おなか減っても、文化的なものが欲しいとか、この小説が読みたいとか、そういうことのほうが、
明日食べるもんが心配だなぁっていうときでも、真っ先の欲求だってことは‥‥あると思う。
Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012
【トレッキングと修景 Ⅵ】
ひたすら心体復調を持つが芳しからず。そんななか、29日、東近江市同県と三重県の県境にある鈴鹿山系の山に登
り、22日から連絡が取れなくなっていた――21日朝に「日帰りで登山に行く」と言って出掛けたが、同日には帰
宅せず、22日朝、携帯電話から妻に「(今日は)帰れる」と伝えた後、連絡が取れなくなっていた―――京都市南
区吉祥院石原長田町、会社員古岡豊さん(61)が谷に倒れているのを発見した。県防災ヘリコプターで収容したが
死亡が確認された。東近江署によると、古岡さんは滋賀県東近江市佐目町の谷を流れる川の中であおむけになって倒
れていた。滑落し全身を強く打ったとみられるとの訃報に接す(産経デジタル 2016.05.30)。
どのようなコースを辿り滑落されたのかといろいろネットサーフしながらイメージしたものの、やはりここは具体的
に登るしかないだろうということで、(1)杠葉尾登山口→佐目峠→雨乞岳のピストン、(2)杠葉尾登山口→ハト
峰峠→雨乞岳のピストンで少し詳細に山行しようと考えた。ところで、滑落事故といっても季節、天候、ルート地勢、
体調、装備、負荷量(疲労蓄積)など6要因以上あり、それをベースに滑落→負傷→死亡の経緯を類推するしかない
が、ここでは降雪、積雪の可能性のある雪中登山しない、グループではない単独登山であることを前提に考えてみる。
まず、地勢要因である「危険地帯」とは8つあるとされ、それぞれの対応は以下の通りである。
- ガレ場:山の崩壊地このこと。人為的地球温暖化による集中豪雨(局地あるいは広域)で山が荒れ、たびたび
遭遇する。この写真のように崩れてはいても橋が設けてあれぱ安全,中途半端に足場が崩れかけている所では
一歩一歩慎重に歩くことが基本。 - 渓流沿い:濤れている丸い石には足を置かない。乾いていて角があり、人間の体を支えられる大きい石だけ使
い歩き、浮いている石もあり、大きくても動きさやすそうな石は不可。 - 木の根:地面がぬれているときの木の根はとにかく滑りやすく、乾いているときは足がかりにするだけに、う
っかり踏んでで転んでしまう。降雨時は木の根の上には足を置かないことが肝心。 - 木道・橋:木製の人工物はhと宇面にザラつきが少なく、スリップが多発し、滑り止めがあれば、おれを意識的
に使い、ついていていなければすり足気味に両足を動かし慎重に歩く。 - 梯子:急斜面の梯子でも朝が滑らないように一歩一歩確実に置き、両手でしっかりと握っていれば事故はない。
怖いのは恐怖心から腰が引けてしまうこと。こうなるとたいしたことはない場所でも事故が起こりえる。 - ロープ・鎖場:第一に注意すべきは、退場鵜すべてを預けないこと。ロープ、鎖はバランスをとるための者と
考え手ではなく「足」で登り下りする間隔が大事。じゃまになるトレッキングポールはかたてにまとめて持つ。 - 岩場:両手・両足のうち、3箇所で身体を支え、残りの1カ所だけを動かす、いわゆる「」3点支持」が原則。
ときに岩場が音を立てて落ちてくるので常に目と耳で注意。落石に気づいたら「ラク!」と叫び、周囲に伝え
る。 - 雪渓:谷には遅くまで雪が残り、場所によっては割れ目があって、雪の下の沢につながっているいる。滑って
落ちると生きて帰れない。登りではつま先、下りではかかとでけり込んで、雲の上に引っかかりを作り歩く。
このように、山の代表的な危険地帯8ヵ所は、避けられるなら別の場所を歩き、それか無理ならば細心の注意でクリ
アする。集中してゆっくりと歩けば安全な場所ばかりだが、岩場やガレ場は落石か多い。その場を早く離れられるよ
うにスピーディで確実な歩きが要求される。木の根や苔むした石は滑りやすいか、本当に気を使うのは木道やハシゴ。
人工物は自然界のものよりも滑りやすく、一見歩きやすそうにも見えるだけに侮ってはいけない。どの場所も濡れて
いると、さらに難易度があかる。降雨時は注意しすぎることはない。だが、遭遇状態はわたしの経験から事態は複雑
なケースがある、そのひとつが道に迷った場合。こころが動揺しているため、まず、「冷静沈着になること」が第一。
第二アクションとして「細心要注意で移動」が肝となる。つぎに、「疲労」。疲労蓄積すれば注意力が散漫し、俊敏
な行動がとれないという悪循環に陥るから十分な休息が必要となる。ここまでくれば多くの経験者は、気付くはづで
ある。何がいけなかったかと。幸い軽傷、捻挫程度ですめば今後の糧にできるのが、トレッキングの最大の魅力だと
わたしは考えている。
ところで、わたしは股がむれるのでショートパンツにハイソックスが定番なのだが、このスタイルには滑落時、脚に
切り傷などを負いやすく傷害深くなるのはさけられない。上/左図の太もも下部や脛など1~2箇所にファスナー付
きで丈の長さが変えられる「コンパーチブルパンツ」が最適のように思える。セカンドスタイルとしてはショートパ
ンツとタイツの組み合わたもので、タイツがサポートタイプなら足への負荷か減る。(1)これには段階的な縮め付
けで血行を促進させ、疲労を軽減するものと、(2)部分的に伸縮性を変え、筋肉や関節の動きを助けるものでは、
足の動きのパフォーマンスを向上させるものとがある、個人的には、ロングパンツですませてしまうだろう。もっと
も寒いトレッキングコースならロングパンツにサポートタイツも選択するかもしれないがが、暖かい時期ならばショ
ートパンツのほうが、足捌きの点でも優れている。これは1つの例にすぎない。こんごも事例研究し「ナショトレ防
災」とのサブテーマ(イシュー)として記載していこう。
● ワインポイントテク:ブーツのひもが長すぎる!
いくつかの方法があるが個人的には蝶結びをしている。輪の部分を大きくしてひもの末端を短く結ぶ。それでも余裕
がある場合は二段蝶結びする。二回目はひもを逆さ回し蝶結びするとクールにみえる。これは、ランニング(ジョギ
ング)・シューズのひも同様である。
● 最新弥生工学の此岸:次世代バイオマス資源ウキクサ
近年植物工場が注目されているが、工場化及び機械化による作業の省力化が可能であり、栽培時期や生産量を自由に
制御できることから需要量に応じた生産量の調節ができる。それ故、広い貯蔵スペースや多大な貯蔵管理費を必要と
せず、工場形式であることから生産者は日本の農地法のような法的規制を受けるず、従来の二次元的な圃場栽培と異
なり、都市部でもビル屋内等で三次元的に実施でき、耕作地の拡大による環境破壊を伴わず、農耕作に不適な乾燥地
や寒冷地などでも設置可能であり、天候の影響を受けないため年間を通じて農作物を安定供給でき、植物の成育に必
要な養分を人工的に調製した培地で栽培し根部の環境を制御し易く、連作による障害も回避できる。また、害虫を完
全に排除できるため無農薬栽培が可能であり、残留農薬の心配がないなどの特長をもつが、生産コストが高くなり、
栽培作物を安価で提供できない問題を抱える。
ところで、植物には、例えば、アオウキクサ(Lemna aoukikusa)の根圏に生息し、水中の有機汚染物質を分解する微
生物(Yamaga F. et al., 2010, Environ. Sci. Technol. 44, 6470-6474)や、コウキクサの成長を促進する微生物等が単離さ
れている(Underwood G.J.C. and Baker J.H., 1991, J. Appl. Bacteriol.)。このような植物の根圏に生息する微生物を一般
に「根圏微生物」と総称するが。根圏微生物の多くは、前述の根粒菌等のように、宿主植物の根から養分を得る一方
で宿主植物に対して有用な活性や性質を付与する等、宿主植物と相利共生関係にある。
産業技術総合研究所などの研究グループは、根圏微生物から、特定の水生植物根圏微生物を培地に添加したときに宿
主植物が低照度条件下や低濃度肥料培地でも高い成長率を維持できることを発見する。
(1)宿主植物のクロロフィル量を増加する作用を有する水生植物根圏微生物
(2)ペロモナス属(Pelomonas)微生物、キサントモナス科微生物、ブラディリゾリウム属、
微生物及びアシネトバクター属微生物からなる群のいずれかの微生物属に属する(1)に記載の水生植物根圏微
生物。、
(3)ペロモナス属微生物が受託番号NITE P-01645の微生物である、(2)に記載の水生植物根圏微生物。
(4)ペロモナス属微生物が受託番号NITE P-01647の微生物である、(2)に記載の水生植物根圏微生物。
(5)キサントモナス科微生物が受託番号NITE P-01646の微生物である、(2)に記載の水生植物根圏微生物。
(6)ブラディリゾリウム属微生物が受託番号NITE P-01648の微生物である、(2)に記載の水生植物根圏微生物。
(7)キトファギア綱(Cytophagia)微生物、ラキバクター属(Lacibacter)微生物、及びウンディバクテリウム族、
微生物からなる群のいずれかの微生物属に属する、(1)に記載の水生植物根圏微生物。
(8)キトファギア綱微生物が受託番号NITE P-01894の微生物である、(7)に記載の水生植物根圏微生物。
(9)ラキバクター属微生物が受託番号NITE P-01895の微生物である、(7)に記載の水生植物根圏微生物。
(10)ウンディバクテリウム属微生物が受託番号NITE P-01896の微生物である(7)に記載の水生植物根圏微生物。
(11)(1)~(10)に記載の水生植物根圏微生物を少なくとも1種含む植物成長強化剤。
(12)(2)に記載のアシネトバクター属微生物が受託番号NITE P-523の微生物である、(11)に記載の植物成
長強化剤。
(13)植物が双子葉植物又は単子葉植物である、(11)又は(12)に記載の植物成長強化剤。
(14)(11)~(13)のいずれかに記載の植物成長強化剤を栽培植物の根に施用して当該植物を栽培する植物
栽培方法。
(15)前記栽培が水耕栽培である、(14)に記載の植物栽培方法。
(16)低濃度肥料培地で栽培する、(14)又は(15)に記載の植物栽培方法。
(17)低照度条件下で栽培する、(14)~(16)のいずれかに記載の植物栽培方法。
以上の成果をふまえ下記のような効果を確認する。
・水生植物根圏微生物を宿主植物の根部に付着させることで当該宿主植物のクロロフィル量を増加させることができ、
低照度条件下であっても宿主植物の成長率を維持することができる。
・水生植物根圏微生物を宿主植物の根部に付着させることで宿主植物の栄養状態を強化することができ、培地の肥料
濃度が通常の1/10であっても宿主植物の成長率を維持することができる。
・水生植物根圏微生物を宿主植物の根部に付着させることで当該宿主植物の成長を促進させることができる。
・植物成長強化剤によれば、培地に施用することで、植物成長強化剤が包含する前記水生植物根圏微生物による
効果により、植物の成長を促進し、また低濃度肥料培地で、かつ低照度条件下であっても植物の成長率を維持する
ことができる。
・植物栽培方法によれば、植物栽培における栽培コストを抑えることができる。特に水耕栽培のような人工培地栽培
法において、電力コスト及び肥料コストを抑えることで、安価な栽培植物を提供することができる。
水生植物の栽培はエネルギーの少ない水処理浄化機能をもち、その根圏細菌はイネ、レタスなどの植物の緑化促進・
成長促進などに広く応用できそうだ。また、水生植物は食糧、堆肥、バイオマス燃料生産の原料として利用価値が高
い。これは新しい事業プラットフォーム展開が期待できる。実に面白い。
● 最新弥生工学の此岸:ミドリムシ燃料、品質改良で油脂量40%アップ
23日、細胞刺激を組み合わせることで微細藻類「ユーグレナ(ミドリムシ)」の遺伝的に多様な集団を作り出し、
その中から効率的に油脂含有量の多い個体を選別する手法を開発。このユーグレナはミドリムシとして知られる生物
の学名で、世界中の淡水域に生息する微細藻類の一種。太陽光による培養が可能で、バイオ燃料の元となるワックス
エステルという油脂成分の高い生成能力を持つ。環境への負荷を抑えてバイオ燃料の原料を生成できる生物の1つと
して注目されている。
そこで、まず研究グループではまず、変異原処理としてユーグレナの細胞に重イオンビーム照射を実施。これにより
、さまざまな特徴をもった細胞(変異体)がユーグレナの集団の中に現れる。そしてこの多様なユーグレナの集団の
中から、「セルソーター」という細胞の発する蛍光強度などを指標として目的の細胞を分取する装置を活用し、ユー
グレナの個々の細胞を観測する方法を開発。つぎに、個々の細胞観測を可能にした上で、次に研究グループが取り組
んだのが、油脂を多く持つユーグレナの選抜である。細胞内の脂質を染める手法を活用し、蛍光強度の違いを利用し、
作り出した多様な細胞集団の中から特に油脂を多く含むユーグレナを選抜できるか検証した。その結果、野生株より
約40%油脂を多く含むユーグレナ変異体を取得することに成功。これにより、バイオ燃料としての機能品質向上でき
るととしている。また、可視化方法を工夫することで、油脂含有量以外にもビタミン含有量の多いユーグレナなどの
産業的に有用な特徴を持つユーグレナを選抜することが可能になり、ユーグレナ以外の微細藻類にもセレンディピタ
ーの応用を検討することで、機能性成分やバイオ燃料の研究の加速が期待できるとしている。これも実に興味深い。
● 息で肺がん早期発見へ
息に含まれる微量な化学物質を分析することで早期の肺がんを検知する呼気分析装置が、今年から英国で第2相の臨
床試験に入っている。ケンブリッジ大学工学部出身者らが創業したベンチャーの英アウルストーン・メディカル(Ow
lstone Medical)の「ルーシッド(LuCID)」で、これまでの分析装置に比べ小型で低コスト、操作が容易なのが特徴。
ロイターによれば、17年に一般医による診療所での利用開始を計画。
肺がんの場合、がんが進行したステージ4の患者の生存率は5%なのに対し、初期段階のステージ1では75%あり、早期に
発見し、治療につなげるかが重要になっている。これまでにもがん細胞が作り出す揮発性有機化合物(VOCs)を患者
の呼気から検出して診断する装置はあったが、高価なうえ、分析に時間がかかり操作が複雑。シャツのボタンほどの
大きさのイオンモビリティー分析計(FAIMS)という化学センサーチップを開発したことによるもので、これまでの
ガスクロマトフラフィー・質量分析法(GC-MS)に比べると、コストは百分の1、大きさは千分の1にでき、医師に
よる呼気の収集は数分で済み、分析作業は同社のラボで行う。レイモンド・カーヴァが生きている時代に開発されて
いたら、彼の作品は世界を席巻していたかもしれないと、この新聞に接しそう思った。これは朗報だ。
GRAVY
考えてみれば、これ以上に相応しい言葉はどこにもない。この
十年の歳月、それはまさにGRAVYそのものだった。
生きていて、しらふで、働いて、愛して、そして
素敵な女に愛されること。11年
前に彼はこう言われた。この調子で進んだら
せいぜいあと半年の命ですよと。進む先には
破滅あるのみ。それで彼はなんとか
生き方を変えた。酒を斯ったのだ! そしてどうなったか?
そのあとは何もかもが、その1分1秒にいたるまでが、GRAVY
たった。彼のからだのどこかがまずくなって、頭の中に何かが
生じていると告げられたその瞬間をも、そう、それも
含めてだ。「僕のために泣いたりしないでくれよ」と
彼は友人たちに言った。「僕は幸運な男だ。
まわりのみんなが、あるいは自分が予想してたより十年も長く
生きたんだもの。実にGRAVYじゃないか。そのこと、覚えておいてくれよな」
Gravy
No other word will do. For that’s what it was.
Gravy.
Gravy, these past ten years.
Alive, sober, working, loving, and
being loved by a good woman. Eleven years
ago he was told he had six months to live
at the rate he was going. And he was going
nowhere but down. So he changed his ways
somehow. He quit drinking! And the rest?
After that it was all gravy, every minute
of it, up to and including when he was told about,
well, some things that were breaking down and
building up inside his head. “Don’t weep for me,”
he said to his friends. “I’m a lucky man.
I’ve had ten years longer than I or anyone
expected. Pure Gravy. And don’t forget it.”
(訳註) GRAVYはもともと肉汁のことですが、日本語でいういわゆる「甘い
汁」という感じでもよく使われます。日本語の「甘い汁」はだいたいいつ
もネガティヴな意味あいで使われるわけですが、この詩の場合は、お読み
になってもわかるように、ポジティヴな意味あいで使用されており、辞潜
的に説明すれば「滋養豊かで、内容があって、おいしくて、とろっとして、
えも言われぬ」という感じになると思います。一言ではなかなか言い表せ
ない言葉だし、この詩ではGRAVYという音色や、それが喚起する具体
的イメージがとても大事な役を果たしているので、あえて原語のまま残し
ました。
尚、この作品を含めここに収められた『不埒な鰻』『レモネード』などの一連の詩篇について解題で触れている
ので改めて記載する。
● 今夜の一品
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