極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

高精細化する半導体発光装置

2016年08月30日 | デジタル革命渦論

 



       
 「1999年、7の月」は何事もなく過ぎた 時間は実体化できないから、予言は不可能だ。

                    「ノストラダムスの大予言”は単なるバカ話だ!」

                             PENTHOUSE 199911

                                   
                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar,
2012 

 

 ● 今夜のアラカルト

Pearl Onions in Cream Sauce

【クリームソースパールオニオン】

ことしは天候不順で玉ねぎは不作で高騰。ところで、玉ねぎは、ねぎと同じユリ科の仲間で日本に
は明治時代に入ってきたが、いまでは、米国に次ぐ世界第2の玉ねぎ生産国、国内での収穫量は大
根、キャベツに次いで第3位だ。今夜は、そのなかのパールオニオンで一品調理しよう。パールオ
ニオンは真珠のような光沢をもつ皮に包まれた小さな白玉ねぎで、細かくきざんでいためものなど
の香りづけに使う。大きさは収穫時期や栽培方法の違いから、1~2センチほどのものからピンポ
ン玉大のものまで、国産と米国の輸入品がある。

作り方:①水を沸騰させパールオニオンを入れ皮を剥く、②剥けたら氷水に入れ排水後皮を剥きカ
    ット、クリーム、月桂樹の葉、イタリアンパセリ、ニンニク、ナツメグ、塩、コショウと
    一緒に鍋に入れ、③弱火で、数回攪拌し10分間蓋をして煮つめる。④蓋を取り、チキン
    ストックを入れ、パールオニオンが柔らかくなるまで5分以上煮込む。濃厚なクリームソ
    ースが好きならコーンスターチ小さじ2杯水で溶き混ぜ煮込み、お好みでニンニク、塩、
    コショウを追加すれば風味豊かなクリーミーなソース仕立てのパールオニオンが完成。所
    要時間、準備に15分、調理15分の合計30分。

尚、巻頭の写真は、無花果とグリーンサラダ。先回のアラカルトの続編?として掲載。


   

【量子ドット工学講座 20:高精細化する半導体発光装置】

ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、AR(拡張現実:Augmented Reality
グラス、プロジェクタなど拡大投影用途のマイクロディスプレイの市場が成長している。マイクロ
ディスプレイの性能向上を目的とした半導体装置の開発が著しく、アレイ化したLED(Light Emi-
tting Diode
)と、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)とを配置し、アクティブマトリクス
駆動する半導体発光装置の高精細化が望まれていたが、直近、株式会社東芝が下図の半導体デバイ
ス構造・構成特許を公開する。

 JP 2016-154213 A 2016.8.25

【符号の説明】

10…第1発光領域、10a…第2発光領域、10b…第3発光領域、11…第1半導体層、11
a…主面、
11p…凸部、12~18…第2~第8半導体層、20…第1トランジスタ、21…第
1アモルファス半導体層、
22…第2トランジスタ、23…第1配線、24…第2配線、25…第
3トランジスタ、26…第4トランジスタ、
27…第2アモルファス半導体層、28…第5トラン
ジスタ、30…絶縁層、31…平坦化層、
32…アンダーコート層、33…ゲート絶縁層、34…
エッチング保護層、35…パシベーション層、
36…ゲート保護層、40…第1層(支持基板)、
41…第1面、42…第2面、50…バリアメタル、
60…接合メタル、70…裏面電極、80…
領域、110~111…半導体発光装置、111a…半導体発光装置、
112~115、116…
半導体発光装置、D1…第1ドレイン電極、G1…第1ゲート電極、G2…第2ゲート電極、
S1
…第1ソース電極、L1…発光光、L2…漏れ光、L3…反射光、PVDD…高電位端、PVSS
…低電位端、
Px1…第1画素、Px2…第2画素、cn1、cn2…制御線、e1…第1電極、
e2…第2電極、i1、i2…電流密度、
r1~r5…第1~第5領域、sg1…信号線

----------------------------------------------------------------------------------------


構造・構成を事細かに書いても仕方ないので、上図ダブクリ参照で割愛するとして、ここで、第1
半導体層11は、第3半導体層13と第1蛍光体層121との間、及び、第5半導体層15と第2
蛍光体層122との間に設けられ、これらの蛍光体層の平均粒子径は、50μm以下。重要なこと
は、画素を高精細化するには、蛍光体の粒子径や膜厚を画素サイズ程度に小さくし、画素のぼやけ
を低減でき、ナノ粒子系の蛍光体や量子ドットを用いることができることである。これら蛍光体の
粒子径は、1um以下。これらの蛍光体層は、画素毎にパターニングできることである。

こうして、第5次産業革命は、デジタル革命渦論は進化する。さすが、東芝。


   

【帝國のロングマーチ 35】   

           

 ● 折々の読書  『China 2049』52       

                      秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・

ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。 

【目次】       

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   

 

         

   第11章 戦国としてのアメリ力   

                              釜底抽薪――釜底の薪を抽く

                            『兵法三十六計』第十九計   

把柴火从锅底抽掉,才能使水止沸。比喻从根本上解决问题(お湯が沸いている釜の底から薪を抜け
ば、釜の湯はいずれ冷める。そうなれば簡単に処理できるという理)。   

   extracting the firewood from under the cauldron   

 【第12段階】中国のタカ派と改革派(修正主義者)の議論を監視し支配する


  話すうちに、中国の政治局内の分裂について彼がどう考えているかが、少しずつ見えてきた。
 タカ派はアメリカとミャンマーのつながりを面前に遣る危機と捉えているが、改革派は一般に、
 そのつながりに関して緊張しておらず、むしろミャンマーの経済開発に関心を寄せている、と
 いうのが絃とわたしの共通の認識だった。例えば、改革派はエネルギー投資、とりわけエーヤ
 ワディー川に水力発電用のダムを建設するた
めに、ミャンマーの安定を求めていた。これは、
 アメリカは囲碁をしているというタ
カ派の見方とは正反対であり、アメリカ政府にとっては望
 ましい見方だ。

  わたしはミャンマーの指導者が中国の長期戦略をどう見ているかに興味をひかれた。西洋の
 多くの指導者と同じように、中国を、国際社会で平和的に台頭しようとす
る資本家かぶれと見
 なしているのだろうか。

  ミッチェルによれば、ミャンマーの知識人たちは、元シンガポール首相で、アジアで極めて
 尊敬されている指導者リー・クアンユー(訳註*2015年、91歳で死去)の哲
学を学んで
 いるということだった。シンガポールの奇跡の父と称えられるリーは、西
洋で幅広い支持を得
 てきた。リチャード・ニクソンはかつてリーをチャーチル、ディ
ズレーリ、グラッドストン
 (注54)にたとえ、ピル・クリントンとジョージ・H・
W・ブッシュを含む多くの人が、リー
 を先見の明ある指導者と称賛した。しかし不思議なことに、西洋人の多くは、リーが中国をど
 う見ているかに関心を寄せようとしなかった,

  ミャンマーの役人が、ヤンゴンの五つ星ホテル、ストランドで売られているリーの思想をま
 とめた新刊書のことを教えてくれた。ストランドは、大英帝国時代に建てられたビクトリア様
 式の邸宅を利用したホテルで、衰退した西洋の帝国の名残を今に伝えている。
 「リーは、中国の台頭を、他のどの傍観者やアナリストよりはっきりと予測していた」と、そ
 の本の編集者であるハーバード大学教授のグレアム・アリソンとロバート・プラックウィルは
 書いている(注55),わたしはその本に目を通し、リーが西洋のほとんどの人よりずっと昔か
 ら、数十年にわたって中国を注意深く観察し、その長期戦略を明確に理解していたことを知っ
 た。

 「中国の目的は世界.の大国になることだ。そして、西洋の名誉会員としてではなく、中国と
 して受け入れられることであり{中略)彼らの思考の中心にあるのは、植民地化とそれがもた
 らした搾取や屈辱より前の、彼らの世界である」とリーは明言している。中国政府は国民の願
 望を巧みに利用した、とリーは続ける。
 「中国に何らかの民主主義革命が起きると信じているのなら、それは問違いだ(中略)中国の
 人々が求めているのは復活した中国である」

 では、どうやって世界一こになるのかと、インタピュアーに聞かれたリーは、「中国の大きな
 強みになるのは軍事的影響力ではなく、経済的影響力だ(中略)。それはアメリカの影響力を
 越えていくらでも成長できる」と答えている(注56)。
 リーはマラソン戦略で最も重要な要素が何であるかを確信していたようだが、中国が支配する
 時期を、数十年先と考えていた
 「中国人は(自ら言うところの)『平和的台頭』を続け、経済的かつ技術的にトップの座を争
 えば、負けるはずはないと自負している]とリーは書いている。
 「アメリカのような、より強力で技術的に優れた超大国に(真正面から)挑めば、中国の平和
 的台頭は頓挫するだろう。中国は共産党が制作した自国のテレビ番組『大国崛起』と同じ方法
 をとっている(中略)中国の首脳部は、総合的軍事力でアメリカと張り合えば負けることを知
 っている。自滅してしまう,したがって、それを避け、頭を垂れ、微笑みながら40年から5
 0年を過ごすことにした(注57)。

  本書でわたしは彼ほどうまく伝えられなかったが、少なくともひとり同志がいることをこの
 時知った。独統制を敷いたものの、リー・クアンユーは卓越した政治手法を世界から賞賛され
 た。しかし、中国に関する彼の冷静な予測は、西洋の中国政策の専門家に批判された。その理
 由の3つある。1つ目は、批判者たちが、中国はいずれ崩壊するか、欧米風の民主主義国にな
 るという希望的観測か間違った推測をしていたこと。2つ目は、中国が懸命に控えめなふりを
 し、その成長の見通しを低く偽ってみせていたこと。3つ目つ目は、中国の脅威が目前に迫っ
 ているという誤報があまりにも多く流されていたことだ。

  リー・クアンユーにならって、2049年に中国がどれほど強くなっているかについて、わ
 たしの考えを述べよう。2049年までに、先に提示した12の段階を遂行する時間はト分ある、
  と述べておきたい。
   たいていの場合、中国に関する話題は、中国による世界征服や軍事的支配をセンセーショナ
 
ルに警告するが、そのどちらも近い将来には起こりえない。ハーバード大学の政治学者、ジョ
 ゼフ・ナイは、的を射た忠告をする。
 「われわれが抱える最大の危険は、中国を過大評価し、中国に自らを過大評価させることだ,
 実際のところ、中国はまだアメリカのレベルには達していない。であるにもかかわらず、中国
 を過大評価してアメリカを怯えさせ、中国をうぬぼれさせるのは最も危険である(注58)。

  傲慢で攻撃的な態度で近隣諸国を挑発し、考えを同じくする国々と連携している中国は、長

 い目で見れば、アメリカを手助けしていることになる。ナポレオン・ボナパルトの有名な言葉
 のように、「敵が間違いを犯している時は、邪魔をするな」。だが、何もするな、というわけ
 ではない。
  長期にわたって中国政府と張り合うには、中国の野望を見極め、国際基準の境界を中国が踏
 み越えそうになったら、その動きを非難する必要がある。それには、中国の戦国時代の教えが
 役立つはずだ。それらの教えには、中国の戦略思考の特質と独自性
が凝縮しているからだ。先
 に説明した12の段階が中国との衝突を引き起こすことは
否めない。わたしは周囲の人々から、
 厄介な中国を批判しないようにと始終警告され
ている。だが、そのような姿勢は、「批判を避
 けるのは簡単だ。「何も言わず、何もせ
ず、存在を消せばよいのだ」というアリストテレスの
 警告を無視するものだ。

  アメリカに取って代わって、地政学土の最大勢力になろうとする中国の戦略には、アメリカ
 の善意と援助が欠かせない。アメリカは、かつて自らが徐々に台頭していっ
た時期に、代わり
 に衰退していった大英帝国と同じ行動をとるだろう。中国が必死に
なってアメリカの中国に対
 する見方を形作ろうとする理由の一つはそれだ。『中国の
夢』の中で劉明福は、アメリカが中
 国に抱くイメージを形作ることを推奨する,中国
はアメリカを「悪魔ではなく天使」にしなけ
 ればならないと劉は言う。劉の姿勢は、
4人のタカ派が書いた『新戦国時代』のそれに似てい
 る(注59)。この本の著者たちや
他の中国のタカ派は、今後の数十年間に延々とつづくのは、
 戦争や領土侵略ではな
く、経済、貿易条件、通貨、資源、地政学的協力をめぐる攻防だろうと
 断言する。

  問題の本質の理解を妨げる落とし穴が三つある。一つは、早くから中国の脅威を恐れすぎる
 ことだ,2012年に刊行されたマーティン・ジャックの著書が主張するよ
うに、中国はまだ
 「世界を支配」する状態にはいたっていない(注60)。また、ア
いない。さらに、中国通貨が、
 世界の準備通貨としてドルに取って代わる見込みも今
のところは皆無だ(注61)。ジョージ・
 ワシントン大学のデーヴィッド・シャンボーが
述べたように、中国は単に「局地的な強国」に
 すぎない(注62)。アメリカ国防総省は
すでに、中国に対応するための大々的な戦略的計画に
 着手しており(注63)、それに刺
激された評論家が、「Who Authorizcd PrcParations for War with
   China?
(だれが中
国との戦争の準備を認めたか?)」というようなタイトルの記事を書いてい
 る(注64)。

 


今回で完結する段取りだったが後二回にわけて切りあげる。読者もお分かりのことだろうが、ピル
ズベリーの主張(段階的内政干渉)の先に想定されるリスクである。ハードパワー(軍事力)、ソ
フトパワー(財政力・経済制裁)、メゾパワー(サイバー攻撃・情報戦)をにらみ敵国を追い詰め
る方法は太平洋戦争、冷戦、イラク戦争などその手口は基本的に同じであるが、中国の冒険は即国
内崩壊を意味するだろうと、
このブログで掲載してもいる。そのようなこともあり、ジーン・シャ
ープ
の『独裁体制から民主主義へ―権力に対抗するための教科』あるいは『非暴力行動の198

方法』(
TEDの「効果ある非暴力運動」参照)を併せて考察を始めるものの、「戦争が露呈」いる
段階にあるこという認識は変わっていない。また、それは同時に、ドラッガーの「戦争は外交の失
敗」を意味する。


                                     この項つづく

      

  

 

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現代の歌姫考 Ⅰ

2016年08月29日 | 現代歌謡

 





      日本列島をヤポネシアと呼べば、スリランカ、インドネシア、ミクロネシア、
      ポリネシアなどの環南太平洋の島々の多島人の種族が少なくとも半分の日本
      列島人の要素とみなすことができる。

      また太平洋戦争での日本列島人の侵略、侵攻を一種の帰郷運動になぞらえる
      とすれば、インド以東のアジアの内陸とオセアニアの全域が包囲されること
      になる。

                          「島・列島・環南太平洋への考察:日本の島エッセイ」

                                             平凡社 2003年6月号

 

                               
                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar,
2012    

 

  

  ● 今夜の三曲

現代の歌姫考 Ⅰ:シセル(Sissel)

現代で一番の歌姫は誰だろうと二人で食事しながらはなしていると。名前が出ないがあの女性よと
言うので、サラ。ブライトマン?そうじゃない、えぇっつとそのあのひとよ!タイタニックにのセ
リーヌ・ディオン?そうじゃない! しばらくして、スーダン・ボイル?というと、そう!スーダ
ン・ボイルよと彼女が応えるので、確かにね。僕はフィーリングヴォイスな北欧の白い妖精シセル
だな。アベマリアはイヤされる、賛美歌だからねと、ジュブリルタンでのたわいない会話を思いだ
しユーチューブする。そとは台風10号で大雨模様。



シセル(Sissel、69
年6月24日 - )は、ノルウェー出身の女性歌手。もともと母国・ノルウェ
ーで国民的歌手として人気があったが、近年は「クリスタル・ボイス」とも評せられる透明感溢れ

る歌声と安定した歌唱力が世界的に高い評価を受け、国際的に広く精力的な音楽活動を続けている
。もともとシセル・シルシェブー(Sissel Kyrkjebø)名義で長らく活動を続けてきたが、近年はフ
ーストネームで出演。

69年6月24日、ノルウェー西岸に位置するベルゲン市に生まれ、8歳の時に聖歌隊に入り、歌
唱力を磨き、85年、アルバム「シセル」でCDデビューし国民的人気歌手となる。84
年、リレ
ハンメル冬季オリンピックで同オリンピックのテーマ曲“Fire in your Heart”を歌うと共に、開会式
と閉会式で「オリンピック賛歌」の冒頭部分を民族衣装姿でアカペラで独唱。その澄んだ歌声が世
界に評判となる。97
年には映画「タイタニック」のサウンドトラックで、ヒロインの回想場面で
使用されるスキャットを担当、一方、ジャンルもクラシックからポップス、ジャズと幅広い。

03年4月、六本木ヒルズでオープニングのコンサートを行い、05年9月、京都仁和寺で開かれ
た第18回JAL音舞台シリーズに参加。デンマーク人のタレントと結婚し、2児の子供を出産した
のち、本国ノルウェーをはじめとする北欧諸国とアメリカコンサート活動を行っている。

 

   

【帝國のロングマーチ 34】  

             

 ● 折々の読書  『China 2049』51       

                      秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・

ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。    

【目次】      

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   

        

   第11章 戦国としてのアメリ力  

                              釜底抽薪――釜底の薪を抽く

                            『兵法三十六計』第十九計  

把柴火从锅底抽掉,才能使水止沸。比喻从根本上解决问题(お湯が沸いている釜の底から薪を抜け
ば、釜の湯はいずれ冷める。そうなれば簡単に処理できるという理)。  

   extracting the firewood from under the cauldron

  【第11段階】民主化寄りの改革をサポートする

  冷戦時代にアメリカが用いた戦略の多くは、少なくとも今のところは、中国に対して有効で
 はない。アメリカの脅威を誇張しようとする中国タカ派との新たな冷戦では、新たな戦い方が
 必要とされる。それは地球規模のイデオロギー闘争ではなく、また、帝国の拡大を阻止するた
 めにNATOのような同盟を作る必要もない。しかし、冷戦から得た教訓として、アメリカが
 心に留めておくべきは、中国国内の、民主的で文明化された社会集団を支援することの大切さ
 である。中国が新しい冷戦(注27)について語るときに懸念するのは、思想の力を利用してソ
 ビエト連邦を内部から打ち崩していった、冷戦時代の戦略をアメリカが再現することである。
 中国のタカ派の ほとんどは、中国の共産主義を滅亡させようとするこの計画は、冷戦中の
 1947年のソ連に対 して展開されていた程度には、すでに遂行されていると考えている。
 少なくとも2冊の中国の本が、CIAがその陣頭に立っていると主張している(注28)。

  June 20, 2016
威脅不是外部的“陰謀”的


  ロバート・ゲーツ元国防長官は、1975年に調印されたヘルシンキ宣言が、ソビエト連邦
 内の民E主義擁護団体を活性化させ、「冷戦においてアメリカを勝利に導く重要な役割を果た
 した」ことを見逃さなかった(注29)。中国のタカ派も同じ考えらしく、アメリカはすでに複
 数政党による民主的な選挙と自由市場の導入に未来の中国市民のリーダーになる人々を誘導し
 ようと取り組みはじめている、という懸念をたびたび書いている(注30)。2013年10月、
 中国のタカ派は別の懸念を明らかにした。

  それは、アメリカはゴルバチョフのような中国人、要するに、一党支配を終わらせる統率者
 を探し求めているというものだった。タカ派が中国の統率者を信用していないことは、201
 3年10月に発表された『音なき対決』という90分の映画に見てとれる(注31)。タカ派は、
 文官の指導者が、中国の複数政党支配と民主主義への移行を望む西側の指導者の影響を受ける
 ことを危惧している。

  オンラインでのインタビューに応じた羅援少将は、CIAの計画について語った。それは、
 中国軍の報道を傍受して「タカ派」を特定し、その名前を文官の有力なリーダーに教えて、降
 格か処罰を促すものだ。羅少将のインタビューでは、この計画が実行された三つの例を挙げ、
 それを喜ぶ者としてわたしの名前を挙げた。彼に名指しされたことは何とも思わないが、その
 ような計 画は存在しない(注32)。




  実際には、アメリカや西側諸国は、そのような中国の共産党支配を終わらせようとする共同
 作戦などは行っておらず、中国の民主主義化を支援するためのアメリカの歳出は、年間5千万
 ドルに満たない(注33)。実のところ、アメリカ政府は中国に市民社会を誕生させようとする
 計画をいくつか持っているが、いずれも資金不足で規模が小さく、また、CIAが関わってい
 るわけでもない。アメリカ労働総同盟・産業別組合会議や商工会議所、民主党、共和党など、
 アメリカの機関が、政府の資金を使って冷戦時代から進めてきた計画が少なくとも六つある。
 それらは亡命者だけでなく、中国国内のさまざまな機関に資金を提供している(注34)。

  アメリカ国務省は、中国における「法の支配」と「市民社会」を発展させるために、さらに
 多くの計画に資金を提供すべきだ。例えば、刑法の修正、選挙で選ばれた村の役人の教育、裁
 決の向上、裁判官の独立性の支援といったことを、法的にも技術的にも援助していくのである
 (注35)。十分な資金があれば、選挙の監視、地方の選挙制度の整備、予算や政策決定の監視
 の向上も支援できるだろう。また、独立した非政府組織の権限を強めるための計画も進める必
 要がある(注36)。

  民主化を進める戦略と並行して、経済の自由化についても、中国が自ら進めることをあてに
 せず、本気で進めていかなければならない。例えば、アメリカ議会の資金は、全米民主主義基
 金や国際民間企業センターを通じて、民間のシンクタンク、北京天則経済研究所(注37)を支
 えている。同研究所は米中投資協定の締結を推奨してきた(注38),その協定は、「ナショナ
 ル・チャンピオン」を含む国有企業の優位性を縮小させるだろう,中国の強制労働の慣行にも、
 中国のNGOと、アメリカが資金援助する団体が関心を寄せてきた(注39)。



  アメリカ政府は、国内の中国に関する議論に関して、消極的だったり、無知だったりしたわ
 けではない。実のところ、これまでにさまざまなことに取り組んできた。1980年代には、
 ジョージ・シュルツ国務長官が中国に対して、核拡散を防ぐための国際規範に従うよう要求し
 た(注40)。また、アメリカ政府は、核兵器不拡散条約(NPT)への加盟をしぶる中国政府
 の姿勢を変えるために組織を立ちあげ、政府内の人間を教育することに力を貸した(注41)。
 ジョセフ・バイデン上院議員は中国を「国々のコミュニティのなかで急速に斧猛な大国になっ
 ていく」と評し(注42)、中国が核拡散防庄に同意し、実行しなければ、最恵国待遇を取り消
 すべきだと政府に要求した。

  アメリカ政府の交流プログラムは、マッカーサー基金やフォード財団などの民間の国際支援
 団体と1を結び(注43)、中国の軍縮を支持する団体を財政的に支援し、その能力を強化する
 取り組みを始めた(注44)。そして中国では、外国からの圧力と財政支援が推進力となって、
 企業が禁じられた技術を輸出することを監視し防止するための中国初の輸出管理体制が生まれ
 た(注45),



  アメリカ政府は常に消極的で中国国内の論争に気づかない、というわけではない。習近平は
 憲法の遵守に前向きな姿勢を見せ、「いかにして権力をオリに閉じ込めるか」という表現を用
 いて議論に火をつけた,憲法学の教授である張千帆が起草した請願書には、72名の学者が署
 名した,張は、中国の憲法は「いかなる組織も個人も、憲法と法を越えた特権を享受すること
 はできない」としている、と指摘した。この一文を遵守しようとすれば、現在の共産党による
 独裁的支配は、厳しく制限されることになる。習が憲法制定30周年の記念日に、「憲法は国
 民が自らの権利を守るための法律上の武器であるべきだ」と述べたことに後押しされ、議論は
 さらに続いた(注46)。ニューヨーク・タイムズは2013年2月3日に、共産党と国家機関
 の分離と、一層の市場改革を求めて「憲法遵守の必要性を訴えたことをはじめ、習主席の最近
 の談話は、改革を求める人々を鼓舞した」と報じた(注47)。これはまさに中国政府のタカ派
 が恐れているニュースである。この目的を達成するために、アメリカは傍観者ではなく協力者
 になるべきだ。

 Feb. 3, 2013

 【第12段階】中国のタカ派と改革派(修正主義者)の議論を監視し支配する

  中国は、アメリカに対する冷戦戦略を推し進めているため、アメリカ政府のさまざまな派閥、
 すなわち中国政府の支持者、懐疑的な人、操りやすい人、マラソン戦略を知っている人を注意
 深く監視している。アメリカは、この点において過去にはうまくやっていた。冷戦時代、アメ
 リカはソ連共産党政治局のさまざまなメンバー、つまりアメリカとの協調を主張する人、アメ
 リカを追い越すべき危険なライバルと見なす人の活動を監視するために、時間と技術と人員を
 注ぎ込んだ。しかし、中国に対して、アメリカはかなり遅れをとっている。

  中国政府の繊細な国内問題に関する、さまざまな立場の人を理解することがきわめて重要で
 ある。マラソン戦略が急速に進んでいるとはいえ、中国政府は一枚板ではない。タカ派が多数
 派なのは確かだが、周辺には今なお、改革や自由化を純粋に擁護する人もいて、彼らは中国が
 アメリカ風のモデルに近づくことを望んでいる。そういう人々がいるのだから、それが誰であ
 るかを突きとめ、支援しなければならない。問題は、アメリカの情報コミュニティが真の改革
 者が誰であるかを(紛らわしい改革論を主張する指導者たちと区別して)突きとめるための投
 資をしていないことだ。これは、情報機関の大きな課題だ(注48)。

  この課題は、かねてより存在していた。1980年代のカーター政権時代に、マイケル・オ
 クセンバーグはわたしを国家安全保障会議の集まりに招いた。オクセンバーグが国家安全保障
 問題担当の大統領補佐官ズピグネフ・ブレジンスキーに宛てて書いた極秘の覚え書きについて
 話し合うためだ。その覚え書きは、中国に関する諜報活動は非常に貧弱なので、1979年に
 イラン国王が失脚したときに「イランで犯した諜報上の大失敗を再び起こしかねない(注49)」
 と警告するものだった。その後数年間にいくらかの進展はあったが、大きなものではなかった。

  1996年に行われたアメリカ議会での証言で、元駐中大使で27年間CIAに勤務したジェ
 ームズ・リジーが問題の大きさについて次のように述べた。「中国には、2500年前に書か
 れた『孫子』に「力を隠し、無力なふりをせよ』という言葉があります。中国の予算、ソビエ
 トから得たもの、技術の移転、戦力投射能力、これらすべてが秘密にされています。それを知
 るには、秘密情報の収集活動と、諜報技術によるしかありません。けれども、最も重要なのは
 常に人間の働きです(注50)」

  天安門の虐殺事件から12年後の2001年8月に、リリーは議会の委員会で、一番残念に思
 うのは、中国がどこまで民主化したか、抗議が共産主義政権の崩壊にどれだけ近づいていたか
 を明かす中国語の文書を理解するのが10年遅かったことだ、と語った10年前にそれを知っ
 ていれば、中国政府の首脳部にだまされて味方になるのではなく、ジョージ・H・W・ブッシ
 ュ大統領を説得して、本物の改革論者を支持して強硬に介入したはずだ、と元大使は続けた
 (注51)。

  中国の近隣諸国に対するアメリカの意図について、中国のタカ派と改革派の読みはまったく
 異なる。タカ派はアメリカの動きのすべてを、中国を包囲しその脅威を制圧しようとする囲碁
 の作戦のようにとらえている。この数年で最も重要な動きと見られているのは、オバマ大統領
 の2012年11月のミャンマー訪問と、翌春のミャンマーの指導者らのアメリカヘの答礼訪
  問だった。実際、ミャンマーはアジアにおける米中競争の主眼になっており、ニューヨーク・
 タイムズがその年の初めに書いたように、「アジアで勢いを盛り返したアメリカと、軍事力と
 経済力をかつてないほど誇示する中国は、経済的に苦しんでいるものの戦略上重要な位置にあ
 るミャンマーに気に入られるために、できることは何でもしている(注52)」。

 May 17, 2012

  2013年、わたしはヤンゴンのアメリカ大使館を訪れて、友人のデレク・ミッチェルと会
 った。彼は二十余年ぶりに置かれることになった駐ミャンマーアメリカ大使に任命されたばか
 りだった(注53)。ミッチェルとわたしは1996年に国防総省で一緒に働いたが、そのとき
 肢は、最初で最後となる国防総省の「東アジア戦略評価」を起草した。近年では、オバマ政権
 下でアジアヘの方向転換を促す戦略の立案に加わった。国防総省を辞した彼は、自ら志願して、
 この地政学上のホットスポットで大使として働くことになった。ミャンマーでは、人権保護の
 促進に特に関心を寄せていた。

                                    この項つづく
  

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城郭田園都市賛歌

2016年08月28日 | 滋賀のパワースポット

 

                時代情況やその時の趨勢について、あるいは戦争について、一番深く考えて
        いるのは、
自分たちじゃないかと、若いときは思っていました。

                若いときは、駄目ですね。若いあいだに考えている問題は、架空の問題だと
        いうふうに
言ったほうがいいと思います。

                若さの主張というのは一番深く考えていると思っていても、そうじゃないこ
        とがわかります。



                          「吉本隆明氏ロングインタビュー:持続する思考、生きた言葉」

                                  週刊読書人 2011.12.9 


                                            
                                      Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012    

 

 

          

                                

                     火をかけし鮎飴色や山の風       阿波野 青畝   

     



レモンタイムを朝採り水洗いし①、180ミリリットル程度、汲み置きし冷蔵庫を保存しておいた
十王村の水②をコップに注ぎ、細かく手切りした①を入れ、電子レンジで60程度に加熱し取り出
し放冷③、これを十王村の水②を入れたペットボトル(2リットル)に戻し入れ冷蔵庫で日保冷し
ておき、適時これを取り出し飲む。加熱するのは殺菌と香り成分の早出しのためだがブレンド比率
は感覚で濃過ぎると刳くなる。基本は水のミネラル量に支配されるので、香り付けはライトな方が
よい。また、ハーブだけでなく柑橘類のピールなどのアレンジも可能。また、最近は、水出しピッ
チャー(上図)やコンパクトなソーダー・スチーム(炭酸水製造器)(下図)も手に入るので、シ
ロップや濃縮液を加えれば家庭でも簡単につくることができ、ペットポトル詰めの市販清涼飲料水
のモーダルシフトを促しことになる。このように考えていくと、紅茶や粉茶などのパウダーがあれ
ば、加熱による風味破壊リスクは多少あるが、電子レンジで簡単に水出し頂ける。


       8 Best Soda Streams 2016


ここでは、「十王村の水」があるが、家庭用井戸ポンプがあれば簡単においしい水が飲めるのは、
沿岸部の都会では体験できない環境にあるからだ。オレガノ、バジル、ローズマリー、セージ、
タイム、ラベンダー、タラゴンなどハーブやフィノッキオインサラータ・ミスタなどのイタリア野
菜もその気になれば簡単に露地栽培でき
るのが城郭田園都市の特徴である。水の質でいえば、豆腐
専用の大豆パウダーを開発すれば過程でも簡単に豆腐をつくることができる。まけれな、わたしが
作ってもよいだろうと考える。

ところで、ブログでも小鮎や鯰のことを書いているが実は、鮎の漢字は、実は中国では鯰をさすが
おいしさはそれぞれ美味しいなのだが、阿川弘之の小説『鱸とをこぜ』のオニオコゼは毒をもち風
体ががいかにも悪いが、鯰は河豚や鰻と同様にあるいははそれ以上に美味しことを書いてきた。

鮎の異名として香魚があり、珪藻を主食にするアユは爽やかな食味からこう呼ばれる。身体の色は、
仄かに黄味を帯びるオリーブ色。側面は銀灰色。それが火にかけられ
飴色に変色することから俳人
などが詠ってきた。鮎は稚魚になると河□域に接近し、3~5月には遡河。これが、いわゆる「上
りアユ」で、遡河したアユは河川の上・中流域の岩盤や石綿底の瀬や淵に住み、晩春から初夏にか
けて急速に成長する。この時期は「若アユ」といわれるが、琵琶湖は陸封型。琵琶湖を囲む、南に
鈴鹿山系、西には比叡・比良山系、そして、東北は伊吹山系によって形成され、この山系に源を発
する河川は、すべて琵琶湖に一斉に流下する。琵琶湖に湛えられた水は、南の瀬田川、大戸川・桂
川をとりこみ、宇治川となり、最終は淀川となり大阪湾へ廻遊する。このことは、川と海を往復す
る回遊のパターンが川と湖に変わったものとなるため、アユの成長期を河川で過ごすが、産卵期以
外は湖中で生活する。湖沼産のアユは餌料などの関係から成長に限度があり、その全長が僅か8~
12センチメートル。これを「コアユ (小鮎)」とも呼ぶ。琵琶湖では、このコアユを年間3百
トン前後を採捕し、各地に放流用種苗(鮎苗)ともいう。この仔魚は体色が淡く、琵琶湖周辺では
これをヒウオ(氷魚)と呼び、このアユの稚魚を、餌の豊富な河川に放流しますと、普通のアユと
同じような体長となる。

アユは『万葉集』にも多く詠まれ、古代から庶民の間で愛好された魚。全国、どこの川にもいたの
で、アユに対する庶民の味覚は発達する
。『東海道中膝栗毛』には桂川のアユが登場。滝沢馬琴も
「若狭の焼鮎よしと
いへど、岐阜長良川の年魚くふたる目にてはなかなか味なし」とアユの批評し
ている。
アユの味は生息する川によって異なり、同じ川でも、上、中、下流によって微妙に異なな


彦根では、小鮎の飴煮きは、ご飯のおかずにもよし、あつあつのご飯の上に乗せ、お茶ずけにしてもよい。
近くの川で小鮎を釣り、①家に持ち帰り、裏庭の山椒つみ取り(葉または実)と小鮎を水洗いし、
②鍋に砂糖・しょうゆ・酒を入れて沸騰させ、できるだけ沸騰を止めないようにコアユをパラパラ
と入れ、③はじめは強火で、沸騰したら沸騰が続く程度に火加減し、約15分ぐつぐつ。コアユ
がしまってきたら山椒を入れる。④煮汁が少なくなったところでみりんを入れ、鍋返し蓋はせず、
煮汁を絡ませ煮詰めたら完成。

熱いうちに器に移し。地酒をそのまま湯飲み茶碗にそそぎ、熱々の小鮎を口に放り込み、酒をあお
れば、「城郭田園都市賛歌」として八代亜紀の『舟歌』を歌えば「
ここはごくらく、ほんにごくと
うごくらく」♪



土曜日、朝食をすまぜ、いつものように作業していると、昼はどうすると聞くので、素麺がいいね
と言うと、ジ
ュブリルタンへいこうというので気が乗らなかったが彼女の手間が省け、気分転換に
なるのならそれもよいかと考え出かける。夏休み終わりとあり子供ずれの来客などで混み30分ほ
ど待ち、白ワインでなく地元の日本酒をベースとした和風テイストのアクアパッツアやチョッピー
ノ風(こちらはフランスパンでいただく)な「本日のお魚ココット」をオーダ。店の接係の話では、
恒例の「鳥人間コンテスト」(主催:読売テレビ)はいつも観客で満席状態で開店休業状態だと言
うので、それじゃ営業できないではないの?と聞き返すと、毎年のことであきらめていますよとい
う。この日は、お祭り、フェスティバルなんだと感心しながら、オフショアで水上バイクで、思い
思いでゆく夏を楽しむ行楽客を眺め、イタリア中部のカステッロ・モンテヴィビアーノ・ヴェッキ
オ社のフローズン・エクストラバージン・オイルをパン皿に注ぎ、ローズマリーなどのハーブ入り
薄焼きパンのフォカッチャやチャバタに塗りつけ、サラダ、ココットと合わせて頂くが、バスケッ
トのパンはいつも完食している。

 
 



【内視鏡鏡工学:ニワトリのヒナのオス・メス判定技術】
 

鶏卵を生産する養鶏施設などでは、卵を産むメスだけが必要なため、肛門鑑別法、羽毛鑑別法、機
械鑑別法のいずれかで、孵化直後にヒナのオス・メスを判別――それ以外にないのか?例えば、適
当なプローブや前処理などの実用とするだろうが遺伝子解析で無人で高速判定、コストも初期装置
は高価になるが衛生的な環境で行われる効果やなどでトータルコストは低くなる――できるのでは
とかと考える。そのことはさて置き、肛門鑑別法は、指でニワトリのヒナの肛門を開き、オス・メ
スの生殖突起を確かめる方法。1925(大正13)年に農林省畜産試験場(現:農研機構畜産研究
部門)で開発され、これまで世界中に広く普及してきた。しかし、この方法は初生雛鑑別師などの
訓練を受けた特殊技能者しか行うことができない。また、オスとメスで羽毛の伸びる速度や羽色が
異なるように品種改良し、ニワトリの雌雄を鑑別する羽毛鑑別法が普及。この羽毛鑑別法では誰も
が容易に判別できるが、伴性遺伝を用いて改良された限られた品種のニワトリでしか行うことがで
きない。機械鑑別法は、チックテスターと呼ばれる光学機器を総排泄腔から直腸内に挿入し、直腸
壁を透かして精巣や卵巣を直接目で見て判別する方法。この判別方法は多少の慣れを必要とするが、
比較的精度の高い判別であるが、鑑別スピードが遅いため、1965(昭和40)年代には衰退し、
現在は検査機器も製造されておらず、一部の限られた養鶏施設でのみ用いられている。機械鑑別法
の問題点を解決すべく、内視鏡を活用した新たな鑑別法――百羽を6~7分程度でほぼ100%の
鑑別―――を開発した。なぜ、この開発に興味があるのか?それは、初生雛鑑別をしていた方が身
近に
おられたから。この手法が確立されれば世界に普及していく だろうと思われる。

※ A novel method for sexing day-old chicks using endoscope system Poultry Science,
     (doi: 10.3382/ps/pew211)



 

   

【帝國のロングマーチ 33】
 

               

● 折々の読書  『China 2049』50          

                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。   

【目次】     

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)  

       

   第11章 戦国としてのアメリ力 

                            釜底抽薪――釜底の薪を抽く

                           『兵法三十六計』第十九計 

把柴火从锅底抽掉,才能使水止沸。比喻从根本上解决问题(お湯が沸いている釜の底から薪を抜け
ば、釜の湯はいずれ冷める。そうなれば簡単に処理できるという理)。 

   extracting the firewood from under the cauldron

  【第8段階」対米競争的行為に立ち向かう

  中国はアメリカに対するサイバースパイのtたる発信源だ。ある推定によると、ア
メリカに
 対するサイバースパイ事件の90パーセント以トが、中国を発信元としている
注14)。中国の
 ハッカーは、頻繁にアメリカの企業や政府機関に侵入する。その被害者
リストには、グーグル、
 ブーズ・アレン・ハミルトン、AT&T、アメリカ商工会
議所、ビザ、マスターカード、国防
 総省、政府、国家安全保障省、エネルギー省が含
まれる。ハッキングは、中国が数十年にわた
 って行ってきた、「発明できない技術」と
「作り出せない知的所有権」を盗む行為の中核をな
 している。元国家情報長官のデェ
ス・プレアと元駐中アメリカ大使のジョン・ハンツマンをリ
 ーダーとする「アメリカ
知的財産権窃盗に関する委員会一の報告によると、知的所有権の窃盗
 はアメリカ経済
に毎年3000億ドル以上の損害を与えているそうだ(注15)。

  バージニア州選出のフランク・ウルフ下院議員は常に、アメリカの技術資産を中国から守る
 ことと、中国の人権を向上させることに取り組んできた。情報の共有に寛大
で積極的なアメリ
 カの姿勢を、中国が巧みに利用していることに肢は気づき、技術資
産のための最小限のセーフ
 ガードを設けるのを助けた。彼の働きにより、2011年
の連邦予算には、航空宇宙局とホワ
 イトハウス科学技術政策室が中国と共同で科学活
動を行うことを禁ずる、という条項が加えら
 れた(注16)。

  しかし、アメリカの技術資産を狙う中国を阻むことに関して、ウルフ下院議員はほとんど一
 匹狼だった。2011年の禁止条項の後、肢は同様の成果を挙げることがで
きていない。それ
 どころか、中国人ジャーナリストがスペースシャトルエンデバーの
打ち上げに近づくことを認
 めない、通称「ウルフ条項」の成功と、トムニフントス人
権委員会を通じて中国の人権問題に
 取り組んだことがあだとなり、ウルフ自身が中国
のサイバー攻撃の標的になった(注17)。
  機密技術や軍事機密、知的財産権の窃盗に関するウルフの強い懸念は非常に重要なものだ。
 しかし、ウルフは2014年に連邦議会からの引退を公表した。もしアメリ
カが100年マラ
 ソンで中国と張り合うつもりなら、ウルフの提案を復活させ、さら
に発展させる方法を見いだ
 す必要があるだろう。

 Jun 5, 2015 HackRead

US Blames China for Stealing Data of 4 Millions Government Workers


 【第9段階】汚染者を突きとめ、恥じ入らせる

  アメリカとヨーロッパは協力して、温室効果ガスの排出量を年間6000万トン削
減してい
 るが、中国はその排出屋を毎年5億トン以上増やしている,おそらく中国の
環境問題が最も明
 らかになったのは(少なくともこれまでのところは)2013年1
月に発生した「大気汚染地
 獄」であり、このとき、北京と中国の他の都市の大気汚染
は世界保健機関が安全とみなすレベ
 ルの40倍に達した,しかし、それでさえ、中国に
環境状態を変えようという気を起こさせなか
 った。中国政府は、環境に配慮しながら
持続可能な成長を目指すことを求める国際協定には、
 一切従おうとしない。

  中国に関して、環境を守るための効果的な取り組みの一つは、ハンツマン大使が北京のアメ
 リカ大使館に、大気汚染の度合いをツイッターで公表する権限を与えたこと
だ(注18)。同様
 に、中国の代表的な環境監視機関である「公衆環境研究センター」の
所長である馬軍は、中国
 の水と空気と固形廃棄物公害の分布図をインターネットで発表した(注19)。
  しかし、わたしたちにできるのは、認識を高めることだけだろうか。アメリカはこれまでの
 政権よりさらに強硬な態度で、中国に環境に責任を持って行動することを求めるだけでなく、
 強く主張しなければならない。たとえこれまでの政権が望まなかったほど強く、中国にてこ入
 れすることになったとしても-。そうしなければ、やがて中国は経済競争で優位にをち、環境
 を守るための制約に縛られるアメリカの企業を圧倒し、猛スピードで生産物と汚染物質を輸出
 するようになるだろう。

 【第10段階】汚職と検閲を暴露する

  中国政府が非常に恐れていることの一つは、出版の自由だ。中国政府は、白日のもとにさら
 すことが悪事の消毒薬であることを知っており、国民が、中国の指導者たちの腐敗や暴虐な行
 い、アメリカとその民主主義の同盟国について嘘をついてきたことを知れば、何をするかわか
 らないと恐れている。だがどういうわけかアメリカは、中国政府の国民に対する検閲と宣伝工
 作を野放しにしている。

  中国の主な報道機関は国有である。したがって、腐敗を叫ぶ役割は、往々にして中国に駐在
 する外国人記者が担うことになる。西側メディアはたいていその任をうまくこなしてきた。横
 領、腐敗に立ち向かおうとする役人への嫌がらせ、国有企業による不始末、税金詐欺、性的ス
 キャンダル、外国企業への攻撃、贈収賄、といった事例を告発してきた。たとえば、2013
 年、ジャーナリストのアンドリュー・ジェイコブスは、四川省で武器を持たないチベット人が
 殺害された事件に関して、中国人ジャーナリストによる「(そのチベット人は)けんかを売り、
 問題を起こした(注20)」と
 いう報道は疑わしいと報じた(注21)。同様に、ニューヨーク・タイムズ紙の上海特派員であ
 るデーヴィッド・バルボザは、2012年10月に温家宝前首相一族が27億ドル蓄財した疑
 惑を報じた(注22)。

  しかし、中国政府はさまざまな手段を使って、それらの情報が国民に届くのを妨げた。20
 12年、ブルームバーグ・ニュースが習近平一族の財産に関する記事を公表すると、中国政府
 はそのニュースを遮断した(注23),中国で働くジャーナリストの暗黙のルールは、中国の途
 方もない発展について報道することはできるが、共産党やその幹部を批判しはじめたら国外に
 追放される、ということらしい。
  中国の指導者はまた、アメリカのテクノロジー企業に対して、中国にある自社のウェブサイ
 トの検閲に応じるよう圧力をかける。中国で営業しようとするインターネットサービスのブロ
 バイダーや、ソーシャルメディアの会社は、中国政府の検閲に協力するか、あるいはウェブサ
 イトを遮断されて中国市場から締め出されるか、という選択を迫られる。

  ウィキペディアの創設者であるジミー・ウェールズにとって、選択は簡単だった。彼は情報
 を制限するようにという中国政府の要請を拒んだ(注24)。その結果、「中国のグレート・フ
 ァイアウオール」とも呼ばれる「金盾(訳注*中国政府にょる検閲システム)」が、何度もウ
 ィキペディアを遮断した(注25)。ウヱールズは、ウィキペディアは「情報公開のために」戦
 い、「われわれが妥協したら(中略)「いいか、絶対にあきらめないぞ』と言う人間は地球上
 にひとりも残っていないという間違ったメッセージを中国政府に送ることになる」と息巻く(
 注26)。

  なぜアメリカ政府は、この戦いでウィキペディアを支援しなかったのだろうか。アメリカ政
 府は、中国政府に圧力をかけ、ウィキペディアやヤフー、フェイスブックなど、アメリカのメ
 ディア企業への脅しをやめるよう迫るべきだ。また、ラジオ・フリー・アジアを通じて、北京
 語で中国の人々とコミュニケーションをとれるように、いっそうの努力をすべきである。冷戦
 時代に、ラジオ・フリー・ヨーロッパはソビエトの検閲とプロパガンダという砂漠にあって、
 反共主義の反体制主義者たちのオアシスだった。ラジオ・フリー・アジアが100年マラソン
 で同じ働きをしない理由はない。ただ、そうするには、予算を3倍以上増やす必要がある。

                                    この項つづく
 

 

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蓄電池でもトップランナー Ⅱ

2016年08月27日 | ネオコンバーテック

 


        国家を超えて普遍的な倫理を語る器量をまったく持っていないことも露呈してくれた。
        こういった重大なことがサリン―オウム事件がのこした影響のうち、長く尾をひいて
        ゆくものだとおもう。
 
                                     「政治・社会・経済を讀む―サリン・オウム事件」

                                                           八重洲レター 1995年

 

                                                                                                                                                                       Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

      ※ 当時、麻原は天才という噂を、千人に一人クラスの知性の持ち主たちから聞かさ
             れる。
その教祖が集団殺人を指示し? 忖度、実行された結果責任を彼らはどう
       考るのだろうか?あるいは、被害者(家族を含む)
の失われた基本的人権をどの
       ように救済、回復し、未来社会に担保されるべきなのか?未だに深い闇の中にあ
       る。
       

 

  

【再エネ百パーセント時代:固体リチウムイオン電池もトップランナー】

  

 日本で誕生したリチウムイオン電池は,携帯電話などの小型民生用に関しては韓国メーカーの後
塵を拝する状況となっていたが、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車,家庭用蓄電池など
の中・大型蓄電池の大幅な需要の拡大が見込まれ、安全性と高エネルギー密度,長寿命を兼ね備え
た革新的蓄電池であるバルク型全固体電池の研究開発が、日本の大学や企業において活発に進めら
れ成果報告が相次いでいる(上図ダブクリ参照)。たとえば、3月22日、広く普及しているリチ
ウムイオン電池の3倍以上の出力特性を持つ、全固体(型)セラミックス電池が開発される。東京
工業大学物質理工学院の菅野了次教授、トヨタ自動車の加藤祐樹博士らの研究グループは、リチウ
ムイオンの伝導率がこれまでの2倍という過去最高の性能を誇る固体電解質の発見により実現
――
などの成果事例も報告されている。

 Aug 24, 2016

さらに直近の8月24日、光学ガラス専業メーカーの株式会社オハラは、酸化物系材料を用いた全
固体リチウムイオン電池で、マイナス30℃の低温下においても駆動する電池の試作・実証に成功
したと公表。
一般に全固体電池は界面抵抗が大きく、中でも酸化物系の無機固体電解質を用いたも
のは、低温下
の特性が低下する。電池を積層構造化することで、緻密で効率的な構造を持つ全固体
電池を作成し固体電解質に酸化物系固体電解質「LICGC」、正極と負極に酸化物系材料を用い、粉
末シートを積み重ね一括焼結。一般的な小型電子機器向けに使用される液体リチウムイオン電池で
は駆動が難しいマイナス30℃という低温下での駆動に成功する(上写真参照)。
 

また、この電池は電解液や一部の全固体電池で使用される金属リチウムを使用せず、200℃の高
温環境でも燃えず大気中で安定し、硫化物系の無機固体電解質を使用した全固体電池と比較し、安
価に製造できる特徴がある。今後、酸化物系固体電解質であるLICGCの固体電池への採用を進める
方針。今回試作に成功した全固体リチウムイオン電池は、現在小型電子機器に搭載され、電解液を
用いたリチウムイオン電池と置き換わる可能性があり
、17年にかけ課題抽出し対策をねり、19
年の電池部材の主流として、需要拡大が見込まれる住宅などの定置型蓄電池システムや電気自動車
向け電池向け市場での拡販を目指す。


ところで、同社の「積層シートの一括焼結製法」とはいかなるものか?「特許5144845 固体電池
株式会社オハラ 2013年02月13日
」(下図参照)ではつぎのようなもの。 

 【符号の説明】

10 固体電池 12 固体電解質 14 正極(図2においてはグリーンシートである) 16 負
極(図2において
はグリーンシートである) 18、20 酸化物 22 正極集電体 24 負極集
電体 26 リチウムイオン 



上図のように、固体電解質12、正極14、そして、負極16のグリーンシートがそれぞれ準備さ

れる。この固体電解質グリーンシート12の仮焼成体の両面(上図においては、固体電解質12の
上面及び負極16の上面になっているが、どちらでもかまわない)にジルコニア前駆体が有機溶媒
に分散した溶液を塗布し室温で溶媒を乾燥させた。作製した正極、負極グリーンシート仮焼成体を
固体電解質の両面に配置し、ホットプレスにて加圧しながら、加熱温度120℃で10分間保持し
た後、室温まで冷却した。その後、作製した積層体をジルコニア製のセッターに挟み、大気を入れ
た電気炉内において550℃で1時間、更に920℃で10分間の焼結を行い正極、固体電解質、
負極の一括焼結体を作製した。この一括焼結体の含水分量は150ppmであった。また、各電極
グリーンシートをそれぞれ積層せずに同条件で焼結体を得たところ、正極の空隙率は11%、負極
の空隙率は7%であった。


さらに、一括焼結体の上面であるコバルト酸リチウム表面に蒸着法にてAlを成膜し集電体を形成
した。また、チタン酸リチウム負極側にCuをスパッタリング法にて薄膜を形成し、集電体を構成
した。得られた集電体付き積層体を150℃で真空乾燥し、その後、露点温度-60℃以下のAr
雰囲気のグローブボックス内で、正極にAl箔を、負極にCu箔を集電リードとして乗せて、ラミ
ネートセルに封入した。得られた固体電池を室温にて2.7Vにて定電流-定電圧充電を行ない、
0.05mAにて放電したところ、正極活物質換算で115mAh/gの容量が得られるというも
の。

昨夜の「ナトリウム硫黄で蓄電池のマイクログリッド」に続いて「全固体電池:全固体リチウムイ
オン電池」の話。後は日本のお家芸である、「自在な高い品質でローコスト生産」でトップを走る
ことになる。これも面白い。

 

   

【帝國のロングマーチ 32】
 

               

● 折々の読書  『China 2049』50          

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
   

【目次】     

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣) 
 

       

   第11章 戦国としてのアメリ力 

                            釜底抽薪――釜底の薪を抽く

                           『兵法三十六計』第十九計 

把柴火从锅底抽掉,才能使水止沸。比喻从根本上解决问题(お湯が沸いている釜の底から薪を抜け
ば、釜の湯はいずれ冷める。そうなれば簡単に処理できるという理)。
 

   extracting the firewood from under the cauldron

 【第3段階】競争力を測定する

  戦国時代の多くの物語において、策謀家は戦略を選ぶ前に、力の均衡を慎重に判断する。こ
 れは、伝統的なアメリカのビジネスルール、「測れるものは改善できる」に通じる教えだ。シ
 ンプルな教えだが、意味は奥深い。改善しなければならないものをよく知らなければ、改善で
 きないということだ。競争で前を走る者を抜くには、自分がなぜ後れをとったかを知る必要が
 ある。毎年、中国はアメリカとの比較における自国の競争力を 分析している。なぜ、アメリ
 カも同じことをしないのだろうか。

  1986年に設立された非営利の米国競争力協議会は、アメリカの国際経済競争力の強化を
 目指しており、メンバーは企業のトップ、大学総長、全国労働機関の長、著名な研究機関から
 なる。この協議会の刊行物には、アメリカの製造業は遅くとも2017年までに競争力を失い、
 一方、中国は、政府が製造業と工業に多額の資金役人をするなどの理由から、トップに居続け
 るという予測が、詳しく書かれている(注2)。

  アメリカ政府も同様に、よりしっかりとアメリカの競争力を測定すべきだ。ホワイトハウス
 は連邦議会に、アメリカの競争力が主要なライバルと比べてどうかという予測や、その傾向を
 載せた年次報告書を提供すべきだ。情報コミュニティをはじめとする政府の多くの部署が、そ
 の作業に関わる必要があるだろう。対象とするのは、すべての国ではなく、中国をはじめとす
 る上位10カ国だけでいい。

 【第4段階】競争戦略を考え出す

  戦国の戦略ではしばしば、指揮官がどのように「修正」を受け入れて、競争相手より迅速に
 カを増していくかが語られる。重要なのは、戦略を変えるべき時を見極め、望む結果を得るた
 めに新たな戦略を断行する柔軟さである

  ウッドロー・ウィルソン国際学術センターのアメリカ/グローバル経済プログラムの部長で
 米国競争力協議会の元会長でもあるケント・ヒューズは、中国の技術力の進歩を、1957年
 にソ連が打ち上げたスプートニク人工衛星と比較した。スブートニクは、アメリカの技術的優
 位と軍事的優位への挑戦と見なされたが、それがアメリカの工学と科学教育への投資と、民間
 セクターの革新を促したことに、ヒューズは注目した。今のところ、中国の発展は、そのよう
 な強い反応をかき立ててはいない。ヒューズは、競争力を維持するための有望な提言をいくつ
 もした。その中には、民間セクターと公共セクターが協力して、競争力を高め、財政・金融改
 革、技術革新を進め、生涯にわたって学習する文化を創造するという提言も含まれており
 (注3)、それがアメリカの民間の研究開発を向上させた(注4)。同様に、元IBM副社長
 で、ニューヨーク大学に所属する著名な数学者、ラルフ・ゴモリーは、「アメリカの製造業の
 真の復活」を促進し、中国の「政府による土地やエネルギーの提供、科学技術への莫大な投資、
 低 金利あるいはゼロ金利の融資」に対抗することを提案する(注5)。米中経済安全保障調
 査委員会のパトリック・ムロイも、「全般的なこの状況は、アメリカの経済的優位や国の安全
 に長期的脅威を及ぼす」という理由から、新たな競争戦略の必要性について述べている(注6)。



  公共政策アナリストのロバート・アトキンソンとスティーヴン・エゼルは、アメリカの競争
 力を高めるための、複数の行政機関による計画を提案してきたが、党派の政治的思惑からそれ
 が妨害あるいは中止されることを懸念している。ふたりは保守的な人々にこう警告する。「右
 派は、世界を牽引するアメリカの軍事力がほんの少しでも傾けば敏感に察知するが、不思議な
 ことに、アメリカ経済の衰退が国の安全、特に防衛力を脅かすことには気づいていない」左派
 に対しては、「アメリカが新技術の国際競争で負けたら、『社会正義を前進させる』という自
 分たちの使命を達成できないことを左派の議員は知るべきだ」と忠告す(注7),

 【第5段階】国内で共通性を見いだす

  戦国時代のリーダーたちは、同盟国と親密な関係を結び、共通の目的のもと、たえまなく変
 わる協力体制を作り上げた,昔も今も、分裂は危険である。アメリカの対中政策を修正すべき
 だと主張する人は(政府の中にも外にも)大勢いるが、往々にしていくつかの党派に別れ、互
 いをライバル視している。少なくとも1995年以降、北京の中国人学者は、自国の対中政策
 を批判するアメリカ人は政治的見解の相違から分裂し、決して互いに協力しようとしないとい
 うことを、嬉々としてわたしに語ってきた。 中国に変化を期待するアメリカ人同士が手を結
 ぶという時代は、とうに終わった。

  これからは、中国政府の改革を促そうとするアメリカの有害で時代遅れなアプローチを変え、
 中国を変えていくために、アメリカ人は垣根を越えて大々的に手を結ぶべきだ。例えば、ダラ
 イこフマを支持する人は、国防総省の空海戦闘構想を後押しする防衛専門家と手を組むべきで
 あり、中国での人権保護を主張する人は、知的財産保護を求める産業界と連携する必要がある。
 さらには、「一人っ子政策」の修正を求める中絶反対グループは、連邦議会の民主主義を促進
 する組織と連携すべきだ。

 【第6段階】国家の縦の協力体制を作り上げる

  中国が南シナ海に関する要求を拡大し、フィリピンの漁船を脅し、ベトナムの地震石油探査
 船が敷設中のケープルを切断し、さらに、最近になって東シナ海に防空識別圏を設定したのに
 は理由がある。その一帯の豊富な天然資源を狙う中国は、近隣諸国が団結して中国の野望を妨
 害しないよう威嚇しているのだ。

  囲碁をしてもしなくても、敵の一団に囲まれたら危険だということはわかる。中国もまた、
 近隣諸国がそのような同盟を結ぶことを恐れている。アメリカはまさにそれを、モンゴル、韓
 国、日本、フィリピンなどの国々とともに進めるべきだ。そうした連携の脅威だけでも中国政
 府をためらわせ、その敵意を抑制できるかもしれない。中国は、アメリカとその同盟国がソピ
 エト連邦を封じ込めたことを知っている。アメリカが中国の近隣諸国への援助を強化し、協力
 を促していけば、中国は孤立し、取り残されたように感じ、タカ派がその責めを負うことにな
  るだろう。

 【第7段階】政治的反体制派を守る

  ソ連の崩壊を導いたのは、ソ連や東欧の反体制主義者で、彼らは検閲や宣伝工作、宗教迫害、
 経済的奴隷化が永遠に続く未来を拒み、戦った。その戦いの指導者はヴァ
ーツラフ・ハヴェル
 やレフ・ヴァウェンサ、アレクサンドル・ソルジェニーツィンら
だった。彼らは、勇気と情熱、
 信念を武器として、ソピエト連邦と鉄のカーテンを崩
壊させた。しかし、彼らは自分たちだけ
 でそれを成し遂げたわけではない。トルーマ
ンからレーガンヘと続く大統領たちが、彼らを
 擁護したのだ,彼らが投獄されれば、
アメリカの大統領がその釈放を要求した。彼らが資金を
 必要とすれば、アメリカ人が
送金した。彼らが政府に禁じられている発言をしようとする時に
 は、アメリカ人が印
刷機を貸し、彼らの戦いと信条を、ラジオ・フリー・ヨーロッパを通じて
 何百万軒も
の家に伝えた。 

  今日、中国は、仏教徒のチベット人と、イスラム教徒の新疆ウィグル人への迫害を強めてい
 る。チベッ
トでは、夜間外出禁止令を敷き、抗議者を逮捕し、罪のない一般市民を殺害し、ダ
 ライ・ラマの最近の言
葉によれば、その地域を「この世の地獄」に変えてしまった(注8)。
 新疆ではインターネットと電話回線が日常的に遮断されてい
る。さらに、チベットと新疆には、
 政府の支援によって漢民族が移住し、その割合が
劇的に増加している(注9)。

  中国はキリスト教徒も迫害している。一般に、外国人はパスポートを提示しなければ、教会
 の礼拝に出席できない。なぜか? 中国は無神論の共産党に支配されてお
り、政府は国民を国
 営でない教会から遠ざけたいと思っているからだ。多くの専門家
は中国には6千万~1億人の
 キリスト教徒がいて、その数は増えていると推定す
る(注10)。テキサス州に拠点を置く人権
 団体チャイナ・エイドの創設者で、代表でも
あるボブ・フー(傅希秋)は、中国人が信仰と自
 由を守るのを支援しようとしてい
る。この組織の目的は、法改正を進め、中国にある「家庭教
 会」に資金を提供し、服
役中のキリスト教徒を支援することだ,フーは、一人っ子政策に起因
 する暴力に焦点
を当てるとともに、中国のその他の人権活動も支援している,最近では、軟禁
 されて
いた盲目の人権活動家、陳光誠が自宅から脱出し、アメリカに渡るのを助けた(注11)。 

  1989年の天安門広場での虐殺を生き延びた反体制主義者、揚建利は、25年にわたって、
 中国政府に説明責任を果たさせるために戦っている。彼は中国国内の民主主
義擁護団体と、世
 界中の人権活動家と結びつけるための団体、「公民力量一を設立した
注12)。そうした活動
 を咎められ、5年にわたって収監されたが、釈放されたのは、
アメリカ両院と国連の満場一致
 の支持を得て非営利団体が働きかけた結果だ。彼の釈
放は、国外からの支援があるかないかで、
 反体制主義者の運命が大きく変わることを示している。楊を支えたのと同等の力で、アメリカ
 政府が中国の他の多くの反体制主義者を支えれば、彼らがどれほどの力を発揮できるか、想像
 していただきたい。

  下院議員のナンシー・ペロシが常にダライ・ラマを支持してきたように、ジョージ・W・ブ
 ッシュ大統領は中国における信仰の自由を拡大しようとするフーの努力を支持した。だが、残
 念ながら、オバマ大統領は支援を求めるフーの嘆願に沈黙で答えたそうだ(注13),オバマ大
 統領は、中国の人権問題を中国政府が気にかけている貿易関係などの問題と結びつけようとし
 なかった。オバマ政権は、2009年4月に胡錦濤国家主席と開催した「戦略経済対話」に人
 権を盛り込むことさえしなかったのだ
  アメリカ政府は、100年マラソン計画に立ち向かう時に、最も有力な陥力者になるであろ
 う人々のカを軽撹してはならない。
 


手に汗で本著の核心を読み飛ばす。次回は【第8段階】に移り、後2回で掲載は終了する。

                                      この項つづく 

  ● 今夜のアラカルト

【無花果とマンチェゴのクルトンハーブサラダ】 

●作り方:①ニンニクをパン表面にラビング(こすりつける)。②パンを大きく三角形にカット。
     ③中火でフライパンを加熱し、オリーブオイルを加え先程のパンを入れ、海塩、黒こし
     ょう、ハーブ(パセリ、タイム、ローズマリーチャイブまたはタラゴンなどみじん
     切り
混合)を加え3~4分をきつね色なるまで加熱する。④ニンニクと海塩をペースト
     にマスタード、蜂蜜、シャンパン酢、オリーブオイルを加え(泡立て器などで)混合し、
     エシャレットとハーブを加え混ぜドレッシングとする。⑤大きなボールに、ルッコラ
     
マスタードグリーンまたは水菜などのすこし苦みのある野菜を入れ、1/4カット
     の無花果と長方形にスライスしたマンチェンゴチーズを加え、④のドレッシングを振り
     入れ、さらに、③でローストしたクロトン(カットパン)を混ぜ皿に盛り合わせる。

     ※ 材料のアレンジは適当に!

 

コメント
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蓄電池でもトップランナー

2016年08月26日 | 環境工学システム論

 



     
            
そのときどきの社会総体のヴィジョンをじぶんなりに把握していないと
        純文学ですら成り立たない。

 

                                                                                                                                                                       Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

 

 Kinden Corporation

 【再エネ百パーセント時代:ナトリウム硫黄で蓄電池もトップランナー】

今年2月25日、電気設備・計装設備・情報通信設備・空調衛生設備・内装設備・土木設備などの
事業を営む総合設備工事会社のきんでんが、大阪市北区の本社ビルに定置型蓄電池と太陽光発電シ
ステムを導入した。出力180キロワット、容量約1メガワット時の日本ガイシ製NAS(ナトリウ
ム硫黄)電池と、出力30キロワットのシャープ製太陽光パネルを屋根上に設置。屋外型中容量の
NAS電池を導入は、国内では初めてのケース。このNAS電池は中小規模ビルに適した新型NAS
電池(出力:180kW)
として同社が独自開発した制御システムと連携し、自社で運用すること
により、蓄電池と電力変換装置(PCS)の特性を検証、系統電源の安定化を図り、さまざまな技
術・ノウハウを蓄積し活用していく。また、同社は、新エネルギーに積極的に事業展開。風力発電
設備の建設工事に早くから取り組み、太陽光発電に関しても、工場やビル・庁舎、スタジアムなど
への設置を中心に全国で8百件以上、合計出力1400メガワット以上の納入実績があり、蓄電池
システムを含めた需要家の電源システムをトータルで提案する体制やノウハウの蓄積を目指し、今
後は、設置スペースに限りのあるビル向けに屋内型NAS電池の開発についても、日本ガイシと連携
して製品化していく方針である(新型NAS電池システムを本店ビルで国内初の運用開始蓄電シス
テムの特性を検証しお客さまの電源安定化のため蓄電池の普及を目指す 2016.03.23 きんでん
)。

ところで、今年に入り国内でのNAS電池の設置導入事例――(1)世界初の「ハイブリッド蓄電池」
が隠岐に稼働、Liイオン+NAS電池で再エネ導入量を拡大(2016.03.09 日経テクノロジー
)(2)
三菱電機、世界最大級の蓄電池システムを受注、30万キロワット時のNAS電池(2015.06.23 日経テ
クノロジー
)が相次いでいる。ここで、
NAS電池の細動原理・構造・特徴についてお温習いしてみ
よう。

そも、ナトリウム・硫黄電池(なとりうむ・いおうでんち、sodium-sulfur battery)とは、負極にナ
トリウムを、正極に硫黄を、電解質にβ-アルミナを利用した高温作動型二次電池である。NAS
池(なすでんち)またはNAS(なす)とも呼ばれる。特に大規模の電力貯蔵用に作られ、昼夜の負
荷平準や、風力発電と組み合わせ離島での安定した電力供給などに用いられる。因みにNAS電池は
日本ガイシの登録商標で、日本がここでもトップ・ランナーなのだ。


● 動作原理・構造

ナトリウム硫黄電池は、活物質であるナトリウムや硫黄を溶融状態に保ち、β-アルミナ電解質の
イオン伝導性を高めるために高温(約300 - 350 ℃) で運転される。負極の溶融ナトリウムは、β-
アルミナとの界面でNa+に酸化され電解質を通って正極に移動する。正極ではNa+が硫黄によって還
元されて五硫化ナトリウム(Na2S5)となる。電池反応(放電反応)は次の通り。

負 極: 2Na → 2Na+++ 2e-
正 極: 5S+ 2Na+ + 2e- → Na2S5
全反応: 2Na + 5S → Na2S5

放電初期では上記の反応が進行するが、放電が進行して未反応の硫黄がすべて消費されると、Na2S5
は次第に、より高い原子価の硫黄の組成(Na2Sx, X=2~5)の多硫化物に転化していき、やがて二硫化
ナトリウム(Na2S2)となる。ただし、Na2S2は内部抵抗が高く充電特性が悪いため、通常はNa2S2
生成しない範囲内で作動させる。充電反応は、上記放電反応の逆反応が進行する。

● 特徴と用途

長所

従来の鉛蓄電池に比べて体積・質量が3分の1程度とコンパクトなため、揚水発電と同様の機能を
都市部などの需要地の近辺に設置できる。また出力変動の大きな風力発電・太陽光発電と組み合わ
せ出力を安定化させたり、需要家に設置して、割安な夜間電力の利用とともに、停電時の非常時電
源を兼用できる。また構成材料が資源的に豊富かつ長寿命、自己放電が少ない、充放電の効率も高
い、量産によるコストダウンも期待できる[1]などの長所を併せ持つ(上下表を参照)。

短所・課題等

常温では動作しないため、ヒーターによる加熱と放電時の発熱を用いて、作動温度域(300 ℃ 程度
)に温度を維持する必要がある。充放電特性が比較的長い時間率(6~7時間で設計されている。ま
た現状では、一定期間内に満充電リセットの必要がある。
火災事故を起こした場合、通常の水系の
消火薬は金属ナトリウムと反応してしまうため使用できない(乾燥砂等を用いる)。このため一般
の消防では火災への即応が難しい。


● 事故事例

国内では今までに2件の火災事故が発生。(1)10年2月15日午前7時440分ごろ、日本ガイ
シが製造し、高岳製作所小山工場に設置されたNAS電池で火災が発生、納入品が特別仕様だったた
め、さらなる安全性留意の上NAS電池の生産と販売を続けていた。(2)11
年9月21日午前7
時20分ごろ、日本ガイシが製造し、三菱マテリアル筑波製作所に設置された東京電力所有のNAS
電池で2例目となる火災事故が発生。こちらは普及タイプの製品だったため急遽全納入先事業者に
連絡を取り「NAS電池利用の蓄電システムの使用停止」を要請、代替システムを持たない事業者に
は「運転中の厳重監視」付きでの継続使用をやむをえず認めた。
第三者による事故調査委員会の火
災原因究明報告と事故対策がまとまるまで、日本ガイシはNAS電池の生産を当分停止する事となる。
12年6月から操業を再開。このように、
事故原因は、製造不良の単電池(セル)が溶融し、それ
が隣接する単電池 → モジュール全体 → 隣接するモジュールへと延焼していったことにある。
 

 

このように、(1)ナトリウム硫黄電池の解放破壊による事故――「特開2014-090782 電力貯蔵シ
ステム」や、(2)ナトリウム硫黄の回収――「特開2015-230755 ナトリウム-硫黄電池からナト
リウムを回収する方法、ナトリウム-硫黄電池からナトリウムを回収する装置」には、下図のよう
特許事例などがあり対策強化されてきているが、いまなおいっそうの知財結集が求められるとこ
ろである。


【符号の説明】 10:電力貯蔵システム 12:パッケージ 14:扉 16:架台 18:モジュール
電池 20:吸気ギャラリ 22:排気口 24:断熱箱 26:断熱蓋 28:ヒータパネル 30:
ナトリウム・硫黄電池 32:乾燥砂 40:発煙消火装置 42:噴出管接続口 44:噴出管 45:
エルボ 46:シース熱電対 48,77,78:信号線 50:噴出ヘッド 52:ケーブル 54:
筐体 56:蓋部材 58:噴出管接続口 60:消火剤収納ケース 62:固形消火剤 64,65,
66:支持片 68:点火回路部 70:ヒータ 72:コネクタ 74:プラグ 75:煙道 76:
電源線 80:火炎噴出防止部材 84:封止板 96:マルチプレクサ 98:アンプ 100:トラ
ンジスタ 108:リレー 110,112,114:常開リレー接点 115:プレート収納部 
116:断熱プレート 118:切欠 120:消火用エアロゾル

特開2014-090782 電力貯蔵システム

【符号の説明】 10 ナトリウムの回収装置(NaS電池からナトリウムを回収する装置) 11 チャ
ンバ  12 処理液供給部  13 反応液回収部  14 還流処理部  21 ノズル 22 ノズル可動手段 
23 処理液タンク  31 制御部  33 加水手段  34 冷却手段  41 処理液  42 反応液 
50 NaS電池  55 固体電解質管(ナトリウム収容部)  65 ナトリウム

特開2015-230755 ナトリウム-硫黄電池からナトリウムを回収する方法、ナトリウム-硫黄電池
からナトリウムを回収する装置

 

このように、きんでんの実証プラントは以下の特徴持つ、これまでの大規模発電・蓄電システムで
はなく中
小規模発電・蓄電システムで、再生エネルギー専用と既存系統電源供給との併用システム
の販売・運転
保全・サービス事業として展開が期待されるものである。これは面白い。

● 新型NAS電池の性能・特徴

    1. 電池能力 出力:180kW×6時間、容量:1,080kWh
    2. 長寿命(15年、充放電回数4,500回)、繰り返しの使い切り運転が可能
    3. 多重の安全機能の追加や品質管理の強化により火災安全性が向上
    4. 加熱・水没・落下試験などを検証し、危険物保安技術協会(KHK)から安全性性能評
      価を取得

● 実証設備の利用方法

    1. 災害時のBCP電源の確保
      • 災害などで停電した際は、非常用電源として低出力運転を行うことで最大72
        時間の電力供給が可能。なお、水害対策として大阪市ハザードマップの想定水
        害(過去発生の豪雨の2倍の降雨量)でも水没しない高さ3mの架台上に設置。
        さらにこの架台は阪神淡路大震災相当の地震発生時にも倒壊しない強固な構造
        とし、非常用電源としての堅固さを確保する。
    2. 通常時のピークシフトの実施
      • 電力需要の少ない夜間に充電し、その電力を需要の多い日中に使うことで、電
        力使用のピークシフトを実現。
    3. 再生可能エネルギーの系統安定化
      • 新設の太陽光発電設備(30kW)と組み合わせて発電変動を蓄電池で平準化
        し、電力系統の安定化を図る。
    4. 電池特性データ等の収集および解析

 

   

【帝國のロングマーチ 31】

              

● 折々の読書  『China 2049』49          

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
   

【目次】     

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
    

      

   第11章 戦国としてのアメリ力

                            釜底抽薪――釜底の薪を抽く

                           『兵法三十六計』第十九計

把柴火从锅底抽掉,才能使水止沸。比喻从根本上解决问题。(お湯が沸いている釜の底から薪を抜
けば、釜の湯はいずれ冷める。そうなれば簡単に処理できるという理。)

   extracting the firewood from under the cauldron

  競争が始まったことを知っているのが自分だけという状況で、勝つのは簡単だ。中国はそう
 やってアメリカから覇権国としての地位を奪い、現在とは異なる世界を作り
出そうとしている。
 しかし、結果が必ずしもそうなるとはかぎらない。中国は、アメ
リカが対峙した中で、極めて
 危険で戦略的に優れた国かもしれないが、それは中国だ
けではなかった。

  それほど遠くない片、アメリカは、世界支配をもくろむ別の大国がもたらす脅威を撃退して
 いる。ニ大政党の支持を得た数々の計画や戦術によって、冷戦に勝利を収め
た。同様の方法で、
 中国の桁外れの野望を打ち砕くか、少なくとも抑制する戦略を固
めることができるかもしれな
 い。そのための一案は言うまでもなく、政策立案者が中国占来の知恵と戦略を学び、中国が何
 をしてきたかを知ることだ。古代中国の国政術に関する教えのいくつかは、強国に立ち向かう
 弱国に向くものだが、中国の戦略文化の知恵の中には、さらに広く、国と国の関係に応用でき
 るものもある。ドイツ人でなくとも、プロイセンの将軍で軍事戦略の泰斗、クラウゼヴィッツ
 の戦略を用いることはできる,同様に、アメリカも中国の戦国時代の考え方を学び、中国の得
 意分野で中国を打ち負かすことは可能なのだ。

 【第1段階】問題を認識する

  北京の指導者がアメリカに見せたい中国は、真の中国ではない。アメリカの政治や肘論をリ
 ードする人々は、中国人から送られる「メッセージ」と、根底にある事実を見分ける必要があ
 る。孫武と孔子はどちらも、見かけと現実を区別することの大切さを説いている。傑出した軍
 事思想家である孫武は、抜け目ない敵国の策略にはまらないように、と警告した。孔子は、物
 事を正しい名前(孔子はこれを正名と呼んだ)で呼ぶことが極めて重要であり、それが正しい
 戦略の礎だと主張した。簡単に言えば、敵がこちらにどんな人間、あるいは国だと思わせよう
 としているかを知り、それを額面通りに受け取ってはならない、ということだ。

  成長をはばむ圧倒的な障害を抱えているという中国の話を鵜呑みにして、1997年から2
 007年の間だけで中国経済が3倍に成長したことに気づかなかったのは愚かなことだが
  (注1)、貿易の自由化を推し進め、知的財産泥棒と闘い、通貨の操作をやめるという、中国
  政府が繰り 返す主張を信じたのも、同様に愚かなことだった。さらに、言えばえば、中国の
  指導者から、中国はアメリカとの協力関係を模索していると繰り返し聞かされ、アメリカを悪
 者扱いするのを中国政府が認めたり助長したりするのを顧みなかったことや、中国が北朝鮮や
 イランに対抗する支援を約束しながら、逆にその両国を支援していたことを後になって知った
 のも等しく愚かなことだった。



  もし、アメリカがマラソンで中国と競うつもりなら、中国に対する考え方を根底から改めな
 ければならない。それは、中国が生活保護受給者ではなく競争相手であることを認め、勢や戦
 国時代や覇権国を倒すための戦略について学び、中国の指導者の考え方を知るということだ。
 そして、中国政府がそれらの考えを行動に移す方法を理解するということでもある。政策や戦
 略を記した長いリストの分析が必要ろう。

 【第2段階】己の才能を知る

  毎年、アメリカの税金のかなりの額が、中国の発展を支援するために使われてい。この支援
 のほとんどは、目立たないように遂行されているため、メディアや国民は気づいていない。意
 図的にそうしているからだ。2005年に議会で証言した国務省の外交官は、これまで知られ
 ていなかった中国支援の多くを明らかにした。例えば、労働省は、中国の生産性を高めるため
 に、多くの専門家を派遣したそうだ。財務省と通貨監督庁は、銀行業務の向上を支援し、連邦
 航空局は、航空機製造会社を支援した。他の政府機関も、中国で数百もの科学援助計画を促進
 したという。

  公聴会の後、その外交官は、わたしを傍らに呼んだ。わたしが米中関係に詳しく、また、議
 会のメンバーであることを知っていたからだ。彼は、「毎年恒例のこの証言要求をなくすこと
 はできるでしょうか?」と聞いた。なぜ彼は、翌年以降の証言をなしにしたいと思うのだろう。
 彼はこう続けた。「この件がますます公になり、広く知られるようになると、中国に批判的な
 議員が支援をやめさせようとしはじめるでしょう。支援が打ち切られたら、米中関係は30年前
 に逆戻りしてしまうのです」

  現在でも、アメリカ政府が中国の支援にトータルでいくら使っているかはわかっていない。
 アメリカは最大の敵国を財政支援しているばかりか、どれだけの額が使われているかというこ
 とさえ把握していない。
  マラソンで中国に対抗するには、中国を支援する機関や省のすべてに、毎年の報告務を負わ
 せるべきだ。こうした計画が公表されれば、三つの有益な結果が得られるだろう。第一に、米
 中のつながりをより用心深いものにしようとする人は、十分な情報で武装し、中国政府への支
 援強化を主張する多くの研究者、アナリストや政府機関のエリートたちに立ち向かうことがで
 きる。第二に、アメリカが中国を支援している分野がわかれば、政策立案者は、中国政府の行
 動にアメリカがどのような影響を及ぼしているかをよりはっきり理解できるようになる。そし
 て第三に、この支援リストによって、アメリカ人は(第5章で述べた)中国の歴史の教科書に
 載っている主張に反論することができる,その主張とは、ジョン・タイラー以降の米大統領が
 中国を封じ込め、痛めつけてきたというものだ。

                                    この項つづく 

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世界同時地震 ??

2016年08月25日 | 時事書評

 



          なぜ憲法を改悪して自衛隊を合憲化することで、米・ロのような軍事大国が
          大きな発言力をもつ旧い国際国家にまで後退しなければならいのか。戦後憲
          法第九条は現在の世界の国際国家が、未来への通路を開くための唯一の突破
          口なのだ。わたしは読売試案は村山内閣の反動性と現野党の欠陥を寄せあつ
          めた最低で最悪の改憲案だというほかないとおもう。

                                              「読売憲法試案の批判:情況との対話 第二十二回」

                                                サンサーラ VOL.6 NO.1 1995年

                                                                                                                                                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

     
※ 夢は良いとして、重火器を保持した自衛隊の解体スケジュールは?あるいは
       城内平和主義だけで(世界の)武器生産・輸出・保持の禁止が実現できるの
       か?が厳しく問われた1991年の湾岸戦争をわたし(たち)は決して忘れ
       ない。

 
         
 

【世界同時地震 ?? イタリア中部 M6.2 ミヤンマー M6.8】

 Italy

 Myanma

1999年のグランドクロスによる月の引力の1万分の1の変動は無視し得るのかというのが、そ
の当時、わたし(たち)が考えた「反措定」で、まず、ヒステリシスを考慮せず前後10年範
囲内で大地震(非連続的共振性性大地震)が起きると仮定し、素人(たち)がはじめた「時空
探索」(これは専門性をなく、素人からはじめ問題解決に挑んできたマイ・スタイル)。現在
は、日本地震探査機構(JESEA)の地震予測の有効性を確認中(最新の情報2016.08.24;vol.16,
No.34」
によれば、南関東方面は震度5以上の発生可能性がきわめて高いレベル5にある)。話
はオタク的なってしまった。余震による被害拡大が心配される2つのじしんであるが、地震大
国日本の具体的な支援は勿論のこと、これまでの技術や知財の長期的支援を政府に期待したい。
これこそが具体的で積極的な平和活動であると確信し、ぼちぼちと、この時空探索を継続する
GO!(上の2つの写真ダブクリ参照)。

     

 

【我が家の焚書顛末記 Ⅷ 

 

    君が元気でやっていてくれると嬉しい     ゲイリー・フィスケットジョン

                                                   村上春樹  訳

 Gary Fisketjon

 「君が元 気でやってレてくれると嬉しい」レイモンド・カーヴァーは友人に宛てた手紙の多
 くを、その上うな書ぎ出しで始めていた。そして「こっちは万事順調」だとか「我々の方は
 うまくいっている」とか書いてレだ。彼の人生の最後の十年間くらいは、僕らはだいだいう
 まくやってレたし、彼と詩人のテス・ギャラガー(二人に生活を共にし、やがて夫婦になっ
 
た)の方も同様だった。これはちょっとした奇跡のようなものだったし、僕らはみんな、そ
 れがもう終わってしまったのだということを、今でも認める気になれないでいる。「その一
 方で」とある女が言う。レイの初期の短篇の中の一節だ。「まわりの人々はあたかもあなた
 が昨日の、昨夜の、あるいは五分前のあなたと同じ入物であるかのように話しかけたり振る
 舞ったりする。しかしあなたは現実に危機をくぐり技けたのだし、心は痛手を負っているの
 だ……」

  この九月で、私は彼の声を初めて耳にしてから十二年経っことになる。その最初の手紙に
 彼はこう書いてレだ。「正直に言って、私はまだ本調子を出してはいないと思います。そし
 てこれから先の二年間は私にとっては目ざましいものになるだろうという気がします。これ
 は本気で言っているのです」レイは間違っていだ。予言は八年ぶん短かった。でも先見の明
 に矢けるという点においては、私だってご同様だった。というのも、三年前に私はこんな手
 紙を書いたのだ。「あなたの生涯は、既に過去に向かって伸びているのと同じくらいの距離
 を、未来に向かって伸びるべきなのです」と。そうであるべきだったのだ。そしてそれが今
 は果たせぬものとなった哀しみは、言うまでもないことだが、言葉では尽くせない。しかし
 それとはべつに、生前のレイを知っていた人々の目にも、レイの作品を読んでいる人々の目
 にも等しく明白なように、レイ・力ーヴァーの存在はあらゆる歳月を越えてここに残ること
 だろう。

  彼の送った二つの人生については既に多くのことが語られた。一つは飲酒と苦いいフラス
 トレーションによって形成された人生であり、次に来たものは幸多き禁酒と高まる文名に輝
 いた時代だった。そして現実に、レイはしばしば自らそのことに言及している。変貌が開始
 されたその日付さえ(1978年6月2日)はっきり書きつけている。しかしそのような記
 念的日付というのは、ただの目安のようなものにすぎない。ただのしるしのようなものに過
 ぎない。彼のそれら二つの人生は互いに交じりあってレたのだろうと私は思っている。ちょ
 うど川が浜に流れ込か揚所で淡水と海水とが入り交じってレるように。高揚や失望や達或と
 いったものは、あっちに引っ張られかつこっちに引っ張られていたのだろう。一つの人生は、
 他のもう一つの人生を抜きにしては存在しえなかったのだ。勇気ある行動や意志の力を抜き
 にしては、そのどちらの人生も継続でぎなかったのだ。そしてそのような勇気ある行動や意
 志の力が、最終的にけ彼に様々な物事を可能にさせたのだ。私かレイと知り合ったのぽ、彼
 が見事な個人的勝利を勝ち取ったあとのことだった。でも私は、彼のことをよくぱ知らない
 けれど彼の本だけは読んでいたという一般の人々と同様、彼の初期の人生のさまを、まるで
 幻覚でも見るみたいに、悪夢でも見るみだいにありありと熟知していだ。

 「こいつは前代未聞だ。この人生たるや」と彼は言った。80年代初めのことだ。それけ物
 事が良い方向に流れるようになったあとのことだった。もっと紺かく限定すれば、それは雨
 の降る、タクシーなんかとてもつかまりそうにないマンハッタンの夜を過ごしたあとのこと
 だった。真夜中過ぎに家に向かっているとぎに、我々はようやくぼろぼろのリムジンをつか
 まえることができた。その運転手のあけっびろげな性格と飾りのない親切性格は、我々を、
 世の中なんだって可能なのだという気にさせてくれた。そして我々二人は、『オズの魔法使
 い』のドロシーがカンザスから遥かに離れたのに負けず劣らず、オレゴンから(僕らに二人
 ともオレゴン出身だった)遥かに雛れているのだという気にさせてくれた。そのあとずっと、
 我々はそのときの運転手ウォーカー氏について、奇跡が手の届くところにあるということを
 無心のうちに我々に身をもって示してくれた人物について、何度も語り合ったものだった。
 我々の身に起こっている信じられないようなお話の中の、いわば一人の登場人物として。

  そして彼自身に、彼の友人たちに、彼が敬愛する人々に奇跡的な物事がもたらされたとき
 ――それがたとえどのようなものであったにせよ――彼はそれを進んで、喜んで受け取った。
 我々が一般的に「ありがた迷惑」と呼ぶいくつかのものさえをもだ。彼はなにごとにつけ感
 激しやすいい人であった。彼は一度作家のモナ・シンプソンに向かって言ったように、彼は
 子供のころ、最初に書レだ短篇小説を間違ってあるアウトドア・マガジンの営業部に送った。

  小説は結局戻されてきた。でもそれにそれでいいんだよ。その原稿はとにかく外の世界に
 出ていったんだ。それは他人の手を渡ったんだ」そしてもっとあとになって、彼の作品が初
 めて雑誌に採用されたとき(同じ日にひとつの誌とひとつの短篇が採用されたのだ)、「そ
 れは本当に素晴らしいロだった。僕の生涯でいちばん素晴らしい日のひとつだったな」その
 ような喜ばしい日々もあることはあった。それがたとえ彼が当然受け取ってしかるべき数だ
 け与えられなかったにせよ。

 彼の人生の最初の四十年を通して、暗い日々の数の方、がずっと多かった。もう何もかも投
 げ出してしまいたくなるような誘惑に押しつぶされそうになることもあったにちがいない。
 彼の父親もやはりそうだった。父親はその人生の終わり近い時期にはすっかりだめになって
 しまって、しばらくの期間深い沈黙と空っぽの部屋の中に閉じ龍ってしまうことになった。
 一度そういうところに足を踏み入れたことのある人間は、永遠にモの影を引きずることにな
 る。それはレイの小説の中の多くの人物たちが自らを見出す部屋である。そしてまた疑いの
 余地なく、そこは彼自身が頭の中で、思い出したくないくらい何度も何度も自らの身を置い
 てみたはずの場所である。実際に、リチャード・ブロ土アィガソが銃で自殺を遂げたことを
 聞かされたとき、レイは私に手紙を書いてきた。「たとえ彼が自分の手でそれをなしたにせ
 君が元気でやっていてくれると嬉しいよ、それは間違いなく酒がやったことです。私だって、
  あの暗黒の日々には、同じような出口を何度も頭の中で弄んだものです」

  しかし彼は自らを救済した。彼は未来を見つめる目を失うのがどういうことかを、決して
 忘れなかったのだ。それをいえば、彼の小説の中では、いちばん大事な瞬間にその身を屈し
 てしまう登場人物がどれだけいるだろう? 物事を投げ出し、屈伏するか、あるいは少なく
 とも損傷を押しとどめるか、傷口をふさぐかをはっぎりと決断しなくてはならないその瀬戸
 際でだ。それこそが真実の瞬間である。それこそが、彼の作品が我々を運んでいく場所であ
 る。彼は最後には尻込みしたりぱしなかった。そして彼の登場人物たちぱ瞬ぎもせずにじっ
 と凝視したものである。口には出されることのない戦い、それは、物事の可能性がしぼんで
 しまったことや、耐えがたい出来事をどのように扱うかということではないか? 我々は、
 我々のひとりひとりは、それにどのように立ち向かっていけばいいのか?

  レイは文章を言くことでそれに立ち向かった。彼は言くことを生きる核に置いた。「あり
 がたきかな、労働の場にあること」という文句が彼の手紙の中で何度も繰り返し歌われた。
 彼は自分の職業について幻想を抱いたりぱしなかった。「作家になってくださいって誰かに
 頼まれたわけじゃないからね」と彼は言っていた。そして自分の書いた作品が世に受け入れ
 られることよりは、自分のなしている仕事そのものにより大きな誇りを待っていた。彼は自
 分の書いた小説や詩にぱっぎりと自信を待っていたけれど、それは自己満足的な自信ではな
 かった。彼のヴィジョソや散文は常に変化した。書き直しと将来への期待だけはいつもいつ
 も不変だった

  レイはまた、彼の巨体にふさわしいだけの精神でもってその部屋を満たした。誰かを支援
 したり、あるいは温かい言葉をかけたりすること――祝いの言葉、慰めの言葉、忠実さ、友
 誼――その手のことについてはレイは本当に律儀だった。彼は手紙やら電話やらで、そうい
 う心情を出し惜しみすることなく披露した。あるいは郵送されたスモーク・サーモンとか。
 彼がこのような恩恵を与える相手の名簿は驚くほど厚かった。そもそも相手が誰であるかな
 んてどうでもよかったのだ。彼はこのような行いに対して恩きせがましいようなことぱ一言
 もロにしなかったし、そういうことを求めもしなかった。そして助けられた方も彼の人柄の
 ことはわかっていたから、あえて口にしたりすることもなかった。そしてまた、彼ほど復讐
 心や狭量さや妬みや、あるいはよくある普通の意地悪さから程遠い人もいなかった。そうい
 う気持ちを抱いても不思議でない機会は世間にはいやというほどあるし、とりわけレイくら
 いそういう機会を数多く与えられた人間はいなかったにもかかわらずだ。

  The Unbearable Lightness Of Being - Trailer

  とはいっても、彼が常にかわらず陽気で快活であったというわけではない。自分の身の上
 や、自分の友人の身の上や、自分が敬愛する人たちの身の上に、何か悪いことが起こるので
 はないかという思いにとらわれたり、あるいはそれについて深く気に病んでいなかったとい
 うわけではない。「こんなに何もかもうまくいくわけないよ」と彼は言ったかもしれない。
 五年ばかり前に彼はこう書いてきた。「やらなくてぱならないことがあまりにも多く、あま
 りにも多くの歳月が無駄に費やされてぎました」そのころから死というものが、彼の小説や
 詩の主題に(あるいは取り扱う謎に)なることが多くなった。そしてあらためて言うまでも
 ないことだが、彼の遺作である『使い走り』という短篇の主題になった。彼がどうしても死
 というものの真相をのぞぎこまなくてはならなかったのと同様、我々もまたそれをのぞぎこ
 まないわけにはいかないのだ。それがその小説の結末である。




 「心というものは真っ暗になってしまうこともある」というのは彼のいちばん親しい友人の
 手で書かれた小説の一節だが、事実それは真っ暗になってしまったのだ。しかしレイモンド・
 カーヴァーはあまりに多くの人の心を掴んでいたのだから、それは決して不思議でもなんで
 もないのかもしれない。最後の本のエピグラフとして、彼はミラン・クンデラの『存在の耐
 えられない軽さ』の中から次のような一節を引いている。「何を求めるべきかを、我々は決
 して知ることがない。何故なら我々はたった一度の人生を生きるだけなのだから、それを前
 回の自分の人生と引き比べるわけにいかないし、また次回の人生において将来それを完璧の
 誠に至らしめるというわけにもいかないのだ」実をいうと、彼は人間として可能な限り、
 ンデラの誤謬を証明するところに近づいていたのだと私は思っている。彼はそれを過去の人
 生と引き比べることがでぎたのだ。それを再構築することができたのだ。そしてほとんど完
 璧の誠に近く持っていくことがでぎたのだ。結局のところ、彼が最近の特の中でこんな風に
 書いているように。
        
                            ……何はともあれ、    
    私のことをあまり悼んだりしないでほしいな。私はあなたに知ってほしいのだ。
    ここにいたときには、私は幸福だったんだということを。

またいつの日にか彼の作品を、勿論、村上春樹の翻訳で、手にすることあるだろう。さらば!レイ。
 

   

【帝國のロングマーチ 30】    
 

            

● 折々の読書  『China 2049』48         

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」   

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
   

【目次】     

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
   

 

     

    第10章 威嚇射撃

                               百聞不如一見――百聞は一見にしかず
                       
                                      『漢書』趙充国伝                                   
                                                                                         

※  百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事情勢は離れた
      ところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図りたい) 

  車はどうにか間に合い、わたしは演説する内容を英語と中国語で書いた書類を配った それ
 らには「国防部により一般公開を許可する」という印が押されたばかりだっ
た。わたしの演説
 は、2日間にわたって喧々鍔々の議論を引き起こすだろう。以前に参加した3回の中国軍事会
 議で身につけた戦術、「抛磚引玉(ほうせいいんぎょく:レンガを投げて翡翠を手に入れる)」
 に則っての作戦だ。この会議は、今後35年間にマラソン戦略がどのように進められるかにつ
 いて、中国当局の見解を知る希少な機会になるはずだ。かつてわたしは、中国からの亡命者か
 ら、100年計画に関するたとえ話を聞いたことがあった。戦国時代に勝利を収めるのは長期
 的に複数の相手と囲碁をするようなものだ、とその人物は言った。最終的に覇権を握るまでに
 7世代の王が必要とされた(注60)。一般的な囲碁の対局には約300の手があり、序盤、中
 盤、終盤に分けられる。その亡命者は、2014年の北京の指導者は、自分たちはまだ中盤に
 いる、つまり、中国はGDPでアメリカをリードしようとしているが、総合的な国力はまだア
 メリカに並んでいないと考えている、と語った。



  今回のわたしの北京訪問は、アメリカ政府の命によるものだった。アメリカを超えようとす
 る中国の戦略に反撃するにはどうすればいいかを調べるためだ。中国の軍や研究機関の専門家
 は、どんな計画を実行しようとしているのか。その2日問、多くの人とIば菓を交わし、この
 疑問の答えを探った。

  それまでわたしは、中国は2049年まで「目立つ行動を控え、好機を待つ」という戦略を
 維持する、と誤った見通しを立てていた,2049年になってようやく、中国は世界のリーダ
 ーシップを握り、最終的な打撃を浴びせ、世界支配の計画を始めるだろうと考えていたのだ。
 アメリカが衰退し、力の均衡が傾くにつれて攻撃を強める段階的方法が採られるとは、予想も
 していなかった。次第に新たなシナリオが見えてきた。アメリカとの力のバランスが自分に有
 利に傾くにつれて、中国はますます独断的になっていくはずだ。

  動きが加速していることに気づかなかったもう一つの理由は、中国の壮大な戦略は変わらず、
 他の国々にも満足をもたらすものだという、中国の主張を信用したからだ。中国の学者や役人
 は、少なくとも今後20年間は戦略的な忍耐を続けるつもりだと強く主張しているようにわたし
 には思えた。また、北京から戻ったアメリカの学者の多くは、中国政府は今後何十年もパワー
 バランス上の優勢が続くとは考えていない、とわたしに告げた,中国はこうした認識をせっせ
 と焚きつけた。2009年の半ばから、中国共産党中央党校と中国国際関係学院のシンクタン
 クは内部会議を開き、アメリカの衰退が中国にとってどういう意味を持つかを議諭してきた。
 ハーバード大学のアラステア・イアン・ジョンストンが書いているように、これらの会議にお
 いて、「より穏やかな意見、つまりパワーバランスに大きな変化は起きなかったとする人たち
 が、目立って守勢に立たされていたわけではなかった。言い換えれば、アメリカが相対的に衰
 退したかどうか、どのくらい衰退したかについて、(その当時)答えはまだ出ていなかった」。

  ジョンストンは続ける。
 「加えて、当時、外交政策の主な決定を行っていたグループが(中略)力の配分に大きな変化
 が起きて、中国にとって利益を追求する好機が到来した、という主張を受け入れたという証拠
 はない(注61)」

  だが、中国の指導者のなかには、100年計画は予定より早く進んでいると結論づけた者も
 いる。学者や諜報機関の職員は、少なくとも10年、もしかすると20年も計画より先に進んでい
 ると言いはじめた(注62)。こうして中国の指導者たちは、マラソン戦略に戦術的変更を加え
 るかどうか、つまり、ラストスパートをかけるかどうかを討議するようになった。

  それでもなお中国の行動は、想像のつく範囲にとどめられていた。覇権国に中国のより大き
 な戦略目標を気づかせないためだ。こうした出来事の一つひとつが中国の外交政策の「成功」
 を組み立ててきた。それぞれの例で、中国の図太い行動は、政治上の心要な利益を中国にもた
 らした。そして、アメリカや近隣の国々が不平を訴えても、中国はいかなる代価も支払おうと
 はしなかった。
  これらの出来事はいずれも、弟2章で概要を述べた以fの100年計画の九つの要素の.つ
 かそれ以上を中国が行った結旧ぺである。

  ●敵の自己満足を引き出して、警戒態勢をとらせない
  ●敵の助言者をうまく利用する
  ●勝利を手にするまで、数十年、あるいはそれ以上、忍耐する
  ●戦略的目的のために敵の考えや技術を盗む
  ●長期的な競争に勝つうえで、軍事カは決定的要因ではない
  ●覇権国はその支配的な地位を維持するためなら、極端で無謀な行動さえとりかねない
  ●勢を見失わない
  ●自国とライバルの相対的な力を測る尺度を確立し、利用する
  ●常に警戒し、他国に包囲されたり、・されたりしないようにする

  アメリカに先見の明があれば、中国が自己主張を強める時期の到来を予測できたはずだ。中
 国政府は、実行不可能と思える、あるいは想定外の、外交上の要求を突きつけてくるだろう,
 そして、他の国々は中国の圧力に屈するだろう。経済力を増した中国は、軍事征服によってで
 はなく、経済制裁によって近隣諸国を締めつけ、思い通りに動かすかもしれない。例えば、ダ
 ルムサーラにあるダライ・ラマの亡命政府を閉じるようインドに要求したり、チベット難民へ
 の経済支援(1959年から行われている)をやめるよう、インドや欧州連合やアメリカに圧
 力をかけるか、強要するかもしれない。あるいは、台湾への武器売却(中国が長年いらだち、
 カを増した今、もはや我慢するつもりはない問題)を停止するよう、アメリカ政府に強く求め
 るかもしれない。長年にわたって中国をいらだたせてきたもう一つの問題は、天然資源の豊か
 な周辺地域の領有権を巡る争いである。

  アメリカに対して、中国の近隣諸国との安全保障という軍事的つながりを断つよう迫ること
 もあり得る。1990年以来、中国政府はこれらの協定とそれに基づくアメリカの武器売却を
 強く非難し、「冷戦の名残」と呼んできた(注63)。覇権を目指す中国は、これらの協定を単
 に非難するだけでは終わらないだろう。中国が力と敵意を増すにつれ、安倍晋三やベニグノ・
 アキノのように、それを懸念し抑制しようとする声は大きくなり、より緊迫していくだろう。
 残念ながら、アメリカがその異議申し立てに気づいている様子はほとんどなく、いずれにせよ、
 それに対峙しようという気持ちはさらにないようだ。

                                    この項つづく
 

この節もコメントなし。さて次回は第11章「戦国としてのアメリカ」に移る。

 

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木曽駒ヶ岳の天気

2016年08月24日 | 時事書評

 




      動物一般の社会はほとんど意図的な生産をやらないで消費行動だけをやって、
      あとに残余として昨日とおなじ身体状態をのこす。

      意図的な高度な生産をあたかも生産がほとんど行われていないかのように考察
      の
彼方へ押しやり、消費行動だけが目に立つ重要な行為であるかのようにあつ
      かおう
としている。

      これはラセン状に循環して次元のちがったところで動物一般の社会に復
帰して
      いるような画像にみえてくる。


      相違はわたしたちのなかにメタフィジックが存在するということだけだ。この
      メタフィジ
ックによれば消費は遅延された生産そのものであり、生産と消費と
      は区別されえな
いということになる。

               「《ハイ・イメージ論》消費論(2)」海燕 1990.6.1
 

                 ※ キーワード:消費社会/第三次産業化/価値の高次化/企業系列の網状化

                                                                                                                                                                                                   
                                                    Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

 

● 百名山踏破:木曽駒ヶ岳を追加計画

 昨日に続いて、複数選択肢を準備する(理由:うかうかすると1座も踏破できない可能性があり、
チャンスがあればすぐに実行するため)。今回は中央アルプス木曽駒ヶ岳。



長野県の南部に位置する山。木曽山脈の主峰である木曽駒ヶ岳は、標高 2,612メートルの千畳
敷までバスとロープウェイを利用して登ることができ、登山者とともに多くの行楽客が訪れる。従
って、ロープウェイを利用すれば4~5時間のピストン行程で踏破できるのでややこしいなら日帰
りコースも有力な選択肢だ。

さて、木曽駒ヶ岳(きそこまがたけ)は長野県上松町・木曽町・宮田村の境界に聳える。木曽山脈
(中央アルプス)の最高峰。日本百名山、新日本百名山、花の百名山に選定。木曽駒と呼ばれるこ
ともある。駒ヶ岳の名を冠する山は日本の全国に多数あり、その最高峰である南アルプスの甲斐駒
ヶ岳とこの木曽駒ヶ岳に挟まれる伊那谷では、この山を西駒ヶ岳または西駒、甲斐駒ヶ岳を東駒ヶ
岳または東駒と呼ぶ。木曽前岳 (2,826m)、中岳 (2,925m)、伊那前岳 (2,883m)、宝剣岳 (2,931m)
を含めて木曽駒ヶ岳と総称することもある。
山体の大部分が約6500万年前の花崗閃緑岩で形成
されている。

 

【我が家の焚書顛末記 Ⅶ 

     あとがき

  この本のまえがかを書いてみないかと言われたときに、私は書ぎたレとは思わないと答え
 た。でもそのあといろいろと考えてみて、やはり何か少し書いておいた方がいいかもしれな
 いと思うようになった。でもまえがきではない方がいい、と私は言った。まえ、がきという
 のはレささか偉そうに思えるのだ。小説にせよ、詩にせよ、自分の本にまえがきやら序文と
 いったようなものを付けるのは、もっと偉い作家に(まあ五十を過ぎたくらいの人に)まか
 せておくべきであろう。でもあとがきくらいなら書いてもいい、と私は言った。というよう
 な経緯で、善し悪しはともかく、このような文章を書くことにあいなった。

  ここに選んだ詩は、1966年から1982年にかけて書かれたものである。そのうちの
 いくつかのものは『クラマス川近くで』と『冬の不眠症』と『夜になると鮭は・・・・』といっ
 た詩集に収録されていたものである。それとは別に、『夜になると鮭はは・・・・』が1967
 年に出版されたあとで私が書いたいくつかの詩を収録した。これらは雑誌や文芸誌に掲載さ
 れたが、これまでのところ本には収録されていない。詩は発表年代順に並んではいない。そ
 れら 作はだいたいにおいて、そこに含まれている思いや感覚のあり方によって、いくつか
 のおおまかなグループに分けられている。感覚と感情の傾向による分類と言っていい。この
 本のために詩を選び始めたときに、そのような流れが働いていることに私は気づいたのだ。

 いくつかの詩は、ごく自然にしかるべきエリアか、あるいはしかるべきオブセッショソの中
 に収まっていった。たとえば何らかのかたちでアルコールを扱っているものがいくつかあり、
 外国旅行や歴史上の人物を扱っているものがいくつかあり、また家庭内のこと、身近な物事
 だけに関係しているものがいくつかあった。そんなわけで、この本のアレンジに着手したと
 きに基本的にはそういう配列でいこうと思った。例をあげると、私は1972年に『乾杯』
 という詩を書いた。その十年後の1982年に、からっと違った生活のなかで、たくさんの
 違った種類の詩を書いてきたあとで、私は『アルコール』という詩を書いていたわけだ。だ
 からこの本のために詩を選別するときになって、その詩がどこに落ちつくべきかを教えてく
 れたのは、たいていの場合には、その内容であり、オブセッション(私はテーマという言葉
 を好まない)であった。そのプロセスについては特筆すべきことも、あらためて語るほどの
 こともない。

  もう一言だけ。かつて出版されたことのある時に関しては、ほとんどの場合わずかながら
 (目には映らないくらいわずかなこともある)、改変が加えられている。しかしたとえわず
 かとはいえ、改変は改変である。私は今年の夏に手を入れたのだが、それによって詩の出来
 はよくなっていると思う。でも改変についてはまたあとであらためて述べる。
 
  二つのエッセイは1981年に発表された。依頼を受けて書いたのだ。「ニューヨーク・
 タイムズ・ブック・レヴュー」の担当者が私に「書くということについてなんでもいいから」
 書いてくれと言ってきて、その結果『書くことについて』という短文、がでぎたのだ。もう
 一つの方は『存続しつづけるものを讃えて』という「影響力」を主題とする本のために(こ
 れは「アメリカソ・ポエトリー・レヴュー」のスティーヴ・バーグと、ハーバー・アンド・
 ロウのテッド・ソロタロフによってまとめられた)何か書かないかという要請を受けて、「
 影響力について」書かれたものである。私が寄稿したのは『ファイアズ(炎)』というもの
 だった。そしてそれをこの本の題にしようと持ち出したのはノエル・ヤングである。

  いちばん初期に書かれたのぱ『キャビン』で、これは1966年の作品である。もともと
 は『怒りの季節』に収められていたのだが、本書に収録するためにこの夏に書き直した。
 「インディアナ・レヴュー」がこの作品を1982年秋号に掲載することになっている。『
 雉子』はもっとずっと最近の作品で、今月メタコム・プレスから限定出版シリーズの1つと
 し押て出るこ
とになっている。またこの秋にはニューイングランド・レヴュー」にも掲載さ
 れ
ることになっている。

  私は自分の短篇をいじりまわすのが好きだ。私は書きおえた作品によく手入れをする。そ
 してそのあとでもまたこつこつといじりまわす。あっちを変え、こっちを変える。何もない
 ところから新しいものを書かなくてはいけないより、既に書き上げたものに細かく手入れす
 るほうが好きなのだ。私にとって新しい小説を書くという作業は、なんとかそれをこなして、
 そのあと小説を楽しめるように、ひとまず通過しなくてはならない難所にすぎないのではな
 いかと思えるのだ。書き直しは私にとってはぜんぜん苦痛ではない。好きでやっていること
 なのだ。私はぽっぽといろんなことを思いつくタイプではない。むしろじっくりと考えて注
 意深く行動する性格であると思う。そのせいで書き直しが好きなのかもしれない。あるいは
 そんなことぱないのかもしれない。それはただのこじつけにすぎないのかもしれない。でも
 私は知っている。コ匿書き上げられた作品を書き直すことは私にとっては自然なことであり、
 また私は楽しんでそれをやっているのだということを。おそらく私が書き直しを好むのは、
 書き直すことによって私は自分が何を書こうとしていたのかという核心にちょっとずつ近づ 
 いていけるからだろう。私は自分がそれを見出せるかどうかを、ずっと心して見張っていな
 くてはならないのだ。それは固定された立場というよりはむしろプロセスなのだ。

  自分がこんな風にしつこく作品をいじりまわさなくてぱならないのは、性格的な欠陥によ
 るものではないかという風に考えた時期も過去にはあった。でももうそんなことは思わない。
 フランク・オコナしがこんなことを言っていた。自分はいつもいつも小説を書き直している
 し(それも最初の段階で二十目も三十回も書き直したあとでである)、いつか書き直した作
 品を収めた書き直された本を出したいものだ、と。私はここでは、ある程度それに近いこと
 をする機会を与えられた。ここの中の二篇の短篇小説、『隔たり』と『足もとに流れる深い
 川』(もともとは『怒りの季節』に収められたハ篇の短篇の中の二つであった)は最初に
 『怒りの季節』に発表され、それから『愛について語るときに我々の語ること』に収録され
 た。絶版になっていた二冊の私の本(『怒りの季節』と『夜になると鮭は・・・・』)を一つに
 して再出版しないかという話がキャプラ社から来たとき、このような本を作ろうというアイ
 デアが私の頭にだんだんまとまってきた。もっとも私は、キャプラ社がここに収めたいと望
 んでいた前述の二篇の短篇については、いささか困ってしまった。というのは、これらはす
 でに大幅に書き直されてクノップフ社の本に収められてしまっていたからである。しかし、
 しばらくじっくりと考えたあとで、私はこれらの作品をキャプラ社の本に収められていたヴ
 ァージョンにかなり近いかたちで収めようと決心した。でも今回は書き直しは極力控えよう
 と。それらはもう一度書き直された。しかし書き直しは前回ほど大幅なものでぱなかった。

  しかしいったい、いつまでこうやって書き直し続けることができるのだろうか? つまり、
 これにもいつかは収穫逓減の法則が働くことになるはずではないか。でもこの二つの作品に
 関しては、新しいヴァージョンの方が気に入っているといえる。新しいものの方が最近の私
 の作風にもよりぴったりと調和しているのだ。

  そんなわけで短篇小説についていえば、多少の差こそあれ、みんな手を入れられている。
 そしてそれらは最初に雑誌掲載されたり、『怒りの季節』に収められたオリジナル・ヴァー
 ジョンとはかたちを異にしている。私はこれを、旧作をより良いかたちに書き直すことがで
 きるという幸福な状況に自分かいるという事実のあかしであると考えている。少なくとも、
 何はともあれ、私はそれがより良いかたちであると思いたい。自分でぱとにかくそう思って
 いるのだ。でも正直に言って、それが私の書いたものであれ他人の書いたものであれ、散文
 であれ韻文であれ、しかるべき時間の経過のあとで手を入れたらきっともっと良くなるだろ
 うなと思わないような作品にはほとんどお目にかかったことがない。このように旧作をもう
 一度じっくりと見直し、手を加える機会を与えてくれた、そしてまた私の好きなようにさせ
 てくれた、ノエル・ヤングに謝意を表したい。

                              レイモンド・カーヴァー
                          ニューヨーク州シラキュースにて
                                1982年9月7日

さて、次回のゲイリー・フィスケットジョン「君が元気でやってしてくれると嬉し」で最後となる。
 

【精密電流検出工学の此岸:クランプ型精密携帯電流計】

先月28日、産総研と寺田電機製作所は共同で、60アンペアまでの直流電流をクランプ型の電流
センサで精密に測定できるポータブル電流計を開発。

この記事が気になっていたのだが今日その概要を理解することに。電気機器の研究開発や電気設備
の運用では電流計測は大変重要でこの成果は大きい。例えば、電気配線への取付け・取外しが容易
なクランプ型の電流センサーが広く使用されているが、クランプ型の電流センサーは、取扱いが簡
便である反面、使用環境影響を受け誤差が生じ測定精度限界がある。特に近年、直流による給電(
直流給電)が進み、直流の電流測定の課題である。今回、新たな構造の直流電流用クランプ型セン
サーと直流電流計を開発し、測定値の誤差を自動検知・補正する機能を付加して測定精度を大幅に
向上。さらに、小型化・省電力化を図り、電池駆動のポータブルな精密電流計を実現。

今回の開発の特徴は、電流が流れると、その周囲には磁界が生じる。この磁界の大きさに応じた電
気信号
を出力するホール素子を利用すれば、非接触で直流電流を測定できるが、この原理を利用し
た従来型のク
ランプ型直流電流センサーは、ホール素子のオフセットとその変動やセンサー部の磁
化(着磁)による誤差
が生じるため、高精度測定は困難であったが、そこで、電流計のクランプ型
センサー部分に、(1)着磁を検知し消磁を自動で行う機能や(2)ホール素子出力のオフセット
とその変動を検知し補正する機能を開発付加。(3)そのために、機能部分の小型化を進め、アタ
ッシェケース(縦 406mm、 横 499 mm、 高さ 192 mm)内にコンパクトな精密電流計を実装――セ
ンサを含めた電流計全体重量は約8.2 kg――することで容易に持ち運びでき、商用コンセントが利
用できない車内や工事現場のような環境でも使えるよう内部バッテリーで最大4時間の駆動を可能と
した(上図参照)。


このポータブル精密電流計と従来型の電流計を用い、測定誤差評価を行った実験結果、上記グラフ
のような評価実験を積み上げ、最終的に開発したポータブル精密電流計の測定精度を 0.1%程度
と評価した。これは従来型と比べて約10倍の精度向上し、つまり計測電流値が低くなるほど、従
来器の誤差は大きくなるという特徴があることがわかる。
 



開発経緯は詳細はわからないが、寺田電機製作所の「特開2015-232489  電流測定装置」(上図)
見る限り基本的な考え方は同社にあり、技術改良(開発)に当たり、その評価方法(評価装置)は
産総研の「特開2011-226819  電流比較器」(下図)の例のように超精密な評価技術を応用したの
では――産総研の微小な磁場測定技術、例えば、超伝導量子干渉素子(Superconducting Quantum
Interference Device:SQUID)――を利用し開発したのではと考える。

※ 超伝導量子干渉素子とは、ジョセフソン接合を用いた素子(磁気センサ)であり、微小な磁場
  を測定するのに使用される。「dcSQUID」「rfSQUID」の二種類があるが、 最も高い感度を備
  える磁気センサとして、超伝導の状態にあるリングに外部から磁界を加えると、リングにはそ
  の磁界を打ち消すように電流(遮蔽電流)が流れ、リングの一部に細い部分(ジョゼフソン接
  合)を作っておくと、そこにわずかな遮蔽電流が流れただけで超伝導の状態が崩れ、常伝導の
  状態となって、細い部分に電圧が生じる原理を利用したもので、わずかな磁場の変化に対応し
  て電圧を取り出すことができる。 
 

   

【帝國のロングマーチ 29】    

           

 

● 折々の読書  『China 2049』47         

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」    

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
  

常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。  

【目次】    

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
   

    

    第10章 威嚇射撃


                       百聞不如一見――百聞は一見にしかず
                       
                            『漢書』趙充国伝                                        
                                                                                         


※ 百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事
   情勢は離れたところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策
   を図
りたい) 

   Dec 03, 2012

   2009年になっても、同僚とわたしは、中国人はアメリカ人と同じような考え方をすると
  思い込んでいた。中国はアメリカや近隣諸国に対して攻撃的な態度をとりは
じめたが、わたし
 たちからすればそれは思いがけないことであったし、中国が主張を
強める背景に、より大きな
 計画があるとは思ってもみなかった。疑わしきは罰せず
と、数々の疑惑を好意的に解釈したの
 はわたしだけではなかった。結局、マラソン戦
略に対するわたしの理解は、ゴールを急がなけ
 ればならない理由はない――少なくと
も今しばらくは、というものだった。偶然続いたかのよ
 うな、中国が主張を強めた――
連の出来事は、アメジカで論争の鮪となったが、中国のメッセ
 ージには、それらの出
来事をつなぐ連続的パターン、つまり戦略は存在しない、とされた,こ
 れは、中国に
大規模な戦略はないという従来のメッセージと一致していた。実際、アメリカに
 詳し
い中国きっての国際政治学者、王脚思は、フオーリン・アフェアーズ誌にこの問題に関す
 る小論を絨せた(注55)。

  同僚とわたしは、中国が覇権国アメリカを挑発しようとするはずはないし、中国の経済力と
 軍事力がアメリカを威圧するには少なくとも20年かかる、と見ていた。これ
らすべてが意味す
 るのは、中国は決して、近隣諸国やアメリカに攻撃的な態度をとっ
て自滅したりはしない、と
 いうことだ。だが、2014年までに、アメリカ政府当局
者は連邦議会に、まさにそのような
 攻撃的な主張が見られるようになった、と伝えていた。それに気づくのに、なぜこれほど長い
 年月を要したのだろうか。

  アメリカ情報コミュニティとわたしが、中国のより大きな意図に気づかなかった理由の一つ
 は、台湾に対する中国の姿勢が和らいだことを完全に読み違えたところにある。2000年代
 の胡錦濤政権以降、中国は台湾を力で脅すのをやめ、代わりに、より寛大で間接的なアプロー
 チ、主に、経済的に台湾政府に影響を及ぼすという方法をとるようになった(注56)。そうす
 ることで中国は、台湾の与野党、企業のリーダーマスメディア、一般大衆の問に深く入り込ん
 だ。伝えられるところによれば、胡は、台湾を征服するより「買収」するほうが楽で、金がか
 からない、と側近に打ち明けたそうだ(注57),中国と台湾は2009年に「両岸経済協力枠
 組協定]に調印し、経済関係を正常化した。その結果、現在、中国・台湾問を週に約700便
 の定期便が行き来し、2013年には280万人の中国人が台湾を訪れている。さらに、中国
 政府は台湾の財界エリートを味方に引き入れ、その多くは中国・台湾間の友好回復を強く支持
 するようになった。中国びいきの台湾商人が台湾の主要な新聞社とテレピ局を買収し、中国政
 府はこれらのメディアや、財政援助した他のメディアに影響を及ぼしている(注58)。

  2013年の秋に北京を訪れて初めて、わたしは自分たちが間違っていたこと、そして、ア
 メリカの衰退に乗じて、中国が早々とのしあがりつつあることに気づいた。北京は快晴で涼し
 かったが、朝の渋滞は普段よりひどかった。1週間、雨が続いた後の好天だったので、100
 万人を超す住民が町から出ようとしていた。アメリカ大使館から7マイル西にあるブレジデン
 シャルホテルで2日間にわたって会議が開かれ、わたしは5人の将官と60人の国防の専門家と
 会う予定になっていた。遅れたくなかったので、予定より1時間早く車で出発し、天安門広場
 の脇を抜け、政治局の秘密会合センターの前を通る道を選んだ。それが大きな間違いだった。

   天安門前の通りには、動かない車の列が1マイル以上先まで続いていたのだ。ため息をつく
 運転手に、右折して紫禁城の赤い壁沿いに進み、その後左折して近道を北に向かうよう頼んだ。
 車内で、中国語での議論のための覚え書きに目を通した。議題となるのは、現代の軍事カバラ
 ンスで、論客は軍部のタカ派として知られる朱成虎少将である。2005年に、アメリカが攻
 撃すれば、中国には核で反撃する用意があることを明らかにして、世界的なニュースを巻き起
 こした人物だ(注59)。いかにもふさわしいことに、議題の一つは将来の核でフンスと軍縮の
 見通しだった。もうひとりのタカ派、彭光謙少将は、『戦略学』という古典的教科書の著者で、
 力の均衡を評価する方法について述べることになっていた。また、数名の法律学教授が、南シ
 ナ海に関する中国政府の主張の概要を述べるという。

                                    この項つづく

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気になる悪沢岳の天気

2016年08月23日 | 国内外旅行

 

   

      ぼくは全体制的なんですよ。全体制的っておかしいですけど、否定するなら
      全部否定するわけです。
つまり反体制も否定するわけです。

      つまり開かれた反体制だというふうに、ぼく自身はそう思っているわけです。
      だからそこの問題で、ひとつは、ぼくはあらゆる人と対立してしまう。

                     「僧侶--そのあり方を問い直す」/1988.01『仏教』  
 

                                                                                                                                                                                                   
                                                    Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

        ※ この原理を押さえておけば、彼此岸にまたがるの矛盾の陥穽(かんせい)が
         わかるというもの。だが
実際は生易しいものではなく矛盾することも多い。

 

【百名山踏破:悪沢岳(荒川岳)を追加計画】

昨日に続いて、複数選択肢を準備する(理由:うかうかすると1座も踏破できない可能性があり、
チャンスがあればすぐに実行するため)。今回は悪沢岳。

荒川岳は別名荒川三山とも呼ばれ、南アルプス中央部にある前岳、中岳、東岳の3つの山の総称、
そのうちの東岳が悪沢岳――荒川三山という名称は、中岳と前岳を別の山とするのは無理で、三山
と呼ぶのは妥当性を欠き、深田久弥の『日本百名山』での古い記録には「赤石山ハ絶頂三岐シ、荒
川・鍋伏・赤石岳ノ三連峰ヨリ成レル」とあり、このうち「鍋伏」が悪沢岳に、「赤石岳」が赤石
岳に、「荒川」が前岳・中岳に当る。これに従えば、現在の荒川三山は二つの山として数えること
なる。つまり、東岳を別格扱いし悪沢岳と呼んでいるらしいる。荒川岳一帯には氷河によって削ら
れた地形であるカールが数多くみられ、上部は森林限界のハイマツ帯で、非常に多くの高山植物が
自生しライチョウの生息地となっている。

カールの中腹や底は、いずれも大規模な高山植物のお花畑となっており、特に中岳、前岳から荒川
小屋に下る斜面では、規模の大きなお花畑の真ん中を登山道が通っているため、盛夏には花の絨毯
に囲まれながらの登山を楽しむことができる。

南アルプスは、海底の隆起により形成され現在も隆起し続けている。そして、荒川前岳は赤石(山
体の一部がプランクトンを含む堆積岩の赤色のラジオリヤチャート岩盤に由来)山脈の主稜線上に
あり、そこから西に延びる尾根に荒川中岳、悪沢岳(東岳)、丸山、千枚する岳がある。千枚岳か
らは東にマンノー沢頭を経由して大井川の河畔にある二軒小屋ロッジ方面へと尾根が延び、南に千
枚小屋、駒鳥池、蕨段、清水平を経て椹島ロッジ方面へ延びる尾根がある。

駐車場まで車でそこから椹島ロッジまではシャトルバス、ロッジから反時計回りで、滝見橋→千枚
小屋(1泊)→丸山→悪沢岳→千枚小屋→椹島ロッジ→駐車場のピストン。千枚小屋付近は天候が
よければ大きく雄麗な富士山を見ることができるので、気象予想を見て素早く行動することが第一
と心得る。

 

● TMEICが塩害対策仕様の空調機レスPCSを供給

22日、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、米国ハワイのメガソーラー(大規模太陽光発電
所)から、塩害対策仕様のPCS(太陽光発電用パワーコンディショナー)を受注したと発表。受注し
たメガソーラーは、ハワイ州オアフ島に立地、再生可能エネルギー発電事業者のユーラスエナジー
ホールディングスのEurus Energy America社が開発。16年秋頃に運転開始。出力1.667MWの「SOL
AR WARE 1667
」を17台、納入する。供給するPCSの合計出力は、27.6MWとなる。
ハワイ州は、再エ
ネを積極的に導入している地域として知られる。島という立地上、メガソーラーの用地は、沿岸部から近い
場合が多く、塩害対策として、PCSは空調機付きのエンクロージャ(屋外用筐体)に収めて設置してい
たが、今
回採用されたのは、こうした塩害対策が要求される島嶼や沿岸地域向けに開発した機種で、
耐環境性能を向上させた。
ヒートパイプと冷却ファンの併用によるハイブリッド冷却方式によって、
空調機レスを実現している(下図ダブクリ参照)。

 【要約】

電力変換装置(1)は、発熱源(31)を含む電気回路(3)と、発熱源(31)を冷却し、冷媒
が封入されたヒートパイプ冷却器(9)と、冷媒が凍結しているか否かを判定する凍結判定手段(
25)と、凍結判定手段(25)により冷媒が凍結していると判定された場合、出力を制限する出
力制限手段(22)とを備える。

-----------------------------------------------------------------------------------------

尚、同社製PCSの従来からの特長である、電力変換効率99.0%といった高効率性、高信頼性に加
え、空調機レスにすることで導入コストと運用コストを抑え、売電収益の最大化に寄与することが
期待される。

● 世界初!反転層型ダイヤMOSFETの動作実証に成功

電気を効率的な利用に、発電から消費に至るまで多段に亘る電力変換(交流・直流変換、周波数変
換)が行われ、多数の半導体パワーデバイスが用いられている。これら半導体パワーデバイスにお
ける電力損失を低減化することは、省エネルギー化に向けた重要なカギとなる。

さて、ダイヤモンドは、半導体材料として広く用いられているシリコンに対し、ワイドバンドギャ
ップで、融点、熱伝導率(Siの14倍)、耐絶縁破壊性(Siの百倍)、キャリア速度限界、硬度・
弾性定数、化学的安定性や耐
放射線性が高く、電子デバイス材料、特に半導体パワーデバイスの形
成材料として、極めて高いポ
テンシャルをもっているが、ダイヤモンドは、他の半導体材料に対し
て行われているイオン注入法等による不純物ドープが困難で、n型不純物ドープ領域の選択的形成
に課題があり、目的に応じたデバイス設計ができなという問題があった。

  

今回、研究グループは独自の手法で母体となるn型ダイヤモンド半導体層および酸化膜とダイヤモ
ンド半導体層界面の高品質化に成功しました。それらを用いた反転層チャネルダイヤモンドMOSF
ET
を作製し、その動作実証に成功する。
将来、ダイヤモンドパワーデバイスが自動車や新幹線飛行
機、ロボット、人工衛星、ロケット、送配電システムなどに導入されることで、ダイヤモンドパワ
ーエレクトロニクスの道を切り開き、省エネ・低炭素社会への貢献が期待されている(下図及び特
許参照)。これは面白い!


特開2016-103651  ダイヤモンド半導体装置及びその製造方法

1.特許5454867  単結晶ダイヤモンド基板 
2.特許5152836  ダイヤモンド薄膜積層体 
3.Inversion channel diamond metal-oxide-semiconductor field-effect transistor with normally off character-
   istics
 Scientific Reports 6, Article number: 31585   doi:10.1038/srep31585

 

    

【帝國のロングマーチ 28】    

           

● 折々の読書  『China 2049』46         

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」    

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
  

常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。  

【目次】    

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
   

    

    第10章 威嚇射撃


                  百聞不如一見――百聞は一見にしかず
                       
                           『漢書』趙充国伝                                        
                                                                                         


※ 百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事
  情勢は離れたところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図
  りたい) 

 A program to improve analytic methods related to strategic forces

   中国は日本を悪者扱いするために、日本の富と、アジアでのアメリカの主要な同盟国という
 立場は、第二次世界大戦から不正に得た利益の産物だというメッセージを送った。ロンドン・
 スクール・オブ・エコノミクスのアルネ・ウェスタッド教授は、この現象を「国の認可を受け
 た、敵意に満ちた新手の反日ナショナリズム」と呼ぶ(注37)。「儒教圏一にある国々は、中
  国のリーダーシップを当然のものとして受け入れ、占い帝国を復活させたり、アメリカなど異
 質の覇権国と協調したりしないというのが中国の見方だ(注38)。2013年8月に行われた、
 中国と日本の国民が互いの国をどう見ているかという調査の結緊を見れば、論点がよりはっき
 りするだろう(注39)。



  中国日報と日本のシンクタンク「言論NPO」の委託によるこの調査は、日本人1805人
 と中国人1540人に、互いの国に対する考えを間いた。その結果、90パーセント以上の中
 国人回答者が日本を好意的に見ておらず、その割合は前年の62パーセントから驚くほど増加
 していた。同様に、日本人回答者の90パーセントは中国に対して好意的でないか、どちらか
 と言えば好意的ではなく、やはり前年の84・3パーセントより増えていた。敵対心はそれま
 での9年間に毎年行われてきた調査の中で、最高レベルに達した。敵対心が著しく増した理由
 を尋ねられると、中国人回答者の77・6パーセントと日本人回答者の53・2パーセントが
 尖閣釣魚諸島問題が理由だと答えた。

  それに続くもっとも一般的な理由は、歴史に関する怒りだった。中国人の63・8パ-セン
 トが「中国を侵略したことについて日本がきちんと謝罪しておらず、自責の念を示していない
 こと」を、日本を否定的に見る理由の1つとして挙げた。だが、今回の調査結果の中で、最も
 不百に思えるのは、中国人の52・7パーセントと日本人の23・7パーセントが、いずれ日
 中の軍事衝突が起きると考えていることだ。中国が日本に対して自己主張を強めることは、中
 国のマラソン戦略の長期的目標にとっては、逆効果かもしれない。中国が今なおアメリカとい
 う覇権国を恐れているのであれば、用心深く戦略的な中国の指導者が、近隣にあるアメリカの
 友好国を刺激するとは思えない。ある意味、日本との戦いは、アメリカに対する密かな代理戦
 争なのかもしれない,もし、中国が日本を衰退させることができれば、衰えつつある覇権国を
 さらに弱体化させることができるだろう。

  2013年、ますます横暴になっていく中国に対抗するために、アメリカと日本は安保体制
 の強化に合意した,「アメリカは今後も環太平洋地域で重要な国でありつづける」という決意
 を表明するためだ,この合意により、米海軍の偵察機が日本に送られ、尖閣諸島一帯をパトロ
 ールすることになった。アメリカのジョン・ケリー国務長官とチャック・ヘーゲル国防長官は
 自ら東京を訪れ、合意書に署名した。アメリカは尖閣諸島を巡る諭争でどちらかに見方するこ
 とを拒んでいるが、日米安全保障条約は日本が攻撃された場合、その防衛に協カすることを誓
 っており、それが尖閣諸島にも適応されることをオバマ政権は保証する、とヘーゲル国防長官
 は明言した。
 

  日本の指導者たちは、平和憲法の改正について率直に語った。日本国憲法は国際紛争を解決
 する手段としての軍隊を禁じており、日本は国家を守るための必要最小限の
軍隊だけを許可し
 ている。普段は慎重な日本人が、中国との戦略的競争と、その地域
で中国が危険なほど主張を
 強めていることについて、はっきりと語った。中国は日本
の軍事増強の可能性に激しく反応し
 た。第一次世界大戦に先立つ、英・独海軍の軍拡
競争が再現されるのを恐れたのだ。もっとも、
 注日すべきは、日本の軍事情勢につい
て中国が常に否定的な見方をしてきたわけではないとい
 うことだ。1970年代、中
国は日本に対して、防衛費をGNPの1パーセントから3パーセ
 ントに増やすよう助
言した,1978年、郵小平は日本からの代表団に「日本の自衛隊の増強
 に賛成」だ
と語った(注40)。当時の中国は、ソピエトに対抗するために、新しい同盟国を探
 して
いたのだ(注41)。しかし、10年後、勢は変わり、1988年、国家安全に関する郵の
 助言者である宦郎は、日本を激しく非難した(注42)。

  日本の民主主義はぐらつくのではないか、という疑念が中国には根づいている。多くの中国
 人学者は、現在では日本の右派の大半は「日本国憲法を修正し、古い天皇制
を復活させたがっ
 ている一と考えている。中国人アナリストは、日本の政治家が靖国
神社に参拝することを繰り
 返し批判する。靖国神社は1867年から1951年まで
に亡くなった戦没者を祀る神社で、
 第二次世界大戦の戦犯も多く祀られている。アナ
リストたちは、参拝は「中国への侵略を進め
 るために日本人の精神を一つにまとめ
る」目的で利用されている、と書く(注43)。多くの中
 国の戦略家は、日本が軍事力を
増強すれば「制御できなくなる」と主張する(注44)。

  将来、日本が軍国主義になることを中国は危惧している。1988年に、おそらく中国で最
 も有名な超ナショナリストの著述家で李鵬首相の助言者でもある何新が、日
本は資源を略奪す
 るために中国を「植民地化一しようとするだろうと予測し、こう言
い足した。
 「19世紀以来、日本は、古くからある世界戦略の目標を決して捨てなかった(中略)同様に、
 戦略の布石として、日本は中国を完全に分割し、孤立させようとするだろう
注45)」

  その後、1995年11月に中国は、沖縄の米軍基地の閉鎖を要求し冷戦が終わっ
た現状に
 あって、日米間の相互陥力と安全保障条約は必要なのか、と疑問を投げかけ
た(注46)。中国
 国家防衛戦略研究所の研究員である陸廣業は次のような警告まで発し
た。
 「北大西洋条約機構(NATO)圏と日米の軍事同盟は、悪事を働く暴君を手助けするニつの
 暴力組織になりさがった(注47)」
  
党の歴史あるシンクタンクである現代国際関係研究所の副所長、陸忠偉は、「アジアの外交
 の歴史において、強い中国と強い日本が共存したことはない」と指摘する(注48)。中国社会
 科学院の高恒も、アメリカの占領は日本の軍国主義を根絶しなかった。
と見ている。さらに高
 恒は、アメリカは占領時にソビエト連邦、北朝鮮、中国に対抗するために日本を利用したかっ
 たので、「日本の国内機構と軍事機構(名称は変わったが)のすべてを存続させた」と主張す
 る(注49)。中国の学者たちは、「日本は中国の所領政策を妨害し、南沙(スプラトリー)諸
 島と釣魚(尖閣)諸島の領有権に干渉している」と言いつづけてきた注50
)。いわゆる「宮
 沢ドクトリン」は、欧州安全保障協力会議を手本としてアジアの安全保障上の問題を話し合う
 フォーラムを作ることを提言したが、中国の封じ込めを薄衣で覆ったものにすぎない、と中国
 の著述家たちから非難された。1993年にニューヨーク・タイムズは、中国の高官からの情
 報として、日本本の軍事力に対抗する5ヵ年計画にあてるための追加予算を軍部が要求した、
 と報じた(注51)。

  中国にとって目下の気がかりは、日本がアメリカと協力して対弾道ミサイル防衛システムを
 開発・配備することだ。日本が核兵器と航空母艦を獲得しようとしているとの詳細な情報も流
 れている(注52)。また、中国の軍事アナリストは、日本はすでに「航空母艦の機能を持つ」
 輸送艦を所持していると主張する(注53)。核兵器についても、将来、日本はインドと同様に
 核保有国になると予測するアナリストもいる。「日本に核爆弾を作る能力があることは間違い
 ない……日本は、国際的な監視をかいくぐって、核兵器の秘密研究を進めることができるはず
 だ」と中国軍事科学院が発行する定期刊行物『ワールドーミリタリー・トレンド』に丁邦泉は
 書いた(注54)。

今回もコメントなしで次節へ。

                                    この項つづく

 

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登山の必要水分量

2016年08月22日 | 時事書評

 

   



               たいていの場合、60代は真っ盛りです。
で、70代が終わって、
               この続きでいくだろう、と思ってると、ちがっちゃうんです。
               急に、年寄りになるんですよ。

            いまの年寄りは、体のほうだけ成長というか、
               老いていって、寿命は延びていって、精神のほうは成長しないです。

 

                                                                 
                                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

 



● 登山の必要水分量

台風9号は暴風域を伴い関東北部から東北を北上し、あす23日朝までには北海道に上陸する見込
みだが、台風9号周辺の発達した雨雲により、関東では24時間雨量が8月の1か月分に相当する
大雨となっている。22日午後2時50分ごろ、東京都渋谷区のJR山手線原宿駅で、首都圏に上
陸した台風の強風のため線路脇の樹木が倒れて外回りの架線に当たり、外回りの運転を見合わせた。
その後、内回りも運転を見合わせ、全線でストップ、同6時半、内回りのみ運転を再開したという。
JR東日本によると、全面復旧は午後7時半ごろの見通し。また、午前11時20分ごろ、東京都
東村山市廻田町3の西武多摩湖線の武蔵大和駅付近で土砂崩れがあり、電車が脱線。警視庁などに
よると、乗客6人が乗車していたが、けが人はいないという。同線は全線で運転を見合わせている。
台風9号による雨や風の影響とみられ、西武鉄道が復旧作業をしている。

 

ところで、甲武信岳の日程を午前中に計画するが、8月今週の木・金曜日は晴天なのだが、都合が
悪く、いまのところ9月中旬の焦点を合わせ天候次第ということで宿泊所を調べ、電話し予約状況
やキャンセル料金など問い合わすが、空いているので当日の予約でかまわないとの返事をもらい、
家庭都合の調整に入る。こちらの方が難航?
 で 今夜のところ未定。



今日は「越後駒ヶ岳」のテレビ録画を見ながらのルーム・ウォーキング。登山家でインストラクタ
(番組のナビゲータ:男性)が頂上につくと、山頂で二人連れの年配の女性の登山者がこの越後駒
ヶ岳で百名山を踏破ですと言ってナビゲータ(を交え三人で缶ビールで乾杯していたが、この日を
迎えるまで45年かかたと語っていたが、一年平均2・2座のペースで踏破していることになる。
そう、この「45年」というのが、わたしには、何とも素晴らしい響きをもって耳に届く。また、
越後駒ヶ岳の麓は、1000戸ほどが立ち並ぶ銀山の街があったことも初めて知る。また、熱中症
予防に必要な水分量の計算方法(必要水分量=体重×移動時間×5グラム)も教えてくれためにな
った(カッコつけ程度に、英会話の録画も流す)。

   

【帝國のロングマーチ 27】    

           

● 折々の読書  『China 2049』45         

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」    

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
  

【目次】    

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
   

   

 

    第10章 威嚇射撃

                        百聞不如一見――百聞は一見にしかず

                                                 『漢書』趙充国伝


※ 百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事情勢は離れた
  ところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図りたい)
 

 A program to improve analytic methods related to strategic forces

  米中間で、力のバランスの解釈が異なるのも無理はない。何といっても両国は、異なる戦略
 環境で作戦を練り、異なる脅威に直面しているのだから。国力を評価する際に重視する要素も、
 当然ながら異なる(注15),1982年に、アメリカ国防総省総合評価局の局長、アンドリュ
 ー・マーシャルは、ソビエトとアメリカで戦略的バランスの評価が異なることについて、次の
 ように述べている。

   戦略的バランスを評価する土台となる要素は、ソビエト流の評価に最も近 いものである
  べきだ。もっとも、土台となる要素を変えても、アメリカ流に評価したのでは意 味がない
  (中略)むしろ、可能な限り、ソビエトが最も可能性が高いと考えるシナリオに沿って、ソ
  ピエト式の基準や方法で結果を評価し、ソピエトが構築するように構築した評価であるべき
  だ(中略)。一方、ソビエトが行う予測は、シナリオも目的もアメリカのそれらとは異なり、
  アメリカと異なる変数に注目し(中略)異なる計算をし、異なる測定手段を用い、ことによ
  ると評価の過程や方法も異なるだろう。その結果、ソビエトの評価は、アメリカの評価とは
  大きく異なるものになる(注16)。

  さらに、勢力バランスにおける各国の相対的位置づけは、主観的解釈によるところが大きい
 という以上に、後の時代に振り返ってようやく見えてくるものだ。かの偉大なる英国の政治家
 ボリングブルック卿は、次のように述べた。

   力の大きさが変わる時点は、普通に見ていてはわからない。力を増しつつある者は、己の
  力を実感しておらず、それを確信することもない。そうした確信は、後に成功体験からもた
  らされるものだ。この力のバランスの変化に強い関心を寄せる者は、同じ先入観から、同じ
  ように 判断を誤ることが多い。もはや脅威ではなくなった力を恐れつづけるか、日ごとに
  侮れなくなっていく力を恐れないかのどちらかだ(注17)。



  勢力バランスの評価が本質的に主観的でることから、アメリカの学者の中にはバランスが中
 国に傾いた、あるいは将来傾きそうだ、という考えを否定する人もいる。タフツ大学のマイケ
 ル・ベックリーは2011年に「アメリカは衰退してはおらず、それどころか、1991年に
 比べて、中国より裕福で、より革新的で、軍事的に強力になっている(注18)」と述べ、「中
 国は力をつけてきてはいるが、追いついてはいない」と断言した(注18
)。言うまでもなく、
 アンドリュー・マーシャルとボリングブルック卿の考察はどちらも、中国とアメリカによる自
 国と相手国の力の評価について言えることだ(注20)。

  さらに言えば、国が違えば、勢力バランスの評価は違ってくるので、中国政府は、アメリカ
 が認めるよりずっと早い時期に、自国がリードしていると考えはじめるかもしれない。マラソ
 ンの最後の数十年間に、このずれは相互への誤解を生じさせ、それが戦争につながる恐れが
 (注21)。

  マラソンでの勝利が見えてきたので、現在の中国は、より大きな野望を抑えつつ、いっそう
 好戦的になる余地があるかどうかを検討している。差し迫った優先事項は自国の近辺にある。
 周辺の海では、南はベトナム、フィリピン諸島、マレーシア、ブルネイ、東は日本との問で緊
 張が高まっている。
  2010年以降、中国は数百年前の地図をひっぱり出してきて、束シナ海と南シナ海の島々
 との歴史的つながりを主張し、領海の拡大を正当化しようとしている。2010年5月にアメ
 リカとの酋脳会談で、南シナ海に浮かぶスプラトリー諸島の権利を主張し、豊富なエネルギー
 源と漁業資源を有する何万平方マイルにもわたる海を自らの排他的経済水城に加え、領海をベ
 トナムやフィリピンの海岸近くまで広げようとした(注22)。



  ヒラリー・クリントン国務長官が、中国とその南の国々との諍いを仲裁しようとするアメリ
 カの意向を伝えると、中国は怒り、数カ月にわたってベトナムとフィリピンの船舶に嫌がらせ
 をした(注23)。フィリピンの大統領ベニグノ・S・アキノ三世はこの状況を1938年にチ
 ェコスロバキアが直面した状況にたとえ、「人はどの時点で『もう十分』と言うのか? 世界
 はそれを言わなければならない。第二次世界大戦を回避するためにヒトラーに引き渡されたズ
 デーデン地方(チェコスロバキア北西部にあり、ドイツ人が多くいたため、ヒトラーが割譲を
 求めた)のことを思い出していただきたい」と述べた(注24)。中国はアキノ大統領の発言を
 「きわめて侮辱的だ」と評した(注25)。

  Bloomberg News June 10, 2011

  しかし、最も緊張が高まっているのは、日本との関係だ。中国の著述家の中には、日本人は
 「雑鮪」で、日本はアジアにおけるアメリカの代理国だと考える人もいる。その上、第二次世
 界大戦中に中国を占領した日本軍の残酷な行為に対する怒りも、根強く残っている。束シナ海
 では、日本列島から西へ延びる一連の島々で衝突が頻発しており、全面的な海戦へと発展しか
 ねない。

  2010年9月7日、中国では釣魚島、日本では尖閣諸島と呼ばれる諸島の近くで、中国漁
 船と日本の巡視船が衝突した。中国政府が強く反対したにもかかわらず、日本の海上保安庁は、
 中国漁船の船長と船員を拘束し、連行した(注26)。これに対して中国は、日本へのレアアー
  ス輸出を大幅に削減するとともに、軍が管理する立ち入り禁止区域に侵入したとして4入の日
 本人を逮捕した(注27)。

  NOV. 2, 2012


  驚いたことに、2年後、6隻の中国の海洋監視船が2グループに分かれて尖閣諸島地域に侵
 入し、うち4隻が日本の巡視船の警告を無視して航行を続けた(注28)。中国は、領海をそれ
 らの島々の周囲にまで拡大するという声明を出し、その海域での巡回を始めた(注29)。この
 事件を皮切りに、中国は諸島の周囲を継続的に巡回するようになり、数週間にわたって巡回す
 ることもあった。諸島から14マイル以内への侵入もたびたび起きた(注30)。尖閣諸島に含
 まれる個人所有の島々を日本政府が購入すると、中国全土で反日の抗議行動が勃発した(注31),
 北京の日本体使館を数千人が取り囲み、他の多くの都市でも抗議行動が起きた(注32)。中国
  政府は「日本は中国の権利を侵害したのだから、中国の市民が意見を表明するのは極めて当然
  のことである」との声明を出し、抗議を後押しした(注33)。



  2013年11月23
日に中国の国防部が東シナ海に防空識別圏(ADIZ)を設定すると
 発表するにいたって、ついにアメリカは何らかの手を打たなければならなくなった。過去にお
 いて、日本やアメリカを含む他の国も、それぞれADIZを公表してきたが、中国の場合は非
 常に厳しい要求を掲げ、その圏内を飛ぶ航空機に、身分を明かし、飛行計画を提供することだ
 けでなく、飛行中に中国のADIZ管理機構と無線連絡を取り続けることまで要求した(注34)。
 中国政府の発表の直後、喜ばしいことに、アメリカの国防長官チャック・ヘーゲルは、2機の
 
52超大型戦略爆撃機が中国のADIZ上空を飛ぶことを許可し、中国政府の要求をアメリ
 カが認めないことを明らかにした。中国は抵抗しないはずだとヘーゲルに言うしたのはわたし
 だった。

 SEPT. 16, 2012

  日本の抗議に対して、中国の外交部は「日本には、無責任な意見や悪意のこもった言いがか
 りを中国にぷつける権利はない」「中国の領土統治権を傷つける行為をすべてやめるよう日本
 に要求する]と述べた(注35)。日本の安倍音三総理大臣は、2014年1月にスイスのダボ
 スで聞かれた世界経済フォーラム年次総会で、東シナ海諸島を巡って緊張が高まる日中の関係
 を、第一次世界大戦前のイギリスとドイツの緊張にたとえて、論争を引き起こした,イギリス
 とドイツが、現在の日本と中国のように経済的に強く結びついていたにもかかわらず、191
 4年に戦争に突入したのは誰もが知るところだ(注36)。

  中国のマラソン戦略が実行可能かどうかを測る試金石となるのは、日本が西の領海でますま
 す攻撃的になる中国にどう対処するかということだろう,少なくともこれまでの20年間、中
 国政府は、ライバル国(この場合は日本)のタカ派を卑劣な手段で攻撃するという戦国時代の
 戦略を推し進めてきた。日本を悪者にする作戦をアジア全域で開始し、日本国内の聴衆にもそ
 のメッセージを浴びせた。その内容は今も変わっていない。「日本のタカ派は密かに1930
 年代の軍国主義を復活させようとしている。それを看破し、タカ派を政治的に無力にしなけれ
 ばならない」というものだ。

この当時、このブログで(「CRAKの尾っぽ」2012.09.15)、次のように書いている。

  日本政府が尖閣諸島の国有化を決めて初めての週末となるが、中国全土のおよそ40カ所で
 反日デ モが行われている。デモ隊は一部で暴徒化し、警察当局を攻撃するなど、当局の制御
 が利かない事態
 も起き始めているという(中略)尖閣列島事件はどうだろうか。今回の事変で邦人の
 生命が失われたとした誰に引責があるのだろ? そんなことを考えていたら“CRAK”(ク
 ラック)という言葉が浮かんだ。勿論、Cとは
中国、Rとはロシア、Aとは米国、Kとは韓国あるい
 は北朝鮮だ。日本を含めたこの周辺関係国の特徴の1つは、まず、米ソ冷戦構造の後遺症が色
 濃く残ることだ、つぎに太平洋戦争での敵対国であり、濃淡の差はあるが抗日ナショナリズム
 の後遺症、続いて、それ以前の欧米列
強の植民主義あるいは帝国主義の後遺症で、これらの残滓
 が堆積し宗教的色合いを残していると言いたいのだが、こんなことも考えた。これも吉本隆明
 だったが「猫の額ほどの植民地を巡っての帝国主義戦争は終焉した」というのだが、残念なが
 
気がつけば宇宙と海洋(海底)においてはその余地が残ってたというわけで、新しい形態の
 それが リバイバルするかのように、わたしたちの前に立ちはだかったというわけだ。斯くし
 て、司馬遼太郎の
『坂の上の雲』はいま中国と韓国にあるというわけなのだろう。少なくとも
 そのよう に考えると見えないものが見えてくるようだ。

軍事力を持って領土を奪い合う帝国主義的な外交破壊の「素地」が残っていたのだと、初めて書い
ている。勿論、本著書は念頭になかった上である。従って、本書の表題の「中国のマラソン」は、
ここでは「帝國のロングマーチ」と書き換えられることになる。先を急ごう。

                                                      この項つづく 

 

 

 

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里山IT革命!

2016年08月21日 | デジタル革命渦論

 

   

      やはり自分たちに固有なものと「世界普遍性」の二重性をもたなければいけない。
            真似
だけに終わらずに、ナショナルなところと「世界普遍性」の二重性を発見す
            ることがで
きるのは、中途半端な国の特色であり、いいところですよね。そのた
            めにはもちろん、
何が世界普遍的なのかをつかんでいなけ ればなりませんね。
       
                           「
トルコ戦に負けて考えたこと」 2002.06.23 文学界
 
      
※ キーワード:ワールドカップ・サッカー/国民国家/模倣/アフリカ的段階


                                                       
                                            Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 


IT関連の仕事東京暮らしの生活から抜けだし米国生まれのクリス・ハリントンら3名が田舎の自
然を求め移住。いまでは翻訳業を行いながら里山生活をを満喫。仲間3人の専門技術を生かし、田
んぼの水位を計るセンサーを開発し実証実験――スマートフォンなどにいつも田んぼの状況がデー
タで送り生産性を高める―――を重ねている。しかも装置が完成した暁にはそのシステムを全てイ
ンターネットで公開したいというのだ。自分たちのだけでなく、地域みんなのために役立てたいと
話す。地元の人とのつながりが、田舎暮らしにとって何よりも大事なことだと考えるハリントンら
の思いが詰まった夢の紹介である(NHK BSプレミアム「晴れ、ときどきファーム:仲間と楽
しみながら 里山にIT革命を 里山移住SP!」2016.08.19)。



これは、稲作自然光農法の用水遠隔管理法(定点水位監視法)の開発の1つであるが、これはドロ
ー(無人飛行体)によるGPS利用した移動多点監視法とは異なるが生産性向上あるいは超高齢社
会における省力化対策となるが、これたの実証実験は対象地区の気象、地形に大きく影響するから
その特徴抽出(ビッグデーター処理)の獲得には結構時間がかかるだろう。これに、「ソーラーシ
ュリング」「オールソーラーシステム」「植物工場(自然光型+人工光型)」「オールバイオマス
システム」「スマートキャンティ」構想を絡めると「未来の里山」イメージが見えてくるだろう(
ただし、大規模気候変動などの地球温暖化によるリスクが甚大であれば頓挫もありうる)。いずれ
にしろ、里山のデジタル革命渦論(=IT革命)のひとつの事例の成功は、世界を席捲すること間
違いない。もっと、里山生活を豊かに、快適に!と。

 

 

【オールソーラーシステムの此岸:蓄電池と太陽光発電で電力を安く使う】

NEDOは9年前の07年度から「新エネルギーベンチャー技術革新事業」を推進してきた。太陽光
発電をはじめとする再生可能エネルギーと燃料電池・蓄電池を対象に、ベンチャー企業が開発中の
有望な技術の実用化を後押し、技術開発の進捗状況によって4つのフェーズに分けて支援対象を選
んでいる(上図参照)。

新しい蓄電池システムの開発に挑むベンチャー企業は、太陽光発電システムの開発・販売を手がけ
Looop(ループ)と、太陽光発電のシミュレーションサービスなどを展開するアリョールの2社
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「新エネルギーベンチャー技術革新
事業」――太陽光発電の余剰電力と夜間の商用電力を蓄電池に充電しながら電気料金を大幅に削減
する手法を開発する。独自の制御手法を組み込んだ蓄電池システムを17年に販売する計画――に
共同で申請して採択を受けたという(スマートジャパン 2016.08.12 )。

この事業計画の背景には、現在すでに数多くの住宅に太陽光発電システムが広がったものの、蓄電
池を併用して余剰電力を有効に活用する取り組みが進んでいないことがあるというので、申し訳な
いが実態を知らずに、そんなものかと驚く。裏を返せば、なぜ、そんなに難しいのかと不思議であ
った。プロジェクトに先立って実施したシミュレーションの結果、蓄電池を最適に制御することこ
で、太陽光発電の電力を最大限に自家消費しながら電気代を削減でき、電気料金が高い昼間は太陽
光発電と蓄電池から電力を供給して、夜間には安い商用電力を購入して蓄電池に充電するというも
の技術的な課題らしきものは見あたらないといのが率直な感想。いつもの過剰適応症?なのか、よ
せばいいのに関連特許を検索してみる(参考:下記図「特開2012-244828 独立運用型電力供給シス
テム」)。この例をふまえ、夜間料金の電力を使用しつつ不要な装置機器を削除すれば廉価で最適
なシステムが構築できるだろう。



系統母線に接続される太陽光発電装置と調整電源装置と蓄電装置とを備え、この系統母線に接続さ
れる負荷に電力を供給する独立運用型の電力供給システムで、この調整電源装置と蓄電装置の制御
装置のそれぞれが、カレンダー情報自端の計測情報により固有の分類条件のそれぞれに対し、予
め作成した各装置の出力分担を定める基準運転パターン群が保持される記憶部と、現在日時と現在
の自端の計測情報とにする現在の分類条件に対する基準運転パターンを基準運転パターン群のなか
から選択、選択した基準運転パターンにより定めらた出力分担を現在の自端の計測情報を用いて補
正し、自装置の制御対象の補正後の出力分担を算出し、制御対象を運転制御する制御部とをもつ。

また、この調整電源装置と蓄電装置には、日射量と外気温との計測手段を備え、計測手段で計測す
る日射量と外気温とを自端の計測情報として用いるものとすることで、
再生可能エネルギーを利用
する独立運用型の電力供給システムにおいて、各発電装置と蓄電装置が自端の情報を用い運転を行
いつつ、安定かつ経済性に優れた運用を実現する

  Aug 19, 2016

  Aug. 17, 2016



【異常気象時代の此岸:カリフォルニアで同時森林火災と洪水】

どうやら、今年の夏は日本だけでなく、世界的な異常気象に見舞われているようだ。米国のカリフ
ォルニア州などの南東部では今月7日から14日かけ、48時間に500ミリメートルもの千年に
一度の記録的な集中豪雨見舞われ、16日には、ブルーカット火災では約26平方キロメートルの
森林面積を消失、また、7日以降、東部は38℃以上の猛暑に見舞われている。

Aug 15, 2016

それでけではない。ロシアでは気温の上昇による永久凍土の融解により、氷の中で眠っていた炭疽
菌が冷凍を解かれて、活動を開始したため現在少なくとも子ども12人が死亡。トナカイ1200
頭の死亡を確認している。さらに12日、
シベリアン・タイムズは、同じことが「他のウイルス」
でも起きる可能性を、ロシアの多くの科学者たちが指摘し、特に
天然痘の再流行が懸念されるとい
最近になって流行が再発した炭疽と同じように、融解した永久凍土の中から天然痘が復活する
懸念が非常に大きくなっているとか。
ロシアでの最後の天然痘流行は、120年くらい前で、人や
牛などの遺体があまりにも多いので「永久凍土に埋められ、シベリアの永久凍土がすごいペースで
解けているため「天然痘の復活」のリスク問題として持ち上がっている
(下写真)。とても、怖い
事実が次々と舞い込んでこる昨今である。

  Aug 12, 2016

 

【スポーツ工学の此岸:総合科学としてのオリンピック】

● 桐生祥秀 アジア新記録37秒60 400メートルリレーで銀メダル

「一月の河」でのオリンピックの話題でもちきり。滋賀も リオデジャネイロ五輪に出場した県出
身の陸上男子400メートルリレーの桐生祥秀選手(20)とシンクロナイズド・スイミングのチ
ーム主将の乾友紀子選手(25)を応援するパブリック・ビューイング(PV)が20日、彦根市
と近江八幡市でそれぞれあった。桐生選手は銀メダル、乾選手は銅メダルを獲得し、会場は喜びに
沸く。陸上男子400メートルリレーはバトンリレー技術で勝ち取ったといえるが、それと同時に、
零式戦闘機の技術とオーバーラップさせるものがある。次回は研究されてくるからそれを上回る訓
練を重ね実証する必要がある。また、今回、ケンブリッジ飛鳥が加わったことで、欧米化が加速し
そうなのも特徴だろう。こうしてみると、オリンピックは、シューズなどの備品・ユニホームなど
改良技術やトレーニング技術とそれに使われる解析ツール、脳神経と身体・精神の総合的制御(肉
体改造・スポーツ支援医療技術を含め)技術の改良の総合的科学とその応用技術、いうなれば第5
次産業の萌芽と関連していることを強く印象づけた大会だったように思う。長生きはするものだ。

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量子ドット型波長変換粒子

2016年08月19日 | デジタル革命渦論

 

   

     現在あるべき妥当な税制の原型は、税全体の中で消費税を六割から七割に、所得
     税を
四割から三割の比に改定することだという原則が、わたしの考え方の延長線
     から当然のように出てくる。そして税の理想的な最終形態は所得税ゼロ、消費税
     十割となることは論をまたない。この原則と理想を、創り出されるべき税制度の
     無意識の原型として踏まえたうえで、所得税を限りなくゼロに近づくように大幅
     に激減させながら、消費税に徐々に切り換えてゆくというのなら、わたしはそれ
     が最良の税政策だとかんがえている。

                  「税と景気のはなし:情況との対話 第十三回」
                                
                              サンサーラ 1994年

                                                                 
                                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

      ※ デフレスパイラル、消費性向、富収奪の経路依存、失業不安と現実社会は、
       モタモタしているうちに円高が迫り、吉本の思いとは裏腹に進行する。
 

   

   

【量子ドット工学講座 19:波長変換粒子の製造方法】

 

数ある再生可能エネルギーの中でも,太陽光発電はとりわけ成長が著しく、急速に普及。その中で
も結晶シリコン
太陽電池が主流。その生産方法と生産量量は今後も改善され、順調に増加していく
と考えられる。太陽光発電のさらなる普及には,発電電力単価の低減が必要であり、変換効率向上
やコストの
低減が喫緊の課題となる。今夜は、結晶シリコン系太陽電池セルの感度スペクトルと太
陽光スペクトルのミスマッチによる損失を改善し,高効率
化を実現する材料として,太陽電池モジ
ュールの封止シートに適
用可能な波長変換粒子(Wavelength Conversion Partide=WCP)について考え
る(図1・2参照)。図2は、日立化成が07年,太陽光の有効利用を目的に短波長の光(紫外線)
を長波長の光(可視光)に変換する蛍光体の研究を開始し、11年に耐久性と光学的な散乱効果など
を解析し,アクリル樹脂粒子内に蛍光体を含有させたWCPか変換効率向上に有効であることを見い
だした波長変換粒子の概念図で、14年に販売を開始している。



蛍光体をアクリル樹脂でカプセル化し、その粒子径と粒度分布およびカプセル中の蛍光体濃度を調
整、WCPは現状封止シートの主流であるEVA(Ethylene-vinyl
Acetate)を始め,オレフィン系やアイオ
ノマー、ポリビニルプチラール等の樹脂を使用した封止シートに適用可能を特徴とする。
WCPをほ
かの添加剤とともにシート作製時に配合し、シート作製プロセスを変更せず、封止シートに波長変
機能を付与。波長変換機能を付与したEVA封止シートを受光面側封止材とし適用したモジュール
で、従来のEVA
止シートを用いた太陽電池モジュールと比較して,変換効率か相対値で2.2%
向上。また信頼性の評価においても従来の
EVA封止シートと同様レベルである(下図参照)。

これに対し、下図の特許事例は、量子ドットを含む波長変換部材を有する液晶表示装置で、(1)
バックライト輝度低下、(2)表示面における表示ムラを抑制するための新たな手段を提供するも
ので、励起光により励起され蛍光を発光する量子ドットを含む波長変換層の波長変換部材で、波長
変換層が、量子ドットと重合性化合物を含む組成物の硬化層で、重合性組成物が、少なくとも一種
の第1重合性化合物を含み、1分子中に含まれる重合性官能基の数Fで分子量Mwを除した値Mw
/Fが130以上で、1分子中に含まれる(メタ)アクリロイル基の数が1つであり、かつ Log P  
が3.0以下である単官能(メタ)アクリレート化合物であり、重合性組成物が、この組成物に
含まれる重合性化合物全量100質量部に対し第1重合性化合物を50質量部以上含有する波長変
換部材。バックライトユニット。液晶表示装置。量子ドット含有重合性組成物。波長変換部材の製
造に関わる方法である。


【符号の説明】

1 バックライトユニット1 1A 光源 1B 導光板 100 製造装置 10 第1のフィルム 
20 塗布部 22 塗膜 24 ダイコーター 26 バックアップローラ 28 硬化層 30 ラ
ミネート部 32 ラミネートローラ 34 加熱チャンバー 50 第2のフィルム 60 硬化部
62 バックアップローラ 64 紫外線照射装置 70 積層フィルム 80 剥離ローラ

特開2016-146460 波長変換部材、バックライトユニット、液晶表示装置、量子ドット含有重合性組
成物、および波長変換部材の製造方法

US 20120113672 A1 Quantum dot films, lighting devices, and lighting methods 

   

【帝國のロングマーチ 26】   

          

● 折々の読書  『China 2049』44        

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」   

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
 

【目次】   

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
  

   

    第10章 威嚇射撃

                        百聞不如一見――百聞は一見にしかず

                                                 『漢書』趙充国伝


※ 百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事情勢は離れた
  ところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図りたい)



  2007年に中国が自国の気象衛星を爆眩したことは、一連の威嚇射撃(アメリカと同盟国
 の決意や、国際的基準で許される限度を試すために行ったらしい意図的な挑
発行為や敵対行為)
 の口火を切るもので、世界のほとんどの国はそれを見逃したり、
無撹したり、訪い逃れしたり
 した。威嚇射撃はその後の数年間でますます厚かましい
ものになっていった。その結果、東ア
 ジアの緊張は、第二次大戦以降でピークに達し
た。

  人工衛星を岐壊した後、中国は、アメリカとその新しい大統領であるバラク・オバマに対す
 る態度を明らかに変化させた。2009年12月、オバマ大統領はコペンハーゲンを訪問した。
 そこには、192カ国の代表が、気候変動に関する新たな地球規模の政策に合意するために集
 まっていた。この首脳会議で目を引いたのは、中国代表団の姿勢が大きく変わったことだ。彼
 らはいつになく無礼な態度を取り、欧米の代表の話を何度も遮り、建設的な意見をほとんど述
 べなかった(注4)。温家宝首相はほとんどの交渉への参加を拒み、他国の首脳たちを鼻であ
 しらった。気候協定の交渉案に西側が期待する公約が含まれることを阻止する付帯決議を、中
  国は他の発展途上の国々とともに採択してオブザーバーたちを驚かせた。それは、全世界の合
  意という会
議の目標に真っ向から歯向かう行為だった(注5)。アメリカ政府の高官によれば、
 中
国はアメリカが主導権を握るのを阻止するべく、会議の最後にオバマ大統領抜きの会合を開
 こうとしたが、オバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官が予告なしにそ
の会場に現れ、
 中国の企みが露呈したそうだ(注6)。

  台湾は長年、米中の諭争のもとになってきたが、2010年1月末、オバマ政権が台湾への
 64億ドルの武器売却を承認したのを機に、中国は、アメリカの長期にわたる
台湾への武器供
  与に改めて抗議し、台湾との関係の根本的な見直しを求めるとともに、今後の武器売却に疑問を投げ
  かけた。中国はアメリカから台湾への武器売却を「中国の内政へのはなはだしい介入」と呼ん
 だ。以前
よりはるかに攻撃的な表現だった。さらに中国は、アメリカとの軍事交流を一時的に
 中断し、台湾に武
器を売却したアメリカの企業に制鋏を加えた(注7)。この圧力に屈して、
 オバマ政権は次に提案された
台湾への高性能のF‐16戦闘機の売却を見送った。この弱腰の
 決断は、連邦議会
議員の批判を招いた(注8)が、その後、オバマ政権は米中間の軍事協力を拡大さ
  せた(注9)。

  中国が主張を強めたのは、勢が中国に有利になり、アメリカの衰退が予想より加速している
 と判断したためだ,さまざまな基準を用いて総合的な国力を評価し、そう判
断したのである(
 注10)。ウオール街から始まり、2008年から2009年にかけて世界
を襲った金融危機は、
 北京では、その後に起きることの前兆と受け止められた。
中国の評論家は、アメリカ経済は持
 ち直すが決して元通りにはならない、これからは世界の経済的指導力はさらに拡散し、アメリ
 カドルヘの依存度は弱まるだろう、と予測した(注11)。勢が自国に有利になるのを待って、
 海外で攻撃的にふるまうようになったことは、それまで戦略として辛抱しつづけてきたことを
 反映している。たとえ数十年侍つことになったとしてもである。

  この中国の打算を裏づける証拠が、2010年に露見した。それは、共産党中央委員会の外
 交問題専門家から中国の役人に送られた4ページからなる機密文書だった。この文書は「今後
 10年間に中国が直面する最も重要な外交政策上の問題は何か?」という問いに答えるものだ
 った。アメリカ政府が入手したその機密文書には、その専門家の回答として、「管理美国衰落
 (アメリカの衰退にいかに対処するか)」と記されており、それに役立ついくつかの戦術が語
 られていた。情報が正しければ、その報告は10年以内に中国がアメリカの経済を超えると示唆
 していた。

  アメリカの衰退に関するもう一つの証拠が、2012年にもたらされた,「軍事的均衡は中
 国寄りに傾いた」と断言するアメリカ政府の調査報告に対する中国の反応である。「中国寄り
 に傾いた」という報告は、2011年にアメリカナショナル・ディフェンス大学が発行したデ
 ヴィッド・C・ゴンパートとフィリップ・C・サンダース共著の信頼できる書籍 The Paradox
     of Power: Sino-American Strategic Restraint in an Age of Vulnerability(力の逆説‥不安定な時代に
  おける米中の戦略的抑制)に記されている,中国政府はその本を翻訳して配布し、海外からの
  客人に、「抑制を提言する趣旨には同意しがたいが、米軍が衰退し、核戦力やサイバー攻撃や
  宇宙兵器において中国がカを伸ばしていることを率直に認めている点は高く評価する」と伝え
  た(注12。中国の役入たちは、その本の結論には驚かされたとわたしに語った。

 

 「中国が地域軍事バランスを自国にとって望ましい方向に変えたことを、アメリカ政府が知っ
 ていると、その本は語っているのだから」
 実際、中国の政界や軍部の実力者の多くは、中国
 が既にきわめて強力になっている
 というアメリカの評価に驚いた。わたしが2012年と20
 13年に北京で耳にした
話では、この調査結果は、軍事バランスの新たな傾きを利用できる時
 が来ているかど
うか、計りかねていた中国の役人たちに、うかつにも証拠を提供してしまった
 よう
だ。

  聞くところによると、その本の「アメリカには、中国の発展を阻んだり、同盟や軍事力で包
 囲したり、米中の冷戦を始めたりするつもりはほとんどない」という主張
を、中国の政府と軍
 部の多くの人は真に受けていないそうだ(注13)。それは中国を欺
いて悦に入らせるための作
 り話だ、というのが彼らの見方だった。それでも、軍事バ
ランスが中国寄りに傾いているとい
 う著者の判断については高く評価していた,と同
時に、アメリカ政府が自国の衰退と、アメリ
 カにとってはうれしくない勢の現状を公
表したことに戸惑ってもいた。そして、ふたりの著者
 はそれぞれ自分の利益のために
本を書いただけ、というわたしの主張を本気にしなかった。

  いくつかの会合で同席した中国の軍当局者や学者たちは、「その本に書かれているのは、著
 者ふたりの私的な提案にすぎず、アメリカ政府の公式な政策ではない]とわた
しが重要撹しな
 いのを聞いて、嘲笑を浮かべつつ、「そんなはずはない。何しろ著者
ひとりは、オバマ政権の
 国家安全保障会議の中国担当主任スタフフであるエヴァン・
メディロスの親しい友人で、論文
 の共著者なのだから」と言った。もうひとりの著者
も、かつてアメリカ太平洋軍司令官だった
 国家情報長官、デェスーブレアの代理を務
めており、中国側から見れば権力を持つ人物だった。


 
  中国人たちは、「これは勢が変わ
って、力のバランスが中国寄りに傾いたことを示すメッセ
 ージだ」と確信していた。
そして、中国の台湾への攻撃を阻止するためにアメリカが核兵器を
 増強しても、中国
もまた核兵器の報復能力を伸ばしているので、その脅しは「すでに効果が弱
 く、今後
ますます無意味になっていく」という、その本の結論に同意した(注14)。しかし、
 
メリカがなぜ、そのような悲観的な結論を公にしたのか、と不思議がってもいた


特にコメントをつけず、次節に移ることに。

                                                            この項つづく

 

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攻めのビーフ・ジャーキー

2016年08月18日 | 医療健康術

 

   

           所得賃金の半分以上を消費に回すような社会の段階で、賃金を得るために
           働いたり、
企業体を運営したりするのは、なぜなのか?そして何のためな
          
のかが解明され、認識されなければならないところに、世界の先進地域国
           家はやってきてしまっている。そしてわたしたちは現在までのところ、
           かな回答をまったくもっていないといっていい


                      
なぜ働くのか:情況との対話 第十二回」サンサーラ 1994                         

                                            
                               Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

               ※ その答えが、「双頭の狗鷲」「百年国債」という構想なのだが。



New study: neonicotinoid insecticides linked to wild bee decline across England Aug 16, 2016

● 世界中で問題視される「ハチの個体数減少」には農薬

16日、英国のCentre for Ecology&Hydrology(CEH) の研究グループは、ネオニコチノイド系殺虫
剤がミツバチやマルハナバチに悪影響を及ぼすという研究結果を公表。これらの研究結果は実地
実験や研究所内での実験など多岐にわたるが、どれも長期的な影響を調べたものではなかったが、
英国に生息する62種類の野生のハチについて、94年から11年までの18年に亘る長期間の
生態追跡調査を行う。

ネオニコチノイド

同研究チームは18年間分の「ハチの分布と個体数」を、ハチのエサであるアブラナの成長パタ

ーンと比較・分析。94年には50万ヘクタールしかなかったアブラナの作地面積が、11年に
は70万ヘクタールに増加。この作地面積の爆増は、英国で02年に作物用のネオニコチノイド
系殺虫剤の使用許可されたことに関係すると推定。ネオニコチノイド系殺虫剤が使用されるよう
になったことで、多くの作物の種子が農薬の影響を昆虫(ハチ)にとっても有害な物質となる。
現在、害虫駆除のためにアブラナ栽培の85%でネオニコチノイド系殺虫剤が利用されている。

    doi:10.1038 

Impacts of neonicotinoid use on long-term population changes in wild bees in England , 16 August 2016 

論文執筆者のニック・アイザック博士は、これまでに報告されていた負の効果は長期にわたって
拡大しくと語る。調査期間、ネオニコチノイド系殺虫剤に起因して調査対象となったハチのうち
34種類が個体数を10%減少していることを確認。また、5種類のハチは20%以上の個体数
が逓減、最も影響を受けた種類は30%も個体数が減少。調査対象のハチ全体では、約半数がネ
オニコチノイド系殺虫剤と関連してその個体数を減少。ただし、研究がネオニコチノイド系殺虫
剤とハチ個体数の減少の関係性を観測するものの、その原因や効果についてはまだ明らかになっ
ていない部分があるとしている。



この研究決壊に対して農薬メーカーは、面白い研究だとしつつも、単一の殺虫剤が野生のハチの
個体数の減少の原因調査期間で栽培されたアブラナのほとんどにネオニコチノイド系殺虫剤が使
用されているが、集約農業(生産性)もまたハチの個体数に大きな影響を与えているため、ハチ
の個体数減少原因とは断定できない。巣の不足や花粉など他のハチの個体数減少の重大要因が隠
れている可能性――ではないとバイエル会社のジュリアン・リトル博士は反論している。

これに対し、スウェーデン・ルンド大学のヘンリック・スミス教授は、広範囲にわたって利用さ
れるネオニコチノイド系殺虫剤のハチ個体数に影響の優れた研究結果であると評価している。ま
た、前出のCEHのベン・ウッドコック博士は、アブラナを栽培には、殺虫剤なしで育てることは
できず、もしも、ネオニコチノイド系殺虫剤が使用禁止されても、代替殺虫剤が使用されるだけ
で、その影響も無視できないだろうと注意を促す。




Published 13 Apr 2016. DOI: 10.1098/rspb.2016.0414

● 大気中の二酸化炭素濃度が上がってハチが減少  

ハチの個体数の減少は殺虫剤だけではない。二酸化炭素濃度上昇によるケースもある。昆虫の場
合、二酸化炭素濃度の上昇で葉っぱに含まれるタンパク質の量が減少し、生命維持のためには多
くの葉っぱを食べる必要となる。
ハチの食糧は主に2つあり、ひとつは「花蜜」で、もうひとつ
は「花粉」。これらは主に「糖分」と「タンパク質」で構成。ハチはより良い花の蜜を探し、発
見したら仲間のハチにその蜜の存在を知らせるが、ハチはタンパク質を伝達する手段を持たず、
自身の食べるタンパク質が良質なものかどうか知覚きない。
ハチにはその他の種のように多くの
食糧が存在するわけではない。そして、アキノキリンソウとアスターは、ミツバチや自然界を生
きるハチの唯一の食糧源(ウィリアムズ大学のジョアン・エドワーズ)。タンパク質の量が低下
することが、なぜハチの大量死に影響するのかというと、ハチは晩秋までに冬を越すための食糧
を巣に蓄えます。しかし、花粉に含まれるタンパク質の量が減少していることで、冬を越すのに
必要なだけのタンパク質が蓄えられていないというわけである。

    May 10 2016

殺虫剤、二酸化炭素濃度のいずれにしても、、ハチが減少していることが報告されているというわけで、
環境変動による負の影響が増加、要注意事項である。



【超高齢社会の此岸:攻めのビーフ・ジャーキー】

先日の山陰海岸ドライブの続きだが、宿泊地に着いて慌てて襲い夕食をとるのだが、疲労の上限
を超えると、食欲が減退状態に陥るのがいつものだパターンなのだが、いつもなら。食前酒とし
て果実酒(リキュール)やビールで時間をおき食事に入る。酷い場合はそれでも食欲は回復しな
いことも経験しているのだが、今回は、牛肉の鉄板焼きと豚肉の水炊きを頂きながら食事をとる。
そうすると神経系統はアルコールで「欺す」だけなのだが、五臓六腑が元気付くのを感じ、全体
的には疲労が回復していると確信する。そんな体験から、積極的に食肉摂取しようと考え、「ジ
ャーキ-」の現状をネット検索する。

ビーフジャーキーは、ネイティブアメリカンがつくっていた保存用干し牛肉が起源であるとされ、
牛肉等の赤身を食塩や香辛料などの入った調味液に浸漬後、薄くスライスした形態で乾燥させた、
独特の風味をもつ乾燥肉として広く流通していが、硬い噛みごたえに魅力があり嗜好品として人
気があるものの、歯の悪い人や高齢者にとっては、その硬さのため積極的に摂取を望む食品とは
いえない側面もしてきされていたが、近年、噛みやすくするための工夫をした柔らかいビーフジ
ャーキーが多数開発されている。

ジャーキの思い出といば台湾出身の郭くんのホームメイドな干し肉の記憶に刻まれているが、ビ
ーフ・ジャーキーの他には、鮭・鶏のササミ・馬肉・豚肉、珍しいものではカンガルーやワニ、
イノシシ、ネズミの肉などがあるので要注意。また、海外のお土産のビーフ・ジャーキーの加工
過程・原料由来が不明な商品は、牛海綿状脳症Bovine Spongiform Encephalopathy)問題などが
あり口にしない方が良いだろう。その摂取の効用という側面でみると、蛋白の摂取量は80グラ
、1回の食事で20グラムしか効果がない、つまりそれ以上摂取しても無駄というから4回
分けて摂取しなければならない。それ以外では豊富なビタミン・ミネラルのなかでも亜鉛とビタ
ミンB12が豊富という特徴が生きる。特に男性は加齢とともに男性ホルモン分泌が減退し体調
のバランスを崩す引き金となるが、亜鉛の摂取量は1日8グラムが目安され、ビーフ・ジャーキ
ーだけでは不足し、他の食品(牡蠣・シジミ)やサプリメントなどで補給が必要。また、ビーフ・
ジャーキーの短所は塩分が多いので要注意。



最近はプロテインのサプリメント商品が販売されているからそれで補給するの手もあるが、腹持
ち、咀嚼力、栄養バランスから亜鉛サプリメントをプラスすれば最適食品と考える。次に、ホー
ム・メイドできない考えてみるが、手間暇を考えると買ってきた方が良いと言うことになる。と
はいえ、製法工程や改良点はないか考えてみた。その製法の事例として、(1)原料牛肉に対し、
食塩、砂糖、発色剤、香辛料を成分とする塩漬剤に4倍加水して作ったピックル液を23%混合、
低温・減圧下で0.5~1時間マッサージを行ない、10~12時間静置した後100℃の温度
で2.5~3時間煮沸し、次いで不要な筋膜や脂肪を除きながら肉繊維をほぐし、これに調味料
を加えてニーダーで肉から分離したおおよその水がなくなるまで加熱攪拌し、その後被加工材料
を連続乾燥する熱風乾燥機により水分活性0.85以下になるまで乾燥して冷却し、最後にガス
バリア性を有する包材に脱酸素剤と共に充填して密封する方法(特開平07-274814)やそれを改良
し、従来品よりも格段に噛みやすく、パサパサ感を感じさせず、風味豊かなビーフジャーキーを
調製する手段の提供(特開2014-195449 食感の良好なビーフジャーキーの製造方法 プリマハム株
式会社 2014年10月16日
)などが挙げられる。
(2)また、ホーム・メイド法ではネット上でそ
のレシピやジャーキーを使った料理レシピが多数紹介されているが、家庭では燻製工程が面倒だ
が、燻製シートに包み加温処理すれば解決できる(特開2013-221222 燻製シート)ので便利だ。

 22日に1粒でいいかも

そんなことがあり、ビーフ・ジャーキと亜鉛サプリを常用するようにしている。毎日のルーム・ウ
ォーキングも攻めのメニューに心がけ、1カ月毎に記録することに決める。

 

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山陰海岸国立公園 鳥取砂丘

2016年08月17日 | 国内外旅行

 

   

        一人の人間がじぶんの住んだ町や都市をどうみるか、その見方を決定しているものは
        二つあると思うんです。ひとつはその人が赤ん坊、あるいは少年少女期に親たちと一
        緒に住み、学校へ通ったり遊んだりした界隈の印象です。もうひとつは思春期から青
        春の時代にかけて、その人がどこに住み、何をしていたかということです。


                                      「東京の共同幻想を読み解く!」1994  クレア

 

                                             
                               Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 


 

予定通り、15日の朝、家をでて名神から中国縦貫道、鳥取道を経て山陰海岸は鳥取砂丘に到着。
晴天というより霞がかかった薄曇りで猛暑のダメージはなく、約4時間のドライブは快調だった
のだが、駐車場は満車状態で、降りるやいなや熱気に包まれ、長時間の砂丘散策は不可能と知る。
水蒸気に遮られてか霞む海辺を見入るほどの余裕はなく、めいめい写真を撮って引き上げること
に。それでも、麦わら帽子を用意し被っていたので、正午過ぎの鋭い太陽の直射から幾分か身を
守ることがができた。足を洗いおえた彼女を乗せ砂丘を離れ、白兎海岸は、神話「因幡の白うさ
ぎ」の舞台の「道の駅神話の里白うさぎ」で新鮮な「海鮮丼」を食べようと移動するが、これが
いけなかった。どこも、夏休み、盆休みで混雑しており、駐車場に空車待ちの状態の上で、レス
トランも混雑し待ちきれず、少し買い物をしただけで「道の駅 きなんせ岩美」へ向かう。
 

● 山陰海岸国立公園

山陰海岸国立公園は、京都府丹後の網野海岸から兵庫県の但馬御火浦を経て鳥取県東部の鳥取砂
丘までの日本海に面する75キロメートルの海岸線を中心とする日本の国立公園。当公園を中核
とするエリアが世界ジオパーク「山陰海岸ジオパーク(大地公園)」に認定。「日本海形成に伴
う多様な地形・地質・人々の風土と暮らし」をテーマに、東西百キロメートル以上、南北約30
キロメートルのジオパーク。その範域は東は京都府京丹後市の経ヶ岬から兵庫県の但馬海岸――
日和山海岸、竹野海岸、香住海岸、但馬御火浦――を経て、西は鳥取県鳥取市の白兎海岸、浜村
海岸、青谷に至る。また、内陸部の神鍋高原・小代・湯村温泉・雨滝等も含まれる。

日本列島がユーラシア大陸から分かれて日本海が形成される過程が、約4千万年前から今日に至
るまでの地質学・地形学的に貴重で多様な地質遺産から確認されている。また、地質・地形・気
候をうまく活用、多様な生活文化が各地に息づく。
 

 

 

● 鳥取自動車道


鳥取自動車道(あるいは中国横断自動車道姫路鳥取線:姫路市 - 鳥取市)は、兵庫県佐用郡佐
用町の佐用高速道路交差点(JCT:インターチェンジ)から岡山県を経由し鳥取県鳥取市の鳥取
インターチェンジへ
至る高速道路(高規格幹線道路)。略称は鳥取道(とっとりどう:TOTTORI
EXPWY
)。法定路線
名は、播磨自動車道と併せて、中国横断自動車道姫路鳥取線。途中、西粟
倉インターチェンジ南0.5キロメートル(佐用インターチェンジ起点19.2キロメートル地
点から智頭インターチェンジまでは、高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路による
代替区間の志戸坂峠道路。

 
中国山地を貫き鳥取県東部と中国自動車道を結ぶ高速道路、兵庫県の佐用郡佐用町と鳥取県の県
庁所在地の
鳥取市を結ぶ。全線が国道373号の路線にほぼ沿い、山間部を通過するためトンネ
ルが多い(34箇所))のでヘッドランプ(テールランプ)の点灯・消灯を繰り返すので消灯忘
れに注意。81年に志戸坂峠道路の部分が最初の供用を開始し、09年3月14日には鳥取自動
車道の部分で最初の区間が供用を開始した。13年3月23日に全線開通。当初は全区間が有料
道路で計画されていたが、05年、中国自動車道との接続部(佐用本線料金所:toll barrier)より
北が新直轄方式へ変更され、この区間の通行料金が無料となりインターチェンジ入口には鳥取道(
無料区間)と書かれている。佐用平福インターチェンジ南には出口がなくそのまま有料区間に行
き着いてしまうため、佐用平福インターにはその旨の注意喚起表示がある。



鳥取県鳥取市河原町

 

● 鳥取砂丘

 

     月荒き 砂丘は古邑 うづむとや                            森川暁水 

     秋風や 浜坂砂丘 少し行く                               高浜虚子

     浜坂の遠き砂丘の中にして さびしき我を見いでけるかも      有島武郎

     砂丘踏みさびしき夢に与かれる われと覚えて涙ながるる      与謝野晶子

     立ちわかれ いなばの山の 峰におふる まつとしきかば 今帰りこむ 在原行平

        来ぬと 眼にはさやかに 見えねども 風の音にぞ 驚かれぬる                藤原敏行         

 

 

鳥取砂丘は、鳥取県鳥取市の日本海海岸広がる広大な砂礫地で、代表的な海岸砂丘。山陰海岸国
立公園の特別保護地区に指定、南北2.4キロメートル, 東西16キロメートルに広がる。観光
可能な砂丘として日本最大で、一般に立ち入れない場所も含めると青森県の猿ヶ森砂丘に次ぐ規
模を誇る。55年に国の天然記念物に、07年に日本の地質百選に選定され、伯耆大山と並んで
鳥取県のシンボルの一つ。

中国山地の花崗岩質の岩石が風化し、千代川によって日本海へ流されたあと、海岸に集まったも
のが砂丘の主な砂となっている。海中の砂を海岸に向けて流れ寄せる潮流と、海岸線に堆積した
砂を内陸へ吹き込む卓越風の働きで形成され、
砂丘は千代川の東西に広がる。通常「鳥取砂丘」
というと、千代川の東側の545ヘクタール
の「浜坂砂丘」を指す。砂丘によって海から切り離
されて出来た湖である多鯰ヶ池がすぐ南東にある。

最大高低差は90メートルにもなり、すり鉢に似た形に大きく窪んだ「すりばち」と呼ばれる地
形を形成。特に大きなすりばち(「大すりばち」などと呼ばれる)は40メートルの高さになる。
すりばちの斜面には、流れるように砂が崩れ落ちた形が簾を連想させる砂簾(されん)などの模
様や、風速5、6メートル程度の風によって形作られる風紋(ふうもん)と呼ばれる筋状の模様
が見られる。

砂丘近辺の民家は砂丘から飛んでくる砂の害に悩まされ、防風林の植林が行われたが、これが観光資
源かつ貴重な自然である砂丘の規模縮小や生態系の変化の原因となったため、防風林の面積を減ら
しながら地元住民との共生を図る。もともとの砂丘規模は、植林以前よりは小さく、周辺には樹木が多く
生えていたが、タタラ製鉄の燃料に伐採した結果、砂丘が人為的に広がった経緯がある。00年代以降、
夏季猛暑の年が多く、防風林の立ち枯れが進み砂丘南側の道路が砂で埋まるなど、砂丘の砂の飛
散に悩まされる。鳥取県では対策としてクロマツの植林に乗り出したが、成長が遅く対策が追い
ついていない。


すりばちの最深部には「オアシス」と呼ばれる地下水が湧出、ごく浅い池を形作る。鳥取砂丘に
は、3本の砂丘列が日本海とほぼ平行に走る。天然記念物に指定される前は、陸側の砂丘列から
数えて、第一、第二、第三砂丘列と呼称していた。現在では逆に海側から、第一、第二、第三と
している。これには、砂移動の減少が原因で陸側の砂丘列が消滅してしまった場合でも呼称に都
合が良いためである。

 

鳥取平野と鳥取砂丘

砂丘独特の植物・動物が自生・生息。指定された16種類の砂丘植物――ハマゴウ、ネコノシタ、
ハマベノギク、ハマヒルガオなど――が砂丘に生息する。また動物としては、ハサミムシやアリ
ジゴクなどが生息するが、現在では繁殖した雑草により、砂丘植物の生息域が狭められ、景観保
護や生態系の維持に除草作業が行われている。
 

                   

  ● 今夜の一曲

水森かおり 「鳥取砂丘」


道の駅 きなんせ岩美」でもレストランは混雑し待つこと30分ほど、注文した海鮮丼をい
ただき終えたのがが予定の午後3時過ぎ、急いでお土産を買って道の駅を離れたのが午後4時前
とスケジュールより2時間遅れ(おまけに、お土産にと「砂たまご」は買えなかったし、彼女は
海鮮丼はナマって美味しくなかったというので、残した丼をわたしがかっ攫うことになる)。

実は、帰りルートは山陰海岸から豊岡市、福知山市を経て京都縦貫自動車(綾部安国寺-沓掛)
を経て、Uターンラッシュを避け、雄琴温泉で一泊する予定でいたのだが、時間に追われ、往路
ルートを戻るという間違った選択をしてしまう。これについては、平身低頭、彼女に謝り、宿泊
先のホテルの到着時間が遅れる旨の電話を彼女に入れてもらい、なおかつ、支配人に詫びするこ
ととなる。

 

● 京都縦貫自動車道

京都縦貫自動車道(KYOTO-JUKAN EXPRESSWAY)は、京都府宮津市から同府乙訓郡大山崎町
に至る延長93.5キロメートルの国土交通大臣指定に基づく高規格幹線道路(一般国道の自動車
専用道路)(国道478号)である。尚、法律上の京都縦貫自動車道は、京滋バイパス(名神高
速道路の改築区間を含む)として供用されている大山崎インターチェンジ - 久御山IC間も含まれ
る。
 

渋滞は神戸三田インターチェン周辺だけではなく、その手前の、鳥取道の智頭-智頭南間のト
ンネルでの車の事故の渋滞に巻き込まれることによる。そこで、【ワンポイント・レッスン】携
帯電話だけでなく、ハードな地図は必ず携帯しよう!

日本の鳥百科

  

 

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百聞不如一見 兵難遙度

2016年08月14日 | 時事書評

 

     

        時代はひとつひとつ自分で考えて解いていく構想力を持たないと、
        ちょっと生きた心地もしない感じになってきました。

               「どう生きる?これからの10年」2005.11.12

                                            
                               Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

 

  Jun 3, 2016

【再生医療の此岸:脳損傷回復薬/幹細胞注入し成果】

東京大病院は、頭のけがなどで脳の神経細胞が死んだり傷ついたりし、体のまひや言語障害などが
出た「外傷性脳損傷」の患者を対象に、加工した骨髄由来の幹細胞(細胞医薬品)を脳に直接注入
して機能回復を試みる治験をが近く始める。米国で先行して進められている脳梗塞患者での治験で
は運動機能や言語機能の向上が報告されており、回復が難しい脳損傷の新たな治療法になると期待
されている(毎日新聞 2016.08.14)。

 June 27, 2016

この細胞医薬品は、健康な人の骨髄から採取した間葉系幹細胞を加工・培養したもので、再生医療
ベンチャー「サンバイオ」が開発。免疫反応を抑える働きもあり、他人の細胞を移植するにもかか
わらず、免疫抑制剤を使う必要がなく、移植した細胞は、約1カ月で脳内から消えるという。

6月、米スタンフォード大などの研究チームは、この医薬品の安全性確認のために脳梗塞患者18
人に実施。
験結果を米医学誌に発表。これによると、ほぼ全員の運動機能が回復し、目立った副作
用はなかった。サンバイオによると、治験前は動かなかった腕が頭まで上げられるようになったり、
車いすが必要だった患者が少し歩けるようになったりしている。

機能が回復する詳しいメカニズムは不明だが、東大病院での治験を担当する今井英明特任講師(脳
外科)によると、傷ついた脳の神経細胞の修復を促す栄養分が移植した幹細胞から分泌されると考
えている。東大病院の治験の対象は、脳に損傷を受けてから1〜5年が経過し、現在の医療では回
復が見込まれない患者。移植する細胞の数を変えて四つのグループに分け、運動機能の回復状態を
1年間、追跡調査する。

※ 関連特許 1.特開2012-219100  細胞と生体適合性高分子を含む組成物
       2.特表2008-538103  中枢神経系病変の治療のための物質の使用

   

【帝國のロングマーチ 26】        

        

● 折々の読書  『China 2049』44       

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。

 【目次】   

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
 

  

    第9章 2049年の中国の世界秩序 
 

                          反客為主――反って客が主に為る

 

 【危機❿】中国は営利目的で兵器を量産する

  長年にわたって中国は、無法国家にミサイル技術を売ってきた。それらの国々にはイラン、
 リビア、シリアなどが含まれ、大屋破壊兵器を開発し、近隣諸国に対して攻撃的にふるまい、
 テロリストを武装させ、自国民を弾圧している。ミサイル技術管理レジーム(MTCR)は、
 これらの国々によるミサイル関連品や技術の輸出を規制しようとする体制である。

  1988年、アメリカは、中国に秘密の取引を提案した。それは成立するものと、わたし

 考えていた(当時のわたしは、同僚たちと同じくらい認識が甘かった)。その取引とは、
中国
 がミサイルの輸出を規制するのであれば、アメリカは、「中国との商業的および科学的
 宇宙
 協カを拡大し、今後すべての商業衛星の打ち上げに関して、天安門事件に対する制裁措
 置の
 適用を見送ること」を表明し(注91)、中国のブースターで打ち上げるアメリカの人工
衛星の
 数を増やす、というものだった(注92)。
 

  アメリカの提案には、腎明にもさらに多くの飴と鞭が含まれていた。ゲイリー・サモアが
 いたNSCの覚え書き(漏洩したもの)によると、まず飴のほうは、MTCRに加入する
こと
 によって、中国は「政治的信頼と、MTCRの今後を決める話し合いに加わる資格が得
られ、
 アメリカによるミサイル制裁措置を実質的に免除される。また、(MTCRへの加入
は)MT
 CRの管理下にあるアメリカから中国への輸出をいくらか促進させる」というもの
だった。鞭
 のほうもやはり同じ覚え書きに書かれていた。「実際問題として、ミサイル問題
が一向に進展
 しないことが、われわれが打ち上げ割当を増やさない理由であり、すでに決ま
 っている(人
 工衛星の打ち上げの)割当さえ危うくなるということを中国にはっきり伝える
注93)」。 

  それに対する中国の回答には、同国が何を優先し、何を目指しているかがはっきり表れてい
 た,提
案をきっぱり拒否したのだ。中国にとっては、技術協力や政治的名声よりも無法国家へ
 の兵器の輸出のほうが重要だったのだ。
 

   この回答は、中国が率いる財界がどんな世界になるかについても多くを語る。中国が力をつけるに
 つれて、大量破壊兵器の拡散は、スローダウンするどころか、ますます加速していくだろう,無法国家は
 孤立せず、中国の支援を受ける。一方、アメリカとその同盟国に対して、中国は協カしようとせず、機会
 あるごとに攻撃し、弱体化を図る,とりわけ自国の安全保障が絡んでくると、中国はいっそう強硬な態度
 に出るだろう。

   Jesse Alexander Helms, Jr

  たとえMTCRに加入しても、中国がそのルールに従うかどうかは疑わしい。ジェシー・ヘ
 ルムズ上院議員は、武器に関する中国の二枚舌を暴く衝撃的な報告をし、そ
の中で、「過去2
 0年間に中華人民共和国は、15件の正式な拡散防止協定-核技術拡散
に関して7件、ミサイ
 ル技術の譲渡に関して6件、1997年に生物兵器禁止条約を批准・加盟した時に2件――
 わしたが、そのいずれも遵守していない」と述べている。ヘルムズのスタッフは、中国の約
 束違反や、アメリカの安全を損なう行為を時
系列で表にまとめた。これらの違反行為には、弾
 道ミサイルをパキスタン、イラク、
シリア、イラン、リビア、北朝鮮に移送したことや、核兵
 器の部品をパキスタンやイ
ランに売ったことが含まれる(注94)。

  2003年11月、中国がかなり広範な拡散ネットワークとつながっていることを示す、おそ
 らく最も有力な証拠が出てきた。リビア政府が欧米当局に提出した多くの書
順の中に、中国語
 で書かれた取扱説明書があり、そこには、核分裂性物質を従来の
薬で包んで核爆発を起こす
 1000ポンドの爆弾を作る手順が記されていた。報道に
よると、中国の核兵器専門家が、パ
 キスタンとリビアに設計情報を提供した後も、何
年もパキスタンの核兵器科学者たちと陥力し
 ていることが、これらの書類で明らかに
なった(注95)。

  北京はなぜ無法国家への兵器やミサイルの輸出をやめないのだろうか。国務次官補のポーラ・
 ドサッターは2006年に、中国がそれをやめないのは、核拡散と戦う
「能力のなさ」か、「
 その気のなさ」の反映だと示唆した(注96)。正解は間違いなく後
者だ。中国の狙いは、核兵
 器を独裁的でたいていは反欧米の政府に拡散することで、
アメリカをはじめとする列強の影響
 力を低下させるところにある。

  これまでところ、マニフェストとして中国を頂点とする世界秩序が語られたことはないが、
 過去10年の問に、ふたりの国家主席が、中国の意図をほのめかした。200
5年9月、胡錦
 濤主席は国連の首脳会議で、「平和でともに繁栄する和諧世界に向け
て」と題したスピーチを
 行い(注97)、その中で、「和諧世界]の概念について論じた
注98)。スピーチの中で胡
 は「ともに協力し、平和と繁栄が続く和諧世界を築きまし
ょう」と曖昧に述べている(注99)。
 その8年後、胡錦濤の後任である習近平は、就任
後初の演説の中で、端的な言葉で未来を示唆
 した。「発展が何よりも重要」である、
と。そして「中国の夢を実現するため、常に物質的お
 よび文化的基盤を突き固めなけ
ればならない」とつけ加えた(注100)。世界を和諧させると
 いう習が掲げた目標は、中
国人の価値観に合わせて和諧させる、という意味だ,

  胡と習の言葉は、前後の文脈を知らなければ、特に害はなさそうに思えるが、第1章で述べ
 たように、中国の言う「和諧」の地政学的意味は「一極支配」であり、第2
章で説明したよう
 に、「中国の夢」とは、世界で唯一の超大国、つまり経済的、軍事
的、文化的に無敵になるこ
 とだ。

  もし中国の夢が2049年に現実になれば、中国中心の世界は独裁政治を助長するだろう。
 多くのウェプサイトが、欧米を中傷し中国を称賛する偽りの歴史で埋まる。
発展途上国が「
 成長が先、環境対策は後」という中国のモデルを採用するにつれて、
食の安全や環境保護はま
 すますないがしろにされ、より多くの国で大気汚染が進む。
環境破壊が進むと、腫が失われ、
 海面が上昇し、がんが蔓延する。国際機関の中には、周辺的な存在となり、現在のような介入
 ができなくなるところもある。中国国有の独占企業や、中国が支配する経済同盟が世界市場を
 コントロールし、世界最強の軍雅同盟も、北京が統括するようになるだろう。何しろその頃、
 北京は、軍事研究部隊の人員、兵器システムに、アメリカより多くの資金を役人できるように
 なっているのだ。

  これは断じて、わたしたちが心待ちにする未来などではない,しかし、これまで中国の戦略
 の長期的結申`を考えようとしなかった人々は、事実上、そのような未来を待っているに等し
 い。中国に方向転換をさせるのは、ますます難しくなっていく。残念ながら、少数の人が目を
 覚ましつつあるものの、わたしたちの影響力は小さくなる一方だ。今世紀半ばまでに今のまま
 の中国が朝権を握ると、これらの「悪夢]は現実になるだろうし、将来の軍事力のバランスが
 どうなるかは言うまでもない。戦国時代の物語では、新興勢力が軍事カを増強して、古い覇権
 国を脅かすのは、物語の最終章だ。中国が古代のモデルに従うのであれば、殺手嗣計画にとど
 まらず、アメリカの軍事力に本格的な挑戦を仕掛けるのは、まだしばらく先のことだろう。

  外洋海軍を持つ、海外法地を築く、強い空軍を配備する――これらのいずれかを急ぎすぎる
 と、中国政府は鼎の軽重を問うことになる。それは旧ソ連が犯した致命的な間違いだった
 の話は北京のタクシーの運転手でさえ知っている


   第10章 威嚇射撃

                        百聞不如一見――百聞は一見にしかず

                                                 『漢書』趙充国伝


※ 百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事情勢は離れた
  ところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図りたい)



  2013年に公開された映画『ゼロ・グラビティ』の冒頭で、サンドラ・ブロックとジョー
 ジ・クルーニーが演じる宇宙飛行士は、ヒューストンの飛行管制センターか
ら厄介なメッセー
 ジを受け取る,ロシアが用済みになった衛星をミサイルで爆破した
ところ、他の衛星も連鎖的
 に爆発し、生じた大量の宇宙ゴミが、彼らが乗っているス
ペースシャトルに致命的なスピード
 で接近しているというのだ。ハップル宇宙望遠鏡
を修理するためにシャトルに乗り込んだふた
 りだったが、急速その任務は、生きて帰
ることになった。最終的には、ブロックが演じた人物
 は、中国の無人宇宙ステーショ
ンに保管されていた補助燃料タンクの助けを借りて地球に帰還
 する。

  この映画は絶賛されたが、中には、現実的でないという批判もあった。ブロックは涙をこぼ
 したが、宇宙では、涙は表面張力によって顔にまとわりつくはずだ。また、ブロックは、ハッ
 ブル宇宙望遠鏡から中国の宇宙ステーションヘの移動する途中で国際宇宙ステーションに立ち
 寄ったが、それら三つの施設は異なる軌道上にあるので、そのような移動は不可能だ。そして
 一番多かったのは、プロックはぴったりした下着ではなく、おむつをはいていたはずだという
 批判である。

  だが、この映画に関しては、熟考に値する問題点が他にもいくつかある。それらは、ドラマ
 としての矛盾というより、中国の100年計画と関わりがあるものだ。
  第一に、サンドラ・プロックが演じる人物は、中国の宇宙ステーションに立ち入ることを許
 されなかっただろう,ましてや操作するなど到底、無理だ,宇宙ステーションを設計したとき、
 中国の技術者は故意に アメリカのものとは互換性がないように設計したと思われる(注1)。
 彼らは宇宙でアメリカと連携することを望んでいなかったのだ。

  第二に、ロシアが自国の衛星にミサイルを撃ち込んだことは一度もない。しかし中国は、2
 007年にまさにそれを実行した。地上配備型衛星攻撃兵器(その気になれば、アメリカの衛
 星に対しても使える兵器)を使って、機能しなくなった気象衛星を破壊し、軌道から外した。
 アメリカ国防総省の報告によれば、中国の実験は「多くの国に懸念を引き起こし、結果として
 生じた残骸は宇宙開発を進めるすべての国の資産を危険にさらし、人類の宇宙飛行にも危険を
 もたらした(注2)」。アメリカの情報機関は、中国からミサイル発射に関する警告を受けて
 おらず、それどころか、中国政府に衛星を攻撃する計画はないと繰り返し聞かされていた。中
 国は無謀にも、歴史上最大で最も危険な宇宙ゴミが散在する一帯を作ってしまったが、映画の
 中でその責を負わされたのはロシアだった。

  この歪曲により、中国人は英雄視され、ロシア人は悪役になった。『ゼロ・グラビテイ』の
 脚本家たちは、宇宙で起きたことと宇宙で起こりえることをあえて歪めた,だがそれは驚くほ
 どのことではない。莫大な人口を擁する中国では、とてつもなく多くの人がアメリカ映画を観
 て、ハリウ″ドの映画製作会社に利益をもたらす。ただし、それは中国が良く描かれた場合に
 限る。そうでない映画は、中国では上映禁止になるだろう(注3)。

  またしても、近複眼的な考えや利己主義のせいで、西洋のエリート層や世論形成に影響力の
 ある人たちは、世間の人々に中国に対する楽観的な見方を提供してしまった。だが、言うまで
 もなく、これも中国が計画したことなのだ。
                                    この項つづく
 

                                                    
                                             サンコーから無重力ポジション対応椅子『ゼログラビティチェア』

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今夏の異変

2016年08月13日 | デジタル革命渦論

 

     

      制度として関係機関が半ば強制的に慰安婦として戦地に送りこんだことだけが
      補償要求の対象になりうるのだ。しかもたくさんのおおきな恥辱心や自傷をお
      して名告りでて補償を求めている女性に対しては、韓国人であっても日本人で
      あっても、どんな民族人であっても個人補償を酬いるのが当然だというべきだ。

          「情況との対話 社会党首班政権の批判」サンサーラ 1994年11月号

                                            
                               Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

 

 

      ●  DIY日誌:高枝鋏の修理

日曜日に町内の草刈り作業があり、いつものように、鎌、ノコギリ、高枝鋏をもって作業を行った。
ところが、動きが悪く切り取れたり切り取れなかったしていたので、翌日、ばらし修理を試みるも
復元できず、さすがよく考えた商品だと感心しつつも分解し、廃棄処分に。ところが、昨夜(金曜
日)、急に右側頭部から頸椎、右手にかけ痛みが走る。一時は救急車を呼ぶことも頭を過ぎるが、
鎮痛消炎剤を塗りベットに横たわる。痛みが引くことはなかったが。実は眼精疲労が酷く、最近は
夕食後の作業を控えるようにしているが、就眠までの時間がテレビを見るほかなにもできず、苦痛
になっている(睡眠薬は服用せず、深酒で気を紛らわしているが)。今朝眼を覚ますと痛みは治ま
る(右肘の痛みは残る)。このような経験は初めてで、普通なら2、3日後に痛みが出てくるのに
不思議である。



【今夏の異変】

話はこれで終わるはずなのだが、草刈りまで時間を戻す。懇意にしている方と世間話をしていたと
き、今夏は鮎が大魚なのだが、サイズが大きいのと小さいの混ざり合っている。これは環境の変化
で、産卵・ふ化期が違うのだ、なぜ違うのかはよくわからないのだが、種の保存本能から分散させ
たのではないだろうかと言うことに落ち着く。そういえば、ヒグラシのなく時期が早いのも関係あ
るのだろうかと話すと異常気象の影響かもしれないということになってその場を分かれた。

さらに、今日の話に戻る。彼女が今年は花芽がつくのが早いという。その一つが金木犀に花芽がつ
いている。秋が早く来ると言うのだ。小さな異変が起こりうるから記録を残しておくことが必要だ
だ。そういえばブログを書いているので「身近な環境異変」をテーマとしてできるだけ細かく図画
像や録画、録音で残しておこうと決める。

   Aug 12, 2016 FT

● 「ポケモンGO」の収益が発売以来2億5千万ドル超に

英米独三国での調査結果によると、スマートフォンユーザの5人に1人がアプリ課金を払っている
という。調査対象が広がるといろんなことがわかってくるかもしれない、また、アプリの応用展開
もいろいろ開発されていくかもしれない。



 Pokémon GO Guitar Medley ポケモンGOメドレーをギターで弾いてみた




● シャープがロボット携帯電話「ロボホン」開発!

 

こちらは、ロボットのマルチメデア化。音声文字変換・マンマシン会話・プロジェクター・携帯通
信・デジタルシステム手帳(スケジューラー)・知恵蔵(辞書)などなどこちらも応用展開が広が
りそうだ。

 

   

【帝國のロングマーチ 25】       

        

● 折々の読書  『China 2049』43       

                                     秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。

 【目次】   

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   
 

  

    第9章 2049年の中国の世界秩序 
 

                          反客為主――反って客が主に為る

                             『兵法三十六計』第三十計
 

 【危機❽】欺く者が勝つ――国はナショナル・チャンピオンを野放しにする

  貿易と成長に関して言えば、アメリカは中国に負けている,その理由は簡単だ,中国が不正
 を働いてるからだ。技術を盗み、市場の独占を後押しし、国有企業を国際
競争から不当に守っ
 ている。近代国家が貿易と海外投資において遵守しているルール
を、中国は何十年にもわたっ
 て無視し、独自のルールで行動してきた。その力が増す
につれて、ますます多くの国が、中国
 のルールで動くことを強いられるだろう。

  
中国の成長戦略の核となっているのは、大方は違法な手段で外国の科学や技術を手に入れる
 ことだ。中国には模造品を作る工場がいくらもあり、1万人から1万500
O人が働いている
 (注69)。中国の産業政策目標は、知的財産の窃盗を助長し、多くの
企業と政府機関がそれに
 関わっている(注70)。中国では知的財産(IP)の盗用が非
常に多く、あるソフトウェア会
 社は中国でプログラムを1個売っただけなのに、アッ
プデートの申し込みが3000万件もあ
 ったという。
 



  中国はIP窃盗の最前線におり、外国の企業や団体を何度もハッキングしてそのI
Pを中国
 のビジネスに転用し、世界最大規模のIP窃盗犯になった(注71)。こうして
中国人は技術の
 はしごを登ってきた(注72)。このようなIP窃盗は、年間売上107
0億ドルの損失に相当
  し(注73)、アメリカだけで210万人の職を奪っている(注74
。将来、中国経済がさらに
 大きくなり、同盟国が、さらに増えると、新たなIPの創作
の奨励は難しくなるだろう。せっ
 かく創作しても、はびこる窃盗により、その価値は
すぐ下がってしまうからだ。

  中国政府は、海外の技術を無理矢理奪うのに加えて、競争の場を国有企業に有利なようにし
 ている(注75)。国有企業は多数の経済部門の胆い手となり、戦略上重要な7
部門、つまり防
 衛、発電、石油とガス、電気通信、石炭、航空、船舶の重要なプレ
ーヤーになっている(注76)。
 中国の指導者たちは、豊富な外貨準備(外国為替予備金)からの助成金で国有企業を思うよう
 に動かすことができるので、標的となる外国市場はさらに広がるだろう。
1985年から20
 05年までの20年間に、中国は公営企業の支援に3000億ドル
を費やした(注77)。それら
 の企業は、海外のライバルよりはるかに低コストで資本や
資本財を調達できるので(注78)、
 積極的に海外への投資を増やしている。海外で市場
を拡大し、天然資源を活用し、さらなる先
 進技術を生み出そうとしている(注79)。

Apr 27, 2013

  中国は海外企業の中国市場への参入の邪魔もしている(注80)。経済協力開発機構は、外国
 からの投資を規制する中国の法律は、世界の経済規模上位20カ国の中で、最
も制限が厳しい
 と指摘した(注81)。中国の独占禁止政策はその典型である。中国は2
007年に独占禁止法
 を制定したが、国有企業はその対象ではないとされている(注82
)。それどころかこの法律は、
 主に中国企業を買収しようとする外国企業を制限する
ためのものだ(注83)。さらに中国はこ
 の法律に基づく「取り調べ」に、いくつもの疑
わしい戦術を採用している。例えば、企業に弁
 護士を探さないよう警告したり、独占
禁止法に違反したことを認めるよう圧力をかけたりする。
 
  外国企業の市場参入を阻止するために中国政府が使ったもう一つの手段は、外国か
らの投資
 に関して新たに設けた、国家安全保障審査である。それに相当するアメリカ
の「対米外国投資
 委員会(訳注*アメリカの国家安全保障を損なうおそれのある外国企業によるア
メリカ企業買
 収を調たする組織)」とは追って、中国の法律は「経済安全保障]と「社会の
安定」を国の安
 全保障に関わる問題と見なし、外国の投資家を市場から締め出す理由
として認めた(注84)。
 在中外国企業への明らさまな規制、外国人による企業所有の抑
制、雇用の制限、検査の重複、
 許可を得るまでの長いプロセスといった障壁に直面し
ている(注85)。こうして中国は、自ら
 はWTOの全加盟国とともに最恵国の地位を享
受しつづけていながら、まもなく財界最大とな
 るその経済から外国企業を締め出して
いるのである。


 【危機❾】中国は国連と世界貿易機関をいっそう弱体化させる

  国際連合は完全と言うにはほど遠いが、基本的に全世界が加盟する世界唯一の政治
機関だ。
 また、どの国でもほかのあらゆる国と、健康、労働、電気通信、金融、治
安、貿易について話
 し合い、協力することができる世界で唯一のフォーラムでもあ
る。この協力的な関係は国際的
 政治秩序を支えているが、その最も重要な特質(全世界
が加盟していること)は、中国が支配
 する世界では存続しないかもしれない。

  2001年に中国といくつかのアジア諸国は、NATOに対抗することを視野に入れて、あ
 る組織を立ち上げた,上海協力機構(SCO)である,加盟国は、中国、カ
ザフスタン、キル
 ギスタン、ロシア、タジキスタン、ウズベキスタンで(注86)、NA
TOと同じく憲章に署名
 し、事務総長を指名し、直面する各問題を担当するセンタ
ーを当事国の首都に設立し、年に一
 度、サミットを開催している。ところがNATO
が単に安全保障のための協力体制であるのに
 対して、SCOは、貿易、金融、法的事
項で協力するための仕組みも備えている。

  SCOとNATOの最大の違いは、加盟国の政府の性質だ。NATOは28の民主主義国の
 連合であるが、SCOは基本的に独裁主義国の連合である。SCOのオブザ
ーバー、例えば、
 民主主義のインドなどがいつか正式加盟国になり、民主主義の価値
観をSCOにもたらすかも
 しれないが、SCO最大の経済国および軍事国という中国の地位を考えると、中国が支配する
 別の未来が訪れる可能性が高い。

  中国政府はすでに、SCOにおける自らの役割を拡大しようとしている。たとえば財政面で
 それを支援するために、SCOの「ビジネス審議会・開発基金」を通じて加盟国に数ト億ドル
 の融資を提供した(注87)。SCOは国際銀行協会や、教育、健康、文化、司法やな法の問題
 を調査し、アドバイスするための学識者による委員会も作った。中国外務省は、SCOを「北
 京の「新たな安全保障概念』の成功例」と表現した(注88)。SCO加盟国は、定期的に合同
 軍零演習を行っており、そのことは中国の公のニュースで度々報じられている。

  現在、オプザーバーの立場にあるインドが正式に加盟すれば(訳注*ィインドは2014年
 9月に加盟申請した八2050年までに、世界最大の経済国のうち3カ国がSCOの加盟国と
 なる。そうなれば、SCOのメンバーは、ほかのどの世界機関に対しても、加盟しない、ある
 いはその機関の決定に従わないことによって、経済的な力を行使できるようになるだろう。そ
 の場合、SCO加盟国抜きの国連は、アメリカが加盟しない国連のようなものだ。というのも、
 中国とSCOの同盟諸国は、世界のGDPに占める割合が年々大きくなっているからで、SC
 O加盟国だけの通貨を用いる貿易システムの構築を提言する専門家もいるほどだ(注89)。

  国連と同様、世界貿易機関(WTO)も、今日的意味を失いつつある。WTOは、かつて自
 由貿易と自由市場を促進するルールを作るために生まれたが、今は新興市場のクモの巣にから
 めとられて動けなくなっている。とりわけ中国がWTO加盟時に約束したことをなかなか実行
 しようとせず、市場アクセスの自由化を進めようとしないことが、WTOの信用を損なってい
 る。中国はこうした戦略をとりながら、依然として貿易交渉では先進国により多くの譲歩を求
 めている。

  20~30年先、アメリカや他の西側の主要国は、経済大国としての強み、つまり、基準や
 自由貿易の原則を推進できる環境を失っているだろう。それらの原則を今すぐ受け入れるよう
 中国を説得しなければ、このパワーシフトにより、市場開放や自由貿易は大きく後退し、WT
 Oをはじめとする多国間貿易を促進しようとする努力も、後退を余儀なくされるだろう。

  もし中国が国連やWTOを弱体化させるのに成功すれば、古い秩序の威信を失墜させて、新
 たな秩序を築くという、その目標を達成したことになる。中国の戦国時代、覇権国に挑戦しよ
 うとする者はしばしば覇権国に対して、王朝に敬意を示していないと非難した。「朝権国は王
 朝を見下しており、ゆえにその支配は正当ではない」と他の国々に訴え、覇権国への忠誠を捨
 てさせ、配下に引き込むのがその目的だった。この戦略は、何十年もかけてゆっくり進められ
 た。今日の挑戦者、すなわち中国は、西側、つまり国連やWTOなどが作った機関の信用を失
 墜させ、覇権国の世界的威信を駈めるだろう。中国は現行の秩序は衰退の末明にあるというイ
 メージを作りだすことにより、システムを自らのモデルに合うものにしようとしている(注90)。

著者の予想通りに進んだとして、中国が諸国民の信頼をえて世界をリーダーシップを発揮できるの
かというと甚だ怪しいというのがわたし(たち)の常識である。次回はこの章の残りと、第10章
の「威嚇射撃」に入る。

                                                                     この項つづく

 

お盆の迎え火にて、仏前にて般若心経を二人で読誦する。筋肉痛ということで休養をとるつもりで
いたが、な
んだかんだと用事をかたづけるが、連日の「一月の河」のオリンピックでハラハラ・ド
キドキさせられ少々疲れる気味。ところで、昨夜のブログ『イーロンの野望「天下布光」(てんか
ふっこう)』で、3つのことが気になる。1つは、わたしの「オールソーラーシステム構想」には
水素製造システムが含まれるがそれがないということ。2つめは、電気自動車だけでな、電気飛行
機、電気船舶事業が抜けていること、最後に、1つめに関係する「水素燃料電池自動車」の普及に
は、日本では考えにくいが、水素燃料電池自動車がテロの格好の兵器(無人・有人とも)になるた
め、大陸で紛争を抱える地区での普及は難しいということである。これは燃料水素タンクを保有す
る飛行機でも同じだろう。そんなことを考えていた。

  

 

 

 

 

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