極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

エネルギーと環境 90

2024年12月28日 | 光電融合デバイス事業

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

                   2012年、干支、龍、イラスト イラスト素材 [ 1666162 ] - フォトライブラリー photolibrary

【季語と短歌:10月28日】

        年移る覚悟忘れデスクワーク  
                   高山 宇 (赤鬼)   


✳️ 5G/6G関連デバイス・材料世界市場
      2040年5G/6G関連市場,順調な普及で103.6兆円

5G/6G関連デバイス・材料世界市場規模予測

12月27日、矢野経済研究所は,5G/6G関連デバイス・材料の世界市場を調
査し,主要デバイス別や材料別の動向,参入企業(メーカー,商社)や研
究機関の動向,将来展望などを明らかにした。

それによると,2024年の5G/6G関連デバイス・材料世界市場規模(8種計,
メーカー出荷金額ベース)は24兆838億円の見込み。デバイス・材料の内訳
をみると,トランジスタが1兆1,398億円,アンテナが2兆9,388億円,FPC
(Flexible Printed Circuits:フレキシブルプリント基板または配線板)は
1兆2,500億円,SoC(System on Chip)は18兆7,356億円,PI(ポリイミ
ド)は153億円,LCP(液晶ポリマー)は43億円の見込みだという。
なお,2024年時点ではメタサーフェス反射板とGaNウエハー(窒化ガリウ
ムウエハー​)については商用化における市場は立ち上がっていない。

​5G(第5世代移動通信システム)の普及については,5Gの商用サービス開
始時の想定と比較して,現在に至るまで非常に低調であったと言える。主
な要因としては,5Gでしか実現できない通信サービスを消費者はほとんど
必要としておらず,通信キャリア各社は通信エリア拡大やマネタイズに苦
戦し,それによりサービスの普及,多様化も進まなかったことが挙げられ
るという。
2024年2月,AIと通信のシナジーによる可能性を模索するため
「AI-RANアライアンス」が設立された。参加企業および大学は,それぞれ
の技術力を活用し,下記の主要な3つのテーマに関する研究開発に取り組ん
でいる。

・AI for RAN:AIの活用により,既存のRAN(Radio Access Network:
無線アクセスネットワーク)の周波数利用効率および性能を向上させる。

・AI and RAN:AIとRANの処理を統合し,インフラの利用効率を上げる
ことで,AIを活用した新たな収益機会を創出

・AI on RAN:RANを通じて,ネットワークエッジ側にAIを展開。RAN
の運用効率を上げ,モバイルユーザー向けの新規サービスを展開​

AI-RANアライアンスにおける「AI and RAN」の取り組みの一環で,AIと
RANを同一プラットフォーム上で動作可能にする統合ソリューションが開
発されており,既に実証実験も行なわれた。​基地局に搭載される従来のR
AN専用ハードウェアは,1日の中でトラフィックが最も多いピーク時間に
合わせてコンピューティングリソースの容量を設計・構築されている。

かし,1日の中でピーク時間は一瞬のみであり,ピークでない時間にはコン
ピューティングリソースが余る。そこで,AIとRANを同一プラットフォー
ム上で動作可能にする統合ソリューションでは,ピークでない時間に余る
コンピューティングリソースをAI向けワークロードとしてAIサービスの事
業者に譲渡することを可能とした。

コンピューティングリソースの譲渡を売却という形で行なえば,通信キャ
リア各社の収益になり,マネタイズ(収益計画)の改善につながる。そ
れにより,5G/6Gの通信インフラへの設備投資が加速することが期待され
るという。

5Gの普及については,現在に至るまで非常に低調であったと言える。しか
し,2024年11月時点で今後の5G/6Gの普及を後押しする可能性がある要素
も台頭している。例えば,TikTokをはじめとするショート動画市場の台頭
は,再生回数が増加するほどトラフィックが増加し,通信品質に悪影響を
及ぼす可能性がある。今後もショート動画市場の拡大が継続すれば,消費
者は5Gの特徴である大容量,同時多数接続などへの要求をより高まると考
えた。

また,生成AIも普及拡大し,現在AI処理性能が優れたスマートフォン向け
SoCの開発競争が激化しており,その需要はSoCの生産能力が不足するほ
どだという。AI処理性能に優れたノートPC向けSoCについても市場が立ち
上がりつつあり,これらのSoCは5Gにも対応している。
現在は消費者の活
用が一部に留まる画像や動画の生成についても,活用が拡大する可能性が
ある。そうしたことが実現すれば,生成した画像や動画をダウンロードす
る,あるいはクラウドにアップロードするといった面で,消費者の通信品
質への要求も高まるとしている。

なお,6Gについては,ITU(国際電気通信連合)や3GPP(3rd Generation
Partnership Project:各国の標準化組織により構成されたプロジェクト)に
より,標準仕様や商用化のスケジュールが決まりつつある。
生成AIや自動
運転といった5G/6Gのサービス拡大を後押しする可能性のある要素や,6G
の商用サービスが予定通りに開始され,その後順調に拡大するかなどの動
向次第で,将来は大きく変わる。今後,6Gの商用サービスが予定通りに開
始され,生成AIや自動運転などが順調に普及すると,5G/6Gの通信インフ
への設備投資も拡大する。
そうした環境下において,2040年の5G/6G関連
デバイス・材料世界市場規模は103兆6,458億円まで拡大すると予測した。




✳️
フィンランド  海底送電ケーブルの損傷  
                                                ロシアの「影の船団」の犯行?

疑い2024年12月25日、フィンランドとエストニアを結ぶ重要な海底送電ケーブ
ル「Estlink 2」で大規模な障害が発生し、送電能力が65%以上低下する事
態。これにより、設備の送電能力は1016メガワットから358メガワットま
で大幅に低下している。フィンランド当局によると、Estlink 2の破損を引
き起こしたのは、クック諸島の旗を掲げてバルト海を航行していた貨物船
「イーグルS」によって引き起こされた可能性があると。現地報道によれば、
Estlink 2が切断された時、イーグルSは影響のある海域を航行中で、しかも
切断されたタイミングで明らかに減速していたことが判明している。また、
イーグルSがEstlink 2の上を横切るほんの数分前に船の航行速度を4分の1に
減速したことがBluesky上で指摘されている。


✳️ 原発周辺に産業集積へ 40年の脱炭素国家戦略素案
26日、政府は、首相官邸でGX実行会議を開き、石破茂首相が出席。パブ
リックコメント(意見公募)を始め、24年度内の閣議決定を目指す。既存
戦略の「GX推進戦略」の改定版と位置付ける。2040年の脱炭素や産業政
策の方向性を示す国家戦略「GX(グリーントランスフォーメーション)
2040ビジョン」の素案を公表した。データセンターや半導体工場など大量
に電気を使う投資を念頭に、原発や再生可能エネルギーといった発電時に
二酸化炭素(CO2)を出さない脱炭素電源の豊富な地域へ産業の集積を推
進。税優遇や電気料金の軽減を含めて支援策を今後詰める。

Images show the funeral chamber where an urn thought to contain the world's oldest liquid wine was found in southern Spain.

✳️ スペイン発見の発見世界最古のワインと思われる液体に
   予想外の成分が含まれていた
「古代ローマ世界におけるワインの宗教的意義を考えると、ワインは非常
に象徴的で、埋葬の儀式と密接な関係がありました。実際、ワインは通常、
水や蜂蜜のような食物とともに埋葬品の中に置かれ、死者がより良い世界
へ渡るという願いが込められた供物として使われていたと考えられていま
す。従って、今回骨壷の中で発見された赤っぽい液体は、間違いなくワイ
ンか、あるいは長い年月をかけて腐敗したワインの名残りかもしれません」
と指摘。これまでのところ、液体の状態で保存されている最古のワインと
推定されるのはドイツのシュパイヤーで発見された「シュパイヤーワイン
ボトル」で、約1700年前のものと考えられています。今回発見された液体
がワインであると認められると、世界最古のワインの記録が約300年分さ
かのぼると研究者は話す。


✳️ よくわかるわかる
     国立感染症研究所の「インフルエンザ流行レベルマップ」

2024年から2025年にかけた冬はインフルエンザが爆発的に流行しており、
12月16日~22日の週に東京都内のインフルエンザ患者数が5年ぶりに都の
警報基準を超えた
ことや、大阪府でも同週に警報基準に達したことなどが
報じられている。厚生労働省の国家機関である国立感染症研究所は全国約
5000の定点医療機関を受診したインフルエンザ患者数を元に、インフルエ
ンザの流行が注意報や警報レベルに達したかどうかが一目でわかる「イン
フルエンザ流行レベルマップ」を公開。

日本では2024年~25年シーズンにインフルエンザが大流行しており、各都
道府県はこまめな手洗いやマスクの着用、十分な休養などの感染予防対策
を呼びかけています。東京都では12月9日~15日の週と16日~22日の週、
2週続けて前週の2倍以上の患者数が報告されており、年末年始に人々が集
まる機会が増える中、さらなる感染拡大が懸念されている。
国立感染症研究所の感染症疫学センターでは、全国約5000の定点医療機関
を受診した患者数を元にしたインフルエンザの警報・注意報発生システム
を運用しています。警報・注意報は、定点医療機関から報告された患者数
を保健所単位で集計し、1週間あたりの患者数が一定のラインを超えたか
どうかで判断されます。記事作成時点での警報発令ラインは定点医療機関
あたり「30人」で、注意報発令ラインは「10人」となっています。また、
前の週に警報が発令されていた場合、警報の継続基準値である「10人」以
上の新規患者数が報告されると警報が継続する仕組み。





感染症疫学センターはインフルエンザの流行状況が一目でわかるように、
警報・注意報発生システムを元にした「インフルエンザ流行レベルマップ」
を毎週更新。このマップでは、各都道府県ごとに警報レベルを超えている
保健所がある場合は赤系統の3段階で、注意報レベルを超えている保健所が
あればオレンジ系統の3段階で表している。それぞれの色は、都道府県内
の保健所に占める警報・注意報を発令した保健所の割合を示している。警
報レベルを超えた保健所の割合は濃い赤色が「70~100%」、やや薄い赤
色が「30~70%」、薄い赤色が「0~30%」。注意報レベルを超えた保健
所の割合は濃いオレンジ色が「70~100%」、濃い黄色が「30~70%」、
薄い黄色が「0~30%」とのこと。

そして2024年12月27日(金)に更新された2024年第51週(12月16日~22日)
のインフルエンザ流行レベルマップが以下。全患者報告数は「21万1049」、
定点あたりの平均患者数は「42.66」となり、前週の定点あたり報告数であ
る「19.06」から2倍以上に激増した。ほぼすべての都道府県で警戒レベル
となっており、注意報レベルにとどまっているのは秋田県・山形県・富山
県のみ。
東京都で注意報あるいは警報が発令された保健所の推移を示したグラフが
これ。インフルエンザの患者数は第49週(12月2日~8日)から増え始め、第
51週で一気に過半数の保健所が警報レベルになったことがわかる。


年末年始は人の移動が増えるため、インフルエンザの感染がこれまで以上
に広がるおそれがあるほか、患者の急増に対応できるだけの薬が不足して
いる
ことも報じられ、また、医療機関の一部は年末年始に休業するため、
休日診療所がいつも以上に混み合うことも想定される。
医師や自治体は、十分な栄養や休息を取って免疫力を高めると共に、こま
めな手洗いや手指の消毒、人の多い場所でのマスクの着用といった感染予
防対策を徹底するように呼びかけている。

✳️「OpenAIが15兆円の利益出すAIを開発したら汎用人工知
  能(AGI)達成」で
MicrosoftとOpenAIは合意している!?

人間ができるありとあらゆる知的タスクをこなせる「汎用人工知能(AGI)」
はAI開発の最終目標とされていて、OpenAIやGoogle、Metaなどが開発に
取り組んでいます。実際のところ、汎用人工知能の実現にどれぐらい近づ
いているのかは専門家によっても見解が分かれるが、MicrosoftとOpenAI
はAGIを性能ではなく財務的な指標で定義、「OpenAIが少なくとも1000億
ドル(約15兆円)の利益を出すAIを開発できたら汎用人工知能の開発を達成
したものとする」という内容で合意していることがわかった。

GLSF_main.jpg

✳️ ふりかけをかけたら「豚骨系」から「魚介系」に味変
調理直後は豚骨強めの関西風、半分食べたらふりかけをかけて魚介強めの

関東風に味変するという一風変わったカップラーメン「超大盛りスーパー
カップ2.0倍 豚骨醤油ラーメン 関西風から関東風」が、2024年12月16日に
エースコックから登場。コンビニで見かけて気になったので実際に食べて
どのように味変するのか確かめてている。香りが一気に魚介風へとチェンジ
し、スープも「だし」の味がしっかり利いたシャキッとした味わいに変化。
かなり露骨に味が切り替わるので人によっては「前の方が良かった」とな
る。とはいえ関西風も関東風もどちらも甲乙つけがたく、1食で2種類の風
味を楽しめるのはお得感があります。麺の量も多くて満足度が高い品という。
🪄兎も角、実職してみるが、革命的なものではない?!」

Tiny Worms at Chernobyl Appear Mysteriously Unscathed by Radiation
Nematodes collected in the Chernobyl Exclusion Zone. (Sophia Tintori)

✳️ チェルノブイリの線虫は放射線の影響を受けず
DNAダメージに対する感受性が異なる線虫系統の存在は、がん研究にとっ
て重要意味を持つ可能性があります。なぜ特定の個体が他よりもDNAダメ
ージに耐性があるのか、あるいは感受性が高いのかを理解することで、人
間のがんへの感受性の違いを理解する手がかりになるかもしれない。研究
チームは、この研究が単なる生態学的な観察を超えて、医療応用の可能性
を持つことを強調。DNAの修復メカニズムの理解は、がん治療や放射線防
護など、様々な医療分野での応用が期待されている。
【掲載論文】
タイトル:Environmental radiation exposure at Chornobyl has not system-

atically affected the genomes or chemical mutagen tolerance phenotypes
of local worms

Image 1





✳️ 地中マントルで生成された「金」が地表に現れるプロセス

アクセサリーや電子部品としても用いられるは、地球上ではマントル

生成されると考えられている。地下深くで生成された金がどのようにして
地表に金鉱床として現れるのかについて、ミシガン大学の研究チームが調
査。基本的に金はマントル内で不活性で、そこにとどまる傾向があるもの
の、三硫黄イオンと結合して金-三硫黄錯体を形成すると移動性が高まるこ
とが判明。金-三硫黄錯体はマントルからマグマに移って地球の表面に運ば
れ、冷え固まって最終的に金鉱床になることがわかつた。

Concept illustration of a cross-section of a volcanic subduction zone along the Pacific Ring of Fire. The image showcases magma ascending from the Earth's mantle, rich with a glowing, golden hue to represent gold-enriched deposits. Image credit: Nicole Smith, made with Midjourney
これは、ニュージーランドやインドネシア、フィリピン、日本、ロシア、
アラスカなど、太平洋を囲むこれらの国や地域には数多くの活火山が存在
している。これらの活火山はすべて、沈み込み帯の環境上で形成されてお
り、こうした活火山が噴火するプロセスと、金鉱床が形成されるプロセス
はほぼ同じ。
【掲載論文】
・Title:Mantle oxidation by sulfur drives the formation of giant gold
 deposits in subduction zones
・December 19, 2024121 (52) e2404731121
 https://doi.org/10.1073/pnas.2404731121



    今日の楽曲  
『Mrs. GREEN APPLE:ビターバカンス


Mrs. GREEN APPLEの新曲「ビターバカンス」は、12月20日(金)に公開さ
れる映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメンVS悪魔軍団~』の
主題歌として書き下ろされた楽曲。




             『"ダーリン" - Mrs. GREEN APPLE 【18祭】


11月17日、特集番組Mrs. GREEN APPLE 18祭の収録があった。全国から集
まった1000人の18歳世代とMrs. GREEN APPLEの一度限りの夢のパフォー
マンス。18祭はこれまで様々なアーティストが参加し今回で8回目を迎える。




Mrs. GREEN APPLE ビターバカンス 聖☆おにいさん|写真1



姪っ子(Niece)揃って家族写真 2024/12/26

突然が甥っ子から、月曜日に我が家を訪れるとLINEが入る。生後八カ
月の姪っ子との初対面(こんにちわ)。「ラ・コリーナ」に立ち寄り帰宅。
元気を頂いた(有難う)。写真も即日に送られてきて、スマート・フォー
ンの普及力に感心する(流石)。


 今日の言葉:信頼喪失⑦


     春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                   春だというのに自然は沈黙している

コメント (1)
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エネルギーと環境 80

2024年12月17日 | 光電融合デバイス事業

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:12月17日】

         解明す 九億種類 実南天    
                高山 宇 (赤鬼)

【関連特許最新技術】
5. 特開2022-158973 表示装置、表示モジュール、電子機器、及び、
表示装置の作製方法 株式会社半導体エネルギー研究所

【0400】図17(B)に示すトランジスタ209では、絶縁層225
が半導体層231の上面及び側面を覆う例を示す。導電層222a及び導
電層222bは、それぞれ、絶縁層225及び絶縁層215に設けられた
開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222a及び導電
層222bのうち、一方はソース電極として機能し、他方はドレイン電極
として機能する。

【0401】 一方、図17(C)に示すトランジスタ210では、絶縁層
225は、半導体層231のチャネル形成領域231iと重なり、低抵抗
領域231nとは重ならない。例えば、導電層223をマスクとして絶縁
層225を加工することで、図17(C)に示す構造を作製できる。図17
(C)では、絶縁層225及び導電層223を覆って絶縁層215が設け
られ、絶縁層215の開口を介して、導電層222a及び導電層222b
がそれぞれ低抵抗領域231nと接続されている。
【0402】図17(A)において、基板151の、基板152が重なら
ない領域には、接続部204が設けられている。接続部204では、配線
165が導電層166及び接続層242を介してFPC172と電気的に
接続されている。導電層166は、画素電極111a、111b、111c
と同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、光学調整層126a、12
6b、126cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、の積層構造
である例を示す。接続部204の上面では、導電層166が露出している。
これにより、接続部204とFPC172とを接続層242を介して電気
的に接続することができる。
【0403】基板152の基板151側の面には、遮光層117を設ける
ことが好ましい。遮光層117は、隣り合う発光デバイスの間、接続部1
40、及び、回路164などに設けることができる。また、基板152の
基板151側の面に、色変換層129a、129bを設けてもよい。図
17(A)では、基板152を基準としてみたときに、色変換層129a、
129bが遮光層117の一部を覆うように設けられている。
【0404】また、基板152の外側には各種光学部材を配置することが
できる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光拡散層(拡散フィルム
など)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げられる。また、基板15
2の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、汚れを付着しにくくす
る撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハードコート膜、衝撃吸収
層等を配置してもよい。
【0405】発光デバイスを覆う保護層131及び保護層132を設ける
ことで、発光デバイスに水などの不純物が入り込むことを抑制し、発光デ
バイスの信頼性を高めることができる。
【0406】基板151及び基板152には、それぞれ、ガラス、石英、
セラミック、サファイア、樹脂、金属、合金、半導体などを用いることが
できる。発光デバイスからの光を取り出す側の基板には、該光を透過する
材料を用いる。基板151及び基板152に可撓性を有する材料を用いる
と、表示装置の可撓性を高めることができる。また、基板151または基
板152として偏光板を用いてもよい。
【0407】基板151及び基板152としては、それぞれ、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の
ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂
、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、ア
ラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用い
ることができる。基板151及び基板152の一方または双方に、可撓性
を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
【0408】なお、表示装置に円偏光板を重ねる場合、表示装置が有する
基板には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が
高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
【0409】光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対
値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm
以下がさらに好ましい。
【0410】光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロー
ス(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレ
フィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(CO
C)フィルム、及びアクリルフィルム等が挙げられる。
【0411】また、基板としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水す
ることで、表示パネルにしわが発生するなどの形状変化が生じる恐れがあ
る。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。
例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%
以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルム
を用いることがさらに好ましい。
【0412】接着層142としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、
反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着
剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、ア
クリル
樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、
PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹
脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。
特に、エポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型
の樹脂を用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0413】接続層242としては、異方性導電フィルム(ACF:An
isotropic  Conductive  Film)、異方性導電ペ
ースト(ACP:Anisotropic  Conductive  Pas
te)などを用いることができる。
【0414】トランジスタのゲート電極、ソース電極及びドレイン電極
のほか、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いること
のできる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、
イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、及びタングス
テンなどの金属、並びに、当該金属を主成分とする合金などが挙げられる。
これらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。
【0415】また、透光性を有する導電材料としては、酸化インジウム、
インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む
酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。ま
たは、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、
モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、及びチタンなどの金属材料、
または、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金
属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属
材料、または、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透
光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を
導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金と
インジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることがで
きるため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極など
の導電層、及び、発光デバイスが有する導電層(画素電極または共通電極
として機能する導電層)にも用いることができる。
【0416】各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリ
コン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機
絶縁材料が挙げられる。

図18
【0417】[表示装置100B]
  図18に示す表示装置100Bは、ボトムエミッション型である点で、
表示装置100Aと主に相違する。なお、表示装置100Aと同様の部
分については説明を省略する。
【0418】 発光デバイスが発する光は、基板151側に射出される。
基板151には、可視光に対する透過性が高い材料を用いることが好まし
い。一方、基板152に用いる材料の透光性は問わない。
【0419】また、表示装置100Bは、画素電極111a、111b、
111c及び光学調整層126a、126b、126cが可視光を透過す
る材料を含み、共通電極115が可視光を反射する材料を含む。ここで、
画素電極111a、111b、111c及び光学調整層126a、126b、
126cと同一の導電膜を加工して得られる、導電層166も可視光を透
過する材料を含む。
【0420】 基板151とトランジスタ201との間、基板151とト
ランジスタ205との間には、それぞれ、遮光層117を形成すること
が好ましい。図18では、基板151上に遮光層117が設けられ、遮
光層117上に絶縁層153が設けられ、絶縁層153上にトランジス
タ201、205などが設けられている例を示す。
【0421】さらに、表示装置100Bでは、色変換層129a、129
bが、絶縁層215と絶縁層214の間に設けられている。色変換層12
9a、129bは、端部が遮光層117と重畳することが好ましい。
【0422】  本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせること
ができる。

【0423】(実施の形態4)
  本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図19乃至図2
4を用いて説明する。
【0424】  本実施の形態の表示装置は、高精細な表示装置とすること
ができる。したがって、本実施の形態の表示装置は、例えば、腕時計型
、ブレスレット型などの情報端末機(ウェアラブル機器)、並びに、ヘ
ッドマウントディスプレイなどのVR(Virtual  Reality)
向け機器、メガネ型のAR(Augmented  Reality)向け
機器など、頭部に装着可能なウェアラブル機器の表示部に用いることがで
きる。【0425】

図19
[表示モジュール]
  図19(A)に、表示モジュール280の斜視図を示す。表示モジュー
ル280は、表示装置100Cと、FPC290と、を有する。なお、表
示モジュール280が有する表示装置は表示装置100Cに限られず、後
述する表示装置100D乃至表示装置100Gのいずれかであってもよい。
【0426】表示モジュール280は、基板291及び基板292を有す
る。表示モジュール280は、表示部281を有する。表示部281は、
表示モジュール280における画像を表示する領域であり、後述する画
素部284に設けられる各画素からの光を視認できる領域である。
【0427】  図19(B)に、基板291側の構成を模式的に示した斜
視図を示している。基板291上には、回路部282と、回路部282上
の画素回路部283と、画素回路部283上の画素部284と、が積層さ
れている。また、基板291上の画素部284と重ならない部分に、FP
C290と接続するための端子部285が設けられている。端子部285
と回路部282とは、複数の配線により構成される配線部286により電
気的に接続されている。
【0428】画素部284は、周期的に配列した複数の画素284aを有
する。図19(B)の右側に、1つの画素284aの拡大図を示している。
画素284aは、副画素110a、副画素110b、及び副画素110c
を有する。副画素110a、副画素110b、及び副画素110c並びに
その周囲の構成に関しては、先の実施の形態を参酌することができる。複
数の副画素は、図19(B)に示すようにストライプ配列で配置すること
ができる。また、デルタ配列、または、ペンタイル配列など様々な発光デ
バイスの配列方法を適用することができる。
【0429】
  画素回路部283は、周期的に配列した複数の画素回路283aを有する。
【0430】
  1つの画素回路283aは、1つの画素284aが有する3つの発光デ
バイスの発光を制御する回路である。1つの画素回路283aは、1つの
発光デバイスの発光を制御する回路が3つ設けられる構成としてもよい。
例えば、画素回路283aは、1つの発光デバイスにつき、1つの選択ト
ランジスタと、1つの電流制御用トランジスタ(駆動トランジスタ)と、
容量素子と、を少なくとも有する構成とすることができる。このとき、選
択トランジスタのゲート電極にはゲート信号が、ソース電極またはドレ
イン電極の一方にはソース信号が、それぞれ入力される。これにより、ア
クティブマトリクス型の表示装置が実現されている。
【0431】回路部282は、画素回路部283の各画素回路283a
を駆動する回路を有する。例えば、ゲート線駆動回路、及び、ソース線
駆動回路の一方または双方を有することが好ましい。このほか、演算回路、
メモリ回路、及び電源回路等の少なくとも一つを有していてもよい。
【0432】FPC290は、外部から回路部282にビデオ信号また
は電源電位等を供給するための配線として機能する。また、FPC290
上にICが実装されていてもよい。
【0433】表示モジュール280は、画素部284の下側に画素回路部
283及び回路部282の一方または双方が積層された構成とすることが
できるため、表示部281の開口率(有効表示面積比)を極めて高くする
ことができる。例えば表示部281の開口率は、40%以上100%未満、
好ましくは50%以上95%以下、より好ましくは60%以上95%以下
とすることができる。また、画素284aを極めて高密度に配置すること
が可能で、表示部281の精細度を極めて高くすることができる。例えば、
表示部281には、2000ppi以上、好ましくは3000ppi以上、
より好ましくは5000ppi以上、さらに好ましくは6000ppi以
上であって、20000ppi以下、または30000ppi以下の精細
度で、画素284aが配置されることが好ましい。
【0434】このような表示モジュール280は、極めて高精細であるこ
とから、ヘッドマウントディスプレイなどのVR向け機器、またはメガネ
型のAR向け機器に好適に用いることができる。例えば、レンズを通して
表示モジュール280の表示部を視認する構成の場合であっても、表示モ
ジュール280は極めて高精細な表示部281を有するためにレンズで
表示部を拡大しても画素が視認されず、没入感の高い表示を行うことがで
きる。また、表示モジュール280はこれに限られず、比較的小型の表
示部を有する電子機器に好適に用いることができる。例えば腕時計などの
装着型の電子機器の表示部に好適に用いることができる。


図20.
【0435】[表示装置100C]
  図20に示す表示装置100Cは、基板301、副画素110a、11
0b、110c、容量240、及び、トランジスタ310を有する。副
画素110aは発光デバイス130aおよび色変換層129aを有し、副
画素110bは発光デバイス130bおよび色変換層129bを有し、副
画素110cは発光デバイス130cを有し、色変換層は設けない構成と
する。ただし、副画素110cにおいて発光デバイス130cと重なる色
換層を設けてもよい。
【0436】  基板301は、図19(A)及び図19(B)における基
板291に相当する。基板301から絶縁層255bまでの積層構造が、
実施の形態1における層111に相当する。
【0437】  トランジスタ310は、基板301にチャネル形成領域を
有するトランジスタである。基板301としては、例えば単結晶シリコン
基板などの半導体基板を用いることができる。トランジスタ310は、基
板301の一部、導電層311、低抵抗領域312、絶縁層313、及び、
絶縁層314を有する。導電層311は、ゲート電極として機能する。絶
縁層313は、基板301と導電層311の間に位置し、ゲート絶縁層
として機能する。低抵抗領域312は、基板301に不純物がドープされ
た領域であり、ソースまたはドレインの一方として機能する。絶縁層31
4は、導電層311の側面を覆って設けられ、絶縁層として機能する。
【0438】また、基板301に埋め込まれるように、隣接する2つのト
ランジスタ310の間に素子分離層315が設けられている。
【0439】  また、トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けら
れ、絶縁層261上に容量240が設けられている。
【0440】  容量240は、導電層241と、導電層245と、これら
の間に位置する絶縁層243を有する。導電層241は容量240の一方
の電極として機能し、導電層245は容量240の他方の電極として機能
し、絶縁層243は容量240の誘電体として機能する。
【0441】  導電層241は絶縁層261上に設けられ、絶縁層254
に埋め込まれている。導電層241は、絶縁層261に埋め込まれたプラ
グ271によってトランジスタ310のソースまたはドレインの一方と電
気的に接続されている。絶縁層243は導電層241を覆って設けられる。
導電層245は、絶縁層243を介して導電層241と重なる領域に設け
られている。
【0442】 容量240を覆って、絶縁層255aが設けられ、絶縁層
255a上に絶縁層255bが設けられ、絶縁層255b上に発光デバ
イス130a、130b、130c等が設けられている。本実施の形態
では、発光デバイス130a、130b、130cが、図1(B)に示
す積層構造を有する例を示す。画素電極111a、111b、111c
の側面は、それぞれ、絶縁層121によって覆われている。また、第1
の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cの側面は、
それぞれ、絶縁層125、127によって覆われている。第1の層113a、
第2の層113b、第3の層113c、及び、絶縁層125、127上に、
第5の層114が設けられ、第5の層114上に共通電極115が設けら
れている。また、発光デバイス130a、130b、130c上には保護
層131が設けられている。保護層131上には保護層132が設けられ
ており、保護層132上には、色変換層129a、129bが設けられて
いる。色変換層129a、129b上には、樹脂層122によって基板
120が貼り合わされている。発光デバイスから基板120までの構成要
素についての詳細は、実施の形態1を参照することができる。基板120
は、図19(A)における基板292に相当する。
【0443】絶縁層255a、255bとしては、それぞれ、酸化絶縁膜、
窒化絶縁膜、酸化窒化絶縁膜、及び窒化酸化絶縁膜などの各種無機絶縁膜
を好適に用いることができる。絶縁層255aとしては、酸化シリコン膜、
酸化窒化シリコン膜、酸化アルミニウム膜などの酸化絶縁膜または酸化窒
化絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁層255bとしては、窒化シリコ
ン膜、窒化酸化シリコン膜などの窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を用い
ることが好ましい。より具体的には、絶縁層255aとして酸化シリコン
膜を用い、絶縁層255bとして窒化シリコン膜を用いることが好ましい。
絶縁層255bは、エッチング保護膜としての機能を有することが好まし
い。
または、絶縁層255aとして、窒化絶縁膜または窒化酸化絶縁膜を用い、
絶縁層255bとして、酸化絶縁膜または酸化窒化絶縁膜を用いてもよい。
本実施の形態では、絶縁層255bに凹部が設けられていない例を示すが、
絶縁層255bに凹部が設けられていてもよい。
【0444】
  発光デバイスの画素電極は、絶縁層255a、255bに埋め込まれた
プラグ256、絶縁層254に埋め込まれた導電層241、及び、絶縁層
261に埋め込まれたプラグ271によってトランジスタ310のソース
またはドレインの一方と電気的に接続されている。絶縁層255bの上面
の高さと、プラグ256の上面の高さは、一致または概略一致している。
プラグには各種導電材料を用いることができる。

図21.
【0445】  図21に示す表示装置100Dは、トランジスタの構成が
異なる点で、表示装置100Cと主に相違する。なお、表示装置100C
と同様の部分については説明を省略することがある。
【0446】トランジスタ320は、チャネルが形成される半導体層に、
金属酸化物(酸化物半導体ともいう)が適用されたトランジスタ(OSト
ランジスタ)である。
【0447】トランジスタ320は、半導体層321、絶縁層323、導
電層324、一対の導電層325、絶縁層326、及び、導電層327を
有する。
【0448】  基板331は、図19(A)及び図19(B)における基板
291に相当する。基板331から絶縁層255bまでの積層構造が、実
施の形態1における層101に相当する。基板331としては、絶縁性基
板または半導体基板を用いることができる。
【0449】 基板331上に、絶縁層332が設けられている。絶縁層3
32は、基板331から水または水素などの不純物がトランジスタ320
に拡散すること、及び半導体層321から絶縁層332側に酸素が脱離す
ることを防ぐバリア層として機能する。絶縁層332としては、例えば酸
化アルミニウム膜、酸化ハフニウム膜、窒化シリコン膜などの、酸化シリ
コン膜よりも水素または酸素が拡散しにくい膜を用いることが好ましい。

【0450】  絶縁層332上に導電層327が設けられ、導電層327
を覆って絶縁層326が設けられている。導電層327は、トランジスタ
320の第1のゲート電極として機能し、絶縁層326の一部は、第1の
ゲート絶縁層として機能する。絶縁層326の少なくとも半導体層321
と接する部分には、酸化シリコン膜等の酸化物絶縁膜を用いることが好ま
しい。絶縁層326の上面は、平坦化されていることが好ましい。
【0451】半導体層321は、絶縁層326上に設けられる。半導体層
321は、半導体特性を有する金属酸化物(酸化物半導体ともいう)膜を
有することが好ましい。半導体層321に好適に用いることのできる材料
の詳細については後述する。
【0452】一対の導電層325は、半導体層321上に接して設けられ
、ソース電極及びドレイン電極として機能する。
【0453】また、一対の導電層325の上面及び側面、並びに半導体層
321の側面等を覆って絶縁層328が設けられ、絶縁層328上に絶縁
層264が設けられている。絶縁層328は、半導体層321に絶縁層2
64等から水または水素などの不純物が拡散すること、及び半導体層32
1から酸素が脱離することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層328
としては、上記絶縁層332と同様の絶縁膜を用いることができる。
【0454】絶縁層328及び絶縁層264に、半導体層321に達す開
口が設けられている。当該開口の内部において、絶縁層264、絶縁層
328、及び導電層325の側面、並びに半導体層321の上面に接する
絶縁層323と、導電層324とが埋め込まれている。導電層324は、
第2のゲート電極として機能し、絶縁層323は第2のゲート絶縁層とし
て機能する。
【0455】 導電層324の上面、絶縁層323の上面、及び絶縁層26
4の上面は、それぞれ高さが一致または概略一致するように平坦化処理さ
れ、これらを覆って絶縁層329及び絶縁層265が設けられている。
【0456】 絶縁層264及び絶縁層265は、層間絶縁層として機能す
る。絶縁層329は、トランジスタ320に絶縁層265等から水または水
素などの不純物が拡散することを防ぐバリア層として機能する。絶縁層3
29としては、上記絶縁層328及び絶縁層332と同様の絶縁膜を用い
ることができる。
【0457】一対の導電層325の一方と電気的に接続するプラグ274
は、絶縁層265、絶縁層329、及び絶縁層264に埋め込まれるよう
に設けられている。ここで、プラグ274は、絶縁層265、絶縁層32
9、絶縁層264、及び絶縁層328のそれぞれの開口の側面、及び導電
層325の上面の一部を覆う導電層274aと、導電層274aの上面に
接する導電層274bとを有することが好ましい。このとき、導電層27
4aとして、水素及び酸素が拡散しにくい導電材料を用いることが好まし
い。
【0458】  表示装置100Dにおける、絶縁層254から基板120ま
での構成は、表示装置100Cと同様である。

【0459】[表示装置100E]
  図22に示す表示装置100Eは、基板301にチャネルが形成されるト
ランジスタ310と、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物を含む
トランジスタ320とが積層された構成を有する。なお、表示装置100
C、100Dと同様の部分については説明を省略することがある。
【0460】  トランジスタ310を覆って絶縁層261が設けられ、絶
縁層261上に導電層251が設けられている。また導電層251を覆っ
て絶縁層262が設けられ、絶縁層262上に導電層252が設けられて
いる。導電層251及び導電層252は、それぞれ配線として機能する。
また、導電層252を覆って絶縁層263及び絶縁層332が設けられ、
絶縁層332上にトランジスタ320が設けられている。また、トランジ
スタ320を覆って絶縁層265が設けられ、絶縁層265上に容量24
0が設けられている。容量240とトランジスタ320とは、プラグ27
4により電気的に接続されている。
【0461】トランジスタ320は、画素回路を構成するトランジスタと
して用いることができる。また、トランジスタ310は、画素回路を構成
するトランジスタ、または当該画素回路を駆動するための駆動回路(ゲー
ト線駆動回路、ソース線駆動回路)を構成するトランジスタとして用いる
ことができる。また、トランジスタ310及びトランジスタ320は、演
算回路または記憶回路などの各種回路を構成するトランジスタとして用い
ることができる。
【0462】このような構成とすることで、発光デバイスの直下に画素回
路だけでなく駆動回路等を形成することができるため、表示領域の周辺に
駆動回路を設ける場合に比べて、表示装置を小型化することが可能となる。

【0463】[表示装置100F]図23に示す表示装置100Fは、そ
れぞれ半導体基板にチャネルが形成されるトランジスタ310Aと、トラ
ンジスタ310Bとが積層された構成を有する。
【0464】表示装置100Fは、トランジスタ310B、容量240お
よび各発光デバイスが設けられた基板301Bと、トランジスタ310A
が設けられた基板301Aとが、貼り合された構成を有する。
【0465】  ここで、基板301Bの下面に絶縁層345を設けることが
好ましい。また、基板301A上に設けられた絶縁層261の上に絶縁層
346を設けることが好ましい。絶縁層345、346は、保護層として
機能する絶縁層であり、基板301Bおよび基板301Aに不純物が拡散
するのを抑制することができる。絶縁層345、346としては、保護層
131、132、または図22で示した絶縁層332に用いることができ
る無機絶縁膜を用いることができる。
【0466】  基板301Bには、基板301Bおよび絶縁層345を貫通
するプラグ343が設けられる。ここで、プラグ343の側面を覆って絶
縁層344を設けることが好ましい。絶縁層344は、保護層として機能
する絶縁層であり、基板301Bに不純物が拡散するのを抑制することが
できる。絶縁層344としては、保護層131、132、または図22で
示した絶縁層332に用いることができる無機絶縁膜を用いることができ
る。
【0467】  また、基板301Bの裏面(基板120側とは反対側の
表面)側、絶縁層345の下に、導電層342が設けられる。導電層34
2は、絶縁層335に埋め込まれるように設けられることが好ましい。ま
た、導電層342と絶縁層335の下面は平坦化されていることが好まし
い。ここで、導電層342はプラグ343と電気的に接続されている。
【0468】一方、基板301Aには、絶縁層346上に導電層341が
設けられている。導電層341は、絶縁層336に埋め込まれるように設
けられることが好ましい。また、導電層341と絶縁層336の上面は平
坦化されていることが好ましい。
【0469】導電層341と、導電層342とが接合されることで、基板
301Aと基板301Bとが電気的に接続される。ここで、導電層342
と絶縁層335で形成される面と、導電層341と絶縁層336で形成さ
れる面の平坦性を向上させておくことで、導電層341と導電層342の
貼り合わせを良好にすることができる。
【0470】 導電層341および導電層342としては、同じ導電材料を
用いることが好ましい。例えば、Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、
Wから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒
化物膜(窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用
いることができる。特に、導電層341および導電層342に、銅を用い
ることが好ましい。これにより、Cu-Cu(カッパー・カッパー)直接
接合技術(Cu(銅)のパッド同士を接続することで電気的導通を図る技
術)を適用することができる。

図23.
【0471】[表示装置100G]
  図23では、導電層341と導電層342の接合にCu-Cu直接接合
技術を用いる例について示したが、本発明はこれに限られるものではない。
図24に示すように、表示装置100Gにおいて、導電層341と導電層
342を、バンプ347を介して接合する構成にしてもよい。

図24.
【0472】  図24に示すように、導電層341と導電層342の間に
バンプ347を設けることで、導電層341と導電層342を電気的に接
続することができる。バンプ347は、例えば、金(Au)、ニッケル(
Ni)、インジウム(In)、錫(Sn)などを含む導電材料を用いて形
成することができる。また例えば、バンプ347として半田を用いる場
がある。また、絶縁層345と絶縁層346の間に、接着層348を設け
てもよい。また、バンプ347を設ける場合、図23で示した絶縁層33
5及び絶縁層336を設けない構成にしてもよい。
【0473】
  本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。

【0474】(実施の形態5)  本実施の形態では、本発明の一態様の表
示装置に適用することのできるトランジスタの構成例について説明する。
特に、チャネルが形成される半導体にシリコンを含むトランジスタを用
いる場合について説明する。
【0475】  本発明の一態様は、発光デバイスと、画素回路と、を有す
る表示装置である。表示装置は、例えば、青色の光を呈する発光デバイ
スと、発光デバイスからの光の波長を変換する機能を有する色変換層と
を備え、それぞれ赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)の光を発す
る3種類の副画素を有することで、フルカラーの表示装置を実現できる。
【0476】発光デバイスを駆動する画素回路に含まれるトランジスタの
全てに、チャネルが形成される半導体層にシリコンを有するトランジスタ
を用いることが好ましい。シリコンとしては、単結晶シリコン、多結晶シ
リコン、非晶質シリコンなどが挙げられる。特に、半導体層に低温ポリシ
リコン(LTPS(Low  Temperature  Poly  Sili
con))を有するトランジスタ(以下、LTPSトランジスタともいう
)を用いることが好ましい。LTPSトランジスタは、電界効果移動度が
高く、周波数特性が良好である。
【0477】LTPSトランジスタなどのシリコンを用いたトランジスタ
を適用することで、高周波数で駆動する必要のある回路(例えばソースド
ライバ回路)を表示部と同一基板上に作り込むことができる。これにより、
表示装置に実装される外部回路を簡略化でき、部品コスト及び実装コスト
を削減することができる。
【0478】また、画素回路に含まれるトランジスタの少なくとも一に、
チャネルが形成される半導体に金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう
)を有するトランジスタ(以下、OSトランジスタともいう)を用いるこ
とが好ましい。OSトランジスタは、非晶質シリコンと比較して電界効果
移動度が極めて高い。また、OSトランジスタは、オフ状態におけるソー
ス-ドレイン間のリーク電流(以下、オフ電流ともいう)が著しく小さく
、当該トランジスタと直列に接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘
って保持することが可能である。また、OSトランジスタを適用すること
で、表示装置の消費電力を低減することができる。
【0479】画素回路に含まれるトランジスタの一部に、LTPSトラン
ジスタを用い、他の一部にOSトランジスタを用いることで、消費電力が
低く、駆動能力の高い表示装置を実現することができる。また、LTPS
トランジスタと、OSトランジスタとを、組み合わせる構成をLTPOと
呼称する場合がある。なお、より好適な例としては、配線間の導通、非導
通を制御するためのスイッチとして機能するトランジスタなどにOSトラ
ンジスタを適用し、電流を制御するトランジスタなどにLTPSトランジ
スタを適用することが好ましい。
【0480】例えば、画素回路に設けられるトランジスタの一は、発光デ
バイスに流れる電流を制御するためのトランジスタとして機能し、駆動ト
ランジスタとも呼ぶことができる。駆動トランジスタのソース及びドレイ
ンの一方は、発光デバイスの画素電極と電気的に接続される。当該駆動ト
ランジスタには、LTPSトランジスタを用いることが好ましい。これに
より、画素回路において発光デバイスに流れる電流を大きくできる。
【0481】一方、画素回路に設けられるトランジスタの他の一は、画素
の選択、非選択を制御するためのスイッチとして機能し、選択トランジス
タとも呼ぶことができる。選択トランジスタのゲートはゲート線と電気的
に接続され、ソース及びドレインの一方は、ソース線(信号線)と電気的
に接続される。選択トランジスタには、OSトランジスタを適用すること
が好ましい。これにより、フレーム周波数を著しく小さく(例えば1fp
s以下)しても、画素の階調を維持することができるため、静止画を表示
する際にドライバを停止することで、消費電力を低減することができる。
【0482】  以下では、より具体的な構成例について、図面を参照して
説明する。


図25.
【0483】[表示装置の構成例2]
  図25(A)に、表示装置10のブロック図を示す。表示装置10は、
表示部11、駆動回路部12、駆動回路部13などを有する。
【0484】表示部11は、マトリクス状に配置された複数の画素30を
有する。画素30は、副画素21R、副画素21G、及び副画素21Bを
有する。副画素21R、副画素21G、及び副画素21Bは、それぞれ表
示デバイスとして機能する発光デバイスと、色変換層を有する。
【0485】画素30は、配線GL、配線SLR、配線SLG、及び配線
SLBと電気的に接続されている。配線SLR、配線SLG、及び配線S
LBは、それぞれ駆動回路部12と電気的に接続されている。配線GLは
、駆動回路部13と電気的に接続されている。駆動回路部12は、ソース
線駆動回路(ソースドライバともいう)として機能し、駆動回路部13は
、ゲート線駆動回路(ゲートドライバともいう)として機能する。配線G
Lは、ゲート線として機能し、配線SLR、配線SLG、及び配線SLB
は、それぞれソース線として機能する。
【0486】副画素21Rは、青色の光を呈する発光デバイスと、青色の
光を赤色の波長の光へ変換させる色変換層を有する。副画素21Gは、青
色の光を呈する発光デバイスと、青色の光を緑色の波長の光へ変換させる
色変換層を有する。副画素21Bは、青色の光を呈する発光デバイスと青
色の光をより鮮やかな青色へと変換する色変換層とを有する。これにより、
表示装置10はフルカラーの表示を行うことができる。なお、副画素21
Bは色変換層を有さない構成としてもよい。または、画素30は、他の色
の光を呈する副画素を有していてもよい。例えば画素30は、上記3つの
副画素に加えて、白色の光を呈する副画素、または黄色の光を呈する副画
素などを有していてもよい。
【0487】配線GLは、行方向(配線GLの延伸方向)に配列する副画
素21R、副画素21G、及び副画素21Bと電気的に接続されている。
配線SLR、配線SLG、及び配線SLBは、それぞれ、列方向(配線S
LR等の延伸方向)に配列する副画素21R、副画素21G、または副画
素21B(いずれも図示しない)と電気的に接続されている。
【0488】〔画素回路の構成例〕
  図25(B)に、上記副画素21R、副画素21G、及び副画素21B
に適用することのできる画素21の回路図の一例を示す。画素21は、ト
ランジスタM1、トランジスタM2、トランジスタM3、容量C1、及び
発光デバイスELを有する。また、画素21には、配線GL及び配線SL
が電気的に接続される。配線SLは、図25(A)で示した配線SLR、
配線SLG、及び配線SLBのうちのいずれかに対応する。
【0489】  トランジスタM1は、ゲートが配線GLと電気的に接続さ
れ、ソース及びドレインの一方が配線SLと電気的に接続され、他方が容
量C1の一方の電極、及びトランジスタM2のゲートと電気的に接続され
る。トランジスタM2は、ソース及びドレインの一方が配線ALと電気的
に接続され、ソース及びドレインの他方が発光デバイスELの一方の電極、
容量C1の他方の電極、及びトランジスタM3のソース及びドレインの一
方と電気的に接続される。トランジスタM3は、ゲートが配線GLと電気
的に接続され、ソース及びドレインの他方が配線RLと電気的に接続され
る。発光デバイスELは、他方の電極が配線CLと電気的に接続される。
【0490】 配線SLには、データ電位Dが与えられる。配線GLには、
選択信号が与えられる。当該選択信号には、トランジスタM1及びトラン
ジスタM3を導通状態とする電位と、非導通状態とする電位が含まれる。
【0491】 配線RLには、リセット電位が与えられる。配線ALには、
アノード電位が与えられる。配線CLには、カソード電位が与えられる。
画素21において、アノード電位はカソード電位よりも高い電位とする。
また、配線RLに与えられるリセット電位は、リセット電位とカソード電
位との電位差が、発光デバイスELのしきい値電圧よりも小さくなるよう
な電位とすることができる。リセット電位は、カソード電位よりも高い電
位、カソード電位と同じ電位、または、カソード電位よりも低い電位とす
ることができる。
【0492】トランジスタM1及びトランジスタM3は、スイッチとして
機能する。トランジスタM2は、発光デバイスELに流れる電流を制御す
るためのトランジスタとして機能する。例えば、トランジスタM1は選択
トランジスタとして機能し、トランジスタM2は、駆動トランジスタとし
て機能するともいえる。
【0493】ここで、トランジスタM1乃至トランジスタM3の全てに、
LTPSトランジスタを適用することが好ましい。または、トランジスタ
M1及びトランジスタM3にOSトランジスタを適用し、トランジスタM
2にLTPSトランジスタを適用することが好ましい。
【0494】または、トランジスタM1乃至トランジスタM3のすべてに、
OSトランジスタを適用してもよい。このとき、図25(A)に示す表示
装置10において、駆動回路部12が有する複数のトランジスタ、及び駆
動回路部13が有する複数のトランジスタのうち、一以上にLTPSトラ
ンジスタを適用し、他のトランジスタにOSトランジスタを適用する構成
とすることができる。例えば、表示部11に設けられるトランジスタには
OSトランジスタを適用し、駆動回路部12及び駆動回路部13に設けら
れるトランジスタにはLTPSトランジスタを適用することもできる。
【0495】OSトランジスタとしては、チャネルが形成される半導体層
に酸化物半導体を用いたトランジスタを用いることができる。半導体層は、
例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、アルミニウム、シリコン、
ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、ベリリウム、チタン、鉄
、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリ
ウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、及びマグネシウ
ムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、を有することが好ましい。
特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、及びスズから選ば
れた一種または複数種であることが好ましい。特に、OSトランジスタの
半導体層として、インジウム、ガリウム、及び亜鉛を含む酸化物(IGZ
Oとも記す)を用いることが好ましい。または、インジウム、スズ、及び
亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。または、インジウム、ガリウ
ム、スズ、及び亜鉛を含む酸化物を用いることが好ましい。
【0496】
  シリコンよりもバンドギャップが広く、かつキャリア密度の小さい酸化
物半導体を用いたトランジスタは、極めて小さいオフ電流を実現すること
ができる。そのため、その小さいオフ電流により、トランジスタと直列に
接続された容量に蓄積した電荷を長期間に亘って保持することが可能であ
る。そのため、特に容量C1に直列に接続されるトランジスタM1及びト
ランジスタM3には、それぞれ、酸化物半導体が適用されたトランジスタ
を用いることが好ましい。トランジスタM1及びトランジスタM3として
酸化物半導体を有するトランジスタを適用することで、容量C1に保持さ
れる電荷が、トランジスタM1またはトランジスタM3を介してリークす
ることを防ぐことができる。また、容量C1に保持される電荷を長時間に
亘って保持できるため、画素21のデータを書き換えることなく、静止画
を長期間に亘って表示することが可能となる。
【0497】なお、図25(B)において、全てのトランジスタをnチャ
ネル型のトランジスタとして表記しているが、pチャネル型のトランジス
タを用いることもできる。
【0498】また、画素21が有する各トランジスタは、同一基板上に
並べて形成されることが好ましい。
【0499】  画素21が有するトランジスタとして、半導体層を介して
重なる一対のゲートを有するトランジスタを適用することができる。
【0500】  一対のゲートを有するトランジスタにおいて、一対のゲート
が互いに電気的に接続され、同じ電位が与えられる構成とすることで、ト
ランジスタのオン電流が高まること、及び飽和特性が向上するといった利
点がある。また、一対のゲートの一方に、トランジスタのしきい値電圧を
制御する電位を与えてもよい。また、一対のゲートの一方に、定電位を与え
ることで、トランジスタの電気特性の安定性を向上させることができる。
例えば、トランジスタの一方のゲートを、定電位が与えられる配線と電気
的に接続する構成としてもよいし、自身のソースまたはドレインと電気的
に接続する構成としてもよい。
【0501】
  図25(C)に示す画素21は、トランジスタM1及びトランジスタM
3に、一対のゲートを有するトランジスタを適用した場合の例である。ト
ランジスタM1及びトランジスタM3は、それぞれ一対のゲートが電気的
に接続されている。このような構成とすることで、画素21へのデータの
書き込み期間を短縮することができる。
【0502】図25(D)に示す画素21は、トランジスタM1及びトラ
ンジスタM3に加えて、トランジスタM2にも、一対のゲートを有するト
ランジスタを適用した例である。トランジスタM2は、一対のゲートが電
気的に接続されている。トランジスタM2に、このようなトランジスタを
適用することで、飽和特性が向上するため、発光デバイスELの発光輝度
の制御が容易となり、表示品位を高めることができる。

図26.
【0503】[トランジスタの構成例]
  以下では、上記表示装置に適用することのできるトランジスタの断面構
成例について説明する。
【0504】〔構成例1〕
  図26(A)は、トランジスタ410を含む断面図である。
【0505】トランジスタ410は、基板401上に設けられ、半導体層
に多結晶シリコンを適用したトランジスタである。例えばトランジスタ
410は、図25で示した画素21のトランジスタM2に対応する。すな
わち、図26(A)は、トランジスタ410のソース電極及びドレイン電
極の一方が、発光デバイスの導電層431と電気的に接続されている例で
ある。
【0506】トランジスタ410は、半導体層411、絶縁層412、導
電層413等を有する。半導体層411は、チャネル形成領域411i及
び低抵抗領域411nを有する。半導体層411は、シリコンを有する。
半導体層411は、多結晶シリコンを有することが好ましい。絶縁層412
の一部は、ゲート絶縁層として機能する。導電層413は、ゲート電極と
して機能する。
【0507】なお、半導体層411は、半導体特性を示す金属酸化物(酸
化物半導体ともいう)を含む構成とすることもできる。このとき、トラン
ジスタ410は、OSトランジスタと呼ぶことができる。
【0508】低抵抗領域411nは、不純物元素を含む領域である。例え
ばトランジスタ410をnチャネル型のトランジスタとする場合には、低
抵抗領域411nにリン、ヒ素などを添加すればよい。一方、pチャネル
型のトランジスタとする場合には、低抵抗領域411nにホウ素、アルミ
ニウムなどを添加すればよい。また、トランジスタ410のしきい値電圧
を制御するため、チャネル形成領域411iに、上述した不純物が添加さ
れていてもよい。
【0509】基板401上に、絶縁層421が設けられている。半導体層
411は、絶縁層421上に設けられている。絶縁層412は、半導体層
411及び絶縁層421を覆って設けられている。導電層413は、絶縁
層412上の、半導体層411と重なる位置に設けられている。
【0510】  また、導電層413及び絶縁層412を覆って絶縁層422
が設けられる。絶縁層422上には、導電層414a及び導電層414b
が設けられる。導電層414a及び導電層414bは、絶縁層422及び
絶縁層412に設けられた開口部において、低抵抗領域411nと電気的
に接続されている。導電層414aの一部は、ソース電極及びドレイン電
極の一方として機能し、導電層414bの一部は、ソース電極及びドレイ
ン電極の他方として機能する。また、導電層414a、導電層414b、
及び絶縁層422を覆って、絶縁層423が設けられている。
【0511】絶縁層423上には、画素電極として機能する導電層431
が設けられる。導電層431は、絶縁層423上に設けられ、絶縁層42
3に設けられた開口において、導電層414bと電気的に接続されている。
ここでは省略するが、導電層431上には、EL層及び共通電極を積層す
ることができる。
【0512】〔構成例2〕図26(B)には、一対のゲート電極を有す
トランジスタ410aを示す。図26(B)に示すトランジスタ410a
は、導電層415、及び絶縁層416を有する点で、図26(A)と主に
相違している。
【0513】  導電層415は、絶縁層421上に設けられている。また、
導電層415及び絶縁層421を覆って、絶縁層416が設けられている。
半導体層411は、少なくともチャネル形成領域411iが、絶縁層416
を介して導電層415と重なるように設けられている。
【0514】図26(B)に示すトランジスタ410aにおいて、導電層
413が第1のゲート電極として機能し、導電層415の一部が第2のゲ
ート電極として機能する。またこのとき、絶縁層412の一部が第1のゲ
ート絶縁層として機能し、絶縁層416の一部が第2のゲート絶縁層とし
て機能する。
【0515】ここで、第1のゲート電極と、第2のゲート電極とを電気的
に接続する場合、図示しない領域において、絶縁層412及び絶縁層41
6に設けられた開口部を介して導電層413と導電層415とを電気的に
接続すればよい。また、第2のゲート電極と、ソース電極またはドレイン
電極とを電気的に接続する場合、図示しない領域において、絶縁層422、
絶縁層412、及び絶縁層416に設けられた開口部を介して、導電層
414aまたは導電層414bと、導電層415とを電気的に接続すれば
よい。
【0516】画素21を構成するトランジスタの全てに、LTPSトラン
ジスタを適用する場合、図26(A)で例示したトランジスタ410、ま
たは図26(B)で例示したトランジスタ410aを適用することができ
る。このとき、画素21を構成する全てのトランジスタに、トランジスタ
410aを用いてもよいし、全てのトランジスタにトランジスタ410を
適用してもよいし、トランジスタ410aと、トランジスタ410とを組
合わせて用いてもよい。
【0517】〔構成例3〕
  以下では、半導体層にシリコンが適用されたトランジスタと、半導体層
に金属酸化物が適用されたトランジスタの両方を有する構成の例について
説明する。
【0518】 図26(C)に、トランジスタ410a及びトランジスタ
450を含む、断面概略図を示している。
【0519】トランジスタ410aについては、上記構成例2を援用でき
る。なお、ここではトランジスタ410aを用いる例を示したが、トラン
ジスタ410とトランジスタ450とを有する構成としてもよいし、トラ
ンジスタ410、トランジスタ410a、トランジスタ450の全てを有す
る構成としてもよい。
【0520】トランジスタ450は、半導体層に金属酸化物を適用したト
ランジスタである。図26(C)に示す構成は、例えばトランジスタ45
0が図25で示した画素21のトランジスタM1に対応し、トランジスタ
410aがトランジスタM2に対応する例である。すなわち、図26(C)
は、トランジスタ410aのソース電極及びドレイン電極の一方が、導電
層431と電気的に接続されている例である。
【0521】  また、図26(C)には、トランジスタ450が一対のゲー
ト電極を有する例を示している。
【0522】 トランジスタ450は、導電層455、絶縁層422、半
導体層451、絶縁層452、導電層453等を有する。導電層453
は、トランジスタ450の第1のゲート電極として機能し、導電層455
の一部は、トランジスタ450の第2のゲート電極として機能する。この
とき、絶縁層452の一部はトランジスタ450の第1のゲート絶縁層と
して機能し、絶縁層422の一部は、トランジスタ450の第2のゲート
絶縁層として機能する。
【0523】 導電層455は、絶縁層412上に設けられている。絶縁層
422は、導電層455を覆って設けられている。半導体層451は、絶
縁層422上に設けられている。絶縁層452は、半導体層451及び絶
縁層422を覆って設けられている。導電層453は、絶縁層452上に
設けられ、半導体層451及び導電層455と重なる領域を有する。
                           この項つづく
今日の言葉:年末殺人も新時代


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エネルギーと環境 79

2024年12月16日 | 光電融合デバイス事業

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:12月15日】

        マフラーや年賀準備部屋で巻き 

                    高山 宇 (赤鬼)



✳️ 月面への大型貨物の配備

人類の歴史的な月への帰還、月ゲートウェイの組み立て、拡大された表面
探査など、以前のアルテミスミッションの成功に続いて、NASAのアルテ
ミスVIIとVIIIは、月の開発における新しい段階を表す。有人着陸システム
の実証後、同機関は現在、より恒久的なプレゼンスを確立するために、重
量貨物の展開に注力している。
2032年、スペースXの巨大なスターシップロケットは、「ルナクルーザー」
で知られるを月面に送り込みます。トヨタと宇宙航空研究開発機構(JAXA
が共同開発したこの機体は、宇宙服を必要とせずに2人の乗組員を収容で
る。最大30日間分の酸素と供給が十分にあるため、探査活動の範囲と期
間が大幅に拡大し、拡張ミッションのための移動可能な居住地と実験室
を提供。


✳️ 洋上風力発電所の自動海水中保守点検
Beam社が開発したロボットは、自律検査を行い、これまでにない解像度で
リアルタイムに立体映像情報の提供能力により、洋上風力発電所の保全に
革命を実現。
2016年に設立されたBeam社は、洋上風力発電事業の課題解
決する英国企業(ロボット船や水中ロボットのAIと自律性が含まれ、風力
発電所のすべての保全維持管理の「時間とコスト課題」を即時解決する。
この自律型無人潜水機(AUV)は、海中検査に革命を起すだろう。2025年に
市場リリース予定。
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2024年9月、スコットランド最大の洋上風力発電所の「SSEのSeagreen
Wind Farm」
で世界初の導入実証を実現する。

✳️ スパコンの10の25乗年かかる計算を5分で実行「Willow
12月10日、Googleの量子コンピューティング研究部門であるGoogle
Quantum AI Labが、105個の量子ビットを搭載し、量子エラー訂正の指
数関数的な改善と超高速計算を実現、新量子チップ「Willow」を公表。従
来の量子システムでは、量子ビット数を増やすほどエラーが増加し、シス
テムが古典的な振る舞いに近づく。これが1995年にベル研究所のピーター・
ショア氏が提唱した「量子エラーのしきい値理論」。しかし、単にエラー
率を低減しただけでなく、距離を2増やすごとにエラー率が2.14倍減少す
るという指数関数的な改善を示した。これは、より多くの量子ビットを追
加することで、さらに高精度な量子計算が可能になることを意味する。つ
まり、WillowはGoogle初の「しきい値以下」を示した量子チップになる。
Google Quantum AI Labは「高度なAIは量子コンピューティングを利用
することで大きな恩恵を受けるだろう。量子コンピューティングは、従来
のマシンではアクセスできないトレーニング データの収集、特定の学習
アーキテクチャのトレーニングと最適化、量子効果が重要なシステムのモ
デリングに不可欠と話す。



【関連特許最新技術】
5. 特開2022-158973 表示装置、表示モジュール、電子機器、及び、表
示装置の作製方法 株式会社半導体エネルギー研究所
【詳細説明】
【0301】さらに、樹脂層122を用いて、色変換層129a、129
b上に、基板120を貼り合わせることで、図1(B)に示す表示装置1
00を作製することができる。なお、図2等のように、色変換層129c
を、画素電極111cと重なる領域を有するように形成しても良い。
【0302】保護層131、132に用いることができる材料及び成膜方
法は上述の通りである。保護層131、132の成膜方法としては、真空
蒸着法、スパッタリング法、CVD法、及び、ALD法などが挙げられる。
保護層131と保護層132は、互いに異なる成膜方法を用いて形成され
た膜であってもよい。また、保護層131、132は、それぞれ、単層構
造であってもよく、積層構造であってもよい。      
【0303】なお、共通電極115の成膜の際には、成膜エリアを規定す
るためのマスク(エリアマスク、ラフメタルマスクなどともいう)を用い
てもよい。または、共通電極115の成膜に当該マスクを使用せず、図11
(A)に示す工程の後に、図11(B)及び図11(C)に示す共通電極
115及び第5の層114の加工工程を行い、その後、保護層131の
形成工程に進んでもよい。

図11 図11(A)乃至図11(C)は、表示装置の作製方法の一例を示す
断面図
【0304】  図11(B)及び図7(B)に示すように、共通電極115上
にレジストマスク190bを形成する。図11(B)のY2側の端部に、レ
ジストマスク190bが設けられていない部分が存在する。図7(B)に示
すように、レジストマスク190bは、各副画素及び接続部140と重なる
領域に設けられる。つまり、レジストマスク190bが設けられていない領
域は、接続部140よりも外側に位置する。

図12(A)乃至図12(D)は、表示装置の作製方法の一例を示す断面図

【0305】次に、図11(C)に示すように、レジストマスク190bを
用いて、共通電極115の一部、及び第5の層114の一部を除去する。以
上により、共通電極115及び第5の層114を加工することができる。
【0306】なお、上記のプロセスにおいては、絶縁層127の一部をアッ
シングなどで消失させて、第2の犠牲層119aなどを露出させる構成(図
10(B)参照。)について示したが、本発明はこれに限られるものではな
い。例えば、図12(A)に示すように、絶縁膜127Aの、画素電極111a、
111b、111c、及び導電層123と重なる位置に開口を設けて絶縁層
127を形成する構成にしてもよい。例えば、絶縁膜127Aとして、感光
性の樹脂を塗布し、露光及び現像を行うことで、画素電極111a、111b
、111c、及び導電層123と重なる位置に開口が設けられたパターンを
形成することができる。
【0307】図12(A)に示すように、絶縁層127をパターン形成した
後は、上述の図11(A)乃至図11(C)に係る工程と同様の方法で表示
装置100を形成することができる。
【0308】  ただし、この場合、図12(A)に示すように、絶縁層127
の上面が、第2の犠牲層119aの上面より高くなる場合がある。これによ
り、第1の犠牲層118a、及び第2の犠牲層119aを除去する際に、こ
れらの一部が残存する場合がある。よって、図12(B)に示すように、
共通電極115の形成後にも、エッチングで除去できなかった、第1の犠
牲層118、及び第2の犠牲層119の一方または両方が、第1の層113a
、第2の層113b、第3の層113c、または導電層123の上に、形
成される場合がある。
【0309】ここで、第1の犠牲層118の側面、第2の犠牲層119の
側面、絶縁層125の側面の一部、及び絶縁層127の側面の一部によっ
て、形成される平面(第5の層114と接する側の面)は、断面視におい
て、テーパー形状を有することが好ましい。当該平面が断面視において、
テーパー形状を有することで、第1の犠牲層118、第2の犠牲層119
、絶縁層125、及び絶縁層127を覆って形成される第5の層114及
び共通電極115を被覆性良く形成し、第5の層114及び共通電極115
に段切れなどが発生するのを防ぐことができる。
【0310】このような方法で表示装置100を形成することで、図3(B)
に示す表示装置100を形成することができる。
【0311】また、図12(C)に示すように、第5の層114を設けず、
絶縁層125、127、第1の層113a、第2の層113b、及び、第
3の層113cを覆うように、共通電極115を形成してもよい。つまり、
それぞれの副画素の発光デバイスにおいて、EL層を構成するすべての層
が作り分けられていてもよい。このとき、各発光デバイスのEL層は、全
て島状に形成される。
【0312】ここで、画素電極111a、111b、111cのいずれか
と、共通電極115とが接することで、発光デバイスがショートする恐れ
がある。しかし、本発明の一態様の表示装置では、絶縁層121、125、
127が、第1の層113a、第2の層113b、第3の層113c、及
び、画素電極111a、111b、111cの側面を覆っているため、共
通電極115がこれらの層と接することを抑制し、発光デバイスがショー
トすることを抑制することができる。これにより、発光デバイスの信頼性
を高めることができる。
【0313】また、図11(A)に示す工程で、Y1-Y2間の断面図に
おいて、第5の層114の接続部140側の端部が、接続部140よりも
内側(表示部側)に位置し、導電層123上に第5の層114を設けない
構成にしてもよい(図12(D)参照)。例えば、第5の層114の成膜
の際に、成膜エリアを規定するためのマスク(エリアマスク、ラフメタル
マスクなどともいう)を用いればよい。この場合、導電層123上に第5
の層114が設けられないので、第5の層114を介さずに、導電層123
と共通電極115とが電気的に接続される。

図13. 図13(A)乃至図13(F)は、表示装置の作製方法の一例を
示す断面図

【0314】  図13(A)乃至図13(F)に、絶縁層127とその周
辺を含む領域139の断面構造を示す。
【0315】図13(A)では、第1の層113aと第2の層113bの
厚さが互いに異なる例を示す。絶縁層125の上面の高さは、第1の層
113a側では第1の層113aの上面の高さと一致または概略一致して
おり、第2の層113b側では第2の層113bの上面の高さと一致また
は概略一致している。そして、絶縁層127の上面は、第1の層113a
側が高く、第2の層113b側が低い、なだらかな傾斜を有している。こ
のように、絶縁層125及び絶縁層127の高さは、隣接するEL層の上
面の高さと揃っていることが好ましい。または、隣接するEL層のいずれ
かの上面の高さと揃って、上面が平坦部を有していてもよい。
【0316】図13(B)において、絶縁層127の上面は、第1の層
113aの上面及び第2の層113bの上面よりも高い領域を有する。ま
た、絶縁層127の上面は、中心に向かって凸状に、なだらかに膨らんだ
形状を有する。
【0317】図13(C)において、絶縁層127の上面が第1の層113a
の上面及び第2の層113bの上面より高い領域を有する。また、領域
139において、表示装置100は、第1の犠牲層118及び第2の犠牲
層119の少なくとも一方を有し、絶縁層127の上面が第1の層113a
の上面及び第2の層113bの上面より高く、且つ絶縁層125よりも外
側に位置する領域を有し、当該領域は第1の犠牲層118及び第2の犠牲
層119の少なくとも一方の上に位置する。また、図13(C)では、絶
縁層127の上面は、中心に向かって凸状に、なだらかに膨らんだ形状を
有し、且つ絶縁層127の上面の中央部には、凹部が形成されている。当
該凹部は、中心に向かってなだらかに窪んだ形状を有する。
【0318】  図13(D)において、絶縁層127の上面は、第1の層
113aの上面及び第2の層113bの上面よりも低い領域を有する。ま
た、絶縁層127の上面は、中心に向かって凹状に、なだらかに窪んだ形
状を有する。
【0319】図13(E)において、絶縁層125の上面は、第1の層
113aの上面及び第2の層113bの上面よりも高い領域を有する。す
なわち、第5の層114の被形成面において、絶縁層125が突出し、凸
部を形成している。
【0320】絶縁層125の形成において、例えば、犠牲層の高さと揃う
または概略揃うように絶縁層125を形成する場合には、図13(E)に
示すように、絶縁層125が突出する形状が形成される場合がある。
【0321】図13(F)において、絶縁層125の上面は、第1の層
113aの上面及び第2の層113bの上面よりも低い領域を有する。
すなわち、第5の層114の被形成面において、絶縁層125が凹部を形
成している。
【0322】このように、絶縁層125及び絶縁層127は様々な形状を
適用することができる。
【0323】以上のように、本実施の形態の表示装置の作製方法では、島
状のEL層は、メタルマスクのパターンによって形成されるのではなく、
EL層を一面に成膜した後に加工することで形成されるため、島状のEL
層を均一の厚さで形成することができる。そのため、高精細な表示装置ま
たは高開口率の表示装置を実現することができる。
【0324】青色の発光デバイスを構成する第1の層113a、第2の層
113b、第3の層113cは、それぞれ同一の工程で形成することがで
きる。したがって、表示装置の作製工程を簡略化し、製造コストの低減を
図ることができる。
【0325】本発明の一態様の表示装置は、画素電極の端部を覆う絶縁層
と、発光層、及びキャリア輸送層のそれぞれの側面を覆う絶縁層と、を有
する。当該表示装置の作製工程においては、発光層とキャリア輸送層とが
積層された状態でEL層が加工されるため、当該表示装置は、発光層への
ダメージが低減された構成である。また、上述の2種類の絶縁層により、
画素電極または発光層と、キャリア注入層または共通電極と、が接するこ
とが抑制され、発光デバイスがショートすることが抑制された構成である。
【0326】本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが
できる。また、本明細書において、1つの実施の形態の中に、複数の構成
例が示される場合は、構成例を適宜組み合わせることが可能である。
【0327】(実施の形態2
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置に適用することができる発
光デバイスの構成例について図14及び図15を用いて説明する。

図14. 図14(A)及び図14(B)は、表示装置の一例を示す断面図

【0328】  図14(A)及び図14(B)に示す表示装置500は、
青色の光を発する発光デバイス550Bを複数有する。図14では、発光
デバイス550Bの上に青色の光を赤色の光に変換する色変換層545R、
青色の光を緑色の光に変換する色変換層545Gが設けられる。ここで、
色変換層545R、色変換層545Gは、保護層540を介して、発光デ
バイス550B上に設けられることが好ましい。なお、図14において、
色変換層545Gが設けられた発光デバイス550Bに隣接する発光デバ
イス550Bは色変換層を有さない構成を示したが、本実施の形態はこれ
に限られず、色変換層545Gに隣接して、青色の光をより半値幅が狭い、
鮮やかな青色に変換する色変換層を設けてもよい。

【0329】図14(A)に示す発光デバイス550Bは、一対の電極
(電極501、電極502)の間に、発光ユニット512Bを有する。電
極501は、画素電極として機能し、発光デバイス毎に設けられる。電極
502は、共通電極として機能し、複数の発光デバイスに共通に設けられ
る。
【0330】つまり、図14(A)に示す3つの発光デバイス550Bは、
それぞれ、1つの発光ユニット(発光ユニット512B)を有する。なお、
図14(A)に示す発光デバイス550Bのように、一対の電極間に一つ
の発光ユニットを有する構成を、本明細書ではシングル構造と呼ぶ。
【0331】図14(A)に示す、発光ユニット512Bは、それぞれ島
状の層として形成することができる。つまり、図14(A)に示す発光ユ
ニット512Bは、図1(B)等に示す第1の層113a、第2の層11
3b、または第3の層113cに相当する。なお、発光デバイス550B
は、発光デバイス130a、発光デバイス130b、または発光デバイス
130cに相当する。また、電極501は画素電極111a、画素電極
111b、または画素電極111cに相当する。また、電極502は共通
電極115に相当する。
【0332】発光ユニット512Bは、層521、層522、発光層52
3Q_1、発光層523Q_2、発光層523Q_3、層524等を有す
る。また、発光デバイス550Bは、発光ユニット512Bと、電極50
2との間に層525などを有する。
【0333】図14(A)は、発光ユニット512Bが層525を有さず、
層525が、各発光デバイス間で共通に設けられている例である。このと
き、層525を共通層と呼ぶことができる。このように、複数の発光デバ
イスに1以上の共通層を設けることで、作製工程を簡略化できるため、製
造コストを低減することができる。なお、発光デバイスごとに層525を
設けてもよい。つまり、層525が発光ユニット512Bに含まれていて
もよい。
【0334】層521は、例えば正孔注入性の高い物質を含む層(正孔注
入層)などを有する。層522は、例えば正孔輸送性の高い物質を含む層
(正孔輸送層)などを有する。層524は、例えば電子輸送性の高い物質
を含む層(電子輸送層)などを有する。層525は、例えば電子注入性の
高い物質を含む層(電子注入層)などを有する。
【0335】または、層521が電子注入層を有し、層522が電子輸送
層を有し、層524が正孔輸送層を有し、層525が正孔注入層を有する
構成としてもよい。
【0336】図14(A)においては、層521と、層522と、を分け
て明示したがこれに限定されない。例えば、層521が正孔注入層と、正
孔輸送層との双方の機能を有する構成とする場合、あるいは層521が電
子注入層と、電子輸送層との双方の機能を有する構成とする場合において
は、層522を省略してもよい。
【0337】図14(A)に示す発光デバイス550Bにおいて、発光層
523Q_1、発光層523Q_2、及び発光層523Q_3に青色の発
光を呈する発光層を選択することで、発光デバイス550Bから青色発光
を得ることができる。なお、ここでは発光ユニット512Bが3層の発光
層を有する例を示すが、発光層の数は問わず、例えば、1層、2層、また
は4層以上の構成であってもよい。
【0338】このような、青色発光が可能な発光デバイス550Bの上に、
色変換層545R、色変換層545Gを設けることで、画素ごとに赤色発
光、緑色発光、または青色発光を行い、フルカラー表示を行うことができ
る。なお、図14(A)等においては、青色の光を赤色の光へ変換する色
変換層545R、青色の光を緑色の光へ変換する色変換層545G、を設
け、青色発光を得る画素には色変換層を設けない例について示したが、本
発明はこれに限られるものではない。色変換層によって変換される色の可
視光は、少なくとも2色以上の互いに異なる色の可視光にすればよく、例
えば赤、緑、青、シアン、マゼンタ、または黄などから適宜選択すればよ
い。
【0339】よって、層521、層522、層524、層525、発光層
523Q_1、発光層523Q_2、および発光層523Q_3は、各色
の画素において、同一の構成(材料、膜厚など)にしても、色変換層を適
宜設けることで、フルカラー表示を行うことができる。ゆえに、本発明の一
態様に係る表示装置は、画素ごとに発光デバイスを作り分ける必要がない
ので、作製工程を簡略化でき、製造コストを低減することができる。ただし
、本発明はこれに限られるものではなく、層521、層522、層524、
層525、発光層523Q_1、発光層523Q_2、および発光層52
3Q_3のいずれか一または複数を、画素によって異なる構成にすること
ができる。
【0340】  図14(B)に示す発光デバイス550Bは、一対の電極
(電極501、電極502)の間に、中間層531を介して2つの発光ユ
ニット(発光ユニット512Q_1、発光ユニット512Q_2)が積層
された構成を有する。
【0341】また、中間層531は、電極501と電極502との間に電
圧を印加したときに、発光ユニット512Q_1及び発光ユニット512
Q2のうち、一方に電子を注入し、他方に正孔を注入する機能を有する。
中間層531は、電荷発生層と呼ぶこともできる。
【0342】中間層531としては、例えば、フッ化リチウムなどの電子
注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、中間層531
としては、例えば、正孔注入層に適用可能な材料を好適に用いることがで
きる。また、中間層531には、正孔輸送性の高い材料(正孔輸送性材料)
とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む層を用いることができ
る。また、中間層531には、電子輸送性の高い材料(電子輸送性材料)
とドナー性材料とを含む層を用いることができる。このような層を有する
中間層531を形成することにより、発光ユニットが積層された場合にお
ける駆動電圧の上昇を抑制することができる。



図15(A)及び図15(B)は、表示装置の一例を示す断面図.

【0343】発光ユニット512Q_1は、層521、層522、発光層
523Q_1、層524等を有する。発光ユニット512Q_2は、層52
2、発光層523Q_2、層524等を有する。また、発光デバイス550B
は、発光ユニット512Q_2と、電極502との間に層525などを有
する。なお、層525を発光ユニット512Q_2の一部とみなすことも
できる。
【0344】図14(B)に示す発光デバイス550Bにおいて、各発光
ユニットが青色の光を呈することで発光デバイス550Bから青色発光を
得ることができる。なお、複数の発光ユニットは、同じ発光物質を有して
いてもよく、異なる発光物質を有していてもよい。
【0345】図14(B)などに示す発光デバイス550Bのように、複
数の発光ユニットが中間層531を介して直列に接続された構成を本明細
書ではタンデム構造と呼ぶ。なお、本明細書等においては、タンデム構造
として呼称するが、これに限定されず、例えば、タンデム構造をスタック
構造と呼んでもよい。なお、タンデム構造とすることで、高輝度発光が可
能な発光デバイスとすることができる。また、タンデム構造は、シングル
構造と比べて、同じ輝度を得るために必要な電流を低減できるため、表示
装置の消費電力を低減し、信頼性を高めることができる。
【0346】
  なお、ここでは発光ユニット512Q_1、512Q_2がそれぞれ1層
の発光層を有する例を示すが、各発光ユニットにおける発光層の数は問わ
ない。例えば、発光ユニット512Q_1、512Q_2は、互いに異な
る数の発光層を有していてもよい。例えば、一方の発光ユニットは2層の
発光層を有し、他方の発光ユニットは1層の発光層を有していてもよい。
または、一方の発光ユニットは2層の発光層を有し、他方の発光ユニット
は3層以上(具体的には、3層または4層)の発光層を有していてもよい。
なお、発光ユニットが2層の発光層を有する構成を2段タンデム構造と、
発光ユニットが3層の発光層を有する構成を3段タンデム構造と、発光ユ
ニットが4層の発光層を有する構成を4段タンデム構造と、それぞれ呼称
する場合がある。なお、シングル構造の発光ユニットと、タンデム構造
(2段タンデム構造、3段タンデム構造、または4段タンデム構造)の発
光ユニットと、を組み合わせた発光デバイスとしてもよい。
【0347】図15(A)に示す表示装置500は、発光デバイス550B
が、3つの発光ユニットを積層した構成を有する場合の例である。図15
(A)において、発光デバイス550Bは、発光ユニット512Q_2上
にさらに中間層531を介して発光ユニット512Q_3が積層されてい
る。発光ユニット512Q_3は、層522、発光層523Q_3、層
524等を有する。発光ユニット512Q_3は、発光ユニット512Q_
2と同様の構成を適用することができる。
【0348】発光デバイスにタンデム構造を適用する場合、発光ユニット
の数は特に限定されず、2つ以上とすることができる。
【0349】図15(B)では、n個の発光ユニット512Q_1から
512Q_n(nは2以上の整数)を積層した場合の例を示している。
【0350】このように、発光ユニットの積層数を増やすことにより、同
じ電流量で発光デバイスから得られる輝度を、積層数に応じて高めること
ができる。また、発光ユニットの積層数を増やすことにより、同じ輝度を
得るために必要な電流を低減できるため、発光デバイスの消費電力を、積
層数に応じて低減することができる。
【0351】なお、表示装置500において、発光層の発光材料は特に限
定されない。例えば、図15(B)に示す表示装置500において、発光
ユニット512Q_1が有する発光層523Q_1は燐光材料を有し、発
光ユニット512Q_2が有する発光層523Q_2は蛍光材料を有する
構成とすることができる。または、発光ユニット512Q_1が有する発
光層523Q_1は蛍光材料を有し、発光ユニット512Q_2が有す
発光層523Q_2は燐光材料を有する構成とすることができる。又は、
蛍光発光の発光ユニットが複数積層された構成とすることで表示装置の信
頼性を高めることができる。
【0352】なお、発光ユニットの構成については、上記に限定されない。
例えば、図15(B)に示す表示装置500において、発光ユニット512Q_1
が有する発光層523Q_1はTADF材料を有し、発光ユニット512Q_2
が有する発光層523Q_2は蛍光材料、または燐光材料のいずれか一を
有する構成としてもよい。このように異なる発光材料を用いる、例えば
信頼性の高い発光材料と、発光効率の高い発光材料と、を組み合わせる
ことで、それぞれの欠点を補い、信頼性、及び発光効率の双方を高めた表
示装置とすることができる。
【0353】なお、本発明の一態様の表示装置は、全ての発光層を蛍光材
料とする構成としてもよいし、全ての発光層を燐光材料とする構成として
もよい。
【0354】本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが
できる。


図16は、表示装置の一例を示す斜視図
【0355】(実施の形態3)
  本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置について図16乃至図18
を用いて説明する。
【0356】  本実施の形態の表示装置は、高解像度な表示装置または大
型な表示装置とすることができる。したがって、本実施の形態の表示装置
は、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパー
ソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルサイネージ、
パチンコ機などの大型ゲーム機などの比較的大きな画面を備える電子機器
の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、
携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置の表示部に用
いることができる。

【0357】〔表示装置100A]図16に、表示装置100Aの斜視図
を示し、図17(A)に、表示装置100Aの断面図を示す。
【0358】表示装置100Aは、基板152と基板151とが貼り合わ
された構成を有する。図16では、基板152を破線で明示している。
【0359】表示装置100Aは、表示部162、接続部140、回路
164、配線165等を有する。図16では表示装置100AにIC17
3及びFPC172が実装されている例を示している。そのため、図16
に示す構成は、表示装置100A、IC(集積回路)、及びFPCを有
する表示モジュールということもできる。
【0360】
  接続部140は、表示部162の外側に設けられる。接続部140は、
表示部162の一辺または複数の辺に沿って設けることができる。接続部
140は、単数であっても複数であってもよい。図16では、表示部の四
辺を囲むように接続部140が設けられている例を示す。接続部140で
は、発光デバイスの共通電極と、導電層とが電気的に接続されており、共
通電極に電位を供給することができる。
【0361】回路164としては、例えば走査線駆動回路を用いることが
できる。
【0362】配線165は、表示部162及び回路164に信号及び電力
を供給する機能を有する。当該信号及び電力は、FPC172を介して外
部から、またはIC173から配線165に入力される。
【0363】図16では、COG方式またはCOF方式等により、基板
151にIC173が設けられている例を示す。IC173は、例えば
走査線駆動回路または信号線駆動回路などを有するICを適用できる。な
お、表示装置100A及び表示モジュールは、ICを設けない構成として
もよい。また、ICを、COF方式等により、FPCに実装してもよい。
【0364】図17(A)に、表示装置100Aの、FPC172を含む
領域の一部、回路164の一部、表示部162の一部、接続部140の一
部、及び、端部を含む領域の一部をそれぞれ切断したときの断面の一例を
示す。

図17. 表示装置の一例を示す断面

【0365】図17(A)に示す表示装置100Aは、基板151と基板
152の間に、トランジスタ201、トランジスタ205、発光デバイス
130a、130b、130c、及び色変換層129a、129b等を有
する。発光デバイス130a、130b、130cは、青色の光を発する。
色変換層129a、色変換層129bは、発光デバイス130からの青色
の光を互いに異なる波長の光へ変換する機能を有する。
【0366】ここで、表示装置の画素が、互いに異なる波長の光へ変換す
る色変換層129a、129bを有する副画素と、色変換層を有さない副
画素の3種類有する場合、当該3つの副画素としては、R、G、Bの3色
の副画素などがあげられる。または、上記と異なる色の光を呈する副画素
の組み合わせとして、黄色(Y)、シアン(C)、及びマゼンタ(M)の
3色の副画素などとしてもよい。また、表示装置が副画素を4つ有する場
合、当該4つの副画素としては、R、G、B、白色(W)の4色の副画素、
R、G、B、Yの4色の副画素などが挙げられる。
【0367】発光デバイス130a、130b、130cは、画素電極と
EL層との間に光学調整層126(光学調整層126a、光学調整層126b、
光学調整層126c)を有する点以外は、それぞれ、図1(B)に示す積
層構造と同様の構造を有する。図17(A)に示す表示装置100Aは、
図1(B)に示す表示装置100とは異なり、発光デバイス130aが光
学調整層126aを有し、発光デバイス130bが光学調整層126bを
有し、発光デバイス130cが光学調整層126cを有する。発光デバイ
スの詳細は実施の形態1を参照できる。
【0368】また図17(A)に示すように、各発光デバイス130に備
わる光学調整層126は、発光デバイスごとに異なる厚みを有することが
好ましい。例えば発光デバイス130aからの青色光が赤色の光に変換さ
れ、発光デバイス130bからの青色光が緑色の光に変換され、発光デバ
イス130cからの青色光が他の色の光に変換されない場合、3つの光学
調整層126のうち、光学調整層126aの厚さを最も厚くし、光学調整
層126bの厚さを光学調整層126aの厚さよりも薄くし、光学調整層
126cの厚さを最も薄くすればよい。このようにして、それぞれの発光
デバイスにおける光学距離(光路長)を変化させることができる。
【0369】3つの発光デバイスのうち、色変換層129aと重なる発光
デバイス130aは最も光路長が長いため、最も長波長の光(例えば赤色
の光)が強められた光を射出する。一方、発光デバイス130cは、最も
光路長が短いため、最も短波長の光(例えば青色の光)が強められた光を
射出する。色変換層129bと重なる発光デバイス130bは、その中間
の波長の光(例えば緑色の光)が強められた光を射出する。
【0370】このような構成とすることで、異なる色の副画素毎に、発光
デバイス130が有する発光層を作り分ける必要がなく、同じ構成の発光
デバイスを用いて、色再現性の高いカラー表示を行うことができる。
【0371】また、第1の層113a、第2の層113b、第3の層113c、
及び、絶縁層125、127上に、第5の層114が設けられ、第5の層
114上に共通電極115が設けられている。また、発光デバイス130a、
130b、130c上にはそれぞれ、保護層131が設けられている。保
護層131上には保護層132が設けられている。
【0372】保護層132と基板152は接着層142を介して接着され
ている。発光デバイスの封止には、固体封止構造または中空封止構造など
が適用できる。図17(A)では、基板152と基板151との間の空
間が、接着層142で充填されており、固体封止構造が適用されている
。または、当該空間を不活性ガス(窒素またはアルゴンなど)で充填し、
中空封止構造を適用してもよい。このとき、接着層142は、発光デバイ
スと重ならないように設けられていてもよい。また、当該空間を、枠状に
設けられた接着層142とは異なる樹脂で充填してもよい。
【0373】画素電極111a、111b、111cは、それぞれ、絶縁
層214に設けられた開口を介して、トランジスタ205が有する導電層
222bと接続されている。
【0374】画素電極111a、111b、111c及び光学調整層126
a、126b、126cの端部は、それぞれ、絶縁層121aによって覆
われており、絶縁層121aは絶縁層121bによって覆われている。画
素電極111a、111b、111cは可視光を反射する材料を含み、共
通電極115は可視光を透過する材料を含む。
【0375】画素電極111a、111b、111cの端部を覆う絶縁層
としては、無機絶縁膜及び有機絶縁膜の一方または双方を用いた、単層構
造または積層構造とすることができる。本実施の形態では、有機絶縁膜を
用いて絶縁層121aを形成し、無機絶縁膜を用いて絶縁層121bを形
成する例を示す。
【0376】絶縁層121aに用いることができる有機絶縁材料としては、
例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリイミドアミド樹脂、ポリシロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、
及びフェノール樹脂等が挙げられる。また、絶縁層121bに用いること
ができる無機絶縁膜としては、保護層131、132に用いることができ
る無機絶縁膜を用いることができる。
【0377】画素電極111a、111b、111cの端部を覆う絶縁層
として、無機絶縁膜を用いると、有機絶縁膜を用いる場合に比べて、外部
から発光デバイスに不純物が入りにくく、発光デバイスの信頼性を高めるこ
とができる。画素電極111a、111b、111cの端部を覆う絶縁層
として、有機絶縁膜を用いると、無機絶縁膜を用いる場合に比べて、段差
被覆性が高く、画素電極111a、111b、111cの形状の影響を受
けにくい。そのため、発光デバイスのショートを防止できる。具体的には、
絶縁層121aとして、有機絶縁膜を用いると、絶縁層121aの形状を
テーパー形状などに加工することができる。
【0378】絶縁層121a、121bのように、画素電極111a、
111b、111cの端部を覆う絶縁層を、有機絶縁膜と無機絶縁膜を用
いた2層構造とすることで、発光デバイスの信頼性をより高くすることが
でき好ましい。
【0379】接続部140においては、絶縁層214上に導電層123
が設けられている。導電層123は、画素電極111a、111b、111c
と同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、光学調整層126a、126b
126cと同一の導電膜を加工して得られた導電膜と、の積層構造である
例を示す。導電層123の端部は、絶縁層121a、絶縁層121b、絶
縁層125、及び、絶縁層127によって覆われている。また、導電層
123上には第5の層114が設けられ、第5の層114上には共通電極
115が設けられている。導電層123と共通電極115は第5の層114
を介して電気的に接続される。なお、接続部140には、第5の層114
が形成されていなくてもよい。この場合、導電層123と共通電極115
とが直接接して電気的に接続される。
【0380】表示装置100Aは、トップエミッション型である。発光デ
バイスが発する光は、基板152側に射出される。基板152には、可視
光に対する透過性が高い材料を用いることが好ましい。
【0381】基板151から絶縁層214までの積層構造が、実施の形態
1における層101に相当する。
【0382】トランジスタ201及びトランジスタ205は、いずれも基
板151上に形成されている。これらのトランジスタは、同一の材料及び
同一の工程により作製することができる。
【0383】基板151上には、絶縁層211、絶縁層213、絶縁層
215、及び絶縁層214がこの順で設けられている。絶縁層211は
、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶縁層
213は、その一部が各トランジスタのゲート絶縁層として機能する。絶
縁層215は、トランジスタを覆って設けられる。絶縁層214は、トラ
ンジスタを覆って設けられ、平坦化層としての機能を有する。なお、ゲー
ト絶縁層の数及びトランジスタを覆う絶縁層の数は限定されず、それぞれ
単層であっても2層以上であってもよい。
【0384】とト
ランジスタを覆う絶縁層の少なくとも一層に、水及び水素
などの不純物が拡散しにくい材料を用いることが好ましい。これにより、
絶縁層をバリア層として機能させることができる。このような構成とする
ことで、トランジスタに外部から不純物が拡散することを効果的に抑制
でき、表示装置の信頼性を高めることができる。
【0385】絶縁層211、絶縁層213、及び絶縁層215としては、
それぞれ、無機絶縁膜を用いることが好ましい。無機絶縁膜としては、例
えば、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化
シリコン膜、酸化アルミニウム膜、窒化アルミニウム膜などを用いること
ができる。また、酸化ハフニウム膜、酸化イットリウム膜、酸化ジルコニ
ウム膜、酸化ガリウム膜、酸化タンタル膜、酸化マグネシウム膜、酸化ラ
ンタン膜、酸化セリウム膜、及び酸化ネオジム膜等を用いてもよい。また、
上述の絶縁膜を2以上積層して用いてもよい。
【0386】ここで、有機絶縁膜は、無機絶縁膜に比べてバリア性が低い
ことが多い。そのため、有機絶縁膜は、表示装置100Aの端部近傍に開
口を有することが好ましい。これにより、表示装置100Aの端部から有
機絶縁膜を介して不純物が入り込むことを抑制することができる。または、
有機絶縁膜の端部が表示装置100Aの端部よりも内側にくるように有機
絶縁膜を形成し、表示装置100Aの端部に有機絶縁膜が露出しないよう
にしてもよい。
【0387】平坦化層として機能する絶縁層214には、有機絶縁膜が好
適である。有機絶縁膜に用いることができる材料としては、アクリル樹脂、
ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、
シロキサン樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂、フェノール樹脂、及びこれ
ら樹脂の前駆体等が挙げられる。また、絶縁層214を、有機絶縁膜と、
無機絶縁膜との積層構造にしてもよい。絶縁層214の最表層は、エッチ
ング保護膜としての機能を有することが好ましい。これにより、画素電極
111aまたは光学調整層126aなどの加工時に、絶縁層214に凹部
が形成されることを抑制することができる。または、絶縁層214には、
画素電極111aまたは光学調整層126aなどの加工時に、凹部が設け
られてもよい。
【0388】トランジスタ201及びトランジスタ205は、ゲート電極
として機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211
、ソース電極及びドレイン電極として機能する導電層222a及び導電層
222b、半導体層231、ゲート絶縁層として機能する絶縁層213、
並びに、ゲート電極として機能する導電層223を有する。ここでは、同
一の導電膜を加工して得られる複数の層に、同じハッチングパターンを付
している。絶縁層211は、導電層221と半導体層231との間に位置
する。絶縁層213は、導電層223と半導体層231との間に位置する。
【0389】本実施の形態の表示装置が有するトランジスタの構造は特に
限定されない。例えば、プレーナ型のトランジスタ、スタガ型のトラン
ジスタ、逆スタガ型のトランジスタ等を用いることができる。また、トッ
プゲート型またはボトムゲート型のいずれのトランジスタ構造としてもよ
い。または、チャネルが形成される半導体層の上下にゲート電極が設けら
れていてもよい。
【0390】トランジスタ201及びトランジスタ205には、チャネル
が形成される半導体層を2つのゲート電極で挟持する構成が適用されてい
る。2つのゲート電極を接続し、これらに同一の信号を供給することによ
りトランジスタを駆動してもよい。または、2つのゲート電極のうち、一
方に閾値電圧を制御するための電位を与え、他方に駆動のための電位を与
えることで、トランジスタの閾値電圧を制御してもよい。
【0391】トランジスタに用いる半導体材料の結晶性についても特に限
定されず、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶
半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれ
を用いてもよい。結晶性を有する半導体を用いると、トランジスタ特性
の劣化を抑制できるため好ましい。
【0392】トランジスタの半導体層は、金属酸化物(酸化物半導体とも
いう)を有することが好ましい。つまり、本実施の形態の表示装置は、金
属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジ
スタ)を用いることが好ましい。または、トランジスタの半導体層は、シ
リコンを有していてもよい。シリコンとしては、アモルファスシリコン、
結晶性のシリコン(低温ポリシリコン、単結晶シリコンなど)などが挙げ
られる。
【0393】半導体層は、例えば、インジウムと、M(Mは、ガリウム、
アルミニウム、シリコン、ホウ素、イットリウム、スズ、銅、バナジウム、
ベリリウム、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリ
ブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タング
ステン、及びマグネシウムから選ばれた一種または複数種)と、亜鉛と、
を有することが好ましい。特に、Mは、アルミニウム、ガリウム、イット
リウム、及びスズから選ばれた一種または複数種であることが好ましい。
【0394】特に、半導体層として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、
及び亜鉛(Zn)を含む酸化物(IGZOとも記す)を用いることが好ま
しい。
【0395】半導体層がIn-M-Zn酸化物の場合、当該In-M-Zn
酸化物におけるInの原子数比はMの原子数比以上であることが好ましい。
このようなIn-M-Zn酸化物の金属元素の原子数比として、In:M:
Zn=1:1:1またはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:1.2
またはその近傍の組成、In:M:Zn=2:1:3またはその近傍の組
成、In:M:Zn=3:1:2またはその近傍の組成、In:M:Zn=
4:2:3またはその近傍の組成、In:M:Zn=4:2:4.1また
はその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:3またはその近傍の組成、
In:M:Zn=5:1:6またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:
1:7またはその近傍の組成、In:M:Zn=5:1:8またはその近
傍の組成、In:M:Zn=6:1:6またはその近傍の組成、In:M
:Zn=5:2:5またはその近傍の組成、等が挙げられる。なお、近傍
の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。
【0396】 例えば、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:3またはそ
の近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を4としたとき、Gaの原
子数比が1以上3以下であり、Znの原子数比が2以上4以下である場合
を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=5:1:6またはその近傍
の組成と記載する場合、Inの原子数比を5としたときに、Gaの原子数
比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が5以上7以下であ
る場合を含む。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1またはそ
の近傍の組成と記載する場合、Inの原子数比を1としたときに、Gaの
原子数比が0.1より大きく2以下であり、Znの原子数比が0.1より
大きく2以下である場合を含む。
【0397】回路164が有するトランジスタと、表示部162が有する
トランジスタは、同じ構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
回路164が有する複数のトランジスタの構造は、全て同じであってもよ
く、2種類以上あってもよい。同様に、表示部162が有する複数のトラ
ンジスタの構造は、全て同じであってもよく、2種類以上あってもよい。
【0398】図17(B)及び図17(C)に、トランジスタの他の構成
例を示す。
【0399】トランジスタ209及びトランジスタ210は、ゲート電極
として機能する導電層221、ゲート絶縁層として機能する絶縁層211、
チャネル形成領域231i及び一対の低抵抗領域231nを有する半導体
層231、一対の低抵抗領域231nの一方と接続する導電層222a、
一対の低抵抗領域231nの他方と接続する導電層222b、ゲート絶縁
層として機能する絶縁層225、ゲート電極として機能する導電層223、
並びに、導電層223を覆う絶縁層215を有する。絶縁層211は、導
電層221とチャネル形成領域231iとの間に位置する。絶縁層225
は、少なくとも導電層223とチャネル形成領域231iとの間に位置す
る。さらに、トランジスタを覆う絶縁層218を設けてもよい。
【0400】図17(B)に示すトランジスタ209では、絶縁層225
が半導体層231の上面及び側面を覆う例を示す。導電層222a及び導
電層222bは、それぞれ、絶縁層225及び絶縁層215に設けられた
開口を介して低抵抗領域231nと接続される。導電層222a及び導電
層222bのうち、一方はソース電極として機能し、他方はドレイン電極
として機能する。
                           この項つづく

 

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エネルギーと環境 77

2024年12月14日 | 光電融合デバイス事業

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:12月14日】

        凍れてはマフラー巻てタイピング   

                 高山 宇 (赤鬼)



✳️ 
生成AIの省エネを実現する光電融合技術開                                              12月11日、米IBMは,生成AIモデルの学習・推論の効率を向上する可能性
がある光電融合技術の一つである光パッケージング技術,Co-Packaged
Optics(CPO)の新しいプロセスを開発し,データセンター内の電気配線
を補完する光技術の導入を可能にした。現在,データセンターのラック間
の通信は依然として電気配線で行なわれている。電気配線はGPUアクセラ
レーターに接続されるが,GPUアクセラレーターは半分以上の時間はアイ
ドル状態であり,大規模な分散学習プロセス時には他のデバイスからの信
号を待つため,膨大な費用とエネルギーを消費する。

今回同社は,新しいCPOプロトタイプ・モジュールを開発した。この技術
は,データセンター内の通信の帯域幅を大幅に拡大し,GPUのアイドリン
グ・タイムを最小化しながら,AIの処理能力を大幅に向上させる可能性が
ある。
これにより,ミッドレンジの電気配線と比較して消費電力は1/5以
下になり,従来の電気配線と比較して最大5倍高速に大規模言語モデル(L
LM)を学習でき,より大規模なモデルとより多くのGPUを使用してパフォ
ーマンスの向上を図れるとする。さらに,1つのAIモデルの学習ごとに,

米国の5,000世帯の年間消費電力に相当する電力を節電できるだけでなく
今後はチップ間でも光通信が可能になる。



🪄
CPO(Co-Packged-Optics)とは:

✳️ JDI,台湾Innoluxとコントラスト690倍のOLEDで提携
ジャパンディスプレイ(JDI)は,ディスプレーメーカー台湾Innolux Corporation
と,同社の子会社で,車載ディスプレーソリューションのTier1 サプライヤーで
あるシンガポールCarUX Technology Pte. Ltd.との間で,eLEAP戦略提携の契
約を2024年12月3日付で締結した。

【関連特許最新技術】
5. 特開2022-158973 表示装置、表示モジュール、電子機器、及び、表示
装置の作製方法 株式会社半導体エネルギー研究所

【詳細説明】
【0164】  本実施の形態の表示装置は、発光デバイス間の距離を狭くす
ることができる。具体的には、発光デバイス間の距離、EL層間の距離、
または画素電極間の距離を、10μm未満、5μm以下、3μm以下、2μm
以下、1μm以下、500nm以下、200nm以下、100nm以下、
90nm以下、70nm以下、50nm以下、30nm以下、20nm以下
、15nm以下、または10nm以下とすることができる。別言すると、
第1の層113aの側面と第2の層113bの側面との間隔、または第2
の層113bの側面と第3の層113cの側面との間隔が1μm以下の領域
を有し、好ましくは0.5μm(500nm)以下の領域を有し、さらに好
ましくは100nm以下の領域を有する。
【0165】基板120の樹脂層122側の面には、遮光層を設けてもよ
い。また、基板120の外側(樹脂層122と反対側の面)には各種光学
部材を配置することができる。光学部材としては、偏光板、位相差板、光
拡散層(拡散フィルムなど)、反射防止層、及び集光フィルム等が挙げら
れる。また、基板120の外側には、ゴミの付着を抑制する帯電防止膜、
汚れを付着しにくくする撥水性の膜、使用に伴う傷の発生を抑制するハー
ドコート膜、衝撃吸収層等を配置してもよい。
【0166】基板120には、ガラス、石英、セラミック、サファイア、
樹脂、金属、合金、半導体などを用いることができる。発光デバイスから
の光を取り出す側の基板には、該光を透過する材料を用いる。基板120
に可撓性を有する材料を用いると、表示装置の可撓性を高めることができ
る。また、基板120として偏光板を用いてもよい。
【0167】基板120としては、それぞれ、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹
脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメ
チルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテル
スルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポ
リシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミ
ドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリ
デン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE
)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる
。基板120に、可撓性を有する程度の厚さのガラスを用いてもよい。
【0168】なお、表示装置に円偏光板を重ねる場合、表示装置が有する
基板には、光学等方性の高い基板を用いることが好ましい。光学等方性が
高い基板は、複屈折が小さい(複屈折量が小さい、ともいえる)。
【0169】光学等方性が高い基板のリタデーション(位相差)値の絶対
値は、30nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、10nm
以下がさらに好ましい。
【0170】光学等方性が高いフィルムとしては、トリアセチルセルロー
ス(TAC、セルローストリアセテートともいう)フィルム、シクロオレ
フィンポリマー(COP)フィルム、シクロオレフィンコポリマー(CO
C)フィルム、及びアクリルフィルム等が挙げられる。
【0171】また、基板としてフィルムを用いる場合、フィルムが吸水す
ることで、表示パネルにしわが発生するなどの形状変化が生じる恐れがあ
る。そのため、基板には、吸水率の低いフィルムを用いることが好ましい。
例えば、吸水率が1%以下のフィルムを用いることが好ましく、0.1%
以下のフィルムを用いることがより好ましく、0.01%以下のフィルム
を用いることがさらに好ましい。
【0172】樹脂層122としては、紫外線硬化型等の光硬化型接着剤、
反応硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、嫌気型接着剤などの各種硬化型接着
剤を用いることができる。これら接着剤としてはエポキシ樹脂、アクリル
樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、イミド樹脂、
PVC(ポリビニルクロライド)樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)樹
脂、EVA(エチレンビニルアセテート)樹脂等が挙げられる。特に、エ
ポキシ樹脂等の透湿性が低い材料が好ましい。また、二液混合型の樹脂を
用いてもよい。また、接着シート等を用いてもよい。
【0173】トランジスタのゲート電極、ソース電極及びドレイン電極のほ
か、表示装置を構成する各種配線及び電極などの導電層に用いることので
きる材料としては、アルミニウム、チタン、クロム、ニッケル、銅、イッ
トリウム、ジルコニウム、モリブデン、銀、タンタル、及びタングステン
などの金属、並びに、当該金属を主成分とする合金などが挙げられる。こ
れらの材料を含む膜を単層で、または積層構造として用いることができる。
【0174】また、透光性を有する導電材料としては、酸化インジウム、
インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛、ガリウムを含む
酸化亜鉛などの導電性酸化物またはグラフェンを用いることができる。ま
たは、金、銀、白金、マグネシウム、ニッケル、タングステン、クロム、
モリブデン、鉄、コバルト、銅、パラジウム、及びチタンなどの金属材料
または、該金属材料を含む合金材料を用いることができる。または、該金
属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)などを用いてもよい。なお、金属
材料、または、合金材料(またはそれらの窒化物)を用いる場合には、透
光性を有する程度に薄くすることが好ましい。また、上記材料の積層膜を
導電層として用いることができる。例えば、銀とマグネシウムの合金とイ
ンジウムスズ酸化物の積層膜などを用いると、導電性を高めることができ
るため好ましい。これらは、表示装置を構成する各種配線及び電極などの
導電層、及び、発光デバイスが有する導電層(画素電極または共通電極と
して機能する導電層)にも用いることができる。
【0175】各絶縁層に用いることのできる絶縁材料としては、例えば、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの樹脂、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、
窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウムなどの無機絶縁材料
が挙げられる。


図2 図2(A)及び図2(B)は、表示装置の一例を示す断面図

【符号の説明】【0642】
AL    配線 CL    配線 GL    配線 RL    配線 SL    配線 SLB 
   配線 SLG    配線 SLR    配線 10    表示装置 11    表示部
12    駆動回路部 13    駆動回路部 21    画素 21R    副画素
21G    副画素 21B    副画素 30    画素 70    電子機器 72    
支持体 74    机 100    表示装置 100A    表示装置 100B   
表示装置 100C    表示装置 100D    表示装置 100E    表示装
置 100F    表示装置 100G    表示装置 101    層 110    画
素 110a    副画素 110b    副画素 110c    副画素 110d   
 副画素 111a    画素電極 111b    画素電極 111c    画素電極
111d    画素電極 113a    第1の層 113A    第1の層 113b   
 第2の層 113c    第3の層 113d    第4の層 114    第5の層
115    共通電極 117    遮光層 118    第1の犠牲層 118a   
 第1の犠牲層 118A    第1の犠牲層 119    第2の犠牲層 119a 
   第2の犠牲層 119A    第2の犠牲層 120    基板 121    絶縁層
121a    絶縁層 121b    絶縁層 122    樹脂層 123    導電層
124a    画素 124b    画素 125    絶縁層 125A    絶縁膜
126    光学調整層 126a    光学調整層 126b    光学調整層
126c    光学調整層 127    絶縁層 127A    絶縁膜 129    色
変換層 129a    色変換層 129b    色変換層 129c    色変換層
130    発光デバイス 130a    発光デバイス 130b    発光デバイス
130c    発光デバイス 130d    発光デバイス 131    保護層 
132    保護層 133    絶縁層 134    マイクロレンズ 135    第
1の基板 136    第2の基板 139    領域 140    接続部 142   
 接着層 151    基板 152    基板 153    絶縁層 162    表示
部 164    回路 165    配線 166    導電層 172    FPC
173    IC 190a    レジストマスク 190b    レジストマスク
201    トランジスタ 204    接続部 205    トランジスタ 209    
トランジスタ 210    トランジスタ 211    絶縁層 213    絶縁層
214    絶縁層 215    絶縁層 218    絶縁層 221    導電層 
222a    導電層 222b    導電層 223    導電層 225    絶縁層
231    半導体層 231i    チャネル形成領域 231n    低抵抗領域
240    容量 241    導電層 242    接続層 243    絶縁層 245    
導電層 251    導電層 252    導電層 254    絶縁層 255a   
 絶縁層 255b    絶縁層 256    プラグ 261    絶縁層 262   
 絶縁層 263    絶縁層 264    絶縁層 265    絶縁層 271    
プラグ 274    プラグ 274a    導電層 274b    導電層 280    
表示モジュール 281    表示部 282    回路部 283    画素回路部
283a    画素回路 284    画素部 284a    画素 285    端子部
286    配線部 290    FPC 291    基板 292    基板 301    
基板 301A    基板 301B    基板 310    トランジスタ 310A
   トランジスタ 310B    トランジスタ 311    導電層 312    低
抵抗領域 313    絶縁層 314    絶縁層 315    素子分離層 320  
  トランジスタ 321    半導体層 323    絶縁層 324    導電層 
325    導電層 326    絶縁層 327    導電層 328    絶縁層
329    絶縁層 331    基板 332    絶縁層 335    絶縁層 336
    絶縁層 341    導電層 342    導電層 343    プラグ 344   
 絶縁層 345    絶縁層 346    絶縁層 347    バンプ 348    
接着層 401    基板 410    トランジスタ 410a    トランジスタ
411    半導体層 411i    チャネル形成領域 411n    低抵抗領域
412    絶縁層 413    導電層 414a    導電層 414b    導電層
415    導電層 416    絶縁層 421    絶縁層 422    絶縁層
423    絶縁層 426    絶縁層 431    導電層 450    トランジスタ
450a    トランジスタ 451    半導体層 452    絶縁層 453    
導電層 454a    導電層 454b    導電層 455    導電層 500    
表示装置 501    電極 502    電極 512Q_1    発光ユニット
512Q_2    発光ユニット 512Q_3    発光ユニット 512B    
発光ユニット 521    層 522    層 523Q_1    発光層 523
Q_2    発光層 523Q_3    発光層 524    層 525    層 531
 中間層 540    保護層 545G    色変換層 545R    色変換層 
550B    発光デバイス 700A    電子機器 700B    電子機器
721    筐体 723    装着部 727    イヤフォン部 750    イヤ
フォン 751    表示パネル 753    光学部材 756    表示領域 
757    フレーム 758    鼻パッド 800A    電子機器 800B    
電子機器 820    表示部 821    筐体 822    通信部 823   
 装着部 824    制御部 825    撮像部 827    イヤフォン部
832    レンズ 6500    電子機器 6501    筐体 6502    表示
部 6503    電源ボタン 6504    ボタン 6505    スピーカ 
6506    マイク 6507    カメラ 6508    光源 6510    保
護部材 6511    表示パネル 6512    光学部材 6513    タッチ
センサパネル 6515    FPC 6516    IC 6517    プリン
ト基板 6518    バッテリ 7000    表示部 7100    テレビジ
ョン装置 7101    筐体 7103    スタンド 7111    リモコン操
作機 7200    ノート型パーソナルコンピュータ 7211    筐体 
7212    キーボード 7213    ポインティングデバイス 7214   
 外部接続ポート 7300    デジタルサイネージ 7301    筐体 7
303    スピーカ 7311    情報端末機 7400    デジタルサイネージ
7401    柱 7411    情報端末機 9000    筐体 9001    表示
部 9002    カメラ 9003    スピーカ 9005    操作キー 90
06    接続端子 9007    センサ 9008    マイクロフォン 9050 
   アイコン 9051    情報 9052    情報 9053    情報 9054    
情報 9055    ヒンジ 9101    携帯情報端末 9102    携帯情報
端末 9103    タブレット端末 9200    携帯情報端末 9201    
携帯情報端末

図3(A)乃至図3(C)は、表示装置の一例を示す断面図

【0176】次に、図2および図3を用いて、表示装置100の断面形状
の変形例について説明する。
【0177】図2(A)に示すように、発光デバイス130a、130b、
130c上にそれぞれ異なる色の光に変換する機能を有する色変換層129a
、129b、129cを設けて、それぞれ異なる色の光を発する副画素1
10a、110b、110cを形成してもよい。
【0178】例えば、色変換層129aは、発光デバイス130aの呈す
る青色の光を黄色(Y)の光に変換することができ、色変換層129bは、
発光デバイス130bの呈する青色の光をシアン(C)の光に変換すること
ができ、色変換層129cは、発光デバイス130cの呈する青色の光を
マゼンタ(M)の光に変換することができる構成とすることができる。な
お、これに限られず、副画素110a、110b、110cの構成は、そ
れぞれ、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の構成としてもよい。
副画素110cが青色の光を呈する場合、発光デバイス130cからの青色
発光を、色変換層129cを介して外部に取り出すことで、色変換層129c
を有さない場合よりも、発光スペクトルの半値幅の狭い鮮やかな青色を呈す
る副画素とすることが可能となる。
【0179】図2(B)に示すように、表示装置100にマイクロレンズ
134を設ける構成にしてもよい。ここで、図2(B)に示す表示装置
100は、第1の基板135と、第2の基板136と、を有する。第1の
基板135は、層101と、画素電極111a、111b、111cと、
第1の層113aと、第2の層113bと、第3の層113cと、第5の
層114と、共通電極115と、保護層131、132と、絶縁層121
、125、127と、を含む。第2の基板136は、基板120と、色変
換層129a、129b、129cと、絶縁層133と、マイクロレンズ1
34と、を含む。

【0180】第2の基板136は、基板120を基準にすると、基板120
上に色変換層129が設けられ、色変換層129の上に絶縁層133が設け
られ、絶縁層133の上にマイクロレンズ134が設けられる。マイクロ
レンズ134および色変換層129は、対応するいずれかの発光デバイス1
30と重畳するように配置される。
【0181】マイクロレンズ134は、可視光に対して透光性の高い樹脂
またはガラスなどを用いればよい。マイクロレンズ134は、副画素ごと
に別個に形成されていてもよいし、複数の副画素で一体化されていてもよ
い。マイクロレンズ134を設けることで、発光デバイス130が発する
光を集光し、表示装置100からの光取り出し効率の向上を図ることがで
きる。
【0182】絶縁層133は、保護層131、132に用いることができ
る、無機絶縁膜または有機絶縁膜を用いればよい。また、絶縁層133は、
平坦化膜として機能することが好ましく、この場合、絶縁層133として
有機絶縁膜を用いることが好ましい。また、絶縁層133を設けない構成
にしてもよい。
【0183】図2(B)に示すように、表示装置100は、第1の基板135
と、第2の基板136を、樹脂層122によって、貼り合わせることで、
形成することができる。
【0184】また、図1(B)においては、絶縁層125を設ける構成を
示したが、本発明はこれに限られるものではなく、図3(A)に示すように、
絶縁層125を設けない構成にしてもよい。このとき、絶縁層127の下
面は、絶縁層121の上面に接する。また、絶縁層127には、第1の層1
13a、第2の層113b、及び第3の層113cに与えるダメージの少
ない有機材料を用いることが好ましい。例えば、絶縁層127には、ポリ
ビニルアルコール(PVA)、ポリビニルブチラル、ポリビニルピロリド
ン、ポリエチレングリコール、ポリグリセリン、プルラン、水溶性のセル
ロース、またはアルコール可溶性のポリアミド樹脂などの有機材料を用い
ることが好ましい。
【0185】また、図1(B)においては、絶縁層125の上面及び絶縁
層127の上面の高さが、それぞれ、第1の層113a、第2の層113
b、及び、第3の層113cの少なくとも一つの上面の高さと一致または
概略一致する構成を示したが、本発明はこれに限られるものではない。例
えば、図3(B)に示すように、絶縁層125の上面及び絶縁層127の
上面が、第1の層113aの上面、第2の層113bの上面、及び、第3
の層113cの上面より高くなる構成にしてもよい。
【0186】図3(B)に示すように、第1の層113a、第2の層113
b、または第3の層113cの上に、第1の犠牲層118、および第2の
犠牲層119の一方または両方が形成される場合がある。例えば、第1の
層113aの上面、第2の層113bの上面、及び、第3の層113cの
上面に、第1の犠牲層118が形成され、第1の犠牲層118の上に第2
の犠牲層119が形成される。第1の犠牲層118の一方の側面、および
第2の犠牲層119の一方の側面は、絶縁層125に接する。また、第1
の犠牲層118の他方の側面、および第2の犠牲層119の他方の側面は、
第5の層114に接する。なお、第1の犠牲層118、および第2の犠
牲層119は、表示装置100の作製工程において用いられる犠牲層であ
り、詳細は後述する。
【0187】ここで、第1の犠牲層118の側面、第2の犠牲層119の
側面、絶縁層125の側面の一部、及び絶縁層127の側面の一部によっ
て、形成される平面(第5の層114と接する側の面)は、断面視におい
て、テーパー形状を有することが好ましい。当該平面が断面視において、
テーパー形状を有することで、第1の犠牲層118、第2の犠牲層119、
絶縁層125、及び絶縁層127を覆って形成される第5の層114及び
共通電極115を被覆性良く形成し、第5の層114及び共通電極115
に段切れなどが発生するのを防ぐことができる。
【0188】また、図2(B)においては、マイクロレンズ134を基板
120側に設ける構成を示したが、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、図3(C)に示すように、マイクロレンズ134を、層101側に
設ける構成にしてもよい。この場合、色変換層129の上に絶縁層133を
設け、絶縁層133上にマイクロレンズ134を設ければよい。マイクロレ
ンズ134上に設けられた樹脂層122によって基板120が貼り合わさ
れる。
【0189】なお、本発明の一態様の表示装置は、3色の副画素で1つの
色を表現する構成に限られない。例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)、
W(白)の4色の副画素で1つの色を表現する構成を適用してもよい。図4
に4種類の副画素で画素を構成する例を示す。

図4(A)は、表示装置の一例を示す上面図である。図4(B)は、表示
装置
の一例を示す断面図

【0190】図4(A)に示すように、画素は副画素を4種類有する構成
とすることができる。
【0191】図4(A)に表示装置100の上面図を示す。表示装置100
は、複数の画素110がマトリクス状に配置された表示部と、表示部の外
側の接続部140と、を有する。
【0192】図4(A)に示す画素110は、副画素110a、110b、
110c、110dの、4種類の副画素ら構成される。
【0193】例えば、副画素110a、110b、110c、110dは、
それぞれ異なる色の光を発する構成とすることができる。副画素110dも、
副画素110a、110b、110cと同様に、青色光を発する発光デバ
イス130dを有する。例えば、副画素110aは、青色の光を赤色の光
に変換することができる色変換層129aを有し、副画素110bは、青
色の光を緑色の光に変換することができる色変換層129bを有し、副画
素110cは、青色の光を白色の光に変換することができる色変換層12
9cを有し、副画素110dは色変換層を有さない構成とする。このよう
な構成にすることで、例えば、副画素110a、110b、110cは、
それぞれ、赤色、緑色、白色の副画素とすることができ、副画素110d
は、青色の副画素とすることができる。
【0194】図4(A)では、1つの画素110が2行3列で構成されて
いる例を示す。画素110は、上の行(1行目)に、3つの副画素(副画
素110a、110b、110c)を有し、下の行(2行目)に、3つの
副画素110dを有する。言い換えると、画素110は、左の列(1列目
)に、副画素110a及び副画素110dを有し、中央の列(2列目)に
副画素110b及び副画素110dを有し、右の列(3列目)に副画素
110c及び副画素110dを有する。図4(A)に示すように、上の行と
下の行との副画素の配置を揃える構成とすることで、製造プロセスで生じ
うるゴミなどを効率よく除去することが可能となる。したがって、表示品
位の高い表示装置を提供することができる。
【0195】図4(B)に、図4(A)における一点鎖線X3-X4間の
断面図を示す。図4(B)に示す構成は、発光デバイス130dを有する
点以外は、図1(B)と同様の構成である。したがって、図1(B)と同
様の部分については説明を省略する。
【0196】図4(B)に示すように、表示装置100は、層101上に、
発光デバイス130a、130b、130c、130dが設けられ、これ
らの発光デバイスを覆うように保護層131、132が設けられている。
保護層132上には、樹脂層122によって基板120が貼り合わされて
いる。また、隣り合う発光デバイスの間の領域には、絶縁層125及び絶
縁層127が設けられている。絶縁層125及び絶縁層127は絶縁層1
21上に設けられる。
【0197】発光デバイス130a、130b、130c、130dは、
青色の光を発する。発光デバイス130aに重畳して色変換層129aが
設けられ、発光デバイス130bに重畳して色変換層129bが設けられ、
発光デバイス130cに重畳して色変換層129cが設けられる。発光デ
バイス130dの上には色変換層が設けられない。例えば、色変換層129a
が青色の光を赤色(R)の光へ変換し、色変換層129bが青色の光を緑
色(G)の光へ変換し、色変換層129cが青色の光を白色(W)の光へ
変換する構成にすることで、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、白色(
W)の4色の光を発する組み合わせにすることができる。
【0198】発光デバイス130dは、層101上の画素電極111dと、
画素電極111d上の島状の第4の層113dと、島状の第4の層113
d上の第5の層114と、第5の層114上の共通電極115と、を有す
る。発光デバイス130dにおいて、第4の層113d、及び、第5の層
114をまとめてEL層と呼ぶことができる。なお、画素電極111dは、
画素電極111a、111b、111cと同様の材料を用いればよい。ま
た、第4の層113dは、第1の層113a、第2の層113b、及び第
3の層113cと同様の材料を用いればよい。
【0199】画素110が有する3つの副画素110dは、それぞれ独立
に発光デバイス130dを有していてもよく、1つの発光デバイス130d
を共通して有していてもよい。つまり、画素110は、発光デバイス130d
を1つ有していてもよく、3つ有していてもよい。

【0200】【画素のレイアウト]
  次に、図1(A)及び図4(A)とは異なる画素レイアウトについて説明
する。副画素の配列に特に限定はなく、様々な方法を適用することができ
る。副画素の配列としては、例えば、ストライプ配列、Sストライプ配列、
マトリクス配列、デルタ配列、ベイヤー配列、ペンタイル配列などが挙げ
られる。
                           この項つづく

 

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エネルギーと環境75

2024年12月12日 | 光電融合デバイス事業

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:12月12日】

 

         浮寢鳥数だけ別れし雪伊吹   

                 高山 宇 (赤鬼)

 

【関連特許最新技術】
5. 特開2022-158973 表示装置、表示モジュール、電子機器、及び、表
示装置の作製方法 株式会社半導体エネルギー研究所

【発明を実施するための形態】
【0036】(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置とその作製方法について図
1乃至図13を用いて説明する。


図13(A)乃至図13(F)は、表示装置の作製方法の一例を示す断面図

【0040】各画素の発光デバイスを、青色発光の有機ELデバイスで形
成する場合、各画素において、発光層の塗分けを行う必要がない。よって、
発光デバイスに含まれる画素電極以外の層(例えば発光層など)を、各画
素で共通にすることができる。しかしながら、発光デバイスに含まれる層
には、比較的導電性が高い層もあり、導電性が高い層が各画素で共通で設
けられることで、画素間にリーク電流が発生する場合がある。特に、表示
装置が高精細化または高開口率化され、画素間の距離が小さくなると、当
該リーク電流は無視できない大きさになり、表示装置の表示品位の低下な
どを引き起こす恐れがある。そこで、本発明の一態様に係る表示装置では、
各画素において、発光デバイスの少なくとも一部を島状に形成することで、
表示装置の高精細化と高信頼性化を図る。ここで、当該発光デバイスの島
状に形成する部分には、発光層を含むものとする。
【0041】なお、本明細書等において、島状とは、同一工程で形成され
た同一材料を用いた2以上の層が、物理的に分離されている状態であるこ
とを示す。例えば、島状の発光層とは、当該発光層と、隣接する発光層と
が、物理的に分離されている状態であることを示す。
【0042】例えば、メタルマスク(シャドーマスクともいう)を用いた
真空蒸着法により、島状の発光層を成膜することができる。しかし、この
方法では、メタルマスクの寸法精度、メタルマスクと基板との位置ずれ、
メタルマスクのたわみ、及び蒸気の散乱などによる成膜される膜の輪郭の
広がりなど、様々な影響により、島状の発光層の形状及び位置に設計から
のずれが生じるため、表示装置の高精細化、及び高開口率化が困難である。
また、蒸着の際に、層の輪郭がぼやけて、端部の厚さが薄くなることがあ
る。つまり、島状の発光層は場所によって厚さにばらつきが生じることが
ある。また、大型、高解像度、または高精細な表示装置を作製する場合、
メタルマスクの寸法精度の低さ、及び、熱等による変形により、製造歩留
まりが低くなる懸念がある

【0043】本発明の一態様の表示装置の作製方法では、島状の画素電極
(下部電極ともいえる)を形成し、画素電極の端部を覆う絶縁層を形成し
た後、発光層を含む層(EL層、またはEL層の一部、ということができ
る)を一面に形成し、EL層上に犠牲層(マスク層ともいう)を形成する。
そして、犠牲層上にレジストマスクを形成し、レジストマスクを用いて、
EL層と犠牲層を加工することで、島状の画素電極上に島状のEL層を形
成する。ここでEL層とは少なくとも発光層を含み、発光ユニットという
こともできる。
【0044】このように、本発明の一態様の表示装置の作製方法では、島
状のEL層は、メタルマスクのパターンによって形成されるのではなく、
EL層を一面に成膜した後に加工することで形成される。したがって、こ
れまで実現が困難であった高精細な表示装置または高開口率の表示装置を
実現することができる。また、EL層上に犠牲層を設けることで、表示装
置の作製工程中にEL層が受けるダメージを低減し、発光デバイスの信頼
性を高めることができる。

【0045】 隣り合う発光デバイスの間隔について、例えばメタルマスク
を用いた形成方法では10μm未満にすることは困難であるが、上記方法
であれば、8μm以下、6μm以下、4μm以下、3μm以下、2μm以下、
または、1μm以下にまで狭めることができる。さらに、例えばLSI向
けの露光装置を用いることで、500nm以下、200nm以下、100
nm以下、さらには50nm以下にまで間隔を狭めることもできる。これ
により、2つの発光デバイス間に存在しうる非発光領域の面積を大幅に縮
小することができ、開口率を100%に近づけることが可能となる。例え
ば、開口率は、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、さら
には90%以上であって、100%未満を実現することもできる。

【0046】また、EL層自体のパターンについても、メタルマスクを用
いた場合に比べて極めて小さくすることができる。また、例えばEL層の
作り分けにメタルマスクを用いた場合では、パターンの中央と端で厚さの
ばらつきが生じるため、パターン全体の面積に対して、発光領域として使
用できる有効な面積は小さくなる。一方、上記作製方法では、均一な厚さ
に成膜した膜を加工することでパターンを形成するため、パターン内で厚
さを均一にでき、微細なパターンであっても、そのほぼ全域を発光領域と
して用いることができる。そのため、高い精細度と高い開口率を兼ね備え
た表示装置を作製することができる。
【0047】なお、青色光を発する発光デバイスにおいて、EL層を構成
する全ての層を島状に形成する必要はなく、一部の層は同一工程で成膜す
ることができる。本発明の一態様の表示装置の作製方法では、EL層を構
成する一部の層を画素ごとに島状に形成した後、犠牲層を除去し、EL層
を構成する残りの層(例えば、キャリア注入層など)と、共通電極(上部
電極ともいえる)と、を共通して形成することができる。
【0048】一方で、キャリア注入層は、発光デバイスの中では、比較的
導電性が高い層であることが多い。そのため、キャリア注入層が、島状の
EL層の側面に接することで、発光デバイスがショートする恐れがある。
なお、キャリア注入層を島状に設け、共通電極のみを発光デバイス間で共
通して形成する場合についても、共通電極と、島状のEL層の側面、また
は、画素電極の側面とが接することで、発光デバイスがショートする恐れ
がある。
【0049】そこで、本発明の一態様の表示装置は、島状のEL層(例え
ば発光層)の側面を覆う絶縁層と、画素電極の端部を覆う絶縁層と、を有
する。これにより、島状のEL層の少なくとも一部の層、及び画素電極が、
キャリア注入層または共通電極と接することを抑制できる。したがって、
発光デバイスのショートを抑制し、発光デバイスの信頼性を高めることが
できる。
【0050】本発明の一態様の表示装置は、陽極として機能する画素電極
と、画素電極上にこの順で設けられた、それぞれ島状の、正孔注入層、正
孔輸送層、発光層、及び、電子輸送層と、画素電極の端部を覆う絶縁層と、
正孔注入層、正孔輸送層、発光層、及び、電子輸送層のそれぞれの側面を
覆うように設けられた絶縁層と、電子輸送層上に設けられた電子注入層と、
電子注入層上に設けられ、陰極として機能する共通電極と、を有する。
【0051】または、本発明の一態様の表示装置は、陰極として機能する
画素電極と、画素電極上にこの順で設けられた、それぞれ島状の、電子注
入層、電子輸送層、発光層、及び、正孔輸送層と、画素電極の端部を覆う
絶縁層と、電子注入層、電子輸送層、発光層、及び、正孔輸送層のそれぞ
れの側面を覆うように設けられた絶縁層と、正孔輸送層上に設けられた正
孔注入層と、正孔注入層上に設けられ、陽極として機能する共通電極と、
を有する。
【0052】または、本発明の一態様の表示装置は、画素電極と、画素電
極上の第1の発光ユニットと、第1の発光ユニット上の中間層(電荷発生
層ともいう)と、中間層上の第2の発光ユニットと、画素電極の端部を覆
う絶縁層と、第1の発光ユニット、中間層、及び、第2の発光ユニットの
それぞれの側面を覆うように設けられた絶縁層と、第2の発光ユニット上
に設けられた共通電極と、を有する。なお、第2の発光ユニットと共通電
極との間に、各色の発光デバイスに共通の層が設けられていてもよい。
【0053】正孔注入層、電子注入層、または電荷発生層などは、EL層
の中では、比較的導電性が高い層であることが多い。本発明の一態様の表
示装置では、これらの層の側面が絶縁層で覆われるため、共通電極などと
接することを抑制することができる。したがって、発光デバイスのショー
トを抑制し、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0054】また、本発明の一態様の表示装置は、各画素が有する発光デ
バイスがいずれも青色の光を呈し、色変換層によって異なる波長の光へと
変換することで、フルカラー化を達成している。従って、白色の光を呈す
る発光デバイスを作製する場合と比較して、成膜するEL層の層数や材料
の種類を削減することができるため、製造装置及び工程を簡素化して歩留
まりを向上させることができる。

【0055】このような構成とすることで、精細度または解像度が高く、
信頼性の高い、表示装置を作製することができる。例えばペンタイル方式
などの特殊な画素配列方式を適用し、疑似的に精細度を高める必要が無く、
1つの画素に3つ以上の副画素を用いた配列方法であっても、極めて高精
細な表示装置を実現できる。例えば、R、G、Bをそれぞれ一方向に配列
させた、いわゆるストライプ配置で、且つ、500ppi以上、1000
ppi以上、または2000ppi以上、さらには3000ppi以上、
さらには5000ppi以上の精細度の表示装置を実現することができる。
【0056】色変換層としては、蛍光体、または量子ドット(QD:Quー
antum  Dot)を用いることが好ましい。量子ドットは、発光スペク
トルのピーク幅が狭く、色純度のよい発光を得ることができる。これによ
り、表示装置の表示品位を高めることができる。
【0057】EL層などの側面を覆う絶縁層は、単層構造であってもよく
積層構造であってもよい。特に、2層構造の絶縁層を適用することが好ま
しい。例えば、絶縁層の1層目は、EL層に接して形成されるため、無機
絶縁材料を用いて形成することが好ましい。特に、成膜ダメージが小さい
原子層堆積(ALD:Atomic  Layer  Deposition)
法を用いて形成することが好ましい。そのほか、ALD法よりも成膜速度
が速い、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical  
Vapor  Deposition)法、または、プラズマ化学気相堆積
(PECVD:Plasma  Enhanced  CVD)法を用いて無機
絶縁層を形成することが好ましい。これにより、信頼性の高い表示装置を
生産性高く作製することができる。また、絶縁層の2層目は、1層目の絶
縁層に形成された凹部を平坦化するように、有機材料を用いて形成するこ
とが好ましい。
【0058】例えば、絶縁層の1層目に、ALD法により形成した酸化ア
ルミニウム膜を用い、絶縁層の2層目に、感光性の有機樹脂膜を用いるこ
とができる。
【0059】また、単層構造の絶縁層を形成してもよい。例えば、無機材
料を用いた単層構造の絶縁層を形成することで、当該絶縁層をEL層の保
護絶縁層として用いることができる。これにより、表示装置の信頼性を高
めることができる。また、例えば、有機材料を用いた単層構造の絶縁層を
形成することで、隣り合うEL層の間を当該絶縁層で充填し、平坦化する
ことができる。これにより、EL層及び絶縁層上に形成する共通電極(上
部電極
 )の被覆性を高めることができる。
【0060】[表示装置の構成例1] 図1(A)及び図1(B)に、本発
明の一態様の表示装置を示す。
【0061】  図1(A)に表示装置100の上面図を示す。表示装置100
は、複数の画素110がマトリクス状に配置された表示部と、表示部の外
側の接続部140と、を有する。
【0062】図1では、副画素110aと副画素110bは、それぞれ発
光デバイス130a、130bに重畳して色変換層129a、129b(
以下、まとめて色変換層129と呼ぶ場合がある。)が設けられ、副画素
110cは色変換層を有さない構成を有している。例えば、色変換層12
9aは、青色の光を赤色の光に変換することができ、色変換層129bは
青色の光を緑色の光に変換することができる。これによって、副画素110a
では赤色の光が外部に取り出され、副画素110bでは緑色の光が外部に
取り出される。色変換層を有さない副画素110cでは、発光デバイス1
30cが呈した青色の光が取り出される。なお、副画素110a、110b、
110cの構成は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色に限られ
ず、例えば副画素110cに色変換層を設けて、黄色(Y)、シアン(C)、
及びマゼンタ(M)の3色の副画素などとしてもよい。
【0065】図1(B)に、図1(A)における一点鎖線X1-X2間
の断面図を示す。
【0066】図1(B)に示すように、表示装置100は、トランジスタ
(図示しない)を含む層101上に、発光デバイス130a、130b、
130cが設けられ、これらの発光デバイスを覆うように保護層131、
132が設けられている。保護層132上には、色変換層129a、129
bが設けられている。さらにその上に、樹脂層122によって基板120
が貼り合わされている。また、隣り合う発光デバイスの間の領域には、絶
縁層125と、絶縁層125上の絶縁層127と、が設けられている。
【0067】本発明の一態様の表示装置は、発光デバイスが形成されてい
る基板とは反対方向に光を射出する上面射出型(トップエミッション型)、
発光デバイスが形成されている基板側に光を射出する下面射出型(ボトム
エミッション型)、両面に光を射出する両面射出型(デュアルエミッショ
ン型)のいずれであってもよい。
【0068】層101には、例えば、基板に複数のトランジスタ(図示し
ない)が設けられ、これらのトランジスタを覆うように絶縁層が設けられ
た積層構造を適用することができる。層101は、隣り合う発光デバイス
の間に凹部を有していてもよい。例えば、層101の最表面に位置する絶
縁層に凹部が設けられていてもよい。層101の構成例は、実施の形態3、
4で後述する。
【0069】発光デバイス130a、130b、130cは、それぞれ、
(B)の光を発することが好ましい。発光デバイス130a、130b上
にそれぞれ異なる色の光に変換する機能を有する色変換層129a、12
9bを設け、発光デバイス130c上には色変換層を設けない構成とする
ことで、それぞれ異なる色の光を発する副画素110a、110b、11
0cを形成することができる。

【0070】 なお、本発明の一態様の表示装置に用いることが可能な発光
デバイス130a、130b、130cとしては青色の光を発する発光デ
バイスに限られず、例えば紫外光を発する発光デバイスを適用することも
できる。発光デバイス130a、130b、130cとして紫外光を発す
る発光デバイスを適用した場合には、発光デバイス130a、130b、
130cに重畳して、それぞれ異なる色の光に変換する機能を有する色変
換層129を設けるとよい。例えば、色変換層129aとして、紫外光を
赤色の波長の光に変換する色変換層を設け、色変換層129bとして、紫
外光を緑色の波長の光に変換する色変換層を設け、発光デバイス130c
上に、紫外光を青色の波長の光に変換する色変換層を設けることができる。
これによって、副画素110aでは赤色の光が外部に取り出され、副画素
110bでは緑色の光が外部に取り出され、副画素110cでは青色の光
が外部に取り出され、表示装置をフルカラー化することができる。

【0071】発光デバイス130a、130b、130cとしては、OL
ED
、またはQLEDなどのELデバイスを用いることが好ましい。EL
デバイスが有する発光物質としては、蛍光を発する物質(蛍光材料)、燐
光を発する物質(燐光材料)、無機化合物(量子ドット材料など)、熱活
性化遅延蛍光を示す物質(熱活性化遅延蛍光(TADF)材料)などが挙
げられる。なお、TADF材料としては、一重項励起状態と三重項励起状
態間が熱平衡状態にある材料を用いてもよい。このようなTADF材料
発光寿命(励起寿命)が短くなるため、発光デバイスにおける高輝度領域
での効率低下を抑制することができる。
【0072】発光デバイスは、一対の電極間にEL層を有する。本明細書
等では、一対の電極の一方を画素電極と記し、他方を共通電極と記すこと
がある。
【0073】発光デバイスが有する一対の電極のうち、一方の電極は陽極
として機能し、他方の電極は陰極として機能する。以下では、画素電極が
陽極として機能し、共通電極が陰極として機能する場合を例に挙げて説明
する。
【0074】発光デバイス130aは、層101上の画素電極111aと
画素電極111a上の島状の第1の層113aと、島状の第1の層113a
上の第5の層114と、第5の層114上の共通電極115と、を有する。
発光デバイス130aにおいて、第1の層113a、及び、第5の層114
をまとめてEL層と呼ぶことができる。
【0075】 本実施の形態の発光デバイスの構成に、特に限定はなく、シ
ングル構造であってもタンデム構造であってもよい。なお、発光デバイス
の構成例については、実施の形態2で後述する。
【0076】発光デバイス130bは、層101上の画素電極111bと
画素電極111b上の島状の第2の層113bと、島状の第2の層113
b上の第5の層114と、第5の層114上の共通電極115と、を有す
る。発光デバイス130bにおいて、第2の層113b、及び、第5の層
114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
【0077】発光デバイス130cは、層101上の画素電極111cと、
画素電極111c上の島状の第3の層113cと、島状の第3の層113
c上の第5の層114と、第5の層114上の共通電極115と、を有す
る。発光デバイス130cにおいて、第3の層113c、及び、第5の層
114をまとめてEL層と呼ぶことができる。
【0078】各色の発光デバイスにおいて、共通電極として、同一の膜を
共有している。各発光デバイスが共通して有する共通電極は、接続部140
に設けられた導電層と電気的に接続される。これにより、各発光デバイス
が有する共通電極には、同電位が供給される。
【0079】画素電極と共通電極のうち、光を取り出す側の電極には、可
視光を透過する導電膜を用いる。また、光を取り出さない側の電極には、
可視光を反射する導電膜を用いることが好ましい。

【0080】発光デバイスの一対の電極(画素電極と共通電極)を形成す
る材料としては、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物な
どを適宜用いることができる。具体的には、インジウムスズ酸化物(In
-Sn酸化物、ITOともいう)、In-Si-Sn酸化物(ITSOと
もいう)、インジウム亜鉛酸化物(In-Zn酸化物)、In-W-Zn
酸化物、アルミニウム、ニッケル、及びランタンの合金(Al-Ni-La
)等のアルミニウムを含む合金(アルミニウム合金)、及び、銀とパラジ
ウムと銅の合金(Ag-Pd-Cu、APCとも記す)が挙げられる。そ
の他、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、マンガ
ン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、
ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、スズ(Sn)、
モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、パラジウム
(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、イットリウム(Y)、
ネオジム(Nd)などの金属、及びこれらを適宜組み合わせて含む合金を
用いることもできる。その他、上記例示のない元素周期表の第1族または
第2族に属する元素(例えば、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カ
ルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr))、ユウロピウム(Eu)、
イッテルビウム(Yb)などの希土類金属及びこれらを適宜組み合わせて
含む合金、グラフェン等を用いることができる。

【0081】発光デバイスには、微小光共振器(マイクロキャビティ)構
造が適用されていることが好ましい。したがって、発光デバイスが有する
一対の電極の一方は、可視光に対する透過性及び反射性を有する電極(半
透過・半反射電極)を有することが好ましく、他方は、可視光に対する反
射性を有する電極(反射電極)を有することが好ましい。発光デバイスが
マイクロキャビティ構造を有することで、発光層から得られる発光を両電
極間で共振させ、発光デバイスから射出される光を強めることができる。
【0082】なお、半透過・半反射電極は、反射電極と可視光に対する透
過性を有する電極(透明電極ともいう)との積層構造とすることができる。
【0083】透明電極の光の透過率は、40%以上とする。例えば、発光
デバイスには、可視光(波長400nm以上750nm未満の光)の透過
率が40%以上である電極を用いることが好ましい。半透過・半反射電極
の可視光の反射率は、10%以上95%以下、好ましくは30%以上80
%以下とする。反射電極の可視光の反射率は、40%以上100%以下
好ましくは70%以上100%以下とする。また、これらの電極の抵抗率
は、1×10-2Ωcm以下が好ましい。
【0084】第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113c
は、それぞれ、島状に設けられる。第1の層113a、第2の層113b、
及び、第3の層113cは、それぞれ、発光層を有する。第1の層113a、
第2の層113b、及び、第3の層113cは、青色の光を発する発光層を
有することが好ましい。ここで、島状の第1の層113aと、島状の第2の
層113bと、島状の第3の層113cとは、それぞれ同一の材料を有す
ることが好ましい。つまり、島状の第1の層113a、島状の第2の層
113b、及び島状の第3の層113cは、それぞれ同じ工程で成膜され
た膜をパターニングして形成されることが好ましい。

【0085】発光層は、発光物質を含む層である。発光層は、1種または
複数種の発光物質を有することができる。発光物質としては、青色、紫色、
青紫色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、赤色などの発光色を呈する物質を適宜
用いる。また、発光物質として、近赤外光を発する物質を用いることもで
きる。
【0086】発光物質としては、蛍光材料、燐光材料、TADF材料、量
子ドット材料などが挙げられる。
【0087】蛍光材料としては、例えば、ピレン誘導体、アントラセン誘
導体、トリフェニレン誘導体、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、
ジベンゾチオフェン誘導体、ジベンゾフラン誘導体、ジベンゾキノキサリ
ン誘導体、キノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、フ
ェナントレン誘導体、ナフタレン誘導体などが挙げられる。
【0088】燐光材料としては、例えば、4H-トリアゾール骨格、1H
-トリアゾール骨格、イミダゾール骨格、ピリミジン骨格、ピラジン骨格、
またはピリジン骨格を有する有機金属錯体(特にイリジウム錯体)、電子
吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属錯体(特
にイリジウム錯体)、白金錯体、希土類金属錯体等が挙げられる。
【0089】発光層は、発光物質(ゲスト材料)に加えて、1種または複
数種の有機化合物(ホスト材料、アシスト材料等)を有していてもよい。
1種または複数種の有機化合物としては、正孔輸送性材料及び電子輸送性
材料の一方または双方を用いることができる。また、1種または複数種の
有機化合物として、バイポーラ性材料、またはTADF材料を用いてもよい。
【0090】光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組み
合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好ま
しい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光材
料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex-Tripー
let  Energy  Transfer)を用いた発光を効率よく得るこ
とができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるよう
な発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、
エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。こ
の構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実現
できる。

【0090】発光層は、例えば、燐光材料と、励起錯体を形成しやすい組
み合わせである正孔輸送性材料及び電子輸送性材料と、を有することが好
ましい。このような構成とすることにより、励起錯体から発光物質(燐光
材料)へのエネルギー移動であるExTET(Exciplex-Triー
plet  Energy  Transfer)を用いた発光を効率よく得る
ことができる。発光物質の最も低エネルギー側の吸収帯の波長と重なるよ
うな発光を呈する励起錯体を形成するような組み合わせを選択することで、
エネルギー移動がスムーズとなり、効率よく発光を得ることができる。
この構成により、発光デバイスの高効率、低電圧駆動、長寿命を同時に実
現できる。
【0091】第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113c
は、発光層以外の層として、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、
正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、電子
ブロック材料、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性及び正孔輸送性が
高い物質)等を含む層をさらに有していてもよい。
【0092】発光デバイスには低分子系化合物及び高分子系化合物のいず
れを用いることもでき、無機化合物を含んでいてもよい。発光デバイスを
構成する層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、
インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
【0093】例えば、第1の層113a、第2の層113b、及び、第3
の層113cは、それぞれ、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層、
電子ブロック層、電子輸送層、及び電子注入層のうち一つ以上を有してい
てもよい。
【0094】EL層のうち、各発光デバイスに共通して形成される層として
は、正孔注入層、正孔輸送層、正孔ブロック層(正孔抑止層と呼ぶ場合が
ある。)、電子ブロック層(電子抑止層と呼ぶ場合がある。)、電子輸送
層、及び電子注入層のうち一つ以上を適用することができる。例えば、第
5の層114として、キャリア注入層(正孔注入層または電子注入層)を
形成してもよい。なお、EL層の全ての層を色ごとに作り分けてもよい。
つまり、EL層は、各色に共通して形成される層を有していなくてもよい。
【0095】第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層11
3cは、それぞれ、発光層と、発光層上のキャリア輸送層を有することが
好ましい。これにより、表示装置100の作製工程中に、発光層が最表面
に露出することを抑制し、発光層が受けるダメージを低減することができ
る。これにより、発光デバイスの信頼性を高めることができる。
【0096】正孔注入層は、陽極から正孔輸送層に正孔を注入する層であ
り、正孔注入性の高い材料を含む層である。正孔注入性の高い材料として
は、芳香族アミン化合物、及び、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(
電子受容性材料)とを含む複合材料などが挙げられる。
【0097】正孔輸送層は、正孔注入層によって、陽極から注入された正
孔を発光層に輸送する層である。正孔輸送層は、正孔輸送性材料を含む層
である。正孔輸送性材料としては、1×10-6cm/Vs以上の正孔移
動度を有する物質が好ましい。なお、電子よりも正孔の輸送性の高い物質
であれば、これら以外のものも用いることができる。正孔輸送性材料とし
ては、π電子過剰型複素芳香族化合物(例えばカルバゾール誘導体、チオ
フェン誘導体、フラン誘導体など)、芳香族アミン(芳香族アミン骨格を
有する化合物)等の正孔輸送性の高い材料が好ましい。
【0098】 電子輸送層は、電子注入層によって、陰極から注入された電
子を発光層に輸送する層である。電子輸送層は、電子輸送性材料を含む層
である。電子輸送性材料としては、1×10-6cm/Vs以上の電子移
動度を有する物質が好ましい。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質
であれば、これら以外のものも用いることができる。電子輸送性材料として
は、キノリン骨格を有する金属錯体、ベンゾキノリン骨格を有する金属錯
体、オキサゾール骨格を有する金属錯体、チアゾール骨格を有する金属錯
体等の他、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール
誘導体、オキサゾール誘導体、チアゾール誘導体、フェナントロリン誘導
体、キノリン配位子を有するキノリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、キ
ノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピ
リジン誘導体、ピリミジン誘導体、その他含窒素複素芳香族化合物を含むπ
電子不足型複素芳香族化合物等の電子輸送性の高い材料を用いることがで
きる。
【0099】また、電子輸送層は、積層構造を有していても良く、また、
陽極側から発光層を通過して陰極側に移動するホールをブロックするため
の正孔ブロック層を発光層に接して有していても良い。

【0100】電子注入層は、陰極から電子輸送層に電子を注入する層であ
り、電子注入性の高い材料を含む層である。電子注入性の高い材料として
は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いるこ
とができる。電子注入性の高い材料としては、電子輸送性材料とドナー性
材料(電子供与性材料)とを含む複合材料を用いることもできる。
【0101】電子注入層としては、例えば、リチウム、セシウム、イッテル
ビウム、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化
カルシウム(CaF、xは任意数)、8-(キノリノラト)リチウム(略
称:Liq)、2-(2-ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiPP)
2-(2-ピリジル)-3-ピリジノラトリチウム(略称:LiPPy)、
4-フェニル-2-(2-ピリジル)フェノラトリチウム(略称:LiP
PP)、リチウム酸化物(LiO)、炭酸セシウム等のようなアルカリ金
属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物を用いることができる。また、
電子注入層としては、2以上の積層構造としてもよい。当該積層構造として
は、例えば、1層目にフッ化リチウムを用い、2層目にイッテルビウムを設
ける構成とすることができる。
【0102】
  または、電子注入層としては、電子輸送性材料を用いてもよい。例えば、
非共有電子対を備え、電子不足型複素芳香環を有する化合物を、電子輸送性
材料に用いることができる。具体的には、ピリジン環、ジアジン環(ピリ
ミジン環、ピラジン環、ピリダジン環)、トリアジン環の少なくとも一つ
を有する化合物を用いることができる。
【0103】
  なお、非共有電子対を備える有機化合物の最低空軌道(LUMO:
Lowest  Unoccupied  Molecular  Orbital
)が、-3.6eV以上-2.3eV以下であると好ましい。また、一般
にCV(サイクリックボルタンメトリ)、光電子分光法、光吸収分光法、
逆光電子分光法等により、有機化合物の最高被占有軌道(HOMO:
Highest  Occupied  Molecular  Orbital)
準位及びLUMO準位を見積もることができる。
【0104】
  例えば、4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:BP
hen)、2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-
1,10-フェナントロリン(略称:NBPhen)、ジキノキサリノ
[2,3-a:2’,3’-c]フェナジン(略称:HATNA)、2,4
,6-トリス[3’-(ピリジン-3-イル)ビフェニル-3-イル]-
1,3,5-トリアジン(略称:TmPPPyTz)等を、非共有電子対
を備える有機化合物に用いることができる。なお、NBPhenはBPh
enと比較して、高いガラス転移温度(Tg)を備え、耐熱性に優れる。
【0105】また、タンデム構造の発光デバイスを作製する場合、2つの
発光ユニットの間に、中間層を設ける。中間層は、一対の電極間に電圧を
印加したときに、2つの発光ユニットの一方に電子を注入し、他方に正孔
を注入する機能を有する。
【0106】中間層としては、例えば、リチウムなどの電子注入層に適用
可能な材料を好適に用いることができる。また、中間層としては、例えば、
正孔注入層に適用可能な材料を好適に用いることができる。また、中間層
には、正孔輸送性材料とアクセプター性材料(電子受容性材料)とを含む
層を用いることができる。また、中間層には、電子輸送性材料とドナー性
材料とを含む層を用いることができる。このような層を有する中間層を形
成することにより、発光ユニットが積層された場合における駆動電圧の上
昇を抑制することができる。
【0107】画素電極111a、111b、111cのそれぞれの端部は、
絶縁層121によって覆われている。
【0108】絶縁層121は、無機絶縁膜及び有機絶縁膜の一方または双
方を用いた、単層構造または積層構造とすることができる。
【0109】画素電極の端部を覆う絶縁層121として、無機絶縁膜を用
いると、有機絶縁膜を用いる場合よりも、発光デバイスに外部から不純物
が混入するのを防ぐ効果を高めることができる。そのため、発光デバイス
の信頼性を高めることができる。一方、画素電極の端部を覆う絶縁層121
として、有機絶縁膜を用いると、無機絶縁膜を用いる場合よりも、画素電
極の端部に対して被覆性良く形成することができる。そのため、発光デバ
イスのショートを防止できる。具体的には、絶縁層121として、有機絶
縁膜を用いると、絶縁層121の形状をテーパー形状などに加工すること
ができる。なお、本明細書等において、テーパー形状とは、構造の側面の
少なくとも一部が、基板面または被形成面に対して傾斜して設けられてい
る形状のことを指す。例えば、傾斜した側面と基板面または被形成面とが
なす角(テーパー角ともいう)が90度未満である領域を有すると好ましい。

【0110】  第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113
cのそれぞれの側面は、絶縁層121上に設けられた絶縁層125及び絶縁
層127によって覆われている。これにより、第5の層114(または共通
電極115)が、第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層
113cのいずれかの側面と接することを抑制し、発光デバイスのショー
トを抑制することができる。
【0111】  また、第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の
層113cがタンデム構造を有する場合、これらの層に含まれる、複数の発
光ユニット、および中間層のそれぞれの側面も、絶縁層125及び絶縁層
127によって覆われる。これにより、第5の層114(または共通電極
115)が、複数の発光ユニット、および中間層のいずれかの側面と接す
ることを抑制し、発光デバイスのショートを抑制することができる。
【0112】絶縁層125は、第1の層113a、第2の層113b、及
び、第3の層113cのそれぞれの側面を覆うことが好ましい。絶縁層125
は、第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cのそ
れぞれの側面と接する構成とすることができる。また、絶縁層125の下
面が、絶縁層121の上面と接する構成とすることができる。絶縁層125
は、無機材料を有する絶縁層とすることが好ましい。
【0113】絶縁層127は、絶縁層125に形成された凹部を充填するよ
うに、絶縁層125上に設けられる。絶縁層127は、絶縁層125を介し
て、第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cのそれ
ぞれの側面と、絶縁層121の上面と、重なる構成とすることができる。
絶縁層127は、有機材料を有する絶縁層とすることが好ましい。
【0114】なお、絶縁層125及び絶縁層127のいずれか一方を設けな
くてもよい。例えば、絶縁層125を設けない場合、絶縁層127は、第1
の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cのそれぞれの側
面と接する構成とすることができる。絶縁層125又は絶縁層127を設け
ない構成とすることで、表示装置の作製工程数を削減することが可能となる。
一方、無機材料を有する絶縁層125を第1の層113a、第2の層113b
、第3の層113cのそれぞれの側面に接して設けることで、これらの層
への不純物混入の抑制効果を高めることができる。また、絶縁層127を設
けることで、第5の層114及び共通電極115の形成面の平坦性を向上さ
せることができる。なお、絶縁層125及び絶縁層127を両方とも設けな
い構成とすることもできる。
【0115】第5の層114及び共通電極115は、第1の層113a、
第2の層113b、第3の層113c、絶縁層125、及び絶縁層127上
に設けられる。絶縁層125及び絶縁層127を設ける前の段階では、EL
層が設けられる領域と、EL層が設けられない領域(発光デバイス間の領
域)と、に起因する段差が生じている。本発明の一態様の表示装置は、絶
縁層125及び絶縁層127を有することで当該段差を平坦化させること
ができ、第5の層114及び共通電極115の被形成面に対する被覆性を
向上させることができる。したがって、第5の層114及び共通電極115
の段切れによる接続不良を抑制することができる。または、当該段差によ
って共通電極115が局所的に薄膜化して電気抵抗が上昇することを抑制
することができる。
【0116】なお、本明細書等において、段切れとは、層、膜、又は電極
が、被形成面の形状(例えば段差など)に起因して分断されてしまう現象を
示す。
【0117】第5の層114及び共通電極115の形成面の平坦性を向上
させるために、絶縁層125の上面及び絶縁層127の上面の高さは、それ
ぞれ、第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cの
少なくとも一つの上面の高さと一致または概略一致することが好ましい。
また、絶縁層127の上面は平坦な形状を有することが好ましく、凸部、
凸曲面、凹曲面、または凹部を有していてもよい。
【0118】絶縁層125は、第1の層113a、第2の層113b、及
び、第3の層113cのそれぞれの側面と接する領域を有し、第1の層113a
、第2の層113b、及び、第3の層113cの保護絶縁層として機能する。
絶縁層125を設けることで、第1の層113a、第2の層113b、及
び、第3の層113cのそれぞれの側面から内部へ不純物(酸素、水分等)
が侵入することを抑制でき、信頼性の高い表示装置とすることができる。
【0119】断面視において第1の層113a、第2の層113b、及び、
第3の層113cのそれぞれの側面と接する領域における絶縁層125の
幅(厚さ)が大きいと、第1の層113a、第2の層113b、及び、第
3の層113cのそれぞれの隣り合う間隔が大きくなり、開口率が低くな
ってしまう場合がある。また、絶縁層125の幅(厚さ)が小さいと、第1
の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113cのそれぞれの側
面から内部へ不純物が侵入することを抑制する効果が小さくなってしまう
場合がある。第1の層113a、第2の層113b、及び、第3の層113c
のそれぞれの側面と接する領域における絶縁層125の幅(厚さ)は、3nm
以上200nm以下が好ましく、さらには3nm以上150nm以下が好ま
しく、さらには5nm以上150nm以下が好ましく、さらには5nm以上
100nm以下が好ましく、さらには10nm以上100nm以下が好まし
く、さらには10nm以上50nm以下が好ましい。絶縁層125の幅(厚
さ)を前述の範囲とすることで、高い開口率を有し、かつ信頼性の高い表
示装置とすることができる。
                          この項つづく

    桑田佳祐 :白い恋人達』2022年11月23日

❄️自身出演のコカ・コーラ CMソングとして起用された楽曲。歌詞に "クリ
スマス" というワードは登場しないにもかかわらず、クリスマスを感じさせ
る楽曲となっており、この時期の定番曲として親しまれている。

今日の言葉:

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エネルギーと環境 67

2024年12月03日 | 光電融合デバイス事業

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:12月2日】 

          山茶花や華麗一輪世紀末    
   
                  高山 宇 (赤鬼)

【今日の短歌研究:能登半島地震⓶】

😊 ブロッコリ健康法:解体新書⓵

 

アンチョビ香る! ブロッコリーとたらのアヒージョのレシピ動画・作り方 | DELISH KITCHEN 
ブロッコリーとたらのアンチョビアヒージョ



【特許参考事例】
1. 特開2018-24737 自然免疫活性化作用を有する多糖類及び該多糖類を
含有する自然免疫活性化剤又は飲食品 株式会社ゲノム創薬研究所・イマ
ジン・グローバル・ケア
株式会社
【要約】下図7のごとく、自然免疫活性化作用を有する多糖類であって、構
成糖として、25~50モル部のガラクツロン酸、15~50モル部のガ
ラクトース、0~7モル部のグルコース、0~30モル部のアラビノース、
0~6モル部のキシロース、及び3~15モル部のラムノースを含有し、
主鎖として、α-1,4結合のガラクツロン酸を有するポリガラクツロン酸
鎖を含有することを特徴とする多糖類、該多糖類を有効成分として含有する
自然免疫活性化剤、及び該多糖類を含有する飲食品で、自然免疫活性化作
用を有する新規物質の提供を課題とする。


【図7】本発明の多糖類及び該多糖類処理物の化学構造の一例を示す模式図

【発明の効果】  本発明によれば、新規の化学構造を有する、自然免疫活性
化作用を有する多糖類を提供することができる。また、該多糖類を有効成
分として含有する自然免疫活性化剤や、該多糖類を含有する自然免疫活性
化作用を有する飲食品を提供することができる。

000003
【0059】表1は、17種の野菜の熱水抽出物について、カイコ筋収縮
活性測定法を用いて得られた比活性(C値)の結果である。比活性(C値)
が0.15以上を示した場合に自然免疫活性化能があると判定される。表
1の結果より、ブロッコリーの熱水抽出物に強い自然免疫活性化能が認め
られた。

✳️ NITE、株式会社ゲノム創薬研究所、学校法人帝京大学の三者が有望菌
株の優先使用に関する契約を締結 2023年3月30日

✳️ イマジン・グローバル・ケア株式会社に対する景品表示法に基づく措
置命令について[PDF:383.8 KB] 2019年11月01日


2. 特開2019-182776 自然免疫活性化剤の製造方法 株式会社ゲノム創
薬研究所 フォーデイズ株式会社
【要約】本発明の自然免疫活性化剤は、ブロッコリーに含まれる中性多糖
類を有効成分として含有することを特徴とする。また、本発明の自然免疫
活性化剤の製造方法は、ブロッコリーに含まれる中性多糖類を有効成分と
して含有する自然免疫活性化剤の製造方法であって、ブロッコリーを熱水
抽出する工程、及び、中性多糖類を回収する工程を含むことを特徴とする。
該熱水抽出する前に、該ブロッコリーを粉砕、細断又はすりおろしする工
程を含むことが好ましい、高い自然免疫活性化作用を有する新規物質を提
供すること。
【発明の効果】本発明によれば、これまでに知られなかった高い比活性を
有する、すなわち極めて高い自然免疫活性化作用を有する自然免疫活性化
剤を提供することができる。また、極めて高い自然免疫活性化作用を有す
る飲食品を提供することができる。
【特許請求の範囲】ブロッコリーに含まれる中性多糖類を有効成分として
含有することを特徴とする自然免疫活性化剤。
【請求項1】ブロッコリーに含まれる中性多糖類を有効成分として含有す
ることを特徴とする自然免疫活性化剤。
【請求項2】ブロッコリーに含まれる中性多糖類を有効成分として含有す
る自然免疫活性化剤の製造方法であって、少なくとも、ブロッコリーを熱
水抽出する工程、及び、中性多糖類を回収する工程を含むことを特徴とす
る自然免疫活性化剤の製造方法。
【請求項3】前記熱水抽出した後に、エタノール沈殿をする工程を含む請
求項2に記載の自然免疫活性化剤の製造方法。
【請求項4】前記中性多糖類を回収する工程が、陰イオン交換体への未吸
着画分を回収する工程である請求項2又は請求項3に記載の自然免疫活性
化剤の製造方法。
【請求項5】 前記陰イオン交換体が、DEAEセルロース担体である請求
項4に記載の自然免疫活性化剤の製造方法。
【請求項6】前記熱水抽出する前に、前記ブロッコリーを粉砕、細断又は
すりおろしする工程を含む請求項2ないし請求項5の何れかの請求項に記
載の自然免疫活性化剤の製造方法。
【請求項7】 前記粉砕、細断又はすりおろしする工程を10℃以下で行う
請求項6に記載の自然免疫活性化剤の製造方法。
【請求項8】前記熱水抽出の温度が80℃以上160℃以下であり、該熱
水抽出の時間が1分以上60分以下である請求項2ないし請求項7の何れ
かの請求項に記載の自然免疫活性化剤の製造方法。
【請求項9】ブロッコリーに含まれる中性多糖類を有効成分として含有し、
請求項2ないし請求項8の何れかの請求項に記載の自然免疫活性化剤の製
造方法で得られるようなものであることを特徴とする自然免疫活性化剤。
【請求項10】  請求項2ないし請求項8の何れかの請求項に記載の自然免
疫活性化剤の製造方法を用いることを特徴とする自然免疫活性化飲食品の
製造方法。


3. WO2018/034203 新規乳酸菌、新規乳酸菌を有効成分として含有する
自然免疫活性化剤、及び新規乳酸菌を含有する飲食品 株式会社ゲノム創
薬研究所 国立大学法人  東京大学
【要約】本発明の乳酸菌は、独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)
の特許微生物寄託センター(NPMD)における受託番号がNITE  BP-
02307であるロイコノストック(Leuconostoc)属に属する乳酸菌、
受託番号が、NITE  BP-02306であるロイコノストック(Leuco-
nostoc)属に属する乳酸菌、又は、受託番号がNITE  BP-02308
であるローイコノストック(Leuconostoc)属に属する乳酸菌である。本発
明の乳酸菌は高い自然免疫活性化作用を有する。
【発明の効果】
本発明によれば、これまでに知られている乳酸菌よりも高い自然免疫活性
化能を有する新規の乳酸菌を提供することができる。
 更には、該乳酸菌を有効成分とする自然免疫活性化剤、及び、該乳酸菌又
は該自然免疫活性化剤を含有する飲食品、並びに、該乳酸菌を用いて醗酵
する工程を用いて製造された飲食品を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生
物寄託センター(NPMD)における受託番号がNITE  BP-0230
7であるロイコノストック(Leuconostoc)属に属する乳酸菌。
【請求項2】独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生
物寄託センター(NPMD)における受託番号がNITE  BP-0230
6であるロイコノストック(Leuconostoc)属に属する乳酸菌。
【請求項3】独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生
物寄託センター(NPMD)における受託番号がNITE  BP-0230
8であるロイコノストック(Leuconostoc)属に属する乳酸菌。
【請求項4】請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の乳酸菌、
該乳酸菌の死菌又は該乳酸菌の処理物を有効成分とする自然免疫活性化剤
であって、該乳酸菌の処理物は、乳酸菌の、培養物、濃縮物、ペースト化
物、乾燥物、液状化物、希釈物、破砕物、殺菌加工物、及び、培養物から
の抽出物よりなる群から選ばれる少なくとも1つの処理物であることを特
徴とする自然免疫活性化剤。
【請求項5】請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の乳酸菌を
含有する飲食品。
【請求項6】請求項4に記載の自然免疫活性化剤を含有する飲食品。
【請求項7】請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の乳酸菌を
用いて醗酵する工程を用いて製造された飲食品。

4. 特開2024-14443 熱安定性グルコセレブロシダーゼ 学校法人帝京大学
【要約】下図1のごとく、植物由来であり、グリコシドハイドロラーゼファ
ミリー1(GH1)に属し、且つグルコセレブロシダーゼ活性を有するタ
ンパク質により、前記課題を解決する、グルコセレブロシダーゼ活性を有
し、さらに熱安定性を有するタンパク質を提供する。

図1. イネ由来グルコセレブロシダーゼ(RGC1)、およびヒト由来グ
ルコセレブロシダーゼ(イミグルセラーゼ)の、37℃(pH5)におけ
るインキュベーション時間と相対残存活性との関係を示すグラフ
🪄 配列表情報
</

作家たちは、AIを使って来年8000冊の本を出版するというスタートアップ
の計画を非難。出版社のSpinesは、人工知能の助けを借りて本を校正、デ
ザイン、配布するために、著者に1,200ドルから5,000ドルを請求する。
SpinesはAIを利用して本の校正、翻訳、表紙デザイン、出版、流通を有料
で提供する新興テクノロジー企業。共同創設者兼CEOのYehuda Niv氏いわく
人の手であれば6カ月から18カ月かかる出版作業を2週間から3週間にまで
短縮できると豪語。著者は印税の100%を受け取り、著作権も完全に保持
できるとも。料金は1824ドル(約27万円)から5496ドル(約83万円)で、AI
ではなく人間に校正または表紙デザインを依頼するオプションも存在する。
他社の自費出版サービスには数万ドル(数百万円)がかかるものもあるそう
で、比べるとSpinesの価格は格安、また、テクノロジーを使用して出版プ
ロセスを合理化し、著者が最も得意なこと、つまり素晴らしい物語を書く
ことに集中できるように”リストラ”(体質改善)できると言う。
これに対し、作家、イラストレーター、翻訳者のための労働組合代表のア
ンナ・ガンリー氏は「著者が期待するものを実現できる可能性は非常に低
く、出版への最善の道だという保証もほとんどない。AIに依存するシステ
ムの場合は、サービスの独創性と品質の欠如が懸念される」と指摘し、
契約を締結する前に十分慎重に検討するよう警告している。「進歩か現状
維持か」、言うのは簡単だだが、わたし(たち)が主張する「非主体化」
「リスク・インパクト・
マネージメント」に従って評価されていくことを
望むものである



🪄AI Publishing Startup Plans To Release 8,000 Books Next Year - Slashdot
🪄Writers condemn startup’s plans to publish 8,000 books next year
using AI | Books | The Guardian

 

     スクールガールズエンド『山茶花』official music video

『スクールガールズ』( Las niñas)は、2020年スペインドラマ映画
脚本・監督はピラール・パロメロナタリア・デ・モリーナなどが出演し
ている。修道院学校に通う少女たちの思春期を描いたドラマ作品。それか
ら引用しているのか? 偶然である。キーワードは、本日の俳句、季語で、
「山茶花」と「世紀末」(「この世の終わり」の陰喩)。こんなこともあ
るのかと、のめり込む。





人間の未来 AIの未来 講談社(2018/02発売)

まえがきにかえて 羽生善治から山中伸弥さんへ
第1章 iPS細胞の最前線で何が起こっていますか?
第2章 なぜ棋士は人工知能に負けたのでしょうか?
第3章 人間は将来、AIに支配されるでしょうか?
第4章 先端医療がすべての病気に勝つ日は来ますか?
第5章 人間にできるけどAIにできないことは何ですか?
第6章 新しいアイデアはどこから生まれるのでしょうか?
第7章 どうすれば日本は人材大国になれるでしょうか?
第8章 十年後、百年後、この世界はどうなっていると思いますか?
あとがきにかえて 山中伸弥から羽生善治さんへ
---------------------------------------------------------------------------------
『人間の未来 AIの未来』連載第11回

日本の医学部は「人材の無駄遣い」
毎年、日本の小学生に「将来なりたい職業」を聞いていますけれど、結果
を見ると「学者」「科学者」はけっこう上の方にいて、医師とそんなに変
わりません。ところがフタを開けてみると、より多くの人が医学部に行く。
どうも偏りがあるなと感じます。ただ、数学や物理が得意な子は日本にも
たくさんいて、「数学オリンピック」や「物理オリンピック」といった国
際大会で金メダルを取っているが、数学とか物理にずば抜けた才能があっ
ても、その多くが医学部に行ってしまう。医学部に進むこと自体が悪いわ
けではないけれども、その後、医師という職業に就いても、特殊なケース
を除いて数学も物理もほとんど使わない。だから、ある意味もったいない。
今、こうして研究者という立場になると、もっとみんな研究者になって
ほしいなと山中氏いう。科学の博士課程に在籍する学生の多くは、大学や
大企業で研究を続けることを望みますが、科学の知識を生かしてプロにな
る選択肢は他にもある。生命科学もAIもそうで、科学がすごく高度化して
さまざまな社会問題を惹き起こしている今の社会では、先端科学の知識と
その問題点を分かりやすく人々に伝えて、いわば科学と世の中の対話を促
すような仕事がますます重要になっていると
日本が抱えるヤバすぎる「弱点」
そして、僕たちの大学が研究した技術は、最終的には大手の製薬会社など
が本格的に開発してくれないと社会に還元することはできません。大学か
らいきなり社会に還元するのは難しい。日本では今まで大学発の優れた研
究が多かったのですが、その「死の谷」を乗り越えられず、実用化段階で
アメリカに先を越されてしまったケースが少なくない。ゲノム情報を読み
取るシークエンスの技術も、もともとは日本の会社が先陣を切っていた。
アメリカが急速に伸びたのは、ベンチャー企業のおかげです。アメリカだ
とベンチャーがすぐにできて優秀な人材が集まります。大学発の技術をベ
ンチャーで伸ばし、それを大企業が買収したりしてスムーズに行く。日本
のベンチャー企業も頑張ってはいるが、お金が集まりにくい。人材を集め
るのも苦労しているところが多いという。「寄らば大樹の陰」🏹「囲い込
み」🏹「お金が集まりにくい」(日本のビジネスの負の側面)。日本はベ
ンチャーに行きたがる学生は本当に少ない。多くは大学に残るか、一流企
業に就職しようとする。たとえ本人がベンチャーに興味があっても、親御
筋が反対する。 「せっかく大学を出たのに、なぜわざわざリスクの高いベ
ンチャーに行くんだ」と。将棋でも、経験を積むに従って、若いころだと
無駄だと切り捨ててきたものが、実は重要なんじゃないかと見直すように
なった。意味がなさそうなことに実は意味があるはずだとか、すぐに結果
が出るわけではないけれども、小さな積み重ねを日々行うことで新しいア
イデアやひらめきが生まれてくるのではないかとかと羽生氏は語り、「プ
ロの棋士は何手も先を読んで、計算しながらやっているように見えるかも
しれませんが、実際は全然違うんです」「いい加減なとこはあったほうが
いい」
◾競争が激化するからこそ必要なこと
これまでは「才能はあるけれど、環境が悪くて伸びなかった」ケースはた
くさんあったと思います。でもこれから先は、インターネットの普及を背
景にして「環境が悪かったために才能が伸びなかった」というケースはど
んどん少なくなりますと羽生氏は回想し吐露する。        了
 今日の言葉:「これでおしまい」

1899(明治32)年、1月19日、勝は風呂上がりにブランデーを飲んでいる
時、突然倒れ、21日午後5時ごろに亡くなる。死因は脳溢血で、76歳でし
た。最後の言葉は「これでおしまい」だったといわれている。(堀江宏樹
歴史エッセイスト・作家(2018年10月20日掲載ブログより)


 

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エネルギ-と環境 ㊱

2024年10月17日 | 光電融合デバイス事業


彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:10月17日】



       宵の秋決まらぬ職の諍いや           
                     高山 宇 (赤鬼)  
               

 

⬛ 最新ペロブスカイトペロブスカイト太陽電池製造方法

1. 特開2024-11974 ペロブスカイト太陽電池およびその製造方法 国立
 研究開発法人物質・材料研究機構 ②

【詳細な説明】

【発明を実施するための形態】
(実施の形態1) 実施の形態1のペロブスカイト太陽電池101aの構造
は、従来の4端子タンデムと同様に各セルの電流マッチングの制約が緩和
され材料の設計自由度が大幅に向上する利点を有する。 ペロブスカイト太
陽電池101aは、各サブセルが電気的には結合していないため、各サブ
セルの電流マッチングが不要である。2端子タンデム構造のペロブスカイト
太陽電池では、太陽光入射とは反対側(ボトムセル側)のペロブスカイト
層のバンドギャップを1.3eVと仮定した場合、効率よく高い出力を得
るためにはトップセル側のペロブスカイト層のバンドギャップを約1.8
eVにする制約がある。一方、実施の形態1のペロブスカイト太陽電池
101aでは、トップセル側のペロブスカイト層のバンドギャップを1.5
~3.0eVという幅広い選択肢の材料にて高い効率が得られる。また、
透明基体(ガラス基板)はモノリシック2端子タンデムと同様に1枚であ
るため、従来の4端子タンデムの課題である基板が2枚という基板コスト
の問題を解決できる。
さらに、従来の4端子タンデムのもう一つの課題である2個の太陽電池の
機械的接合の難しさ(接合コストと光学的損失の増大)についても、1枚
のガラス基板の上下に成膜終了と同時に接合も完了するため、解決される。 
第1のペロブスカイト太陽電池セル32および第2のペロブスカイト太陽
電池セル33はともに、電子輸送層、ペロブスカイト層およびホール輸送
層を有し、ペロブスカイト層はその一方の主表面で前記電子輸送層に接し
、他方の主表面で前記ホール輸送層に接する構造を有する。すなわち、第
1のペロブスカイト太陽電池セル32は、第1の電子輸送層、第1のペロ
ブスカイト層および第1のホール輸送層が順次積層配置された構造を有し
、第2のペロブスカイト太陽電池セル33は、第2の電子輸送層、第2の
ペロブスカイト層および第2のホール輸送層が順次積層配置された構造を
有する。

図2.本発明の4端子タンデム型ペロブスカイト太陽電池101の構造を示
 す模式図

 ここで、第1のペロブスカイト太陽電池セル32および第2のペロブスカ
イト太陽電池セル33はともに、ホールブロッキング層を有することが好
ましい。すなわち、第1のペロブスカイト太陽電池セル32は、第1の端
子電極に電気的に接続する第1の透明電極層12a、第1のホール輸送層
13、第1のペロブスカイト層15、第1の電子輸送層16、第1のホー
ルブロッキング層17、前記第2の端子電極に電気的に接続する透明電極
18および第1の電極19を有し、第2のペロブスカイト太陽電池セル
33は、第3の端子電極に電気的に接続する第2の透明電極層12b、第
2のホール輸送層21、第2のペロブスカイト層22、第2の電子輸送層
23、第2のホールブロッキング層24および前記第4の端子電極に電気
的に接続する第2の電極層25を有することが好ましい(図2参照)。  
ホールブロッキング層を備えることにより、ホールの逆流がより一層抑制
されて光電変換効率が改善され、出力が高まり、経時安定性も向上する。
 さらに、図2に示すように、第1のホール輸送層13と第1のペロブスカ
イト層15の間に表面補償帯14が形成されていることが好ましい。表面
補償帯14は、第1のホール輸送層13および第1のペロブスカイト層15
の空乏(Vacancy)を抑えてペロブスカイト太陽電池101の光電
変換効率を向上させる層であり式(1)記載のX-nPACzからなる。
ここで、式(1)中、XはORまたはRで、Oは酸素、Rは炭素数が1以
上12個以下の直鎖の炭化水素基を表し、nは2以上12以下の整数を表
す。【化1】
・・・(1)  
次に、本発明のペロブスカイト太陽電池を構成する各層について説明する。
【0024】  透明基体11は、太陽光を透過させ、所定値以上の剛性を
持つものであれば特に限定されない。石英ガラス、フリントガラスやソー
ダ石灰フロートガラスなどの各種のガラス(白板ガラス)を好んで用いる
ことができるが、アクリルやポリカーボネートなどの透明なプラスチック
なども用いることができる。ガラスは、太陽光に対して透明度が高く(透
過率が高く)、十分な剛性をもち、また耐光性、耐候性に優れるという特
徴をもつ。プラスチックは、容易に自在な形状に加工が可能であり、また
柔軟性を付与させることができるため、曲面状の太陽電池を作製したり、
太陽電池を柔軟に曲げて使用したりする上で好ましい。
第1の透明電極層12aおよび第2の透明電極層12bの材料は、インジ
ウムスズ酸化物(ITO)が好ましい。この膜は、耐光性を向上させる観
点からスパッタリング法で成膜することが好ましい。具体的には、ターゲ
ットをITO、スパッタリングガスをアルゴン(Ar)ガスやクリプトン
(Kr)ガスなどの貴ガスとしたRFスパッタリングが好ましい。基板温
度は室温でよいが、室温に限るものではない。また、ITO成膜後150
℃以上の熱処理を加えると、太陽光透過率の向上と電気抵抗の低抵抗化が
図れるので好ましい。一方で、300℃を超える熱処理は、逆に電気抵抗
が上がるため好ましくない。
  ITOは透明度が高く、透明性導電膜としては比較的電気抵抗率が低い
という特徴がある。さらに、インジウム(In)やスズ(Sn)が酸化さ
れて固定化されるため、これらの金属は拡散しにくく、耐光性向上に必要
な相互拡散防止機能を有する。
  第1の透明電極層12aおよび第2の透明電極層12bのITOの膜厚
は、薄いほど高まって好ましい透過率と厚いほど下がって好ましい膜抵抗
のトレードオフ関係により、150nm以上500nm以下が好ましい
ITOの膜抵抗は低いほど良く、15Ω/sq以下であることが好ましい。
第1の透明電極層12aおよび第2の透明電極層12bの抵抗を下げるた
めに、ITO膜と透明基体11との間に金属リード線を加えてもよい。金
属リード線の材質としては、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、銅
(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等
を挙げることができる。金属リード線は、透明基体11上にスパッタ法ま
たは蒸着法等で形成し、その上にITO膜を形成することが好ましい。た
だし、金属リード線を設けることにより、入射光量の低下を招くので、金
属リード線の太さは、0.01mm以上3mm以下であることが好ましい。

 第1のホール輸送層13は、スパッタリング法などのPVD(Physi
cal  Vapor  Deposition)法で形成された無機のNiO
膜が好ましい。第1のホール輸送層13を無機のNiO膜(0<x≦4)
で構成することによって、ピンホールやクラックが少ない大きい面積の層
を形成することができ、また、光照射耐性が高くなる。
  第1のホール輸送層13の厚さは、4nm以上50nm以下であること
が好ましく、4nm以上18nm以下がより好ましい。第1のホール輸送
層13の厚さをこの範囲にすると高い光電変換効率を得ることが可能にな
る。さらに、第1のホール輸送層13の厚さを15nm以上18nm以下
とすると、高い長期信頼性を兼ね備えることが可能になる。これは、Ni
薄膜のピンホールが抑制されることに起因する。  第1のホール輸送層
13の導電性を向上させるため、NiO膜にNi以外の金属イオンをド
ーピングすることも好ましい。金属イオンとしては、アルカリ金属、アル
カリ土類金属、遷移金属等のイオンが挙げられる。具体的な金属イオンは、
Li、Na、K、Mg2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、および
Zn2+から選ばれる少なくとも一種であり、さらにより好ましくはLi
およびMg2+から選ばれる少なくとも一種である。LiとMg2+
を同時に使用してもよい。ドーピング濃度は、0.5mol%以上50m
ol%以下が好ましく、2mol%以上30mol%以下がより好ましい。
これらの金属イオンは、例えばスパッタリングを行うときのターゲット材
料に含有させておくことにより、第1のホール輸送層13に導入すること
が可能である。
 第2のホール輸送層21としては、PEDOT:PSS、NiO、Sp
iro-OMeTADおよびP3HTを挙げることができる。この中で、
PEDOT:PSSは狭バンドギャップのペロブスカイト太陽電池と相性
がよく、狭バンドギャップのペロブスカイトから高い効率で安定的にホー
ルを輸送することを可能にする。
 表面補償帯14は、前述のように、前記式(1)記載のX-nPACzか
らなる層である。表面補償帯14は、PVD法によって形成されたNiO
が第1のホール輸送層13に用いられる場合に特に大きな効果が得られる。
 ここで、式(1)中のnは2または4がより好ましく、式(1)中のXが
OCHで、nが2、すなわち式(2)に示されるMeO-2PACz(
[2-(3,6-ジメトキシ-9H-カルバゾール-9-イル)エチル]
ホスホン酸)であることが、Vacancyの形成がより抑制され、光電
変換効率がより高まるので、さらに一層好ましい
【化2】
・・・・・(2)

表面補償帯14により、第1のホール輸送層13との界面、特に第1のホ
ール輸送層13として用いられたNiO膜との界面、および第1のペロ
ブスカイト層15の空乏(Vacancy)が抑えられて、ペロブスカイ
ト太陽電池101の光電変換効率が向上する。ここで、Vacancyは
、沃素(I)、塩素(Cl)または臭素(Br)などのハロゲン化物イオ
ンの空乏を指す。
この表面補償帯14の効果は、単体のペロブスカイト太陽電池でも高い効
果を発揮するが、トップ側ファースト(太陽光入射側の太陽電池セルを最
初に作る方法)で作製されるタンデム型のペロブスカイト太陽電池の場合、
特に大きな効果を発揮する。この表面補償帯14は、タンデム型のペロブ
スカイト太陽電池作製の熱処理による悪影響抑制から、PVD法形成のN
iO
による第1のホール輸送層13とともに、第1のペロブスカイト太
陽電池セル32を作製する際に形成しておくのが好ましい。


図9 本発明の4端子タンデム型ペロブスカイト太陽電池の製造工程を示
したフローチャート図

  
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AI・戦争・災害・パンデミック――世界の知性が語る地球規模の未来予測
イアン・ブレマー 著 / フランシス・フクヤマ 著 / ニ―アル・ファーガ
ソン 著 / ジョセフ・ナイ 著 / ダロン・アセモグル 著 / シーナ・アイ
ンガ― 著 / ジェイソン・ブレナン 著 / 大野 和基 聞き手・訳
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ISBN:9784022952622 定価:957円(税込) 発売日:2024年3月13日
ウクライナ戦争や中東での衝突など世界は不透明度を増している。ポピュ
リズムのさらなる台頭、災害やパンデミックという不測の事態、AIの利用
などをめぐって世界はどう変わっていくのか。かつてない民主主義の危機
に今、世界で最も注目される知性の言葉からヒントを探る。聞き手・大野
和基氏。
 今夜の寸評:憲法九条と民主主義
衆議院選挙がスタ-トした。今回は早い時期から現政権を見放し、政権交
代を望んでいた(少ないながらも「多面的な政策対応の悪さ」をコミッ
しこのブロ
グに折々掲載)。

■ 民主主義の暗黒時代

ダロン・アセモグル氏ら3人の研究者が今年のノーベル経済学賞を受賞。
ポピュリズムのさらなる台頭、災害、AIの利用で世界はどう変わるのか。
アセモグル氏が民主主義と経済の関係について語っており、時宜を得てい
るのでその要旨を掲載する。
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※聞き手・ジャーナリスト 大野和基:朝日新書『民主主義の危機』から
抜粋。『民主主義の危機』では、ダロン・アセモグル氏インタビュー全文
のほか、世界の知性たちが語る未来予測を読める。 ダロン・アセモグル/
1967年、トルコ生まれ。経済学者、マサチューセッツ工科大学教授。専門
は政治経済学、経済発展、成長理論。ノーベル経済学賞にもっとも近いと
言われるジョン・ベイツ・クラーク賞を2005年に受賞。著書に『国家は
なぜ衰退するのか 上下』(ロビンソンとの共著、鬼澤忍訳)、『マクロ
経済学』(レイブソン、リストとの共著、岩本康志・岩本千晴訳)、『自
由の命運:国家、社会、そして狭い回廊 上下』(ロビンソンとの共著、
櫻井祐子訳)など。近著にサイモン・ジョンソンとの共著『技術革新と不
平等の1000年史 上下』(鬼澤忍・塩原通緒訳)。
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国家権力と社会の力の関係について見ていきましょう。歴史家のーアル・
ファーガソン氏は自著の中で、格差を生むのは帝国主義でも地理的要因で
も国民性でもなく、私とジェイムズ・A・ロビンソン氏が言及している「
制度と規範」にあると主張しています。そもそも「規範」とはどのように
人々をまとめ、「制度」を維持するのに役立つものなのか。制度と規範は
分離できないものです。ある意味で、我々が今、アメリカで目の当たりに
しているのは、民主主義の深刻な弱体化です。政治家が積極的に噓をつき、
自分たちにとって邪魔となるであろう制度を骨抜きにしようとする行動と
結びついています。実際に複数の制度が覆されています。ドナルド・トラ
ンプを例として挙げるのは簡単です。トランプこそ、制度転覆の真犯人で
す。しかし私は、共和党と民主党の双方がアメリカの民主主義システムの
制度上の健全さをむしばんでいると思います。 同じことは他の多くの国で
も見られます。ですから今は民主主義の暗黒時代といえます。民主主義は
いろいろなチャレンジに耐えて生き延びる強さを持っていると思いますが、
今は民主主義にとって危険な時期です。 厳密に言えば、民主主義という言
葉を簡単に使うべきではないのかもしれません。「すべての人が参加でき
る政治制度」(inclusive political institutions)という言葉のほうが、「民
主主義」という言葉よりも適切な言葉だと思います。民主主義は参加する
人の価値観を育てる政治システムにとって必要条件ですが、十分条件では
ありません。多くの国にとって、自国の体制は民主主義的だと言います。
選挙も実際に行われています。しかしそれだけでは十分ではありません。
競争のない状況で選挙が行われると、特定の有名人が政治を支配して、健
全な市民社会はできません。さきほど「今は民主主義が危険な時期である
」と言いましたが、人々は民主主義について懐疑的になっています。実際、
多くの批判的な声があります。

多くの民主主義国には欠点がたくさんありますが、それでも民主主義は経
済成長にとって望ましいのです。教育や子どもの健康にとっても望まし。
現代において成功した社会では、民主主義によってそれはもたらされてい
ます。そのほかの代替システムと比べると民主主義の方がはるかに優れて
います。しかし問題は、民主主義は世界中で後退している状態にあること
です。それは2000年代のはじめくらいから起きています。

■ 軽罪経済成長できた中央ヨーロッパ  
意外に聞こえるかもしれませんが、民主主義は貧困層にとって望ましいと
いう事実は、必ずしもすべての人が民主主義を追い求めることにはつなが
りません。民主主義が弱体化することから恩恵を受ける人がいますが、そ
れは皮肉にも独裁主義的傾向があるパワフルなリーダーです。しかも実際
にそれが中央ヨーロッパで起きました。ポーランド、チェコ共和国、スロ
バキア、ハンガリーを見ると、経済的には成功しています。多くの人が抱
いていた懸念に反して、これらの国々の経済は見事に回復しました。  

しかし、そのことがむしろ多くの弱点を残し、そこに付け込むのは簡単な
ことでした。つまりこういうことです。  西ヨーロッパにおいて政党やメ
ディアなど市民社会が参加する民主主義的な構造は、何世紀にもわたる長
い時間をかけて進化してきたものです。一方、中央ヨーロッパにおいて民
主主義という実験は、ごく最近なされたものです。ですから、多くの弱点
を残しています。それはさきほど言ったように独裁主義的傾向があるリー
ダーが、その弱点をさらに弱体化させました。それは世界中で見られる現
象です。 良い制度と経済成長の関係について説明しましょう。 重要な要
素は三つあります。  

まず安定を作り出す制度は、個人が投資や契約など経済取引の行為などに
携わる権利を確保します。これは繁栄が共有されるようになるだけではな
く、テクノロジカルな変化や生産性にとって重要です。  
これは私の著書『国家はなぜ衰退するのか』(原題“Why Nations Fail”)に
おいて、「あらゆる層に開かれた経済的制度」(inclusive economic instit
utions)と私が呼んでいるものです。安定した環境は、人が投資をしたり
自らを向上させたり、新しい問題や既存の問題にアプローチする新しい方
法を見つけ出すためのインセンティブになります。と同時に、社会の広範
囲における機会の平等も重要です。そうでなければ非常に不公平な設定に
なってしまいます

■ 政治権力が広く分散されなければならない
二つ目に重要なことは、そういう経済的要素は、政治的・社会的要素とは
切り離せないことです。権力が、一人やごく少数の人に集中する独裁主義
になれば、経済を良くするために正しいことをしてくれるだろうと考える
のは間違いです。それがうまくいくことはまずありません。 その理由は、
経済的制度は政治的制度と社会における政治権力の分散によって形作られ
るからです。実際のところ、この関係は有機的で相互関連性から切り離せ
ないので、政治制度や政治体制が排他的である場合、経済的な制度がイン
クルーシビティ(何者も排除しないこと)を維持するのはほとんど不可能
です。政治権力が広く分散されていなければ、より広い政治的機会、政治
参加、社会参加を作り出しません。  

三つ目は最も難しいものですが、制度を設計するということです。これは
本当に難しい。制度について話すとき、一つの単純な解釈は「憲法のよう
なものである」というものです。これは優れた憲法を設計する賢人がいれ
ば、準備万端であるという考え方です。しかし、私の制度に対する見方は
違います。制度は進化するもので、歴史的なプロセスから生まれるもので
す。制度は政治と規範の双方向性から生まれるものです。制度は人々が政
治にいろいろな形で参加することから生まれるものです。だから、憲法の
条項を変えるだけでは制度を変えることはできません。制度の設計はそう
簡単にできるものではないからです。部分的にはボトムアップ・プロセス
でなければなりませんが、純粋な進化のプロセスというだけではありませ
ん。人々が異なるビジョンを持って政治に参加し、より成功したケースか
ら学び、異なる制度の選択がどういう結果をもたらすかを理解することは、
そのプロセスの重要な部分です。
                           この項つづく

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沸騰大変動時代(四十六)

2024年05月28日 | 光電融合デバイス事業
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。 


【わたしの経済論⑥:為替と円安】


めずらしくあさイチのレシピがめにとまる。これには伏く潜があり、
ダルビッシュ投手のよく考えられた食事レシピに主食に蕎と鶏胸肉が
セットとしてあり、これに、トマト、小松菜などの野菜を加え、肉油
控えめで簡単・SDGSで志向レシピの「トマト水餃子」「トマトと
いかのセ-ト風」「丸ごとトマト素麺
」の三品。尚、餃子の皮を蕎粉
で代替すれば申し分なしだ。

【季語と短歌:源氏物語から学ぶ①】

   かぎりとて別るる 道の悲しきに いかまほしきは命 なりけり
                      桐壺更衣

  桐壺帝の寵愛を一身に集め、弘徽殿の女御らの嫉妬を買って
  しまう。死の直前、悲しみに取り乱す帝への返歌として詠め 
  る歌、




 源氏物語中で最初に出てくる和歌。病がいよいよ進んだ桐壺更
 衣が、帝の「限りあらむ道にも、後れ先だたじ」と、契らせ給ひ
 けるを、さりとも、うち捨ててはえ行きやらじ」(「決められて
 いる死出の道にさえわたしたちはいっしょにと」、お約束なされ
 たではないか。いくらなんでも、このわたしを残してはゆけます
 まいね)との問いに返した一首である。帝は病の重い更衣をなか
 なかその実家に帰すことをしなかった。当時は宮廷で人が死ぬこ
 とは、場を穢すことになりタブーとされていたようである。そん
 な中、自らタブーに肉薄するように、死の病にある更衣を手元か
 ら離すことができない帝の苦しみはふかい。思いが余っているの
 か、帝の問は散文の形でなされる。そんな帝に更衣は歌で答える。
 「いまは、それが定めとしてゆかなければならない死出の旅が悲
 しく思われるにつけて、私の行きたいのは生きる道の方でござい
 ます」。「いかまほしき」の「いく」は「行く」と「生く」の掛
 け言葉である。今、まさに自分は死出の道を「行こう」としてい
 るが、「生き」たいのは、つくづく自分の命であるよと、歌の形
 式を踏まえるという慎ましさのなかにも、しかし「生きたい」と
 いう更衣の心の叫びが詠まれているのだとも評されてもいる。    
                        

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