離婁(りろう)篇 / 孟子
※ 説教ずき:人間の弱点は、ややもすれば教師面をしたくなることだ。
爪よりもちいさくなったチョークたちヒマラヤスギにあつまりなさい
本棚のなかで植物図鑑だけ (ラフレシア・雨) ちがう匂いだ
やすたけまり歌集『ミドリツキノワ』
【樹木トレッキング 16:ヒマラヤスギ】
ヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉、学名:Cedrus deodara)は、マツ科ヒマラヤスギ属――雌雄同株の常緑高
木だが,若い木では異株のように見えるものもある。ヒマラヤ地方以西,北アフリカにわたり3種が
知られており,日本にふつう栽培されているのは1種である――の常緑針葉樹。ヒマラヤ山脈西部の
標高1500 mから3200 mの地域が原産地である。高さは40 m-50 m、時には60 mにまで成長し、幹の直径
は3mに達する。樹冠は円錐形で、地面に水平な枝と垂れ下がった小枝がある。針のような形をした葉
はほとんどが2.5-5 cmの長さで、時には7 cmに達することもある。細長く厚さは1mmほどである。芽
は長く単独で生えるものと、短く20から30個で集団を作るものがある。色は明るい緑から青緑に変化
する。雌花の松かさは樽形で、7-13 cmの長さで5-9 cmの幅がある。成熟(12か月)すると崩壊し、翼
状の種子を落とす。雄花の松かさは4-6 cmで、秋に花粉を放出する。
ヒマラヤスギは園芸植物として広く利用され、公園や大きな庭園に植樹されている。栽培できるのは
厳しい冬がない地域に限られ、-25℃以下で生育することは難しい。確実に成長できるのはハーディネ
スゾーン8(最低気温が-6.7℃から-12.2℃)より温暖な地域である[6]。西ヨーロッパ(スコットラン
ドが北限)、地中海と黒海沿岸、中国中南部、北米(バンクーバーが北限)などに広く分布している。
日本には明治初期に導入された。もっとも寒冷に耐えられる品種は、カシミールとパクティヤー州に
分布している。これらの地域から産出された品種は、Eisregen、Eiswinter、Karl Fuchs、Kashmir、Polar
Winter、Shalimarなどと呼ばれる。
ヒマラヤスギは建築材料として大きな需要がある。耐久性、難腐敗性に優れ、良質で緻密な木目は磨
けば美しいつやが出る。歴史的には、寺院とその周辺の造園に使われたことがよく記録に残っている。
腐りにくい性質はシュリーナガルやカシミールの水上家屋に適していることが知られている。パキス
タンとインドでは、イギリス領時代にバラックや公共施設、橋、運河や鉄道車両などに広く用いられ
た[5]。耐久性があるにも関わらず壊れやすい性質は、椅子のような頑丈さを必要とされるデリケー
トな加工には向いていない。ニューヨーク市ではヒマラヤスギで作られた伝統的な高置水槽を載せた
小型の給水塔が個々の建物に設置されており、街の景観の一部となっている。
アーユルヴェーダでは、ヒマラヤスギには病気を治す力があるとされている。木には芳香があり、香
料として用いられる。精油は防虫のために馬や牛、ラクダの足に使われる。また、カビを防ぐ効果も
期待されている。樹皮と幹には収れん作用がある。セダー油は芳香族性があり、特にアロマテラピー
で利用される。その特徴的な木の香りは乾燥によって多少変化する。天然のオイルは黄色、あるいは
黒っぽい色をしている。石鹸の香料や家庭用スプレー、床磨き剤、殺虫剤、顕微鏡用洗剤にも用いら
れる。 ヒマラヤスギの種名deodaraぱ‘神の樹"という意で,実は神聖なものとされている。従ってイ
ソドにはこれに関する伝説が多い。ヒマラヤにはヒマラヤモミ,ヒマラヤツガなどの重要な針葉樹も
知られている。問花期 10月 熟来期 翌年11月。
【仮想通貨のこれから】
● 12月25日 仮想通貨全体の時価総額は、5300億ドル、58兆円
12月半ば、大学で講義をした際、20歳前後の女子学生から「ビットコイン投資を考えているので
すが今後も値上がりは続くんでしょうか」と尋ねられた。投資経験はほとんどないとのことだ。"B"の
刻印付きの金貨を売りつけるビットコイン詐欺も横行していると聞く。至る所で仮想通貨ブームが猛
威を振るっていることを実感させられる。しかし、一時期の急騰から一転、先週来、ビットコインの
価格は下落している。その一因となっているのが円による投資の激減だ。11月はビットコイン取引
額に占める円の割合が世界一だったが、この1週間で円の取引の全体に占める比率は30%を割り込
み、ドルに水をあけられている。仮想通貨相場は終わりを告げたのだろうかとあるが(「大暴落した
仮想通貨のリスクと将来性 "未来の金融"を制するのはビットコインか、それとも…」、東洋経済オン
ライン、2017.12.28)。1、2カ月、ビットコインの価格変動が話題にならない日はないくらいだ。
しかし、ビットコイン以外の仮想通貨、いわゆる「オルトコイン」の変動幅の前にはビットコインも
かすんで見える。ビットコインを2017年1月に1万円分購入し、ピークで売り抜けていたら20万円
になったが、たとえば日本発の仮想通貨「モナコイン」であれば600万円以上になった計算で12
月25日現在、世界には約1380種類の仮想通貨があり、価格が下落し始めてからも、毎日1~3
種類ずつじわじわと増え続けているという。
これらの仮想通貨全体の時価総額は、5300億ドル、58兆円 に上る(Coinmarketcap、12月25日時
点)。たとえば日本円の流通額は107兆円であるから 、すでにその半分は超える。内訳は、ビット
コインが25兆円と断トツで、仮想通貨市場全体の4割強のシェアを占める。そのほか、イーサリア
ム、リップルなど、7位のイオタまでで市場の8割を占める一方、小規模コインが1300以上存在する。
仮想通貨の増加の裏にあるのが、企業が仮想通貨を発行して資金調達を行う「ICO(Initial Coin Offering)」。
コインは原則として有価証券でないため、比較的簡易な手続きで発行できる。数億円程度の小額の発
行も可能。株式でも借り入れでもないので、既存の株主や債権者の地位を侵すこともない。このため
ICOは急拡大を続けており、11月時点で、世界のICOによる資金調達の累計額は4000億円を超
えた。日本でも今年9月、非上場フィンテック・ベンチャーのテックビューロがICOで100億円超を調
達して話題になった。金融関連以外でも、今月12日には、マンション建設のシノケンが、「シノケ
ンコイン(SKC)」を発行すると発表した。将来は同社の建設するマンションの家賃等の決済手段とし
て利用できるようにする。
Oct. 27, 2017
● 国による規制や技術の進歩もリスク
しかし、ICOは税金問題、税率課徴法とその課税率が問題となる。そこで、企業の株式発行/資金調
達にはそのほぼ全額資本として使えるが、ICOは、有価証券の発行には当たらないので、「コインの
販売」として売上高相当が対象となり、法人税が課される可能性が高いと視られている(この場合、
政府間の国際的調整が必要となるだろう)。現行の法人税が徴収されれば、使える金額は7割程度に
なってしまう。また、消費税扱いとなれば0~数10%相当となるだろう。
さらに、仮想通貨の取引についても、制度的にはまだ未成熟。当面最大の問題は、取引所の経営破綻
リスクである。今月19日にも韓国の小規模取引所であるYoubitがハッキング被害に遭い、総資産の
17%を失って倒産。顧客から預かった資産は25%カットされるという。ほかにも小規模のハッキ
ングは世界中で発生しているとか。このため、日本では、こうした取引所リスク軽減に、9月から金
融庁が仮想通貨交換事業者の登録を開始している。資本金が1000万円以上であることのほか、「サイ
バーセキュリティ対策」「マネーロンダリング対策」「顧客の預かり資産の分別管理」「利用者保護」
などをチェック 。現在15社が登録済みだが、国内最大級のコインチェックなど十数社は継続審査
中である。また、仮想通貨の中には、リップルのように、コインではなく取引所からの「借用書(IO
U)」を取引するものもあるが、この場合、取引所が倒産した場合、倒産手続きに巻き込まれる可能性が
ある。
一方、大国では取引に対して厳しい。主に、マネーロンダリングやテロ対策が目的である。すでに、
9月に中国がICOや仮想通貨取引所に対する厳しく規制を導入。離脱交渉でEUともめている英国も、
EU各国と協調し、統一的な仮想通貨規制を模索。ロシアも今月末までに規制案を発表するとしている。
自前の通貨を発行する可能性もある反面、取引所規制は厳しい内容になる可能性もある。微妙なのは
日・韓・豪州である。日本に次いで豪州も、取引所の登録制度を導入した。一方で韓国は、先週、検
討していた仮想通貨規制の見送りを決定した。日本の先例を見て、規制導入による取引増加を警戒し
たもようだ。米国は態度を明確にしていないが、今月、ビットコイン先物の上場を容認している。こ
のように各国のスタンスの違いが大きいことから、来年のG20先進国首脳会議では、仮想通貨への対
応が議題となる可能性が高い。もし主要国が取引を完全に禁止すれば市場への影響は不可避だろう。
Finacial Review
● 技術で信任を得た覇者が金融を制す
そもそも、現在の貨幣システムは極めて非効率だ。たとえば、世界に300万台あるATMの維持管理費
は年間数兆円に上るとみられる。その他、現金移送費、盗難対策費などが日々のコストとしてのしか
かり、間接的に利用者が負担させられている(➲タンス預金)。また、海外取引の利用者負担はさら
に重い。たとえば、30万円を銀行から海外送金するには、送金銀行分、為替、受け取り銀行分の3
種類の手数料が、合計で1回1万円近くかかる。そのうえ、1回当たりの送金はおよそ100万円が
上限となる。技術者たちは、仮想通貨相場とは無関係な世界で、こうした金融の非効率さを改善しよ
うと開発に死力を尽くしており何らかの改革が起こる可能性は高い。しかし、インターネットのウェ
ブ・ブラウザの世界でも20年前に始まった時点で覇者を予測するのは不可能だった。先駆者は覇権
を握れず、利便性や技術に優れたものがさまざまな経緯を経て選別されてきた。仮想通貨の世界でも、
その覇者は世界中の信任を得て金融の仕組みを一変させ、大きな価値を生むだろう。ただ、それがど
のような技術が主体になるのかが見えるにはまだ時間がかかると予測されている。
Dec. 26, 2017
● 「ビットコインの終わり」が告げるブロックチェーン
ところが、連日のようにメディアをにぎわせている仮想通貨ビットコインは、「通貨」としてはほと
んど使われていない。企業の関心は、ビットコインが残した基盤技術のブロックチェーンをどう使う
かに移ってきている。暗号通貨ビットコインをめぐる動きが異様だ。日本を中心に個人投資家が次々
と手を出したことで価格が急騰し、時価総額はわずか1年で23倍以上となる約2941億ドルにま
で膨らむ(12月13日時点)。ビットコインの世界の取引の4割は日本円建てとされ、値上がりを
期待する個人がいまも殺到していことは前出通りだが、さらに12月10日には米国で先物取引がはじま
ったことで、手元にビットコインがなくても売買ができるようになり、ビットコインの投機的な性質
はさらに高くなっている。連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長はビットコイン
について「極めて投機的な資産」であり、「法定通貨としての性質を持たない」。米大手銀行JPモル
ガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)は、「ビットコインは詐欺」と発言。
実際、個人取引の9割以上は決済手段ではなく投機目的だとされ、日本銀行フィンテックセンターの
初代センター長を務めた岩下直行京大教授は、2017年7月に開催されたブロックチェーン関連のイベ
ントで「今のビットコインは、値動きが激しくて(通貨としては)実はとても使いにくい」と発言し
ている(「ASCII.jp:「ビットコインの終わり」が告げるブロックチェーン新時代の幕開け」、2017.
12.26)。
Dec. 26, 2017
一方、テック業界を中心に幅広い業界で急速に関心が高まっているのが、ビットコインで使われてい
る「ブロックチェーン」のテクノロジーである。ビットコインには否定的なJPモルガンも、ブロック
チェーンの技術的な可能性には注目しており、将来の金融取引での利用を見据えてブロックチェーン
技術に積極的に投資している。ビットコインの本質的な意義は、新たな金融商品などではなく、ブロ
ックチェーンという分散台帳技術を使って、通貨のような改ざんが絶対に許されないデータをやり取
りできるようにしていることが肝となる。
ここでお復習い。ビットコインは、サトシ・ナカモトと呼ばれるプログラマーが2008年に発表した
暗号通貨である。2009年前半にはビットコイン取引に使うソフトウェアが発表されたものの、すぐに
は注目されなく、ビットコインが実際に使用できる場所がほとんどなく、具体的な使い道がなかった
だ。だが、2013年にヨーロッパの小国キプロス共和国で起きた金融危機で向きが変わる。多くのキプ
ロス人がビットコインを資産の逃げ場として選んだことから需要が高まり、ビットコインは世界中の
投資家から注目を集め、自国通貨である人民元の不安定な状況から、中国の富裕層らがビットコイン
を「爆買い」し、ビットコインの価値がさらに高まっていった。日本でも2017年4月に資金決済法が
改正され、準通貨とし利用できるようになったことからビットコインの取引が活発になる。
● 暗号通貨を支えるブロックチェーンとは何か
その後、ビットコインの加速度的な成長は周知のとおりだが、そもそもビットコインに大量の資金が
なだれ込んだのは、ビットコインが「安全」であるという大前提。それまで世に存在しなかった新し
い通貨の仕組みを支えるには、絶対に破られないと言える強固なセキュリティが必要になる。その暗
号通貨を支えている技術が、ブロックチェーン。ブロックチェーンは、もともとビットコインを完全
な通貨として流通させるために生み出されたものだ。
そもそものブロックチェーンとは、ビットコインのすべての取引履歴が記録されたシステム(台帳)。
ただし、従来のような中央集権的なデータベースではなく、ネットワークでつながれた複数のコンピ
ューター(ノードと呼ぶ)が取引の検証や更新を行なう。ブロックチェーンは、過去におけるすべて
の取引を個々のブロックに分け、それを1本の鎖(チェーン)のように繋げた形で記録している。新
しい取引が行なわれると、その取引を記録した新たなブロックが作られ、各ノードが持つチェーンの
最後に加えられていく。ブロックチェーンによる記録の典型的なプロセスは、次のようなものだ。ユ
ーザーとビットコインの売買の取引を行ったノードは、まずネットワーク全体にその情報を送信する。
次に、別のノードが複数の取引記録をまとめたブロックを作成し、あらためてネットワーク全体に送
信する。このとき、ブロックには1つ前のブロックの内容を示すハッシュ値が含まれる。このブロッ
クに対して、各ノードがあらかじめ定められたアルゴリズムに従って正当性を検証する。検証した結
果に問題がなければ、各ノードはそれぞれが保有するブロックのチェーンに、新しいブロックを追加
していく。
いったん、ノード間で交わされた取引の記録は、複数のノードのチェーンに記録されるので、過去の
取引記録の一部を改ざんしようとすると、すべてのノードにおいてそれ以降の取引記録を改ざんしな
ければならない。そのため、実質的に改ざんは不可能であり、ブロックチェーンが安全とされるゆえ
んとなっている。また、ブロックチェーンのシステムは、無数のコンピューターがピア・ツー・ピア
(P2P)で繋がっているため、ネットワークに接続されたノードの一部が故障しても、他のノードが
有効である限り機能し続ける。さらに、ノード間のネットワークが障害などによって分断されてもシ
ステムがダウンしないことが、高い可用性を担保している。こうした特性によって、分散型台帳であ
るブロックチェーンは、単一の中央管理システムに比べて、システムコストや取引の事務コスト、障
害時のメンテナンスコストなどを大きく抑えることができる。また、ビットコインのブロックチェー
ンの取引台帳は世界中に公開されているため、すべての取引が追跡できる透明性も備えている。
● 広がるブロックチェーンの可能性
高い可用性や安全性、低廉なコストなどを理由に、いまやブロックチェーンはさまざまな方面から注
目を浴びる。例えば、欧州では身分証明者などを持たない難民の生活を支援するために、ブロックチ
ェーンが利用されている。フィンランド移民局では2015年から難民にプリペイド式のマスターカード
を配布。このカードは通常の銀行口座としても機能するが、ブロックチェーンによって取引が管理さ
れているため、銀行などを通さずに個人間で送金ができる。マスターカードが使える店舗や銀行のA
TMでも使用でき、光熱費や家賃を支払ったりするほか、雇用主から給与の振込を受けることもでき
る。移民局はブロックチェーンの公開台帳によって、カードの所有者と支出の動向を把握する。
● ニーズに応じたブロックチェーンの進化
ここまでの事例を見て、「なぜブロックチェーンでなくてはならないのか?」との疑問を持つ人もい
るかもしれない。食のトレーサビリティーにしても医療情報の記録にしても、従来の中央集権的なデ
ータベースで構築したシステムであっても、問題はないように思えるからだ。「日本国内だけに目を
向ければ、その価値を実感するのは難しいかもしれません」と話すのは、暗号技術の専門家である
NEC セキュリティ研究所の佐古和恵技術主幹だ。佐古技術主幹は、グローバルに目を向けることで
ブロックチェーンへの見方は変わっる。その一例が、製造業である。製造業は日本企業であっても、
世界中から資材や部品を調達する必要がある。自動車を例に取れば、組み立てに必要な部品の数は2
万点にも上り、最終的に消費者に対して製造責任を負うメーカーは、それぞれの資材や部品について
どこでどのように製造され、どのようなルートを経て入ってきたのか、追跡する必要がある。そこに
ブロックチェーンのテクノロジーを使ってサプライチェーン全体の流れを正確かつ効率的に記録する。
だが、こうした企業でのブロックチェーンの利用を考えたときに、企業のニーズと必ずしもマッチし
ないことがある。具体的には、セキュリティの向上と処理スピードの両立、秘匿性の確保である。た
とえばNECでは、これらの課題を解決するために、既存のブロックチェーンの仕組みを改良し、独自
のブロックチェーンを開発している。まず、セキュリティについては、不正なデータの破棄に必要な
ノード数を従来の3分の2以上から2分の1以上に改良することでビザンチン障害耐性を強化し、より
少ないノード数でセキュリティを担保できるようにした。また、秘匿性について、企業では取引の中
身だけでなく、取引の存在自体が知られるだけでも都合が悪いこともあるため、取引当事者のみでブ
ロックチェーンを生成する「サテライトチェーン」という仕組みを考案。もともとはビットコインと
いう通貨のために生まれたブロックチェーンは、ビットコインの存在感が高まるにつれ、注目度を高
めていった。そしてビットコインの性質が通貨から投資商品へと変質していったように、ブロックチ
ェーンもまた、開発当初の想像を超えた領域で使われようとしている。セキュリティや秘匿性といっ
たニーズに応じたブロックチェーンが開発されたことで、ますます多様な分野においてブロックチェ
ーンのテクノロジーは利用されるようになると予想されている。
ここでお復習い。ブロックチェーン(Blockchain)とは、分散型台帳技術、または、分散型ネットワ
ークである。ブロックチェインとも。ビットコインの中核技術(Satoshi Nakamotoが開発)を原型と
するデータベースである。ブロックと呼ばれる順序付けられたレコードの連続的に増加するリストを
持つ。各ブロックには、タイムスタンプと前のブロックへのリンクが含まれている。理論上、一度記
録すると、ブロック内のデータを遡及的に変更することはできない。ブロックチェーンデータベース
は、Peer to Peerネットワークと分散型タイムスタンプサーバーの使用により自律的に管理される。フ
ィンテックに応用されるケースでは独占や資金洗浄の危険が指摘されることもある。
また、日本ブロックチェーン協会は、独自に技術としてのブロックチェーンを定義している。ブロッ
クチェーンは以下の諸点でビットコインよりも一般化された概念である。
❶ 管理者を置けるし、取引履歴も非公開の形で運用できる。
❷ 採掘者(マイナー)や、暗号通貨ないしトークンは設計次第で必ずしも要しない。
❸ 企業などによって運用されている既存の決済・ポイントサービスなどのシステムを、記録が非公
開で運用されるブロックチェーンのシステムに代替することにより運用コストが削減され、決済
手数料等が抑えられると期待されている。
わたし(たち)が仮想通貨(電子マネー)あるいは仮想現実に着目し研究をはじめたの1995年の
ことである。そこを起点にすると20数年で実際に運営されるようになった(「ブロックチェーンの
「信頼」は金融を民主化するか──日本から世界に打って出る金融コンサル集団の挑戦|WIRED.jp、
2017.12.27)。ここでも『デジタル革命渦論』が現実として展開されているというわけだ。実に面白
いことだ。
● 今夜のビデオ
Gatebox社は、ホログラム投影技術と各種センサを活用して、専用デバイスに表示されるデジタルキ
ャラクター「逢妻ヒカリ(あずまひかり)」)と、リアルなコミュニケーションを楽しめるホログラ
ムロボット。キャラクターデザインは恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」などで知られる箕
星太朗氏が手がけた。ヒカリは、主人(ユーザー)の行動を認識して会話をしたり、接続した家電を
操作したりしてくれる。たとえば、朝になるとグーグルカレンダーと連携して、指定した時間に「お
はよう、朝だよ」という言葉とともに、部屋の照明をつけてくれる。また、主人が音声でお願いする
と、テレビやエアコンをつけてくれたり、その日の天気を教えてくれたりする。販売されるや30万
円という高額にもかかわらず則完売。
このニュースを知り、それじゃ『仮想樹林園ロボ』もあっても良いのではないかと思いつく。例えば、
「ヒマラヤスギ」と問いかければ、関連する情報(ヒマラヤスギの誕生と成長がホログラム表示され、
次に、詳細の部位や関連情報がマルチメディアで解説され、プリントアウト(二次元/三次元)でき
るというもの。これは植物だけれど動物の『仮想魚類水槽ロボ』など動きのあるもの面白いんじゃな
いかとも。デジタル図書館シリーズでありながら、「室内装飾ホログラム」シリーズも兼ねるという
もの。また、新しいホログラム表示デジタル書籍事業として創成できそうではないだろうか。