極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

新時代を突き抜ける

2023年08月30日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。


Image:CNET

核融合エネルギーも俺に任せろ ①
さぁ、ポジティブ・シンキングで新時代を開拓?ひらこう
核融合エネルギー解放に未来を託せるか?
2022年12月、太陽がエネルギーを生み出す“核融合反応”を人工的に作り
出す核融合発電、アメリカの研究所が、投入エネルギーを上回るエネルギ
ーを取り出すことに初めて成功(これは、1989年の常温核融合騒動ではな
い)。2006年には世界各国によるITER協定が署名されました。一昨年
からはフランス南部で核融合炉の組み立ても始まっており、コロナ禍で作
業に遅れも出たが現在は順調に進み、2035年に核融合の運転開始予定。な
ぜ、核融合が注目されている?のかは以下のとおり。



ERESTAGE LAB 2023.8.9 via  YouTube

核融合エネルギ-は、水素やヘリウムのように軽い小さな原子核を持った
原子やその同位体の、原子核同士の融合によって取り出されるエネルギー。
その反応を核融合反応と呼び、本来、原子核の安定度は鉄を中心に、軽い
小さな原子核は融合する事でより重く大きく、反対に重く大きい原子核は
分裂する事で軽く小さくなったほうが自身の持つエネルギーが少なくて済
むので安定となる。原子力発電の核分裂反応は、ウランのように特に重い
元素を利用している。核融合反応では反対に小さく軽い原子核を持つ水素
やヘリウム、そしてその同位体である重水素や三重水素、ヘリウム3を利用
する。しかしヘリウム3は地球上にほとんど存在しない極めて入手が難
しい。
さて、核融合エネルギーの使い方は、核分裂エネルギーと同様に平和利用
と軍事利用に分けることができる。 



図.セントラル ソレノイドは、ITER の中心にある 5 階建て、1,000トン
 の磁石。 これは32マイルの超電導ケーブルで構成され、ITERのプラズマ
 内に1,500万アンペア(住宅内の電流の数百万倍)の電流を流す。

【平和利用】
将来実現の期待される未来技術として、核融合反応に基づく熱エネルギー
によって発電を行なう核融合炉がある。核融合炉は「地上の太陽」とも呼
ばれ、きわめて希薄なエネルギー密度の太陽に比べて核融合炉のエネルギ
ー密度は桁違いに高い。実現は上手くいっても数十年先と言われてきたが、
近年では、米国・英国を中心に核融合スタートアップが総額数千億円の投
資を受けて実用化をめざしており、2022年12月には、米国ローレンス・リ
バモア国立研究所で、発生したエネルギーが投入量を上回る「純増」を初
めて達成するなど、技術的にも画期的な進歩が続いている。また: 将来実
現の期待される未来技術として、核融合反応に基づく熱エネルギーによっ
て発電を行なう核融合炉がある。2022年12月には、米国ローレンス・リバ
モア国立研究所で、発生したエネルギーが投入量を上回る「純増」を初め
て達成するなど、技術的にも画期的な進歩が続いているなお、2023年7月30
日に再成功している。



出所:建設進むITER~核融合計画・最新状況 NHK解説委員室
2022.09.07

【軍事利用】
水素爆弾(水爆)という核爆弾・大量破壊兵器で使われている。実験を除
けば、まだ本来の用途である大量破壊には使用されていない。水爆の起爆
に核分裂反応である原子爆弾が使われているが、核融合炉で使用するヘリ
ウム3も原子炉内でリチウム6に中性子を当てて三重水素を作り、これが
ータ崩壊してヘリウム3を得る方法
が考えられている。

 量子核物理学

実は既に短時間・小規模な核融合反応自体は実現していて、ITERはこ
れをより大型化・効率化した「実験炉」と呼ばれるもので、縦横高さが30
メートルもある巨大な装置だが、「効率よく安定して核融合反応を起こす」
技術の蓄積が目的で、発電などはまだ行なわず、これがうまくいったら今
世紀中頃に発電も行う「原型炉」のを建設した上で各国が商業的前段階に
突入する。
大きな理由として、現在の原子力と共通するが二酸化炭素を出さず大量の
エネルギーを生み出せるので温暖化対策になる点。ただし、いま急がれて
いる温暖化対策は「2050年にC二酸化炭素排出を実質ゼロ」という時間軸
に、そこには間に合わず(わたしは112歳ですが)、あくまでその先の将来
的な脱炭素社会を支えるエネルギーと期待されている(2047年には平均気
温2℃上昇到達の予想されている)。さらに、核融合では現在の原発と違
い高レベル放射性廃棄物が出ない、それらの最終処分場をどこに建設でき
るか悩む必要がない、という長所もある。原発ではウランが核分裂して高
レベルの放射性物質ができるのに対し、核融合ではヘリウム(放射能レベ
ルが比較的低い廃棄物は出る)。もうひとつは、燃料が豊富で国際情勢の
影響も受けにくいことがある。ITERの燃料になるのは水素の一種であ
る放射性同位体のトリチウムなどで、これらは海水からほぼ無尽蔵に作り
出せる


核融合が実際に世の中に普及するための課題
核融合を起こすこと自体は既に可能ではあっても、実用化するにはより効
率よく安定的に核融合を続ける技術の確立が必要。日本は技術面でもIT
ER計画に大きく貢献している。それが、核融合を起こすための強力な磁
場、磁石の力で水素を封じ込めるための「超強力な磁石」など多くの重要
部品供給に日本の製造力が貢献する。ITERの技術者など職員数では日
本人は3%。これは欧米のみならず韓国より少ない。核融合の実現は、先
日亡くなったゴルバチョフ氏ら米ソ首脳が冷戦の終わりに合意して始まっ
た「国際協調」と「原子力の平和利用」の事業(プーチン・ロシアの反動
抑止)である。



2023.5.15

スプーン1杯の水素で原油8トン分エネルギーが生まれる
核融合技術で新エネルギー開発に取り組む、京都大学発スタートアップ
の京都フュージョニアリング ➲環境ビジネス 2023年 夏季号

究極のエネルギー源とも呼ばれ、今後数百万年にわたり人類にエネルギー
を供給することが期待される核融合(フュージョン)エネルギー。京都大学
の有する最先端の技術力を生かし核融合エネルギーの実現を加速する、同
社の挑戦とは。 安全性が高くクリーンなエネルギー。脱炭素実現へ向け、
安全かつクリーンで供給量を十分満たす新しいエネルギーが求められる中
究極のエネルギーソリューションとして期待される核融合エネルギー。
世界のエネルギー問題と環境問題を 根本的に解決する力を持つ核融合エ
ネルギーが“究極のエネルギ ー源”と呼ばれる所以。

世界各国の研究機関は、次世代クリーンエネルギー〈核融合〉の実現へ向
け長年にわたる技術開発を続けている。ただ、科学的根拠に基づいた着実
なステップアップを求められる公的機関では、素晴らしい技術があっても
あまりにチヤレンジングなことはできない。脱炭素が待ったなしの状況と
なった今、これまでに積み上げられた技術や知見をベースに“新しい核融
合炉" の建設を目指す民間企業が世界中で登場している。米国では近年の
飛躍的な技術進歩で実現の可能性が増したことから  2021年に民間投資が
公的投資を大幅に上回った。リスクを取ってイノベーティブな技術を加速
的に実現していくのがスタートアップの使命と、 京都フュージョニアリン
グの中原大輔氏。核融合プラントエンジニアリングの専門家集団 2019年
10月に設立した京都フユージョニアリングは、 プラントエンジニアリング
会社として、核融合発電プラントに必要となるコンポーネントや技術を開
発する。  

核融合ではまずプラズマを作る必要がある。核融合反応を起こすために投
入したエネルギーと核融合反応で発生したエネルギー比率を示すQ値をい
かに高くするか。多くの核融合スタートアップがこのプラズマコアの分野
にチャレンジする中、同社では京都大学の有する炉工学の知見と技術力を
活かし、プラズマ周辺にフォーカスする。米国、欧州、日本。現在さまざ
まなスタートアップがプラズマコアにチャレンジしている
が、これだけで
は、手頃な値段で民間が実際に使えるようなエネルギーにはならない。プ
ラズマ周辺を我々が実現することで、一緒になって商用核融合を実現して
いく。日本には数十年の核融合炉開発の歴史があり、その技術を活用し、
核融合エネルギーを人類が利用できるエネルギーに転換していくとのこと。
核融合エネルギーの実用化には、ま だ見ぬ核融合プラント機器の開発がそ
のカギを握る。燃料資源に縛られない無尽蔵の発電、二酸化炭素を排出し
な い水素・液体燃料の産出、大気中から の二酸炭素回収・固定。京都フ
ュージョニアリングでは国内パートナー企業 と共同し、最高品質の核融合
プラント機器を開発、世界中の顧客に提供する。

最も高い水準の要求を満たす各種炉心 要素技術の研究開発を行う同社は、
プラズマ加熱装置、熱取り出しブランケット、高性能熱交換器水素同位体
廃棄循環装置をはじめ、一連の特殊プラント機器群において世界有数の技
術力を有す。

核融合プラントエンジニアリングの専門家集団として、世界の核融合プラ
ント開発に対し、プラントその ものの設計とシステムデザイン、さらに
は機器コンポーネントの設計・構築 に取り組んでいます」  2021年11月
には、英国の公的研究機験施設に提供。 世界をリードできるポテンシャ
ル。同社では2022年8月、世界で初めて核融合発電システムによる発電を
試験するプラント『UNITY』の基本設計を完了。2024年末の発電試験
開始に向けた建設プロジェクトに着手。同プラントにおいて、同社の核融
合プラント機器、プラントエンジニアリング技術を統合的に実証すること
で、核融合の商用化に向けた未踏 の炉工学製品群を開発していく。  
世界が脱炭素へ向け突き進む中、化石燃料や原子力に依存する時代はいず
れ終焉を迎える。それらが使えなくなった世界において、今と同じ豊かな
生活を何で実現するのかの解を人類はまだ持っていない。大陽光も風力も
変動が大きいので、核融合だけが、ある意味、唯一の解になるのではない
かと考える。核融合発電について、米国のスター トアップ等は2030年代前
半の実現を目 指している。また、英国の公的機関は 2040年をターゲット
にしたプログラムを進めている。米国では近年、核融合の 実現ぱ「聖杯
を手にするようなもの」とも言われている。
「核融合における日本の技術は素晴らしく、現状はトップレベルかと思う。
事実、世界協力で建設が進むITER計 画の主要な機器は日本から幅広く
納入されていまる。日本が核融合をどう実現していくかには世界が注目し
ており、界をリードできるポテンシャルを持っていると自負する。



【最新特許議技術事例】
1.特開2008-64641 鋼又はフェライト鋼中の窒素同位体濃縮による放射
 性
核種の低減方法 独立行政法人 日本原子力研究開発機構
【要約】
鋼またはフェライト鋼中の窒素14の濃度を減らして、窒素15を95%
濃縮とし、運転期間を30年、稼働率を50%とした場合の、生成放射性
核種である炭素14の濃度を評価すると、炭素14の浅地埋設基準値であ
る7x107Bq/kg以下とすることができた。核融合炉の炉構成材であ
る鋼またはフェライト鋼において、放射線照射によって生ずる炭素14の
生成量を減らし、使用済みの炉構成材を浅地埋設可能な低レベル放射性廃
棄物(LLM,Low Level material)に分類される材料を得る。

図8.アウトボード側フェライト鋼における炭素14濃度を示す図であり、
 窒素15濃度は天然存在比(0.37%)と95%濃縮であり、日本における低レベ
 ル放射性廃棄物分類のための炭素14濃度の規制値は3.7 ×107 Bq/kgで
 ある。
【概要】
本発明は、鋼又はフェライト鋼中の窒素同位体濃縮による放射性核種の低
減方法に関するものであり、特に、核融合炉で使用される炉構成材の低放
射化フェライト鋼中の放射性核種である炭素14の生成量を減らすために、
フェライト鋼中の窒素同位体である窒素15を濃縮することにより、浅地
埋設可能な低レベル放射性廃棄物(LLM, low level material)にすることから
なる、放射性廃棄物中の放射性核種を低減する方法に関するものである。
また、フェライト鋼以外の一般鋼においても中性子照射に曝される箇所で
使用された結果、その鋼中に放射性核種の炭素14が生成される場合でも、
その使用済み鋼を浅地埋設可能な低レベル放射性廃棄物として廃棄できる
ようにするものである
【背景技術】
日本では放射性廃棄物は原子力安全委員会が定めた上限値を一つでも上回
る核種が含まれていると、浅地埋設可能な低レベル放射性廃棄物(LLM, low
level material
)には分類されない。これらの上限値を一つでも上回る核種が
含まれているものは、中レベル放射性廃棄物(MLM, medium level material)
に分類され浅地埋設することが出来ない。炭素14は半減期が5730年であり、
LLMに分類する上で重要な核種である。日本における炭素14の濃度がLLM
分類のための上限値は3.7 × 107 Bq/kgである[非特許文献1]。
日本原子力機構では、核融合炉の研究を行っており[非特許文献2-5]、低放
射化フェライト鋼は核融合炉(実証炉やそれ以降の商業炉など)において、
その高温条件下での耐放射線特性などから、構造材の有力な材料である。
強度や信頼性の為には、(7-9)%Cr-2%W-Feなどのフェライト鋼中の窒素濃
度はある程度以上必要である。炭素14の生成を抑制するために、原子力機
構で開発を進めてきたフェライト鋼(F82H)の初期の窒素濃度は20ppmである
が、機械的強度をより高めるために窒素濃度を増やすことが検討されてい
る。
【非特許文献1】Y. Seki, T. Tabara, I. Aoki, S. Ueda, S. Nishio, R. Kurihara,
Composition adjustment of low activation materials
for shallow land burial, Fusion
Eng. Des., 48 (2000) 435-441.

【非特許文献2】K. Tobita, S. Nishio, M. Enoeda, M. Sato, T. Isono, S. Sakurai
et al., Design Study of Fusion DEMO Plant at JAERI, Fusion Eng. Des., 81 (2006)
1151-1158. 【非特許文献3】T. Hayashi, K. Tobita, S. Nishio, K. Ikeda Y. Nakamori,
S. Orimo, Neutronics assessment of advanced shield materials using metal hydride-
and borohydride for fusion reactors, Fusion Eng. Des., 81 (2006) 1285-1290.
【非特許文献4】K. Tobita, S. Nishio, S. Konishi, S. Jatsukawa, Waste management
for JAERI fusion reactors, J. Nucl. Mater. 329-333 (2004) 1610-1614.

【非特許文献5】T. Hayashi, K.Tobita, S. Nishio, S. Sato, T. Nishitani, M. Yama-
uchi, Possibility of tritium self-sufficiency in low aspect ratio tokamak reactor wit-
h the outboard blanket only, to be published in Fusion Eng. Des..

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
核融合炉では、鋼又はフェライト鋼中の窒素14の天然存在比が99.63%であ
るので、14N(n,p)14C核反応により窒素14から炭素14が生成される。それゆ
え窒素14濃度を減らし、窒素15を濃縮することは、炭素14の抑制に効果的
である。本発明では、核融合炉において、炭素14の生成量を減らし、浅地
埋設可能な低レベル放射性廃棄物の割合を増やすために、フェライト鋼中
の窒素同位体窒素15の濃縮の効果を調べることに基づいて発明された。
【課題を解決するための手段】 
本発明は、鋼又はフェライト鋼中の窒素同位体濃縮による放射性核種の低
減方法に関するものである。 特に、フェライト鋼を使用する核融合炉にお
いて、炉構成材中の炭素14の生成量を減らし、浅地埋設可能な低レベル放
射性廃棄物(LLM, low level material)の割合を増やすための低放射化フェラ
イト鋼(RAFS, Reduced-activation ferritic steel)中の窒素同位体濃縮の効果を
調べた。炭素14は放射性廃棄物を低レベル放射性廃棄物(LLM)に分類す
る上で重要な核種である。強度や信頼性の為にフェライト鋼製造時に窒素
を添加する必要があり、本発明においてはフェライト鋼中の窒素濃度は200
ppm
とした。一方、核融合炉材では窒素14の天然存在比が99.63%であるの
で、14N(n,p)14C核反応により炭素14が生成され、フェライト鋼中の炭素14
の濃度が浅地埋設上限値(3.7 × 107 Bq/kg)を超えてしまう。
核融合炉構成材における窒素15濃縮は、炭素14の抑制に効果的である。窒
素15濃縮により、核融合炉の第一壁および固定ブランケットの内面の炭素
14濃度は、それぞれ3.2 × 107および1.0 × 107 Bq/kgになり、浅地埋設
上限値を下回った。この結果から炭素14濃度に関しては、窒素15濃縮
により炉構成材中の窒素濃度を200ppmにしても核融合炉で使用したすべて
のフェライト鋼は浅地埋設可能である。

【発明を実施するための最良の実施形態】 
窒素15に富んだ鋼又はフェライト鋼を得る手法は次のようである。鋼又
は  フェライト鋼中の窒素15濃縮は圧力スイング吸着法を使用して行われ
ている。即ち、気体を吸着により分離する際、平衡関係から、圧力が高け
れば吸着量が多く、圧力が低くなると脱着が多くなる。この原理を利用し
て、様々な成分の混合ガスから目的とする製品ガスを、吸着剤との吸着力
の差および圧力変動を利用して分離精製する技術である。この技術の鋼又
はフェライト鋼中の窒素15濃縮への適用としては、窒素15のアンモニア分
子(NH3)と同じ大きさの孔を持つ吸着剤(ゼオライト)を用い、ガス
の圧力を変化させて窒素15アンモニア分子を選択的に濃縮回収し、この
濃縮された窒素15を用いて鋼又はフェライト鋼を製造することにより、
窒素15に富んだ鋼又はフェライト鋼とする。
【実施例】 
図1にトカマク型核融合炉の断面図および計算モデルの概略を示す。アウ
トボード側には交換ブランケットおよび固定ブランケットを設置し、イン
ボード側には設置場所の制限から交換ブランケットのみとした。平均の中
性子壁負荷は3.6 MW/m2とした。フェライト鋼の組成を表1に示す。窒素濃
度は200ppmとし、窒素15濃度を天然存在比の0.37%から95%に濃縮し、炭素1
4生成濃度への影響を調べた。 
【表1】

図1に示されるように、核融合炉では、プラズマが、インボード側(図中
の半径=0~4mで示される領域)の第一壁とアウトボード側(図中の半
径=8~13mで示される領域)の第一壁との間に発生し、そのプラズマ
から発生する中性子がインボード側とアウトボード側に設けられた第一壁、
ブランケット及び遮蔽等に入射される。その結果、この入射中性子により、
第一壁、ブランケット及び遮蔽等を構成するフェライト鋼中の炭素又は窒
素同位体から炭素14が生成される。計算モデルでは、インボード側の第
一壁表面又はアウトボード側の第一壁表面を基点とし、入射中性子による
フェライト鋼中の炭素又は窒素同位体の炭素14への生成状態を図2等に
おいて示している。

図1.トカマク型核融合炉の断面および計算モデルの概略を示す図

(1)インボードおよびアウトボードの中性子束の比較
図2に核融合炉で発生したプラズマからの中性子束の計算結果を示す、
(a)は核融合炉のインボード側に関するものであり、(b)はアウトボード
側に関するものである。インボード側の中性子束はアウトボード側より低
い。それゆえ炭素14濃度に関する議論はアウ トボード側の機器を主な対象
とする。

図2.核融合炉の中性子束の計算結果を示す図であり、(a)はインボード側、
  (b)はアウトボード側である。

(2)アウトボード側フェライト鋼中の炭素14濃度
炭素14が生成される核反応を図3に示す。炭素14は炭素12,炭素13,窒素14
および窒素15から生成される。

図3.炭素14が生成される核反応図
炭素14は炭素12,炭素13,窒素14および窒素15から生成される。

図4. 図4(a)にフェライト鋼中の炭素14の濃度を示す。横軸はアウトボ
 ード側第一壁表面からの距離である。窒素15の濃度は天然存在比(0.37%
 )である。運転期間は2年運転でその間の稼働率は80%とした。第一壁に
 おける炭素14濃度は7.8 × 107Bq/kgである。図4(b)は炭素14の生成に
 対する、窒素14、窒素15および炭素13の寄与度を示す。ほとんどすべ
 ての炭素14は窒素14を起源としていた。窒素15の寄与度は0.14%以下であ
  り、深くなるにつれて、その寄与度は小さくなった。

これらの結果は、窒素15濃縮は炭素14生成の抑制に効果的であることを示
している。 窒素15を95%濃縮したフェライト鋼を用いた場合の炭素14濃度
およびそれぞれの核種の寄与度を図5(a)(b)に示す。窒素15濃縮後の窒素1
4濃度は5%である。窒素15濃縮により第一壁にける炭素14濃度は7.8 × 10
7から3.2 × 107 Bq/kgに減少した。窒素15濃縮により炭素14の生成量は41
%に減少した。この41%と窒素14の濃度である5%との差は窒素15に起因する
炭素14によるものである。
図5(b)において、窒素15の寄与度は第一壁においては支配的であるが、深
くなるにつれて減少している。フェライト鋼中の窒素15濃度(95%)は窒素14
濃度(5%)よりもかなり大きいが、深い領域では窒素15の寄与度は小さくな
り、窒素14の寄与度を下回っている。未濃縮窒素に対する窒素15濃縮窒素
における、
炭素14濃度の比を図6に示す。もっとも大きかったのは第一壁表面で、その
値は0.4であった。この比は深くなるにつれて減少し、深い領域では0.1以下
になった。炭素14の生成量を減らすためには、深い領域での窒素15濃縮が、
より有効であったのは注目に値する。
                           この項つづく
  
風蕭々と碧いの時

 

John Lennon Imagine

POPの系譜を探る:2023年代】

 

milet(ミレイ)は、日本のシンガーソングライター。 生年月日などプロ
フィールは未公表。所属事務所はソニー・ミュージックアーティスツ。早
稲田大学文学部卒業。早大ではにゃんこスターのアンゴラ村長と同級生で
あり、互いに面識がある。 好きな動物はハイエナ。天王寺動物園のハイエ
ナが凄く可愛いと語っている]。映画『ライオン・キング』では悪者扱いさ
れているが、実は仲間思いで狩りも凄く上手だと知り、好きになったと語
っているが、熊は嫌い。 好きな映画は『2001年宇宙の旅』『スリ』『穴』
『タクシードライバー。アニメ「刃牙」が好きで観ながら食事をする。魔
法使いに憧れを抱いている。行ってみたい国はシンガポール。 食欲旺盛で
3人前食べてしまうこともある。好きな食べ物はグミ、馬刺し。馬刺しは、
山梨に家族でよくドライブに行き食べていたと語っている。2020年、新型
コロナウイルス感染予防に伴う自粛期間中に、苦手であった納豆とアボカ
ドが食べられるようになったと語っている。また、同時期に元々興味のあ
った手話の勉強を始めたことを報告している。ステージに立つ前は唐揚げ
を4個食べるが、東京オリンピック2020の際は緊張で1つしか食べることが
できなかったと語っている。喉が油でコーティングされて歌いやすくなる
そう[28]。 趣味は歩くことで、時間がある時はスカイツリーや東京タワー、
羽田空港まで6〜9時間程歩いて行くことがある。筋肉質らしく「Drown
のMV撮影でアメリカへ行った際に、前日に重い荷物を多く持ったため撮影
時に筋肉がついていたと語っている。
J-POPもテクノポップ・シティーポップ・和楽をベースにと様々な洋楽と
 マルチメディアに融合し巨大な渦を形成し進化している。歌自体は英語
 日本の母音を旋律をあわせ同調させることで、ボーダレスにシンクロさ
 せる独自の9技法を海だし、シンクロにしている。Da-iCEなでおもそうであ
   るように、日本が歌詞の共有化も進展していくだろうと感心する。

今夜の寸評:J-POPの世界化?!

 

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源氏物語 異和論

2023年08月29日 | 日々草々

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

[生活用品革命:ボディソープ考]


この猛暑で、庭木の手入れ、町内美化の草刈りで一日に三回シャワーを浴
びるこT5おがあり、タオルと石鹸で洗い落とすのが面倒で足元を洗うに
風呂台座で洗うのもまた、石鹸置き場から出し入れするもの手間がかかる
が、界面活性剤が皮膚に過剰なのストレスを加掛ける。流し残しの恐れ、
構成物資によるアレルギー症発症の恐れなどのデメリットがある。
【技術事例】
1.特開2021-38174 低毒性人体用洗浄剤、及び低毒性人体用洗浄液 
  チバンライフ株式会社
[技術分野]低毒性人体用洗浄剤に関し、詳しくは細胞毒性作用の低い界
面活性剤を主成分とする低毒性人体用洗浄剤、及び該洗浄剤を配合成分中
の主成分として含有する、洗髪等に伴う皮膚障害を著しく軽減することが
可能なシャンプー等の低毒性人体用洗浄液に関する。

【概要】 近年、人体および環境を清潔に保つため、多種多様の洗剤が使
用されている。人体に関しては、シャンプー、ボディーソープ、フェイシ
ャルソープ、クレンジングなどが日常的に用いられている。これらの洗剤
の主成分は界面活性剤である一方で、界面活性剤が引き起こす皮膚毒性あ
るいは健康被害は古くから指摘されてきた。界面活性剤は皮膚から身体に
容易に体内に入り込み、様々な細胞毒性や皮膚疾患を生じることも知られ
ている。また、シャンプー(洗髪料)の過剰使用は薄毛や脱毛を引き起こ
すことも知られている。これは、界面活性剤が頭皮の毛包へ進入し、毛根
細胞にダメージを与えるためである。とくに、アトピーや薬物過敏症、ア
レルギー性皮膚炎をもつ消費者に対しては、従来のシャンプーは強力な毒
物となる。このように、従来の洗髪料は皮膚細胞へ与える細胞毒性を十分
に考慮して来なかった。また、シャンプーを構成する界面活性剤成分の細
胞毒性を定量化したデータも存在しなかった。洗浄成分として界面活性剤
を含む低毒性の人体用洗浄剤であって、界面活性剤が特定のポリオキシエ
チレンソルビトールと脂肪酸の多価エステルと、ソルビタン脂肪酸エステ
ルのポリオキシエチレンエーテルの混合物を該界面活性剤の主成分として
含むことを特徴とする、細胞毒性が低い界面活性剤、該界面活性剤を用い
た細胞毒性が低い低毒性人体用洗浄剤、さらに該低毒性人体用洗浄剤を用
いた細胞毒性が低いシャンプー、ボディーソープ、フェイシャルソープ、ク
レンジングなどを提供する。

【発明の効果】
本発明の低毒性人体用洗浄剤は、細胞毒性を著しく抑えたものである。該
低毒性人体用洗浄剤を含有するシャンプー等の低毒性人体用洗浄液を継続
して使用することにより、シャンプー等の構成成分による毛根細胞や頭皮
細胞へのダメージを最小限に抑え、シャンプー等による脱毛効果や皮膚障
害の軽減を期待できる。低毒性人体用洗浄剤は、従来のシャンプーに劣ら
ない洗浄能力を有している。 また、該シャンプーは、細胞毒性の低いトリ
ートメント成分および頭皮細胞の増殖を促進するハーブ類を含むことがで
きる。これにより、本発明の低毒性人体用洗浄剤は、毛髪頭皮の効果等洗
浄効果に加え、毛髪のハリ・コシを改善する効果、毛髪に湿度やしっとり
感を与える効果等が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】  洗浄成分として界面活性剤を含む低毒性の人体用洗浄剤で
あって、該界面活性剤が、 下記構造式(1)で表されるポリオキシエチレ
ンソルビトールと脂肪酸の多価エステルと、 下記構造式(2)で表される
ソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテルとの混合物(但
し、ソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテルの含有量が
0の場合を含む)を該界面活性剤の主成分として含むものであり、 該界面
活性剤のID50(30分処理で細胞の50%を死滅させる濃度)2000
μg/mL以上であることを特徴とする低毒性人体用洗浄剤

【化1】 000013 (1)式中、六つのX基の少なくとも一つはCORx基
であり、残りのX基は水素であり、CORx基中のRxは炭素数4~300の
飽和脂肪酸基、または炭素数16~24の不飽和脂肪酸基である。また、
ソルビトールに縮合させたエチレンオキシドキ基の合計(a+b+c+d
+e+f)の平均は、10から150の範囲内である。


【化2】 000014 (2)式中、R1、R2、R3の何れか一つは炭素数4
~30の飽和脂肪酸基、または炭素数16~24の不飽和脂肪酸基であり
、残りの二つは水素、または炭素数4~30の飽和脂肪酸基、または炭素
数16~24の不飽和脂肪酸基である。また、ソルビタン脂肪酸エステル
に縮合させたエチレンオキシドキ基の合計(x+y+z+w)の平均は、
10から150の範囲内である。
【請求項2】 前記ポリオキシエチレンソルビトールと脂肪酸の多価エステ
ルが、テトラオレイン酸ソルベス(a+b+c+d+e+f)の合計の平
均は10~150であり、6個のX基の内、何れか四つがオレイン酸基で
あり、残りの二つは水素である)であることを特徴とする請求項1に記載
の低毒性人体用洗浄剤。
【請求項3】 前記ソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレンエーテ
ルが、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート20
:R1=ラウリン酸、R2=H、R3=H)、モノステアリン酸ポリオキ
シエチレンソルビタン(ポリソルベート60:R1=ステアリン酸、R2
=H、R3=H)、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポ
リソルベート65:R1=R2=R3=ステアリン酸またはパルミチン酸
)、 オレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80:
R1=オレイン酸、R2=H、R3=H)のいずれかであるか、またはこ
れらのポリソルベート混合物であることを特徴とする請求項1又は2に記
載の低毒性人体用洗浄剤。
【請求項4】 請求項1~3のいずれかに記載の低毒性人体用洗浄剤を配合
成分中の主成分として含む低毒性人体用洗浄液であって、該低毒性人体用
洗浄液の前記ID50が2000μg/mL以上であることを特徴とする
低毒性人体用洗浄液。
【請求項5】 前記低毒性人体用洗浄液が含有する、前記低毒性人体用洗浄
剤に由来するポリオキシエチレンソルビトールと脂肪酸の多価エステル、
又は該多価エステルと前記ソルビタン脂肪酸エステルのポリオキシエチレ
ンエーテルとの混合物の含有量が乾燥固形分として0.1~80質量%であ
ることを特徴とする請求項4に記載の低毒性人体用洗浄液。
【請求項6】 アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活
性剤、または両性界面活性剤の少なくとも一つを補助洗浄成分として含むこ
とを特徴とする請求項4又は5に記載の低毒性人体用洗浄液。
【請求項7】 前記補助洗浄成分が、ラウロイルアスパラギン酸Na、ジラ
ウロイルグルタミン酸リシンNa、コカミドプロピルベタイン、コカミド
DEA、及びサーファクチンNaから選択される一以上の成分であること
を特徴とする請求項6に記載の低毒性人体用洗浄液。
【請求項8】 前記補助洗浄成分の含有量の合計が、乾燥固形分として0.3
~10質量%であることを特徴とする請求項6又は7に記載の低毒性人体
用洗浄液。
【請求項9】 毛髪保湿成分、毛髪トリートメント成分、毛髪栄養成分、頭
皮保湿成分、頭皮栄養成分の少なくとも一つを乾燥固形分として合計0.1~
90質量%含むことを特徴とする請求項4~8のいずれかに記載の低毒性
人体用洗浄液。
【請求項10】 前記低毒性人体用洗浄液が、シャンプー、ボディーソープ、
フェイシャルソープ、またはクレンジングから選ばれるいずれかの形態を
有することを特徴とする請求項4~9のいずれかに記載の低毒性人体用洗
浄液。 



【内容】
植木屋も知らない、「木を枯らさない、正しい剪り方」がある!年1回でも、思い立
った時でも、対処できる剪定法。
【目次】
1 剪定とは?
2 木がダメになる「素人切り」
3 たった1つの正しい剪り方―CODIT(コジット)理論
4 切る枝と残す枝を見分ける
5 剪定の極意
6 樹種別剪定のコツ
7 人と木の関係を考える
---------------------------------------------------------------------------------------------------
【おれの剪定日誌 :剪定概論 ②】
切り方と腐朽瓢の侵入の関係
1.寸暴切りを還ける
前述のように、いわゆる「ブツ切り」をすると、腐巧菌が侵入しやすくなる。

2.切る位置と角度を謝らない
 特に大技の剪定・技下ろしは切断位置と角度を十分に吟味する。
 ノコギリで技を切り落とすのは簡単だが、いい加減な場所で切ると巻け
ず幹の内部にまで腐朽を呼び込んでしまう。
腐朽が進ひと将来的に大技が枯れて落下したり、倒木したりする危険がある
ので、十分な知識と技術が必要。

3.適度な切断角度を知る
 「だいたい斜めに切ればよかろうjという長堤ではよくない。
 切り口の角度が急すぎても甘すぎても木にダメージを与える。
 A、B、Cはすべて悪い切り方で、正しい切り方はDのみである。

4.切断ラインの出し方
 具体的な切断ラインの決め方は、まず切ろうとしている枝の「通り」(
 芯)を出す。次に枝の又の部分にあるバークリッジのすこし上のところ
 から、枝の通り大して垂直になるなるように線を引くBを描くが地面に
 対水平ではないという(?)。次にBの唯とバーククリッジライン(C)
 を2等分するDの錐が截断夫となる。このラインを守って技を落とせば
 腐朽菌の侵入を最小限に抑えることになると説明さしているが、もうひ
 とつ理解できないので残件扱いにする。




※ コジット理論ルールってこういうことなのかと初めて知る。これは、
 ユーチューブを早速見ることに。これは「目から鱗」。理論実践がつづ
 いているここで保留しておく。
                           
                             
 

  



【再エネ革命渦論 158: アフターコロナ時代 159

技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中 ㊵


ディスプレイの画像比較(イメージ図)
従来品(約40µmピッチ:参考)(左)と 新商品(6.3µmピッチ)(右)

SSS,1.3型OLEDマイクロディスプレー発売
ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)は,4K(3,552×3,840)の高解像度に
よりリアルな空間再現に貢献する大型で高精細な1.3型OLEDマイクロディスプレ
ー「ECX344A」発売へ(➲ 第4次産業 画像処理・見える化)


出所:ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(SSS)

一般的にディスプレーデバイスにおいて,高解像度化を進め画素数が増えると,
画素ごとの輝度などの特性にばらつきが生じ,画質が劣化する(トレードオフ)。
この製品は,トランジスタのレイアウトやプロセスを最適化し、さらに独自のばら
つき補正回路を採用。これにより、DCI-P396%カバーした広色域と高輝度の両
立を実現し、高精細とあわせることでリアルな映像による没入感を高めた体験を
実現。
※デジタルシネマ向けにアメリカの映画制作業界団体 Digital Cinema
Initiatives
が策定した、RGB色空間の規格の1つ。



これにより,トランジスタ特性のばらつきを改善し,4Kの解像度を有しな
がらも均
一な輝度特性による高画質を実現した。さらに,新開発の高速駆
動用ドライバー
回路を実装することで,毎秒90フレームの滑らかな映像を
実現。また,この高画質性能を1.3型の大型なディスプレーで実現したこと
により,搭載製品における広視野角な映像表現を実現。VR/AR向けヘッドマ
ウントディスプレーにおける体験価値向上に向け,この製品では,残像感
を低減させた滑らかでクリアな映像を提供するために,毎秒90フレームの
高フレームレートに加え,画素の発光時間を従来比で1/5(Duty 20%駆動)
と短くした、一方で5,000cd/m2の高輝度を実現する独自技術を生かすこと
により,Duty 20%駆動においても,一般的に搭載製品の明るさとして求め
られる1,000cd/m2の輝度を実現することで,明るさと残像感の低減を両立
させる。さらに、また,4K高解像度を表示するためには,搭載製品側で高
いデータ処理能力が必要になる。搭載製品側の負荷を軽減するために,用
途に合わせて選べる3つの表示モードも用意。

【関連特許事例】
1.特願2022-23839 表示装置および電子機器 ソニーセミコンダクタソリ
 ューションズ株式会社
【概要】 下図1のごとく、表示装置は、基板と、基板上に設けられた第1
の有機EL素子と第2の有機EL素子と第3の有機EL素子を含む複数の
有機EL素子と、を有する。複数の有機EL素子の各々は、反射板と、光
路長調整層と、第1電極と、有機層と、第2電極と、第3電極と、を有す
る。第2電極は有機層と第3電極との間に設けられ、複数の有機EL素子
のうち、隣接する有機EL素子の第1電極間に画素間絶縁層が設けられる。
第3電極は、断面視において、画素間絶縁層の傾斜面に対応する領域を有
する。少なくとも1つの反射板は、第1の層と、第2の層とを備え、第1
の層の上面の一部は、第2の層に覆われず露出しており、第1の層の反射
率が第2の層の反射率より低く、かつ、第2の層に覆われず露出している
第1の層の上面の一部が、領域と積層方向において重なる、色純度の低下
を抑制することができる表示装置を提供する。



図1、本開示の第1の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示す断面図
【符号の説明】
 10、30、40、50、60、70、80、90 表示装置 11 駆動
基板 11A 基板 11B 薄膜トランジスタ 11C ゲート電極 11D ド
レイン電極 11E ソース電極 11F ゲート絶縁層 11G 半導体層 1
1H 層間絶縁層 12 絶縁層 12A コンタクトプラグ 12B 第1の絶
縁層 12C 第2の絶縁層 12D 第3の絶縁層 12E 配置層 13、
33、53、63、93 反射板 13A、53A、63A、93A 下地層
13B、33B、53B、63B、93B 反射層 13B1 内側部分
13B2 周縁部分 13S、33S、53S 対向面 14 光学調整層
14A 光路長調整層 14B 光路長調整層 14C 光路長調整層 15 第
1の電極 16 画素間絶縁層 16A 開口 17 有機EL層 18 第2の
電極 18M 蒸着源 19 保護層 20 充填樹脂層 21 対向基板 33St
91St 段差 33SA、53SA、91SA 側面 63B2 光吸収層
81 マイクロレンズ 91 吸収層 91M 蒸着源 92 積層膜 100R、
100G、100B 有機EL素子 101R、101G、101B サブ画
素 102R、102G、102B 共振器構造 310 デジタルスチルカ
メラ(電子機器) 320 ヘッドマウントディスプレイ(電子機器) 33
0 テレビジョン装置(電子機器) A1、B1 第1の領域 A2、B2 第
2の領域 A3 第3の領域

<1 第1の実施形態>
[概要]
有機EL層がすべてのサブ画素にわたって共通に設けられると共に、共振器
構造を有する表示装置では、画素間絶縁層の開口の横方向にキャリアがリー
クし、画素間絶縁層上でも有機EL層が発光する現象が見られる。特に、低
電圧を電極間に印加した場合に、この現象は顕著である。
上記構成の表示装置では、画素間絶縁層の開口は、第1の電極上に設けられ
ているため、画素間絶縁層より上層に形成される各層において、画素間絶縁
層の開口に起因する段差がサブ画素間に生じる。また、上記構成の表示装置
では、各色のサブ画素ごとに反射層と第1の電極との間の光学調整層の厚さ
が相違するため、光学調整層より上層に形成される各層において光学調整層
の厚さの相違に起因する段差が、隣接するサブ画素間に生じる。したがって、
上記構成の表示装置では、画素間絶縁層の開口と光路長調整層の厚さの相違
起因する段差の影響により、画素間絶縁層の開口の周縁部分における反射板
と第2の電極との間隔が、サブ画素の表示色に対応する共振長とは異なって
しまう。
上述したように、上記構成の表示装置では、画素間絶縁層上でも有機EL層
が発光すると共に、画素間絶縁層の開口の周縁部分における反射板と第2の
電極との間隔が、サブ画素の表示色に対応する共振長とは異なっているため、
画素間絶縁層の開口部分とは異なる色の光が、画素間絶縁層の開口の周縁部
分では取り出され、色純度の低下が発生する。すなわち、画素間絶縁層の開
口の周縁部分では、段差とキャリアのリークに起因した色度の諧調の悪化が
発生する。
第1の実施形態では、反射板の反射率を領域に応じて異ならせることで、上
記色純度の低下を抑制することができる表示装置について説明する。

[表示装置の構成]
図1は、本開示の第1の実施形態に係る表示装置10の構成の一例を示す断
面図である。図2は、サブ画素101R、101G、101Bの構成の一例
を示す平面図である。図3は、図1の一部分を拡大して表す断面図である。
表示装置10は、図1に示すように、駆動基板11と、絶縁層12と、複数
の反射板13と、光路長調整層14と、複数の第1の電極15と、有機EL
層17と、第2の電極18と、保護層19と、充填樹脂層20と、対向基板
21とをこの順序で備える。
表示装置10は、トップエミッション方式(上面発光方式)の表示装置であ
る。対向基板21側がトップ側(表示面側)となり、駆動基板11側がボト
ム側となる。以下の説明において、表示装置10を構成する各層において、
表示装置10のトップ側となる面を第1の面といい、表示装置10のボトム
側となる面を第2の面という。
 (有機EL素子)
反射板13、光路長調整層14、第1の電極15、有機EL層17および第
2の電極18が、有機EL素子100R、100G、100Bを構成してい
る。有機EL素子100R、100G、100Bはそれぞれ、赤色光、緑色
光、青色光を出射する。 【0019】 有機EL素子100R、100G、
100Bはそれぞれ、図2に示す3色のサブ画素101R、101G、10
1Bを構成している。サブ画素101Rは、赤色を表示する赤色のサブ画素
である。サブ画素101Gは、緑色を表示する緑色のサブ画素である。サブ
画素101Bは、青色を表示する青色のサブ画素である。3色のサブ画素
101R、101G、101Bの組み合わせにより、1つの画素が構成され
る。

以下の説明において、有機EL素子100R、100G、100Bを特に区
別せず総称する場合には、有機EL素子100という。また、サブ画素10
1R、101G、101Bを特に区別せず総称する場合には、サブ画素10
1という。複数の有機EL素子100、すなわち複数のサブ画素101は、
駆動基板11の第1の面上にマトリクス状等の規定の配置パターンで2次元
配置されている。
(共振器構造)
機EL素子100R、100G、100Bにはそれぞれ、共振器構造102R、
102G、102Bが設けられている。複数の反射板13と第2の電極18
が、複数の共振器構造102R、102G、102Bを構成している。共振
器構造102R、102G、102Bは、マイクロキャビティ構造であって
もよい。共振器構造102R、102G、102Bは、規定波長の光を共振
させ強調し、出射する。具体的には、共振器構造102Rは、有機EL層17
で発生された白色光に含まれる赤色光を共振させ強調し、外部に放出する。
共振器構造102Gは、有機EL層17で発生された白色光に含まれる緑色
光を共振させ強調し、外部に放出する。共振器構造102Bは、有機EL層
17で発生された白色光に含まれる青色光を共振させ強調し、外部に放出す
る。 反射板13と第2の電極18との間の光路長

(光学的距離)は、共振させる規定波長の光に応じて設定されている。より
具体的には、共振器構造102Rでは、反射板13と第2の電極18との間
の光路長は、赤色光が共振するように設定されている。共振器構造102G
では、反射板13と第2の電極18との間の光路長は、緑色光が共振するよ
うに設定されている。共振器構造102Bでは、反射板13と第2の電極18
との間の光路長は、青色光が共振するように設定されている。 
(駆動基板) 駆動基板11は、いわゆるバックプレーンであり、複数の有
機EL素子100を駆動する。駆動基板11は、基板11Aと、複数のゲー
ト電極11Cと、複数のドレイン電極11Dと、複数のソース電極11E、
ゲート絶縁層11Fと、半導体層11Gと、層間絶縁層11Hとを備える。
ゲート電極11C、ドレイン電極11D、ソース電極11E、ゲート絶縁層
11F、半導体層11Gおよび層間絶縁層11Hからボトムゲート型の薄膜
トランジスタ11Bが構成されている。
基板11Aの第1の面上に、複数の薄膜トランジスタ11Bを含む駆動回路
が設けられている。この駆動回路により、複数の有機EL素子100の発光
が制御される。基板11Aは、例えば、水分および酸素の透過性が低いガラ
スまたは樹脂で構成されていてもよく、トランジスタ等の形成が容易な半導
体で構成されてもよい。具体的には、基板11Aは、ガラス基板、半導体基
板または樹脂基板等であってもよい。ガラス基板は、例えば、高歪点ガラス、
ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、フォルステライト、鉛ガラスまたは石英
ガラス等を含む。半導体基板は、例えば、アモルファスシリコン、多結晶シ
リコンまたは単結晶シリコン等を含む。樹脂基板は、例えば、ポリメチルメ
タクリレート、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエーテ
ルスルホン、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート
およびポリエチレンナフタレート等からなる群より選ばれた少なくとも1種
を含む。基板11Aは、リジッド基板であってもよいし、フレキシブル基板
であってもよい。

ゲート電極11Cは、基板11Aの第1の面上に設けられている。ゲート電
極11Cは、例えば、アルミニウム(Al)等の金属またはポリシリコン等
を含む。ゲート電極11Cは、走査回路(図示せず)と接続されている。ゲ
ート絶縁層11Fは、ゲート電極11Cを覆うように基板11Aの第1の面
に設けられている。ゲート絶縁層11Fは、例えば、酸化シリコン(SiO
x)または窒化シリコン(SiNx)等を含む。 
半導体層11Gは、ゲート絶縁層11Fの第1の面上に設けられている。半
導体層11Gは、例えば、非晶質シリコン、多結晶シリコンまたは酸化物半
導体等を含む。半導体層11Gの一部の領域は不純物によってp型またはn
型にドープされ、ドレイン領域およびソース領域(いずれも図示せず)が形
成されている。ドレイン領域とソース領域との間、かつゲート電極11Cの
上方の半導体層11Gの領域には、チャネル領域(図示せず)が形成されて
いる。
層間絶縁層11Hは、半導体層11Gの第1の面上に設けられている。層間
絶縁層11Hは、例えば、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(Si
Nx)および酸窒化シリコン(SiON)等からなる群より選ばれた少なく
とも1種を含む。層間絶縁層11Hには、複数のコンタクトホールが設けら
れている。ドレイン電極11Dは、層間絶縁層11Hに設けられたコンタク
トホールを介して半導体層11Gのドレイン領域と接続されている。ソース
電極11Eは、層間絶縁層11Hに設けられたコンタクトホールを介して半
導体層11Gのソース領域と接続されている。ドレイン電極11Dおよびソ
ース電極11Eは、例えば、アルミニウム(Al)等の金属を含む。 
(絶縁層) 絶縁層12は、基板11A上に形成された薄膜トランジスタ11
B等の駆動回路上に設けられ、該駆動回路を被覆することで平坦化する。絶縁
層12は、図3に示すように、第1の絶縁層12Bと、第2の絶縁層12Cと
第3の絶縁層12Dとをこの順序で備える積層体であってもよい。絶縁層12は
、有機絶縁層であってもよいし、無機絶縁層であってもよし、これらの積層体
であってもよい。有機絶縁層は、例えば、ポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂
よびノボラック系樹脂等からなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。無機
絶縁層は、例えば、酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)お
よび酸窒化シリコン(SiON)等からなる群より選ばれた少なくとも1種を
含む。
絶縁層12は、複数のコンタクトプラグ12Aを内部に備える。コンタクトプ
ラグ12Aが、薄膜トランジスタ11Bと有機EL素子100とを電気的に接続
する。薄膜トランジスタ11Bは、コンタクトプラグ12Aを介して有機EL
素子100の発光を制御する。コンタクトプラグ12Aは、例えば、銅(Cu)
およびチタン(Ti)等からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む。
【0030】(第1の電極) 複数の第1の電極15は、絶縁層12の第1の面
上に設けられている。複数の第1の電極15は、絶縁層12の第1の面上にマト
リクス状等の規定の配置パターンで2次元配置されている。第1の電極15は、
アノードである。第1の電極15と第2の電極18の間に電圧が加えられると、
第1の電極15から有機EL層17にホールが注入される。隣接する第1の電
極15の間は、電気的に分離されている。第1の電極15は、絶縁層12に備
えられたコンタクトプラグ12Aに接続されている。

※紙面の都合上、割愛・中略

[作用効果]
上述したように、第1の実施形態に係る表示装置10では、反射板13は、
第1の電極15を介して有機EL層17と対向する対向面13Sを有する。
第1の領域A1における対向面13Sの反射率R1と第2の領域A2におけ
る対向面13Sの反射率R2が、R2<R1の関係を満たしている。これに
より、第2の領域A2において、第1の領域A1とは別の色の光が表示光と
して取り出されることを抑制することができるので、色純度の低下を抑制す
ることができる。したがって、色度の諧調の悪化を改善することができる。


出所:Stanford News Service

温冷暖房省エネのためのカラフルな低放射率塗料
【意義】
従来の塗料代替と普遍的な省エネソリューションの提供を目指し、カラフル
な低放射率塗料を開発。カラフルな視覚的外観を示しながら、赤外線(IR)波
長で低放射率(すなわち、高反射率)を示す二層コーティングを作製に使用で
きる。高い中赤外線反射率は、密閉された空間の放射断熱を大幅に強化し、
外部環境からの熱の増減を効果的に制御対応する一方、近赤外反射率が高い
と、暑い時期の太陽熱の増加が軽減される。この光学設計は、美的魅力を超
え、エネルギー節約と暖房と冷房にトレードオフ効果的なバランスし、屋内
の熱環境維持の年間エネルギー消費を逓減。その結果、暖房/冷房、省エネ、
カーボンニュートラルのメリット
を提供するものである。



【技術論文】
・原 題:Colorful low-emissivity paints for space heating and cooling energy
        savings
・掲載誌:PNAS、August 14, 2023
D O I :10.1073/pnas.2300856120:, US patent (Appl. No.: 63/355193).





『源氏物語』の作者および作品を深層で統御しているものは何か?
『源氏物語』を論ずるのは、ひとつの特定の物語、特定の作品を論
ずることではなく、作品そのもので物語、文学という概念を論ずる
ことである。―作品をつらぬく無意識としての“自然”、霊威=物
の怪に対する人々のありよう、また歴史物語『大鏡』や『栄花物語
』とのトポロジカルな同型性に着目し、作品の構造と深層を浮き彫
りにする。著者の方法意識がもっとも鮮明に発揮された、これぞ吉
本『源氏』論と評される古典論の代表作。

吉本 隆明【著】1982年 大和書房
目次
第1部 母型論
第2部 異和論
第3部 厭離論
第4部 環界論
附録 わが『源氏』
-------------------------------------------------------------------
「乙女」の巻を眼にみえぬ入り口にして、光源氏の子弟たちの世代が、作
品のなかを歩きはじめると、すぐに『源氏物語』の世界はまったく変容し
てしまう。光源氏が色好みの貴公子から、子弟のしつけに心をくばる親の
表情を浮べるようになったり、子供たちの世代が、それぞれにじぶんの言
葉を喋言り、大人びた恋を仕かけはじめるだけではない。物語自体が、変
わってしまうのだ。理想の地位と資質をもった美貌の主人公が、さまざま
な女性を遍歴して歩くという説話的な結構はまったくふっきられる。光源
氏は紫夫人といっしょに新しく造営された六条院のうちに住居をすえる。
それを中心に作品の登場人物はそれぞれの同心円のうえから、この中心に
かかわってゆく構成にきりかえられる。この構図は作者が意図したものに
ちがいない。古来からの説話物語にあこがれ、理想の宮廷の人びとの恋物
語を空想して、ひとりの輝やかしい閲歴をもった、美貌の、男女のたてひ
きをよく心得た主人公を設定して、語りを繰りひろげるといったモチーフ
は、しだいに表われてゆく

 物語の舞台は、いままで馴染んだ世界から脱けだして、現に作者が眼の
まえに体験し、見聞し、もの思いを強いられている宮廷生活の場面に移さ
れた。そのため野放図な空想ができなくなったということだろうか。作品
の世界の雰囲気が、どうしようもなく凋落し、登場人物たちはもはや、あ
の光の源氏でさえ、つめたく暗い異和のなかに沈んでしまうように感じら
れる。作品のこの変容は詰めいているが、この詰はどこに糸をひいてるか、
ほんとはしらされないのだ。ただこの詰のあるべき姿を、できるだけ露出
させてみることが、さしあたってできることにおもえる

 光源氏は葵夫人に生まれたじぶんのひとりきりの男子夕霧の元服のとき、
ほんとなら高官の子弟ははじめから四位の位階にずえておかしくないのに、
子の恨みがましい気持を誘っても、委細かまわずに六位の浅葱の祖を着せ
る。そればかりではない。「才を本としてこそ大和魂の世に用ひらるる方
も強う侍らめ。」(「乙女」)などといって、東の院のなかにこの子の部
屋組みを追って、誠実で学才ある師にたくして学問を強制させたりする。
 女性との優美な交渉ぶりばかりみてきた眼には、なぜおおらかで遊興的
な光源氏が、わが子にこれほど厳格に冷静に学問を仕つけ、低い位階にお
こうとするのかよく理解できない

 もちろん光源氏は、自家の高位と勢力をたのんで、子供たちが学問に励
みもせずに遊び暮し、それでもひとりでに泣か上って、じぶんも怪しまず
まわりも追従ばかりして、これを放任する。そんな状態をあたりまえみた
いに思うようになっては、よくないという見識を語りはする。だが読者は、
こういう見識を披樫してわが子にしつけを強いる光源氏に、いねば遊蕩好
きの父親が、唐突に真面目くさったことを子供に強制しだしたといったと
惑いを惑ずる。またなぜ学才を身につけるのが肝要だと、それほどわが子
に強いるのかよく理解できない。位人臣をきわめたほどの光源氏が、こう
いう見識をかくしもっているのは当然だ、すこしも不自然ではないといっ
ても意味をなさない。この作品の視線の変化は、語り手が光源氏の女性と
の交渉という局面から、ここで、親として子をしつける局面へ視線を移し
はじめたというのとちがっている。すべてが分別くさく、いじけた世界に
なっているのだ。世界のこの変貌は作者が意図した、あるばあいには意図
以上の変貌とおもえる。

 なぜかもう作者は、おおらかで微妙な情念のふるえを見逃がさずに、女
性だちとかかわ光源氏の華麗な姿を描いて、それがひとりでに感性的な調
和の世界になっており、愛恋の喪失さえも喪失とは感じさせずに、自然と
の和解になっている、あの手さばきを必然的に喪ってしまっている。作品の
世界をそんな予兆として読むのを余儀なくされる。
 作者になにが起ったのか? 語り手はどうしたのか? この謎はすぐに
解くことはできない。だが作者の内面になにかが起ったので、語り手に起
ったのでも、作品として語りの局面が変ったのでもないことは、すぐにで
も想像される。いままで調和と肯定の感性が作品の主調音だったのに、い
つの間にかちぐはぐした、せち辛い、眼のつまった、そしてしぼんだよう
な世界が現われてしまう。作品の人物はみんな、やることなすことちぐは
ぐになってしまい、心の方位は互いにゆき違ってゆく。そして世界には冷
たさや暗さが添うようになる。それと一緒に、光源氏は語りのなかでは主
人公であっても、作品のなかでは唯一の主人公であることをやめる。子息
の夕霧やその親友の柏木の右衛門督が、複数の主格として光源氏とならび
立つようになる。理想の容貌と挙措と地位をもつといえば、夕霧や柏木も
光源氏と同格だし、なにをやってもちぐはぐな凋落した世界に陥込んでし
まうといえば、光源氏もまた夕霧や柏木と一緒に、そういう世界に陥没し
ているのだ。

                     吉本隆明 著『源氏物語論』
                          第Ⅱ部 異和論

※文体が読むのも辛いので、エネルギーと体調と時間配分次第となる。

風蕭々と碧いの時

 

John Lennon Imagine

POPの系譜を探る:2023年代】

 

今夜の寸評:


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不確かな壁とその街と その1の8

2023年08月26日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。 



                   鬼灯や 滅びの淵で 赤々と
                       

後30年は大還暦前ではあるが、事故の拡大想定を考えるだけでも、経験し
た水俣病を遙かに巨大で複雑なことは察しがつくが、時間軸が長すぎる。
デブリ処理ですら想定出来るが、緻密な対策想定にかかる工数量も膨大。
これに、大規模気候変動、中南海大震災を加わればと考えるだけで気が滅
入る。故人を含め関係した政府・政治家や関連国民の引責だけでも膨大で
且つ、子々孫々まで渡ることになる。つまりは、やっかいなものを抱えて
しまったことを再認識する。           



【内容】
庭木を切るとき、「この枝を切っていいのだろうか」「失敗したらどうし
よう」などいろいろな迷いがあるが、監修者の安藤先生は「まずは、枯れ
枝を切る。そして不要枝を切ったら、全体を整える。剪定はこれだけ」と
剪定の基本を明快に説明。そしてもし失敗したときも「ゆっくり枝を育て
ていくつもりで切ればいいのです」など……じっくり樹木とつきあってい
く気持ちが大切だと述べている。本書は剪定の不安をなくし、どの枝を切
ればいいかひと目でわかる構成し、大きいイラストと文字でわかりやすく
説明。次はどんな木を植えようかなど、樹木選びにも役立ち、はじめての
方にも安心、剪定と樹木選びのための入門書。


【内容】
植木屋も知らない、「木を枯らさない、正しい剪り方」がある!年1回で
も、思い立った時でも、対処できる剪定法。
【目次】
1 剪定とは?
2 木がダメになる「素人切り」
3 たった1つの正しい剪り方―CODIT(コジット)理論
4 切る枝と残す枝を見分ける
5 剪定の極意
6 樹種別剪定のコツ
7 人と木の関係を考える
------------------------------------------------------------------
【おれの剪定日誌 ⑧:剪定概論 ①】
剪定方法とは「刈り込み」「透かし」「樹冠成形」

さまざまな目的で植えられる庭木ですが、ただ植えただけではその目的を
果たすことができない。生け垣はしっかりと境界や目隠しとしての役割を
果たすように形を整えなくてはいけない。観賞を目的にした木ならその木
が持つ樹形の美しさを保つために形をつくる必要があります。花木では、
季節になったら美しく花が咲くように、適切な位置で枝を切り詰めたりす
ることが肝となる。そういったそれぞれの庭木が持っている「役割」を十
分果たすよう、枝や葉にハサミを入れ、葉を落とし、枝を切り詰め、木の
形を整えるのが剪定だが、もうひとつ、広大な山野と違って、庭は限られ
た空間のなかで樹木を育てるとなると、どうしても高さや枝の広がりを抑
え、大きささを抑え、より美しい樹形をつくり、庭の広さにあった大きさ
にすることで、庭の美しさをつくり出すことにある。

「刈り込み」と「透かし」が剪定の基本
その技法には大きく分けて「刈り込み(剪定)」と「透かし(剪定」があ
り、刈り込みは、ハサミを樹冠の外側から入れて、木の大きさを抑えたり
全体的な樹形を整えたりする剪定の技法で、透かしというのは、ハサミを
木の内側から入れるという感じで、樹形を乱す不要な技を減らすこと。枝
を遠くことで、枝振りが見えるようになり、また木の内部の風通しがよく
なって病害虫の発生を予防できるようになります。なにより木の内部の日
あたりがよくなって、新しい芽が吹きやすくする。

刈り込みは毎年同じ面まで戻す?
生け垣は目隠しの意味もあるから、常緑の樹木を使うのが普通。生け垣の
剪定は、面をどれだけきちんと平らにするかという技術は必要ですけれど、
作業そのものはとても単純で、乱暴にいってしまえば、横の面の出っ張りを
刈り込んで、頭を平らに抑えればいいということになる。つまり外からハ
サミを入れて、刈り込んで平らに仕上げていく。 毎年同じ面まで、その
年に伸びた新柄の部分を刈り込んで、切った部分から新しい芽を吹かせれ
ば、長い間にわたって形を維持できるが、生け垣でも本来透かしによって
管理ができ、そのほうが刈り込みによって形を維持していくよりより長期
間維持が可能。手間はかかるんですが、木の内側にハサミを入れて枝を抜
きなかに光を入れるようにすれば、新しい芽が吹いて、枝が毎年更新され、
刈り込みより圧倒的によい姿になる。
【著者紹介】
木下透[キノシタトオル]
木下庭園管理代表。1958年、神奈川県生まれ。プロミュージシャンを経て
植木の世界へ。1989に会社を設立し、個人邸の庭を中心に剪定、造園設計・
施工に携わる。2021年に会社を解散し一人親方として庭師を継続中。剪定
You Tuberとしても活動し、登録者は約4.7万人、再生回数によっては100万
再生以上。2020年に横浜マイスターを拝命。県知事表彰、横浜市市長賞の
他、受賞歴多数。専門学校講師、各地での剪定講座などを通じ、確かな技
術と実績で後進の指導にもあたる。
------------------------------------------------------------------
【剪定理論 コジット理論とは】
ほぼすべての木に共通する、「たった1つの枝の剪り方」があるという。
CODIT(コジット)理論とは、アメリカのアレックス・L・シャイゴ博士(
Dr.Alcx L. Shigo)が提唱した剪定の理論で、Compartmentalization of Decay
ln Trees
の頭文字をとって名づけられた、「樹木の防衛層(壁)に間する理
論」である。俗に「
バークリッジ剪定法」ともいい、この論理に基づいた
樹木の剪定をすることで「腐朽菌の侵入や進行を最小限に抑えることが期
待」できる(木下通)。


Compartmentalization-Of-Decay-In-Trees.doc


CODITとは何か
【理論背景】
生物が非生物から発生する可能性がある自然発生の理論に沿って、科学者
たちは伝統的に木の腐敗が真菌の成長につながると信じていた。しかし、
細菌理論の出現により、20世紀初頭のドイツの森林官ロバー+ト・ハルテ
ィグは、その逆の理論を立て、樹木が傷つくと菌類が傷口に感染し、その
結果、木材が腐るという樹木腐敗の新しいモデルを開発。シゴはこの理論
を拡張して、木が傷つくと、感染した木材に化学的および物理的変化の両
方で反応して腐敗を制限すると主張し、これを区画化と呼称。樹木文化の
用語では、樹木が感染/腐朽菌の攻撃にどのように反応し、樹木全体の腐敗
の進行を防ぐかを定義。CODIT は生物学者で植物病理学者の Alex Shigo
よる最初の概念となる。木の腐朽に関する彼の研究は、現代の樹木栽培の
基準を向上させ、その中で彼は木の腐朽の広がりに対する4つの障壁につ
いて説明される。バリアゾーンとしても知られるバリアは、腐朽を閉じ込
め、樹木の維管束系を通した蔓延を防ぐのに最も効果的である。彼の研究
は、樹木が感染菌や腐朽菌の攻撃にどのように反応し、樹木全体の腐敗の
進行を防ぐかを定義。木は傷の周りに障壁で構成し、これらの障壁は壁と
呼ばれ、感染に対して異なる反応を示す4 つのタイプがある。感染した物
質を木の残りの部分から分離することで、感染の拡大を軽減し、木の健康
をより長く保つことができる。例えば、木を沈没船には亀裂があり、区画
内に水が侵入。船の乗組員はドアを閉めてそのエリアを密閉し、水が船全
体に広がるのを防ぎ、船の沈没、つまりこの場合は木が枯れるのを防ぐ。
CODITの4つの壁の1つは、4つの中で最も弱い、茎/枝の上下の腐敗の
動きを防ぐ血管系に形成された垂直の壁とされるが、細胞組織はティロー
シスによってブロックされ、損傷と腐敗の攻撃の両方に反応して木材の木
部にブロックを作り出す生理学的プロセス。

2番目に弱いのは接線壁。リグニンに富んだ細胞を通る内部への腐敗経路
に抵抗し、壁は木の年輪を構成する最後の細胞により形成される。光線細
胞の交差点を除いて、このプロセスは各年輪の周りで連続する。  

3つ目は この壁は、森の構造内の既存のレイセルを構成します。これらは、
パイのスライスと同様に、茎のセグメントを分割することによって、垂直
軸に対して垂直に放射状に広がる。放射状実質シートは非常に厚く、
実質
細胞が密集して形成さ。この壁は、迷路のような障壁を形成することで、
放射状の腐敗の動きを抑制します。これらの細胞グループは連続的ではな
いが、厚さ、長さ、高さが異なり、化学状態が変化することで微生物にと
って有毒になる可能性がある。この壁は、第4の壁が成長する前の最も強
力な壁である。


図.CODIT
壁のラベル via en.wikipedia

4つめ壁 最も強力な壁は、創傷を外側から密閉するために形成層によて
作られる新しい保護「バリアゾーン」であり、傷を閉じることで健全な木
材に腐朽がさらに浸透するのを防ぎぐ。これは傷を完全に覆うことができ
ない可能性がある。これは、外側に新しいたこができた中空の木が見られ
る場合である。この壁は、腐敗微生物にとって有害な有毒化学障壁を形成
することもある。
           Bartlett Tree Research Laboratories Technical Report
                                                              Compartmentalization Of Decay In Trees
                                                         Bruce R. Fraedrich, Ph. D., Plant Pathologist
    

  この理論が正しいのか。懐疑論すなわち<バリアゾーン>たるもの検証さ
れない事例が提出され、地政学的環境に依存するとせつめいするものある
が、この本の第三章では次のように展開させる。

 ここでいう正しい剪り方とはにの樹種は、この時期にこういう枝を剪
 りなさい]というような小難しい話ではない。ほぼすべての木に共通す
 る、「たった1つの枝の剪り方」である。
  本の切り方というのは、植木屋でも親方によって様々な流儀やこだわ
 りがあって十人十色であるし、うまいとか下手とかも好みの問題もあ
 るので、実のところ誰にもわからない。誰がどんな流儀でとう切ろうが、
 本は独自に再生し、数年も経てば剪定の痕跡すら消し去ってしまう。
 しかし、との植木屋の誰の枝の剪り方が正しいかは、剪り口を見れば
 ハツキリわかる。どんなに偉い園芸家でも、暇つぶしに自宅でチヨキ
 チヨキ剪定しているオヤジでも、守るべきルールは1通りの方法しか
 ないのである。 
  この本で最も伝えたいことの1つがCODIT(コジット)理論であ
 る。CODIT(コジット)理論とは、アメリカのアレックス・L・シャイ
 ゴ博士(Dr.Alcx L. Shigo)が提唱した剪定の理論で ComPartmentalization
  of Decay ln
Tree の頭文字をとって名づけられた、「樹木の防衛層(壁)に
 間する理論」である。俗に「バークリッジ剪定法」ともいい、この論理に
 基づいた樹木の剪定をすることで、「腐朽菌の侵入や進行を最小限に抑
  える」ことが期待できる。この理論を理解し実践することが、木を切る
 人間の責任であると思う。 
    筆者がCODIT(コジット)理論を知ったのは、1995年である。その
  後う年間、その理論を検証した後に自社のホームページで 2000年から
  紹介し、啓蒙活動を始めた。最近やっと樹木医や緑化関係者の中で周知
 されるようになってきが、植木屋でありながらこの理論を知らない業者
 も多い。
  筆者は30年以上たくさんの木を剪ってきた中で CODIT(コジッ
 ト)理論を意識して剪られた木といい加減に切られてきた木の違いを
 実感しているし、正しく剪った木の良好な行く末も確認してきた。経
 験上この理論は絶対に正しいと断言できるし、この切り方が「世間の
 常識」となるよう願っている。
  ハサミとノコギリさえあれば誰にでも木は切れるが、格好よく切るだ
 けでなく、「正しく剪る」ことが剪定の第一条件だと筆者は思ってい
 る。透かし剪定が得意でも切り戻し剪定が流儀でも何でもよい。ただ、枝
 を切ろうと思った時、ハサミを当てる位置、ノコギリを引く位置と角度
 は必ずCODIT(コジット)理論の剪り方を守ってほしい。

 「寸胴切り」と「切り残し」は最悪の切り方
 「寸胴切り」とは、いわゆる「ブツ切り」のことである。柱をブツ切りす
 ると、切り目からたくさんの新芽が出て一見、元気そうに 見えるが、次
 第に切り口が枯れた状態となりカルス(植物が傷を覆う細胞層)が 巻け
 なくなるので、そこから腐朽菌が侵入してしまう。柱を途中で切るの
 ではなく、できるだけ脇柱や葉っぱを残した位置で柱を切るようにし
 なければ ならない。また、脇柱を残して切っているつもりでも、ノコ
 ギリを引きやすいところで切って余分に柱を残してしまうと、そこか
 ら腐朽菌が侵入しやすくなる。だいたいこの辺だろうという気持ちで
 曖昧に柱を切ってはいけない。

        第三章 CODIT(コジット)理論の「正しい剪り方」
                          木下 透 著「剪定『コツ』の教科書」

ずぶの剪定作業が素人にとっては、「目から鱗」であり、やっかいなこと
になっTしまった。この続きは次回に。


  Part 1 Chapter 8

  そう、その世界では人はみんな影を連れて生きていた。ぼくも「きみ」
も自分の影をひとつずつ持っていた。ぼくはきみの影のことをよく覚えて
いる。人気のない初夏の路上できみがぼくの影を踏み、ぼくがきみの影を
踏んだことを覚えている。子供の頃によくやった影踏み遊びだ。どんなき
っかけがあったのか、ぼくらはいつしかその遊びを始めていた。二人の影
は初夏の路上ではとても黒く、濃密で生き生きとしていた。足で踏まれた
ら本当にその部分に痛みを感じてしまうくらい。もちろんただの罪のない
遊びに過ぎなかったけれど、そこでぼくらは真剣にお互いの影を踏み合っ
た。それがすごく大事な結果をもたらす行為であるかのように。  

 そのあとぼくらは堤防の陰になったところに並んで腰を下ろし 初めてキ
スをした。どちらが誘ったわけでもない。前もって予定していたわけでも
ない。明確な決意みたいなのがあったわけでもない。それはどこまでも自
然な成り行きだった。二人の唇はそこで重ねられなくてはならなかったし、
ぼくらはそういう心の流れにただ従っただけだ。きみは朧を閉じ、ぼくら
の舌先は微かに遠慮がちに触れあった。そのあとしばらく、二人の口から
言葉がうまく出てこなかったことを覚えている。ぼくもきみも、もしなに
か間違った言葉を口にしたら、お互いの唇に残った大切な感触が失われて
しまうような気がしたのだと思う。だから長いあいだぼくらは沈黙を守っ
ていた。そしてしばらくあとで、二人はまったく同時に何かを言おうとし
て、二つの言葉がぶつかり混じり合った。ぼくらは笑って、それからまた
少し唇を重ねた。 

 ぼくはきみのハンカチーフを一枚持っている。白いガーゼのような柔ら
かな生地でできたシンプルなもので、端っこにひとつ鈴蘭の花が小さく刺
繍してある。それは何かの析にきみがぼくに貸してくれたものだ。洗濯し
て返さなくちゃと思いながら、返しそびれてしまった。というか、ぼくは
半ば意図的にそれを返さなかった(もちろん返してくれと言われたら、忘
れていたふりをしてすぐに返していただろうけれど)。ぼくはよくそのハ
ンカチーフを取り出し、生地の感触を長いあいだ静かに手のひらに昧わって
いたものだ。その感触はそのまままっすぐきみに結びついていた。ぼくは
目を閉じ、きみの身体に腕を回して唇を重ねたときの記憶に浸った。きみ
がぼくの近くにいてくれたときにも、どこかに消えてしまったあとでも、
常に変わることなく。 



  きみのくれた手紙の中に書かれていたある夢のことを(正確にはその夢
の一部を、というべきだろう)、ぼくはよく覚えている。横書きの便便八
枚に及ぶ長い手紙だった。きみの手紙はエツセイ・コンクールの副賞とし
てもらった万年筆を用いて書かれていた。インクの色は常にターコイズ・
ブルー。ぼくらはどちらも、そのときの賞品の万年筆を使って手紙を書い
た。それは暗黙の申し合わせのようなものだった。その万年筆は----それ
ほど高級な万年筆でもなかったのだが----ぼくらにとっての人切な記念品
であり、宝物であり、二人を結ぶ絆だった。ぼくが使っていたインクは黒
だ。きみの髪の色と同じ漆黒。トゥルー・ブラック。
 「ゆうべ見た夢の話を書きます。この夢にはあなたが少しだけ出てきま
した」ときみは手紙を書き出していた。

                ☯
 ゆうべ見た夢の話を書きます。
 この夢にはあなたが少しだけ出てきました。たいして重要な役じゃなく
て申し訳ないんだけど、でも夢だからそれはしかたないことよね。だって
夢はわたしのつくるものではなくて、どこかの誰かから突然「ほら」と与
えられたものであり、わたしの一存で内容を自由に変更できるものではな
いのだから(たぶん)。そしてどんな劇でも映画でも、脇役って大事なも
のですよね。脇役しだいでその劇や映画の印象はずいぶん違ってしまう。
だからたとえ主役じゃなくても、そこはまあ我慢して、アカデミー助演男
優賞みたいなのを目指してね。
 それはともかく、目が覚めてからわたしはちょっとどきどき[鉛筆であ
とから濃い下線がぐいと付け加えられていた」してしまいました。だって
現実に戻ってからもしばらくは、すぐとなりにあなたがいるような気がし
てならなかったから。本当にいたらちょっと面白かったんだけど……とい
うのはもちろん冗談です。

 わたしはいつものように、その夢の内容をすぐさま、枕元に置いたノー
トにちびた鉛筆でちくいち(漢字がわからない)書き記しました。それが
いつも、目が覚めて最初にわたしかおこなう行為なのです。朝であろうが
真夜中であろうが、寝ぼけていようがなにかで急いでいようが、さっき見
たばかりの夢の中身を、思い出せる限りこと細かにノートに記録してしま
うこと。
 わたしはこれまで日記というものを習慣的につけたことはないけれど(
何度か試みたけど、いつも一週間も続かなかった)、夢の記録だけは一日
も欠かさず残しています。日記はつけないけど、夢の記録だけは怠りなく
つけているなんていうと、まるでわたしにとって、実際の日々の暮らしよ
り、夢の中での出来事の方が重要な意味を持っているとほとんど公言して
いるみたいですね。

 でも実際には、そんなこと思っているわけではありません。言うまでも
なく実際の日々の暮らしと、夢の中での出来事はぜんぜんなりたちが違う
ものです。地下鉄と気球くらい違っている。そしてわたしもほかのみんな
と同じように、日々の暮らしにまぎれもなく囚われ、地球のしがない表面
になんとかへばりついて生きています。その垂力から逃れることは、どん
な力持ちにも、どんなお金持ちにもできない
 ただわたしの場合、いったん布団に潜り込んで眠りについてしまうと、
そこに起ち上がる「夢の世界」はすごくありありとして、現実と同じくら
い、いや、しばしば(しばしばという言葉がなぜか好きです)それよりも
っと現実感をそなえたものなのです。またそこで繰り広げられるのは、ほ
とんど予測もつかない目覚ましい出来事ばかりです。そしてその結果とき
たま、どっちがどっちだったか見分けがつかなくなることがあります。つ
まり「あれ、これは現実の生活で経験したことなんだっけ、それとも夢で
見たことだったんだっけ?」みたいに。あなたにはそんなことありません
か? 夢と現実との線引きができなくなってしまうような----。おそらく
わたしの場合、まわりの人よりそういう傾向がずっと(メーターの針がほ
とんど振り切れちゃうほど)強いんじゃないかなと思うのです。なにかの
加減で、たぶん生まれつき。

 そのことに気づいたのは、小学校にあがった頃からでした。学校の友だ
ちと夢の話をしようとしても、ほとんど誰もそんな話に興味を示してはく
れません。誰もわたしの見た夢の話になんて関心を持だなかったし、わた
しのように夢のことを大事に考えている人は、ほかにいないみたいだった。
そしてほかの人たちの見るI見たと話してくれる----夢はだいたいにおい
て彩りや胸騒ぎを欠いた、今ひとつぱっとしないものだった。それがどう
してかはわからないのだけれど……。だからわたしもそのうちに、学校の友
だちとは夢の話をしないようになりました。家族とも夢の話をすることは
ありません(正直に言えば家族とはほかのどんな話も、必要がないかぎり
ほとんどしないのだけど)。そしてその代わりに枕元に小さなノートと鉛
筆を置いて眠るようになりました。それ以来長年にわたって、そのノート
がわたしにとってのかけがえのない心の友だちになっています。どうでも
いいことかもしれないけど、夢を書き記すのはちびた鉛筆がいちばんいい
んです。長さハセンチに達しないようなやつ。そういうのを前の晩に何本
か、ナイフで良い具合に尖らせておく。長い新品の鉛筆はまずだめ! ど
うしてかな?なぜ短い鉛筆じゃないと夢の話がうまく書けないのだろう?
考えてみれば不思議ですね。

 ノートがゆいいつの友だち、なんてまるで『アンネの日記』みたい。も
ちろんわたしは誰かのうちの隠し部屋に住んでいるわけじゃないし、まわ
りをナチの兵隊に取りかこまれてもいないけど。というか、少なくともま
わりの人たちは袖にカギ十字の腕章をつけてはいないけれど、それでも。
 とにかく、それから例のエッセイ・コンクールみたいなのがあって、表
形式の会場であなたに出会ったのです。それはなんといっても、これまで
の人生でわたしの身に起こったいちばんゴージャスな出来事のひとつでし
た。コンクールが、じゃなくて、あなたに会えたことがね!

 そしてあなたはわたしの夢の話に興味を持って、とても熱心に聞いてく
れました。それはなにより素晴らしいことだった。だって、自分が話した
いことを好きなだけ好きに話して、それにしっかり耳を傾けてくれる人が
いるなんて、ほとんど生まれて初めてのことだったから。本当よ。
 ところで、わたしは「ほとんど」という言葉を使いすぎているかしら?
 なんとなくそんな気がします!わたしはときどき同じ言葉をひんぱんに
----ひんぱんっていう漢字がどうしても覚えられないI使ってしまうこと
があります。注意しなくては。本当は自分が書いたものを読み直して、文
章をすいこう(これも漢字が書けない)しなくちゃいけないのだけど、自
分の書いたものを読み直すと、なにもかもいやになって、びりびり破り捨
てたくなります。ほんとに。
 
 そうそう、わたしが見た夢の話ですね。その話をしなくては。わたしは
なにかを書き始めても、すぐになにか別の話に移ってしまって、なかなか
本題に戻ることができない。それも弱点のひとつです。ところで「弱点」
と「欠点」はどう違うんだろう? この場合は弱点でいいのかな? でも
これもまたどうでもいいようなことですね。ほとんど[ここにも鉛筆で下
線]同じようなものだから。とにかく本題に戻りましょう。そう、ゆうべ
見た夢の話ね。その夢の中でまず、わたしは裸なの。まるっきりの裸。一
糸まとわずという表現があるでしょう? かなり変なというか、極端すぎ
る表現だと前から思っていたんだけど、でも見回してみて、実際に糸一本
身にまとってはいないの。そりゃ、背中の見えないところに糸くずの一本く
らいはついていたかもしれないけど、そのへんはまあどっちでもいいこと
よね。そしてわたしは細長いバスタブに入っている。白い西洋風のクラシ
ックなバスタブ。キュートな猫脚がついていそうなやつ。でもそのバスタ
ブにお湯は入っていない。つまり空っぽのバスタブに裸で横になっている
わけ。

 でもね、それはよく見るとわたしの身体じゃないの。わたしのにしては、
その二つの乳房はちょっと大きすぎる。わたしはもっと乳房が大きいとい
いなとか、ふだんからぶつぶつ思っていたんだけど、実際にそれくらいの
大きさの乳房があると、どうも不自然で落ち着かなかった。
 なんだか妙な気分なわけ。自分が自分じゃないみたいな。だいいち重い
し、下がよく見えないし。乳首もちょっと大きすぎるような気がする。こ
んな大きな乳房がついていたら、走るときなんかにふらふら揺れて邪魔に
なるだろうなとか思うわけ。じゃあ、前の小さいときの方が良かったかも
ね、みたいな。
 それからわたしは自分のお腹がふくらんでいることに気がつく。でも肥
満してふくらんでいるわけじゃない。だって身体の他の部分はみんなほっ
そりしているから。お腹だけが風船みたいにふくらんでいるの。わたしは
そこで、自分か妊娠しているらしいことに気がつく。わたしのお腹のなか
には赤ん坊が入っているのよ。そのふくらみ具合からいうと、七ケ月か八
ケ月くらいかな。

※ミニマニスト、二項対立、レーモンド・カーヴァ-、夜になると鮭が、
江戸趣味(永井荷風)、不易だなぁ、とここまで読み終えて、次々とと頭
を過ぎる.....しかし、本当はねちねちなんだけれど、苛ちな私のような性
分な人間には「精神形成(生成」)」の糧、”ゆずれもんサイダー”ごと
き必需品(継続は力なり・能力とは努力×時間)の清涼飲料水のようなも
のだと思う。
                          この項つづく


図1. クロマチン構造と細胞分化の関係を示す概念図
細胞核の中でDNA(黒線)は、クロマチンと呼ばれる構造に折り畳まれ格納
されている。転写因子(TF)は、折り畳まれていない部分にしか相互作用
できない。ES細胞では、分化の進行に伴いクロマチンが凝集されていくた
め、転写因子は限られた箇所にしか結合できなくなる。その結果、それぞれ
特異的な機能を持つ体細胞へと分化すると考えられている。

生きたES細胞で転写因子の機能を分子精度で定量
分化多能性を維持する新機構を発見、再生医療への応用が期待
8月23日、理化学研究所らの研究グループは、マウスES細胞で働く転写因子
Nanog、Oct4)の挙動を1分子精度で定量解析し、ES細胞の分化多能性を維
持するための新しいメカニズムを発見。本研究成果は、幹細胞研究分野に
新たな知見をもたらすほか、iPS細胞の作製効率の向上や品質の安定化など
に貢献する。  
【概要】
ES細胞は、体のどの細胞にも分化できる性質(分化多能性)を持つ。Nanog
Oct4は、ES細胞が分化多能性を維持するために必須の転写因子であり、
自分自身の発現をそれぞれ促進させるとともに、互いの発現も促進させる。
これまでNanogやOct4の細胞内での分子動態とクロマチン構造の変化、分化
多能性との関連性は分からずにいた。今回、共同研究グループはタンパク
質1分子の運動を観察できる特殊な顕微鏡を用いて、マウスES細胞が分化す
る瞬間のNanogとOct4の動きを1分子精度で観察し、DNA上での滞留時間や頻
度など物理的な挙動に関するさまざまな特徴を定量した。
解析の結果、Nanogは分化が始まるとDNA上に長くとどまるようになるなど
の新たな相関を発見し、NanogとOct4が協働してES細胞の分化が進み過ぎな
いように制御するという新しい「負のフィードバック機構」を提案した。
【方法及び成果】
 NanogとOct4の1分子計測を実現するには、細胞内のNanogとOct4を蛍光タ
ンパク質で標識する必要がある。まず、共同研究グループはゲノム編集技
術を用いて、NanogもしくはOct4と蛍光タンパク質との融合タンパク質を発
現するマウスES細胞を作製しました。通常の蛍光顕微鏡では、蛍光タンパ
ク質1分子を観察することはできませんが、薄層斜光照明法(HILO法)を
用いることで、転写因子に融合した蛍光タンパク質を、生きたES細胞の核
内で1分子ずつ観察できるようになる(図2上)。また、遊離状態の転写因
子は細胞核内をカメラでは撮像できないほど速く拡散運動しているが、転
写因子が標的遺伝子座[8]と相互作用すると運動が停止するため、輝点とし
て捉えることができる。そこで、NanogやOct4が相互作用する遺伝子座に注
目して動画を撮影した結果、同じ遺伝子座にNanogやOct4が繰り返して相互
作用する様子を確認できた(図2下)。


図2.核内の転写因子(NanogとOct4)の1分子計測 (上段) 実験の模式
 図(左)と、通常の蛍光顕微鏡および薄層斜光照明法(HILO法)による
 観察の比較(中・右)。ゲノム編集により、一つの転写因子(TF)に一
 つの蛍光タンパク質を融合させた。このES細胞を通常の蛍光顕微鏡で観
 察すると、核全体が光っているように見えるが、HILO法では蛍光タンパ
 ク質を融合した転写因子(この図ではNanog)の一つ一つが白い輝点とし
 て確認でき、1分子観察が実現できた。 (下段) ある遺伝子座付近を連
 続的に観察した例。NanogがDNAへの結合と解離を繰り返す様子が分かる。
 よく見ると輝点は完全に停止しておらず、ゆらゆらと動いている。スケ
 ールバーは1マイクロメートル(µm、1µmは1,000分の1mm)。

白血病抑制因子[9]などを含む培養液を用いることで、「未分化状態」を維
持させたままマウスES細胞を培養することが可能です。白血病抑制因子を
培養液から除去すると、ES細胞の「分化が誘導」されます。逆に、さらに
2種類の試薬を加えて培養すると、分化多能性のより高い「基底状態」にも
できます。分化多能性の程度に応じた三つの培養条件(基底状態、未分化
状態、分化誘導後)において、NanogおよびOct4を蛍光タンパク質によりそ
れぞれ標識した2種類の細胞について1分子観察を行った。その結果、500~
2,000個の輝点を含む4,000枚の画像からなる動画を計500本以上(再現性確
認用や予備実験用を含む)収集しました。この膨大なデータの解析には、
輝点の運動を網羅的に計測する1分子追跡法(SMT)[10]と、新たに独自開
発した全自動輝点識別アルゴリズムを用いた。これまで、ES細胞が分化す
ると、NanogとOct4の転写が不活性化されてNanogとOct4の「発現量」は低
下し、分化が進むとNanogとOct4の標的遺伝子座上での「相互作用時間」は
短くなると予想されていました。 しかし、基底状態、未分化状態、分化誘
導後におけるNanogの標的遺伝子座からの解離速度(相互作用時間の逆数)
を定量したところ、予想とは異なり、基底状態よりも未分化状態の方が相
互作用時間は長くなっていました(図3左の緑丸)。さらに、同じ分化状態
でも、Nanogの発現量が低い細胞の方が相互作用時間は長くなっていた(図
3左の棒グラフ)。細胞がNanogの発現を減らして分化方向に進もうとして
も、Nanogはそれに反抗して、未分化状態に戻そうとするかのように、標的
遺伝子座との相互作用時間を増やしている描像が思い浮かばれます。一方、
Oct4はNanogとは異なる挙動を示したことから、Nanogとは異なる機能を担
っていると考えられます(図3右)。

図3 NanogおよびOct4の標的遺伝子座との相互作用時間および発現量の関係
 (左) 解離速度koff(相互作用時間の逆数)とNanogの発現量との相関。
 緑丸は平均値を示す。解離速度が小さいほど、「相互作用時間」が長いこ
 とを示す。分化の進み方は、基底状態→未分化状態→分化誘導後の順番で
 ある。Nanogは分化が進んだ細胞の方が、相互作用時間が長く、また同じ
 分化度の細胞では、その「発現量」が低い細胞ほど相互作用時間が長い。
 (右)解離速度koffとOct4の発現量との相関。Oct4は未分化状態では基
 底状態より相互時間が長くなるが、分化誘導後は相互作用が短くなる。
 また、基底状態を除く同じ分化度の細胞では、その発現量が低い細胞ほ
 
ど相互作用時間が短い。

【展望】
共同研究グループは、NanogとOct4は自身の発現量が下がると遺伝子座との
相互作用時間を延長する実験結果から、新しい作業仮説を提案。この仮説
は、転写因子の発現量のみからその転写活性を推定した従来の描像とは逆
であり、転写因子の機能メカニズムに新しい知見をもたらすことは間違い
ない。幹細胞を用いる再生医療において、ES細胞やiPS細胞を安定に供給す
るために、ES細胞やiPS細胞の分化多能性を維持したまま培養することは必
須。本研究成果を基盤に、新しいES/iPS細胞の安定樹立法、安定培養法が
開発されることが期待できます。また、今回の研究で用いた1分子輝点の自
動認識アルゴリズムは、細胞核内における1分子計測の解析効率を格段に向
上させるため、転写因子の1分子計測が容易となる。この方法が普及すれば
さまざまな転写因子の細胞核内における挙動が明らかになっていくかもし
れない。今後、クロマチンの状態とNanogやOct4の標的遺伝子座との相互作
用との因果関係を調査し、Oct4がクロマチン凝縮をほどくのか、あるいは
Oct4が柔軟なクロマチン領域と優先的に相互作用するだけなのかを決定す
る必要がある
以下、割愛(後略)。
【掲載論文】
掲載誌:The EMBO Journal
原 題:Single-molecule tracking of Nanog and Oct4 in living mouse embryonic -
              Stem cells uncovers a feedback mechanism of pluripotency maintenance

D O I10.15252/embj.2022112305


図2.図2 酵素と基質の親和性(Km)と活性の関係性
親和性(Km)の高さを横軸に取った場合、酵素活性(縦軸)はある条件で最大とな
る。その条件とは、Kmと基質濃度[S]が等しいことである。青線はKm=[S]=0.1μMの
場合、赤線はKm=[S]=10μMを示す。基質濃度の増加に伴い、縦軸の頂点の場所
(活性を最大化するKm)が右にずれる。


図 酵素活性は、ミカエリス・メンテン定数Kmが基質濃度[S]と等しいと
  きに最大となる


酵素活性を最大化する理論的な条件の発見
食品加工や医薬品、バイオ燃料に関わる酵素の開発に貢献
【概要】
8月24日、理化学研究所らの研究グループは、酵素反応の速度を最大化する
ための理論的な条件を発見。研究チームは、酵素活性を表す数式を独自に開
発し、どのような条件で活性が最大となるかを数学的に解析しました。その
結果、酵素と基質[2]の親和性を表すミカエリス・メンテン定数(Km)が基
質濃度([S])[4]と等しいときに酵素活性が最大化される、ということを
理論的に導き出す。また、天然酵素のKmとその基質の細胞内濃度が相関す
ることから、この酵素活性最大化の法則は自然界でも当てはまることが示
唆された。人工触媒[5]分野では、活性向上に向けて触媒と基質の親和性を
調節することが古くから行われてきた。

本研究の成果によれば、生体触媒である天然酵素においても、親和性の最
適化による活性向上が可能であると考えられます。研究チームは、酵素活
性を表す数式を独自に開発し、どのような条件で活性が最大となるかを数
学的に解析しました。その結果、酵素と基質[2]の親和性を表すミカエリス
・メンテン定数(Km)[3]が基質濃度([S])[4]と等しいときに酵素活性が
最大化される、ということを理論的に導き出した。また、天然酵素のKmと
その基質の細胞内濃度が相関することから、この酵素活性最大化の法則は
自然界でも当てはまることが示唆された。人工触媒[5]分野では、活性向上
に向けて触媒と基質の親和性を調節することが古くから行われてきた。本
研究の成果によれば、生体触媒である天然酵素においても、親和性の最適
化による活性向上が可能であると考えられます。酵素(E)と基質(S)が
まず複合体(ES)を作り、その後、酵素から生成物(P)が外れるようにし
て反応が進む。E、S、PはそれぞれEnzyme、Substrate、Productの頭文字であ
る。矢印の上下にあるk1,k1r,kcatは速度定数であり、親和性Kmは(k1r+kcat)/
k1で定義される。

[方法と成果]
この「ちょうど良い親和性」を求める上で出発点となったのがミカエリス
・メンテン式[6]です。これは、基質と酵素の親和性を表すミカエリス・メ
ンテン定数(Km)と、図1に示した酵素反応の速度との関係性を表した理論
式。この式は100年以上前に提唱されたものですが、酵素反応を理解する最
も基本的なモデルとして、現在でも幅広く活用されている。ただし、この
式では「親和性が高すぎると生成物の放出が遅くなる」ことが考慮されて
いない。このため、研究チームは物理化学の法則[7]を用いて、親和性と生
成物放出の間の束縛条件を考慮した新たな数式を導出。そして、この数式
を微分[9]することで、親和性Kmが基質濃度([S])と同じときに酵素活性
が最大になる、という解を得ました。 実際、得られた新たな数式を基に数
値シミュレーションを行ってみると、確かに親和性と基質濃度が等しいと
きに活性が最大化されることが分かりました(図2)。例えば、基質濃度が
高いとき(図2赤線)は、親和性が高くない酵素でも基質と十分に複合体を
形成できます。このような場合には、生成物放出を促進するために、親和
性を低くする(Kmを大きくする)ことが有益であると考えられます。一方で
、基質濃度が低いとき(図2青線)は、複合体形成が不利になるので、親和
性を高くする(Kmを小さくする)ことが重要になる。
【関連論文】
掲載誌:Nature Communications
原 題:Thermodynamic Principle to Enhance Enzymatic Activity using the
      Substrate Affinity
DOI:10.1038/s41467-023-40471

                           この項つづく

 

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オールメタネーションは俺に任せろ ③

2023年08月26日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。 

【今日の水性植物:パラグアイオニバス】



みずの森では9月2日土曜日・3日日曜日の2日間、パラグアイオニバスのラ
イトアップを実施する。

● みずの森パラグアイオニバスライトアップ
・夜間開園 場 所:水生植物公園みずの森(下物町1091)
日 程:令和5(2023)年9月2日(土)・3日(日)(少雨決行/荒天中止)
時 間:18:00~22:00 
入園料:観賞は無料ですが入園料が必要です。



【水性植物図鑑:パラグアイオニバス 基本情報】
パラグアイオニバス(パラグアイ鬼蓮) スイレン科オオオニバス属 パラグ
アイ・北部アルゼンチン・ボリビアの原産で、巨大な盆状の葉が特徴の水
生宿根草。 浮葉は円形で、径1.5-2m、縁が15-20cmほど反り返って、盆形
になる。立ち上がった葉の縁には切れ込みがあり、葉に水は溜まらない。

葉の裏側には無数の棘がある。葉裏の色は淡緑色。花は径20-40cm、夕方
頃から白い花弁を展開させて芳香を発し、夜のうち昆虫などを誘う。翌朝
には一度花弁を閉じ、花の中に昆虫などの送粉者を閉じ込める。続いて閉
じ込めている間に雄蕊が開いて、花の中で動きまわる送粉者に花粉が付着
する。次の朝に再び開花して、送粉者を外に放ち、別の花に受粉させる。

その間に白色であった花の色は桃色に変化する。 花期は7-9月。 果実は楕
円形の蒴果で、全体に刺がある。中に大きさ1cmほどの黒色の種子が詰まり、
熟すと裂開して水中に落下する。種子は1-3ヶ月後に発芽することもあるが、
環境条件が悪ければ2-3年の間休眠する。

  



【再エネ革命渦論 157: アフターコロナ時代 158
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中 


物質フロー指標とGHGの関係を分析 
8月24日、国立環境研究所は,物質フロー指標とGHG排出量に作用する経済
的要因と技術的要因に着目し,各要因が物質フロー指標とGHG排出量の変化
に与えた影響を分析。
【概要】
 循環型社会とは、天然資源の消費の抑制によって環境負荷の低減を図る社
会。日本では循環型社会の進展状況を4つの物質フロー指標注釈1(資源生
産性、最終処分量、入口側循環利用率及び出口側循環利用率)の改善によ
って評価しています。一方、脱炭素社会の構築においては、温室効果ガス
(GHG)の排出量を実質的にゼロとすることが目標となっています。両社会
を一体的に実現するには、物質フロー指標の改善がGHGの削減につながるこ
とが重要。国立環境研究所物質フロー革新研究プログラムの研究チームは、
物質フロー指標とGHG排出量に作用する経済的要因と技術的要因に着目し、
各要因が物質フロー指標とGHG排出量の変化に与えた影響を分析しました。
その結果、2011年から2015年にかけて物質フロー指標の資源生産性や循環
利用率を改善した要因は、GHGの
排出量削減には必ずしも寄与していないこ
とが判明
。この要因を更に産業部門別に細分化したところ、3割から7割の
産業部門において、各部門の上流のサプライチェーン(原材料や部品の調
達、輸送などを通じてもたらす間接的な産業活動)が物質フロー指標を改
善したことが、逆にGHG排出量の増加を招いた要因であることを特定しまし
た。上記の結果は、物質フロー指標の改善とGHG排出量の削減を同時に達成
するには、各企業が物質利用とそれに伴うサプライチェーンを通じたGHG
排出量との関係を理解が肝要であることを示唆。



図1 4つの物質フロー指標の変化(2011年から2015年)に対する経済的要
因及び技術的要因の変化。各指標の改善要因(青色)と悪化要因(赤色)
の寄与の合計(グレー)が物質フロー指標の改善または悪化を示す。

改善要因(青色)の合計が悪化要因(赤色)の合計より大きい場合に、物
質フロー指標が改善されたことを示す2011年から2015年にかけて、4つの
物質フロー指標がすべて改善しましたが、それは経済的要因や技術的要因
の変化が複雑に作用した結果であることが分かった。例えば、図1の「a.
資源生産性」においては、単位生産あたりの化石燃料の投入量(RFOS)や家
計消費(yhouse)、サプライチェーン構造(L)の変化が指標の改善(青色)
に貢献した一方で、付加価値率(v)の変化は指標の悪化(赤色)を招きま
した。また、すべての物質フロー指標に共通する経済的要因であるサプラ
イチェーン構造(L)や、家計消費や輸出などの各最終需要(y)は、ある
指標では改善に寄与した一方で、他の指標では悪化をもたらすことから、
各物質フロー指標に与える影響の特性に注視する必要がある。
具体的には、サプライチェーン構造(L)の変化は、「a.資源生産性」とb.
最終処分量」を改善した一方で、「c.入口側循環利用率」や「d.出口側循
環利用率」を悪化させている。他方で、輸出需要(yexport)はすべての指標
を悪化させています。日本は、自動車をはじめとする物質依存度の高い(
物質を大量に必要とする)工業製品が輸出の大部分を占めるため、製品の
軽量化や材料の代替を通じて物質依存度の低い工業製品の輸出へ転換する
ことが、物質フロー指標改善の鍵となることも示唆されました。
【成果】
まず、経済的要因や技術的要因が物質フロー指標の変化にどのように寄与した
かを明らかにするため、2011年から2015年にかけての物質フロー指標の変化要
因の分析を行った(図1)。
本研究の成果は、2023年8月17日付で国際学術誌『Environmental Science &
Technology』に掲載。
---------------------------------------------------------------------------------------------------

     


図1.走査型イオンコンダクタンス顕微鏡(SICM)の計測原理図
ナノピペットと試料の存在する溶液に配置した2 本のAg/AgCl 電極の間に一定の
電圧を加え,その際に生じるイオン流に起因したイオン電流を利用して,ナノピ
ペットと試料との距離を制御し,高さ情報を取得します。XY 方向に走査しながら
この計測を行うことで,形状イメージを取得できる。

SICMガラスナノピペットをレーザー加工
生細胞の表面構造をナノスケールで直接可視化
エクソソームなど細胞間コミュニケーションの理解に貢献
8月22日、金沢大学と名古屋大学は,生細胞表面の構造をナノスケールのレ
ベル
で可視化する技術を確立し,細胞外物質の取り込み過程や,細胞間コ
ミュニケー
ションに関与するエクソソームの可視化に成功。
【要点】
1.生きた細胞のダイナミックな構造変化をナノスケールで可視化
2.イメージングの再現性を大幅に向上させるプローブ作製方法を確立
3.細胞外物質の取り込み過程を可視化
4.細胞間コミュニケーション理解力に貢献

【概要】
ウイルスの細胞内への侵入や,細胞内外との物質のやり取りを観察するた
めには,現状の顕微鏡技術の空間分解能では不十分なため,超解像度顕微
鏡など高分解能化が進められているが,依然として空間分解能に課題を抱
えている。走査型イオンコンダクタンス顕微鏡(SICM)は,細胞のナノ構
造を生きた状態で可視化することができる。SICMでは,ガラスナノピペッ
トを試料に近接させた際に生じるイオン電流の変化を利用して,試料の高
さ情報を取得しながら,ガラスナノピペットを走査することで,試料の表
面形状を取得する。 しかしながら,SICMの解像度向上に不可欠なガラス
ナノピペットの微細化が困難なため,これまではその高度な技術を持つ限
られた研究グループのみが超解像度のイメージングを達成してきた。


図2.ガラスナノピペットの内外径比と微細なナノピペットの作製法
(a)ガラスキャピラリーの事前加熱後と (b)第一伸長プロセス後の光学顕微
鏡写真,作製されたナノピペットの (c)光学顕微鏡と (d)電子顕微鏡写真
(e)PBS(-)溶液中でのIV 特性

研究では,このような細胞表面のナノスケールの構造変化を高い再現性で
観察するため,最重要要素である微細なガラスナノピペットの作製法の開
発に取り組んだ。 ナノピペットを作製する際には,CO2レーザープラーで
ガラスキャピラリー(毛細管)を加熱しながら伸長する。この過程で,ガ
ラスキャピラリーが細くなっていき,ガラスの最も細くなっている部分が
破断して,ガラスキャピラリーが2つに分かれることで,ガラスナノピペ
ットが作製される。 そのため,ガラス管の外側/内側の比が大きなものほ
ど,細いガラスナノピペットを作成することができる。そこで,事前にCO2
レーザープラーにより,ガラスキャピラリーの一部を局所的に加熱して,
内外径比を調節することで,微細なナノピペットの作製を行なった。 この
ガラスの内外径比を調整したキャピラリーを伸長することで,半径が15nm以
下のガラスナノピペットを作製することができた。 これにより,直径120
nmほどのくぼみによる細胞外物質の取り込みの過程や,200nm以下のエクソ
ソームの放出が活発に起こる領域と放出されるエクソソームが個々で識別
可能となった。 このように,これまで困難であった微細なガラスナノピペ
ット作製法を確立できたことは,ライブセルの超解像度イメージングの高
度な技術の共有を促進する。
このようにして作製したガラスナノピペットを用いて,細胞表面に形成さ
れるくぼみ(クラスリン被覆ピット)(※8)の観察を行いました(図3(a))
。細胞表面の無数に存在する微絨毛(びじゅうもう)とともに,点状にこ
のくぼみは,細胞外のものを細胞内に取り込む際に形成される直径が120ナ
ノメートルほどのもので,従来の光学顕微鏡では可視化することができな
い。しかし,このようなナノスケールの構造はSICM によって可視化するこ
とが可能です。SICM を用いて生細胞の観察および計測を行うと,この細胞
表面に形成されているくぼみを介して実際に細胞外物質の取り込み過程を
可視化することができました(図3(b))。さらに,この細胞外物質の取り
込み過程において,細胞膜がくぼみ構造に覆いかぶさる様子をリアルタイ
ムで可視化することができた。


図3.図3.SICM による細胞表面形状の超解像度イメージング
(a)SICM によるHeLa 細胞の超解像度形状イメージング,イメージサイズ
20 × 20 平方マイクロメートル(b)エンドサイトーシスのタイムラプス計
測(36 秒/フレーム),イメージサイズ 2.5 × 2.5平方マイクロメート


続いて,細胞外物質の取り込みだけでなく,細胞が放出するエクソソーム
に関しても,SICM による可視化を行った。エクソソームは,距離の離れた
細胞との間でのコミュニケーションに利用されるカプセル状の構造物で,
このカプセル内に遺伝子情報などを含んでいる。この大きさは,200 ナノ
メートル以下であり,光学顕微鏡では可視化できない。細胞から放出され
るエクソソームは溶液中を漂いながら他の細胞に取り込まれるが,SICMで
のイメージングのために,放出されたエクソソームを基板が補捉できるよう
に工夫を施しました。この状態で,まず,共焦点顕微鏡を使ってイメージ
ングを行うと,細胞の一部の領域からエクソソームが放出されているのが
わかり、光学顕微鏡の分解能の限界から個々のエクソソームを識別するこ
とはできない。そこで,SICMを用いてイメージングを行うと,個々のエク
ソソームを鮮明に可視化できた。さらに,得られた形状情報を横断的に解
析したクロスセクションから高さが180 ナノメートルほどであることが確
認できました。


図4.SICM による細胞外小胞(エクソソーム)のイメージング
(a)細胞から放出されたエクソソームの蛍光イメージングの概要,(b)細胞
と放出されたエクソソームの共焦点顕微鏡イメージ,(c)共焦点顕微鏡イメ
ージにおいてエクソソームがほとんどみられなかった領域のSICM イメージ
,(d)エクソソームが多く確認された領域のSICM イメージ,(e) (d)の破線
四角部分の拡大SICM イメージ,(f) (e)のクロスセクション(白線箇所)
イメージサイズ:(c, d) 10 × 9.8 平方マイクロメートル,(e) 3.0 ×
3.0 平方マイクロメートル
【展望】
ウイルスの取り込み機構の解明や,細胞間コミュニケーションの理解が進
み,さらに,さまざまな疾病の発症メカニズムの解明や新たな治療法・治
療薬の開発に繋がるとしている。
【掲載論文】
雑誌名:Analytical Chemistry
論文名:Nanopipette Fabrication Guidelines for SICM Nanoscale Imaging(走査
   型イオンコンダクタンス顕微鏡を用いたナノスケールのイメージン
   グのためのガラスナノピペットの作製方法のガイドライン)
著者名:髙橋康史,佐々木祐哉,吉田孟史,本田航大,周縁殊,宮本貴史,
   元尾朋子,東宏樹,アンドリュー・シェブチェック,ユリ・コルチ
   ェフ,井田大貴,華山力成,福間剛
掲載日時:2023年8月20日(米国東部時間)にオンライン版に掲載
DOI:10.1021/acs.analchem.3c01010
URL:https://doi.org/10.1021/acs.analchem.3c01010

※ 1995年前後?走査型プローブ顕微鏡の応用調査をしていた記憶がよみがえ
 る。探針はガラス細管でできたピペット先端部に細孔があり、内部には電解質溶
 液が満たされていて溶液環境中で試料表面に近接した状態で、ピペット内部に
 設けられた電極と試料近傍間に電圧が印加されるとピペット先端部の細孔部分
 を電解質イオンが流れるが、イオンの伝導性は探針と試料表面の距離や状態
 に依存するので探針が試料表面への近接時にはイオン流の抵抗が強くなるの
 でこのイオン電流の流れやすさ(イオン伝導性)を、探針を2次元的に走査する
 ことにより、可視化(➲第4次産業)する。


>

2011年から2015年にかけて、4つの物質フロー指標がすべて改善しましたが、
それは経済的要因や技術的要因の変化が複雑に作用した結果であることが
分かったた。例えば、図1の「a.資源生産性」においては、単位生産あた
りの化石燃料の投入量(RFOS)や家計消費(yhouse)、サプライチェーン
構造(L)の変化が指標の改善(青色)に貢献した一方で、付加価値率(v)
の変化は指標の悪化(赤色)を招きました。また、すべての物質フロー指
標に共通する経済的要因であるサプライチェーン構造(L)や、家計消費
や輸出などの各最終需要(y)は、ある指標では改善に寄与した一方で、他
の指標では悪化をもたらすことから、各物質フロー指標に与える影響の特
性に注視する必要があります。具体的には、サプライチェーン構造(L)
の変化は、「a.資源生産性」と「b.最終処分量」を改善した一方で、「c.入
口側循環利用率」や「d.出口側循環利用率」を悪化させる。

他方で、輸出需要(yexport)はすべての指標を悪化させています。日本は
自動車をはじめとする物質依存度の高い(物質を大量に必要とする)工業
製品が輸出の大部分を占めるため、製品の軽量化や材料の代替を通じて物
質依存度の低い工業製品の輸出へ転換することが、物質フロー指標改善の
鍵となることも示唆された。

オールメタネーションシステム概論 ⑤
二酸化炭素回収・有効利用・貯留(CCUS: Carbon dioxide Capture,Utilization
and Storage
)の意義:地球温暖化を防止するために結ばれたパリ協定では、
工業化以前と比較して気温上昇を2℃未満、できれば1.5℃未満に抑えること
をめざしているが、2047年には2℃上昇すると予測されている( ➲極東極楽
俺の剪定日誌 ③」参照)。日本は、「脱炭素社会」を今世紀後半のでき
るだけ早期に実現していくことをめざすとともに、2050年までに80%のCO2
などの温室効果ガスの排出削減という長期的目標の実現に向けて、施策に
取り組んでいると環境省公式ホームページに掲載。

【最新特許技術事例】
1.特許第7309983号 二酸化炭素回収装置、及び二酸化炭素回収方法
 式会社タクマ
【概要】
特開平11-267442 二酸化炭素の回収方法として、例えば、塩基性化合物に
よる反応吸収を利用する化学吸収法が知られている。化学吸収法において、
ガスに含まれる二酸化炭素とアミン系の吸収液とを吸収塔で接触させ、二
酸化炭素を吸収した吸収液を吸収塔から再生塔へと送り、再生塔で吸収液
から二酸化炭素を放散させて回収する二酸化炭素回収装置が知られている
が、再生塔の下部にはスチームを熱源とするリボイラが設けられており、
リボイラにより吸収液が加熱されることによって吸収液から二酸化炭素が
放散されいぇおり、二酸化炭素の放散は、スチームを発生させるのに要す
る熱エネルギー、吸収液の温度上昇に要する熱エネルギー、吸収液から二
酸化炭素を放散させるのに要する熱エネルギー、吸収液の水分蒸発による
熱損失を補うための熱エネルギー等が必要とし、吸収した二酸化炭素の放
散に要するエネルギーが大きく、エネルギーコストが嵩むという問題があ
る。
 なお、以下の実施形態では、バイオマス発電施設における排ガス処理設備
で処理された排ガスから二酸化炭素を回収する例を挙げて説明する。ただし
本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定される
ことは意図しない。なお、バイオマス発電施設において燃焼させるバイオ
マス燃料とは、化石燃料以外の植物や農産物等の自然界の有機性資源から
抽出した生物由来の燃料である。具体的には、バイオマス燃料として、例
えば、廃棄木材、間伐材、流木、草類、生活廃棄物、汚泥、家畜の糞尿、
エネルギー作物(農作物)、これらを原料としたリサイクル燃料(ペレッ
トやチップ)等が挙げられる。


図1. 本発明の第一実施形態に係る二酸化炭素回収装置の概略構成を示す
     ブロック図

【符号の説明】
1A~1G 二酸化炭素回収装置 3 吸収塔  5 再生塔  10 処理塔
55 減圧手段  65A~65E 加熱器 100 処理塔

【特許請求の範囲】
【請求項1】 二酸化炭素含有ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収さ
せ、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液を加熱することによって前記二
酸化炭素を放散させて回収する二酸化炭素回収装置であって、 前記吸収
液を収容する処理塔と、 前記吸収液を、除塵処理された排ガスとの熱交換
により、前記二酸化炭素を放散可能な40~90℃に加熱する加熱器と、
を備え、前記処理塔は、前記二酸化炭素を前記吸収液に吸収させる吸収塔
と、前記二酸化炭素を吸収した前記吸収液から前記二酸化炭素を放散させ
る再生塔とを含み、 前記加熱器は、前記再生塔の下部に装着される伝熱ジ
ャケットを備え、 前記吸収塔と前記再生塔との間で前記吸収液が循環され
るように前記吸収塔と前記再生塔とが接続され、 前記伝熱ジャケットには
前記除塵処理された排ガスが導入される二酸化炭素回収装置。
【請求項2】 前記再生塔内を減圧する減圧手段を備える請求項1に記載の
二酸化炭素回収装置。
【請求項3】 前記加熱器は、前記排ガスが外側表面に接触されるとともに、
熱媒が内部に通流される伝熱管を備え、 前記伝熱管の外側表面温度が前記
排ガスの露点よりも高くなるように設定される請求項1に記載の二酸化炭
素回収装置。
【請求項4】 前記加熱器は、前記排ガスが外側表面に接触されるとともに、
熱媒が内部に通流される伝熱管を備え、 前記伝熱管は、耐腐食性の材料で
構成され、 前記伝熱管の外側表面温度が前記排ガスの露点以下となるよう
に設定される請求項1に記載の二酸化炭素回収装置。 

2.特開2019-205966 CO2膜分離方法 イーセップ株式会社
【概要】
従来、例えばボイラの燃焼排ガスをアミン系CO2吸収液と接触させ、燃焼排
ガス中のCO2を除去、回収する方法が一般的に実施されている。このような
場合、従来は、例えばモノエタノールアミン(MEA)や立体障害アミン
などの吸収液を用いた化学吸収法により、CO2を吸収・再生(CO2放散)さ
せることでCO2が分離されていた。上記のようなアミン系CO2吸収液を用い、
燃焼排ガスからCO2を除去・回収する工程として、吸収塔において燃焼排ガ
スとCO2吸収液とを接触させ、CO2を吸収した吸収液を再生塔において加熱
し、CO2を遊離させると共に吸収液を再生して再び吸収塔に循環して再使用
する方法が開示されている。しかしながら、に記載の従来法によれば、CO2
の分離操作では、吸収液にCO2が吸収された後に再生する工程で、大量の熱
エネルギーが必要となっており、これがCO2にかかるコストを引き上げる主
要因となる。現状では、CO2の大規模処理設備としては、アミン系二酸化炭
素吸収液を用いる方法が最もポピュラーな分離操作であり、この再生に必
要な熱エネルギーを如何に小さくするかが、この分野における一つの大き
な課題となっている。その課題の克服方法としては吸収液の選定により、
二酸化炭素を吸収・解離する時の反応熱の低減を図る検討が多かった。

上記の従来技術の問題を解決し、CO2を吸収したリッチ溶液を吸収液の再
生工程において、CO2と吸収液の平衡反応(吸収・放散)状態で、膜分離
装置を使用して、その平衡状態を遷移させて効果的に反応を促進させる
ンブレンリアクター
機能を使うことで、吸収法と分離膜を組み合わせた省
エネルギー型ハイブリッドシステムを構築し、吸収液の使用量及び再生コ
ストを小さくすることができて、二酸化炭素の分離除去コストを大幅に低
減することができる、二酸化炭素分離方法を提供する。

下図1のごとく、CO2吸収液と接触させて被処理ガス中のCO2を除去するCO2
吸収工程と、吸収液中のCO2を除去して吸収液を再生する工程とを具備す
るCO2分離方法において、CO2吸収工程へと導入される被処理ガス中のCO2が、
マイクロ・ナノバブル化手段によりマイクロ・ナノバブル化された状態に
て吸収液中に供給され、CO2を吸収したCO2リッチ溶液を液状のまま、CO2を
選択的に透過させる分離膜を具備する膜モジュールへ導き、膜分離により
CO2を分離除去して、CO2吸収液を再生することを特徴とする、燃焼排ガス、
天然ガス、バイオガス、化学プロセスガスなどの各種ガスから二酸化炭素
を分離する二酸化炭素回収方法において、二酸化炭素吸収液の使用量を大
幅削減することのできる、二酸化炭素の分離方法を提供する。

図1.本発明のCO2分離方法の実施形態を示すフローシート
【発明の効果】
本発明のCO2分離方法によれば、従来技術より吸収液消費量の大幅削減が可
能。
【実施例】
本発明の二酸化炭素分離方法を、図1にフローシートを示す装置により、
実施した。CO2/水素(50%/50%)の混合ガス1 L/minを、マイクロナノバブ
ル発生システム(株式会社クリーンバブル研究所製)にてバルブ化させ、
吸収液として水を充填した吸収塔へ導入した。分離膜としては、長さ40
cm、直径12mmの多孔質アルミナ基材表面にシリカ層が形成されたナノ多
孔性基材(イーセップ(株)製:型番eSep-nanoA-SiO2、細孔径3から5nm
程度)をHMDS処理し、疎水化したものを用いた。膜透過側は減圧手段とし
てドライ真空ポンプ(ULVAC社製 DA-20A)を用い、減圧した。膜透過側
は質量流量計(コフロック社製マスフローコントリーラーMODELL3660
及びCR-400)及びCO2モニターにより膜透過するCO2を測定。

(比較例1) 比較のため、実施例1の試験において、マイクロナノバブル
発生システムによるマイクロ・ナノバブル化せずにCO2/水素の混合ガスを
吸収液に導入し、同様に試験を行った。
(比較例2) 比較のため、実施例1の試験において、分離膜として親水的
なシリカ膜を用い、同様に試験を行った。
(比較例3)比較のため、実施例1の試験において、分離膜として平均細
孔径3μm程度の多孔質α-アルミナ基材を用い、同様に試験を行った。

実施した試験においては、実施例1においてCO2を分離膜により膜透過・除
去できることを確認した。比較例1、2については、膜透過側へのCO2透過
はほとんど確認できなかった。比較例1については、CO2がマイクロ・ナノ
バブル化されていないために、吸収液中に存在するCO2量が極めて小さいこ
とが原因だと推察された。また比較例2については、分離膜表面に吸収液
(水)が吸着することにより、CO2透過が大きく阻害されることが原因と推
察された。また比較例3については膜透過側への吸収液の漏洩が大きかっ
た。これは、用いる分離膜の細孔径分布が大きすぎたことが原因だと推察
された。CO2をマイクロ・ナノバブル化された状態にて吸収液中に供給する
こと、および用いる分離膜の細孔径・素材を適切に組合せることで、本発
明の有用性が確認された。
※実証データが欲しい。

3.特開2011-20090 二酸化炭素の回収システム及び方法 三菱重工業株式
 会社
【概要】
下図2のごとく、高圧、中圧、低圧タービンと、これらを駆動する蒸気を
発生させるボイラ15と、ボイラからの燃焼排ガス16中の二酸化炭素を
二酸化炭素吸収液により除去する吸収塔18と、吸収液を再生する再生塔
19とからなる二酸化炭素回収装置と、低圧タービン13の入口から蒸気
14Lを抜出し、抜出蒸気14Lを用いて動力を回収する第1の補助ター
ビン22Lと、第1の補助タービンからの排出蒸気23Lを用いて、再生
塔のリボイラ24に加熱源として供給する第1の蒸気送給ライン25Lと
、ボイラの運転負荷変動に対応して、リボイラ24に供給する排出蒸気の
圧力をリボイラ最適圧力の許容値となるように維持しつつ第1の補助ター
ビン22Lを駆動する制御を行う制御装置とを備える、ボイラやスチーム
タービンの運転負荷変動があっても、二酸化炭素吸収液の再生を確実に行
うことができる二酸化炭素の回収システム及び方法の提供。


図1.二酸化炭素の回収システムの概略図

【符号の説明】 11 高圧タービン  12 中圧タービン 13 低圧ター
ビン 14、14L、14M 蒸気 15 ボイラ 16 燃焼排ガス 17 二
酸化炭素吸収液 17A 二酸化炭素を吸収した二酸化炭素吸収液(リッチ
溶液) 17B 再生二酸化炭素吸収液(リーン溶液) 18 二酸化炭素吸
収塔(吸収塔) 19 二酸化炭素再生塔(再生塔) 20 二酸化炭素回収
装置 21L 第1の蒸気抜出しライン 21M 第2の蒸気抜出しライン
22L 第1の補助タービン 22M 第2の補助タービン 23 排出蒸気
24 リボイラ 25L 第1の蒸気送給ライン 25M 第2の蒸気送給ライ

【発明の効果】
発電能力900MWの石炭焚き火力発電設備に、図1のプロセスを適用し
た本発明の方法を適用したプロセスの送電量低減率を「表1」に示す。
比較として、蒸気を供給しない場合(主機タービン発電出力:900MW)
を比較例1として基準とし(図8参照)、低圧タービン入口から直接抽気し
た従来技術を比較例2とした(図9参照)。


図8.比較例1における蒸気配管システムの概念図

図9.比較例2における蒸気配管システムの概念図

「例1」は、実施例1に対応する発電システムであり、抜出した蒸気14L
を用いて第1の補助タービン22Lにより動力を回収し、該第1の補助タ
ービン22Lから排出される排出蒸気23Lをリボイラ最適圧力の許容値
(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように第1の補助タービ
ン22Lの運転を制御している。 この際、発電システム負荷100%、
75%及び50%について、送電出力の減少を確認した。


図10.負荷変動と低圧タービン蒸気流量比との関係図


図11.負荷変動と低圧タービン入口圧力比との関係

なお、図10に負荷変動と低圧タービン蒸気流量比との関係図、図11に
負荷変動と低圧タービン入口圧力比との関係図を示す。負荷変動によりこ
れらの値は減少している。 表1(100%負荷、75%負荷)及び表2(
50%負荷)に示すように、例1の場合には、送電出力の減少が比較例2
に較べて低く、19.6%の減少であった。なお、リボイラでは吸収液の
再生が可能となる。 

「例2」は、実施例3に対応する発電システム(図4参照)であり、第1
の補助タービン22Lによりコンプレッサ動力を回収しつつ、該第1の補
助タービン22Lから排出される排出蒸気23Lをリボイラ最適圧力の許
容値(0.33MPa±0.05Mpa程度)となるように第1の補助タ
ービン22Lの運転を制御している。 表1及び2に示すように、例2の
場合には、送電出力の減少が比較例2に較べて低く、19.6%の減少で
あった。なお、補助タービン22Lでは、出力が33MWしかないので、
主機タービン発電出力から24MWはコンプレッサ用に供給している。 


図5.実施例4における蒸気配管システムの概念図

「例3」は、実施例4に対応する発電システム(図5参照)であり、第1
の補助タービン22Lを複数台設置し、ブロア及びポンプ動力を回収しつ
つ、該第1の補助タービン22Lから排出される排出蒸気23をリボイラ
最適圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように
第1の補助タービン22Lの運転を制御している。 表1に示すように、
例3の場合には、送電出力の減少が比較例2に較べて低く、20.2%の
減少であった。

図4.実施例2における蒸気配管システムの概念図

「例4」は、実施例5に対応する発電システム(図6参照)であり、前記
低圧タービン13の出口蒸気の一部を抜き出し、リボイラ24の加熱源と
して供給する出口蒸気抜出しライン61を設け、第1の補助タービン22
Lからの排出蒸気23Lと合流させて、合流した蒸気23をリボイラ最適
圧力の許容値(0.33MPa±0.05MPa程度)となるように第1の
補助タービン22Lの運転を制御している。 表1に示すように、例4の場
合には、送電出力の減少が比較例2に較べて低く、19.8%の減少であ
った。

図6.実施例5における蒸気配管システムの概念図

「例5」は、実施例6に対応する発電システム(図7参照)であり、中圧
タービン12の入口から抜出した蒸気14Mを、リボイラ24に適した蒸
気条件(0.33MPa)までコンプレッサ用の第2の補助タービン22Mに
て動力を回収し、回収した二酸化炭素を液化するコンプレッサに利用する
と共に、第1の補助タービン22Lにおいても、リボイラ 24に適した蒸
気条件(0.33MPa)で動力を回収する制御をしている。 表1に示すよ
うに、例5の場合には、送電出力の減少が比較例2に較べて低く、19.4
%の減少であった。 例2と異なり、コンプレッサ用の第2の補助タービン
22Mでは、出力が57MWであるので、主機タービン発電出力から別途
供給することなく、コンプレッサを駆動することができる。
表1.

表2


以上の例から明らかなように、本発明の方法を採用することにより、従来
プロセスに比較して、発電設備の既存の蒸気ラインから抜き出した蒸気を
効率的に用いることにより、動力を回収することができ、消費電力の低減
を図ることができると共に、ボイラ及びスチームタービンの負荷変動があ
った場合においても、リボイラ24に安定して最適圧力の蒸気を供給でき、
ボイラ15から排出される燃焼排ガス16中の二酸化炭素を回収する吸収
液の再生を常に確実に行うことができることを確認することができた。 【

 図10及び図11に示すように、負荷が100%から50%に変動するこ
とに応じて、蒸気量比や入口圧力比が低下する。例えば表2に示す50%
負荷の場合においても、例1及び5に示すように、対応することができる
ことが確認できた。 また、例5の場合においては、中圧タービン12への
入口の蒸気14Mを用いているので、補助タービン22Mからの排出蒸気
23Mは、リボイラ24に適した蒸気条件(0.33MPa)とすることが
できる。この際、第2の補助タービン22Lへの蒸気抜出しライン21L
とバイパスライン26とにおいては、バルブV1、V2で閉塞し、その蒸気流
れを停止しておく。 この結果、例5においては、負荷が50%以下となっ
た場合においても、吸収液の再生のためのリボイラ24に適した蒸気条件(
0.33MPa)とする制御が可能となる。

【産業上の利用可能性】 
以上のように、本発明に係る二酸化炭素の回収システム及び方法によれば、
ボイラ及びスチームタービンの運転負荷変動があった場合においても、負
荷変動を加味して二酸化炭素吸収液の再生のためのリボイラ用の蒸気を安
定して供給することができ、発電設備における燃焼排ガス中の二酸化炭素
の処理をおこなった吸収液の再生を確実に行うことができる

※大規模なプラント建設になるか否か、また、持続可能な製造方法・技術
のさらなる革新が必要だ。
                           この項つづく

風蕭々と碧いの時

 

John Lennon Imagine

POPの系譜を探る:2023年代】



結成12周年を迎えるDa-iCEが、積み重ねてきた全てで築く"SCENE"と掲げた
今作には、昨年夏にリリースされた配信シングル「イマ」に収録され、同
年の第64回日本レコード大賞優秀作品賞を受賞した「スターマイン」をは
じめ、一貫したテーマのもと作られた作品を詰め込んでいる。 TikTokや
YouTube
を中心に話題となった「スターマイン」や、人気ゲーム「エグゾ
プライマル」テーマソングの「Funky Jumping」などを含む全12曲を収録。

彼女が、Da-iCEに夢中になり、彼らのアルバムが欲しいとということで、近くの
サンミュ-ジックで取り寄せ依頼と最新アルバム「Scene」レンタし、ワイヤレスイ
ヤホンを設定を設定する。視力の衰えもを再確認。車のカーステレオで視聴する
が、素晴らしことを追認識する。
 




【ブログ記事への反響】
コメント(反響)に対する基本姿勢は、チエックだけで具体的な読み手の
アクションある場合のみ対応している。ここ一両日だけのコメントを紹介
する。

・あなたは本当に素晴らしいことをしたことを知っていますか? 私はあな
 たを通じて新しい知識を得ただけでなく、まったく異なる認識も得ました。 ・
 あなたのブログを知ることができてとても幸運です。
・興味深い議論についてはコメントする価値があるかもしません。
・この話題についてはもっと詳しく書くべきだと思いますが、タブーな話
 題と言われても仕方がありませんが、一般的に追加するべき話題について
 話すには人が少なすぎます。
・乾杯、この記事のよく研究された内容と優れた表現を賞賛させてくださ
 い。
・この資料に夢中になったので、読むことを禁じ得えませんでした。
・あなたの仕事とスキルに感銘を受けました。 どうもありがとう。
・オペラ歌手として、マリア・カラスは声と演技を通して力強い感情を伝
 えます。彼女のメッセージは、芸術形式に対する情熱と献身的なもので
  した。

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オールメタネーションは俺に任せろ ②

2023年08月24日 | 環境リスク本位制

  
  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと

伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。 

 

アサザ(浅沙、阿佐佐 Nymphoides peltata ミツガシワ科 アサザ属の多年草。.
ユーラシア大陸の温帯地域に分布し、日本では本州や九州などに生育する。

【今日の水性植物:アサザ】
スイレンのような丸型の葉を持ち、6月から9月にかけてキュウリのような
黄色い花を咲かせる水草「アサザ」は北海道から九州の湖沼・水路などに
生息。琵琶湖にも大群生していたそうですが、開発や水位操作、水質悪化
のために生息数が減少。水のめぐみ館「アクア琵琶」によると、2002年ご
ろには琵琶湖周辺で1~2か所程度しか生育が確認されなかった。現在では
環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されており、滋賀県の
レッドリストには絶滅危惧種として掲載。茨城県霞ケ浦では1995年に設立
されたアザサ基金(現・NPO法人アサザ基金)などによって、アサザを救う
取組が行われている。滋賀県でも2003年に水路から外来種水草などの除去
をするアサザ保全活動が実施されたほか、甲賀市油日小学校では校内ビオト
ープでアサザの生育環境を再現する取組なども行われている  自然の群生
は希少になっていますが、「草津市立水生植物公園・みずの森」のアサザ
池では5月頃に花を咲かせたアサザを間近で観察できる。

ビオトープ(英語:biotope)とは、生物の生息環境を意味する生物学の用
語で生態系(ecosystem)やハビタット(habitat)とほぼ同義的に解される。
日本では1990年代から環境共生の理念のもとで、公共事業の多自然型川づ
くり、ミティゲーション(開発事業による環境に対する影響を軽減するた
めの保全行為)、里山保全活動などのとり組みが全国各地で繰り広げられ
ていった。こうした取り組みの影響で、生物の生息環境を人工的に作り出
す、さまざまな取り組み行われるようになった。こうしたビオトープの場
合、人工的に形作られた川・水路などの流路形態や人口のため池、学校に
設置された生物の観察池などを、より自然に近い形に戻し、それによって
多様な自然の生物を復活させるというような、生息環境基盤の修復によっ
て形成された生態系、を意味するようになった。via Wikipedia

  



【再エネ革命渦論 156: アフターコロナ時代 157
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中 


屋内フレキシブルペロブスカイト太陽電池で32.5%達成
8月17日、Tor Vergataローマ大学らの研究、グループは、32.5%の効率を
持つ柔軟な屋内ペロブスカイト太陽電池を開発。ペロブスカイト薄膜層上
に臭化テトラブチルアンモニウム層を接合したPET基板に作製することで、
欠陥密度を効果的に低減し、下層の3Dペロブスカイト層安定性を高めてい
る。

【概要】
フレキシブル薄膜太陽電池は、軽量で柔軟な特徴に加え、低コストのロー
ルツーロール製造プロセスとの互換性により、モバイル電源および建築一
体型太陽光発電の主要コンポーネントとして大きな注目を集めていまる。
多くの薄膜材料の中でも、有機金属ペロブスカイト材料は、高効率薄膜太
陽光発電の非常に有望な候補として浮上。しかし、フレキシブルペロブス
カイト太陽電池の性能、拡張性、信頼性には、まだ改善の余地が大きく残
された。 今回、極薄のフレキシブルガラス上に作製した高効率でフレキシ
ブルなペロブスカイト太陽電池について報告する。このようなデバイス構
造において、フレキシブルなガラス基板は透明性が高く堅牢であり、熱膨
張係数が低く、ペロブスカイト薄膜は大規模な均一性を示す熱蒸着法で蒸
着した。さらに、光透過率の向上と撥水効果を同時に得るために、ガラス
基板の表面にナノコーンアレイ反射防止膜を貼り付けた。作製した太陽電
池セルは、200回の曲げサイクル後も初期値の96%が残存する適度な曲げ性
を有しており、反射防止膜を使用することにより電力変換効率が12.06%

ら13.14%に向上し、優れた超撥水性も示したことが判明した。



図 4. (a) 青、緑、赤 μLED の EL スペクトル。 デジタルカメラによる
 (b) 青、(c) 緑、(d) 赤の μLED の EL 写真。

トンネル接合によるRGBフルカラーμLEDアレイ
メタバース用ディスプレイ向け
8月18日、名城大学らの共同研究グループは、超高精細・超高輝度なVR/
AR/MR 用ディスプレイが作製可能な、世界で初 めて“トンネル接合による
積層型GaInN 系モノリシック型RGB フルカラー μLED アレイ”の開発に成
功。
【要点】
1.トンネル接合を介して赤・緑・青(RGB)のLED を積層することにより
 同一基板上にモノリシック型 フルカラーμLED アレイを開発することに
 成功
2.作製したμLED アレイは、赤・緑・青の発光を得ることに成功
3.超高精細・高輝度で没入感のある映像体験を提供できる。 

【概要】
近年、メタバースを具現化するディスプレイの開発が精力的に行われ。具
体的には、VR(仮 想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)向けのヘッ
ドマウントディスプレイやスマートグラスなどで、世界中で開発競争が激
化。メタバースは今後、標準的な表示装置になる可能性を示しており、そ
の市場規模は7年後の2030年に1.5 兆ドル(210 兆円)/年に達するという市
場予測もある。メタバースでは、臨場感があり没入感のある映像体験を提
供することが必須であるため、微細化、高精細化さらには高輝度化が最も
重要な課題。また、人間が見分けられる限界の視野角は0.02°だと言われ
おり、この視野角を基に1画素が数~数十μm を開発目標として研究開発
されている。
ターゲットとして外光を遮断して用いることを想定しているVR用には画素
サイズが10μm 角以下、輝度は3000 nits 以上、外光を含むことを想定し
ているARやMR 用には画素サイズが数百nm 角以下、輝度が数万 nit以上が
必要であり、最近ではVR の表示装置として、①Apple Vision Pro など発
表され、本ディスプレイは、①有機ELにカラーフィルターを用いたシステ
ムが採用されているが、高精細化と高輝度化の両立に課題があり、さらな
る高性能化が望まれている。②また、有機EL以外にも液晶や量子ドットな
ど複数の技術が提案されていますが高輝度化・高精細化に課題が残る。
GaInN は化学組成を制御することにより単一材料でRGBを実現することが
できる材料です。また、有機EL など他の技術に比べ高い輝度が得られるこ
とや微細化が可能。この材料を用いることにより高輝度化と高精細化を両
立できるメタバース用ディスプレイの応用が期待されたが、素子の接続方
法、高輝度な赤色LED を作製することが困難であること、モノリシック(
集積)化することが難しいなどの課題がある。


【成果】
これらの技術課題を解決するために、同一基板上にデバイスを作製するト
ンネル接合(量子力学で用いられる手法)を用いた。名城大グループでは
長年GaN 系のトンネル接合の研究開発を、KAUST のグループは長年高輝
度な赤色LEDの開発を進めており、この2つのグループが共同で同一基板上
に トンネル接合を介して青色・緑色・赤色LEDを積層したウェハーを作製
し、それをμLEDの加工により、世界初の「トンネル接合による積層型GaInN
系モノリシック型RGBフルカラーμLEDアレイ」の開発に成功する
【展望】
μLED の輝度は数万nits を超えることができることから、本デバイスを微
細化することにより、超高精細・超高輝度なVR/AR/MR 用ディスプレイが作
製可能となると考えている。

※メタバースや医療向けディスプレイなどに使える。また、持続可能な製
造方法的側面レビューが必要である。

【関連技術情報】
Applied Physics Express 16, 084001 (2023)
RGB monolithic GaInN-based μLED arrays connected via tunnel junctions
DOI:10.35848/1882-0786/aced7c


アモルファス構造のエネルギーを予測
形からエネルギーをズバリと当てる新技術
8月22日、大阪大学・岡山大学・東京大学の共同研究グループは、トポロジーの
情報と機械学習を組み合わせることで複雑なアモルファス構造のエネルギーを予
測する新規手法を開発。
【要点】
1.複雑なアモルファス構造 の持つ エネルギーを、トポロジカルデータ解析とシン
   プルな機械学習モデルの組み合わせで高精度に予測できることを発見。
2.アモルファス構造 を特徴づける原子の繋がり方の情報を 抽出することが従来
   方法では困難であったが、トポロジーを応用することで 可能になった。
 3.アモルファスを始めとする不規則系に対する高効率なシミュレーション手法へ
 の さらなる 展開に期待。
【概要】

アモルファスは太陽電池やコーティング材料など幅広く応用されている材
料。その複雑な構造と物理的性質や機能の相関を解明するためには、新た
なシミュレーション手法 の開発が不可欠です。現在、最も有力な手法は、
高精度な量子化学計算を再現する代用モデルを機械学習によって作成する
機械学習ポテンシャルと呼ばれる。しかし、アモルファス構造の特徴をど
のように機械学習モデルの入力 データ に反映するかという点が課題であ
った。
【成果】

今回、 トポロジー という数学理論に基づく トポロジカルデータ解析を応用 するこ
とにより 、アモルファス構造内の原子の繋がり方の情報をより直接的に機械学
習モデルに入力し、シンプルなモデルでもエネルギーの予測が可能であることを
発見し た(上図1)。


図2.液体・アモルファス構造のカーボンに対するパーシステントホモロジーの計
 算結果(パーシステント図)と、それを用いたエネルギーの予測結果

本 研究グループでは、 トポロジカルデータ解析手法の一つ、パーシステントホモ
ロジー 6 を応用す ることで、原子の繋がり方の情報を直接的に機械学習モデル
のインプットと し 、シンプルなモデルで ア モルファスカーボンの エネルギー を予
測できることを示した。 本研究ではまず、 密度汎関数理論を用いて、様々な密度
での液体状態とアモルファス状態の炭素の構 造とエネルギーの高精度なデータ
を作成した。そして、得られた構造の特徴を、パーシステントホ モロジーを用いて
解析した。パーシステントホモロジーはパーシステント図と呼ばれる二 次元 平 面
上の点の分布 として可視化  。この図を多数の 小さな正方形 に分割し、各領域
あたりに点がいくつ存在するかという ヒストグラム の形式に変換し 、その情報と
エネルギーの計算結果 を 学 習データとして機械学習 を 実行した。その結果、
最もシンプルなモデルの一つ、リッジ回帰モデ ルでも、エネルギーの予測ができ
ること が明らかになった 。また、 ヒストグラム を画像 データ のよ うにみなして

畳み込みニューラルネットワーク 8 を用いることで 、予測性能が向上することも判
明 した。 


図3.原子座標をデータとした場合に、パーシステントホモロジーの計算過程で繋
  がり方をどのように定義するかと、得られるパーシステント図の模式図。原子
  を中心とした球の半径を大きくしていって、球が接すると原子と原子の間に辺
  を置く。球の半径を大きくしていった際に、辺が増えていき閉じた環を作った半
  径 (birthを記録する。さらに球の半径を大きくして環が球ですべて被覆された
  半径 (death も記録する。その二つの半径の情報を散布図にしたものがパーシ
  ステント図である。

【展望】
本研究成果により、複雑な構造を持った物質に対する高効率なシミュレーション
技術の発展が期待されます。また、今回の研究ではパーシステントホモロジーを
用いることで、 複雑な機械学習モデルを用いず とも 構造 から エネルギー を予
測できました 。その結果、「 原子が作る どの ような 形 が高い(低い)エネルギー
に対応しているか」を 解析することも可能になりました。このよう に 、人が 理解し
やすい機械学習モデル を 構築 できる点は 、望ましい性質を 持った アモルファ
スや不規則系の設計に も 有用であると考えられる。
【関係技術情報】
・掲載誌:T he Journal of Chemical Physics
・原 題:“Persistent homology based descriptor for machine learning potential of
                amorphous st ructures
・DO I:https:// doi.org/ 10.1063/5.0159349
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図1.PtNP/CNM複合体をプロトン交換膜(PEM)水電解の陰極に用いた水素発
  生触媒

高効率な水電解水素発生触媒
白金/炭素ナノマテリアル複合体による水素発生触媒の開発
8月22日、理化学研究所(理研)らの研究グループは,白金ナノ粒子
(PtN
P)/炭素ナノマテリアル(CNM)複合体から成る高効率な水電解水素発生触
媒を発見。

【概要】
今回、共同研究グループは、水の電気分解(2H2O→2H2+O2)による水素発
生のために、水中でPtNPとCNM(単層カーボンナノチューブ、グラフェン、
アセチレンブラック)を直接複合化した3種類の水素発生触媒を開発し、そ
れぞれをプロトン交換膜(PEM)水電解の陰極に用いた。その結果、各陰極
で、既報の白金系水素発生触媒と比べておよそ100分の1の白金量で水素が
発生すること、および電流密度100mA/cm2で150時間連続して水
素が発生す
ることが
分かった。特に、開発した触媒の一つであるPtNP/単層カーボンナ
ノチューブ触媒は、白金量が市販の白金/炭素触媒の470分の1で
あるにもか
かわらず、270倍も高い質量活性[6](白金の単位質量当たりの電
流値)を
示したことから
、高価な貴金属の使用量を減らすコスト効率の高いアプロ
ーチ。
【結果】
炭素ナノマテリアル(CNM)に着目。CNMは大きな比表面積を持ち、高い電
気伝導度を示すことから、エネルギー、センサー、医療などさまざまな分野
への応用検討されている。CNMの凝集を抑制する方法の一つに、分散剤を使
ったCNMの水中分散化が知られている。界面活性剤[7]などの分散剤がCNMの
表面に付着することで、CNMが水へ分散する。
これまでに共同研究グループでは、液中プラズマ法を用いた界面活性剤を
使用しない水分散性白金ナノ粒子(PtNP)の合成に成功し、PtNPの表面が
親水性の酸素原子(O)やヒドロキシ基(OH)で覆われていることを明らか
にしている。このPtNPが非共有結合機能化によってCNMと直接複合化できれ
ば、得られるPtNP/CNM複合体は水に分散すると予想(図2)。①単層カーボ
ンナノチューブ(SWCNT)、グラフェン、アセチレンブラックの3種類のCNM
を選び、これらのCNMを個別に水分散性PtNPと混合した後、超音波処理を施
すと、PtNP/SWCNT(C6)、PtNP/グラフェン(Gr5)、PtNP/アセチレンブラ
ック(AB20)の各複合体から成る水分散液が得られた。②3種類の水分散液
をインクとして用い、スプレーコートによりプロトン交換膜(PEM)水電解
の陰極の成膜を試みた。このとき成膜したPtNP/CNM複合体であるC6、Gr5、
AB20に含まれるPt担持量は、それぞれ6μgPt/cm2、5μgPt/cm2、20μgPt/
cm2とマイクログラム(100万分の1グラム)オーダーでした。さらに、陰極
の裏面に酸化イリジウムをスプレーコートすることで陽極を成膜し、PEM水
電解の電極を作製(図2)。


図2.PtNP/CNM水分散液の調製とPEM水電解電極の作製➲開発していた水
分散性白金ナノ粒子(PtNP)と3種類の炭素ナノマテリアル(CNM)をそれ
ぞれ混合させ、超音波処理を施すと、非共有結合機能化によりPtNP/CNM水
分散液が調製される。それぞれのPtNP/CNM水分散液をスプレーコートして
陰極を成膜し、さらに陰極の裏面に酸化イリジウムをスプレーコートして
陽極を成膜し、プロトン交換膜(PEM)水電解電極を作製。
【関係技術情報】
・掲載誌:ACS Applied Nano Materials
・原 題:Aqueous Suspensions of Carbon Nanomaterials with Platinum Nanop-
        articles for Solution-Processed Hydrogen-Producing Electrocatalysts

D O I10.1021/acsanm.3c02190

※素晴らしい成果ですね。
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オールメタネーションシステム概論 ④

1.特開2022-94211 CO2メタネーション触媒及びその製造方法とメタ
 ンの製造方 日鉄エンジニアリング株式会社
【概要】
これまでに低温で活性の高い非金属系触媒として、例えば、CO2の活性
化に有効と考えられる塩基性酸化物を担体とするNi系触媒が知られてい
る。 WO-A1-2018/025555では、正方晶あるいは立方晶の結晶構造を持つ安
定化ZrO2を担体に、Mn、Co、Feのいずれかを固溶させ、Niを
担持した触媒が開示されている。触媒構成元素の比率から計算されるNi
担持量は30~50質量%であり、高いガス処理速度(空間速度3000
L/(g-cat.・h))で反応させても、メタン収率を維持できるよ
う、Niが非常に多く担持されている。 特開2017-170430では、Al2O3、
MgO、TiO2、SiO2のうちの少なくとも一種以上の酸化物を担体
に、Ni、Co、Fe、Cuのうちの少なくとも一種以上の金属を担体に
担持させ、CeO2、ZrO2、TiO2、SiO2のうちの少なくとも
一種の第1の酸化物を、担体及び金属と接触させた触媒を開示している。
また、第1の酸化物であるCeO2やZrO2に、La2O3、Sm2O3、
Y2O3、Gd2O3などの希土類からなる第2の酸化物が固溶している
ことで、空間速度6000h-1で反応させた際、高活性になるとされて
いる。 ここで、Niの担持量(9.4%など)や、第1の酸化物に固溶さ
せる第2の酸化物の比率(第2の酸化物/第1の酸化物=10~60モル
%)は記載されているが、第1の酸化物の担持量は記載されていない。

非特許文献1では、担体に塩基性酸化物であるCeO2、ZrO2、Y2
O3、Al2O3、TiO2、MgOを用いたNi系触媒が検討されてい
る。非特許文献1では、これらの触媒を用い、空間速度14L/(g-c
at.・h)で反応させた場合、特に塩基性の強いCeO2、ZrO2、
Y2O3を用いた触媒が、高活性であることが示されている。 非特許文献
2では、Y2O3、ZrO2、Sm2O3、CeO2、Al2O3、La2
O3を担体として用いたNi系触媒を、空間速度20L/(g-cat.
・h)の反応条件で検討した中で、適度な塩基性とNi表面積を大きくで
きたNi/Y2O3触媒が高活性であると報告している。 
また、非特許文献3では、NiX/Mg2-XAlO層状水酸化物を還元
して得られる、Mg/Al混合酸化物担持Niナノ触媒が報告されている。
非特許文献3では、これらの触媒を用い、空間速度2400h
(4.8L/(g-cat.・h))での反応条件で検討した結果、Mg
の塩基性が、CO2メタネーション触媒の高活性化に影響していると考察
している。
【非特許文献1】Choji  Fukuhara,外4名,“A  novel  nickel-based  structured  catalist  
for  CO2  metanation:  A  honeycomb-type  Ni/CeO2  catalyst  to  transform  greenh-
ouse  gas  into  useful  resources",「Applied  Catalysis  A:General」,2017,532,p.12-18

【非特許文献2】Hiroki  Muroyama,外6名,“Carbon  dioxide  methanation  over
 Ni  catalysts  supported  on  various  metal  oxides",「Journal  of  Catalysis」,2016,
343,p.178-184

【非特許文献3】Jie  Liu,外7名,“Alkaline-assisted  Ni  nanocatalysts  with  largely  
enhanced  low-temperature  activity  toward  CO2  methanation",「Catalysis  Science
 &  Technology」,2016,6,p.3976-3983


以上のように、二酸化炭素と水素を反応させるCO2メタネーションにおい
て、高いガス処理速度(空間速度)で反応させる場合、メタン収率が低くな
るため、ニッケルなどの活性金属の担持量を多くしたり、ガス処理量を抑え
て、空間速度を低くして反応を進行させる必要があった。本発明は、二酸
化炭素と水素とを反応させるCO2メタネーション反応において、高いガ
ス処理速度で反応させても、比較的低温で、従来よりも高いメタン収率が
得られる、CO2メタネーション触媒及びその製造方法とメタンの製造方
法を提供することを目的とする。
【発明の効果】
本発明によれば、二酸化炭素と水素とを反応させるCO2メタネーション
反応において、高いガス処理速度で反応させても、比較的低温で、従来よ
りも高いメタン収率が得られる。
下図1のごとく、本発明に係るCO2メタネーション触媒はCO2と水素
を反応させてメタン化するメタネーション反応用触媒であって、アルミナ
を担体として、ニッケルを活性金属とし、且つ、塩基性酸化物を助触媒と
して担持し、前記塩基性酸化物が、酸化ランタン、酸化イットリウム、及
び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特
徴とする、高いガス処理速度で反応させても、比較的低温で、従来よりも
高いメタン収率が得られるCO2メタネーション触媒及びその製造方法と
メタン製造方法の提供。


図1.実施例及び比較例でのCO2メタネーション反応触媒の性能を比較
  したグラフ

【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】 CO2と水素を反応させてメタン化するメタネーション反応
用触媒であって、 アルミナを担体として、ニッケルを活性金属とし、且つ
、塩基性酸化物を助触媒として担持し、 前記塩基性酸化物が、酸化ランタ
ン、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は
2種以上であることを特徴とするCO2メタネーション触媒。
【請求項2】 前記活性金属であるニッケルの担持率が触媒全体量に対して、
10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のC
O2メタネーション触媒。
【請求項3】 前記塩基性酸化物である酸化ランタンまたは酸化イットリウ
ムの担持率が触媒全体量に対して、4質量%以上30質量%以下であるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載のCO2メタネーション触媒。
【請求項4】 前記塩基性酸化物である酸化プラセオジムの担持率が触媒全
体量に対して、10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請
求項1または請求項2に記載のCO2メタネーション触媒。
【請求項5】 塩基性酸化物の塩を水溶液にして、アルミナに含浸して触媒
担体とする触媒担体製造工程と、 前記触媒担体を乾燥、焼成する工程と、
前記乾燥、焼成した触媒担体に、ニッケルの塩を水溶液にして、含浸して
触媒混合物とする触媒混合物製造工程と、 前記触媒混合物を乾燥、焼成す
る工程と、を含み、 前記塩基性酸化物が酸化ランタン、酸化イットリウム、
及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特
徴とする、CO2メタネーション触媒の製造方法。
【請求項6】 塩基性酸化物の塩及びニッケルの塩を混合、水溶液にして、
アルミナに含浸して触媒混合物とする触媒混合物製造工程と、 前記触媒混
合物を乾燥、焼成する工程と、を含み、 前記塩基性酸化物が酸化ランタン
、酸化イットリウム、及び、酸化プラセオジムの群から選ばれる1種又は2
種以上であることを特徴とする、CO2メタネーション触媒の製造方法。
【請求項7】 請求項1~4のいずれか1項に記載のCO2メタネーション
触媒を、200℃以上において、CO2と水素とを含む混合ガスに接触さ
せてメタンを生成することを特徴とする、メタンの製造方法。

2.特開2019-55891 水素製造装置 東京瓦斯株式会社
【概要】 下図2のごとく、水素製造装置10は、炭化水素原料を水蒸気改
質して水素を主成分とした改質ガスを生成する多重筒型改質器12を有し
ている。多重筒型改質器12の内部には、改質触媒層36、CO変成触媒
層45、メタネーション触媒層47が形成されている。改質触媒層36で
の水蒸気改質により生成された水素と一酸化炭素の内、一酸化炭素はCO
変成触媒層45における水性シフト反応により低減されさらに、メタネー
ション部においてメタネーション反応により除去され、一酸化炭素の除去
を安全に行って水素精製器へ改質ガスを供給する。


図1.本発明の実施形態に係る水素製造装置を示した概略構成図
【符号の説明】 10 水素製造装置 12 多重筒型改質器(改質装置) 
23、24 筒状壁 36 改質触媒層(改質部) 42 第二流路(流路)
45 CO変成触媒層(一酸化炭素変成部) 47 メタネーション触媒層
(メタネーション部) 80 圧縮機 90 水素精製器

【特許請求の範囲】
【請求項1】 炭化水素原料を水蒸気改質して水素を主成分とした改質ガス
を生成する改質部と、 前記改質部の下流側に連通配置され、前記改質ガス
中の一酸化炭素を水性シフト反応により変成させる一酸化炭素変成部と、
前記一酸化炭素変成部の下流側に連通配置され、前記一酸化炭素変成部か
らの前記改質ガス中の一酸化炭素をメタネーション反応により除去するメ
タネーション部と、 が内部に形成された改質装置と、 前記改質装置の下
流側に設けられ、前記改質ガスを不純物と水素とに分離して水素を精製す
る水素精製器と、 を備えた水素製造装置。
【請求項2】 前記一酸化炭素変成部と前記メタネーション部とは、多重に
配置された複数の筒状壁の間に形成された流路において隣接配置されてい
る、請求項1に記載の水素製造装置。
【請求項3】 前記改質装置と前記水素精製器の間に、前記改質装置で生成
された改質ガスを圧縮する圧縮機、を備えた請求項1または請求項2に記
載の水素製造装置

.特開2013-111496 金属担持用担体、金属担持触媒、メタネーション反
 応装置及びこれらに関する方法 国立大学法人群馬大学 日清紡ホールデ
 ィングス株式
会社
【概要】
下図6のごとく、本発明に係る金属担持用担体は、有機物と金属とを含む
原料の炭素化により得られる炭素化材料からなり、一酸化炭素のメタネー
ション反応触媒活性を示す金属を担持するための担体である。本発明に係
る金属担持触媒は、有機物と金属とを含む原料の炭素化により得られる炭
素化材料からなる担体と、前記担体に担持された、一酸化炭素のメタネー
ション反応触媒活性を示す金属と、を有し一酸化炭素の効果的なメタネー
ションを実現する金属担持用担体、金属担持触媒、メタネーション反応装
置及びこれらに関する方法の提供。

補足➲一般に、担体に金属を担持することにより得られる金属担持触媒
を使用して一酸化炭素のメタネーション反応を行うと、反応時間の経過に
伴い、生成されたメタンの分解によって、当該金属表面上に炭素が析出し、
この金属の触媒活性が低下又は消失することがある。この点、金属の担体
として炭素化材料を使用することにより、メタンの分解によるこの金属表
面上への炭素の析出を効果的に抑制することができる。


図6.本発明の一実施形態に係る実施例において、金属担持触媒のメタネ
  ーション触媒活性を評価した結果の一例を示す説明図  

【特許請求の範囲】
【請求項1】 有機物と金属とを含む原料の炭素化により得られる炭素化材
料からなり、 一酸化炭素のメタネーション反応触媒活性を示す金属を担持
するための担体である ことを特徴とする金属担持用担体。
【請求項2】 前記金属は、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Ir、Cu、
W、Cs、K、Na、Co、Fe、Ca、Mg、Ba、Sr及びLiから
なる群より選択される1種以上である ことを特徴とする請求項1に記載の
金属担持用担体。
【請求項3】 前記金属は、Niである ことを特徴とする請求項2に記載
の金属担持用担体。
【請求項4】 Niを担持した状態において、 Niの2p軌道の電子状態
をXPS測定して得られる、850eV以上、860eV以下のピーク面
積に対する、853.5eV超、860eV以下のピーク面積の比率が
0.5以上であり、 CO昇温脱離法による40℃~800℃でのCO脱離
量に対する、H2昇温脱離法による40℃~800℃でのH2脱離量のモ
ル比率が0.3以上である ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに
記載の金属担持用担体。
【請求項5】 有機物と金属とを含む原料の炭素化により得られる炭素化材
料からなる担体と、 前記担体に担持された、一酸化炭素のメタネーション
反応触媒活性を示す金属と、 を有する ことを特徴とする金属担持触媒。
【請求項6】 前記金属は、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Ir、Cu、
W、Cs、K、Na、Co、Fe、Ca、Mg、Ba、Sr及びLiから
なる群より選択される1種以上である ことを特徴とする請求項5に記載の
金属担持触媒。
【請求項7】 前記金属は、Niである ことを特徴とする請求項6に記載
の金属担持触媒。
【請求項8】 Niの2p軌道の電子状態をXPS測定して得られる、85
0eV以上、860eV以下のピーク面積に対する、853.5eV超、
860eV以下のピーク面積の比率が0.5以上であり、 CO昇温脱離法
による40℃~800℃でのCO脱離量に対する、H2昇温脱離法による
40℃~800℃でのH2脱離量のモル比率が0.3以上である ことを特
徴とする請求項7に記載の金属担持触媒。
【請求項9】 請求項5乃至8のいずれかに記載の金属担持触媒を有し、
一酸化炭素のメタネーション反応に使用される ことを特徴とするメタネー
ション反応装置。
【請求項10】 有機物と金属とを含む原料の炭素化により得られる炭素化
材料を、一酸化炭素のメタネーション反応触媒活性を示す金属を担持する
ための担体として使用する ことを特徴とする方法。
【請求項11】 前記金属は、Ni、Ru、Rh、Pd、Pt、Ir、Cu、
W、Cs、K、Na、Co、Fe、Ca、Mg、Ba、Sr及びLiから
なる群より選択される1種以上である ことを特徴とする請求項10に記載
の方法。
【請求項12】 前記金属は、Niである ことを特徴とする請求項11に
記載の方法。
【請求項13】 請求項5乃至8のいずれかに記載の金属担持触媒を使用し
て、一酸化炭素のメタネーション反応を行う ことを特徴とする方法。
【請求項14】 一酸化炭素を含む第一のガスを処理することにより、前記
第一のガスに比べて一酸化炭素の濃度が低減された第二のガスを製造する
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。 【請求項15】 前記第一の
ガス及び前記第二のガスは、水素をさらに含む ことを特徴とする請求項1
4に記載の方法。
【請求項16】 前記金属担持触媒を有するメタネーション反応装置を使用
する ことを特徴とする請求項13乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】 複数の候補担体から、一酸化炭素のメタネーション反応触
媒活性を示す金属を担持するための担体を選択する方法であって、 Niを
担持した状態の前記複数の候補担体の各々について、 Niの2p軌道の電
子状態をXPS測定して得られる、850eV以上、860eV以下のピ
ーク面積に対する、853.5eV超、860eV以下のピーク面積の比率
が、0.5以上の予め定められた閾値以上であるか否かを判断すること、
CO昇温脱離法による40℃~800℃でのCO脱離量に対する、H2昇
温脱離法による40℃~800℃でのH2脱離量のモル比率が、0.3以
上の予め定められた閾値以上であるか否かを判断すること、及び 前記複数
の候補担体のうちから、前記ピーク面積の比率が前記閾値以上であり、且
つ前記モル比率が前記閾値以上であると判断された担体を選択することを
含む ことを特徴とする方法。
                           この項つづく


※ これも心配ですね。はじめて尽くしで?!

風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】





曲名:難破船  唄:おかゆ
作詞・作曲:加藤登紀子 編曲:多田三洋
たかが芝ちんて忘れれぱいい
泣きたいだけ泣いたら
目の前に違う愛が
見えてくるかもしれないと
そんな強がりを言ってみせるのは
あなたを忘れるため
さぴしすきてこわれそうなの
払は愛の難破船
折れた翼広げたまま
あなたの上に落ちて行きたい
海の底へ沈んだなら
泣きたいだけ抱いてほしい

ほかの誰かを俯ンだのなら
追いかけては即ナない
みじめな恋つづけるよリ
別れの苦しさえらふわ
そんなひとことでふりむきもせす
別れたあの朝には
この淋しさ知リもしない
払は愛の難破船.....

※「難破船」(なんぱせん)は、1984年に加藤登紀子が発表した楽曲。1987
年に中森明菜がカバーし、19枚目のシングルとしてリリース、ヒット。
1984年12月1日にポリドールより、加藤登紀子のスタジオ・アルバム『最後
のダンスパーティ』 に収録された。同曲は加藤
から中森明菜に提供、1987
年9月30日に、19枚目のシングルとしてリリース。歌手のおかゆが、2021年
2月10日に発表したカバーアルバム『おかゆウタ ~カバーソングス~』で
カバー。

今夜の寸評:高度情報・消費資本主義の劣化是正を。
2016年12月にマスコミにほうじられたビッグモーターの不正事件は 「1社
凋落」では終わらないという。(1)中古車相場の暴落(2)損保ジャパ
ンへの飛び火(3)ビッグモーター自体の凋落が予測されるなか、「修理1
件当たりの工賃にノルマがある不思議さ」、「年間100億円台の保険料収入
をもたらしてくれる大手保険代理店」、「ビッグモーターのアジャスター
レス」
「4人に1人が不正に関与していたほどの企業」、「元副社長のシネ・シネ
社内メ-ル」など、倒産か買収か、いずれにしても、現在の”日本社会の暗部"を
象徴している。

 

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オールメタネーションは俺に任せろ ①

2023年08月20日 | 環境リスク本位制

  
  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと

伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

 



 

  




再エネのソーラー・ウインドウ・バイオマス・地熱につづき、メタネーシ
ョンを追加し、一世一代の大構想を打ち出そうととしている。
なんと面白いことか。メタネーションの続きは後ほどとして、まずは、最
新技術情報の整理整頓から。
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ナノロッド状の構造を持つ赤色透明な水分解用の窒化タンタル光電極世
界トップレベルの太陽光−水素変換効率10%を達成
今月18日、信州大学らの共同研究グループは、太陽光を利用して水を高い
効率で分解して酸素を生成できる赤色透明な光電極の開発に成功し。ナノ
ロッド状の構造を持つ窒化タンタル光電極を用いることで、世界トップレ
ベルの太陽光-水素変換効率(STH)10%を達成 。この成果は、光電極が
ナノロッド状であることに加え、赤色透明であることを活かして、タンデ
ム型セルを構築して得られた。ナノロッド状の窒化タンタルの表面に鉄-
ニッケル-コバルト系複合酸化物からなる助触媒を均一に修飾することで、
反応開始から7時間にわたって太陽光-水素変換効率を10%に維持させるこ
とに成功する。
【概要】
光触媒で、水分解を行い、水素と酸素を生成は、再エネは「グリーン水素」
安価なグリーン水素製造のためには、光触媒の太陽光−水素変換効率(STH
向上が課題。人工光合成化学プロセス技術て、世界トップレベルの効率10
%を達成。これは、窒化タンタルをナノロッド状に成膜した赤色透明な酸
素生成用の光電極と水素生成用のPt/Ni電極触媒を備えた二直列CuInSe2
陽電池(無機化合物系)とを組み合わせた水分解用タンデム型セルで。今
回、人工光合成の有用性を実証。



図3.図3 酸素生成用のナノロッド状窒化タンタル光電極と水素生成用Pt
/Ni電極を接続した二直列CuInSe2とからなるタンデム型セル(2段型)に
よる外部電源を用いない水の分解反応



図1.材料および構造的特性。 a)Ta3n5-nrs/ta3n5-thinフィルム/ganのSEM
画像(サイドビュー)。b、c)フェニクーx/ta3n5-nrsの高解像度透過電子
顕微鏡画像。 d)(b)の選択された領域のスポット電子回折パターン。
e)TA、N、O、FE、NI、およびCO要素の(B)の選択された領域のSTEM-ED
S
エレメンタルマッピング。 (c – e)では、境界色は(b)の選択された
領域に対応。
【展望】
より安価に水素製造が可能となる粉末型光触媒シートの太陽光-水素変換
効率の向上および光触媒を用いた水素製造技術の社会実装を目指す。
✔ 貴金属/希少元素の持続可能な製造技術的側面の考察が不可避となる。
【関連論文】
Tantalum Nitride‐Enabled Solar Water Splitting with Efficiency Above 10%
Advanced Energy Materials - Wiley Online Library 
・  First published: 15 August 2023  https://doi.org/10.1002/aenm.202301327
 

画像:Furture Timeline
オールメタネーションシステム概論 ④
その前に、カーボンキャプチャー(直接空気回収:ADC)に触れておこう。こ
こで用いる技術工学方式は、液体ではCO2吸収液としてアミン系有機溶剤を
使用する方式と生石灰/消石灰もよる吸収剤があるが、後者は鍵語は硝子
繊維様態のフィルム(日本製品の特長的付加価値でもある)となるだろう。
両者とも連続再生回収で力は、再エネとメタネーション・エネ(燃料電池
と生成物燃料)となるだろうが、二酸化炭素)の増加を遅らせるだけでな
く、現在1,000ギガトン(Gt)を超えると推定されている大気中にすでに存在
するレガシー排出量にも対処する必要があるとされる(下図参照)。植林
と再植林スキームは、これを達成する1つの方法だが、木が成長するのに
何年もかかり、完熟する前に、干ばつや山火事などの気候変動の影響によ
って害を受ける可能性があり、その対策を考えておく必要がある。


出所:FutuerTimeline

因みに、米国エネルギー省(DOE)は、これまでで最も野心的な取り組みを発
表し、バイデン大統領の「アメリカへの投資」計画の一環として、ルイジ
アナ州とテキサス州の1つの大規模DAC施設に最大2億ドル投資----最初の
Project Cypressは、Climeworks Corporation、Heirloom Carbon Technologies、
Gulf Coast Sequestration
、および非営利団体Battelleとのコラボレーションで
、ルイジアナ州南西部に位置し、毎年1万トン以上の既存のCO2を大気から
回収し、地下恒久的貯蔵を目指す、最大2,300人の新規雇用創出➲化石燃
料産業での総雇用労働者の10%に相当----が授与されている。
※目標処理費:100ドル/メートル-トン未満
2022年の高機能フィルム出荷,前年比70~80% ▶2023.8.21
矢野経済研究所は,ディスプレー・光学,電気・電子,一般産業用のベー
スフィルム及び加工フィルムなど,国内外の高機能フィルム市場を調査し
製品セグメント別の動向,参入企業の動向,将来展望を明らかにし,2021
年実績を100とした場合の各フィルムの市場規模増減状況について公表。


それによると,高機能フィルム市場(日本,韓国,台湾)はコロナ禍の巣
ごもり特需による拡大から一転し,2022年5月頃からスマートフォンやTVな
ど最終製品を生産するセットメーカーが余剰在庫の調整や生産調整を進め
た影響を受けて大幅に縮小した。 ディスプレー部材・FCCLなどのフィルム
部材メーカーや,それらの生産工程で使用される保護フィルム,リリース
フィルムなどの副資材を生産するコンバーター,さらにその原反を供給す
るフィルムメーカーに至るまで連鎖的に大きく販売量を落とす結果となっ
たいう。 2023年に入るとセットメーカーの余剰在庫が整理され,生産調
整がほぼ終了したことから,高機能フィルム市場は再びプラス成長に転じ
ている。ただ,回復の速度は需要縮小の勢いに比べ弱く,V字回復が期待で
きるほどではない。 2021年実績を100とした場合の2024年の出荷数量予測
は,PIフィルムが107.2%,MLCCリリースフィルムは97.2%,一般産業用PET
フィルム94.6%,光学用ペットフィルム94.0%と,2021年の需要レベルに戻
るのは2024年から2025年頃になる見通しであるという。 今回の調査で注目
した2022年のPETフィルム市場は,セットメーカーや部材メーカーの在庫調
整・生産調整の動きが夏頃から顕著となり,例年であれば需要期となる10
月以降も戻らなかった。そのため,下半期以降,PETフィルムの多くの用途
でオーダーが激減した。 中には例年の出荷数量の50~60%程度にも満たな
いものも出てくるなど,比較的堅調であった上半期の実績を合わせても,
2022年のPETフィルム市場規模は前年比79.5%の49万6,600tまで縮小したと
いう。

セットメーカーや部材メーカーによる在庫調整・生産調整の動きは特に韓
国において顕著であったため,韓国のPETフィルムメーカーの販売量の下
げ幅は日本勢,台湾勢に比べ大きかった。ただ,韓国では生産調整・在庫
調整が急ピッチで進められた分,底を打つのも比較的早く,2022年末から2
023年初め頃にはPETフィルム需要が回復に転じ,2023年3月~4月頃からは
そのスピードも速まっているものと見られる。 一方,日本においてはセ
ットメーカーや部材メーカーによる在庫調整・生産調整は2022年の比較的
早い段階から少しずつ実施されはじめ,2023年3月頃まで緩やかに続いた。
2021年レベルへの回復は2024年から2025年頃までかかる見通しであるとい
う。 日本のフィルムメーカーは,生き残りのための方策として,Film to
Filmリサイクルに代表される「環境」にフォーカスした技術開発と提案を
進めており,資源循環やカーボンニュートラルを新たな競争の枠組みとし
ていくことが考えられる

環境対応は目新しい用途開発や新規需要の取り込みに直結するわけではな
いものの,あらゆる業界でCNやサーキュラーエコノミーが重要課題となっ
ている現在,材料・部材・副資材のサプライヤーとしてユーザー企業の環
境対応ニーズにどう応え,何を提案できるかは,フィルムメーカーの新た
な競争軸となり得るという。 Film to Filmリサイクルは単に使用済製品を
再溶融して樹脂に戻すだけでなく,厚み精度やフィルムの品質をユーザー
の要求スペックに保ちながら製膜する必要があり,技術的難易度が高い。
特に使用済フィルムを原料とするポストコンシューマーリサイクル(PCR)
では,回収されたフィルムの用途や施されていた加工によって異物が多い
ケースもある。 偏光板用のプロテクトフィルム,リリースフィルムやMLCC
の生産プロセスで使用されるリリースフィルムなど,高平滑・無異物・無
欠陥といった高い品質管理が求められる製品をリサイクルするにはバージ
ン材を使用する場合以上の製膜技術,品質管理技術が要求される。ここに
日本のフィルムメーカーにとっての新たなビジネスチャンスがあると予測
する。 リサイクル製品の製造は,使用済製品の回収,洗浄・異物除去など
にコストがかかるためもバージン製品よりもコストアップとなる。そのた
め,フィルムメーカーやコンバーターは,リサイクルコストとユーザーの
許容価格とをすり合わせながらコストダウンに向けた技術開発を行なって
いく必要があるが,利益が確保できないほどのコストダウンは避けなけれ
ばならないという。 日本にしかないFilm to Filmリサイクルのスキームと
技術,それを背景にしたフィルムの品質で「リサイクル品の相場(=新た
な価値)を作りだす」意気込みでの展開が求められるとしている。

最新メタネーション技術を特許事例】
1.特開2023-075078 物質とエネルギーの連鎖的なフロー用の建築シス
 テム メルシャイマー,ケビン ハンス
【概要】
下図8のごとく、システムの共生プロセスは、資源の使用バランス、輸送
要件の削減、水、鉱物、および残留の流れのサイクル短縮、余剰と埋蔵量
のストレージを提供するシステムの統一を形成するために、相反性や成立
した自治を介し動作する。本システムは、有界入力および出力を考慮し、
出力が入力を超えないという安定な受動的デザインの実現を可能にする、
熱管理、大気の最適化、放射線管理、水理学的システム、エネルギーシス
テム、マテリアルフロー、システム管理、およびビルドシステムの8つの
一次システムを調節する設計された生態系が形成され、物質とエネルギー
の連鎖的なフローの恒常的な制御を提供する。


図8.

 

2.特開2023-56800 電気化学セル及び炭化水素製造装置 株式会社デンソー
【概要】
電気化学セルの性能には、電極材料の選定や電極構造の改良が重要となる。
一方、電気化学セルを用いて、炭化水素を生成するためには、原料となる二
酸化炭素及び水蒸気をそれぞれ電気分解し、さらに、電解により生成する一
酸化炭素と水素との反応を進める必要がある。ところが、従来の電気化学セ
ルを単純に適用しても、これらの反応を進行させることは難しく、炭化水素
を発生させるのに適した、単一の電気化学セルは、未だ知られていない。

下図14のごとく、電気化学セル1は、酸化物イオン伝導体11の対向する
2つの面12、13に設けられるカソード2及びアノード3を備える。カソ
ード2は、銀を主成分とする第1粒子21により構成され、二酸化炭素と水
蒸気とを含む原料ガスGに接して設けられる導電性金属層2Aと、遷移金属
元素を含む複合酸化物を主成分とする第2粒子22により構成され、酸化物
イオン伝導体11に接して設けられる複合酸化物層2Bと、導電性金属層2
Aと複合酸化物層2Bとの間に設けられ、第1粒子21と第2粒子22によ
り構成される中間層2Cと、が積層された構造を有する、二酸化炭素及び水
蒸気の共電解による炭化水素を生成に用いられる電気化学セルの提供。

図1.電気化学セルの構成を模式的に示す全体断面図

【符号の説明】 1 電気化学セル  11 酸化物イオン伝導体  12、13
面  2 カソード  3 アノード  21 第1粒子  22 第2粒子  2A
導電性金属層  2B 複合酸化物層  2C 中間層

【実施例】
(実施例1~4) 上述した実施形態1と同様の構成を有する電気化学セル
1を作製し、上記図6に示した炭化水素製造装置100を用いてメタンの生
成試験を行い、メタン転化率の評価を行った。電気化学セル1の作製は、次
のようにして、酸化物イオン伝導体11となる電解質シートを用意し、その
両面に、カソード2となるカソード形成用材料及びアノード3となるアノー
ド形成用材料を印刷により塗布し、熱処理することにより行った。
<電解質シートの作製>
電解質シートの材料として、含有量が8mol%となるようにイットリア(
Y2O3)を添加したジルコニア(ZrO2)を調整した。得られたイット
リア安定化ジルコニア粉末に、ポリビニルブチラールを添加して、混合溶媒
としての酢酸イソアミル、2-ブタノール及びエタノールと共に、ボールミ
ルにて混合することにより、スラリーを調製した。なお、表1中に示すよう
に、8mol%のY2O3を含むイットリア安定化ジルコニアのことを、以
下、「8YSZ」と略称する。 【0060】 なお、8YSZ粉末の平均粒
径は、0.8μmであった。ここで、平均粒径とは、レーザー回折・散乱法
により測定した体積基準の累積度数分布が50%を示すときの粒子径(直径)
d50であり、以降においても、同様とする。

調製したスラリーを、公知のドクターブレード法を用いて、樹脂シート上に
層状に塗工し乾燥させた。その後、樹脂シートを剥離し、大気中1450℃
で2時間焼成することにより、8YSZを材料とする電解質シートを得た。

  <カソード材料の準備>
カソード2の複合酸化物層2Bの材料となる、遷移金属元素を含む複合酸化
物としては、ランタン系複合酸化物である、LaSrCo0.8Fe0.2O4を
用いた(表1中に、LaSr系として示す)。原料として、ランタン系複合
酸化物の構成元素の単一酸化物(富士フイルム和光純薬株式会社製;試験用
試薬)を用い、所望の組成となるように秤量した。次いで、秤量した原料を、
分散剤としてポリビニルアルコールを1質量%添加したエタノール中で、ボ
ールミルにて混合した。ボールミルによる混合は、直径10mmのジルコニ
アビーズを用いて、16時間行い、その後、混合原料をバットに取り出して
乾燥させた。この乾燥粉体を、1100℃で熱処理することにより、遷移金
属元素を含む複合酸化物の粉体を得た(平均粒径0.5μm)。

 得られた複合酸化物の粉体を、分散剤としてアクリル樹脂を1質量%添加
したテルピネオール中にて、ボールミルにて混合した。ボールミルによる混
合は、直径10mmのジルコニアビーズを用いて、16時間行い、その後、
混練により粘調することで、複合酸化物層2Bの形成材料となる印刷用ペー
ストを準備した。 カソード2の導電性金属層2Aの材料としては、銀(Ag
)を用い、粘度の異なる印刷用ペーストを準備した。まず、市販のペースト
状の銀フリット(大研化学工業株式会社製;「NAG-10」)を用意し、
テルピネオール中へ添加して希釈し、もしくはアクリル樹脂を追加して溶解
させることにより、所望の粘度に調整された印刷用の銀ペーストを得た。銀
フリットは、平均粒径0.02μmのものを使用した。

<アノード材料の準備>
アノード3の材料となる複合酸化物としては、ペロブスカイト型複合酸化物
であるBa0.6Sr0.4CoO3を用いた。カソード2の複合酸化物層2Bと同
様の方法にて、原料となる構成元素の単一酸化物を、所望の組成となるよう
に秤量し、アクリル樹脂とテルピネオールのビヒクル内に分散させて、ボー
ルミル混合を行った後に、乾燥させて、乾燥粉体を得た。この乾燥粉体を熱
処理することにより、複合酸化物の粉体を得た(平均粒径0.5μm)。得
られた複合酸化物の粉体を、同様の方法にてボールミル混合し、混練により
粘調することで、アノード形成のための印刷用ペーストを準備した。 

<電気化学セル1の作製>
上記のようにして得られた電解質シートの一方の面に、複合酸化物層2Bの
形成用に準備した印刷用ペーストを、印刷により塗布した後、乾燥させた。
その後、1000℃にて10分間、熱処理することにより、焼き付けを行い。
複合酸化物層2Bを形成した。さらに、複合酸化物層2Bの表面に、導電性
金属層2Aの形成用に準備した印刷用の銀ペーストを印刷し、熱処理して、
中間層2Cを形成すると共に、その表面に導電性金属層2Aを形成して、カ
ソード2とした。その際に、粘度の異なる銀ペーストを用いることにより、
複合酸化物層2Bへの浸透深さを調整して、サンプル毎に中間層2Cの層厚
t1を調整した。また、導電性金属層2Aの層厚は、いずれのサンプルも
10μmとし、粘度の低い銀ペーストを用いた場合には、印刷後に、粘度調
整を行っていない銀ペーストを印刷して、層厚10μmとなるように調整し
た。複合酸化物層2Bの層厚は、25μmとした。

また、上記のようにして得られた電解質シートのもう一方の面に、アノード
3の形成用に準備した印刷用ペーストを、印刷により塗布した後、乾燥させ
た。その後、1000℃にて10分間、熱処理することにより、焼き付けを
行い。アノード3となる複合酸化物層を形成した。アノード3の層厚は、
25μmとした。さらに、カソード2及びアノード3のそれぞれに、電力供
給用の白金(Pt)製のリード線を、銀フリットを溶融させることにより接
合した。アノード3上の銀フリットは、粘度調整を行っていない銀フリット
ペーストを印刷し、800℃にて10分間、熱処理して配置した。
 
このようにして、緻密体である酸化物イオン伝導体11の両面に、多孔質電
極であるカソード2及びアノード3が積層された電気化学セル1のサンプル
を得た(実施例1~4)。このとき、表1に示すように、実施例1のサンプ
ルは、中間層2Cの層厚t1と、複合酸化物層2Bとの合計の層厚tとの比
率t1/tが1%となるように調整されている。また、実施例2~4のサンプ
ルは、比率t1/tが、それぞれ5%、50%、95%に調整された中間層
2Cを有する電気化学セル1とした。なお、酸化物イオン伝導体11の気孔
率は、5%以下であり、多孔質電極の気孔率は、50%であった。

3.特開2022-137626 可逆型燃料電池システム及びその運転方法 国立大
 学法人九州大学
【概要】
可逆型燃料電池システムであって、燃料極と、空気極と、前記燃料極と前
記空気極との間に設けられ、固体酸化物を含む電解質部とを有する燃料電
池本体と、少なくとも水素を含む燃料ガスを前記燃料極に供給する燃料供
給部と、少なくとも酸素を含む酸素含有ガスを前記空気極に供給する酸素
供給部と、前記燃料極または前記空気極に水を供給する水供給部と、を備
え、前記燃料極が、電子伝導性酸化物及びイオン伝導性酸化物から構成さ
れる電極骨格と、当該電極骨格の表面に担持された電極触媒金属及びイオ
ン伝導性酸化物から構成される複合電極触媒と、から構成される可逆型燃
料電池システムで、SOEC(水蒸気電解)とSOFC(発電)の切り替
えを行っても安定して運転を行うことができる燃料電池本体を有する可逆
型燃料電池システムを提供する。

図5.実験例1、実験例2及び参考例のSOFC/SOEC可逆サイクル
  試験の評価結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】 可逆型燃料電池システムであって、 固体電解質と、前記固
体電解質の一方面側に配置された空気極と、前記固体電解質の他方面に配
置された燃料極とを有する燃料電池本体と、少なくとも水素を含む燃料ガ
スを前記燃料極に供給する燃料供給部と、少なくとも酸素を含む酸素含有
ガスを前記空気極に供給する酸素供給部と、前記燃料極または前記空気極
に水を供給する水供給部と、を備え、 前記燃料極が、電子伝導性酸化物及
びイオン伝導性酸化物から構成される電極骨格と、当該電極骨格の表面に
担持された電極触媒金属及びイオン伝導性酸化物から構成される複合電極
触媒と、から構成されることを特徴とする可逆型燃料電池システム。
【請求項2】 前記燃料極における電子伝導性酸化物が、組成式がABO3で
表されるペロブスカイト型酸化物であって、AサイトがCa、Sr、Ba、
Laの群から選ばれる少なくとも1種であり、BサイトがTiである、Ti
含有ペロブスカイト型酸化物である請求項1に記載の可逆型燃料電池シス
テム。
【請求項3】 前記燃料極の電極骨格におけるイオン伝導性酸化物が、
Gd2O3ドープCeO2又はSm2O3ドープCeO2である請求項1または
2に記載の可逆型燃料電池システム。 【請求項4】 前記燃料極における
複合電極触媒におけるイオン伝導性酸化物が、Gd2O3ドープCeO2又は
Sm2O3ドープCeO2である請求項1から3のいずれかに記載の可逆型燃
料電池システム。
【請求項5】 前記燃料極における複合電極触媒における電極触媒金属が、
ロジウムまたはロジウムを含む合金から構成される請求項1から4のいずれ
かに記載の可逆型燃料電池システム。
【請求項6】 前記燃料極における複合電極触媒における電極触媒金属が、
ニッケルまたはニッケルを含む合金から構成される請求項1から4のいず
れかに記載の可逆型燃料電池システム。
【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載の可逆型燃料電池システム
を使用して、300℃以上1000℃以下の温度域で水蒸気電解と発電を
繰り返し行う可逆型燃料電池システムの運転方法。

4.WO2013/141385 熱化学燃料製造用触媒及び熱化学燃料製造方法独立
 行政法人科学技術振興機構
【概要】
熱化学的に料を製造可能とするペロブスカイト酸化物からなる熱化学燃
料製造用触媒及び熱化学燃料製造方法が提供される。そのような熱化学燃
料製造用触媒は、第1温度と該第1温度以下である第2温度の2段階の熱化
学サイクルを用いて熱エネルギーから燃料を製造するのに用いる熱化学燃
料製造用触媒であって、組成式AXO3±δ(但し、0≦δ<1)を有す
るペロブスカイト酸化物からなることを特徴とする熱化学燃料製造用触媒
;ここで、Aは希土類元素、アルカリ土類金属元素、又は、アルカリ金属
元素のいずれか1以上であり、Xは遷移金属元素又はメタロイド元素のい
ずれか1以上であり、Oは酸素である。


図4.La0.8Sr0.2Mn1-xFexO3±δを熱化学燃料(水素)製造用
 触媒として用いた場合の水素製造(生成)量の鉄濃度(x)の依存性を
 示すグラフ

【産業上の利用可能性】
本発明は、太陽エネルギーを高効率で化学燃料として変換貯蔵することが
できるので、得られた化学燃料を各産業分野のクリーンエネルギー、化学
産業のクリーン工業原料として使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1温度と該第1温度以下である第2温度の2段階の熱化学サ
イクルを用いて熱エネルギーから燃料を製造するのに用いる熱化学燃料製
造用触媒であって、組成式AXO3±δ(但し、0≦δ<1)を有するペロ
ブスカイト酸化物からなることを特徴とする熱化学燃料製造用触媒;ここ
で、Aは希土類元素、アルカリ土類金属元素、又は、アルカリ金属元素の
いずれか1以上であり、Xは遷移金属元素又はメタロイド元素のいずれか
1以上であり、Oは酸素である。
【請求項2】 前記A元素はLa、Mg、Ca、Sr、Baからなる群から
選択されたいずれか1以上であり、前記X元素はMn、Fe、Ti、Zr、
Nb、Ta、Mo、W、Hf、V、CrCo、Ni、Cu、Zn、Mg、
Al、Ga、In、C、Si、Ge、Sn
からなる群から選択されたいずれか1以上であることを特徴とする請求項
1に記載の熱化学燃料製造用触媒。
【請求項3】 前記A元素はLaであり、前記X元素はMnであることを特
徴とする請求項2に記載の熱化学燃料製造用触媒。
【請求項4】 前記A元素が一部、Sr、Ca、Baのいずれか1以上で置
換されていることを特徴とする請求項3に記載の熱化学燃料製造用触媒。
【請求項5】 前記X元素が一部、Fe、Ni、V、Cr、Sc、Ti、
Co、Cu、Znのいずれか1以上で置換されていることを特徴とする請
求項3に記載の熱化学燃料製造用触媒。
【請求項6】 前記A元素はLaであり、前記X元素はMnであり、前記L
aが一部、Srで置換されていることを特徴とする請求項1に記載の熱化
学燃料製造用触媒。
【請求項7】 前記置換されているSrの濃度(x;xは置換前のLaの
量を1としたときの量)が0.1以上1.0未満であることを特徴とする
請求項6に記載の熱化学燃料製造用触媒。 【請求項8】 前記Mnが一部
Feで置換されていることを特徴とする請求項7に記載の熱化学燃料製造
用触媒。
【請求項9】 前記置換されているFeの濃度(x;xは置換前のMnの量
を1としたときの量)が0.35以上0.85以下であることを特徴とす
請求項8に記載の熱化学燃料製造用触媒。
【請求項10】 前記A元素はBaであり、前記X元素はTiであり、前
記Tiが一部、Mnで置換されていることを特徴とする請求項1に記載の
熱化学燃料製造用触媒。
【請求項11】 前記置換されているMnの濃度(x;xは置換前のTiの
量を1としたときの量)が0超0.5以下であることを特徴とする請求項
10に記載の熱化学燃料製造用触媒。
【請求項12】 請求項1~11のいずれか一項に記載の熱化学燃料製造
用触媒を用いることを特徴とする熱化学燃料の製造方法、
【請求項13】 請求項1~11のいずれか一項に記載の熱化学燃料製造
用触媒を用いて、第1温度と該第1温度以下である第2温度の2段階の熱化
学サイクルを用いて熱エネルギーから燃料を製造する熱化学燃料製造方法
であって、前記第1温度が600℃以上1600℃以下であり、前記第2温
度が400℃以上1600℃以下であることを特徴とする熱化学燃料製造
方法。
【請求項14】 前記第1温度を、集光太陽光エネルギーを照射して加熱す
ることにより、又は、廃熱を用いて加熱することにより得ることを特徴と
する請求項13に記載の熱化学燃料製造方法。
【請求項15】 第1温度と該第1温度以下である第2温度の2段階の熱化学
サイクルを用いて熱エネルギーから燃料を製造する熱化学燃料製造方法で
あって、 組成式AXO3±δ(但し、0≦δ<1)を有するペロブスカイ
ト酸化物を第1温度まで加熱して還元する工程と、 原料ガスを、還元され
たペロブスカイト酸化物に接触させ、そのペロブスカイト酸化物を酸化さ
せて燃料を製造する工程と、 を有することを特徴とする熱化学燃料製造
方法。
【請求項16】 前記燃料が水素、一酸化炭素、水素及び一酸化炭素の混
合ガス、メタン、メタノールのいずれかであることを特徴とする請求項15
に記載の熱化学燃料製造方法。
【請求項17】 前記原料ガスが水蒸気であることを特徴とする請求項1
5に記載の熱化学燃料製造方法。
【請求項18】 前記原料ガスが二酸化炭素と水蒸気であることを特徴と
する請求項15に記載の熱化学燃料製造方法。
                          この項つづく

✔メタネーションを多角的側面より考察をはじめる。次回も最新触媒技術
からアプローチする。

 

  Part 1 Chapter 7

 「もしこの世界に完全なものが存在するとすれば、それはこの壁だ。誰
にもこの壁を越えることはできない。誰にもこの壁を壊すことはできない」
 門衛はそう断言した。
 壁は一見したところ、ただの古びた煉瓦塀のように見えた。次の強い嵐
だか地震だかであっさり崩れてしまいそうだ。どうしてそんなものを完全
と言えるのだろう?
  私がそう言うと、門衛はまるで自分の家族について故のない悪口を言わ
れた人のような顔をした。
 そして私の肘を掴み、
 壁のそばまで連れて行った。
 「近くからよく見てみな。煉瓦と煉瓦の間に目地がないだろう。それに
ひとつひとつの煉瓦の形もそれぞれに少しずつ違っているはずだ。そして
そのひとつひとつが、髪の毛一本入る隙間もないくらいぴったりとかみ合
っているはずだ」
 そのとおりだった。
 「このナイフで煉瓦を引っ掻いてみな」、門衛は上着のポケットから作
業用ナイフを取り出し、パチンと音を立てて刃を開き、私に手渡す。一見
古ぼけたナイフだが、刃は念入りに研ぎ上げられている。「傷ひとっつき
はしないはずだ」 
  彼の言う通りだ。ナイフの刃先はかりかりと乾いた音を立てるだけで、
煉瓦には白い筋一本も
つかない。
 「わかったかね。嵐も地震も大砲も、何ものもこの壁を崩すことはでき
ない。傷つけることもできない。今までもできなかったし、これから先も
できないだろう」
 彼は記念写真のポーズでもとるみたいに、壁に手のひらをつけたまま、
顎をぐいと引いて私を得意そうに見た。
 いや、この世界に完全なものなどありはしない、と私は心の中でつぶや
く。何らかの形を有するものであればどんなものにも、どこか必ず弱点な
り死角がある。でも声には出さない。
「この壁は誰がつくったのですか?」と私は尋ねた。
「誰もつくりやしない」というのが門衛の揺るぎない見解だった。「最初
からここにあったのさ」
 最初の一週間が終わるまでに、私は君が選んでくれた〈古い夢〉をいく
つか手に取り、読もうと試みた。しかしそれらの古い夢は、私に何ひとつ
意味のあることを語ってはくれなかった。そこで耳にしたのは、もそもそと
いう不破かなつぶやきであり、目にしたのは焦点の合わないいくつもの細
切れなイメーージでしかなかった。断片を出鱈目に継ぎ合わせた録音テー
プやフィルムを遠回しに見せられているみたいだった。
 図書館の書庫には、書籍の代わりに無数の古い夢が並んでいる。長い歳
月にわたって手を触れる者もいなかったらしく、どれも表面にうっすらと
白い埃をかぶっていた。古い夢は卵のような形をしており、サイズも色合
いもひとつひとつ違う。様々な種類の動物たちが産み落としていった卵の
ようだ。でも正確には卵形とは言えない。手に取って間近に眺めると、下
半分か上半分に比べてより膨らんでいることがわかる。重みのバランスも
いびつだ。しかしそのいびつさのせいで座り心地が安定し、支えがなくて
も棚から転げ落ちたりすることはない。
 表面は大理石のように硬質で、つるりと滑らかだ。しかし大理石の重み
はない。それがどのような材質でできているのか、どれはどの強度を有す
るものなのか、私にはわからない。床に落としたら割れてしまうのだろう
か? 何はともあれ、それらはとても注意深く扱われなくてはならない。
希少な生物の卵を扱うのと同じように。

 図書館には一冊の書籍も置かれていない----ただの一冊も。がってはそ
こに書籍がずらりと並び、街の人々は知識と楽しみを求めてここを訪れた
のだろう。普通の街の図書館のように、そんな雰囲気は残り香として、ま
だあたりに微かに漂っていた。しかしどこかの時点ですべての書籍が書棚
から取り除かれ、そのあとに古い夢が並べられたらしい。
 そして〈夢読み〉
はどうやら私の他にはいないようだ。少なくとも今の
ところは、私がこの街における唯一の夢読みであるらしい。私の前にはべ
つの夢読みがいたのだろうか? いたかもしれない。夢読みに関する規則
や手順がこのように絹かくこしらえられ、維持されているところを見ると、
たぶんいたのだろう。
 図書館における君の職務は、そこに並ぶ古い夢を護り、適切に管理する
ことだ。読まれるべき夢を選び、それが読まれたという記録を帳簿に残す。
夕刻前に図書館の扉を開け、ランプの明かりを灯し、寒い季節であればス
トーブに火を入れる。そのための、なたね油と薪を切らさないようにして
おく。そして<夢読み>のために----つまりこの私のために----濃い緑色の
薬草茶を用意する。
「たとえば君はこの街のどこに住んでいるのだろう? そして誰と? ど
のようにして図書館の仕事をするようになったのだろう?」
 君はしばし沈黙する。それから言う。
「私の家はそれほど遠くではありません」と君は言う。それだけ。でもそ
れはひとつの事実だ。

 君は軍隊毛布のようなざらざらの生地で作った青いコートを着て、とこ
ろどころほつれた黒い丸首のセーターに、少し大きすぎる灰色のスカート
をはいている。どれもみんな誰かのお下がりみたいに見える。しかしそん
な貧しい衣服に身を包んでいても、君は美しい。君と肩を並べて夜の道を
歩いていると、私の心臓は強く締めつけられる。正しい呼吸ができなくな
るくらい。あの十七歳の夏の夕暮れと同じように。
「この街に来たばかりっておっしゃってましたが、どこからいらっしゃっ
たのですか?」
「ずっと来の方にある街から」と私は曖昧に答える。「とてもとても遠い
ところにある大きな街だよ」
「私はこの街以外の場所を知りません。ここで生まれて、壁の外には一度
も出たことがないから」
 そう言う君の声は柔らかく優しい。君の目にする言葉は高さハメートル
ほどの堅固な壁にたりなく護られている。
「なぜわざわざここにやって来たのですか? よそからこの街にやって来
た人に会うのは、あなたが初めて」  
「なぜだろう」と拡は言葉を濁す。
 
 君に会うためにここまでやって来たんだよ、そう打ち明けることはでき
ない。それはまだ早すぎる。そうする前に拡は、この街に関するより多く
の事実を学ばなくてはならない。
 我々は数も光量も乏しい街灯の下、川沿いの夜の道を東に向けて歩く。
かつてきみと歩いたのと同じように、二人肩を並べて。川の穏やかな水音
が耳に届く。夜啼鳥の短い澄んだ声が川向こ
うの林から聞こえる。
 君は拡がこれまで住んでいた「遠くにある東の街」のことを知りたがる。
その好奇心が拡を君に少し近づけてくれる。
 「そこはどんな街だったのかしら?」
 そこはいったいどんな街だったのだろう、ほんの少し前まで拡が生活を
送っていたその街は?
 そこでは多くの言葉が行き交い、それらがっくり出すあまりに多くの意
味が溢れていた。
 しかしそんな説明をしたところで、いったいどれほどを理解してもらえ
るだろう? この動きを持たない、言葉少ない街で君は生まれて育った。
簡素で静謐で、そして完結した場所だ。電気もなくガスもなく、時計台は
針を持たず、図書館には一冊の書籍もない。人々の口にする言葉は本来の
意味しか持たず、ものごとはそれぞれ固有の場所に、あるいはその目に見
える周辺に揺るぎなく留まっている。
「あなたが住んでいたその街では、人々はどんな生活を送っているのかし
ら?」
 私はその問いに上手く答えることができない。さて、私はそこでどんな
生活を送っていたのだろう?
 
 君は尋ねる。「でもそこはこの街とはずいぶん違っているのでしょう?
 大きさも成り立ちも、住んでいる人たちの暮らしぶりも。どんなところ
がいちばん違っているかしら?」
 私は夜の大気を胸に吸い込み、正しい言葉と連切な表現を探す。そして
言う。「そこでは人々はみんな影を連れて生きていた」
                           この項つづく

毎日、環境リスク本位制をコアとした問題解決の調査・研究を続けている
と精神形成ができないことがとてもきになる。それを回復確立するには、
村上春樹の小説が役立っていることを確認する(なにも村上春樹でなくて
もいいはずだが)。

風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】

今夜の寸評: オールメタネーションは俺に任せろ。



 

 

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宗安寺とみずの森

2023年08月19日 | 滋賀のパワースポット

  
  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと

伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。







 





17日は、宗安寺にて4年ぶりのリアル施餓鬼供養合にて先祖供養をお
こない、18日は、草津市立水生植物園で開催されている「牧野富太郎と水
生植物 ~ムジナモの発見~」を参観。係員の-説明をお聞きししたが開花
をみることあたわず。また、8月の大人気イベント「パラグアイオニバスに
乗ってみよう!」のパラグアイオニバスは日に日に大きくなえい、現在直
径120cm ほどになっているというが、平日とありイベントはみることでき
ず、園内を参観(小白鳥の写真展も開催)。立派な施設をゆっくりと堪能
でき、たが、毎年1度は彼女とデートしたい場所である。



  




オールメタネーションシステム概論 ③




1.特開2022-152517 メタン製造装置 株式会社豊田中央研究所他
【概要】
下図1のごとく、タン製造装置は、原料ガスとしての二酸化炭素
と水素とからメタンを生成する触媒を収容する反応器と、反応器に接続さ
れ、触媒との熱交換に用いられる熱媒体を反応器に供給する熱媒体供給部
と、反応器に供給される原料ガスの流量と熱媒体の流量とを制御する流量
制御部と、を備え、流量制御部は、原料ガスの流量を現流量から第1流量
へと増加させると共に、熱媒体の流量を現流量から第2流量へと増加させ
る場合に、熱媒体の流量が現流量から前記第2流量へと変化している間に
原料ガスの増加を完了させ、反応器に供給されるH2とCO2とを含む原料
ガスの増減に合わせて、生成するメタンの流量をより早く変化させる。

図1.本発明の一実施形態としてのメタン製造装置の概略ブロック図

【符号の説明】 10…第1反応器 10i…第1反応器の入口 10o…第
1反応器の出口 11…触媒 12,22…温度センサ(触媒温度検出部)
13…熱媒流路 14…第1凝縮器 15…ポンプ(熱媒体供給部、流量制
御部) 20…第2反応器 20i…第2反応器の入口 20o…第2反応器
の出口 23…熱媒流路 24…第2凝縮器 25…絞り弁(流量制御部)
26…バイパス流路 30…制御部(流量制御部) 100…メタン製造装
置 C1,C2,C3,C4…温度曲線 FCH4…メタンの生成流量 FCO2
…CO2の流量 FH2…H2の流量 Fheat…熱媒の流量 Lcat…触媒の全長
MFC1,MFC2…マスフローコントローラ(流量制御部) N…絞り弁
の開度 TM,TZ1,TZ2,TZ3…触媒の温度 Tgas…原料ガスの流量の増
加完了までの時間 Theat…熱媒の流量の増加完了までの時間 Uheat_up…
熱媒増加時の流量の変更速度 Uheat_down…熱媒減少時の流量の変更速度
Z1,Z2,Z3…触媒の位置 ZM…温度の検出位置 f…周波数 Δt…
制御周期
【特許請求の範囲】
【請求項1】 メタン製造装置であって、 原料ガスとしての二酸化炭素と
水素とからメタンを生成する触媒を収容する反応器と、 前記反応器に接続
され、前記触媒との熱交換に用いられる熱媒体を前記反応器に供給する熱
媒体供給部と、前記反応器に供給される前記原料ガスの流量と前記熱媒体
の流量とを制御する流量制御部と、 を備え、 前記流量制御部は、前記原
料ガスの流量を現流量から第1流量へと増加させると共に、前記熱媒体の
流量を現流量から第2流量へと増加させる場合に、前記熱媒体の流量が現
流量から前記第2流量へと変化している間に、前記原料ガスの増加を完了
させる、メタン製造装置。
【請求項2】 請求項1に記載のメタン製造装置であって、 前記流量制御
部は、前記熱媒体の流量の増加を完了させるまでの時間を、前記原料ガス
の流量の増加を完了させるまでの時間の10倍よりも大きくする、メタン
製造装置。 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のメタン製造装
置であって、 前記流量制御部が、前記熱媒体の流量を現流量から前記第2
流量へと増加させる場合の、前記熱媒体の流量の変更速さの絶対値を第1
絶対値としたとき、 前記流量制御部は、前記原料ガスの流量を現流量から
第3流量へと減少させると共に、前記熱媒体の流量を現流量から前記第4
流量へと減少させる場合に、前記熱媒体の流量の変更速さの絶対値である
第2絶対値を、前記第1絶対値よりも大きくする、メタン製造装置。
【請求項4】  請求項3に記載のメタン製造装置であって、前記流量制御
部は、前記第2絶対値を、前記第1絶対値の10倍よりも大きくする、メ
タン製造装置。
【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のメタン
製造装置であって、さらに、 前記触媒の温度を検出する触媒温度検出部を
備え、 前記流量制御部は、前記触媒温度検出部により検出された前記触媒
の温度を用いて、前記原料ガスの流量を増加させる場合の前記熱媒体の流
量の変更速さを決定する、メタン製造装置。
【請求項6】 請求項5に記載のメタン製造装置であって、 前記反応器は、
一方の端面から前記原料ガスが供給されて、他方の端面からメタンを含む
ガスが排出される管状を有し、 前記流量制御部は、 前記触媒温度検出部
により前記触媒の温度が検出される位置が、前記反応器内に収容された前記
触媒のうちの前記一方の端面側である場合には、検出された前記触媒の温
度が高いほど、前記熱媒体の流量を増加させる場合の流量の変更速さを増
加させ、 前記触媒温度検出部により前記触媒の温度が検出される位置が、
前記反応器内に収容された前記触媒のうちの前記他方の端面側である場合
には、検出された前記触媒の温度が高いほど、前記熱媒体の流量を増加さ
せる場合の流量の変更速さを低下させるメタン製造装置 めのシステムおよ
び方法 CO選択酸化反応に用いられる。

.特開2022-076978 燃料電池から排出されるオフガスを処理するため
のシステムおよび方法 三菱重工業株式会社
【一部抜粋】
選択酸化触媒としては、酸化物触媒、白金族金属(Pt,Ru,Rh,P
dなど)系触媒、その他の貴金属系触
媒、光触媒等などを挙げることができる。CO選択酸化触媒の具体例とし
ては、Ru/Al2O3、Ru/C、Rhポルフィリン/C、Cox-Fe2
O、Co3O4、Cu/CeO2-ZrO2、Ni/CeO2-ZrO2、Co
/CeO2-ZrO2、Fe/CeO2-ZrO2、Pt/Al2O3、CuM
n2O4、CuZnO、Pt/SiO2,Pd/Al2O3、Pt/SnO2、
Pd/CeO2、Pt/TiO2、PdCl2-CuCl2/C、Au/Ti
O2、Au/Fe2O3などを挙げることができる。CO選択酸化触媒として、
粉末、顆粒、ペレット、平板、波板、コルゲート、ハニカムなどの形状の
ものを適宜用いることができる。CO選択酸化触媒は、C、Al2O3、Si
O2、TiO2、ZrO2などの担体に,Pt、Ru、Rh、Pdなどの酸
化機能を有する元素を担持してなるものであってもよい。CO選択酸化触
媒は、反応器の内腔に装填もしくは充填してもよいし、反応器の内腔の内
壁に付着させてもよい。

3.特表2023-525958 タン富化ガスを生成するためのプロセス ヒタチ
 ゾーセン イノヴァ シュマック ゲー・エム・ベー・ハー

【概要】 メタン富化ガスの生成プロセスであって、以下のステップ:バイ
オリアクターであって、ガスを供給するための少なくとも1つの装置と、バ
イオリアクター内で生成されたメタン富化ガスを取り出すための少なくと
も1つの出口とを備えるバイオリアクターを用意するステップと、バイオ
リアクターから取り出されたメタン富化ガス中の二酸化炭素の割合を決定
するための装置を用意するステップと、バイオリアクターから取り出され
たメタン富化ガス中の二酸化炭素の割合の目標値Sを指定するステップと、
二酸化炭素含有ガスをバイオリアクターに供給するステップと、水素含有
ガスをバイオリアクターに供給するステップと、バイオリアクター内でメ
タン富化ガスを形成するステップと、バイオリアクター内で形成されたメ
タン富化ガスをバイオリアクターから取り出すステップと、バイオリアク
ターから取り出されたメタン富化ガス中の二酸化炭素の割合の実際値を決
定するステップと、目標値Sと決定された実際値とを比較するステップと
、決定された実際値が指定された目標値Sに対応するように、供給された
二酸化炭素含有ガスの量を調整。

3.特表2023-525958 メタン富化ガスを生成するためのプロセス ヒタチ
 ゾーセン イノヴァ シュマック ゲー・エム・ベー・ハー

【概要】メタン富化ガスの生成プロセスであって、以下のステップ:バイ
オリアクターであって、ガスを供給するための少なくとも1つの装置と、
バイオリアクター内で生成されたメタン富化ガスを取り出すための少なく
とも1つの出口とを備えるバイオリアクターを用意するステップと、バイ
オリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の二酸化炭素の割合を決
定するための装置を用意するステップと、バイオリアクターから取り出さ
れたメタン富化ガス中の二酸化炭素の割合の目標値Sを指定するステップ
と、二酸化炭素含有ガスをバイオリアクターに供給するステップと、水素
含有ガスをバイオリアクターに供給するステップと、バイオリアクター内
でメタン富化ガスを形成するステップと、バイオリアクター内で形成され
たメタン富化ガスをバイオリアクターから取り出すステップと、バイオリ
アクターから取り出されたメタン富化ガス中の二酸化炭素の割合の実際値
を決定するステップと、目標値Sと決定された実際値とを比較するステッ
プと、決定された実際値が指定された目標値Sに対応するように、供給さ
れた二酸化炭素含有ガスの量を調整。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 メタン富化ガスの生成プロセスであって、以下のステップ
: a)バイオリアクターであって、 - ガスを供給するための少なくと
も1つの装置と、 - 前記バイオリアクター内で生成されたメタン富化ガ
スを取り出すための少なくとも1つの出口と を備えるバイオリアクター
を用意するステップと、 b)前記バイオリアクターから取り出されたメ
タン富化ガス中の二酸化炭素の割合を決定するための装置を用意するステ
ップと、 c)前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の
二酸化炭素の割合の目標値Sを指定するステップと、 d)二酸化炭素含有
ガスを前記バイオリアクターに供給するステップと、 e)水素含有ガスを
前記バイオリアクターに供給するステップと、 f)前記バイオリアクター
内でメタン富化ガスを形成するステップと、 g)前記バイオリアクター内
で形成されたメタン富化ガスを前記バイオリアクターから取り出すステッ
プと、 h)前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の二
酸化炭素の割合の実際値を決定するステップと、 i)ステップc)で指定
された前記目標値Sとステップh)で決定された前記実際値とを比較する
ステップと、 j)ステップh)で決定された前記実際値がステップc)で
指定された前記目標値Sに対応するように、ステップd)で供給された二
酸化炭素含有ガスの量を調整し、かつ/またはステップe)で供給された
水素含有ガスの量を調整するステップと を含む、プロセスにおいて、前記
バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の二酸化炭素の割合
について、ステップc)で指定された前記目標値Sが0体積%<S≦5体
積%の条件を満たす ことを特徴とする、プロセス。
【請求項2】 前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の
二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが0
体積%<S≦4体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項1記載の
プロセス。
【請求項3】前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の
二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが0
体積%<S≦2体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項1記載の
プロセス。
【請求項4】 前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中
の二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが
0体積%<S≦1.5体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項1
記載のプロセス。
【請求項5】前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の
二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが
0.1体積%≦S≦5体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項1
記載のプロセス。
【請求項6】前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の
二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが0.1
体積%≦S≦4体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項1記載の
プロセス。
【請求項7】 前記バイオリアから取り出されたメタン富化ガス中の二酸
化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが0.1
体積%≦S≦2体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項1記載の
プロセス。
【請求項8】前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の
二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが
0.1体積%≦S≦1.5体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求
項1記載のプロセス。
【請求項9】前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中の
二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが
0.5体積%≦S≦5体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項1
記載のプロセス。
【請求項10】前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス中
の二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値Sが
0.5体積%≦S≦4体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項1
記載のプロセス。
【請求項11】 前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス
中の二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値S
が0.5体積%≦S≦2体積%の条件を満たすことを特徴とする、請求項
1記載のプロセス。
【請求項12】  前記バイオリアクターから取り出されたメタン富化ガス
中の二酸化炭素の割合について、ステップc)で指定された前記目標値S
が0.5体積%≦S≦1.5体積%の条件を満たすことを特徴とする、請
求項1記載のプロセス。
【請求項13】  ガスを供給するための少なくとも2つの装置を用意する
ことを特徴とし、ここで、二酸化炭素含有ガスを供給するための少なくと
も1つの装置と、水素含有ガスを供給するための少なくとも1つの装置と
を用意する、請求項1から12までのいずれか1項記載のプロセス。
【請求項14】 前記二酸化炭素含有ガスを供給するための装置および/
または前記水素含有ガスを供給するための装置が流量調整装置であること
を特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載のプロセス。
【請求項15】  ステップj)における前記調整を、もっぱら、ステップ
i)において行われた前記比較に基づいて行うことを特徴とする、請求項
1から14までのいずれか1項記載のプロセス。
【請求項16】  ステップi)の前記比較とステップj)の前記調整とを、
プロセッサユニットによって行うことを特徴とする、請求項1から15ま
でのいずれか1項記載のプロセス。

4.特開2001-211894 水素資化メタン菌からのビタミンB
  12
の生産方法 科学技術振興事業団
【特許請求の範囲】
【請求項1】消化汚泥から得た中温メタン菌をH2 /CO2 を培地として
馴化を行い、馴化メタン菌を微量金属要素の無機栄養塩包括担体上で固定
床バイオリアクターにより増殖させ、石炭ガスおよびバイオガスの少くと
も1種に水素を加えた混合ガスを資化させてメタンに改質させると同時に、
菌体外生成物として発酵液に中存在するコバラミンをシアン化カリウムを
用いてシアノコバラミンとして回収することを特徴とするビタミンB12の
生産方法。
【請求項2】  消化汚泥から得た中温メタン菌をH2 /CO2 を培地とし
て馴化を行い、馴化メタン菌を微量金属要素含有の限外濾過膜併用懸濁培
養リアクターにより増殖させ、限外濾過膜の透過液中に含まれる細胞外コ
バラミンをシアン化カリウムを用いてシアノコバラミンとして回収し、石
炭ガスおよびバイオガスの少くとも1種に水素を加えた混合ガスを資化させ
るためにメタン菌を限外濾過膜から培養液中に戻して培養することを特徴と
するビタミンB12の生産方法。
【請求項3】 微量金属濃度を標準組成の10~1000倍とする請求項1
または2の方法。
【請求項4】 水素資化メタン菌の培地の微量金属塩の濃度のうち、Co/
Fe比を標準組成比より10~100倍にする請求項1または2の方法。
【請求項5】 固定床または縣濁型バイオリアクターの底部に多孔性セラミ
ックスを介して陰極部を上部に陽極部を下部に置き、直流電圧印加し、培
養液中の水を電気分解することによって、発生する水素を微量要素強化担
体固定床または膜複合型メタン発酵バイオリアクターへ利用し、酸素を大
気放出することを特徴とするメタン発酵方法。
【請求項6】 菌体外生産物であるコバラミンをシアン化カリウムによって
シアノコバラミンとして抽出した残液に直流電圧を印加し、電気分解を行
い、これらから得られた水素を一酸化炭素や二酸化炭素を含む石炭ガスや
バイオガスに供給し、膜複合バイオリアクターや固定床リアクターによっ
てメタネーションを行うことを特徴とするガスの改質法。
✔ 驚きますね。20年前に提案さえていたとは。

5.特表2002-538960 有機物質含有廃水の処理方法及び装置 バイオレッ
 クス株
式会社
【概要】 ヒドロキシラジカルを含むラジカル反応による有機汚染物質の酸
化的分解による、該汚染物質を含有する廃水の新規な処理方法が開示され
ている。本方法は、廃水を、管状直胴部材(6)及び正極として作用する
二酸化チタンの内面層を有し、該管状直胴部材の上流端に接続された角錘
台又は円錐台型管状部材(1)と該錐台型管状部材に関して同軸線上に保
持された負極ロッド(4)とからなるラジカル発生部とを包含してなる廃
水処理導管(6)内を通過させること及び特定の周波数において矩形波形
を有するパルス直流電圧を印加することを包含する。廃水処理効率は、該
管状直胴部の下流端に接続された上記と同様の錐台型管状部材(7)及び
それに配設されたパルス超音波を発振するための超音波発振器(8)から
なる超音波部を設けることにより向上させることができる。

図7.本発明の廃水処理装置を含むシステムを示す系統図

本発明装置における正極と負極は、周波数10kHz~150kHzで矩
形波形の直流パルスを発生することができる電源に接続され、両極間に電
流密度5μA/cm2~50mA/cm2の範囲で電圧勾配0.2~6kV
/cmを生じさせる。これらのパラメーターは、本発明方法による廃水処
理の高効率を確保するのに重要である。

5.特表2008-538281 炭素質材料から合成燃料を製造するためのバイオリ
 アクター及び方法 ジオシンフューエルズ・リミテッド・ライアビリテ
 ィ・カンパニー
【概要】
本発明は、炭素質材料を生物分解(またはバイオデグレード(biodegrade
して、合成燃料、例えば合成油、アルコールおよび/もしくは気体状燃
とするためのバイオリアクターおよびその方法である。
 潜在的な燃料源としてのメタンの価値は、長い間認められてきており、
活用されてきている。しかしながら、天然ガスの現行価格が熱量単位(B
TU)に関して石油と同程度であるため、しばしば石油油田産物の副生成

であった低価格の燃料源から、それを目的として採掘する価値のある燃料
源へと発展した。天然ガスの価値の向上は、石油埋蔵量の世界的な供給の
収縮および石炭を燃料とする発電所に課せられたより厳格な環境的規制を
含む多くの要因によって駆動されてきている。例えば、石炭から電気を生
成することは、天然ガスから電気を生成することの2倍も二酸化炭素を放
出する。石炭を燃焼させると水銀蒸気も生成するが、それは世界的な水銀
汚染の20パーセント以上に寄与すると見積もられている。さらに、石炭
を燃焼させると、ヒ素化合物および二酸化イオウを放出し得る。

 よりきれいに燃焼する燃料に対する需要がますます高まることだけでは
なく、特に石油埋蔵量が激減(または枯渇)と知られているように、石油
に対する世界的な需要がその価格をより高めるように駆動し続けることに
よっても、天然ガスおよび合成天然ガスなどのメタンを含有するガスへの
需要は、将来的に増大し続けることになると考えられる。水素燃料電池が
商業化されるにつれて、メタンへの需要も増大することになると考えられ
る。それは、水素を生成させるための最も安価なプロセスが、触媒の存在
下で、メタンおよび水を、水素および二酸化炭素へ化学的に転化させるこ
とを伴っているためである。
 天然ガスへの需要を満足するために、米国は、今日では、1日あたり少
なくとも約20億立方フートの液化天然ガス(「LNG」)を輸入してい
る。液化天然ガスを輸入することは、少なくとも2つの著しい問題点を有
している。第1の問題点は、液化天然ガスの輸入コストが高いことである
 第2の問題点は、今日の世界的環境において、主要な港に設置された大
規模な液化天然ガスターミナルを所有することは、そのようなターミナル
テロリストの攻撃対象となり得るために危険であるということである。
しかしながら、テロが生じない場合においてさえ、そのようなターミナル
は爆発の重要な危険を伴っている。
 一般に、よりきれいに燃焼する燃料およびメタンガスに対して世界的に
高まりつつある需要のため、メタンを含む気体状燃料の代替物源が必要と
されている。その結果として、メタンを含む気体状燃料および/もしくは
液状合成燃料、例えば合成石油を製造するための経済的な技術が、重要な
市場価値を有することになっている。石炭またはコークスから得られる人
工的ガスは、暖房用燃料として用いるため、米国において、19世紀後半
および20世紀の最初の数十年間に幅広く使用された。米国においてなら
びに世界のその他のいくつかの領域において、一見無尽蔵とも見える天然
ガスの供給が、大きな有用性を有するため、合成ガスは段階的に急速に廃
止された。天然ガスの使用は、一方で、米国において、1940年から
1970年との間で、730%増大した。この期間に、米国のガス産業は
、313兆立方フートの天然ガスを生産した。しかしながら、世界の中で、
天然ガスが不足する地域では、製造されたガスが使用され続けた。

 歴史的に、石炭のガス化は、その分解およびガス化を生じさせるために
熱分解、炭化またはレトルト処理(retorting)によって石炭を加熱するこ
とを含んでいた。ガス化プロセスから得られるガスは、一般に、一酸化炭
素、二酸化炭素、メタンおよび水素を種々の濃度で含有しており、各成分
の濃度は使用したガス化技術に応じて変動し得る。従って、これらの加熱
をベースとするガス化技術において、ガス化は主要な工程であるが、石炭
から製造されたまたは合成天然ガス(「SNG」(synthetic natural gas)を生じさ
せる全体のプロセスの一部の工程であることを理解する必要がある。更に
そのようなプロセスは、ガス化工程に加えて、一般に、ガスコンディショ
ニング(gas conditioning)、ガス浄化、メタン生成および副産物処理プロ
セスを含む。さらに、石炭ガス化工程からの生成物ガスを、メタン合成に
必要とされている純度の程度まで浄化することは、ガス中の種々のおよび
大量の不純物のために、困難を伴う。 既知の加熱ガス化技術を用いる石
炭ガス化のもう1つの問題点は、ガス化プロセスが非常に吸熱的プロセス
であることであって、プロセスの熱要求は、熱を加えることによってカバ
ーすることが必要とされ、例えば、酸素によって石炭を部分燃焼させて供
給される直接的な熱、または外部の燃料源から供給される間接的な熱によ
り達成できる。
 いずれにせよ、ガス化の前に石炭の中に含まれていた全体的なエネルギ
ー価値の重要な部分は、石炭をガス化するために消費される。最終的に
加熱をベースとするガス化プロセスは、動物または植物排出物についてま
ったく利用性を示していないが、それらはいずれも炭素質材料の重要で再
生可能なリソースである。有機物をメタンへ生物学的に転化(または転化
)させることは、長年研究されてきた。有機物をメタンおよび二酸化炭素
へ分解すること(即ち、メタン生成分解(degradation)は、限られた酸素
またはその他の電子受容体環境(electron acceptor environments)に限って
生じる。このプロセスは、湿地、水田、泥炭沼および反芻動物の腸パイプ
などに広範囲に及んでおり、地球規模での炭素サイクルに重要な役割を果
たしている。実際に、全体の生物学的メタン生成によるメタンの生産は、
1年あたり5億トンと見積もられており、これによってメタンは第2の最
も豊富な温室効果ガスとなっている。

【発明の開示➲解決課題】 
メタン生成分解(Methanogenic degradation)は、有酸素分解と比べてより
遅く、エネルギー生成がより少ないが、好気的分解はメタンを生成しない。
さらに重要なことは、メタン生成転化methanogenic conversion)は 同じ
有機炭素化合物を水および二酸化炭素へ、好気的に完全に分解する場合に
放出されるエネルギーの約15%放出する。これは、エネルギーの残りの
85%が生成するメタンの中に蓄えられ、その後に酸化される。 
 メタン生成細菌Methanogens)は、嫌気的または無酸素的(anoxic)環
境においてメタンを生成する古細菌(Archaea)の群で、それらは偏性嫌
気性菌で、それらの環境における分子状またはイオン性の酸素に耐えるこ
とができない。それらは、細菌、原生動物、昆虫および草食動物、例えば
牛などを含めて、他の有機体と相互依存関係を形成する。それらは、メタ
ンを生成のエネルギー源とし、それら有機体と二酸化炭素とによって生み
出された簡単な有機化合物、例えばホルメート、アセテート、メチルアミ
ンおよびいくつかのアルコールを用いる。 
 メタン生成細菌は発酵性の有機体に依存し、それらがエネルギーを依存
する簡単な有機の基材を生成し、発酵性の微生物も同様にメタン生成細菌
に依存して、それらが生成する有機化合物および水素を取り去り、エネル
ギーを向上させる。この相互依存は共生的協力(syntrophic cooperation)と
称され、この協力的な関係におき、発酵性の微生物種は、長鎖有機炭素分
子をH2とC-1およびC-2化合物へ発酵させ、メタン生成細菌に供給。
この発酵プロセスは、生成したH2とC-1およびC-2化合物により抑
制され、水素およびC-1およびC-2化合物をメタンに転化(または転
化)する際に、水素およびC-1およびC-2化合物を除去により、発酵
種に寄与する。結果として、共生的に協力している嫌気性生物は、複雑な
有機物をメタンおよび二酸化炭素へ、元々の有機物に含まれていたエネル
ギー価値をあまり損失することなく、協力転化する。分子生物学における
最近の進歩は、この複雑であるが広範囲に及ぶ自然のプロセスの、より良
好な理解をもたらした(参考文献割愛)。、

大規模で、低コストで、比較的効率的な、堆積バイオリアクターは、世界
中のオイルシェールおよびオイルサンドの資源中の数兆バレルの油を開放
することができた。そのようなバイオリアクターは、植物および動物の排
出物などの再生可能な資源、ならびに、石炭などその他の再生不可能な資
源を含めて、その他の有機炭素質材料のバイオガス化に用いることが可能
であった。そのようなバイオリアクター内で生成した合成燃料(例えばメ
タン、アルコールおよび/もしくは合成石油)は、今世紀の残りのエネル
ギー不足の世界の燃料となり得る。 【0020】 以上のことを考慮する
と、本発明の目的の1つは、有機炭素質材料を合成燃料へ転化するために
用いる新たなバイオリアクターの構成を提供することである。もう1つの
目的は、有機炭素質材料を合成燃料へ転化するための新しい方法を提供す
ることである。

 下図1.5の如くスタックされた粒状物バイオリアクターを用いて、生
物分解可能な炭素質材料から燃料を製造する方法を提供する。生物分解可
能な炭素質材料を含む粒状物から、スタックされた粒状物バイオリアクタ
ーが形成される。スタックされた粒状物バイオリアクター内の生物分解可
能な炭素質材料は、好気的に及び/若しくは嫌気的に1種若しくはそれ以
上の合成燃料にバイオコンバートされ、リアクターから収集される。この
方法によって製造される合成燃料は、合成石油、アルコール及び/若しく
はメタンを含む気体状燃料を含み得る。好ましくは、方法は、好気的バイ
オトリートフェーズに続いて嫌気性の生物転化反応フェーズを行う。嫌気
性、及び好ましくは好気的分解を実施するためのスタックされた粒状物バ
イオリアクターも開示する。

図1.炭素質材料から合成燃料を取り出すための、生物分解発電所および
 それに対応するバイオリアクターおよび関連設備を示す模式図

 図1は生物分解発電所(biodegradation power plant)10を模式的に
示している。発電所10は、スタックされた粒状物バイオリアクター(
bioreactor)20を含んでいる。この態様例において、バイオリアクター
20は、複数のスタックされた粒状物を含む堆積物30と、堆積物30を
覆うガス不透過性のバリヤ36とを有する。バリヤ36は、バイオリアク
ター20を嫌気性モードで操作することができるように設けられている。
バイオリアクター20を嫌気性モードで操作しない場合には、バリヤ36
は不要である。
 スタックされた粒状物バイオリアクター20は、生物分解可能な炭素質
材料を含む粒状物を、堆積物30を形成するように積み重ねること(また
は堆積させること)によって形成することができる。スタックされた粒状
物バイオリアクター20は好気的におよび/もしくは嫌気的にバイオトリ
ートされて、バイオリアクター20内の炭素質材料が合成燃料へ転化され、
得られる合成燃料は、例えば液体収集システム32および/もしくは気体
収集システム33を用いて、バイオリアクターから収集される。  
 バイオリアクター20の中で処理された生物分解可能な炭素質材料は、
例えば、オイルサンド、炭素質岩石、アスファルト、アスファルト油、廃
油、ビチューメン、タール、ピッチ、ケロゲン、ゴムおよび農業排出物を
含むことができる。本発明の方法およびバイオ リアクターで処理するこ
とができる炭素質岩石材料は、例えば多種多様な石炭およびオイルシェー
ルを含む。低グレードの石炭は、固定された炭素の含量が少なく、より高
い水素濃度を有しおよび一般に生物分解が容易であるために、特に好まし
い。従って、石炭は、歴青炭(bituminous coal)またはそれ以下の変成
ランク、亜炭(lignite coal)またはそれ以下の変成ランクおよび泥炭(
peat)またはそれ以下の変成ランクを有することが好ましい。
 本発明の方法でおよびバイオリアクター内で、天然のおよび合成のアス
ファルトを処理することができ、従って、路面からはがれたアスファルト
を処理する代替手段および新しい用途を提供することができる。同様に、
刻まれたタイヤまたは破砕されたタイヤを、本発明の方法およびバイオリ
アクター内において、ゴムのソースとして用いることができる。農業排出
物には動物および植物の両方の排出物を含んでおり、その有用な例には、
肥料、樹皮、トウモロコシ穂軸、木の実の殻、木製副産物および農作物副
産物、果実排出物、ワラ、発酵排出物および粉末化した工場排出物などが
ある。
 本発明の方法を実施するために、多種多様のスタックされた粒状物バイ
オリアクターを使用することができる。実際に、金属鉱石の堆積生物浸出
(heap bioleaching)に用いられた多くの堆積バイオリアクターの構成は、
本発明において使用するために適応することができる。さらに、バイオリ
アクター20を形成するために用いられた粒状物の寸法と粒子寸法分布は、
炭素質材料の大部分がバイオトリートメントを実施するために用いられる
微生物にさらされるように選ばれることが好ましい。粒状物の寸法と粒子
寸法分布は、バイオリアクター20の空隙体積が約15%に等しいかまた
はそれより大きいように、または約20%に等しいかまたはそれより大き
いように選択されることが好ましい。バイオリアクター20の空隙体積は
約15%~35%の範囲であることが好ましく、約20%~35%の範囲
であることがより好ましい。空隙体積は、バイオリアクターの全体にわた
って実質的に均一であることも望ましい。
  好気的にバイオトリートされるバイオリアクター20について、堆積物
の中で酸素および液体を移動させるために良好な浸透性が必要とされるの
で、上述した範囲のより高い側の空隙体積が一般に必要とされる。専らま
たは主として嫌気的にバイオトリートされるバイオリアクターには、同等
のレベルの浸透性は必要とされないが、そのようなバイオリアクターの浸
透性は重要であり続ける。これは、pHおよび温度の制御、精密な低レベ
ルの酸素制御および堆積物中での好気性条件への効率的な転換などのため
に、そのようなバイオリアクター内では浸透性がまだ必要とされているた
めである。堆積物内での液体の好適な移送を許容して、バイオリアクター
のすべての領域に接種材料(inoculum)および栄養材料(nutrients)が到
達することができるように、浸透性は必要とされる。さらに、1トンの石
炭は、0.5トンものメタンガスを製造することが可能である。それは、
約1000倍の体積膨脹である。従って、このガス状の合成燃料が排出さ
れ得るように、バイオリアクターが適切な浸透性を有することは重要であ
る。 
 スタックされた粒状物バイオリアクター20をバイオトリートするため
に、1種又はそれ以上の培養物を使用することができ、各培養物は1つの
タイプの微生物を含んでもよいし、または種々のタイプの微生物を含んで
もよい。一般に、培養物は、種々の培養物の群を含むことになり得る。さ
らに、バイオリアクター20内で炭素質材料をバイオトリートするために
用いられる微生物は、好気性微生物、通性嫌気性微生物または嫌気性微生
物であってよく、これらを時間の経過と共に変更することもできる。例え
ば、特に好ましい態様例において、バイオトリートメント(生物処理
(biotreatment))は、好気性微生物分解プロセスとして開始され、その
後、嫌気性微生物分解プロセスへ転化される。しかしながら、その他の実
施において、好気的バイオトリートのみ、または嫌気的バイオトリートの
みを実施することが望ましいこともあり得る。   
 好気的バイオトリートを実施することになっている場合には、堆積物3
0を形成しながら、またはそのすぐ後に、バイオリアクター20の中で処
理されることになる、生物分解可能な炭素質材料を生物分解することがで
きる微生物コンソーシアムを、堆積物30に埋め込む(または接種する)
ことが好ましい。例えば、接種材料は、粒状物がスタックされて、好まし
くはコンベヤスタックされて堆積物30を形成する際に、粒状物の上に噴
霧することができる。別法として、堆積物30を形成するように配置され
た粒状物の各層には、粒状物の別の層を配置する前に、接種材料を噴霧す
ることができる。さらに、堆積物30を形成するために、以下に記載する
ような被覆粒状物または凝集物を使用する場合には、粒状物形成プロセス
との間に、接種も行われることになる。上述した接種技術は、排他的なも
のではなく、当業者であれば、本明細書の開示事項から、バイオリアクタ
ーを形成するために使用した粒状物上にすでに存在している野生株の微生
物菌種を用いることを含めて、バイオリアクター20に接種するには多種
多様の方法があることを理解するであろう。 【
  バイオリアクター20の中で炭素質材料を嫌気的にバイオトリートす
る場合には、微生物の新しい培養物が嫌気的にバイオリアクターの中に導
入されおよび、バイオリアクターの全体にわたって効率的に分散されるよ
うに、バイオリアクター20が構成されることが好ましい。このことは、
例えば微生物および栄養材料の供給部40と、油/水分離器37から回収
された水66とに連絡している潅漑システム(irrigation system)34
を通して達成することができる。本発明の態様において、潅漑システム3
4は、ガス不透過性バリヤ36が堆積物30上に可能な限り接近して配置
されるような、ドリップ(drip)潅漑システムであることが好ましい。潅
漑システム34は、堆積物30の全体が潅漑され得るように、堆積物30
の頂部に隣接して配置されることが好ましい。しかしながら、堆積物の全
体にわたって種々の深さに埋められたエミッタ61を有し、潅漑システム
の種々の部分を独立して制御して、バイオリアクター20の中でのプロセ
ス制御を向上させることも望ましい。 
 以下の表1に挙げられた細菌は、石炭、オイルシェールおよびオイルサ
ンドなどの化石燃料内で見出された炭化水素化合物材料を、好気的に生物
分解するために用いることができる。さらに、これらの天然資源と関連す
ることが見出された野生株の菌種を用いることができる。堆肥パイル内で
見出される典型的な微生物は、バイオリアクター20の中で農業排出物お
よび有機排出物を好気的に生物分解するために使用することができる。好
気的または通性沼地(lagoon)から誘導される接種材料を使用することも
できる。
(表1)長鎖炭化水素化合物を分解することができる好気性微生物および
通性嫌気性微生物



図5.複数のバイオリアクターを形成するためのプロセスの模式図

※ 紙面の都合上、本件は割愛。
                          この項つづく

風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】




今夜の寸評: オールメタネーションは俺に任せろ。

日本の高度消費資本主義社会もおかしくなっている。政治経済の考察をはじめ
なければと思いつつ手がつけられない苛立ちが残る。それにしても、積乱雲が形
が妙だ。これは、不規則な局所的な乱れが原因なんだろう。円筒状とはお目にか
かった記憶がない。

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不確かな壁とその街と その1の6

2023年08月17日 | 環境リスク本位制

  
  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと

伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

  

        秋薊 きみのようだねと 笑う僕
                               
                              
2つの台風の爪痕も生々しいが、盆供養も無事すまし、コロナ禍でリモー
トから宗安時にて施餓鬼供養がいつものように行まわれる。ところで、本
日の秋薊(あきあざみ)は、人類が初めて出会った雑草といわれ、禁断の
果実を食べたアダムとイブは、エデンの園を追い出され、イバラやアザミ
の生えた中から、果実を見分けて食べなければならなくなる言われ、日本
語の「アザミ」の名は、「あざむ」に由来する。美しい花だと思いきや、
触れるとトゲがあり驚かされる所以、「あざむかれた」というこじつけに
あり、アザミは漢字で「薊」と書き、草冠に魚(骨)と刀を書き記した字
も、アザミのトゲを表し牛や馬もアザミを食べることはなくアザミだけが
食い残されて、雑草として繁殖する。が、スコットランドでは、アザミは
国花として祖国防衛の象徴とされるほどに... さようにして、この一句を
詠ませた。人類の危機と台風禍明けの二人。なにも語らぬがそこには安堵
とよろこびが混在している。 

【俺の剪定日誌:百日紅】
台風で、伸びきった樹形が変改したため。急遽、剪定することに(予定で
は日曜日)。










オールメタネーションシステム概論 ②
 
1.特開2023-112787 熱エネルギー循環システム及び冷熱エネルギー循 
  環方  大陽日酸株式会社

【概要】
下図1のごとく、液化炭酸貯蔵施設、二酸化炭素回収施設、及び移動式冷
熱回収装置10を有してなり、移動式冷熱回収装置10は、液化炭酸貯蔵
施設に貯蔵された液化炭酸LCOから冷熱エネルギーを回収し、さらに
化炭酸貯蔵施設から回収した冷熱エネルギーを用いて、二酸化炭素回収施
設から排出される炭酸ガスGCO2を液化して液化炭酸LCOとするととも
に、液化炭酸LCO液化炭酸貯蔵施設に供給する、オンサイト型の水素
製造装置や水素ステーションの場合であっても、炭酸ガスを大気中に放出
することなく、低コスト且つ簡便な構成で、省電力で効率よく炭酸ガスを
液化して液化炭酸を得ることが可能な冷熱エネルギー循環システム及び冷
熱エネルギー循環方法を提供する。
図1.本発明の実施形態である冷熱エネルギー循環システム及び冷熱エネ
ルギー循環方法について模式的に説明する図であり、冷熱エネルギー循環
システムを構成する移動式冷熱回収装置の構成を示す概略図

【符号の説明】10…移動式冷熱回収装置(冷熱エネルギー循環システム)1…
CO2分離貯槽 2…熱回収用熱交換器 3…第1窒素ボンベ 4…液化熱交
換器  5…常温ブラインタンク(ブラインタンク) 6…第2窒素ボンベ
7…低温ブラインタンク(ブラインタンク) 8…水素熱交換器 9…冷凍
機熱交換器 110…冷凍機ユニット 11…液炭蒸発器入口接続口 12…
液化炭酸貯槽接続口 13…液炭蒸発器出口接続口 14…回収CO2接続
口 15,16…水素接続口 V1,V2,V3,V7,V8,V9,V1
0,V11,V12,V13,V14,V15,V16…バルブ  CV4,
CV5,CV6,CV19,CV20,CV2 1…コントロールバルブ
RV17,RV18…減圧弁 PD1,PD2,PD3,PD4…圧力セン
サ TD1,TD2,TD3,TD4,TD5,TD6,TD7,TD8…
温度センサ LD1,LD2,LD3…液面センサ F1…液炭蒸発器ライ
ン F2…液化炭酸貯槽ライン F3…CO2ライン F4…液炭蒸発器ラ
インF5…CO2回収ライン F6…ブライン供給ライン F7…ブライン
供給ラインF8…窒素ガス導入ライン F9…窒素ガス導入ラインF10…
熱回収ライン F11…排出ライン F12…炭酸ガス排出ライン F13…
窒素ガス排出ライ F14…窒素ガス導入ライン F15…窒素ガス導入ラ
イン F16…窒素ガス排出ライン F17…窒素供給ライン F18…窒素
供給ライン F19…ブライン熱交換ライン F20…水素ライン F21…
水素ライン FR1…冷凍機ライン 20…液化炭酸貯蔵施設  21…液化
炭酸貯槽 22…液炭蒸発器 23…メタネーシ ョン設備 24…液水蒸発
器 25…液化水素貯槽 26…液炭蒸発器入口 27…液化炭酸貯槽入口 2
8…液炭蒸発器出口 29a,29b…水素接続口 V25,V26…バル
ブ CV22,CV23,CV24…コントロールバルブ F22…液化炭
酸貯槽ライン F23…液炭蒸発器出口ライン F24…水素受取ライン F
25…水素送出ライン F26…液炭蒸発器入口ライン FM1…メタン供給
ライン30…二酸化炭素回収施設(冷熱エネルギー循環システム) 31…
水素製造装置 32…精製器 33…圧縮機 34…回収CO2ホルダー 3
5…水素ガスホルダー 36…液水蒸発器 37…バックアップ用液化水素
貯槽 38…回収CO2出口 39a,39b…水素接続口V28,V29,
V30,V32,V33,V34…バルブ CV27,CV31…コントロ
ールバルブ F27…水素供給ラインF28…水素使用ライン F29…C
O2回収ライン F30…水素追加ライン F31…受取ライン F32…液
化水素蒸発ライン F33…水素送出ライン F34…水素送出ライン40
…トラックGCO2…炭酸ガス(二酸化炭素)LCO2…液化炭酸 GN2
…窒素ガス LB…ブライン LH2…液化水素 GH2…水素ガス G
R…冷媒 

2.特開2023-111824 電解システム 本田技研工業株式会社
【概要】
固体酸化物型燃料電池セルに投入される二酸化炭素の排出源として、バイ
オマスを有する装置から排出される排ガス(バイオガス)、発電所または
製鉄所等から排出される排ガス等が採用される場合がある。しかし、これ
らの排ガス中に酸素ガスが含まれる場合がある。この場合、排ガス中の酸
素ガスは、固体酸化物型燃料電池セルを介して、メタネーション反応器に
用いられる触媒に到達する可能性がある。メタネーション反応器の触媒に
酸素が到達すると、当該触媒が酸化により劣化することが懸念される。 br />
下図1のごとく、電解システム(10)は、水素を用いて排ガス中の酸素
ガスを消費する酸素消費装置(44)と、固体酸化物型電解スタック(18
)から出力される水素含有ガスの供給先を、酸素消費装置(44)および
生成装置(20)のいずれか一方に切り替え可能な弁装置(46)と、酸
素消費装置(44)から出力される排ガス中の酸素濃度に応じて弁装置を
制御して、水素含有ガスの供給先を切り替える制御装置(58)とを含む。


図1.第1実施形態による電解システムの構成を示す概略図

【符号の説明】 10…電解システム 16…蒸気発生機 18…固体酸化物
型電解スタック 20…生成装置 34…排ガス経路 38…水素含 有ガス
経路 42…酸素ガス消費機構 44…酸素消費装置 46…弁装置 50…
タンク 52…第2弁装置 56…酸素濃度センサ 58…制御装置 60…
水素含有ガス分岐経路 62…バイパス経路 64…出口部 66…開閉弁
68…圧力センサ 70…排ガス用の開閉弁 74…弁装置(第3弁装置)
76…排ガス分岐経路 82…温度センサ 84…封止弁

3.掲載済
【発明の効果】
本開示の二酸化炭素回収システムによれば、二酸化炭素と水素とを反応さ
せてメタンを製造する反応器から流出した反応ガスと二酸化炭素を吸収し
た吸収液とを熱交換することにより吸収液を加熱するので、吸収液から二
酸化炭素を放散させる熱効率を向上することで別途の装置や工業用水を用
いずに、燃料合成触媒の温度を制御できる。


図1.本開示の実施形態1に係る二酸化炭素回収システムの構成模式図

【符号の説明】1 二酸化炭素回収システム 2 蒸留塔 3 吸収液ライン 
5a 第1リボイラ 5b 第2リボイラ 7 二酸化炭素供給ライン 20
メタネーション装置 21 反応器 22 第1熱交換器 23 反応ガス供
給ライン 24 反応ガス戻りライン 25 第1気液分離器(気液分離器) 
26 第2熱交換器 28 第2気液分離器(気液分離器) 30 水蒸気
供給装置 40 バイパスライン 41 第3熱交換器 51 第1塔 52
第2塔 53 水供給ライン 

4.特許第727851 分散型メタネーションシステム 三菱電機株式会社
【概要】
本開示に係る分散型メタネーションシステム(1)は、共電解装置(11)
およびメタン反応器(12)を含み、電力、水、二酸化炭素が供給されて
メタンを生成するメタン生成システム(10)と、メタン生成システム
(10)から供給されるメタンを水素に変換する改質器(21)、および
、改質器(21)から供給される水素を用いて発電する燃料電池(22)
を含む燃料電池発電システム(20)と、を備えた分散型メタネーション
システム(1)であって、燃料電池発電システム(20)は、燃料電池
(22)で発生する水素のオフガスを再循環させる循環流路と、水素のオ
フガスから二酸化炭素を分離する分離器(24)と、を備え、分散型メタ
ネーションシステム(1)は、分離器(24)にて分離された二酸化炭素
を回収する二酸化炭素回収装置(40)を更に備えている。

5.特許第7278517 分散型メタネーションシステム 三菱電機株式会社
【概要】 本開示に係る分散型メタネーションシステム(1)は、共電解装
置(11)およびメタン反応器(12)を含み、電力、水、二酸化炭素が
供給されてメタンを生成するメタン生成システム(10)と、メタン生成
システム(10)から供給されるメタンを水素に変換する改質器(21)
、および、改質器(21)から供給される水素を用いて発電する燃料電池
(22)を含む燃料電池発電システム(20)と、を備えた分散型メタネ
ーションシステム(1)であって、燃料電池発電システム(20)は、燃
料電池(22)で発生する水素のオフガスを再循環させる循環流路と、水
素のオフガスから二酸化炭素を分離する分離器(24)と、を備え、分散
型メタネーションシステム(1)は、分離器(24)にて分離された二酸
化炭素を回収する二酸化炭素回収装置(40)を更に備えている。
図1.
実施の形態1に係る分散型メタネーションシステムの模式図

【符号の説明】 1、1A、1B 分散型メタネーションシステム  2 発
電システム  5 地域EMS(エネルギーマネジメントシステム) 10
メタン生成システム  11 共電解装置  12 メタン反応器  20 燃
料電池発電システム  21 改質器  22 燃料電池  23 第2循環流
路  24 第2分離器  30 ガス供給経路  31 メタン貯蔵装置 32
ガスインフラ 40 二酸化炭素回収装置 50 二酸化炭素貯蔵装置 60
制御装置 70 経路切替装置 90 蓄電池

6.特開2023-17750 メタネーション反応触媒担体用のセラミックハニカ
ム構造体、およびその製造方法 日立金属株式会社
【概要】
本発明は、二酸化炭素からメタンを得るメタネーション反応触媒担体用の
セラミックハニカム構造体、および製造方法に関するもので、下図1のご
とく多孔質のセラミックスで構成された隔壁により囲まれた断面形状が多
角形状である複数のセルが、隣接して平行に設けられたセラミックハニカ
ム構造体であって、少なくとも一部の前記セルの片側に目封止部を有して
おり、前記隔壁の表面に触媒作用を有する触媒活性成分を含む触媒層が形
成され、二酸化炭素を主成分とする原料ガスの空塔速度を大きくしても、
原料ガスと触媒成分との接触面積を大きく保持することが可能であると共
に、冷媒等によってセラミックハニカム構造体を外周部から冷却する際に
効率的な冷却が困難である、セラミックハニカム構造体の中心部における
原料ガスの流量を制御するのに好適なメタネーション反応用のセラミック
ハニカム構造体とその製造方法の提供である。

 

図1.
本実施形態に係るセラミックハニカム構造体10の端面5aまたは
5bを示す図

【符号の説明】 1 :隔壁 2 :セル 3a、3b:目封止部 4 :気孔
5a:入口側端部、5b:出口側端部 6 :ステンレス鋼製反応管 7 :
石英ウール 8 :熱電対 10:セラミックハニカム構造体
------------------------------------------------------------------
※ここまで、メタネーションシステム特許技術事例事例を摘出し技術開発
の流れを俯瞰。ここからは、①メタン製造方法として、触媒/非触媒の区
別し、②触媒系は、美喜(金属/非金属)/有機/ハイブリッド/バイオ
に分化し、特許技術を調査する。ここまで「再エネは俺に任せろシリーズ
」を調査或いは研究をおこなってきたが、「メタネーションは俺に増させ
ろシリーズ」として、①持続可能システムへの貢献度、②コンパクトで高
性能などへの貢献度からまとめていくこととする。


1. WO2011/142481 燃料改質装置、一酸化炭素の選択的メタン化方法、
 一酸化炭素の選択的メタン化触媒及びその製造方法 国立大学法人山梨
 大学
【概要】
本発明は、一酸化炭素COを選択的にメタンCH4に転換する方法、その
方法で用いる触媒、及びその触媒の製造方法に係るものであり、本触媒材
料を反応装置に適用することで、CO2、CO、H2から成る混合ガスを
CO含有濃度が10ppm以下の水素リッチガスに安定に精製できる。使
用する触媒が安価に製造できることや、ガス中に存在するH2でCOを除
去するため従来システムの様に空気の供給が全く必要なく、従来のCO選
択酸化触媒では不可欠であった大型の空気ポンプと流量調整器が一切不要
となることからも、システムコストの大幅な低減を図ることができる。本
発明は、例えば、家庭用固体高分子形燃料電池発電システムや燃料電池車
用オンサイト型水素ステーションで使用される燃料改質器の触媒としての
適用や、化学プラントにおける水素精製用触媒として有用である。本発明
は、上記触媒を用いた燃料改質装置も提供している。

2.特開2022-22908 二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収方法 株式
 会社豊田中央研究所
【概要】 下図1のごとく、二酸化炭素吸蔵性能を有する金属酸化物と、
メタン化触媒性能を有する金属と、を含む二酸化炭素吸蔵還元触媒を収容
する二酸化炭素回収還元器と、二酸化炭素吸蔵性能を有する吸着材料を収
容する二酸化炭素吸蔵器と、二酸化炭素回収還元器に水素を供給する水素
供給源と、二酸化炭素吸蔵器に二酸化炭素含有ガスを供給する二酸化炭素
含有ガス供給流路と、二酸化炭素吸蔵器から二酸化炭素回収還元器へガス
を供給する第1ガス供給流路と、二酸化炭素回収還元器から大気へガスを
排出する排出流路と、二酸化炭素回収還元器から二酸化炭素吸蔵器へガス
を供給する第2ガス供給流路と、を備える二酸化炭素回収装置及び二酸化
炭素回収方法であり、二酸化炭素を含むガスから、二酸化炭素を回収し、
低エネルギーでメタンに変換する二酸化炭素回収装置及び二酸化炭素回収
方法を提供する。

図1.第1実施形態の二酸化炭素回収装置を示す概略図

【符号の説明】 11 大気供給流路 12 燃焼ガス供給流路 13、13a、
13b 第1燃焼ガス供給流路 14、14a、14b ガス供給流路 15、
15a、15b ガス供給流路 16、16a、16b、16c ガス排出
流路 17、17a、17b、17c 水素供給流路 18、18a、18b
生成ガス供給流路 19 メタン供給流路 51 第1交換部 52 第2交換
部 100、200、300、400、500、600 二酸化炭素回収装
置 A 燃焼器 B 熱利用機器 C 二酸化炭素吸蔵器 D 二酸化炭素回収還
元器 E メタン転化器 H 水素供給源 K 除湿器 V1 大気供給バルブ
V2 第1燃焼ガス供給バルブ V3、V3a、V3b 第2燃焼ガス供給
バルブ V4、V4a、V4b ガス供給バルブ V5、V5a、V5b ガ
ス供給バルブ V6、V6a、V6b、V6c ガス排出バルブ V7、V7a、
V7b、V7c 水素供給バルブ V8、V8a、V8b 生成ガス供給バ
ルブ V9 メタン供給バルブ P1 ポンプ
【発明の効果】
本発明の実施態様によれば、二酸化炭素を含むガスから二酸化炭素を回収
し、低エネルギーでメタンに変換することができる

【特許請求の範囲】
【請求項1】 二酸化炭素吸蔵性能を有する金属酸化物と、メタン化触媒
性能を有する金属と、を含む二酸化炭素吸蔵還元触媒を収容する二酸化炭
素回収還元器と、 二酸化炭素吸蔵性能を有する吸着材料を収容する二酸
化炭素吸蔵器と、 前記二酸化炭素回収還元器に水素を供給する水素供給
源と、 前記二酸化炭素吸蔵器に二酸化炭素含有ガスを供給する二酸化炭
素含有ガス供給流路と、 前記二酸化炭素吸蔵器から前記二酸化炭素回収
還元器へガスを供給する第1ガス供給流路と、 前記二酸化炭素回収還元
器から大気へガスを排出する排出流路と、 前記二酸化炭素回収還元器か
ら前記二酸化炭素吸蔵器へガスを供給する第2ガス供給流路と、 を備え
る二酸化炭素回収装置。
【請求項2】 前記二酸化炭素含有ガスを生成する燃焼器と、前記吸着材
料から脱離した二酸化炭素を、メタンに転化するメタン転化器と、 をさ
らに備える、請求項1に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項3】 前記二酸化炭素吸蔵器内の圧力を低下させるポンプをさら
に備える、請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項4】 2基以上の二酸化炭素吸蔵器及び2基以上の二酸化炭素回
収還元器をそれぞれ並列に備える、請求項1~請求項3のいずれか1項に
記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項5】 2基以上の二酸化炭素吸蔵器及び2基以上の二酸化炭素回
収還元器を備え、 前記二酸化炭素含有ガスが供給される少なくとも1基
の二酸化炭素吸蔵器と、前記二酸化炭素回収還元器から排出されたガスが
供給される少なくとも1基の二酸化炭素吸蔵器との間で、収容されている
吸着材料を互いに交換する第1交換部と、 前記二酸化炭素吸蔵器から排
出されたガスが供給される少なくとも1基の二酸化炭素回収還元器と、前
記水素が供給される少なくとも1基の二酸化炭素回収還元器との間で、収
容されている二酸化炭素吸蔵還元触媒を互いに交換する第2交換部と、を
さらに備える、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の二酸化炭素回
収装置。
【請求項6】 前記第1交換部は、各二酸化炭素吸蔵器内で、ガスの流れ
方向と対向する方向に向かって、各吸着材料を移動させ、 前記第2交換
部は、各二酸化炭素回収還元器内で、ガスの流れ方向と対向する方向に向
かって、各二酸化炭素吸蔵還元触媒を移動させる、請求項5に記載の二酸
化炭素回収装置。
【請求項7】 前記二酸化炭素回収還元器と前記二酸化炭素吸蔵器との間
に、水分を除去する除湿器をさらに備える、請求項1~請求項6のいずれ
か1項に記載の二酸化炭素回収装置。
【請求項8】 前記二酸化炭素回収還元器で発生した排熱を蓄熱する蓄熱
器をさらに備える、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の二酸化炭
素回収装置。
【請求項9】 二酸化炭素吸蔵性能を有する金属酸化物と、メタン化触媒
性能を有する金属と、を含む二酸化炭素吸蔵還元触媒を収容する二酸化炭
素回収還元器に水素を供給する工程と、二酸化炭素吸蔵性能を有する吸着
材料を収容する二酸化炭素吸蔵器に二酸化炭素含有ガスを供給する工程と、
前記二酸化炭素吸蔵器から前記二酸化炭素回収還元器へガスを供給する工
程と、 前記二酸化炭素回収還元器から大気へガスを排出する工程と、前
記二酸化炭素回収還元器から前記二酸化炭素吸蔵器へガスを供給する工程
と、 を含む二酸化炭素回収方法。

3.特開2019-76862 メタン化触媒、その製造方法、及びそれを用いた
 メタンの製造方法 株式会社豊田中央研究所
【概要】
チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択される少なくとも
1種の金属酸化物からなる担体と、前記担体に担持されたセリア粒子と、
前記担体に担持されたルテニウム粒子とを含有し、前記セリア粒子の平均
粒子径が8nm以下であり、前記セリア粒子の担持量が前記担体100質
量部に対して0.3~10質量部であり、 前記ルテニウム粒子の平均粒
子径が8nm以下であり、前記ルテニウム粒子の担持量が前記担体100
質量部に対して0.5~5質量部である、低温(例えば、250℃以下)
であっても高い触媒活性を示すメタン化触媒を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択さ
れる少なくとも1種の金属酸化物からなる担体と、前記担体に担持された
セリア粒子と、前記担体に担持されたルテニウム粒子とを含有し、 前記
セリア粒子の平均粒子径が8nm以下であり、前記セリア粒子の担持量が
前記担体100質量部に対して0.3~10質量部であり、 前記ルテニ
ウム粒子の平均粒子径が8nm以下であり、前記ルテニウム粒子の担持量
が前記担体100質量部に対して0.5~5質量部である、 ことを特徴
とするメタン化触媒。
【請求項2】 下記式:

【数1】
 〔前記式中、セリア及びルテニ
ウムの担持量は担体100質量部に対す
る担持量(質量部)である。〕 で求められる担体表面の被覆率が1~8
0%であることを特徴とする請求項1に記載のメタン化触媒。
【請求項3】 チタニア、ジルコニア及びアルミナからなる群から選択さ
れる少なくとも1種の金属酸化物からなる担体に、セリア粒子の担持量が
前記担体100質量部に対して0.3~10質量部となるように、有機酸
セリウム錯体を付着させる工程と、 前記担体に、ルテニウム粒子の担持
量が前記担体100質量部に対して0.5~5質量部となるように、ルテ
ニウム有機錯体を付着させる工程と、前記有機酸セリウム錯体をセリア粒
子に変換せしめる工程と、 前記ルテニウム有機錯体をルテニウム粒子に
変換せしめる工程と、を含むことを特徴とするメタン化触媒の製造方法。
【請求項4】 前記担体に有機酸セリウム錯体を付着させた後、前記有機
酸セリウム錯体をセリアに変換せしめて、セリア粒子が担持された前記担
体を得る工程と、 前記セリア粒子が担持された担体にルテニウム有機錯
体を付着させた後、前記ルテニウム有機錯体をルテニウムに変換せしめて、
前記担体にセリア粒子とルテニウム粒子とが担持された触媒を得る工程と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載のメタン化触媒の製造方法。
【請求項5】 請求項1又は2に記載のメタン化触媒に、二酸化炭素と水
素との混合ガスを接触せしめることを特徴とするメタンの製造方法。

表1.


表1に示した結果から明らかなように、チタニア担体にセリア粒子とル
テニウム粒子とが担持されている触媒(実施例1~3)は、セリア担体又
はチタニア担体にルテニウム粒子のみが担持されている触媒(比較例1~
2)に比べて触媒活性が高くなった。このことから、高いメタン化活性を
得るためには、チタニア担体上でセリア粒子とルテニウム粒子とが共存す
る必要があることがわかった。また、硝酸ルテニウムを用いてチタニア担
体にルテニウム粒子を担持した場合(比較例3)には、ルテニウム有機錯
体を用いてチタニア担体にルテニウム粒子を担持した場合(実施例1~3
及び比較例2)に比べて、ルテニウム粒子の平均粒子径が大きくなり、触
媒活性が低くなった。このことから、高いメタン化活性を得るためには、
チタニア担体上にルテニウムが微粒子として存在する必要があることがわ
かった。さらに、硝酸セリウムを用いてチタニア担体にセリア粒子を担持
した場合 (比較例4)には、有機酸セリウム錯体を用いてチタニア担体に
セリア粒子を担持した場合(実施例1~3)に比べて、セリア粒子の平均
粒子径が大きくなり、触媒活性が低くなった。このことから、高いメタン
化活性を得るためには、セリアも微粒子として存在する必要があることが
わかった。また、チタニア担体上にセリア及びルテニウムが微粒子として
共存している触媒であっても、セリア粒子の担持量が多く、担体表面の被
覆率が大きすぎる場合(比較例5)には、所定量のセリア粒子及びルテニ
ウム粒子が担持され、担体表面の被覆率が所定の範囲にある場合(実施例
1~3)に比べて、触媒活性が低くなった。このことから、高いメタン化
活性を得るためには、チタニア担体の表面にはセリア粒子及びルテニウム
粒子で覆われていない領域、すなわち、チタニアが露出している領域が必
要であることがわかった。

また、表2に示した結果から明らかなように、ジルコニア担体に微粒子状
のセリア粒子とルテニウム粒子とが担持されている触媒(実施例4)は、
ジルコニア担体に微粒子状のルテニウムのみが担持されている触媒(比較
例6)に比べて触媒活性が高くなった。このことから、担体としてジルコ
ニア担体を用いた場合にも、高いメタン化活性を得るためには、微粒子状
のセリアとルテニウムとが共存する必要があることがわかった。

【産業上の利用可能性】 
以上説明したように、本発明によれば、低温(例えば、250℃以下)で
あっても高い触媒活性を示すメタン化触媒を得ることが可能となる。した
がって、本発明のメタンの製造方法は、このようなメタン化触媒を用いて
いるため、低温(例えば、250℃以下)においても二酸化炭素から高収
率でメタンを製造することができる方法として有用である。
                           この項つづく

 

  Part 1 Chapter 6

  ぼくらはそれほど頻繁に手紙をやりとりしていたわけではない。だいた
いニ週間にコ院くらいのものだ。しかしひとつひとつはかなり長文の手紙
になった。そして総じて言えば、きみの書く手紙はぼくの書く手紙よりい
くぶん長かったように思う。もちろん手紙の長さがぼくらのやりとりにお
いて、とくに大きな意味合いを持っていたわけではないが。

 きみが書いた手紙は一通残らず今でも手元にとってあるが、ぼくの書い
た手紙の方はいちいち写しなんてとらなかったから、どんなことを自分が
手紙に書いたのか、具体的な内容はよく思い出せない。でもそんなに大し
たことは書かれていないはずだ。主に日々の生活や、身のまわりで起こっ
た小さな出来事について書き記した。読んだ本や聴いた音楽、観た映画に
ついても書いた。
  学校であった出来事についても書いた。ぼくは水泳部に入っていたので
(やむを得ない事情でそこに入っただけだし、熱心な選手とはとても言え
なかったが)、その練習のことなんかも書いたと思う。彼女が相手だと、
何によらず自然に文章を書くことができた。自分の考えていること感じて
いることを、不思議なくらい思い通りに語れた。そんな風に淀みなく文章
が書けたのは、生まれて初めてのことだ。前にも言ったように、ぼくはそ
れまで自分は文章を書くのが不得意だと 思っていたのだ。きっときみが
、ぼくのそういう能力を奥の方からうまく引き出してくれたのだろう。き
みはぼくの文章に含まれたちょっとしたユーモアをいつも喜んでくれた。
それがわたしの生活にたぶんいちばん不足しているものなのよ、ときみは
言った。
「ビタミンなんとかみたいに?」とぼくは言った。
「そう。ビタミンなんとかみたいに」ときみは強く肯いて言った。

  ぼくはきみに夢中になっていたし、目覚めているときはだいたい常にき
みのことを考えていたと思う。またおそらく夢の中でも。でも手紙の中で
はそんな思いを正面切って打ち明けたりしないよう、できるだけ自分を抑
制していた。そして可能な限り、実際的で具体的なものごとについてのみ
書こうと心を決めていた。当時のぼくは自分の手で実際に触れることので
きる世界にしがみついていたかったのだろうIできればいくぶんのユーモ
アをそこに込めつつ。なぜなら愛やら恋みたいな、言うなれば内面的な心
の動きについて正面切って書き始めると、自分がどんどん袋小路に追い込
まれていきそうな気がしたからだ。

  きみの手紙には、ぼくの場合とは逆に、身のまわりの具体的なものごと
よりは、内面的な思いのようなものが多く書き記されていた。あるいは見
た夢とか、ちょっとした短いフィクションとか。とりわけいくつかの夢の
話がぼくの印象に深く残っている。きみは頻繁に長い夢を見たし、その細
部までを鮮明に思い出すことができた。まるで実際にあった出来事を思い
出すみたいに。
  そういうのはぼくには信じがたいことだった。ぼく自身はほとんど夢を
見ないし、見たとしても中身がまず思い出せない。朝、目を覚ましたとた
んに、それらの夢はすべてばらばらにほどけてどこかに吸い込まれてしま
う。鮮やかな夢を見て夜中にはっと目を覚ますことがあっても(めったに
ないが)、すぐそのまま眠り込んでしまい、翌朝目覚めたときには何ひと
つ覚えていない。ぼくがそう言うと、きみは言った。
 「わたしの場合、枕元にノートと鉛筆を置いて、目が覚めるとすぐにそ
の夜に見た夢を記録するの。忙しくて、時間に追われていてもね。とくに
ありありとした夢を見て真夜中に目を覚ましたような場合は、どれほど眠
くてもその場でできるだけ詳しく内容を書き付けておく。そういうのは大
事な夢であることが多いし、多くの大切なことを敦えてくれるから」
 「多くの大切なこと?」とぼくは尋ねる。
 「わたしの知らないわたしについてのこと」ときみは答える。
 夢はきみにとっては、現実世界で実際に起こる事象とほとんど同じレベ
ルにあり、簡単に忘れられたり消えてなくなったりするものではなかった。
夢はきみに多くのことを伝えてくれる。
心の水源のようなものだった。
 「そういうのは訓練のたまものなの。あなたも努力すれば、きっと見た
夢を細かいところまで思い出せるようになるはずよ。だから試してみて。
あなたがどんな夢を見ているのか、とても知りたいから」
 いいよ、やってみよう、とぼくは言った。
 でも、それなりに努力はしたのだが(枕元にノートと鉛筆を置くことま
ではしなかったにせよ)、どうしても自分の見る夢に興味が抱けなかった。
ぼくの見る夢はあまりに散漫で一貫性を持たず、おおむね理解しがたいも
のだった。そこで語られる言葉は不鮮明で、目にする情景に筋らしきもの
はほとんど見当たらなかった。また時には、人にはとても話せないような
不穏な内容を持つものだった。そんなものに関わるよりは、きみの見た長
カラフルな夢の話に耳を澄ませていたかった。

 時折、きみの夢の中にぼくが登場することがあった。ぼくはそれを聞い
てとても嬉しく思う。どんなかたちであれ、きみの内側にある想像の世界
に参加することができたのだから。そしてきみもまた、ぼくが自分の夢に
現れたことを喜んでくれているみたいだった。おおかたの場合、きみの夢
の中のぼくはそれほど重要な意味を持たない、ドラマの脇役のような役割
しか受け持っていなかったのだけれど。
 きみはヽぼくの前では目にしにくいようなあからさまな夢を----見るこ
とはないのだろうか? きみは自分の見た夢をすべて正直に語っているの
だろうか?それはきみの夢の話を聞きながら、ぼくがいつも考えてしまう
ことだった。
 きみはいろんなことを包み隠さず率直に語っているように見える。でも
本当のところは誰にも
わからない。ぼくは思うのだが、この世界に心に秘
密を抱かないものはいない。それは、人がこの世界を生き延びていくため
には必要なことなのだ
 そうじゃないのだろうか?
                          この項つづく



風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】

 

 今夜の寸評:   

 

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不確かな壁とその街と その1の5

2023年08月16日 | 日々草々

  
  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

 
 
  Part 1 Chapter 5

  その建物の扉を押したのは、街に入って三日目の夕刻だった。 これとい
う特徴のない石造りの古い建物だ。川洽いの道路を東に向けてしばらく歩
き、 旧橋に面した中央広場を越したところにある。入り口には何の表示
も掲げられておらず、知らない人に はそれが図書館だとはわからないよ
うになっていた。「16」という数字が刻まれた真鎗のプレートが、素っ気
なく打ち付けられているだけだ。プレートは変色し、字は読みづらかった。  
 重い木製の扉は深く軋みながら内側に開き、奥には薄暗い正方形の部屋
があった。人の姿はない。天井は高く、壁に付いたランプの明かりは貧弱
で、空気は誰かの乾いた汗のような匂いがした。何もかもがうっすら霞ん
で分子に解体され、そのままどこかに吸い込まれてしまいそうな薄暗さだ
った。すり減った杉村の床板は歩くと、あちこちで鋭く音を立てた。縦長
の窓が二つあり、家其はひとつも置かれていない。  

 部屋の正面の突き当たりにドアがあった。木製の簡素なドアで、顔の高
さのあたりに磨りガラスの小窓がついており、そこにも「16」という数字
が、古風な装飾的書体で記されている。磨りガラスの奥には淡く明かりが
見えた。ドアを軽く二度ノックして待ってみたが、返事はない。足音も聞
こえない。少し間を置いて呼吸を整え、変色した真諭のノブを回し、ドア
をそっと押し開けた。ドアは軋んだ音を立てた。「誰かが末たぞ」とあた
りに警告を発するように。ドアの奥には五メートル四方ほどの、やはり真
四角な部屋があった。天井はさっきの部屋ほど高くはない。そしてここに
もまた人の姿はない。窓はひとつもなく、まわりを漆喰の壁に囲まれてい
る。絵も写真もポスターもカレンダーもなく、もちろん時計もなく、ただ
のっぺりとした裸の壁があるだけだ。粗末な木のベンチが一脚、小さな椅
子が二脚、テーブルがひとつあり、木製のコートラックがあった。コート
ラックにはコートは掛かっていない。部屋の中央には錆の浮いた古風な薪
ストーブが据えられ、赤々と火が燃え、その上で黒い大きな薬疹が湯気を
立てている。突き当たりは貸し出しカウンターらしきものになっており、
カウンターの上には帳簿が一冊開きっぱなしになっていた。作業をしてい
る途中で、何か急な用事が入ったといった格好で。おそらくその誰か(お
そらくは図書館員)は、遠からずこの部屋に戻ってくることだろう。  

 カウンターの奥には、書庫に通じていると思える暗い色合いのドアがあ
った。だとすれば、ここがやはり「図書館」なのだろう。一冊の本も目に
入らないけれど、そこにはいかにも図書館らしいたたずまいが残されてい
た。大きくても小さくても、古くても新しくても、世界中の図書館が持ち
合わせている特別なたたずまいだ。私は重いコートを脱いでコートラック
に掛け、硬い木のベンチに腰を下ろし、ストーブの熱で 手を温めながら、
誰かが姿を見せるのを待った。あたりはまったくの無音だった。深い水底
にいるような沈黙だ。一度ためしに咳払いをしてみたが、それは咳払いに
は聞こえなかった。



 君が書庫に通じるドアを回けて、中から姿を見せたのは、十五分ばかり
とのことだ(たぶん それくらいだったと思う。時計がないので正確な時間
はわからないが)。君はベンチに腰掛けて いる私の姿を見て、一瞬はっと
身体をこわばらせ、目を大きく見開く。それからひとつゆっくり 息をつい
て言う。「お待たせしてごめんなさい。誰かが見えていたとは知らなかっ
たものですか ら」  
 私は口にするべき言葉をうまく見つけることができず、ただ黙って何度
か肯く。君の声は君の声のようには聞こえない。それは私の記憶している
君の声とは違っている。それともこの部屋では、すべての物音や声が普通
とは違う響き方をするのかもしれない。  薬鎌の蓋がそこで急にかたかた
と音を立て、目覚めた動物のように小さく身震いする。  
 「ところで御用向きは?」と君は尋ねる。  私が求めるのは〈古い夢〉
だ。「〈古い夢〉ですね」、そして君は小さな薄い唇をまっすぐ結んで私
を見る。もちろん君は私のこ とを覚えていない。  
「でもご存じのように」と君は言う。<古い夢〉に手を触れるのは〈夢読
み〉に限られています」  
  私は黙って濃い緑色の眼鏡をとり、朧を上げて君に見せる。見違えよの
ない夢読みの眼だ。 昼間の眩しい光の中には出ることができない。  
「わかりました。あなたにはその資格があります」と君は言って目を軽く
伏せる。たぶん私の眼のあり方が君の心を乱したのだろう。でも仕方ない。
私はこの街に入るために、眼をそのように変質させなくてはならなかった
のだ。  
「今日からお仕事を始めますか?」と君は尋ねる。  
 私は肯く。「うまく読めるかどうか、まだわからないけれど、少しずつ
でも慣れていかなくて はならないから」  
 部屋にはやはり物音ひとつしない。薬銀も今では再び沈黙を守っている。
君は私に断って、途中までやりかけていた帳簿の作業を手早く片付けてし
まう。そんな君の姿を、私はベンチから眺めている。外見的には、君は何
ひとつ変わっていない。あの夏の夕暮れ、そのままの姿だ。君の履いてい
た鮮やかな赤のサンダルのことを私は思い出す。近くの草むらから急に飛
び立ったバッタのことも。  
「どこかで君に会ったことはなかったかな?」と私は思わず尋ねてしまう。
無益な質問だとわか ってはいても。 君は帳簿から目を上げ、左手に鉛筆
を待ったまましばし 私の顔を見つめ(そう、左ききなのだ。この街でも、
ではない街でも)、首を横に振る。  
「いいえ、お会いしたことはないと思います」と君は答える。君が丁寧な
口調で答えるのはおそらく、君がまだ十六歳のままなのに、私はもう十七
歳ではないからだ。君にとって私は今ではもう、遥かに年上の男性なのだ。
仕方ないこととはいえ、時の流れが私の心を刺す。  

 やりかけていた記録作業を終えると、君は帳簿を閉じて背後の棚に仕舞
い、私のために薬草茶をこしらえてくれる。ストーブの上の薬鎖をとり、
その熱い湯とすりつぶした薬草とを注意深く 混ぜて、濃い緑色をした茶を
作る。そして大ぶりな陶器のカップに入れて、私の前に置く。それは〈夢
読み〉のために提供される特別な飲み物であり、その用意をするのが君の
什事のひとつになっている。
 私は時間をかけてその薬草茶を飲む。薬草茶にはとろりとした独特の苦
みがあり、決して飲みやすいものではない。しかしその養分は私のまだ傷
ついている両眼を癒やし、心を鎮めてくれる。
そのための特別な飲み物なのだ。君はそんな私の姿を、テーブルの向かい
側から見ている。自分のこしらえた薬草茶を私が気に入ってくれたかどう
か、心配なのだろう。私は君に向かって小さく肯く。大丈夫だよ、という
ように。それで君も安堵の微笑みを口元に浮かべる。懐かしい微笑みだ。
長いあいだ私はそれを目にしていなかった。
 部屋は暖かく静かだ。時計がなくても、時間は無音のうちに過ぎていく。
足音を殺して塀の上を歩いて行く細身の猫のように。
                          この項つづく

   




【再エネ革命渦論 155: アフターコロナ時代 156】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中  ㉟

【進化する情報収集ドローン』
ウクライナでのドローンの活躍ですっかり時代の主役に収まっているが、
2023年7月に登場したDJIのドローン「DJI Air 3」は広角カメラと中望遠カ
メラを搭載し最大4K・100fpsのムービーの撮影可能だとギガジンで紹介さ
れている(広角だけでなく中望遠撮影も可能な複数カメラ搭載ドローン「D
JI Air 3」フォトレビュー - GIGAZINE 2023.8.16)。






日本百名山「大峰山・山上ヶ岳」の山頂付近で撮影した空撮映像
【DJI Air 3】【4K・60fps】 - YouTube/
尚、なお、DJI Air 3 Fly Moreコンボ---Amazon.co.jp: DJI ドローン Air 3 Fly More
コンボ(スクリーン搭載DJI RC 2送信機付属)、【Remote ID対応】中望遠
& 広角の2つのメインカメラを搭載した4K HDR対応ドローン、最大飛行時間
46分、48MP写真、O4映像伝送、予備バッテリー×2 : 家電&カメラ-----は
記事作成時点でAmazon.co.jpで税込18万7000円で入手している。勿論、この
用途はさまだだが、台風16、17号の被害を目のあたりにし、「
国土強
靱化」など広範囲活用できそうで、面白い。

導電性ポリマー細線を3次元的に成長
脳型コンピュータの実現へ
7月3日、大阪大学と北海道大学の研究グループは、導電性ポリマー細線を3
次元的に成長させられることを実証した。この技術を用いると、人間の脳
のように学習する脳型コンピュータを実現することが可能となる。
【要点】
1.電極間ポリマー配線により、3次元的なネットワーク回路を一から構築
 できることを初めて実証
2.高度なリアルタイム処理を省電力で実行可能な人間の脳を模倣したア
 ナログ脳型コンピュータが注目されているが、実際の脳が持つ3次元構
 造から乖離しており、ネットワークの高密度化による性能向上が困難で
 あった
3.立体配線された電極間の抵抗制御により、ネットワークを学習させる
 技術を確立。ネットワークに連想記憶を付与することにも成功した
4.脳のように密な3次元ネットワーク構造を持った、脳構造により忠実
 な脳型コンピュータ及び3次元配線技術への応用に期待


図1.導電性ポリマー立体配線のイメージ図 出所:大阪大学

図2.実際に実現された導電性ポリマー立体配線の光学顕微鏡像
 出所:大阪大学

【概要】
導電性ポリマー細線はこれまで、2次元平面上での配線しか行われていなか
ったという。研究グループは今回、溶液中で電解重合成長し、電極間を配
線できる導電性ポリマー細線を用いれば、脳内の3次元的な局所結合が再現
できることを発見した。溶液中に配置された複数の立体電極間に重合電圧
を加えることで、導電性ポリマー細線が3次元的に成長する様子も観測。


図3.連想記憶学習時において各電極に流れる電流値の推移。学習が進む
 につれて、「果物」ニューロン電極を電圧刺激した時にその「色」に対
  応する電極へより多くの電流が流れるようになる。
【成果】
本研究成果により、新生児の脳のごとく溶液中で一から3次元的なネットワ
ークを構築し、その後学習を通じてシナプス結合強度を自発的に変化させ
るような脳型ウェットウェアの実現が期待されます。これはまさに小型の
人工脳とも捉えられ、人工知能が「モノ」から「パートナー」として我々
の生活に寄り添う未来を提供します。また、溶液に浸して電圧を印加する
だけで所望の電極間を配線できるというプロセスの簡便さから、3次元回路
集積やブレインマシンインターフェースにおける配線技術としての応用も
期待できる。
【展望】
本研究成果により、新生児の脳のごとく溶液中で一から3次元的なネットワ
ークを構築し、その後学習を通じてシナプス結合強度を自発的に変化させ
るような脳型ウェットウェアの実現が期待されます。これはまさに小型の
人工脳とも捉えられ、人工知能が「モノ」から「パートナー」として我々
の生活に寄り添う未来を提供します。また、溶液に浸して電圧を印加する
だけで所望の電極間を配線できるというプロセスの簡便さから、3次元回
路集積やブレインマシンインターフェースにおける配線技術としての応用
も期待できます。
【関連論文】
1.掲載誌:独国科学誌「Advanced Functional Materials」(オンライン)
2.原 題:“Fabrication and Training of 3D Conductive Polymer Netwo-
    rks for Neuromorphic Wetware”
 DOI:https://doi.org/10.1002/adfm.202300903

------------------------------------------------------------------


風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】


曲名: 怪獣のサイズ   唄: back number

Da-iCE(ダイス)は、日本の5人組ダンス&ボーカルグループ。Da-iCE」というアー
ティスト名は、「DANCE」とサイコロの「DICE」を掛け合わせた造語で、メンバー
5人(5面)にファンを加えた6面で「Da-iCE」が形成されるという意味を持っており
、小文字で表記した「a-i」には、愛を持ったアーティストでありたいという願いが込
められている。ファンの名称は6面(ロクメン)で[5]、4オクターブのツインボーカル
が特徴。2021年12月には『CITRUS』で第63回日本レコード大賞を受賞。
2011年1月17日にグループ結成。当初は、「BLACK OUT」という名前で活動予
定だったが東日本大震災により英語で「停電」という意味が含まれていることか
ら改名。4月11日に渋谷の小さなクラブで活動を開始し、初ライブを東京・渋谷V
UENOSで行う。当時の持ち曲は「New day」と「To the last man[注 1]」の2曲のみ。
2020年11月にドラマ『極主夫道』主題歌の「CITRUS」を配信限定でリリースし、
2021年9月にストリーミング累計再生回数1億回を突破したうえ[17]、同年末には
日本レコード大賞を受賞。
2022年8月22日、配信限定シングル『イマ』をリリース。


https://www.youtube.com/watch?v=0_BdIdgmS9w


今夜の寸評: 

 

 

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再エネは俺に任せろ ④

2023年08月15日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。


犬上川今橋 2023.08.15 09:45 現在

【俺の剪定日誌 ⑦:ドウザンツツジ】
                  
灯台諦濁・満天星 別名:ドウダン/ツツジ科ドウダンツツジ属。 刈り
込こんで仕立てて春の白花と秋の紅葉を楽しめるみじかで贅沢な春花木。



刈り込み後枝元を間引く
基本データ:ドウダンツツジは落葉性のツツジで、春にスズランのような
白い小さな釣鐘状の花をつける。柱が密に出て萌芽力が強いので、刈り込
みで丸<仕立てられる。翌年の花芽は、夏にその年の春から伸びた柱先に
つきますので、7月頃までに刈り込めば花芽を落とすことはない
。ただし、
6月を過ぎて伸びた新芽は、充実できずに美しく紅葉しない。秋の紅葉を
楽しみたいのであれば、花後すぐに刈り込まなくてはならない。刈り込ん
だ後、切り口から車柱状の新柱が発生するので、秋以降に樹形が乱れたら、
内向きの柱や勢いのある車柱状の中心の柱を柱元から間引く。

【基本データ】
●樹高: 自然状態…2~4m 庭植目安…0.5~|.5m
●枝張り: 自然状態…|~2m 庭植目安…0.3~lm
●生長速度:やや遅い ●陽当たり:陽樹
●乾湿:乾燥に弱い ●大気汚染:普通
●萌芽力:強い ●主な病害虫:特になし
●栽培可能地域: 東北~沖縄
●花色:白 ●剪定難易度:易しい

ドウダンツツジの剪定

【追記】ドウダンツツジの仲間で、釣鐘状のピンクの花をつけるサラサド
ウダンは、枝葉が粗く野趣味があるので、刈り込みせずに自然樹形で仕立
てて持ち味を生かす。

   




【再エネ革命渦論 154: アフターコロナ時代 155】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中  ㉞



全天候型超小型EV 画像:静岡新聞 via NHK
静岡のメーカが開発した、充電が家庭用のコンセントで行い、航続距離は
60~80キロと短く、価格は1台130万円と超小型EVが紹介がされていた。
もともと、「軽四EVの普及の促進」による脱化石燃料自動車政策を考え
ていたので どうつてことはないのが、注目したことは2つ。この台風7号
対策でスマホ用予備電源を購入したのだが、リチウム電池なのだが、4年
前講習しようと価格を調べていたのだが価格6千円前後だったものが価格
が半分まで提言しその早さに驚く。つまりは、政府がきちっと「持続可能
社会垂直立ち上げ政策」として実行すれば、「電池事業」だけでなく、ゼ
ロカーボン社会達成できるモデルとなるはずだと反省すると同時に、この
メーカの電池は、従来の廉価鉛蓄電池を開発しているこで、完全リサイク
ルを前提とすれば問題ないはずだということに制度整備すればいいのだと
気付いたことが第1点。2つめは、これを拡張して、エネルギー密度は劣
り、設置スペースも大きくなるが、リチウム電池に拘らずナトリウム電池
の大型化を推進し高性能ナトリウム蓄電池ヤードの整備すべきではないだ
ろかと。考えてみれば、送電は電磁波で供給できる時代、完全リサイクル
とワイヤレス化(デジタル革命基本則のシームレス)できる時代、きっち
りとした最適化(高付加価値化)事前評価にパスすれば、一気に廉価な持
続可能社会に貢献できるはずだ。また、リチウム電池も配置する。
出所:日本電気硝子

先回は、洋上浮体式太陽発電と小型風力発電機について掲載した。今回は、
ペロブスカイトハイブリッド型太陽電池製造方法の最新特許事例を掲載。

1.特許第7282961号 光電変換素子の検査装置、光電変換素子の製造装置、
  光電変換素子の製造方法 株式会社東芝他
【概要】 
タンデム型太陽電池を製造する場合は、例えば、半導体基板の受光面側と
は反対側に、この半導体基板を第1光活性層として機能させる第1光電変
換素子を形成して中間体とする。次いで、中間体の受光面側に、第2光活
性層を含む第2光電変換素子を形成して、タンデム型太陽電池を完成させ
る。 第1光活性層として挙げられる結晶シリコンは、シリコンウェハから
切り出す等して形成される。シリコンウェハの表面には切削痕があるため

ペロブスカイト層を厚膜化することが望ましい。 しかし,ペロブスカイト
層を厚膜化するとペロブスカイト層にピンホールが生じやすい。厚膜化に
伴うピンホールは異物に起因するものの他、ペロブスカイトの結晶過程で
生成されるものがある。ペロブスカイト層の形成を2ステップ塗布法(基
板上にPBI2を塗布してからMAIの塗布を行う塗布法)で行う場合、
2液目で形成されるものがある。厚膜化に伴うピンホールは、ペロブスカ
イト層の法線方向に対して傾斜した斜めピンホールとなりやすい。この斜
めピンホールは、一定位置からの検出では発見し難く、補修の機会を失う
虞がある。

下図4のごとく、実施形態の光電変換素子の検査装置、光電変換素子の製
造装置、光電変換素子、光電変換素子の製造方法は、一つまたは複数の光
源と、駆動装置と、カメラと、計算機と、を持つ。光源は、ペロブスカイ
ト層に、ペロブスカイト層を透過またはペロブスカイト層で反射の少なく
とも一方が可能な検査光を照射する。駆動装置は、ペロブスカイト層を有
する基板と光源との間の距離または角度の少なくとも一方を変化させる。
カメラは、ペロブスカイト層を透過またはペロブスカイト層で反射した検
査光の少なくとも一方の色相を検出する。計算機は、カメラが検出した、
ペロブスカイト層上の色相が異なる点の位置を算出する、ペロブスカイト
層に生じたピンホールを検出しやすくすることができる光電変換素子の検
査装置、光電変換素子の製造装置、光電変換素子、光電変換素子の製造方
法を提供することである。

図4.実施形態の光電変換素子の検査装置および製造装置の第1の実施形
   態を示す模式図
【符号の説明】1,11…光電変換素子、5a,15a…ペロブスカイト
層、8b,18b…基板、20,120,220…検査装置、21,121,
221…第一ライト(光源)、22,122,222…第一カメラ(カメ
ラ)、24,124,224…第二ライト(光源)、25,125,22
5…第二カメラ(カメラ)、27,127…テーブル駆動装置(駆動装置)、
28,128,228…計算機、30,130,230…製造装置、31,
131,231…補修装置、227…スピンコート装置(駆動装置)、L1,
L3,L5…第一検査光(検査光)、L2,L4,L6…第二検査光(検
査光)、Pa,Pb…ピンホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】 ペロブスカイト層に、前記ペロブスカイト層を透過または
前記ペロブスカイト層で反射の少なくとも一方が可能な検査光を照射する、
一つまたは複数の光源と、 前記ペロブスカイト層を有する基板と前記光源
との間の距離または角度の少なくとも一方を変化させる駆動装置と、前記
基板と前記光源との間の距離または角度の少なくとも一方を変化させなが
ら、前記ペロブスカイト層を透過または前記ペロブスカイト層で反射した
前記検査光の少なくとも一方の色相を検出するカメラと、前記カメラの検
出情報から、前記ペロブスカイト層上の前記色相が異なる点の位置を算出
する計算機と、を備える、光電変換素子の検査装置。
【請求項2】 ペロブスカイト層に、前記ペロブスカイト層を透過または前
記ペロブスカイト層で反射の少なくとも一方が可能な検査光を照射する、
一つまたは複数の光源と、前記ペロブスカイト層を有する基板と前記光源
との間の距離または角度の少なくとも一方を変化させる駆動装置と、前記
基板と前記光源との間の距離または角度の少なくとも一方を変化させなが
ら、前記ペロブスカイト層を透過または前記ペロブスカイト層で反射した
前記検査光の少なくとも一方の色相を検出するカメラと、前記カメラが検
出した、前記ペロブスカイト層上の前記色相が異なる点の位置を算出する
計算機と、 前記計算機が算出した、前記ペロブスカイト層上の前記色相が
異なる点の位置に、前記ペロブスカイト層を形成する原材料の溶液、ある
いは絶縁性を有する物質を溶質とする溶液を付着させる補修装置と、を備
える、光電変換素子の製造装置。
【請求項3】 前記溶液は、絶縁性を有する乾燥物を形成する、請求項2に
記載の光電変換素子の製造装置。
【請求項4】 前記溶液は、ペロブスカイト構造を有する乾燥物を形成す
る、請求項2に記載の光電変換素子の製造装置。
【請求項5】 ペロブスカイト層に、前記ペロブスカイト層を透過または
前記ペロブスカイト層で反射の少なくとも一方が可能な検査光を照射する、
一つまたは複数の光源と、前記ペロブスカイト層を有する基板と前記光源
との間の距離または角度の少なくとも一方を変化させる駆動装置と、 前記
基板と前記光源との間の距離または角度の少なくとも一方を変化させなが
ら、前記ペロブスカイト層を透過または前記ペロブスカイト層で反射した
前記検査光の少なくとも一方の色相を検出するカメラと、 前記カメラが検
出した、前記ペロブスカイト層上の前記色相が異なる点の位置を算出する
計算機と、 前記計算機が算出した、前記ペロブスカイト層上の前記色相が
異なる点の位置に、前記ペロブスカイト層の表裏面の電極を除去するレー
ザ、あるいは前記基板のうちピンホールに接する面を焼成させて絶縁部を
形成させるレーザを照射するレーザ装置と、を備える、光電変換素子の製造
装置。
【請求項6】 基板の表面に、ペロブスカイト構造を形成する原材料の溶液
を塗布可能とし、かつ、前記基板を回転させながら、前記基板の表面に形
成されたペロブスカイト層の検査を可能とするスピンコート装置と、 前記
ペロブスカイト層に、前記ペロブスカイト層を透過または前記ペロブスカ
イト層で反射の少なくとも一方が可能な検査光を照射する、一つまたは複
数の光源と、 前記基板と前記光源との間の距離または角度の少なくとも一
方を変化させながら、前記ペロブスカイト層を透過または前記ペロブスカイ
ト層で反射した前記検査光の少なくとも一方の色相を検出するカメラと、
前記カメラが検出した、前記ペロブスカイト層上の前記色相が異なる点の
位置を算出する計算機と、を備える、光電変換素子の製造装置。
【請求項7】 ペロブスカイト層に、前記ペロブスカイト層を透過または前
記ペロブスカイト層で反射の少なくとも一方が可能な検査光を光源から照
射し、 前記ペロブスカイト層を有する基板と前記光源との間の距離または
角度の少なくとも一方を駆動装置で変化させながら、前記ペロブスカイト
層を透過または前記ペロブスカイト層で反射した前記検査光の少なくとも
一方の色相をカメラで検出し、 前記カメラが検出した、前記ペロブスカ
イト層上の前記色相が異なる点の位置を計算機で算出し、 前記計算機が算
出した、前記ペロブスカイト層上の前記色相が異なる点の位置に、前記ペ
ロブスカイト層の表裏面の電極を除去するレーザ、あるいは前記基板のう
ちピンホールに接する面を焼成させて絶縁部を形成させるレーザを照射す
る、光電変換素子の製造方法。

2.特開2022-176440 光電変換素子の製造方法、光電変換素子、光電変換
 モジュールの製造方法、光電変換モジュール、電子機器、及び電源モジ
 ュール 株式会社リコー
【概要】
最近では、太陽光(直射光での照度:約100,000 lux)に限らず、
LEDや蛍光灯など、低照度の光(照度:20 lux以上1,000 l
ux以下)でも高い発電性能を有する室内向けの光電変換素子が注目を集
めている。光電変換素子を取り囲むように封止部を設けた有機薄膜太陽電
池が提案(特開2016-17408)されている。

下図1Aのごとく、第1の基板上に第1の電極12を形成する第1の電極
形成工程と、第1の電極12上に光電変換層を形成する光電変換層形成工
程と、光電変換層上に第2の電極17を形成する第2の電極形成工程と、
光電変換層の外周部に、途切れ部19aを有するように封止部材19を付
与する封止部材付与工程と、第1の基板における第2の電極17を有する
面と、第2の基板を対向させて、途切れ部19aにおいて封止部材19が
接触するように押圧して貼り合わせる貼合工程と、を含む光電変換素子の
製造方法で、低照度光においても良好な光電変換性を有し、耐湿性や機械
的耐久性に優れる光電変換素子の製造方法の提供。



図1Aは、平面視した本発明の光電変換素子の一例を示す概念図

【符号の説明】 11 第1の基板  12 第1の電極  13 ホールブロ
ッキング層  14 電子輸送層  15 光増感化合物 16 ホール輸送層 
17 第2の電極  18 第2の基板  19 封止部材、封止部  19a
途切れ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の基板上に第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、
前記第1の電極上に光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、 前記光
電変換層上に第2の電極を形成する第2の電極形成工程と、 前記光電変換
層の外周部に、途切れ部を有するように封止部材を付与する封止部材付与
工程と、 前記第1の基板における前記第2の電極を有する面と、第2の基
板とを対向させて、前記途切れ部において前記封止部材が接触するように
押圧して貼り合わせる貼合工程と、を含む、ことを特徴とする光電変換素
子の製造方法。
【請求項2】 前記封止部材を付与して形成される封止部が2層以上の層構
造を有する、請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項3】 前記封止部材付与工程が、前記途切れ部を有さないように封
止部材を付与する第1の封止部材付与工程と、前記途切れ部を有するよう
に封止部材を付与する第2の封止部材付与工程と、を含む、請求項1から
2のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項4】 前記第2の封止部材付与工程が、前記第1の封止部材付与工
程により形成された封止部の上に前記途切れ部を有するように封止部材を
付与する、請求項3に記載の光電変換素子の製造方法。
請求項5】 前記途切れ部が、前記貼合工程の前の前記封止部材を付与した
前記第1の基板を平面視したときに、角部に形成される、請求項1から4の
いずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項6】 第1の基板と、第1の電極と、光電変換層と、第2の電極と、
封止部と、第2の基板とを有し、 前記封止部が前記光電変換層の外周部に
配され、 平面視したときに、前記封止部における前記光電変換層と対向す
る側と反対側の領域に、凹部を有する、ことを特徴とする光電変換素子。
【請求項7】 第1の基板上に第1の電極を形成する第1の電極形成工程と、
前記第1の電極上に光電変換層を形成する光電変換層形成工程と、 前記光
電変換層上に第2の電極を形成する第2の電極形成工程と、前記光電変換
層の外周部に、途切れ部を有するように封止部材を付与する封止部材付与
工程と、 前記第1の基板における前記第2の電極を有する面と、第2の基
板を対向させて、前記途切れ部において前記封止部材が接触するように押
圧して貼り合わせる貼合工程と、を含む、ことを特徴とする光電変換モジ
ュールの製造方法。
【請求項8】 第1の基板と、第1の電極と、光電変換層と、第2の電極と、
封止部と、第2の基板とを有し、 前記封止部が前記光電変換層の外周部に
配され、 平面視したときに、前記封止部における前記光電変換層と対向す
る側と反対側の領域に、凹部を有する、ことを特徴とする光電変換モジュ
ール。
【請求項9】 請求項6に記載の光電変換素子を2以上有することを特徴と
する光電変換素子モジュール。 【請求項10】 前記光電変換素子が直列
及び並列の少なくともいずれかで接続している、請求項9に記載の光電変
換モジュール。
【請求項11】 請求項6に記載の光電変換素子及び請求項8から10の
いずれかに記載の光電変換モジュールのいずれかと、 前記光電変換素子及
び前記光電変換モジュールによって発生した電力によって動作する装置と
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項12】 請求項6に記載の光電変換素子及び請求項8から10のい
ずれかに記載の光電変換モジュールのいずれかと、電源ICと、を有する
ことを特徴とする電源モジュール。
【請求項13】 請求項12に記載の電源モジュールと、蓄電デバイスと、
を有することを特徴とする電子機器。

3.特開2018-49970 光電変換素子 株式会社東芝
【概要】 下図1のごとく、実施形態の光電変換素子は、第1の電極と、第
2の電極と、第1の電極および第2の電極に接し、ペロブスカイト型化合
物を含む活性層を備える光電変換層と、を具備する。X線回折測定により
得られる活性層のX線回折パターンは、ペロブスカイト型化合物の(00
4)面に起因する第1の回折ピークと、ペロブスカイト型化合物の(22
0)面に起因する第2の回折ピークとを有する。第2の回折ピークの最大
強度に対する第1の回折ピークの最大強度の比は、0.18以上である、
高い光電変換特性を有する光電変換素子を容易に製造する。


図1.光電変換素子の構造例を示す上面模式図

【符号の説明】 1…基板、2…電極、3…電極、4…光電変換層、5…隔
壁、41…活性層、42…バッファ層、43…バッファ層、44…下地層、
45…保護層、61…支持体、61a…回転軸、61b…支持面、62…
被処理体、62a…塗布層、63…塗布機構、63a…塗布液、71…ガ
ス供給機構、71a…ガス、81…研磨ローラ、81a…回転軸、81b…
研磨面、82…移動機構、83…制御機構、91…支持体、91a…回転
軸、91b…支持面、92…支持体、92a…回転軸、92b…支持面、
93…支持体、93a…回転軸、93b…支持面、94…制御機構、95
…クリーニング装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第1の電極と、 第2の電極と、前記第1の電極および前記
第2の電極に接し、ペロブスカイト型化合物を含む活性層を備える光電変
換層と、 を具備し、 X線回折測定により得られる前記活性層のX線回折
パターンは、前記ペロブスカイト型化合物の(004)面に起因する第1
の回折ピークと、前記ペロブスカイト型化合物の(220)面に起因する
第2の回折ピークと、を有し、 前記第2の回折ピークの最大強度に対す
る前記第1の回折ピークの最大強度の比は、0.18以上である、光電変
換素子。 【請求項2】 前記ペロブスカイト型化合物は、一般式:ABX
3で表され、 前記Aは、1級アンモニウムイオンであり、 前記Bは、2
価の金属イオンであり、前記Xは、ハロゲンイオンである、請求項1に記
載の光電変換素子。
【請求項3】  前記光電変換層は、前記第1の電極と前記活性層との間に
設けられた中間層をさらに有し、前記中間層は、有
機材料を含む、請求項
1または請求項2に記載の光電変換素子。
【請求項4】  前記中間層は、ポリエチレンジオキシチオフェンを含む請
求項3に記載の光電変換素子。
【請求項5】 前記中間層は、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチ
レンスルホン酸とを含む、請求項3または請求項4に記載の光電変換素子。
【請求項6】 前記光電変換層は、 前記第2の電極と前記活性層との間に
設けられた第2の中間層をさらに有する、請求項1ないし請求項5のいず
れか一項に記載の光電変換素子。
【請求項7】 第1の電極と、 第2の極と、 前記第1の電極および前記第
2の電極に接し、ペロブスカイト型化合物を含む活性層を備える光電変換
層と、 を具備する光電変換素子の製造方法であって、 前記ペロブスカイ
ト型化合物を含む被処理体の表面を研磨する工程と、 前記研磨する工程の
後に前記被処理体に対して熱処理を行う工程と、を具備する、光電変換素
子の製造方法。
【請求項8】 前記研磨する工程の前に前記ペロブスカイト型化合物の前駆
体を含む塗布液を前記被処理体の表面に塗布して塗布層を形成する工程と、
前記塗布層を形成する工程と前記研磨する工程との間に前記塗布層にガス
吹き付けて前記ペロブスカイト型化合物を形成する工程と、をさらに具
備する、請求項7に記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項9】 前記塗布液中の前記前駆体の濃度は、1770mg/ml以
下である、請求項8に記載の光電変換素子の製造方法。
【請求項10】前記塗布層を形成する工程の前に前記被処理体上に中間層
を形成する工程をさらに具備する、請求項8または請求項9に記載の光電
変換素子の製造方法。
【請求項11】 前記ペロブスカイト型化合物を形成する工程と前記研磨す
る工程との間に前記塗布層上に第2の中間層を形成する工程をさらに具備
する、請求項8ないし請求項10のいずれか一項に記載の光電変換素子の
製造方法。
【請求項12】 第1の電極と、 第2の電極と、 前記第1の電極および前
記第2の電極に接し、ペロブスカイト型化合物を含む活性層を備える光電
変換層と、を具備する光電変換素子の製造装置であって、前記ペロブスカ
イト型化合物を含む被処理体を支持するための支持面を有する支持体と、
回転軸と、前記回転軸を中心に回転して前記被処理体の表面を研磨するた
めの研磨面と、を備える研磨ローラと、前記被処理体の表面が前記回転軸
と平行に前記研磨面に接するように、前記研磨ローラおよび前記被処理体
の少なくとも一つを移動させるための移動機構と、を具備する、光電変換
素子の製造装置。
【請求項13】 前記被処理体の表面に前記ペロブスカイト型化合物の前駆
体を含む塗布液を塗布して塗布層を形成するための塗布機構と、 前記塗布
層にガスを吹き付けて前記ペロブスカイト型化合物を形成するためのガス
供給機構と、をさらに具備する、請求項12に記載の光電変換素子の製造
装置。
【請求項14】 前記移動機構は、前記回転軸と平行な第2の回転軸と前記
被処理体を支持するための第2の支持面とを有する第2の支持体を有し、
前記研磨ローラよりも遅い回転速度で前記第2の支持体を回転させて前記
被処理体を移動させる、請求項12または請求項13に記載の光電変換素
子の製造装置。

4.特開2019-195111 タンデム太陽電池及びその製造方法 エルジー エレ
 クトロニクス インコーポレイティド
【概要】
下図2のごとく、タンデム太陽電池及びその製造方法に関し、より具体的
には、シリコン太陽電池上にペロブスカイト太陽電池を積層して接合させ
たタンデム太陽電池及びこれを製造する方法に関する。本発明によれば、
ホモ接合(homo-junction)シリコン太陽電池で具現されるタンデム太陽電
池において、第1のパッシベーションパターンを導入し、第1のパッシベ
ーションパターンの下部のエミッタ層の一部を露出させて、第2電極を形
成するための高温焼成の際に、第1のパッシベーションパターンによりエ
ミッタ層が保護され、エミッタ層の表面欠陷を減少させ、ペロブスカイト
太陽電池の特性劣化問題を改善することができるホモ接合(homo-junction
シリコン太陽電池で具現されるタンデム太陽電池において、ペロブスカイ
ト太陽電池の特性劣化問題を改善するタンデム太陽電池及びその製造方法
を提供する。

図2.発明の第1実施例によるタンデム太陽電池を示した断面図
【符号の説明】100 タンデム太陽電池 110 シリコン太陽電池 
111 結晶シリコン基板 112 エミッタ層 113 後面電界層 
114 第1のパッシベーションパターン 115 第1のパッシベーショ
ン層 120 ペロブスカイト太陽電池 121 電子伝達層 122 ペロ
ブスカイト吸収層 123 正孔伝達層 125 メソポーラス層 130
接合層 140 電極 142 透明電極層 144 グリッド電極層 15
0 電極 160 第2のパッシベーション層 200 タンデム太陽電池
210 シリコン太陽電池 211 結晶シリコン基板 213 後面電界層 
220 ペロブスカイト太陽電池 230 接合層 240 電極 242 透
明電極層 244 グリッド電極層 250 電極 252 グリッド電極層 
G 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 結晶シリコン基板の第1面に配置されたエミッタ層と、 前
記エミッタ層上に配置されて、前記エミッタ層の一部が露出する開口部を
有するようにパターニングされた第1のパッシベーションパターンを有す
るシリコン太陽電池と、 ペロブスカイト吸収層を有するペロブスカイト太
陽電池と、 前記シリコン太陽電池の第1のパッシベーションパターン上及
び前記開口部を通じて露出する前記エミッタ層上に配置され、前記エミッ
タ層の一部と接触し、前記シリコン太陽電池と前記ペロブスカイト太陽電
池とを接合する接合層と、前記ペロブスカイト太陽電池上に配置された第
1電極と、 前記結晶シリコン基板の第2面に配置された第2電極と、を
有する、タンデム太陽電池。
【請求項2】 前記結晶シリコン太陽電池は、 前記結晶シリコン基板の第
2面に配置された後面電界層をさらに有する、請求項1に記載のタンデム
太陽電池。
【請求項3】 前記ペロブスカイト太陽電池は、 電子伝達層及び正孔伝達
層をさらに有する、請求項1に記載のタンデム太陽電池。
【請求項4】 前記第1電極は、 前記ペロブスカイト太陽電池上に配置さ
れた透明電極層と、 前記透明電極層上に配置されたグリッド電極層と を
有する、請求項1に記載のタンデム太陽電池。 【請求項5】 前記透明電
極層は、 凹凸構造を有する、請求項4に記載のタンデム太陽電池。
【請求項6】 前記結晶シリコン基板の第2面に配置された第2のパッシ
ベーション層をさらに有する、請求項2に記載のタンデム太陽電池。
【請求項7】前記第2電極は、前記第2のパッシベーション層を貫通して
前記後面電界層と電気的に連結される、請求項6に記載のタンデム太陽電
池。
【請求項8】前記第1のパッシベーションパターンは、10~100nm
の厚さを有する、請求項1に記載のタンデム太陽電池。
【請求項9】 前記第2電極は、ガラスフリット及び焼成貫通用無機添加物
を有し、 前記第1電極は、ガラスフリットを有しない、請求項1に記載の
タンデム太陽電池。 【請求項10】 前記結晶シリコン基板は、 第1面及
び第2面のうち少なくとも一つに配置されたテクスチャリングパターンを
有する、請求項1に記載のタンデム太陽電池。
【請求項11】 前記ペロブスカイト太陽電池は、 前記電子伝達層とペロ
ブスカイト吸収層との間に配置されたメソポーラス層をさらに有する、請
求項3に記載のタンデム太陽電池。
【請求項12】結晶シリコン基板の第1面にエミッタ層を形成する段階と、
前記エミッタ層上に第1のパッシベーション層を形成する段階と、前記結
晶シリコン基板の第2面に第2電極を形成する段階と、 前記第1のパッシ
ベーション層の一部をエッチングして、前記エミッタ層の一部を露出する
開口部を有するようにパターニングされた第1のパッシベーションパター
ンを有するシリコン太陽電池を形成する段階と、 前記開口部を通じて露出
するエミッタ層上及び第1のパッシベーションパターン上に接合層を形成
する段階と、前記接合層上にペロブスカイト吸収層を有するペロブスカイ
ト太陽電池を形成する段階と、前記ペロブスカイト太陽電池上に第1電極
を形成する段階と、を有する、タンデム太陽電池の製造方法。
【請求項13】前記エミッタ層を形成する段階において、前記結晶シリコ
ン基板の第2面に後面電界層をさらに形成し、前記第1のパッシベーショ
ン層を形成する段階において、前記後面電界層上に第2のパッシベーション
層をさらに形成する段階を有する、請求項12に記載のタンデム太陽電池
の製造方法。
【請求項14】前記第2電極は、前記第2のパッシベーション層上に塗布
されて、第1温度を有する熱処理により前記第2のパッシベーション層を
貫通して、前記後面電界層に連結される、請求項13に記載のタンデム太
陽電池の製造方法。
【請求項15】 前記エミッタ層を形成する段階の前に、前記結晶シリコン
基板の第1面及び第2面を平坦化した後、前記第1面及び第2面のうち少
なくとも一つをテクスチャリングして、テクスチャリングパターンを形成
する段階をさらに有する、請求項12に記載のタンデム太陽電池の製造方
法。
【請求項16】 前記第1のパッシベーション層は、10~100nm の
厚さに形成される、請求項12に記載のタンデム太陽電池の製造方法。
【請求項17】 前記第2電極の熱処理温度は700℃以上であり、 前記
第1電極の熱処理温度は250℃以下である、請求項12に記載のタンデ
ム太陽電池の製造方法。
【請求項18】 前記第2電極は、ガラスフリット及び焼成貫通用無機添
加物を有する電極ペーストを用い、前記第1電極は、ガラスフリットを有
しない電極ペーストを用いる、請求項12に記載のタンデム太陽電池の製
造方法。
【請求項19】 前記ペロブスカイト太陽電池を形成する段階は、前記接
合層上に電子伝達層を形成する段階と、前記電子伝達層上に前記ペロブス
カイト吸収層を形成する段階と、前記ペロブスカイト吸収層上に正孔伝達
層を形成する段階と、を有する、請求項12に記載のタンデム太陽電池の
製造方法。
✔ 性能向上の課題はあるだろうが、量産化及び使途拡大などあるが、こ
 こから一気に国内販売優先で公用・商用が政府支指導・助成政策実行の
 もと垂直立ち上げ実用段階へ突入する。いずれにしても持続可能な生産
 活動に待ったなしである。


風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】



曲名: 怪獣のサイズ   唄: back number

今夜の寸評: 時間との闘いが熾烈になる。余裕をもって進もう。
  

 

 

 

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再エネは俺に任せろ ③

2023年08月12日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

 
【俺の剪定日誌 ⑥】

       
【特徴】
科名 トウダイグサ科 属名 シラキ属
学名 Sapium japonicum
別名 白木・白乳木
水やり 水控え目 場所 外の日なた 難易度 中級者向け



シラキはトウダイグサ科の落葉高木。本州から沖縄まで自生する。5月か
ら7月に開花。雌雄同株で雌雄異花で、一本のシラキに雄花と雌花がつく
。花びらのない地味な花です。10月11月に実をつける。また寒さに当たる
と紅葉する。紅葉はシラキの魅力。春になると赤い新芽をつける。赤い新
芽が枝先から垂れ下がるけど、病気じゃないです。 シラキは性質が頑健
で、育てやすい。環境はあまり選ばず、環境に慣れれば問題なく育つ。成
長は早く、小さくまとまるように剪定する必要がある。
地味な木だけど、「自然の山」「自然の庭」って感じがして、シンボルツ
リーとして植えられることも多くなった。ナンキンハゼに近く、繁殖力が
強い。放置していると周囲に生えてくるので、不要なら引っこ抜く。


【剪定】
剪定時期は2月から4月の落葉していて、もうすぐ新芽が出るころ。  自然
な樹形が魅力なので、強い剪定はしない。もしくは全然剪定しない。強い
剪定をすると枯れ混むことがある。ノコギリを使わないといけないくらい
太い枝を切るときは癒合剤を塗る。
一般的に庭植えにしていると大きくならない(庭は横にも下にも根を張る
スペースがないため)ことが多いが、根を張るスペースがあって順調に行
くと5m以上とか下手すると10mとかになる。しかも結構生育が早い。大
きくなると厄介なので大きくなりそうなら、剪定して小さくまとめるよう
にする。小さくまとめるには、幹のてっぺんを切ってしまう。これでしば
らくは上に伸びなくなる。ただし、しばらくすると上に伸びる枝が出てく
るので、それを切るようにする。

【肥料】             
生育が悪いなら2月に寒肥として化成肥料か油粕+腐葉土か油粕+堆肥を
周囲に穴を掘って(根に当たらないような位置に掘って)追加する。それ
とは別に6月に肥料をやるとよい。庭植えにしたら、肥料はほとんど不要。
葉色が悪く、肥料不足っぽいなら肥料をやる程度。


 

   




【再エネ革命渦論 154: アフターコロナ時代 155】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
    特異点真っ直中  ㉞
 



穏やかな海の洋上太陽光発電はエネルギーを無限提供できる
国際太陽エネルギー協会(ISES)は、PV誌の新しい月刊コラムで、6メー
トルを超える波や 15m/s を超える強い風が発生しない地域が、洋上浮体式
により年間最大100TWh
発電できるかを解説。最適な海洋区域のほと
んどは、インドネシアと熱帯西アフリカの赤道近くにある。
➲2023年8月8日 国際太陽エネルギー協会 (ISES)


画像:ISES
図1.
洋上浮体式太陽光発電パネルのヒートマップ

穏やかな赤道の海に浮かぶ膨大な数の太陽光パネルは、東南アジアや西ア
フリカの人口密集国に無制限の太陽エネルギーを提供できる可能性がある。
最近の論文によると、インドネシアには約 140,000 k㎡の海景があり、過
去 40年間に 4メートルを超える波や毎秒10 メートルを超える強い風に遭
遇したことはない。 これは年間約 35,000テラワット時 (TWh) の太陽エ
ネルギーを生成するのに十分な面積
であり、これは現在の世界の電力生産
量 (年間 30,000 TWh) に匹敵。世界の海洋のほとんどは嵐に見舞われる
が、一部の赤道地域では海洋環境に適している。これは、洋上に浮かぶ太
陽光パネルを保護するための大規模で高価な工学構造が必要ないことを意
味する。世界の高解像度ヒートマップは、インドネシア諸島とナイジェリ
ア近くの赤道西アフリカが、洋上浮体式太陽光発電アレイの最も有望な地
域であることを示す。
赤色の領域が最適で、次に黄色、緑色、紺色が続き、灰色の線は熱帯暴風
雨の軌跡を示す。 高解像度地図はここにある。著者提供、Open Street Map
ベースを使用、CC BY-ND

中央熱帯の太陽光発電
今世紀半ばまでに、世界経済は大部分が脱炭素化され、膨大な量の太陽エ
ネルギーと風力エネルギーにより支えられて電化される。2050年には、
イジェリアとインドネシアがそれぞれ 3番目と6番目に人口の多い国
になる
予想され、人口密度が高いため、農業、環境、太陽エネルギー発電の間で
紛争が生じる可能性がある。熱帯に位置する(「無風地帯」)ということ
は、風力資源が乏しいことを意味する。幸いなことに、これらの国(およ
その近隣諸国)は、強風や大きな波を経験しない穏やかな熱帯の海に浮
かぶ太陽電池パネルから無制限のエネルギーが得られる。約70k㎡の太陽
光パネルで、ゼロ炭素経済における100万人の富裕層のエネルギー需要を
すべて賄うことができる。エネルギー集約度の低い社会では、同じ PVパ
ネル面積で 200万人以上にエネルギーを供給できる。 パネルは屋上や乾
燥地帯に設置したり、農業と同じ場所に設置したり、水域に浮かべたりす
ることができる。水上ソーラーパネルは、内陸の湖や貯水池、または沖合
の保護地域に設置できる。内陸水上太陽光発電には大きな可能性があり、
すでに急速に成長している。最近発表された論文では、世界中の海洋を調
査し、過去40年間に大きな波や強風が発生しなかった地域を見つけている。



このような地域での水上ソーラーパネルには、強力で高価な工学的防御

必要ありません。6mを超える波や15m/sを超える強い風が発生しない地域
では、年間最大 100万TWh を発電できる可能性がある。これは、100億人
の富裕層を支える完全に脱炭素化された世界経済に必要な年間エネルギー
量の約5倍。良い場所のほとんどは、インドネシアと熱帯西アフリカの赤
道近くにあります。これらは人口増加率が高く、環境価値も高い地域。海
洋に浮かぶ太陽光パネルは、土地利用紛争の解決に役立つ可能性がある。

インドネシア
今世紀半ばまでに、インドネシアの人口は3億1,500 万人を超える可能性
がある。太陽光発電を利用した経済の完全脱炭素化後、豊かなインドネシ
アを支えるには約25,000k㎡の太陽光パネルが必要
である。
幸いなことに、インドネシアには膨大な太陽エネルギーの潜在力があり、
陽エネルギーを一晩蓄える膨大な揚水エネルギー貯蔵の可能性もある。イ
ンドネシアは、特にジャワ島、バリ島、スマトラ島に人口が密集した国。
幸いなことに、インドネシアには穏やかな内海に膨大な数の太陽光パネル
を浮かべるという選択肢がある。 インドネシアの海域 640万 k㎡ は、イ
ンドネシアの将来のエネルギー需要全体を洋上浮体式太陽光パネルで賄っ
た場合に必要な面積の 200倍になる。



図2  インドネシアの洋上浮体式太陽光パネルのヒートマップ
赤色の領域が最適で、次に黄色、緑色、紺色が続く。灰色の線は熱帯暴風
雨の軌跡を示す(高解像度マップ)。 著者提供、OpenStreetMap ベースを
使用、CC BY-ND

上水上太陽光発電
世界のほとんどの海洋では、10 メートルを超える波と 20 メートル/秒を
超える強い風が吹いている。 いくつかの企業が、嵐に耐えることができ
る沖合浮体パネルの工学的防御の開発に取り組んでいる。赤道沿いの穏や
かな海洋環境では、はるかに堅牢ではなく高価な防御が必要。最も有望な
地域は、主にインドネシア諸島とその周辺、およびナイジェリア近郊のギ
ニア湾で、赤道の緯度 5 ~ 12度以内に集中している。これらの地域には、
風力発電の可能性が低く、人口密度が高く、人口とエネルギー消費量の両
方が急速に増加しており、太陽光発電所のために開墾されるべきではない
実質的に手つかずの生態系が残っている。熱帯低気圧が赤道地域に影響を
与えることはほとんどない。

中南米における洋上浮体式太陽光発電の経済的範囲は、熱帯暴風雨や大波
によって制限されている。中東には大きな技術的潜在力があるが、陸上の
太陽光発電所や風力発電所との激しい競争が予想される。
ヨーロッパには、アドリア海北部やギリシャ諸島周辺などの保護された地
域にある程度の展望がある。洋上浮体式太陽光発電産業はまだ初期段階に
ある。洋上ソーラーパネルには、陸上パネルに比べて塩害や海洋汚染など
の欠点があります。 パネルを海底に固定するには浅い海が好ましい。
地球温暖化により、風や波のパターンが変化する可能性があります。海洋
環境や漁業への影響を最小限に抑えるよう細心の注意を払う必要がある。
これらの課題にもかかわらず、洋上浮体パネルは、穏やかな赤道海にアク
セスできる国々にエネルギーミックスの大部分を提供する可能性がある。
今世紀半ばまでに、これらの国の約10億人が主に太陽エネルギーに依存す
ることになり、歴史上最も速いエネルギー変化を引き起こしている。

著者: アンドリュー・ブレイカーズ教授 /ANU) およびリカルド・ルーサー
授 (UFSC)。 Andrew.blakers@anu.edu.au および ruther@gmail.com 国際
太陽エ
ネルギー協会である ISES は、1954 年に設立された国連認定の会員制 NGO
で、すべての人が 100% 再生可能エネルギーを効率的かつ賢く利用できる
世界を目指して活動している。 via. pv magzine

✔海洋浮体式太陽光発電(メガフロートソーラー或いは群フロートソーラ
 ー)は漁業権及び航行権への拝領のみならず、波浪高さ及び波浪速度並
 びに天候不順への自葎的/遠隔的制御設計・技術工学への配慮課題とし
 て残る➲残件扱い・




バルミューダが小型風力発電機を開発
今秋から実証実験をスタート
8月7日、家電ベンチャーのバルミューダが小型風力発電機の開発に参入。
独自開発のタービンを採用した発電機で、同年秋から実証実験を開始する。
その概要内容は、独自開発の発電用タービンを搭載した発電機で、屋外な
どの実環境での実証を行い、性能などを検証。バルミューダは家庭用扇風
機やトースターなどの家電製品を手掛けてきたベンチャー企業。開発する小
型風力発電機は、2010年から販売している同社のDCモーター扇風機「Green
Fan
」のブレード構造をベースに改良を重ねたもの。独自の二重構造を持つ
モダン・マルチブレードタービンとして、数年前から風力発電向けに開発
を進めてきたというが。下記の「特許事例」から10周年前から軸流フア
ンのからも分かるように寺尾 玄取締役などから経歴から伺えるえる。☈ 
------------------------------------------------------------------
【特許事例】
1.特開2015-7429 軸流ファン バルミューダ株式会社
【概要】
下図1のごとく回転駆動手段の回転軸に取り付けられる回転軸部4と、該
回転軸部の外側に該回転軸部と同軸に設けられた内側羽根群と、該内側羽
根群の外側に該内側羽根群と同軸に設けられた外側羽根群とを備え、該内
側羽根群は該回転軸部を中心にして放射状に設けられた複数の内側羽根2
からなり、該外側羽根群は該回転軸部を中心にして放射状に設けられた複
数の外側羽根3からなる軸流ファン7において、該内側羽根と該外側羽根
の枚数、面積、角度、形状を設計することにより、該内側羽根群によって
形成される風の速度V1と該外側羽根群によって形成される風の速度V2
を、V1<V2の関係にする。

図1.本発明に係る軸流ファンの正面図 【符号の説明】1 中間リング
2 中間リングの内側の羽根 3 中間リングの外側の羽根 4 軸流ファン
の回転軸部 5 モーター 6 モーターの回転軸 7 本発明に係る軸流ファ
ン 8 モーターの支持装置 9 本発明に係る軸流ファンを取り付けた扇風
機型の送風装置 10 従来型の5枚の羽根で構成される一般的な軸流ファ
ン 11 風速計測ポイント 12 風速計測ポイント 13 従来型の5枚の
羽根で構成される一般的な軸流ファンを取り付けた扇風機型の送風装置
14 風速計測ポイント 15 風速計測ポイント 16 風速計測ポイント
17 本発明に係る軸流ファンを取り付けた換気扇型の送風装置 18 本
発明に係る軸流ファンを送風機能部に取り付けた暖房装置 19 従来型の
5枚の羽根の軸流ファンを回転させた時の風の広がり 20 本発明に係る
軸流ファンを回転させた時の風の広がり 21 従来型の5枚羽根を羽根の
形状をそのままに10枚はねとした場合の軸流ファン 22 正面から見た
時に羽根同士が重なる部分 23 中間リングを複数とした本発明に係る軸
流ファン 24 本発明に係る軸流ファン正面の至近距離位置の軸付近空間
25 本発明に係る軸流ファン正面の至近距離位置の外周付近空間 30 本
発明に係る軸流ファンを回転させた時の近距離における風の方向 31 本
発明に係る軸流ファンを回転させた時の風が集まる位置

------------------------------------------------------------------
☈モダン・マルチブレードタービンは内側と外側に二種類のブレードを配
置することで、それぞれが回転力を生み出す仕組み。具体的なスペックな
どは明らかになっていないが、研究室の実験では、直径1メートル以下の小
型サイズで低い回転速度と静音性を保ちながら優れたエネルギー効率を達
成したとしている。



図.モダン・マルチブレードタービンの位置づけ 出典:バルミューダ

【展望】
実用化に向けて、今秋から実際の使用環境である屋外での性能を検証。な
お、発電機の開発にあたっては、世界風力エネルギー学会、足利大学との
共同研究を予定。via スマートジャパン





 

国内生産を3倍増、ペロブスカイトとのタンデム型
メガソーラービジネス・インタビュー
via 日経クロルステック 2023.8.8

山口県で太陽光パネルを製造する長州産業(山口県山陽小野田市)は、太
陽光パネルの生産能力を従来の3倍となる500MWに増設し、今年4月に稼働
させた。コロナ禍の資材不足下でも途切れることなく国内生産を継続し、
住宅市場でのシェアアップを機に攻勢に転じる体制を整えた。
米国では連邦政府の支援策によって太陽光パネル工場への投資が活発化。
世界的に太陽光発電が電源構成の主力を担い始めたことに伴い、エネルギ
ー安全保障の視点から太陽光発電設備の国産比率を高めることの重要性が、
認識され始めている。そのなか、国内では、ここ10年間、海外製パネルの
シェアは高まる一方。

長州産業が主力にしている住宅太陽光の市場では、太陽光パネルの信頼性
にこだわっている事業者も多く、他社が海外生産に切り替えたことで、国
内の生産現場を直接、見て確認できる良さが際立ち、国内でのモノづくり
が再評価されている。また。コロナ禍による国際的なサプライチェーンが
停滞し、太陽光関連の部材は急激に値上がりし、モノ自体が入らなくなる。
同社は、部材・部品不足を見越して早い時期に思い切って半年分ぐらいの
在庫を確保た。その影響で生産規模は半分以下になるなか、太陽光パネル
の供給を継続する。当時、中国メーカーの多くは値上げを繰り返し、ハウ
スメーカーなど住宅太陽光の業界は、品不足とコストアップに直面し、大混乱
に陥るなか、国内生産を維持し、極力、値上げせずに対応。

こうしたサプライチェーンの混乱は2022年5月以降、徐々に正常化し、長州産業
でもフル生産できるようになりました。それにつれて、コロナ禍での懸命の対応
が評価されたのか、今年3月以降、シェアが伸びています。もちろん原価の上昇
もあって太陽光パネル事業の収益は厳しい状況でしたが、今後に向け手ごたえ
を感じる。 コロナ禍の前から評価され始めた国内生産の強みは、コロナ禍の混
乱の中でさらに顧客から支持されたと思っています。国内生産設備を従来の3倍
に増強し、500MWに規模を拡大することに決めたのは、こうした経緯のなかで
の経営判断です。生産規模の拡大と並行して、技術者を増やすなど、製品開

やアフターフォローの体制も強化していく。

今回の増産投資は、あくまで国内に太陽光パネル工場を持つことによるメリット、
例えば、品質管理の確かさや、対応の速さや正確さなどのアフターフォロー、全
国的なネットワークなど、「メイド・イン・ジャパン」の良さを従来以上に評価してく
れる顧客が増えているとの判断する。

「低反射モジュール」で市場拡大
市場規模で年間1GW前後の国内住宅太陽光市場をターゲットに、年産500MW
という生産規模は拡大戦略。業界誌などの推計によると、昨年の住宅太陽光市
場は900MWを下回ったとの見方もあるが、500MWの設備をフル生産するには
市場全体の半分以上のシェアを獲得が前提。ただ、ここまで住宅太陽光市場が
縮小したのは、コロナ禍による影響が大きく、今後は1GW程度に戻る。 さらに、
屋根上太陽光の市場が、年間1.5GW以上に拡大すると、 3分の1程度のシェア
を目指す。その市場拡大の牽引担保する技術が 、①低反射モジュール(低反
射型太陽光パネル)。 コスト競争力で勝負が決まってしまうメガソーラー市場で
は、国産パネ
ルが海外勢からシェア奪還はたやすくない。つまりは、国内での生
産コストが高い(➲住宅太陽光という国内で生産するメリットを評価してくれる
市場をターゲット)。 シリコンベースパネルは、ヘテロ接合にしも効率アップは1
割程度で(➲単結晶シリコンセルで20%だとすれば、アモルファスを積層して
も20数%と変わらない) コモディティ(汎用品)化する。②これに対応するのが「
ペロブスカイト太陽電池のタンデム化」で効率アップする方法である。

ペロブスカイト積層で高効率化
結晶シリコン型太陽光パネルの量産メーカーとして注目しているのが、従
来のシリコンセルの上にペロブスカイトを積層したタンデム型。ペロブス
カイト太陽電池は有機系材料が有望で、その場合、シリコンセルと積層す
れば、電気に変換できる太陽光の波長が異なるので、変換効率は、例えば
シリコンセルの20%に、ペロブスカイトの10~15%がそのまま上乗せされ
タンデムで35%が達成できる。無機と有機の組み合わせになる、シリコン
とペロブスカイトのタンデムでは、10ポイント以上の効率向上も可能。こ
こまでの高効率化できれば採算性がとれる。2050年のカーボンニュートラ
ルを間近に控えた従来の結晶シリコンからタンデム型への置き換えが進む。
今後、コーポレートPPA(電力購入契約)で買取価格が10円/kWh程度に下
がっても再投資して十分に売電事業が成り立つ。さらに。もちろん太陽光
パネルの過積載比率が高まり、いま以上に太陽光発電による余剰電力が増
えれば、その頃には蓄電池や水電解による水素製造など、蓄エネルギー関
連の設備コストは大幅に下がる。

タンデム型セルの国内生産
このように、大面積・高効率・強靱・廉価・資源リサイクルの5つの条件
をクリアすることは難しいが、「太陽電池メーカー」として重要な、工場
出荷に際し、自ら検査して、品質管理を徹底しているか否かとい点、ブラ
ンドだけが国内企業という場合、調達先の中国メーカーが工場出荷時の最
終検査を行っていることが多いが、長州産業では、生産ラインの随所に検
査機器があり、不具合ゼロを目指していると話す。


【ウイルス解体新書 171



序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
第4章 終 章 備えあれば憂いなし
-----------------------------------------------------------------
米国で主流に 新たなコロナ変異株「EG.5」についてわかっていること
Forbes JAPAN 2023.8.13
新型コロナウイルスの新たな変異株「EG.5」(通称エリス)が、米国で最
も流行している変異株になったことがわかった。EG.5はオミクロン株の派
生型のひとつで、米国で感染者や入院患者の増加を招いている。ただ、専
門家はオミクロン株系統の以前の変異株と比べ症状が重くなるわけではな
いとの見解を示している。 米疾病対策センター(CDC)の最新の推計によ
ると、7月23日~8月5日の2週間に、EG.5感染者は米国の新型コロナウイル
ス感染者全体の17.3%にのぼり、同じくオミクロン株から派生した「XBB.
1.16」(通称アークトゥルス)を上回って主流になった。EG.5感染者の割
合は4月30日~5月13日の期間には0.4%にとどまっており、ここ3カ月弱で
急速に広がった。 世界保健機関(WHO)は7月19日、EG.5を「監視下の変
異株(VUM)」に指定。今月9日には、警戒度が一段階高い「注目すべき変
異株(VOI)」に引き上げた。VOIは警戒度が最も高い「懸念される変異株
(VOC)」の一段下に位置づけられる。 WHOはEG.5について、感染者の増
加を引き起こす可能性があるとする一方、オミクロン株のほかの派生型と
比べて重症化しやすいという証拠はないため、公衆衛生に対するリスクは
低いと評価している。 EG.5は、ウイルスの複製プロセスで複数の種類が
合体した「組み換え体」と呼ばれるタイプだ。宿主(しゅくしゅ)が系統
の異なる複数の新型コロナウイルスに同時に感染することで生まれる。
EG.5は「XBB.1.9.2」系統の組み換え体となっている。 XBB.1.9.2と比べ
ると、EG.5ではウイルスの表面のスパイクたんぱく質に、「465変異」と
呼ばれる変異がさらに起きている。この変異は世界で確認されている新型
コロナウイルスの遺伝子配列の約35%に存在し、XBB系統の多くの変異株に
みられる。変異による影響などはわかっていない。 WHOのリポートによると、
EG.5は2月に初めて確認された。すでに、スパイクたんぱく質に2つ目の変
異がある「EG.5.1」という派生型が生まれている。 (forbes.com 原文

感染が拡大しているのはニューヨーク州だけではない。フロリダ州保健局
によると、8月3日までの1週間の新規感染者は1万5000人超と前週から21%
急増した。薬局大手のウォルグリーンズによると、カリフォルニア州内各
地の店舗で実施された検査では、全体の48.3%が陽性だった。この比率は
1月以降で最も高く、6月の27%から跳ね上がっている。ただ、ニューヨー
ク市のアシュウィン・バーサン保健・精神衛生局長は同市での感染再拡大
について「良いニュースは、新型コロナウイルスの感染力や致死率が高く
なっていると示唆するようなものはみられないということだ」と指摘。今
起きているのは免疫が落ちてきているということだろうと説明し、現在の
状況は「コロナとともに生活することの一部。こうした変動は想定内だ」
と述べている。
ps. 症状としては、発熱、倦怠感、筋肉痛、胸の痛み、鼻づまり、せき、
頭痛、吐き気、下痢、嘔吐、のどの痛み、味覚障害、嗅覚障害などが起こ
りうる。

風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】



キタニタツヤの「青のすみか」の歌詞は難解である。わたしには。楽曲は
J-POP
であり、TVアニメ『呪術廻戦「懐玉・玉折」』の主題曲だという
が観たこともない。現在はTVドラマやアニメやカラオケ、情報メディア
の不特定の視聴者たちの<心象>を、テンポ(和製ポップな)に乗せ、シン
クロ(共振増幅)させることに成功しているのだろうが、主題(歌詞/言
霊)は、青春の蹉の追憶と腑に尾とす。

今夜の寸評: 運命を感じTSことはあるか? それは、ただ今この時だ。
  

 

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再エネは俺に任せろ ②

2023年08月10日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【俺の剪定日誌 ⑤】      
初心者でも剪定が簡単で      自家結実性の品種として。小果種の
熟しながら色が変わる実も魅力   ルッカ、中果種のミッションがある。  
オリ-ブ
-------------------------------------------------------------------
適度にすかして風通しよく
春にクリーム色の花を20輪ほどまとめて咲かせる。果実は球形やタマゴ形
で、濃緑色から、黄緑色、黒紫色と完熟してく。剪定は、ある程度生長し
て樹形ができるまでは切リ詰め剪定で枝を出させ、主枝ができたら徒長枝
や込み合った枝、弱い枝などを間引いて樹形を整える。強風で倒れたり傷
んだりすることもあるので、適度に風が通るように透かすことも必要。剪
定適期は株が生長を止めている冬場であるが、樹形を乱す枝を見つけたら
そのつど切り落とします。オリーブのほとんどの品種は自家受粉しないが
実の収穫には2つ以上の品種を混植する必要がある。

基礎データ
●樹高: 自然状態…5~7m 庭植目安…3~4m
●枝張り:自然状態…2~5m 庭植目安…|~2m
●生長速度:やや遅い
●陽当たり:陽樹
●乾湿:乾燥を好む
●大気汚染:弱い
●萌芽力:強い
●主な病害虫:ハマキムシ、
 テッポウムシ、グンバイムシ
●栽培可能地域:東北南部の太平洋岸~ 沖縄
●花色:クリーム色
●実色: 濃緑~黄緑~黒紫
●剪定難易度:易しい

現実的というか実践するというのいつもながら気付きが多く、「蛇の道
は蛇」。そう簡単に習得できないことを痛感し、勉強しております。


   




【再エネ革命渦論 153: アフターコロナ時代 154】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   特異点真っ直中  ㉝

論より証拠!ここでは敢えて、『先端技術本位制宣言』 ②

【オールウインドウシステム事業】
 耐電材開発:最新特許事例
1.特開2023-074353 金属含有皮膜を有する炭素繊維強化プラスチック成
形体 国立大学法人東北大学他
【概要】
下図1のごとく、素繊維強化プラスチックの表面の少なくとも一部に、コ
ールドスプレー法により金属粒子およびポリアリーレンエーテルケトン(
PAEK)樹脂の粉粒体を投射し、金属粒子の金属およびポリアリーレン
エーテルケトン(PAEK)樹脂からなる金属含有皮膜を形成した成形体
、およびその成形体からなる耐雷材、炭素繊維強化プラスチック複合材料
の上に緻密で強固に密着した金属含有皮膜が形成された成形体およびその
成形体からなる耐雷材の提供。


図1 本発明の実施例1における成形体の断面SEM写真

【産業上の利用可能性】
本発明に係る炭素繊維強化プラスチックに金属含有皮膜を形成した成形体
は高い導電性を有することから、航空機の胴体や主翼等の耐雷材やUAM
などの空飛ぶ車の耐雷材、風力発電用の風車の耐雷材として好適である。
また、本発明に係る炭素繊維強化プラスチックに金属含有皮膜を形成した
成形体は炭素繊維強化プラスチックと金属含有皮膜の密着性が高いことか
ら、自動車の補強用の金属-炭素繊維強化プラスチック接合材、炭素繊維
強化プラスチックからなるバッテリーケースの放熱材、水素などの気体を
封入した金属-炭素繊維強化プラスチックなどの圧力容器等の一般産業用
途へ適用することができる。
✔ 東北大学、東レに福田金属箔工粉業ですか。お金のニオイがプンプンし
  ますね。

触媒と光エネルギーで未踏の化学反応を実現 
8月3日、京都大学の研究グループは,光照射下,環境負荷の少ない有機触
媒を2つ組み合わせて用いることで,これまで実現困難とされてきた,電
子豊富な芳香族化合物のメタ位選択的なアシル化反応の開発。
尚、1877年にシャルル・フリーデルとジェームス・クラフツにより発見さ
れた,フリーデル・クラフツ反応は,芳香族化合物のベンゼン環上にアル
キル基やアシル基のような有機基を導入する手法であり,医農薬や化学材
料を組み上げる強力な化学反応である。

【概要】
ベンゼン環上に電子供与性基が置換した電子豊富な芳香族化合物を原料に
用いたフリーデル・クラフツ反応は,電子供与性基のオルト位とパラ位に,
有機基が選択的に導入される。一方で,電子供与性基のメタ位に有機基を
導入することは不可能だった。
このような背景のもと,遷移金属触媒を用いて,電子供与性基の置換した
電子豊富な芳香族化合物のメタ位に有機基を導入する化学反応の開発が精
力的に行なわれている。しかし,これら遷移金属触媒を用いた反応は,ベ
ンゼン環上に,複雑な置換基やかさ高い置換基を導入した芳香族化合物を
原料に用いる必要があり、①反応に利用できる原料に制限があることで,
つくりだすことのできる芳香族化合物のバリエーションが乏しい。②また,
触媒として金属塩を必要としていることから,より環境への負荷の少ない
化学反応が求められる


図.本件の芳香族化合物のメタ位選択的アシル化反応の概要図

【方法及び成果】
この研究では,青色LED照射下,環境負荷の少ない有機触媒を2つ組み合わ
せて用いることで,電子供与性基の置換した電子豊富な芳香族化合物のメ
タ位選択的アシル化反応の開発に成功し、これまで誰も到達できなかった,
アンチ・フリーデル・クラフツ反応を開発した。

この手法は,容易に入手可能で単純かつ電子豊富な芳香族化合物を利用で
きる,穏和な反応条件で実施できるため,官能基許容性に優れているとい
う有機合成化学的な利点を持つ。したがって,これまで困難であった60種
類以上の芳香族化合物をつくりだすことができた。分子内に多数の官能基
を有する複雑な医薬品や天然物のアシル化反応も実現した。この反応では,
完璧なメタ位選択性が発現し,オルト位やパラ位選択的性の生成物は全く
得られなかった。したがって,それら位置異性体を分離する煩雑な作業を
必要としない。これは,医農薬や化学材料を迅速かつ効率的に組み上げる
強力な有機合成技術につながる成果。また,光エネルギーと希少価値の高
い金属元素を含まない有機触媒を利用しているため,研究グループは環境
に優しい有機合成技術として持続可能な社会の実現に貢献する。


図1.フリーデル・クラフツ反応と本研究成果の比較

【成果】
同研究グループは,上図1のごとく、光照射下,環境負荷の少ない有機触
媒を2つ組み合わせて用いることで,電子供与性基の置換した電子豊富な
芳香族化合物のメタ位選択的なアシル化反応の開発に成功。これまで誰も
到達できなかった,
アンチ・フリーデル・クラフツ反応を開発したといえ
る。また、本成果は,有機触媒を分子レベルで設計・操作することでラジ
カル反応を意図的に制御し,有機合成反応における新たな設計指針を打ち
たてた。

図2. 触媒サイクル

【展望】
これまで到達困難であった芳香族化合物を迅速かつ高効率で供給すること
ができ,医農薬や化学材料を組み上げる強力な有機合成技術となる。
【関連論文】
掲載誌:Nature Synthesis DOI:10.1038/s44160-023-00378-4
原  題 : N-heterocyclic carbene- and organic photoredox-catalysed meta-select-
      ive acylation of electron rich arenes.(N-ヘテロ環カルベンと有機光
      化還元触媒を用いた電子豊富芳香族化合物のメタ位選択的アシル化
      反応)





XRISM×SLIM 特設サイト 出所:JAXA


Technology to drive sensors as wide of a range with limited Tx microwave power
“Enesphere” – WPT products by Panasonic. (2022)

ワイヤレス電力伝送時代
無線電力伝送の月面実証、産学官が連携 名古屋工業大学や日本ガイシ、Space
Power Technologies(SPT)、名古屋大学、金沢工業大学および、ダイモンは、24
GHz帯による無線電力伝送の月面実証に向けて、産学官連携による共同研究
を始める。、「24GHz帯の無線電力伝送(WPT)」を宇宙用と地上用の共通技術
とした。その上で、大電力かつ長距離に備えた宇宙用「送受電システム」および
小型で効率が高い地上用「送受電システム」の技術実証を行う。また、無線電力
伝送用部品として、窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた受電整流素子の開を
予定。高い放射線耐性を必要とする宇宙用だけでなく、地上用のミリ波やテラヘ
ルツ波通信にも利用できるGaN on GaN半導体。 


画像:月面でのマイクロ波WPT利用イメージと今回の共同研究の取り組み 
出所:名古屋工業大学他

尚、2018年の内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「脱炭素社会
実現のためのエネルギーシステム」第1回 推進委員会」の資料において、「ワイ
ヤレス電力伝送(WPT)システム事業は、2030 年に、約1.6 兆円の市場効果(20
30年に普及しているEV の20%がワイヤレス充電を実施、全国の道路・ダム・河
川管理にドローン導入、センサー・情報機器等の一部に導入)及び約1.6 兆円の
コスト削減効果(EV の機械式駐車場収容台数の一部をワイヤレス充電に代替)
を目指すとともに約2400万トンのCO2 削減効果(EV普及等による削減、全国の
長大橋梁の10%がドローン等を活用した整備や点検に置き換わった場合、セン
サー・情報機器等の電池交換に係る作業のエネルギー削減)」と見込んでいる。
本日をポジティブなリスク評価を注視し、振興迫る「ワイヤレスエネル
ギー伝送事業」の展開起点とする。



【ウイルス解体新書 170】


序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
第4章 終 章 備えあれば憂いなし
-------------------------------------------------------------------------------------------------
新コロナ変異株「EG.5」、米国で主流に :2013年8月10日、米国で新型コロナ
ウイルスの新たな変異株「EG.5」が主流になっている。米疾病対策センター(C
DC)の最新の推計によると、全米の新型コロナ感染者の約17%がEG.5で、
次いで「XBB.1.16」が16%となっている。EG.5はオミクロン株の一種であ
るXBBの派生型。元々のオミクロン株のように大きく変異したものではなく、ウ
イルスが少しずつ変異したもの。EG.5にはEG.5.1という派生型があり、ちら
も急速に広がっている。人間が持つ抗体に対する派生型の抵抗力を研究してい
る米コロンビア大学のデビッド・ホー博士は、EG.5などの変異株はこれまでの
ウイルスと異なる症状、あるいは重篤な症状を引き起こしていないようだと指摘
する。
EG.5は米国だけでなく、アイルランドやフランス、英国、日本、中国でも急速に
広まっている。世界保健機関(WHO)は9日、EG.5のステータスを「監視中」か
ら「注目すべき変異株」に引き上げた。米国ではコロナ感染者や救急外来を訪れ
る患者、入院患者が増えているが、EG5が患者増加の要因となっていることを
示す情報はない。むしろ疫学者らは、感染者の増加は室内での冷房使用など人
間の行動によるものと考えている。冷房を使用するとウイルスが拡散しやすくな
る。また夏季の旅行シーズンで人の動きが増えていることも感染者増加の一因
と考えられる。
米エール大学公衆衛生大学院のアン・ハーン博士は、コロナに対する人々の免
疫力が高いこともあり今回の流行はさほどひどくはならないとの見方を示しつつ
も、「新しい変異株が冬場にどのようになるかはまだわからない」と指摘している。
                                                                                                                     この項了

風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】



「シンデレラボーイ」は、日本のロックバンド・Saucy Dogの楽曲。2021年8月25日
にリリースされた5枚目のミニ・アルバム『レイジ―サンデー』の収録曲で、当楽曲
は2021年8月18日に先行配信。メンバーの石原が初めて女性目線で作詞を行っ
た恋愛ソング。
2022年11月16日、『第73回NHK紅白歌合戦』への初出場が発表された。12月22
日、曲目が『シンデレラボーイ』であることが発表された。 2023年3月21日から松
江駅の発車メロディーの一部(特急列車及び朝夕の普通列車)としてSaucy Dog
の楽曲「優しさに溢れた世界で」が採用されることになった(2024年3月までの期
間限定。 via jp.Wikipedia



今夜の寸評:「再エネは俺に任せろ!」とほえてみせる。
  

 





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再エネは俺に任せろ ①

2023年08月09日 | デジタル革命渦論

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。

【俺の剪定日誌 ④】
寒さに強い柑橘類で 夏から冬まで収穫できる
ユ ズ
-----------------------------------------------------------

【柚・柚子】ミカン科ミカン属
ユズは柑橘類のなかでも最も寒さに強く、東北南 部や北陸地方でも栽培さ
れています。若い間、数年は剪定をせずに枝葉を増やして樹勢 をつけさせ
ます。その後、枝が伸びて下垂すると自然に生育が鈍リ、枝元から勢いの
ある枝が発生するので、その枝を骨格に樹形をつくる。柑橘類は年に3回
枝が伸びます。4月に出た新 芽から月頃にいったん伸びを止めて春枝とな
る。8月中句くらいに先端の芽が伸びて夏枝となり、さらに10月に秋枝が
伸びる。春枝は翌年の結果母枝となるので大切に育て、夏枝は勢いがいい
ので残して樹形づくりに利用します。秋枝は充実していないので半分<ら
いに切り詰める。
ユズの花は両性花なのでよく結実するが、充実した実を収穫するために7
月頃に摘果する。

ユズは実がつくまでに年月がかかるのが難点。普通種では7年以上、接木苗
でも結実までに早期結実種で3~4年みる必要があります。その代わり、いっ
たん実がつき始めたら、8~12月にかけて長く楽しむことができる。
------------------------------------------------------------------
 ユズの樹形づくリ
下垂した枝の元から、水平方向に伸びる勢いのよい枝が出るので、この枝を
育てて樹形をつくる。

【基本データ】
●樹高: 自然状態…2~3m 庭植目安…|~2.5m
●枝張り: 自然状態…2~3m
           庭植目安…|~|.5m
●生長速度:やや遅い
●陽当たり:陽樹
●乾湿:中庸
●大気汚染:普通
●萌芽力:普通
●主な病害虫:カイガラムシ、アブラムシ、
            カミキリムシ、ミカンハモグリガ
●栽培可能地域: 東北南部~沖縄
●花色:白
●実色:黄
●剪定難易度:普通


 

 
 
【再エネ革命渦論 152: アフターコロナ時代 153】
技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   特異点真っ直中  ㉜ 
宣言 ①

論より証拠!ここでは敢えて、『先端技術本位制宣言』 ①
---------------------------------------------------------------------------------------------------


図1.無機-生物ハイブリッド型人工光合成システムの概略図
光触媒電極(光電カソード)では光照射に より電子(e-)と正孔(h+)が生成
される。対極(アノード)では水分解反応により電子(e-)が生成され光
電カソードに供給される。触媒である微生物はアノードと光電カソードで
生成された電子を直接 利用しCO2 還元有価物合成を行う。

---------------------------------------------------------------------------------------------------

1.環境にやさしい光触媒電極を作製

8月7日、 北海道大学の研究グループは,光触媒電極ZnO/CuOナノ複合体
nano
orests,NFRs)を簡便で環境にやさしいガルバニック水中結晶光合成
G-SPSC
法により作製することに成功し,ZnO/CuO NFRsの光電気化学的
水素生成速度及び微生物への増殖阻害作用を初めて測定。

【要点】
1.常温・常圧・中性条件下で光触媒電極 ZnO/CuOナノ複合体(NFRs の
    作
製に成功 。
2.ZnO/CuO NFRsは光電気化学的水素生成速度 0.63 μmol/cm2/day 0 V vs.
   RHEを達成 。
3.無機-生物ハイブリッド型人工光合成システムへの適用可能性を示唆。
【概要】
光触媒電極 ZnO/CuOナノ複合体nanoforestsNFRsを簡便で環境にやさガルバ
ニック水中結晶光合成(G-SPSC法により 作製することに成功し、ZnO/Cu
O NFRs
の光電気化学的水素生成速度及び微生物への増殖阻害作用を初めて
測定した。
脱炭素社会の実現が急務とされる昨今、
二酸化炭素の排出抑制だけではな
く、固定化・再資源化が重要となり、エネルギーを利用した光水分解反応
により水素( 2H++生成を行う光触媒と、二酸化炭素を還元し有価物を合成
する微生物触媒を組み合わせた無機-生物ハイブリッド型人工光合成シス
テムは無尽蔵に存在する天然資源(水と CO2、太陽光)から有価物を合成
する新たな工光合成技術として注目されている。このシステムは光触媒の
みで反応を駆動する人工光合成と比べて自己増殖能をもつ微生物を触媒と
するため、安価で選択性が高く、目的物質を生成できるという特徴があり、
一部生物反応を用いることから半人工光合成と呼ばれる。

研究グループはこの無機-生物ハイブリッド型人工光合成システムに用い
る光触媒電極として、安価で豊富に存在し取り扱いが容易なZnO/CuO NFRs
を環境負荷の低いG-SPSC法をさらに改良し、常温・常圧・中性条件下の
蒸留水中で作製した。作製した ZnO/CuO NFRsの光電流値は -2.9 mA/cm2
であり、過去に報告された同様のナノ構造を有する ZnO/CuO複合体 と比
較して3倍以上高い値を示した。また、これまで報告例のなかった光電気
化学水素生成速度は 0.63 μmol/cm2/day。無機-生物ハイブリッド 型人工
光合成システムにZnO/CuO NFRsを光電カソードとして用いる際には微生
物への影響が重要なポイントとなる。そこで本研究では大腸菌(Esc-heric-
hia coli
に対する増殖阻害を実験的に評価したところ、電極電位を 0 V vs. R
HE
に制御することで Cu2+の溶出による増殖阻害を防げることがわかった。
これらの研究成果により、ZnO/CuO NFRsを無機-生物ハイブリッド型人工
光合成システの光電カソードとして適用可能であることが初めて明らかと
なり、その実現に一歩近づく結果を得る。

このプロセスは、「暗反応系」にも高価な金属触媒を利用する無機・無機
プロセスである 一般的な「人工 光合成」 と比較して、自己増殖能をもつ
微生物を触媒とするため環境負荷も低安価で選択性及び エネルギー転換効
率が 高いのが特徴。無機-生物ハイブリッド型人工光合成システムの重要
な構成要素として光を吸収する光触媒電極太陽光 エネルギーにより水を酸
素と水素に分解する「光触媒」を電池の負極「アノード」または正極「カ
ソード」として用いたものがある。光触媒電極には安価で豊富に存在し、
化学的安定性に優れている金属酸化物半導体が 有利とされCuOやZnO及び
そのナノ複合体の開発が活発に 行われているが、これまでの ZnO/CuO
ノ複合体(nanoforests、 NFRsの作製方法は、高温・高圧・高/低pH条件を必
要とし環境負荷が高く複雑な手法であった。近年、簡便で環境負荷の低い
ガルバニック水中結晶光合成(G-SPSC法が開発されているが、この手法で
は、高周波マグネトロンスパッタリング法を用いて真空条件下でZnOをCuO
メッシュ表面に蒸着(スパッタリング)する必要があり、作製方法には ま
だ改善の余地があった。また作製されたZnO/CuONFRsの 光電気化学的 水
素生成能や無機生物ハイブリッド型人工光合成システムの光電カソードと
して使用する場合の微生物への増殖阻害影響など は全く評価されていなか
った。
そこで、G-SPSC法のさらなる簡素化・最適化を行い、作製したZnO/CuO NF
Rs
の水素生成能力及び微生物への増殖阻害影響を評価することで、微生物
と組み合わせたハイブリッド型人工光合成システムへの適用可能性を評価
した。その結果、ZnO/CuO NFRsは 0 V vs. RHEで、光電カソードとしての
光電気化学的水素生成及び無機-生物ハイブリッド型人工光合成システム
の 光電カソードとして適用可能であることが明らかになった。
【方法】
蒸留 水中で CuOとZn箔を接触させ紫外線を照射することでZnO/CuO NFRs
を作製した G-SPSC法)。この時、CuO表面に ZnOのシード層を構築するス
パッタリングの有無と紫 外線照射時間を 24時間及び 48時間とした。この
ZnO/CuO NFRsを 0 V vs. RHEに制御し光照射することで 光電気化学的な水
素生成を行 いました。無機 -生物ハイブリッド 型人工光合成 システムに
ZnO/CuO NFRsを応用する際には微生物への影響が重要なポイントとなる。
ZnO/CuO NFRsが Escherichia coliに毒性を示すか、増殖阻害を評価すること
で 無機 -生物ハイブリッド型人工光合成システムへの適用性を確認しまた。
ZnO/CuO NFRsを E. coli培地に浸漬し 光照射の有無や電位制御の 有無の条
件により増殖速度が異なるか確認した 。
------------------------------------------------------------------

図2.本研究で改良型G-SPSC 法により作製したZnO/CuO NFRs の模式図(A)
  電子顕微鏡画像(B)。CuO のメッシュ表面にCuO ナノワイヤが構築され、
  その表面にZnOナノロッドが存在している。
------------------------------------------------------------------
【成果】
G-SPSC法による ZnO/CuO NFRsの作製に成功した (図2に
作製したZnO/Cu
O NFRs
は高い真空度を要求するスパッタリングを行わなくても比表面積や
光電流値 、 水素生成速度に関して十分な吐能を示ヂことが確認され、こ
れまご以上に前便ご畷燈にやさしい方渋ぐZnO/CuO NrRsを作製ぐることに
成功した。この方法で作製したZnO/CuO NrRsの光電流値は、2.9 mA/cm2 び
あり、過去の報告された同様のナノ桔造を有るZnO/CuO複合体と比較しで
3倍以上高い電流値を示した。また、光電気化学水素生成速度は、0.63μ
mol
/cm2/day
であり、これまで測定されていなかったZnO/CuoNrRsの光電気化学
的な水素生成能力を初め明らかにした。
ZnO/CuONrRsは、培地に浅漬ダるとCu2+を溶出し光照射の有無に関わらず
E.coliの増殖を55%前後阻害した。しかし、ZnO/CuONrRsの電位を0Vvs
.RHE
制御した場合、Cu2’の溶出は抑制されE.coliの増殖阻害は起きなか
った。この結果からZnO/CuO NrRsは無機-生物ハイブリッドシステムの光
電カソードとしで利用可能であることが示唆され。これらの結果より、G-
SPSC
の節季化に成功し、作製した ZnO/CuO NrRsの光電気化学的水素生成
能を初めじ明らかにした。また、微生物との親和性を増殖阻害という観点
から評価し無機一生物ハイプリッドシステムの光電カソードとしでの適用
可能性が示唆された。
【展望】
今回の結果から、ZnO/CuO NrRsを環境負荷の低い筒使な方浩円乍習ごきる
ことが示されました。また、光電カソードとして無機一生物ハイプリッド
型人工光合成システムヘの適用の可能性が示唆された。今後は無機一生物ハ
イプリッド型人工光合成システムの二酸化炭素固定を実証するなど。
実用
化へのさらなるステップアップに期待できる。

✔持続可能な有機化合物合成法で高耐久性(強ロバスト性)ならば、未来
は開ける。まずは、実証実験を含め3年(¥3oku)規模の事業計画(案)
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【掲載論文】
論文名:Fabrication of ZnO/CuO nanoforests and their applicability to microbial
photoelectrochemical cells(光触媒電極ZnO/CuO ナノ複合体(NFRs)の作製及
び生物光電気化学的セルへの適用性評価)
雑誌名: Applied Catalysis B: Environmental(Elsevier)
DOI 10.1016/j.apcatb.2023.123097

ゼロ磁場下で超伝導ダイオード効果を磁化制御 
極性構造を有する超格子を利用
8月7日、京都大学らによる研究グループは、薄膜積層方向に極性構造を有する
超格子において、ゼロ磁場下で超伝導ダイオード効果を磁化制御することに成功
した。今回の成果は、超低消費電力の不揮発性メモリや論理回路の実現に貢献
するとみられる。 不揮発性メモリや論理回路へ応用、超低消費電力を実現へ 研
究グループは、薄膜積層方向に極性構造を有する超格子において、ゼロ磁場下
で超伝導ダイオード効果を磁化制御に成功した。今回の成果は、超低消費電力
の不揮発性メモリや論理回路の実現に貢献するとみられる。消費電力が極めて
低い電子回路の実現に向けて、超伝導ダイオードの研究が進んでいる。ところが、
これを動作させるためには外部磁場や複雑な磁気状態の制御が必要で、ダイオー
ド効果の効率も低く、これまでは実用レベルに達していなかった。そこで、超伝導
ダイオード効果が発現する微視的なメカニズムを調査。
今回、空間反転対称性の破れた超伝導体としてニオブ(Nb)、バナジウム(V)、
タンタル(Ta)、プラチナ(Pt)および、 鉄(Fe)からなる超格子をスパッタリング
で作製。薄膜積層方向に極性構造を有する超格子試料を細線形状に加工。
その上で、電流源と電圧計を用い4端子電気抵抗測定を行った。
実験では、超格子面内で電流と直交する方向に外部磁場を印加し、Feに由来す
る磁化の方向を変化させながら、電気抵抗の直流電流依存性を調べた。この結
果、超格子は超伝導と強磁性が共存するだけでなく、超格子の臨界電流密度は
磁化と印加電流の方向によって異なり、クーパー対に作用する交換相互作用と
スピン軌道相互作用を顕在化させることが分かった。
これによって、磁化の角度に依存する巨大な非相反の臨界電流密度(非相反臨
界電流密度)を観測できたという。 京都大学らによる研究グループは、薄膜積層
方向に極性構造を有する超格子において、ゼロ磁場下で超伝導ダイオード効果を
磁化制御することに成功した。今回の成果は、超低消費電力の不揮発性メモリや
論理回路の実現に貢献するとみられる。
今回、巨大な非相反臨界電流密度を利用し、ゼロ磁場における超伝導-常伝導ス
イッチングを実証することに成功した。この時、超伝導ダイオード効果の効率は40
%を超えた。



小型で高精細のガラス投射型ディスプレイ
容量は約1.3リットル、重さは約1kg
マクセルは、小型で精細度が高い「Bright Mirror Display(BM-Display)」を開発。
自動車のフロントガラスや商業施設の透明ガラスに、映像や情報を写し出す用途
に向ける。 マクセルは2023年8月、小型で精細度が高い「Bright Mirror Display(
BM-Display)」を開発したと発表。自動車のフロントガラスや商業施設の透明ガラ
スに、映像や情報を映し出す用途に向ける。 マクセルは、2021年4月より乗用車
向け「AR-HUD(拡張現実型ヘッドアップディスプレイ)」の量産を始めている。
今回発表したBM-Displayも、AR-HUDで培った高効率のバックライト技術をベー
スに、製品の小型軽量化を実現。 製品の容量は約 1.3リットル、重さは約 1kgで
ある。自動車向けBM-Displayの主な仕様は、視野角が11×4度、解像度が1920
×480ピクセルとなっている。また、独自の画像補正技術を用い、製品の共通化を
図ることで、低コスト化と開発期間の短縮を実現した。BM-Displayは小型軽量化
により、これまで搭載が難しかった小型車両や商用車、建設車両、電車などのフ
ロントガラスなどにも、容易に取り付けることが可能だという。自動車に応用した
場合、車両の位置情報や経路案内、インジケーターおよび、警告灯などをフロント
ガラスの下端部に表示できる。このため、従来の位置にあるメーターに比べ、運
転者の視点移動が少ないという特長がある。 トラックなど商用車への後付け対
応も検討している。安全性のさらなる向上を目指すもので、速度情報や連続運転
時間、休息時間といった情報表示が行える。

風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine



「恋を抱きしめよう」("We Can Work It Out")は、ビートルズ初の両A面
シングルで、1966年に全米No1のヒット(片面「デイ・トリッパー」)。
アルバム「ラバー・ソウル」のレコーディング時に録音され、発売が同日
というもの。

Songwriters: LENNON, JOHN WINSTON / MCCARTNEY, PAUL JAMES

Try to see it my way,
Do I have to keep on talking till I can't go on?
While you see it your way,
Run the risk of knowing that our love may soon be gone.
 
---------------------------------------------------                

・https://www.youtube.com/watch?v=IgRrWPdzkao
・https://www.youtube.com/watch?v=Qyclqo_AV2M
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POPの系譜を探る:2023年代】

 

開けてみなければわからない/ I have to open it to know

今夜の寸評:このままくたばる訳にはいかん/ I can't die like this
               今日を精一杯生きよう/ Let's just live today to the fullest
        僕(たち)ならうまくやれるさ/ We Can Work it Out

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俺の剪定日誌 ③

2023年08月08日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。




【俺の剪定日誌 ③】
ハナミズキは北アメリカ原産で。明示の末に東京がアメリカにサクラの苗
木を増った、返礼として日本に入いつた。花に見えるのは苞。ヤマボウシ
は山野に自生しハナミズキによく似ているが、ハナミズキの苞の先端部分
が凹状なのに対レヤマボウシは先端がとがっているのが特徽。

 栽培のポイント
樹勢が強く、特に土質は選ばないが、日当たり排水のよい肥沃地が理想的
で、花が上向きに咲くのて建物からは少し話して植えるか、2階から見お
ろせる揚所が適している。植えつけば11月中旬~12月及び2月下旬~3月
中旬ごろまでが適期。萌芽後や開花後では新梢があまり伸びず、翌年の開
花がほとんどのぞめなくなる。 
施肥は窒素過多にならないよう、リン醵カリ分も施す。2~3月と8月下
句に、油粕に骨粉を等量混ぜたものを根元に、一握り~三握り与える。病
害虫は、特に苗木のうちは地際にテッポウムシの被害がみられる。日常注
意して観察し発生初期に捕殺する。そのほか、アメリカシロヒトリの幼虫
やうどんこ病などが死生する。春から夏まで、定期的に薬剤散布する。
開花の習性
新梢の中の太くて短く、充実している枝の頂部に7月ごろ翌年の花となる
花芽の花となる花ノ孚がつくられますが、長く伸びた枝や徒長枝には花芽は
つかない 8~9月になると、花芽の確認ができるようになる。



剪定のコツ
整枝は葉の落ち12月~2月
ごろがよく、花芽のない長い枝や、込みすぎた
こまかい枝を技く程度にとどめる。

樹木の
定義を考える
私たちが普段目にする樹木とは、そもそもどんな植物なのか?まず、生物
学的に植物の分類をみてみる。
種子植物と胞子植物
植物は花を咲かせて種子で増える「種子植物」と、花を咲かせずに胞子で
増える「胞子植物」の2つに大きく分かれます。胞子植物にはコケ類、ワ
カメやコンブなどの藻類、ワラビやゼンマイなどのシダ植物がある。
裸子植物と被子植物
種子植物は、種子の元になる胚珠がむき出しの「裸子植物」と、胚珠が子
房に包まれた「被子植物」に分かれます。裸子植物には針葉樹がある。針
葉樹は一般に、葉がマツなどのように針状や、ヒノキのように鱗片状の木
のことですが、植物学上は裸子植物の一種ということが第一の条件で、必
ずしも葉の形のみの分類ではありません。例えば、イチョウも針葉樹に分
類されています。
単子葉類と双子葉類
被子植物は子葉(発芽して最初に開く葉)の枚数が1枚の「単子葉類」と
2枚(いわゆる双葉)の「双子葉類」に分かれます。単子葉類にはタケ類
やヤシ類、双子葉類には一般的な「草本類(草)」と広葉樹が属します。
木本類と草本類の違い
 植物分類で、針葉樹と広葉樹が「木本類」、すなわち樹木に該当。それ
では、木本類と草本類の違いはどこにあるのか?
「個体が大き<生長するのが木、小さいままなのが草」とも考えられるが、
サツキなどは丈が高<ならなくても木本類、ヒマワリなどは大きく生長し
ても草本類に分類されます。
このように、木と草の違いを明確に定義しようとするとかなり難し<、か
えって理解しづらくなるので、ここでは簡単に以下のように定義します。
①地上部が幹なのが木、茎なのが草。
②幹が長い年月をかけて肥大生長するのが木、
地上部の茎が年ごとに枯れるのが草。
多少の例外はあるかも知れませんが、以上のように考えれば理解しやすい
でしょう。
 植物の分類

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大西洋子午線逆転循環の今後の崩壊の警告

大西洋子午線逆転循環(AMOC)の崩壊
大西洋子午線転倒循環 (AMOC) は、地球規模の熱塩循環 (THC) の一部
であり、大規模な海流システムとされる。温度と塩分濃度の違いによって
動かされ、ベルトコンベアの役割を果たし、熱帯地方から温かい地表水を
北に運び、より冷たくて重い塩水としてさらに深く沈み、南に戻る。近代
の歴史を通じて、AMOC は地球規模の気候システムの重要な要素。 気温
が安定し、北緯約55度のイギリスを含む西ヨーロッパは比較的穏やかな冬
を過ごせた。西アフリカのモンスーンなどの降雨パターンを調節し、栄養
素と酸素を分配することで海洋生態系を支えました。 およそ 12,900年か
11,700年前に発生したヤンガードリアスとして知られる期間に AMOC
は弱体化を経験している。北アメリカの氷床やグリーンランドの氷床など
が溶けて放出された淡水は、北大西洋の地表水の塩分濃度と密度の低下に
寄与。 その結果として生じた海流の混乱により、AMOCの速度が低下し、
ヨーロッパと北アメリカの寒さがさらに厳しくなり、地域によっては最大
10℃も寒くなった

主に北半球に影響を及ぼしたこの出来事は 1,200年間続き、初期の人類集
団に影響を与え、生息地と食料の入手可能性を変化させた。近代になると
科学者たちはAMOCの同様の弱体化を観察し始めたが、今回は人為的な気
候変動、特にグリーンランドの氷床の融解の増加が原因である。 AMOC
状況変化の「痕跡」は、亜極圏循環内で海面水温の異常が初めて現れ始め
た1850年代にまで遡ることができるが、これらの逸脱が明らかになったの
はずっと後になってからである。20世紀が進むにつれて、研究者らは水温
と海流のデータから、分散の増加(システムの回復力の喪失を示す)や自
己相関(重大な減速)など、より多くの早期警告信号を検出した。

2015 年までに、科学界では「冷たい塊」として知られる大規模な温度異常
がグリーンランドの南で形成され、淡水が陸地から海に流れ込むのが観察
されるようになった。
2020年代初頭までに、AMOCは20世紀半ばと比較して15%減速し、これは少
なくとも1,600年間で最も遅い時点であり、将来のある時点で崩壊に向かう
傾向にあるように見え。 研究者らは、その減少速度が年間約0.5スベルド
ゥラップス(海洋循環の標準単位である毎秒100万立方メートル)である
ことを発見し、以前の気候モデルで予測された速度の10倍に相当。 実際、
気候変動に関する政府間パネル (IPCC) による以前の研究では、AMOC
2100年以前に崩壊するリスクはほとんど、あるいはまったくないことが判
明した。しかし、冷たい塊の出現後のその後の研究では、IPCCはこの可能
性を過小評価していたと結論づけている。
※1 Cold blob - en.Wikipedia

2023年のある注目すべき研究では、このような出来事が 2025年から 2095
年の間のある時点で発生し、最も可能性が高いのは 2057年であると 95%
の信頼度で予測。亜極循環内の温度と海流の異常は、2030年代以降も続き
く。このAMOC のフィンガープリントは、19世紀から20世紀初頭の安定し
た高周波振動とは対照的に、システムの回復力が大幅に失われ、変動がま
すます激しくなったことを示している。2050年代に急激で非直線的な変化
が現れ始め、近い将来の大惨事の前兆となっている。 2057 年の今日、大
西洋の子午線逆転循環の完全な停止が進行中している。※1


図.大西洋子午線転倒循環 (AMOC) 内の海面水温 (SST) の異常、1870 ~
 2060年。 グラフ: Peter Ditlevsen & Susanne Ditlevsen、Nature (2023)。

AMOCの減速と崩壊は、21世紀で最大かつ最も壊滅的な気候の転換点の
1つに該当。それは北西ヨーロッパの気候を根本的に変えるだけでなく、
世界中の多くの相互に関連したシステムを混乱させる。世界の平均気温上
昇は最近 2℃を超えているが、一部の国ではやや矛盾した展開が生じてい
る。以前はAMOCによって供給されていた熱帯地方からの熱の損失により、
英国とスカンジナビアの一部では現在、カナダの同緯度をはるかに彷彿と
させる非常に寒い冬が見られ、気温は摂氏数度低下している。カナダ諸島
北部の北極高地やグリーンランドでも暖かさが見られる。フランス、ドイ
ツ、スイスなどの西ヨーロッパ諸国では、気温の低下はそれほど劇的では
ないが、それでも2~3℃と大幅に低下。この変化は地球温暖化の傾向の多
くを相殺しますが、気候変動の他の多くの側面を考慮するとその恩恵は比
較的小さい。一方、カナダ東部は1 ~ 2℃) 気温が低くなる。地球の北方
の一部の地域では寒冷化が進んでいるが、南半球では現在、熱が上昇して
いる。ラテンアメリカと西アフリカの海岸は、2~3℃の壊滅的なさらなる
温暖化によって壊滅的な被害を受ける。これに伴い、熱帯収束帯 (ITCZ)
が赤道のすぐ北からすぐ南に移動し、その結果南緯 15度付近の地域では
通常の2倍の降水量が発生している。同じ緯度の北では、降水量が減少し
ている。気候システムは相互に関連しているため崩壊しつつある AM0OC
は多くの波及効果をもたらし、世界の他の地域にも広がる。その変動は、
たとえばインドや西アフリカのモンスーンを悪化させ、熱帯太平洋東部で
のエルニーニョ南方振動(ENSO)現象の一因となる大気の状態に影響を
与える可能性がある。南極のように遠く離れた地域にも下流の影響があり、
北から運ばれる海の塩分濃度や熱分布の変化が海氷の広がりや棚氷の安定
性に影響を与える可能性がある。温水はもはや北極圏に運ぶことができな
いため、現在、米国の東海岸に沿って大量に「堆積」しており、海面上昇
の段階的変化の一因となっている。ニューヨークや海岸沿いの他の都市は
現在、大規模な洪水防御の準備を進めている。逆に、南アメリカの南端と
オーストラリアでは、海面がわずかに低下している。

イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド、アイルラ
ンド、および約 200 の小さな有人島で構成されるイギリス諸島は、
崩壊に
よって最も深刻な影響を受けた地域の1つ。以前は比較的安定した天国だ
ったが、現在は極度の寒さによる半永久的な非常事態により、政治的、経
済的、社会的に大きな混乱が生じている。政府による削減のせいで、英国
は住宅の断熱とエネルギー効率の目標を数十年も下回っており、準備が不
十分なままになっている。毎年冬に何千人もの超過死亡を避けるため、コ
ミュニティセンター、教会、図書館、美術館などの公共スペースで、貧し
い人々や弱い立場にある人々を対象とした「ウォームバンク」の利用が拡
大されている。
Climate tipping points and their cascading effects | Climate Tipping Points :
      Insights for Effective Policy Action | OECD iLibrary

食料入手可能性への影響は、代替生産源の多様化と急速な拡大のおかげで、
過去数十年に比べて深刻ではなくなっている。これには、精密発酵、培養
肉、水耕栽培、その他の屋内技術が含まれます。しかし、世界の多くの地
域は依然として伝統的な作物栽培と畜産に依存しており、現在、気候変動
による深刻な負担にさらされています。そのため、輸出国が自国民を養う
のに苦労しているため、海外の食料品の多くは手が届かなくなったり、保
護主義の対象になったりしている。英国とアイルランド(最後に国産食料
自給自足を実現したのは1800年代初頭)は現在、1950年代初頭以来初めて
食料配給の再導入を検討する必要に迫られている。ロンドンでは、テムズ
川が冬に数週間にわたって完全に凍ることがよくあるが、これは 1814年
以来初めてのこと。この現象は、以前は小氷河期として知られる期間に発
生した。AMOC崩壊の影響は気候変動だけにとどまらない。人類の移動パタ
ーンは劇的に変化しています。影響を受けた地域の人々がより過ごしやす
い気候を求めたり、崩壊した経済から逃れたりする中、特にヨーロッパは
前例のない難民の流入に直面。この大衆運動は、2050年代後半の最大の課
題の1つである。


【関連情報】
.コールドブロブ、ウィキペディア:コールドブロブ、ウィキペディア
.2050年までに「崩壊」に向かう南極海、未来年表ブログ
.気候危機: 科学者たちはメキシコ湾流崩壊の警告兆候を発見、ガーデ
 ィアン
.「重要な AMOC 移行のタイミングは依然として非常に不確実であるが、
 リスクが今世紀中に 10% よりはるかに大きいことを示す証拠が増えて
 おり、今後数十年間はむしろ懸念される。IPCC の保守的な推定値は、
 次のような気候モデルに基づいている。安定しすぎて淡水強制力が十分
 に得られないのは、私の考えでは時代遅れです。」「AMOC にとって大
 西洋で何が起こっているのか?」 「AMOC にとって大西洋で何が起こっ
 ているのか?」
.大西洋子午線逆転循環の今後の崩壊に関する警告、Nature
.暗い気候の計算: 科学者たちは大西洋海流の崩壊が今世紀半ばに起こ
 ると予測している、コペンハーゲン大学:
.あらゆる転換点の母: AMOC のシャットダウンと地球システムと私たち
 への混沌とした接続、ポール・ベックウィズ、YouTube:
.2049年地球温暖化上昇温度2℃上昇、Furtur Timeline;;
気候の転換点とその連鎖的影響、OECD iLibrary:気候の転換点とその連鎖
 的影響、OECD iLibrary:
10.IPPR「現在の金利と保守的な想定では、政府は2091年の目標達成できず。
 大幅な計画変更は避けられない。実際には、22世紀までの達成は不可能 」と
 語る、 ガーデアン; 政府は「燃料貧困保護目標を60年以上達成できない」

※以上は8月6日に参照掲載
✔ この分野の検証調査研究情報精緻なほどよいが、「グローカルな検証
政策」の効果的・迅速な推進は不可欠。同時にグローバルな「貧困/格差
指標の共有」も不可欠である。
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この項了



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Future washable smart clothes powered by Wi-Fi

スマート衣料品は1兆ドル規模の産業
「スマート」衣類と電子テキスタイル (または e-テキスタイル) は、21 世紀の初め
に世間の注目を集めるようになり、さまざまなアパレルアイテムが研究開発段階
で、または初期の消費者製品として実証された。
ウェアラブル テクノロジーは、従来の生地では実現できなかった方法でユーザ
ーの日常体験を向上させる可能性をもたらした。当初は主に健康とフィットネス
愛好家を対象としていたスマート クロージングは、医療や患者の監視、ファッシ
ョン、エンターテインメント、ゲーム/仮想現実、職場での用途、軍事用途など、他
の分野にも徐々に拡大していった。一般に、美観とパフォーマンスの向上という
2つの主要なカテゴリに分類でされる。美的例としては光る生地や色が変化する
生地などが挙げられる。これらの生地の中には、振動、音、熱を利用し環境から
エネルギー収集したもの(バッテリー)や、生地に電力を供給する電子機器を埋
め込んだものもある。アスレチック、エクストリームスポーツ、軍事用途での使用
を目的としたパフォーマンスを向上させる繊維には、体温を調節し、風の抵抗を
減らし、筋肉の振動を制御するように設計された繊維も含まれ、さらには、放射
線や宇宙旅行の影響などの極端な環境危険から防御するスマート・ファブリック
開発企業もある。イノベーションには、薬物放出繊維や保湿剤、香料、老化防止
特性を備えた健康および美容業界向けの繊維も含まれる。
※ Future washable smart clothes powered by Wi-Fi、2021.7.10

さらに、企業は、放射線や宇宙旅行の影響などの極端な環境危険から守る
スマートファブリックの開発を開始。イノベーションには、薬物放出繊維
や、保湿剤、香料、老化防止特性を備えた健康および美容業界向けの繊維
も含まれる。第一世代のスマートアパレルは、衣服や靴にセンサを取り付
けるなど、比較的控えめな機能しかない。第2世代では、衣服内にセンサ
が埋め込まれた、より高度な製品が登場した。その後の世代では、衣服自
体がセンサとなる。水をはじく疎水性コーティングを施した、柔軟で伸縮
性があり、防水性のあるエレクトロニクスを開発する企業が増えている。
これらは洗濯サイクルや悪天候に耐えるだけでなく、バッテリーを必要と
せずにワイヤレス電力入力も備えていた。センサー技術、新素材、人工知
能 (AI)、モーショントラッキング、ハプティクスの進歩により、製品は
ますます洗練され、スマート衣料の機能性と消費者の魅力が高まった。



衣料品市場全体に占める割合は依然として小さいものの、20%の年間複合
成長率 (CAGR) により、スマート衣料品はこれまで以上の市場シェアを獲
得することができた。これにより、スマート衣料品は、世界で数十億ドル
規模の産業に拡大できた。2020年代に始まり、2040年代に変曲点に達しま
す。 2050 年代後半までに、スマート衣料品は1 兆ドル規模の産業とな
り、従来の衣料品と比較して急速な成長を続けている。先進国のほぼすべ
ての人が、少なくとも1つのスマートな衣類を持っている。このテクノロ
ジーは現在非常に安価なため、2010年代にスマートフォンが世界中で普及
したのと同じように、発展途上国も追随する。最も一般的で人気のあるア
イテムには、心拍数、呼吸、その他のバイタルサインを継続的に監視して、
病院や医療専門家に問題の最初の兆候を警告し、着用者が必要なケアを受
けられるようにする衣服が含まれる。長期的な状態は、たとえば動きの強
さや形状に関するデータから監視することもできる。他の衣服には太陽光
発電が組み込まれており、ウェアラブル電源として機能する。これは、キ
ャンプ旅行やその他の小旅行に特に役立ちます。気候変動により気温が上
昇している世界では、スマート衣類は冷却機能も提供できます。一方、現
場の科学者はサンプルに触れて数秒で遺伝子配列を取得でき、法医学チー
ムはスマートグローブを使用して犯罪現場を調査し、証拠の収集を強化で
きる。ファッションの世界も変化し、衣服は着用者の好みに応じて外観や
質感を素早く変えることができる。より高度な衣服にはビデオやホログラ
フィック ディスプレイが組み込まれており、印象的なデザインを生み出
す機会が提供されています。 これには、派手なキャットウォークの作品
に加え、着用ボタン、手首のインターフェイス、ホログラフィック時計な
ど、より控えめで派手さの少ないバージョンも含まれる。スマートクロー
ジングは、小売、ケータリング、エンターテイメント、その他の会場でも
使用されており、たとえば、名札を作成したり、ユニフォームの外観を変
更したりすることができます。 テクノロジーの継続的な進歩のおかげで、
一見無限に見えるアプリケーションが可能になりました。スマートクロー
ジングは、数十年前には市場の小規模でニッチなセグメントでしたが、2
050 年代には多くのアパレルや履物の一般的な部分に成長しました。世界
は生体認証やその他のデータでますます飽和するため、2070年代までには
衣類の大部分がスマートになると予想する。

  

 

 
  

【再エネ革命渦論 151: アフターコロナ時代 152】

技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   特異点真っ直中  ㉛ 


図1.マイクロバブル造影超音波画像を用いた近赤外光線免疫療法の治療効
 果予測
1.近赤外光線免疫療法効果を予測する技術
8月7日、名古屋大学の研究グループは,手術・放射線・化学療法・がん免疫療法に
続く第5のがん治療といわれる近赤外光線免疫療法の効果を予測する新たな画
像評価技術開発に成功。
【要点】
1.手術・放射線・化学療法・がん免疫療法に続く“第5 のがん治療”とい
  われる近
赤外光線免疫療法において、簡便に、かつ施術するその場で治療
 効果を予測・
光照射の適切な完遂を確認できるバイオマーカーが求められ
 ている。

2.近赤外光線免疫療法後の腫瘍には、従来知られている約20 - 200 nm程
 度の
サイズの粒子の集積・滞留効果であるEPR 効果(Enhanced Permeation-
  and Ret
ention Effect)を超越したサイズの大きいマイクロサイズまでの粒
 子が滞留
する[マイクロサイズ超EPR 効果]があることを発見し、その機序
 解明と滞留する
粒子サイズの上限を新たに明らかにした。
3.本画像バイオマーカーは、肝臓腫瘍の超音波検査診断薬として認可済の
 マイクロバブ
ル造影剤と従来の超音波機器を組み合わせて評価できるた
  め、臨床応用のハードル
が低く、実装の可能性が高まると期待される。
4.この新たな画像バイオマーカーによって、近赤外光線免疫療法の適切な
 効果向上が期待できる。
【概要】
日本で生まれた近赤外光線免疫療法で治療した腫瘍はEPR 効果が増大してお
り、超EPR効果(super enhanced permeability and retention、SUPR 効果)と名付
けられている。従来、腫瘍におけるEPR 効果はナノサイズの粒子に限られ、
約20 nm - 200nm のサイズの粒子が腫瘍に滞留することが知られているす。
このEPR 効果を応用した抗がん剤は既に治療で使われている。まず、本研
究では、蛍光ナノ粒子である800 nm 量子ドット(サイズ;20 - 30 nm)が
近赤外光線免疫療法で治療した腫瘍にSUPR 効果で集積することを確認した。
治療した腫瘍を透明化する技術を用いて透明化したところ血管領域の拡大
が3D 画像解析で証明された。このことから、より大きなサイズの粒子が
滞留する可能性を仮説とし、2 μm、5 μm サイズの蛍光粒子(近赤外蛍光
乳酸・グリコール酸共重合体;NIR-PLGA(poly lactic-co-glycolic acid))で検討
し、どちらのサイズでも滞留性が上昇することを新規に発見し
【展望】
マイクロバブル造影剤を用いた超音波検査である、造影超音波検査は肝臓
腫瘍の診断薬と診断方法として広く病院で用いられている医療技術であり、
今回開発したマイクロバブル造影剤の滞留性によって近赤外光線免疫療法
の治療効果を確認する方法のハードルは、ソフト、ハードの両面からも低
いと考えており、本評価技術のさらなる最適化を進めるとともに、臨床試
験への移行に向けた基礎検討、非臨床試験を実施することで、近赤外光線
免疫療法のより適切な治療の実施とその効果の上昇が期待できる。
【論文】

雑誌名:Ebiomedicine
論文タイトル:Contrast-enhanced ultrasound imaging for monitoring the
efficacy of near-infrared photoimmunotherapy
DOI: 10.1016/j.ebiom.2023.104737
-----------------------------------------------------------------------------------------------------


画像:ワンポットの光誘起水中光結晶合成法(SPsC)

2.水と光のみを用いたナノ結晶の作製
8月7日、北海道大学の研究グループは,水と光のみを用いた水中結晶光合成と
いう新たに開発した手法により,銅と酸素の空孔を戦略的に添加ドーピングする
ことでタングステン酸を用いた光学的臨界相を誘導できることを明らかにした。
【要点】
1.水と光のみを用いた銅ドープWO3・H2Oナノ結晶の作製に成功
2.作製したナノ材料の優れた光熱変換特性、太陽光水蒸発、赤外域光電気化
 学特性の実証に成功。
3.今後の高効率全太陽光利用デバイス開発と水と光を用いた持続可能な材料
 創製技術の進展に期待
【概要】
水と光のみを用いた水中結晶光合成(SPsC)*1という新たに開発した手法
により、銅と酸素の空孔を戦略的に添加ドーピングすることでタングステ
ン酸(WO3・H2O)を用いた光学的臨界相を誘導できることを明らかにしま
した。
光応答性ナノ粒子を均一に分散させた材料は、太陽電池、光触媒な
ど太陽光を念頭に置いた持続可能なエネルギー利用やフォトニクスの応用
に役立っているが、従来の方法では紫外線と可視光までを利用するだけな
ので、太陽光の約40%以上を占める赤外域の光は未利用で、全太陽光をもれ
なく利用するためには制約があった。

これらの光学的臨界相を有するナノ材料は、光波長0.8-2.5マイクロメート
ルの赤外領域を含む全太陽光波長域での応答を促進するため、これまで前
例のなかった優れた光熱変換特性を示し、太陽光水蒸発や光電気化学の高
効率特性が現れることが明らかにする。
*1 水中結晶光合成 … SPsC(Submerged Photosynthesis of Crystallites)と命
名された(2015年)、光と水を用いて水中でナノ結晶を合成する技術のこ
と。水中におけるナノ粒子合成効果を利用して、今回のように材料内への
元素添加酸化物ナノ粒子の生成も可能。

図2. 各種の光機能特性調査
【展望】
作製した半導体デバイスは、特に近・中赤外光域での優れた光電流、光吸
収などの光特性を示すため、今後の全太陽光利用のための光機能半導体・
エネルギーデバイス材料開発として、ソーラーエネルギーの持続可能な利
用技術としての進展への寄与が期待。

【論文】
雑誌名: Advanced Materials
論文名 :Defect Driven Opto-Critical Phases Tuned for All-Solar Utilization(全太
 陽光利用のために調節した欠陥導入による臨界相について)
DOI 10.1002/adma.202305494
◎ すごいことが日々報告されていてデスクから離れられない異常事態の中にい
 る。

風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

POPの系譜を探る:2023年代】

 

今夜の寸評:今日を精一杯生きよう/ Let's just live today to the fullest

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俺の剪定日誌 ②

2023年08月06日 | 環境リスク本位制

  
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。



この暑さで、ここ数日のランチは素麺+α、但し。島原素麺「涼風の絲」
ところで、パナソニックが「うま冷えプレート NY-PC1」を販売。記事(
上画像参照)をみて、業務用ならいるかもしれないが、家では不用との結
論。




目 次
花を咲かせる、実をならせる、姿を整える 花木、庭木100種の剪定の
コツ(花木類;実もの類;つる性;落葉樹;常緑樹;その他の樹種)育て
じょうずになるコツ 庭木管理の基礎知識
著 者
船越亮二(フナコシリョウジ) 1934、埼玉県に生まれる。1957年、東京農
業大学農学部造園科卒業。埼玉県住宅都市部公園緑地課長、(財)埼玉県
公園緑地協会常務理事を歴任。現在、園芸研究家。専門は、都市緑化植物
------------------------------------------------------------------
【俺の剪定日誌 ②】




一般にヒバ類と呼ばれて庭に植えられているものに は、ヒノキ、サワラ、
チヤボヒバ、クジヤクヒバ、シ ノブヒバ、ヒムロスギ、ヒョクヒバ(イト
ヒバ)、コノ テガシワ、ビヤクシン、ハイビヤクシン、カイズカイ ブキ
、ニオイヒバ、アスナロなどがあり、園芸品種も 非常に多くある。
●栽培のポイント  
日陰や湿潤地に強いものもあるが、一般的には 日当たり、排水のよい肥沃
なところが適している。カイズカイブキは潮風や大気汚染に対し、特に強
い木
。植えつけは3~5月及び9~12月が適期、東京以西の暖かい地方で
は、根のよいむのであれば、7 ~8月の真夏を除けばいって扱える。  
肥料は、2月と8月下旬に、油粕に骨粉を20%まぜたものか、粒状化成肥
料を一探り~三握り根元に施す。病害虫としては、カイズカイブキに赤星
病、ダニが発生。薬剤散布て駆除する。そのほかのもの は気になるほどの
ものはみられない。

●剪定のコツ  
ヒバ類は、通風や採光が悪かったり、茂りすぎなどによる、むれの現象か
ら小枝の枯れが見立ちます。また、こまかい葉は放任しておくと3年くら
いで粘れ落ちる。緑色のこまかい菓が落ちた茶褐色の枝からは、萌芽しに
くいので、剪定は枝があまり長くならない、旱いうちに刈り込むことがコ
ツ。新梢の仲びはじめる4月下句から9月まで、回数に 関係なく、短い
芽先を刈りとるか、少量であれば指で摘みとることが理想的。一般家庭で
は2~3回刈りとる。鋏での刈り込みは、一般にはこまかい枯れが出るが、
2ヵ月くらいで元に戻る。
※先月から、イブキ、サルスベリ。ハナミズキ、サザンカ、ツバキ、ナン
テン、キラキ、アジサイ、レモンなどの剪定樹木・花木を対象に開始。結
構ムズイ。何事も ^^;。
------------------------------------------------------------------

 
続・オールウインドシステム完結論 ①
日本での再エネの太陽電池・バイオマス・ウインドウに関する本格的な取
り組みは欧州・中国・そして、米国から遅れてきたが、ここにきて、秋田・
千葉沖での取り組みが開始されつつある(後で掲載の「洋上風力発電の沖
合展開について」参照)。今回は「オールウインドウシステム館結論」に
関する特許技術などの情報を整理・整頓しながら、課題を洗い直し今後の
「展望」を俯瞰する。



1.特開2023-87664 微生物燃料電池、発電方法及び測定システム 国立大
 学法人佐賀大学
【概要】
微生物燃料電池は、微生物の代謝能力を利用して有機物を電気エネルギー
に変換するデバイス。微生物燃料電池の一形態で、河川、湖沼、海等の土
泥の中にアノードを配置し、土泥中の有機物分解で発生する電子をアノー
ドで回収し、外部回路を介してカソードで酸素を還元することにより発電
を行うものがある。 例えば、特許文献1には、アノードと前記アノードに
電気的に接続されるカソードとを備え、泥砂を含む土泥における発電のた
めの微生物燃料電池であって、前記アノードが有機物を分解して電子を産
生する微生物を含む土泥の内部に、当該アノードの周囲に泥砂によるアノ
ードの研磨を抑制するための仕切りを設けて配置され、前記土泥に含まれ
る微生物によって産生された電子をアノードで回収し、前記カソードが外
部の酸素含有雰囲気に配置され、前記電子によりカソードにおいて酸素を
還元することによって発電することを特徴とする微生物燃料電池が開示さ
れている。

また、土泥に突き立てるだけで容易に設置ができ、かつ自然の生態系から
半永久的に起電力を得ることのできる微生物燃料電池が求められている。
このような微生物燃料電池として、特許文献2には、少なくとも一部に第
1の開口部を有する筒状保持体と、前記筒状保持体の少なくとも外表面に
設けられる負極(アノード)と、前記筒状保持体の内部に設けられる正極
(カソード)とを有し、前記負極と前記正極とは、前記第1の開口部と、
前記筒状保持体の内部に収容されたイオン伝導体を介して接続されており、
少なくとも前記負極表面には嫌気性の電流発生菌が定着している微生物燃
料電池が報告されている。
【特許文献1】 特許第6547998号公報
【特許文献2】 特開2016-54053号公報
【発明の効果】 本発明によれば、アノードとカソードを独立した異なる環
境に設定できることから、それぞれに好適な条件を設定できるため、低導
電率の土泥中(特に淡水系)で使用しても、優れた発電性能を有する微生
物燃料電池、及び測定システムが提供される。

下図2のごとく、微生物燃料電池100は、両端が開口した貫通孔を有す
る筒状保持体10と、筒状保持体10の下端外部に設けられたアノード2
0と、筒状保持体10の上端外部に設けられたカソード30と、筒状保持
体10を充填する第1の固体電解質層41及び第2の固体電解質層42と
から構成される。第1の固体電解質層41は中性電解液を含有するハイド
ロゲルからなり、第2の固体電解質層42は強アルカリ性溶液を含有する
ハイドロゲルからなり、両者がイオン伝導的に接続している。微生物燃料
電池100は、アノード20側を中性、カソード30側を強アルカリ性と
することによって両電極の距離を広げることが可能となり、電気抵抗が大
きかった環境(排水、下水、水田等の淡水系土泥)においても良好に発電
することができる、シンプルなセル構造し、淡水系土泥中においても長期
間の安定した性能を維持できる微生物燃料電池を提供する。


図2.生物燃料電池100の使用例(水田を想定)を示す説明図
【符号の説明】 
10 筒状保持体 10a (筒状保持体の)下面開口部 10b (筒状保
持体の)上面開口部 10c (筒状保持体の)先端部 10d (筒状保持
体の)下端部側面 10e (筒状保持体の)上端部側面 20 アノード
20a カーボンフェルト 20b メッシュ状円柱管 21 リード線(アノ
ード側) 30 カソード 30a カーボン系複合電極 30b メッシュ状
円柱管 31 リード線(カソード側) 41 第1の固体電解質層 42 第
2の固体電解質層 43 中間電解質層(第3の固体電解質層) 44 中間
電解質層(電解質溶液) 50,51,52 イオン伝導性隔膜 60 押上
手段 61 スプリング 62 格納体 63 押上板 70 計測装置 71 セ
ンサ部 72 送信部 73 電力部 80 演算装置 81 演算部 82 出力
制御部 100 微生物燃料電池(第1実施形態)
【産業上の利用可能性】
本発明の微生物燃料電池は、水田等の水分を多く含む土泥のみならず、非
湿潤土壌(例えば畑や森林など)の土泥への適用も可能であるため、農業は
もとより位置センサ(GPS等)等の様々な用途の電源として有望である。


2.特開2023-77287 発電システム 株式会社クボタ
【概要】
下図11のごとく、自然エネルギーを利用して発電可能な浮体式の発電部
250と、移動可能に構成され、前記発電部250と接続される、1つ、
又は複数の流体装置120と、前記流体装置120の動作を制御する発電
制御サーバと、を具備した発電装置を移動させることが可能な発電システ
ムを提供する。

図11.発電ユニットを示した図
【符号の説明】 100 海水移送システム 110 移送制御サーバ 111
配置決定部 112 指令部 120 流体装置 121 本体部 122 移送
機構 123 可変機構 125 第一配水部材 127 第二配水部材 128
アンカー 130 流体装置 140 流体装置 142 太陽光発電装置 14
3 蓄電装置 200 発電システム 210 発電制御サーバ 211 配置決
定部 213 指令部 250 発電部 261 姿勢検出センサ 262 風向
検出センサ
3.特開2023-077286 流体装置及び流体装置制御システム 株式会社クボタ
4.特開2022-172051 街路スピーカ 合同会社環境技術研究所他
【概要】
下図1のごとく、街頭スピーカ1は、上端を自由端とする状態で地面Gに
立設され、所定の肉厚を有する中空のポール状に形成された響体11と、
この響体11の内面に直接または間接に接続され、音波信号に係る振動を
発生するアクチュエータ15と、を備える。響体11の肉厚が、2mm乃
至15mmの範囲内に設定され、アクチュエータ15の振動が響体11に
骨伝導として伝達され、響体11自体が振動することにより無指向の状態
で周囲に音波が伝達され、スピーカ装置が邪魔にならず、防水性、耐候性
及び耐久性に優れ、小音量でも聞き取り易い高音質な音声を発生させるこ
とができると共に、安心・安全性を担保した街頭スピーカを提供する。


図1.この発明の実施形態に係る街頭スピーカを用いた構成を示す正面図
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る街頭スピーカによれば、地面に立設される響体
は、その肉厚を2mm乃至15mmの範囲内に設定されているので、十分
な座屈強度を有して強固に形成され、自立して安定的に地面に立設される
状態で街頭に設置され、安心・安全を担保することができる効果が達成さ
れる。
5.特開2017-118656 エネルギ安定化装置 ナブテスコ株式会社
【概要】
下図1のごとく、電力系統に連系した再生可能エネルギの発電装置が出力
する発電電力の変動を抑制するエネルギ安定化装置1は、発電装置2から
出力される発電電力に応じたエネルギを蓄積可能で、蓄積されたエネルギ
に応じた電力を発電電力と合わせて電力系統に供給可能な第1エネルギ蓄
積装置3と、第1エネルギ蓄積装置のエネルギ蓄積量を監視する第1蓄積
量監視部4と、平準化後発電電力を監視する平準化後発電電力監視部5と、
第1蓄積量監視部が監視する第1エネルギ蓄積装置のエネルギ蓄積量と、
平準化後発電電力監視部が監視する平準化後発電電力と、に基づいて、第
1エネルギ蓄積装置のエネルギ蓄積量を第1基準範囲内に収めて、かつ過
去の実績データに基づいて設定される平準化後発電電力の所定期間内の変
動値を所定値以下に制御する蓄積制御部6と、を備え蓄積装置のエネルギ
-を蓄積量を基準範囲内に収めるとともに、過去の実績データに基づいて
発電電力の平準化を行うる。

図1.第1実施形態によるエネルギ安定化装置の概略構成ブロック図

【符号の説明】 1 エネルギ安定化装置、2 発電装置、3 第1エネルギ
蓄積装置、4 第1蓄積量監視部、5 平準化後発電電力監視部、6 蓄積制
御部、7 第1電力分岐/合流部、11 出力平準化指令部、11a フィル
タ、12 第1出力調整値算出部、13 第1差分生成器、14 第2出力
調整値算出部、15 第2差分生成器、20 平準化後発電電力、21 イ
ンバータ、22 モータ/発電機、23 回転軸、24 フライホイール、
30 時定数設定部

なお、第1エネルギ蓄積装置3は、エネルギ蓄積と放出の双方を行えるも
のであればよく、その種類は特に問わない。よって、リチウムイオン電池
やNAS電池、レドックスフロー電池などの化学電池を用いてもよいし、
大容量キャパシタなどの化学電池以外の種々のエネルギ蓄積装置を用いて
もよい。
【静粛性】
1.特開2020-153512 駆動装置及び弁装置 株式会社デンソー
【概要】
下図3のごとく、減速機構43は、外側環状ギヤ62と、外側環状ギヤ6
2の内側に配置され、外側環状ギヤ62と噛み合った状態で電動モータ
42の駆動による公転に伴って自転する内側転動ギヤ63とを備える。減
速機構43の出力部は、内側転動ギヤ63の公転軸心である基準軸心L1
周りに回転可能に支持され、内側転動ギヤ63と磁力により非接触状態で
連結される出力側回転体65を備える、減速機構の出力の取出しに係る部
品の加工精度や組付精度の影響を受け難い構成であり、減速機構から出力
される回転力の安定化や静粛性の向上を図ることのできる構造を有した駆
動装置及び弁装置を提供。


図3.弁装置の駆動装置における電動モータ及び減速機構の詳細を示す断
  面図
【符号の説明】 10…冷凍サイクル装置(流体循環サイクル装置)、13
…冷媒循環回路(流体循環開路)、18…膨張弁(弁)、30…膨張弁装
置(弁装置)、31…基台ブロック(第2収容体)、31f…回転体収容
凹部(第2収容空間)、32…駆動装置、34…閉塞板(仕切部材、介在
部材、周囲部材)、42…電動モータ、43…減速機構、44…磁気継手
(出力部)、50…モータケース(第1収容体)、58…支持部材(第1
収容体)、59… 固定ブロック(第1収容体、周囲部材)、61…偏心軸
部(周囲部材)、62…外側環状ギヤ(外側環状体)、62a…内歯(内
周部)、63…内側転動ギヤ(内側転動体)、63a…外歯(外周部)、
65…出力側回転体(周囲部材)、66…連結用磁石(第1磁石)、68
…連結用磁石(第2磁石)、69…内側空間(第1収容空間)、72…球
体(軸方向受け構造)、75…反発用磁石(磁石)、76…反発用磁石(
磁石)、77…吸引用磁石(磁石)、L1…基準軸心(公転軸心)、L2…
偏心軸心(自転軸心)。


図16.別例の磁気継手部分の構成を説明するための断面図

図16の態様は、先ず偏心軸部61に対し滑り軸受71を介して内側転動
ギヤ63が支持されつつ、偏心軸部61と内側転動ギヤ63との連結部分
に空間78が設けられている。そして、空間78内にある空気等の流体を
吸引して減圧することによって内側転動ギヤ63が軸方向上方に持ち上げ
られて内側転動ギヤ63の閉塞板34側への軸方向の移動が規制される。
内側転動ギヤ63の下面に当接凸部63wを設けて閉塞板34との接触面
積を小さくすることと合わせると、本態様でも内側転動ギヤ63の閉塞板
34との摺接ロスは極めて低いものとなっている。なお、内側転動ギヤ63
を軸方向上方に押し上げるように空気等の流体を用いて加圧し、内側転動
ギヤ63の閉塞板34側への軸方向の移動を規制するようにしてもよい。
この場合、流体の加圧が作用することで内側転動ギヤ63の移動規制が図
れる空間を内側転動ギヤ63に隣接して設ける必要がある。 

・膨張弁装置30に適用したが、統合弁装置24に適用してもよい。
・車両の空気調和機に用いられる冷凍サイクル装置10に適用したが、車
両以外の空気調和機に用いられる冷凍サイクル装置の弁装置及びその駆動
装置、冷媒以外の流体を流体循環回路において循環させる流体循環サイク
ル装置の弁装置及びその駆動装置に適用してもよい。また、弁装置以外に用
いられる駆動装置に適用してもよい。本実施形態の駆動装置32は、電動
モータ42、減速機構43及び磁気継手44を備え、非接触で互いに磁気
連結する内側転動ギヤ63と出力側回転体65との間を閉塞板34にて液
密又は気密に仕切ることが可能な構造を有するため、例えば次に記載する
各装置に適用する意義は大きい。

具体的に例えば、水のみならず、液体燃料や気体燃料等の流体を循環させ
る流体循環サイクル装置の弁装置及びその駆動装置に適用してもよい。こ
のように燃料を扱う特殊な状況下の駆動装置として用いることが期待でき
る。また、宇宙空間や風力発電等に用いられる駆動装置に適用してもよい。
このようにメンテナンスが困難な状況下の駆動装置として用いることが期
待できる。また、食品関係等に用いられる駆動装置に適用してもよい。こ
のように潤滑剤を嫌う状況下の駆動装置として用いることが期待できる。
また、介護用のロボットアームや電動工具等に用いられる駆動装置に適用
してもよい。このように過大負荷が掛かった場合に駆動側又は負荷側それ
ぞれの装置での破損防止が必要な状況下の駆動装置として用いることが期
待できる。
【落雷対策】
1.特開2023-083022 落雷検知システム、落雷検知装置、およびプログラ
 ム 東京瓦斯株式会社
2.特開2023-026673 雷検知システム ケイプラス株式会社他
3.特開2022-190208 避雷接地装置及び避雷接地方法 日揮株式会社
4.特開2022-171230 風力発電用風車 株式会社落雷抑制システムズ

以上、風力発電システムとその構成器機類事例を摘出。抜本的な静粛性を
高性能・小型化風力発電装置には及ぶものではないので、継続考察する。



脱炭素化のスピードアップ 
洋上風力発電についでは、20181年12月に成立した再エネ海域利用法に基づ
検討が本格化し、21年10月に閣議決:j定された第6次エネルギー基本計画に
おける 2030年までに10GWの案件形成をいう目標に対し、これまでに秋田県
、新潟県、千葉.県、長崎県ュにおいて約3.5GWの案件をまとめた。一方、
他域海域でも検討が行われる過程で各業者がバラバラに現地に入ることに
よる浜の混乱、都道府県庁部局間意思疎通不足、地元自治体の域外漁業者の
操業実態認識不足・意向確認不足などの問題点が浮上。

EEZ海域の行行強調は今後の課題
また、最近では、政府において、対象海域をEEZにまで広げるための法整
備検討されている。脱炭素が急務のこの時代に、国連海洋法条約に基づい
て対象水域を EEZに拡大することは、沖合漁業者にとっては、風車の魚礁
効果や施設の保守点検のための雇用といった適用した協調策は、単なる迷
惑施設となりかねない。今後、いかに漁業協調を図るかは大きな課題。

発電企業者任せは無責任?!
沖合漁業者にとって、一つ一つの案件の面積は自らの漁場全体に占めるシ
ェアとしては必ずしも大きくはないとしても、今後どれだけの案件と調整
が必要になるのかということが示されないままに、該当案件の個別判断し
て欲しいLと押しつけられても無理な相談となる。
2030年10GWの次には、40年330~45GWの政府目標があり、さらに
その先にはもっと拡大する意見もある中なおさらではないか。このような
状況で、これまでの延長上で企業任せにいわばボトムアップに案件形成し
ようとすれば、漁業側にも、企業側にもお互いのためにならない。さらに
EEZまで行かなくとも、今後沖合域に本格的に候補水域を広げて行こうと
するなら、「漁業支障が見込まれる」漁業操業が密に行われている水域に
企業が案件形成努力を向けるような非効率なことは避けるように、政府レ
ベルで両者の棲み分けについて調整が必要となる。


現状では、企業側は、どこに良い風が吹くかという風況のマップを見て案
件形成を考えているが、漁船装備されたAIS(自動船舶識別装置)のデータ
をもとに、漁業活動が盛んな水域と比較的そうでもない水域が分かる図を作
成されている(参考掲載)。
国際非営利団体 Global Fishing Watch のデータをもとに、日本の漁船のう
ちのモづニター対象船6,444隻について集計したもの。この数字は、2021
年漁船統計の総トン数ごとの漁船数に対し、15トン以上20トン未満の漁船
では約3割、20トン以上100トン未満では7割以上、100トン以上では97
%に当たる漁船のデータであり、沖合域での日本漁船の利用状ダ況を相当
程度反映したもの。図1の航海時間には、漁揃活動中だけでなく漁獲努力
時間については、港の往復航、探索活動なども含む。図2の漁獲努力時間
についでは、機械学習漁獲行動解析による推定になる。
洋上風力発電の漁業への影響については、このような操業への物理的、空
間的な直接的影響のほかにも、回遊する水産生物への影響などもある上、
今後の海洋環境の変化による漁場の変動ということもあリ得るから、漁船
が航海しない空白水域なら支障はないと断言できるものでもはないが、漁
業者側、発電企業者側双方のフラストレーションを減らす建設的効果的な
棲み分けのー助になればと考えられている。
via 環境ビジネス 2023年夏季号 洋上風力発電の沖合展開について

  

 
  

技術的特異点でエンドレス・サーフィング
  特異点真っ直中 ㊷





光で地中の有機物など推定する手法を開発
1地点あたりわずか数分の計測で土壌の特性やCO2の放出速度を
同時推定する手法は世界初

野外における炭素循環研究の効率向上に期待          
8月4日、北海道大学らの研究
グループは、野外の森林土壌中の有機物組
成とそれが微生物に分解されることによって生じるCO2の放出速度を非破壊
的かつ迅速に推定する新しい観測法を開発。これは、「オールバイオマス
システム事業開発」を志す者にはたまらないニューズ。
【要点】
1.土壌からの反射光を解析することで土壌有機物やCO2放出速度を推定す
 る手法を提案。
2.小型分光器で森林土壌の短波長赤外領域の分光反射率を深度別に計測。
3.非破壊的かつ迅速な炭素動態モニタリングの発展に期待。
【概要】
一般に,野外の土壌有機物組成の調査では,土壌の採取と室内分析が必要
で,CO2放出速度の調査ではガス分析計が使用されてきた。しかし,この方
法には現場の土壌環境を攪乱してしまう,調査地点数を増やしにくい,時
間がかかるといった課題があった。 研究グループは,推定手法を確立する
ために,落葉広葉樹林と人工林において,土壌中の有機物組成が異なる13
樹種の林床の土壌を選び,その土壌の特性とCO2放出速度を室内で測定。そ
の際,新たな手法として短波長赤外領域(波長:1000-2500nm)の反射の強
さを波長ごとに分けて計測する分光反射率計測を用いた。従来は,乾燥試料
のみを対象に行なわれる分光反射率計測だが,今回は水分条件を変化させ
ながら計測することで,野外条件での適用させている。
【展望】
大きな攪乱をせずに多地点で迅速に調査ができるため、野外における森林
土壌の炭素動態理解に調査研究や、有機物の変動、CO2放出量の監視手法と
して有効。また、農地や施設園芸といった一定環境内での土壌養分の監視・
管理などにも応用できると期待される。
【関連論文】
論文名 Belowground spectroscopy — Novel spectral approach for estimation of
vertical and species-specific distributions of forest soil characteristics and heterotr-
ophic respiration

雑誌名 Agricultural and Forest Meteorology(農学・森林気象学の専門誌)
DOI10.1016/j.agrformet.2023.109563
公表日 2023年6月21日(水)(オンライン公開)



白金触媒のみでマルチカラー円偏光OLED
3D表示用有機ELディスプレイの低コスト製造などへの応用に期待
8月3日、近畿大学らの研究グループは、一種類の白金錯体※1のみを発
光材料として用いた、マルチカラー有機円偏光発光ダイオードを開発ダイ
オードに外部から磁力を加えることで、3D立体映像を映し出す際に使われ
る、らせん状に回転しながら振動する光「円偏光」を、白金錯体の濃度を
変えるだけでマルチカラーに発生させることに成功。
【概要】
さらに、加える磁力の方向を変えることで、全ての色の円偏光の回転方向
を制御できることも明らかにした。本研究成果を用いることで、有機円偏
光発光ダイオードの製造コストを低く抑えられる可能性があり、将来的に
新しいタイプのフルカラー3D表示用有機ELディスプレイなどの製造や、高
度な次世代セキュリティ認証技術の実用化に繋がることが期待されている。
【展望】
有機円偏光発光ダイオードの製造コストを低く抑えられる可能性があり、
将来的に、新しいタイプのフルカラー3D表示用有機ELディスプレイなどの
製造や、高度な次世代セキュリティ認証技術の実用化に繋がる。
【関連論文】
【掲載誌】Organic Electronics
【論文名】Tuning of External Magnetic Field-Driven Circularly Polarized Elec-
troluminescence in OLED Devices with a Single Achiral Pt(II) Complex
(単一ア
キラル白金(II)錯体を用いた有機EL素子における外部磁場駆動型円偏光エ
レクトロルミネッセンスの制御)
【論文掲載】https://doi.org/10.1016/j.orgel.2023.106893 S
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SiCの絶縁膜界面の欠陥を大幅に低減
8月3日、大阪大学の研究グループは,炭化珪素(SiC)パワーデバイスの心臓
部となる絶縁膜界面の欠陥を大幅に低減する事に成功。
【要点】
1.炭化珪素(SiC)パワーデバイスの心臓部となる絶縁膜界面の高品質化に成

2.絶縁膜界面の欠陥は約30年来の技術課題であったが、SiC表面の安定化と
絶縁膜の形成過程を原子レベルで制御する事で、界面電気特性を飛躍的に改善
3.カーボンニュートラル実現に向けた高効率SiCパワーデバイスの普及に大きく
貢献
【概要】
従来法では、有毒な一酸化窒素ガス中の高温熱処理で絶縁膜界面に窒素を導
入して欠陥を不活性化していたが、その効果は不十分であり、約30年にわたる
技術課題となっていた。 今回、研究グループは、高密度窒素プラズマを用いて
SiC表面に緻密で安定な窒化層を形成した後に良質な絶縁膜を堆積する事で、
超高品質な絶縁膜/SiC構造を実現する事に成功した(図1参照)。 従来法が絶縁
膜界面に後から窒素を導入するのに対し、提案法は高品質な窒化層と絶縁膜を
順に積み上げるものであり、原子レベルでの構造設計が可能となる。その結果、
絶縁膜/SiC界面の欠陥準位密度を約1/4に低減し(図2参照)、過酷な条件下での
デバイス動作においても従来法に対して優位である事を実証。 研究成果により
、SiC MOSFETの省エネ性能や信頼性の向上する。
SiCパワーモジュールは、既に電気自動車や新幹線等への実用化が始まって
おり、材料本来の性能を発揮するには至っていないい。今回の研究成果に基づ
いてMOSFETの性能や信頼性の改善が進めば、SiCパワーデバイスの普及が
更に加速し、電気エネルギーの高効率利用を通じて、カーボンニュートラル実現
に向けた大きな進展となる。
【展望】
電気自動車や鉄道へのMOS型電界効果トランジスタ(SiC MOSFET)の普及が
加速し、カーボンニュートラル実現に向けた大きな進展が期待されている。
【関連論文】
タイトル:“Improvement of interface properties in SiC(0001) MOS structures by
plasma nitridation of SiC surface followed by SiO2 deposition and CO2 annealing”
DOI: https://doi.org/10.35848/1882-0786/ace7ac





 

 

風蕭々と碧いの時

John Lennon Imagine

【POPの系譜を探る:2023年代】

 

サザンオールスターズ - 盆ギリ恋歌 official music video

今夜の寸評:今日も厳しい一日でした。痛々たの眼底痛!とほほのホッ!



コメント
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