極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

夢の通ひ路人目よくらむ

2018年03月31日 | 時事書評

 

     

                               

5 兵 勢

十の力を持つ者をただ十人集めただけでは百の力にしかならないが、これに「いきおいをつ
ければ、二百にも三百にもなるであろう。静を勣に、「形」を「勢」に転化させるにはどう
すればよいか?

個々の能力よりも

激流が岩をも押し流すのは、流れに勢いがあるからである。猛禽が指物を一撃のもとにうち
砕くのは、凝集した力か一挙に放つからである。戦上手の戦いぶりも同様である。その勢
々の能力よりも
戦上手は、勝敗の要因を、勢いの作用に求めて兵士個々人の戦闘能力に求
い。つまり、個々の兵士よりもむしろ軍全休の勢いを重視するのである。勢いに乗れば、
兵は坂道を転がる丸太や石のよ
うに、とどめようのない力を発揮する。丸太や石は、平らな
場所では静止しているが、傾斜した場所では勁く。また、四角なものは動かな
いが、丸いも
のは転がる。丸い石を千但の谷に転がすように、兵を勢いに乗って戦わせる、これが戦
上手
の戦法である。

        
〈個々の兵士よりも・・・> 原文「択人面任勢」(人を択んで勢いに任ず)は、「特定の人材
をえらん
で、勢いをつける中心とする」とも解し得るが、ここでは「択」が「釈」の誤記で
はないかとす
る説に従い「人を釈てて」と解した。


勢いの力 「勢いの作用に求めて、兵士個々人の能力に求めない」(勢いに求めて人に責め
ず)と
いう考え方を、畜財に活用した説が『史記』に記載されている。すなわち、越王勾践
に仕え呉
をうちやぶった茫蠡(はんれい)が、のちに官を辞し、陶の地で商売を営み、成功
するのだが、そのもうけ方は「時に求めて人に責めず」(時流に乗ってもうけたのであって、
個々人からしぼりとったのではない)であったという(『史記』貨殖列伝)。



【下の句トレッキング:夢の通ひ路人目よくらむな】 


住の江の岸による波よるさへや夢の通ひ路 人目よくらむ   藤原敏行朝臣

住吉の海岸に打ち寄せる波の、そのよるという言葉ではありませんが、昼はもちろん、夜ま
でもどうして私は夢の中の恋の通い道で人目を避けるのでしょう。

A bit like the waves that pound the shores of Sumiyoshi, my mind is pervaded by thoughts
of love alone throughout the day, and even the night?why is it so? I am now so absorbed t
hat I avoid others.


藤原敏行朝臣 (ふじわらのとしゆきあそん)
生年不詳~901、陸奥出羽の按察使(あぜち=巡察官)富士麿の息子で、従四位上、右兵衛督(
まで昇進。書が上手く、「小野道風は空海と並ぶ書家と褒めた」という伝説が残っている。
妻はは在原業平の義理の妹。



朝から、車を走らせ彦根場内の桜の開花状況を確認。6~7分咲きというところ。先日は水
ケ浜のシャーレに出かけ、家の裏では八重椿(ツバキ アルバ・プレナ)が美しい。そこで
春を謳歌するトライアングルをテーマに写真をここにアップする。ところで彼女は、彦根城
の桜の木は何本か当ててごらんというので、「・・・・・・333本」と苦し紛れに応えると残念
でした1千2百本でしたと言うので、何だ、吉野の千本桜と々ではないか、そんなにあるの
かと驚きを洩らす。さて来月5~7日ごろが山場だ。

       

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.27        

 ● 寄稿 『エネルギーを考えることは、未来を考えること』   

                             米倉誠一郎 一橋大学イノベーション研究センタ

脱原発を経営者が真剣に考える会が立ち上がったことは、日本にとって実に画期的だ。お手
盛りの御用マスメディアは、「日本の国際競争力を考えると、経営側は原発の早期
再開とい
う意見だ」と十把一からげで日本の経営者を語る。しかし、すべての経営者が
原発回帰を願
っているわけではない。むしろ、志の高い多くの経営者はこの種のテクノ
ロジーに人類が長
く依存することは難しいと考えているのだ。


原発自体の安全性に対する不安はもちろんだが、仮に安全に運転しえたとしても、原
発から
は絶えず使用済み核燃料(いわゆる核のゴミ)が排出される。この超有害物質の
最終処理の
方法はいまだに確立されていない。それが最大の問題なのだ。もし本気で、
半減期が2万4
000年もの超有害物質を出す技術を人類が完全にコントロールできる
と考えているのなら
ば、そちらの方がむしろ常軌を逸している。いまの人類の原型が出
現したのが2万5000
年前といわれるから、それとほぼ同じ時間を費やしてやっと半
減期を迎える物質を人間がコ
ントロールできるわけがない。
さらに、脱原発を決断したドイツのメルケル首相は、福島の原発事故報道に接して、「日
がコントロールできない技術を世界の他の国がコントロールできるわけがない」と語ったと
いう。褒められ過ぎのような気がするが、日本が扱えないならば世界ではかなり難しいと考
えるのが普通なのだ。

 米倉誠一郎教授

代替エネルギーの開発よりも省エネルギーを

そもそも電力エネルギー資源のほとんどを輸入に頼っている日本こそ、バブル期に膨張した
エネルギー多消費体質をいち早く改善しなければならなかった。しかし、
2011年の太地
震までわれわれは傲慢になっていた。日本がエネルギー多消費国家で
あっていいはずがない。
ただし、いま議論されているのはあまりに供給サイドの話が多
すぎる。効率的なエネルギー
供給やクリーン・エネルギーの開発はもちろん重要ではあ
るが、この数年間で太陽光をはじ
めとした自然手不ルギーを安価に供給する体制をつく
り上げるのは難しい。したがって、い
ま真剣に考えなければならないのは、エネルギー
を使わない技術の開発、すなわち需要サイ
ドのイノベーションなのだ。日本の原発依存
度約30パーセントを代替エネルギーでカバー
することではなく、そもそもその30パーセントの省子不ルギーを実現するという発想なの
である。

すでに世界の人口は70位人を超えて2050年には90値人を突破すると予測されている。そ
れだけの人口が現在の先進国と同程度の暮らしをしていくことは、だれが考えても不可能で
ある。ところが、現状の世界はこの実現不可能な生活水準を目指しているとしか思えない。
いずれ地球全体が深刻な子不ルギー不足に直面するのはほぼ確実だ。

日本がリードするエネルギー・イノベーション

ドイツや中国には豊富な石炭があり、米国には豊富な石炭・石油に加えてシェールガス革命
が起こっている。先進工業国のなかでも自前の資源が圧倒的に少ないのが日本だ。日本が長
期的には原発依存度をゼロにすることを前提に、需要サイドのイノベーションを真剣に奨励
すれば、それは日本のためだけではなく、人口爆発を抱える地球全体に対する偉大な貢献に
なることは間違いない。1970年に米国でマスキー法が制定され、自動車の排ガスが厳し
く規制されたとき、規制にもっとも真剣に対応したのが日本企業だった。多くの試行錯誤の
結果、日本の低公害技術や燃料効率が飛躍的に向上し、その後の国際競争力につながったの
である。それと同じことをいまこそエネルギー分野でも起こす勇気が必要だ。もちろん短期
的には苦しい時期が続きはするが、日本が脱原発・脱炭素社会に向けた子不ルギー・イノベ
ーションをりードすれば、それはそのまま新興国に輸出できる。日本の10分の1の物価水
準であるバングラデシュでも、ガソリンはリッター100円近くする。ということは、彼ら
は実質リッター1000円の生活をしていることになる。もし、日本がこれまでの30~50パ
ーセントの省エネを実現すれば、こうした新興国にとってはまさに最高のギフトことなる。



日本企業ならできるイノベーションの数々

忘れられがちなのは、優れた省エネルギー技術は新たな発電所を何十基建設するのと同じか、
あるいはそれ以上の効果がある事実だ。たとえば、コカコーラ・ジャパンは3・11以後の
電気の無駄遣いという批判を受けて、富士電機とともに自販機の省子不を進め、何と夏のピ
ーク時に95パーセントを削減した省エネ自販機を実現した。

2万5000台を設置予定だが、これは日本中に省エネ発電所(正確には節電所)が2万5
000台建設されるのと同様の効果をもつ。それだけの底力が日本企業には存在するのだ。
また、家庭内家電をすべてネットワーク化することで、電力需要のピークカットなどが可能
となる。冷蔵庫・エアコン・テレビなど単体では価格競争に陥りがちな製品も、高機能化と
ネットワーク化により日本企業が優位に立つことができる。一方、いままで見過ごされてき
た省子不ルギー分野の開発も進んでいる。ベネッセが瀬戸内海に浮かぶ犬島(岡山県)で運
営する犬島アートプロジェクト「精錬所」(美術館)では、地中熱を利用することで年間光
熱費ゼロを実現している。日本の帯域だと地下10メートルでは地中熱は17~18度に保たれ
ている。夏の18度はそのまま冷気として美術館内に循環し、冬は温室・蓄熱室を通じて暖気
として循環させる。こうした省エネ冷暖房は、クラウド化にともなって激増するサーバー管
理に応用できる。サーバー管理でもっとも重要なのが電源確保と温度管理だからだ。地熱利
用の冷暖房システムや日本の得意なセンサやコントローラーを利用した熱管理は、これから
世界で活用されるクラウド・コンピューティングにとって大きな福音となるだろう。

日本におけるこの種のイノベーションの可能性はまだまだたくさんある。新興国もエネルギ
利用の爆発的増加という危機を抱えている以上、遅かれ早かれ省エネルギーが欠かせなくな
る。日本が「ポスト3・11」の省エネルギー」を通して、「フクシマ後」のエネルギー利
用のプロトタイプを創造すれば、それはそのまま世界のグローバルスタンダードとなる。
原発がなくても経済はまわるどころか、原発をなくすことで日本はさらなる国際競争力を手
に入れることができるのだ

                                  この項つづく

 No.181

【バイオマス発電事業篇:最新バイオマスバイナリ発電システム工学Ⅰ】

一昨夜のつづきもあり、 「バイオマスバイナリー発電」の最新技術情報の調査。ところで、
3月22日、
川崎重工業(株)らは、高速負荷応答性を備えた30MW級高効率ガスタービンを
開発。それによると、
不安定な再生可能エネルギーの利用拡大に伴い、工場、地域冷暖房な
どの分散型電源・熱源として利用されることの多い中小型ガスタービンについて、ローカル
グリッドからの要求として負荷応答性、また同時に発電効率を上げることが求められていた。
本件は、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」で、川崎重工業株式会社は、
負荷応答性と発電効率を向上させるための技術を確立し、これらを適用した高速負荷応答性
を備えた30MW級高効率ガスタービンを開発。同クラスのガスタービンとしては世界最高水準
の負荷応答性と発電効率を有し、本開発成果を導入した100MW級コンバインドサイクル発
電プラント(CCPP)を2018年3月から販売開始。
今後、今回確立した技術を用いたガスタ
ービンやガスタービンコージェネレーションなど、システムの製品化に引き続き取り組む。
これにより、不安定な再生可能エネルギーとの連系による再生可能エネルギーの有効活用、
化石燃料使用量および二酸化炭素発生量の大幅な低減を実現することのこと。また、19日
には、石川播磨重工株式会社が100kW級バイナリー発電装置「HEAT INNOVATOR」を引渡
し完了したことが公表されている。そこで、今夜は、このブログは『花ぞ昔の香に匂ひける
』(Mar. 29, 2018)につづき、最新ガスタービン技術ではなく、バイオマス原料利用技術な
いしは発電技術に関する技術動向を下記のように確認を行なう。下記事例は、主に石川播磨
重工社関連の特許を記載。極めて大がかりなシステムとなっている。今夜の感想をひとこと
で言い表せないが、改良の余地はまだ残されている。これは残件扱いとする。

 

❑ 特開2018-035794  バイナリー発電システム

【概説】

従来のバイナリー発電システムは、蒸発器出口で作動媒体の温度/圧力を監視し、熱源増加
時合に、バイパス弁を開放か、ポンプ周波数を低
くし圧力上昇を抑制する。一方、熱源が減
少し、作動媒体の2相分離した時、ポンプを周波数を低くするか、または戻し弁を開き、作
動媒体の過熱状態にする。このような制御は、作動媒体の圧力上昇を抑制するという観点で
は一定の効果をもたらし得るが、、本来回収できるエネルギが回収されなくなり、トータル
効率の改善が生じる。このように、熱源に応じた効率的なエネルギ回収を可能とするバイナ
リー発電システムの提供に会って、下図1のようにバイナリー発電システム1が、作動媒体
の循環ラインL2,L3が通る蒸発器2および凝縮器4と、循環ラインL2,L3に接続
された複数の膨張発電機3A,3Bと、複数の膨張発電機3A,3Bの一部または全部に作
動媒体が導入されるように作動媒体の流路を切り替え可能な切替装置11,12と、作動媒
体の状態を検出するセンサ17,18と、センサ17,18によって検出される作動媒体の
状態に基づいて切替装置11,12を制御し、複数の膨張発電機3A,3Bの運転台数を変
更するコントローラ20と、を備えることで、熱源の状態に応じて、熱源のエネルギを無駄
なく効率的に回収することができる。


【符号の説明】1  バイナリー発電システム 1A  バイナリー発電システム 2  蒸発器
3A  第1膨張発電機 3B  第2膨張発電機 4  凝縮器 10  作動媒体ポンプ 11 
第1切替弁(切替装置) 
12  第2切替弁(切替装置) 16  温度センサ 17  第1
圧力センサ(センサ) 
18  第2圧力センサ(センサ) 20  コントローラ 21  第
1切替弁(切替装置) 
22  第2切替弁(切替装置) L1  温水ライン L2  第1循
環ライン(循環ライン) 
L3  第2循環ライン(循環ライン) L3a  第1膨張機排出
ライン 
L3b  稼働ライン L3c  バイパスライン L3d  凝縮器流入ライン L3e 
第1稼働ライン 
L3f  第2稼働ライン L3g  凝縮器流入ライン L4  冷却水ライン

 ❑ 特開 2018-048280  燃料バイオマスの製造方法、及び燃料バイオマス製造
   装置、並びにボイラ装置

【概説】

農業廃棄物由来や食品廃棄物由来などの有機廃棄物系の原料バイオマスから形成されたバイ
オマスは、アルカリ金属(Na、K等)やアルカリ土類金属(Ca等)を主成分とする灰分
と微生物とが多く含まれる。このようなバイオマスは、たとえ乾燥してペレット化したとし
ても、含まれる灰分の吸湿性により、保管中に空気中の水分を吸収し、バイオマスの燃焼時
の発熱量(カロリー)を低下させる。または、保管中に微生物による腐敗が生じ易い。そこ
で、バイオマス中に含まれる灰分や微生物を水洗/除去することが考えられるが、蒸気処理
により大量の水分を含む低密度のバイオマスを洗浄するには大量の水(バイオマスの重量の
例えば20倍~50倍程度)が必要であるとともに、洗浄後の排水が大量に発生する。 また、
一般に、単に水洗するのではなく、温水で洗浄する方が洗浄時間を短縮することが可能であ
が、バイオマスを温水洗いする場合には、大量の水を例えば80℃程度まで加熱するため、
温水を用意するための大量のエネルギ消費が生じかねない。さらに、水洗いや温水洗いを行
っても、バイオマス中の微生物の多くは除去できず、依然としてバイオマス中に残留する傾
向にある。このため、保管中のバイオマスの腐敗進行を抑制するのは困難である。

このように、下図4のように、原料バイオマス中のアルカリ金属やアルカリ土類金属を主成
分とする灰分と微生物とを少ないエネルギで効率的に除去することができ、耐湿性及び耐腐
性を備えた水分の少ない高熱量の燃料バイオマスを生成することができる燃料バイオマスの
製造方法、及び燃料バイオマス製造装置、並びにこのような燃料バイオマスを用いることで
ボイラの運転コスト低減、設備コスト低減、及び燃焼効率向上を実現することができるボイ
ラ装置を提供にあって、燃料バイオマス製造方法は、原料バイオマスを密閉して間接的に加
熱し、原料バイオマスの含有水分で原料バイオマスを水蒸気爆砕して微粉化バイオマスを生
成する前処理工程(ステップS1~S4)と、微粉化バイオマスを水洗してスラリーバイオ
マスを生成するスラリー化工程(ステップS5~S9)と、スラリーバイオマスを濾過して
固体バイオマスを生成する濾過工程(ステップS10)とを含むことで、原料バイオマス中
のアルカリ金属やアルカリ土類金属を主成分とする灰分と微生物とを少ないエネルギで効率
的に除去し、耐湿性及び耐腐性を備えた水分の少ない高熱量の燃料バイオマスを生成でき、
また、このボイラ装置によれば、このような燃料バイオマスを用いることで、ボイラの運転
コスト低減、設備コスト低減、及び燃焼効率向上を実現できる。


【図4】制御ユニットが実行する燃料バイオマスの製造工程を説明したフローチャート

【図1】本発明の一実施形態に係るボイラ装置を示す構成図

【図2】本発明の一実施形態に係る燃料バイオマス製造装置を示す構成図

【符号の説明】1  ボイラ装置 2  石炭焚きボイラ(ボイラ) 21,23,24,26 
配管(流路) 22 
高圧タービン(蒸気タービン) 25  中・低圧タービン(蒸気ター
ビン
) 28  分岐配管(供給路) 29 
合流配管(返戻路) 30  燃料バイオマス製
造装置 31  爆砕機 
32  シェル(外部加熱手段、水蒸気流路)34  チューブ(容器)
50  スラリータンク 60  濾過機 70  乾燥機 80  造粒機 B  原料バイオマス



【図5】燃料バイオマス製造装置で製造した燃料バイオマスと他のバイオマスとを保管日数
の経過に伴う水素ガスの発生量により比較したグラフ

 ❑ 特開 2018-044732
流動層乾燥機及びこれを用いた流動層乾燥システム

【概説】

近年、無煙炭や瀝青炭といった高品位炭のほかに、安価な褐炭等の低品位炭を燃料として用
いる試みが進められているが、こうした低品位炭は、含水量が多いため、燃焼に先立って乾
燥させる必要がある。 褐炭等の乾燥には、流動層式の乾燥機が用いられることが一般的で
あり、この種の流動層乾燥機に関連する先行技術は、例えば、流動層乾燥機(流動層乾燥装
置)では、乾燥炉内に画成した乾燥室に褐炭を供給する一方、前記乾燥室の下部のチャンバ
室からガス分散板を介して水蒸気や窒素等の流動化ガスを導入して流動層を形成し、流動層
を加熱しつつ流動させるようになっている。流動層は、上流側の第1乾燥室から下流側の第
2乾燥室へ流動する過程で徐々に水分を除去されるが、乾燥炉は例えば上流から下流にかけ
て直線的な形状の流路を有する縦長の直方体状に形成されている。そして、こうした直線状
の流路を有する乾燥炉では、容積に対して表面積が大きいため、表面からの放熱により多量
の熱エネルギーが散逸し、乾燥の効率が低下してしまうという問題がある。また、通路の長
さがそのまま乾燥炉全体の長さに反映され、乾燥炉自体の寸法が大きくなってしまうほか、
放熱を抑える目的で乾燥炉の周囲に大量の断熱材を設置する必要もあり、装置全体が大型に
なってしまうという問題を抱える。

本件は、乾燥炉表面からの放熱を抑えて乾燥に係る熱効率を向上し得る流動層乾燥機及びこ
れを用いた流動層乾燥システムを提供するにあたり、下図のように、平面視で渦巻状の通路
をなすよう区画された乾燥室3と、該乾燥室3に流動化ガスを送給する送風箱9と、乾燥室
3に被乾燥物Cを投入するための投入口5と、乾燥室3から被乾燥物Cを排出するための排
出口6を備えた乾燥炉2を備え、乾燥室3に投入された被乾燥物Cと、乾燥室3に送給され
る流動化ガスにより流動層を形成し、該流動層を乾燥室3により構成される渦巻状の通路に
沿って移動させながら被乾燥物Cの水分を除去するよう構成した、流動層乾燥機/流動層乾
燥システムで、乾燥炉表面からの放熱を抑えて乾燥に係る熱効率を向上し得る優れた効果が
実現できる。

 【符号の説明】    1    流動層乾燥機  2    乾燥炉    3    乾燥室    3a  乾燥室(第一乾燥室)
3b  乾燥室(第二乾燥室)    3c  乾燥室(第三乾燥室)    5    投入口    6   排出口    8   床面
9    送風箱    9a  送風箱(第一の送風箱)    9b  送風箱(第二の送風箱)  12    伝熱管  14   
含水量センサ  15    制御装置    A    空気(第二の流動化ガス)    C    被乾燥物    F    流動層
 W    水蒸気(第一の流動化ガス、熱媒体)

※ その他関連特許事例

特開2018-048966  2018/03/29 タール成分の分析方法 株式会社IHI検査計測
特開2018-044037  2018/03/22 タール改質装置 株式会社IHI
特開2017-179072  2016/03/29 木質系バイオマスの炭化処理装置 日工株式会社
特開2018-007348  2018/01/11 電力温水生成システム 株式会社ファインテック
特開2017-132676  2017/08/03 水素供給システム 株式会社高橋製作所
特開2018-048037 2018/03/29 人工原料の製造方法、人工原料、及び粉体組成物 国立大学
法人 鹿児島大学

特開2018-024168  2018/02/15 木材チップ製造装置 株式会社 タガミ・イーエクス
特開2018-044720  2018/03/22 熱交換器 株式会社IHI 他
特開2018-031540  2018/03/01 熱交換器、排熱回収集塵システム、及び石炭焚きボイラシス
テム 株式会社IHI


 

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かこち顔なるわが涙かな

2018年03月30日 | 環境工学システム論

 

     
                                       

5 兵 勢

十の力を持つ者をただ十人集めただけでは百の力にしかならないが、これに「いきおいをつ
ければ、二百にも三百にもなるであろう。静を勣に、「形」を「勢」に転化させるにはどう
すればよいか?

勢いの力

激流が岩をも押し流すのは、流れに勢いがあるからである。猛禽が指物を一撃のもとにうち
砕くのは、凝集した力か一挙に放つからである。 戦上手の戦いぶりも同様である。その勢
いは激しく、その撃砕力を一瞬に発揮する。弓にたとえれば、引きしばった弓の弾力が「勢
い」であり、放たれた瞬間の失の速力が「撃破力」なのである。たくさんの兵士を、小人数
のようによく管理するには、いくつかの部隊に分けることだ。

戦闘の経過は、つねに入り乱れて予断を許さない。だが、そのなかにあっても、軍の隊伍は
乱してはならない。戦闘の推移につれて、治もたやすく乱に変わり、勇もたやすく怯に変わ
り、強もたやすく弱に変わりうるのである。治乱を左右するのは統制力のいかんであり、勇
怯を左右するのは勢いのいかんであり、強弱を左右するのは撃破力のいかんである。また、
敵をこちらの凪うように動かすには、相手が進んで行動するような状況をつくりだすことで
ある。敵に有利なえさを与えれば、相手は必ず取ろうとするだろう。こうして利によって敵
を誘い寄せたうえで、圧倒的兵力で一挙に襲いかかるのである。

〈「冶もたやすく乱にかわり」「勇もたやすく怯にかわり」〉 対立物は転化しあう。「反
は道の動なり」(『老子』)という発展の法則がここに活用されている。エネルギーと速度 
ある物体が運動することによって生ずる運動エネルギーの大きさは、その物体の質量とその
物体の速度の二乗とに比例する。

【下の句トレッキング:かこち顔なるわが涙かな】 

嘆けとて月やはものを思はするかこち顔なるわが涙かな   西行法師 

月が私を悲しませようとでもしているのか、いやそんなはずはないのだが、そうとでも思い
たくなるほど、月にかこつけるようにして涙が流れてしまうのだ。


I wonder if the moon is trying to make me feel sad. Oh, I know it is not so, yet my despair
is so great that I want to place the blame on the moon. My tears flow in an endless stream.

願わくは 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ



       

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.27        

 ● 対談6 新しい現実をつくる   

『地域の再生エネルギー資源を活かし、地に足のついた経済力を育む』   

  加藤憲一小田原市長 

1964年神奈川県小田原市生まれ。京都大学法学部卒業。経営戦略コンサルティング会社
民間教育団体、農業、漁業、商業ビル企画管理、地域シンクタンク代表などを経て、200
8年5月より小田原市長。小田原の「恵まれた資源を活かし、地に足のついた経済力を育み
たい」とし、市民と事業者との意見交換会を行ない、お互いの理解を深めながら、さまざま
な再生可能エネルギーの導入促進事業の立ち上げを目的とし、取り組み全体を小田原市がバ
ックアップする官民協働の組織団体である「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」
を立ち上げた。



自給システムのモデル地域 

加藤 あと一つ.、言うとすれば、全国でごやっている活動も重要ですが、どこかにポイン
トを絞ってね、具体的な成果を早く立ち土げるようなモデル地域をつくったらいいかなと思
います。そういうところで、エネ経会議の皆さんと連携をして自給のモデルをつくっていく。
そういう経済活動を実現させることでも後押ししていただきたいですね。

鈴木 エネ経会議が注目されているのは、経済界がこれまで言ってきたごことと正反対のこ
とを経営者のグルトプが言い出したためだと思います。原発の問題はどこかで折り合ってと
いうわけにはいきそうもないのですが、反対するだけでは対立軸を生むばかりです。だから
エネ経会議としては反対運動を経済活動に置き換えてやっていくことにしました。そこに意
味があると思っています。 

われわれは商売人なので、脱原発運動を専業でやっているわけではなく、本業をやりながら
限られた時間のなかでやっているので、どうしても効果が高いところからやっていくことに
ならざるを得ないわけです。そのためにも「現実」をつくっていく。そういう意味でも、ぜ
ひ、小田原から実践をスタートしたいという思いが強くあります。エネルギーの自給システ
ムを小さくともいいから、ここ小田原につくって、具体的に自給のモデルができるんだとい
うことを世の中の人たちに示していきたいですね。

加藤 たいへん、期待しています。
鈴木 われわれエネ経会議のメンバーはほとんどが中小企業の経営者ですから、自分の会社
だったら何かできる、オーナーですから「太陽光発電をやろう」と言えばすぐにやれる。「
節電しよう」と言えばできるわけですし、できない理由、やらないための理由を探すのでは
なく、難しいかもしれないけれども、どうやったら自給のシステムができるか、やれること、
やるための理由を探していく。地域で何かやるときには地域の仲間を集めればやれる。小さ
くてもいい、むしろ小さいからこそできる。それを強みにしていく。自分の会社とか、自分
か暮らしている地域とか、自分が関われるところ、自分が影響力を伝えられるところから始
める。そういう仲間を無数に増やしていけばいつの間にか大きな力になっていくはずです。
そういう点でも、結構、皆さん、「そうか、そうか」という感じで共感してくれていますし
ね。

加藤 そのために本業の席があたたまる暇がありませんね。鈴木さんは席にいないことが多
いと聞きますが……。

鈴木 先週の金曜日はTBSの報道特集に出演を依頼されて収録しましたし、土曜日の午前
中は大阪府と大阪市の子不ルギー戦略会議に呼ばれました。飯田哲也さんから電話がかかっ
てきて「経済界から意見を聞きたい」ということだったんですが、経団連、経済同友会、大
阪商工会議所は「私たちはもう十分に意見を言ってますから」ということで来なかった。出
席したのはエネ経会議の私と楽天の三木谷さんの新経済連盟ですね。20分ぐらいずつ意見を
述べさせていただいて帰ってきました。

日曜日は原発所在地の島根から「大会を開きたいから来てくれ、日程はあなたの都合に合わ
せる」というので、せいぜい20、30人だろうと勝手に判断して「日曜日しかあいてませんが、
その日でよければ」と引き受けたんですが、会場は「くにびきメッセ」という大きな多目的
ホールで、主催者の島根の大学の先生に「今日のメインはどなたですか」と関いたら、「お
まえだ」というわけですよ。会場には1000人くらい集まると関いてびっくりしました。
ところが、実際には1300人人ったんですね。

加藤 やっぱり関心があるんですね、あちらの方は……。
鈴木 島根原発から9キロぐらいしか離れていませんから、いろんな層の、いろんな年代の
人が来ていて、原発を抱えた地域の人たちの関心がいかに高いか肌で感じました。1時間ち
ょっと話して帰ってきました。反対するだけでなく現実に再生可能エネルギーをつくってい
かないといけないということがよくわかったという、あとでそんな電話をいくつかいただき
ました。

加藤 それじゃ、席にいられないわけですね。合間に勉強会もやっているんでしょう?
鈴木 秋になったので、9つの地区の世話役会「秋の陣」をスタートして、おとといも大阪
へ行ってきました。今回はエネ経会議のほかに環境省からも来てもらって、加古川市の会場
にメンバーが30人ほど参加してグリーンニューディールの勉強会を関きました。残り8つの
地区もこれからスタートします。そのうえで11月17日に東京で臨時総会をやる予定です。

加藤 会員は、いま、どれくらいなんですか。
鈴木 450人程度ですね。毎月、ぽちぽち増えています。まだ立ち上がったばかりですが、
いろいろやってきて、振り返ってみると、夏が終わっていわれたような電気が足りなくなる
ということはなかったわけですね。それなのにいまだに足りない、あれはこうだから危なか
ったんだと無理やりおっしゃっている。

客観的に見て足りなくなかったのは厳然たる事実です。それなのに最初は足りないから再稼
働するといっていたのが、秋口になって電力足りちゃったら「原発とめろ」といわれると困
ると思ったのかどうかわかりませんが、途中から「原発をとめちゃうと膨大な発電の資産が
部不良資産になってしまうから電力会社のバランスシートがひっくり返って、そこに貸し
んでいる銀行がおかしくなって、日本経済に甚大な被害が出る」と、そんなことをいい始
めました。最近では「この国の安全保障上必要なんだ」と、いうことが支離滅裂で何か何だ
かわからない。それでもまだ動かしたいという人たちが多い。もう、こうなってくると理解
不能ですね。

  May 16, 2015

鈴木 そこで思うんですが、電気をつくることと、電気を上手に使うこと、いわゆる省エネ、
節電をしていけば、電気が2割ぐらい少なくて済む。それだったら原発いるかいらないかと
いう議論は必要なくなってきますよね。あとは時間をかけながら再生可能エネルギーにシフ
トしていく。2030年にはすごくいいかたちになると思うんですが、ごく普通に考えて…

加藤 夏場の2割カットは当たり前になって、あまり苦にならなくなってきています。
原発をとめることによる市民生活という観点からは問題がなくなってきているということで
すよ。

鈴木 この間、大阪へ行ったとき思ったことがあるんです。「再生可能エネルギーは太陽光
にしても、水力、風力にしても、自然エネルギーだから田舎でなければ無理だ。都会ではで
きない」と思いがちなんですが、実は大阪湾のコンビナートでは、それこそ無数の機械が動
いているわけです。そこから生じる熱は無駄に捨てられる。冷ますものと、あたためるもの
と、熱交換をうまくやっていけばものすごいエネルギーになるし、そういう技術はすでにあ
るんです。当然、かなりの投資が必要だと思いますが、腹をくくってやれば都市部も省エネ
、節電ができるし、まったく経済活動、生産活動には差しつかえないはです。そういう観点
で見たら、確かに自然エネルギーは田舎のほうが有利かもしれないけれども、都市部のそう
いうところにも可能性を求める、賢いエネルギーといういい方をしたら、むしろ、都市部に
さえ犬きな可能性が眠っていて、われわれはまだ知恵を出し切っていない。

  Das Schönauer Gefühl

地域で再生可能エネルギーの仕組みがお金と一緒にまわっていく仕組み

加藤 ドキュメンタリー映画で『第4の革命』や『シェーナウの想い』という作品がありま
すが、そのなかで主題的に取り扱われているのは、発電と送電の分離です。地域で独立した
供給網を手に入れていかないといけない。これはたいへん重要な課題で、ハードルも高いわ
けですが、それを何とかできないかと思うんですね。買い取り方法を含めて各電力会社との
具体的な折衝を地域サイドがやるということを日本でも考える必要が出てくるんじゃないで
すかね。

鈴木 アメリカで固定価格買取制法がスタートして42年になるわけですが、結構、大手の企
業が一斉に始めたわけです。そうすると、語弊があるかもしれませんが、原発が火力発電に
変わったみたいなことで、これまで通りの中央集権的な仕組みは変わらないで、しかも、も
う一つの地球温暖化という大きな問題が解決しないわけですね。だから、地域で再生可能エ
ネルギーの仕組みがお金と一緒にまわっていく仕組みにしないといけない。したがって、地
域でそういうことをまとめていくビジネスモデルがどうしても必要になってきます。

加藤 それをやっておかないと、ほんとうの意昧での地域自給になっていかないですから、
そこはしっかりトライしたいですね。あとはこの国の雇用の状況だとか人口動態、産業の空
洞化をどう克服していくかという観点からいうと、特定のだれかが大きなお金を集めていく
という仕組みではなくて分担したかたちでいろんな人が経済活動に関わっていく状況をつ
くっていく必要があると思います。どこかが駄目になっても、どこかが大丈夫だ、こういう
かたちにしていかないとこの国はまったく駄目になってしまう。

ほんとに深刻な状況だと思いますね。そのためにも、エネルギーの生産と供給にまつわる事
業は極めて大きな経済的な可能性を持ってますから、これを地域に開いていく。それによっ
て安全性が高まる。
鈴木 だから、大企業がけしからんとかね、東電などの電力会社がけしがらんといっても意
味がないので、むしろ、中央集権的にやって、そちらのほうが意味がある部分もあると思い
ますし、必ずしも全部が全部を地域でエネルギーを自給するということではなくて、産業と
いうのは超大企業もあり、大企業もあり、中堅企業もあり、中小企業も零細企業もある、そ
れらが競争しながら、切磋琢磨しながら、協力しながら存続していく、というのが経済のご
く普通の姿なんですけれども、エネルギーだけは別のかたちですよね。だから、エネルギー
も普通の産業のかたちにすればいろんなかたちで物も動くと思います。

加藤 ただ、広域で大企業が供給を一括管理しているシステムが大きなリスクをはらんでい
るのは確かですから、このへんはしっかり調整していかないといけないでしょうね。
鈴木 おっしやる通りだと思います。両方うまくバランスを取りながらやっていくことでフ
レキシビリティとスケールメリットを享受しながらリスクにちやんと対応できる、そういう
ことを考えると、ここで自分たちが腹をくくって、小さくてもいいから地域でモデルをつく
っていく。それに尽きると思います。

加藤 おっしやる通りです。
鈴木 原発所在地の雇用という観点からいっても、仮に原発を金部とめても仕事はなくなら
ない。いつ解決するかわからない福島第一原発は別として、他の原発は廃炉の作業が終わる
まで膨大な時間とお金がかかるし、技術力が必要ですから、仕事はなくならないんです。だ
から、曖昧な状態で放っておくと、原子力を目指す若い技術者がいなくなって、すでにいな
くなっていると思いますけれども、廃炉ということを考えると、それも困るわけです。

原子力を発電に使うのはまったく意味がないと思いますが、安全に廃炉にするためには原子

力の技術を継承していかないといけない、そういう矛盾めいた新しい困難が見えてきました。
若い技術者が何十年か後に終末を迎える原子力の分野に入ってきてくれるか、ということも
議論する必要があるように思います。それでは、どうしたらよいかというと、廃炉を静脈産
業としてきちんと位置づけて、日本と地球をきれいにしていく素晴らしい技術なんだという
考えを浸透させていく。すでに静脈産業の役割は高く評価されているわけですから、十分に
実現可能だと思います。

加藤 それは一つの見識ですね。
鈴木 単に脈原発をいうのではなく、そこへ持っていく工程表を具体的につくって、そのた
めには廃炉を静脈産業としてきちんと位置づけをして、若い技術者たちが誇りを抱いて入っ
てこられるようにすることが必要だと思います。時間がたてばたつほど難しくなってきます
から、早く何とかしないといけないと思います。


加藤 そうですね。まさに、おっしゃる通り、これからもずっと福島第一原発事故の事故処
理費用を電気料金に上乗せして払っていかないといけないわけですから、そこをきちんとし
ておかないと未来に対して責任を果たすことにならないと思います。

鈴木 来電をどうこうするというようなネガティブな話ではなくて、現実に原発事故が目の
前にあるわけだし、われわれは知ってか知らずか原発の電気を使ってきてしまったのですか
ら責任がないとは言い切れないわけです。だからこそ、われわれの費用負担で手仕舞いをす
る必要があるわけです。したがって、政治が「やるぞ」と言わなければいけないし、言って
ほしい。そうしたら若い技術者たちも「だったら」という気持ちになるのではないかと思い
ます。だけど、まだそこまで踏み込んで声を上げてくれる人がいないし、現れそうにないの
で、困ったなあと思っているところです。

加藤 そこまで踏み込まないと脱原発は実現できない。

鈴木 今度のことで学んだことはいろいろあるわけですが、いわゆる発電といっても安全を
切り口にすれば原発には大きな危険があったことをだれもが敦わったわけです。でも、それ
で終わりではなくて、安全のために支払うコストをねぎったり、ツケにしたりしたらひどい
目に遭うということにまず気がつかないといけないような気がします。われわれはツケにし
た覚えはないわけですが、現実に敦えられました。安全コストはコストダウンの対象にな
らないのです。

そういう認識が加害者と被害者の双方に共有されていたら、「原子力安全神話」などそれこ
そ噴飯物のペテン話で、もっと早く再生可能子不ルギーの導入が進んでいたかもしれない。
いま、ツケを払わされてみて、原発の安全コストがどこまで上がるかわから対談け也域の再
生エネルギー資源を活かし、地に足のついた経済力を育むないという状況になってみると、
原発が一番コストが安いというのは完全に詐欺だったとだれもが気づくわけです。

ですから、安全神話がどうのこうのではなくて、もともと安全のためのコストは高いのだと
いう認識を普及させて定着していく努力も必要だと思うんです。たとえば再生可能エネルギ
ーはコストが高すぎるといわれますが、安全コストは極めて低くてすむわけですから、トー
タルするとそれほど高くないし、普及するにつれて低減する幅は大きい。これからは、いわ
ゆるコストの概念から「安全コスト」を独立させて、たとえば原子力の安全を保つための費
用は膨大すぎて数字で示せない、再生可能エネルギーはその点低くてすむ、そういう理解の
仕方を広めていく必要があると思っています。

加藤 大賛成ですね。
鈴木 終わりのほうは自分の意見ばかり述べてしまいましたが、本日は公務ご多忙中のとこ
ろ予定を取っていただいてありがとうございました。

加藤 こちらこそ、ありがとうございました。

                   2012年9月10日 小田原市役所市長室にて

                                   この項つづく 

 No.180

 【ソーラータイル篇 :サウジアラビアに2百ギガワッのソーラーパーク】

 

サウジアラビアとソフトバンク・グループは、2030年までに200ギガワットの太陽光発電を
開発するための覚書を締結したことを昨夜掲載。このメガプロジェクトは、27日(火)、
ニューヨークのセレモニーでサウジアラビアのモハメド・ビン・サルマン皇太子とソフトバ
ンク創業者の孫正義が出席して開かれる。 この協定は サウジビジョン2030計画の一部を構
成し、経済の多様化のために王国の石油と天然ガスへの依存を減らすことを目指す。このベ
ンチャーは2,000億ドル(GW当たり約10億ドル)の費用がかかると予想。最大10万人の雇用を
創出する予定。この事業計画は最大規模を2桁飛び抜ける巨大。因みに2位は、Bulli Creek
Solar Farm(2024年までにオーストラリアに建設予定)の2ギガワット、3位はHelios PV Pla-
nt Phase1(ギリシャ)の2ギガワッと、4位は米国で建設中のCapital Dynamics Nevada PV Po-
rtfolioの1.3ギガワットである。昨年度の全世界のソーラー容量は400ギガワットだから、今
回の契約締結規模はその1/2。



【グリーンインフラ篇:浜美術館前のグランモール公園】

自然環境を巡る新しいトレンド、「グリーンインフラ」が国内に広まりつつある。自然が持
つ多様な機能を賢く利用して、持続可能な社会と経済の発展に寄与するインフラや土地利用
を図る概念。自然素材を取り入れて、グリーンインフラの思想を実現したのが、横浜市の「
みなとみらい21中央地区」にある横浜美術館前のグランモール公園。2016年3月に 都市型の
集中豪雨とヒートアイランド現象を一挙に解決する公園に生まれ変わっている。因みに、改
修では樹木の数を増やし、緑被率を34%から466%に高める。ただし、緑の量を増やすだけ
がグリーンインフラではなく肝は地下の生育基盤にある。これまでU形側溝に排水するだけだ
った雨水を、樹木の生育用の資源として活用する。なおかつ、地下にためた水が保水性舗装
などを通して蒸発。気化熱によって涼しさを体感できるような水循環型のグリーンインフラ
を構想。

 



【目に見えて巨大な新しい人間の器官を発見】

●「間質」は生存組織のクッション作用として癌の伸展の理解を向上させる

ニューヨーク大学らの研究グループは、体組織を守る一連の流体で満たされた衝撃吸収区画
で構成されている間質が、これまで結合組織の緻密な層と

考えられていたが、実際は人体の
中で最も大きな臓器の1つであることを突き止める。これまで、間質がその体液をリンパ系
に排出→体の免疫応答に影響する。今回これを調節することに注目。体内液体を輸送する際
に、間質により癌細胞が放出されることを意味するが、この新しい臓器が癌の発症を防ぐ重
要な役割をもつていることが理解されていたはず。今回の発見により、間質液の直接採取す
ることで強力な診断手段になる可能性をもち、医学的な革新をもたらす可能性を秘めるとの
こと。下図の技術報告書を精読めておらず残件扱いとしてここまでとする。

 

  ● 今夜の一曲

『恨み節』 唄  :梶 芽衣子
      作詞:伊藤 俊也
      作曲:菊池 俊輔


花よ綺麗とおだてられ

咲いてみせればすぐ散らされる

馬鹿なバカな馬鹿な女の怨み節

運命哀しとあきらめて

泣きをみせればまた泣かされる

女あんな女なみだの怨み節

憎い口惜しい許せない

消すに消えない忘れられない

尽きぬつきぬ尽きぬ女の怨み節

夢よ未練と咄(わら)われて

覚めてみせますまだ覚めきれぬ

女おんな女ごころの怨み節

『女囚さそり/701号怨み節』、1973年(昭和48年)12月29日公開の邦画(東映)。女囚さそ
りシリーズの第4作目である。併映作品は『ゴルゴ13』。主題歌の歌手は梶芽衣子(1947年3
月24日)は、日本の女優・歌手で本名および旧芸名は太田 雅子。

昨夜につづき、課題が山積するばかりで頭を抱える始末、トホホのホである。

                                    

  

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花ぞ昔の香に匂ひける

2018年03月29日 | デジタル革命渦論

 

     
                                       

5 兵 勢

十の力を持つ者をただ十人集めただけでは百の力にしかならないが、これに「いきおいをつ
ければ、二百にも三百にもなるであろう。静を勣に、「形」を「勢」に転化させるに
はどう
すればよいか?

正攻法と奇策の組合せ

たくさんの兵士を、小人数のようによく管理するには、いくつかの部隊に分けることだ。
くさんの兵士を、小人数のように一体となって戦わせるには、指揮系統を確立することだ。
さらに、全軍が敵の出方に対応して絶対不敗の優位を保つのは、変幻自在の戦術あればこそ
である。
石で卵を砕くように、戦えばかならず勝つという戦闘の要諦は、「実」すなわち充
実した戦力をもっ
て「血」すなわち手薄な敵を撃つことに尽きる。

実をもって庖に勝つのが、戦争の常道(正)である。そしてこの常道は、個々の場面に応じ
た縦横の
戦術(奇)となってあらわれなければならぬ。このような変幻自在の戦術は、天地
のように終わりがなく、大河の流れのようにつきることがない。日月のように況してはまた
あらわれ、四季のように去ってはまた訪れる。

音階の基本は、宮・商・角・徴・羽の五つにすぎないが、これをいろいろに組み合わせれば
、数えきれぬ変化が生ずるではないか。色彩の基本は、青・赤・黄・白・黒の五つにすぎな
いが、これをさまざまに組み合わせれば、数えきれぬ変化が生ずるではないか。味の基本は、
辛・酸・(かん)・甘・苦の五つにすぎないが、これをとりどりに組み合わせれば、数え
きれぬ変化が生ずるではないか。同様に、勝敗の帰趨を決定する要囚は「正と「奇」の両者
があるだけだが、その変化は無限である。「正」は「奇」を生み、「奇」はまた「正」とな
り、円環さながらに巡なってつきないのが、奇正の変化なのである。

奇正の変 基本の応用による無限の変化という考え方は、創造の本質をついているといっ
     よかろう。
 


【下の句トレッキング:花ぞ昔の香に匂ひける】

人はいさ 心も知らずふるさとは花ぞ昔の 香(か)ににほひける   紀貫之

あなたは、さあ、心変わりしておられるかどうか分かりませんが、昔なじみのこの里では梅の花が昔
と変わらずによい香りを漂わせて咲いていることだ。

You may have changed your mind for all I know, but the plum blossoms of this village are
blooming with that same heavenly scent of long ago.



       
 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.26   
     

 ● 対談6 新しい現実をつくる   

『地域の再生エネルギー資源を活かし、地に足のついた経済力を育む』   

  加藤憲一小田原市長 

1964年神奈川県小田原市生まれ。京都大学法学部卒業。経営戦略コンサルティング会社
民間教育団体、農業、漁業、商業ビル企画管理、地域シンクタンク代表などを経て、200
8年5月より小田原市長。小田原の「恵まれた資源を活かし、地に足のついた経済力を育み
たい」とし、市民と事業者と
の意見交換会を行ない、お互いの理解を深めながら、さまざま
な再生可能エネルギーの導入促進事業の立ち上げを目的とし、取り組み全体を小田原市がバ
ックアップする官民協働の組織団体である「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」
を立ち上げた。

もっと節電できる

加藤 普通に考えたら明らかですけれどね。ですから、たとえば、ここの空調にしても、電
力を使って劾かすいろんなメカニズムにしても、少なくとも20年ぐらい前まではなかったも
のです。それを思えば、節電の効率とかは格段に上がってますよね。原始時代に戻るとかと
んでもないことがいわれてますけど、2割、3割くらい電力を使わない状況であっても十分
にやっていける。ちょっと我慢すればよいだけです。その代わり生活の工夫をしていく、そ
れも楽しみながらやっていくというなかでクリアできると私は思っています

鈴木 この間、目本の電気の需給の数字を時系列的に見ていたんですね。そうすると、いま
から20年ほど前、1991年か、92年くらいの、バブルがはじけるころですね、あのときか
ら比べると’日本の電気の需要量は3割増えているんです。じゃ、その時代に電気がなくて
困っていたかというと、皆さん、ジュリアナ東京で踊ったり、バブルで浮かれていたわけで
すから、けっして電気が足りなかったということはないわけで、それではなんで電気の使用
量が増えたのかということをもう一度考えてみる必要があ
ると思います。

そういうふうにしていくと市長さんがおっしゃるように、まだまだ電気を含めたエネルギー
の賢い使い方があると思いますし、私どもの工場も去年の夏に15パーセントの節電をしな
さいという義務を負わされたんですが、15パーセントなんていっていないで20パーセン
トとか、25パーセントをやってみようというのでやってみました。そうしたら、ピークの
電力使用量と総電力使用量と両方の目標が見えてきて何とかできたんですね。そこで実感し
たのは、企業ですから電気はコストで、それまでにも「節電、節電」といってきたのに、ま
だまだ甘かった。もっと節電できるなということを感じました。

といっても、中小企業の私たちのような会社はなかなかやりづらい。大企業の場合は社員に
そういう専門のスタッフがいたり、専門の部署とかがあって節電や省エネが進んでいるので
すが、中小企業だとそういうスタッフを置いたり部署を設けたりはできないからやりづらい。
半面、やってこなかったから節電・省エネの余地は大きいわけで、家庭を含めると、皆さん
が知恵を出してやったらI割、2割の節電は割合たやすくできてしまうと思います。

加藤 今度、事業化していく再生可能子年ルギー協議会は3つの柱を掲げていて、メインの
桂が再生可能エネルギーを限りなく自給できるようにする。つまりエネルギーをつくること
ですね。2つ目がエネルギーを賢く使っていく、節電ですね。これは発電とセットでやって
いかなければ意味がない。セットでやっていかないとエネルギーのほんとうの意味での重要
さというのは、なかなか私たちにはわからない。あとで反省して節電するくらいなら最初の
段階でやったほうがほんとうの意味での節電じゃないかという発想で、2割、3割の節電は
可能だと私は思っています。

3つ目が発電と節電の双方を市民が主役になって進めていく。小田原電力に投資するもよし、
参画するもよし、ただ、それで終わててしまうのではなく、暮らしの中で節電していく。飯
田哲也さんは「子不ルギーについての自治力」といっていますが、まったく同感です。食べ
物を自分たちでつくるようにエネルギーも自分たちでつくっていく。食べ物を地産地消する
ように子不ルギーも地産地消する。いのちを支える自分に必要なものは自分の手の届く範囲
で私たちがコントロールできる手段で置いておくというのが、一番よいやり方だと考えてい
ます。

鈴木 いま、市長のいわれたことは、原発事故があって電気が足りなくなったから、地元で
つくるんだという、そういう単純な話ではなくて、地域を構成する要素がいろいろあるなか
で、エネルギーもその1つという考え方で一貫していると理解しました。そうしますと、あ
るべき地域の姿というのが描き出せると思います。

加藤 おっしゃるように、そこは構想がはっきりしていまして、もともと、このあたりは江
戸時代は小田原藩、小田原を含めた神奈川県西部ということで、丹沢、箱根、富士山の地下
水、そして酒匂川という水でつながった水系の地域圈として、ある意味独立していたわけで
すね。結論からいうと、私はこの地域をエネルギーを含めていのちを支えるのに必要なもの
を自給できる地域圈にしていきたいわけです。そういった自給地域圈で日本を構成していく
かたちが一番安全だと私は考えます。

鈴木 たくさんの小さな地域圈がつながっていく、そういうイメージですね。
加藤 そうです。いま、日本の自治体は平成の大合併などのために1700~1800くら
いに数が減っていますが、自治体の境目でとらえるという意味ではなくて、人が生きていく
ために必要な素材をまとめて持っている地域をつくっていく。小田原の場合は酒匂川、箱根
山、丹沢山塊、その周辺に展開する農地とか、なりわい、そういった、人が生きていくうえ
で必要なものをすべてこの地域で持っている。厳密にいうと地域の田圃で人口40万人を養
えるかという問題があるわけですが、気持ちとしてはそういうつもりで、このなかで、いの
ちを支えるのに必要なものは地域のなかで自分たちでしっかりつくっていく。これが持続可
能な社会の一番の根本だと考えます。

小田原の取り組みを「日本再生のさきがけ」にしたい

鈴木 お話をうかがっていますと、そういう食べ物とか、エネルギーとか、いわゆる物質的
なものだけではなくて、自分のふるさとというか、自分のふるさとへの思いとか、そういう
ものを言葉の端々から感じるんですが、そのへんをもう少しくわしくお聞かせ願えますか。

加藤 私は市長になる前から「自主独立、自給自足の経済文化圏」というフレーズを使って
いました。食べ物とか、エネルギーとか、暮らしを支えるものだけではなくて、私たちは自
分たちのマインドであったり、アイデンティティであったり、地域への思い、こういうもの
があって生きてきたわけでして、こういった精神的基盤は自分たちが必要とするだけでなく、
次の世代を育てるうえでなくてはならないものだと思っています。ですから、教育において
も、福祉についても、自給的に自分たちでやっていくんだという思いで私は取り組んでいま
す,

鈴木 ということは、そういったことがよくいわれる持続可能な社会、いのちをつないでい
くふるさと、それらを次の世代につなげていく使命を担った日本人でありたい、そういうこ
とになるのでしょうかね。
加藤 結局、こういう時代になって、国の財政は言うに及ばず地方の財政も逼迫して、硬直
化しています。いわゆる「公」がすべてを単独でやれるという時代は完全に終わっているわ
けです。いろんな課題を前向きに乗り越えていくには、どうしても一人ひとりの国民や市民
が動いていかないといけない。やむにやまれずやるというよりも、もっとプラスの思考で自
分がやって当然のことというマインドがなければ、これまで万人ひとりのなかで眠っていた
力を引き出すことはできないだろうと思いますね。そういう意味でもエネルギーの自給はけ
っしてハードルは低くないので、それを前向きに受けとめて、これまで一人ひとりのなかに
眠っていた力を引き出すのにとても適したテーマだと思います。ハードルが高ければ高いほ
ど乗り越えたときに備わる力は傑出したものになるはずですから。

鈴木 みんなが成長する絶好のきっかけになりますよね。そのなかで地方というか、地域の
問題としてはお金がない、だから何かやるときには国とか、県とかから補助金、交付金をも
らわないとできないという、そういうことがよく見受けられます。たとえば原発の仕組みを
みても、電気料金とか、税金から吸い上げられて何かよくわからないところに使われていく。
地域はお金が欲しいからやりたくないことも引き受けていく。そういうことがあったような
気がするんですよ。

原発が一つの典型かもしれないし、それ以外の関係でも国が上にいて、地方が下にいてとい
うパターンを崩していかないと、市長がおっしやるようにほんとうに地域が自立して元気に
なるときはなかなかこないような気がします。だからといって、国と喧嘩をする必要はあり
ませんが、これからどうしていくかという観点からみて、国と地域の関係はどうあるべきな
んでしょうか。

加藤 ここ最近の政治の局面がまさにそのあたりの問題を露呈しているわけですけれども、
かつて、お上が強かった時代、すなわち封建時代には自治を各藩のお殿様、幕府でいうと将
軍がやって、領民は年貢を納めていたわけですけれども、日本の場合はそういう関係がずう
っと続いてきて、結局、国も地方に対しては上位意識が非常に強く、地方のなかでも役所は
市民に対して上位意識を持つ、そういう構造だったような気がします。 

経済が成長に向かっている時代は号令で動いていけばよいわけですが、いまは完全に遂って
きているので、一昔前の条例や制度や仕組みは破綻していますし、福祉にしてもそうですし、
環境保護でも、課題を解決できるのは地方の現場でしかないんですね。答えを見つけるのも
現場でしかない。と、なると、現場が自分たちで解決するという意識を持って立ちまわって
、そこで得られた解決策を遂に国が統合して共有するシステムを構築して、ボトムアップで
この国の問題を解決する局面をつくり上げていかないといけない。民主党が掲げた地域主権
はまさにそれをやらなければいけなかったと思うんですが、不発でした。

私としてはそういった状況を安閑として見ているわけにはいかないので、自分たちでやれる
課題に果敢に取り組んでいるわけです。ただ、残念ながら自分たちの財源には限りがあるも
のですから、自分たちで積極的に解決策を実践して、「こういうことについてお金を使って
ちょうだいよ」ということを遂に国へ提案して制度をつくっていく。こういう手順で進めな
いと、特に再生可能エネルギーのようなテーマは経済界がこぞって疑問を呈しているだけに、
国も、ともすればまた遠ざかっていくのではと思ってしまいます…….。



鈴木 そうでない経済界もありますよ(笑)。
加藤 確かにそうですが、いっとき脱原発依存といってくれた国が、またぐらつきだしまし
た。それじゃいけないという認識なり現実をわれわれの民意として示さないといけない。国
と地方の関係をすべからく地方から国へという逆の流れにしていく。地域の現場の取り組み
が先にあって政府がつくる制度があとがらついてくるというようにしないと必ず方法を間違
えると思う。借越ながら、そういう思いで小田原の取り組みを「日本再生のさきがけ」にし
たいと思っています。

鈴木 たぶん、市長と同じような思いというか、同じような考えを持っている首長さんが全
国にいらっしゃるわけですね。そういう方たちとうまいところでうまい具合に連携を取って
いくということも必要なのではないでしょうか。それがめぐりめぐって国を動かしていく力
になるように思います。この間も脱原発の首長さんが集まった会議がありましたが、そうい
う連携をきっかけに脱原発以外のテーマにまで幅を広げるという方向も考えられると思いま
す。

加藤 もともと、いろんな取り組・みの切り口に応じて関係する首長が連携するというのは
大事なことだと思うんですが、最近、そういう面では先鋭化しています。たとえばエネルギ
ー問題でいえば、先はどの脱原発を唱える首長会議は、もともと、この分野で活動してきた
湖西市の三上市長とか、国立市の元市長だった上原公子さんとか、何人かの人が中心になっ
てつくりましたけれども、このように同じような思いを持っていらっしゃる首長さんはかな
りいると思います。

私どもは福島第一原発の直接のお膝もとの福島県内の首長さんたちとは比べるべくもありま
せんけれども、同じような痛みをもって参加させていただいています。そして、解決の手段
を市民の方々が考えて動いてくださっておりますので、そういうなかで「脱原発、脱原発」
というだけではなくて、「であるならば、どうすればよいか」という対案をつくる。このこ
とにおいて、われわれは連携しないといけませんし、いい意味で競っていかないといけない。
そういう関係をつくっていきたいと思っています。他の分野、たとえばまちづくりという面
では、最近、よい意味で40代の首長が当たり前になってきましたね。

鈴木 そうですね。神奈川県は多いですね。30代の市長さんも生まれましたしね。
加藤 完全に競い合ってます。いい意味で競い合って、先ほど申し上げた地域の現場からこ
の国の解決策を提示し合っていく。だれかがこうしたらいいんじやないかと言ったら、即、
いただく。組めそうだと思ったら、すぐ組む。そういうことが距離に関係なく頻繁に行なわ
れているんですね。

鈴木 いま、市長の言われた首長さん同士の切磋琢磨、あるいは協力のネットワークという
のは、まさに経済界でエネ経会議が担いたいと思っていることなんですが、そうした観点か
らエネ経会議にアドバイスをお願いします。
加藤 最近、私が懸念しているのは、あれだけ多くの割合で国民アンケートで民意がはっき
り示されているのに、それを認めようとしない人たちがかなりの割合でいるということです。
民意はいのちと親和性のある、将来まったく危険のないエネルギー源を求めているんですよ
。ただ、それにブレーキをかけているのが残念ながら経済界の方々なわけです。エネ経会議
の鈴木さんを目の前にしてもうしわけないのですが、そういわざるを得ないのです。もちろ
ん、エネ経会議の経営者の皆さんは、その方たちと同じ立場でやっておられるし、ちゃんと
民意に沿った主張をしていただいているわけですが、そうでない経済人のほうが圧倒的に多
い。

いのちが危険にさらされているなかでは、経済もなにもないということを私たちは理屈ぬき
に実体験しましたし、多くの市民もまた実際にそう思っているんですね。ところが、この国
の仕組みを変えていくには、どうしても経済が伴っていかないと実現しないわけですから、
まだまだ難しい構造のなかでご苦労があると思いますけど、エネ経会議の皆さんが「脱原発」
の声を上げた意義は大きいと思います。

それだけに粘り強く押していただきたいですね。ほとんどの国民は脱原発を願っているんで
すが、ほんとうにそうなるのかなという思いもあるわけです。そうした思いを乗り越えてい
くためには于不ルギー自給のための方策、なかんずくそれをベースにした経済活動の確立が
求められる。そこがエネ経会議の皆さんのご協力に期待するところです。

鈴木 小さいからというよりも、小さいがゆえにできる利点があると思うんです。市長がお
っしゃるように、たくさんの地域が連なるのと同じように、小さな実践を無数に積み重ねて
いけば、いつしか大きな力になっていくと思います。そういう小さな循環を無数に生み出し
たいですね。
                                  この項つづく                            
                                                 
 

 No.179

 【ソーラータイル篇  :シャープ 単結晶6インチサイズで 20.09 %達成

3月27日、久しく話題から遠ざかっていった同社だが、シャープは、6インチサイズの単
結晶シリコン太陽電池セルにおいて、世界最高の変換効率25.09% を達成したことを公表。
同社
の高効率な太陽電池モジュール「BLACKSOLAR(ブラックソーラー)」のバックコンタク
ト構造(下図)と、単結晶シリコン基板の表面にアモルファスシリコン膜を形成するヘテロ
接合の技術を融合した「ヘテロ接合バックコンタクト構造」により、単結晶シリコン太陽電
池セルの高効率化を実現。この
太陽電池セルは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NE
DO
)が実施するプロジェクト「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」の
一環として当社が開発し、電気安全環境研究所(JET)が変換効率を測定。そして、太陽電池
のさらなる高効率化と発電コストの低減に取り組み、再生可能エネルギーの普及拡大に貢献
して行くとの決意を掲載している。

   Mar. 28, 2018

【原発200基分!ソフトバンクとサウジが21兆円の太陽光発電計画】

3月28日、総額21兆円、世界最大級の太陽光発電事業が明らかになる。日本のソフトバン
クグループが、石油依存からの脱却を目指すサウジアラビアが進める計画に全面的に協力。

ソフトバンクグループの孫正義社長は27日、サウジアラビアのムハンマド皇太子とアメリ
カで会い、世界最大規模の太陽光発電計画を共同で進めることで合意。
ソフトバンクによる
と計画では2030年までに総額2000億ドル、日本円にして21兆円を投じてサウジア
ラビアの各地に太陽光発電所を建設する。
発電能力は合わせて2億キロワット、原子力発電
所およそ200基分に相当する規模になるということです。中東のサウジアラビアは石油に
依存した経済からの脱却を目指して、王位継承者のムハンマド皇太子が構造改革を進めてい
て、今回の太陽光発電の計画もその一環。
ソフトバンクグループとしては、サウジアラビア
の政府系ファンドから出資を受けて設立した10兆円規模のファンドから1000億円余り
を拠出する予定で、国家的なプロジェクトをともに進めることで関係をさらに強固なものに
したい考え。このニュースは世界的にも反響を呼び起こしている。

 Mar. 29, 2018

サウジ皇太子「大胆かつリスクも」

ソフトバンクグループとの間で合意した世界最大級の太陽光発電計画について、サウジアラ
ビアのムハンマド皇太子は、27日、「とても大きな一歩だ。大胆かつリスクもあるが成功
に至ることを期待したい」と述べている。同国々
営通信は、今回の計画を通じて10万人の
雇用を国内に生み出せる伝えており、ムハンマド皇太子が経済改革を加速させる成果とし
て、その意義を強調したいものと見られている。

【温泉の未利用熱で100kW級のバイナリー発電、静岡県】


3月19日、IHIプラント建設は、JXTGグループのJX金属が静岡県下田市に建設した下田温
泉バイナリー発電所向けに、同社として商用第1号機となる100キロワット級バイナリー発電
装置「HEAT INNOVATOR」の引渡しを完了したことを公表(上写真)。
同発電所は、源泉か
ら湧出する110℃の温泉水を熱源として利用し、発電装置で使用される冷却水には井戸水を
用いるなど未利用エネルギーで発電を行う。最大出力は110kW(発電端)で、発電した電力
はJX金属が再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)で全量を売電する。同装置は、
温泉水や地熱の有効利用だけでなく、各種エンジン排熱・排ガス、工業炉・焼却炉・化学プ
ラントなどの産業排熱、バイオマス燃料などの再生可能エネルギー熱源など多様な熱源に対
応する。

また、同装置の作動媒体は電気事業法の小型バイナリー発電の規制緩和対象となる不活性ガ
ス(HFC-245fa)を採用していることや、120~200℃の熱源を対象とした高温機と80~120
の熱源を対象とした低温機の2機種のラインアップをそろえ、熱源に適した機種選定が可能
なことが特長となる。
さらに、発電機本体は摺動部がないオイルフリー磁気軸受を採用し省
メンテナンス性を向上した他、発電装置モジュール内にタービン発電機、作動媒体循環ポン
プ、蒸発器、インバータ、制御盤がコンパクトに配置され省スペース化を図ったとする。同
社では、今後も同製品の温泉水や地熱の有効利用向けとしての採用を中心とした受注拡大に
向けて営業活動に取り組み、再生可能エネルギーの活用による地球環境負荷低減への貢献を
目指す。

 

【ソーラータイル事業篇:テスラ社の最新ルーフトップ型太陽電池導入】

 ステラ社のテクスチャー付ルーフトップ型太陽電池(約2200円/平方フィート×9.8
5キロワット×30年保証)が設置されたことを公表(上写真)。これで、ソーラータイル
の世界普及が始まるか?勿論!

 
【桐から家をつくり森から電気をつくる】

慌ただしさが加速している。そこに、バイオマス燃料化に関する問い合わせの電話が届き、
どのようなものか調べたうえで相談に応じたいとの旨を伝える(非キルン型で二重流動層型
であることがわかる)。明日、バイオマスボイラーの仲間の相談する。そんな中「FFE&KIR
I
総研株式会社」(上図)の存在をネットで知る。長野の業者で桐製品(住宅)販売会社だが
バイオマス発電も行っているが、親戚で檜専門の製材店営んでいることを思いだしちょっと
触手が動いた。それにしても流動層は活性炭の容態吸着除去装置と関わった経験程度しかな
いのだが。

 

 

コメント
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ひとり戦略のトランペット

2018年03月27日 | デジタル革命渦論

 

     
                                        

2 軍 形

形式というものは、何らかの作用をもたらすためにあるのであり、固定してしまっては用を
なさない。水のように相手に応じて変化し、大きなカを発揮する-無形の形、それが軍形の
理想なのである。

軍 事 力

戦略には五つの要素がある。第一に国土の面積、第二に資源、第三に人口、第四に軍事力、
第五に
勝敗である。地勢に基づいて実質的な土地の広狭が決定される。土地に基づいて資源
の多寡が決まる。
資源は人口の多少を決定する。人口は軍事力の基礎である。そして軍事力
の強弱によって勝敗が決定
されるのだ。彼我の力役の差が、鎰(重さの単位)をもって錬(
沿の約五百分の一)に対するようであれば、必ず勝つ。
逆に鋒をもって温に対するようであ
れば必ず員ける。
戦上手は、満々とたたえた水を深い谷底に切って落とすように、蓄積され
た力足を最大限に発揮す
る。熊侍をととのえるというのは、まさにこのためなのである。

     
 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.25   
    

 ● 対談6 新しい現実をつくる   

『地域の再生エネルギー資源を活かし、地に足のついた経済力を育む』  



加藤憲一小田原市長

1964年神奈川県小田原市生まれ。京都大学法学部卒業。経営戦略コンサルティング会社
民間教育団体、農業、漁業、商業ビル企画管理、地域シンクタンク代表などを経て、200
8年5月より小田原市長。小田原の「恵まれた資源を活かし、地に足のついた経済力を育み
たい」とし、市民と事業者と
の意見交換会を行ない、お互いの理解を深めながら、さまざま
な再生可能エネルギーの導入促進事業の立ち上げを目的とし、取り組み全体を小田原市がバ
ックアップする官民協働の組織団体である「小田原再生可能エネルギー事業化検討協議会」
を立ち上げた。

小田原でもエネルギーの会社が具体化

鈴木 今日は神奈川県小田原市の市長加藤憲一さんにアドバイスをお願いしました。ほんと
うにお忙しいところ、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。

加藤 とんでもないです、こちらこそ。
鈴木 もちろん、私は小田原市民ですので、関わらせていただいているのですが、いよいよ
小田原でもエネルギーの会社が具体化します。もともと市長は子不ルギーのことを
以前から
唱えてこられたわけですが、昨年、2011年の19一月に行政と民間が共同で再
生可能エ
ネルギーの事業化を検討する協議会をつくれという号令をかけてくださって、
それで協議会
が立ち上がって、いま、半年を経て動き出してきたわけですけれども、ま
ず、そのへんのと
ころから。

加藤 はい。まず、エネ経会議の世話役代表として、鈴木さんが全国を股にして駆けまわっ
ていることに心から敬意を表したいと思います。


鈴木 ありがとうございます。
加藤 会社を立ち上げるに至った思いというか、経緯ですが、振り返れば「3・11」のあと、
原発から300キロ離れている小田原が直接被害を受けた事実が何点かあります。1つが計
画停電に伴う地域の、特に観光産業、製造業にまつわる経済的大打撃。小田原かまぼこの会
社がその最たるものですが、地域を代表する産業の操業が事実上停止に追い込まれる。また
、観光業、宿泊施設をも含めて、売り上げが8割減、9割減ということで、箱根・小田原に
は人がこないという状況でした。いまの電力需給網に不備なり致命的な欠陥があった場合に
は、経済がとまるということをまともに実感させられてしまったわけです。もう一つは何と
いっても地元の代表的ブランド足柄茶から放射性セシウムが検出されてしまったということ
。日々、口から入るお茶から検出されたことはたいへんにショックでありまして、当時、生
産者は安全を保証する目的で自主的に検査を行なっただけに、余計、ショックが大きかった
わけです。

 飯田哲也メッセージ

鈴木 念のためにと受けた検査でしたね。
加藤 そうなんですよ。いずれにしても、私たちが享受してきたエネルギー体制から被害を
受けたということが、いろんな意味で見直しの出発点になりました。いまは再生可能エネル
ギーといわれますが、前はクリーンエネルギーと呼ばれていて、市長になる前から私は飯田
哲也(環境学者、環境エネルギー政策研究所所長)さんの言動に注目して、実際にヨーロッ
パの脱原発事情を視察してまいりましたし、震災前からクリーンエネルギー導入の可能性を
探っていたんですね。

今回、こういった事態を受けて、もう、これはいよいよ自給をしていかなければいけないん
だと決意して、飯田哲也さんに小田原市長の私のアドバイザーになっていただいて、3月こ
ろから練り始めたんですが、彼もなかなか忙しくて、直接会えだのが5月で、7月に小田原
で市民に公開した報告会を開きました。
そこで、環境エネルギー政策研究所の飯田さんから「小田原電力というのを立ち上げたらど
うですか」というお言葉をいただいたので、「それだ」ということで、私もそうですし、そ
れまで一緒に勉強してきた市民の有志の皆さんもわが意を得たりということで、そこからパ
ワーアップしたわけです。まちづくり学校という昨年度(2011年度)から小田原市が始
めた事葉なんですけれども、新しい公共の担い手をつくる必要があるということで、市民の
皆さんと一緒に学習しながらやっております。その公開講座の第1講のテーマに再生可能エ
ネルギーの自給を掲げて勉強したあとですね、12月に、これもたまたまですけど、東日本大
震災がくることを予想して呼んだわけではないんですが、環境省から職員を招聘してました
(2011年中)ので、彼から国の情報を得ながら再生可能エネルギーの地域自給の事業化
の支度ができました。そういったことを大きなテコにして12月に協議会が立ち上がったわけ
です。ちょっと長くなりましたが……。

鈴木 加藤市長にとっては、「3・11」が非常に大きなきっかけにはなったわけですが、
それ以前から当時の言葉でクリーンエネルギーを地域で自給していくことに強い関心をお待
ちでした。加えて、「3・11でいろんな事実が露呈して、一気に計画が進んだ、こういう
ことだと思います。クリーンエネルギー、再生可能エネルギーというのは、水力を除くと全
体のIパーセントもないじやないか、こんなものはオモチャみたいで未来永劫に頼りになら
ないという議論があるわけですが、地域で再生可能エネルギーをつくっていくというなかで
、そのへんのチャレンジというか、可能性についてどのようにお考えですか。

加藤 北欧の再生可能エネルギー先進国を見れば明らかですが、再生可能エネルギーが全体
の1パーセントにすぎない原因は、保存している自然エネルギーを活かす手立てが本格的に
導入されていなかったというだけのことにすぎません。コストが高いという議論もあります
が、導入が進むにつれてコストは低くなりますし、小田原周辺には海があり山があり、山か
ら入ってくるさまざまな流れがあり、また豊かな農業用水があります。豊富な地熱もありま
す。日照もふんだんにあります。
こんなにめぐまれたところはないだろうと私どもは勝手に思ってますけれども、要はこれを
本気になって利用する気があるかどうかということだけだと思います。いま、鈴木さんがい
われた議論は導入しないための理由づけに言われているにすぎないと思います。前向きにや
っていけば再生可能エネルギー先進国のレベルに追いつくのは間違いないと信じています。

鈴木 いろんな議論のなかで、とにかく、日本は資源がないんだ、だから、どうしても化石
燃料に頼らざるを得ない、化石燃料に頼ると温暖化になるから代わりに原子力が必要なんだ
そんなことがいわれてきたわけですが、いま、市長が言われたことからすると、「資源がな
い」ということは「資源として見てなかった」ということになるわけですが、海も山も川も
ある、小田原の場合には箱根という温泉地もある、それらをエネルギーの資源として見て活
用していこうという努力も姿勢もなかった。それが改まれば十分に可能性があるということ
ですね。

加藤 ただ、活用するにしましても、太陽光発電は以前より下がったといいましても、まだ
かかる費用は割高ですし、小水力発電にしてもある程度の落差が必要ですし、風力について
もいろんなデータが出ておりますけれども、いずれにしましても、短期での事業性というこ
とにこだわったら導入できないので、先を見据えつつも果敢に足を踏み入れていく、投資を
していくという姿勢が必要だと思います。これまでは短期ペースの採算性を理由にして予算
化の段階ではじかれてできなかったんですけれども、この局面で国は前向きに転じましたし
、ここは5年後、10年後を見据えて先行投資をしながら、確実に再生可能エネルギーの供給
量を増やす方向へ具体的に踏み込むときだと思います

鈴木 私ども経営者としまして、会社のコストは常に頭にあることですが、発電にかかるコ
ストだけはクエスチョンマークが多くて、確かに太陽光発電にしても、他の再生可能エネル
ギーにしても高いといういわれ方をしているわけですが、それでは、それに代わるものだと
いわれている原子力発電は安いのかと考えたときに、確かにいまの請求書だけみれば安いの
かもしれないけれど、使用済み核燃料の問題とか、バックエンド(核燃料サイクルの終末過
程)の問題まで含めて考えると、ほんとうに安いのか、このへんはちゃんと数字を出して議
論をして、経済的な観点でもう一回検討する必要があるのではないでしょうか。

加藤 ここは浜岡原発から近い場所ですから、ひとたび何かあれば、たいへんな影響が及び
ます。シミュレーションなどによると、首都圏に直結する場所ですから、われわれが暮らす
富士箱根経済圏にはとても人がこられる状態ではなくなってしまう。そういう逸失利益を考
えていくと計り知れない代償ですから、安全性の確保というか、保証のための手立てはコス
トという枠に到底収まらないと思います。

鈴木 会社の経営でいうリスクマネジメントで考えると、この夏、大飯原発が動いた(20
12年8月15日)わけですが、「動かさないで頑張ってみる」というリスクと、「動かして
万が一のことがあった」ときのリスクがあるわけです。市長がおっしゃったように、万が一
福島第一原発のようなことが起きてしまったら、たぶん、この国は駄目になるし、世界的に
信用を失墜するだろうし、このリスクと夏の間だけエネルギーの使い方を工夫してちょっと
努力を強いられるリスクと、どっちを取るかということになると思います

                                   この項つづく



【エネルギーの肝:
エネルギー理論限界効率】

 

  No.178

【エネルギータイル無人機検査篇:インテル社がドローンでソーラーパネルを検査】

Intel社は、ドローンサービスの提供を間もなく日本でも開始する。同社の日本法人インテル
は2018年3月22日に東京都内で記者説明会を開催し、Intel社のドローン事業について戦略な
どを含めて説明した。同社
のドローン事業部でマーケティング責任者を務めるCindy Ng(シ
ンディー・ウン)は、提供を開始する時期こそ明確にはしなかったものの、日本で認証を取
得の最終調整を行っているさなかだと説明し、うまくいけば今後1カ月以内には取得できる
見込みがあるとした。
価格などの詳細は未公開。



日本でドローン事業を展開する際は、パートナーの選択が重要になると強調し、どのような
サービスプロバイダーと組むのが適切なのかを検討していく。同社は、日本のドローン市場
について、2018年には8億4000万ドル、2022年は20億ドルを超える規模になるという予測を
紹介。太陽光発電パネル検査農作物検査などの分野に注力する。具体的には、ドローン事
業で注力するのは、建設、公共事業、農業、石油/ガスの4つの分野である。Ng氏は、建設
分野でIntelのドローンが使われている事例として、ドイツにある15世紀に建設された大聖
堂の保全プロジェクトを紹介した。ドローンによって大聖堂の天井や屋根を点検することで、
足場を組む時間やコストを削減できる。



【蓄電池事業篇:電動車用の中古電池で照らす街】

日産が初代リーフを発売したのは2010年12月。その後、2017年10月に全面改良を果たしたこ
とで、中古車市場には初代モデルが潤沢に出回っている。今回は、使い込んだ初代モデルの
電池を活用する見通し。同モデルが搭載するリチウムイオン電池の容量は24kWhで、192個
のセルで48個のモジュールを構成している。街灯11基あたりにこのモジュールを2個使う
とみられる。その場合、電池容量は1kWhほどになる。


日産は、近い将来、バッテリーの多量生産、多量廃棄という問題に直面することが予想され
るとし、電池の再利用に力を入れてきた。その中核となるのが、今回の街灯の製造を担う関
連会社、フォーアールエナジー(4R ENERGY)である。同社は日産と住友商事の合弁会社
で、資本金は約7億7千万円。出資比率は日産が51%、住友商事が49%である。2014年
11月には、同じくリーフの中古電池を複数組み合わせた容量400kWhの蓄電池システム構
築し、日産の研究開発施設にて試験的に稼働させている。


【量子ドット工学講座 No.52:高効率太陽エネルギーデバイス技術】

 事例研究:
US 9373734 B1  High-efficiency solar energy device

【概要】

太陽エネルギーの広大で無尽蔵の資源をを捕捉利用は、主要焦点である。化石燃料費の上昇
化石燃料埋蔵量の枯渇、代替エネルギー源の刺激策によってさらに優先さている。高効率の
太陽エネルギー半導体デバイスの創出は、この天然資源を最大限活用できる再生可能エネル
ギー移行プラットフォームを提供する。

さて 半導体ベースの太陽電池デバイスの実現には、いくつかの技術的課題が存在する。例
えば、動作バンドギャップエネルギー範囲を拡張があり、バンドギャップエネルギーと組み
合わせるソーラーデバイス設計は、光子変化速度を配慮し、半導体材料の最適選択し、可能
な限り広いバンドギャップ範囲に集中させる、最大の範囲のフォトニックエネルギーを収集
し、さらに粒界特性の改良が要求される。またこれらのデバイスは熱応力を受け材料粒の歪
み抑制が不可欠となる。2つの粒子間の粒界は、結晶サイズの改善や材料強度の最適で、光
子収集能力であるエネルギー効率の最大化を実現するシステムおよび方法――下図のような
多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)材料とインジウム、ガリウム、アルミニウム
および窒素(InGaN、またはInAlN、またはInGaAlNを含む組合せの合金)を含む高効率太陽
電池であって、カーボンナノチューブ、量子ドット、および波状または不均一な表面形状の
うちの1つ以上を含む材料から構成された強化層が提案がなされている。

Mar. 20, 2018 (Jun. 21, 2016)

図4 本件の一実施形態による例示的な単一接合太陽電池の概念断面図
図5 同上の一実施形態による典型的な二重接合太陽電池の概念的な分解断面図

本件の一態様によれば、基板と、窒化インジウムガリウム(InGaN)からなる活性層、また
は窒化インジウムアルミニウム(InAlN)からなる少なくとも一つの活性層、またはインジウ
ムガリウムアルミニウム窒化物(InGaAlN)からなる少なくとも一つと活性層のと、多面体オ
リゴマーシルセスキオキサン(POSS)材料;少なくとも1つの活性層への光子伝播増加の
収増強層とを含む。
基板は、非限定的な例として、炭化ケイ素(SiC)、サファイア、窒化ガリウム(GaN)また
は窒化アルミニウム(AlN)などの材料を含むことができる。 InGaNまたはInAlNまたはInGa
AlN
活性半導体層は、特定の重複エネルギーバンド内の光子エネルギーを吸収して、UV範囲
内の光子エネルギー吸収を増加させる。
POSS材料は、InGaNまたはInAlNまたはInGaAlN合金に導入され、光電流エネルギーフローを
改善し、合金転位を減少させ、結晶粒界を整列させ、合金強度を増加させる。
InGaNまたは
InAlNまたはInGaAlN活性層は、より均一で対称な活性層を形成するためにPOSS材料を含め
ることによって有利に再構成することができる。

吸収促進層は、活性層の上面に配置され、その上に構成されたカーボンナノチューブ(CNT
および/または量子ドットを含むことができる。


1Aおよび図1B、太陽スペクトルに対する測定されたInGaN合金バンドギャップグラフ

 
図2、シリコン半導体の縦軸に沿った粒界拡大図
図3Aおよび図3Bは、カーボンナノチューブ「フォレスト」を形成する単層カーボンナノチ
ューブおよび複数のカーボンナノチューブの拡大図


 

図6、本件の一実施形態の突起状ノジュールの形成例示的半導体ベース層の拡大概念図
図7 本件一実施形態の太陽電池の製造方法の一例を示す概念的な工程フロー図



図8 潜在的トンネル接合が識別されるInGaNまたはInAlNまたはInGaAlN多接合セルのシミ
ュレートバンドプロファイル
図9 実施形態のInGaN、またはInAlNまたはInGaAlN多重接合セル効率に結びついた、期待さ
れる少数キャリアの寿命グラフ
図10、InGaNまたはInAlNまたはInGaAlN多重接合セル利用の可能のある格子不整合の図示チャ
ート

【特許請求の範囲】

  1. 太陽電池を形成するために有用な半導体構造であって、基板と、POSS材料を気化させ
    た後に少なくとも1つの活性層の粒界を整列させるために、InGaAlN粉末と、InGaAlN
    粉末に霧化された多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)材料との均質な化合
    物から形成された少なくとも1つの活性層と、少なくとも1つの活性層への光子伝播を
    増加させるための吸収増強層とを含む
  2. 前記少なくとも1つの活性層は、前記InGaAlN粉末1重量%~10重量%のPOSSを添加
    することによって形成される、請求項1に記載の半導体構造
  3. 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層の表面上に配置されたカーボンナノチ
    ューブ(CNT)および量子ドットのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の半
    導体構造
  4. 前記基板は、その上に形成されたノジュールを含み、前記少なくとも1つの活性層は
    前記基板上に均一に配置されて波状層を画定する、請求項1に記載の半導体構造
  5. 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層上に形成され、第2の起伏層を画定す
    る、請求項4に記載の半導体構造
  6. 前記少なくとも1つの活性層が、約0.7電子ボルト(eV)から3.4eVまでのバンドギャッ
    プにわたって光子吸収を可能にするようにドープされる、請求項1に記載の半導体構造
  7. 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層の表面上に配置されたカーボンナノチ
    ューブ(CNT)を含む、請求項1に記載の半導体構造
  8. 前記CNTが単層CNTを含む、請求項7に記載の半導体構造
  9. 前記CNTが、前記少なくとも1つの活性層の表面に対してほぼ垂直に配向されている、
    請求項7に記載の半導体構造
  10. 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層の表面上に配置されたカーボンナノチ
    ューブ(CNT)および量子ドットを含む、請求項1に記載の半導体構造
  11. 前記吸収増強層は、前記少なくとも1つの活性層の表面上に配置された量子ドットを含
    む、請求項1に記載の半導体構造
  12. 前記少なくとも1つの活性層は、正にドープされたベース層と、負にドーピングされた
    エミッタ層とを含む

 

 ● 今宵の一曲

『トランペット協奏曲』(Concerto per il Clarino変ホ長調

フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1796年に作曲した楽曲。
ハイドンが一連の交響曲、弦楽四
重奏曲などの大作をほとんど書き終え、オラトリオやミサなどに取り組んでいた晩年の作品
の一つであり、最後に作曲された協奏曲でもある。
1800年3月28日にウィーンのブルク劇場
で初演されたが当時は不評に終わった。1929年にようやく出版された。それ以降、今日では
トランペット奏者の主要レパートリーとなっている。

アリソン・ルイーズ・バルサム(Alison Louise Balsom, OBE, 1978年10月7日 - )は英国のト
ランペット奏者。8歳でトランペットを始め、10歳の時ホーカン・ハーデンベルガーの音色
に魅了されてソロ演奏家を目指す。ヨットの名手でもあることがプロムス司会者のクライヴ・
アンダソンによって紹介。
1998年BBC主催の「ヤング・ミュージシャン・コンペティション」
のファイナリストとして注目を集め、2000年モーリス・アンドレ国際コンクール「最も美し
いサウンド」部門でプルミエ・プリ受賞。2006年にクラシック・ブリット賞(最優秀若手演
奏者)、グラモフォン賞(クラシックFMリスナー賞)を受賞。2009年にはクラシック・ブリ
ット賞(女性アーティストオブザイヤー)を受賞し、BBCプロムス最終夜コンサートのソリ
ストを務めている。現在ロンドン・チェンバー・オーケストラで首席トランペット奏者、ギ
ルドホール音楽学校のトランペットの客員教授に就任している。
2005年NHK交響楽団サマーコ
ンサートに出演。2006年に収録されたアッパークでのサロンリサイタル、2009年のプロムス・
ラストナイトが放映された。



● 今夜の寸評

あの名門のロイヤル・ダッチ・シェルは2070年までに脱化石燃料計画(スカイシナリオ)
を公表し、国内では森友学園問題-公文書改竄で揺れている。この2つの新聞は時代の転換
を象徴している。 共生と民主制の新たな局面にどう行動するが問われているわけで、アリソ
ン・バルサムを聴きながら、今夜もまた「ひとり戦略のトランペット」を
吹き続ける意味を
確認することとなった。

  

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人の命の惜しくもあるかな

2018年03月26日 | 環境工学システム論

 

     
                                        

2 軍 形

形式というものは、何らかの作用をもたらすためにあるのであり、固定してしまっては用を
なさない。
水のように相手に応じて変化し、大きなカを発揮する-無形の形、それが軍形の
理想なのである。

「勝ち易きに勝つ」「まず勝ちて後に戦う」

多くの者に、それとわかるような勝ち方は、真に優れた勝利ではない。勝った勝ったと、世
間でもてはやすような勝ち方では、最善の勝利とはいえないのだ。例えば、毛を一本持ち上
げたからといって、だれも力持とは思うまい。太陽や月が見えるからといって、だれも目が
よいとは思うまい。雷鳴が聞こえたからといって、だれも耳がよいとは思うまい。そのよう
に、だれ
の気にもつかぬ自然な勝ち方が理想なのである。
本当の戦上手は、まず勝ち得る条件をつくっておき、自然に勝つ。したがって、勝ってもそ
の知識は
人の目につかず、その勇敢さは人から称賛されることもない。つまり、戦上手は、
確実な方法で勝ち、
打つ手打つ手がすべて勝利に通ずる。戦う前から敗けている敵を相手に
するのだから、勝つのは
当然である。自軍を不敗の態勢におき、しかも敵のいささかの隙を
も見逃さない。これが戦上手の戦
法なのである。
したがって、勝つか収けるかは、まず勝利の条件をととのえてから戦争をはじめるか、それ
とも、
まず戦争をはじめてから勝利をつかもうとするか、によってきまる。勝利を収める軍
隊は前者であり、
敗北に追いやられる軍隊は後者である。

スタンドプレーの危険性 『老子』は「作為」を排した。『孫子』はこれを、無理勝ちしな
いこ
ととしている。これはまた、スタンドプレーの危険性を見ぬいた安全な処世なのである。

     
 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.24   
    

● 対談5 新しい現実をつくる   

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』  
  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。



勤勉革命から勤勉改悪ヘ

鈴木 先生は勤勉革命という言葉も使われています。
石田 勤勉こそ日本人が世界に訪れる最大の美徳でした。それなのに日本人的勤勉をワーカ
ホリックだとか、そういう横文字に置き換えてしまいました。たとえば残業につ
いていうと、
欧米型の残業というのは要するに効率を追求するために残業代を出すこと
です。日本の残業
というのはたとえば鈴木さんが残業していたら、自分に仕事がなくて
も「おまえ、残業なの
か。かわいそうだな。じゃあ、横にいてやるよ。終わったら赤ちょ
うちんへ行こう」と。こ
れが日本の残業なんです。

あらゆるものを分かち合う。稲作漁労のようにいつも手をつないでお互いがつながっている
ことを確認し合う。それをさらに確認するのがお祭りなんです。そういう概念を
ブチブチ切
り離してしまった。たとえば昔は残業してもお金つかなかったじゃないです
か。それをブチ
ブチ切って、残業というかたちをつくって、残業すれば、「えっ。残業
すれば、お金もらえ
るの。それなら残業したほうがよいじゃない」というようなことに持っていってしまった。
勤勉改悪というのが本当かもしれません。欧米の経営者がもっ
とも恐れたのが「日本人の勤
勉」なのですから、それを批判する欧米に媚びて国民余暇
センターなんかつくって、国民に
「もっと遊べ」などといい出したのが、そもそも日本
のものづくりというか品質管理がおか
しくなった元凶だと私は見ています。

鈴木 日本本来の働き方を取り戻すということですね。

石田 それで、とてつもなく元気でやっている会社が日本全国至る所にありますから。
だから、日本人の勤勉さは、いまでさえも時代遅れでも旧式でも何でもなくて、ひょっとし
たら世界の最先端かもしれない。

鈴木 外国企業にとって最大の脅威だったわけですからね。日本人は働きすぎだといわれて
も、褒められていると素直に受け取っていればよかったわけですね。勤勉でどこが
迷惑を受
けたという話ではないわけですから。

石田 とりわけ物のないときは歯をくいしばって働いた。それをやせ我慢というと精神論に
なってしまいますが、切磋琢磨して日々向上していく技術の裏づけがあるから心か
ら楽しめ
た。やせ我慢ではなくて自然体だから労働さえも「意気」なんです。私が言う「意気」は裏
づけに生命子不ルギーや生命テクノロジーのみならず、ものづくりのテクノロ
ジーも併せて
持っているわけです。鎖国下の自給自足経済でしたから物の種類は限られ
ていましたが、そ
れなりに生産があって、江戸時代の人たちは食べる楽しみ、暮らす楽
しさには事欠かなかっ
たのです。


2つの大きな課題

鈴木 先ほど石田先生は「いまのままで私たちが何もしないと2030年には、たいへん、
厳しい状態になる」とおっしゃいましたが、もう少しくわしくお話しいただけますか。

石田 私は何もしないでいれば2030年には我々自身の手で文明壊滅の引き金を引くかも
しれないと思っています。2030年までにネイチャー・テクノロジーを活かした
ライフス
タイルに切り替えていかないと、既存の文明では地球がもたないからです。ネ
イチャーこア
クノロジーについてはさっき説明した通りで、すでに多くのものを考えて
きましたが、まだ
まだ十分だとは思いません。残された10年か15年で世の中全体がネイチャー・テクノロジー
の方向に舵を切れるかどうか、舵を切れないと相当きびしい。

そこには7つのリスクがあって、資源、エネルギー、生物多様性、食糧、水、人口、気候変
のどれが最大リスクになるか、いまの科学ではわかりません。わかりませんが、
どれもが
2030年ころまでに限界に近くなることは間違いない。2030年というと
いまの小学生
が30歳のときです。

鈴木 そろそろというより、遅いくらいかもしれませんが、早々に覚悟を決めて具体的に動
かないと時間切れになりますね。それほど切羽詰まっているということは理屈では
わかって
いるつもりでも、やっぱり実感が薄かったと、今日は反省させられました。

石田 はっきりしていることは、2030年問題に対するソリユーションをわれわれから提
案できなければ絵に描いた餅に終わってしまうということです。だからこそ、エネ
経会議の
なかで皆さんにいろんな可能性を議論していただいて、あらゆる実践の種を早
くそろえない
といけない。

鈴木 急ぐ必要がありますね。

石田 もう一つ、なんとなくヤバイというのは地球環境問題について話せる人がいないとい
うことです。温暖化の話ができる人、エネルギーについて話せる人、水について、
資源につ
いて、食糧について、生物多様性について、個々の問題について話せる人はい
るんです。と
ころが、地球環境問題はこれらが合作されたものなんです。どれか一つだ
け直そうとしたら、
必ず他にしわ寄せがいって問題が深刻化してしまいますから、こう
いうリスクがなぜ起きて
いて、おのおののリスクがいまどのような状態なのかをひっく
るめて全方位で語らないと駄
目なわけです。


エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議

鈴木 なるほど。よくわかります。お医者さんの世界みたいですね。
石田 そうなんです。専門医ではなくて総合医が必要なんです。大学病院みたいに専門医は
いっぱいいるわけです。ところが、梅ちゃん先生みたいに、全体として診て、「あ
なたはき
っとこっちが問題だよ」という人がいない、地球環境に問しては……。

鈴木 と、いうより、どこの世界にもいえそうですね。
石田 全体を見ないと部分も見えないでしょう。そういうふうに全体を見ていえることは、
残された10年か15年で世の中全体がネイチャーこアクノロジーの方向に舵を切るこ
とと健全
な危機感を持ってもらうということ、この2つが短期的に見てもソリユーションだろうとい
うことです。それから、長期的に見渡したときに、いま、知っておかなけ
ればいけない危機
感、この両方を併せ持っていることがとても大事だと思います。だか
ら、私でお役に立てる
ことがあれば、ここをいつでも使ってください。この場所もぜひ、
皆さんで見学にきてくだ
さい。

鈴木 近いうちにエネ経会議のメンバーで見学会をやらせていただきたいと思いますので、
そのときはよろしくお願いいたします。今目はほんとうにどうもありがとうござい
ました。

                              2012年9月23日
                   東北犬学犬学院環境科学研究科石田研究室にて

次回は、加藤憲一小田原市長の「対談6.地域の再生エネルギー資源を活かし、地に足のつ
いた
経済力を育む」へと移る。

  No.177


【バイオマス発電事業篇:大生黒潮発電所竣工

● 地産木材のみを使うバイオマス発電所 国内初のペレット工場も併設

 

 宮崎日々新聞 

3月24日、くしま木質バイオマス(宮崎県串間市)は、串間市で建設を進めている「大生
(おおばえ)黒潮発電所」の竣工式を開催。同発電所の設計・施工を担当した洸陽電機(株)
によ
ると、国内初となるペレット工場を併設した小規模木質バイオマス発電所で、地域産出
木材
のみを用いた発電を行うという。 同発電所は、串間市近隣の地元材を活用した燃料ペ
レッ
ト製造を敷地内の工場で行っており、エネルギーと経済を地域内で循環させることが特
長。
地元企業と連携し雇用創出や林業活性化につなげる。 ペレット製造から発電までのプ
ロセ
スをパッケージ化した発電所となるため、燃料の安定供給に強みを持つという。さらに、
電設備として独ブルクハルト社製の木質バイオマス熱電併給システム10基、米アクセスエ
ジー社製の温水バイナリー発電システム1基を導入。これにより、発電による排熱をバイ
リー発電やペレット製造時の乾燥工程で有効活用することが可能となり、工場全体の運用
ストを低減。

【バイオマス発電篇:最新木質バイオマス発電技術】

特開2018-002751  木質バイオマス利用と風力利用を組み合わせた地域分散型
の発電方法
 
 

【概要】

再生可能エネルギー発電の各方法は、エネルギー効率、経済性など課題を抱えている。例え
ば、風力はその出力が風速、風向などの影響が大きく、出力制御しにくい、装置が故障し
やすいことなどの欠点をもつ。また、木質バイオマス発電として、木質をガス化し浄化して
からガスエンジン(ガスタービン)などの方式で燃焼発電方式が発電効率が20%以下のも
のが多いく、従来の大型火力発電所の発電効率45~50%に比べて低く普及が遅れている。

再生可能エネルギーとして風力と木質バイオマを利用した地域分散型の発電法で、発電効
率を高めるとともに、外部に電力供給を調整できる方法の提供にあって、下図のように、風
力発電装置、木質バイオマスのガス化し、ガスを燃焼して発電する装置、および水溶液の活
性化と活性化された水溶液の電解、水素発電装置を併設して、風力発電された電力の1部を
水溶液の活性化・活性化された水溶液の電解装置に供給し、副生した酸素ガスを、木質バイ
オマス
のガス化装置、およびガスを燃焼して発電する装置で用いる。水溶液の活性化・活性
化された水溶液の電解装置は、水溶液の活性化装置、電解による水素、酸素の発生装置、そ
の生成物である水素ガスの保留装置、その生成物である酸素ガスの保留装置から構成し、装
置Bの水溶液を装置Aに循環使用する。水溶液に、テラヘルツ波を発生する鉱物を含むセ
ラミックス成型物を浸漬して水を活性化する。

本件の具体的な実施例(比較対象例)など明示ががにので、クエスチョンマークがつく。特にテラヘ
ルツ波の効果については不明である。ここでは下記のように説明されている。

水素ガス、酸素ガスの発生効率をさらに高めるための方法は、水溶液の活性化装置(装置A
)、電解水素/酸素発生装置(装置B)の水溶液にテラヘルツ波を加え液体中にセラミック
スボールのセラミックス成型物を浸漬する。テラヘルツ波とは、周波数が0.1~10THz
の領域の電磁波で、電波と、光の一種である赤外線の中間の領域にあり、光と電波の性質を
併せもち、照射することで分子振動させ活性化できる。電解発生水素/酸素ガスの量を増や
すことができる。また、
テラヘルツ波発生法には、ジャオロトロン、後進波管、遠赤外線レ
ーザー、量子カスケードレーザー、自由電子レーザー、シンクロトロン放射、フォトミキシ
ングソースなど。原子番号が57以上の元素が1種あるいはそれ以上含まれている鉱物、と
くに好ましくは、ランタノイド系元素、アクチノイド系元素が2種類以上含まれている鉱物
を含む微粉に、シリカ分を主体とする粗めの粉を混合してボンドを加えて250℃以上、600℃
以下の温度で焼成したもの径が1~4mmに砕いたものを炭酸カルシウム分を主成分とする
カルシウム化合物に、重量比で2~6%配合。これにより
、元素発生する電磁波が相互作用
により効率的にテラヘルツ波を発生できる。


水溶液は循環使用を続けるうちに、水分の蒸発などによるナトリウムや塩素の濃縮などが
進行して、電解効率に悪影響を及ぼす。また、何らかの事情で系内の水溶液を外部に排出し
なければならなくなった場合、外部環境に悪影響を及ぼすおそれがあり、成分濃度が許容値
を超えるおそれが生じた場合、白州土を含む粉あるいは成型物を加え調整。この方法は、な
んらかの事情で、循環使用していた水溶液を外部に排出しなければならならなくなった場合
にも、その含まれている成分濃度を低下できる性質
で吸着作用があるとしているが。いずれ
にしても、本件は残件扱い処理することに。

❏特開2016-127755発電電力の平滑化システム

【要約】

太陽光または風力を利用した発電により短周期変動をする発電電力を平滑化するために、下
図のように、
太陽光または風力により第1の発電電力を発電する再生可能エネルギー利用発
電装置14と、蒸気を発生させる木質バイオマスボイラー11と、木質バイオマスボイラー
11から蒸気供給流路16を介して供給した蒸気により容積型回転機械17を駆動して第2
の発電電力を発電する蒸気発電機12と、第1の発電電力と第2の発電電力とを統合可能な
第1電力統合手段50と、再生可能エネルギー利用発電装置14の第1の発電電力を検出す
る電力トランスデューサ42と、電力トランスデューサ42により検出された第1の発電電
力と第2の発電電力との和が予め設定された設定発電電力となるように、第1の発電電力の
大きさに基づいて第2の発電電力の大きさを制御する制御装置15とを備える。


【符号の説明】

10  発電電力の平滑化システム 11  木質バイオマスボイラー(蒸気発生手段) 12 
蒸気発電機 13A,13B  蒸気バイナリー発電装置 14  再生可能エネルギー利用発
電装置 15  制御装置 15a  第1制御部 15b  第2制御部 16  蒸気供給流路
16A  上流側蒸気供給流路 16B  下流側蒸気供給流路 17 容積型回転機械 17a
蒸気入口  18  発電機本体  19  回転軸  20  送電線  21A,21B  分岐流路(
第1分岐流路)  22A,22B  蒸発器  23A,23B  蒸気入口  24A,24B 
発電部  25A,25B  凝縮器  26A,26B  作動媒体ポンプ  27A,27B  密
閉管路  28A,28B  膨張機  29A,29B  回転軸  30A,30B  発電機本体
31A,31B  蒸気入口  32A,32B  蒸気出口  33A,33B  熱媒体流通路
34A,34B  蒸気出口  35A,35B  送電線  36  還流流路  36a  合流部分
37A,37B  分岐流路(第3分岐流路)  38  ポンプ  39  熱交換器  40  加熱
流路  41  太陽光発電部  42  電力トランスデューサ  43  送電線  46  バイパス
流路 47A,47B  分岐流路(第2分岐流路)  48  減圧弁  49  三方弁  50 
第1電力統合盤(第1電力統合手段)  51  第2電力統合盤(第2電力統合手段) 52 
送電線  53  系統  56  送電線

❏特開2016-127755発電電力の平滑化システム

【要約】

設計段階や製作段階における工数の低減を可能とするバイナリー発電システムを提供にあた
って、バイナリー発電システム100は、熱源である第1流体の熱を用いて発電を行う1つ
または複数のバイナリー発電ユニット1を備え、バイナリー発電ユニット1は、第1流体と
第2流体との熱交換により第2流体を加熱するための熱交換器3と、熱交換器3で加熱され
た第2流体を流通させ、第2流体と作動媒体との熱交換により作動媒体を蒸発させ、蒸発し
た作動媒体により発電を行う1台のバイナリー発電装置4と、熱交換器3とバイナリー発電
装置4とがそれぞれ所定の位置に設置される共通のベース30とから構成される。


【符号の説明】

1  バイナリ発電ユニット 3  熱交換器 3a  底面 3b  メンテナンス面(第1メ
ンテナンス面) 4  バイナリ発電装置 4a  底面 6  カバー 7  冷却塔(冷却装
置)10  制御盤 10a  コントローラ 12  温水循環ポンプ 12a  底面 12b 
メンテナンス面 16  冷却水ポンプ 16a  底面 16b  メンテナンス面 30  ベ
ース 31  第1長辺部(周縁) 32  第2長辺部(周縁) 33  第1短辺部(周縁) 
34 第2短辺部 41  メンテナンス面(第2メンテナンス面) 42  メンテナンス面
(第2メンテナンス面)43  メンテナンス面(第2メンテナンス面) 100、200、
300  バイナリ発電システム

【世界最高水準の高速負荷応答のガスタービン開発】



3月22日、NEDO事業において、川崎重工業(株)は、高速負荷応答性を備えた30MW
高効率ガスタービンの開発を公表。
開発したガスタービンは、同クラスのガスタービンとし
ては世界最高水準の負荷応答性と発電効率を有しており、不安定な再生可能エネルギーと連
系させることで、再生可能エネルギーの有効活用と、CO2排出量削減など環境負荷低減を実
現する。
また川崎重工業(株)は、本成果を導入したコンバインドサイクル発電プラント(
CCPP)を2018年3月から販売開始。

【圧空電池事業篇:高度断熱圧縮空気エネルギー貯蔵(AA-CAES)】

 Dec. 27, 2016

以上最新の技術開発動向を掲載。ここでは、バイオマスボイラーよる水蒸気タービンだけで
なく、バイオマス発電のバイナリに注目。熱媒体の有機溶剤系をバイオマスボイラー給湯(
400~100℃)との熱交換によるガスタービンによる発電などが対象になる。さらに、太陽光・
風力などの自然エネルギーによる余剰電力を、圧空(深冷)電池に蓄え、放電時の木質バイ
オマス燃焼/ボイラー給湯熱の利用も「エネルギーの地産/地消モデル」の対象に組み込ん
で構想する。今後はシステムの試作/各種の実証実験段階に、後もう一押しの段階にある。
頑張ろう!
                                    

【下の句トレッキング:人の命の惜しくもあるかな】

忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人のいのちの 惜しくもあるかな  右近

忘れ去られる私の身は何とも思わない。けれど、いつまでも愛すると神に誓ったあの人が(
神罰が下って)命を落とすことに なるのが惜しまれてならないのです。

I really don’t care what becomes of me now that you have forgotten about us. It is I who pity you,
because you who will lose your life to divine punishment for breaking the promise that we made
before God.

 ● 今夜の一曲

『吾亦紅』

作曲家である杉本真人が歌手・すぎもとまさととして発表した楽曲。2007年2月21日発売。
母を亡くした杉本が深く落胆している時に杉本の母と文通していたちあき哲也が「吾亦紅」
を作詞。 ちあきに杉本が「『吾亦紅』は何と読むのか?」と質問すると、ちあきは「われ
もこう」と回答。 ちあきの詞に杉本が曲を付けて自ら歌っている。

 

 

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今夜もテクてんこ盛り

2018年03月24日 | デジタル革命渦論

 

     
                                        

2 軍 形

形式というものは、何らかの作用をもたらすためにあるのであり、固定してしまっては用を
なさない。
水のように相手に応じて変化し、大きなカを発揮する-無形の形、それが軍形の
理想なのである。


攻撃と防禦

敵に乗ずる隙を与えないで、逆に敵が隙をみせるのを待ちうける、これが戦上手の戦法であ
る。こ
ちらの態勢が万全であれば、敵は攻めようとしても攻められないし、逆に敵が態勢を
崩せば、こちら
は攻勢に転じることができるからである。したがって戦上手は、敵の態勢が
万全で、乗ずる隙がない
ときは、自軍の態勢を万全にするだけにとどめて、むりに攻勢に出
ることはしない。自軍の態勢が有
利であっても、それが直ちに勝利に結びつくわけではない
のだ。

いったい防禦と攻勢とは一連の動作であって、敵に乗ずる隙を与えない段階が防禦段階であ
り、敵
が隙をみせた段階が攻撃段階である。つまり、防禦態勢をとるのは、こちらが劣勢で
ある場合であり、攻勢に出るのは、こちらが優勢である場合である。したがって戦上手は、
自軍が劣勢である場合には、兵力を巧みに隠蔽して敵につけこむ余地を与えないし、こちら
が優勢である場合には、すかさず攻勢に出て敵をうちのめす。こうして、自軍は無傷のまま
完全な勝利を収めるのである。

※まずは、戦端展開論が説かれていく。
 

     
 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.24   
    

● 対談5 新しい現実をつくる   

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』  

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

自然をベースにしたテクノロジーを持つ日本人

石田 2つ目の切り口ですが、考えるに、いま、ネガティブな話をしているのは、第二次産
業、第三次産業だけだということです。第▽次産業の方々というのは年収200万、300
万でも、いつもニコニコしている。幸せとはこういうことじゃないですかね。私たちはいつ
も第二次産業、第三次産業と比較して何かをいうのに、どうして第T次産業と比べないのだ
ろう? と不思議に感じます。

鈴木 鋭いご指摘です。いわれてみれば、おっしゃる通りです。
石田 第一次産業の人は年収2、300万なのに、何であんなに幸せそうなのか? それを
私たちはもう一度考え直さないといけない。一つは定年という概念です。第二次産業と第三
次産業は定年を勝手に決めてしまっていますが、第▽次産業は一生働ける。現役として働け
なくなっても、程度に応じてそれなりにやれる仕事があるわけですね。足りないところはだ
れかが助けて穴埋めする。ところが、第二次産業、第三次産業には定年という仕切りがあっ
て、期限を過ぎると「あなたは仕事をする価値がない」と決めつけられてしまう。いろんな
ことをたくさん知って蓄積があるはずなのに価値がないとされてしまう。どうして、そんな
システムをつくったんだろう。そのシステムはもともと終身雇用を前提としたものでした。
いまは終身雇用が崩れたのに定年だけがあるわけです。これでは楽しくないですね

鈴木 実に鋭いご指摘です。
石田 定年を迎えて「これでやっと楽しく人生を送れます」なんて言われると、われわれと
しては学生に教えたのは何のためだったんだという話になります。二次産業と二次産業のも
っとも違う点は、二次産業はワークとライフが重なっているのに対して、二次産業は別々に
なってしまフていることです。欧米から輸入した言葉で、仕事と生活の調和することをめざ
す「ワーーク・ライフ・バランス」という言葉がありますけれど、日本はもともと二次産業
でワーク・ライフ・バランスがきれいにできていたんです。それなのに欧米型の企業経営を
取り入れて、どんどん離れてきて、ワークはワーク、ライフはライフに分離してしまい、定
年になるとライフだけに偏ってしまう。これではどっちもストレスがたまります。

鈴木 私なんかは同族会社の経営者ですから、どこまでがライフで、どこまでがワークかわ
からないところがあります。
石田 だから、それが大事だと思うんです。

鈴木 そういうふうな暮らし方をしたほうが、見方によっては「幸せかな」と思います。
石田 私が「中小企業の人が何とかしなければ」といっているのは、まさにそこで、仕事を
しているオヤジの姿を家族がいつも見ているとか、それだけでライフのなかのワークの価値
観が変わってきます。ライフのなかのオヤジの姿とワークのなかのオヤジの姿が、「あ、仕
事でも同じようなことをやっている」みたいな感じでオーバラップしていく。

鈴木 社会全体がそうなったら世の中は劇的に変わるでしょうね。私は江戸時代からつづく
かまぼこ職人の家庭に育ちました。先代や先々代の働く姿を思い返すと、けっして仕事は楽
ではなかったわけですが、それを苦痛とするどころか、イキイキとして、取り組んでいたよ
うな気がします。 
昔の日本人は仕事をつらいと感じるより夢中になるくらい愛していて、働くこと自体に意味
があって、生きていくうえで欠かせないものでした。ただ、経営者の一人としての反省は、
世の中の経営者の大部分が高度成長のときには働かせるだけ働かせて従業員にケアをしなか
ったこと。そこに労使間に溝が生じた原因の1
つがあるのではないでしょうか。本来、労働
は日本人にとっては美徳だったわけですから、それを取り戻す必要があると思います。

石田 まさにその通りです。歴史上からみて、日本と欧米ではワークーライフ・バランスは
生い立ちからして違うわけです。産業革命が最たるもので、イギリスの産業革命は資本を集
約していかに働かないで結果を出すかという考えで、それが大量生産に結びついたわけです。

それに対して日本は、1633年に家光が第一次鎖国令を出して、それからずっと内需だけ
で食っていくためにたいへんな努力をつづけてきて、1800年ころ、ようやく内需だけで
暮らせるようになりました。内需だけで暮らしたときの稲作の収穫量というのは1970年
代の東南アジアと同じなんです。とてつもない収穫量です。そのために何をやったかという
と、もちろん、耕せるところは耕して、最後は棚田までつくって、それでも不足したために、
最後の最後は馬や牛の代わりを人間がやるわけです(労働集約型産業革命勤勉革命)。日本
人になぜそれができたかといったら、結局、欧米では神様は天にいて物は地上にいるけれど
も、日本は物も神様も地上にいる。

鈴木 だから、それがありかたい、と思うわけですね。
石田 馬や牛の代わりをして泥にまみれて朝早くから日が暮れるまで、休まず働くことをあ
りかたいと思う、そういう概念をつくり上げてきたわけです。それがあるからこそ、次に「
もったいない」という概念が生まれてきて、働くことは美徳という道徳ができあがるわけで
すね。それをわれわれはずうっと引きずってきているわけです。それは悪いことかといった
ら、そうではなくて、結局、一生懸命ものをつくる、必死でつくる、精魂込めてものをつく
る、つくったものは長く大事に使う、長く大事に使うためには「見えないところほど魂を込
めろ」といわれたように本物の仕事をして、けっして手抜きをしない。壊れたら修理をする、
すなわち、つくるだけでなく修繕、メンテナンスまで一貫したシステムができあがっていて、
それが柳宗悦のいう「用の美」につながってくるわけですから、部分だけ見ないで全体とし
て見れば素晴らしいわけです。柳宗悦のいう「用の美」の概念こそがいまの日本の産業を支
えているわけです。

ひところ、欧米のアナリストが全国紙のコラム欄に日本の品質管理のレベルの高さについて
「どうしたら、あれはどの品質管理がやれるのか」と嘆息まじりに賞賛する一文を寄稿した
ことがありましたが、伶人されたテクノロジーを使っても根底に「口本の美」「江戸の意気」
があるから、欧米の産業が束になっても日本の品質管理には歯が立たなかったのだと思いま
す。


鈴木 日本の歴史にはそれだけのものが埋もれているわけですね。それを知らないでいるこ
とは、それ自体が和幸ですね。
石田 実は心豊かに暮らしながら、自然観を失わず、産業革命に成功した民族がいます。日
本人です。世界で唯一、日本人だけが自然をペースにしたテクノロジーを持つことに、
成功
しているのです。自然と決別することによって成功した英国の産業革命から生まれたテクノ
ロジーと比べると違いがはっきりします。自然観を失わなかった日本のテクノロジーは大量
生産大量消費に向かいませんでした。

どこに向かったかというとすべてエンターテイメント、「遊び」という心、すなわち「意気」
を極めるためのテクノロジーを目指したのです。たとえば「旬」も同じです。初鰹のように
初物に値を張る気っ風のよさは食べ物から季節の便りを感じ取る感性の賜物で、すなわち「
江戸っ子の意気」です。秋ナスとか、寒ブリとか、味や噛みごたえ、香りのほかに季節感を
味わいたしなむ。器の美、盛り付けの美、すべて遊び心、意気からくるものです。味につい
ても醤油の味付け、味噌の味付け、塩味など、そして煮たり、焼いたり、さまざまなバリエ
ーションを自然の恵みだけで割出し、体系化した。

こうした意気をペースにしたライフスタイルというものは、自然を活かした命をつなぐテク
ノロジーになっていきます。産業革命以降の地下資源型テクノロジーが世界を席巻するまで
は、あらゆるテクノロジーは自然の循環の恵みをいかにうまく活用するかということがすべ
てでした。命の連鎖の一つの仕組みのなかにあったわけです。ところ、地球には本来存在し
ない地下資源型テクノロジーがその連鎖を切断する道具となって世界を席巻し、地球環境を
劣化させることとなってしまったわけです。もちろん、地下資源型テクノロジーのすべてを
否定するものではないとしても、原子力は地中から地上に出してはいけないものの最たるも
のかもしれません。

鈴木 産業革命を歴史の分水嶺、区切りとする見方は実に斬新です。地下資源と地上の然資
源という分け方も新しい哲学を感じさせます。
石田 これまで申し上げてきた通り、本来、人間らしく生きるためには豊かさが必要で、そ
れに必要なテクノロジーやシステムを考えねばならないはずなのに、豊かでなければ人間ら
しく生きられないとする人間優位から生産優位の概念をつくり上げてしまって、これが分断・
対立・競争の原理を生み、これを基盤として社会構造やシステムができあがってしまいまし
た。人間らしく生きるための原理は連帯・参画・共同を原点とする、すなわち、つながりの
原理なのです。いのちのつながりをあおるテクノロジーが生まれなければならない時代にわ
れわれがいることを、そして、あらゆるものがつながりを持つことの重さを、それこそが地
球環境の劣化を停止させることができることをいま一度考えなければならないと思います。

                                   この項つづく

  No.176

【ソーラータイル事業篇:太陽光と蓄電池で自立するソーラースタンド導入】

3月15日、
ソーラーフロンティアは、自社のCIS薄膜太陽電池を活用した「ソーラースタンド
」が、このほど、東京都府中市と国立市に採用されたと公表。
このソーラースタンドはCIS
薄膜太陽電池とLED照明機器、携帯充電機器に加え、蓄電池ボックスを組み込んだ完全な独
立電源タイプの街路灯。太陽光発電の災害対応利用を検討していた両市に、ソーラーフロン
ティアが提案したという。府中市では西武多摩川線多磨駅のロータリー内と府中市郷土の「
森博物館」内の2カ所に、国立市では、北第一公園、谷保第三公園、矢川上公園、第三中学
校に各1本の合計4本を設置。設置場所は、公園や学校、駅ロータリーなど、災害時における
近隣住民の避難場所や避難経路となる地点であり、災害時には特に非常電源としての機能が
期待される。ソーラーフロンティアは、今後も全国の自治体や企業を含む事業者に対し、CIS
薄膜太陽電池の活用ソリューションを提案する方針。

 
 【水力発電篇:スマートハイドロ――水深10センチの水路でも発電】

3月15日、 鉄建建設は新型タービンを利用した小水力発電装置を開発したと発表。小さ
な農業
用水路やトンネルの湧水を排出する中央排水溝など、水量の少ない場所でも発電でき
現在、茨城県石岡市の農業用水路で実証を行っている。全国で既設の農業用水路などに小水
力発電を導入する事例が増えている。売電目的だけでなく、電力を確保しにくい山間部など
で、農作物を守る電気柵や、雨量などの計測装置の電源として利用したいというニーズもあ
る。だが、小規模な農業用水路や中央排出溝の場合、十分な水量・流速が得られず、導入を
断念するケースもある。

 Mar. 20, 2018

そこで鉄建建設では、NewAct、あき電器、久力製作所の技術協力を得て、こうした水量の少ない場
所でも効率よく発電できる小水力発電装置の開発に取り組む。 開発した小水力発電装置の核とな
るのが、新開発のタービンだ。回転体の周囲に水流によって開閉する16枚の可動翼が付いている。
この可動翼は、上流側では水流を受けて開き、水のエネルギーを受け止めるようにしてター
ビンを回
転させる。反対に、下流側に移動すると水流を受け流すようにして閉じる。石岡市
の農業用水路で行っている試運転では、集水加導水路による流速2.0m/sの条件の下で、最回
転度60rpm(1分当たり60回転)で、発電出力9.6ワットを確認。発電した電力は、イノ
シシによる田んぼへの鳥獣被害対策として設置した全長2.2キロメートルの電気柵用の電力
に利用。この他、河川の水位計測データや、リアルタイム動画の送信といった防災用途にも
向く。
鉄建建設では現在この小水力発電装置について特許出願中、実用販売の可能性も検討忠。

Mar. 23, 2018

❦ 関連特許:特開2015-072009 羽根構造体及び発電システム

【概要】

この知財はもともと風力発電用として降参されことのほかメカニック。従来より、風力発電
用の風車として、回転軸が垂直方向に延びる垂直軸風車や、回転軸が水平方向に延びる水平
軸風車が知られている。また、垂直軸風車には、羽根に発生する抗力が風車の回転力となる
抗力型(例えば、特開平2001-211569参照) 羽根に発生する揚力が風車の回転力となる揚力
型が含まれる。サポニウス型風車や自転羽根式風車などの抗力型の風車は、構造が簡単で、
発電装置部分などの機械部分が低位置にあるため点検や修理がしやすく、低風速から始動可
能であるなどの特性を持つ。
このように抗力型の風車や水車よりも、さらに回転力を増大させるため、下図のように羽根
構造体2は、流体の力である流力を受ける複数の羽根22と、羽根22を支持すると共に、
流力に対して垂直方向に延びる回転軸周りに回転可能な支持部材と、回転軸周りに所定の回
転角度TZだけ、羽根22を自由回転させる羽根回転機構とを有するようにした。これによ
り流力を使って羽根を流力の方向へ傾斜させ、羽根の対称性を崩すことができ、羽根に発生
する抗力を大きくできるようにしている。

 

【符号の説明】

1  発電システム  2  羽根構造体  3 中心回転軸  4 発電装置  21 中心孔 2、122、
190、290、390、490、590、690:羽根  23、123 羽根回転軸  24、124:角度調整部
25 中心支持体  26  上下面  27 上下面  102、102X、102Y、202、202X、202Y、
202Z  羽根構造体 103  中心回転軸  123 羽根回転軸  126、127 上下面  130 調
整リング  150  エアタンク  193 反力受面  194 流力受面 295、295a、295b 突出
部  TZ   :回転角度

地産木材のみを使うバイオマス発電所、国内初のペレット工場も併設
くしま木質バイオマスは、串間市で建設を進めている「大生(おおばえ)黒潮発電所」の竣
工式を3月24日に開催する。国内初(洸陽電機調べ)のペレット工場を併設した小規模木質
バイオマス発電所となる。

【ネオコンバーテック篇:単層CNT薄膜の特異な光吸収特性を発見】

3月16日、首都大学東京の柳和宏教授らは、一方向に配向した単層カーボンナノチューブ
CNT)薄膜を作製
し、高密度にキャリアを注入制御したところ、単層CNT軸の垂直方向に
新たな光吸収が生じることを発見、
新型の半導体レーザーやフレキシブル熱電変換素子の開
発につながる可能性が高い。下図のように、
半導体量子井戸におけるサブバンド間のプラズ
モン吸収と同様なものとみている。ただ、一般的な半導体量子井戸におけるサブバンド間の
プラズモン吸収は、1~10meVの遠赤外光/中赤外光領域で生じる。
これに対し今回は、1eV
の近赤外光領域で生じた。従来の千倍に相当するエネルギー領域。このことは、1ナノメー
トル程度のCNTサイズにおいて、量子閉じ込めの極限状態にあるプラズモン吸収を見出した
ことになる。将来は、CNTを用いた量子カスケードレーザーへの応用も可能とみている。さ
らに、配向CNT薄膜の熱電特性を解明することによって、フレキシブル熱電変換素子の実現を
目指す考えである。

 
 Mar. 18, 2018

 

● 今夜の寸評:IBM 10セントチップスの衝撃

1つの塩粒よりも小さいコンピュータ。IBMは1ミリメートルのサイズ世界最小のコンピ
ュータ――僅か10セント以下のコストで製造可能人間の目で確認できないフットプリント
に数十万個のトランジスタをパック、百万個ものトランジスタ――を開発したことを公表。

 

上の64個のマザーボードのセットの写真は、LED通信ユニットと光検出器、スタティック
ランダムアクセスメモリ(SRAM)、統合型光電池が含まれる世界界最小の2台のコンピュ
ータを搭載する。さらには、「改ざん防止デジタル指紋」と定義されている暗号のアンカー
または暗号アンカーを、真正性を保証し偽造品を検出するために製品に組み込み5年後の市
場を睨んでいる。1個10円30銭ですか。40年間『デジタル革命渦論』を唱えてきた者
として感慨ひとしおな宵のひとときを味わっている。

※SourceThe ‘World’s smallest computer’ could be manufactured for under 10 cents | Inhabitat -
Green Design,
Innovation, Architecture, Green Building

  

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ふりゆくものはわが身なりけり

2018年03月22日 | 時事書評

 

     
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ

君彼を知り己れを知れば百戦殆うからず

勝利を収めるための条件は五つある。

一、戦うべきか否かを判断できること。
二、兵力に応じた戦いができること。
三、君主と人民が同じ目標をもつこと。
四、態勢を万全にして敵の不備につけこむこと。
五、将軍が有能であって君主が軍事に干渉しないこと。

これが昌利を収めるための条件である。
したがって、次のように結論をくだすことができる。すなわち、敵を知り己れを知るならば
絶対に負けろ心配はない。己れを知って敵を知らなければ、勝敗の確率は五分と五分である。
敵をも知らず己れをも知らぬとすれば、いつも危い橋を渡らなければならない。

 WIkipedia

【下の句トレッキング:ふりゆくものはわが身なりけり 】


 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり     入道前太政大臣


桜を誘って散らす激しい風が吹く庭。そこに散り敷くのは雪かと思う。しかしふる(降る)の
は雪ではなく、実は古びていく私自身なのだ。


The wind blows through the garden, scattering the cherry blossoms, and there are so many
petals that one could mistake them for snow. Yet it is not snow that is falling; rather it is I
who is fading.
(出典:小倉百人一首殿堂 時雨殿)

  

【樹木トレッキング 22:ウワミズザクラ】

古代では、まつりごとで物事を決める時に占いは重要な儀式だった。例えば、古事記神代編
の天照大神が弟の素盞鳴(すさのお)の乱暴狼藉に怒って天の岩屋に隠れてしまう場面で、天
照大神が太陽が隠れてしまうことでこの世界は真っ暗になり、様々な禍が起こる、そのような
大事件のときに行われる占いが太占(ふとまに)。乞食では、天の香具山の鹿の骨を抜き取っ
て、同じく天の香具山のハハカの木で占い、牡鹿の肩甲骨をこのウワミズザクラの炭火で焼き
骨の表面に現れる割れ目の模様によって占う亀甲占いが記されている。

さて、その
ウワミズザクラ(上溝桜、学名:Padus grayana)は、バラ科ウワミズザクラ属の落
葉高木。和名は、古代の亀卜(亀甲占い)で溝を彫った板(波波迦)に使われた事に由来する
(英名:Japanese Bird Cherry)
よく似たイヌザクラとは、花序枝に葉がつく事などで区別で
きる。
北海道西南と本州、四国、九州の山野に自生し、日照と小川沿いなど湿潤した環境を好
む。
樹高:約10~15m、樹皮:灰~褐色、枝は小枝の多くは落葉後に落ち、葉は長さ6~9cm、
幅3~5cmで楕円形で先が急に細くなり、縁には鋸歯がある。また、
花は5月(北海道では6月
)頃。長さ10cmほどの白い総状花序は雄蘂が目立ち、ブラシのように見える。
果実:直径約8mm
の卵円形の核果を付け、初夏にかけて赤から黒く熟すという特徴がある。
材は軽くねばり強い
事から建材のほか、彫刻細工、版木、道具の柄などに利用される。香りのよい、若い花穂と未
熟の実を塩漬にした杏仁子(あんにんご)が、新潟県を中心に食用とされる。また、黒く熟し
た実は果実酒に使われる。

 
ところで、サクラ属
(学名:Cerasus Mill.)は、植物界バラ目バラ科の属。広義のサクラ属(
Cerasus s. lat.)は、広義のスモモ属(Prunus s. lat.)と同じものである。樹木になり、5弁の花を
つける。花はウメのように1つずつつくもの、サクラのように短い軸から数個を房状につける
もの、ウワミズザクラなど小さい花を穂のようにつけるものなどがある。果実は核果で、外側
(外果皮)は柔らかくて、中心に固い種子(正しくは内果皮=核に包まれた種子)が1粒はい
る。落葉樹が多いが、バクチノキやリンボクなどの常緑樹もある。サクラやウメ、モモ、プラ
ム、アーモンド等の果樹や花木が含まれ、経済的にも重要。

 

  YouTube

   No.175

  
Paolo Bombelli | University of Cambridge

【バイオソーラー篇:最新生物光起電技術】

1月10日、20年ほど前のパオロ・ボンバりー(Dr Paolo Bombelli)らのケンブリッジ大学の研究
グループによる苔を使った再生可能エネルギー発電の直近の研究よりも5成果は、既存の植物
や藻類のモデルよりもエネルギー変換効率が5倍効率的で、高費用対効果と実用性をもつ藻類
型燃料電池を開発している。つまり、環境にやさしい低コストのアプローチとして、生物光起
電性(BPV、生物学的太陽電池としても知られている)が浮上している。これらの太陽電池は
藻類のような微生物の光合成特性を利用し光を電気に変換/電力供給できる。

 Jan 10, 2018

充電と電力供給にはしばしば相反――例えば、充電ユニットの効率的に露光、電力供給部品は
非露光状態に置くが、損失を最小限に抑え電子→電流の変換プロセスを最大化させる――2

の反応函を設計するとともに、同時にプロセスのパフォーマンスを最適化させることに成功す
る。そこでの肝は「
充電と電力供給分離と反応器の小型化」、つまり、小規模な環境下では流
体の挙動が大きく異なり、内部抵抗が低く、電気損失が少なく、より効率的なセルを設計でき
る。
光合成の間に非生産的に散逸した電荷量をセルが最小限に抑え、❶遺伝改変した藻類で
❷小型反応セル設計で、以前より5倍もの0.5W / m2の出力密度を持つバイオ光電池を実現させ
る。 これは従来の太陽電池で得られる電力密度の約1/10にすぎないが、新しいBPVには、
従来のシリコンベースの太陽電池と比べ、藻類が自然成長/分裂に基づくシステム(機関)は
よりすくない投資で実現で、エネルギーの地産地消(分散)法で電力供給できることがその
特長。

 Jan. 9, 2018

Article:Enhancing power density of biophotovoltaics by decoupling storage and power delivery

思えば、太陽光発電は特に魅力的なエネルギーであることは、人類hが消費するエネルギーより
も、所与
の時間に約1万倍のエネルギーを太陽から受けとっていることでも明らかであるが、
太古のこ
の地球の海でシアノバクテリアが「光合成」を生存戦略を選択したことにはじまる。
それを人類は模倣することでエネルギーに変換する試みを行っているという事実に大きな感慨
をもつというわけである。昨夜の、「フラーレン内包技術/工学」もそうであるが、大きな期
待とともに思わぬ陥窮/試練に慎重に配慮しながら進歩していくに違いない、これは面白い。

 LSEV

【世界初、百万円を切る イタリアの中国製 ? 3DP製電動四輪車が登場】

 

     
 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.24   
   

● 対談5 新しい現実をつくる   

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』 

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

企業価値を上げるブランド力

鈴木 そうですね。いま、日本の経済は低迷している、景気が悪い、景気対策をしっかりや
れと経営者はいうわけですが、反省の意を込めて申しますと、自分たちが景気を悪くする要
因をつくっているんじゃないかという気が私はしてならないのです。たとえば、マーケット
シェアを大きくするためには競争しないといけない、競争に勝つためには安くものをつくら
ないといけない、コストダウンに次ぐコストダウンで、人件費もカット、材料費もカットし
ていく。そうしないと勝てない。勝つためにはますます数を売らないと生き残れなくなって
しまう。数を売っても売り上げが比例して伸びないとなれば、当座、コストに手をつけざる
を得ない。無駄なコストはカットしなければいけませんが、必要なコストまでカットしたら、
つくる人も、売る人も、買う人も自分かやっていることを喜べなくなってしまうし、ものが
出まわるほどにはお金がまわらなくなって、結局、経営者の首を絞めてしまう。

自分が原因をつくっているのだから、「景気対策をしっかりやれ」などという前に自分で解
決するために何かしよう、そういう考え方の時代がくるのは当然だと思います。もちろん、
すべての業種の企業の製品が高く売れるということはないかもしれませんが、そういう視点
で知恵を絞り汗を流さないといけないような気がします。

石田 それがブランドカです。たとえば、逆の言い方をすると、環境が悪くなっているから
といってエコを目的にしたらブランドカはどんどん落ちていく。エコを目的とするとやるこ
とがみんな同じになって、テクノロジーのユニフォーム化か起きてしまう。どこのテレビを
買っても、何を買ってもみんな同じ性能になってしまう。同じ性能だったら、だれだって安
いほうを買うからコスト競争にならざるを得ません。そうすると大量につくって売ったほう
が勝ち。エコが目的なのに大量にものをつくった者が勝つというおかしなことになってしま
うわけです。だから、エコは出発点であって、けっして目的ではないということです。

豊かなライフスタイルを標榜していくこと、それこそが企業価値を上げていく。企業価値を
上げていけば、ちょっと高くても、「この会社のファンなんだもの」ということになり、企
業の顔と使う人の顔がお互いに見えやすくなる。いまは企業と使う人の間にはお金のやり取
りしかない。こうなるとクレームだらけです。クレームが出るのは企業の顔が見えないから
で、見えればクレームは格段に少なくなります。

企業経営などと偉そうに私からは言えませんが、企業の役割とか社会に対する本来の使命と
か、そういうことを企業は忘れてしまっているように思えてならないのです。お金という物
差しだけでいろんなものをつくって、一応、口では「お客様は神様」と言いながら、「だれ
のためか」というのを忘れているのではないかという気がします。


鈴木 確かにお金は大切です。中小企業のオヤジは日々お金のことで頭を使っているわけで
すから、大切でないとは言いません。▽万、お金で測れない価値があることも実感していま
す。石田先生がおっしゃられたようにお金の物差しだけで考えてしまうと、いまのような結
論になってしまうのは確かです。だから、お金で測れない価値をいまの社会に生み出すため
の物差しをそろそろ考えていかないと行き詰まってしまうでしょうね。

石田 それが上位の概念でしょうね。お金の物差しを信奉する人はそのうち年取って消えて
いくことになると思います。上位の概念というのは、一つひとつの企業がどういう豊かさを
社会に提供しようとしているのか、それをちゃんと明文化して、ちゃんと語るということで
す。

鈴木 自分の言葉で語るということですね。
石田 そして言葉に恥じない商科を市場に送り出す。それが一番大事なことだと思います。
当たり前のことなんですが、どうも違った方向へ進んでいる気がしてならない。

経営者は健全な覚悟をすること

鈴木 そもそも経済は何かというと経世済民だと思うんですね。西洋的な理屈からすれば、
経済というのはお金と物とのやり取りと周辺のアクティビティを指すのでしょうが、
東洋的
というか、日本式だと世の中を治めて人をしあわせにしていく仕組みだし、方法
の一つ。と
ころが、いまは経済が目的みたいになっているから、「経済が仲びれば、み
んながしあわせ
になる」と錯覚してしまうのだと思います。石田先生がいわれる「エコ
は出発点で目的では
ない、それを取り違えると云々」と同じように、おかしなことになっ
てしまっているんでし
ょうね。


過去を振り返れば日本が戦争に負けて何もなかったころは確かに経済が人をしあわせ
にした
と恩いますし、私たちは恩恵を受けてきているわけですが、2030年問題をも
含めていろ
んな変化が予想され、また変えていかないといけない時代を迎えようとする
とき、小さいな
がらも会社の経営者として、地域で活動している人間として、新しいラ
イフスタイルを生み
出そうと考える仲間をどうやったら増やしていけるか、いま、真剣に考えているところです
。脱原発の問題でも痛感していることですが、そうどうしても相容れない考えがカベになっ
てしまうわけですね。

石田 それについては2つほど切り目があると思います。1つは、資源や子エネギーの限界
という観点から考えるということです。ある意味、贅沢な悩みで、ものがなくて生きていけ
ないというところから始まって、どんどんどんどんリッチになって、自分の「個の欲望」を
言葉でもいえるようになったし、物質的に実践できるようにもなった。ところが、その土台
となって個人を支えるべき資源やエネルギーに限界が見えてきた。それなのに、それらに支
えられてわれわれは存在してきたということに、まだ気がつかない。気がついたとしても、
「まだいまの欲望のままで生きていくだろうな」という人たちが、きっと鈴木さんがおっし
やるカベとなる相手なんだろうと思います。鈴木さんたちは彼らが足場とする土台そのもの
が「ちょっと、おかしくなってる」と気づき始めた。


鈴木 かなりヤバイと思います。
石田 私もすごい危機感を持っています。「かなりヤバイのに、まだやるの?」という姿を
見せてやるためにはどうするか、やっぱり、健全な覚悟を示すことだろうと思います。多く
の経営者はそんなことわかっていると思うんです。でも、覚悟する勇気がない。だから、率
先してその覚悟を示したということにエネ経会議の存在意義があると思います。

鈴木 ありがとうございます。
石田 生活者からアンケートを取ると、自然回帰の動きがどんどん出てきた、フリーマーケ
ットに若い人がどんどん行くようになった、みんながみんなクルマを買うわけではなくなっ
た、反対に自転車がどんどん売れている、などなど、予兆ははっきり出ているわけです。と
ころが、その予兆を見ないふりをしているということも一方に現実としてある。

鈴木 残念なことです。
石田 毎年、じわじわとくる変化ですから、10年前との差を見せてあげるといい。そういっ
た努力をしないといけないわけですが、やっぱりものをいうのは「健全な覚悟」です。覚悟
がないと駄目なんだということをどうやって知ちせるか、難しいけれども伝えないといけな
い。私には経営として伝えられる能力も知識も資力もないのですが、具体的にこういうもの
をつくればライフスタイルをベースにして、こんなビジネスが生まれるということを証明す
る方法と手段を持っています。それで証明するしかないと思ってやっているわけです。事実
先ほど話題にした土のエアコンは年間何十万平米という商材になりましたが、まだまだ、こ
れからです。



鈴木 私も今日初めて現物を拝見しました。これから広く知られていったら、かなりのシェ
アを獲得すると思います。
石田 そういうものをいっぱいつくっていく、企業との仲間をたくさんつくっていくという
ことが、私自身としては仕事だと思っています。

鈴木 エネ経会議としても協力させていただきます。
石田 ありがとうございます。経営者の皆さんに対しては、まさに鈴木さんがおやりになっ
ていることを繰り返し、繰り返し、やっていただきたいと思います。トップダウンでやって
も、大企業は大型タンカーのように、なかなか舵がきかない。だからそんなところばかり見
ていないで、日本のほとんどは地方であり、企業の99・98パーセントは中小企業なんですか
ら、地方や中小企業が本当の意昧での日本のパワーになって、「健全な覚悟」を持ってやっ
てくださる仲間をどんどん増やしていただくほかないと思っています。

鈴木 自然エネルギーにしても、水力を除いたら1パーセントしかない現状では、いきなり
日本全国に普及させるというのは現実的なやり方ではないと思います。漫然とただ増やすと
いうだけでは議論にもならないでしょうから、現実につくってみせる。小さいからこそ、つ
くることができるわけです。

個々の単位は小さくても、石田先生のおっしやる「健全な覚悟」を持つ仲間が寄り集まって
数が増えれば、スケール的にも大きくなると思っています。ましてや、私たちは同族経営の
経営者が多いものですから、「これをやろう」と覚悟を据えて取り組んだら、即、実現する
わけです。それを強みにしてやっていけば、そう遠くないうちに「健全な覚悟を持った循環
」といった動きが生まれると信じています。そういう仕組みを構築しながら同時にまたさら
に仲間を増やしていく。それによって循環の輪がまたひとまわり大きくなっていく。結果と
して、いつの間にか日本全国に「健全な覚悟を持った循環」が行き渡っていたというかたち
になるように、これからも運動を続けたいと思います。

                                   この項つづく

 ● 今夜の一曲
 
"Whatever It Takes "  Imagine Dragons

Falling toof ast to prepare for this
Tripping in the world could be dangerous
Everybody circling, it's vulturous
Negative, nepotist

Everybody waiting for the fall of man
Everybody praying for the end of times
Everybody hoping they could be the one
I was born to run, I was born for this

Whip, whip
Run me like a racehorse
Pull me like a ripcord
Break me down and build me up
I wanna be the slip, slip
Word upon your lip, lip
Letter that you rip, rip
Break me down and build me up 

Whatever it takes
'Cause I love the adrenaline in my veins
I do whatever it takes
'Cause I love how it feels when I break the chains
Whatever it takes
You take me to the top I'm ready for
Whatever it takes
'Cause I love the adrenaline in my veins
I do what it takes


 

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みをつくしてや恋ひわたるべき

2018年03月22日 | 時事書評

 

     
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ

君主の口出し 

将は君主を補佐する重要な存在である。君主と将との関係が密接である国は、きっと強大に
なるし、
反対に、密接さを欠く国は、きっと弱体化する。将はこのように重要な役割をもっ
ているのだから、君主がよけいな口出しをすれば、軍を危機に追
いやることになる。その場
合が三つある。
第一に、進むべきときではないのに進軍を命じ、退くべきときではないのに
退却を命じる場合であ
る。これでは君主が軍の足をひっぱるようなもので、その結果、軍は
抜きさしならない状態に追いこ
まれる。第二に、軍の内部事情もわきまえないで軍事に口を
はさみ、軍内部に混乱を招く場合。第三
に、指揮系統を無視して軍令に干渉し、軍内部に不
信感を呼びおこす場合である。
君主がこうして軍内部に混乱や不信感を呼びおこしたとみれ
ば、諸侯はすかさず攻めこんでくるで
あろう。これこそ自滅行為といわずに何といおうか。

先日、トマトベースのスープを夕食で頂いたのが美味しかったの缶詰の原産地を訊くとイタ
リ酸よとの返事にどの産地なのと聞き返すとわからないというので、缶詰のラベルをみると
添加物などの詳細など掲載されていない。それを怪訝に思っているると「安かったから買っ
たの」と付け加える。今朝、新聞ををみていた彼女が『トマト缶の黒い真実』(太田出版、
Mar. 2, 2018)が出版されていると掲載新聞をみせる。それは凄いねと反応しつつ、過剰適応
症がお前さん散漫だし、疲れるぞと独白が過ぎる。仕方がないいつものように電子出版を注
文し暇なとき読むこととする。

さて、トマトは170カ国で生産され、トマト加工業界の年間売上高は1兆6百億円にのぼる。
だがトマト缶がどのように生産・加工されているかはほとんど知られていない。中国、アメ
リカヨーロッパ、アフリカを舞台に、業界のトップ経営者から生産者、労働者までトマト加
工産業に関わる人々に徹底取材。世界中で行われている産地偽装、大量の添加物や劣化した
原料を使用する生産現場、奴隷的に働かされる労働者などさまざまな問題を暴く。世界中で
身近な食品であるトマト缶の生産と流通の裏側を初めて明らかにした衝撃のノンフィクショ
ン!

目次

中国最大のトマト加工会社
「中国産」のトマトペースト
伝説化されたアメリカの加工トマト産業
濃縮トマト輸出トップの会社
イタリアの巨大トマト加工メーカーのジレンマ
中国産トマトも「イタリア産」に
ファシズム政権の政策の象徴、トマト缶
トマト加工工場の奇妙な光景
中国の加工トマト産業の暴走―始まりと発展、強制労働
ハインツの経営合理化とその影響
加工トマト業界トップ企業、驚異の生産力
消費者に見えない「原産国」
天津のトマト缶工場の秘密
トマト31パーセントに添加物69パーセントのトマト缶
農薬入りのトマトか、添加物入りのトマト缶か
アフリカを席巻した中国産トマト
「アグロマフィア」の象徴、南イタリア産トマト缶
イタリアの労働者の違法な搾取
酸化トマト「ブラックインク」をよみがえらせる最新研究




● ネット検索事例 

製造業者 K社 
お客様の健康に何らかの悪影響を及ぼす可能性はございませんので、ご安
心してご利用いただけるものと考えております。
よく心配されるビスフェノールABPA)が
用いておりますが、その使用量はごく微量であり、内容液から検出されないことを確認して
います。ご安心ください。

輸入業者 K 懸念されるであろうビスフェノールAについては、輸入元に確認をしてお
りますが、 過去60年に渡ってヨーロッパ、アメリカ政府、 日本の厚生労働省が定めた食品
衛生法に則り使用されており、 健康被害や人体への影響はほとんどないとされています。

『ビスフェノールA検査事例』

・フルーツ缶詰め類 :検出されず
・マッシュルーム缶類:0.007~0.009ppm、
・トマト類     :0.023~0.029ppm
・ミートソース   :0.013~0.025ppm、
・ツナ缶類     :0.036~0.051ppm

        『トマト缶が危険って本当?大手製造・販売業者に聞いた驚きの回答!』
                           (Source : Goodlife of Value

 Nov. 13, 2015

ところで、
著者のジャン=バティスト・マレは、「ル・モンド・ディプロマティーク」「シ
ャルリー・エブド」など多くの有名誌に寄稿する新進気鋭のジャーナリスト。2014年に刊行
された第2作『En Amazonie, Infiltre dans le meilleur des monde』は、アマゾンの配送センターに
潜入取材して内部事情を告発した問題作で、フランスでベストセラーとなり、第3作にあた
る本書は、2017年に刊行されると同時に大きな話題になり、「身近な食材のトマトを通じて
読者をグローバル経済の恐怖に陥れる」など、各メディアに絶賛され、
「中国産濃縮トマト
を薄めたものがイタリア産として流通している?」「世界には腐ったトマト缶の市場がある
?」「トマトより添加物のほうが多いトマト缶がある?」など、トマト缶を巡る真実を描い
たと。このように、
出版社のホームページ書籍紹介されている。 

     
 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.23   
   

● 対談5 新しい現実をつくる   

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』 

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

豊かな暮らし方って何ですか

石田 それに関してお話ししたいことが2つあって、Iつが1980年代のはじめころから
日本人に関す
るいろんな調査のなかで、「物の豊かさより心の豊かさを望む」という統計デ
ータが軒並み出ていることです。企業が努力して、GDPが上がっているのに対して、生活

満足度とか幸福度は横ばいか下がってきているわけです。結局、エコジレンマを含めて、い
ま、おっしやった「何か変だな」という感覚がどんどん増えているというのが現実で、私た
ちが行なった調査では、「物ストレス」が日本の国民の約4割を占めています。

鈴木 どういうことですか?
石田 物がありすぎて困っている、それでストレスをためている、ということです。本来、
日本人は物
ストレスをためるような国民性ではないんです。もっと質素とか、簡素が好きな
はずなのに、「えっ、あなた、持っていないの」と言われるとついつい買ってしまっ
て、物
があり余っている状態にストレスを感じてしまう。

鈴木 ずいぶん、贅沢な悩みですね。
石田 人間の欲望というのは後戻りできないものです。つまり、快適性や利便性では「も
これでよい」という上限がないという欲の構造を持っているので、満足することがない。だ
から、私たちはそういう方向に逆むのではなく、心の豊かさとか「精神欲」が持てるような
新しい暮らし方と新しいものづくりに取り組む企業を大事にしていこうとしています。とこ
ろが、本来の企業の目的は社会に対して豊かなライフスタイルを提供しないといけないのに、
いまの企業はエコ商品をつくることを目的としてしまうか、あるいは「豊かである」とい
うライフスタイルを売るのが企業の目的でなければならないのに、エコ商品を売ることにば
かり熱心になってしまっています。実はエコというのは出発点にすぎないわけです。目的で
あってはいけないのです。



鈴木 手段なわけですね。
石田 そうです。豊かな暮らしをつくるには、エコを原点にして、どんな暮らし方があって、
それに必要な商材は何でしょうか、こういう考え方にならなければいけないのに優先順位が
逆転してしまいました。

鈴木 経済という観点からすると、GDPが下がってしまうと困るとか、経済が成長を続け
ないと幸せになれない、ずうっとそういうふうに思い込んでいる人がいっぱいいらっしゃる
わけですが、実感としてGDPが増えても、経済成長が続いても、ますます、僻積していく
というのが現実だと思います。GDPや経済成長は追っかければ追っかけるほど、何かしあ
わせ感から遠のいてしまいます。私たちにはそういう思いが抜きがたくあるわけです。

石田 GDPだとか経済成長が上がっているといっても、利益率が下がっていますから薄利
多売でないと成り立だない、あらゆる産業がそうした収益構追になってしまっています。い
ま、製造業の利益率はI桁台なんですが、利益率を20パーセント、30パーセントにするよ
うな新しいものづくりが存在してもいいだろうと思います。従来のテクノロジーだけからい
うと、我々が提供しているような先端テクノロジーは、世界の人口の2割(先進国)にしか
適用できない、残り8割には供給されていないわけです。その8割のうち、お金のない2割
のところはちょっと脇に置いておくことにして、真ん中の6割とリッチな2割を合わせた8
割が新しいライフスタイルに合わせて開発した商材のビジネスエリアだと考えたら、まった
く新しい市場も見えてきます。



豊かということをターゲットとして利益率を上げていけば世界の市場は4倍に広がるのです。
こんなすごいビジネスチャンスが目の前にあるのですから、ちょっとスタンスを変えればよ
いはずなのに、どうしてそっちに行かないで、過当競争の激しいところでしのぎを削るのか、
不思議でならない気がします。実はこれが今日お話ししたいことの2つ目です。

鈴木 よくよく考えてみると、先生がおっしゃったバックキャストという考え方をすれば、
やっぱり、「自分たち、こういう世の中に住みたいよね」「自分たちの子どもはこういう世
の中に住まわせたいよね」「自分の会社はこういう役割を果たしていきたいよね」と、そう
いうものが一つ別にないといけないような気がするんです。そういう姿と現実にはものすご
くギャップがあるわけですが、現実的に一歩一歩ギャップを厘めていきながら、同時に変化
にどう対応するかというテクニックを発揮するという両方の努力が必要だと思います。私た
ちエネ経会議は吹けば飛ぶような小さい会社ばかりですが、及ばずながらの心意気で取り組
んでいるわけです。ところが、世界の環境や経済にものすごく大きな影響を与えるような超
大企業ほど、なぜかそういうことをおっしゃらない。それでいいのかなと思います。

石田 大きな企業は失礼ながらみんなサラリーマン経営者が多く、四半期ごとの儲けを出し
て生き残ろうという感覚があるのかもしれません。NPM(民間企業の経営手法を公共部門
に適用してマネジメント能力を高めて効率化・活性化を図ろうとする考え方)が敦えるよう
に、環境の変化に臨機応変に対応するという「進化の概念」はもちろん大事なんですが、従
来の路線の上で変化に対応するだけでは、これからは不足です。



その一方で積極的に変化をつくって、新たな変化に対応しえるように足場も同時に変えなけ
ればならないのです。だから、私はライフスタイルに責任を持つ新しいものづくりですとか、
企業経営の新しい価値観の創出というところに大きく舵を切ってほしいのです。もちろん、
それだけが正義ではありません。でも、早晩、いまの延長線上では企業の存在価値が希薄に
なることがきっと多くなると思います。そのために、もう一本変化のレールを敷く。これは
つくった変化です。つくった変化、つまり世の中の変化を誘導する新しい概念がこれからほ
んとうに必要になっていくだろうと思います。

鈴木 変化を起こす、変化をつくっていく、先生はそうおっしやいましたが、まったく同感
です。「言うは易し」ですが、そういう志で企業を経営していかないといけないと思います。

石田 そのためには、「豊かな暮らし方って何ですか」という、問いに答えを出していかな
いといけない。これは企業本来の正義ですね。それをもう一回みんなで考え直すとか、そう
いう議論をしないといけないわけですが、手法論の議論をすることはあっても、企業の存在
価値だとか、本質だとか、そういうことで議論することはないだろうと思います。だからこ
そ、これから、つくっていかないといけないと思います。

                                  この項つづく
 

   No.174

【核融合篇】

 Mar. 14, 2018

図1 重水素のエネルギー分布のSEM画像と3D PICシミュレーション>
a.直径200nmCD2ナノワイヤのアレイのSEM画像。
b-d.
1019Wcm-2の強度で超高強度で照射された直径400nmCD2ナノワイヤのアレイにお
ける重陽子のエネルギー
分布の進化の三次元粒子内セル(PIC)シミュレーション。 コントラス
λ= 400nm、60fs FWHM
持続時間のレーザーパルス。レーザーパルスは、ナノワイアを
速に
極端な温度まで加熱してナノワイヤを爆発させるアレイの深部まで浸透(図1c、d)。重陽子
は、MeV
エネルギーまで空隙内に急速に加速され、D-D2.45 MeV中性子を生成
時間は、レーザーパルスのピークに関して測定。ナノワイヤアレイの平均密度は、16%のベ
タ濃度
.

●高密度相対論的ナノワイヤアレイプラズマにおけるマイクロスケール融合

今月、コロラド州立大学の研究グループは、コンパクトで強力なレーザーを用い規則的なナ
ノワイヤのアレイを加熱することで、ラボで微小核融合を実証したことを公表(上図)。

ーザー駆動制御融合実験は、通常、スタジアムサイズの建物に収容された数百万ドルのレー
ザーで行われるが、
これとは対照的に、超高速で高出力の卓上型のレーザーで実証試験行っ
ている。



【概要】

核融合は、世界最大のレーザーからのマルチキロジュールパルスによって駆動される球状の
プラズマ圧縮で規則的に生成される。ここでは、コンパクトな超高速レーザーからジュール
レベルパルスを重水素化ナノ構造のアレイに照射で生成された高密度融合環境を実証。
相対
論的強度のフェムト秒パルスを有する規則性重水素化ポリエチレンナノワイヤーアレイの照
射は、重水素(D)がMeVエネルギーまで加速され、D-D融合反応および超高速中性子バー
ストを効率的に駆動する超高エネルギー密度プラズマを生成。
ジュールあたり最大2×106
の核融合中性子を測定します。平らな固体ターゲットに対して約5百倍と、ジュールレベル
のレーザーでは記録的な収量となった。
さらに、シミュレーション予測ではレーザーパルス
エネルギーによる中性子収率の急激な増加を観察。
この結果により、原子力科学と高エネル
ギー密度研究に貢献、イメージングや材料研究に超高速準一元エネルギー中性子源に繫がる
成果となるだろう。

【ソーラー発電/蓄電池篇: フラーレン電池内包技術】

 Mar. 16, 2018

● リチウムイオン電池の場合

❑ 特開
2014-007258 キャパシタ用電解質およびキャパシタ

電解質であるリチウムイオン等の原子はフラーレンで化学的に保護されており、例えば5Vの
高電圧下での使用にも耐えるため、従来のリチウムイオンキャパシタより高いエネルギー密
度を有する。
リチウムイオン電池にしろ、電気二重層キャパシタにしろ、カチオン(主に金
属)は電極と直接接触してしまい、電極表面に皮膜形成してしまう。印加電圧が高いほどこ
の傾向は高く、そのため、電解質としてイオン液体を用いた場合であっても定格電圧に限界
があった。本件のカチオンはフラーレンのケージで保護され直接電極と接触することはない
ため電極との反応がないため皮膜の形成ということは発生せず、この点からも定格電圧を従
来よりもはるかに高くすることが可能となる。


また、従来は、印加電圧を高くするとカチオン同士が凝集をおこしてしまい、これが定格電
圧の低下を招くと推測されたが、本家では、カチオン(Li)同士は特設接触せず凝集は発
生しないため定格電圧を高くすることができる。
アルカリ金属の中で最も電荷の大きいリチ
ウムイオンが相互に完全に独立した状態で保持され、さらに、フラーレンの殻は電解液から
のリチウムイオンの溶媒和を阻害し、球対称であるため高移動速度を有する。そのため大き
いパワー密度が実現できる。


❑ 特開2016-001539リチウム空気二次電池

リチウム空気二次電池は、有機電解液中の有機溶媒に電解質としてリチウムイオン内包フラー
ン塩(L-C60)X-(式中X=PF6、ClO、TFSI、BF、AsOから選択さ
れる)を含むことによっ
て電池性能の改善を達成することができる。 本件のリチウム空気二
次電池の構成を採用すること
によって、低充電電圧かつ充放電の電圧差が小さく、優れたレー
ト特性を実現する高エネルギー密
度のリチウム空気二次電池を提供できる。 

 

【下の句トレッキング:みをつくしてや 恋ひわたるべき】

難波江の 葦のかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき   皇嘉門院別当

昔繁栄していたけれど今はすっかり様変わりしてしまった難波江の葦を刈ったあとの一節の
根のように、短い仮寝の一夜だけのために、つまり、下の句は、難波江の名物
「みをつくし」
でもあるまいに私は身を尽くして一生恋することになるのでしょうか(わたしに速く気づい
て欲しいものよ)。
I will spend my life longing for the tiny glimpses of the love I felt on that fleeting night,
short as the root of the reeds cut along the banks of Naniwa Bay.



みおつくし(澪標)というのは、古歌にもよまれているように、昔、 難波江の浅瀬に立てら
れていた水
路の標識です。 摂津名所図会にはクイの上部に板をX型に打ちつけたものだけが
見られるが、
天保年間(1830~1844年)の絵図には今の市章と同じ形をしたものが描かれて
いる。大阪の繁栄は昔から水運と
出船入船に負うところが多く、人々に親しまれ、 港にもゆ
かりの深いみおつくしが、1894年4月、
大阪市の市章となる。

The Miotsukushi of ancient lore is a sign that was placed in the shallow waters of
Naniwa-e Bay, Settsumeishozue (a tourist guide published in 1796-1798), shows only
X-shaped panels nailed to a pile, yet signs shaped like the modern city emblem can be
seen in drawings from the Tempo Era (1830-1844). Osaka’s prosperity has long been
due to transportation by water and to ships coming in and out. Therefore, the Miotsukushi,
with which people were familiar through close  identification with the port, was c
hosen as the city emblem in 1894.

 ● 今夜の一曲
 
Hotel California Fingerstyle guitar  

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最新有機電子工学

2018年03月21日 | ネオコンバーテック

 

      
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ
が「謀攻」にほかならない。謀攻は単に小手先の術策ではなく、法則性に順った頬辺のない
勝ち方をいう。

兵力に応じた戦い方

戦争に際しては、次の原則を守らなければならない。すなわち、十倍の兵力があるときには、
敵軍を包囲する。五倍の兵力があるときには、敵軍を攻めまくる。二倍の兵力があるときに
は、敵軍を分断して戦う。互角の兵力であるときには、全力を尽くして戦う。劣った兵力で
あるときには、退却する。勝算がないときには、戦わない。もしこの原則を無視し、自軍が
弱小であるにもかかわらず強気一点ばりで戦うとすれば、むざむざ強大な敵の餌食になるだ
けである。

     

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.22   
  

● 対談5 新しい現実をつくる  

『ネイチャー・テクノロジーで未来を拓くパラダイムシフトを』 

  石田秀輝 東北大学教授工学博士

1953年岡山県生まれ。2004年㈱-NAX(現LIXIL)取締役CTOを経て現職。
ものづくりのパラダイムシフトに向けて国内外で多くの発信を続けている。2004年から
は、自然のすごさを賢く活かすあたらしいものづくり「ネイチャー・テクノロジー」を提唱。
また、環境戦略・政策を横断的に実践できる社会人の人材育成や、子どもたちの環境教育に
も積極的に取り組んでいる。ネイチャーテック研究会代表、NPO法人サステナブル・ゾリ
ューションズ理事長、ものづくり生命文明機構理事、アースウォッチ・ジャパン理事ほか。
著書に『ヤモリの指から不思議なテープ』(アリス館/2011)『未来の働き方をデザイ
ンしよう』(日刊工業新聞社/2011)『自然に学ぶ!ネイチャー・テクノロジー』(G
akkenMook/2009)『地球が教える奇跡の技術』(祥伝社/2010)など多数。

 Dec. 21, 2016  

自然は唯一、持続可能な社会をつくっている

鈴木 本日は東北大学大学院環境科学研究科石田先生の研究室にお邪魔しています。すごく
広くて、それでいてオモチャ箱みたいな感じです。ネイチャー・テクノロジーを用いたシス
テムの模型が並んでいて、ほんとうに楽しい研究室です。一軒の家の電球がネイチャーこア
クノロジーが生み出した電気でまかなえて、しかも安いという画期的なシステムを開発され
たとかで、その模型が展示されております。石田先生のご専門はそうしたネイチャーこアク
ノロジーですので、ご専門の観点からエネルギーについて語っていただきたいと思って研究
室におうかがいしました。

石田 そもそもネイチャーこアクノロジーというのは、自然のすごさを賢く活かす、自然は
完璧な循環をもっとも小さな子不ルギーで駆動している、すなわち自然のなかにはゴミがな
い。自然はわれわれが知る唯一、持続可能な社会をつくっているわけです。

鈴木 自然のなかにすでにつくられているわけですね。

石田 そうです。すでにあるわけです。1992年のリオのサミット以来、私たちは「持続
可能な社会をつくろう」といって一生懸命努力したんですが、努力すればするほど理想から
乖離してしまう。であるならば、自然というものに頭を垂れて、持続可能な社会をつくるた
めには何か必要か、自然のなかのメカニズムやシステムをもう一回見直して、新しい暮らし
方とものづくりを考えるのがネイチャー・テクノロジーで、新しいテクノロジーをつくるた
めにまずライフスタイルをつくることから始めます。私たちが何もしないと2030年には
たいへんきびしい状態になるのは目に見えていますから、きびしい制約環境のなかでも心豊
かに暮らせる、そういう暮らし方のイメージをいまからつくっていく。そのときに必要にな
るテクノロジーは何でしょうか、という問いの答えを、自然のなかから抽出して、サステナ
ブルなかたちにデザインし直して、新しいテクノロジーに変えていく。それがネイチャー・
テクノロジーの本質です。

でも、いま、快適に暮らすためにはエアコンがないといけないとか、いろんな注文がつく。
エアコンはどんどんエコになっているんですが、どれだけエコになっても電気代はかかる。
エアコンをつくるための子不ルギーが要る。だから、視点を変えて、2030年になったと
き、どんな快適な暮らし方ができるのかというと、たとえば電気を使わないで、壁や床や天
井が家のなかの空気の湿度や温度を自動的に検知して一定に保つ、そういう材料を可能なか
ぎり活用したら、電源なしでも快適な暮らしができるわけです。そういうライフスタイルを
つくるために私たちは自然のドアをノックするのです。

鈴木 ああ、なるほど、すごいですね。
石田 自然のなかにそういうテクノロジーがあるだろうと考える。私の場合はサバンナ地帯
のシロアリの巣を見つけました。昼間は50度、夜は零度と寒暖の差が大きいにもかかわらず
巣のなかは30度、プラスマイナス1度に保たれています。それを日本という高温多湿のモン
スーン地帯で使おうとするとき、一番いいのは湿度を調整することです。どのような土にも
いえることですが、実は土の中には3~10ナノメーターというものすごく小さな孔が大量に
開いていて、その孔が湿度を調整してくれるわけです。そういうメカニズムをコンパクトに
すればよいわけです

 July 6, 2017

たとえば(実物を手に持って)これは厚さ5ミリの板なんですが、実はこれがエアコンなん
です。上ですけれども、無数の小さな孔が開いていて、これを壁に貼るだけで人間が快適と
感じられるレベルに湿度が調整される仕組みなんです。そうすると体感温度がたとえば、夏
なら実際の温度より3度か4度下がるわけです。それだけで快適なんです。

鈴木 まさに、土壁のエアコンですね。
石田 土蔵をずっとシンプルにしたわけです。なんだ、日本には土蔵があるじゃないかとあ
とから気がつきました。ネイチャー・テクノロジーというのは我慢するのではなく、心豊か
に暮らすとしてもエネルギー資源を極力使わないようにしていく、それがネイチャー・テク
ノロジーの本質的なシステムの一つです。いま、電源を必要としないエアコンの導入で家庭
のエネルギー消費は、だいたい、2割か3割かは節減できると思います。

鈴木 まさかの「灯台下暗し」でした。
石田 自然はまさに宝ものの集まりです。たとえば、ヤモリの足の接着能力は強力で、ハガ
キー枚分の大きさで、約200キロの重量に耐えられます。軽四自動車のタイヤー本の接地
面積が、だいたいハガキー枚分ですから、4枚あれば車1台を吊り下げることができる。ヤ
モリの足の指には50万本もの毛が生えていて、さらにその毛の先が敷百本に分かれていて、
こすった下敷きに髪の毛がくっつくように、ナノメートルサイズの絹かく分かれた毛一本一
本と天井村との間に分子と分子が引きつけ合うファンデルワールスカが慟いてくっつく。こ
うしたヤモリの接着メカニズムがわかれば天井を走る車ができてしまう。



鈴木 驚くべきことです。
石田 汚れにくい表面を持つ材料を発見してタイルをつくったことがあります。タイルの表
面はカタツムリの殼から学びました。カタツムリの殼が汚れていることはほとんどありませ
ん。常にピカピカしています。ニワトリの卵も同じです。卵が鶏糞で汚れていても水で洗う
とつるっと落ちてしまいます。そういう表面を持ったタイルに油性ペンで線を引いたとしま
す。普通、油性ペンの跡を消そうとしたら、ベンジンやアルコール、強力な洗剤などを使わ
なければなりませんが、水で洗うだけできれいに落ちてしまいます。タイルの表面に油より
も水と結びつく性質を強く持たせたためです。カタツムリの殼の表面はタンパク質と炭酸カ
ルシウムが絡み合った複雑な構造をしていて、殼の表面の子不ルギーと水の表面のエネルギ
ーの差が殼と汚れ(油)のエネルギーの差よりも小さいために、殼と水のほうがよくなじみ、
結果として油と殼の間に水が入るので、油を浮かし汚れを落としてしまうわけです。ただし
、カタツムリの殼の表面は非常に複雑な構造ですから単純に真似るとなるとものすごいエネ
ルギーが必要になってきます。自然のすごさを大きな子不ルギーを使ってつくるとしたら本
末転倒ですから、そのまま模倣するのではなくリデザインしてエネルギーの消費を小さくす
るのがネイチャー・テクノロジーです。

自然から学ぶことはまだあります。1匹のクモが吐き出す糸は大きく分けると7種類ありま
すが、そのうち一番強度があるのが自分の体をぶら下げる牽引糸で、断面積を1平方ミリに
換算すると、10トン以上も吊り下げる力があって、クモは自分の体重の2倍くらいは余裕た
っぷりに吊り下げることができるわけです。さらにもっとすごいのは、その糸を常に2本出
していることです。1本が切れても落ちないようにもう1本でセルフビレイ(自己確保)し
ているわけです。

鈴木 ファーブル昆虫記のテクノロジー版ですね。石
田 自然のなかの虫たちが人間と同じ大きさだったら、それこそ尋常じゃない世界になりま
す。たとえばグンタイアリを人間の大きさに置き換えると重さ約4、5トンのものを口にく
わえながら時速120キロで疾走していることになります。それで「疲れた」などと言わな
いで一日中歩き続けているわけですから、まるで化け物の世界です。

 Oct. 17, 2016

エコのテクノロジーが消費の免罪符になっている「エコジレンマ」

鈴木 いつまでも聞いていたい気がしますが、先へ進ませていただきます。過去20年ぐらい
の間に、日本の電気使用量は3割ぐらい増えてまして、家庭用と産業用に分けたとき、工場
などで使う電気の量は大企業を中心とした省エネの取り組みなどでそれほど増えていないの
に、家庭用とか、業務用とかが増えているために全体の使用量が押し上げられています。技
術革新が進んで省エネ家電に切り替わったために、たとえば家庭用電気冷蔵庫の使用電力量
10年前に比べて半分になりました。なぜ、省子エネ家電になって個々の使用量が減ったと
いうのに家庭用全体の使用量が増えてしまうのか不思議でならないわけです。

石田 それをエコジレンマといっています。エアコンと冷蔵庫だけみても、冷蔵庫の電気使
用量は15年前の2割弱、エアコンは15年前の6割です。省エネ家電が大量に市販されて家庭
に入っているのに、家庭用のエネルギー消費は1990年に調べて1・3倍以上なんです。
日本は世界最高レベルのエコテクノロジーを持ち、日本人は世界最高レベルのエコ意識を持
っているのですが、これらを合わせると、環境劣化が加速してしまう。これがエコジレンマ
なんです。

この構造というのは、わかってしまえば当たり前のことですが、耳もとで「これとこれがエ
コ」とささやかれると「エコなんだから、エアコンをもう1台買おうか」「テレビもエコな
んだから、もう少し大きくしてみようか」「エコカー質ったんだから、週末には遠乗りして
みようか」となってしまう。エコによって増える消費のほうが、エコの技術によって環境の
劣化を抑える力よりもはるかに大きい。エコのテクノロジーが消費の免罪符になっているわ
けです。エコポイントだとか、高速道路の週末割引で、「国のお墨付きまでついたんだから
質っていいでしょ」ということになっていく。

Aug. 10, 2016

鈴木 結局、冷蔵庫をもう1台買ってしまったとか、テレビを大きくしてしまうとか、エア
コンを各部屋につけてしまうとか、われわれはそれが快適で豊かな暮らしだと思ってきたわ
けですね。その結果として電気使用量が増えてしまった。ところが、「3・11」後の冬、
家族でリビングルームで過ごす時間を増やして、個室の電灯やエアコンをできるだけ使わな
いようにしました。いままで忘れていた団欒を取り戻したわけですが、「これって、なかな
か豊かじゃないか」と実感しました。そういうふうに改めて気がついた部分があります。

石田 私たちが享受してきた豊かさは「物質的な豊かさ」なんですね。そして、いま、日本
人は物質的に豊かさの頂点にいる。ところが、人間は物質的に豊かになるとさらに豊かにな
ろうとする。それを否定するわけではないんですが、従来と同じ方向で豊かになろうとして
も、資源も、エネルギーも、やがてなくなるとわかっているわけですから、これはきびしい。
豊かさの価値観そのものを変えないといけないのに、変わっていないというか、どういうふ
うにみたらよいかわからないというのが問題なんです。

いま、まさにおっしゃったように、豊かであるというのはエコ商材がいっぱいあることだと
宣伝もするし、物質以外の豊かさを感じる機会が私たちにはあまりなかった。都会から地方
に来たり、自然が好きだとか、現実にそういう兆候が現れてきてはいますが、まだ具体的に
豊かさのかたちになってはいないんですね。だから、いまは「何かと何かを置き換えて、豊
かさを実感する」という段階に留まっていて、いわば足し算なんです。
「資源も、エネルギーも、もうないですよ」といわれながら足し算という選択肢しかないわ
けです。そうではなくて、豊かさを具体的なかたちにするような新しい価値観の足場という
ものを考えていかないといけないのです。

鈴木 そうですよね。身のまわりに物を持つことが豊かさだと信じ込まされてきて、結果と
して物はたくさんあるけれども豊かな感じはあまりなくて、一生懸命やっている割には「こ
れでいいの?」みたいに疑問符がついてしまう。

『エコジレンマ』ですかこれは面白い。エコトリレンマ、クワトロレンマもあるかもしれま
せんね。

                                   この項つづく

 

   No.174

【最新有機電子工学】

● 視認性抜群の小型有機ELパネル



❑ 特許事例1

特開 2018-028996
有機EL素子用の保護膜の形成方法、表示装置の製造方法および表示装置

【概説】

エレクトロルミネッセンスを利用した有機エレクトロルミネッセンス素子(organic electrolu-
minescence device)の開発が進み、この素子は、有機EL素子と呼称され、電圧を印加した
際に発光する電流注入型デバイスであり、ダイオード特性を示めす有機発光ダイオード(
Organic Light Emitting Diode:OLED)とも呼ばれている。有機EL素子は、水分に弱いため、
有機EL素子を覆うように保護膜を形成して、有機EL素子への水分の伝達を防ぐことが望
ましい。有機EL素子用の保護膜においても、性能を向上させることが望まれる。本件は、
下図のように、有機EL素子を有する表示装置の製造方法で、基板11上に有機EL素子を
形成する工程と、有機EL素子を覆うように保護膜16を形成する工程と、を有する。保護
膜16は、Siを含有する絶縁膜16aと、Alを含有する絶縁膜16bと、Siを含有す
る絶縁膜16cとを有する積層膜からなる。保護膜16を形成する工程は、有機EL素子を
覆うように絶縁膜16aをプラズマCVD法を用いて形成する工程と、絶縁膜16a上に絶
縁膜16bをALD法を用いて形成する工程と、絶縁膜16b上に絶縁膜16cをプラズマ
CVD法を用いて形成する工程を経て、有機EL素子用の保護膜の性能の向上させる製造方
法を提供している。


図3 表示装置の要部断面図
図4 表示装置の製造工程を示す工程フロー図
図5 同保護膜形成工程を示す工程フロー図
図6 表示装置の製造工程中の要部断面図
図22 保護膜の水分透過率について実験した結果を示すグラフ

【符号の説明】

1  表示装置 2  表示部 3  回路部 9  ガラス基板 10  基板 11  基板 12 
パッシベーション膜 13  電極層 14  有機層 15  電極層 16  保護膜 16a,
16b,16c  絶縁膜 17  樹脂膜 21  成膜装置 22  ロードロック室 23 
トランスファチャンバ 24,25,26  チャンバ 27  処理対象物 31  ステージ
32  シャワーヘッド 33  アンテナ 34  排気部 41  ステージ 42  上部電極
43  排気部 44  ガス導入部 45  ガス排出部 PH  ピンホール

尚、図22には、試料A、試料Bおよび試料Cについて、WVTRWater Vapor Transmission
Rate
)をCa法(カルシウム法)で測定した結果が示す。試料Aは、プラズマCVD法で形
成した窒化シリコン膜の単層により保護膜を形成した場合に対応している。試料Bは、プラ
ズマCVD法で形成した窒化シリコン膜と、その上にALD法で形成した酸化アルミニウム
膜との2層により保護膜を形成した場合に対応している。試料Cは、プラズマCVD法で形
成した窒化シリコン膜と、その上にALD法で形成した酸化アルミニウム膜と、その上にプ
ラズマCVD法で形成した窒化シリコン膜との3層により保護膜を形成した場合に対応して
いる。試料Aと試料Bと試料Cでは、それぞれ、基板上に保護膜を形成してあり、その保護
膜のWVTRをCa法で測定している。また、試料Aと試料Bと試料Cとで、保護膜の厚さ
は同じにしてある。なお、試料Aと試料Bは、上記「検討の経緯」の欄で述べた保護膜に相
当し、試料Cが、本実施の形態の保護膜16に相当。

また、 図22のグラフに示されるように、WVTR(単位:g・m-2・day-1)は、試料
Aが1.7×10-3で、試料Bが3×10-4であるのに対して、試料Cは、検出限界以下
であり、1×10-6以下であった。この結果から、試料Aおよび試料Bに比べて試料Cは、
保護膜の水分透過率が非常に小さくなっていることが分かる。これは、保護膜16に相当す
る試料Cの保護膜が、試料Aや試料Bの保護膜に比べて、水分を通過させにくく、水分の侵
入を防止する膜として非常に優れていることを示す。上述のように、絶縁膜16aとその上
の絶縁膜16bとその上の絶縁膜16cとの積層膜を、水分防止膜として用いることで、有
機EL素子に水分が伝達されるのを的確に防止することができる。

     

❑ 特許事例2

特開 2018-04161018 有機EL表示装置 

【概説】

有機EL表示装置は、例えば、液晶表示装置と比較して、自発光体を用いているため、視認
性、応答速度の点で優れているだけでなく、バックライトのような照明装置を要しないため、
薄型化が可能となっている。有機EL表示装置では、発光効率を向上させるため、種々の検
討がなされている。例えば、特許文献(特開2006-302879号)に開示されるように、キャッピ
ング層を設ける方法が提案されている。この
方法によれば、有機発光ダイオードからの光を
効率良く外部に出射させて発光効率を向上させ得るが、さらなる発光効率の向上が求められ
ている。そこで、本発明は、発光効率に優れた有機EL表示装置を実現にあって、下図3の
ように、有機EL表示装置であって、有機EL層と、有機EL層の光の出射側に配置される
上部電極と、発光材料を含み、上部電極の有機EL層が配置される側とは反対側に配置され
る発光材料含有層とを有し、発光材料が有機EL層から発光した光により発光する構成構造
/構造技術が提供されている。



図1 有機EL表示装置の回路構成の一例を示す概要図
図2 有機EL表示装置の回路図の一例を示す図
図3 有機EL素子構造の断面の一部を示す断面図
図4 有機EL表示装置の各発光素子を対比して示す層構成図

【符号の説明】

10  有機EL表示装置、11  表示領域、12  データ駆動回路、13  走査駆動回路、
14  走査線、15  データ線、16  電位配線、17  第1の電位供給配線、18  第2
の電位供給配線、20  ドライバトランジスタ、21  ソース電極、30  スイッチトラン
ジスタ、40  蓄積容量、50  付加容量、60  有機発光ダイオード、100  基板、
201  第1の発光素子、202  第2の発光素子、203  第3の発光素子、401 
TFT層、402  平坦層、403  金属層、404  絶縁層、405  アノード電極、
406  バンク層、407  有機EL層、408  カソード電極、409  第1の封止膜、
410  第2の封止膜、411  第3の封止膜、421  第1のキャッピング層、422 
第2のキャッピング層、420  発光材料含有層

 Mar. 19, 2018  The Washington Post

● 今夜の寸評:世界の反動リスク

ぼんくらや偏重のリーダーが世界を跋扈しガチャガチャするのはするのはいいが、その責任
は取れない(取らない)リスクが残こされるだけである。ここでの肝は「易きに衝かず」だ
が、それができればことは丸く収まる。

  ● 今夜の一曲

YELL』 いきものがかり 作詞/作曲:水野良樹

「“わたしば”、今とこに在るの」と

踏みしめた足跡を何度も見つめ返す

枯葉を抱合秋め<窓辺に

かじかんだ指先で夢を描いた

翼はあるのに飛べずにいるんだ

ひと引こなるのが恐<てつらくて

優しいひだまりに肩寄せる日々を

越えて僕ら孤往な夢へと歩<

サヨナラは悲しい言葉じゃない

それそれの夢へと僕らを繋ぐYELL

ともに過ごした日々を胸に抱いて

飛び立つよ独りで未来(つぎ)の空へ.....



 

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をとめの姿しばしとどめむ

2018年03月19日 | 時事書評

 

      
                                        

2 謀  攻

「目的は勝利であって戦いではない」

戦争は目的ではなく手段なのだ。したがって、戦わずに勝つのが最高の勝ち方である。それ
が「謀攻」にほかならない。謀攻は単に小手先の術策ではなく、法則性に順った頬辺のない
勝ち方をいう。

戦わずして勝つのが最高-‐-「百戦百勝は善の善なるものにあらず」

兵法というものは、敵国を傷めつけずに屈服させるのが最高の勝利であり、打ちのめして屈
服させ
るのは次善の策である。また、敵の軍団を傷めつけずに屈服させるのが最高の勝利で、
打ちのめすの
は次善である。旅団、小隊、分隊、いずれも同様だ。

百回戦って百回勝ったとしても、それは最上の勝利ではない。戦わずして相手を屈服させる
ことこ
そ、最上の勝利なのである。すなわち、最上の策は、敵の意図を見抜いてこれを封じ
ることである。これに次ぐのは、敵の同盟
関係を断ち切って敵を孤立させることである。第
三が戦火庶父えることであり、最低の策は敵城攻撃である。つまり、城を攻めるなどという
ことは、あらゆる手立てを尽くしたのち、やむなく用いる最後の手段である。

敵城を攻防するとすれば、攻城器具の準備に三ヵ月はかかる。土塁や物見櫓を築くのにも、
さらに
3ヵ月は必要とする。こうした準備万端をととのえるだけでも大変な上に、血気には
やった将軍が不
用意な攻撃を命じたとすれば、群がるアリがこぼれ落ちるように、兵力の三
分の一は損失し、せっか
くの苦心も徒労に終わる。攻城手段に訴えれば、これはどの犠牲を
強いられるのである。したがって、
戦上手は、武力に訴えることなく敵軍を臼田させ、攻城
手段に訴えることなく敵城をおとしいれ、長期
戦にもちこむことなく敵国を滅ぼす。すなわ
ち、「全うする」という方法によって、天下を奪う。こうしてこ
そ兵力の損失を招くことな
く完全な勝利を収めることができるのである。これが、知謀に基づく戦争方
式である。 

「形・物」よりも「機能・目的」を重視する考え方 

最近、技術の分野で、「ハード・テクノロ
ジー」から「ソフト・テクノロジー」への移行と
いうことが強調されている。形にあらわれた製品
そのもの(ハード)よりも、形にあらわれ
ないもの(ソフト)を重視する。たとえば、人が書
物を買うのは表紙の布とか紙(ハードウ
エア)を買うのでなく、なかに盛りこまれた知識、情報
(ソフトウエア)を貿うのである。
宿車や自動車は、鉄や水仙という形その物に意味があるので
はなく、人や物を安全・快適に
運ぶという機能が目的なのだ。いってみれば当然のことだが、これが忘れられて、既存の「
形・物」が絶対的なものであり、それ自体が目的だと思いこみがちである。「形・物」への
とらわれを脱して、その機能を最適に果たすための手段を追及することにより、新しい発展
や発見がある。『孫子』の説く「敵兵とか敵城とかいう形にあらわれたものを攻めるのは下
策であり、目的はその機能を失わせることだ」という考え方は、まさにこれと其通している。
目的は敵を屈服させることにあるのだから、物理的な摩擦は避けたほうがいいに決まってい
る。
      
★なお、本草冒頭の一節は「自国を傷つけず勝つのが最高で、傷ついて勝つのは次善である
」と解釈する説もある。
 

 【下の句トレッキング:をとめの姿しばしとどめむ】


天津風雲の通ひ路吹き閉ぢよをとめの姿 しばしとどめむ   僧正遍照

天の風よ。雲間の通り道を閉ざしてくれ。天女の舞い姿をしばらくとどめておきたいのだ。
Winds high in the sky, close the pathway through the clouds! These angels who have des-
cended to the earth are about to take leave, but I want to see them dance a bit more.


大空を吹く風よ、雲の中の通路を閉じておくれ。天に戻っていきそうな、この美しい天女たちをとどめ
て、今しばらくその舞を見ていたいと思うから。
僧正遍照(昭)(そうじょうへんじょう。816~890)俗名を良岑宗貞(よしみねのむねさだ)
といい、桓武天皇の皇
孫で大納言安世(やすよ)の子供でした。蔵人頭(くろうどのとう)
として仁明天皇に仕える。六歌仙の一人で出家する前
は「深草少将」と呼ばれ、小野小町に
恋する男として「大和物語」
にも登場。仁明天皇が急逝した後、出家して叡山に入り、高僧
となる。

ここで、「雲の通ひ路」とは「天と地をつなぐ道」天女たちが通ると考えていた。「をとめ」
は、「天女」を指す、

 

     

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか  No.21   
 

● 対談4 新しい現実をつくる  

『新しい地域経済をつくるには、女性のネットワークの活用を 
 



野中ともよ NPO法人ガイアイニシアティブ代表 

いのちと未来の地域を考えるお母さんたちと繋がる

野中 経営者が「自分たちで考えようぜ」と。エネ経会議をフルネームで何というんでした
っけ?
鈴木 「エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会議」です。

野中 ベダですねえ(笑)。このベタがわかりやすい。
鈴木 わかりやすいとおっしやっていただけるとありかたいです。

野中 だから、「気がついたけど、悌介さん、どうしたらいいの」というときに、悌介さん
は「こうしたらいいよ」というメニューをつくり始めている、この営みは大事だと思います。
鈴木 そのつもりですが、そういうふうに認めていただけると励まされます。ただし、メニ
ューを増やすのは今後の課題です。よきアドバイスとして肝に銘じます。

野中 成功してくれないと困るので言いますが(笑)「エネルギーから経済を考える経営者
ネットワーク会議」を支えているのは何だと思います?それは、本業もほったらかし、では
ないと思いますが、そこここで一生懸命に未来の
地域の為に頑張るメンバーを支えてくださ
っている女将さんたち、つまり、パートナー
であるおけさんたちではないかと思うのです。「
いのちと未来の地域を考えるお母さん
のネットワーク会議」とても命名しましょうか。この
つながりが表裏一体になってくる
と厚みと帽が出ると思います。

やっぱり、女性が十月十日赤ちゃんを自分の体の中で育てるような、そんなプロジェクトを
併せてやっていくとうまくいく,
お父さんの給料が上がるか下がるかどうかということより
も、子どもたちの健康が害
されるかどうかということのほうが比べものにならないくらい大
事な価値の軸になって
いく時代です。お母さんの、「いのち」を大切に見守って育んでいく
愛がどれだけ活かされるか、この高層ビルから見える、とてつもない部面のなかで、そんな
価値軸が街づくりにどれだけ活かされているかと考えれば、ほとんど皆無ですものね。

鈴木 そうですね。素晴らしい切り目を敦えていただきました。
野中 私は東京生まれの東京育ちですし、子育ても東京でしましたけれど、およそ何万年に
わたって受け継がれたDNA、それを元気に発露する場面も土壌もないんです。そもそもの
サムシンググレートがいのちに吸い込んでいてくれている「やさしい心」「思いやる心」と
いわれるものを、皮肉ないい方をすると「育まないで」というのが大都会のルールになって
しまっている。



鈴木 大都市はとこでもそうなんでしょうね。
野中 都市のしあわせは、お金の物差しでしか測れないようになってしまったのですね。お
金を持っていなければ、しあわせは味わえない仕組みになっているのです。お財布に百万円
はいっている男子と、1万円しかはいっていない男子と、どちらとデートする? と聞かれ
たら都市では、圧倒的に前者がモテモテでしょうが、たとえ好みのタイプでなくとも参(笑)。
でも、無人島にとまでいかなくても、自然の豊かな地方にいると、イヤなタイプとのデート
より、ソコで泳ぎが凄くて、強くて優しくて食べるものを獲って作って探してこられる、ナ
マの人間力が問われてくるでしょう?人としての、基本としての笑顔とか、お互いを思いや
る心とか、感謝のきもちとか、ご挨拶とか……。もういちど、「いのち」のちからを取り戻
す作業をしなおさないといけませんね。

鈴木 なるほど。
野中 私たちは、まかり間違うと地球全体がとんでもないことになるというぐらいの大きな
原発事故をいまも、現在進行形で抱えている。いま、日本で、その危機の現状を共有するこ
とが一番大事だと思います。エネ経会議の勉強会などを通じて、いろんな方にそのメッセー
ジを伝えることが、まず一番大事な初めの一歩でしょう。
東京の一部でもチェルノブイリ原発事故の線量でいうと、放射線管理区域になるんじゃない
かと思いますよ。フクシマからはプルトニウムが検出されたし、2万4000年で、あるい
は何他年でようやく線量が半分になるぐらいの様々な放射線を出して、いろいろ調べたくて
も近づけないような状態にもあるわけです。だから、収束宣言なんてウソッパチだし、けっ
して信じちゃいけない。これは現在進行形ですから、早急にそれぞれの国々が、10年後、20
年後、どういうコミュニティになりたいのかという目標を立てて、そこからバックキヤスト
して、いまできることを一つひとつ楽しくやり始めなければ。

  

鈴木 楽しく、ですね。
野中 ハイ。エネ経会議を立ち上げてくださって、ほんとうにありがとうございました。
鈴木 いえいえ。いま、おうかがいしていて、共通していた言葉のIつが「バックキヤスト
」でした。私たちはどうしても「いままではこうだったから、こうしておけば、とりあえず
売り上げはあるよ」という経営方法になりがちですし、大手の企業さんほどそれが上手です。
また、変化をどう読んで対応していくかが生き残る道なんだという、だれが言ったかわかり
ませんが、ダーウィンの言葉を借りたマネジメントの教科書に書いてあるわけなんです。し
かし、それはそれで大切なテクニックではありますが、それだけではいけないと思うんです。
さっき「自分たちはどういう世の中に住みたいのか≒自分の子どもをどういう世の中に住ま
わせたいのか」とか、「そういう世の中で自分の会社がどういう役割を演じたいのか」とい
うことをおっしゃられましたけど、そういうことだと思うんですね。

野中 その通りです。
鈴木 当然、いまの現実の自分とは連になるわけですから、それをバックキヤスティングし
ながら、そこの間をどう埋めていくか、そこが問われているわけですね。ところが、どうも、
電力関連の巨大企業の仕長さんたちのおっしゃることを聞いていると、目先のことばっかり
おっしゃって、特にエネルギーに関しては本音で語られることが少ない。「これからは原発
ばっかりじゃないでしょう」「どういうエネルギーが望ましいか」というところを率直に語
ってほしいし、それに対して「自分たちは貢献します」と言ってくださったほうが、もっと
もっと、みんながしあわせになれると思うんです。仕事だから仕方なく働いているとか、休
みの目が楽しいとか、定年になってからが楽しいとか、働いている人たちをそういうふうに
しないためにも、言ってほしいわけです。

野中 まったくです。でも「悌介さんが太陽光とかいってるけど金がかかるでしょ」とか「
出費がかさむからね」とか。再生可能エネルギーは実現が難しいということで、それが事実
だったらいいですよ。でも、事実じゃない。じゃ、何か事実かをどこで知ることができるか
?というと「マスメディアではない」と言われてしまうような国になっていることだけは知
ってほしいわけです。ということは、真実は努力しないと見えない、とりわけエネルギー問
題に関してはそういえます。だって、「エネルギーが足りない」というのを発表するのはだ
れ?

鈴木 さあ(笑)。
野中 メディアは、電力をつくって、原子力発電所をやめたくないという人たちのデータを、
そのまま流しているだけでしょ。東京電力はこう発表してます、関西電力はこう発表してま
す。だけど、こちらのこのグループに問いたところ、ここはまったく違うことをこういうふ
うに言っています……それをやるのがジャーナリズムだと思うんですよ。だけど、ジャーナ
リズムがそれをやらなくなってしまった。だから、知りたいことは、海外のメディアがどう
いうふうに見ているか、こまかくいえば他にもあるけれど、そういう、いろんなソースを参
考にしないと判断できなくなってしまいましたね。実際にワタクシ事で恐縮ですが「これ、
週刊誌じゃないよね、エリートといわれる犬新聞だよね」と言いたくなるくらい、まるで週
刊誌ネタのような書き方をされた経験があるんです、悲しいかな。でも実際にやられると、
よ1く分りましたよ、大新聞の取材元はどこいらへんかなあとかね(笑)。だから、物事を
自分で判断する癖をつけていかないといけないと思います。テレビにしろ、新聞にしろ、マ
スメディアの伝えることが、「本当だろうか?」と疑いながら読み取っていくクセというの
か、リテラシーを身につけていくことが大事だと思います。

  

鈴木 自分で判断する努力は私もこころかけていますし、社員にもメッセージを送って自覚
して努力するように促しています。今日は深遠なお話から具体的なアドバイスまで、縷々お
聞かせいただきましてありがとうございました。特に「エネルギーから経済を考える経営者
ネットワーク会議を支えているのは、いのちから生きていくことを考えるお母さんネットワ
ーク会議なの」というアドバイスには触発されるものがありました。どうしても私たち男は、
このエネ経会議にしてもまだまだ男ばかりですし、女性の方をもっと’もっと……。

野中 ですよねえ。
鈴木 結構、いろんなところに呼んでいただいて、お話しさせていただく機会が最近はある
んですが、そこには女性の方がたくさんいらっしゃるし、たとえば医療のことをお話しさせ
ていただくようなときは違う視点を持つことができますし、ありかたいなと
思っています。
とにかく、エネ経会議は「気がついたやっか自分のできることを決心し
てやりましょう」と
いうことになっておりますから。それから、もう一つ犬切なことは、
その「アホ」をどうや
って増やしていくか、ということです。

野中 おっしゃる通りです。「アホ」は感染しますから(笑)。「3∴とか起きる前の年、
小田原で開いたローカルサミットで「既存の流れを何とか変えてやろうぜ」という市民運動
を立ちあげましたよね。、「アホ」の会議というので。時代を変えるときには「アホ」応力
が応
変です。「アホ」というのは「熱くI「惚れる」です。熱く惚れていれば、信じていれ
ば、
人が何と言おうと正しいと思って、惚れて突き進む。それが「アホ」の力です。この会
は実は一枚め
くるとそんな「アホ」の集まりですよね。エネ経会議も!

鈴木 強力な感染力をまた野中さんにご伝授いただけたらと思います。よろしくお願いしま
す。

野中 はい。

                               2012年9月24日
                六本本ヒルズライブラリーー・ミーティングルームにて

野中ともよ氏の「三洋電機」の経営現場の話に引き込まれるところあり、なので、ここのと
ころの関連情報収集は残件扱い。次回は、石田秀輝氏との対談「ネイチャー・テクノロジー
で未来を拓くパラダイムシフトを」に移る。

   No.173



 【蓄電池篇:凸版印刷が二次電池事業に本格的に参入】 

● 百倍速く充放電する新型電池の量産化へ

 
3月14日、凸版印刷は、次世代二次電池事業に本格参入することを公表する。「エクセル
ギー電池」の開発・製造を手がけるエクセルギー・パワー・システムズと同年2月9日に資
本業務提携を締結しており、約55円を出資とエクセルギー電池事業の共同推進に合意。エ
クセルギー電池は急速な充放電を行えるのが大きな特徴の電池で、2020年度の量産化を目指
す。
出資先のエクセルギーは、2011年設立の東京大学発のベンチャー企業。水素を利用した
蓄電池や燃料電池の製造開発を手掛けている。凸版印刷はエクセルギー設立当時から、エク
セルギー電池の共同開発や事業化に向けた実証を進めてきた。このほど、連続的に急速充放
電が可能で、耐久性の高い二次電池の開発にめどが立ったため、資本提携と事業化を共同で
進めていくことに合意。

両社が開発するエクセルギー電池は、電池内部で発生した熱を急速に放熱し、温度の上昇温
度を5度以内に抑える独自構造を持つ。これにより、一般的な二次電池の100倍となる200C以
上の連続的な急速充放電を可能にしたという。ここでいうCとは、充放電レートの単位で、
1Cは60分で満充放電できる電流値を指す。今回開発した電池は、60分/200C=18秒
で完全な充放電を実現、また
高い耐久性も特徴とする。電池内部に水素を封入することで、
酸化による電極の劣化を抑えられる。これにより、ハイレート時の連続50C充放電で15
万回以上のサイクル寿命を実現したとする。これは一般的な二次電池の10倍に相当。構成
材料にリチウムや有機溶剤を使用せず、二次電池の安全性試験におけるクギ刺し試験も不要

これらの特徴を持つエクセルギー電池は、従来常用電源からの電力供給が必要だった医療機
器や、高い出力の回生電力の充電を活用した重機などに向くとしている。また、電池の起電
圧を充電電圧で設定できるため、制御装置がない状態でも過充電することなくフローティン
グ充電が行える。そのため、バックアップなどの無停電電源装置にも適用可能とする。
凸版
印刷はこのエクセルギー電池の開発に向け、同社の材料設計ノウハウとコーティング技術を
生かして開発した電極を提供。具体的には印刷技術を応用し、ニッケル系基材を独自開発の
導電性インキをコーティングした電極を開発している。
両社は、2018年4月からエクセルギ
ー電池のサンプル出荷を開始し、2020年度から量産する予定だ。2025年にはエクセルギー電
池事業で、約百0億円の売り上げを目指す。

 関連特許

❑ 特開2018-014244  電池用負極および電池ならびに電池用負極の製造方法

【概要】
 
非常用電源用途などを目的として定置型の大型電池の需要が急速に高まるなか、大容量の電
力を供給できる二次電池に、鉛蓄電池やニッケル水素電池、リチウムイオン電池などあるが、
これらの電池を大型化するには重量やコスト、安全性などの課題がある。
この中でニッケ
ル水素電池――負極に水素吸蔵合金、正極に水酸化ニッケルを用いる――は鉛電池よりも軽
量で、水系の電解質を用いることからリチウムイオン電池よりも安全性の面で優れるが、負
極の水素吸蔵合金の価格が高く、大型化するとそれだけコストと重量が増大し高容量ニッケ
ル水素電池の技術的隘路になる。

一方、正極に水酸化ニッケル、負極に周知の燃料電池水素極を用いることで、負極活物質で
ある水素をガス状態で電池内部に蓄積させ、人工衛星用などの用途として、気体水素を活物
質することで負極重量を軽減できるが、負極に高価な白金微粒子触媒を使用するためコスト
低下逓減できない。また、負極に水素吸蔵合金を活物質の水素を気体状態で電池容器内に蓄
積させる電池(ニッケル水素ガス電池)があるが、放電中の水素吸蔵合金は水素ガスの吸収
と放電といった2つの反応が同時進行する矛盾を抱える。このように、
負極の水素吸蔵合金
が水素吸収と放電を同時に素早く進めることが求められているが、具体的な方策や性能につ
いての検討がなされずにいる。本件は上記事情を背景とし、水素吸蔵合金の水素の消費およ
び放電反応を利用に、負極に使用する水素吸蔵合金の粒径に着目し、これを好適化し優れた
性能を導き出すことができる電池用負極および電池ならびに電池用負極の製造方法を提供を
目的とし、下図のように負極活物質の水素吸蔵合金が、体積平均径で4μm~12μmの範
囲内に、かつ水素収容部の水素と接触できるよう配置し、負極水素吸蔵合金の表面積を増加
させて水素ガスの吸収反応と放電反応の両方の反応面積を向上させる一方で、コストや表面
被毒、出力低下のデメリットを回避させる技術を提供する。


【符号の説明】

1  電池 1A  電池 2 電池用負極  3 電池用正極 4 体水素収容室  5  電解液
7  セパレータ 10 気体水素収容室 11 気体水素移動路

【特許請求範囲】

  1. 負極活物質としての水素吸蔵合金を有し、前記水素吸蔵合金が、体積平均径で4μm
    ~12μmの範囲内にあり、かつ水素が収容される水素収容部の水素と接触可能に配
    置されていることを特徴とする電池用負極。
  2. 前記水素吸蔵合金が、放電時に前記水素を消費しつつ放電を行うものであることを特
    徴とする請求項1記載の電池用負極。
  3. 前記水素吸蔵合金が、電解液と接触して使用されるものであることを特徴とする請求
    項1または2に記載の電池用負極。
  4. 前記水素収容室を備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の電池
    用負極。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載の電池用負極と、水酸化ニッケルを有する正極とを備
    えることを特徴とする電池。
  6. 水素吸蔵合金を体積平均径で3μm~15μmの範囲内に破砕して水素吸蔵合金微粉
    末を製造し、前記水素吸蔵合金微粉末に表面処理をして、酸化皮膜を含む表面層を除
    去し、表面処理後の水素吸蔵合金微粉末を負極活物質として担持体に担持させて水素
    と接触可能に配置されることを特徴とする電池用負極の製造方法。


【蓄電池篇:圧縮/液化空気貯蔵発電システム】

● 冷気中にエネルギー備蓄技術

再生可能エネルギーは日々より効率化されているが、そのエネルギーの備蓄の好適化が問題
となっている。この需給ギャップ問題の解決に
、一部の企業は冷たい空気でエネルギー備蓄
開発に投資され、この中で
圧縮空気利用技術が注目を浴びている。例えば、スイスのアラカ
エス(Alacaes)社は、山岳の側面に穿孔し”冷たい空気”のエネルギー備蓄法を研究してい
る企業の1社。そこにでは圧縮した冷たい空気でタービン動力源とし貯蔵する。また、英国
のハイビュー(Highview
社はマンチェスター近くの埋立地からの廃ガスを燃焼させ発生熱
を利用し、貯蔵空気中の液体窒素膨張設備を建設。
膨張空気は、タービンを通し発電。この
施設が今年発に電力系統網に接続する予定にある
世界では、未来のためには、大規模で、
長時間備蓄の前提はすでに周知されている。これたの
技術は、その中でも重要な役割を果た
すものと期待されている。などほど、面白い技術だ(上/下図参照)。

 

 

  ● 今夜の一曲

Pachelbel - Canon - Stringspace String Quartet 
Kanon und Gigue in D-Dur für drei Violinen und Basso Continuo

  

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人に知られでくるよしもがな

2018年03月18日 | 時事書評

 

      
                                        

2 作 戦

※ 「兵は拙速を聞く。未だ巧の久しきを観ず」-この篇では短期戦論が強調される。それ
は万全の準備に裏付けられ、一切を集中することによって、最小の犠牲で最大の効果をあげ
るのである。
 

「目的は勝利であって戦いではない」

兵士を敵との戦いに駆りたてる原動力は、なんといっても戦意である。その戦意の哀づけと
なるもの
は戦利品である。敵の兵車を十台以上も奪う戦果が上がったときには、まず手柄を
立てた兵士を表
彰することを忘れてはならない。捕獲した兵車は軍旗をつけかえて自軍の兵
士を乗りこませることま
た俘誂にした敵兵は手厚くもてなして味方にすること。勝ってます
ます強くなるというのは、このことである。
戦争は、勝つことが目的であって、長く戦うこ
とがねらいではない。この道理をわきまえた将であ
ってこそ、人民の生死、国家の安危を左
右する資格があるのだ。

★この一節の前段(「兵士を……」から五行)は、前後のつながりが不明確である。古来、
さまざまな解釈がなされているが、むりに結びつけようとするより、むしろ錯簡と考えたほ
うが妥当ではなかろうか。この部分を独立した文章と考えれば、「成果の分配による勁機づ
け」として含蓄がある。

 

     

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.20   

● 対談4 新しい現実をつくる  

『新しい地域経済をつくるには、女性のネットワークの活用を 



野中ともよ NPO法人ガイアイニシアティブ代表 

いま問われるのはどんな国をつくりたいのか

野中 相当に複雑に絡んでいる問題だと思いますね。できるだけ具体例で、と悌介さんがお
っしゃったので、たとえば、「金融界の人々」の常識は、一般社会の「あたりまえ」
と、い
かに乖離しているか。私が三洋電機の会長になったときにイヤというほど経験
た例でよけ
ればお話ししましょうか。会長就任時には、大変な赤字会社でしたから、ま
ず、将来どんな
会社として甦らせたいか。そのヴィジョンを創りました。

Think Gaia」というヴィジョンです。地球も生きている一つの生命体であするいまでは、
科学的にも立証されている理論ですが、世界中10万人以上いる社
員にひとことで共有できる
ものにしたかった。で、平たく言えば「三洋電機さん、こん
な商品つくってくれてありがと
う」と世界中が喜んでくれるような会社になろう、未来
の子どもたちからも、地球上の「い
のち」を太切にしてくれて、ありがとうと感謝され
るようなメーカーになろう、という意味
です。

すべての研究開発部門で「水と空気と食糧とエネルギー」この4つの未来を拓くものを創っ
ていこうと決めたわけです。その第一号商品が「エネループ」という充電式電池
です。太陽
光で充電もできますし、いまでは1800回くり返し充電可能、一本1円
以ドの電池になる
のです。

開発途上国の人たちが近代化を始めるとき、必ずトランジスタラジオを鉛の電池から始める。
それをポイ捨てすると、土壌だけでなく農業が駄目になるんです。つまり、こ
の電池は途上
国の農業の未来を拓くことにもつながる。開発完了してすぐに、インドを
訪問し首相とお会
いして、援助プログラムを進めるところまでいきました。
でも、その技術を開発してくれた
人たちを前にして、投資銀行からきた役員は「あんたら何でこんなものつくるんだ。こんな
ものつくったら当社が売っている(鉛の)乾電池が売れなくなる。しかも、これ、1本当た
り1円儲かったところで1億本売れて、1億円。こんなものつくるより、鉛の乾電池のコス
トを下げて、ガンガン世界のマーケットシェアを取っていってくれ」と。「『Think Gaia
だかなんだかヴィジョンを掲げる女子は、クレジット破産したOLが、おしゃれなフレンチ
食べたいわといってるのと同じ」と演説したそうです。トホホですね。たまたま、その人個
人の資質の問題かもしれませんが、金融人には地球の未来とか、子どもたちが喜ぶこととか
途上国の土壌汚染とか、まったく関係ないんですね。一番大事なのは3ヵ月ごとの四半期ペ
ースで株価がいくら上がって、自分のボーナスがいくら上がるかということ。成長というも
のを数字とお金によってしか考えることができない仕様になっている……。

鈴木 残念ですね。
野中 資本のロジックでいうと、もちろん、赤字を垂れ流しているような経営はいけません。
利益は大切です。でも、リストラをして経費をけずってバランスシート上健全さをつくる。
これは、金勘定しかできない人々の考える事だと思います。どんな会社も、働いているのは
人間です。赤字ならば、なぜ、そうなったのか。原因究明と徹底した決断と対処。そして、
次に、新しい未来への志と、夢。これを共有する仲間意識を、誇りとともに醸成していくこ
と。東北大学の石田秀輝先生(210ページ参照)がよい例だと思いますけど、三洋電機で
研究開発をしている人たちのなかにも、そういうことにやりがいと働き甲斐を感じてくださ
る人たちがいて、ほんとうに素晴らしい会社でした。世界中の人びとが使っていた携帯電話
の電池の70パーセントが三洋製品だったんですよ。



鈴木 なるほど、知りませんでした。
野中 まだいっぱいあるんですよ、世界一の商品。スーパーのフードショーケースもそうだ
し……、寅さんの映画に出てくる「タコ社長」に代表される中小企某工場の思いと愛が、三
洋電機にはいっぱい生きていましたから。だから「エネループ」が生まれたわけです。資本
のロジックだけで考える人たちには、研究間発した人たち、タコ社長たちの思いと愛が読み
取れないリーマンショック前でしたからね。拝金もいいところでしたよ。もっとよいかた
ちで経営に入ってきてくれたら、三洋電機はあのまま突っ走れたと思います

鈴木 日本人のものづくりはすぐれているといいますが、それは日本人ならではの緻密さだ
とか、チームワークだとか……。
野中 感謝の気持ち……。

鈴木 それらはまさに日本人の自然観、死生観、もっと言えば宇宙観に根ざすものであり、
地域の風上や資源、食や行事などの伝統的な文化、そしてそこで暮らす人と人とのつながり
によって育まれてきたものだと思います。それらを失うことは日本人の強さを失うこと。そ
ういう視点を持つということはノスタルジーとか懐古趣味ではけっしてなく、世界戦略的に
犬切なことだと思うわけです。
そういう意味で地域のいわゆる場所文化というものがまだ残っている間に、地域にまだ人材
がいる間に、野中さんのいわれるタコ社長の思いと愛とテクノロジーをもう一回つなぎ合わ
せて、磨き直していく。そうすることが、この国を豊かにすることだと思いますし、そうい
う個性豊かな地域がたくさん連なっているというのが本来の姿だし。

野中 さいわいなことに目本にはまだ70パーセントの森林が残っているから、計画で植え
たスギであれ、ヒノキであれ、何であれ、その営みがそこにいてくれる間に……。
鈴木 だから、そこのところ、それが地域を元気にしていくためには、お金がきちんとまわ
っていくという状況が必要ですし、そのためには再生可能エネルギーが一番のビネスチャン
スだと思うんです。

野中 一番たいせつなことだと思います。
鈴木 だから、再三、申し上げているように、エネルギー問題というのはエネルギーだけの
問題ではなくて、この国のありようをどうデザインして、どうつくり直していくか、野中さ
んが最初に言われたように、実に大きなテーマだと思いますし、われわれが腹をくくってチ
ャレンジしていくことが、これからエネルギーを調達していくであろうアジアにしても、ア
フリカにしても、それに対して新しいモデルというか、やり方を示していくことになるのだ
と思います。そういう意味で、電気が足りるとか、足りないとか、そういう現実があるのは
確かなんですが、もっと、こう、明るい夢のある話としてとらえながらできないかと思うの
です。
野中 おっしやる通りだと思います。



自分を変えることは世の中を変えること

鈴木 そうなると、日本の巨大企業の社長さんの任期の間の株価の問題、つまり、任期中は
株価を維持できればいいという考え方も、変えていかないといけない大きな問題ではないか
という気がします。長い目で見たときに、大小の違いはあるけれども同じ経営者として、ど
うしてそうなってしまうのか、それが理解できない。

地域で生まれて、地域で商売させてもらって、私たち小さな企業の経営者は「今日の売上は
どうか、社員に給料払えるか」と、切った張ったの世界でもがいているわけですが、同時に
意識するかしないかは別として、どこか自分たちのふるさとをどうやって次へつないでいく
のか、絶えずどこかで思っているわけです。ところが、すごく大きな会社になってしまって
上場会社になってしまうと、なぜかそのへんの思いがなくなってしまって、「株主のために
いくら配当を出すか」という考えがすべてに優先していく。

野中 地球を覆っている「お金がすべて」という考え方の典型的な現象の1つといえるでし
ょうね。その根っこはものすごく奥深いところにあって、しかも、その根っこから栄養を吸
ってきた経団連とか、電事連とか……。そこここに、それぞれの人々、わたしもあなたも彼
も彼女も……というふうにつながっている訳ですからね。

自民党が良いとか悪いとかじゃなくて、つくって支えてきたのは、私たち自身だったわけで
す。だから、いまは、「あいつらが悪いから、こんな国になっちゃった」のではなくて、例
えば、自分たちが60年間自民党に票を入れて一党政治をやってきてくれたから、これだけの
高度成長の経済ができて、おかげさまでこういう国になったんだけど、もう、どいてもらい
ましょ。それで、新しい国をつくっていくから、と、替えましたよね。民主党さんにお願い
したら、「なあんだ、変わんないじゃん。というか、もっとひどいじゃん」ということがわ
かった。でも、それは、「そうか。政党に任せておくだけでは駄目なんだ」ということがわ
かった、ということなんですよね。「私たちが自分を変える、自分で自分たちを変えていく
ことで、世の中を変えられるんだ」という気付きにつなげていく時代になったのだと思うの
です。つまり、悌介さんが「私たち、ちっぽけな中小企
業が」とおっしゃった、そこが主人
公になる時代が始まったということです。



鈴木 学生時代からずうっといろんなことを試してこられた野中さんだからこそ、おっしゃ
るような基本中の基本にたどりつけたんだと思います。普通なら「言うは易く」で片づけら
れそうな、深いけれども当たり前で単純な結論なんですが、すごく説得力を感じます。そう
いう意味で、いま、おっしゃったように、自分で考えるための条件はたくさんあると思いま
す。
野中 条件がそろいましたね(笑)。
鈴木 結局、エネルギーを考えるにしても、いままでずっと他人事だったんですよね。他人
事にして任せ切ってきたことが、野中さんが徘々ご説明されたシステムを支えてきたわけで
すね。そろそろ、それに気づかないといけないし、気がついたら「自分にできることって。
なに?」となる。まず、「じゃあ、いろんなことがあるんだからほんとうのことを知ろうよ
」と、私自身を含めて、そういうことだと思うんですよ。

野中 だから、悌介さんがエネ経会議として立ち上がってくれたことが、戦後初めての民主
主義を、もう一度原点からつくり直すことにつながると信じています。民主主義って、本当
にはなかった。他人に任せておいて自分は後で文句をいうだけ、これを民主主義だと思って
いただけ。民主主義というのはみんなでっくり上げていくしかないのに。

                                   この項つづく

    No.172
 【蓄電池篇:トヨタの電池シェア構想】 



 サイズの規格・耐久性15年で“乾電池”のような使いやすさ

3月1日(「スマートエネルギーWeek 2018」(2018年2月28~3月2日、東京ビッグサイト
、トヨタ自動車はクルマや建設機械、家庭用の蓄電システムなどで電池パックを使い回せ
る仕組みをつくる。サイズを規格化して“乾電池”のように取り替えやすくする。電気自動
車(EV)で5~7年、他用途で8~10年、通算15年ほどの活用を想定している。
すでに
電池シェアの議論が始まっており、狙いは、電池技術進化に合わせて交換し、生産後でも車
両性能を向上可能にすることにある。例えば、1充電あたりの航続可能距離が2百キロメー
トルの車両を中古で購入した場合に、最新の電池と交換して4百キロメートル走行できるよ

うにする。電池の劣化に対する懸念を払拭できれば中古電気自動車の価値を高める。自動車
メーカー各社や建設機械メーカーなどを巻込み、同電池を社会全体で使っていけるように事
業化するという、いわば、蓄電池の高性能化とゼロ廃棄物化の双方をにらんだ「技術の共通
」とでも言えそうなもの。勿論、車両開発の効率も高められ、従来までの電気自動車は、

車両に合わせ、電池を専用で開発することが一般的だったが、電池の形状や性能が車種によ
って違うため、各車両ごとに多くの開発工数を必要とし、電池のサイズを規格化しておけば
平行開発が可能となり各自動車メーカーは車両開発に専念しやすく、開発の分業体制がさら
に促進される。

電池サイズは構想段階で、2人乗りの超小型車両コンセプト「TOYOTA Concept-愛i RIDE
に1個搭載できる大きさで検討を進めている(上下図)。同車両の寸法は全長2500×全幅1300×
全高1500mmで、ホイールベースは1800mm。電池の大きさは全長700×全幅800mmほど。1個
あたりの消費電力は)10~15キロワットほどを想定。乗用車やトラックなどに適用を広げる計
画で、車格が大きくなれば搭載する電池の個数が増える。



Volt 
EV car charging drone service / drone / size : 1156 x 1000 x 430(mm) / 2018

【蓄電池篇:地型充電無人機の登場】

今やアマゾンは、グーグル、アップル、フェイスブックと並び称される世界展開する通販の巨大企業に
著しい経済成長を遂る。そのアマゾン社はいち早く、電気自動車用の無人機による充電システム関
連の特許を公開(下図)しているが、その基本形は移動体に飛来着地型(航空母艦のように着艦)の
充電システムであるが、Behance社の電気自動車用充電無人機「Volt 」は、航続距離16~32キロ
メートルでモバイルアプリでレスキュー依頼し、費用も電子マネーで決済する至って簡単にレスキュ
ー依頼できる(上図)、通常の充電ステーションと同様の着地型充電方式をとる。とはいえ、アマゾン
タイプもビヘァーン社のタイプも暴風雨などの異常気象状態でもレスキューできるかは疑問であるが。
面白いニュースに関わりはない。


【下の句トレッキング:人に知られでくるよしもがな】

今夜は、藤原定方の誰にも知られないで逢いたいという思慕の表意の歌を取り上げる。話は
飛ぶ。今朝、腰痛用のコルセットのマジックテープが長く使っていると縮み解けるのでその
ことを彼女に伝えるも時便の自分ものを使えというので、丁寧にお断り申し上げ小学校5年
の家庭課の雑巾づくり以来の針子作業を行い繕い直す。勿論、針の穴に黒糸を通すのはさす
がメガネだけではできず、時計修理士用の作業帽子型拡大鏡を使用する。面倒くさいがこれ
も再訓練のためと割り切るが、彼女の理解の外にあるような顔をしていた(いいんだよ、こ
れで)。

名にし負はば 逢坂山のさねかづら人に知られでくるよしもがな 三条右大臣

逢坂山のさねかずらが、あなたに逢って寝るという意味を暗示しているなら、そのさねかず
らの蔓をくるくる手繰るように他人に知られず、あなたのもとへ来る方法がないものか。

If this kadsura vine from Mt. Osaka carries the secret message that we are to meet and
spend the night together, I will turn it over in my hands in full view of others without them
knowing, wondering how I can get to you. If only it were as easy as tugging on this vine

 ● 今夜の半曲

 『ひまわりの夢』 斉藤和義 歌/作詞/作曲

● 備忘録

本年正月第2弾で特集した人工知能(AI)を使った新しい地震予測の方法(MT法)で解析した
危険度マップを掲載。日本全国を30地区に分割して2月10日までのデータで適用した際の危
度を示したもの。 危険度は0~5の6段階で表し数字が大きいほど危険度が高いことを意味
する。
しばらくは月に1回程度特集にて掲載予定。


JESEA Mar. 14, 2018, Vol. No.11  週刊MEGA予測

MT法とは、田口玄一博士がマハラノビス距離(MD)を用い、 対象が正常か異常かを判定
する人工知能(AI)の一
手法として開発。 田口玄一博士はものづくりの分野で著名な方で、
品質工学の提唱者。日本人とし
て三人目の米国自動車殿堂入りを果たすが、他二人は本田宗
一郎氏と豊田英二氏。

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吉野の里にふれる白雪

2018年03月17日 | 環境工学システム論

 

      
                                        

2 作 戦

※ 「兵は拙速を聞く。未だ巧の久しきを観ず」-この篇では短期戦論が強調される。それ
は万全の準備に裏付けられ、一切を集中することによって、最小の犠牲で最大の効果をあげ
るのである。
 

「智将は敵に食む」

戦上手は、壮丁の徴用や糧抹の輸送を二度三度と追加するようなことはない。また、国内か
らは軍
需品だけを運んで、糧抹は敵から奪いとる。こうすれば、不足するはずがない。戦争
によって国力が
疲弊するのは、軍隊、武器、糧株をはるばる輸送しなければならないからだ

 



【下の句トレッキング:吉野の里にふれる白雪】

三寒四温。さぶぃい~と彼女は悲鳴を上げている(これが常態化する人為的温暖化の兆候な
んだょ、とは言わぬが言霊の先、待てよ、今日は揃ってのスノータイヤ交換の日にあたるの
だが雪の降る心配はないのか)。えい、ままよと強行。交換依頼先に外出したで、細かいこ
とに気付きまた用事が増えるという寸法だ。一昨日は春先の白蟻駆除作業(残件で後2、3
日フォローアップ作業発生)。2台分のタイヤ交換作業に、洗車(これも時間と過剰負荷

判断し、洗車コーナで自動洗車)するが、リアーフェンダーのアンテナ支持樹脂が劣化して
いたり、家周りの劣化破損などきりがない(やれやれ)。取り敢えずすべてを手直し・準備
事項を完了させ、通常作業に入ること午後2時。天気良し、ドイツ製の吸盤付きハンガーを
窓ガラスに取り付け、パテ処理したアンテナの塗装処理前の23℃以上での24時間懸垂乾
燥処理に入る。


朝ぼら
け有明のの月と見るまでに吉野の里に降れる白雪    坂上是則

ほのぼのと夜が明けるころ、明け方の月が照らしているのかと見間違えるほどに、吉野の里に白く
降り積もっている雪であることよ。

When the dawn broke after a lovely night, the snow of Yoshino is so brilliant one that
one could mistake it for the moon at dawn.

上是則は、世に名高い三十六歌仙――11世紀に藤原公任が選んだと言われる和歌の名手36
人で是則
の他に、小野小町や在原業平、紀貫之などが名を連ねる。
その是則が、大和権少掾
に任ぜられて大和に赴いた延喜六年(
908年)の冬のこと。吉野の山の近くにある宿に泊まっ
た夜明けに
ふと目を覚ますと、表がとても明るい。夜明け方(有明)の月だろうかと底冷え
のする寒さの中、外
を見てみると、雪が降っていたと驚きを詠う。吉野の名所に降る雪明か
りを月の白い光を雪や霜に見立ているが、
中国の詩人・李白の漢詩の「静夜思」にも「牀
前月光を看る /疑ふらくは是れ地上の霜かと /頭を挙げて山月を望み/頭を低れて故郷を思ふ」
の一節にもみえる。

牀 前 看 月 光
疑 是 地 上 霜
挙 頭 望 山 月
低 頭 思 故 郷   李白

     

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.19   

● 対談4 新しい現実をつくる  

『新しい地域経済をつくるには、女性のネットワークの活用を  

野中ともよ NPO法人ガイアイニシアティブ代表

上智大学大学院文学研究科前期博士課程修了。アメリカ・ミズーリ州立大学コロンビア校大
学院に留学。1979年よりNHK、テレビ東京等の数々の番組でメインキャスターを務め
る。2001年より日興フィナンシャル・インテリジェンス理事長、アサヒビール取締役な
どを務めた後、三洋電機取締役を経て05年7月~07年3月三洋電機代表取締役会長。また、
財政制度審議会、法制審議会、中央教育審議会など政府審議会委員も歴任。地球環境問題解
決を幅広いステークホルダー(企業、市民、政府、NPO)に呼びかけ、より大きな貢献を
実現するため「ガイア・イニシアティブ」というNPOを07年に立ち上げ、代表として活動
を始める。著書に『心をつなぐ生き方』(サンマーク出版/2004)『手ごたえのある女
(わたし)の人生が始まる本』(三笠書房/2005)など。

見えていたものが真実ではなかった

鈴木 本日はエネ経会議アドバイサーの野中ともよさんのところにおじやまさせていただい
ております お忙しいところ本日はありがとうございます
野中とんでもありません。

鈴木 東京の六本本ヒルズ49階から外を眺めておりますが、東京タワーをドに、いま話題
のスカイツリーもはっきりとにえます夜は夜以がきれいなんでしょうね。これだけ高いビル
をλえていくために膨大なエネルギーを使っているのが何かを象徴しているようですが、夜
になるともっとその思いが深まるのではないかと思います 原発セロのいまでも、眼下に広
がる街も確かにいまは機能しています。
野中 これ一つ視ても、原f力発電所を未来はゼロにしよう、あるいはもっとつくっていこ
う、いやいや現状維持だ、という議論は、電力の問題だけではないことは明らかです 私は
汽実を見極めていくのがジャーナリズムの本懐だと受けLめていますが、ここのところマス
メディアがそれについて呉実をにえないどころか、まったく触れないで、現状維持今ド休に
するか、あるいはこの方向に持っていきたいという方だちからの情服をカワラ版的に流して
いるという状態ではないてすか? 私もかつてはメディアの世界にいたわけですけれども、
こんなに簡単に70年近く前の、大本営発表のような記事を載せた新聞を読むことになると
は思いませんでした これはすごく悲しいことです。

鈴木 いま、野中うんは環境保護を含めたいろいろな活動を積極的に進められているわけで
すが、もともとはメデfアの世界で活躍をされ、大企業の経営トップを経験され、出際交流
にも関わられて、いろんなご経験がおありてづ 特にジャーナリストとして国民的議論か標
榜されエネルギー問題や、大きなくくりとしての原発問題を野中さんはどのように見ていら
っしゃいますか?
野中 はい どこからアブローチ仝してもあぶo出しのように出てくる共通のメッセージは
何かというと、一い主まてのままじ・ゃあ駄目だぜ」というちの いま、大きなくくりだと
おっしやっていただいたわけですが、あえてもっと大きなくくりを持ち出すと、私たちのい
のちはこの地球、太陽系の第三惑星ですけれビち、5年ほど面に水金地火木土天海冥のうち
冥がなくなって海王星までを大腸系と呼ぶと学校で教えるようになってもっと小さいものが
中にあって「やれ中性子」「いや陽子」となって、いまは「これ、何よ、素粒子」というと
ころまでわかってきた つまり.一番ちっちやくて、勤いているものがかたまって、私たち
はたまたま入休なんだけど、宇宙の視座から見ると、これスカスカなのね。

なぜ、こんな話から始めたかというと、原発を詰るときには電気が足りているか、足りてい
ないかという問題以上に、その状況はどんな背景のうえに存在しているのか、その根本をし
っかり認識する公安があると思っているからです たとえば、原子力発電所を建設するに当
たってべらはうなお分かかかります。

鈴木 そうですね
野中 1つのかの建設費は、だいたい、1000億円ともいわれます。
鈴木 お金を集めないといけませんね 
野中 はい、集めよう思っても渠まらないときに叩くドアはどこ?
鈴木 銀行でしょうね
野中 しかも、大きい銀行、金融融賎関です。「鈴木さんちのかまぼこ工場、最近、売れて
るの?」とか、銀行はいろいろと言ってきませんか?・ ここの会社はお金貸しておても大
丈夫か? とか(笑)。でも、原子力発電所だったらつぶれない。法律で競合他社は参入で
きないように守られてるのが電力会社。それでいて、株式会社ですからね。配当はきちんと
入る。どの金融機関も買いますよね。電気が足りるか足りないかという問題の裏側には、「
つくってくださったら利子は入るし、株式の配当は入るし、とても便利なお金マシーン」と
思っている方たちもいるわけです。

鈴木 いますね。
野中 今度は原子力発電所をつくる人たち、これは実は平和利用という名前なんだけど、ま
ずウラン。原子力発電所のメカニズムはタービンをまわすだけの実は 「湯沸かし器」です。
100度あれば十分なの。で、しかも、掘ってきたウランのうち3パーセントしか使えない。
残りの97パーセントは「そんなもの使えないよ」。

鈴木 どこに捨てるんですか。
野中 捨てられないんですよ。
鈴木 そうですよね。
野中 3パーセントを取った残り物のウランは、劣化ウラン弾という兵器になる。「これ、
つくったら売れるじやん」と考える方たちもでてきますよね。
鈴木 つまり、平和利用ではなくなるわけですね。

野中 つくるのにどういう技術が必要かというときに、学術振興、科学技術振興の名のもと
で、純粋にどうやったらウランを精製できるのか。どうやったら人を殺す武器になるのか。
アカデミックの世界には純粋に研究する人々は、いっぱいいるわけですよ。

鈴木 科学を虫の眼で見て純粋な気持ちで研究に取り組むわけですね。
野中 そうだと思いますよ。そういうことが渦巻いている。たとえば、かまぼこ工場をつく
ったら「かけたお金を何年で回収できるか」と計算しますよね。

鈴木 そうですね。
野中 そのためには「毎年、これだけ売らないといけない」ということになります。だけど、
原子力発電所の場合、それをしないで、設備投資したら総括原価方式で3パーセント乗っけ
て、電気を使っている人に「電気料金払って」と言えばいいということになっているわけで
すから。次から次へつくってくれると「すごくいい」という人もいるしそれを受け入れてく
れる自治体には「危険はないんですよ。安全なんですから」と言っていればよかった。原発
をつくる見返りに「学校つくりましょうか」「公園つくりましょう」と言って、「これだけ
生活が豊かになります」「こんなありかたいことはない。だって、絶対、安心なんだもん」
と思わせればいい。それをだれも疑わなかった。

地方の自治体が税金収入を上げるときに、原発が稼働してさえいればエネルギーの税収を取
ることができるわけです。電力会社さえ村に来てくれれば住民から税金を集めないでも、そ
のメーカーが、その会社が、学校に素晴らしい施設をうんとつくってくれる。こんなめぐま
れた地方自治体は全国でも少ないんだ、と信じてきた。金融界のみならず、日本の戦後の地
方自治運営そのものにも深く複雑に絡んでいる原発を巡るこうした仕組みを変えようとする
のは相当大変な作業と覚悟が必要ですよね。電気の量が足りるか足りないかなどというのは、
ほんの「これっぽっち」の問題なんです。
鈴木 そうかもしれませんね。




いま問われるのはどんな国をつくりたいのか

野中 よく報道されることですが、「電気が足りなくなると工場経営が立ちゆかなくなるか
ら海外へ逃げる」と、今ごろ、そんなことをいっている経営者がいると。わたしは三洋電機
という電機屋さんにいたことがあるので、「東電が停電したから、半導体つくれなくなっち
やった」というのが真っ赤なウソだとすぐにわかってしまう。それなりの大きさの工場には
必ず停電したらすぐに自分たちで供給できる設備をある程度は持っています。実際に昨年の
3月、4月、千葉の3つの大きな工場が「うちにあるのをまわしましょうIといって、それ
でフクシマの削胤分は間に合ってしまいましたよね。そうした状況は、「つくろう」という
ギアを入れさえすれば、すぐにつくれます。

だから、いま、私たちがほんとうに議論しないといけないのは、原発をやめろとか、再稼働
をやめろとか、そういうことと同時に、もっと前向きに先を見据えて、日本の未来のために
どんな国づくりをしたいか、どんな子不ルギー立国にしていくか。だれにリーダーになって
もらいたいか、そういう議論を早急にしないといけないと思います。リーダーを選ぶという
のは、総理大臣とか総裁を決めるという意味ではなくて、しっかりとヴィジョンを示し、皆
の心を集めて、ぐいっと引っ張っていける人になるということ。

未来に向けて流れを起こし、どの流れを創っていくかという、決断力ある人のことですが。
そのときにさっきの視点が間わってくる。目に見えないけど、実際に動いている、その事を
認知できること。目に見えないところに真実がある。それは一体、何なんだろうということ
を考えること。これは同時に、私たち一人ひとりにミッションとして降りてきているとも思
います。前例がこうだったからといってしばっていたら、いまから未来を創っていくのです
から、これは朽ちていく。だから今の日本は朽ちていかざるを得ない。

私の大事にしている言葉に「革新なきところに伝統なし」というのがあります。伝統という
のは時間軸だけ長くつづいているというふうにみえますが、長くつづいているのは、常にそ
の時代時代の先取りをするほど、おのれを変える勇気と決断があったからで、振り返ったら
「伝統の血」がつながっていたということです。日本を伝統的に技術力の国という人がいま
す。ものづくり立国、技術立国といっておきながら、大量生産でコストをかけずに安いもの
を外へ出して輸出国としてマーケットシェアを取って外貨を稼ぐ。これでイイ、これが正常
だと思っている物差しを変えることからしか、わたしには始める方法が考えられない。いま
いる成功者たちは昔のパラダイムをガッチリつくってくれたヒーローですが、音楽で例えれ
ば、「ロックンロールなんて頭から受け付けないよ」「おれは詩吟か浪花節を吟じていたい
」というような方たちには、デシジョンメークの現場からは去っていただかないと、新しい
道は問けない。



鈴木 いま言われた、戦後の日本経済を引っ張ってきてくれた大先輩たちという、一つの年
代層があるわけですね。
野中 ありますね。でも、全部が「詩吟か浪花節以外は受け付けない」わけではありません。
先はどから緯々申し上げているように、電気の問題だけではなくて、金融の問題でもあるし、
日本の地方自治と中央政権との問題でもあるわけです。霞が関と永田町が中心になってカリ
フォルニアー州より狭い島国の、津々浦々まで等質性を上手に行き渡らせるという世界。こ
れ、焼け野原の日本ではけっして悪くなかったと思います。

でも、時代を経て機能不全と金属疲労とゴミが溜まりきってきた、いまはそれを変えなけれ
ばいけないときなのに、そういう人たちが道を塞いでいるのが問題なのだと思います。象徴
的なのが「原子力発電所はやめない」という意見です。世界中に原子力発電所をつくってき
ているアメリカの会社の原発部門を買ったのは日本の会社、つまり、そこに「日の丸」の威
信がかかっているわけです。そういう国が「原発をやめます」ということを言ったらどうな
るか。とおんでもない、それはできない、と、まず考えてしまうのでしょうね。

鈴木 確かに野中さんがおっしゃるように、原発だけの問題でも、エネルギーだけの問題で
もありませんね。

                                   この項つづく
  

   No.171

【ネオコンバテック篇:ミスト技術でカーボンナノチューブ薄膜】 

3月16日、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、独自のミスト成膜技術により、カー
ボンナノチューブの薄膜化に成功したことを公表。
カーボンナノチューブは導電性に優れ、
強度と柔軟性を兼ね備えた材料として注目されている。フィルム状にすることで様々な分野
へ用途が広がることが期待される。
 特に、透明導電性フィルムとして実用化された場合、
太陽電池セル(発電素子)の大面積化が可能になる。加えて、ディスプレイパネルなどの形
状設計で自由度が上がり、新しいタイプの製品を実現できる。
従来、カーボンナノチューブ
のフィルム化プロセスでは、「塗布方式」が使われてきた。この製法では、塗布量の微調整

が難しく、カーボンナノチューブを薄くムラなく均一な膜として形成することは困難とされ
ていた。今回、独自の「ミスト成膜技術」により、カーボンナノチューブ原料をミスト化し
、最適に噴霧することで、厚みが百ナノメートルの均一な膜厚」の実現に成功。同時に、透
明導電性フィルムとしての実用上、不可欠な条件である「透過率90%以上」も達成。今後、
カーボンナノチューブ薄膜の早期実用化に向け、プロセス条件などの一層の最適化を進める。
同社
のミスト成膜技術は、膜厚10~100nmにおいて、ナノ単位での膜生成が可能で、カーボ
ンナノチューブ以外にも導電性高分子や、有機と無機のハイブリッド材料、ナノ粒子分散液
などの最先端材料でも適用できる。



【蓄電池篇:AIで効率的に全固体電池用電解質の開発】

3月16日、富士通と理化学研究所は、人工知能(AI)を用いて、高いイオン伝導率を実現
するための全固体リチウムイオン電池用固体電解質の開発を効率化することに成功したこと
を公表。高機能材料の最適組成を割り出す方法として、材料シミュレーション手法の1つの
「第一原理計算」がある。第一原理計算は、材料の組成を指定すれば量子力学に基づいて特
性予測が可能であり、最適組成を実験に先立って予測し、実験の失敗を低減できる。しかし
、第一原理計算は、計算負荷が非常に大きく、さまざまな組成について、1度に多数の計算
を行うと計算そのものに膨大な時間がかかる。材料開発の開発期間を短縮することを目指し
連携する富士通と理研AIPセンターは、AI手法の1つであるベイズ推定法を用いて、第一原理
計算の計算回数を数10分の1に抑制。この手法を用い、全固体リチウムイオン電池用固体電
解質の候補材料である「3種類のリチウム含有酸素酸塩から合成される化合物」について、
高いイオン伝導率を実現する最適組成を現実的な時間内で予測。実際に化合物の合成と分析
を行い、予測された組成付近で他の組成よりも高いリチウムイオン伝導率が実現されること
を確認。これにより、富士通と理研AIPセンターは新たな高機能材料開発のめどが付いたと
同時に、予測の正しさが実証されたと話す。
 



【海洋風力発電篇:着床式洋上風力の基礎工事を低コスト化】

2月28日、日立造船は、京都大学および東洋建設と共同で、着床式の洋上風力発電施設の
基礎施工として「サクションバケット基礎工法」の適用に取り組む。
新エネルギー・産業技
術総合開発機構(NEDO)の「風力発電等技術研究開発/洋上風力発電等技術研究開発/洋
上風力発電システム実証研究(低コスト施工技術調査研究)」の委託事業を公表。

サクションバケット基礎工法とは、円筒形の構造物である「サクションバケット」の内部を
排水することで静水圧以下の状態にして海底面下に貫入する手法。発電事業が終了し撤去す
る場合は、貫入時と逆方向に加圧することで完全に撤去できる。
従来のモノパイル基礎工法
は杭の根入れに30m程度の堆積層が必要だが、日本の沿岸海域は堆積層の厚さが見込めない
海域が散見され、技術と費用の両面で制約があった。サクションバケット基礎工法は、欧米
では堆積層の厚さ10メートル程度でも基礎を築いた実績があり、日本でも設置可能な範囲が
広がることが期待される。

また、設置時に杭を打設するための大型重機が不要で、構造物の鋼材を軽量化できる。同社
の試算によると、1ウインドファーム(風車15基)を設置する場合でモノパイル基礎工法の
工期より1年短縮することができ、EPC(設計・調達・施工)にかかる費用も7%コストダウ
ンできる見込み。
日本風力発電協会のロードマップでは、着床式洋上風力発電の導入量は
2030年に累計580万kWに達すると想定している。同社は今後、日本の洋上環境に合わせた設
計・施工手法の確立を図り、同工法の実用化を目指すという。この分野での日本の巻き返し
なるか?!

  ● 今夜の一曲

『遙かな影They Long to Be Close to You
Song The Carpenters, Music&Word Burt Bacharach / Hal David

Why do birds
Suddenly appear?
Everytime you are near
Just like me
They long to be
Close to you

Why do stars
Fall down from the sky?
Everytime you walk by
Just like me
They long to be
Close to you

On the day that you were born the angels got together
And decided to create a dream come true
So they sprinkled moon dust in your hair of gold and starlight in your eyes of blue

That is why all the girls in town
Follow you all around
Just like me, they long to be
Close to you

On the day that you were born the angels got together
And decided to create a dream come true
So they

「遙かなる影」(原題:(They Long to Be) Close to You)は、バート・バカラックとハル・デ
イヴィッドが作った楽曲。本作品を収録したカーペンターズのアルバムのタイトルから「
Close to You」と略記することも多い。1963年にリチャード・チェンバレンによって初めてレ

コーディングされた。1964年にディオンヌ・ワーウィック、1967年にダスティ・スプリング
フィールドがでカバーした。1968年には作者のバート・バカラックも本作品を吹き込んでい
る。
1970年5月20日、シングルA面曲としてカーペンターズのバージョンが発表。B面はリチ
ャード・カーペンターがリード・ボーカルをとる「愛しつづけて(I Kept on Lovin' You)」。
同年7月25日から8月15日にかけてビルボード・Hot 100で4週連続1位を記録した。彼らにと
って初のナンバーワン・ソングである。ビルボードのイージーリスニング・チャートでも1
位を記録し、ゴールドディスクに輝いた。また、1970年の年間チャート2位を記録した。

ングル盤には、フェイドアウトするもの、ピアノ間奏部で終わるもの、ミックス違いなど様
々なヴァージョンが存在。
「愛のプレリュード」と共にグラミーの殿堂入りを果たしている。
歌詞はのタイトル通り、異性の時めきを小鳥、星に喩え直裁に表現し、カレン・アン・カー
ペンターの透き通った歌声とリチャードのコーラスのシンクロが、聴き手の中で過去の時間
に戻すかのように郷愁を醸し出し、長く記憶に残る特異なデュエト・ソングである。

コメント
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末の松山波越さじとは

2018年03月16日 | 環境工学システム論

 

      
                                        

2 作 戦

※ 「兵は拙速を聞く。未だ巧の久しきを観ず」-この篇では短期戦論が強調される。それ
は万全の準備に裏付けられ、一切を集中することによって、最小の犠牲で最大の効果をあげ
るのである。
 

「智将は敵に食む」

戦上手は、壮丁の徴用や糧抹の輸送を二度三度と追加するようなことはない。また、国内か
らは軍
需品だけを運んで、糧抹は敵から奪いとる。こうすれば、不足するはずがない。戦争
によって国力が
疲弊するのは、軍隊、武器、糧株をはるばる輸送しなければならないからだ
。遠くで戦えばそれだけ
人民の負担は宣くなる。また軍隊が駐屯する地方では物価が騰貴す
る。物価が騰貴すれば、人民
の生活が窮迫し、国家財政も逼迫する。その結果、国家は、ま
すます賦役を宣くする。かくして国力
は使い果たされ、人民の生活は底をついて、国全体が
貧しくなるのだ。人民は全所得の三分の二まで税金にもってゆかれ、国家財政は、車輛の破
損、軍馬の損失、武器の調達、輸送手段の消耗などによって、半分以上も費消されてしまう。

知謀にすぐれた武将は、こういう事態を避けるためにも、糧抹を敵地で調達するように努力
する。敵地で調達した穀物一鍾は自図からはるばる運んだ穀物の二十節分にも相当し、敵地
で調達した飼料一石は自国からはるばる運んだ飼料の二十石分に相当する。

〈鍾〉一鍾は六石四斗

敵を補給源に「われわれの基本方針は、帝国主我と国内の敵の軍需工業に依存することであ
る。われわれはロンドンと漢mの軍需工場に権利をもっており、しかも敵の輸送隊がこれを
運んでくれる。これは真理であって決して笑い話ではない」(毛沢東『中国革命戦争の戦略
問題』1936年)



【下の句トレッキング:末の松山波越さじとは】

東日本大震災から遡ること1142年前の869年7月9日、貞観地震(マグニチュード
(M) 8.3 - 8.6,での大津波に都人にとって金や馬の産地であり憧憬の土地だったとされる東北
地方は、宮城県多賀城市周辺が飲み込まれる――当時、「こさじ」という名の少女が妖怪の
猩々に教えられ、大津波のときに末の松山に逃げ一命をとりとめたとする昔話――が貞観津
波の記録として『末の松山浪こさじ』と言い伝えられてきている。その貞観地震から古今和
歌集の成立まで約40年。記憶の風化とともに恋愛の歌枕に変化していく。
このように不思
議に思える自然現象を詠み込んだ百人一首の歌も少なくはないが、各地の名勝を詠み込んだ
歌枕には歌人の知られざる祈りが込められているのだろうとされる。

さて、深養父の孫で清少納言の父であった清原元輔(908-990) は、平安中期の歌人、三十六
歌仙の一人で清梨壺の五人の一人として『後撰集』を編纂。
恋人の心変わりをとがめる歌
とされる。男女の変わらぬ愛の誓いを松山の美しい景色にたとえた「末の松山(枕詞)浪こ
さじ」は、みちのくを代表する格調高い歌枕として百人一首、古今和歌集や西行法師、藤原
定家ら多くの歌人に詠み継がれている。


契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波越さじとは      清原 元輔


誓い合いましたね。お互いの涙で濡れた袖を絞りながら。心変わりをすれば波が越すという
末の松山を波が越すことがないように、私たち二人の愛も決して変わりはしないと。

We promised each other that we would always be there for each other, as we wrung the
sleeves of our kimonos wet with our tears. We swore that Sue-no-Matsuyama would be
inundated with waves if we ever broke our promise, and so we for Sue-no-Matsuyama
we vow that our love will never change. (Source; 「小倉百人一首の全首を見る|小倉百人一
首殿堂 時雨殿」)

 

   No.170

【エネルギーストレージ篇:米エネルギー蓄電市場1ギガワットアワー超】 

3月6日、GTMリサーチ社と米エネルギー貯蔵協会(Energy Storage Association: ESA)は、
2013~17年の5年間で系統連系型のエネルギーストレージ設備の累積導入容量が1ギガワッ
トアワーを超えたことを発表。同社予測によると、2018年単年で1.233ギガワットアワーの
系統連系型エネルギーストレージが導入され、今年だけで2017年までの累積導入容量を超え
る(下図)。





2017年の米エネルギーストレージ市場は前2016年比で27%拡大したが、特に成長した分野
は、「ビハインド・ザ・メーター(Behind the meter)」と呼ばれる需要家サイドに設置され
る蓄電池で、2016年比で79
%増加。これらの蓄電池は主に分散型太陽光と併設され、太
陽光発電の余剰を系統網に流さずに貯蔵して自家消費する。その反面、「ビハインド・ザ・
メーター」に対して、主に電力会社などの電力系統側に設置された蓄電池を「フロント・
オブ・ザ・メーター (Front of the Meter)」と呼ぶ。フロント・オブ・ザ・メーターとし
ての蓄電池は、2017年に総導入量の65%を占めるものの、2016年と比べると構成比率は
14%減。

● 長周期/短周期変動で蓄電容量が異なる

このことは、フロント・オブ・ザ・メーター市場では平均放電時間が長い蓄電池の導入が
増えている。これは、長周期対策向けの蓄電池市場が成長していることを意味し、蓄電池
の性能は、瞬時にどれだけの電力を流せるかを表す瞬時最大電力である「出力(単位:W)
」と、どれだけの電気を充電または放電できるかを示す「容量(単位:Wh)」の2つがあ
り、用途によってどちらを重視するかが異なってくる。
2016年に米国に導入されたフロン
ト・オブ・ザ・メーター向けの大型蓄電池は、地域により用途が異なりことなることがわ
かっている。例えば、
カリフォルニア州独立系統運用機関(California Independent System
Operator: CAISO
)管内では、長時間の放電時間を必要とする長周期変動向けが多いことか
ら、比較的出力が小さく、大容量の蓄電池のニーズが高い。
一方、ペンシルバニア州を中
心に米国中東部の13州およびワシントン DC 地域にまたがって、電力市場を運営する独
立系統運用者および地域送電機関として機能している。アンシラリーサービス市場向けな
ど短周期変動向けの蓄電池が求められ、低容量だが高出力の蓄電池の導入が進む傾向があ
る。

例えば、カリフォルニア州では太陽光発電などの再生可能エネルギー導入の活発化に伴い
ダックカーブ現象と呼ばれる需給ギャップなどの悪影響が顕著となり、同州の大手民間電
力会社(Southern California Edison(SCE)社、PG&E社、米San Diego Gas & Electric(SDG&E
社の3社に、2020年までに合計1325MWの蓄電池の設置を義務付る。州政府が電力会社に
対しエネルギーストレージ設備の設置を義務付ける法律を制定したのは、米国で初めてで
カリフォルニア州では、2016年までに120MWのフロント・オブ・ザ・メーター向けの向け
の蓄電池が導入された。EIAのデータでは、カリフォルニア州で導入されたで蓄電池の平
均出力は5.7MWと小さく、平均放電時間は4時間弱と長期傾向にあり、PMJと違りCAISO
管内では、周波数調整向けの他、高速応答、電圧調整・無効電力抑制、負荷追従、システ
ムピークカット、負荷抑制・安定化、アービトラージ(裁定取引)、バックアップパワー
など、用途が多様化する。


因みに、米エネルギーストレージ協会は2025年までにエネルギーストレージを累積で最低
35ギガワット導入計画(35X25)目標を掲げる。また、GTMリサーチ社は、2019年には
エネルギーストレージ市場の規模は1兆6百億円を超え、2023年には4兆3百億円にまで
成長すると予想されている反面、コバルトニッケルなどの鉱物資源のリサイクル事業の早
期立ち上げを考えておかないと価格高騰のリスクが予想される。



【ソーラータイル篇:ペロブスカイト太陽電池に10倍の耐久性】

3月9日、東京大学は、電子を受け取る能力が高い「リチウムイオン内包フラーレン」を
有機半導体に加えることで、空気や水に対してより安定性が高いペロブスカイト太陽電池
を開発。リチウムイオン内包フラーレンの疎水性とリチウム内包フラーレンの抗酸化作用
により、従来のペロブスカイト太陽電池より耐久性を10倍向上。 ペロブスカイト太陽電
池は、20%近いエネルギー変換効率を示す一方で、発電層に使われる有機金属ペロブスカ
イトは水や酸素に対して非常に不安定で耐久性に課題を持つ。しかし、電荷選択層である
ホール輸送層に用いられる有機半導体は、ホールを輸送する特性が十分でないため、吸湿
性のあるリチウム塩を混ぜたり(ドープする)、酸素を使って電子を引き抜く(ホールを
ドープする)必要があり、ペロブスカイトとの間で矛盾があった。


今回、従来のリチウム塩に代わって、リチウムイオン(Li)をフラーレンC60の殻で包ん
だ新しいリチウム塩(リチウムイオン内包フラーレン、Li@C60)を用いた。リチウムイ
オン内包フラーレンは、日本のベンチャー企業が開発したもので、Liが疎水性のC60
中にあるため吸湿性が低く、高い電子親和力を持つ。また、電子を引き抜く酸素が不要で、
有機半導体spiro-MeOTADから電子を引き抜くことが可能。 従来のペロブスカイト太陽電
池は、未封止であるとリチウム塩を含む有機半導体層が周囲の水を引き寄せ、50時間で動
作しなくなる。今回開発したリチウムイオン内包フラーレンを含むペロブスカイト太陽電
池は、未封止の素子では約50時間かけてゆっくり変換効率が上がり、最高効率点から、約
500時間かけて効率が低下することを確認。最高点でのエネルギー変換効率は15.8%。
また、封止した素子では、疑似太陽光連続照射千時間で効率低下10%以内に収まり、ペ
ロブスカイト太陽電池の実用化の目安とされる条件をクリアした。長寿命化を可能とする
材料を見出したことで、実用化に弾みとなる。




【ソーラータイル篇:単結晶太陽電池のコスト大幅減 薄膜作製技術開発】
 

3月□日、東京工業大学らの研究グループは、結晶欠陥密度をウエハーレベルまで低減し
た高品質な単結晶シリコン薄膜を、従来手法の10倍以上となる成長速度で作製に成功し
たことを公表。同技術では原料収率も百%近くとなるため、単結晶バルク型太陽電池の発
電効率を維持したまま、製造コストを大幅に低減した薄膜型太陽電池の製造が可能となる。

単結晶太陽電池は薄型化することにより、単結晶バルク型太陽電池モジュールの約40%を
占める原料コストを大幅に低減できると見込まれており、さらにフレキシブル化、軽量化
による用途の拡大、設置コストの低減も期待されている。
また、多数の細孔を持つナノ構
造のポーラスシリコンで単結晶シリコン薄膜をリフトオフ(剥離)し製造する単結晶薄膜太
陽電池は、有望な次世代太陽電池として注目されている。しかし、高品質な薄膜の形成、
容易にリフトオフ可能なポーラス構造の実現、成長速度と原料収率の向上、リフトオフ後
の基板を再利用できるようにすることなど、複数の技術的な課題があった。



同技術では、単結晶シリコンウエハー表面にポーラスシリコンを2層生成し、東工大独自の
平滑化技術であるゾーンヒーティング再結晶化法(ZHR法)によって表面をならすことで、
高品質な薄膜形成と薄膜の容易なリフトオフを両立する基板を作製した。
この基板上へ薄
膜を高速成長させるため、早大が開発した急速蒸着法(RVD法)を活用した。従来手法であ
る化学蒸着(CVD)の製膜速度は最大で毎時数マイクロメートルオーダー、原料収率は10
%程度、RVD法では毎分10マイクロメートルの速度で製膜が可能になった。また、リフト
オフ後の基板もRVDの蒸発源として利用できるため、原料損失を大幅に低減できることもメ
リット。

今後、太陽電池の性能に関わるパラメーターの1つである薄膜のキャリアライフタイムの測
定を行うことや、実際に薄膜から太陽電池を作製して同技術の実用化を目指すという。ま
た、30%超の発電効率が期待され複数のpn接合を持つ構造の、タンデム型太陽電池の低コ
ストなボトムセルとしての利用も検討する。

 

【ソーラータイル篇:世界初雪が解ける太陽光発電システム】 

3月12日、環境システムヤマノ(福島県須賀川市)は、世界で初めて人力による除雪作
業を省力化できる「融雪機能付き太陽光発電システム」を開発したことを公表。効率良く
融雪して発電量を増やすことができ、条件によっては雪国特有の融雪エネルギー代をゼロ
にできるという。東北6県および全国降雪地域で2018年5月から販売を開始する。

降雪地域では冬の期間、屋根などの雪下ろしに時間と労力を費やしている。一方、近年は
若者の減少で過疎化が進み、高齢者による屋根雪処理中の転落死亡事故や落雪による近隣
とのトラブルもみられる。さらに、人手不足で賃金が高騰する影響で、屋根の雪下ろしが
進まず、家屋の倒壊するといった被害も起きている。
 

この雪下ろしを省力化する方法として、融雪ヒーターや化石燃料による不凍液循環融雪システムを
導入している家庭・自治体が多数あるが、二酸化炭素の排出といった環境負荷や、化石燃料費の
変動によって融雪費用の負担が増大している。今回開発した太陽光発電システムは、電流を逆流
させて太陽光パネルを加熱して雪を融かすシステムを搭載。独自開発したセンサーが降雪を感知
すると、自動でヒーターが作動し数分で発熱する。ヒーターは片側ずつ発熱し、雪が解けると一定
時間で反対側を加熱する。これにより、融雪電力契約の基本料金を抑えられる。 

 



雪国では積雪により太陽光発電には不向きといわれているが、これを解消するため同社は
、単結晶太陽光発電パネルとアモルファス太陽光発電パネルの両方を採用。日差しが強い
南面屋根に単結晶シリコン型太陽光パネル、北面など日差しの弱い屋根には薄膜のアモル
ファスシリコン型太陽電池を設置する。2種類の太陽電池を組み合わせることで屋根全体を
覆うことができ、全体の発電効率を高められるという。これにより売電量が増え、同社の
実証では、融雪に掛かるランニングコストを相殺できたとしている。
システムの施工費は
屋根形状により異なるが、1平方メートル当たり6~8万円が目安になるとしている。



❏  特許事例:特開2016-079805  融雪装置


【概要】

下図のように外部電源からの電力を加熱手段に供給するときにもコストを低減できる融雪
装置を提供にあって、所定の日照条件を満足する屋根の部位に配設された単結晶シリコン
系太陽電池3と、それ以外の部分に配設されたアモルファスシリコン系太陽電池4と、屋根の
積雪を検知する積雪センサ5と、積雪センサ5により積雪が検知されたときを除いて太陽電
池3,4で得られた電力を外部回路9に供給し、積雪センサ5により積雪が検知されたときには
外部電源10の電力を太陽電池3の導電体及び太陽電池4自体に供給する制御手段6とを備える
。積雪センサ5により積雪が検知されたときには太陽電池4自体を融雪のための加熱手段と
する構成とした。


 【符号の説明】

1…家屋、  2a,2b…屋根、  3…単結晶シリコン系太陽電池、  4…アモルファスシリコン系太陽
電池、  5…積雪センサ(積雪検知手段)、  6…制御手段、  7…判定手段、  8…切替手段、  9
外部回路、  10…外部電源、  15…フレーム、  16…透明導電体、17,18…着雪防止部材。

 Mar. 12,, 2018

【抗大気汚染戦争に勝利した中国】

2014年3月4日、中国の李克強首相は、全国人民代表大会で約3,000名の代表者に、国家貧困
との戦争を宣言したときに公然と宣言する。
この声明は、経済成長を環境に配慮するという
国の長年の政策から逸脱し、多くの人々が中国が本当に遵守するかどうかを疑問視した。
その宣言の4年後のデータは、中国は過去最高のペースで勝っている。 特に、都市では、
空気中の微粒子の濃度を平均して32%、その4年間で削減する。公害防止運転のスピー
ドは、人件費に関する重要な疑問を提起するが、中国がこれらの削減を維持すれば、住民
が健康に大きな改善を示し、数ヶ月または数年の寿命を伸ばすことを意味する。

首相の演説前の数ヶ月間に、国はすべての都市部で微粒子汚染物質の濃度を少なくとも10
%、さらには一部の都市で低下させる必要がある全国大気質行動計画を発表。北京地域は
公害を25%削減する必要があり、市はその目的のために驚異的な12兆7千億円の予算措
置を施している。これらの目標達に、中国は北京地域を含む国で最も汚染された地域に新
しい石炭火力発電所建設を禁止し、既存のプラントの排出量削減指令、天然ガスへの切り
替えを執行。北京、上海、広州などの大都市では、車の数が制限、鉄鋼生産能力を縮小し
炭鉱を閉鎖した。

米国の大気汚染防止法は、大気汚染の大幅な削減するために 1970年制定から4年間で大
気汚染を平均で20%減少させたが、約12年間の米国の景気後退が続いたが、中国がわ
ずか4年間で32%の削減を達成させている。勿論、大気汚染レベルは依然として中国の
国家基準を超えており、世界保健機関の推奨値を遙かに上回る。中国全土を国内基準に準
拠させるためには、世界保健機関より厳しい基準を遵守するには、4.1年はかかると推
定されている。中国市民の既存利益の維持しながら追加的な改善には、経済成長と環境の
バランスにによるが、早期に大気汚染削減を達せするには、市場に頼るだけでなく、具体
的な工学的な方法に裏打ちされた行動指針を必要としている。

  ● 今夜の一曲

My Heart Will Go On
Song; Celine Dion , Music&Word; James Horner / Will Jennings

Every night in my dreams
I see you, I feel you
That is how I know you, go on
Far across the distance
And spaces between us
You have come to show you, go on
Near, far, wherever you are
I believe that the heart does go on
Once more you open the door
And you're here in my heart and my heart will go on and on
Love can touch us one time
And last for a lifetime
And never let go till we're gone
Love was when I loved you
One true time I hold you
In my life we'll always go on
Near, far, wherever you are
I believe that the heart does go on
Once more you open the door
And you're here in my heart
And my heart will go on and on
You're here, there's nothing I fear
And I know that my heart will go on
We'll stay forever this way
You are safe in my heart and my heart will go on and on

 

 

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しづ心なく花の散るらむ

2018年03月14日 | 時事書評

 

      
                                        

2 作 戦

※ 「兵は拙速を聞く。未だ巧の久しきを観ず」-この篇では短期戦論が強調される。それ
は万全の準備に裏付けられ、一切を集中することによって、最小の犠牲で最大の効果をあげ
るのである。
 

「兵は拙速を聞く」

戦争ともなれば、兵車千台、輸送車千台、兵士十万人もの大軍を動員し、千里もの遠方へ糧
抹を輸
送しなければならない。この大規模な戦争を遂行するには、内外の経費、外交使節の
接待、軍需物資、
車輛、武器の補充などに一日千金もの莫大な費用がかかるのだ。たとい勝
つとしても、戦いを長びかせれば、軍隊は疲弊し、士気も衰えてくる。そうなってから慌

て敵城攻撃をかけたとしても、失敗するばかりである。そしていつまでも軍隊を戦場にさら
す結果、
国家財政は危機に追いこまれる。こうして軍隊が疲弊し、士気が衰え、攻撃に失敗
し、国力を使い果
たせば、その隙に泉じて諸侯が攻めてくる。こうなってはどんな智者が現
われたところで、事態は収拾できない。

事実、短期決戦に出て成功した例はあっても、戦いを長びかせて成功した例は知らない。長
期戦は、国家になんの利益ももたらさない。それがいかに有害であるかを認識しなければ、
戦争によって利益を得ることはできないのだ。

【下の句トレッキング:しづ心なく花の散るらむ】

 ひさかたの光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ  紀友則

日の光がこんなにものどかな春の日に、どうして桜の花だけは(落ち着いた心がなく)散っ
ていってしまうのだろうか

On this gentle sunny spring day, I wonder why only the cherry blossoms cannot stay calm,
instead scattering every which way on the ground.

 Click here!

 

    No.169

【ソーラータイル篇:最新ペロブスカイト太陽電池技術】

● ペロブスカイト太陽電池の結晶相に「超格子構造」を発見

2月19日、東京大学先端科学技術研究センタの研究グループは、高分解能電子顕微鏡で有機
金属ハライドペロブスカイト太陽電池の結晶相のナノ構造微細観察、従来、室温では正方晶(
Tetragonal)しか存在しないと思われていた有機金属ハライドペロブスカイト太陽電池の結晶相
立方晶(Cubic)と正方晶(Tetragonal)が共存することを発見。この立方晶と正方晶は、塗
しただけで自発的に規則正しく交互に規則配列した超格子構造(Superlattice)を形成している
ことを世界で初めて確認したことを公表。

ペロブスカイト太陽電池は、今や世界の太陽電池開発を席巻。2018年1月現在、エネルギー変
換効率はNRELチャート上で22.7
が報告されて。 この値は同Lチャート上でCIGS(22.6%)、
CdTe(22.1%)、多結晶Si(22.3%)など競合するデバイスの効率を上回わり、それが大規模設
備の不要な溶液プロセスなどで実現できる。わずか数年でこの効率に到達した進化の速さも注
目されています。 昨年はペロブスカイト太陽電池がノーベル賞の受賞対象候補としても取り
上げられており、さらに高い「効率」「耐久性」「低コスト」の好適性を満たした実用デバイ
スとして期待されている。



従来、室温では正方晶しか存在しないと思われていたペロブスカイト層中に、ほぼ全領域に渡
って立方晶が共存していた(図1)。この結晶相の混合状態は作製方法が異なるペロブスカイ
トや、あるいは高効率化のために各種添加剤を加えたペロブスカイトいずれの試料においても
同様に観察された。また各結晶相の大きさは直径にして5〜10nm程度の不均質な粒子状からな
り、ナノグレインが形成されていた。



解析を進めるとこれら一部の混晶には規則性があり、場所によっては「正方晶(Tetragonal)-
立方晶(Cubic)-正方晶(Tetragonal)」3ユニットが1つの単位格子を構成、超格子(Superl-
attice
)が形成されている(図2)。
効率20%を越える有機金属ハライドペロブスカイト太陽
電池の中身が、実は結晶構造の異なる(即ち格子サイズや光学特性の異なる)結晶相の混合状
態になっているというのは従来の常識を覆す驚きの発見です。また、基板に塗布しただけで、
その一部が自発的に超格子構造を取ることは大きな発見です。今後、結晶工学的な立場から
のコントロールを試みることで更なる高
効率化が期待される。

     

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.18        

● 対談3 新しい現実をつくる  

『原発廃炉には、政府から会計上のサポートが必要』     

 Jan. 17, 2013 

小宮一慶(こみやかずよし) 株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役

だから、いかに外貨を稼ぐかということが目本においても、経済を維持するためにすごく大
事だと思うんです。そういう観点から国内産業を育成して、強い産業をつくって、輸入を減
らせるような産業構造をつくっていくことが大事なんじやないかと思います。 
強い産業をつくってそれを世界中に広めていくというのは日本にとってはすごくいいことだ
と私は思っています。



原発がなくても経済は成長できる

鈴木 そうですね。
小宮 低成長ということで大事なのは心と経済との両方の豊かさだと思うんです。
鈴木 これまでの私たちの常識は、豊かさというのはGDPが増えることでした。それ
も豊かさの
一つの指標であることは間違いないわけですが、すべてではないと思うんで
す。去年の「3・11」
のいろんな経験を踏まえて「本当の豊かさって何?」と思った
とき、経済というのは数字だけじゃ
ないと気づき始めた人が多いように思います。

小宮 働くことによって生きがいを得る。もう一つは世の中に貢献しているということ
で幸せを感じる豊かさがある。新しい産業を伸ばすことによって、世界に貢献できるじ
ゃないですか。日本人が持っ
ている能力、そういう意味で、数字は結果だから、いい数
字が出るというのは貢献につ
ながると思うんですよ。だから、数字を伸ばすのが目的で
はなくて、数字が伸びるくら
いのいい産業をつくっていけばいいと思うんですね。

鈴木 いま、先生がおっしゃった経済力は規模ということですか。
小宮 規模と余裕です。いまの日本のように軍事にお金を使えないというようなことだ
と、一方で中国はどんどん稼いでいますから、空母を建造したり、ステルス戦闘機をつ
くったりということになっていきます。ただ、私がすごく恐れている点は中国は短期的
に成長力が落ち始めているということなんです。マクロ経済の用語で、子どもと高齢者

の数に比べ、働く世代の割合が増えていくことによって、経済成長が後押しされる1人
ロボーナス」という言葉があるんですが、中国は1人っ子政策をやっているので、若年
層が減ることによって、「人口ボーナス」がなくなってしまうんです。成長が落ちると
、56の多民族国家ですから動乱が起きる。求心力を得るのに一番効果があるのが外へ出
て行くことですから、その点、日本などは叩きやすいわけですよ。そういうときに軍事
的なバランスを欠くとですね、火がついてしまう可能性があるわけです。北朝鮮だって
同じように考えている。そうすると、軍事力を落とすということは日本にとっては問題
のあることだと思います。ただし、軍備だけ強化するというのも問題があります。経済
を伸ばしながら軍事力をそれに見合って強化していくということではないかと思います。

鈴木 理想主義的な見方かもしれませんが、日本は資源がないといわれていますが、見
方を変えれば、海も川も山も森も、自然の資源はあるわけですね。自然を活かしながら、
自然に活かされながら、経済がまわっていく仕組みをつくっていくことが、日本が世界
に貢献する最大の道筋だと思います。そのためにも日本が世界に先駆けた再生可能エネ
ルギーの技術を磨いていく意義は大きいのではないでしょうか。



世界一のエコ国家をめざして世界をリードする

小宮 日本は世界一のエコ国家になったらいいと思います。海洋国家でもありますしね。
そうなれば子不ルギーの輸入が減りますから、すごくいいと思います。
鈴木 願わくば日本という国の存在が世界にとってすごく価値があって、ということで
ありたいと思いますね。

小宮 再生可能エネルギーーの技術はすごくいい技術だと思うんです。それを世界中に
めて輸出して、「日本がなきや困るぞ」と恩われるくらいになればいいですね。ただ
中国からみて、日本は4番目の貿易相手国なんです。1番がEUで、2番目が
アメリカ
3番目がASEAN、日本はその次なんです。日本からみると中国は1番の
貿易相手国
なんですよ。だから、立場が変わってしまって、そういう意味でも世界中に
経済的な技
術的な恩恵を与えられる国になるというのはすごくいいことだと思います。

鈴木 世界中に経済的、技術的な恩恵を与えていく方法を、地域や土地に合うかたちに
していかないといけないわけですね。

小宮 そうです、そうです。その一つの大きな手段が再生可能子不ルギーというわけで

す。日本みたいに資源のない国はいっぱいあると思いますが、それと二酸化炭素の排出
問題
もあるじゃないですか。そういう分野を新しいエネルギーで埋めるんだというとこ
ろを
国家プロジェクトでやってほしいと思います。

鈴木 高度成長のときにはアメリカというモデルがあったので「追いつけ、追い越せ
よかったわけですが、いつの間にかアメリカがへろへろになってしまっていて、もう、
 
これからはアジアの時代だといわれて久しいわけですが、目本という国がアジアのなか
でどういうスタンスを取るか、まだ腰が据わっていないような気がするんです。
小宮 さっき申し上げましたけどね、世界一のエコ国家を目指して世界をり-ドするこ
とが大事だと思います。将来はどうなるかわかりませんが、オバマ政権は原発推進派で
あるがために、シェールガスを売らないといっている可能性もなきにしもあらずですか
ら、日本は日本なりにこれでいくんだと決めてやればいいと思いますよ。

鈴木 みんながそういうふうに腹をくくれば、日本人は知恵があるし、必ずがんばると
思うんですよね。
小宮 政府が腹をくくればいいと思うんです。ぼくは経営コンサルタントだから、「が
んばります」という意見が言葉の遊びみたいに聞こえて一番嫌いなんです。お客様には
何月何日までにどれだけやるのかやらないのか、それを決めてくださいと、よく申し上
げるんです。

鈴木 原発の事故にしても「私が責任を取ります≒国が責任を取ります」と言いますが、
責任など取りようがない。
小宮 今日までかなり努力して原発を推進してきたわけだから、これからは同じ努力を
再生可能子不ルギーに振り向ける。当面は天然ガスなどの代替エネルギーになると思い
ますが、原発を停止しても間違いなくやれますよ。

鈴木 さっきデンマークの話が出ましたが、あるデンマークの方から「デンマークは車
をつくる技術がない。日本はあれだけ優秀な車をつくる技術があるんだから、再生可能
エネルギーをなぜやらないのか」と言われたことがあります。

小宮 その通りだと思います。再生可能子不ルギーは日本でもやっているんですが、そ
れが採算ペースに乗るレベルまで政府が後押しすることをしないとダメだと思うんです。
太陽光もそうですが、ある程度までは国が決めてやることだと思います。地熱発電に

して温泉地が反対しているというのは誤解もあるでしょうから、オープンにして、
再生
可能エネルギーの1つとしてどんどん推進していく。

鈴木 再生可能子不ルギーだからこそできる、小さいからこそできるということに意味
があるわけですね。
小宮 何万戸という単位でなくても、何百戸単位でもやれることはいっぱいあって、い
ままで活かされてない子不ルギーを活かす工夫が大事ですよ。

鈴木 再生可能エネルギーはまだ日本のなかでほんの数パーセントしかないから、こん
なものは未来になっても頭りにならないとこきおろす議論があるわけですが、それは
ちょっと違うと思いますね。むしろ、太切なことは「俺の会社はもう20パーセントや
てるよ」「うちの町内は5パーセントで始まったよ」「うちの町は50パーセントや
ってる
よ」という小さな単位が無数に生まれ、その総和が力だと思うんです。たぶん、
そこで
しか現状は変わっていかないと思いますね。

小宮 そうですね。鈴木さんの地元の小田原をはじめ、いろんなところが「うちは小さ
な水力発電だからやれるんじゃないか」とか言って始めればいいんです。今日の新聞を
読んでいたら、ガスタービンコンバインドサイクル発電のことが書かれていて、それで
何百戸かに電気を供給できるというような仕組みもあるようなのです。ちょっとした工
夫をたくさんやっていくということが大事だと思います。

鈴木 私は小さな企業の経営者として、できることが限られているわけです。国会にい
くら言ってもダメなので、「自分の会社、自分の住む地域でならできる。そこをしっか
りやろう」ということでスタートして、それを全国で同時多発的にやっていけば大きな
力になると思っています。
小宮 その通りです。エネ経会議の取り組みが日本の政治を変えるいいモデルになるん
じゃないですか。結局、政治を変えないとね。根本的なところが変わらないから、于不
ルギーから政治を変えていくという、すごく素晴らしい取り組みを鈴木さんはされてい
ると私は思います。

鈴木 実はエネルギーから、経済だけでなく、この国のあり方をも変えていく力になれ
ればと思っています。
小宮 仕組みというか、やり方を変えていく。ご本人は望んでないかもしれないけれど、
鈴木さんがやろうとしていることはみんなに尊敬されるというか、喜んでもらえること
だと思いますよ。すごいキッカケになるんじゃないかと私は思います。

鈴木 エネルギーのことを国と地域が健全なかたちでやっていく、それからいま言われ
た再生可能子不ルギーをつくって安全・安心な国をかたちづくっていく、そのための一
歩を私たちが踏み出そうということなんです。
小宮 違う言い方をしますとね、経済人であるわれわれの感覚で正しいと思っているこ
とが政治に反映されていない。そういう意味では、エネルギーということがいまは主題
になってますけれども、いろいろな物事に関して、われわれの感覚で正しいと思うこと
が国政に反映されるためには、どうしたらよいかということを考えることが大切です。
そのためにはまず地方から変わって国政に反映されるべきだと私は思います。そういう
意味ではすごくおもしろいし、やりがいのある取り組みじゃないかなと思います。



鈴木 先生がおっしゃられるように日本が世界に先駆けるというか、ナンバーワンにな

るべく役割を担っていく、とりあえず日本の社会に示していく、そういうことですね。

小宮 そうなれば、自然と経済も成長すると思うんです。成長のために何かやるのでは
なくてね、業績も成長も結果だと思うんです。これがぼくの持論です。企業の業績はい
い仕事をした結果だと。世界全体が成長しているわけですから、日本が成長しないのは
おかしいわけです。だけど、成長を目的にするのではなくて、いい仕事をするとかね、
みんなが幸せになること、エコをやっていけばね、自然と成長すると思うんです。経済
学的にも成長というのは民間の消費、それから政府の支出、あとは輸出入の差なんです。
だから、輸出が増えてね、輸入が減る、日本の輸入のかなりの部分は于不ルギーですか
ら、それが減って、みんなが幸せになれて、世界一のエコ国家になれてね、GDPも自
然に成長するというのがね、あるべき姿じゃないかと思いますけどね。

鈴木 そういうふうにこの国の未来をイメージしていくと、これからの時代はけっして
暗い時代じゃないと思いますね。若い人たちも犬入たちがつくってきてしまった閉塞感
に覆われた今の時代の先に、新しい豊かな世の中への夢と希望を感じることができるの
ではないでしょうか。
小宮 エコで豊かになろう。それでGDPがほんとうに伸びていけばね、債務問題だっ
て解決するわけですよ。名目GDPが、この20年間、アメリカと同じように成長して
れば政府債務残高は対名目GDP比100パーセントで済んだわけです。エネルギー
策がうまくいけば産業が仲びます。すると、海外へ行こうかと思っている企業も日本 
残るじゃないですか。不幸な災害がありましたけれどもね、それをきっかけにという
か、新しい産業、特にエネ
ルギー産業をつくっていくいいチャンスじゃないかと思いま
す。そういうかたちに
持っていかないと、「3・11」で亡くなった人たちに申し訳な
いし、いま、原発で避難
されている方たちに顔向けできないと思います。

鈴木 エネ経会議のメンバーというのはみんな地域で生まれ育って商売しているので、
ふるさと意識が非常に強いわけです、私だって小田原からどこかへ行ってかまぼこ屋を
やるわけにはいかないわけです。ところが、福島ではやむなく他の土地に行ってしまっ
た例がたくさんあります。そういう意味では経済というのは人を豊かにしていく知恵
組みであるべきなのに、経済という枠組みだけが1人歩きしてしまっています。

小宮 いま、鈴木さんがおっしゃったことはすごくいいことだと思う。講演で東北へ向
かうとき、ぼくは飯舘村を通ったんですが、人っ子一人見当たらなかった。人を幸せにするなら
ともかく、人を不幸にするような仕組みは許せないですよ。私の師匠の曹洞宗のお坊さんがお
っしゃったのは、政治も経済も手段なんだということです。人が幸せになるための手段であり、
幸せにする手段なんです。だから、手段が一人歩きしたら意味がなくなってしまうのです。
鈴木 すばらしいご意見、お考えをたくさんおうかがいできました。今日はたいへんありがとうご
ざいました。

                                               2012年6月6日
                                株式会社小宮コンサルタンツ応接室にて

この対談はここでおわり、次回は中野ともよとの対談「新しい地域経済をつこうることは、女性ネッ
トワークの活用を」に移る。

                                                   この項つづく

 

 ● 今夜の一曲

Hello』 Song ; Adele, Music&Word; Adele Adkins, Greg Kurstin

 Hello, it's me
I was wondering if after all these years you'd like to meet
To go over everything
They say that time's supposed to heal ya
But I ain't done much healing

Hello, can you hear me
I'm in California dreaming about who we used to be
When we were younger and free
I've forgotten how it felt before the world fell at our feet 

There's such a difference between us
And a million miles
 
Hello from the other side
I must have called a thousand times
To tell you I'm sorry for everything that I've done
But when I call you never seem to be home .....

もしもし、私。
考えていたの  何年も経ってしまったけれど
あなたは、忘れたいと思っているかんもしれないけれど
時が経てば傷は癒えると言うけれど
私は、まだ癒えないでいるの ......

 

 

 

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わが衣手に 雪はふりつつ

2018年03月13日 | 時事書評

 

      
                                        

      「兵は脆道なり」

 ※ 戦術の要諦は、敵をあざむくことである。例えば、できるのにできないふりをし、必要
   なものを不要とみせかける。遠ざかるとみせかけて近づき、近づくとみせかけて遠ざか
   る。有利とみせて誘い出し、混乱させて撃破する。充実している敵に対しては退いて態
   勢をととのえ、強力な敵とは正面衝突を避ける。また、敵を激昂させて消耗させ低姿勢
   に出て油断させる。敵が落ちついていれば、事をかまえて奔命に疲れさせ、団結してい
   る敵は離間させる。
   こうして敵の弱昧につけこみ、敵の意表をつく。これが戦術の背節であるが、その運用
   は状況の変化に応じて自在に駆使すべきものであるから、あらかじめ固定してかかるわ
   けにはゆかない。

   脆道と詐術のちがい 「兵は脆道なり」をめぐって、古来、中国や日本で是非の論争が
   展開されてきた。「脆道」は文字どおり読めば「脆わりの道」だが、否定論者は「孫子
   のいうところは仁義に欠ける」(王世貞)、「奇にすぎる」(戴溪)などと攻撃し、肯
   定論考は「脆も一つの遣である」(北条氏長)、「脆わりは本来、道とはいえぬが、そ
   のなかに道があることもある」(山鹿素行)と弁護する。が、両者いずれにしても、道
   義的な意昧での「道」にこだわりすぎているのではなかろうか。『孫子』の「脆道」は、
   単なる「詐術」ではなく、彼我の力を測定し、それがぶつかりあう場合、われに有利に
   作用するよう物理的な力でない最適なコントロールを加える。一種の弁証法的な運動法
   則といってよい。その有力な手段として心理操作があるのだ。

     事前の見通し

   戦争の見通しは、開戦に先立って立てられていなければならない。勝つか負けるかは、
   見通しのいかんにかかっているのだ。勝利の見通しが確実ならば勝てるが、あやふやで
   あれば勝利はおぼつかない。まして見通しを立てようともしない者が、勝てるはずがな
   い。この観点に立つならば、勝敗は戦わずして明らかであろう。

 

 

● 事件背景と告発の意味 Ⅸ

 第2章 信教の自由・プライバシーと監視社会-テロ対策を改めて考える  

   第5節 ヨーロッパにおける監視操作の状況

                  オーストリアの青年の訴えがセーフハーパー協定を無効にした

 宮下 昨年2015年10月6日、EU司法裁判所は、EUとアメリカの間で締結されてい
 た
セーフハーバー協定(mワロ汐tF『ご呂『Fシy)を無効とする判決を下しました。こ
 の判決
は、スノーデン・リークに基づき、二八歳のマックス・シュレムスというオーストリ
 ア人が使
っていたフェイスブックをNSAが監視対象にしていたことが端緒となりました行
 つそうし
た安全でないSNSにより、アメリカとEUの間でデータ移転することはできない、
 ヨーロッ
パのユーザーデータをアメリカに移転することはできない、として協定を無効にし
 たわけで
す。これに伴いアメリカの4500社のグローバル企業はデータを移転することが
 できなくな
りました。

 すなわち、ナショナル・セキュリティにおける監視の問題は、テロリストだけをターゲット
 にしていると思われがちですが実は違います。ここにいるみなさんひとりひとりがお使いの
 グ
ーグルやヤフー、そしてフェイスブックといったSNSにも影響する問題なのです。
 スノしテン氏は、EU司法裁別所で勝訴した原告のマックスーシュレムスに対して「おめで
 とう、あなたは巨界を変えたね一とメッセージを送っております.

 井桁 SNSや我々が普段使っている便利なテクノロジーがそのまま監視のツールになりか
 
ないという点が、現代型の監視の特徴ということですね。

 第6節 NSAの監視は違憲なのか

 ここからは、各国で実施される監視捜査の適法性を中心に議論します。初めのテーマはスノ
 ーデン・リークによって明らかとなったNSAによる監視捜査の違憲性の問題です。光ファ
 イバーケーブルに直接アクセスをしたり、インターネットサービス会社に提出を命ずるなど
 して利用者の通信情報を大量に集めることが、アメリカ合衆国の憲法に違反しないのかとい
 う問題です,
 アメリカ海栗国の監視がアメリカ白票国の憲法に違反しないのかというある意味ローカルな
 テーマですが、アメリカに本社を置くインターネットサービス会社は世界中にユーザーがい
 るため、アメリカ政府による監視は世界中の市民に影響を及ぼします。また最先端のテクノ
 ロジーを用いた監視捜査が、自由主義国の代表であるアメリカの司法でどのように議論され
 るのかという点で、今後の監視捜査の在り方を占う問題であることは間違いありません。

     スノーデン・リークが監視プログラムの違憲性を問うことを可能にした

 井桁 これまでお話しいただいた監視の実態を前提として、市民社会はどのように監視のリ
 スクをコントロールしていくべきかという点についてお話しいただきます。
 まずワイズナー氏に伺います。スノーデン氏が明らかにしたアメリカ政府による監視はアメ
 リカの憲法には反しないのでしょうか。NSAによる監視はアメリカの憲法に違反する無効
 なものだと断言することはできるのでしょうか。

 ワイズナー その質問に答える前に、これまでのほかのパネリストの発言を踏まえてコメン
 トさせて下さい。ほとんどの監視技術は戦争のために開発されました。深刻な危機が存在し、
 これに対応するために監視システムが作られるわけです。他方で、監視システムが存在する
 から危機を演出するということもあります。危機が去った後にも大規模なシステムの存在を
 正当化するために、新たな危機を生み出すわけです。ムスリムの監視に関して日本で行われ
 ていることはこのようなことかもしれません。テロを防止するという目的のために監視が始
 まり、その後、監視を継続するために正当化を必要とするわけです。

 さて、ご質問に対する答えですが、私は違憲だと思います。そしてより重要なことは、つい
 に裁判所をこの問題に向き合わせることに成功したことです。スノーデン以前は証拠の不在
 が最大の障壁となり、裁判所に監視の違憲性について判断を求めると、裁判所は「帰りなさ
 い。

 あなたが主張する監視があなたに影響を与えているという証拠がないので、あなたにはその
 裁判を提起する権利かありません」と門前払いにされていたのですI詞月。
 監視プログラムの存在が国民に知らされないまま行われていたために、訴えが退けられると
 いう不当な状況でした。スノしデン氏が証拠を提供してくれたため、政府官僚ではなく裁判
 官にプログラムの違憲性を判断してもらうことができるようになりました。

 私たちは、政府が監視を行うには正当な理由が必要だと考えています。監視は正当な事由に
 基づき行われるべきです。政府の監視プログラムの問題は、スノーデン氏が牧えてくれたよ
 うに、後に役立つかもしれないという理由であらゆる情報を収集していることです。これは
 違憲であると私たちは考えていますが、裁判所ではこの点が争われるでしょう(※19)。

  テロの危険は、諜報機関という装置が自らの存在を正当化するための「燃料

 青木 ワイズナー氏に質問があります。アメリカには強大な情報機関が複数存在し、NSA
 という組織自体も以前からあったわけですね。その活動が9・11以前と9・11以後では
 まったく変わってしまったのでしょうか。9・11の発生以後、予算や権限を増やしたこと
 によって活動内容が化物のように肥大化してしまったと考えるべきなのでしょうか。

 ワイズナー9・11後、大きな変化かありました。NSAは外国に対する諜報機関として設
 立され、その技術を本国においてアメリカ人に対して利用することはできないと考えられて
 いました。しかし一九セ○年代、NSAやCIA、FBIが、国内で大規模な監視活動を行
 っていたことが発覚しました。市民権運動のリーダー、女性運動、黒人の学生団体、反戦活
 動家などが対象でした。これは大スキャンダルとなりました(※20)。その結果、NSAが
 アメリカ国内で監視を行うことは、法律で厳しく制限されました。

 アメリカ国外での監視(※21)について言えば、NSAはこれまでも長きにわたって、あら
 ゆる情報を収集してきました。その理由はテロリズムではありませんでした。長期にわたり
 正当化事由は冷戦といういわば外部の脅威でした。照準を定めた核兵器が世界中に配備され
 ているという事態が例外的な監視権限を正当化していたのです。冷戦後9・Hが起こると、
 突然、テロ対策が巨大な予算のための新たな正当化事由となりました-詞『。確かに脅威が
 存在しないわけではありません。しかしスノーデン氏が指摘する通り、テロリストによって
 殺される確率よりバスタブで溺れる確率の方が高いのです。テロの脅威は、政府が毎年80
 0億ドルを費やして対策すべきほどの脅威なのか、改めて考えるべきです。

 情報当局にとってはテロの危険は大きければ大きいほど良いわけですが、私はこれをズ貿威
 という燃料〃と呼んでいます。諜報機関という装置が自らの存在を正当化するために必要
 する燃料です

 第7節 アメジカにおける政府の監視をコントロールする仕組み

 アメリカ政府が実施してきたテロ対策としての監視は、膨大な個人情報を集めること自体が
 自己目的化した問題の多いものであることが語られてきました。他方で、オバマ大統領の説
 明にもある通り、監視が常に許されないわけではありません。国家の安全を守るため、監視
 技術が有用に働く場合があることは否定できません。重要なことは、劇薬である監視技術を
 いかに適正に用いるか、そのコントロールの方法です。
 スノーデンは法律を破ることで民主的な監視の監督制度を再活性化した。

 井桁 アメリカでは、プライバシーなどの人権と監視による安全のバランスを取るためにど
 のようなシステムを導入しているのでしょうか。法律や裁判所の監督、議会における監視シ
 ステムなどいろいろとあると思いますが、まず、地元警察の監視を監督するシステムについ
 てマリコーヒロセ氏に伺い、その後に連邦政府についてワイズナー氏に伺います。

 ヒロセ 前提として、監視と日常的な法執行は異なることを意識する必要があります。地元
 警察の主な活動は発生した犯罪を解決することです。犯罪を捜査し、検察官に事件を送致し、
 最終的に事件が裁判所で審理されるという一連のシステムに基づくものです。うまく機能し
 ないこともありますが、少なくともこの確立したシステムが警察に対する監督としても機能
 しています。

 監視はまったく異なります。警察が解決すべき犯罪は発生していません。監視プログラムに
 終わりはないわけです(※23)。そのため、地元警察が行う監視プログラムに関しては、監
 督のメカニズムに大きな問題が生じています。日常の法執行のためのシステムが、監視のメ
 カニズムの文脈では必ずしもうまく機能しないからです。

 ワイズナー アメリカには連邦政府の諜報機関を監督するメカ平ズムがあります。議会には
 独立委員会(PCLOB)が存在し、NSAとCIAを監督しています(※24)。
また、法
 執行目的ではなく海外における諜報活動のための監視を承認することのみを職務とする諜報
 監視裁判所司(Feign llltelligelKe Surveillance Court)という特別裁判所も存在します。
 スノーデン氏は、これらのメカニズムがまったく機能していないことを敦えてくれました。
 1970年代に、当時発生した先ほど述べたような問題の解決策としてこれらのメカニズム
 が創設されたのですが、40年後の現在、このメカニズムがむしろ足かせとなってしまって
 います。これらのメカニズムには期待できません。今必要なことは、NSAの活動について
 市民が十分に理解することです。

 例を挙げさせて下さい。2013年、スノーデン・リークの直後、オバマ大統領は「心配な
 い。NSAの活動は、三権、すなわち行政府、議会、裁判所のすべてによって承認されてい
 ます」と述べました(※25)。確かにその通りです。そしてそれこそが問題なわけです(※
 26)。人々の間で議論が深まると三権のいずれもが立場を変えました。大統領は、これらの
 プログラムの一部は不要かもしれないと言い出しました。裁判所は、これらのブログラムの
 一部は違法かもしれないと言いました。議会は、諜報監視活動を制限するための法案を通過
 させました。政府の監視権限が制限されるのは1978年に監視権限が認められて以来初め
 てのことです。皮肉なことに、スノーデン氏は法律を破ることで、三権それぞれに本来の仕
 事に取り掛からせて、民主的な監督制度を再活性化したのです。

    スノーデン以前、諜報監視裁判所のチェック体制は機能していなかった 
          
 井桁 ワイズナー氏のお話は、三つの国家機関がそれぞれ監督に失敗しており、そのことが
 スノーデンーリークによって暴かれたという話だと思います。具体的にどのように失敗をし
 ていて、それがどのように暴かれて今修復をされつつあるのか、宮下先生に補足いただけれ
 ばと思います。

 宮下私は、2012年から2013年にかけてアメリカのボストンにおりまして、私が帰国
 した直後にボストン了フソンのテロ事件がございました。アメリカにおける監視活動のチェ
 ック機能を見てきましたけれども、アメリカにおいては先ほどお話がありましたように、一
 般には、司法がまず大きな役割を果たしていると思います。ところが残念なことに、諜報監
 視銃判所ではチェック体制がほとんど機能しておりませんでした。令状がくれば右から左に
 それを許可していたのです。アメリカ司法省の統計では、2012年に1789件の電子監
 視の令状請求が来たものの、一件だけしか却下しなかったというような調査結果もございま
 す(※27)。

 また、先ほどスノーデン氏も指摘したPクラブ(編集部註:PCLOBのこと)という独立
 監視機関がありますが、これは大統領に直接進言できる機関です。ところが、この機関も監
 視プログラムがここまで大規模になされていたことを事前に知らされておらず、結局事後的
 な報告書を提出したにとどまるという状況でした。

          外国人を対象とした監視プログラムはいまだに続いている

 井桁 スノーデン・リーク以後は少しずつ改善されつつあるという話がありました。どのよ
 うに改善されつつあるのでしょうか。
 宮下 第一に、215条プログラム、すなわちアメリカ国民を対象とした電話のメタデータ
 収集プログラムについては、2015年6月に成立したフリーダムアクトという法律(編染
 部註:アメリカ自由法のこと)により停止になったということを先ほどワイズナー氏にも確
 認しました。

 ただ一方で、私たち日本人が気を付けねばならないのは、702条プログラム、これは外国
 人を対象とした別のプログラムなのですが、こちらはいまだに続いているということです(
 ※25)。だからこそ、EUではセーフハーパー決定の無効判決という厳しい形で、外国人を
 監視の対象とするブログラムを止めるというような判決を出したという経緯があります。日
 本では残念ながら、立法府、司法府のいずれにおいても、日本人も対象となっているこのア
 メリカの監視ブログラムについての活発な議論や審理がこれまでなされていません(忠29),

  自由な社会がこれまでに生み出した唯一の有用な解決策は、独立のメディア

 井桁 今まさに、アメリカ政府においても改善の途上だとは思いますが、ワィズナー氏から、
 監督のためのシステムのあるべき姿、あるいは重要な視点についてお話しいただければと思
 います。

 ワイズナー これは民主主義における難問です。正当な秘密というものが存在することを前
 提とし、他方で民主主義においては重要な決定は市民のインフオームド・コンセントに基づ
 いて行わなければならないとすると、衝突が生じます。たとえば戦争は、政府が秘密とする
 ことに確固たる理由がある一方、市民の名の下に政府が何をしているかについて市民が知ら
 なければならないことの最たるものです。

 自由な社会がこれまでに生み出した唯一の有用な解決策は、独立したメディアです。自由な
 社会であれ権威主義的な社会であれ、政府は自らに都合の悪い情報を隠蔽する傾向がありま
 す。情報を公開すると困ったことになったり、説明責任を問われたりするので、情報を隠す
 傾向にあるのです。これは宮原が悪者だからというわけではありません。それが人間の性で
 す。

 ここにこそメディアの役割があります。政府による情報の管理に対抗し、適切な形で情報を
 市民に伝えるという役割です。スノーデン氏が述べていた通り、すべてを公開すればよいと
 いうことではありません。肢は、日本に関するいくつかの質問に答えませんでした。それは
 メディアの仕事だからです。メディアは何か公益に責するかに関する専門家です。政府の利
 益と市民の知る権利のバランスを図るのに最も適した人たちです。
 もちろん国家の統治機関も必要です。より効果的な議会、より効果的な司法も必要です。そ
 れはもちろんですが、しかし強力で独立したメディアがなければこれらの組織は効果的に活
 動できないでしょう。

                                   この項つづく

 

     

 なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.18       

     ● 対談3 新しい現実をつくる  

   『原発廃炉には、政府から会計上のサポートが必要』     

 Jan. 17, 2013 

         小宮一慶(こみやかずよし) 株式会社小宮コンサルタンツ代表取締役

1957年大阪府生まれ。京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。84年から2年間、アメリカ・
ダートマス大学エイモスタック経営大学院に留学。MBA
取得。帰国後、同行で経営戦略情報シ
ステムやM&Aに携わったのち、岡本
アソシエイツ取締役。この間、93年にはUNTAC(国連 
カンボジア暫定統治
機構)選挙監視員として、総選挙を監視。94年には日本福祉サービス(現在
セント
ケア)企画部長を経て、95年に小宮コンサルタンツを設立、現在に至る。著書に『財務
諸表を読む技術わかる技術』(朝日新書/2010)『問題解決の教
科書リーダーのための仕事
力 向上講座』(PHP研究所/ 2011『社長
の教科書』(ダイヤモンド社/2010)な
ど多数。

  再生可能エネルギーをつくる技術を育成していく

  小宮 そうです。産業の空洞化がいわれますが、国内でどういう産業を育成していくかとい
 うことを考えないといけないわけですね。航空宇宙だとか、精密機械だとか、そう
いう分野
 はもちろんですが、一番有望なのは再生可能子羊ルギー、それも最先端の再生
可能エネルギ
 ーをつくる技術を育成していく。こうしたチャレンジは日本にとってすご
くいいことだと思
 います。
それには2つのことがいえます。1つは、日本に資源がないばかりに、いま、LN
 G(液化天然ガス)の輸入が急増し
ていて貿易赤字の大きな原因になってしまっています。
 再生可能エネルギーはエネル
ギーを輸入する必要がないわけですから、そういった意味では
 貿易収支の改善につなが
ります。
 2つ目は、再生可能エネルギー関連の製品を輸出できるようになれば日本の貿易収支は改善
 します。それを世界中に輸出できれば、きれいなエネルギーをつくり出す技術を世界中に提
 供できるわけですから、私はほんとうに素晴らしいことじゃないかなと思います。

 鈴木 再生可能エネルギーで新しいエネルギーをつくっていく、電気をつくると同時に、そ
 れとはまた別にエネルギーを、電気を賢く使うという方法があるように思いますが。
 小宮 3月11日の、震災があった直後から、関東地方はみんな節電したじゃないですか。
 駅なんか暗くなりましたが、慣れるとこれでいいんじゃないかと思いました。私は仕事柄よ
 く地方へ行くのですが、地方によっては「いやあ、ずいぶん明るいなあ」と思うことがあり
 ます。だから、企業もそうですが、ある程度慣れということが大事だと思います。

 鈴木 私ども中小合祭の経営者は、既械を買いますと、ものにもよりますが、財用年数が10
 年としますと、それを15年、20年、どうやって長く使うかと考えるのが習い性になっている
 わけですね。ところが、技術革新が進んでいるので、10年前の冷蔵庫に比べると3割くらい
 少ない電気で勤いてしまう、だったら、それを入れて節電すればいいはずなのですが、どう
 しても、ここでソロバン勘定しちゃうんです。つまり、どこかで「原発勣くんじゃないの?」
 「そうしたら電気代が下がっちゃう」「それでは損しちゃう」とい
 うようなことでようすをみて
 しまうんです。

 小宮 この近くに四ツ谷駅がありますが、このごろ、少し明るくなったと思うんです。
 それはね、節電をやめたわけじゃなくて、照明をLEDに替えたんです。明るくなったうえ
 にかなりの節
電になっているとうので、そういう前向きな設備投資をしていくということも、
 企業にとってすごく大事
 なことだと思いますよ。

 鈴木 経営者の立場からすると、そういうインセンティブというのがもっとあると、たぶん、
 流れが一気にそっちへいくような気がします。

 小宮 だから、エネルギーを節約できる新しい技術に対しても、政府から補助金が出るとか、
 そういうのがあればいいですよね,

 鈴木 原発は使わないと決めたら、みんな真剣になって新しい冷蔵庫に動く。たとえば30
 0万かけたら3年、5年で元を取ると考えるようになります。結果として電力使用
量が下が
 るわけです。新しいビジネスチャンスが生まれてお金がまわっていきます。

 小宮 そうですね、その通りだと思います。それによって、そういうものをつくっている会
 社がよくなるわけですからね。当座のエネルギー使用量も減るということですよね。が働い
 ているような気がしますね。

 小宮 そもそも経済学的に独占を許しだのは、大規模に発電したほうが経済的にスケールメ
 リットがあるからなんですね。もちろん、安定供給もありますけれども、独占を許したのは
 50年も、60年も、場合によっては戦前の話みたいなものじやないですか。それから一層技術
 革新が進んでいるのに、まだ独占を許して、その独占によって得られた過剰な利益が、電力
 会社の待遇改善に使われているというのはたいへんばかげた話ですよ。それでいてね、電力
 が足りないから電気料金を土げますという、それもまたおかしな話で、もうちょっと供給体
 制に対して工夫するとか、そういうことが大事だと思います。

 鈴木 国の経済の貿易収支とか、マクロ的な視点で子不ルギーを取り上げて、そのなかで原
 発とか、再生可能エネルギーとかは、どういう位置づけになるのでしょうか。
 小宮 いま、貿易赤字になっていて、2011年度で4兆4000億円、名目GDPの1パ
 ーセント弱の貿易赤字なんですね。2010年は、円高で輸出が伸びなかったこともあるん
 ですが、やっぱりLNGの輸入が増えたという部分がけっこう大きいのです。

 私はエネルギーの専門家ではないのでよくわからないのですが、産業を成り立たせるた
めに
 燃料がある程度必要なのは問違いないんじゃないですか。もちろん、節電するとい
うことも
 大切だけれども、それでも足りるかどうかわからない。

 やはり、LNGを使うのは火力発電ですから、排熱を利用して動力・温熱・冷熱を取り出し
 総合エネルギー効率を高めるコジェネレーションとか、そういうことをやって
いかざるを得
 ないのではないでしょうか。LNG自体がBTU(英熱量)だと結構高い
レベルですよ。B
 TU16ドルとか18ドルぐらいで買っているんですね、アメリカでシェー
ルガスが出て、同じ
 ものがBTU2ドルくらいで売られている、そういうことを考える
と、いろんな条件がある
 んですが、LNGの価格が下がっていく可能性がかなり高いよ
うな気がします。

 再生可能エネルギーがもっとも理想的ではあるんですが、シェールガスを輸入していくうえ
 で問題になっているのは何かというと、一つは米国には日本に輸出するための液
化基地がま
 だないことなんです。液化してタンクに詰めて待ってくるわけですから船に
積めない。もう
 一つはアメリカはエネルギー戦略上TPPに加入しない国には売らないとしていること。だ
 けど、日本はアメリカにとって最大の同盟国の一つですから交渉でクリアできると思うし、
 逆に交渉しなかったら政府の存在意義がなくなってしまいます。



 結論をいうと、当面、数年間とか、5年間くらいは値段が下がってくるLNGの火力発電で
 まかないながら、原発のある立地のところに再生可能子不ルギー、風力でもいいし、地熱で
 もいいし、太陽光でもいいから、再生可能子不ルギーをつくっていくことによってある程度
 カバーしていくのがいいんじやないか、というふうに思っているんです。もちろん、技術的
 な問題はありますが。
 そうすると、LNGの価格が下がってきて、再生可能子不ルギーの発電量が増えてきて、貿
 易黒字を確保できるんじやないかと思うんです。

 鈴木 時間がかかるけれども、原発よりもいいというわけですね。
 小宮 原発のもう一つ大きな問題は、日本では核燃料の最終処理の問題がまったく手つかず
 だということですね。だから、そのことを考えても、この先も長期間数多くの原発を稼働し
 つづけるというのは、将来の私たちの子どもとか孫の世代まで迷惑をかける可能性があるの
 で、できるだけ早く原発はやめたほうがいいんじゃないかとは思います。

 鈴木 使用済み核燃料が処理できないという状況がありながら、まだ、政府のなかに将来的
 に原発比率を30バーセント維持するという声があるというのは、普通に考えてもおかしいと
 思うわけですが、どうしてこんな論理が生まれてくるのでしょう。
 小宮 政府の考え方としては2つあると思うんですよ。一つは電力不足に対応したいという
 こと、もう一つは既得権益を守りたいということだと思います。
 原子力行政に携わっている人だとか、原発の技術者は職を失うわけですし、政府機関に関係
 する学識者などの人たちにしても立場を失うわけですから、必死で抵抗したくなるんじゃな
 いでしょうかね。ぼくらから見ると、他のことをすればいいのではないかと息いますけど、
 自分の存在意義を失うというのは個人としてはきびしいでしょうねえ。

 鈴木 たとえば再稼働にしても、リスク了不ジメントという観点からすると、大飯原発にし
 ても、どこにしても、とにかく原発を動かして、万スまた福島原発のような事故が起きたら、
 どうなってしまうのだろうかと思います。
 いま、実際に稼働しようとしているところは実は「3・H」のときと状況はまったく変わっ
 ていないわけです。このように改善しますというプランが示されただけですからもし万一の
 ことがあれば、大飯原発であれば琵琶湖の水が使えなくなるといったことが現実に起こりえ
 るわけです。
 浜岡原発であろうと、泊原発であろうと、もう一回、福島第一原発のような事故を起こして
 しまったら、その周辺だけの問題では済まないことになり、国際的な信用も地に堕ちてしま
 います。
 だから、年内で二番電力を使う夏に、少しがんばってみんなで工夫してやろうよと努力して
 みるリスクと、どっちを取るか。笞えは言うまでもなく明らかではないですか。

 小宮 そうした観点からすると、私はさっきから再三申し上げているように、ほんとうに安
 定性の高い原発を2年間ぐらい稼働させるというのが現実的じゃないかなと思うんですね。
 この夏がんばろうということで、また上目会社に出て働くという選択肢もあると思うんです
 が、2年の間に再生可能エネルギーなり、LNGの火力発電なりを役人して、2年間で原発
 をやめてしまう。もちろん、その2年間にリスクはある、地震があったら、テロに遭ったら、
 そのときどうするんだというのはあると思います。10基になるか、5基になるかはわかりま
 せんが、産業を維持できるくらいの最低限を2年とか3年とか限って稼働させるのです。

 いずれにしても、口本国政府にとって大事なことは、「原発はやめる」と決めることだと思
 うんです。いますぐかどうかは別として、とにかくやめることを決めて、2年後か、3年後
 かはわかりませんが、その間に必死に知恵を出す。先ほどいわれたようなリスクを最小限に
 しながら、変えていくというのが大事かなと思います。

 鈴木 ちょっと、また、観点を変えますと、この国の経済の発展のためにはどうしても原発
 が必要だという方がたくさんおられます。その大前提が経済というのは未来に向かって成長
 していかないとダメ、経済が成長することによってみんなが幸せになる、こういうような、
 思い込みのようなことが語られているわけですが、歴史を見ると経済が成長したことが必ず
 しもみんなが幸せになることに結びついていません。逆の場合もあったでしょうし、特に日
 本という国はこれから人口が減少するわけですから、そういう中でGDPで表現される経済
 の規模というものも、もしかしたら縮小していくのかもしれないと思うのです
 小
宮 縮小しますよ、このままいったら。



  原発がなくても経済は成長できる

 鈴木 経済というのは成長していかないといけないという神話みたいなものと、それと原発
 の話がセットで語られているんですね。経済ってほんとうに、成長しないといけな
いものな
 んでしょうか。

 小宮 結論からいうと、今の目本の状況であれば、成長させないとダメなんです。ただし、
 私は原発がなくても成長させられると思っています。
では、なぜ成長させないといけないか
 というと、日本政府は膨大な債務を抱えていて、
それが対名目GDP値でギリシャが170
 パーセント、イタリアが120パーセント、
日本は200パーセントなんですよ。電力危機
 云々というよりも、このままでは日本は
国内でデフオルトが起きる。そのことを非常に恐れ
 ているんです。ギリシャで起きてい
ることが日本でも起きるんじゃないかと、それをすごく
 恐れています。 

 そこで調べたところ、過去20年間に主要60カ国でまったく経済成長していない国は日本だけ
 なんです。その間に政府の債務だけがどんどん増えていってしまいました。実はアメリカと
 同じだけ成長していれば何も問題はなかったんです。アメリカは平均3パーセント程度成長
 しているんですが、それでしたら20年で倍ぐらいにはなりますよ。それが自然なんです。
 債務の問題がなければ、日本は人口が減少していくわけですから、一人当たりの豊かさが変
 わらないんだったら、GDPはそれほど伸びなくてもよかったわけです。しかし、人口が減
 っていくなかで累積債務だけがどんどん増えていくから、子どもたち、孫たちが、すごく大
 変な目に遭う可能性が生じているのですね。

 それからもっと言うと、雇用という観点からも、ある程度の経済成長というのは必要だと思
 います。ただし、これも原発がないと成長しないというのは、あまりにも知恵のない話です。
 なぜなら、原発のない時代でも経済は成長していたわけですから。電力がないと経済成長し
 ないということは少しはいえるかもしれませんが、原発がないと成長しないというのはいた
 だけません、鈴木さんが言われたように再生可能エネルギーに変えていくだとか、節電を工
 夫するとか、その工夫のなかにまた新たな産業が生まれるわ発電で全体の20パーセントをま
 かなっている<風力発電のいいところはまず燃料を輸入しないでいいことです。デンマーク
 というのはおもしろい国で自動車の消費税が180バーセントなんです。コペンハーゲンで
 も通動している人の80パーセントは自転車なんです。デンマークには自動車産業がないの
 で、車を買うとしたら輸入車ですから、結局、貿易赤字をいかに避けるかということがデン
 マークの高福祉の原点の1つなんです。
 だから、いかに外貨を稼ぐかということが日本においても、経済を維持するためにすごく大
 事だと思うんです。そういう観点から国内産業を育成して、強い産業をつくって、輸入を減
 らせるような産業構造をつくっていくことが大事なんじやないかと思います。 
 強い産業をつくってそれを世界中に広めていくというのは目本にとってはすごくいいことだ
 と私は思っています。

                                   この項つづく



【下の句トレッキング:わが衣手に 雪はふりつつ】

  

     君がため春の野に出でて若菜つむわが衣手に雪はふりつつ 光孝天皇

                              
あなたに差し上げるために、春の野原に出て若菜を摘んでいる。その私の着物の袖に雪がしきり
に降り
かかっている。

I have come to the spring meadows to pick herbs for you. The spring snow falls endlessly on my kimono
sleeve.


 
● 今夜の一曲
『春一番』

   Bougainvillea

 

コメント
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