極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

メタン発酵ガス発電工学

2015年01月30日 | 開発企画

 

 

【オールバイオマスシステム完結論 Ⅸ】 

 

 

 

 

● 進化するメタン発酵ガス発電工学

ようこそ!スマートキャンティへ』 では、木質バイオマスをメタン変換し、精製後、メタン燃料電
池発電し、ある
いは、水素と一酸化炭素に改質後ガスタービン発電するプランを提案していた。今夜は
これを深耕しみたい。周知の通り、石油資源の枯渇に対する解決策として、植物質ここでは木質バイオ
マスを微生物の発酵によってエタノールやメタンを製造するバイオマスエタノール、バイオメタンが注
目され実用化が急速に波及してきていおり、その生産技術として種々のプロセスが発表されている。例
えば、糖化酵素として広く知られるセルラーゼを用いてバイオマス中のセルロースをグルコースに糖化
し、得られたグルコースを発酵処理することによってエタノールを製造する方法や、樹皮原料のアルカ
リ液による処理や機械処理した微細樹皮を、適正なpHのスラリーに調製した後に併行糖化発酵するエ
タノールの製造方法などが提案されているが、木質バイオマスには、発酵し難い、フェノール化合物で
あるリグニンが木材中に20~30%含まれる、セルロース、ヘミセルロースと共に木材の主成分であ
る。木材は繊維性セルロース部分と非繊維性リグニン部分を含有し、繊維性セルロース部分を形成する
高分子鎖は互いに合わせて整列し、隣接する鎖と共に強力な会合結合を形成する。リグニンは、セルロ
ースの繊維を結びつける3次元の高分子材料であり、繊維自体の内部にも分布している。


ところで、製紙産業においては、リグニンは白色度の低下や褪色を招くとされ、リグニンの前処理が必
要とされており、例えば、化学的パルプ化では、木材チップを化学溶液で蒸解してリグニンの一部を可
溶化し、その除去を行っている。またパルプ化工程後の木材パルプが蒸解中に除去されなかった残留
グニンを含有しているため、残留リグニンを除去するしている
また、木質バイオマスからのバイオエ
タノール生成に際しても、糖化がほとんどされないリグニンの前処理が必要とされ、木質バイオマス(
リグノセルロース)は再生・循環可能な資源としてカーボン・ニュートラルな木質バイオマスからのエ
ネルギー原料の生産としてバイオエタノールやバイオメタンガスが注目されている。植物資源に含まれ
る糖をアルコール発酵やメタン発酵に際し、リグニンは化学的に安定な物質であるため、複雑な化学的
および物理的工程からなるリグニン分解プロセスが木質バイオマスのエネルギー資源としての利用にお
いて障害になっている。

 


木材組織の中でセルロース、ヘミセルロースは、リグニンにより被覆されているため、これらの細胞壁
多糖をセルラーゼ、ヘミセルラーゼで加水分解するためには、木材細胞壁の密なパッキングを破壊して
細胞壁多糖を露出させる前処理が必要となる。蒸煮、水蒸気爆砕、アンモニア爆砕、二酸化炭素爆砕、
蒸煮、粉砕、ソルボリシス、オゾン酸化、酸処理、アルカリ処理、マイクロ波照射、電子線照射、γ線
照射、木材腐朽菌処理など様々な前処理法があるが、木材酵素糖化前処理法の中で、爆砕、蒸煮、マイ
クロ波照射、ソルボリシス等熱化学的手法の多くは、一般に広葉樹材に比較して針葉樹材に対する前処
理効果が低い。針葉樹の中でも、日本の人口林の約6割を占めるスギ材は特に前処理が難しい。こうし
た問題点の打開に、針葉樹材の爆砕前処理では、硫酸や二酸化硫黄、有機酸、ルイス酸、アルカリ過酸
化水素等を触媒が研究されてきたが有害な薬品を使用することは酵素糖化法のメリットを損なう。
また、
熱化学的処理においては、糖骨格の熱分解が起こる温度と前処理効果が得られる温度域が近接している
ため、前処理温度を下げて発酵阻害物質の生成を最小限に抑えることが望ましい。こうした点を背景とし
て、白色腐朽菌によるリグニン分解反応をスギなどの木質バイオマスの酵素糖化前処理法として利用す
ることも研究されている。このように、木質バイオマスの前処理を迅速にリスクなしに、廉価に行なえ
る工程あるいは無工程のための開発が求められている。




 

 

 

ところで、木質バイオマスのリグニンを分解する方法には大きく、(1)ドライ法と(2)ウエット法があるが、下図の
新規考案では、ウエット法で、リグニンが溶解または分散した液体中にオゾンガスのマイクロバブルを
供給し、30℃以上100℃未満の液温においてリグニンを分解する。液温は、55℃以上百℃未満であ
る。
液温を30℃以上にすると、常温の場合に比べて明らかにリグニンの分解率の向上が見られ、常温
以下での分解率が80%で飽和するのに対し、液温を30℃以上にすると、短時間(1時間)で85~
90%程度の分解率が得られる。液温を35℃以上にすると、リグニンの分解率の向上は大きくなり、
短時間(1時間)で90%を超える分解率が得られ、特に液温を50℃以上や55℃以上にすると、リグ
ニンの分解率は著しく向上し、短時間(1時間)で97%以上、あるいはほぼ100%の分解率が得られ、
簡便で、短時間かつ高効率にリグニンを分解可能にする方法が提案されている。
なお、液体として水を
使用したときの沸点を考慮すると、液温の上限は百℃未満である。このウエット法はメタン発酵の前処
理に応用できそうである。
 

 特開2014-173198 リグニンの分解方法

※ ウエット法では廉価なジェットノズルミーリング法・液中プラズマ法(下表参照)、ドライ法ではオ
  ゾン酸化法なども試したい課題だ(残件扱い)。

また、下図では、 バイオマスに加圧熱水を作用させてバイオマスに含まれるヘミセルロースを選択的
に分解し
加圧熱水反応後の固体残渣を叩解し、叩解後の固体残渣に糖化酵素を作用させて一次糖化し、
一次糖化工生
成物に固体酸触媒を作用させて二次糖化することによって単糖を製造する。得られた単糖
をエタノール発酵し、
蒸留によって精製エタノールする、植物廃棄物をバイオマスエタノールの原料と
して、糖化酵素反応及び発酵に
よってエタノールを製造する際に使用する酵素量及び処理時間を削減し、
安価で効率のよい単糖及びエタノール
の製造方法及び製造装置が提案されている。新規考案では、測定
装置としてカンタクローム社製AUTO SORB
-1MPを使用して、前処理として60℃での真空
加熱脱気を6時間行った後に、試料の比表面積をBET法(N2
ガス吸着法)による比表面積の測定を
行った(JIS Z8830参照)。測定の結果、叩解(こうかい)処理を行わない
固体残渣Sの比表
面積は、45m/gであり、叩解処理を経た固体残渣S'の比表面積は、91m/gであった
と記載
されている。このことは、表面積を広げる→微細化することで、発酵の効率化を加速させる働きを持っ
いることを示唆しているよに思える。これはこれまでにも記載してきたことだが、ドライ法、ウエッ
ト法を問わず共
通し、製造エネルギーとコストのバランスを考慮し可能な限り微細化させる課題がある
ように考える。


特開2013-141415 単糖の製造方法及び製造装置並びにエタノールの製造方法及び製造装置

【符号の説明】

A:エタノール製造装置、 1:加圧熱水反応装置、 1a:ポンプ、 1b:加熱器、 1c:水量調整
弁、 1d:反応槽、
1e:制御装置、 2:固液分離器、 3:叩解機、 4:酵素反応装置、 5:第
1触媒反応装置、 5a:第1混合装置、
5b:第1固液分離装置、 6:第1発酵装置、 7:第2触
媒反応装置、 7a:第2混合装置、 7b:第2固液分離装置、
8:第2発酵装置、 9:蒸留装置、
10:排水処理装置、 B:バイオマス、 E:エタノール、 W:水、 W':加圧熱水、
X:固体酸触
媒、 S,S':固体残渣、 H1,C1:一次糖化液、 H2,C2:二次糖化液、 F1,F2:発酵生
成物、
D:排水

● 「イスラム国」による日本人人質問題

この1週間、体長不良で、時事関係のニュースは追えていないが、状況が逼迫しているようだ。まず、
彼女や息
子達は、湯浅氏が惨殺された映像知っていることに驚いた。その次に、政府窓口がトルコルー
トではなく。ヨル
ダン王国ルートで交渉していることだ(これは何かの間違いではと思ったほどだ)。
最後に、安部首相は国会答弁で自衛隊を派遣したいと答弁したことだった(午後7時の彼女の情報)。
 

  ● 水がピンポン球のような超撥水性

New amazing metal is so hydrophobic it makes water bounce like magic

 

 

 

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進化する代替食品工学

2015年01月27日 | 新弥生時代

 

● 進化する代替食品工学 

食品に対する、品質(物性、生理活性、風味)、安全、安心への品質要求の高度化が進展してきてい
る一方で、
気候変動や貿易変動による経済的高騰に伴う、代替食品開発に対する生産者や消費者から
の要求なども高まっている
特に嗜好飲料、デザート類、洋菓子類の食品は嗜好性が高く、風味への要求
も顕著となっている。これらの食品は、それ自体が水中油型乳化物であったり、水中油型乳化物を使
用している。ここで、水中油型乳化物とは、水相を連続相とし、ここに油相が分散している状態の乳
化物のことであり、具体的には、牛乳、果汁入り牛乳、加工乳、豆乳、ミルクコーヒー、ココア飲料、
チョコレートドリンク、チーズドリンク、濃縮乳、アイスクリーム、クリーム(ホイップ用クリーム、
コーヒー用クリーム、調理用クリーム)等である。また、糊化させた澱粉ボディーをもつフラワーペ
ーストは、パン類や菓子類のトッピング、フィリングとして広く利用され、一般的にフラワーペース
トは、小麦粉や穀物澱粉、化工澱粉等の澱粉類、ミルク、砂糖、卵、水、油脂等を混合した後、加熱
して糊化させに粘弾性に富んだ物性と食感をえている。具体的には、パーム系油脂を主原料とし、S
U2/UUU重量比が1.9以下で、SSS含量が2重量%以下、2位にパルミチン酸が結合したグ
リセライドを液状油脂全体中10~30重量%含有するパーム油由来液状油脂を、フラワーペースト
全体中8~45重量%含有した、広い温度域且つ長期間の輸送、保存、使用が可能で、保存温度によ
る原料油脂の使い分けが不要な廉価なフラワーペーストが開発されている。



また、近年の乳原料の高騰を受け、チーズ使用量低減し、プロセスチーズ、ナチュラルチーズ等のチ
ーズに類似した外観や加工特性、食感をもつ、チーズ様食品、あるいは代替チーズ(いわゆるイミテ
ーションチーズ)
が豊富に出回るようになった。これらのチーズ様食品は、原料チーズに由来する乳
脂肪や乳タンパク質含量
を減量するため、保型性低下し、スプレッド状やペースト状となりやすく、
植物性油脂、脱脂粉乳、全脂粉乳、乳
清タンパク等の併用手法――例えば、(1)水分、酸味料、親
水コロイド、約15%未満のチーズ由来成分やチーズ調味料を含有したイミテーション組成物、イナ
ゴマメガムとタラガムの群からなる安定剤、およびキサンタンガム、カラギナン、マルトデキストリ
ン、ペクチンイヌリン、デンプン、ゼラチン、寒天の群の安定剤を含む約0.1~約0.9%の安定
剤を使用し調製された低タンパク質クリームチーズ、(2)DE2~5のデキストリン、カラギナン、
寒天、脱アシル型ジェランガムとLMペクチンから選ばれた安定剤と乳化剤を使用して調整された低
タンパク質チーズ、(3)寒天とゼラチンを含有したもの、(4)カゼイン蛋白質/ホエー蛋白質の
重量比が0.6~3.2の蛋白質、油脂、酸性原料、溶融塩を使用し、加熱溶融するもの、(5)イ
ヌリン組成物と原料チーズを併用して、脂肪含有率およびエネルギー低減、(6)乳酸発酵物、架橋
デンプン、水溶性食物繊維、油脂を含有したクリームチーズ様食品、(7)天然多分散フルクタン組
成物の平均重合度(平均DP)の2倍以上の平均DPを有するイヌリンを用いた脂肪含有率10%の
チーズスプレッドや、(8)酵素的に合成されたイヌリン組成物が12~60重量%、原料チーズが
10~50重量%、原料チーズ以外の乳タンパクを1~20重量%含有させたチーズ様食品とその製
法(脂肪含有率が15重量%以下、エネルギーが100gあたり100~240キロカロリー、食物
繊維含有率が10重量%以上で、プロセスチーズの食感と風味、加工特性を満足し加熱調理で適度な
溶融と形状保持能力を有し、短時間で好ましい焦げ色および焼成風味を有し、加熱冷却後も固化が著
しく遅延する特徴をもつ)、(8)油脂、風味材、乳化剤と水を原料とする水中油型乳化物の製造法
で、水中油型乳化物を調製際に、風味材と乳化剤を別途に用いる方法で、予め、油脂、乳化剤及び水
を用いて水中油型乳化物(A)を調製し、その後、風味材を用いて水中油型乳化物(B)とし、殺菌
または滅菌処理する水中油型乳化物(B)の製造法で、水中油型乳化物(A)の調製が撹拌エネルギ
ー0.05J/L以上である、水中油型乳化物(B)の製造法など――が開発されている。


※ 参考新規考案 

特開2015-006131 フラワーペースト 株式会社カネカ 
特開2015-002697 豆腐用凝固剤  扶桑化学工業株式会社
特開2015-008719 水中油型乳化物の製造法  不二製油株式会社
特開2014-233270 大豆蛋白質含有チーズ様食品  不二製油株式会社
特開2014-212735 ゲル状栄養組成物  日油株式会社
特開2014-200189 分岐鎖アミノ酸含有総合栄養食品 テルモ株式会社
特開2014-155439 ペットフード 日清ペットフード株式会社 他 
特開2014-140324 チーズ様食品およびその製造方法 フジ日本精糖株式会社
特開2014-138581 ペットフード 花王株式会社
特開2014-132912 ソフトクリームおよびその原料  国立大学法人京都大学 他
特開2014-100146 スクラロースを含有する組成物及びその応用  三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
特開2014-113071 食用クリーム 有限会社フレイシア
特開2014-113119 含水チョコレート様食品  不二製油株式会社
特開2014-036627 豆入り食品、及び豆入り食品の豆の青臭味をマスキングするマスキング方法 キユーピー株式会社
特開2010-081864 チーズ様食品  株式会社カネカ



なお、巻頭のマリーンフード株式会社は元々石けん会社としてスタートし、現在は、マーガリン、コ
ンパウン
ドマーガリン、ピザ用ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ホットケーキ、パンケーキ、ピ
ザソース、焼きそ
ば、フリーズドライみそ汁等の製造加工及び販売会社として成長。このブログでも
掲載してきたように、ドイ
ツでは日本の豆腐料理に注目、豆腐ハンバーグ、豆腐ハム、豆腐ソーセー
ジなどの良質の植物蛋白食品として、
低カロリー、低脂肪なヘルシー食品として欧州共同体での一つ
の産業を構築しつつある。このように、大豆蛋白
だけでなく、植物性油脂などの代替乳製品として日
本では10年程前から一大産業に成長しつつあり、世界市
場のトップランナーとして飛翔。文字通り、
乳製品の価格高騰、品薄のピンチをチャンスに換え、「代替食品工学立国・日本」の面目躍如である。
これは頼もしい。


 

 ● 今夜の一曲


小椋佳の唄は好きかと彼女に尋ねると、暗いから嫌いだと答えるので、カーステレオの再生は一人で運転
しているときにしか聴かない。あれほど聴いたのになぜなんだろうと、ふと考えたことがったが、彼女の
言うように、暗いイメージがまつわりついていることに納得した。彼ほどの人生の成功者がなぜなんだろ
うと考えなくはなかったが、この本を読んで、25歳の時に母さんが他界したためなんだろうと腑に落と
す。ところで、二十代のわたしも短い時間だが趣味という趣味は一通り経験したが、作詞・作曲を手がけ
よと心に決めたが、結局、果たせず仕舞い。同窓生に君は詩的な人間だと言われたこともあったが、少し
手がけてみたが作品らしいものは残っていない。結局は才能がないのだと思っているのだが、「能力=努
力×時間」(故・吉本隆明の定義)に照らして言えば「時間」が決定的に短く、自分には才能がなかった
のではなく、時間が足りなかったと思いつつも、短歌を書き始めてから「左脳と右脳の切り替え」が平均
的な人に比べ遅いのだと気付いた。つまり、ロジカルな思考からの切り替えが下手なのだと。それでも、
あきらめてはいなくて、時間的な余裕があれば、作曲にチャレンジしようとはしている、が。これもいい
加減なものだと、どこかで自覚している。

 

    この汽車は


     この汽車は 機関手がいない

     終着駅は 無いかもしれない
     終着駅まで 止まらない
     それは明日かもしれない
     ガタガタ必死に走るこの汽車は この俺の汽車は
     壊れそうで壊れない 必死に走り続ける ・・・

 
   最近の学生さんたちはどうなのだろうか。卒業して企業に就職して、素直に企業という組織
  社会に疑いもなく同化してゆくのだろうか。不景気続きで就職難の状況だからと、ようやく入
  れた会社だからと、当初から、その組織の価値構造に従順に身を染めているのだろうか。テレ
  ビなどで4月の人礼式後の若者へのインタビューなどを見ると、「一日も早く会社に貢献でき
  る人間になりたいと思います」などと極めて優等生的「良い子」の発言が目立つ。本当にそう
  思っているのか、それとも根はシラケ切っていて割り切って名演技をしているのか。
  「この汽車は」は、私が銀行員になって1年経つか経たないかのころ創った歌である。借越に
  も、銀行員(犬企業一般に働くサラリーマンも回禄として)の暮らしとはいったい、どういう
  も
のかということを、私なりに感じた結果としての当時の歌である。当時の私は同化すること
  が
できない人間であったと思う。振り返れば、新入行員時代だけでなく、銀行員生活26年半の
  間
終始そうであったようにも思う。私は下手ではなかったかもしれないが、極上の演技者でも
  な
かったと思う。

  
 大学卒業が近づいたころのクラス仲間との、あるいは法律相談所というクラブ仲間とのコン
  パを思い出す。そうした飲み会で私は、「卒業したら、俺はあえて組織内存在となり、企業人
  として生活する一方で、何か創造的作業をし続け、組織内存在として喬く自分と周囲の人間と
  社会の病理を観察感知し、その創造的作業を通しての表現者となるよ」と大言壮語していた。
  まだ「歌」はもちろんのこと、映画、演劇、絵画、小説、詩、音楽など芸術的表現手段の何ひ
  とつ身に備えていなかったくせに、である。その後、「歌」という表現手段を得だのは、私の
  努力によるものではなくて、幸運な出逢いの連鎖に恵まれて、と言えるばかりである。
 
  「この汽車は」を創った当時の私の不明としては、私自身も含め銀行員個人はいずれボロボロ

  になり得るとしても、銀行そのものは、諸課題・諸問題を内包しつつもずっと、その社会的ス
  テータスは盤石であり続けるであろうと思っていたことだ。1990年代中ほど、たまたま私
  が銀行を退かせてもらった時期以降の銀行の凋落は、予想だにしなかったことだ。銀行の社会
  的評価だけでなく、その主たる業務内容も、主眼とする収益源も変化をきたしている。昔は
  生き甲斐」とまでは言えないまでも、「やり甲斐」のある仕事であり職場だったと思う。すで
  
に部外者となった私が発言することでもないが、現役諸君への同情を隠せない。


                           
「第三日第一部」146-148頁

   



● 崩れ落ちそうなわたしの壁掛け時計 ?

「オールバイオマスシステム完結論」の構想が出来上がった時点で、体長不良になり微熱が続いている。
慢性的な眼精疲労を侮っては命取りなのでは考え、スローダウンすることに。そういえば、土日休祭日は
一切なかったことを反省している。 
   

 

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ようこそ!スマートキャンティへ

2015年01月23日 | デジタル革命渦論

 


 

【オールバイオマスシステム完結論 Ⅸ】 

● ようこそ!スマートキャンティへ

 

 ヤコシ(薬師) 

ここは鷹取山にある絆自然公園内の足湯小屋。 主催者のマペットが桜の木のチップから作った
桜焼酎を参加者に振る舞っている。近隣の山々の残雪が光り輝いている。心地よい桜の香りが
するがどのように蒸留するのかと、コキノダイナスがいつもの大きな声でそう尋ねた。マペッ
トは研究開発を担当したギリシャ語で「薬師」を意味するヤコシを呼び説明させる。「桜の木
の厳選した部位を一定のサイズに均一にナノスケールにミーリングすることで表面積大きくし、
低温焙煎処理した後、新種のエタノール酵素、これは秘密ですが、細胞壁の糖タンパク質の分
解を早め、エタノール変換しこれを取り出し醸造酒。あるいは蒸留し蒸留酒を造っています。」
 

Industrial Fermentation -- creating new products from wood



beck57 マペット(大酒呑み)

「なるほど、これなら緑茶などのお酒も飲めるというわけやね。」「原理的には全ての木質バイオマスに
応用できますから、これからが楽しみです」とヤコシは説明した。しばらく、足湯を楽しんだ後、クロス・ラ
ミネイテッド・ティンバー・パネル工法のバイオマス研究センタに移動した。

 

センターの集中管理に案内され、室内のディスプレイウォールに一同目を見張る。近隣の森林
の様子
が一目で分かるようになっており、その表示部の一部に、監視用無人機のドローンから
テレメトリック
グラフィック画像が同時に4カ所の映像が映し出されている。オペレーターの
クスネボーボシが、ドロー
ンのカメラをマイクロモードに切り替え、樹齢30年の杉の一部を
拡大し、虫食い穴のようなの映像を撮
影し、その映像を直ちにスキャンし解析。異常がないこ
とを確認し終えると、画面が切り替わり、元の管理パネル大の大画面に戻った。すかさず、
ロンシャスは、そのドローンはどうなっているのかと質問すると、クスネボーボシは、自動的
に2時間に渡り、ミッション地区の森林を監視撮影した後、繋留収納庫に戻り次のミッション
まで充電待機するのだと答えた。 

  プロンシャス(旅団長) 

 

 

  クスネボーボシ(木地師) 

「それじゃ、この研究センタでの運営施設について説明します」とクスネボーボシは、ウォー
ルディスプレー部の中央
部に上の画像「再生ネネの中で、なぜ『バイオガス化&発電』に着
するのか?」を表示させ説明を始めた(詳細は上のグラフ(クリック)のNEDOの実用化
ドキュメント参照)。「ここでは、バイオマスでも営林の全てを使い切る試みを行っています。この山で触
診した森林を切り出し、あるいは間伐材やネグロマスを半自動で回収運搬させています。
搬入
してきた森林は、燃料用、建材用、日用品、食品、肥料、生分解性プラスチックなどに加工製
します。まず燃料用には粉砕→ジェットミルで、数百マイクロメートル以下(暫定値)、約
1500
2/gよりも大きいDFT表面積(暫定値)にパウダー化→メタン発酵→メタンをバ
イオマス活性炭
で精製→ビッチ分離→ガス化→タール除去→改質→水素分離→水素燃料電池&
水素ガスタービン発電
→送電/蓄電します。このプロセスで排出される、汚泥は乾燥→調合→
堆肥、廃熱はハーベスト発電
&温水&ヒートポンプ(冷媒は液化二酸化炭素)などに利用しま
す。先ほどの足湯の温水は廃熱利用
し、またこのセンタの地下の温水プールや地中熱とともに
自動融雪システムに利用しています。」



「小さく刻むことで表面積を広げる。そのことでこれまでの燃焼速度や化学反応の速度を飛躍
的に上がったというわけやね。」とコキノダイナスがスモールトークすると、「おっしゃる通
メタン発酵プロセスで、"対抗衝突処理”という技法も使っています(上図参照)。さて、
メタ
ン発酵設備や発電設備に、木質バイオマスパウダーとバインダーやフィラーと調合し、特
殊な木工ボンドで大型の3Dプリンタでタンクや建造物を造形し利用しています。また、小型
の3Dプリンタで日用雑貨品や家具・調理品、装飾品、玩具などの造形にも使っています。」
と説明して、すこし間を取っていると、ベゴニアが「医薬品などはつくっているの?」と質問
すると、すかさず「樟脳、木酢、檜油、除虫菊などは先ほどのドローンが植林に自動散布や患
部注入しています。」「それに、生物工学を駆使し、樹液や精油、樹皮から様々な医薬品・防
腐剤、
アロマ、防虫・除草などより安全サイドに立ったホルモン誘導剤など有機化学薬品など
もつく
れます。」とヤクシが付け加えた。

    ベゴニア(秋海棠)

それまで、聞き手に回っていたプロンシャスが、「バイオマスから水素がつくれるのなら、
ーリオス君の"オールソーラーシステム構想"と合体できるじゃないのか?」と鋭い質問を投げ
た。コキノダイナスも「そうや、ひとことも口きいてなかったなぁ」と督促するかのよう
に相槌を打た。もぞもぞしながらヘーリオスは、「はい、バイオマスは光合成なくし存在しま
せん。従って、"オールソーラーシステム"と融合します。ただ、一足さきに太陽光の方が実

化の目途、これは、最近話題となったトヨタの水素燃料電池車の特許無償公開が象徴されてい
ように、急速な再エネのコストの逓減となって表れています。」「したがって・・・」とコ
キノダイナスがスモールトークすると、「そうです、太陽光をはじめとする水素エネルギーの
技術的な大きな課題はもうなくなり、わたしはお払い箱です。」と苦笑いしそう話すと同席メ
ンバー一同の爆笑を誘った。

 へーリオス(舳離雄)

「そうねぇ~。そういえば、ここに来るまでに、一度も大きな送電線をみなかったのは再エネ
普及の影響ね。すっかり風景も変わりましたよね。」とベゴニアが反応。「直流送電、マイク
ロインバータ、マイクロコンバータ、マイクロコンディショナ、スマートグリッド、地下埋設
送電、マイクロウェーブ伝送など現在の流れは”デジタル革命渦論”ということです。その究
極が、ナノテクノロジ、バイオミミックリに収斂されるというわけで、オールバイオマスの研
究にシフトさせたわけです。」とへーリオスが補足すると「君のことだから、その仕事もすぐ
に終わってしまうね」と赤ら顔のマペットがツッコミを入れると一同、再び爆笑。

   コキノダイナス(赤鬼)

 

その後、センタの会議室を出て、バイオマス発電プラントを見学し、間伐材の集積現場でロボットスーツ
を着込み、木材の運搬作業を実体験し、エコツアーし、水素燃料電池ミニバスに乗り込み、上機嫌で帰
路についた・・・。 

 
● 今夜のオンリーワンテック 紙のような発光ダイオード

 

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富格差の肥大加速

2015年01月20日 | 時事書評

 

● 引き寄せられる混沌 : 富格差の肥大

世界の人口の1%の富裕層がもつ資産の総額は来年までに、残る99%の人口の資産を合わせた額と同程度
になるという推計を、国際支援団体のオックスファムが19日に発表した。また、世界の富裕層上位80人
の資産
総額は、貧困層35億人の資産総額に匹敵――回の推計によると、1%の富裕層が握る資産が世界の
富に占める割合は、2009年の44%から、14年は48%に増加した。このままのペースが続けば来年
までには50%を超す見通し。残る52%の富についても、人口の5分の1の比較的豊かな層が46%を握
っていて、その他の層が握る割合は世界全体の資産のわずか5.5%にとどまる。昨年の大人1人当たりの
資産額は平均で3851ドル(約45万円)。これに対して富裕層の資産額は平均270万ドル(約3億円)
だった。スイス・ダボスで始まる世界経済フォーラムの年次総会で共同議長を務めるオックスファム幹部の
ウィニー・ビヤニマ氏は、各国の首脳に対して広がる格差問題への対応を呼びかける方針。「富裕層とそれ
以外の層との格差は急速に拡大しつつある」「より公正で、より豊かな世界の妨げとなっている既得権者に
立ち向かうべき時だ」と指摘している――という("Wealthiest 1% will soon own more than rest of us combined,
Oxfam says
",CNN Global NewsView, Mon January 19,2015 
)。それによると、このことが、他者の抑圧や貧困、
環境破壊の助長、拡大などの人類の負の諸問題に連関しどのように繋がるのか? 繋がるとすればどのよう
に是正すればよいのか? そのための国際的な連帯をどのように構築するのか・・・頭の痛い懸念が増える。
 

 by Faith Karimi, CNN

● 引き寄せられる混沌 : 軍事的紛争加担の愚 

過激組織「イスラム国」と称するグループが日本人2人(「湯川遥奈」「後藤健二」)を人質に取り、身代
金2億ドルを72時間以内に支払わなければ殺害すると警告するビデオメッセージを出した。外務省当局者が
20日明らかにした。外務省は信ぴょう性を確認しているという(時事通信)。ところで、この2人は、映像通
信会社「インデペンデント・プレス」のジャーナリストである後藤健二と昨年4月、シリア取材中に湯川遥
奈と知り合い通訳をしていたという(詳細不明)。北部の街で、反体制組織「自由シリア軍(FSA)」拠
点の屋内にとどめ置かれ、入国目的などの事情を聴かれていた。当の過激派組織ISISがシリアで湯川遥菜と
いう人物をCIAのスパイとして拘束した事件で、イスラーム国(ISIS)側が素性を調べれば調べるほど不可解な
情報ばかりで困惑していたという(NAVER まとめ「【困惑】湯川遥菜が謎すぎて過激派組織ISISを困らせ
ているその理由
」2014.10.08)。どのような目的で「罪深き者達の手で貶められた地獄のごとき地」に自ら
赴いたのか理由はわからぬが無事邦人が救出されることを祈るばかりだ。

 

老婆心ながら言っておこう。『武器よさらば Ⅰ』で掲載した"シャルリー・エブド社銃乱射事件"を受けカ
ウウンタ・テロ
を掲げフランスは空母を派遣し空爆を続けているが、ヴェストファーレン条約を踏まえ中世
宗教国家から近代国家へ移行し、さらに「宗教の最終形態としての国家」(故吉本隆明)を解体する移行プ
ランの有無なくして単にカウンター(テロ封じ込め)だけでは解決に向かわぬ。つまり、"武器輸出禁止"が

大前提なのだ。これは欧米だけでなく後期ロシアマルクス主義に新自由主義を接木した中国、大ロシア回帰
のプーチンのロシアも同様である。 

 

 

● 世界第1位の低燃費の新型ハイブリッド車プリウス この夏投入!

トヨタ自動車が2015年秋にも発売するハイブリッドカー(HV)の新型「プリウス」の燃費がガソリン1リッ
トルあたり40キロメートルに達した。モーターなどのハイブリッドシステムの性能を高めたとされる。激
しい燃費競争が繰り広げられるなか、「リッター40キロメートル」が実現すれば、他のガソリン車やHV
と比べて、世界一の燃費性能になる。これはトヨタのアクア、スズキのアルトとも、現在リッター37.0キロ
メートル「世界一」の低燃費だ。 そうした中で、トヨタはHVの新型「プリウス」を2015年秋にも発売する。
2015年1月20日付の読売新聞によると、(1)新型プリウスはモーターなどのハイブリッドシステムの性能
を高めるとともに(2)排気量1.8リットルのエンジンの燃焼効率を向上させ(3)樹脂素材を多く使うほ
か、電池の小型軽量化を図ることで、車体重量は現行の約1600キロから百キロ程度軽くする。以上の条件を
クリアすることで、燃費性能はガソリン1リットルあたり40キロメートルに達する。現在の32.6キロ
メートルからは大幅な向上だ。自家用車をコアとして人的地球温暖化を省エネ・二酸化炭酸排出量逓減技術
と高性能化LED技術でコスト逓減と省エネを実現し、太陽光発電と蓄電装置技術はじめとした再エネ技術
で、世界に先駆けていち早く『環境リスク本位制時代』を克服する世界のフロントに轡を並べているといわ
けだ。幾多の困難も立ちはだかるであろうが、これは実に頼もしい。
 

 

● ハデスの国は何処

ギリシア神話の冥界。ハデスはギリシア神話の冥界の王の名だが、この名前が直接ハデスの国である冥界を
指すこと
もある。ハデスの国の位置は古くは世界の西の呆て、オケアノスの流れの呆てにあると考えられ、
オデュッセウスが
冥界を訪れたときも、オケアノスの流れに沿って
進んでいる。『オデュッセイアー』の中
で、魂の案内者へルメス神がオデュッセウスに殺されたぺネロぺの婚約者の魂を冥界に案内する場面では、
へルメスはオケアノスの流れに沿って下り、レウカスの岩のそばを通り、太陽の没する門を入り、夢の国を
過ぎて、一般の亡霊たちが棲むアスポデロスの野に着いたとされている。
しかし、時代とともにハデスの国
は地下にあると考えられるようになりギリシアの各地にハデスの国に通じる洞窟があると考えられるように
なった。中でも有名なのはペロポネソス半島南端のタイナロンの洞穴で、へラクレス、テセウス、オルぺウ
スらはここからハデスの国へと進入している。このほか、アルゴリス半島のへルミオネの井戸、ポントスの
へラクレイア、イタリアのクマエなどにハデスの国に通じる通路があったという


ハデスの国は何本かの冥府の川(三途の川)に取り巻かれており、冥府に入りこむにはこれらの川を渡らなけ
ればならなかった。冥府の川にはアケロン(悲嘆)、ステュクス(憎悪)、ピュリプ
レゲトン(火の川)、レテ(忘
却)などがあった。冥府の川の中では、歴史的に古いのはステュク
ス川だが、三途の川として一般的なのはア
ケロン川で、この川に三途の川の渡し守カロンがお
り、小遣い銭くらいの値段で亡者の渡し守を務めていた。
冥府の川を越えたところに3つの頭
を持つ冥府の番犬ケルべロスがいて、ハデスの館の門を見張っていたと
いう。ギリシア神話に
はハデスの国の他にもいくつか死者の棲む場所があるが、これらの位置関係はそれほ
どはっき
りしていない。たとえば、一般的な亡霊の棲むアスポデロスの野はハデスの国にあったが、選ばれ
た者たちのいくエリュシオンの野や至福者の島は、オケアノスの彼方にある。

現代の冥府は、湾岸戦争に至るまでの中東の石油をめぐる歴史は、まさに中東の石油利権をめぐる列強の抗
争の歴史であり、それはまた石油資本を守る列強に対する産油国の主権回復の戦いの歴史を繰り広げた北ア
フリカから中東にまたがる地上に蠢き存在していた。この喩えを抜きに、泡のように誕生したイスラム国を
語れない。現代
の「ハデス」(=冥界)は米国の軍事的支配力低下による液状化した過渡現象であり、ハ
チント
ンの皮相的な『文明の衝突』とは異なる<衝突>なのだとわたし(たち)は考えている。

 

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白色発光ダイオード工学

2015年01月19日 | ネオコンバーテック

 

 

 

● 白色発光ダイオード工学 蛍光体シート工法で廉価で高輝度を実現

東レ株式会社が、投入電力を上げることなく、白色LEDデバイスの輝度を10%以上向上させ
ることが可能な白色LED 用蛍光体シートを開発。既に本材料を適用した白色LED デバイスが、
従来製品と同等以上の長期信頼性を確認し本格的に販売を開始するという白色LEDは、青
LEDと黄色蛍光体あるいは赤・緑色蛍光体を組み合わせて白色発光させる方法が主流で、
LEDパッケージの製造工法としては、蛍光体分散液を用いたディスペンス方式やスプレーコ
ーティング方式が主に採用されている。



白色LEDデバイスの高輝度化は従来からの課題だが、従来工法では(1)蛍光体の沈降・凝
集により白色光の品質にバラツキが生じる。(2)
白色LEDに使用する蛍光体が高価で、一
般的にレアアースが使用され、蛍光体の削減が課題だった。これに対し東レは、(1)独自
の蛍光体分散技術のシート状(厚み40μm~)の白色LED用蛍光体シートの開発。(2)こ
の材料をシリコーン樹脂で屈折率を制御することで、LEDデバイスの輝度を10%以上向上さ
せることに成功。(3)蛍光体の高濃度充填による薄膜形成が可能で、従来工法に比べ放熱
性に優れ、投入電力を上げ輝度向上を図れ、(4)蛍光体を均一分散し、膜厚精度に優れ、
白色光の色バラツキを最小化したと同社は説明している。

 

高品位で廉価な発光ダイオードの進歩が加速する。目が離せない! 

 

【たまには熟っくり本を読もう】




● 日中食品汚染 Ⅴ 第1章 見えない食品の恐怖

 

                             食品と食品添加物の境界

  もっとも懸念されるのは、食品添加物についてである。厚労省によれば食品添加物と
 は、「保存料、甘味料、着色料、香料など、食品の製造過程または食品の加工・保存の
 目的で使用されるもの」としているが、具体的には、日本政府が安全と認定したものに
 限られる。
  ただし、食品同様に食品添加物も、食文化と強い関係があるので、国ごとにいろいろ
 な腫煩がある。そのあたりの事情を反映して、国際的な定義はやや複雑だ。
  国際良品規格等を定めているコーデックス(CODEX)委員会は、「食品添加物と
 はそれ自体が栄養的価値をもつかどうかに関わりなく、通常は食品そのものとして、あ
 るいは食品の典型的な成分をなすものとしては使用されない物質であり、食品の製造過
 程、加エ、保存、調製、梱包、包装、輸送における意図的な目的による技術的操作(感
 覚的刺激を含む)により食品に付加され、あるいはこうした一連の操作の結果、(直接
 的・間接的に)食品に対して合理的な結果を生むものとして期待される物質を指す。た
 だしこれには「汚染物質』あるいは食品の栄養的品質自体を保持あるいは追加する物質
 は含まれない」としている,

  これに比べたら、日本の定義は何と単純なことか。国際規格では食品の栄養的品質を
 変えないことを明確にしているが、日本はこの点については触れていない。日本の食品
 添加物は保存とか甘味とかうまみなどの付加、まさしく「添加」するという目的が強調
 されすぎて、食品本来の品
質を変えないという本質的なことが軽視されている。

  では、中国はどうだろう。中国の食品安全法によると、食品添加物とは、「食品の品
 質、色、香りと味を改善し、腐敗を防ぐための保鮮を施し、食品に加える人工的合成物

 質あるいは天然の物質」と定義している,こちらの方は、食品自体のあり方を積極的に
 変えるという点がより明確に
されている。ここに国際規格とは異なる中国の意図をみる
 ことができる。食品添加物にさまざまな物質を使用する可能性が高いということだ。現
 に中国の食品添加物の種類の
多さがそれを物語っている。
 

  このように、食品添加物の定義は国によって賢なる。つまり日本では食品添加物であ
 っても中国では食品添加物で
はない、あるいはその逆が起きる。たとえば中国で認可さ
 れているが、日本では食品添加物として認められていないものにホルムアルデヒド(中
 国でも使用禁止になったが、
パスタ、米、麺、春雨、油揚げ、メンマ、小麦粉、タケノ
 コ、シロキクラゲ、魚介類などの食品のホワイトニング、濃縮、保存などに使用される
 例が絶えない)がある。ホルムアルデヒドを使った食品が日本に輸入された場合、日本

 にはないことになっている食品添加物が実際にはあることになるのだ。これは一例だが、
 定義が異なる以上、中国で
は食品添加物に当たらず、日本では食品添加物と考えられ
 いるものが多数存在する可能性がある。その反対に、中
国政府は原則として禁止してい
 るが日本では認可している
亜硝酸ナトリウム(肉加工品の塩せきなどに使われている)
 のような食品添加物もあるのだ。

  コーデックス委員会の最新のリスト(コーデックス・マニュアルに記載)によると、
 世界には465腫類の食品添
加物があり、さらに用途別にグループ分けした添加物を小
 分類すると996種類となる。
 
  内訳は酸味調整剤95、固化防止剤35、消泡剤7、抗酸化剤41、漂白剤5、増量剤25、
 炭酸化剤1、添加物媒介剤24 色素47、色素保持剤16、乳化剤118、乳化塩1、凝固
 剤18、風味増強剛31、小麦粉処理剛34、発泡剛15、ゲル化剤15、光沢剤34、表面処理剤
 49、ガス閉じこめ剤3、防腐剤,`、推進剤4、上昇剤24、イオン封鎖剤57、安定化剤
 130、け味料25、増粘剤95である。その他、香料は2098種類もある。これはコー
 デックス委員会が認可しているものに限られるので、このうち世界中で実際に使われて
 いる食品添加物がどれだけあるかは不明である。

  食品に限らず、動物や魚介類の飼料向けの添加物もある。飼料添加物は、国別に基準
 があることが一般的だが、その実態は閤の中だ。
  これらの食品添加物や飼料添加物の入っていない食品はこの附では皆無といってよく、
 食品を構成する準成分的な存在になってしまっている。つまり、現在の食品添加物や飼
 料添加物は、食品そのものあるいは食品と一体化した存配になっているといっていいだ
 ろう,現代人の我われが食べている食品はもはや純粋な食品ではないことになる。食品
 添加物は食品の保存や長距離輸送を可能にするなど、利点も多いことは間違いない。し
 かし、農産物や魚介類そして肉類などの生鮮産品が本来もつ呈味成分、風味や色を変え
 てしまう無駄で危険なものも多いと指摘されている。

  その無駄で危険な食品添加物が海を越えて、我われも気づかないうちに体内に吸収さ
 れている。食品添加物を使わない食品が輸入されても、それが保管され調理される過程
 で数えきれないほどの種類と量の食品添加物が文字通り添加される。日本では875種
 類頻頻(2014年現在。天然香料を除く)の食品添加物が認可されているため、それ
 以外は違法となるのが原則だが、中国で認可されている食品添加物は1802種類以上
 だ。この種類の多さと輸入額からしても、日本では認可されていない食品添加物が入っ
 てくる可能性が高いことはおわかりだろう,


    中国の食品添加物の種類 ÷ 日本の食品添加物の種類 > 2.06
 

 

                                         高橋五郎 箸『日中食品汚染』


抜き取り検査法でも良いが、添加物の履歴が瞬時にわかる検査法やその装置システムの開発が待
たれる。これについては残件扱いとする。それにしても、「科学技術進歩で加速した欲望」をどのよう
に制御するのか? 頭の痛い問題が次々と顕在化しているようだ。


                                                   (この項つづく)

   ● First Aid Blanket  !

 

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6ペンスの唄にハーブ烏のロースト

2015年01月18日 | EMF安全保障

 



● 地殻が変だぞ?! トンガで新たな火山島が出現

南太平洋のトンガで、先月から噴火を続けている火山の影響で、新たな島が出現したという。
土地・天然資源省によると、火山は、首都ヌクアロファ(Nuku'alofa)から約65キロにあ
り、昨年12月20日に5年ぶりに噴火し、火山岩や火山灰を火口の周囲に――無人島と約
百メートル沖合の海底の2つの火口から起きて――噴出しているという。
島の大きさは、幅
1キロ、長さ2キロほどで、標高は約百メートルというから、小笠原諸島の西之島が東西
1,710メートル×南北1,830メートル×最高標高71
メートル、面積 2.3平方キロメートルと
ほぼ同じ大きさである。世界の火山が活動期に入っているのか地殻チョッと変だ。南海トラ
フ巨大地震や日本の火山爆発のおそれが心配され、原子力発電事故の連鎖大惨事の併発が心
配され、さらに、人為的地球温暖化による太規模気象変動が加わり、さらなる防災整備が急
がれる。
 

【たまには熟っくり本を読もう】




● 日中食品汚染 Ⅳ 第1章 見えない食品の恐怖


                         
                               
                                     中国産食品から逃れられるか

  アメリカ、中国、カナダのうち、輸入検査で引っ掛かる食品がもっとも多いのがお隣
 の中国だ。あとでくわしく実態を紹介するが、ここではまず中国で起きているさまざま
 な汚染問題が、日本と直結していることを強調しておきたい。
  2012年の場八日、日本の輸入食品のうち13.7%(摂取カロリーベース)が、
 中国産である。食べていないつもりでも、毎日中国産食品をロにしているのだ,若い日
 本人女性の1日当たりの摂取カロリーは平均で2000キロカロリー。県純計算すると、
 そのうち160キロカロリーが中国産という勘定になる(2000×食品の海外依存度
 60%X13.7%)。中国産食品を買わないという消費者も、この現実から当分の間
 逃げだすことはできないだろう。

  輸入された食品は厳格な検査を行っているから安全だと政府のお墨付きのあるものし
 か日本人は食べていないことになっている。しかし、わたしはこの言い分をあまり信用
 していない。これだけ中国産食品を輸入しているのだから、もし汚染があれば、それは
 そのまま我われの口に入ってくる.いわば、"日中同時食品汚染”の時代なのである。
  中国からの輸送は数時間あるいは数日しかかからないので、日本人と中国人は、ほぼ

 同時に同じものを、形だけを変えて食べているようなものなのだ。よく世間で思われて
 いるように、中国の食品は汚染されているが日本の食品はまったく安心だ、などという
 のは気休めにすぎない,

 
                          無形遺産「和食」の怪


  第一、純日本産の食材がどれくらいあるというのだろうか。和食がユネスコの無形文
 化遺産に認定されたと話題になっているが、農林畜水産物、調味料、栄養剤、着色料、
 保存料、香料など、すべてを純国産で作ることは非常に困難といわなければならない。
 たとえばスーパーの惣菜売り場に並ぶエビの天ぷらで考えてみよう。エピは、ほとんど
 がタイ産のバナメイエピである。
  天ぷらの衣の素材の小麦はアメリカ、カナダ、オーストラリア産。食用油の素となる
 大豆はアメリカ、ブラジル、カナダ産。あるいは菜種油ならカナダ、オーストラリア
 の菜種からできている。小麦粉に混ぜる卵を除き、あとは輸入品ばかりで作られてい

 のが実態だ。その卵の産みの親のエサも大部分が輸入ものだ。
 
  無形文化遺産として和食を提案した農林水産省(以下農水省)によれば、和食とは
 
素材や調味料、添加物などの原産地も含めて日本のものというよりも、料理法と食器、
 食
べ方が日本風であるという「概念」なのだそうだ。和食といえば、それを作り出して
 いる食材まで日本産であるかのように錯覚してしまうが、事実とは異なる。食材の多く
 が輸入品である以上、「和食」が安全であるかどうかは、料理法や盛り付け方だけで保
 証されるものではないのである。


                                                                              カラスは食品か?

  日本の食品の安全行政は、厚生労働省(以下厚労省)が管轄することになっている。
 ここでわたしが疑問に思うのは、どこまでが食品でどこからが食品でないか、というこ
 とである,なぜなら食品添加物検査ひとつとっても、それが食品と認定されていなけれ
 ば検査の網を潜り抜けてしまうからである。
  さっそく厚労省が作っている食品関係法律を見ると、食品を「医薬品と医薬部外品を
 除くすべての飲食物」と定義している。あっさりしていて味気ないくらいだ。ひとロに
  食品といっても形や色もさまざまだから、難しく定義されても困るというものだが、
  クスリを除くす
べての飲食物を食品としてしまうと、逆にこれでいいのか、と思いたく
 なる。


  唐突だが、たとえばカラスはどうだろう。あのカアカアと鳴く鳥は食品だろうか?厚
 労省の定義に従えば、カラスを食する習慣のある人にとって、医薬品として利用しない

 限り、食品のひとつとなる。
  日本にもカラスを食べる習慣がある地方がいくつか存在する,信じられないという人
 のために付け加えておくと、
かつてわたしが食べた「カラス田楽」は大変美味であった。
 ところがカラスを食する習慣など持っていない人にとって、それはただうるさいだけの、
 気味悪い鳥の一種でし
かないだろう。

  サルやネコも同じことだ。日本でもこれらを食べることをいとわない地方が実在した,
 あるいはシマヘビやサソリも、食する習慣のある人や民
族にとってはごちそうだが、一
 般の日本人にとっては、恐怖のあまり失咄‥しそうになる生き物でしかない。わたしは

 どちらも食べたことがあるので、その味がわかる。だから、そのときヘビやサソリは、
 わた
しにとって食品だったのだ.『飲料でも同様の例が挙げられるだろう。精がつくか
 らと
すっぽんやマムシの生血を飲む人にとって、似たような顔をしたこの2種類の生物の
 生血は正真正銘の食品ということになる,もちろん、アルコール飲料も立派な食品であ
 もうひとつ忘れてならないのが、最近日本のテレビコマ
ーシャルを席巻している健康食
 品だ。名の通った中高年タレントや俳優、スポーツ選手を起用し、実に巧妙かつ微妙
 言い回しで消費者の購買意欲をくすぐる。

  健康食品はその名の通り食品であって薬品ではないが、多くの人は薬品に近い存在と
 して認識しているのではないだろうか。
また、食品の内容は時代によっても変わってい
 く。江戸時代に庶民が食べていたのは一汁一菜,しかも1日の食事は朝と夕の2食が普
 通だった,主食も玄米や麦で、現代の一般的な食卓と比べると、とても質素である。お
 そらく1日当たりのカロリーも今の半分以下、1000キロカロリーもなかったのでは
 ないか。現代の大型メタボ大の
エサよりも、少なかった可能性がある,栄養摂取眼や脂
 肪、蛋白質、澱粉のバランスも良くなく、心身の成長や発達を促し、病気やけがから身
 を守るビタミンやさまざまな
栄養素も不十分だったに違いない。

  戦国武将の甲冑を見ると、寸法が小さく、当時の日本人の体格はいかにも小さなもの
 だったことがうかがえる。こ
れでよく戦えたものだと思うが、現代の日本人の体格を無
 意識のうちに前提としているからそう見えるだけのことだ。考えてみれば質素な食事だ
 ったのだから、当然であろう。
  やがて明治時代になり、牛肉や豚肉を食べるようり、魚介類や豆類の消費も徐々に増
 えていった。西洋風の食べ物が庶民の食卓にも上がるようになった。内容はまだまだ貧
 弱だったが、エ業生産力の拡大が農機具の発展や化学肥料の供給を増やすようになり、
 農業生産力も伸びた。
  
  国を挙げてコメを作るための水田面積が増え、稲の成長に欠かすことができない潅漑
 施設の整備も進んだ。食事回数も2食から3食になり、ひとりが食べるコメの量も増え
 た。明治時代のひとり当たりの年間コメ消費量は約120キログラムだったというが、
 昭和になると160キログラムに増えた。
  人口も増え始めた。江戸時代末期の目本の人口は3000万人程度だったが、コメを
 たくさん食べるようになって急速に増えた。明治末期は5500万人に、昭和初期で6
 000万人、昭和10年(1935年)には7000万人である。今では想像もつかな
 い増え方だった。食品の多様化と允実の結果だった。

  これらの例が示すように、時代や文化とともに変化する食品すべてをただ「飲食物」
 と定義するだけではじつは何もいっていないのと同じなのである。またこの定義には、
 人によって食品の中身や物質が勝手に決められてしまうという欠陥もある,
  しかし、よく考えてほしい。食品の種類、調理方法、包装の形式などあらゆる面が刻
 一刻と変化している現代において、食品とは何か? があいまいなままでは、やがてす
 べての食品を把握している者は誰ひとりとしていなくなってしまうのではないだろうか。
 数年おきに改訂される「食品標準成分表」(文部科学省科学技術・学術審議会・資源調
 査分科会)では、現在約1900の食品数を挙げているが、その数は増え続け、中には
 知らないうちに消えていく食品もある。こういった状況では、食品を作る側や売る側へ
 の規制がしにくくなる。
  食品の定義があいまいであることは、現代の食の豊かさ、楽しみを担保してくれるも
 のではあるが、同時に危険が入り込む余地も生まれてしまうのだ。


                          高橋五郎 箸『日中食品汚染』



     

   

日本でもカラスが長野県上田地方では田楽として食べられている。このブログで掲載したこ
とがある蓼科高原のレストラン『エスポワール』ではジビエ(狩猟:狩猟)料理の「カラス
のハーブ・ロースト」が紹介されている(上写真)。この記事でシェフの藤木徳彦はフラン
ス料理の古本からカラス料理のヒントを得たと語っているが、なるほど、目から鱗である。
「日中食品汚染」のテーマから話が逸れたが、食文化などの視点から考えることもまた、正
解であろう。

●  Sing a song of sixpence

    Sing a Song of sixpence,
    A pocket full of rye,
    Four and twenty blackbirds,
    Baked in a pie.

    when the pie was opened,
    The birds began to sing,
    Was not that a dainty dish,
    To set before the king?

    The king was in his counting-house,
    Counting out his money,
    The queen was in the parlour,
    Eating bread and honey.

    The maid was in the garden,
    Hanging out the clothes,
    There came a little blackbird,
    And snapped off her nose.




                                 この項つづく 





 

● 急激な温暖化に適応するヒメウミスズメ

今日にいたるまで、北極では低緯度の地域に比べて2倍の速さで温暖化が進んでいる。国連
の気候変動に関する政府間パネルによると、2030年代までに夏の海氷が実質的に消失すると
予測。海鳥からホッキョクグマにいたる生物種への深刻な影響が懸念されている。北極に暮
らす生物の数種が絶滅するだろうと研究者らは警告するが、個々の種がどのように適応して
いくかは正確には把握されていない。今後180年の間にフランツ・ヨーゼフ諸島のすべての
氷河が消失するが、解け出す水の量はそれ以前に著しく減少すると研究グループは推測して
いるが、急速に温暖化が進む北極で少なくなった食料を補うため、気候変動のせいで氷河か
ら解
けだした冷水で気絶するようになった獲物をヒメウミスズメが捕らえ適応していること
が最新の研究
で明らかにされたヒメウミスズメが今後とも十分な食料を確保できるかどうか
は定かではない
と、ナショナル ジオグラフィック協会のエクスプローラーのエンリック・サ
ラは話し、究極
的には、われわれがヒメウミスズメやホッキョクグマ、そして影響を受ける
と、あらゆる生命のためにできることは1つしかない――それは温室効果ガスの排出を減ら
すことだと話している(ナショナル ジオグラフィック日本語版,
2015.01.16)。

 




このように観ていくと、今夜も昨夜と同じく人類は"この試練"を乗り越えていくしかないの
だと、無間煉獄の覚悟の他なしと腑に落とすことになる。

 

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試練を乗り越えて

2015年01月17日 | 地球温暖化

 

 

 

● アフリカ南東部洪水 マラウイで死者数2百名に迫る 

アフリカ南東部のマラウイで豪雨による洪水が発生し、チリマ副大統領は16日、176人
が死亡、20万人以上が家を失ったと明らかにした。行方不明者は150人以上に上っている。
災害当局は今後さらに豪雨に見舞われる恐れがあると警告。洪水により国土の半分が被害に
遭い、停電が起きている。被害の大きい南部では橋が流され、5つの主要道路が寸断された。
昨年11月にはモロッコ南部で大洪水の被害が発生したばかりだ。




●  阪神・淡路大震災20年  

早や20年。阪神・淡路大震災が今朝発生した。テレビは全局特集を組んでいた。国内の観
測史上初となる震度7(マグニチュード7・3)の大地震が兵庫県南部を襲い、死者643
4人住宅被害約64万棟、被害総額約10兆円と、甚大な被害をもたらした。この年は個人
的にも重大な行動を取ったことも記憶も鮮明に残っている。続く、2001年の9月11日のアメ
リカ同時多発テロ事件、2005年4月25日のJR福知山線脱線事故、さらには2011
年3月11日の東日本大震災。福島第1原子力発電事故へと続く重大な災害事故の記憶であ
る。神戸市中央区の東遊園地では、午前5時から「阪神淡路大震災1・17のつどい」が開
催。「1・17」の形に並べた竹灯籠にろうそくが灯され、地震発生の午前5時46分には
黙祷がささげられた。また、神戸市出身の音楽教諭・臼井真さんが復興への願い込め作詞・
作曲し
た『しあわせ運べるように』を、福音歌手の森祐理さんが独唱。午後からは、東日本
大震災の犠牲者を追悼するため、竹灯籠を「3・11」の形に変え、東日本大震災が発生し
た午後2時46分、また午後5時46分に再び黙祷の時を持つ。震災20年を覚えるこの集
いでは、午後9時までさまざまな催しが続くという。

  ● 今夜の一曲

「しあわせ運べるように」は、1995年に発生した阪神・淡路大震災後に臼井真が神戸復興を
願い、作詞・作曲した楽曲。当初は2番までだったが、2005年に3番が作詞される。同
楽曲は原曲の「神戸オリジナルバージョン」のほか、2011年に発生した東日本大震災後
に制作、歌詞中の「神戸」を「ふるさと」に置き換えた「ふるさとバージョン」もあり、英
語、中国語、フランス語、ペルシャ語にも訳されている。新潟県中越地震で全村避難を余儀
なくされた山古志村には、歌詞中の「神戸」を「山古志」に替えた歌のテープが神戸市の小
学校から贈られる。東日本大震災後、同時多発的に東日本の被災地に広がり、ほかにも「福
島」「浪江町」など被災地を中心に多様なバージョンが制作され教育現場を中心に歌い継が
れている。


● 家庭用の安価な地熱利用ヒートポンプ方法を開発

 

このブログでも掲載したが(『いちごと異常気象』 2014.12.29)、地中熱を利用したヒート
ポンプシステムを家庭用に廉価な工法を開発したことを株式会社コロナが6日に公表してい
る。周知の如く、地中熱とは、年間を通じて温度が変わらない地下の熱資源。いわゆる「地
熱」とは異なり、火山活動とは無関係な全国にまんべんなく存在する再生可能エネルギー。
地中熱を利用すると、空気熱エアコンよりも効率のよい暖房が可能という特徴をもつ。より
少ない電力で暖房効果が得られ、例えば、1単位の電力を使うと、地下の3単位の熱をくみ
上げて、室内に4単位の熱を送ることが可能だ。

ただし、地中に冷媒を通す管を埋め込む必要があり、空気熱エアコンと比較して導入費用(
工事費用)がかさむ。コロナ社が目を付けたのは、地盤改良工事で利用する鋼管。「全国の
新築住宅のうち、地盤改良が必要なケースは約3分の1。関東地方はその倍程度。この鋼管
(10メートル)を5本多く打ち込み地中熱専用に使うことで工事費用を抑えるというアイ
デアである(上図参照)。地中熱専用の管を使わず、一般的な地盤改良工事用の鋼管を使う
メリットは2つあり、(1)鋼管そのものが低コストであり、(2)工事に用いる重機のコ
ストを抑えることができるメリットがある。

同社によれば地盤改良工事では長さ4~10メートルの鋼管を20~50本打ち込む。5本を追
加するために必要な面積は、1.8×3.5メートル(自動車1台分程度)。家屋から出た冷
媒用の採熱管が5本の鋼管を直列に結んで、再び家屋に戻っていく。鋼管の内部に詰めたケ
イ砂に
は2つの意味がある。熱伝導性を高めるためと、U字チューブの位置安定性を高める。
2011年に発売した地中熱ヒートポンプ温水暖房システムは、地下百メートルまでU字管
を埋設し、内部に不凍液を循環させる。


【概要】

熱源側熱交換器7を蒸発器として機能させると共に負荷側熱交換器5を凝縮器として機能さ
せて負荷
側を加熱する暖房運転中に、制御手段26が、負荷側熱交換器5の循環液流路5b
に流入する循環
液の温度を検出する負荷温度検出手段25で検出される温度が設定された目
標暖房温度になるように圧縮機4の周波数を制御するヒートポンプ装置において、制御手段
26
は、熱源側熱交換器7側の冷媒の温度を検出する蒸発温度検出手段11で検出される冷
媒の
温度に応じて、圧縮機4の周波数または回転数の上限値を設定することで、暖房運転中、
蒸発器として機能する熱源側熱交換器の不凍液流路の不凍液中の水分の凍結を防するヒー
トポンプ装置の新規考案。



【たまには熟っくり本を読もう】



● 日中食品汚染 Ⅲ 第1章 見えない食品の恐怖


                         自給率と関係がある
   
                                                     

  現実に存在する食品汚染は、食料自給率と輸入品目におお
いに関連がある。
  日本が自分の国で賄えているのは、摂取カロリーを単位にすると、全休のわずか40%
 程度。つまり食品の60%を海外か
らの輸入に頼っていて、先進国ではもっとも危機的な
 状況に
あるといわれている。価格が安くて品質がよければ、日本産でなければならない
 理由はないが、実際は、輸入食品には質
的な面で不安がある。政府が毎年公表している
 資料による限
り、安全基準違反の輸入食品はいっこうに減る気配がない。

  輸入食品と国産のどちらがいいかと尋ねると、ほとんどの消費者は国産がいいと答え
 るが、現実の購買基準は価格を優
先することのほうが多い。その結果輸入食品の増加を
 招き
この矛盾は解消されないまま推移している,
  農業技術、食品加工・管理技術などには、国や地域によって大きな差がある。自給率
 が低いと、これらの面で不安の多
い国からの輸入もせざるを得ず、輸入先とともに輸入
 品目も
多くなる傾向がある。それだけ汚染食品が輸入されるリスクを高めるのである。
 「貿易統計」によると、飲料を除く食品すべての品目を合わせた日本の輸入先は、74
 カ国・地域におよぶ(2012年)。日本が承認している国家数は194カ国なので、
 大体4割近い。これにジュースやワインなど飲料の輸入先を加えると、5割程度にも達
 する。

  その中でアメリカは、もっとも輸入金額が高い国だ,2012年には、およそ1兆
 5000億円もの輸入をしている。1位5品目は、トウモロコシ、冷凍豚肉、小麦、大
 豆、たばこである。その次に金額が多い中国の上位5品目は鶏肉調製品、冷凍野菜、生
 鮮野菜、大豆油脂、ウナギとつづく。ちなみに3番目はカナダである。輸入額は中国の
 半分ほどの5000億円、採油田の菜哺、冷凍豚肉、小麦、大豆などがカナダからの主
 な輸入食品である。
 
  この3つの国からの輸入食品を比べると、はっきりとした違いが見える。アメリカと
 カナダから輸入されているのは主に穀物哨と冷凍豚肉で、腐りにくく天賦輸送ができる
 食品に偏っている,しかし、残留農薬や添加物、輸送途上での害虫、雑菌を避けるため
 の煙蒸・殺菌などによる汚染が起きやすい条件のもとにおかれている。
  一方、中国からの輸入食品は冷凍・野菜、鶏肉調製品、ウナギなどと、あまり遠方か
 らは運べないものが多い。それだけに中国からの輸入食品もまた、保鮮や病害防除とい
 う面で安令性が懸念されるのだ。


それでは、中国産食品から逃れるのか?と自問してみる。これについては次の節でその解答
を考えてみよう。

                                  この項つづく

 

 

 

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人騒がせな西方の風よ。

2015年01月16日 | 日々草々

 

 

● 「介護労働は経済成長の足枷」という考え方 

政府は介護事業者に支払われる介護報酬について、15年度の改定で引き下げる。引き下げ幅は5
%前後で来年4月から実施。
介護報酬は介護保険サービスの公定価格で、総額は年間約10兆円。
1%下げると支出は1000億円減(税520億円減、保険料410億円減、利用者負担70億円
減)となる。日経はこの記事に「自己負担1割軽減」の見出しを付けて報じた。
介護職員の給与を
月額で平均1万円程度増やすのに必要な介護報酬(約1300億円、約1.3%増分)を別途確保す
るという。
財務省は、特別養護老人ホームや通所介護(デイサービス)事業者の報酬は「大幅に削
減」する。こちらが目的なのだ。全体で3%台前半の削減を求めている。厚労省は「実質5%近い
減額で、経営難に陥る事業者が出る」と反発。2%台後半での決着を模索中だという。

 

介護の過酷さは昨年なくなった母の介護で身に染みている。両脚の手術した後、介護老人福祉施設(特別
養護老人ホーム)に入所するまでの間、入浴、トイレ、着替え、車いすへの乗せ換えなど作業の大変さ加減
は言うに及ばず、例えば、トイレの出入りの動作が困難となり、夜中の室内用ポータブルトイレ中、転けて、
室内に糞尿が床に飛び散るなどもしばしば。転倒した母を元のベッドに戻すのも骨粗鬆でやせ細った身体を
抱き上げことは二人かかりでも難儀な作業だった。自治町内には、知事が長寿祝いに訪問するぐらいの長寿
一家が住まわれていて、寝たきりの百歳を超える寝たきりのおじいさんとお父さんを、娘さんが長い間介護
されておられたが。その方が「私には青春時代というものがなかった」とその苦労を語っていた。

長寿はめでたいが理想をひとことで喩えれば、「ピンコロが一番、風呂で倒れても(入浴中脳梗塞や怪我な
どで致命的な状態に陥っても)、救急車を呼ばないこと」と自虐的な冗談を言い合うこともしばしばだ。老
々介護など重度になれば、仕事も辞めなければならない。こういった場合、「ウサギ小屋に住むニホン」で
あればなおさら、不慮の連鎖事故、火事などの罹災に見舞われるリスクが高くなる。仕度で余裕をもって介
護・看取りができる福祉環境――その基準・法整備は未だに整備されず家族責任として放置――をつくるに
は相当のコストと時間を必要とする。それがかなわないというなら専門家・専門施設に任せるのが一番だ。
その負荷が軽減できれば、そのまま仕事を続けることができる、生産的でもある。つまり、経済成長に繋が
る。「健康的な長寿社会」は実は立派な成長戦略ということを率先垂範すべき政治委員も財政国家官僚も、
大手マスコミもいないと思わせるような"デフレ社会
”に停滞している。そういえば、野々村なにがしかの
兵庫県のデフレ県会
議員の映像が丁度お似合いな本年度の予算編成劇である。



● 人騒がせな西方の風よ。

 

                                                                                     


   

  荒々しい西風 秋の息吹よ
  見えないお前に駆り立てられ枯葉が舞う
  魔法使いから逃れる亡霊のように

  黄色に 黒に 灰色に 真っ赤な色に
  染まった枯葉がおびただしく舞う 西風よ 
  お前は種を吹き飛ばして地上にばらまき

  冷たい大地のうえに横たわらせる
  墓穴の中に寝そべった遺骸のように
  だがやがてお前の妹 春の風が吹いて

  眠れる大地を呼び覚まし
  木々の蕾に生気を吹き込み
  野や山を生き生きと色づかせるだろう

  そこここに吹き荒れる野生の息吹よ
  破壊者にして守護者 聞け いざ聞け


  

  揺らめく空中を お前の勢いに流されて
  千切れ雲が枯葉のように吹き飛んでいく
  天と海原のもつれあう枝々からは

  雨と雷光の天使たちが振り落とされる
  お前のブルーに染まったうねりにそって
  マイナデスの逆立った髪のように

  おぼろげな地平線から天頂に向けて
  近づく嵐の徴 巻き毛のような雲が
  ぐんぐんと湧き上がっていく

  死に行く年の葬送曲よ 夜は閉じられ 
  巨大な墓場のドームと化すだろう 
  お前は夜露の力を集めて天蓋を支え

  天蓋の凍った大気からは 黒い雨
  雷や雹が吹き出るだろう 聞け いざ聞け


  Ⅲ

  西風よ お前は地中海を夏の眠りから目覚めさす
  その快いまどろみの中で 紺碧の海は
  バイアの入江の小さな島の傍らで

  きらめく波のうねりに揺れる
  波の底には宮殿や塔が
  緑のコケや花々に覆われ

  震えつつ揺らめき騒いでいた
  なんと甘美でそぞろな夢か
  だが今や西風よ お前の吹きすさぶ道にそって 

  アトランティックの海は逆巻き
  海底に色あせた草や木々も
  お前のうなり叫ぶ声を聞くと

  恐怖のあまり更に黒ずみ
  根こそぎにされて海にただよう 聞け いざ聞け


  Ⅳ

  もしも私がお前に運ばれる枯葉であったなら
  もしも私がお前によりそう雲であったなら
  もしも私がお前の力強い鼓動をわかちあい

  のたうつ波であったならば
  おお西風よ 誰にも制御しえぬものよ
  もしも私が少年の頃のように

  お前とともに大空を駆け回ることができたならば
  私はお前よりも早く駆け巡り 他には何も見ないだろう 
  もしその夢がかなったなら こんなにも

  お前に訴えかけることはしなかったろう
  私を持ち上げてくれ 波や葉っぱや雲のように
  私は生命の茨の上に落ち 血を噴き出す

  お前のように奔放で敏捷で誇り高かった私を
  時の重みが押しつぶしたのだ


  Ⅴ

  私を竪琴にして 森の如き音を発せしめよ
  木々から葉が散ろうとも気にかけるな
  音は力強いハーモニーをかなで

  悲しくも甘美で深い秋の調べを歌う
  西風よ 猛々しい妖精よ
  私に乗り移り 私を力強い勇者たらしめよ

  枯葉のような私の思いを世界にばらまき
  世界を生き生きと生き返らせよ
  私の言葉に命を吹き込み

  不滅の火から飛び散る火花のような
  私の言葉を世界中にばら撒いてくれ
  眠った大地に向けて 私が発する音になってくれ

  西風よ 予言のラッパを吹き鳴らせ 
  冬が来たなら 春は間近いと


     Ode to the West Wind
     Percy Bysshe Shelley, 1792- 1822  

  
    

     O wild West Wind, thou breath of Autumn’s being,  
     Thou, from whose unseen presence the leaves dead   
       Are driven, like ghosts from an enchanter fleeing,   
 
     Yellow, and black, and pale, and hectic red,  
       Pestilence-stricken multitudes: O thou,    
          Who chariotest to their dark wintry bed   

        The wingèd seeds, where they lie cold and low, 
        Each like a corpse within its grave, until   
        Thine azure sister of the Spring shall blow  

        Her clarion o’er the dreaming earth, and fill 
       (Driving sweet buds like flocks to feed in air)  
       With living hues and odours plain and hill:   

         Wild Spirit, which art moving everywhere;  
         Destroyer and Preserver; hear, O hear!



     Ⅱ

       Thou on whose stream, ‘mid the steep sky’s commotion,
       Loose clouds like Earth’s decaying leaves are shed,  
       Shook from the tangled boughs of Heaven and Ocean, 

       Angels of rain and lightning: there are spread        
      On the blue surface of thine airy surge,  
        Like the bright hair uplifted from the head  

         Of some fierce Maenad, even from the dim verge       
      Of the horizon to the zenith’s height,   
          The locks of the approaching storm. Thou dirge   

           Of the dying year, to which this closing night        
      Will be the dome of a vast sepulchre  
         Vaulted with all thy congregated might  

       Of vapours, from whose solid atmosphere    
       Black rain, and fire, and hail will burst: O hear


           
III

      Thou who didst waken from his summer dreams   
          The blue Mediterranean, where he lay,
       Lulled by the coil of his crystalline streams,
      
            Beside a pumice isle in Baiae’s bay,  
        And saw in sleep old palaces and towers  
        Quivering within the wave’s intenser day,  

           All overgrown with azure moss and flowers 
        So sweet, the sense faints picturing them! Thou    
            For whose path the Atlantic’s level powers   
     
       Cleave themselves into chasms, while far below  
        The sea-blooms and the oozy woods which wear   

       The sapless foliage of the ocean, know    
          
           Thy voice, and suddenly grow grey with fear,    
           And tremble and despoil themselves: O hear! 

    
  
    IV

    If I were a dead leaf thou mightest bear;

    If I were a swift cloud to fly with thee;
    A wave to pant beneath thy power, and share

    The impulse of thy strength, only less free
    Than thou, O Uncontrollable! If even
    I were as in my boyhood, and could be

    The comrade of thy wanderings over Heaven,
    As then, when to outstrip thy skiey speed
    Scarce seemed a vision; I would ne’er have striven

    As thus with thee in prayer in my sore need.
    Oh! lift me as a wave, a leaf, a cloud!
    I fall upon the thorns of life! I bleed!

    A heavy weight of hours has chained and bowed
    One too like thee: tameless, and swift, and proud.

     V

    Make me thy lyre, even as the forest is:
    What if my leaves are falling like its own!
    The tumult of thy mighty harmonies

    Will take from both a deep, autumnal tone,
    Sweet though in sadness. Be thou, Spirit fierce,
    My spirit! Be thou me, impetuous one!

    Drive my dead thoughts over the universe
    Like withered leaves to quicken a new birth!
    And, by the incantation of this verse,

    Scatter, as from an unextinguished hearth   
    Ashes and sparks, my words among mankind!
    Be through my lips to unawakened Earth

    The trumpet of a prophecy! O Wind,
    If Winter comes, can Spring be far behind ?

 

"If Winter comes, can Spring be far behind ?"  ( 末句「冬来たりなば春遠からじ」)って知ってい
ると突然部屋に入るなりこう切り出す。彼女しか読まない朝日新聞の「天声人語」に掲載されたこ
の言葉が、中国から伝わってきた諺と思っていたが英国の詩人のパーシー・ビッシュ・シェリーだ
ったのよと言う。「虐げられた労働者の応援歌だとよ」と答えながら、作業の手を止め、ネットを
すぐさま検索し、英語の発音を聴かせると、満足そうに英文の綴りを確認し部屋を出た。面白いね。
そんな彼女は、生き生きしているように見える。

 

  ● 今夜の一曲

交響曲第2番 変ホ長調 作品63は、エドワード・エルガーが1910年から1911年にかけて作曲した交
響曲。第3番は未完に終わったため、完成した交響曲としては最後のものとなる。英国国王エドワ
ード7世に献呈されることになっていたが、王が1910年5月6日に崩御したため、亡き国王エドワ
ード7世陛下の追悼に捧げられた。曲自体は追悼よりはエドワード朝(1901年1月22日~1910年5
月6日)の叙事詩、回顧といった性格が強いものである。
自筆の総譜に英国の詩人パーシー・ビッ
シュ・シェリーの詩「うた(Song)」(1821年) の一節(冒頭の2行)がエルガーの筆跡でペン書き
されており、その意味を巡って今日なお論議が続いている



 
             Rarely, rarely, comest thou, Spirit of Delight ! 

                       めったに、めったに来ない、汝、喜びの精霊よ!
 


第1楽章は大規模なソナタ形式で、変ホ長調で提示される第1主題は、全曲のモットー的意味合いをもち、
他の楽章にも現れる。
交響曲第2番は全体的に輝きを放ってはいるが、夕映えのようなものだと評
され、第1番と共通するトーンがあるが、この第2番はシェイドにつつまれた黄昏の輝きといえそ
うで、大きな三
管編成のオーケストラが巧みに表現されたれた美しさと、エルガー音楽の難解さが
混一した名曲といえるだろう。

 

 

 

 

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ロードスターと大阪都構想

2015年01月15日 | 時事書評

 

 

● 進化するライトウェイトスポーツカー マツダ 新型ロードスター登場

新型ロードスターがアンベールされた。全長×全幅×全高 / 3,915mm × 1,730mm × 1,235mmで、車体
重量 / 1020kg、
ホイールベース / 2,315mm、エンジン / SKYCATIV-G 直噴ガソリンエンジン 直列4気
筒 1.5L 128hp 2.0L 155hp(上表の数値は参考)、ト
ランスミッション / SKYACTIV-MT 6速マニュアル
トランスミッション、
フロントサスペンション / ダブルウィッシュボーン方式、リアサスペンション /
マルチリンク式、
ステアリング / 電動式ラックアンドピニオンパワーステアリング(EPAS)、ブレーキ
(前後) / ベンチレーテッドディスク / ソリッドディスク、
 タイヤサイズ / 195/50 R16などの仕様
で(『ハイテン巡礼の明日』参照)、排気量は1.5リットルと2.0リットルの2種類。最大の特徴は、エ
ンジンをSKYACTIV-G をとしたことで、高圧縮比(14.0)で燃費と低中速トルクを従来比で15%改善して
いる。それ以外は、アテンザとCX-5の改良モデルに採用したLEDアレイ方式グレアフリー(防眩)ハイビ
ームを採用した「アダプティブ・LED・­ヘッドライト(ALH)で、夜間走行におけるドライバーの認知支
援強化している。このように経済性だけでなく環境と安全配慮という現在的な品質要求側面を相乗させ
たマツダの総合技術力が光る一品である。




 

● ソニーの有機エレクトロルミネセン技術 "蠢くような黒”評価されアカデミー賞

米映画芸術科学アカデミーは13日、米映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞のうち、今年の科学技術賞
をソニーの日本人技術者4氏らに贈ると発表。受賞するのは筒井一郎、武昌宏、田村光康、浅野慎の4氏。
映画の編集作業で利用される有機EL(エレクトロルミネッセンス)モニターの開発が評価された。
有機EL
モニターは液晶モニターに比べて黒の再現率が高いのが特長。映画芸術科学アカデミーは「編集作業で映
像を忠実に再現できるようになった」と映画界への貢献をたたえた。4氏とも神奈川県厚木市の研究開発
拠点に所属している。

 

● 大阪都構想の行方

安倍首相は14日、関西テレビの番組に出演し、現行憲法について「日本人自らの手で作ったとは言い難い。
21世紀の理想の姿を込めた新しい憲法を自らの手で書くべきだ」と述べ、憲法改正に改めて強い意欲を示
した。その上で「与党だけではできない。維新の党に賛成していただければいい」と協力を呼びかけた。
維新の党最高顧問の橋下徹大阪市長が進める大阪都構想については「二重行政をなくす意義はある(5月
予定の)。住民投票で賛成多数となれば必要な手続きは粛々と行いたい」と評価したことが報道された。
昨年の小学校同窓会で都構想の是非を尋ねてみたが、明確な賛成者は1名でその他の仲間は明確な意思表
示がなかった。高等学校の仲間の一人は(堺市を除く合併する)意味が分からないとのことだった。二重

政解消による維新の試算――賛成派の試算も、反対派の試算もその前提条件により大きく変化する。試算
の目的変数は説明変数で数理工学手法で推定可能だ。想定外の説明変数が存在すれば信頼性を喪失するか
ら、疑ってかかった方が良い――では年間数7百億程度(公務員の人件費に換算すると数千人/年 ※ )、
自民・民主・共産党の反対派の試算では、現在の府の借金が総額6兆円超(収入に対する借金返済の割合
を示す実質公債費比率は18.1%―2012年度決算、暫定値)と高く合併による大阪市民のデメリットが大き
すぎると反対している。

※ この日本型デフレ経済下では、公務員レベルで7千人、民間レベルで1万5千人に相当すると考え、
  年間1万数千人の事業が展開できる。言い換えれば、付加価値を生み出すことができると考えれば、
  大阪の未来が見えてくるはずである。こういった試算に見えてこないイメージを大阪都民と対話し、
  
"合意形成"できるはずだ。できないとすれば、それは行政の"経営力"の問題であろう。 

 



大阪市民の言い分は理解できる。市町村合併は大阪でなくても難しく、ここ彦根市でも甲良町・豊郷町・
た多賀町の合併は財政や歴史背景を理由――財政的に余裕のある多賀町との合併には賛同者が多かったも
のの――から頓挫している。したがって、大阪都構想も強力なリーダーシップがなければ実現しないこと
は住民が理解している。結局のところ「合併」によるメリット・デメリットの考え方に尽きる。公営ギャ
ンブル都市建設案などは、短期的な借金の帳消しを狙ったもので、絶対反対というものではないが、大局
的には決して感心できる方法――国が公務員を使い国債運用で利益増を狙うのと同じようなもの――では
ない。実質的な価値を増やす、例えば、福祉医療、防災、再エネ事業などの仕事に選択と集中し、住民の
所得を増やすこと以外になさそうだということを住民は理解している。ここは都民の力を結集し、大阪都
の地方債を独自発行できる経済基盤強化――言うは易く行うは難しだが――そのための原資が都民の勤労
(仕事)にあることを――誇り高く掲げ王道を踏み出すしかないだろう。それが志であれば県外の住民と
しても何らかの支援に参加したい。頑張ろう!大阪。

  

● 成長率:14年度実質-0.5% 15年度は1.5%予測

政府は12日、2015年度の経済見通しを閣議了解した。国内総生産(GDP)の成長率は物価変動の影響を
除いた実質で1.5%、物価の影響を含めた名目で2.7%と予測。一方、2014年度の成長率は、昨年春の
消費税増税後の消費低迷が長引き、実質でマイナス0.5%名目で1.7%と予測し、昨年7月の試算(実
質1.2‰名目3.3%)から大幅に下方修正した。実質でマイナス成長になるのは09年度以来5年ぶり。
政府は経済見通しを基に税収を見積もり、15年度予算案に反映させる。15年度に成長率が改善するのは、
原油価格の下落などで、民需主導の回復が進むと見通している。想定している円相場は平均1ドル=118円
70銭で、前年度比で8%円安が進み、原油の輸入価格は1バレル=69.3ドルと同26.6%低下すると予測。
大企業を中心に、春闘で2年連続の賃上げが期待されることもあり、個人消費の回復や企業の設備投資が
進むと見込んだ。消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)の上昇率は1.4%を見込み、完全失業率は3.5%
と完全雇用に近い水準にあるという


しかし、これで明確になったことは、財務省や日銀、あるいはそれに同伴する経済専門家や保革の政治委
員の学習能力や自己責任のなさである。前政権と同様に現政権も同レベルだったのかと期待した分を裏切
られ嫌気をさした。元々、"アベノミクス"に先立つ、わたしが考案した、機動的な"双頭の狗鷲(経済戦略
)"を重ね合わせたものだ。可哀想なのは政治的な経済支援を得られない経済的弱者層である。不甲斐ない
情けない話ではあるが、ここは、
"自立自尊"と気合い入れ直そうではないか。

● 原油価格は米国の金融政策で決まる

 

● アベノミクスの改革停滞懸念、知事選連敗で与党に暗雲

アベノミクスにおける改革政策の停滞に市場の懸念が強まっている。11日投開票の佐賀県知事選では、与
党推薦候補が農協の支援を受けた対立候補に大敗。4月の統一地方選に暗雲が立ち込めている。地方選を
勝つために農業改革という象徴的な政策を後退させるという事態になれば、安倍晋三首相が進める改革全
体に影響が及びかねないと不安視する声が出ている。昨年の知事選で、自民党候補は、昨年の滋賀(7月)
と沖縄(11月)で敗北。福島(10月)は独自候補擁立を断念し相乗りしたため、佐賀を含め「実質4
連敗」との厳しい見方もある。衆院選では与党で3分の2以上を獲得し圧勝、地方選では民意を得たとは
言いにくい状況という。経済協力開発機構(OECD)は、関税や補助金といった保護策による収入の割
合を算出しているが、2011~13年のデータで日本は55.6%と 2番目に高く、OECD平均の3倍近い
水準。

さらに、陸上自衛隊が導入する新型輸送機オスプレイの佐賀空港(佐賀市)への配備計画をめぐり、佐賀
県の山口祥義知事が「白紙」と表明。これに対し、菅義偉官房長官は15日午前の記者会見で、「安全保障
上、極めて重要であり、早期配備に向け知事の理解と協力を得られるよう丁寧に説明したい」と述べ、説
得に努める考えを示したというが、自公圧勝後とはいえ前途多難な安部政権である。ここでは事実関係だ
け記載し、「農協改革」については残件扱いとしておく。 

 

 

● マイ3Dプリンタを組み立てる

デアゴスティーニの週刊「マイ3Dプリンター」を組み立てることに(総額では約11万円)。
さて、最後までやり通せるのか疑問ですが。

 

 

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バイオマス粉砕工学

2015年01月14日 | WE商品開発

 

 

 

● ラ・コリーナ近江八幡オープン 

天候が良くなったので午後から車を走らせラ・コローナ(イタリア語で丘の意)のオープン見学する。ここは
八幡山は北之荘城跡ヴオーリズ記念病院の周辺にあり元厚生年金会館の敷地に、19日にオープンすした。ラ・
コリーナ近江八幡は、自然を愛し、自然に学び、人々が集う繋がりの場として、八幡山から連なる丘に、緑深
い森を夢み、自ら木を植え、ホタル舞う小川を作り、生き物たちが元気に生きづく田畑を耕すことで、このよ
うな環境の中に、和・洋菓子のメインショップをはじめ、たねや農藝、本社、飲食店、マルシェ、専門ショッ
プ、パンショップなど、ゆったりとした自然の流れに寄り添いながら、長い年月をかけて手がける壮大な構想
のもと建設された
。新装オープン二日目とあり来訪者で溢れていたの、ジュブリルタでパンを買っただけで、
二人で店内をぐるっと記念植林のイベントや箱庭盆栽・植木販売などを見て回り帰る。

大麦、小麦、大豆、ソバ、餅米など栽培し、地ビール、豆腐、豆乳、ソバ、うどんなど製麺、和菓子、洋菓子
近江牛、鹿肉などの
ビエ料理、琵琶湖の魚介類なども手にはいるので、なんでも自給販売できそうだ。そう
そう、近江八幡には近江牛や
赤こんにゃく、水茎焼きなども手に入る。これから独自の展開が楽しみである。 



【オールバイオマスシステム完結論 Ⅷ】 

● バイオマス粉砕工学 

【符号の説明】

1 火炉 2 前壁 3 後壁 4 バーナ 5 バーナ 6 最下部バーナ 7 最下部バーナ 8 バイオマス粉砕機 
9 石炭粉砕機 10 空気送風機 11 バイオマス 12 石炭 13 一次空気 14 一次空気 15 バイオマス
+一次空気 16 微粉炭+一次空気 17 二次または三次空気 18 過熱器

昨年ドイツは古い石炭火力発電設備を廃棄することなどをコアとして。二酸化炭素排出量(=温室効果ガス)
を約3%低減し
たと公表している。このように、化石燃料の代替として、バイオマスの利用促進が注目を浴び
ている。バイオマスに
は、木質系、草木系、汚泥系等の分類があり、クリーンかつ再生利用可能な炭素質資源
である、地球の温暖化を抑制する方法として、微粉炭の一部をバイオマスによって代替することも注目されて
いる。例えば、上図のように、微粉炭と木材を混焼する微粉燃料燃焼方法の新規考案が提案されている。しか
し、木材を粉砕したものを微粉炭と混合してボイラにおいて燃焼した場合に、粉砕した木粉の燃え残りが生じ
ることにより、ボイラ効率が低下することがあり、灰がボイラ火炉内の伝熱面に付着するスラッギング現象
より、ボイラの稼動が著しく不安定化する問題がある。この特許は、未燃量を低減しスラッギングを最小に留
める
ことで、バイオマスを大量に安定的に微粉炭と混焼方法――多段のバーナが設けられた微粉炭焚きボイラ
に、バイオマスを空気とともに供給して微粉炭とバイオマスを混焼する場合、最下部のバーナ以外にバイオマ
スを供給することを目的としている。



微粉炭としては、瀝青炭、亜瀝青炭などを粉砕したものが挙げられる。粉砕手段としては、竪型ローラミル(
上図参照)や、ボールミルなどが挙げられる。微粉炭の粒径は75μm以下が80重量%程度である。上記に
おいては、対向型の微粉炭焚きボイラを例に挙げてているが、ボイラのコーナーにバーナを有する微粉炭焚き
ボイラにおいても同様に実施可能である。また、バイオマス11は、バイオマス粉砕機8によって粉砕された
後、一次空気13によりバーナ4および5に搬送されボイラに供給される。本発明においては、ボイラの最下
部バーナ6および7以外にバイオマスを供給する。これにより、未燃率を微粉炭を専焼した場合と比べて遜色
ない程度とすることができる。本発明で用いられるバイオマスとしては、建築廃木材、森林の間伐材、もみ殻、
木炭、家畜の糞尿を乾燥した固形物、コーヒー粕などが挙げられる。ボイラに供給されるバイオマスの粒径は、
平均粒径が2mm以下、好ましくは1mm以下である。

尚、バイオマスの粒径が小さければ、粉砕することなくそのままボイラに供給することができる。一方、粒径
が大きい場合には、予め前述の竪型ローラミルその他の粉砕手段により粉砕するが、搬送用空気として竪型ロ
ーラミルに熱風を供給すると、粉砕動力が削減できるとともに、同じ粉砕動力で粒径がより小さなバイオマス
の粉砕物を得ることができる特徴をもつ。このように、実施例の表1に示した物性を有する瀝青炭と建築廃木
材を個別に竪型ローラミルで粉砕。粉砕された75μm以下が80重量%以上の微粉炭と、平均粒径が0.7ミ
リメートルの木粉を、ボイラ供給するための微粉炭の供給ラインで予め混合し、バーナを経由してボイラに供
給している。

また、ボイラの詳細は、蒸発量が500トン/時間であり、また火炉高さが33.7メートル。さらに、前壁と
後壁のバーナの段数はいずれも二段で、水平高さは段違いで、バーナの位置は前壁が14.15メートルと18.
55メートルであり、後壁は11.95と16.35メートル。さらに、水平方向に2本のバーナを有し(この
結果、バーナの本数は8本となる)。上段のバーナには微粉炭と木粉の混合物を、下段には微粉炭のみをそれ
ぞれ供給した。木粉の微粉炭に対する混焼率は15.5重量%であった。前壁と後壁のバーナに供給する空気量
が全体の空気量を2とすると前壁側が1.09、後壁側が0.91となるように、二次空気量を調整。微粉炭と
木粉を合わせた全燃料に対するボイラ空気過剰率は17体積%で、上記の条件において、微粉炭と木粉の混焼
を2週間連続して行ない、バーナの水平位置の側壁に設置されているボイラの燃焼窓から内部のスラッギング
の状態を目視で確認。その結果、前壁と後壁に供給される二次空気量が同じ場合、スラッギングの厚みが30
センチメートルに対し、実施例では5センチメートル程度と約1/6
で、スラッギング現象が大幅に抑制され
ことが検証されている。
 

しかし、微粉炭とバイオマスを混合燃焼させるバイオマス燃焼ボイラや、バイオマス燃料を燃焼させるバイオ
マス燃焼ボ
イラでは、バイオマス燃料の利用を促進にバイオマス燃料のボイラ火炉への供給量を増やす必要が
あるが
、上記バイオマス燃焼ボイラではバイオマス燃料の供給量を増やすと、ボイラ火炉のボトムホッパにバ
イオマス未燃分が大量に堆積することが避けられない。さらに、ボイラ機器に何らかの異常に起因して火炉内

のガス濃度分布や温度の変動が生じ、ボトムホッパに堆積した大量のバイオマス未燃分が急激に燃焼した場合
には、火炉底部の熱負荷の上昇によって炉壁破損に至る可能性がある。このため、燃料としてバイオマス燃料
を燃焼させる場合に、バイオマス燃焼ボイラの火炉のボトムホッパに堆積したバイオマス未燃分を減少させ、
ボイラの安全性と燃焼効率を共に向上させたバイオマス燃焼ボイラが下図のように提案されている。


【符号の説明】

1:火炉、2:後部伝熱面、 3:微粉炭バーナ、4:バイオマスバーナ、5:伝熱管群、7:排ガスダクト、
8:石炭バンカ、9 石炭ミル、10:バイオマスバンカ、11:バイオマスミル、12:流体噴霧装置、13
:開口
部、14:スートブロア、15:ボトムホッパ、16:バイオマス未燃分、17:チューブ、18:噴
射口、19:燃料供給管、20:圧力検出器、21:圧力調整弁、22:圧力調整弁制御装置


このため、バイオマスを燃料として燃焼し、燃焼により発生した熱で蒸気を発生させるバイオマス燃焼ボイラ
であって、ボイラの火炉上部に燃焼により発生した熱を蒸気に伝える伝熱管を設け、ボイラの火炉底部にはボ
トムホッパを有し、ボイラの火炉下部にバイオマスを燃焼させる多段のバーナが設置し、多段のバーナの最下
段バーナよりも低い位置の火炉壁面に開口部を設け、流体を噴霧する噴射口を備えた流体噴霧装置を開口部か
ら火炉内へ挿入設置しこの流体噴霧装置から火炉の底部のボトムホッパに向けて不燃性の流体を噴霧するよう
に構成することで、バイオマス燃焼ボイラの火炉のボトムホッパに堆積したバイオマス未燃分を減少させ、ボ
イラの安全性と燃焼効率を共に向上するバイオマス燃焼ボイラの改善提案したものである。

特開2010-77410
 JPA_1999-266818

しかしながら、以上の新規考案事例では、(1)バイオマスのサイズが3ミリメートル以下としているが、こ
れをさらに詳細
に解析し最適形状や物性が明確にされていない――微細化することで表面積大きくし、均質噴
霧することで燃焼効率を逓増させる提案が未詳であること、(2)さらに、実施れでのバイオマスの含水率は
通常、木質バイオマスなら10~20%と高く、様々なバイオマスやネグロマス(例:石炭、建築物廃材など)に
には対応していてない――微細化することで、ボイラーの余熱で予備乾燥させておく機能が必要であること。
(3)また、火炉で燃焼効率向上ため炉内の温度分布均一にする条件や空気などの燃焼支持ガスの詳細解析も
未詳である。(4)さらに、通常、バイオマスは125℃から450℃の温度で環縮合・離炭反応が進行することを
利用し、ボイラー余熱を利用し、130~350℃で乾燥させつつ、バイオマスからピッチ分離する機能を追加し、
タール、ピッチ発生を抑制し、スラッキング現象をなくすことも必要である。以上4つのことがクリアーでき
れば、高性能なオールバイオマスボイラの実現に貢献できるだろうと考えた。



そこで、本命であるバイオマス破砕機の考察になるのだが、前述掲載図の「大豆の剥皮方法及び装置」(特開
1999-266818)のようにすり鉢型にすることで、粉砕径(サイズ)を多様なバイオマス種に併せ、変更可能―
回転軸を、あるいはケーシリング位置を上下に移動させる―で
あると注目したところ、食品機器製造会社「ワ
イエスピー」という福岡のメーカが豆乳の小型自動製造装置(下写真)を販売している――従来の豆乳(ある
いは豆腐)製造時間を1/60に短縮でき、さらに、大豆の皮を剥離することで、剥皮除去することで大豆皮
に含まれる渋味(苦み)成分の混入を防いでいる。もっとも、剥皮は焙煎などすれば大豆ポリフェノールを有
効利用した大豆茶として商品化できるかもしれないが、粉砕機かかわる特許は出願されておらず?推測で上写
真の東京アトマイザー製造株式会社などの破砕機を組み込んでいるシステム化しているのではと推測した。以
上、高性能バイオマスボイラー設計の考察を終了する。

 

    ● 今夜の一曲

 

   時には哲の話をしようか
   通いなれたなじみのあの店
   マロニエの並木が窓辺に見えてた
   コーヒーを一杯で一日
   見えない明日をむやみにさがして
   誰もが希望をたくした
   揺れていた時代の熱い風にふかれて
   体中で瞬間を感じたそうだね

   道端で眠ったこともあったね
   どこにも将けないみんなで
   お金はなくてもなんとか生きてた
   貧しさが明日を運んだ
   小さな下宿屋にいく人もおしかけ
   朝まで騒いで眠った
   嵐のように毎日が燃えていた
   息がされるまで走ったそうだね

   一枚残った写真をごらんよ
   ひげづらの男は君だね
   どこにいるのか今ではわからない
   友達もいく人かいるけど
   あの日のすべてが空しいものだと
   それは誰にも言えない
   今でも同じように見果てぬ夢を描いて
   走りつづけているよねどこかで


                        
                                 『時には昔の話を
                                
                                  歌   加藤登紀子
                                  作詞  加藤登紀子
                                  作曲  加藤登紀子  

 

 

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魚工場 漁網ロボット工学

2015年01月11日 | WE商品開発

 

 

● CES 2015をピックアップ Ⅱ

米ラスベガスで9日まで開かれた世界最大の家電見本市「国際家電ショー(CES)」で、身に着けられる「
ウェアラブル端末」をはじめ、柔軟な発想で生まれた新技術で注目を集めた(上図クリック)。それは、日
本のベンチャー企業「ログバー」(東京)の指先を動かすだけで家電を操作できる「指輪型ウェアラブル端
末」だ。スマートフォンと連携し、指で三角や四角などを描くだけで、照明のオン・オフやテレビの音量調
整などができ、「革新的なウェアラブル端末」として主催者から賞を受ける。



同社が2014年2月、インターネットを通じて小口の資金を募る仕組みを使い、わずか1日半で目標金額
の約25万
ドル(約3000万円)を集めたこともCESで話題になった。同じように日本のベンチャー企
業――スノーボードのブーツの留め具にセンサーを取り付けた端末で速度や両足の力のかかり方などを計測
し、
スマートフォンに表示した映像と数値で自分の滑りを分析できるシステムを開発した家電ベンチャー「
セレボ」(東京)。
仮想現実ゲーム体験ができるゴーグル型ディスプレーを開発した{フォーブ{(東京)
遠隔操作できるコミュニケーションロボットを発表した「オリィ研究所」――なども人気が集中したことが
報じられている。ここでもデジタル革命渦が弾けているというわだ。

  


 

 

 

【漁網ロボット工学】

● 好適環境水とは何か

好適環境水とは、魚類の代謝に最低限必要な物質を含んだ水このこと。魚の浸透圧調整に深く関わるナトリ
ムやカリウムを含む一部の電解質を特定(三種類)。わずかな濃度の電解質を真水に加えるだけで魚類の
代謝に最低限必要な物質を含む水「好適環境水」を岡山理科大学山本俊政准教授らの開発やナノ・マイクロ
バブル技術開発などの効果もあり、以来、内陸部の水族館や窯業じゃくなく、養魚(魚工場)が拡大普及し
ていく。内陸部に効く(=有利な)魚類は、体長が30センチメートル以下程度の非回遊性(あるいは回遊
性を矯正できる)で、今後とも新たな海水魚や貝類などの養殖・畜養は拡大していくだろう。数年後には、
植物工場の横で、魚工場が稼働している、と言う風なシーンは常識となるかも知れない。



昨年、魚介類の畜養・養殖で、近大マグロやウナギの人工ふ化・稚魚養殖など話題となったが、海洋部での
畜養・養殖工学は、地球環境や食糧資源乱獲の問題から大きく進展していくが、内陸部の魚工場のように多
くの課題は既に解決可能だとみている。海洋の場合は、大形の回遊魚だけでなく、貝類や蟹・海老などの甲
殻類だけでなく、海草類などの完全養殖・畜養事業が成長すると観られる。そこで、海洋部での水産業の成
長に欠かせないのが『漁網ロボット工学』だ。上図の自動ファスナや下図のような起電式自動洗浄籠網の機
能などを取り込んだ「自律型漁網ロボット」の出現で、イメージをいうと、このロボットが遠隔操作(テレ
メトリック)で目的地へ自律曳航→漁網同士が自動合体(トランスフォーメーション)→繋留固定(自動位
置是正機構作動)→水産種の放畜及び関連資材投入→自動畜養・養殖監視管理(食餌・浄化・保護)→自動
籠底浮上装置(例:エアーバッグ方式)→水産種の収穫→定期保全後投入するというイメージである。この
事業の成功可否は(1)初期投資に対する金融支援と(2)販路開拓である。これが成功すれば後は何とか
なる(例:水素ステーション整備と水素燃料電池車の普及)。

 

 

 

 

 

 

● 脱税天国日本 !?

こんなことをしているから、日本の保守的風土の土建体質がいつまでたっても批判されるのじゃなのい?!「国土堅
牢化構想」に関わる誇り高き真っ当な「土建屋」はこんなことによね?! 

 ● 今夜の一曲

● マッサンを鑑賞しながらウォーキング

NHK連続テレビ小説『マッサン』でヒロインの亀山エリー役を演じている米国人女優、シャーロット・ケ
イト・フォックスが昨日、大阪・今宮
戎神社で行われた「十日戎」の恒例行事「宝恵駕(ほえかご)行列」
に参加したことが話題となっている。この朝の放送の時間帯は、ルームランナーでウォーキングと重なって
いるのでボリュームを上げトレーニングメニューをこなしている。ただし、日曜は関口宏のサンデーモーニ
ングだが。ここは北の大地の妖精、中島みゆきのカバー曲『麦の唄』が気に入ったのでこれを聴いてみたが、
なかなかの味ある楽曲となっている。

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武器よさらば Ⅰ

2015年01月09日 | 時事書評

 

 



Paris Charlie Hebdo attack: live : Manhunt in woods in northern France after gunmen abandon car they used to
flee Charlie Hebdo attack in Paris - latest updates

● シャルリー・エブド社銃乱射事件

7日午前11時20分(日本時間午後8時20分)、黒い戦闘服を着てカラシニコフ銃で武装した覆面の男2人が、
シャルリー・エブド社の資料室が入っているパリ・ニコラアペール通り6番地の建物に侵入。「ここはシャ
ルリー・エブドか? 」と叫んだ後、住所が間違っていたことに気付く→2
人はすぐに10番地に移動。受付
のスタッフに発砲後、ジャーナリストや漫画家が編集会議を開いていた3階に向かう。警察筋によれば「男
2人は銃を乱射し、会議室にいた人たちを冷酷に殺害した。(漫画家の)シャルブ(Charb)の護衛に当たっ
ていた警官も、応戦する間もなく殺害される。生存者は、テーブルの下に隠れた1人だけだった。現場に居
合わせた人々は、男2人が「預言者のかたきを打った」「アッラー・アクバル」(アラビア語で神は偉大な
りの意)と叫ぶのを聞く。→
午前11時半(日本時間午後8時半)、シャルリー・エブド本社の銃撃について
通報を受けた警察が、現場に急行。武装した男らは再び「アッラー・アクバル」と叫び逃走した後、警察と
対峙(たいじ)し、銃撃戦となる。黒のシトロエンC3に乗り込んだ男2人は、別の警察車両と撃ち合いとな
り、10発ほど発砲。車内にいた警官らにけがはなかった。→
一般人が撮影した動画には、男らがぞっとする
ような冷静さで殺人に及ぶ様子が写されている。体の前に銃を構えて大股で歩きながら、標的を探して通り
を見回すと、負傷して舗道に横たわる警官を見つけ、手を上げて身を守ろうとする警官を、頭部に銃弾を撃
ち込む「処刑スタイル」でひるむことなく殺害した。男は引き金を引く前に「俺を殺そうとしたな」と叫ん
でいた→
男2人はその後、再び周りを見回すと、駐車していた逃走用の車にゆっくりと向かった。助手席側
の男は、地面に落ちた銃とみられるものを拾ってから急いで車に乗り込んだ。同社の近くに居合わせた人た
ちが冷静さと勇気をもって撮影した動画や写真には、男2人が通りを歩いてくるのに気づいた様子で駐車中の
車の間にしゃがみこんで身を隠す歩行者の姿も捉えられていた。→
男らは、整然と襲撃を実行した時のと同
じ冷静さを保ったまま、車で走り去った。車はその後まもなく、1台のフォルクスワーゲンと激しく衝突。
衝突された車の運転手が負傷した。男らはそのまま逃走を続けたが、車の損傷が激しかったためポルト・ド
パンタンで乗り捨てると、別の車を奪ってパリ北方へと逃走した。(「会議で銃乱射、負傷警官を射殺 パリ
新聞社襲撃の冷酷な手口」
AFP 2015.01.08)

欧州では、イスラム教の過激な思想に染まった人物が関与したとみられるテロ事件が起きている。去年5月、
フランス
出身の男がベルギーのブリュッセルにある「ユダヤ博物館」で銃を発砲し、4人が死亡。この男は、
フランス南部のマ
ルセイユで逮捕され、シリアで「イスラム国」の活動に参加していたことが分かっている。
また、おととし3月には、国際テロ組織アルカイダのメンバーを名乗る男がフランス南部のトゥールーズや
その近郊でユダヤ系の子どもや兵士ら合わせて7人に対して発砲して殺害する事件が起きている。

襲撃されたのは、フランスの風刺週刊紙「シャルリエブド」のパリ本社。同紙は批評的な風刺画を掲載する
ことで有名で、イスラム教の指導者ムハンマドを題材にした風刺画を繰り返し掲載してきた。これまで何度
も脅迫を受けており、オフィスが放火されたこともあった。現地メディアによると、編集会議が開かれてい
る部屋に直行。編集会議の最中だったことから幹部が集まっており、実行犯は幹部の具体的な名前を叫びな
がら頭を狙って自動小銃を発射したという。実行犯はこの時間に編集会議が行われることを事前に知ってお
り、同社幹部の顔と名前を特定までしている。
 

 

フランスの風刺週刊紙「シャルリエブド」パリ本社銃乱射事件は欧米を中心として非難が渦を巻いている。
言論や表現の自由や反差別主義を前提として、同社の風刺絵をさらっと見渡して、"どぎつい"、"えぐい"さ
が目につくものであった。これは歴史的なことを踏まえ、このような批判を繰り返せば、その反響がどのよ
うになるかは、当然、編集責任者は想像つくだろうし、敢えて承知の上で週刊紙を発行しているのだろう。
まして、欧州列国の植民地主義、あるいは米ソ代理戦争地として、石油資源争奪地の当事諸国であった中近
東・北アフリカのイスラム圏である。"銃乱射事件"がいとも簡単に、低いレベルの人物や組織?によ
り引き
起こされることなどわたし(たち)は理解しがたいが、余りにも左翼小児病的、あるいは商業主義的では、
とおもわれるような出版方針にも原因があるのではとも思える。とまれ、『人命は地球より重し』(故福田
赳夫首相)である。昨年末、以下のようにブログ掲載した。


 24日、戦車やミサイルなどの通常兵器の取り引きを規制する初めての国際条約で、日本などが主導し
 た「武器貿易条約」が発効し、武器の取り引きの管理が強化されることで、紛争の拡大防止などにつな
 がっていくのか注目されている。
武器貿易条約」は、核兵器などの大量破壊兵器とは異なりこれまで
 規制が無かった通常兵器の国際的な取り引きを規制する初めての条約で、日本などが主導して去年4月
 に国連総会で採択された。

 条約では、戦車やミサイル、小型の銃などの取り引きについて各国が管理を強化し、国連安全保障理
 会の決議や国際法に違反する事態を招くおそれがある場合には、取り引きを禁止することなどを定
めて
 いる。条約は、日本を含め発効に必要な50を超える国が批准の手続きを終えてから90日が経
過した
 ことを受け、24日発効。一方で、主要な武器の輸出国のアメリカは署名はしたものの批准し
ておらず、
 ロシアや中国などは署名もしていない。


 国連のパン・ギムン(潘基文)事務総長は、声明を発表し「武器が紛争地に流入するのを防ぎ、テロ
 ストや犯罪組織の手に渡らないようにすることで、人々の苦しみを和らげたい」として、条約の意
義を
 強調するとともに、主要な武器の輸出国に対しても改めて早期加盟を促した。



                 『武器貿易条約が発効!通常兵器取引に初の規制 国連に新風!』                     

                                              太陽と山羊のプロジェクト」2014.12.26 より 
  

ここで、武器輸出国リスト(上図)では上位10国、武器貿易条約(下図)の未批准国が、明日にでも、通
常兵器の取引を停止、武器輸出を止めれば、このような惨事は未然に防ぐことができるはずたと、わたし(
たち)は確信している。そういった意見を踏まえた上での言論・表現の自由であって欲しかったと思ってい
る。北アフリカや中東のイスラム圏の問題のすべての責任は、植民地主義の旧宗主国、あるいは、冷戦時代
の米国、旧ソ連(ロシア)、中国、欧州、あるいは当事国の権力支配層にあると考えている。そのことを踏
まえ、すべての紛争地域から、通常兵器、地雷、機雷、劣化ウラン弾、化学兵器?核兵器、ミサイルなどを
買い上げ撤去することを提案するが、如何に ^^;。


※ 「黄色」は武器貿易条約署名国、「緑色」は武器貿易条約批准国。 

  

 

 

 

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疾走する工学立国Ⅰ

2015年01月08日 | デジタル革命渦論

 


【疾走する工学立国Ⅰ】

● 電子レンジ文化考

省エネで取り上げてきた電子レンジ(欧米ではマイクロウェーブと言っているが)応用法(参考『積極的平
主義の分水嶺
』2014.05.09/『電子レンジ専科』環境工学研究所WEEF 上図クリック)を散々と掲載
して
きたが、ここ1、2年でネット上で関連グッズが満載されるようになった。そう考えると「和食」のユ
ネス
コ無形文化遺産登録は、家庭ないにおびただしい電子調理器や加工食品の浸透ににより家庭料理文化が
変容
し、そのことにより「和食」と家事労働が外化され「外食化」されているのだと妙に感心する。ところ
で、
電子レンジ用調理容器の基本的な技術は下図の株式会社ミヤオカンパニーリミテッドの特許考案で押さえら
れて
いると考える。その特徴は、瀬戸物やプラスチックなどの非金属容器に底部にはマイクロ波を吸収体を、
それ以外は
マイクロ波透過体で、上蓋は二重として加熱蒸気が一旦上蓋内流れ込み凝縮され容器底部に戻る
孔と上蓋上部か
ら、所定圧力を越えたら蒸気が逃す孔が施された上、取手部には断熱部材で火傷を防止し、
上蓋と鍋胴体は所定の圧力超えても吹き溢れを防止する加工を施す。さらには、鍋内壁は汚れ付着防止や対
象食品の付着防止、あるいは、グリルや燻製専用の鍋底敷きなどをオプションに備えている、と。まぁ~、
そんなような視点で設計されていて、その反面、手軽に、調理手間省き、消費者の嗜好性に合った加工食品
の多様化とともに、電子レンジ専用加工食品の内挿化が進行している。
 


ところで、加工食品の安全的側面は勿論のこと、カーボンリスクという環境側面から、二酸化炭素排出量も
包装袋に
もプリントアウトして欲しいものだと思ってみた。省エネを兼ね蒸し野菜の栄養価を高めることが
できる調理法として進化していくことは間違いない。

※ 調理容器でなくても至って簡単にすませる方法を紹介:まず、瀬戸物平皿にオリーブオイルで表面を塗
  るように少量加える→さとう製菓(メーカは関係ない)の切り餅を1つ載せ、お醤油を適量ふりかけ→
  砂糖を適量するかけ→5百ワット電子レンジで30秒加熱。それを取り出し頂くのだ。美味い!(小腹
  が空いたときは重宝だ)。
 

 

岡山大学の三宅通博教授らの研究グループが豚糞尿由来のバイオガスを燃料とする固体酸化物燃料電池(S
OFC)において、バイオガスからの炭素析出を抑制できる触媒の組成を決定し作動温度 600℃でLED電球の点
灯に成功している。5年前から豚糞尿由来のバイオガスの高効率利用(利用効率50%以上)を目指して、バ
イオガスを燃料とする中温作動型SOFCの開発研究を行う。SOFCの作動温度の低温化は望まれますが、バイオ
ガスを燃料とするSOFCの開発は、バイオガスからの炭素析出が大きな障害となる。この研究では、炭素析出
を抑制できる触媒の組成を決定、バイオガスを効率よく利用できる改質装置とSOFC発電性能評価装置で評価。

改質バイオガスを燃料として単セルの発電試験を行ったところ、バイオガスを直接燃料として利用している
先行研究の作動温度より約200℃低い6百℃で、上図1に示すLED電球が点灯できた。4時間程度の発電では
あるが、炭素析出は殆ど見られなかった。

ところで、水素は、その持っている物理的性質から質の高いエネルギー源であること、さらには燃焼生成物
が水のみ
であるためクリーンなエネルギー源であることで大変注目され、近年様々な製造法が検討されてい
る。中でも、水を原料とした水素の製造は環境負荷が低いという観点から実用化への期待は高い。
しかしな
がら、安価かつ安定的、高効率に水素を生成できるシステムは未だ完成していない。

例えば、自治体の有機廃棄物から誘導されるSOFCへのバイオガスの直接供給は、カーボンニュートラルな再
生可能エネルギーシステムが研究されていが、実際のバイオガス中のCH4 / CO2比はバイオガス組成物が強く、
有機廃棄物の種類やメタン発酵の操作条件に影響され1.4~1.9の間で変動する。アノード支持ボタン電
池を使用して、バイオガスを燃料とするSOFCの安定した動作が 800℃での内部改質モードで達成。 0.8 V
上のセル電圧は、200ミリアンペア/平方センチメートルで8百時間かけて記録。これは、実際のバイオガス
への空気添加は炭素形成のリスクを減少させ、アノード過電圧の低下に起因するセル電圧を損なうことなく、
より安定した動作をもたらすことを実証したことないなる。 

尚、バイオガス燃料電池システムの概要理解のために下図(クリック)を記載しておく。

 

 

ScSZ:スカンジア安定化ジルコニアの化学記号

ところで、今夜の段階ではどのような触媒が使用されたのかわからないが、下図の特開2010-240621のような
酸化物の担体(酸化アルミ)とこの担体表面上に形成した遷移金属の触媒成分(ニッケル)と、担体の表面
上に形成したアルカリ土類金属の酸化物(酸化マグネシウム)と、表面付近の担体(酸化アルミ)内に形成
された、アルカリ土類金属(マグネシウム)と担体の成分とを含有するバリア層(四酸化二アルミニウムマ
グネシア)とを含む構成触媒を用いることで、寿命が長く、廉価な触媒で素の析出を抑制可能な触媒が提案
されている(実積?)。これは群馬大学で知財だが、前記した岡山大学の研究グループのメンバーは、強誘
電体ペブスカイト型酸化物の触媒で、エタノールから水素を取り出すことに成功している。これは蛇足では
あるが、

 


● ペロブスカイト型触媒で エタノールを水素変換

 
特開2012-161751 触媒及びその製造方法

 

国際先端技術総合研究所が、ガラス板に内蔵できる完全無色透明の光発電素子を開発。人工水晶を使った新
型の
発電素子で、太陽電池と同様に太陽光のエネルギーを電力に変換できる。変換効率はまだ3%程度と低
いが、日差しをカットする45%の高い熱遮断率があり、発電と遮熱双方の効果で、従来の太陽電池をしの

ぐ性能が見込める。高純度な二酸化ケイ素から作られる人工水晶を使って光発電素子を開発した。国内メー
カーが製造する人工水晶の端材を使うため原材料は安価。ソーラークオーツ(SQ)と呼ぶ独自素材を開発
し、電解液を挟んだ2枚の導電性ガラスの一方にSQを貼り付けた構造を持つ。紫外光と赤外光を使い発電
し、可視光は透過する。光発電素子をビルなどのガラスに使えば、発電と遮熱の機能で、20%台の効率を
持つ既存のシリコン太陽電池を上回る性能が得られる。光発電素子はガラスに内蔵し、「光発電ガラス」建
材として子会社のIFTL―Solarが事業化するという。そこで、断言しよう。この事業は成功すると。

※今夜から「今夜もニュースがてんこ盛り」シリーズの兄弟シリーズを初掲載!こうご期待。
 

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ドロンでナビゲーション

2015年01月07日 | 時事書評

 

 
● CES 2015をピックアップ



コンシューマー・エレクトロニクス・ショー (Consumer Electronics Show, CES) がラスベガスで開催されが
ことしは、トヨタが単独で保有する世界で約 5,680件の燃料電池関連の特許(審査継続中を含む)に対する

実施権を無償で提供すると異例の発表を行い注目を浴びている。燃料電池車:FCVは燃料となる水素のイ
ンフラが必要になり台数の拡大が急がれているが、トヨタ1社の努力だけでは限界があり、他社を巻き込む
ことで市場創造を加速させたい意向がある。次世代エコカー戦略に対する自動車メーカー各社の思惑はさま
ざま。トヨタの狙い通り、実際に競合他社がトヨタの技術の採用か今後の展開に大きく影響する。これに対
し日本自動車工業会の池史彦会長(兼ホンダ会長)は同日、自工会主催の賀詞交歓会で記者団に対し「将来
を考えると、燃料電池車はポテンシャルが大きい」とし、特許の無償開放は参加企業を増やし、燃料電池車
分野で日本メーカーによる国際標準化がより進むものと歓迎の意を表す。また、日産の志賀副会長も、特許
の無償開放により、量が増えてコストが下がり、燃料電池が普及する。そうすればインフラがついてくると
して、トヨタの判断は「非常に賢い」としエールを送っている。

 



今回の開催で目立つたのがドローン(無人飛行機)による会場案内や監視していることだ。ドローンの市場
に拍車を
掛けそうだ。そのほかに、ソニーのカンファレンスでは360度のデイスプレイ会場でプレゼンテ
ーションが行われてお
り、4Kでは、新たに独自開発した専用プロセッサーX1を搭載し、高画質を実現し
た4K液晶テレビ ブラビアを発表。世界最薄1約4.9ミリメートルを実現し、また、世界初のハイレゾ対応
スピーカーを搭載したシリーズを含む計3シリーズ11機種の展開を発表。さらに、量子ドットバックライ
ト光源搭載カラーテレビ液晶表示機が中国、韓国メーカから展示させたことも目立った(下図、特許参照)。
 
バックライト式液晶ディスプレイの色を改善するための新しい技術の1つがこの量子ドット。量子ドットと
は、最適化されたスペクトル幅の狭い光を放射するように調整可能なナノ結晶材料(量子閉じ込め効果)。
独特の半導体および光特性を持つため、シリコン太陽電池、量子コンピューティングから、有機色素の代替
にいたるまで、幅広い用途において魅力的な材料。大量生産が可能で、既存の製造プロセスに簡単に導入で
きる。バックライトユニットは、人間の目が検出可能なスペクトルの55%以上を再現する鮮明なディスプ
レイを製造することができる。原理や関連技術についてはこのブログに掲載されているので参考願いたい。

 
【要約】

この発光装置は、光源と、波長変換部と、互いに対向する一対の主面とこれら一対の主面同士を繋ぐと共に

波長変換部と対向する端面とを有する光学部品と、波長変換部と密着し、かつ、光学部品の端面の一部と密
着する
中間導光部とを備えることで、より高い均一性を有する光を発できる発光装置。

 
最後に、次世代USについて。BUSBポートは平均で年間約30億基の出荷を誇り、周辺機器の接続規格
として他を圧倒する成功を収めている。CES2015でこのデバイスの次世代USB「
Type-C」が披露さ
れいるが、その特徴能は、ケーブルのプラグを差し込むときに上下の向きを気にする必要がないほか、現行
のUSB3.0の2倍の転送速度最大10GbpsのUSB3.1 規格を採用。目立たないがこの技術をピック
アップしておこう。
 

 ● 今夜の一曲

 

   Oh, let's forget about domani
   Let's forget about domani
   Let's forget about domani
   For domani never comes

   Domani, forget domani
   Let's live for now
   And anyhow, who needs domani

   The moonlight
   Let's share the moonlight
   Perhaps together
   We will never be again

   Ah que luna, ah que mare
   With such a moon and such a sea
   And you with me

   I get so dizzy when you're standing near
   It's not the music that you hear
   My heart is beating like a jungle drum

   Let's take a minute as they speed away
   And hope it's true what people say
   When you're in love 
   Domani never comes

   Oh, let's forget about domani
   Let's forget about domani
   Let's forget about domani
   For domani never comes

   Yeah, let's forget about domani
   Let's forget about domani
   Let's forget about domani
   For domani never comes

   Domani, forget domani
   With such a moon and such a sea
   And you with me

   Let's take those minutes as they speed away
   And hope it's true what people say
   When you're in love
   Domani never comes

   Oh, let's forget about domani
   Let's forget about domani
   Let's forget about domani
   For tomorrow never comes

   Yeah, let's forget about domani
   Let's forget about domani
   Let's forget about domani
   For domani never comes




                                                                                 Titol       Forget Domani                       
                                                                                 Vocal       Connie Francis 
                                Word     Norman Newell
                                Music              Riz Ortoani

50年代のポピュラー・シンガーの女王コニー・フランシスが歌う、映画『黄色いロールス・ロイス”』の
主題歌。1965年1月22日に録音、5月発売
。同年ゴールデン・グローブ賞の歌曲賞を受賞。コニーの泣き節が
懐かしい中、この曲は明るく陽気な歌ですね  ^^;。

   

 

 

● 録画してあった彦根市立病院の羊 ピックアップ!(NHK あさイチ)

 



 

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諸君!狂いたまえ。

2015年01月06日 | 日々草々

 

● 花燃えて豊穣  諸君!狂いたまえ。 

書斎での作業は、付け流のテレビと、電子書籍閲覧、そしてインターネット検索の3種のメディア利用
が常態化しつつある。そんな環境のなか、また、明治維新ものかと食傷気味に思っていたが、同放送の
『花燃ゆ』の予告ダイジェスト版に伊勢谷友介扮する吉田寅次郎のセリフ『諸君!狂いたまえ』がグサ
ッと腹に刺さる。あまりにも『龍馬伝』の印象が深かった彼だ。即座に、これは必見とUターン。


 NHK大河ドラマの『龍馬伝』は島津斉淋・井伊直弼・吉田松陰時代からいよいよ佳境の高杉晋作・
 坂本龍馬・沖田総司の時代に。舞台は長崎丸山、伊勢谷友介扮する高杉晋作の登場に思わずカッコ
 イィ~! と大声を発してしまいそうな「リアリティ」だ。申し分ない。そう「バーチャル・リアリ
 ティ」を「実際の画像ではないが、限りなく実際に漸近させようとする映像編集とその体系」と定
 義するとそのように言えるが、なぜ龍馬より晋作に惹かれるのか? 彼自身が季語なのだ、龍馬よ
 り四歳短く、熱くそして夏の青春の太陽、オー・マイ・サン。(「散切り頭の夏休み」2010.07.19)


当の伊勢谷は、「松陰先生は人を一人も切らずに、哲学的なことを考えている方なので、お話をする機
会が多く、せりふがこれから大変だなと思っていますが、その想い、志をしっかり持ったせりふを話せ
ることが、役者としても個人的にも非常にうれしく思っています」「この時代は、どんどん変わらなき
ゃいけない局面で、誰かが狂わなきゃいけないという風な時代だと思っています。私が演じる吉田松陰
先生も『諸君、狂いたまえ』という言葉を発せられましたし、私自身もそうあれたらいいなと思ってお
ります」と気持ち新たに、「このドラマをきっかけに、見た方々が、ちょっとでも今の常識におしつぶ
されずに、狂って、新しい未来、自分なりの未来を提供できるようなドラマになっていったらいいなと、
頑張っております」と使命感をにじませたことが報じられている(「『花燃ゆ』長崎ロケ開始 伊勢谷
“松蔭”使命感語る」 2014.08.19 オリコンスタイル )。


このドラマは、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰の妹・文(井上真央)――天保14年(1843年)、杉
百合之助(常道)の四女として誕生。文と名付けられ、これは叔父であり松下村塾の創立者である玉木
文之進から一字をとって与えられた。兄に梅太郎、寅次郎(吉田松陰、この頃すでに吉田家へ養子に出
て家督を継いでいた)、姉に千代、寿、艶、弟に敏三郎がい艶は文の生後すぐに夭折し、長女の千代は
児玉祐之に、次女の寿は小田村伊之助(後に楫取素彦)のもとへそれぞれ嫁ぐ。文は久坂玄瑞の妻とな
るが、死後、彼の遺稿や、文に宛てた書簡21通をまとめて「涙袖帖」と題したのは次姉・寿の夫であっ

た小田村伊之助。1876年(明治9年)に楫取素彦が群馬県令となっていたが、1881年(明治14年)1月30
日、次姉の寿が胸膜炎を併発し43歳で死去。2年後の1883年(明治16年)、素彦の身辺と二人の孫の行
く末を案じた母・瀧子の勧めがあり、文は楫取素彦と再婚する。晩年は山口県防府市で過ごし、1921年
(大正10年)に79歳で死去――の生涯を描く。 

さて、吉田松陰の死生観は 「17、18の死が惜しければ、30の死も惜しい。80、90、100になってもこれ
で足りたということはない。半年と云う虫たちの命が短いとは思わないし、松や柏のように数百年の命
が長いとも思わない。天地の悠久に比べれば、松柏も一時蠅(ハエのような存在)なり。」によく表れ
ているが、念頭に当たり、今年の指針を一言で表せば、「時代はAKB48と嵐」とかってブログ掲載
したが、"嵐"は「地球温暖化の大規模気象変動による世界動乱到来」の比喩で、外部環境が"嵐"ならば、
主体的な言葉として、"狂"を対置させたいと考えていたから、『諸君!狂いたまえ』が衝撃をもってシ
ンクロナイズした。と、まぁ~、左様なことで、「ルート66」を松陰の志と強引に重ね合わせてみる。




【オールバイオマスシステム完結論 Ⅶ】 



● 直交集成板で国土豊穣化 ?

国土交通省と林野庁は、昨年11月11日クロス・ラミネイテッド・ティンバー(直交集成板、CLT)の普
及に向けたロードマップを公開した。2015年度に燃えしろ設計の告示を、16年度には基準強度と一般的
な設計法の告示を公布することを目指す。CLTの本格的な普及を促進するためには、(1)建築基準(基
準強度・設計法)の整備、(2)実証的な建築事例の積み重ね、(3)CLTの生産体制の構築、といった
施策を総合的に推進することが必要で、林野庁と国土交通省は、こうした施策を計画的に進めるととも
にその具体的内容と想定するスケジュールについて供給側や需要側などに対して幅広く周知し、関係者
の取組を促進するため、「CLTの普及に向けたロードマップ」を取りまとめた。
しかしながら、森林ジャーナリスの田中淳夫は以下のような批判や疑問を投げかけている。
 

 まず建設業者は期待を持っているかもしれない。コンクリートよりも軽くて輸送が便利。木造ゆえ
 にコンクリートの養生期間が必要なく工期が短くなる。またコストも安くなることが見込まれてい
 る。太い柱がなくなる(ツーバイフォーやCLTは壁で建物を支える)ために内部の間取りにも余
 裕ができる。設計の自由度が広がるだろう。
またツーバイフォー材やCLTを生産する木材加工業
 者、あるいは輸入業者も、新たな需要開拓になるのだから喜ぶだろう。
 

 木材の使い道は、これまで住宅資材が大半だったが、今後は先細りだし1軒当たりの使用量もそん
 なに多くない。ビルディングに使われるとなると、これまでの数倍の需要が生み出されるからだ。
 
では、林業関係者は。「これで木材需要が伸びる」と期待しているのだろうか。 

 まず考えるべきは、建材価格だ。ツーバイフォー材は、ホームセンターでも並んでいるのを見たら
 わかるが、非常に安い。これらは輸入材だが、国産材で作ったからと言って高くすることはできな
 だろう。
CLTは日本ではまだつくられていないが、作り方や材料の性質を考えれば、合板CL
 Tのフォーラムのために来日したイタリアの関係者は、CLTの立米単価は約2万円だと言ったそ
 うだ。為替などの変動もあるが、極めて安い。これから材料価格を想定すると、だいたい10分の1
 くらいではないか。つまり1立米2000円。高くても3000円までだろう。
 

 となると、国産材製のCLTも似たような価格になるのではないか。外国製CLTと競合するから
 である。常にCLTも国際価格に連動するだろう。となると、国産材も高く買い取ることは無理で
 ある
もし、本当に立米2000円の材が求められるとしたら、もはや合板どころかチップ価格である。
 とても山主は木を出せない。これを機に国産材価格の暴落を誘う可能性も否定できない。
 

 そして、もう一つ考えておくべきことがある。この手の工法による建築に、大工はいらないことだ。
 もとからパネルにしたツーバイフォーなりCLTを組み立てるだけである。そこで必要なのはクレ
 ーンだ。工場で生産した部材を吊り上げて、つないでいくだけだから、大工の出番はなくなるのだ。

  最後に消費者(木造ビルの使用者)はどうだろう。工期が短くてよいなら、建設費用は安く済むか
 もしれない。それは歓迎だ。
ただ、ツーバイフォー材もしくはCLTは構造材だから、その上から
 外装や内装をする必要がある。その素材が、石膏ボードとかクロス、あるいは新建材などだったら
 木肌を感じることはない。木材使用感もあるまい。つまり、そのビルディングが木造か否かなんて、
 どうでもよいことになる。(逆に言えば、コンクリートであろうと鉄骨であろうと、内装・外装材

 が木質だったら、木製に見えるわけだ。)

                           『木造ビルを建てて喜ぶのは誰だろう』
                               013.12.06 田中淳夫|森林ジャーナリス

 
 さて、誰が木造ビルを喜ぶのだろう。そして、どんな木造ビルが喜ばれるのだろう。と似たりよっ
 た
りの材料で間に合う。木目は気(木)にしないでよいし、傷や曲がりが少々あっても構わない。
 つまり価格も
合板用のB材と変わらないだろう。

 だが、ここで問題となるのは、里山の資源は都会や大生産地のような質や量を備えていないことだ。
 ロット(量)が少なくアイテム(種類)が多い、しかも洗練されていず原石のような里山の商品は、
 売買の対象になりにくい。それゆえ、今の自由主義経済では、脱落する。それが里山の地盤沈下を
 もたらした。

 
それでも維持したいと思うなら、誰かがどこかで不利益分のコストを負担しなければならない。い
 くら万一に備えたバックアップ、あるいはインキュベーション装置として里山が必要だと唱えても、
 非効率のために生じるコスト負担がなければ維持は難しい。
里山の雑木を薪にして炊事に使おうと
 いうのも、薪は買えば高いし自分で調達しようにもその場所(山)を確保して、伐採したり薪割り
 する労力がかかる。燃焼後の掃除など手間もかかる。それはなかなか面倒なコストだ。

 事実、高価な薪ストーブを設置したものの、ほとんど使わず、隣に置かれた灯油ストーブを愛用し
 ている例がいっぱいある。米や野菜の自給も甘くない。片手間に真似で耕作してもうまく育たない
 し、病害虫や獣害にあって全滅することもしばしば。ひん曲がって生長した農作物は、不味いこと
 が多い。肥料や耕作道具の購入などを考えると、結局、購入するより高くつく。

 そして田舎暮らしそのものが、そんなに甘くない。田舎に移り住んだものの、人間関係やら社会の
 インフラの問題、さらに仕事や収入面で悩んだり落胆している人が少なくない。田舎の生活は、意
 外と高くつくのだ。
里山資本をもう少し大きく、林業という産業で見てみよう。国産材が外材に押
 されがちなのは、国産材はロットが揃いにくく、効率的な販売網も確立できていないからである。
 だから消費者の手元に届くまでには高くなる。(素材としての価格は、国産材と外材に差はなくな
 っている。)国産材を使おう、という木づかい運動も、割高なコスト負担を消費者に求めることに
 なる。

 木質バイオマス発電も、本気で導入するには熱利用も含めて莫大なインフラが必要だ。そのための
 コストがかかる。現在でも再生可能エネルギーはFIT(固定価格販売制度)によって割高な電気
 料金にしようとしているのは、コスト負担を求められているためだ。それでも、里山はサブシステ
 ム
=保険である、と思うなら、必ずしも返って来ない保険の掛け金を払わねばならない。生命保険
 や損害保険は、死んだり損害を受けたときに備えて掛けるものだが、いざという時が訪れるまで払
 い続ける掛け金は、結構な負担だ。収入に余裕がなければ払い続けられない。

 このように見ていくと、里山資本主義を実践するには、結構大きな掛け金を払い続ける覚悟がいる
 わけだ。リスクに備えるためコストを支払い続けられて、初めて「里山資本主義」の世界は築ける。
 
さて賛同者は、その覚悟と余裕はあるだろうか。

                    『里山資本主義の実践には、高いコストを覚悟すべし』
                              2014.05.09 田中淳夫|森林ジャーナリス


 世間には木材に対する誤解が多くあるが、最大のものは価格だ。とくに国産材は高いと思われてい
 る。よくニュースでも「安い外材に押されて……」と語られたり、「国産材で家を建てたら高くつ
 く」と思い込んだ声が流布している。

 だが、実際の価格は驚くほど安い。通常のスギなら、立米単価は1万円前後だ。1本当たり4千円
 もしない。少し曲がっていたり傷があろうものなら半値になる。とくに最近は、円安で外材価格は
 上がっているから、外材より安いものも少なくないのだ。
 

 問題は流通や製材・加工の過程で価格が上がってしまうことである。だから柱や板材になった時点
 で、北欧など地球の裏側から届いた製材品と比べて高くなってしまいがちだ。それでも、1割高と
 か2割高のレベル。あとは大工の加工賃だが、これは人によって違いがありすぎる。そもそも木材
 の価格は、その材質や使い道によって大きく変動するから、十把一絡げに外材と国産材の価格を比
 べること
に意味はない。 

 一般的な木造住宅を建てる際、全体の建築費のうち木材価格が占める割合はどれくらいか知ってい
 るだろうか。
通常なら10%程度、ハウスメーカーのものには5%以下の住宅もある。思いっきり木
 材を使いました! という家でも2割に届くケースは稀なのである。
仮に木材価格のシェアが10%の
 住宅で、外材より1割高い国産材の製品を使った場合、全体の建築費に与える影響は1%という計
 算になる。建築費が2000万円なら20万円程度だ。そのくらいは交渉の中で揺れ動く範囲ではないか。

   つまり、よほど特殊な木材を多用した数寄屋建築でもないかぎり、木材価格が建築費を圧迫するこ
 とはないはずだ。それなのに家を建てる際は、なんとか安くしようとすると、まず木材部分を削り
 がちになる。世間は、妙に木材を買いかぶっているところがあって、非常に高いものと誤解してい
 る。そしてその誤解に便乗する者もいる。建築業者が国産材を使いたがらないのは、流通が整備さ
 れていず手間が増える、製品アイテムが少ない、仕入れ先を変えるのが面倒などが隠れた理由であ
 るケースが多い。しかし、施主の国産材を使ってという希望を回避する理由に「高いよ」と口にす
 るという。(中略)意外と価格は安いというだけでなく、木材はさまざまな姿に変わって、価格以
 上の魅力があると伝えてくれることを期待する。


                『吉野杉の「おすぎ」を買った女・・・木材の値段は誤解だらけ』
                             2014.12.11 田中淳夫|森林ジャーナリス


しかし、環境リスク(カーボン・リスク)の主課題に対する、地域経済の成長、コスト削減や競争力な
どの従属(あ
るいは説明)課題の関係が曖昧――例えば、石油と木質バイオマスの直接燃料効率の経
性の比較など――という印象は拭えない。また、木質バイオマス発電導入などのインフラ整備も批判に
挙げているが、政府が長期・継続的に財政出動(未来国債)すれば解決できる問題である。寧ろ、ペレ
ットの輸入に際しては、カーボン・トレーサビリティの脆弱性をどう克服するのかの課題が大きい。従
って、オールバイオマスシステムを構築ための政府のプラットフォームの定義が大前提――ドイツでは、
半径50キロメートル経済圏(『今夜はグリーンの話』2013.12.18)――といているように地産地消の
経済圏を設定し、同じ経済圏相互運用ルール整備などが必要である。

 

もうひとつ、「クロス・ラミネイテッド・ティンバー・パネル(CLT):直交集成板」への依存と集成板
の多様化という課題である。難癖を付けるわけではないが、下図のような木材の組み合わせで光を透過
させることができるように、副次(従属)的な課題のように金属・非金属などの他の複合化による強度
向上や意匠性の自由度拡大なども考慮しておく必要もある。さらに、個人的には木質バイオマスの先進
的パウダー化技術開発に興味がある。この件は残件扱いとする。
 

 

 

 

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