岩走る 奥入瀬綴る 垂水うけ 咽を潤し 陽を楽しむ
We drink water falls at Oirase stream
And enjoy the shade of spring
我們喝的水瀑布流於奥入瀬
樹蔭下享受春天
石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも
志貴皇子/万葉集
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【公務員改革と財政改革】
今朝も、テレビとマイ・ピーシーのスイッチを入れる。テレビ局も年度末に
入り打ち上げ番組模様の一日になりそうだ。地震報道にチャンネルを切り
替えていると、朝日放送の「スーパー・モーニング」でオーストリラリアの公
務員改革についてコメンテータ(玉川徹)が飛び込んできたので録画する。
その概要は以下の4点。
(1)オープン化(高級公務員の公募制)と政治指導
(2)公務員給与の制限→就労促進(失業率逓減)
(3)民間化→国が政策決定し、運営をを民間に委託
(4)幹部クラスの能力を上げる人事制度(Jリーグ制の入れ替え制度)
※かなり説得力がありましたね。
第1章 無駄の象徴 ハコモノ編―誰のためにつくり続けるのか!?
1.公務員宿舎
2.公邸
3.議員宿舎
4.グリーンピア
5.私のしごと館
6.国営マンガ喫茶
7.地方空港
第2章 日本をダメにした制度編―それでもなぜなくならないのか!?
1.天下り
2.雇用・能力開発機構
3.UR(都市再生機構)
4.議員特権
第3章 日本の問題解決編―ヨーロッパ 福祉先進国に学べ!
1.少子化問題はフランスに学べ!
2.救急医療問題はフランスに学べ!
3.失業・雇用問題はスウェーデンに学べ!
4.介護・年金問題はスウェーデンに学べ!
第4章 玉川総研の処方箋編―四賢人に訊け!
1.貯蓄税導入で景気は回復する!
2.ハイパー円高を逆手にとれ!
3.世代間格差は、この社会保障制度で解消!
4.世界恐慌阻止のカギは「分かち合い」!
【東北関東大震災から学ぶ】
東京ディズニーランドは液状化から無傷だったという。駐車場の一
部に液状化がみられたていどで、人的面にも施設にも影響はなかっ
た。ただ、電力供給が安定しないことから東京ディズニーランド、
東京ディズニーシーは休園状態が続いているという。子供たちに元
気と夢を与える効果や、甲子園の高校野球も開催されるのだからテ
ーマパークのどちらかでも開いたらよいのではないかとの声も。た
だ、電力のほかに交通事情等のこと、さらに余震の心配も考えると
簡単には再開というわけにはいかないだろうと見られている。
ディズニーランドとディズニーシーを合わせた1日の消費電力量は
57万キロワット時と大量で、一般世帯に換算すれば、約5万9千世
帯分に相当し、自家発電設備を保有せず、園内に大型のガス自家発
電機を建設することも検討している。全体の消費電力の7割をまか
なう計画だという。普通なら環境影響調査に時間がかかるが、政府
が特例を認めれば半年でつくれると関係者は語っている。
液状化現象とは、地震の際に地下水位の高い砂地盤が、振動により
液体状になる現象。これにより比重の大きい構造物が埋もれ、倒れた
り、地中の比重の軽い構造物(下水管等)が浮き上がったりする。単
に液状化(liquefaction)ともいわれる。東京ディズニーの採った液状
化対策工法は、下表の「密度の増大」のサンドコンパクションパイル
工法(動的締め固め、静的締め固め)だといわれている。
この工法は、強固に締固めた砂杭を地中に造成して地盤改良する、粘
性土地盤では複合地盤を形成し、せん断抵抗力を増すとともに沈下を
早期に安定させ圧密沈下量を低減させる。その特徴は、
【長所】
・砂質土、粘性土をはじめ有機質土等さまざまな地盤に適用が可能
・低置換から高置換まで広範囲に改良仕様の設定が可能
・中詰め材料に砕石やスラグ等の使用が可能
・締固め、補強、圧密排水の効果が同時に得られる
・大型施工機により大深度の施工が可能
【短所】
・振動・騒音の影響が大きい
・周辺地盤の変位が大きい
・砂杭打設により盛上りが発生する
・砂杭打設時に水質汚濁が発生する可能性がある
・施工機が大型のため超軟弱地盤では別途対策が必要である。
いずれにしろ、民間レベルで事業を展開するには相当な資金力がいる。
これは国土をどの様につくるかという国土思想とそれをバックアップ
する仕組みが必要でチマチマとした財政規律派が跋扈する政治状況で
は新しい地平を切り開く国土建設はおぼつかない。
もうひとつ、消波堤が今回の大津波の破壊力を増長させ防潮堤を破壊
させていたという。東日本大震災で被災した福島県相馬市で、沖にあ
る消波ブロックの列の間に津波が集中して、陸側の防波堤が決壊した
ことが、早稲田大の柴山知也教授(海岸工学)の調査で分かったとい
う、消波ブロックなどで高波や高潮に備えていた護岸設備は津波に弱
いという(「消波ブロック、津波には逆効果 切れ目に集中、堤防決
壊」)。つまり、海岸堤防は海側に波の力を弱めるブロックを置いて
台風などによる高潮や高波に備えるが、堤防の沖には、海岸線と平行
して消波ブロックが並べられる。消波ブロックの列は、海岸の水質悪
化を防ぐためにすき間があけているが、消波ブロックの列の切れ目に
面した部分だけが決壊した。消波ブロックの切れ目に津波が集中、強
い水流となって海岸堤防を直撃したと考えられている。
コンピュータシミュレーション技術が発達してもこのようなことは予
見できなかったのか疑問が尽きないが、やはり、やられてなかったの
と思うしかないが、世界一のコンピュータでなくても公営の防災研究
機関でなくても民営レベルでも簡単にできるように思えるのだが‘他
山の石となす’べきことがらだろう。
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