雨降りて 露に濡れにし 虎斑萱 そっと苅りとり 生けて輝く
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ブログを書き出して話題にはことかかないことが分か
った。問題は優先順位の按配と時間が足りないという
ことだ。例えば、宇尾白山神社の宮世話での課題とし
た、灯籠、提灯の安全性と利便性の点で、蝋燭からL
EDの電飾化もほぼ達成。提灯用にはしょう照度が足
らないといことで、やまと興業が妥当だという結論に
至る。
特許:P1999-86602
電源は単5型乾電池3本 連続10時間点灯。しかし、
充電式でない。早速、「提灯用ろうそく形光源」(概
要図同上)の特許を調べ、起電圧を調節すれば充電可
能だということが分かる。しかし、実際的には市場に
出回るまで待たなければだめだが、日本中の神事に対
応するなら独自に製造しても良いかなという、多少黄
ばんだ話しにも展開しそうだ(実は、彦南エレクスに
相談し断念している)。
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次に、ノンアルコールビールの試飲。アサヒのポイン
トゼロとキリンのフリーだけしかなかったので(ビア
テイスト飲料は数多くある)、リカーマウンテンで買
う。キリンに軍配、アサヒは醪臭のする後味が尾を引
き嫌気。キリンはカラメル味が残る喉越しのすっきり
感が好印象。しかし、ほろ酔い感が伴わないのないの
は奇妙な感じだ。残り、サッポロ、サントリーは後日。
爆発的な売れ行きと店員の話だが、一過性に終わる可
能性もありそうだ。
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その次は、鬱病対策の続きの「精神の抵抗力の衰弱」
の話しだが、谷川雁の再評価に繋がるということで図
書館で彼の詩集を借りる。というのも「連帯を求め孤
立を恐れず。力及ばずして倒れることを辞さないが、
力尽くさずして挫けることを拒否する」(谷川雁「工
作者の死体に萌えるもの」)のエネルギーを探り回顧
する(参考【週刊読書人】「特集 いま甦る谷川雁」
2009年7月17日号/鵜飼哲)。
おれたちの革命は七月か十二月か
鈴蘭の露したたる道は静かに禿げあがり
継ぎのあたった家々のうえで
青く澄んだ空は恐ろしい眼のようだ
鐘が一つ鳴るったら おれたちは降りてゆこう
ひるまの星がのぞく土壁のなか
肌色の風にふかれる恋人の
年へた漬物の香に膝をつくために
革命とは何だ 瑕のあるとぴきりの黄昏
やつらの耳に入った小さな黄金虫
はや労働者の骨が眠る彼方に
ちょっぴり水蜜のようにあらわれた夕立だ
仙人掌の鉢やめじろの籠をけちらして
空はあんなに焼け……
おれたちはなおも死神の真白な唾で
悲しい方言を門毎に書きちらす
ぎ な の こ る が ふ の よ か と
(残った奴が運のいい奴)
「革命」/谷川雁詩集
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田中純は、谷川の文体は鋭い分析で社会認識を促し、
集団的実践を激しく煽動する。つまり、それは高度に
政治的なのである。そんな政治的詩語の典型が、大衆
と知識人の両方に鋭く対立する「双頭の怪獣」のよう
な「工作者」であり、その工作者が向かうべき、反動
思想の根の末端であると同時に革命思想の芽でもある
ような、「思想の乳房」としての「原点」である。こ
れらの言葉は、異様な緊張感を孕んだまま、いまだに
古びていないと評す。
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ふるさとの悪霊どもの歯ぐきから
おれはみつけた 水仙いろした泥の都
波のようにやさしく奇怪な発音で
馬車を売ろう 杉を買おう 革命はこわい
なきはらすきこりの娘は
岩のピアノにむかい
新しい国のうたを立ちのぼらせよ
つまずき こみあげる鉄道のはて
ほしよりもしずかな草刈湯で
虚無のからすを追いはらえ
あさはこわれやすいがらすだから
東京へゆくな ふるさとを創れ
おれたちのしりをひやす苔の客間に
船乗り 百姓 旋盤工 坑夫をまねけ
かぞえきれぬ恥辱 ひとつの眼つき
それこそ羊歯でかくされたこの世の首府
駈けてゆくひずめの内側なのだ
「東京へゆくな」/谷川雁詩集
そして、田中は「谷川はベルリンの壁崩壊を、資本主
義が「単一世界権力」の創出へと向かう過程の始まり
と見ていた。透徹した認識と言うべきだろう。彼がそ
の頃手がけていたのは、子供たちが宮沢賢治の童話を
演じる「人体交響劇」だった。この工作者は晩年にお
いてなお、幼児や少年少女の身体を通して、単一世界
権力に毒を盛る、白昼夢に似た文化革命を追求してい
たのであると結ぶ。
新実徳英/谷川雁「南海譜」、「なまずのふろや」
鵜飼哲はこの点を人間中心主義のかなたの、「権力止
揚の回廊」などに含まれる「未知の平等を幻視」と私
有制の終焉は遠く、国家は死滅せず、主権国家の並立
はやがて統一世界政府の絶対主権へと高次化され、「
単一世界権力対ひとりの個人」の残酷な構図と向き合
わなければならない「単一世界権力との対峙」とに抽
象する。そして、いま当に彼が想定したように、世界
は巨大な矛盾を孕む多極的なプラズマ場に突入しよう
とする時代に遭遇している。わたし流に表現すれば「
国際官僚機構」との格闘ということになる。
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新実徳英
今日はじめて知ったのだが、作曲家の新実徳英と谷川
雁作詞で沢山のコーラス曲を作曲していることに驚く。
ここだけの話しだが?CD「白いうた 青いうた/あ
したうまれる」のなかで「われもこう」がある。そう
杉本眞人と石川さゆりの「吾亦紅」と同じで勘違いし
そうだった。これは、今晩は熱燗でしみじみ飲むしか
ないか ^^;。
吾亦紅
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高円の 野辺の秋萩 いたづらに 咲きか散るらむ 見る人なしに
笠朝臣金村
ススキ(芒、薄)とは、イネ科ススキ属の植物。萱(
かや)、尾花ともいう。野原に生息するごく普通な多
年生草本である。夏から秋にかけて茎の先端に長さ20
~30cm程度の十数本に分かれた花穂をつける。花穂は
赤っぽい色をしているが、種子には白い毛が生えて、
穂全体が白っぽくなる。種子は風によって飛ぶことが
できる。日本には全国に分布し、日当たりの良い山野
に生息している。地上部は夏緑性で、冬には枯れるの
が普通であるが、沖縄などでは常緑になり、高さは5m
に達する。
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北面の空き地には背丈2m位の矢筈薄(やはずすすき)、
虎斑薄(とらふすすき)を草刈りの時必ず残している。
生け花にしたいと願い出るひとたちに分けている。斑
が美しい虎斑薄を剪定し飾る。細やかな季節の気遣い
を生ける。
矢筈薄
かつては農家で茅葺屋根の材料に用いたり、家畜の餌
として利用することが多かった。そのため集落の近く
に定期的に刈り入れをするススキ草原があり、これを
茅場(かやば)と呼ぶ。未成熟の穂を食用とする地域
もある。秋の七草の一つ「ススキ」。花言葉は「活力」
「隠退」。
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新政権に変わってから興味深い話題が連日報道されて
いる。実に面白い(ダイヤモンドオンライン「山崎元
のマルチスコープ」)。そんなことに感心していたら、
労働組合運動の活動で、貨幣制に替えて労働証書制に
換えてみてはどうかと先輩に尋ねてみたら、即座に「
それは面倒だ」と一蹴され、なるほどと感心した記憶
が甦った。
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山崎元
地域貨幣にしろ、クーポン券にしろ、通貨制にしろ、
そのものは信用付与という使用価値しかないが、これ
が為替取引などで使用されると剰余価値が生じるとい
う幻想過程に包括される。貨幣(金貨)を媒体にする
ことは貨幣の製造及びその流通管理の必要経費が生じ
生産された剰余価値から差し引くことになる。これを
潜在的な必要インフレと定義しよう。同じように貨幣
経済では、このほかに、先行投資にともなうものを産
助インフレ(或いは所要インフレ)、対費用効果が低
く財政規律を悪化させるものを財政インフレとし、デ
フレータ(価格修正指数)など市場調節として行使さ
れるものを調整インフレ、そして市場の失敗及び政府
の失敗で生じるインフレを悪性インフレと定義しよう。
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小宮隆太郎
なぜこんなことを書くのか?貨幣経済をとる限り調整
インフレがどのような形態で発動されようとも必要な
ことだとする思想を肝にして政策を推進する。これを
政策的通貨膨張主義と呼ぼう。これは経済活動の包括
的数理解析技法の深化も意味する。
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