彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」
1.コロチカム 2.シオン 3.ジンジャ 4.ネリネ
【園芸植物×短歌トレッキング:シオン;紫苑】
御簾のそばのあきたるより見入れつれば、八、九人ばかり朽葉の
唐衣、薄色の裳に、紫苑、萩などをかしうてゐ並みたりつるかな
『枕草子』 第百三十七段
ふりはへて いざふるさとの 花みんと
こしをにほひぞ うつろひにける
古今和歌集 作者不詳
栖より 四五寸高き しをにかな 一茶
シオンはキク科シオン属 Aster tataricus。山地の湿り気のある草原
にはえる多年草。高さ1~2mほどになり、茎は直立して上部で枝分かれ
する。根出葉は幅6~13cmの長楕円形で、縁に鋸歯があり、両面に短い
毛がまばらにはえる。根出葉には翼がある長い葉柄がつき、花時に枯
れるが、栽培されるものでは葉柄を含めて長さ65cmにもなる。茎の下
部につく葉は互生する単葉で、長さ20~35cm、幅6~10cmの卵形~長楕
円形で、長い葉柄がある。葉は茎の上部にゆくほど小さくなり、狭い
長楕円形~披針形、やや無柄となる。茎の上部に多くの頭花が散房状
につく。頭花は径3~3.5cmほどで舌状花が淡い紫色。長さ7mmの半球形
の総苞がつき、総苞片は3列。花柄は1.5~5cmで短い毛が密にはえる。
痩果は長さ3mmの倒卵状長楕円形で毛があり、冠毛は長さ6mm。
紫苑(シオン)
オリックス優勝おめでとう!
【世界の工芸 Crafts of The World】
ブレナンド=ウッド, マイケル(イギリス)
Brennand-Wood, Michale
おしゃべり Talk-Tack 1987-88
130.0 ×200.0×33.0 cm
【再エネ革命渦論 060: アフターコロナ時代 259】
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コンパクトでスマートでタフな①光電変換素子と②蓄電池及び③水電
解に④水素系燃料電池、あるいは⑤光触媒由来有機化合物合成と完璧
なシステムが実現し社会に配置されようとしている。誰がこれを具体
的に想定しただろうか。その旗手に常に日本や世界の若者達の活躍が
あった。
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
再生可能エネルギー革命 ➢ 2030 60
出所:EPFL/Alain Herzog
✺ヒドロキサム酸の前吸着による増感型太陽電池の高効率化
「グレッツェル」太陽電池が新記録を達成
スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL が色素増感太陽電池の新しい
効率記録を樹立。同研究グループは 直射日光下で 15%の効率、周囲
光条件下で最大30%の効率を報告。重要な成果は、光スペクトル全体
を吸収できる光増感剤材料の新しい組み合わせの開発。
図1.BPHA、LEG4、およびディエナモブルーの分子構造
メソスコピック色素増感太陽電池 (DSC) の歴史は、1990 年代にさか
のぼり、スイスのローザンヌ工科大学の研究者より実証されてきた。
それ以来、それらは「Grätzelセル」として認知されるようになるが、
今週、Grätzelらの研究グループが新たな成果を公表。 研究グループ
は直射日光下で15%を超える効率を持つ色素増感太陽電池を作製、さ
まざまな周囲光条件下で最大 30%の効率を達成(成果ははNature誌に
掲載済➲「ヒドロキサム酸の前吸着が共増感太陽電池の効率を高め
る」※1)。このプレスリリースで、同グループは、色素増感太陽電
池が光増感剤を介して光を電気に変換し、これらの色素化合物は光を
吸収し、電子を酸化物ナノ結晶の配列に注入し電流収集。光増感剤は、
レドックス活性電解質または固体電荷輸送材料でナノ結晶メソポーラ
ス二酸化チタン膜の表面に飽和され付着。全体設計は、電子を光増感
剤からデバイスやストレージユニットなどの電気出力に移動させるこ
とで電流生成を目的とする。最新成果は、光増感剤やその他のコンポ
ーネントの進歩に帰着する。効率改善する鍵は、電荷の生成に有利な
二酸化チタンナノ粒子フィルムの表面上に秩序立った高密度の増感剤
層を形成させ技術----その1つが、ナノ結晶のメソポーラス酸化チタ
ンの表面にヒドロキサム酸の誘導体の単層をあらかじめ吸着させるア
プローチで吸着速度の減速であり、もう1つの方法は共増感である。
これは相補的な光吸収を持つ2つ以上の異なる色素を使用して太陽電
池製造での染料の組み合わせのアプローチで新率記録を達成、組み合
わせた色素を利用して、光スペクトルの大部分を吸収できるセルを開
発。高い光吸収と変換効率を達成できる色素の適切な組み合わせを見
つけることは、分子設計、合成、およびスクリーニングの長いプロセ
スを必要とするグループの重要な課題であった。
図2 (a)AM1.5G照明(1000 W m -2)下でのBPHAの有無にかかわらず、
LEG4およびDB増感DSCのI−V曲線、および(b)BPHAの有無にかかわらず
LEG4およびDB増感DSSCのIPCEスペクトル。電解質: 0.22 M Co(bpy) 3
(PF 6 ) 2 , 0.05 M Co(bpy) 3 (PF 6 ) 3 , 0.1 M LiClO 4 , およ
び0.2 M TBP.
ヒドロキサム酸誘導体の単層をナノ結晶メソポーラス二酸化チタンの
表面に事前吸着させる技術を開発することにより、新たに開発された
2つの光増感色素分子の組み合わせの改善に成功する。これにより、
2つの増感剤の吸着が遅くなり、二酸化チタン表面に整然と密集した
増感剤層を形成。このアプローチを使用し、①標準的な「模擬太陽光」
照明の下で 15.2%の効率を持つ色素増感太陽電池を実証。②セルは、
500時間以上の動作安定性も実証。③また、さまざまな光強度でセ
ルをテストしたところ、周囲光条件下で最大 30.2%の効率性能に向
上。色素増感太陽電池は透明で、さまざまな色で簡単に製造できる。
典型的なアプリケーションには、天窓、温室、またはガラスのファサ
ードが含まれる。軽量で柔軟性があるため、携帯用電子機器での使用
にも適す。調査結果は、高性能DSCへの容易なアクセスへの道を開き、
環境光をエネルギー源として使用する低電力電子デバイスの電源およ
びバッテリー交換としてのアプリケーションに有望な見通しを提供す
る。
【関連情報】
1.原題:Hydroxamic acid preadsorption raises efficiency of cosensitized
solar cells. Nature (2022). https://doi.org/10.1038/s41586-022-05460-z
2.メソポーラスTiO2薄膜:二酸化チタン(TiO2)は、光スイッチン
グ可能な表面濡れ性や高い光触媒活性、双安定性を示す電気抵抗特
性、および高い電子ドリフト移動度などの興味深い特性を示す重要
なn型半導体材料, Sigma-Aldrich
3.特開2001-233615 三次元構造を有するメソポーラスTiO2薄膜及び
その製造法
4.原題:2-(4-ブトキシフェニル)-N-ヒドロキシアセトアミド: 色
素増感のための効率的なプリ吸着剤 太陽電池, An Efficient Preadsor-
ber for Dye-Sensitized Solar Cells , PMC -NCBI、 DOI:10.1021/acsomega.
7b00267
5.ヒドロキサム酸(hydroxamic acid)とは、一般構造式が R-C(=O)-
NH-OH と表される有機化合物群である。N-ヒドロキシカルボン酸
アミドにあたる。
6.ペロブスカイト太陽電池の耐用年数を延長 (Once seen as fleeting,
a new solar tech shines on and on),2022.6.16,
▶ 耐久時間の逓増(外延)の実証ができ、色素増感も完全クローズド
化が実証できれば、商用段階に完全移行する。
デンソーが研究開発するSiC via 日系XTECH Crick nere!
【超小型のSiCインバータ開発事情 ①】
▶2011年9月6日、NEDOの次世代パワーエレクトロニクス技術開発の研
究委託先である技術研究組合「次世代パワーエレクトロニクス研究開
発機構(FUPET)」は同一パワーとしては世界最小の完全空冷オール
SiCインバータを開発、出力15kWのモーターの連続動作に成功。イン
バータは体積500cm3、出力パワー密度30 kW/リットルの超小型。
▶2017年5月24日、三菱電機はハイブリッド自動車)用超小型SiCイン
バータ研究成果披露を行う。開発したのは、フルSiCパワー半導体モ
ジュールと高放熱構造の採用で、体積5l(リットル)を実現した「HE
V用超小型SiCインバータ」。フルSiCパワー半導体モジュールを採用し
たことで、低損失化を実現し、スイッチングロスを大幅に低減に成功、
インバーターの小型化とHEVの燃費向上を実現。via HEV用の超小型SiC
インバーター、体積で従来比50%削減を実現:車載半導体 - MONOist
▶2022年10月28日、超小型のSiCインバータ開発ほぼ完了。現行のシリ
コン(Si)系パワー半導体については、半導体受託生産会社(ファウ
ンドリー)の台湾聯華電子(UMC)との協業を進める。UMCの日本拠点
であるユナイテッド・セミコンダクタ・ジャパン(横浜市)の三重工
場(三重県桑名市)において、「300mmウエハーの量産を開始した」
という。2023年前半をめどに、300mmウエハーでパワー半導体のIGBT
(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を生産する計画である。
出所:NEDO「先進・革新蓄電池材料評価技術開発Ⅱ」 中間評価報告書
2021.3/事業取組イメージ
【ナトリウムイオン電池研究の最新事情 ①】
全固体 LIB の大型化・量産化のボトルネックとなっている技術課題解
決の要素技術及び全固体 LIB の更なる性能向上・低コスト化を実現す
る要素技術の開発の現状を俯瞰する。
図2 液系LIBの市場規模推移と将来予測 ➲出典:「エネルギー・大
型二次電池・材料の将来展望 2018、2020」及び「2019 電池関連市場
実態総調査」(株式会社富士経済)をNEDO推定。
(1)液系LIBの課題:現在のEV・PHEVに用いられている液系LIBのエネ
ルギー密度は、セル重量エネルギー密度で200~250Wh/kg、セル体積エ
ネルギー密度で400~700Wh/Lのレベル。しかしながら、液系LIBは一歩
間違えると発火の危険性があり、また、高レートの充放電による温度
上昇で劣化が進むため、電池パックには安全系や冷却系(熱マネジメ
ント系)のシステム部品が数多く組み込まれる。この結果、電池パッ
では、重量エネルギー密度が130~160Wh/kg程度、体積エネルギー密度
が 150~ 240Wh/L 程度となっている。航続距離が400kmを超えるEVに
搭載される 大型の電池パックであれば、重量で300kg以上体積で 250L
以上と重く嵩張るものとなり、車両デザインに大きな制約を与えてい
る。また、生産コストも高く、車両コストの約 1/3を占めると言われ
ており、低価格帯の車両モデルではガソリン車と同レベルの収益性を
確保することが困難。
図3 現在のEVに用いられている液系LIBのセル・電池パック
(2)全固体LIBの実用化の期待: 全固体電池は無機固体電解質(硫化
物あるいは酸化物のリチウムイオン伝導体)の化学的安定性 (実用
的な高電圧耐性)を活かし、液系LIBの有機溶媒電解液では分解・ガス
発生が起きる高電圧条件でもセルを作動させることができる。そのた
め、セルのエネルギー密度を数10%程度、向上させることができる。
将来的にバイポーラ型でセル構造が実現できれば更にエネルギー密度
は向上できる。また、無機固体電解質の熱的安定性を活かし、電池パ
ックの冷却システムの小型化あるいは不要化が期待できる。さらに、
無機固体電解質は不燃性であり、発火リスクが大幅に低減するため、
電池パックの 安全系システムの簡素化も期待できる。電解液の漏液の
問題もない。その結果として、1/2~1/3のオ ーダーで電池パックの
小型化と低コスト化が期待できる。加えて、有機溶媒電解液中では陽
イオンと陰イオンが同時移動するため、Liイオンの輸率は 0.5以下と
低いが、無機固体電解質はシングルイオン伝導体であるため、輸率が
1となり、入出力特性が格段に向上し、数倍レベルでの「超急速充電
」の実現も期待できる。
図4.車載用バッテリーの技術シフトの想定
図5. 実証セル(第1世代全固体 LIB)の作製プロセスとセル断面
▶2021.7.20 日経XTECH
ナトリウムイオン電池 理科大開発の負極で既存LIB超えか
エネルギー密度の低さが課題だったナトリウムイオン電池(NIB)だが、
認識を大きく改める必要が出てきた。東京理科大学が開発した負極材
料が非常に高容量でセルの重量エネルギー密度でも既存の高容量リチ
ウムイオン電池(LIB)を上回る見通し。加えて、金属ナトリウムを負
極にしたさらに高エネルギー密度の電池も登場しつつある。専ら定置
型向けだと考えられていたNIBが車載向けにもなる可能性が出てきた。
☈エネルギー密度の低さが課題
ただし、これらのPBA----3次元集積型錯体の配位空間・ヘテロ界面の
制御技術を駆使することにより、容量劣化を示さないコスト的に優位な
リ、チウムイオン2次電池用正極材料として可能性の高いプルシアンブ
ルー類似体----の容量密度はLIBの一般的な正極活物質の約1/2。正負極
共に低く、電位差も小さいことで、セルでは重量エネルギー密度が最大
でも33Wh/kg、体積エネルギー密度も66Wh/LとLIBのセルの1/10近く、言
い換えると鉛蓄電池並みになってしまう。ただし、5分で満充電にできる
など充放電レートが高いことで鉛蓄電池に対する優位性はある。PBAでな
い材料を使ったとしても、NIBには、LIBに対して“0.3Vのハンデ”があ
る。これは金属Naの析出電位が、Liのそれより0.3V高く、LIBと同じタイ
プの正極材料を使うとその分、出力電圧が低くなるという原理的な制約
である。勿論、LIBで利用している高電位の正極活質と類似の材料を使っ
て、エネルギー密度を高めたNIBもある。金属Naを負極に用いているフィ
ンランドBroadBit Energy Technologiesを別にすると、NIBベンチャーの試
作例では、英Faradionの重量エネルギー密度155Wh/kgのNIBセルが現在の
ほぼ最大値のようだ。出力電圧は最大4.3Vと、ハンデを負っているとは
思えないほど高い。ただし今度は、NIBの特徴の1つである高い充放電
レートがLIB並みに低くなってしまう。
☈負極材料に革新
最近の研究成果によって、NIBにつきまとうエネルギー密度についての
課題が払拭される可能性が出てきた。その道を開いたのは、先に触れ
た東京理科大学の駒場研究室と、物質・材料研究機構、岡山大学の共
同研究(図6)。
図6.LIBに電圧で負けても放電容量では勝てる
東京理科大学の駒場研究室が2020年12月に発表したNIB向け新規ハード
カーボンの放電容量。NIBは負極電位がLIBより0.3V高いという不利な
状況にあるが、負極の容量密度ではLIBの黒鉛を3割以上上回ったこと
で、エネルギー密度でも約2割、LIBを上回る可能性が出てきた。NIBの
セルのエネルギー密度は、正極活物質としてP2型Na2/3Ni1/3Mn1/2Ti1/6O2
を想定した場合の値。(図:東京理科大学の資料を基に日経クロステ
ックが作成)。駒場氏らが開発した負極材料は以前からNIBに使われて
いるハードカーボンだが、その製法を変えることで容量密度が大幅
に高まる。
具体的には、グルコン酸マグネシウム(Mg(C6H11O7)2)とグルコー
スの混合物をまず600℃で前処理加熱することで、ナノサイズの酸化
マグネシウム(MgO)粒子が形成され、それが空孔の鋳型になる。次
に塩酸でMgOを除去した後に無酸素下1500℃で熱処理する。すると、
ナノサイズの空孔を多く持つハードカーボンが得られる。その可逆容
量密度は実測値で478mAh/g。黒鉛の理論値である372mAh/gを約3割上
回る(図6)。もともと、ハードカーボンはNaイオンの容量密度が比
較的高いが、その構造はランダムに近く、容量密度のバラつきを制御
できていなかった。今回、その構造をMgOの鋳型によってある程度デザ
インが可能となり、高い容量密度を安定的に得られるようになった。
☈エネルギー密度でLIB超えも
実際の黒鉛の容量密度は理論値よりも小さい300m~350mAh/g程度。こ
のため、5割近い容量アップを期待できる。結果、電圧のハンデを相
殺だけでなく、エネルギー密度でLIBを2割以上も上回る可能性がある。
同大学によれば、正極活物質にP2型Na2/3Ni1/3Mn1/2Ti1/6O2を想定すると
エネルギー密度が358Wh/kgのNIBのセルも作成可能.。P2型N2/3Ni1/3Mn1/2
Ti1/6O2は、(LiCoO2などと異なり)深い充放電でも安定性が高い(東
京理科大学の駒場氏)ため、358Wh/kgは理論値ではなく、実現可能な
値である。
【関連情報】
1.https://www.tus.ac.jp/today/archive/20201211_1226.html:超高
容量を示すナトリウムイオン電池用炭素負極材料の開発に成功,2022.
12.14.東京理科大学,岡山大学
2.原題:MgO-Template Synthesis of Extremely High Capacity Hard Carbon
for Na-Ion Battery, Azusa Kamiyama,et al. DOI: 10.1002/anie.202013951
3.ハードカーボン(難黒鉛化性炭素):炭素材料の1タイプ。有機
材料を焼結して得られる炭素材料は大きく、黒鉛かそれに近いもの、
ソフトカーボン、ハードカーボンの3つに分類できる。黒鉛は炭素原
子が規則的に並んだ結晶構造を備える。一方、ハードカーボンでは、
炭素の並びや結合の規則性が低く、比表面積が大きいため、容量密度
を黒鉛より高められる可能性がある。ソフトカーボンは焼結温度を高
めると黒鉛に近づく炭素材料である。
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出所:Qingdao University
●ナトリウムイオン電池研究の最新の進歩
青島大学らの研究グループは、優れたサイクル安定性を備えた高性能二
酸化チタンベースのアノード材料を合成。一方、ドイツの研究グルー
プは、オペランド技術を使用し、溶媒和ナトリウムイオンが電極にど
のように埋め込まれているかを観察。アナターゼ型二酸化チタン (Ti
O2) は、低コスト、非毒性、豊富なため、ナトリウムイオン電池の有
望な負極材料。ただし、電子伝導率が低く、高速でのイオン拡散速度
が遅いく実用性の乏しいものでであった。
図1.(a) H-XTiO2@C の XRD パターン (X は焼成温度を表す)。 (b)
H-750TiO2@C と 750TiO2@C のラマンスペクトル。 (c) H-750TiO2@C
の TGA 曲線、(d) 窒素吸脱着等温線、DFT 細孔径分布曲線 ((d) の
挿入図)。 750TiO2@C (e) および H-750TiO2@C (f) の FESEM 画像。
(g)、(h) H-750TiO2@C の SAED パターン ((h) の挿入図) と共に
TEM 画像。
先ず、青島大学の研究者チームは、ナトリウムイオン電池のアノード
材料として炭素シェルを備えた熱的に安定なアナターゼナノ粒子の合
成へのゾルゲルアプローチを実証。合成されたアナターゼを半電池で
テストしたところ、研究者は電池が 228 mAh g-1 の可逆比容量を示し
た。これは、0.05 A g g-1 の電流密度で、1 で 2,000 サイクル後に
100% の容量保持率を示す。 G-1。その場X線回折およびラマン分光法
の結果は、充電/放電プロセス中のアナターゼのほぼゼロ歪み特性を明
らかにした。
その場透過型電子顕微鏡、ex-situ X線光電子分光法、および走査型電
子顕微鏡の結果は、初期放電プロセス中にナトリウム化 TiO2 相を形
成する不可逆的なナトリウム化活性化プロセスを示唆する。負極とし
てアナターゼを、正極として Na3V2(PO4)3 を使いフル コイン セルは、
220Whkg のエネルギー密度を実現。エネルギー材料の進歩。
図2.(a) 0.1 mV s-1 で測定された CV 曲線、(b) 電極H-750TiO2@C
の 0.05 A g-1 で測定された最初の GCD プロファイル。 (c) 異なる
電流密度での H-750TiO2@C、750TiO2@C、および 750TiO2 のレート性
能。 (d) 1 A g-1 でのサイクリング性能、および (e) サイクリング
前の電極 H-750TiO2@C および 750TiO2@C のナイキスト プロット。
【要約】
アナターゼ型二酸化チタン (TiO2) は、ナトリウム イオン電池 (NIB)
の潜在的なアノード材料です。ただし、電子伝導率が低く、高速での
イオン拡散速度が遅いため、その実用化は妨げられている。ここでは、
NIB のアノード材料として炭素シェルを持つ熱的に安定なアナターゼ
ナノ粒子の合成へのゾル-ゲル アプローチを示す。 750℃ で焼成され
たサンプル (H-750TiO2@C と指定) は、1Ag-1 で2000サイクル後も容
量損失なしで、高レート能力とサイクルに対する優れた安定性を示す。
その場での線回折およびラマン分光分析の結果は、充電/放電プロセス
中のアナターゼ相のほぼゼロ歪み特性を明らかにする。異なる充電状
態と放電状態で収集されたサンプルのin situ透過型電子顕微鏡法、
ex situ X線光電子分光法、および走査型電子顕微鏡特性評価の結果は、
アナターゼ相が最初の放電プロセス中に不可逆的なナトリウム化活性
化を受けて、ナトリウム化-TiO2相。 H-750TiO2@C をアノードとして、
Na3V2(PO4)3をカソードとして組み立てられたフルセルは、220Whkg-1
のエネルギー密度を提供し、H-750TiO2@CがNIB の潜在的なアノード材
料であることを示す。
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● オペランド解析
共インターカレーション電池 (CoIB):
溶媒和 Naイオンを貯蔵するための電極としての TiS2 の役割
一方、ヘルムホルツ・ツェントラム・ベルリン (HZB) とフンボルト大
学ベルリンの共同研究グループはオペランド技術を使用して、溶媒和
したナトリウムイオンが電極にどのように埋め込まれているかを観察。
結晶格子内の溶媒和シェルを伴う場合のイオンの貯蔵は、「共インタ
ーカレーション」と呼ばれる。これまで、この概念はナトリウムイオ
ン電池の負極に限定されている。この概念をバッテリーの正極にまで
拡張する。二硫化チタン (TiS2) とグラファイトを使用してバッテリ
ーの充電と放電中に同じ溶媒を吸収および放出する 2つの材料を初め
て組み合わせ、バッテリー (CoIBs): 溶媒和したNaイオンを保存する
ための電極としての TiS2 の役割」は、最近 Advanced Energy Materi-
als に掲載。 科学者は、LIMAX 160 の HZBのX線コア ラボで実行され
たオペランド測定を介して、充電中および放電中の材料の変化を観察
した。また、溶媒和シェルに特に敏感な Li+ または Na+ストレージの
代わりに多価イオンを使用するなど、代替セルの概念を改善するために
利用することもできる。
図1.a) 2 回目のサイクルの 10 mAg−1 での、異なる電解質溶媒を使
用した二硫化チタン電極の定電流ナトリウム化および脱ナトリウム電位
プロファイル、および b) 1 回目と 5 回目のサイクルのヒステリシス
プロットの比較。 使用されるさまざまな電解質は、2G中の1 m NaPF6、
THF、および EC:DEC。
【要約】
電極材料の結晶格子への Na+と一緒の溶媒分子の同時インターカレー
ションはナトリウム電池では望ましくないプロセスです。例外はエー
テル溶媒和アルカリイオンのグラファイトへのインターカレーション
であり、高速で可逆性の高いプロセス。ここで可逆的な共インターカ
レーションは、他の層状材料、すなわち二硫化チタンでも可能であるこ
とが示された。オペランド X 線回折とディラトメトリーを使用して、
さまざまな電解質溶媒のさまざまな貯蔵メカニズムを実証します。
Diglymeは、TiS2 に共インターカレートして、電圧プロファイルの変
化と層間間隔の増加 (約 150%) をもたらすことがわかっています。
この挙動はNa貯蔵中の膨張がはるかに少ない他の溶媒と比較して異な
る(テトラヒドロフラン [THF] およびカーボネート混合物では 24%)。
すべての溶媒について、比容量 (2回目のサイクル) は 250 mAhg-1を
超えるが、THFは100 サイクル後に最高の安定性を示した。溶媒の相互
インターカレーションは、密度汎関数理論によって合理化され、ジグ
リムで最大の溶媒和シェルの安定性にリンクされている。最後に、ジ
グリム電解質を含む TiS2電極をグラファイト電極と組み合わせて、
最初の概念実証の溶媒共インターカレーション バッテリー、つまり、
両方とも溶媒分子の可逆的共インターカレーションに依存する2つの
電極を備えたバッテリーを実現。
図2.a) 100 mA g−1 での電圧プロファイル。対応する TiS2 電極のオ
ペランド回折パターンと、NaTiS2 (ICSD 26305)、Na0.55TiS2 (ICSD
71092)、Na0.3TiS2 (ICSD 201394) の標準データの XRD パターン。
TiS2 (ICSD 52195); b) THF 中の 1 m NaPF6 でのナトリウムナトリウ
ムナトリウム化プロセス中のメカニズムの概略図。
【関連情報】
1.アナターゼ型二酸化チタン(TiO2):酸化チタン(IV)は組成式TiO2、
式量79.9の向き化合物。チタン酸化物でアナターゼ型(正方晶)の二
酸化チタン。
2.インターカレーション(intercalation):層状構造などをもつ物
質の隙間に他の物質を挿入すること。またそのような化学反応。可逆反
応であり、元の基本構造を保持したまま、イオンや分子が電子を授受
しながら入り込む。挿入される物質をインターカラントといい、その
種類や量によって電気的・化学的特性を制御することができる。リチ
ウムイオン電池の電極素材などで応用されている。
3.オペランド解析:「オペランド測定」とは、真の動作条件下で対
象の分光学的評価と機能の測定を同時に行う手法であり、触媒材料や
電池などのエネルギーデバイスの新規開発や高度化に向けて必要とな
る計測技術。
4.原子レベルでの蓄電池内部の挙動解析に成功:2016.7.1, NEDO
①電池特性を左右するイオンの動き等を非破壊でリアルタイムに観察
可能なシステムを開発
②充放電時に不均一と非平衡に進行する電池反応を世界で初めて観察
5.Sodium-Ion Storage Properties of Thermally Stable Anatase;的に安定な
アナターゼのナトリウムイオン貯蔵特性, Energy Material Advances,
6.Co-Intercalation Batteries (CoIBs): Role of TiS2 as Electrode for Storing
Solvated Na Ions; 共インターカレーション電池 (CoIB): 溶媒和 Na イオンを貯
蔵するための電極としての TiS2 の役割, Advanced Energy Materials, 21
October 2022,
【ウイルス解体新書 152】
序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学
風蕭々と碧い時代
Jhon Lennon Imagine
● 今夜の寸評:(いまを一声に託す ③)全国埋設電線網を!
彼女モーニングを取りながら小声でそうつぶやいたのを思い出し「一
声」としたが、今の状況を言葉に変換するには余りにも沢山もものを
抱えすぎた。今夜はぎりぎりでこのブログを掲載する。