が高くなっており、上記の範囲のボロン濃度
が特に好ましいことがわかる。
主表面のうち少なくともp型領域のある第一主表面にシリコン熱酸化膜が設けられ、前記シリコン基板はボロンがさら
にドーピング処理することで基板表面パッシベーション膜としてシリコン熱酸化膜を有するものでありながら、光劣化
を抑制しつつ、高い変換効率を有することができる太陽電池及び太陽電池の製造方法を提供することを目的とする。
【符号の説明】
10、10'…太陽電池、 11…シリコン基板、 12、12'…シリコン熱酸化膜、 13、13'…シリコン窒化膜、
14…表面電極、 15…エミッタ層(n型拡散層)、 16…裏面電極、 18…第一主表面、 19…第二主表面、
21、22…開口部。
この項つづく