極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

さぁ!自信をもって進もう⑦

2023年03月30日 | デジタル革命渦論

  

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦
国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと
)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひこにゃん」。


2023.3.29 11:00
井伊直弼像と彦根城博物館に中央に位置する公園で一期一会観桜会



旧知が再会し三年間の我慢していた酒宴を急遽開催。天候好、桜満開。



春爛漫 一組の新婚お披露目行列や職場仲間(後藤さん)との遭遇もあ
り、用意していたお弁当などをたいらげ、さらに缶ビールを現地調達。
佐々木さんと吉田さんはご機嫌に世間話に桜を咲かせ、長老の「今日一
日一日を気持ちよく生きることが親鸞の教え」との締めにて解散。彼女
の送迎自動車で帰宅の途につく。





2056年までに「日本の人口一億を切る
20世紀のほとんどの期間、日本は高度な人口増加を経験する。戦後の
奇跡は、1980 年代までにその急成長する経済が米国に次ぐ第 2 位に急
上昇したことを示す。 この急速な拡大期は、1991 年の資産価格バブル
の崩壊で終わった。いわゆる「失われた10 年」が続き、21 世紀まで続
きました。 日本は経済的にも人口的にも停滞した。2010 年までに、国
の人口は 1 億 2,800 万人でピークに達し徐々に容赦なく減少し始めた。
いくつかの要因が、今後数十年にわたって世界における日本の地位を定
義するこの長期的な傾向に貢献。先ず、日本の出生率は長年低下してお
り、21世紀初頭には世界で最も低い国の1つになる。女性1人あたりの
平均出生児数は 2020年までに 1.34人にとどまり、代替レベルの2.1を大
きく下回った。また、日本は世界で最も平均寿命が長い国の 1 つであり、
その結果、急速に高齢化が進んでいる。65歳以上の高齢者の割合は引き
続き上昇し、生殖年齢の若者の数は減少した。一部の孤立した農村地域
では、この人口動態の変化が非常に深刻になり、コミュニティ全体が消
滅。経済的および社会的要因も役割を果たした。女性の高い教育と雇用
機会、都市化、家族の価値観の変化により、結婚率の低下と出産の遅れ
が生じた。さらに、日本は歴史的に制限的な入国管理政策に従っており、
これにより、仕事や生活のために入国する外国人の数が制限されていた。

これらの要因は、日本の経済、社会福祉制度、および将来の見通しに大
きな課題をもたらし、2040年までに、国は年間約 750,000人の損失に達
した。2056年までに、総人口は 1 億人を下回りました。これは 1960年
代以来の水準。緩和された移民規則を含むいくつかの政策変更の試みに
もかかわらず、この全体的な傾向は世紀の残りの間続き、日本はその状
況の必然性と世界の舞台への影響力の低下の対処に、「管理された衰退
」を達成に苦労する。導入されているソリューションの中には、社会の
車輪を回し続けるためのロボット使用の拡大があり、日本のロボットへ
の愛情と経験 (鉄腕アトムや鉄人28号のごとく、おそらく他のどの国
よりも)すでに確立された産業は、この点で役に立ち、そのように人口
減衰の影響を軽減しうる。
via 2056 Future Timeline | Technology | 2050s | Predictions | Events

     

 

【再エネ革命渦論 106: アフターコロナ時代 305】

 
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!



特集|動的π共役系の機能発現 ②
有機ELカラー表示器とペロブスカイト太陽電池の事業開発をコアとして
先端ナノ光構造を用いた高感度バイオセンシング  Ⅱ                  
4.単一生体分子のラマン分光センシング
ラマン分光法は,無染色で生体分子を同定・検出することができるため,高分
析能なバイオセンシング手法として有用であり、ラマン散乱の断面積は
蛍光の
それと比べて10桁以上小さいため,微弱なラマン散乱光をプラズ
モニックな金属ナノ構造を利用して増強して検出する必要がある。この
手法は表面増強ラマン分光として知られており,ラマン増強能が高い金
属ナノ構造の設計・作製が重要となる。筆者らは,ナノギャップアンテ
ナ型の金属ナノ構造を設計・作製し,単一生体分子(ペプチド)のラマ
ン散乱光を検出することに成功している。金属ナノ構造によって増強さ
れたラマン散乱は分子の構造のみならず分子配向にも鋭敏であるため,
ラマンスペクトルの時間変化を解析することによって,ペプチド分子が
回転していることがわかった生体分子のダイナミクスは抗原抗体反応
機構とも相関があるため,基礎医学と臨床医学の両観点からも,このよ
うな生体ダイナミクスを一分子スケールで解析することは大変意義深い。


図3.ナノギャップアンテナを用いた単一生体分子ダイナミクスのラマ
  ン分光

5. 超解像振動分光イメージング
光の回折限界を超越した空間分解能で分光イメージングをおこなう手法
は,組織切片内の微小な病変箇所の特定などに有効。前出の金属ナノ構
造を用いたラマン分光法を応用すると,バイオイメージング分析が可
となる。この場合,基板上に固定した金属ナノ構造を用いるのではな
く,走査型プローブ顕微鏡のプローブ探針を金属コートしたものを用い
る。金属ナノ探針先端に誘起される光増強場をナノ光源として用い,試
料表面上を2次元走査することによって,ナノラマン分光イメージングが
可能となる(図4)。この手法は探針増強ラマン分光法と呼ばれ,筆者
らはこれまでに,カーボンナノチューブや二次元原子層材料のナノ分光
分析に応用してきた。現在は,基礎医学研究者と共同で,生体材料や細
胞などのナノラマン分光イメージング分析に取り組んでいる。


図4 細胞・生体組織切片の超解像ラマン分光イメージングの概念図

ラマン散乱と相補的な情報を与える赤外吸収も,バイオメディカルイメ
ージング分析への応用が精力的に行われている。一般的な赤外顕微鏡の
空間分解能は5μm程度に制限されるが,試料が赤外光(ポンプ光)を吸
収した際の微小な熱膨張や屈折率変化を,可視光(プローブ)光を使っ
て検出すると,サブミクロンの空間分解能で赤外吸収分光が可能となる。
この顕微鏡は中赤外フォトサーマル(Mid-Infrared PhotothermalMIP
顕微鏡と呼ばれ,国内では東大の井手口らのグループが先進的な研究を
おこなっている。著者の理化学研究所は矢野隆章は、MIP顕微鏡を独自
に構築し,薬剤,生体組織切片,歯科材料などのイメージング分析をお
こなっている。(上図4参照)
                         この項つづく

YouTube

国産超伝導量子コンピュータ初号機の公開
理研が国産初の量子コンピューターを発表しました。スーパーコンピュ
ータと比べてもケタ違いの計算速度を誇り、私たちの世界を大きく変え
ていく可能性があるそうですが、一体どんな活用が期待されているので
しょうか。via TBS NEWS DIG

理化学研究所(以下、理研)、産業技術総合研究所(以下、産総研)、
情報通信研究機構(以下、NICT)、大阪大学、富士通株式会社、日本電
信電話株式会社(以下、NTT)は24日、6者の共同研究グループが、3月27
日に量子コンピューターを理研からクラウド公開し、外部からの利用を
開始を公表。



今回公開する超伝導量子コンピューターは、量子ビットを64個並べた64
量子ビットの集積回路が用いられる。装置には、「2次元集積回路」と「
垂直配線パッケージ」という二つの特徴がある。  2次元集積回路の上
では、正方形に並べられた4個の量子ビットが、それぞれ隣り合う量子
ビットをつなぐ「量子ビット間結合」で接続されており、正方形の中に
「読み出し共振器」「多重読み出し用フィルタ回路」などが配置されて
いる。この4量子ビットからなる基本ユニットを2次元に並べることによ
り、量子ビット集積回路を作ることができる。今回の64量子ビット集積
回路は、16個の機能単位から構成され、2cm角のシリコンチップ上に形
成されている。また、量子ビットと同じ平面上で配線を行う場合、チッ
プ内に並ぶ量子ビットの数に対して、配線を外部へ取り出すための辺の
長さが不足してしまうため、個々の量子ビットに対する制御や読み出し
用の配線の取り回しにも工夫が必要になる。  
----------------------------------------------------------------

図1 垂直配線パッケージ •(左)垂直配線の概念図。量子ビットに対す
る制御・読み出し用配線が信号用コンタクトプローブを介してチップに
対して垂直に接続される。この配線を通してマイクロ波信号の送受信が
行われる。 •(右)量子ビット集積回路チップが装着された配線パッケ
ージ。

図2 垂直配線パッケージ
(左)垂直配線の概念図。量子ビットに対する制御・読み出し用配線が
信号用コンタクトプローブを介してチップに対して垂直に接続される。
この配線を通してマイクロ波信号の送受信が行われる。
(右)量子ビット集積回路チップが装着された配線パッケージ。


図3.量子ビット制御装置
マイクロ波信号の発振器や受信機で構成された量子ビット制御装置。今
回の64量子ビット量子コンピュータでは、制御と読み出しのために入力
配線96本・出力配線16本を用いて量子計算を行う。

この課題に対しては、2次元平面に配置され>     

 
<た量子ビットへの配線をチッ
プに対して垂直に結合させる垂直配線パッケージ方式を採用。さらに、
量子ビット集積回路チップへの配線を一括で接続できる配線パッケージ
も開発した。これらの特徴的な「2次元集積回路」と「垂直配線パッケー
ジ」は、容易に量子ビット数を増やすことを可能にする高い拡張性を備
えたシステム構成となっており、これにより、今後の大規模化に際して
も基本設計を変えることなく対応できるとしている。  
また、量子ビットを制御するための信号には、マイクロ波の周波数(8~
9GHz)で振動する電圧パルスが用いられる。しかし、量子ビットごとに
異なる周波数のマイクロ波が必要となることから、共同研究グループは
高精度で位相の安定したマイクロ波パルス生成が可能な制御装置および
これを用いて量子ビットを制御するソフトウェアを開発した。  

理研では、今回開発した超伝導量子コンピューターをどこからでも利用
できるよう、「量子計算クラウドサービス」を提供する。量子計算など
の研究開発の推進・発展を目的とした非商用利用であれば、いずれの研
究・技術者でも利用申請できる。ただし、当面は、理研との共同研究契
約を通じて利用手続きを行う形となる。ユーザーは、理研外のクラウド
サーバーに接続することで、超伝導量子コンピューターへのジョブ送信
や計算結果の受信が可能となり、共同研究の目的に合致した用途であれ
ば、超伝導量子コンピューターを利用できる。
 
共同研究グループは、さらに多くの量子ビットでの量子計算動作を可能に
するため、希釈冷凍機内の配線の高密度化など、さらなるシステム開発
を進めており、また、超伝導量子コンピューターをNISQ応用プラットフ
ォームのテストベッドとして提供しつつ、ユーザーのニーズなどを踏ま
え、公開装置についてもさらなる高度化に向けた必要な研究開発を進め
ていくと説明。今回の量子計算クラウドサービス公開を通じて、量子ソ
フトウェア開発者や量子計算研究者および企業開発者との協力を深める
ことで、量子コンピューター研究開発を一層加速するとしている。 

【展望】
量子コンピュータの開発は、固体素子初の量子ビット実証から、現在ま
で20数年で発展を遂げてきました。しかし、従来の半導体集積回路を用
いたコンピュータのように、どこでも自由に使えるようになるには、ま
だ長い開発期間が必要です。今後、拡張性の高い集積回路(図6)を主
要技術として、100量子ビット、1,000量子ビットといったマイルストー
ンを達成していく予定である。また、将来的に大規模量子コンピュータ
を実現し、社会実装するために、100万量子ビット級の集積化の技術開発
エラー訂正・誤り耐性量子計算]の実現を探求していく。



   


図6.スロット ダイ コーティングされた小面積およびミニ モジュール
PSC の優れた太陽光発電性能。 a) HTL としてMe-4PACz を使用した最
適なデバイスの J–V 曲線。 セルは、Fraunhofer ISE CalLab で測定およ
び認証されました。 挿入された表には、太陽光発電のパラメーターが含
まれている。 b) 5 x 5 cm のミニモジュールの J–V 曲線。挿入図はは、
対応する光学画像。

前駆体インク使用スロット・ダイ塗工ペロブスカイトソーラ
                    変換効率22.54%達成

ドイツの研究者は、ペロブスカイト太陽電池の製造にスロットダイコー
ティングを使用すると、リブ効果が減少したことで、これまでにこの技
術で構築された最も効率的な太陽電池であると主張。
同グループの Helmholtz-Zentrum Berlin für Materialien und Energie GmbH
の開発グループは、ハロゲン化ペロブスカイト太陽電池のフィルム品質
を向上させる新しい前駆体インク技術を開発。Advanced Energy Materials
最近掲載された研究「22%を超える電力変換効率、マイクロモジュール、
および1年間の屋外性能評価を備えたスロットダイコーティングされた
ペロブスカイト太陽電池を可能にするインク設計」では、スロットダイ
コーティングプロセスで2-メトキシエタノールに基づくホルムアミジニ
ウム三ヨウ化鉛(FAPbI3)前駆体インクを使用。 スロットダイは、限ら
れた材料の無駄と低い運用コストで、薄くて均一な膜を堆積するために
使用されるコーティングプロセス。 「スロットダイコーティングは、シ
ートからシートへの連続的なロールからロールへのコーティング、およ
び有機電子デバイスやポリマー太陽電池などの溶液処理可能なオプトエ
レクトロニクスデバイス技術を可能にする最も有望なプロセスの1つ。業
界では、ペロブスカイト・セル製造にスピンコーティングが一般的に使
用されている。同グループは、新しい前駆体インク法は、スロットダイ
を備えたペロブスカイトソーラーデバイスで通常発生し、堆積されたウ
ェットペロブスカイトフィルムに不規則な形状を引き起こす、いわゆる
リブ効果(畝織)の抑制に着目. 「リビングは、インク、スロットダイ
、および基板間の粘性力と毛細管力のバランスが取れていない場合に、
下流のメニスカスで観察される一般的な効果。濃度46%のアセトニトリ
ル (ACN) によってインクの粘度調整。この化合物は、FAPbI3 薄膜の共
溶媒として機能し、その品質と層の均一性を改善。


図2.2つの異なる前駆体インク(i)a)0%ACNおよびb)46-ME/ACN混合(46
%ACN)インクの薄膜層の均一性の比較。(ii)の画像はコーティングされ
た湿潤ペロブスカイト薄膜を示し、(iii)の画像はメニスカスのスケッチ
とその結果生じるリブ現象を示す。アニール後の薄膜の画像を列(iv)に
示し、対応するSEMトップとアニール後のペロブスカイト薄膜の画像の断
面図を列(v)に示す。

同グループは、この技術を小面積の太陽電池に利用し、22.54% の電力
変換効率を達成。これは、スロット ダイ コーティングされたペロブス
カイト太陽電池でこれまでに認定された最高値。 デバイスは、1.088 V
の開回路電圧、24.9 mA cm2 の短絡回路電流、および 83.1%の曲線因
子にも達しました。ドイツの Fraunhofer ISE CalLab がこの結果を確認
した。チームはまた、アクティブエリアが 12.7 cm2で効率が 17.1%の
ミニモジュールも構築。カプセル化されたデバイスの最大電力点を継続
的に追跡する 1 年間の屋外安定性テストが実施され、これらのデバイス
が冬と春の間、最初のパフォーマンスのほぼ 100%を維持し、その後、
より暖かい夏の間はパフォーマンスが大幅に低下することを実証。将来
を見据え、この技術をより大きなデバイス領域に拡張し、さまざまな長
期暴露性能評価を行う。
via https://doi.org/10.1002/aenm.202203898

  風蕭々と碧い時代



Jhon Lennone Imagine

J-POPの系譜を探る:1975年代】       
     


曲名: 初夏  1975年    唄:ふきのとう
作詞: :山木康世 作曲::山木康世

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう⑦

 

 

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さぁ!自信をもって進もう⑥

2023年03月30日 | 滋賀のパワースポット

 

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。


「からだリフレッシュ茶W」発売、
レモン香る無糖の緑茶、GABA含有の機能性表示食品
コカ・コーラシステム

私たちの体は、ストレスが増えるとセロトニンが不足し、糖質を欲す
るようになり、人と交流するなどの楽しみが少なくなることで、ドー
パミンの分泌が減り、脂っこいものを欲するようにもなり、また、ス
トレスを感じるとコルチゾールというホルモンが分泌されという。コ
ルチゾールは筋肉を脂肪に変える働きがあるが、ストレスを感じるた
びにコルチゾールが分泌され、筋肉が脂肪に変わっていくという。(医
師がすすめる「レモン緑茶」の効果・2週間で7kg痩せた人も  女性自
身 2021年6月1日号|福岡県みやま市の工藤内科、工藤孝文副院長)。

1.レモンと緑茶に共通している働きに“やせる作用”がある
アディポネクチンという通称“やせホルモン”と呼ばれる物質は、脂
肪を燃焼する働きがあるのですが、日本一のレモンの産地である広島
県で行われた調査では、レモンの摂取量が多い人ほど、アディポネク
チンの血中濃度が高いことがわかっている。
2.レモンの酸っぱい刺激は交感神経を高めて満腹中枢に働きかけ、
空腹ホルモンの「グレリン」を抑え、満腹ホルモンの「レプチン」の
分泌を促す作用がある。
3.茶カテキンはビタミンCの約90倍、ビタミンEの約23倍の抗酸化力
がある。
4.食前の20〜30分前にレモン緑茶を飲んでおくと、食事前に満腹中
枢を刺激し、食べすぎを防げ、食前以外でもいつ飲んでも、何杯飲ん
でもよい。ちなみにペットボトルの緑茶にはカテキンがすでに含まれ
ているので、そこに液体のレモン果汁を混ぜるという方法でもいい。

檸檬が不作でも、我が家では檸檬が残ってその利用法に困っていると
ころにこのニュース。とりあえずペトボトルの市販品と手作り檸檬緑
茶を試すことに(後日報告)。

 
The Breakthrough Company GOがプロデュースしたボトルドティー
『THE TEA BREWERY』(熟成檸檬茶)が、販売一週間で完売。 



     

 


【再エネ革命渦論 105: アフターコロナ時代 304】

 
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!
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特集|動的π共役系の機能発現
有機ELカラー表示器とペロブスカイト太陽電池の事業開発をコアとして


図1.開発した真空蒸着セルのイメージ

有機EL蒸着用省エネヒーターを開発
3月27日、サンリック,東北大学,山形大学は,有機ELの有機物や金属
の薄膜形成に用いる真空蒸着セルの開発を行ない,室温で加工できる
タングステン-モリブデン系新合金(新合金)とその単結晶線材化プロ
セスからなる高性能真空蒸着セルを開発。有機ELを用いた発光ダイオ
ードは,真空蒸着法によって多くの素子が製造されている。真空蒸着
法では,高真空中(~10- 5Pa)で最大1600℃に加熱したヒーター線材
により,蒸着セル中に配置した原料を蒸発させて薄膜を形成する。従
来のタンタル(Ta)製ヒーター線(Ta線)では,加熱に伴う結晶粒成
長によって電気・機械的特性が劣化してしまうことや,電気抵抗率の
低さによって温度制御性も低くなることが課題だった。



研究では,高電気抵抗率や電気抵抗率の温度依存性が小さく,2000℃
以上の融点を有する新合金を開発。その電気抵抗率は,室温においてT
aの約4倍,タングステンの約10倍に及ぶ。最大使用温度域である1600
℃においてもTaに比べて10%以上高いなど,温度制御性の高さを確認し
た。 この合金は,通常の溶解・冷却プロセスで製造すると機械加工が
困難なため,融液からシングルプロセスで線材化する技術を開発。


図2.新合金の耐久性試験(~10-5Pa、1600℃、3000時間) 加熱保
 持中(左)、加熱保持後(右)

結晶育成プロセスの開発と最適化を実施し,直径が0.8mm±10µmの長尺
単結晶を連続的に製造することで,電気抵抗値3%以内の変動を可能と
した。この合金線材は単結晶であることから,室温において曲げ加工
やねじり加工が可能。 耐久性試験(~10-5Pa,1600℃)では,3000時
間保持後の電気抵抗値の変化が約1%となり,従来のTa線と比べて3倍
以上の耐久性を有することを確認。 単結晶である新合金線材には,従
来の機械加工法で製造された多結晶のヒーター線材で見られた結晶粒
成長に伴う電気的・機械的特性の劣化が見られず,加熱前後での特性
変化が極めて少ない。有機EL薄膜の蒸着では,有機ELの構成材料であ
るフッ化リチウム(LiF)および有機EL蛍光材料(Alq3)の蒸着試験を
実施。新合金を用いた新規蒸着セルでは,同一の成膜レートを達成す
るのに必要な電流が従来のTa線による蒸着セルに比べ20%~34%少なく,
約12%の省電力効果を実証し,2倍以上の温度制御性の安定化を確認。
また,同一の蒸着レートを達成するまでの時間が,従来の蒸着セルに
比べ約 2.3倍高速であり,成膜時間の短縮や成膜エラー発生時の早期
回復が可能。
【展望】
(株)サンリックは、NEDO事業終了後、直ちに有機EL製造装置向けに、
開発した蒸着セルの量産を計画する予定です。また本プログラムで開
発した蒸着セルは、有機ELのみならず放射線画像診断素子など他の成
膜用途へも応用できることから、引き続き東北大学、山形大学と連携
して、省エネルギー化の促進に向けた研究開発および普及拡大を実施
していく。NEDOは、今後も経済成長と両立する持続可能な省エネルギ
ーの実現を目指し、「省エネルギー技術戦略」で掲げるエネルギー・
産業・民生(家庭・業務)・運輸部門など、2030年には高い省エネ効
果が見込まれる重要技術を中心に事業化までシームレスに技術開発を
支援を行う。




ペロブスカイトを高性能化する正孔回収材料 
3月27日、京都大学,千葉大学,九州大学,北海道大学は,ペロブスカ
イト太陽電池の高性能化を可能にする三脚型の正孔回収単分子材料
Phosphonic acid functionalized triazatruxene,PATAT)を開発。
【概要】
ABX3型(A:1価の陽イオン,B:2価の陽イオン,X:ハロゲン化物イオン
)のペロブスカイト半導体を光吸収材料に用いたペロブスカイト太陽
電池が塗布法で作製できる次世代の高性能太陽電池として注目されて
いる。しかし,光吸収によりペロブスカイト層で生成した電荷(正孔
と電子)を選択的に取り出す電荷回収材料開発がボトルネックとなっ
ており,特に太陽電池デバイスの耐久性の観点から,添加剤フリーで
機能する正孔回収材料の開発が求められていた。

一脚型の分子からの脱却----垂直配向から水平配向へ
近年,カルバゾール誘導体にアルキルホスホン酸をアンカー基として
導入し,透明導電酸化物膜に吸着させ,この単分子膜を正孔回収層と
して用いることで,比較的良好な光電変換効率と高い安定性を示すペ
ロブスカイト太陽電池が得られることが報告されている。
単分子層として用いる材料はこれまで,π共役骨格に吸着基(アンカ
ー基)を一つ導入した一脚型の分子に限られ,この場合,π共役平面
は透明導電性基板に対して「立った」構造(垂直配向)になっている
と考えられている。基板に分子が「寝た」水平配向で単分子膜を形成
することができれば,電荷の取り出し効率の向上が期待された。
--------------------------------------------------------------
※ 共役系:conjugated system
化学における共役系(conjugated system)は、化合物中に交互に位置す
る単結合および多重結合に非局在化電子を持つ結合p軌道系である。
共役系は一般的に、分子全体のエネルギーを低下させ、安定性を高め
る。非共有電子対やラジカル、カルベニウムイオンなども共役系の一
部となりうる。化合物は環状、非環状、線状あるいはこれらの混合物
である。 共役は、間に存在するσ結合を越えたp軌道同士の重なり合
いである(重原子ではd軌道も関与できる)。 共役系は、間の単結合
により橋渡しされた、p軌道が重なり合った領域である。共役系によっ
て、全ての隣接し整列したp軌道に渡ってπ電子が非局在化している。
π電子は、単一の結合あるいは原子ではなく、原子のグループに属し
ている。 「最大」の共役系はグラファイトや導電性高分子、カーボン
ナノチューブ(バックミンスターフラーレンに由来する)で見られる。
※ 空軌道エンジニアリングによる電子輸送システムの構築:"Boron-
 mediated sequential alkyne insertion and C-C coupling reactions affording
 extended π-conjugated molecules

 DOI :10.1038/NCOMMS12704
カップリング反応:2つの化学物質を選択的に結合させる反応のこ
と。特に、それぞれの物質が比較的大きな構造(ユニット)を持って
いるときに用いられることが多い。天然物の全合成などで多用される。
※ 鈴木・宮浦カップリング(すずき・みやうらカップリング、Suzuki
Miyaura coupling)  

  特許を取るなんて、がめついヤツと言われた時代だった。それに、
  自分のお金でなく、国のお金で研究していたのだから。特許を取
  らずにオープンにしたおかげで、これだけ広く使ってもらえるよ
  うになったのだとも思う。
              鈴木章、『朝日新聞』2010年10月7日
                             via Wikipedia

※ 京都大学大学院理学研究科 集合有機分子機能研究、分子骨格の柔軟
性を鍵とした動的π共役系の機能発現(齊藤グループ)

※ ペロブスカイト太陽電池の劣化機構を解明、オプトロニクスオンラ
イン 2023.3.9
桐蔭横浜大学と高輝度光科学研究センターは,ペロブスカイト太陽電
池における光と湿度の共存環境下での劣化機構を,放射線を用いたX線
回折法測定法を用いて世界で初めて明らかにしている。

--------------------------------------------------------------------------------------------
➲ そこで、p型のπ共役骨格平面に複数個のアンカー基を導入した「多脚型
分子」 を設計し。基板とペロブスカイト層に対して分子が水平配向 (寝た)し
た正孔回収単分子膜材料が開発できると考え,  実際に一連のモデル化合
物(PATAT)を合成した。π共役骨格に基板への吸着基(アンカー基)を複数
個導入したPATATは,透明電極基板上に溶液として塗ることで,分子のπ共
役骨格平面が水平方向に寝た構造の単分子膜を形成することを,先端分
光法
による測定と理論計算結果により明らかにする。

実際に, 一連のPATAT単分子膜を正孔回収層として用いてペロブスカイト
太陽電池デバイスを作製すると,いずれの場合も21%以上の光電変換効率
が得られ,最高で23%の効率を示した。また,得られた太陽電池は不活性ガ
ス雰囲気下で保管したデバイスは,2000時間後でも初期とほぼ同様の特性
を保持し,連続光照射条件下でも,100時間で95%の特性を保持した。 この
成果は多脚型構造をもつ正孔回収性分子の有用性を実証するものであり,
研究グループは,ペロブスカイト太陽電池の開発分に多大なインパクトをも
たらすとしている。
【関連論文】
原題:A Tripodal Triazatruxene Derivative as a Face-On Oriented Hole-Colle-
cting Monolayer for Efficient and Stable Inverted Perovskite Solar Cells(ペロ
ブスカイト太陽電池を高性能化するための多脚型正孔回収単分子膜材料の
開発)
掲 載 誌:Journal of the American Chemical Society
DOI: https://doi.org/10.1021/jacs.3c00805
Supporting Information:※

【ウイルス解体新書 165


序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学

第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
終 章 備えあれば憂いなし
------------------------------------------------------------

先端ナノ光構造を用いた高感度バイオセンシング Ⅰ※
  
    
【概要】         
治療医療から予防医療への転換が進む昨今において、
高感度バイオセンシ
ング法の需要が一層高まりつつある。疾病由来の生体分子(バイオマーカー
)を従来よりも高感度に検出することによって,疾患の超早期発見が可能と
なり,健康寿命の延伸に繋がることが期待されている。また,ウィズコロナ・
ポストコロナ時代において,新型コロナウイルス感染症の拡大防止策として
も,バイオセンシングの高感度化が求められている。高感度医療診断応用を
目指し,金属や誘電体からなるナノ構造の電磁場光共鳴を活用した光バイオ
センサーの開発をおこなっている。とくに、可視から中赤外までの波長域の
光を特異的に増幅する様々なナノ構造体を設計・作製し、バイオマーカーの
光学応答(蛍光・ラマン散乱・赤外吸収など)を高感度検出する手法を開発し
ている。また,光の回折限界を超えた空間分解能で生体材料を無染色 ・無
染色イメージング分析する技術も開発し,高精度イメージング診断への応用
も図っている。


図1.
ギャップモードプラズモンを利用した新型コロナウイルスのSPR検出の
模式図

金属ナノ粒子を用いた新型コロナウイルスの高感度検出
光バイオセンシングといえば,表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Reson-
bance:SPR)が定番である。抗体を修飾した金薄膜表面に励起される伝搬型
表面プラズモンを利用により、抗原-抗体反応時の反射光の変化量から抗
原濃度を測定が可能。

SPRセンシングの高感度化の一策の2次抗体を修飾した金ナノ粒子を用い
る手法が知られている。抗原抗体反応時に金ナノ粒子が抗原を介して金基
板に吸着すると、金基板と金粒子間の間隙で光が強く局在・増幅され,その
光増強効果によってSPRの感度が向上する。金属間の間隙に誘起される局
在表面プラズモンはギャップモードプラズモンと呼ばれ、その共鳴波長と光
増強度は間隙の大きさによって決まる。  間隙の大きさは抗原と抗体のサイ
ズ相当であり,新型コロナウイルス中に豊富に含まれるNタンパク質を検出
する場合は,間隙のサイズは30nm程度。
通常,30nm程度の間隙ではギャップモードプラズモンによる高い増強効果
は期待できないが,150nm程度の直径の金ナノ粒子を用いると,ギャップモ
ードの共鳴波長が励起波長に近づき、SPRの感度が30nmの金ナノ粒子を用
いる場合と比べて1桁近く向上することを我々は見出した。実際に,fMレベ
ルの感度で新型コロナウイルスのNタンパク質を検出に成功する。

消光効果を抑制した高感度蛍光センシングプローブ
金属ナノ粒子を用いた蛍光分光は,局在表面プラズモンによる電場増
強効
果により標識分子の蛍光強度を増強できるため、高感度光バイオセ
ンシン
グ技術として注目を集めている。蛍光分子が金属表面に近接す
ると、電場
増強効果が増大する一方で、
金属表面のエネルギー移動に
よって消光効
果が支配的に作用する。  したがって、金属表面に数nm
程度のスペーサー
膜を形成により、消光効果を抑制しながら高い電場
増強効果を得ることがで
きそれにともなって高い蛍光増強効果が期待
できる。消光抑制用のスペー
することは難しいのが現状である。分子
修飾性が高い高分子をスペーサー
として用いることを提案し、金属ナ
ノ粒子表面に安定的に被膜する手法を開
発した。高分子被膜金属ナノ
粒子は、架橋剤を修飾した高分子を金属ナノ
粒子溶液に添加すること
によってワンポットで作製された。図3に示すように,
架橋剤に含ま
れるジスルフィド基が金属表面でチオール基に還元され、チオ
ール基
が金属表面と共有結合を形成することによって、銀ナノ粒子表面が

学的に高分子被膜された。高分子の末端官能基はアミノ基であるため,

分子修飾性に優れており,実用性が高いのが特徴である。高分子膜の
厚さ
は3nm程度で,プラズモニック蛍光増強に十分な薄さであり、同時
に蛍光の
消光を効果的に抑制する厚みも保たれている。その結果、30
-40倍程度の
高い蛍光増強が実現された。抗原抗体反応時に高分子被
膜金属ナノ粒子
が凝集した際に,
ナノ粒子間に誘起されるギャップモードプ
ラズモンを活用すれば,蛍光増強度がさらに1桁以上向上するため,高感度
蛍光バイオセンシングへの応用が可能。


図2.蛍光消光抑制効果を具備した高分子被膜プラズモニックナノ粒子

※出展:先端ナノ光構造を用いた高感度バイオセンシング 先端ナノ光構造
を用いた高感度バイオセンシング
                                      この項つづく

  風蕭々と碧い時代



Jhon Lennone Imagine

J-POPの系譜を探る:1974年代】

<

曲名:  タイムマシンにおねがい  唄: サイディスティク・ミカバンド 1974年
作詞: 松山 猛  作曲: 加藤和彦

さあ不思議な夢と遠い昔が好きなら
さあそのスヰッチを遠い昔に廻わせば
ジュラ期の世界が拡がり
そこははるかな化石の時代よ
アンモナイトはあ昼ね
ティラノサウルスあ散歩アハハレ

さあ無邪気な夢のはず仁すてきな時代へ
さあタップダレスと恋とシネマの明け暮れ
きらめ<黄金時代はミンクをまとった娘が
ボ半-のソフトにいかれて
デュセレバーグを夢見るアハハレ

好きな
時代に行けるわ
時間のラセレをひと飛び
タイムマシレにあねがい

好きな時代に行けるわ
時間のラセレをひと飛び
タイムマシレにあねがい

さあ何かが変わるそんな時代が好きなら
さあそのスヰッチを少し昔に廻わせば
鹿鳴館では夜ごとのワルツのテムポに今宵も
ポレパドールが花咲きシルクハットがゆれるわアハハレ

好きな時代に行けるわ
時間のラセレをひと飛び
タイムマシレにあねがい

「タイムマシンにおねがい」は 日本のロックバンドであるサディステ
ィック・ミカ・バンドが1974年10月5日にリリースした3枚目のシング
ル 。アルバム『黒船』の先行シングルで、サディスティック・ミカ・
バンドの代表曲として数多くのアーティストによってカバー。 リード
ボーカルは加藤ミカが担当。1949年4月17日、京都で材木商を営む福井
三郎の長女として生まれる。妹が一人いる。父の生家は山を幾つも持
つ、裕福な家だった。ミカが2才のとき、一家は京都市東山区に移り住
む。活発な性格のミカは、男の子とばかり遊んでいた。ビー玉、メン
コ、時代劇遊びなど、ワンパク坊主たちを従えてのガキ大将となる。
中学のころから、ポップスやモダンジャズにのめり込む。はじめて買
ったレコードは、コニー・フランシスの「ヴァケーション」。モダン
ジャズの店に行って、アート・ブレイキー、オスカー・ピーターソン
などを聴き浸る。 平安女学院高校に在学中の17歳の時に学友たちとフ
ォークソング同好会を結成、会長として運営に携わりながら、同級生
と「ミカ&トンコ」というフォーク・デュオを結成。京都のアマチュア
音楽団体AFLに加盟するが、二人ともギターをまともに弾けず活動
は行きづまる。そこで、もともと加藤和彦の大ファンだったことから、
ある日、まだアマチュアだったザ・フォーク・クルセダーズのコンサー
トの本番前の楽屋に押しかけて、いきなり「加藤さん、ギター教えて
下さい!」と迫ったという。 当時龍谷大学の学生だった加藤によるギ
ターのレッスンを重ねるうちに、ライヴ・デビュー出来るまでに腕を上
げた「ミカ&トンコ」は、フォークルをはじめ、杉田二郎、ロック・キ
ャンディーズ(アリス結成前の谷村新司が在籍)などと共に京都周辺
でのフォーク・コンサートに出演。時には彼女たちのステージに加藤
がギターで参加することもあった。高校3年のときには免許を取ってク
ルマで通学した。京都精華大学美術科に進学後、「帰って来たヨッパ
ライ」の大ヒットで一躍“時の人”となっていた加藤と交際を開始。
1970年7月に結婚し、カナダのバンクーバーで挙式。 1971年11月、加
藤和彦が友人ドラマーのつのだ☆ひろと共にお遊びで結成したパーテ
ィー・バンド『サディスティック・ミカ・バンド』に、ヴォーカリス
トとして参加、3人で結成。 1972年6月5日、シングル曲「サイクリン
グ・ブギ」でデビュー。1973年5月、ファーストアルバム『サディステ
ィック・ミカ・バンド』を発表。1974年、ボーカルに難ありと言われ
ながらも、「タイムマシンにおねがい」ではメインボーカルを担当。

サディスティック・ミカ・バンド(Sadistic Mika Band)は、日本のロ
ックバンド。1972年デビュー。1974年発表の2ndアルバム『黒船』は、
当時英米でも発売されていた。活動中の1975年にはイギリスでツアー
を行っている。1975年の解散後もこれまでに3度、ゲストボーカリスト
を迎えて再結成されている。 バンド名の由来であるが、ジョン・レノ
ンが結成していた「プラスティック・オノ・バンド」をもじったもの
で、また、ボーカル(初代)のミカの包丁使いがあまりにサディステ
ィックだったことに由来。 
 
● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう⑥

ゴードン・ムーア逝く 享年九十四



ムーア氏は1950年代に半導体の研究を開始し、インテルコーポレーシ
ョンを共同設立。彼は、コンピューターの処理能力が毎年2倍になる
と予測。この洞察はムーアの法則として知られるようになる。この
「法則」はコンピュータプロセッサ業界の基盤となり、デジタル革命
(原文では「パーソナル・コンヒュータ革命」と呼称※)に影響を与
える。デジタル革命が始まる20年前、ムーアは論文で、集積回路は「
家庭用コンピュータ、または少なくとも中央コンピュータに接続され
た端末、自動車の自動制御、およびパーソナルポータブル通信機器な
どの驚異につながる」と書く。 彼は1965年の記事で、技術の進歩の
おかげで、集積回路が数年前に発明されて以来、マイクロチップ上の
トランジスタの数は毎年約20倍になっていることを観察した。
これが続くという彼の予測はムーアの法則として知られるようになり、
チップメーカーがこれを実現するために研究をターゲットにするよう
に促すのに役立った。 ムーアの記事が発表された後、メモリチッ
プは指数関数的に効率的で安価になる。


博士号を取得した後、ムーアは商業的に実行可能なトランジスタと集
積回路を製造するフェアチャイルド半導体研究所に加わり、この会社
の成長は、サンフランシスコの南にある半島の土地は現在シリコンバ
レーの基礎を築く。1968年、ムーアとロバート・ノイスはフェアチャ
イルドを離れ、インテルを立ち上げる。ムーアの仕事は、世界中で大
きな技術進歩を推進し、パーソナルコンピューターとアップル、フェ
イスブック、グーグルの出現を実現させた。「私がやろうとしていた
のは、チップにますます多くのものを置くことで、すべての電子機器
をより安くするというメッセージを伝えることだけでした」とムーア
は2008年のインタビューに語っている。インテルコーポレーションは、
共同創設者に敬意を表し、ツイートで 「私たちは先見の明を失った」
Today, we lost a visionary. Gordon Moore, thank you for everyyhing.)と
哀悼の辞を伝えている。

※呼称の経緯は、「環境工学研究所 WEEF
」の「閲覧室」(現在閉鎖
中)の『デジタル革命渦論』にて、「ムーア則」の論考を掲載してお
り、今日のデジタル革命渦の未来を考察している。ご明察を賜り有り
難うございました。
                            合掌
                       

 

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さぁ!自信をもって進もう⑤

2023年03月26日 | 環境工学システム論

 

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。


         


アメリカのベンチャー企業「Ecosapiens」は、シンプルで効果的な気候
対策方法を提案し、より多くのアメリカ市民の環境意識を向上させる、
という理念を掲げている。
同社は2月下旬、最初の製品としてエコサピエンスというNFT生物の発
売を開始した。市民の環境意識を向上させる、という理念を掲げてい
る。 同社は2月下旬、最初の製品としてエコサピエンスという NFT
物のz発売を開始した。  
エコサピエンスはAIを使ったアートで、動物や昆虫と人 間とをミック
スした生き物という設定だ。ライオン姿のレオ サピエン、クラゲ姿の
ジエロサピエン、チョウ姿のバタフラ イサピエンなどがある。各生物
は大量の炭素を吸収する木 を育てる、特殊なバイオインクでサンゴ礁
を修復するとい ったスーパーパワーを持つ。今回の発売は人間の姿の
み で、まずはバイオリアクターに入った「サナギ」の状態を購 入する。
このサナギはレベルOで、体に植物を生やしなが らレベルフの「大型植
物」まで成長する。各エコサピエンスには炭素クレジットが付いていて
カ ーボンオフセットができる。レベル1にアップすると16トン (アメ
リカ人の二酸化炭素年間平均排出量)の炭素クレジットを 購入するこ
とになり、レベルフで28トンに達する。この炭 素クレジットはケニア
の熱帯林保護団体KOKONet worksのCO2排出削減活動に使われる。購入
後のエコサ ピエンスは売買可能で、取引すると炭素クレジットも新し
い所有者に譲渡される。こんなに美しいNFTなら、カーボ ンオフセット
に積極的に取り組みたくなりそうだ。した生き物という設定だ。ライ
オン姿のレオ サピエン、クラゲ姿のジエロサピエン、チョウ姿のバタ
フラ イサピエンなどがある。各生物は大量の炭素を吸収する木 を育て
る、特殊なバイオインクでサンゴ礁を修復するとい ったスーパーパワ
を持つ。今回の発売は人間の姿のみ で、まずはバイオリアクターに入
った「サナギ」の状態を購 入する。このサナギはレベルOで、体に植物
を生やしながらレベル7「大型植物」まで成長する。各エコサピエン
スには炭素クレジットが付いていて、カ ーボンオフセットができる。
レベル1にアップすると16トン (アメリカ人の二酸化炭素年間平均排出
量)の炭素クレジットを購入することになり、レベルフで28トンに達
する。この炭 素クレジットはケニアの熱帯林保護団体KOKONet works
のCO2排出削減活動に使われる。購入後のエコサ ピエンスは売買可能
で、取引すると炭素クレジットも新しい所有者に譲渡される。こんな
美しいNFTなら、カーボ ンオフセットに積極的に取り組みたくなり
そうだという。

     

 


【再エネ革命渦論 104: アフターコロナ時代 303】

 
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!
--------------------------------------------------------------
特集:最新持続可能な製造の隔膜製造技術

【関連技術情報】
特開2023-2727 膜・触媒接合体の製造方法、及び製造装置 東レ株式会

【要約】
図1のごとく電解質膜に触媒層が接合されてなる膜・触媒接合体の製
造方法であって、接合前の触媒層の表面に液体を付与する液体付与工
程と、液体が付与された触媒層と電解質膜とを熱圧着により接合する
熱圧着工程とを有する膜・触媒接合体の製造方法で、高分子電解質膜
と触媒層が接合されてなる膜・触媒接合体を製造するに際し、熱圧着
条件の緩和と、触媒層と電解質膜との密着性向上の両立を、高い生産
性で実現できる製造方法を提供。


【符号の説明】
100、101、103、104:膜・触媒接合体製造装置 102、
105:触媒層形成装置 10、10’:電解質膜 11、18:電
解質膜供給ロール 13a、13b、13c、13d:膜・触媒接合
体 14:送り出しロール 15、17:膜・触媒接合体巻取ロール 
16、16’:膜・第1の触媒層接合体12、22A、22B、23
A、23B、26A、26B、27A、27B:ガイドロール 20
A、20B:触媒転写シート 21A、21B:触媒転写シート供給
ロール 24A、24B:仮基材 25A、25B:仮基材巻取ロール 
30A、30B:スプレーノズル 31A、31B、73:バックア
ップロール 32A、32B:ノズルチャンバー 33A、33B:
バルブ 34A、34B:減圧タンク 40A、40B:熱プレスロ
ール 41A、41B:遮熱板 50:支持体巻取ロール 51:支
持体 60:カバーフィルム供給ロール 70:触媒溶液タンク 
71:触媒溶液送液ポンプ 72:塗布手段 74:乾燥手段 80
A、80B:ガス拡散電極 81A、81B:ガス拡散電極供給ロー
ル P:熱圧着部 S:空間 
【特許請求範囲】
1.電解質膜に触媒層が接合されてなる膜・触媒接合体の製造方法で
あって、接合前の触媒層の表面に液体を付与する液体付与工程と、液
体が付与された触媒層と電解質膜とを熱圧着により接合する熱圧着工
程と、を有する膜・触媒接合体の製造方法。
2.前記液体付与工程において付与する液体が水を含む液体である、
請求項1に記載の膜・触媒接合体の製造方法。
3.前記水を含む液体における水の含有割合が90質量%以上、10
0質量%以下である、請求項2に記載の膜・触媒接合体の製造方法。
4.前記液体付与工程において付与する液体が純水である、請求項3
に記載の膜・触媒接合体の製造方法。
5.前記液体付与工程において、触媒層の表面に液滴状に前記液体を
付与する、請求項1~4のいずれかに記載の膜・触媒接合体の製造方
法。
6.前記液体付与工程において、前記液体をスプレーによって付与す
る、請求項5に記載の膜・触媒接合体の製造方法。
7.前記液体付与工程において、前記熱圧着工程における前記液体の
量が触媒層の表面1cm2辺り0.1μL以上5μL以下である、請
求項1~6のいずれかに記載の膜・触媒接合体の製造方法。
8.前記電解質膜として炭化水素系電解質膜を用いる、請求項1~7
のいずれかに記載の膜・触媒接合体の製造方法。
9.電解質膜の表面に触媒層が接合されてなる触媒層付電解質膜の製
造方法であって、 前記電解質膜の表面に、請求項1~8のいずれかに
記載の方法により触媒層を接合することを含む触媒層付電解質膜の製
造方法。
10.前記触媒層は電解質膜への接合前から基材により支持されてお
り、該基材は通気性を有する、請求項1~9のいずれかに記載の触媒
層付電解質膜の製造方法。
11.電解質膜の両面に触媒層が接合されてなる触媒層付電解質膜の
製造方法であって、 電解質膜の一方の面に触媒溶液を塗布・乾燥し
て第1の触媒層を形成する工程と、前記電解質膜の他方の面に、請求
項1~10のいずれかに記載の方法により触媒を接合して第2の触媒
層を形成する工程と、を有する触媒層付電解質膜の製造方法。
12.前記第1の触媒層をカバーフィルムで被覆する工程を更に有し
かつ前記第2の触媒層を形成する工程を、第1の触媒層がカバーフィ
ルムで被覆された状態で行う、請求項11に記載の触媒層付電解質膜
の製造方法。
13.電解質膜に触媒層が接合されてなる膜・触媒接合体の製造装置
であって、接合前の触媒層の表面に液体を付与する液体付与手段と、
液体が付与された触媒層と電解質膜とを熱圧着により接合する熱圧着
手段と、を有する膜・触媒接合体の製造装置。
14.前記液体付与手段は、触媒層の表面に液滴状に前記液体を付与
する手段である、請求項13に記載の膜・触媒接合体の製造装置。
15.前記液体付与手段がスプレーである、請求項14に記載の膜・
触媒接合体の製造装置。






世界初、浸透圧発電プラント建設に採用決定
東洋紡績の中空糸型正浸透膜Forward Osmosis=FO膜
2月20日、デンマークのデンマークのベンチャー企業SaltPower社が世
界で初めて実用化に成功した浸透圧発電プラントに採用され、同国の
マリアージャにあるNobian社の製塩工場に設置され、2023年 4月中に
稼働を開始する。

浸透圧発電とは
2種類の溶液の浸透圧差を利用して発電するシステムです。地下岩塩
層や地熱水などの天然資源が豊富に存在する欧州を中心として、天候
や昼夜に関わらず安定的に稼働し、太陽光や風力と同水準のコストで
発電が可能であることから、次世代の再生可能エネルギー発電システ
ムとして注目を集めている。
SaltPower社が実用化に成功した浸透圧発電プラントでは、製塩工場で
使用するため地下の岩塩層からくみ上げられた飽和濃度に近い高濃度
の塩水と淡水との塩分濃度の差を利用し、100kw規模の発電を実現。
水分子を通し塩分など一定の大きさ以上の分子やイオンを通さない性
質を持つ当社のFO膜を隔てて高濃度の塩水と淡水を接触させると、浸
透圧差により塩水側に水が移動し、流量が増加します。この流量の増
加を利用してタービンを回すことで発電する。


東洋紡のFO膜は、円筒形の圧力容器に高密度に中空糸を充填した半透
膜の一種です。クロスワインド構造をはじめとする独自の内部構造に
より、高濃度の塩水と淡水の双方がFO膜内部で均一に流れ、浸透圧差
から生じる流量の増加を、高効率に発電量に転換できます。また、海
水淡水化向けRO膜の開発で培った技術により優れた耐圧性能を備える
ため、高効率な浸透圧発電に必要な高い運転圧力にも対応し高い発電
効率を維持することが可能。これまでSaltPower社などが運営する浸透
圧発電のパイロットプラントにも採用されており、実証実験を重ねて
きた結果、このたびの実用化に至る。同社は今後、地下から塩水を汲
み上げる方式を採用する製塩工場や、塩の電気分解を伴うクロール・
アルカリ製品のメーカー向けに応用可能な浸透圧発電システムを、欧
州地域で積極的に展開していくことを計画しています。また、浸透圧
発電の過程で生じる岩塩空洞を、次世代クリーンエネルギーと期待さ
れる水素の地下貯蔵庫として活用することで、低炭素経済への移行に
さらなる貢献ができると期待し、将来有望な再生可能エネルギーの一
つである浸透圧発電の普及を支援するとともに、独自の中空糸膜技術
を、低コストで環境負荷を低減する海水淡水化膜プラントや、工場排
水の濃縮などに応用し、環境課題の解決の推進する。

【関連技術情報】
※ 特開2020-62622 中空糸膜エレメント、中空糸膜モジュールおよび
正浸透水処理方法 東洋紡績株式会社
【要約】
図1のごとく、側面に複数の孔を有する芯管と、芯管の周りに配置さ
れた複数の中空糸膜からなる中空糸膜群と、芯管および中空糸膜群を
それらの両端で固定する樹脂壁と、を備え、芯管および複数の中空糸
膜の両端が開口している、両端開口型の中空糸膜エレメント。中空糸
膜群は、芯管の周りを囲むように配置された複数の第1中空糸膜から
構成される第1中空糸膜層と、第1中空糸膜層の周りを囲むように配
置された複数の第2中空糸膜から構成される第2中空糸膜層と、を含
み、複数の第1中空糸膜の透過係数は、複数の第2中空糸膜の透過係
数よりも小さい、ドロー溶液(DS)が中空糸膜の外側を流れ、フィ
ード溶液(FS)が中空糸膜の中空部内を流れる場合において、中空
糸膜へのスケールの付着を抑制しつつ、FSからの水の回収率を高め
ることのできる、中空糸膜エレメント、中空糸膜モジュールおよび正
浸透水処理方法を提供する。

図1 中空糸膜エレメントの一実施形態を示す断面模式図

【符号の説明】
1 容器、10,11 供給口、12,13 排出口、14,15,51,
52 壁部材、20 芯管、21 中空糸膜、21a 第1中空糸膜層、2
1b 第2中空糸膜層、21c 第3中空糸膜層、211 第1中空糸膜、
212 第2中空糸膜、213 第3中空糸膜、23 交差部、3 中空
糸膜の外側、41,42 樹脂壁。

34
なお、本実施形態の中空糸膜エレメントは、例えば、芯管の周りに中
空糸膜を螺旋状に巻上げ、中空糸膜が交差状に配置された状態で半径
方向に積層されることによって形成される中空糸膜巻上げ体の両端部
を樹脂で封止した後、樹脂(樹脂壁)の一部を切断し中空糸膜の両端
部を開口させることにより作製することができる。
35
以下、本実施形態の中空糸膜エレメントおよび中空糸膜モジュールの
各構成部材等の具体例について説明する。
36
芯管は、供給口に接続されている場合、該供給口から供給された流体
を中空糸膜エレメ ント内の中空糸膜の外側3(外表面)に分配させる
機能を有する管状部材である。芯管は、中空糸膜エレメントの略中心
部に位置させることが好ましい。
37
芯管の径は大きすぎると、膜モジュール内の中空糸膜が占める領域が
減少し、結果として膜エレメントまたは膜モジュールの膜面積が減少
するため容積あたりの透水量が低下することがある。また、芯管の径
が小さすぎると、供給流体が芯管内を流動する際に圧力損失が大きく
なり、結果として中空糸膜にかかる有効差圧が小さくなり処理効率が
低下することがある。また、強度が低下して、供給流体が中空糸膜層
を流れる際に受ける中空糸膜の張力により芯管が破損する場合がある。
これらの影響を総合的に考慮し、最適な径を設定することが重要である。
中空糸膜エレメントの断面積に対して芯管(中空部を含む)の断面積
の占める面積割合は、4~20%が好ましい。
38
中空糸膜の素材は、所望の分離性能(好ましくは逆浸透膜相当レベル
の高い分離性能)を発現できる限り、特に限定されず、例えば、酢酸
セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、スルホン化ポリスルホン系樹
脂、ポリビニルアルコール系樹脂が使用可能である。この中では、酢
酸セルロース系樹脂、スルホン化ポリスルホンやスルホン化ポリエー
テルスルホンなどのスルホン化ポリスルホン系樹脂が、殺菌剤である
塩素に対する耐性があり、微生物の増殖を容易に抑制することができ
る点で好ましい。特に、膜面での微生物汚染を効果的に抑制できる特
徴がある。酢酸セルロースの中では、耐久性の点で三酢酸セルロース
が好ましい。
39
本実施形態の中空糸膜エレメントにおいて、第1中空糸膜層21aを
構成する複数の第1中空糸膜の透過係数は、第2中空糸膜層21bを
構成する複数の第2中空糸膜の透過係数よりも小さい。
40
複数の第2中空糸膜の透過係数に対する複数の第1中空糸膜の透過係
数の減少率は、好ましくは0%超60%以下であり、より好ましくは
5%以上55%以下であり、さらに好ましくは10%以上50%以下
である。この範囲において、最低FS流量を低減でき、FS回収率を
向上させることができるという効果が、より確実に奏されると考えら
れる。また、本発明をPROに適用した場合に、正味発電量を向上さ
せる効果が期待される。なお、当該減少率は、以下の式で示される比
率である。
「減少率」=〔(「複数の第2中空糸膜の透過係数」-「複数の第1
中空糸膜の透過係数」)/「複数の第2中空糸膜の透過係数」〕×
100 [%]
41
複数の第1中空糸膜の透過係数(A)は、好ましくは1.0×10-
6~1.5×10-5cm3/〔cm2・s・(kgf/cm2)〕
であり、より好ましくは1.5×10-6~1.3×10-5cm3
/〔cm2・s・(kgf/cm2)〕である。 
中空糸膜の透過係数は、例えば、逆浸透法による評価を行うことによ
って測定することができる。 具体的には、透過係数(純水透過係数)
Aは、下記の方法によって求めることができる。 Jv=A(ΔP-π
(Cm))・・・(1) Js=B(Cm-Cp)・・・(2) (C
m-Cp)/(Cf-Cp)=exp(Jv/k)・・・(3) Cp
=Js/Jv・・・(4) A=α×A25×μ25/μ・・・(5)
B=β×B25×μ25/μ×(273.15+T)/(298.15
)・・・(6) Cf :供給水濃度 [mg/L] Cm :膜面濃度
[mg/L] Cp :透過水濃度 [mg/L] Js :溶質透過流束
[mg/(cm2・s)] Jv :純水透過流束 [cm3/(cm2
・s)] k :物質移動係数 [cm/s] A :純水透過係数 [c
m3/〔cm2・s・(kgf/cm2)〕] A25:25℃での純
水透過係数 [cm3/〔cm2・s・(kgf/cm2)〕] B
:溶質透過係数 [cm/s] B25:25℃での溶質透過係数 [
cm3/〔cm2・s・(kgf/cm2)〕] T :温度 [℃] α
:運転条件による変動係数 [-] β :運転条件による変動係数 [-]
ΔP :運転圧力 [kgf/cm2] μ :粘度 [Pa・s] μ25
:25℃での粘度 [Pa・s] π :浸透圧 [kgf/cm2] す
なわち、Jv、Cf、Cp、Tを実測し、k、その他の物性値を上記
式(1)~(4)に代入することによって実測条件での純水透過係数
Aと溶質透過係数Bを求めることができる。また、予め得られている
α、βに基づけば、25℃における純水透過係数A25と溶質透過係
数B25を、上記式(5)~(6)から求めることができ、さらに、
上記式(5)~(6)を用いて任意の温度Tの純水透過係数と溶質透
過係数も得ることができる。
43
なお、中空糸膜の透過係数に影響を与える要素として中空糸膜の微細
孔の孔径などが挙げられる。中空糸膜の微細孔の平均孔径は、好まし
くは0.1nm~0.1μm、より好ましくは0.5nm~50nm、
さらに好ましくは0.5nm~5nm、さらにより好ましくは0.5
nm~2nmである。当該平均孔径は、窒素ガス吸着法や水銀圧入法
パームポロメトリー、DSC法、陽電子消滅法などによって測定する
ことができる。
※ 以上は、恣意的に任意抜粋部のみを掲載。

次世代超高効率水処理膜 フッ素ナノチューブ
昨年5月13日に報告された「高速透水処理フッ素ナノチューブ技術」
(ブログ掲載済)も超純水・淡水化隔膜装置への実用化も日本がトッ
プランナーに位置しているが、「持続可能な製造技術」的側面を加味
したシステムにおいて、ボトルネック工学的課題克服し社会にいち早
く提示できれば、エネルギー問題、環境リスク問題、水問題を解決で
き、半導体製造及び生命科学・生物工学などの医療産業などへの貢献
も多大に広がる可能性がある(下図参照)。




今回、特許技術関係を「製造方法」「製造装置」を中心に検索したが、
「整理/整頓/書き出し」には至らなかった(➲残件扱い)。 や
はり、東洋紡や東レなどの滋賀県の事業所や旭化成などの日本企業が
健闘し、印刷・化成品・造船・真空/蒸着・半導体製造装置メーカが
どのように絡んでくる。これは面白い。思えば、逆浸透、限界濾過、
精密濾過はわたしの専門分野でもあった。

温度・圧力・電圧の同時制御が可能な新規合成手法
   高圧拡散制御法を用いた準安定物質の合成
【要点】
1.高圧拡散制御法を用いた準安定物質の合成
2.電子伝導性の材料NaAlB14からNaを除去した準安定なバルク焼結体
 AlB14を合成
3.イオンや電子の輸送特性に関わる機能開拓に期待。



【概要】
23日、北海道大学電子科学研究所の藤岡正弥助教らの研究グループは、イ
オン拡散技術と高圧印加技術を融合することで新たな合成手法の開発。
準安定な物質は単純な焼結では合成が難しく、新たな技術の開発が求
められています。研究グループは、拡散現象を利用して、固体中から
特定の元素だけを除去・導入・交換するような反応を促すことで、準
安定状態の実現を目指しました。拡散を利用して物質の組成を変える
場合、電子伝導性の物質は内部に電界がかからないため、拡散の駆動
力として一般に用いられる電圧印加が利用できない。また、拡散が進
行する物質の体積も同時に変化してしまい、特に多結晶を構成する結
晶子は、組成変化に応じて膨張・伸縮し、粒子間の界面に生じるひず
みやクラック等が、接触不良の原因となり、拡散反応を妨げるだけで
なく、イオンや電子の本質的な輸送特性の評価を困難にするという課
題がある。本研究では、化学ポテンシャルを利用したイオン拡散技術
と、高圧印加技術の融合した高圧拡散制御法により、これらの課題を
クリアした。 この技術を用いて研究グループは電子伝導性を有する多
結晶物質NaAlB14の結晶構造から、Naのみを拡散させて抜き出し、AlB14
という新規準安定物質の多結晶体を合成しました。構造の骨格を保持
したまま、Na濃度を減少させたことで、電子伝導特性を大きく変調し、
AlB14の電気抵抗率は、室温で105倍以上減少することを見出す。 この
技術は固体中の結合状態が大きく異なる物資系に対して有効であり、
今後は計算科学の活用により、有望な物質系が選定できると期待され
る。これにより提案される様々な物質系に対して、組成変調による準
安定状態と緻密な焼結状態が両立したバルク多結晶体を作り出すこと
で新たな機能の発現に繋がると期待している。

半導体界面の2次元電子ガスを直接観察
  電子移動度やスイッチング特性のさらなる向上も

3月23日、東京大学とソニーの共同研究グループは、半導体界面にナノ
メートルレベルで蓄積した2次元電子ガスを直接観察することに成功。
GaN系デバイスは、次世代の通信用高周波デバイスや電力変換用パワー
デバイスとして注目されている。特に、高電子移動度トランジスタ
(HEMT)は、半導体界面に2次元電子ガスの層が発生し、この層を電子
が高速に移動するため、高周波動作に優れているという。ところがこ
れまでは、2次元電子ガスを直接観察することが極めて難しかった。
研究グループは今回、独自開発の傾斜スキャンシステムと超高感度・
高速分割型検出器を搭載した「原子分解能磁場フリー電子顕微鏡(MA
RS)」を用い、窒化ガリウム/窒化アルミニウムインジウム(GaN/
AlInN)ヘテロ界面に蓄積した2次元電子ガスを直接観察することにし
た。観察には、東京大学の柴田直哉教授らが開発した、原子レベルの
電磁場観察手法である「原子分解能微分位相コントラスト(DPC)法」
を用いた。

図1.GaN/AlInNヘテロ界面の模式図とバンド構造の模式図
出所:東京大学

実験では、格子整合をしたひずみのわずかな界面(LM-界面)と、AlI
nN層の組成を変化させてひずませることで圧電分極を加えた界面(PM
-界面)について確認した。この結果、LM-界面とPM-界面の電場像
はいずれも、界面のGaN層側に数ナノメートル程度の幅で左向きの電
場を確認できた。このコントラストは界面に2次元電子ガスが生成し
ていることを示すものだという。また、PM-界面がLM-界面よりも大き
な電場強度を示していて、より多くの2次元電子ガスが蓄積している
ことが分かった。これらの実測値は、ポアソン方程式を用いたシミュ
レーションの結果とよく一致している。


図2.GaN/AlInN界面における電荷密度のラインプロファイル。左が
実験、右がシミュレーションの結果
出所:東京大学


【展望】
実験で得た電場プロファイルから、解析モデルを用いて各種パラメータ
を抽出し、2次元電子ガスのシートチャージ密度を算出した。この結
果、ホール測定で見積もりをしてきたこれまでのシートチャージ密度
と、高い精度で一致したという。 研究グループは、今回開発した計
測手法をデバイス界面の解析に応用すれば、「電子移動度やスイッチ
ング特性のさらなる向上につながる」とみる。

粘土が出合いのチャンスを広げる
  触媒とは異なる反応加速手段
22日、クイーンズランド大学、物質・材料研究機構らの研究グループ
は、土だけで、加温にも触媒 (希少金属を含むことが多い) にも頼ら
ずに室温近傍で化学反応を加速できることを見出した。
【要点】
1.粘土だけで、加温にも触媒 (希少金属を含むことが多い) にも頼ら
ずに室温近傍で化学反応を加速できることを見出しました。これはエ
ネルギーも希少金属も必要とせずに反応加速する、新しい手段の提案
2.化学反応を加速するためには通常、反応系の温度や反応物質の濃度
を上げる。または触媒 (活性化エネルギー (反応に必要なエネルギー
) を低くする物質) の導入で反応を加速できる場合があるが、物質の
安定性などの問題で温度を上げられない、溶解度が低いなどの理由で
濃度を上げられない、触媒となるものが見つかっていない反応も数多く、
その様な反応を効果的に加速する方法は知られていなかった。
3.赤血球のヘモグロビンの活性中心に似た環状有機色素分子ポルフィ
リン (POR) を粘土表面に吸着させることで、PORが亜鉛イオンを取り
込む反応を23倍に加速することに成功。この反応速度定数 (反応物が
増減する速さを表す量、k) の温度依存性 (直線の傾き) から、粘土
の有無で活性化エネルギーはほとんど変わらず、粘土に触媒としての
機能はないことがわかる。

図1.図 :上 : PORが亜鉛イオンを取り込む反応、下 : PORが亜鉛イ
オンを取り込む反応の速度定数 (k) の温度依存性。傾きから活性化
エネルギー、縦軸切片から頻度因子の情報が得られる。

4.今後、より難易度の高い化学反応、より需要の高い化学反応をこの方
法で加速する方法を最適化します。さらに、粘土以外の表面を利用して
同様の効果を観察することを目指す。

  風蕭々と碧い時代


Jhon Lennone Imagine

J-POPの系譜を探る:1973年代】



曲名: わたしの彼は左きき   唄 : 麻岡めぐみ
作詞: 千家 和也       作曲: 筒美 京平

「わたしの彼は左きき」(わたしのかれはひだりきき)は、南沙織や
天地真理、小柳ルミ子ら三人娘(三代目・三人娘)とともに "元祖女
性アイドル" と語られる機会もある麻丘めぐみの麻丘めぐみの通算5枚
目のシングル。1973年7月5日発売。発売元はビクター音楽産業。曲中
の「左きき」の歌詞に合わせて、顔の高さに掲げた左の手のひらと甲
を交互に見せる振り付けが特徴。本作がリリースされた当時、巷間で
は左利きに対する差別意識が若干残っていたこともあり、麻丘自身は
「このタイトルでいいのだろうか?」と戸惑ったという。しかし、歌
詞の内容自体は、左利きの人間を差別したり忌避したりするものではな
く、むしろ本作のヒットがきっかけで、左利き用品が多数販売され、
左利きが市民権を得たとも言われている。

 夜桜

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう⑤

冗談だろう!?またぞろ核武装論なんて、「一期一会観桜会」への参
加確認のテレフォンでの会話で核武装論に賛同(共鳴:resonance)し
しているんだがどう思うと相手方がそう話ので、冗談だろう、きみは
物理科学者なんだろう。核戦争禍の時計を進めるのかと縷々反論を展
開し始めたのはいいが、階上の彼女が気付き起りたので、あれやこれ
やの話を中断し用を済ませた。そういえば、大阪では、核武装推進派
の立候補している。1970年地元での総評の呼びかけもあり、反戦青年
委員会運動に参加した頃(沖縄即時返還・ベトナム戦争反対・三里塚
空港建設反対の3つのテーマ)を回想する。半世紀後の『軍拡雷同』
ムードに流させ、「想定される詳細なシミュレーションなし」の二極
化が進行していることに、「二度あることは三度ある」と危惧した次
第。

一期一会観桜会のご案内

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さぁ!自信をもって進もう④

2023年03月24日 | 地球温暖化

 

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。

まずは賤ヶ岳でウオーム・アップ








賤ヶ岳山頂から撮影したドローンでの空撮映像 drone4k

※ 七本槍:秀吉方で功名をあげた兵のうち福島正則、加藤清正、加藤
   嘉明、脇坂安治、平野長泰、糟屋武則、片桐且元らは賤ヶ岳の七本
   槍と呼ばれる。(極東極楽 2012.01.03)
※ 高山右近:「利休と右近(」極東極楽 2022.09.06)
※ 中川清秀:「セブンスピアズ」(極東極楽.2012.01.03)

中川清秀 Wikipedia

※国民宿舎余呉湖荘跡の駐車場に駐車可。飯浦切通しからの登山道は
階段が整備。江土登山口からのルートは普通の山道。山頂にはテーブ
ル&椅子あり。トイレもあるが、使用禁止になっていた賤ヶ岳は、滋
賀県長浜市(旧伊香郡木之本町)にある標高421 m の山である。琵琶
湖と余呉湖を分ける。山域の周辺は琵琶湖国定公園に指定されて、「
新雪 賤ヶ岳の大観」が琵琶湖八景のひとつに数えられている。 余呉
湖の南湖畔にある国民宿舎余呉荘、琵琶湖北湖畔の飯裏、JR西日本北
陸本線余呉駅、南側の山本山から延びる尾根など各方面から山頂に至
るハイキングコースが整備されている。コース上には賤ヶ岳の戦いな
どの多数の史跡がある。山頂からは北東に尾根が延び、その先には中
川清秀の墓がある大岩山がある。北西には尾根が延びその先には、行
市山(660 m)がある。南には琵琶湖東畔に沿って尾根が山本山(324
m)まで延びる。山頂からは、余呉湖、琵琶湖、竹生島、伊吹山などの
360度の展望が得られる。 1583年(天正11年)に、周辺は賤ヶ岳の戦
いの合戦場となった。山頂からは北東に尾根が延び、その先には中川
清秀の墓がある大岩山がある。北西には尾根が延びその先には、行市
山(660 m)がある。南には琵琶湖東畔に沿って尾根が山本山(324 m
)まで延びる。山頂からは、余呉湖、琵琶湖、竹生島、伊吹山などの
360度の展望が得られる。(1583年(天正11年)、羽柴秀吉と柴田勝家
が覇権を争った「賤ヶ岳の戦い」の戦場跡。山頂付近には戦跡碑、戦
没者の碑があり、竹生島が浮かぶ雄大な奥琵琶湖、滋賀県一の高峰・
伊吹山、穏やかな湖面の反射が“日本のウユニ”と称される余呉湖な
ど、湖北を一望できる圧巻の大パノラマが広がる。また、琵琶湖八景
の一つとして知られ、琵琶湖と余呉湖の2つの湖の景観と史跡を巡る
多彩なハイキングコースが整備されている。


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【再エネ革命渦論 103: アフターコロナ時代 302】


● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!
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希少金属を使用しないCO2変換法
3月24日、神戸大学の研究グループが希少金属を使用せずにCO2からギ
酸の製造方法を開発。
【要点】
1.希少な金属を用いずにCO2をギ酸に変換する光化学反応を開発
2.地球温暖化ガスの減少と化石燃料の製造を同時に達成する一石二
 鳥反応の実用化に期待。
【概要】
先ず、触媒系の構築。CO2を ギ酸にするためには、CO2に電子を与える、
すなわち還元する必要がある。しかしCO2は非常に安定な分子であり、
還元するのは容易ではない。今回、カルバゾール1を光増感剤として
新たに創製し、この分子が可視光照射下で極めて高い還元力を獲得す
ることを明らかにした(図1)。この光増感剤だけではCO2光還元反
応(
ギ酸生成反応)の効率は低いが、ここに非金属触媒2を添加する
とギ酸の生成速度が劇的に向上する。最適化された条件においては、
一分子のカルバゾール1からギ酸を6500分子以上も生成できることが
分かった。

図1.希少金属を使用しないCO2光還元反応によるギ酸製造

反応機構の解明:開発したCO2光還元反応の機構解明の研究を行った。
(1)13Cでラベル化されたCO2­を用いて反応を行ったところ、13C
 でラベル化されたギ酸が生成した。このことにより、たしかにギ酸
 がCO2から生成していることを証明できた。
(2)カルバゾール1が光を吸収した後、どのような過程で電子の移動
 が起こるのかを時間分解分光法を用いて調べました(図2a)。
 その結果、カルバゾール1は光を吸収後、ナノ秒からマイクロ秒(ナ
 ノ秒は10億分の1秒、マイクロ秒は100万分の1秒)の時間スケールで、
 触媒2の前駆体3(図1)とCO2のそれぞれに電子を受け渡しているこ
 とを明らかにしました。 (3)CO2がカルバゾール1から電子を受け
 取った後、CO2ラジカルアニオンという化学種に変換される。CO2ラ
 ジカルアニオンがその後ギ酸へと変換される過程をコンピュータ計
 算により解析した(図2b)。その結果、CO2ラジカルアニオンと触
 媒2が水素原子のやり取りを行ってギ酸を生成していることが明ら
 かにした。



図2.反応機構の解析実験 【展望】 犠牲還元剤としてビタミンC(ア
スコルビン酸)が必要であり、今後はアスコルビン酸ではなく水を還
元剤とする反応の開発を進める。 さらに、ギ酸以外のエネルギー材料
としてメタンやメタノールを製造するCO2光還元反応の開発も目指す。
※“Metal-free reduction of CO2 to formate using a photochemical organohy
dride-catalyst recycling strategy

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電解水素製造事業技術動向リサーチ③
❏ 特開2023-18241 循環型反応器を用いた無触媒の合成メタン製造
   技術 国立大学法人東海国立大学機構
【要約】
循環型反応器を用いた合成メタン製造技術を提供する事を目的とする
循環型反応器を用いて、二酸化炭素と水素とからメタンを合成する工
程を含む、メタンの製造方法。



図1は、本発明の循環型反応器を用いた合成メタン製造技術の例を表
す。メタンを合成する工程を、循環型反応器において、反応ガス供給
部から、CO2+H2(反応物)を供給し、メタネーションを進める。メタ
ン転換後、ガス排出部からCH4+H2O(生成物)を回収する。循環型反
応器は、好ましくは、反応温度を電気加熱で制御する目的で、
蓄熱体
を使用(多孔体)する。図2は、本発明の循環型反応器を用いた合成
メタン製造技術の例を表す。メタンを合成する工程において、CO2/H2
比とメタン転換率との関係を表す。メタンを合成する工程を、圧力を
1気圧とし、反応温度を変化させた場合の、メタン転換率を表す。



図3は、本発明の循環型反応器を用いた合成メタン製造技術の例を表
す。メタンを合成する工程において、初期圧力とメタン転換率との関
係を表す。メタンを合成する工程を、圧力を一定に保ち、反応温度を
変化させた場合の、メタン転換率を表す。
図4は、本発明の循環型反応器を用いた合成メタン製造技術の例を表
す。メタンを合成する工程を、酸素の存在下で行う場合の、(CO2+O2)
/H2比とメタン転換率との関係を表す。メタンを合成する工程を、圧
力を一定に保ち、反応温度を700K一定とし、反応物の組成を変化させ
た場合の、メタン転換率を表す。

【概説】
近年、再生可能エネルギーの余剰電力を利用して、気体の燃料を製造
するPower to GasPtGと略)への取り組みが注目されている。燃料と
しては、水を電気分解する事に依り比較的容易に得られる水素が想定
されている。それでも、現状では、水素の利用は、自動車、定置用の
燃料電池等に限られている。特許文献第5562873号では、二酸化炭素と
水素を反応させて、一酸化炭素を主成分として含むガスを得る第一反
応工程と、第一反応工程により生成した一酸化炭素と水素を反応させ
て、メタンを得る第二反応工程とを含む、二酸化炭素と水素からメタ
ンを合成する方法を開示している。本発明は、新たに、循環型反応器
を用いた合成メタン製造技術を提供する事を目的とする。本発明者は
上記した目的を達成のため、次の循環型反応器を用いた無触媒の合成
メタン製造技術等に関する。 

項1.メタンの製造方法であって、循環型反応器を用いて、二酸化炭
素と水素とからメタンを合成する工程を含む、 メタンの製造方法。 
項2. 前記メタンを合成する工程は、触媒の非存在下で行う、前記
項1に記載の製造方法。 
項3. 前記メタンを合成する工程は、蓄熱体の存在下で行う、前記
項1又は2に記載の製造方法。
項4. 前記メタンを合成する工程は、酸素の存在下で行う、前記項
1~3の何れかに記載の製造方法。 
項5.前記メタンを合成する工程は、300℃~600℃の温度条件で行う
前記項1~4の何れかに記載の製造方法。 
項6. 前記メタンを合成する工程は、1 atm(0.1 MPa)~20 atm(2M
Pa)の圧力条件で行う、前記項1~5の何れかに記載の製造方法。 項
7. 前記メタンを合成する工程は、水素に対する二酸化炭素のモル
比(CO2/H2)を、0.2~0.5として行う、前記項1~6の何れかに記載
の製造方法。
【発明の効果】 
本発明は、新たに、循環型反応器を用いた合成メタン製造技術を提供
する事が出来る。

(1)循環型反応器を用いた合成メタン製造技術
本発明のメタンの製造方法は、循環型反応器を用いて、二酸化炭素と
水素とからメタンを合成する工程を含む、合成メタン製造技術(メタ
ネーション技術)である。
CO2+4H2→CH4+2H2O
本発明のメタンの製造方法は、メタンを合成する工程を、好ましくは
、触媒の非存在下(触媒を使用しなくて良いという条件下)で行う。
本発明のメタンの製造方法は、メタンを合成する工程を、好ましくは、
蓄熱体の存在下で行う。本発明のメタンの製造方法は、メタンを合成
する工程を、好ましくは、酸素の存在下で行う。本発明のメタンの製
造方法は、メタンを合成する工程を、好ましくは、300℃~600℃の温
度条件で行う。本発明のメタンの製造方法は、メタンを合成する工程
を、好ましくは、1 atm(0.1 MPa)~20 atm(2 MPa)の圧力条件(圧力:
絶対圧力)で行う。
27
本発明のメタンの製造方法は、メタンを合成する工程を、好ましくは、
水素に対する二酸化炭素のモル比(CO2/H2)を、0.2~0.5として行う。
本発明のメタネーション技術は、次の有利な点を有する。本発明のメ
タネーションは、第一に、メタンを合成する際に二酸化炭素を使用す
る点である。本発明のメタネーション技術は、二酸化炭素を回収・利
用するCCU(Carbon Capture and Utilization)である。本発明のメタネー
ション技術では、第二に、二酸化炭素からメタンを合成する事から、
更に、再生可能エネルギー由来の水素を使用する事に依り、合成され
るメタンはカーボンニュートラルの燃料である。本発明のメタネーシ
ョン技術は、熱需要用途、産業用途等に使用する際に、新たに、二酸
化炭素を排出する事を抑制する事が出来る。この発明のメタネーショ
ン技術は、再生可能エネルギーを利用して余剰電力を産出する。メタ
ネーション技術は、この余剰電力を利用して、水素を製造し、更に、
この水素と二酸化炭素とを反応させてメタンを合成する事が出来る。
この技術は、二酸化炭素の排出量を削減する点、水素の利用量を飛躍
的に増加させる点、合成メタンを都市ガスに代わる代替燃料として利
用する点等の効果を発揮する。メタンは、都市ガスの主成分であり、
家庭用及び産業用の需要は高い。本発明のメタネーション技術に依り、
製造される合成メタンの利用を進める事に依り、直接的に、都市ガス
の低炭素化を実現出来る。

(2)循環型反応器を用いるメタネーション(図1)
このメタネーション技術は、循環型反応器を用いて、二酸化炭素と水
素とからメタンを合成する工程を含む、メタンの製造方法である。こ
の技術は、循環型反応器を利用して、メタンを合成する事から、水素
と二酸化炭素を低温で反応する点、メタネーションに伴う反応熱の有
効利用する点、安定したメタネーションの反応領域を確保する点等の
利点を有する。この技術は、循環型反応器において、反応物(原料化
合物、CO2+H2)が循環する。本発明のメタネーション技術は、生成物
のメタン(目的化合物、CH4)の生成量をモニタしながら、例えば メ
タネーションの反応物の組成、反応温度、反応圧力、メタネーション
に加える酸素濃度等の条件を、最適な条件に調整する事に依り、メタ
ネーションを、効率良く運用する事が出来る。本発明のメタネーショ
ン技術が実施する装置は、例えば、水素と二酸化炭素を反応器内に導
入する原料ガス(反応ガス)供給部、メタネーションの発熱に依り高
温の反応領域を確保する蓄熱体、メタンを合成する循環型反応器(循
環型流路)、合成メタンを反応器の外に出す排出部、等からなる装置
(システム)で構成される。本発明技術が実施する装置は、循環型反
応器を備え、メタンを合成するのに必要な水素と二酸化炭素を、予め、
原料ガス(反応ガス)供給部から導入する。本件は、循環型反応器に
おいて、反応物の水素及び二酸化炭素を追加供給する事に依り、反応
途中に、メタンの転換率を、効率良く改善する事が出来る。従来技術
のメタネーション技術は、メタネーション反応を反応器(リアクタ)
内部で完結させる為、反応を促進させる為に、触媒を用いる。メタネ
ーション反応は、発熱反応であり、導入する混合気は高温に成り、触
媒は熱に因り活性を失う(熱劣化する)。従来技術のメタネーション
技術は、メタネーション反応の熱を外部に逃がす目的で、メタネーシ
ョン反応の温度制御を必要とする。本発明のメタネーション技術は、
循環型反応器を用いる事に依り、触媒を用いる必要が無く、メタネー
ションを、効率良く運用する事が出来るという利点を有する。本技術
において、循環型反応器は、単に反応ガスを一方向に流す構造ではな
く、循環型反応器で反応ガスを循環させる構造であり、メタネーショ
ン反応の反応時間は十分確保出来る。本発明のメタネーション技術は、
例えば、目的化合物のメタン(合成メタン)を生成する時に生じる、
中間生成物の一酸化炭素が生じても、触媒を用いる事無く、この一酸
化炭素から、目的化合物(最終生成物)のメタンを生成(転換)する
事が出来る。本発明のメタネーション技術において、循環型反応器の
温度制御に、例えばアサヒ理化製の管状炉(1,500℃まで加熱可能で
ある)等を使用し、生成物のメタン濃度をモニタするため、例えば島
津製作所製のポータブルガス濃度測定器等を使用する。

(3)触媒の非存在下で行うメタネーション
本発明のメタネーション技術は、メタンを合成する工程を、好ましく
は、触媒の非存在下(無触媒)で行う。従来技術のメタネーション技
術は、メタンを合成する為に触媒が必要である点、メタネーションは
発熱反応であり、触媒層が熱劣化する点、二酸化炭素に硫黄等が含ま
れている場合、触媒が被毒する(触媒被毒)点等の技術的課題を含む。
従来技術のメタネーション技術は、反応温度まで昇温する為に、電気
等に依る加熱が必要である点、反応に因り発生した熱が、使用してい
る触媒を劣化させる点、バイオガス等を用いた場合、硫黄(被毒物質
)等の作用に因り、触媒が活性を失う事(触媒被毒)等の技術的課題
を含む。従来技術のメタネーション技術は、メタネーション反応が阻
害される点等の技術的課題を含む。 本発明のメタネーション技術は、
循環型反応器を利用して、好ましくは、①無触媒でメタンを合成する
に依り、水素と二酸化炭素とを低温で反応する点、②メタネーショ
ンに伴う反応熱の有効利用する点、③安定したメタネーションの反応
領域を確保する点等の利点を有する。本発明のメタネーション技術は、
④反応熱エネルギーを有効利用する点、⑤触媒の熱に因る劣化を抑制
する点、⑥活性が異なる触媒を傾斜配置する必要が無い点等の利点を
有する。本件は、⑦高価な貴金属から成る触媒を使用する費用が無く
反応物のガス組成の制約が無いという利点を有する点、⑧硫黄分を含
有するバイオガスも使用可能である点、触媒を被毒する事が無い点等
の利点を有する。
45
(4)メタネーションの温度条件
本発明のメタネーション技術は、メタンを合成する工程を、好ましく
は、300℃~600℃の温度条件で行い、メタネーション反応を行う時に、
常温(20℃程度)の水素及び二酸化炭素を含む原料ガス(反応ガス)
を、好ましくは、300℃~600℃の温度まで、昇温させる。 
従来のメタネーション技術は、複雑な温度制御が必要であり、使用す
る反応物のガス組成において、制御制約が出る点等の技術的課題を含
む。本件のメタネーション技術は、触媒を使用する代わりに微量の酸
素を供給し、メタネーションの原料化合物(反応物)である水素と燃
焼させる事に依り、水素及び二酸化炭素を含む混合気の反応を促進さ
せて、生成物であるメタンの転換率を上げる事が可能である。
48
(5)蓄熱体の存在下で行うメタネーション(図1)
本発明のメタネーション技術は、メタンを合成する工程を、好ましく
は、蓄熱体の存在下で行う。本技術は、メタネーション反応を維持す
る目的で、循環型反応器内部に、好ましくは、多孔体で構成される蓄
熱体を設置する。メタネーション反応において、蓄熱体は、蓄熱体の
高温部において、十分に蓄熱し、反応時間を確保する事ができる。 
本技術において、蓄熱体は、好ましくは、内部に、小さな球体を充填
させた構造で、蓄熱体は、好ましくは、金属、セラミック等で構成さ
れる多孔体である。蓄熱体は、好ましくは、多孔体であり、内部の温
度が均一に成る蓄熱体である。蓄熱体は、好ましくは、高い熱伝導率、
低圧損を実現する高い空隙率、及び十分な反応面積を有する素材であ
り、より好ましくは、炭化ケイ素(SiC)スポンジである。 
この 技術は、循環型反応器(管状炉)に、耐熱性の高いSiCスポンジ
等を蓄熱体として利用する事に依り、循環型反応器内部で、メタネー
ション反応を、好ましくは、無触媒で、安定に進める事が出来、メタ
ンへの高い転換率を実現する事が出来る。 蓄熱体(好ましくは、SiC
スポンジ)の空隙率は、好ましくは、50%~90%程度であり、より好ま
しくは、80%~90%程度である。本メタネーション技術において、蓄熱
体として、例えば、伏見製薬所製のSiCスポンジ(空隙率88%程度
を使用する。
※ 炭化ケイ素スポンジ: Wikipedia



(6)メタネーションの水素に対する二酸化炭素のモル比
(図2) 本発明のメタネーション技術は、循環型反応器を用いて、二
酸化炭素と水素からメタンを合成する工程を含む。
CO2+4H2→CH4+2H2O メタネーションの化学量論は、二酸化炭素(CO2)
1モルに対して、水素(H2)は4モルである。メタネーションの化学量
論は、言い換えると、水素(H2)1モルに対して、二酸化炭素(CO2)
は0.25モルである。 本発明のメタネーション技術は、効率的にメタ
ネーションを進行させる点で、メタンを合成する工程は、原料化合物
において、水素に対する二酸化炭素のモル比(CO2/H2)を、好ましく
は、0.2~0.5として行い、より好ましくは、メタンへの高い転換率を
示す0.2~0.3として行う
56
(7)メタネーションの圧力条件(図3)
本発明のメタネーション技術は、好ましくは、1 atm(0.1 MPa)~20
atm(2 MPa)の圧力条件(圧力:絶対圧力)で行う。効率的にメタネ
ーションを進行させる点で、高いメタンへの転換率が得られる為、圧
力は高い程良く、より好ましくは、10 atm(1 MPa)以上である。 
本明細書では、圧力条件は、断りが無ければ、圧力は絶対圧力とする。

(8)酸素の存在下で行うメタネーション(図4)
本メタネーション技術は、好ましくは、メタンを合成する工程は、酸
素の存在下で行う。本技術は、効率的にメタネーションを進行させる
点で、好ましくは、二酸化炭素と水素の反応物に微量の酸素を添加す
る。メタネーションでは二酸化炭素と水素が反応する。一般に水素は
燃料である為、酸素を供給する事に依り、メタネーションの原料化合
物である一部の水素が酸素と反応(燃焼反応)し、原料(反応)ガス
の温度が上げる事が出来る。この場合、水素と反応するのは二酸化炭
素(CO2)と酸素(O2)になるので、二酸化炭素と酸素の総モル量に
おける酸素の割合(モル濃度、O2/(CO2+O2))は、好ましくは、0.02
~0.1として行う。 メタネーション反応で、生成されたメタンは酸素
と反応する可能性が有るが、メタンが燃焼する為には、より多くの酸
素が必要で有る。本技術は、酸素の供給量を、原料化合物(反応物)
のガス中の水素と反応するが、メタンとは反応しない程度の量に調整
する事に依り、目的化合物のメタン(合成メタン)が燃焼する事を防
ぐ事が出来る。 
本技術は、水素と二酸化炭素とから、80%程度の転換率(原料化合物
(反応物)の水素と二酸化炭素とが反応する割合)で、メタンにする
事が出来る。

(9)メタネーション技術の有用性
本発明のメタネーション技術は、合成メタンをカーボンニュートラル
の燃料とする点で、都市ガスの製造業に有用である。本発明のメタネ
ーション技術は、再生可能エネルギーを供給し、余剰電力を活用する
点で、電力供給業に有用である。本発明のメタネーション技術は、合
成メタンをメタノールに転換し、車の燃料として使用する点で、自動
車工業に有用である。本発明のメタネーション技術は、バイオガスを
より価値の高い合成メタンに転換する点で、バイオガス事業に有用で
ある。本技術は、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する点で、
政府若しくは国の研究事業に有用である。本発明のメタネーション技
術は、水素の需要を増加させる点で、水素製造業に有用である。本発
明のメタネーション技術は、製鉄所等から排出される二酸化炭素を燃
料に転換する点で、製鉄業に有用である。本発明のメタネーション技
術は、発電を、合成メタンを燃焼する事に依り行う点で、火力発電業
に有用である。 
以上、本発明の実施形態について説明した。
67
【実施例】
以下、実施例に基づき、本発明の実施形態をより具体的に説明する。
但し、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
(1)
循環型反応器を用いるメタネーション(図1) 図1は、本発明
の循環型反応器を用いた合成メタン製造技術を表す。 
メタンを合成する工程を、循環型反応器において、反応ガス供給部か
ら、CO2+H2(反応物)を供給し、メタネーションを進めた。メタン転
換後、ガス排出部から、CH4+H2O(生成物)を回収した。循環型反応
器は、反応温度を電気加熱で制御する目的で、蓄熱体(多孔体)とし
て炭化ケイ素(SiC)スポンジ(空隙率88%程度)を使用した。
本技術は、循環型反応器を利用して、メタンを合成する事から、水素
と二酸化炭素とを低温で反応する点、メタネーションに伴う反応熱の
有効利用する点、安定したメタネーションの反応領域を確保する点の
利点を有すると理解出来る。 本発明のメタネーション技術は、循環型
反応器を利用して、無触媒でメタンを合成する事に依り、触媒を被毒
する事が無い点の利点を有すると理解出来る。

(2)メタネーションのCO2/H2比とメタン転換率との関係(図2)
図2は、本発明の循環型反応器を用いた合成メタン製造技術の例を表
す。メタンを合成する工程において、CO2/H2比とメタン転換率との関
係を表す。メタンを合成する工程を、圧力を1気圧とし、反応温度を
変化させた場合の、メタン転換率を表す。メタンを合成する工程を、
絶対温度500K~900K(摂氏227℃~627℃)の温度条件で行った。 
本技術は、メタンを合成する工程は、原料化合物において、水素に対
する二酸化炭素のモル比(CO2/H2)を、0.2~0.5として行う事に依り、
効率的にメタネーションを進行させる事が出来ると理解出来る。 

(3)メタネーションの初期圧力とメタン転換率との関係(図3)
図3は、本発明の循環型反応器を用いた合成メタン製造技術の例を表す。 
メタンを合成する工程において、初期圧力とメタン転換率との関係を
表す。メタンを合成する工程を、圧力を一定に保ち、反応温度を変化
させた場合の、メタン転換率を表す。メタンを合成する工程を、絶対
温度500K~1,500K(摂氏227℃~1,227℃)の温度条件で行った。 
本発明のメタネーション技術は、メタンを合成する工程は、1 atm(
0.1 MPa)~20 atm(2 MPa)の圧力条件(圧力:絶対圧力)で行う事に
依り、効率的にメタネーションを進行させる事が出来ると理解出来る。 

(4)酸素の存在下のメタネーションの(CO2+O2)/H2比とメタン転換
 率との関係(図4)
図4は、本発明の循環型反応器を用いた合成メタン製造技術の例を表
す。メタンを合成する工程を、酸素の存在下で行う場合の、(CO2+O2)
/H2 比とメタン転換率との関係を表す。メタンを合成する工程を、圧
力を一定に保ち、反応温度を700K一定とし、反応物の組成を変化させ
た場合の、メタン転換率を表す。本発明のメタネーション技術は、メ
タンを合成する工程は、原料化合物が水素と二酸化炭素であるが、酸
素を添加した場合は二酸化炭素と酸素の両方が水素と反応することに
なる。水素に対する二酸化炭素と酸素の総モル量の比は、酸素と二酸
化炭素の合計のモル量に対する酸素のモル比(O2/(CO2+O2))を、
0.02~0.1として行う事に依り、効率的にメタネーションを進行させ
る事が出来ると理解出来る。 

(5)
循環型反応器を用いるメタネーション(図1)
本技術は、循環型反応器を用いて、二酸化炭素と水素とからメタンを
合成する事から、水素と二酸化炭素とを低温で反応する点、メタネー
ションに伴う反応熱の有効利用する点、安定したメタネーションの反
応領域を確保する点等の利点を有すると理解出来る。本技術は、循環
型反応器において、反応物(原料化合物、CO2+H2)が循環し、生成
物のメタン(目的化合物、CH4)の生成量をモニタしながら、メタネー
ションの反応物の組成、反応温度、反応圧力、メタネーションに加え
る酸素濃度等の条件を、最適な条件に調整する事に依り、メタネーシ
ョンを、効率良く運用する事が出来ると理解出来る。 
本発明のメタネーション技術は、循環型反応器を用いる事に依り、触
媒を用いる必要が無く(無触媒)、例えば、硫黄(被毒物質)等の作
用に因り、触媒が活性を失う事(触媒被毒)が無いという利点を有し、
メタネーションを、効率良く運用する事が出来ると理解出来る。
--------------------------------------------------------------
※ 特開2022-191870 炭化水素製造装置および炭化水素製造方法
   ENEOS株式会社
【要約】図1のごとく、炭化水素製造装置1は、二酸化炭素および水
素を用いて一酸化炭素および水素を含む合成ガスを得る逆シフト反応
部2と、合成ガスを用いて炭化水素を製造する炭化水素製造部4と、
炭化水素製造部4からの流出物から、水素、二酸化炭素および炭素数
4以下の軽質炭化水素を含む気体成分と、炭素数5以上の炭化水素を
含む液体成分と、を分離する気液分離部6と、気体成分から水素およ
び二酸化炭素と、軽質炭化水素と、を分離する第1分離部10と、第
1分離部10が分離した軽質炭化水素を用いて水素および一酸化炭素
を生成する接触反応部8とを備える。逆シフト反応部2は、第1分離
部10が分離した水素および二酸化炭素も合成ガスの生成に用いる。
炭化水素製造部4は、接触反応部8が生成した水素および一酸化炭素
も炭化水素の製造に用いることで、炭化水素の製造効率の向上を図る。

本実施の形態の逆シフト反応部2は一例として水電解モジュール20
から水素の供給を受ける。図1では、水電解モジュール20が炭化水
素製造装置1に対し外部機器として図示されているが、水電解モジュ
ール20は炭化水素製造装置1の内部に組み込まれていてもよい。
水電解モジュール20は、水の電気分解によって水素および酸素を発
生する電解槽である。一例として水電解モジュール20は、イリジウ
ムや白金等の触媒を有する酸素発生用電極と、白金等の触媒を有する
水素発生用電極とが、プロトン伝導性を有する隔膜によって隔てられ
た構造を有する。つまり、水電解モジュール20は、固体高分子形水
電解モジュールである。なお、水電解モジュール20の他の例として
は、アルカリ形水電解モジュールや固体酸化物形水電解モジュールな
どが挙げられる。固体高分子形水電解モジュールにおける水の電解時
の反応は以下の式(1)および式(2)の通りである。酸素発生電極
で起こる反応:

2HO→O+4H+4e (1)
水素発生電極で起こる反応:4H+4e→2H (2)

水電解モジュール20は、図示しない電力供給装置から水電解に必要
な電力の供給を受ける。電力供給装置としては、再生可能エネルギー
を利用して発電する発電装置、例えば風力発電装置や太陽光発電装置
等が例示される。これにより、水素の生成、ひいては目的物である炭
素数5以上の炭化水素(以下では適宜「C5+成分」という)の製造
に伴う二酸化炭素の排出量を低減できる。なお、電力供給装置は、再
生可能エネルギーを利用する発電装置に限定されず、系統電源であっ
てもよいし、再生可能エネルギー発電装置や系統電源からの電力を蓄
えた蓄電装置等であってもよい。また、これらの2つ以上の組み合わ
せであってもよい。ただし、カーボンニュートラルの実現に貢献する上
では、電力供給装置は、再生可能エネルギーを利用する発電装置であ
ることが好ましい。
また、電力供給装置として系統電源や蓄電装置等を用いる場合には、
それらの発電や蓄電に伴う二酸化炭素の排出量が再生可能エネルギー
を利用する発電装置における排出量以下であることが好ましい。
18
また、本実施の形態の逆シフト反応部2は、一例として二酸化炭素回
収部22から二酸化炭素の供給を受ける。図1では、二酸化炭素回収
部22が炭化水素製造装置1に対し外部機器として図示されているが、
二酸化炭素回収部22は炭化水素製造装置1の内部に組み込まれてい
てもよい。なお、炭化水素製造装置1は、全体が1つの反応器である
ことを意味するものではない。
二酸化炭素回収部22は、例えば大気中から直接空気回収(DAC)
等によって二酸化炭素を回収することができる。また、二酸化炭素回
収部22は、火力発電や化学プラント等から排出された排気ガス中か
ら化学吸着法等によって二酸化炭素を分離回収することができる。逆
シフト反応部2が二酸化炭素回収部22から二酸化炭素の供給を受け
ることで、大気中や排気ガス中の二酸化炭素の削減が期待できる。ま
た、C5+成分の製造に伴う化石燃料の消費を低減できる。
逆シフト反応部2では、以下の式(3)に示す逆シフト反応が起こり、
二酸化炭素が一酸化炭素に還元される。これにより、一酸化炭素と、
未反応の水素とを少なくとも含む合成ガスが得られる。なお、合成ガ
スには、逆シフト反応で生成される水も含まれる。また、合成ガスに
は未反応の二酸化炭素も含まれ得る。

2+CO2→CO+H2O (3) 

逆シフト反応部2における反応温度は、例えば290℃以上1100
℃以下であり、好ましくは700℃以上1100℃以下であり、さら
に好ましくは700℃以上950℃以下である。式(3)の逆反応は、
水性ガスシフト反応と呼ばれる。逆シフト反応の触媒には、水性ガス
シフト反応用の触媒が用いられることがある。しかしながら、700
℃以上の反応温度は、一般的な水性ガスシフト反応における温度より
も遥かに高温である。このため、反応温度を700℃以上の高温に設
定する場合、一般的な水性ガスシフト触媒は使用に適さない。 
これに対し、本実施の形態の逆シフト反応部2は、逆シフト触媒とし
てペロブスカイト構造ABO3を有する複合酸化物を含む。ペロブス
カイト構造ABO3において、Aは、カルシウム(Ca)、ストロン
チウム(Sr)、バリウム(Ba)からなる群から選択されるアルカ
リ土類金属であり、好ましくはバリウムである。Bは、チタン(Ti)、
アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、タング
ステン(W)、モリブデン(Mo)からなる群から選択される金属で
あり、好ましくはジルコニウムである。Bがチタンやジルコニウムで
ある場合、その一部がマンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(C
o)で置換されていてもよく、好ましくは一部がマンガンで置換され
る。また、逆シフト触媒は、炭化水素の炭素原子間の結合を切断する
酸点がなく、水素の水素原子間の結合を切断する水素解離能を有し
ないことが好ましい。この特徴を有する逆シフト触媒は、例えばイソ
ブテンと水素からなる混合ガスを用いた触媒反応で、二量化反応によ
る炭素数8の炭化水素と、水素化反応によるイソブタンとが生成しな
いことを確認することでスクリーニングすることができる。このよう
な逆シフト触媒を用いることで、700℃以上の高温によりメタネー
ション等の副反応を抑えながら、逆シフト反応を実現することができ
る。
--------------------------------------------------------------
※ 特開2022-152517 メタン製造装置 株式会社豊田中央研究所等化
【要約】
図1のごとく、メタン製造装置は、原料ガスとしての二酸化炭素と水
素とからメタンを生成する触媒を収容する反応器と、反応器に接続さ
れ、触媒との熱交換に用いられる熱媒体を反応器に供給する熱媒体供
給部と、反応器に供給される原料ガスの流量と熱媒体の流量とを制御
する流量制御部と、を備え、流量制御部は、原料ガスの流量を現流量
から第1流量へと増加させると共に、熱媒体の流量を現流量から第2
流量へと増加させる場合に、熱媒体の流量が現流量から前記第2流量
へと変化している間に、原料ガスの増加を完了させる。ことで反応器
に供給されるH2とCO2とを含む原料ガスの増減に合わせて、生成す
るメタンの流量をより早く変化させる。 


【符号の説明】
10…第1反応器 10i…第1反応器の入口 10o…第1反応器の
出口 11…触媒 12,22…温度センサ(触媒温度検出部) 13…
熱媒流路 14…第1凝縮器 15…ポンプ(熱媒体供給部、流量制御
部) 20…第2反応器 20i…第2反応器の入口 20o…第2反
応器の出口 23…熱媒流路 24…第2凝縮器 25…絞り弁(流量
制御部) 26…バイパス流路 30…制御部(流量制御部) 100…
メタン製造装置
                        この項つづく

--------------------------------------------------------------
※ 特許第7216232号 水素充填設備、水素提供システム及び水素提供
方法 三菱化工機株式会社/那須電機鉄工株式会社
尚、特許番号及び件名並びに申請者のみの記入したものは後日掲載。
--------------------------------------------------------------
  風蕭々と碧い時代


Jhon Lennone Imagine

J-POPの系譜を探る:1973年代】
奥村チヨ 「ひき潮」



作詞: 橋本淳(1939-)  作曲: 筒美京平(1940-2020)
唄 : 奥村 チヨ
1947年2月18日-、千葉県野田市生まれ。3歳の時に大阪府池田市に移
住。高校在学中に小野薬品のドリンク剤「リキ・ホルモ」のCMソング「
昨日、今日、明日」を歌い、渡辺プロにスカウトされる。17歳で上京
し、65年に「あなたがいなくても」でレコード・デビュー。同年「ご
めんネ・ジロー」が大ヒット。「恋の奴隷」「恋泥棒」「恋狂い」の
恋シリーズ3部作、そして「終着駅」もヒット。小悪魔的でキュートな
スタイルでファンを魅了した。昭和歌謡のコケティッシュなシンガー
の代表的存在。夫は作曲家の浜圭介。 

J-POPのルーツはこの人にある!日本ポップス界のヒットメーカー
筒美京平 | Happy Jam(ハッピージャム)

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう。



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さぁ!自信をもって進もう③

2023年03月22日 | デジタル革命渦論

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。





ピザハット、パクチー山盛りピザ「パクチーすぎて草」
期間限定新発売

パクチー(コリアンダー)の栽培取り組み出していると、ピザハッ
ト、パクチー山盛りピザ「パクチーすぎて草」を販売するという(3
月20日から4月9日までの期間限定)。パクチーを惜しみなく3株もト
ッピングした、まさにパクチーが主役のピザ。その下には、トマト
ソースとヤンニョムソースをベースに海老をトッピングしており、爽
やかかつ独特な香りが特徴のパクチーの魅力を存分に味わえる一品。
本当? パクチー好きにはたまらないし、苦手な人にもたまらない


David Popa
NFT(non-fungible token)とは、非代替性トークンと翻訳されているが、
ブロックチェーン上に記録される一意で代替不可能なデータ単位であ
るが、NFTは、画像・動画・音声、およびその他の種類のデジタルフ
ァイルなど、容易に複製可能なアイテムを一意なアイテムとして関連
づけられ、代替可能性(fungibility)がないという点で、NFTはビット
コインなどの暗号通貨とは異にする。NFTは、「関連づけられている
ファイルなどの真正性や所有権を証明する」と主張されているが、N
FT
によって保証・譲渡される法的権利は不明瞭な可能性が指摘されて
おり。また、NFTには、関連づけられているファイルの共有や複製を
制限する機能は存在せず、ファイルの著作権を必ず譲渡する訳でもな
く、同一のファイルに関連づけられた別のNFTを無制限に発行可能
あるとされる。 via jp.Wikipedia


     

 

 
【再エネ革命渦論 102: アフターコロナ時代 301】

 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング

”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!
--------------------------------------------------------------
電解水素製造事業技術動向リサーチ②
※ 特開2023-031449 電解質膜シートの帯状物およびその製造方法 東
  レ株式会社
【要約】
図1のごとく、帯状の基材フィルム上に電解質膜が積層された電解質
膜シートの帯状物であって、前記電解質膜の厚みが40μm以上であ
り、前記電解質膜が前記基材フィルム側から順に高分子電解質を含む
第1の電解質層、多孔質基材と高分子電解質とを含む複合層および高
分子電解質を含む第2の電解質層を有し、前記基材フィルム、前記第
1の電解質層および前記複合層の幅方向両端部が同位置で、かつ前記
第03.+9/962+.0A+2の電解質層の幅方向両端部がそれぞ
れ、前記基材フィルム、前記第1の電解質層および前記複合層のいず
れの幅方向両端部より内側にあることを特徴とする、電解質膜シート
の帯状物で、触媒層の積層工程を適切に実施することが可能な電解質
膜シートの帯状物の提供。

本発明の電解質膜シートの帯状物の一つの形態における幅方向の断面
模式図
【符号の説明】
10 基材フィルム、11 第1の電解質層、12 複合層 13 第2
の電解質層

【概要】
水素は2次エネルギーであり、様々な作製方法があるが、再生可能エ
ネルギーによる余剰電力を使用して水を電気分解すれば、二酸化炭素
を排出することなく電力を水素エネルギーに変換可能である。水の電
気分解による水素製造方式には、アルカリ水電解と固体高分子電解質
膜(PEM)型水電解がある。PEM型水電解は高電流密度での運転
が可能であり、再生可能エネルギーの出力変動に柔軟に対応できると
いう特長を有す。PEM型の水電解式水素発生装置において、生成さ
れた水素がカソードからアノードに逆透過することを抑制する必要が
あり、水素バリア性を高めるために①膜厚の比較的大きい電解質膜を
用いる
ことが提案されている。一方、高分子電解質膜の耐久性を高め
るために、②電解質膜内部に多孔質基材(補強材)を配置することが
知られている。このような多孔質基材を含む複合電解質膜として、多
孔質基材に高分子電解質を充填させた複合層の両面にそれぞれ高分子
電解質からなる電解質層を備えたものが知られており、上記複合電解
質膜の製造方法として、例えば、長尺帯状の基材フィルムに電解質溶
液を塗布し、その上に多孔質基材を重ね合わせて電解質溶液を含浸さ
せた後に多孔質基材の他方の面に電解質溶液を塗布して製造すること
が提案されている。③ そして、上記のようにして製造された電解質膜
シートの帯状物に触媒層が連続的に積層されて触媒層付き電解質膜が
製造され、さらにガス拡散電極が積層されて膜・電極接合体が製造さ
れ、この膜・電極接合体が燃料電池や水電解式水素発生装置などに適
用する。


従来の電解質膜シートの帯状物における幅方向の断面模式図

上記複合電解質膜の製造方法においては、例えば、図8のように、多
孔質基材を含む複合層12の両面に配置される第1の電解質層11と
第2の電解質層13は、多孔質基材に電解質溶液を含浸させるため、
通常、多孔質基材を覆うように積層される。このようにして製造され
た電解質膜シートの帯状物を、次の加工工程、例えば、触媒層を積層
する工程に供給するに際し、その幅方向長さを調整するため、あるい
は幅方向両端部位置を揃えるために、スリット切断することがある。
例えば、切断位置s1およびs2でスリット切断されて、図9に示さ
れているような帯状物が製造される。


従来のスリット切断後の帯状物における幅方向の断面模式図

※ 特開2023-028092 水素製造システム、水素製造方法 日立製作所
【要約】
図3のごとく、本発明に係る水素製造システムは、前記不具合スタッ
クの箇所、および、水電解スタックの劣化のしやすさを示す劣化特性
に基づき算出した複数の水電解スタックの劣化予測に基づき、前記水
電解スタックの各々の直列部への電力分配を制御できる複数の水電解
スタックを用いて水素を製造する水素製造システムにおいて、不具合
スタックが発生した場合であっても、水電解スタックの劣化を効果的
に抑制することができる技術の提供。

【概要】
水素エネルギーの普及に向け、水素価格の低減が求められている。水
素価格を低減するためには、水素の製造に要するコストの低減が必要。
水素の製造は、例えば水の電気分解(以下、水電解と表記)などの方
法により行われる。水素製造コストは設備コスト(CAPEX:capital  
expense
)と運用コスト(OPEX:operating  expense)に大別される。
OPEXは、水電解に用いる電力の調達コストやシステム保守コスト
などからなる。CAPEXを低減するには、以下の取り組みが必要と
なる。
・設備価格の低減
・設備稼働率の向上(水素製造量の増加)
・設備の耐用年数の向上(設備償却費の低減)
ところで、 特定の水電解スタックにおいて不具合が生じたとき、他の
水電解スタックに対する影響を緩和する手法は、様々に考えられる。
例えば、
特許605820においてある水電解スタックに不具合が生じたと
仮定する。このとき、水電解システムへの入力電力を1ストリング分
減少した上で、不具合スタックを含むストリングをOFFすれば、他
ストリングの負荷増大や劣化を防止可能である。ただし、OFFした
ストリング中の正常スタックの分だけ、水電解システムの稼働率を低
下させることになる。これに代えて不具合スタックのみOFFするこ
とも考えられる。しかしこの場合、当該ストリングの中で1スタック
分が短絡状態になるので、他のスタックに対して印加される電圧が上
昇し、過負荷によるスタック劣化が進行する可能性がある。前出特許
文献においてはストリング毎に電圧調整する機構がないので、各スタ
ックに対する印加電圧が上昇してスタック劣化を加速するからである。
したがって単に不具合スタックをOFFするのみでは、不具合対策と
して不十分であると考えられる。 特許4842577においてある水電解ス
タックに不具合が生じたと仮定する。前出の特許605820のように不具
合スタックを個別にOFFした上で、そのストリングに対する電力供
給をDC/DCコンバータによって調整すれば、水電解システムを稼
働継続できる。しかし特許文献2と同様に、他のスタックに対する負
荷が増大することにより、スタック劣化が進行する可能性がある。
これら2つの特許文献においては、スタック劣化を抑制するための具
体的手法は十分考慮されていないからである。
【効果】
本発明に係る水素製造システムによれば、不具合スタックが発生した
場合であっても、水電解スタックの劣化を効果的に抑制することがで
きる。
■ 実施の形態1
図1は、本発明の実施形態1に係る水素製造システム1の構成図であ
る。水素製造システム1は、再生可能エネルギーや送配電系統が供給す
るAC(交流)電力を用いて水素を製造するシステムである。水素製
造システム1は、供給される電力を用いて水電解スタック11を稼働
させることにより、水素を製造する。水素製造システム1は、水電解
スタック11、DC/DCコンバータ12、AC/DC整流器13、
電力分配制御システム14、不具合検知部3を備える。 
20
水電解スタック11は、水を電気分解することによって水素を製造す
る。図1においては、2つの水電解スタック11が直列接続され、さ
らに2つの水電解スタック11を1つのペアとして3つのペアが並列
接続されている。水電解スタック11が製造した水素は、輸送設備や
貯蔵設備へ出力される。
21
AC/DC整流器13は、水素製造システム1に対して供給される交
流電力をDC(直流)電力に変換し、DC/DCコンバータ12へ出
力する。DC/DCコンバータ12は水電解スタック11に対して電
力を供給することにより、水電解スタック11の動作状態を制御する。 
電力分配制御システム14は、DC/DCコンバータ12に対して動
作指令を出力することにより、DC/DCコンバータ12を介して水
電解スタック11の動作状態を制御する。電力分配制御システム14
は、稼働計画策定部141、スタック動作割当部142、電力分配指
令部143、劣化特性データ管理部144、劣化率試算部145を備
える。
23
稼働計画策定部141は、水電解スタック11の稼働ローテーション
計画を策定する。ここでいう稼働ローテーションとは、各水電解スタ
ック11の動作状態として、後述する稼働優先スタック/停止優先ス
タックのうちいずれかを割り当てる順番のことである。スタック動作
割当部142は、稼働計画策定部141が策定した稼働ローテーショ
ン計画にしたがって、各水電解スタック11の動作状態を決定する。
電力分配指令部143は、水電解スタック11がその動作状態にした
がって動作するように、DC/DCコンバータ12に対して電流指令
値を与える。
24
劣化特性データ管理部144は、水電解スタック11の劣化特性を記
述した劣化特性データを保持している。稼働計画策定部141は、こ
の劣化特性にしたがって稼働ローテーション計画を策定することがで
きる。劣化率試算部145は、その計画にしたがって水電解スタック
11を稼働させたと仮定したときにおける各水電解スタック11の劣
化率を試算する。
水電解スタック11(またはストリング)における「不具合」は、仕
様通りの水素製造能力を発揮できないことを意味する。「劣化」は、
不具合の原因の1例であり、運転時間の累積にともなって構成部材等
が消耗または変質することである。一般的に、通常の使用方法で製品
を使用し続けた場合、経年劣化が生じることは想定されている。「故
障」も不具合の原因の1例であり、劣化として想定されていない事象
を意味する。故障は経年的でなく突発的に発生することもある。本発
明は、劣化・故障いずれに起因する不具合も対象として含むので、以
下では両者を包含する用語として「不具合」を用いる。
26

実施形態1における各水電解スタックへの電力供給を制御する手順を
示す模式図

図2は、本実施形態1における各水電解スタックへの電力供給を制御
する手順を示す模式図である。複数の水電解スタック11が直列接続
されたものをストリング(直列部)と呼ぶことにする。電力分配制御
システム14は、不具合が発生した水電解スタック11(不具合スタ
ック)を含むストリング(不具合ストリング)に対する電力供給を、
不具合発生前よりも減少させる。必ずしも電力供給を停止することが
必須ではなく、少なくとも不具合発生前よりも電力供給を減少させれ
ばよい。
27
電力分配制御システム14は、不具合ストリングに対する電力供給の
減少分を、他のストリングに対する電力供給の増加によって補う。図
2に示す例においては、第3ストリングにおいて不具合スタックが発
生しているので、第1、第2、および第4ストリング(正常ストリン
グ)に対する電力供給P1、P2、P4を、不具合発生前よりも増加
させる。ただし単純に電力供給を増加させると、水電解スタック11
の劣化を促進する可能性がある。そこで電力分配制御システム14は、
劣化特性にしたがって、水電解スタック11の劣化をできるだけ抑制
するように、各ストリング(さらには各水電解スタック11)に対す
る電力供給量を調整する。 
28
正常ストリングに対する電力供給の1例として、特願20211-023663が
記載しているものと類似する稼働ローテーションを活用することによ
り、同一ストリングに対して大電流を長時間流さないように電力分配
を制御することが考えられる。そこで以下では稼働ローテーションの
例とその効果について説明する。

29
図3は、正常ストリングに対する電力供給を増加させる1例を示す。
ここでは図2に示すように第3ストリングにおいて不具合スタックが
発生したと仮定する。正常時(不具合発生前)において各ストリング
は電流密度1.5A/cm2で動作していたものと仮定する。 
30
分配方法(1)は、第3ストリングに対して供給していた電力を、第
1、第2、第4ストリングに対して等分配するものである。不具合発
生前において各ストリングに対して供給する電流密度は1.5A/cm2
であったので、不具合発生後において各ストリングに対して供給する
電流密度は2.0A/cm2となる。
31
分配方法(2)は、第3ストリングに対して供給していた電力を、第
1、第2、第4ストリングの間で稼働ローテーションによって分配す
るものである。ある期間においていずれかのストリングが第3ストリ
ングの電力を全て負担し、次の期間において別のストリングが第3ス
トリングの電力を全て負担し、といったローテーションを繰り返す。
不具合発生後において各ストリングに対して供給する電流密度は1.5
または3.0A/cm2となる。電流密度1.5A/cm2は「少配分直列
部」に相当し、3.0A/cm2は「多配分直列部」に相当する。
32
分配方法(3)は、分配方法(2)と同様にローテーションするが、
分配方法(2)とは異なり、いずれか2以上のストリングが第3スト
リングの電力を共同して負担するものである。ある期間にわたる負担
の合計がストリング間で均等となるように、各時点における負担割合
をローテーションによって分配する。この例においては、不具合発生
後において各ストリングに対して供給する電流密度は1.5、2.0、
または2.5A/cm2となる。電流密度1.5A/cm2 は「少配分直列
部」に相当し、2.0または2.5A/cm2は「多配分直列部」に相当
する。
 33
いずれの分配方法を用いるかは、劣化特性にしたがって定めることが
できる。電力分配制御システム14は、劣化特性に基づき、これらの
電力分配を実行した場合の将来の劣化率を試算し、劣化率を最小化す
る分配パターンを選択する。以下では非特許文献1~3が記述してい
る劣化特性データを例として、劣化率の試算例を説明する。 
34
分配方法(1)のように、一定の電流密度(2.0A/cm2)を供給す
る場合については、194mV/h(非特許文献※、あるいは267
mV/h(非特許文献2)といった劣化率の数値が報告されている。
劣化率は電圧上昇率と等価であり、電圧上昇率が高いほど劣化が大き
いことになる。
35
分配方法(2)(3)のように電流密度を変動させる
場合については、非特許文献※において、電流密度2.5
A/cm2
1.0A/cm26時間毎に切り替える動作を約300時間実施し、続い
て3.0A/cm2と1.0A/cm2を6時間毎に切り替える動作を約4
00時間実施した(すなわち合計700時間動作させた)結果、63
mV/hという劣化率の数値が報告されている。これは分配方法(1)
の1/3以下の劣化率である。
非特許文献3の条件は、分配方法(2)(3)と同一ではないものの、
水電解スタックに対して供給する電流密度を一定にするよりも動的に
変化させるほうが劣化率を抑制できるという傾向は、非特許文献2に
おいても報告されている。したがって分配方法(2)(3)は、分配
方法(1)よりも劣化率が低いことが期待される。 
以上より、水電解スタック11の劣化特性を考慮した電力分配制御に
よって、劣化特性を考慮していない場合(=電力増分を等分配する場
合)に比べて、水電解スタック11の劣化率を低減(上記見積によれ
ば1/3以下)することができる。劣化特性データは、以上のような
劣化特性を記述している。電力分配制御システム14は、この劣化特
性にしたがって、電力分配を制御する。例えば劣化特性データは、電
流密度とその切り替え間隔と劣化率の組み合わせをそれぞれ記述して
おり、電力分配制御システム14はそのなかで最も劣化率が小さいと
想定される組み合わせを用いる。 
水電解スタック11の不具合を検知する方法について説明する。既知
の方法としては、各スタックの電圧・電流といった特性値、あるいは
水素発生量などの性能値をモニタリングすることにより、水電解特性
に関する不具合を検知することが可能である。不具合検知部3はこれ
らのパラメータをモニタリングすることにより、水電解スタック11
の不具合を検知する。 
不具合スタックへの電力供給について、スタックの不具合の程度によ
り、以下の場合分けを用いてもよい。
40
(1)不具合の程度が小さく、継続使用可能の場合:
(1-1)不具合発生前における水素製造システム1全体の電力供給
量を、不具合発生後においても維持する。不具合ストリングに対する
電力供給量を不具合発生前よりもやや減少させ、その減少分を正常ス
トリングが負担する。減少量は、不具合スタックの劣化進行を抑制で
きる程度とする(例えば不具合スタックに対して供給する電流密度を
1.0A/cm2とする)。急激に停止させると却って劣化進行する可能
性があるので、正常時よりも小さいが0ではない程度の電力供給量を
維持することが望ましい。他方で正常ストリング間においては、例え
ば図2~図3で説明した稼働ローテーションを実施すればよい;
(1-2)電力インバランスまたはこれにともなうペナルティを許容
できるのであれば、不具合発生前における水素製造システム1全体の
電力供給量を不具合発生後において維持しなくてもよい。この場合、
不具合ストリングに対する電力供給量は、不具合スタックの劣化進行
を抑制できる程度まで減少させ、その減少分は必ずしも正常ストリン
グが全て負担しなくともよい。
41
(2)不具合の程度が大きく、交換が必要な場合
(2-1)不具合スタックに対する電力供給量を経時的に低減する。
急激に完全停止すると、スタックの劣化が急速に進む恐れがあるから
である。経時的に電力を低減しつつ最終的には停止させてもよい。低
減した電力供給量は、正常ストリングにおいて負担する。正常ストリ
ングにおいては、全スタックを稼働させつつ、稼働ローテーションに
より、電力供給量の増加分をスタック間で分担して負担する;
(2-2)不具合スタックに対する電力供給を停止する。動作し続け
ると危険な場合は、電力供給を完全に停止することにより、不具合ス
タックを停止させることが望ましいからである。例えば特許文献1記
載のようなマイクロショート、不具合発生後の焼損リスクなどが生じ
るおそれがある場合がこれに相当する。低減した電力供給量は、正常
ストリングにおいて負担する。正常ストリングにおいては、全スタッ
クを稼働させつつ、稼働ローテーションにより、電力供給量の増加分
をスタック間で分担して負担する。 
42
(補足)不具合スタックの不具合の程度は、不具合を検出する手法に
応じて定義することができる。例えば水素製造能力の低下によって不
具合を検出する場合、製造能力の低下量が大きいほど、不具合の程度
も大きいといえる。あるいは後述の実施形態で説明する健全度を用い
てもよい。不具合の程度があらかじめ定めた基準値未満であれば上記
(1)を実施し、基準値以上であれば上記(2)を実施すればよい。


図4 水素製造システム1の別構成例を示す図
43 図4は、水素製造システム1の別構成例を示す図である。図4に示
すように、1つのDC/DCコンバータ12が2以上のストリングを
制御してもよい。1つのDC/DCコンバータ12が制御するストリ
ングの個数は、全てのDC/DCコンバータ12について同じであっ
てもよいし、DC/DCコンバータ12ごとに異なってもよい。 

図5は、電力分配制御システム14が提示するユーザインターフェー
スの例である。ユーザインターフェースは、例えばディスプレイ上に
画面表示する画面インターフェースとして提示することができる。ユ
ーザインターフェースは、例えば表示画面と制御メニュー画面によっ
て構成することができる。図5においては、制御メニュー上で各スタ
ック/ストリングの状態を表示するメニューを選択した様子を示した。
45
電力分配制御システム14は、表示画面において、不具合スタックの
箇所と不具合の内容を表示する。図5の例においては、ストリングB
の2番目の水電解スタック11(#5)に不具合があること、当該ス
タックからの電圧が異常であること、を示している。さらに、「停止」
ボタンによって、ストリングを停止させることもできる。図5におい
てストリングBは既に停止している。 
電力分配制御システム14は、制御メニュー画面において、ユーザが
選択することができる制御メニューを表示する。図5の例においては
以下の5メニューを例示している:(a)各ストリングに対する電力
配分とその配分によるスタック劣化率の組み合わせを複数提示する;
(b)劣化予測結果に基づく各ストリングへの最適な電力配分を提示
する;(c)水素製造のために今後用いることが予定されている電力
計画を提示する;(d)不具合発生時において水素製造用電力を維持
または変更する場合それぞれにおける各ストリングへの電力配分を提
示する;(e)各スタック/ストリングの状態を表示する。 
47
ユーザインターフェースを提示するに際して、各部は以下のように動
作する:(a)水電解スタック11の劣化率は劣化率試算部145が
劣化特性にしたがって計算する;(b)各ストリングに対する電力配
分は、稼働計画策定部141が策定した稼働ローテーションにしたが
って、スタック動作割当部が各水電解スタック11の動作状態を割り
当てることによって決定する。


【図6】実施形態2に係る水素製造システム1の構成図

【結論】本実施形態1に係る水素製造システム1は、不具合スタック
の箇所、および、水電解スタック11の劣化のしやすさを示す劣化特
性に基づいて算出した水電解スタック11の劣化予測に基づいて、各ス
トリングへの電力分配を制御する。これにより、不具合スタックが発
生した場合であっても、水電解スタック11の劣化を効果的に抑制す
ることができる。
49
本実施形態1に係る水素製造システム1は、不具合スタックを含まな
い正常ストリングにおいて、不具合ストリングに対する電力供給の減
少分を、1以上の正常ストリングが分担して負担するように、稼働ロ
ーテーションを調整する。これにより、不具合スタックが発生した場
合であっても、特定の水電解スタック11のみの劣化が進行すること
を抑制できる。本実施形態1に係る水素製造システム1は、不具合ス
タックの不具合程度が小さい場合は、不具合ストリングに対する電力
供給を正常時よりも減少させた上で、その減少分を正常ストリング間
でローテーションによって分担する。これにより、不具合程度が小さ
い場合は、不具合ストリングもある程度の電力を負担しつつ、正常ス
トリングにおいて稼働ローテーションによって劣化を抑制しながら減
少分を負担することになる。したがって、正常ストリングの負担を過
剰に増加させることなく、不具合ストリングの劣化進行を抑制できる。
 51
本実施形態1に係る水素製造システム1は、水電解スタック11の劣
化特性(例えば分配方法(1)(2)(3)とともに説明した劣化特
性)にしたがって、不具合ストリングの劣化が正常ストリングの劣化
よりも抑制されるように、電力分配を調整する。例えば不具合ストリ
ングに対する電力供給量を減少させ、その減少分を正常ストリングに
おいて稼働ローテーションにより負担する。これにより、不具合スタ
ックが発生した場合であっても、劣化特性に準じて水電解スタック11
の劣化を効果的に抑制することができる。

■ 実施の形態2
図6は、本発明の実施形態2に係る水素製造システム1の構成図であ
る。本実施形態2において、各水電解スタック11は、スイッチ151
を備える。スイッチ151は、水電解スタック11を個別にON/O
FFすることができる。例えば水電解スタック11とスイッチ151
を並列接続し、スイッチ151が水電解スタック11の両端を短絡す
ることにより、その水電解スタック11に対して電圧が印加されない
ことになるので、その水電解スタック11をOFFすることができる。
スイッチ151は電力分配制御システム14が備えるスイッチ制御部
146によって制御される。 【0053】 不具合検知部3が不具合
スタックを検知すると、電力分配制御システム14は、その不具合ス
タックのみをスイッチ151によってOFFする。不具合ストリング
におけるその他の正常スタックは、不具合発生前と同じ状態で稼働継
続する。これにより、不具合ストリングに対する電力供給は、不具合
スタックに対する電力供給がなくなった分だけ減少することになる。
その減少分は、実施形態1と同様に正常ストリングがローテーション
によって負担する。実施形態1と比較すると、正常ストリングに対す
る電力配分の増加分が実施形態1よりも小さいので、正常ストリング
の劣化進行をさらに抑制できる。
54

【図7】スイッチ151に加えてダイオード152を備える構成例

図7は、スイッチ151に加えてダイオード152を備える構成例を
示す。ダイオード152は、スイッチ151ごとに配置され、スイッ
チ151に対して直列接続(水電解スタック11に対して並列接続)
されている。スイッチ151を閉じたとき(水電解スタック11をO
FFしたとき)におけるダイオード152の両端電圧は、水電解スタ
ック11に対する印加電圧と同程度となるように構成されている。
55
電力分配制御システム14は、スイッチ151によって不具合スタッ
クをOFFする。このとき、不具合発生前において不具合スタックに
対して印加されていた電圧は、ダイオード152の両端電圧として印
加されることになるので、不具合ストリングにおけるその他の水電解
スタック11に対する印加電圧は変化しない。これにより、不具合ス
トリングにおけるその他の水電解スタック11に対する印加電圧の変
動を抑制できる。ただし不具合ストリングにおける水素製造量は、不
具合発生前よりも低下する。
 図7においてはダイオード152を用いているが、水電解スタック
11が正常動作しているときの印加電圧を不具合発生時において負担
することができれば、その他の電気的負荷を用いてもよい。

■ 実施形態3
本発明の実施形態3においては、水電解スタック11の健全度をモニ
タリングした結果にしたがって、各ストリングに対する電力分配を調
整する例を説明する。健全度モニタリングは、不具合検知と近い技術
であるが、以下のように区別することができる。不具合検知は、水電
解スタック11の出力電圧・出力電流などの測定値が規定範囲外に逸
脱したことを検知するものである。これに対して健全度モニタリング
は、その測定値が正常範囲内であるとき、水電解スタック11の性能
が健全度100%時からどの程度低下しているかにしたがって、水電
解スタック11の劣化度(または正常度)を監視するものである。ス
トリングの健全度は、そのストリングに属するスタックの健全度の平
均などによって定義できる。 

図8は、本実施形態3に係る水素製造システム1の構成図である。本
実施形態3において電力分配制御システム14は、健全度監視部14
7を備える。その他の構成は実施形態1~2と同様である(図8にお
いては実施形態1と同様の構成例を示した)。健全度監視部147は、
水電解スタック11の健全度を監視する。健全度の例としては、水素
製造の効率(電解効率)などが挙げられる。健全度を表す数値は、新
品が健全度100%になるように規格化される。
電力分配制御システム14は、不具合スタックが発生したとき、正常
ストリングに対する電力配分を、健全度に応じて定める。実施形態1
においては、各正常ストリングが負担する電力配分は、経時変化を合
計すると均等である。これに対して本実施形態3においては、健全度
が高いストリングに対する電力配分を、健全度が低いストリングに対
する電力配分よりも多くする。例えば図3の分配方法(2)において、
第1ストリングと第2ストリングは健全度が100%に近いが、第4
ストリングは健全度がやや低い(例えば90%)と仮定する。この場
合、第4ストリングが負担する電流密度を例えば2.7A/cm2と
し、残りの0.3A/cm2は第1および第2ストリングが負担する
ようにしてもよい。
66
本実施形態3に係る水素製造システム1は、水電解スタック11の健
全度にしたがって、不具合発生時における正常ストリングに対する電
力配分を按分する。これにより、健全度が低いストリングの劣化が抑
制されることになるので、正常ストリングの劣化進行を均一化すること
ができる。 

■ 実施の形態4
図9は、本発明の実施形態4に係る水素製造システム1の構成図であ
る。本実施形態4においては、実施形態1~3で説明した構成に加え
て、マネジメントシステム41と分配器42を備える。マネジメント
システム41と分配器42は、水素製造システム1の一部として構成
してもよいし、水素製造システム1とは別の機能部として構成しても
よい。 本実施形態において、分配器42は、マネジメントシステム
41からの指示にしたがって、再生可能エネルギー発電設備43が発
電した電力を、水電解スタック11に対して供給するかそれとも需要
家44へ売電する(すなわち受け取った電力を送配電系統へ出力する)
かを切り替える。マネジメントシステム41は、例えば両者間の分配
比率を分配器42に対して指示する。 

マネジメントシステム41はさらに、需要家44から各種エネルギー
(電力、熱、水素など)の需要データを収集し、そのデータにしたが
って、エネルギー流通を制御する。例えば、電力需要やそれを反映し
たエネルギーのスポット価格を予測し、電力需要が大きいときは売電
比率を高め、電力需要が小さいときは水素を製造する、などの制御を
実施することができる。これらエネルギーの供給量についても同様に
データを収集し、需要と供給のバランスにしたがって上記制御を実施
してもよい。
64
水素製造システム1からの売電電力が事前申告した計画量に対して増
減した場合(すなわちインバランスが発生した場合)、売電者に対し
てペナルティ料金を課す制度が、多くの国において設けられている。
このペナルティ料金は、電力需要を反映して上下変動する場合がある。
そこでマネジメントシステム41は、不具合スタックが発生したとき、
ルールに準じてペナルティ料金を試算した上で、不具合発生前の売電
量を不具合発生後において維持するか否かを判断してもよい。売電量
を維持する場合(すなわち水素製造量を維持する場合)は、以上の実
施形態で説明した稼働ローテーションなどによって、水電解スタック
11の劣化を抑制しつつ売電量を維持する。 マネジメントシステム
41は、水素の需給データに関しても、需要のひっ迫度合を考慮し、
水素製造量を維持するかどうか(すなわち売電量を維持するかどうか)
を判断してもよい。例えば不具合スタックが発生したとき、水素需要
が大きければ、以上の実施形態で説明した稼働ローテーションなどに
よって、水電解スタック11の劣化を抑制しつつ水素製造量を維持す
る。あるいは需要家の性質上、水素製造量が減ると支障をきたす(例:
製造プラントにおいて一定程度の水素を常時必要とする)場合は、水
素製造量を維持するように分配比率を決定する。需要家が水素貯蔵設
備を有しており、ある程度の水素製造量の変動を許容できる場合は、
水素製造量を維持する要請は小さい。マネジメントシステム41は、
これらの事情に鑑みて、水素製造量を維持するか否かを定めてもよい。
66
 ■ 本発明の変形例
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形
例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説
明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構
成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構
成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、
ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。
また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置
換をすることが可能である。 非特許文献1の劣化試験において、電
流密度ゼロの時にも水電解セルには1.4V以上の電圧が印加されて
いるとの記載がある。これは水の電気分解の理論電圧(1.23V)
よりやや高く、電解反応が開始される付近の電圧値である。もし運転
中に電圧を0Vまで低下させると、逆電流が流れ、水電解セルを劣化
させる恐れがある。したがって本発明においては、水電解スタック
11に流れる電流がゼロとなる時であっても、水電解スタック11に
対して電解反応の開始付近の電圧を印加できるように、水電解スタッ
ク11に対する電力供給経路の入口にDC/DCコンバータ12を配
置した。同様の役割は、少なくとも2通り以上の電圧出力が可能な電
力変換器によって代替することが可能である。したがってDC/DC
コンバータ12に代えて、そのような電力変換器を配置してもよい。
68 
本発明は、水電解の逆反応である燃料電池にも適用できる。その場合、
水電解スタック11は燃料電池スタックに置き換わり、電力分配制御
システム14は発電分担制御システムに置き換わり、電力と水素の流
れは逆向きとなる。以上の実施形態において、電力分配制御システム
14およびその各機能部は、これらの機能を実装した回路デバイスな
どのハードウェアによって構成することもできるし、これらの機能を
実装したソフトウェアをプロセッサなどの演算装置が実行することに
よって構成することもできる。不具合検知部3、マネジメントシステ
ム41、についても同様である。 
                                            この項つづく      
--------------------------------------------------------------
※ 特開2023-18241 循環型反応器を用いた無触媒の合成メタン製造技
  術 国立大学法人東海国立大学機構
※ 特許第7216232号 水素充填設備、水素提供システム及び水素提供
   方法 三菱化工機株式会社/那須電機鉄工株式会社
尚、特許番号及び件名並びに申請者のみの記入したものは後日掲載。
-------------------------------------------------------------

  風蕭々と碧い時代


Jhon Lennone Imagine



【J-POPの系譜を探る:1972年代】
CAROL(キャロル)は、1970年代に活動した日本のロックバンド。
1972年に結成し同年デビュー、1975年解散。メンバーは矢沢永吉(ベ
ース・ボーカル)、ジョニー大倉(ギター・ボーカル)。内海利勝(
ギター・ボーカル)ユウ岡崎(ドラムス)。1970年代前半、吉田拓郎、
かぐや姫などの活躍で興隆するフォーク勢とは対照的に、マイナーな
存在に甘んじていた日本のロックシーンにとって一筋の光明となった
のがキャロルだった[95][96][97]。単なるサブカルチャーでしかなか
った日本に於けるロックという分野も、キャロルの成功によって一気
にその道が開く。それまでのロック・リスナーのメイン層はハイティ
ーンで、長髪にジーパン姿がロック・ファッションの定番であったが、
リーゼントに革ジャン姿のキャロルの登場は、コンサート会場にリー
ゼント族や女の子たちを動員させ、ロック・リスナー層を一気に"女・
子供"までに広げることに成功。日本のロックバンド「HOUND DOG」(
ハウンド・ドッグ)のボーカル、俳優、タレントの大友 康平(1951.
11.01 - )は、「70年代の唄に会いに行く: 日本がいちばん輝いてい
た時代」(週刊現代 2014.05.24)で、次のよう述べている。

 矢沢永吉さんのキャロルが出て来て日本のロックシーンは変わり
 ました。デビュー曲の『ルイジアンナ』がラジオから流れた瞬間、
 日本語でもロックはいけるんだと震えました。当時はめちゃめち
 ゃなミキシングだと批判されていたけど、今聞くとすごく新しい
 し、昔はドラムの音が前面にくるサウンドがなかったので革命的
 でしたね。

また、日本の社会学者、武蔵大学社会学部メディア社会学科教授の南
田勝也(1967-)は、、『ロックミュージックの社会学』で次のよう
に論じている。

 1960年代中後期のロック生成期において、ロックンロールとロッ
 クを隔てる最大の要因はアート指標の有無にあったが、キャロル
 はその時期を参照体系にしないで済ませた。1950年代から1960年
 代前期にかけてのロックンロールの価値観ーすなわち肉体、タフ
 ネス、成功への欲望などーに基づいたアメリカン・ドリームの幻
 想をダイレクトかつ戯画的に日本の1970年代に現出させたのがキ
 ャロルという存在だった。この方法論は何度でも通用するわけで
 はなく、その戯画的なイメージには一定の真実味がもたされなけ
 ればならない。その点で矢沢永吉は、著書『成り上がり』という
 タイトルが示すように、過酷な生い立ちに対する反骨の意志を動
 力にするという物語―極端なまでのすさんだ境遇の描写が逆に真
 実味を帯びるようなリアリティ感覚―を可能にするキャラクター
 だった。だからこそ、矢沢及びキャロルは、1970年代という時期
 にメジャー化したうえで、『ロックである』との認証を得たほと
 んど唯一の存在になり得たのである。

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう。

久しぶりに本格的な特許調査と事業開発の研究を始めだしたうえに、WBC
の決勝戦観戦で朝から夜まで、ヘトヘト状態。







 

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さぁ!自信をもって進もう②

2023年03月21日 | 量子電池

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。





    うすみどり彼岸法会のリーモートを打ち込む庭で鴬の聲
                          

 

菩提寺に今年も牡丹と
蕗の薹と鴬の法会の案内が届き、リーモート法
会案内をLINEを打ち込んでいると外では鴬の聲。        
                                     
  2020.6.15 滋賀彦根新聞
あかもん宗安寺チャンネルQRコード
※ 蕗の薹とオリーブオイルの相性は抜群、わたし達の仲みたいだ。
そういれば、「舞いあがれ」ロケ地にある松原のルヴァンベール(松
風)のオイリーな「蕗の薹
パスタ」が懐かしい。



一生のうちで、心から感動するアート作品に出会えるのは数えるくら
いだろう。David Popaが描く、雨や嵐で消えたり島の糞などによって
短時間で変化してしまうランドアート画は、まさしくその1
つ。
David Popaが使うのは天然顔料と水を混ぜた生分解性の絵具。彼が主
北欧の島々に描く絵は空からドローンで撮影して初めて、顔や幼子
クジラだとわかる。大自然を舞台にして描くのは、見る人たちに人間
の運命(生命の短さ)や日常生活で起きる奇跡、自然環境が秘めてい
る強いエネ ルギーを意識してもらうため。    

昨年の初夏、David Popaは新しいプロジェクトに挑戦した.フランス・
ボルドー地方のカントナック村にある200年以上 続く著名なワイン生
産者シャトー・カントナック・ブラウンのブドウ畑に、両手ですくう
ブドウを描いた。そのタイトルは「The Power of the earth」.ブドウの味
に直接影響 を与える土壌の力と不思議さをたたえた本作のブドウの
色には、このシャトーのワインのオリ(タンパク質やポリフェノール
類)を使った。本作の目的はもう1つある。本作をこれからNFT(非代替
性トークン)アートとして販売し、その売り上げを寄付して原 生地を
買い取り、都市化や開発から救う活動に役立てるの だ。雨で消えた本
作は、デジタルの世界に生きることになる。


【略歴】
ニューヨーク生まれのアーティスト、デビッド・ポパによるアート作
品-----生分解性プラスチック破片で大地に描く芸術作品----デビッ
ド・ポパはニューヨークで生まれ育ったアーティスト。 彼の関心は
NYC で最初のグラフィティ ライターの1人であり、後に若い頃に
彼に伝統的絵画を教えた父アルバート・ポパの-熱心な教育指導から
生まれた。



【福島第一原発事故 12年目の“新事実”】
3月11日の津波に襲われた後、最初に核燃料が溶け落ちるメルトダウ
ンをおこし、水素爆発したのは1号機。次に危機に陥ったのが3号機。
3月13日未明、冷却装置が停止。この後、現場が懸念したのは、メル
トダウン、格納容器が破壊され放射性物質が大量に放出される事態、
当時、3号機の原子炉の圧力は高く、消防車では注水できない状態。
そこで現場が行ったのは、格納容器を冷やす「ドライウェルスプレイ
」という対応。格納容器はフラスコ型の「ドライウェル」とドーナツ
状の「サプレッションチェンバー(通称サプチャン)」に分かれてい
る。

東京電力の報告書には「ドライウェルの圧力上昇を抑えるためにはス
プレイは絶対必要なんだ!消火ポンプでどの程度効果があるか分から
ないが,今はそれしかない。誰かがやらなければいけないんだ。とス
プレイに切実な期待をかけていたことが、現場の声として記録されて
いる。ディーゼルで動く消火ポンプを使い、ドライウェルを冷やすこ
とで圧力の上昇を抑え、破壊を防ぐのが狙い。スプレイを行うために
は、覚悟が必要、3号機は津波によってほとんどの電源を失っていた。
スプレイを実施に必要なバルブは中央制御室から遠隔で操作すること
は出来ない。そのため、格納容器の間近にあるバルブを直接操作しな
くてはならない。現場証言によれば、高温、高圧の蒸気が原子炉から
サプチャンに流れ、その圧力で巨大な格納容器が揺れていた。



蒸気が噴き出したら無事ではいられないかもしれない。担当者は覚悟
を決め、放射線量が上昇する原子炉建屋で作業にあたる。バルブを開
けるため、高温になっていたサプチャンに足をかける。バルブは熱く、
長くは握っていられない。そして、作業している間に長靴の底は熱で
溶ける。3月13日午前7時39分、いくつかのバルブを操作することで、
ドライウェルスプレイが実施できた。それまで上昇傾向が続いていた
格納容器の圧力も狙い通り横ばいになった。しかし、開始からわずか
20分後、テレビ会議を通じて東京電力本店から福島第一原発に、3月
12日に起こった1号機の水素爆発を引き起こす恐れがありそれを避け
たい共通認識がベントをさせる。3月13日午後9時58分には3号機では
原子炉の底が破れるメルトスルーが起こっていた。しかし、ほとんど
のパラメーターが失われる中、メルトスルーに対する共通した問題意
識を当事者たちが持つことは困難だった。



ドライウェルスプレイの停止による影響
スプレイを停止した場合の原子炉からの水素の発生量はおよそ800キ
ロ、一方でスプレイを継続していた場合水素の発生量はそれより25%
程度少ない、600キロまで抑えられるが、ドライウェルスプレイによ
って原子炉を外側から冷やすことで、結果として核燃料の温度上昇を
抑制する効果がある。すると、高温になることで活性化する水ジルコ
ニウム反応が抑えられ、水素の発生量が減るという効果があることが
示唆する解析結果があり、さらに、格納容器内にも床から1メートル
程度水を張ることが出来、メルトスルーした核燃料や格納容器そのも
のを冷やす効果も期待できるという。スプレイを継続することは事故
の悪化をくいとめる可能性があった。



ドライウェルスプレイ停止するも 守られた格納容器の謎
わずか1時間でドライウェルスプレイを止めた3号機。その後、原子炉
から2000℃を越える高温の核燃料が格納容器の床に溶け落ち、圧力の
上昇などで格納容器が破壊される恐れがあった。しかし、3号機の格
納容器内部にロボットを入れる調査などで見えてきたのは意外な事実。
1号機2号機に比べて内部にたまっている水位が最も高かったのだ。
1号機では2.8メートル、2号機では60センチ程度だった水位が、3号機
では6.3メートル。これは他の号機に比べ、3号機の格納容器が「健全
性を維持」していたことを意味する。 
 「大本営発表」と呼ばれた原発報道 私を変えたマスターのひと言
   NHK取材ノート|note



 2022年度光産業出荷額,12兆6,426億円
光産業技術振興協会は,2022年度光産業全出荷額,国内生産額調査結
果について調査結果をまとめた。この調査は同協会が1980年以来,毎
年光産業の動向調査を実施しているもので,会員企業201社に対して
調査票を発送して82社から回答を得たほか,各関連業界団体および調
査会社の協力を得て作成。それによると,2021年度全出荷額(実績)
は11兆6,497億円,成長率+0.3%,2021年度国内生産額(実績)は5兆
8,420億円,成長率▲0.2%となった。 

入出力分野は,2020年度の反動などからイメージセンサ,撮像機器な
どが回復し,全出荷・国内生産ともに大幅増加となった。半導体,自
動車関連などを中心とした設備投資の回復に伴い,レーザー・光加工
分野は,全出荷・国内生産ともに大幅に増加,センシング・計測分野
は,光センシング機器を中心に全出荷・国内生産ともにやや増加とな
った。ディスプレー・固体照明分野は,LED照明器具の2020年度減少
からの回復,マイナス成長が続いていたディスプレー素子が5G端末向
けなどの需要増加に伴って増加し,全体として全出荷・国内生産とも
にやや増加となった。情報通信分野は,5Gシステム及びデータセンタ
関連の需要増加を背景に,光ファイバ,光コネクタなどは好調だが,
光デバイスは半導体などの部品供給不足の影響により減少するため,
全出荷・国内生産ともに横ばいとなった。

     

 

 

【再エネ革命渦論 101: アフターコロナ時代 300】

 

● 
技術的特異点でエンドレス・サーフィング

”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!


【メタン資源化マッチングシステム編:

※ 特許第7239952号 食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチング
システム 株式会社ティービーエム

【要約】
下図2のごとく、メタン資源化マッチングシステム1は、食品廃棄物
の排出元に備わり食品廃棄物に関する情報を入力する第一端末装置
30と、バイオガスプラントに備わりバイオガスプラントの運転状況
に関する情報を入力する第二端末装置20と、食品廃棄物の排出元及
びバイオガスプラントを調査するサポート会社に備わり排出元におけ
る食品廃棄物に関する情報及びバイオガスプラントの運転状況に関す
る情報を入力する第三端末装置40と、食品廃棄物のバイオガス化を
統括する統括本部に設置されて食品廃棄物の排出元及びバイオガスプ
ラントにおける食品廃棄物のバイオガス化を管理する管理サーバ10
と、を備え、第一端末装置30、第二端末装置20、第三端末装置
40、及び管理サーバ10がネットワークを介して接続される。


図3.同上メタン資源化マッチングシステムの全体構成図

【特許請求範囲】
 【請求項1】 バイオマス資源である食品廃棄物及びその排出元と、
当該食品廃棄物を用いてバイオガス化を行うバイオガスプラントとを
マッチングする食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチングシステ
ムであって、 前記食品廃棄物の排出元に備わり、食品廃棄物の関す
る情報を入力する第一端末装置と、前記バイオガスプラントに備わり、
前記バイオガスプラントの運転状況に関する情報を入力する第二端末
装置と、前記食品廃棄物の排出元及び前記バイオガスプラントを調査
するサポート会社に備わり、前記排出元における食品廃棄物に関する
情報及び前記バイオガスプラントの運転状況に関する情報を入力する
第三端末装置と、食品廃棄物のバイオガス化を統括する統括本部に設
置され、前記食品廃棄物の排出元、前記バイオガスプラント及び前記
サポート会社における食品廃棄物のバイオガス化を管理する管理サー
バと、を備え、前記第一端末装置、前記第二端末装置、前記第三端末
装置、及び前記管理サーバがネットワークを介して接続される、こと
を特徴とする食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチングシステム。
【請求項2】 前記管理サーバは、 プログラムに基づいて前記メタン
資源化マッチングシステムの情報処理を実現するための制御を行う制
御部と、 データベース部と、 前記データベース部に登録済の前記食
品廃棄物の排出元における食品廃棄物の種類・性状・量と、前記バイ
オガスプラントの運転状況とを比較し、最適な食品廃棄物を特定する
マッチング判定部と、インターネットと接続され、前記第一端末装置、
前記第二端末装置及び前記第三端末装置との間でデータの送受信を行
う送受信部と、を備えることを特徴とする請求項1記載の食品廃棄物
を利用したメタン資源化マッチングシステム。
【請求項3】 前記マッチング判定部は、さらに、前記送受信部を介
して受信した食品廃棄物の種類・性状からBMP(Bio Methane Potential)、
強熱減量、炭水化物量、タンパク質量、脂質量、水分量、N(窒素)
濃度及びPHの少なくとも1つを特定し、当該食品廃棄物が炭水化物リ
ッチ、脂質リッチ、窒素・硫黄リッチ及び繊維質リッチの何れかを判
定し、当該判定に基づいて食品廃棄物及びその排出元とバイオガスプ
ラントとをマッチングする、ことを特徴とする請求項2記載の食品廃
棄物を利用したメタン資源化マッチングシステム。
【請求項4】 前記データベースには、前記プログラムとして、前記
第一端末装置及び前記第三端末装置から送信される食品廃棄物に関す
る入力データや現場写真に基づき、食品廃棄物の排出元が抱えている
食品廃棄物の種類・量・性状を把握し、前記第二端末装置から送信さ
れる使用している既存原料の種類や特性、ガス生成量又は発電状況や
リクエストに基づいて、バイオガスプラントが必要とする食品廃棄物
の種類・量を把握するためのIoT現場調査プログラムが記憶される、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の食品廃棄物を利用したメタ
ン資源化マッチングシステム。
【請求項5】 前記データベースには、さらに、前記プログラムとし
て、前記第一端末装置及び前記第三端末装置から送信される食品廃棄
物に関する入力データや現場写真に基づき、食品廃棄物のメタン収率
予測、及び前記バイオガスプラントの既存原料ほか複数資材を混合し
た場合のシナジー予測及び阻害診断を行うAIメタン資源化プログラム
と、最適なガス化促進方法とガス化促進剤の最適投入量及び効果予測
を行うAIガス化促進プログラムと、バイオガスプラントが原料とする
食品廃棄物の種類や回収量からメタンガス生成量を推算しCO2削減量
を推算してカーボンクレジット生成するためのCO2削減IT演算プログ
ラムと、の少なくとも1つが記憶される、ことを特徴とする請求項4
記載の食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチングシステム。
【請求項6】 バイオマス資源である食品廃棄物及びその排出元と、
当該食品廃棄物を用いてバイオガス化を行うバイオガスプラントとを
マッチングするためにコンピュータに各ステップを実行させる食品廃
棄物を利用したメタン資源化マッチング方法であって、前記食品廃棄
物の排出元に備えられた第一端末装置から食品廃棄物に関する情報を
受信する受信ステップと、前記バイオガスプラントに備わる第二端末
装置から使用しているメタン資材の種類・性状・量、バイオガス生成
量又は発電状況に関する運転状況を受信する運転状況受信ステップと、
前記受信ステップにおける食品廃棄物の情報、及び前記運転状況受信
ステップにおいて受信した使用しているメタン資材の種類・性状・量、
バイオガスプラントのガス生成量又は発電状況に基づいて、食品廃棄
物の排出元と、当該食品廃棄物を用いてバイオガス化を行うバイオガス
プラントとをマッチングするマッチングステップと、を含み、 前記
マッチングステップにおいては、さらに、前記受信ステップを介して
受信した食品廃棄物の種類・性状からBMP(Bio Methane Potential)、
強熱減量、炭水化物量、タンパク質量、脂質量、水分量、N(窒素)
濃度及びPHの少なくとも1つを特定し、当該食品廃棄物が炭水化物リッ
チ、脂質リッチ、窒素・硫黄リッチ及び繊維質リッチの何れかを判定
し、当該判定に基づいて食品廃棄物及びその排出元とバイオガスプラ
ントとをマッチングすることを特徴とする食品廃棄物を利用したメタ
ン資源化マッチング方法。
【請求項7】 バイオマス資源である食品廃棄物の排出元、及び当該
食品廃棄物を用いてバイオガス化を行うバイオガスプラントを管理す
るコンピュータに以下の各ステップを実行させるプログラムであって、
前記食品廃棄物の排出元に備えられた第一端末装置から食品廃棄物に
関する情報を受信する受信ステップと、前記バイオガスプラントに備
わる第二端末装置から使用しているメタン資材の種類・性状・量、バ
イオガス生成量又は発電状況に関する運転状況を受信する運転状況受
信ステップと、前記受信ステップにおける食品廃棄物の情報、及び前
記運転状況受信ステップにおいて受信した使用しているメタン資材の
種類・性状・量、バイオガスプラントのガス生成量又は発電状況に基
づいて、食品廃棄物の排出元と、当該食品廃棄物を用いてバイオガス
化を行うバイオガスプラントとをマッチングするマッチングステップ
と、を含み、前記マッチングステップにおいては、さらに、前記受信
ステップを介して受信した食品廃棄物の種類・性状からBMP(Bio Meth-
ane Potential
)、強熱減量、炭水化物量、タンパク質量、脂質量、水分
量、N(窒素)濃度及びPHの少なくとも1つを特定し、当該食品廃棄
物が炭水化物リッチ、脂質リッチ、窒素・硫黄リッチ及び繊維質リッ
チの何れかを判定し、当該判定に基づいて食品廃棄物及びその排出元
とバイオガスプラントとをマッチングすることを特徴とするプログラ
ム。
【発明の効果】
本発明に係る食品廃棄物を利用したメタン資源化マッチングシステム
は、食品廃棄物の排出元に備わり食品廃棄物に関する情報を入力する
第一端末装置と、バイオガスプラントに備わりバイオガスプラントの
運転状況に関する情報を入力する第二端末装置と、食品廃棄物の排出
元及びバイオガスプラントを調査するサポート会社に備わり排出元に
おける食品廃棄物に関する情報及びバイオガスプラントの運転状況を
入力する第三端末装置と、食品廃棄物のバイオガス化を統括する統括
本部に設置され、食品廃棄物の排出元、バイオガスプラント及びサポ
ート会社における食品廃棄物のバイオガス化を管理する管理サーバと、
を備え、これらの第一端末装置、第二端末装置、第三端末装置及び管
理サーバがネットワークを介して接続されることを特徴とする。この
構成により、メタン資源化マッチングシステムでは、残渣汚泥や食品
ロスなどの食品廃棄物の排出元、及び食品廃棄物を利用してメタンガ
ス化を行うバイオガスプラントを最適にマッチングし、バイオガスプ
ラントの稼働率向上を図り、ひいては脱炭素化社会の実現に貢献でき
る。
--------------------------------------------------------------
【水素サーキュラーシステム編:】
※ 特開2023-35461 水素吸蔵合金、水素吸蔵方法、水素放出方法及
び発電システム
国立研究開発法人産業技術総合研究所
【要約】
図5のごとく、一般式 Ti1FexMnyNbz(0.804<x≦
0.941、0.033≦y≦0.136、0<z≦0.081)で
表される組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。水素圧1.1
MPa(abs)未満で水素を吸蔵させ、水素圧0.2MPa(ab
s)以上1.1MPa(abs)未満で水素を放出させることで、水
素圧が0.2MPa(abs)以上1.1MPa(abs)未満の圧
力範囲内にて、有効水素貯蔵量を高めることができる水素吸蔵合金並
びにそれを用いた水素吸蔵方法、水素放出方法および発電システムを
提供する。


図5 例4の水素吸蔵合金のPCT曲線

【発明が解決しようとする課題】
高圧ガス保安法における高圧ガスに指定されない圧力上限は1.1M
Pa(abs)であるため、水素吸蔵合金に水素を吸蔵させる際の水
素の圧力(水素圧)は、1.1MPa未満とする必要がある。 一方、
水素吸蔵合金から水素を放出するためには、0.1MPa(abs)
の大気圧以上の水素圧が必要である。なお、absとは絶対圧のこと
である。 この、0.1MPa(abs)と1.1MPa(abs)
との間で出し入れできる水素量が一般的な有効水素貯蔵量である。

水素吸蔵合金の重要な用途として、水素を燃料として発電する燃料電
池への水素供給源としての利用が挙げられる。 燃料電池に水素を供給
する場合、特に高出力の燃料電池に水素を供給する場合は、配管での
圧力損失等が無視できない。そのため、水素吸蔵合金から放出される
水素の圧力(水素圧)は0.1MPa(abs)の大気圧を僅かに超
える程度では不充分である。高出力の燃料電池に対して必要な水素流
量を維持するためには、0.2MPa(abs)以上の水素圧が必要
とされる。 すなわち、燃料電池に水素を供給する場合には、0.2
MPa(abs)と1.1MPa(abs)との間で出し入れできる
水素量が有効水素貯蔵量となる。 

しかし、従来の水素供給合金は、燃料電池に水素を供給する観点での
検討が充分に成されておらず、燃料電池に水素を供給する際の有効水
素貯蔵量が充分ではなかった。特に、水素貯蔵量が少なくなった場合
に、必要な水素圧を維持することが困難であった。 有効水素貯蔵量
を増やすためには、水素放出時の加熱温度を高めることが考えられる
が、その場合、加熱のために大きなエネルギーを要する。本発明は、
上記事情に鑑みてなされたものであって、水素圧が0.2MPa(a
bs)以上1.1MPa(abs)未満の圧力範囲内にて、有効水素
貯蔵量を高めることができる水素吸蔵合金並びにそれを用いた水素吸
蔵方法、水素放出方法および発電システムを提供することを目的とす
る。

【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 一般式Ti1FexMnyNbz(0.804<x≦0.94
1、0.033≦y≦0.136、0<z≦0.081)で表される
組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。
[2]一般式Ti1FexMnyNbz(0.822≦x≦0.94
1、0.033≦y≦0.136、0.024≦z≦0.081)で
表される組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。
[3]前記一般式Ti1FexMnyNbzにおいて、0.8≦x+
y+z≦1.2である、[1]または[2]に記載の水素吸蔵合金。
[4][1]~[3]のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金に、水素
圧1.1MPa(abs)未満で水素を吸蔵させることを特徴とする
水素吸蔵方法。
[5]前記水素の吸蔵は、40℃以下で行われる、[4]に記載の水
素吸蔵方法。
[6]水素圧1.1MPa(abs)未満で水素を吸蔵した[1]~
[3]のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金から、水素圧0.2M
Pa(abs)以上1.1MPa(abs)未満で水素を放出させる
ことを特徴とする水素放出方法。
[7]前記水素の放出に伴い、水素圧が低下するのに応じて、前記水
素吸蔵合金を加熱し、水素圧0.2MPa(abs)以上を保つ[6]
に記載の水素放出方法。
[8]前記水素の放出は、40℃以上で行われる、[7]に記載の水
素放出方法。
[9]水素を燃料として発電する燃料電池と、前記燃料電池に水素を
供給する燃料タンクを備える発電システムであって、前記燃料タンク
には、[1]~[3]のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金が充填さ
れていることを特徴とする発電システム。
[10]前記燃料電池の出力が10kW以上である、[9]に記載の
発電システム。

【発明の効果】
本発明の水素吸蔵合金、水素吸蔵方法、水素放出方法によれば、水素
圧が0.2MPa(abs)以上1.1MPa(abs)以下の圧力
範囲内にて、有効水素貯蔵量を高めることができる。
また、本発明の発電システムによれば、高出力の燃料電池を用いても、
配管圧力損失を気にせずに、わずかな加熱で運用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一般式Ti1FexMnyNbz(0.804<x≦
0.941、0.033≦y≦0.136、0<z≦0.081)で
表される組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。
【請求項2】 一般式Ti1FexMnyNbz(0.822≦x≦
0.941、0.033≦y≦0.136、0.024≦z≦
0.081)で表される組成を有することを特徴とする水素吸蔵合金。
【請求項3】 前記一般式Ti1FexMnyNbzにおいて、
0.8≦x+y+z≦1.2である、請求項1または2に記載の水素
吸蔵合金。
【請求項4】 請求項1~3のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金に、
水素圧1.1MPa(abs)未満で水素を吸蔵させることを特徴と
する水素吸蔵方法。
【請求項5】 前記水素の吸蔵は、40℃以下で行われる、請求項4
に記載の水素吸蔵方法。
【請求項6】 水素圧1.1MPa(abs)未満で水素を吸蔵した
請求項1~3のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金から、水素圧
0.2MPa(abs)以上1.1MPa(abs)未満で水素を放
出させることを特徴とする水素放出方法。
【請求項7】 前記水素の放出に伴い、水素圧が低下するのに応じて、
前記水素吸蔵合金を加熱し、水素圧0.2MPa(abs)以上を保
つ請求項6に記載の水素放出方法。
【請求項8】 前記水素の放出は、40℃以上で行われる、請求項7
に記載の水素放出方法。
【請求項9】 水素を燃料として発電する燃料電池と、前記燃料電池
に水素を供給する燃料タンクを備える発電システムであって、前記燃
料タンクには、請求項1~3のいずれか一項に記載の水素吸蔵合金が
充填されていることを特徴とする発電システム。
【請求項10】 前記燃料電池の出力が10kW以上である、請求項
9に記載の発電システム。
--------------------------------------------------------------
※ 特開2023-32263 燃料電池発電装置 富士電機株式会社
【要約】
図1のごとく、 燃料電池21と、炭化水素系燃料を第1水素ガスに
改質する改質機器と、前記炭化水素系燃料とは異なる供給源から供給
される第2水素ガスを投入する配管24と、前記第1水素ガスを前記
燃料電池に供給するか前記第1水素ガスと前記第2水素ガスとの混合
ガスを前記燃料電池に供給するかを切り替える切り替え機構18と、
を備えることで、燃料電池の稼働率を高めることができる燃料電池発
電装置を提供する。
--------------------------------------------------------------
※ 特開2023-031449 電解質膜シートの帯状物およびその製造方法 東
  レ株式会社
※ 特開2023-028092 水素製造システム、水素製造方法 日立製作所
※ 特開2023-18241 循環型反応器を用いた無触媒の合成メタン製造技
  術 国立大学法人東海国立大学機構
※ 特許第7216232号 水素充填設備、水素提供システム及び水素提供
   方法 三菱化工機株式会社/那須電機鉄工株式会社
尚、特許番号及び件名並びに申請者のみの記入したものは後日掲載。
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  風蕭々と碧い時代



Jhon Lennone Imagine

【J-POPの系譜を探る:1971年代】

曲名:   風をあつめて  唄: はっぴいえんど 1971年
作詞: 松本 隆    作曲:   細野晴臣 

街のはずれの背のびした路地を
散歩してたら
汚点だらけの
靄ごしに起きぬけの路面電車が
海を渡るのが見えたんです
それでぼくも
風をあつめて 風をあつめて
風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を...
とても素敵な 昧爽どきを
通り抜けてたら
伽藍とした防波堤ごしに
緋色の帆を掲げた都市が
碇泊しているのが見えたんです
それでぼくも
風をあつめて 風をあつめて
風をあつめて
蒼空を翔けたいんです 蒼空を...

人気のない朝の珈琲屋で
暇をつぶしてたら
ひび割れた玻璃越しに
摩天楼の衣擦れが 舗
道をひたすのを見たんです
それでぼくも
風をあつめて 風をあつめて
風をあつめて
蒼空を翔けたいんです
蒼空を...

「風をあつめて」(かぜをあつめて)は、はっぴいえんどの楽曲。バ
ンドのフロントマンであった松本隆が作詞、細野晴臣が作曲を手がけ
た。1971年リリースのバンドの2枚目のスタジオ・アルバム『風街ろ
まん』で初めて音源化される。

楽曲は1970年当時、はっぴいえんどのドラマーの松本隆が作詞、海外
志向の強いリーダー格の細野晴臣とは裏腹に松本は日本語の歌詞にこ
だわり、全編が日本語で書かれた。楽曲が収録されたアルバム『風街
ろまん』は1964年東京オリンピックを経て近代化し失われてゆく「古
きよき日本・東京都の姿」を「風街」と隠喩し、古い街が失われる様
に対する憂いを反映。音楽ライターの小貫信昭はUta-Netの特集記事
で楽曲を取り上げ、歌の主人公が街を散歩するうち目に映った街の様
相を幻想的に表現。歌詞に登場する「路次」とは東京都港区の大門か
ら浜松町の周辺であると話す。ボーカルは作曲を手掛けた細野が執る。
作曲作業は難航し、完成したのは録音スタジオの廊下]。直前まで曲が
できていなかったため、鈴木と大滝の二人は呼ばずに録音]、ボーカ
ル部分はパンチイン・パンチアウトで録音。細野は後に「起きぬけ」
の箇所の音程を間違えたという。 via Wikipedia

● 今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう。

異常気象はなれたが、毎日、マイ・ピーシーが不機嫌で神経をすり減
らしながら、ネット・サーフィンしながら頭を整理整頓しながら作業
維持も臨界点にくる。「百鬼夜行」ではないが、失明にならないよう
に調節いながら、「さぁ!自信ををもって進もう」と鼓舞するも、日
本がメキシコに逆転サヨナラ。墓参りで大阪にいると、LINEのやりと
り。盛り上がり過ぎてもう"糸"がきれそうだ。


 

コメント
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さぁ!自信をもって進もう。

2023年03月18日 | デジタル革命渦論

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。



昨夜10時放送の最終回『大病院占拠』が終了する。何故か視聴者を引
きつける番組なのだが、時間帯が悪いのか見逃し大半ハラハラ、ドキ
ドキがだけが残り、筋書きの了解なき残り、主演の武蔵三郎役の桜井
翔と青鬼/大和耕一役の菊池風磨の技量が印象が残る(武蔵/大和と
はあの玉砕地位没した戦艦が「非勧善懲悪ドラマ」の意図している。
ところで、「P2計画」の全貌のシーンは見逃しているので最終回だけ
では"一知半解状態"(現実場面でも経験する「和かった風な態度・行
動」)。



そこでネット・サーフするとP2計画とは、感染症対策に強い関心を抱
くようになった長門(筒井真理子)が、極秘に進めていたワクチン開
発計画のことだった。長門は1年前に界星堂病院を設立し、その地下
4階に密かに研究所を設置。ホテルオシマで死亡した3人は、研究過程
でウイルスに感染して死亡。その上、長門はその中の一人・琴音(上
西星来)の遺体をワクチン開発のサンプルとして地下4階に冷凍保存。
琴音は相模(白洲迅)の婚約者だった。青鬼・耕一(菊池風磨)は、
その3人が感染したウイルスと同じものを長門に注入して長門を解放。
そのウイルスは、周囲に感染が広がれば、最悪の場合日本全国で15
万人以上が死亡するウイルスだった。耕一は自分にもそのウイルスを
注入し「問題です。目の前であなたの愛する人が死にかけています。
ですが、あなたの愛する人が死ねば日本国民1億2000万人が助かります。
あなたならどちらを選びますか? 愛する人の命か、1億2000万人の
命か」と国民に問う。そして「愛する人が多ければ私の勝ち。1億2000
万人の方が多ければ知事の勝ち。勝った方の命が助かります」と言い、
抗ウイルス薬を見せる。(via:<大病院占拠>感動の「ウソだろ」
からのまさかの展開 視聴者も「ウソだろ」(ネタバレあり)(MANT
ANWEB)- Yahoo!ニュース) 

さて、「P2計画」については理解できた。が、物語のラストで、武
蔵が家族で過ごしているシーンが描かれ、穏やかな生活が戻ってきた
かのようなシーンが流れ後、シーンが切り替わり、ある1通のメールが
映し出された。それは「ありがとうございました blue(青鬼送信を
意味する)」と書かれたメール。駿河(捜査支援分析センター(KSBC)
の情報分析官宮本茉由)はそのメールを削除し、眼鏡を外してニヤリ
と笑い、(エンドレス)シーン・ループを閉じる。



※大病院占拠』(This hospital is like a birdcage)は、2023年1月14日か
ら3月18日まで日本テレビ系「土曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラ
マ。主演は櫻井翔。 同枠で放送され、シリーズが2作製作された『ボ
イス 110緊急指令室』の制作陣が集結して製作されている。鬼の面を
被った謎の武装集団によって占拠された大病院で、休職中の刑事が、
人質を救うため犯人に立ち向かうオリジナルのサスペンスドラマ。

※百鬼夜行:いろいろな妖怪が夜にひしめき歩くこと。転じて、多く
の悪人や怪しい者が勝手気ままにふるまうこと。
使用例viaトバンク
➲宇宙は永久に怪異に充みちている。あらゆる科学の書物は百鬼夜行
絵巻物である。それをひもといてその怪異に戦せん慄りつする心持ち
がなくなれば、もう科学は死んでしまうのである[寺田寅彦*化物の
進化|1929]
➲あなたもそろそろ、眼が見えなくなって来たようだから、それだ
け、あなたのなかに住んでいる、いろいろな化物は、横行し出すはず
よ。つまり百鬼夜行ですよね[円地文子*花食い姥うば|1974]

     

 

 
【再エネ革命渦論 100: アフターコロナ時代 299】

 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!
【水素サーキュラーシステム編:水素燃料電池発電Ⅱ】
最新クリーン燃料電気航空機向けの燃料電池システムの方法及び装置
の参考事例として3件掲載する。








✔「再エネ革命渦論 96」(持続可能な製造能力③ 2023.3.6)で掲載
した、超高速水透過と脱塩を両立するフッ素化ナノチューブ技術や、
同じく、「大型航空機用燃料電池が離陸?」(2023.3.18)での Zero
Avia
社の高温陽子交換膜 (HTPEM) システム、アデレード大学の非金属
触媒などの知見なども考慮し、低コストで高密度電力、耐久性の水電
解水素製造システムが2030年までには実用化されているでしょう。


図:ダイヤモンド基板にフェムト秒レーザーパルスを1 回照射するだ
けで、NV 中心をミリメートルサイズで形成することを実現。

パルス1回の照射でNV中心を広域に形成
超短時間でダイヤモンドを超高感度量子センサに
3月14日京都大学と東海大学の研究グループは、ダイヤモンド基板に
フェムト秒レーザーパルスを1回照射するだけで、窒素-空孔(NV
中心をミリメートルのサイズで実現。
現在は、"第二次量子革命渦期”に突入している。量子力学の原理を
利用し、さまざまな物理量を高精度に計測できる「量子センサ」の研
究開発が劇的に進行。原子や分子レベルの小さな物体の挙動を観測す
ることで、現状のセンサーでは計測できなかった微弱な信号や生体内
の活動などを調べられる。大学などの研究機関だけでなく民間企業の
参入も広がり、自動車業界などに向けた量子センサの販売も始まって
いる。


図1.(a) フェムト秒レーザーパルスのパルス照射回数、フルーエン
スを変えてダイヤモンド基板に照射するための測定系。(b)照射位置
でのビームスポットの画像。(c) ダイヤモンド基板上にフルーエンス
を変えながら照射した後に観察した発光画像。各画像ともパルス数は
1 回ずつ照射。

図2.ダイヤモンド基板に直径1.1 mm のスポット径を持つレーザー
パルスを1 回照射した試料の表面観察結果. 位置を確認しやすくする
ため、基板の写真を背景に表示。

量子センシングでは物質中のスピンや原子気体を量子センサとして利
用するが、周囲の環境に影響を受けやすく、その挙動を観測すること
で高精度なセンシングを実現。スピン演算に用いる量子コンピューテ
ィングでは、この不安定さが正確な演算の妨げになっているが、量子
センシングはそれを逆手にとり優れた機能を発揮する。
さて、高感度、高空間分解能をもつ、ダイヤモンド中のNV中心を用い
た量子センサは、センサとして用いるNV中心の数を増やすほど感度が
上がり、室温で超伝導量子干渉計並みの高感度を実現できる。
【展望】
今回は大面積領域におけるNV 中心の作成を実証しましたが、今後は3
次元的に広い領域での作製実証を目指す予定です。更にそれを用いた
量子センサの高感度化も実証していきたいと考えています。ダイヤモ
ンドを用いた高感度量子センサは、極めて高い感度が要求される分野、
例えば医療機器、化学分析や、素粒子探索研究への応用など、幅広い
分野での適用が期待されている。
【書誌情報】
Masanori Fujiwara, Shunsuke Inoue, Shin-ichiro Masuno, Haining Fu, Shigeki
Tokita, Masaki Hashida, Norikazu Mizuochi (2023). Creation of NV centers
over a millimeter-sized region by intense single-shot ultrashort laser irradiation.
APL Photonics, 8(3):036108.
https://doi.org/10.1063/5.0137093

--------------------------------------------------------------
※量子センシング:量子効果を利用して物理量を計測する手法であり、
 量子そのものを計測するわけではない。従来の計測手法よりも量子
 効果を利用することにより高感度化が期待できる。極低温に冷却す
 る必要がある機種も存在する。
※ジョセフソン接合:典型的には厚さ2~3 nm以下の絶縁体を2枚
 の超伝導体により挟んだサンドイッチ構造を有する超伝導体を利用
 した微小接合素子のこと。絶縁体層が非常に薄いため、量子トンネ
 ル効果により接合間をクーパー対(超伝導状態の材料における電子
 対のこと。超伝導状態では必ずペアで運動する)が透過し、その結
 果、接合間を流れるトンネル電流には超伝導状態の特性が鋭敏に反
 映される。その特異な伝導特性はジョセフソン効果と呼ばれ、超伝
 導デバイス応用の基礎を与える。



※超伝導量子干渉計:via Wikipedia
超伝導量子干渉計 (superconducting quantum interference device, SQUID)
とは、ジョセフソン接合を含む環状超伝導体に基く、極めて弱い磁場の検出
に用いられる非常に感度の高い磁気センサの一種である。 SQUID は数日
かけて平均しながら計測すれば、5 aT (5×10−18 T) もの弱い磁場も検出で
きるほどの感度を誇る。ノイズレベルは 3 fT/(Hz1/2) という低さである。
比較に、典型的な冷蔵庫マグネットの作る磁場の強度を挙げると 0.01 テス
ラ (10−2 T) 程度であり、また動物の体内で起こる反応により発せられる磁
場は 10−9 T から 10−6 T 程度である。近年発明されたSERF原子磁気セン
サは、潜在的により高い感度を持っているうえ低温冷却が必要ないが、サ
イズ的にオーダーが一つほど大きく (~1 cm3)、かつほぼゼロ磁場下でしか
作動できないという欠点がある。


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温度によらず必要な時に力を加えて熱を取り出せる新規合金
日中に蓄えた熱を夜間に効率的に放出する等、蓄熱システムの中核技
【要点】
1.材料の蓄熱と放熱を外力で制御する技術を開発
2.任意の温度で、新規開発合金に蓄えた熱を取り出すことに成功
3.廃熱の有効利用でカーボンニュートラル実現に貢献

3月8日、産業技術総合研究所は、TiNi系相変態合金を用いることで、
従来、蓄熱・放熱ができなかった温度域で動作できる蓄熱材料の作製
手法を開発。蓄熱材料としての用途を開発してきました。これまで
蓄熱材料は、例えば水と氷のような液体と固体の相変化が利用されて
きた。しかしこのような相変化材料は、用途に合った動作温度に変え
ることが難しく、また吸熱と放熱の温度差が小さいため、高温で蓄熱
しても直ちに放出し、実際に利用したい低温まで保持できない。一方
TiNi系合金を昇温すると、固体のまま結晶構造が低温相から高温相に
相変態。また、高温相は人間の力程度の応力(数十kg程度の物体を持
ち上げる力)を加えることで低温相へ相変態可能です。相変態は潜熱
による自発的な吸・放熱を伴うので蓄熱に利用できるが、これまでの
TiNi系合金では、実用に要求される大きな潜熱が得られなかった。ま
た、吸熱と放熱の温度差による制御もできなかった。


図1.(上)応力で熱を取り出す際のイメージ図。(下)昇温により
 合金に蓄えた熱を温度が下がった際に、コイルに力を加えることで
 取り出せる。


図2.冷間圧延後に各温度で大気中、1時間の熱処理を行った試料の
DSC曲線。加熱時の高温相へ変態終了温度(▼: T3)と降温時の低温
相へ変態開始温度(▲: T2)が未処理材に比べて変化している。


図3 冷間圧延後、400 ℃で1時間の熱処理を施した合金に引張変形を
与えた場合の試料温度変化。試料は一旦60 ℃まで昇温することで蓄
熱したのち(加熱時の変態終了温度は42 ℃)、13 ℃まで降温させた。
【展望】
今後は目的に合わせて動作温度調整できるように、合金設計、加工熱
処理の最適化を進め、また、蓄熱部材としての可搬性やモジュール化
あるいは、応力動作に有効となる形状への加工自由度を活用し、コイ
ルや薄板などの種々の形状への加工による部材化を目指す。

大気中かつ室温での太陽電池の作製を実現
   低コストで簡便に太陽電池の製造が可能に
3月14日、京都大学の研究グループは、素材のSiウェハから大気中か
つ室温の工程のみで太陽電池を作製することに成功し10%を超える発
電効率を得た。作製した太陽電池は、PEDOT:PSS/Siヘテロ接合太陽電
池であり、この有機-無機ハイブリッド太陽電池では、従来のSi太陽
電池と異なり、不純物濃度の高いSiウェハを用いても発電が可能であ
ることを見出しました。それによって、電極の実装条件を大幅に緩和
することができた点が要因です。この手法は、簡便で低コストかつ高
生産速度な太陽電池の作製を可能とし、開発途上国や教育現場などを
含む幅広い用途に活用できるものと期待されます。

【展望】波及効果、今後の予定 本研究より創出された技術は、現状
において太陽電池の生産コストや生産速度面のネックとなっている、(
ク リーンルームや大型製造・加工機器といった)高温加熱、真空(
調整ガス)雰囲気中での製造工程を省略する ことができるようにな
り、これにより、高速・簡便に、低コストにて太陽電池を生産するこ
とが可能となり、太陽光発電の大規模普及につながる。さらに、過疎
地域や発開発途上国、あるいは、教育現場などを 含む幅広い用途に
活用できるものと期待されます。今後は不純物や添加物濃度の詳細な
最適化、また、光閉じ込め構造の導入などにより、更なる性能の向上
を目指していく。 

大気中かつ室温での太陽電池の作製を実現―低コストで簡便に太陽電池の製造が可能に―

【関係論文】
1.原題:“An all ambient, room-temperature processed solar cell from a
     bare silicon wafer”;素のシリコンウェハから大気中、室温で作製さ
   れた太 陽電池
2.DOI:10.1093/pnasnexus/pgad067 
3.掲 載 誌:PNAS Nexus
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 酸化スズの新しい結晶多形の合成に成功
  
  ➲人工光合成への応用に期待
3月16日、東京工業大学らの研究グループは、酸化スズの新しい結晶
多形
である、直方晶[用語2]の四酸化三スズ(Sn3O4)の合成に成功。
以前から、可視光を吸収して光触媒活性を示す安価で安定な酸化物半
導体が求められてきた。近年、そうした酸化物半導体の一つとして単
斜晶[用語3]のSn3O4が報告され、可視光照射下で水から水素を生成す
る光触媒機能をもつことが確認されている。一方、本研究で合成に成
功した直方晶Sn3O4は、単斜晶Sn3O4よりも幅広い可視光を吸収するこ
とができる。この直方晶Sn3O4は、光吸収によって生成した電子の還
元力が強いため、二酸化炭素を還元できる光触媒として、人工光合成
への応用が期待できる。 本研究では、直方晶Sn3O4を温和で簡易な水
熱法で合成することができた。さらに、水熱法の条件のうち、反応容
器内の気相酸素量を制御することで、結晶多形を作り分けることに成
功した。こうした水熱法の知見は、酸化スズの合成にとどまらず、こ
れまでに報告例のない結晶多形や新物質の合成につながることも期待
される。 本研究成果は、ドイツ化学誌「Angewandte Chemie International
Edition
」にて、オンライン版が3月13日に掲載された。


図1.直方晶Sn3O4の結晶構造(c軸方向の投影図、グレーの球がスズイオ
  ン、赤の球が酸素イオン)
【要点】
1.簡易な水熱法で直方晶の四酸化三スズ(Sn3O4)の合成に成功。
2.従来の酸化スズよりも幅広い可視光を吸収することが可能。
3.二酸化炭素を還元できる光触媒として、人工光合成などへの応用に期待。


図3.液占有率80%で合成した物質のEDSマッピング像(a)と、原子分解能
の高角度環状暗視野STEM像(b) 

【展望】  本研究では、SnPb2O4との類似性からSn3O4の結晶構造を直方晶
に帰属させたが、正方晶1]の結晶構造と極めて近いため、今後は結晶性の
高い試料の合成を試みて、精密な結晶構造解析を行う予定である。 また、
本研究の直方晶Sn3O4は、温和で簡易な水熱法で合成することができた。今
回、直方晶Sn3O4の合成成功のポイントになったのは、水熱反応条件におけ
る原料溶液の容器占有率や気相部分の酸素濃度だった。ここから得られた、
気相の酸素量がSn3O4の結晶生成・成長に大きな影響を及ぼすという知見
は酸化スズの合成だけでなく、他の酸化物の新しい結晶多形や新物質の合
成にも役立つことが期待される。
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『地域脱炭素概論:川崎市編』
※「脱炭素先行地域」の選定など2050年カーボンニュ-トラルを目指す中
で、地方自治体でも本格的に脱炭素に取り組むところが増えている。日
本の製造業の心臓、カーボンニュートラルヘまい進 川崎市は、
政令
指定都市の中で一番多く二酸化炭素を輩出している自治体だ。人

は1,538,825人(2022年1月1日時点)で百万人をゆうに超える巨大都

であり、沿岸部には日本の製造業の中心ともいえる川崎コンビナー

トが広がる。川崎市も他の自治体同様、力-ボンニュートラルを進め
ているが、工業地帯を抱えているため二酸化炭素の削減は大きな問題
だ。同市はどのようにその問題を解決じていくのか・・・。
※環境ビジネス 2023年春季号

地域産業で主要産業が工業のウエイトが大きい川崎市は二酸化炭素排
出量も多いのだろうか(下表参照)。

票1 川崎市製造品出荷額等ランキング 2018年


表2.川崎市温室効果ガス排出量の政令市ランキング 2020年度

首都圏中心部に位置し、京浜工業地帯の中核として日本経済の発展を支
えてきた川崎市。 2020年に脱炭素戦略を策定した同市は、『川崎カーボン
ニュートラルコンビナート構想』を掲げ、 産業都市として日本のカーボンニ
ュートラルヘ大きなインパクトを与えるべく、取り組みを推進する。

川崎臨対顔が説炭素への起点
世界の動きと連動し、日本国内でも多くの自治体で脱炭素へ向けた取
り組みが進む。川崎市でも2020年2月に“2050年のC02排出実質ゼロ"
を表明。2022年3月には「川崎市地球温暖化対策推進基本計画」を策定
し脱炭素化ヘの取り組みを加速する。同市では、2030年度までの温室
効果ガス削減目標を市全体で50%(2013年度比)としており、5大プロジ
ェクトとしてく再エネ〉〈産業系〉〈民生系〉〈交通系〉く市役所〉の部門ごと
に細かな計画を立てて進めている。
化学工業及び石油製品・石炭製品製造業の製造品出荷額で政令指定
都市1位の川崎市。 二酸化炭素排出量の約7割が産業系からの排出とz

なっている。
同市・環境局脱炭素戦略推進室の加藤剛史氏は「世界の社会・ビジネス
が脱炭素へ移行するなか、京浜工業地帯の中核として日本経済をけん引
する川崎市が、脱炭素社会の実現を目指すことの役割と重要性は非常に
大きいと語る。
同市において非常に重要なエリアと言えるのが川崎臨海部。石油、化学、
鉄鋼、電気など、化石資源を燃料・原料とする産業や発電所が巣積するコ
ンビナートエリアで首都圈への重要なエネルギー供給拠点ともなっている。
 「川崎市の製品出荷額の4分の3が、このコンビナートから生み出される一
方で、市内の二酸化炭素排出量の4分の3も、ここから出ています」と臨海
部国際戦略本部の篠原顕氏。川崎臨海部のコンビナートから生まれるエ
ネルギーや製品をカーボンニュートラルなものにしていくことは、同市だけ
でなく首都圏にとっても大きな意味を持つ。将来的には日本のカーボンニ
ュートラルにとっても非常に重要なことになるので、まずは、ここが脱
炭素への起点となって
いくと説明する。


出所:川崎市

2050年の目指すぺきコンビナート像
同市では2022年3月、2050年の目指すべきコンビナート像を描いた『
川崎
カーボンニュートラルコンビナート構想』を策定した。同構想の
コンセプトは
大きく3つ。1つは〈水素〉。原油や液化天然ガス(L
NG)に替わる二酸化炭素フリーの水素等
を海外から受入れ、水素を
軸としたカ
-ボンニュートラルなエネルギーを首都圏に供給していく。
川崎市では2015
年に全国に先駆け『川崎水素戦略』を策定し、水素の
利活用に関する先導的
な取り組みを実施してきた。ブルネイから海上
輸送した水素を発電利用する
実証事業(2021年3月終了)や、 レゾナ
ック(旧昭和電工)川崎事業所で使用済みプラスチックから製造した
水素をパイプラインで川崎キングスカイフロント東急REIホテルまで
輸送、ホテル内の電気や熱として使用する実証(2022年3月終了)など
も実施している。
2つ目は〈炭素循環〉。首都圏の廃プラや臨海部内外のC02など、
再資源化可能な炭素資源から素材・製品を製造する、炭素循環型コン
ビナートの形成を目指す。
そして、3つ目のコンセプトはくクリーンエネルギーのネットワーク
形成〉。将来的に生み出されるC02フリーの電気や水素をエリア内
で効率的に共有し最適化。カーボンニュートラルなエネルギーが安価
に安定的に手の届くエリアを目指すことで、脱炭素を目指す企業が集
まってくるような産業地域を実現していく。
同市では構想の実現へ向け、新たな官民協議会を立ち上げ、企業間連
携によるプロジェクトを推進。また、地域間連携でも2022年7月、隣
接する横浜市と水素等の次世代エネルギーの利活用拡大に向けた協定
を締結。さらに、2023年 1
月には、世界経済フオーラムが主導する『産
業クラスターのネットゼロ移行。イニシアティブ』に、川崎カーボン
ニュートラルコンビナートとして日本で初めて参画(市内立地企業14
社が賛同)した。同イニシアティブはカーボンニュートラルの実現へ
向け、国際的なクラスター間のノウハウ・知見を共有し、協業による
ネットゼロを目指すもの。
国際的な情報の収集と、オールジャパンとしてアピールする上での情
報発信、両面で参画を決めた。

2050年にも輝く産業エリアに
川崎市地球温暖化対策推進基本計画」の推進にあたり、川崎市では条
例の改正、新たな制度の実施へ向けた検討を進めている。
150万の人口を擁し、エネルギーの大量消費地でもある同市では 産業
部門だけでなく民生部門でも取り組みを進めることが重要だ。
民生部門では、「建築物太陽光発電設備等総合促進事業」として、住
宅用・事業用の建築物への太陽光発電設備の設置を促すとともに産業
部門においては、「事業活前説炭素化取組計国書・報告書制度」の導
入に向けて取組を進める。
2050年へ向けては、「カーボンニュートラルをコストではなくチャン
スと捉え、新しいビジネスを生み出すことが、国内だけでなく国外に
対しでも訴求できるような産業への変革に繋がります。
2050年のカーボンニュートラルは国策でもありますので、そうなった
社会でも、川崎市の産業エリアが引き続き輝ける存在であるよう、市
として支援していきたい」と篠原氏。
一方「川崎市ぱ住工共生のまぢ」と話す加藤氏。「川崎市は、大企業
だけではなく、内陸部の多くの中小企業にも支えられています。カー
ボンニュートラルが進んだ世界でも、そうした中小企業がしっかり立
地し機能していけるまちであれるよう、取り組んでいきたいと川崎市
は話す。


 
  風蕭々と碧い時代


Jhon Lennone Imagine



【J-POPの系譜を探る
1970年代
忌野清志郎&仲井戸麗市  『宝くじは買わない』
「宝くじは買わない」は、RCサクセションのデビューシングル。1970年3月5日
発売。発売元は東芝音工。ハ長調。作詞&作曲は忌野 で作詞は 肝沢幅
一との共作。RCサクセション(RC SUCCESSION)は、忌野清志郎を中心と
して結成された日本のロックバンド。「King of Rock」「King of Live」の異名
をとるなど「日本語ロック」の成立、現在日本で普通に見られるロック・コン
サート、ライブ・パフォーマンスのスタイルの確立に大きな影響を及ぼした。
1991年より無期限活動休止状態に入ったまま復活することはなく、2009年
に忌野の
死去しにより、事実上バンドは解散。
 1951年〈昭和26年〉4月2日 - 2009年〈平成21年〉5月2日)は、日本
のロックミュージシャン、俳優。本名:栗原 清志。
血液型A型。 RCサクセションを筆頭に、忌野清志郎 & 2・3'S、忌野
清志郎 Little Screaming Revue、ラフィータフィーなどのバンドを率い、
ソウル・ブルースを下地にしたロックサウンドを展開。そのステージ
上における圧倒的な存在感と、1983年に発表されたRCサクセションの
ライブアルバム「THE KING OF LIVE」の印象から、ザ・キング・オブ・
ロックの異名を取った。アニメ監督の西久保瑞穂は従弟、消しゴムハ
ンコ作家の百世は娘にあたる。



仲井戸麗市  『アメリカン フットボール』
https://youtu.be/4RHSWoOo7xo
東京都新宿区生まれの新宿育ち。実家は印刷業を営んでおり、従業員
の「クボさん」が昼休みにギターやウクレレを弾き歌っていたのに興
味を持ち、ギターを始める。新宿の喫茶店で開かれていた「グリンカ
マンドリンクラブ」でクラシックギターを松浦先生に3年間習う。ス
テージ・ネームの「麗市」は彼が敬愛するフォーク・シンガー、ドノ
ヴァン・フィリップ・レイチのファミリー・ネームから取った(ただ
し以前は「Reiichi」「れいいち」とクレジットされていた)。妻は
写真家のおおくぼひさこ。 10代前半でビートルズ、エレクトリック・
ギターと出会う。ブルースやソウルの偉大なミュージシャンたちに深
く傾倒し、ギター演奏やボーカルスタイルに影響を受けている。ソロ・
ミュージシャンとしての活動と並行して取り組んでいるポエトリーリ
ーディング(詩の朗読会)も活動の柱の一つである。 文筆家であり、
発表作品のライナーノーツには、長めの文章を仲井戸自身が書き下ろ
すことがよくある。


破廉 ケンチ(はれん けんち、1951年9月19日 - )は、日本のフォー
ク、ロックミュージシャン。本名 桶田賢一。RCサクセション時代の愛
称は「ケンちゃん」。九州出身。中学時代に国分寺市立第三中学校に
転校し、忌野清志郎、小林和生らと出会う。1966年に忌野、小林と共
にバンド「ザ・クローバー」を結成。ザ・クローバーは後の1968年に
RCサクセションとなる。主にアコースティック・ギター(リード)を
担当。コンサートでの毒舌は忌野と双璧をなしていた。RCのセカンド
アルバム「楽しい夕に」には彼の数少ないソロ・ヴォーカル曲「忙し
すぎたから」が収録されている。 RCの不遇時代には福生で三浦友和と
同居していた。次第にバンドがそれまでのアコースティックサウンド
から、エレクトリック・ギターを前面に押し出したサウンドへと移行
する中、1976年頃にはエレキに上手く順応することができないことな
どから鬱状態となり、アルバム『シングル・マン』リリース後、RCを
脱退した。その後は加藤和彦のマネージャーなどを歴任・存命。

●今夜の寸評:(いまを一声に託す)さぁ!自信をもって進もう。


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大型航空機用燃料電池が離陸?

2023年03月18日 | 環境リスク本位制

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。


via Plantia
【吾がハーブ愛:コリアンダー編】
コリアンダーは、地中海沿岸部を原産地とするセリ科の植物。高さは
60~120cmほどであり、光沢のある緑色の葉は成長するとともに裂け
て羽のようになります。また、初夏には淡い紅色や白色の花を咲かせ
る。生の葉や未成熟の実には独特の強い香りがあり、その臭いはカメ
ムシやにも例えられ、コリアンダーの語源にも「koris(虫)」とい
う言葉が含まれるが、乾燥させることによってレモンとセージを合わ
せたような爽やかな香りへと変化。現在ではタイ料理や中華料理の香
味付けに用いられるなど、エスニック料理には欠かせない。また、ヨ
ーロッパではコリアンダーの種子が主にスパイスとして利用され、独
特の強い香りを持つ葉に比べて、種子には甘くスパイシーな香りがあ
り、薬効の面からは葉より種子の方が多く用いられるとか。


出所:みんあのきょうの料理

コリアンダーのエスニックサラダ
コリアンダーの香りが存分に楽しめ、シンプルなサラダ。鶏のから揚
げや冷ややっこ、ラーメンなどにトッピングも。
------------------------------------------------------------
✔ 
きょうは晴天なのに急に風が強くなり冷え込み低気圧が列島を西
 から横断するため明日は雨が降るかもしれないが、午後から、裏庭
 にコロアンダーとフェンネルの種を蒔くが、コリアンダーは初めて
 の栽培となる。「露地栽培法」は有山式(栽培土質はことなる/苦
 土石灰を適量加えている)
の二回目の採用となる。初回は、掲載し
 たラベンダーとゼラニウムである。
-----------------------------------------------------------
生の葉は、主に中華料理や東南アジア料理において、肉・魚料理の臭い
消しや、スープ、粥、麺などの薬味として利用されています。相性の
良い食材には、にんにく、ミント、レモン、とうがらし、しょうが、
ココナッツなど。また、種子はカレー粉の原料となるほか、丸ごとピ
クルスにするなどの利用法もあるとか。また、口臭を予防する効果、
精神を安定させる効果、胃の健康を保つ効果があるとか。
via わかさの秘密




ZeroAvia 世界最大水素電気エンジン航空機が航空歴史を作る
3月 9日 、 ZeroAvia社は、同社の高温陽子交換膜 (HTPEM) システム
のテストで記録破りの性能を達成。 同社の英国の研究開発拠点での
加圧 20kW HTPEM スタック電源モジュールの初期テストで、セル レ
ベルで記録的な 2.5 kW/kg 比出力が実証され、今後 24 か月で 3+
kW/kg システム レベル密度への道が開かれた。
--------------------------------------------------------------
【要点】
・世界初の加圧 HTPEM 燃料電池が記録破りの出力密度を達成
・大型のターボプロップおよびリージョナル ジェットのアプリケー
 ションのロックを解除
・10年以内に単一通路のゼロエミッション航空機のロックが解除
--------------------------------------------------------------
航空用の燃料電池技術の開発は、真のゼロエミッション商用飛行を可
能にするために重要であり、大型の固定翼航空機や回転翼航空機など
のエネルギー集約型の用途では、商用化を実現するために燃料電池ス
タック内の温度と圧力を高める必要がある。実行可能な製品。温度と
圧力の上昇により、空冷が可能になり、冷却抵抗が減少し、システム
が簡素化され、最終的にはより要求の厳しいアプリケーションが可能
になる。



同社の開発チームは、加圧HTPEMシステム、非常に挑戦的なHTPEM環境
でのアルミニウム バイポーラ プレートの使用を可能にする革新的な
導電性コーティング、および高度な膜電極アセンブリ (MEA) への新
しいアプローチを提供することにより、前例のない深い技術的ブレー
クスルーを実現。
同社が保有する技術は、燃料電池航空向けの重要な技術の社内ポート
フォリオ構築するための集中的な取り組みの一環として、過去3年間
にわたって開発されてきた。さらに研究開発により、燃料電池システ
ムの比出力が 3kW/kgを超え、従来の燃料電池技術に比べて性能が大
幅に向上、大型航空機で燃料電池推進が商業的に実行可能となる。
具体的には、HTPEMシステムは、40 ~ 80席の航空機向けの同社のパ
ワートレインや、さまざまな回転翼航空機および eVTOL アプリケーシ
ョンをサポートする主要候補である。この次世代の燃料電池は、ボー
イング737やエアバスA320などの100席以上の単一通路ターボファン航
空機の電気推進システムを実現するのにも十分。ZeroAviaシステムで
使用されるコンポーネントは、主要な米国エネルギー省の国立研究所
を含むいくつかの独立した研究所で、サードパーティの独立したテス
トを通じて既に検証されている。この試験により、HTPEMシステムが
大型航空機用の大型水素電気パワートレインの開発を加速する可能性
が確認された。
同社の最近の画期的な 19席航空機の初飛行では、低温 PEM (LTPEM)
燃料電池システムが利用。今日の LTPEM システムは、これらの小型
航空機のサブメガワット規模ではうまく機能するが、スタック コア
の温度が低いため、大型システムから熱を除去することが難しくなる。
HTPEM技術は、燃料電池システムから多くのコンポーネントを排除し、
冷却抵抗を低減することで、商用に適したペイロードと航続距離を実
現。 また、同社のHTPEMは耐久性を高め、航空会社の運用コストをさ
らに削減する。


出所:ZeroAvia via CISION
ZeroAvia CEOの Val Miftakhov氏は、水素燃料電池推進は、既存のエ
ンジンに代わる最も環境的で経済的な代替手段であり、HTPEMは、こ
れらの利点を大型の航空機カテゴリに提供するための最も有望なルー
ト。現在の実証は、長期的には、すべてのカテゴリーの航空機にゼロ
エミッション飛行を提供。水素航空への関心は、ここ数か月で大幅に
高まっている。水素燃焼エンジンは、飛行中の炭素排出量を削減に開
発されているが、航空機が気候に及ぼす二酸化炭素以外の排出の影響
を維持または増加させるという、深刻な環境ペナルティに直面。EASA
のレポートによると、これらの 二酸化炭素 以外の影響は、炭素排出
量だけの場合の2倍の気候への影響があると考えられている。さらに、
非燃焼の水素電気アプローチにより、最新の燃焼エンジンに固有の極
端な材料応力が排除され、保全維持経費の大幅削減され、水素電気推
進の経済性がさらに向上できる。 ZeroAviaのHTPEM システムの開発は、
航空宇宙技術研究所 (ATI) を通じて英国政府が支援する HyFlyer II
プロジェクトによって部分的にサポートされていると話す。
【関連特許】
US2021015783A1 統合された水素電気エンジン ZeroAvia, Inc
【要約】空気を含む統合水素電気エンジン コンプレッサーシステム
で水素燃料源で、燃料電池スタックである 水素燃料源との流体連通
における熱交換器 燃料電池スタックと、空気を支える細長いシャフ
ト 圧縮機システム、燃料電池スタック、および熱交換器。そして 燃
料と電気的に連通して配置されたモーターアセンブリ セルスタック。


【関連技術情報】
※高温プロトン交換膜燃料電池用の高分子膜:最近の進歩と挑戦
(via J-GLOBAL ID:201102292522607836 )
プロトン交換膜燃料電池(PEMFC)は効率的な発電に関係する21世紀の
有望な技術と考えられている。現在では,高温プロトン交換膜燃料電
池(HT-PEMFC)の方に幾つかの利点があるとされている。例えば,プロ
トン伝導率が高いこと,燃料浸透性が低いこと,電気浸透抗力係数が低
いこと,化学/熱安定性が良好なこと,機械的性質が良好なこと,及びコ
ストが低いこと,である。
これらの特徴があるため,HT-PEMFCは低温プロトン交換膜燃料電池よ
りも広く使用されるようになってきた。後者には一酸化炭素による被
毒,熱管理,水による溶出等の点で一定の限界がある。本レビューでは
,HT-PEMFCを開発する必要性,技術的制約,及び最近の進歩を検証した。
PEMFCを高温で操作するという基本的な要求を満たすために,スルホン
化炭化水素系高分子,酸-塩基系高分子及びポリマブレンドのような種
々の系統の高分子が解析されてきた。HT-PEMFCの性能に及ぼす無機添
加剤の影響も綿密に調べた。高分子の合成,膜の作成と物理化学的キ
ャラクタリゼーションについても詳細に論じた。高分子膜のプロトン
伝導率及び電池性能は高温処理することにより改善される。機械的性
質や保水性も著しく改善された。しかし,高分子の熱及び化学安定性
の最適化,酸の取扱い,及び電極と膜の間の統合境界面,のようなある
種の領域での改善を見通してさらに研究を行う必要があると報告され
ている。

※高温プロトン交換膜形燃料電池の電池性能と耐久性に及ぼす操作
 温
度の影響(J-GLOBAL ID:200902233675134320)
高温プロトン交換膜形燃料電池(HT-PEMFC)の操作温度と電池耐久性の
関係を,劣化機構により検討した。長期耐久性試験を,150,170,および
190℃において,リン酸をドーピングしたポリベンズイミダゾール電解
質膜を有するHT-PEMFCに対して行なった。より高い温度ではより高い
電池電圧がもたらされるが,電池寿命が短くなることがわかった。
長期試験中の約20mVの電池電圧の低下は,電力発生初期段階での電極
触媒粒子の凝集と,さらには,電池温度に関係なく起こる,最終段階で
のリン酸の消耗によるクロスオーバの影響に原因があると考えた。
実際の利用のための,長期耐久性の増進は,リン酸の移動の有効な管理
により,達成できると考えられる。

     





 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”宣言!
【水素サーキュラーシステム編:水素燃料電池発電】
最新クリーン燃料電気航空機向けの燃料電池システムの方法及び装置
の参考事例として3件掲載する。
--------------------------------------------------------------
1.特許537431号 クリーン燃料の電気航空機のための軽量、高出力
 密度の耐障害性燃料電池システムの方法および装置 アラカイテク
 ノロジーズ コーポレーション モリソン、ブライアン、ディー
【要約】
実物大のクリーン燃料電動航空機のための軽量、高出力密度の耐障害
性燃料電池システムの方法および装置であって、複数の水素燃料電池
から電子を収集して、複数のモータおよびプロペラアセンブリのそれ
ぞれの電圧およびトルクまたは電流の量および分配を、選択および制
御するように構成されるオートパイロット制御ユニットによって命令
されるモータコントローラに電圧および電流を供給するように構成さ
れる電気回路を使用して、ターボチャージャ、スーパーチャージャ、
ブロワ、または酸素の局所供給によって圧縮された空気からのガス状
酸素および熱交換器によって変換された液体水素からのガス状水素を
処理するために連動して動作する複数の燃料電池を含む燃料電池モジ
ュールを有し、電気回路から戻る電子は圧縮された空気中の酸素と結
合して酸素イオンを形成し、次いで、プロトンが酸素イオンと結合し
て、H2O分子および熱を形成する。

代表図
【特許請求範囲】ここでは請求項1のみ掲載。
クリーン燃料航空機のための軽量、高出力密度の耐障害性燃料電池モ
ジュールであって、 1つまたは複数の熱交換器およびターボチャー
ジャまたはスーパーチャージャ、ブロワ、コンプレッサ、または空気
または、酸素の局所供給またはそれらの組み合わせを有する1つまた
は、複数の酸素供給機構と流体連通する複数の水素燃料電池であって、
前記複数の水素燃料電池の各水素燃料電池が、各水素燃料電池に配置
され、各水素燃料電池内のガス状水素(GH2)を、前記各水素燃料
電池に接続されたアノードバッキング層を通して迂回させるように構成
され、プロトン交換膜(PEM)のアノード側にさらに接続されるア
ノード側触媒層に接続されるアノードガス拡散層(AGDL)を有す
る第1のチャネルアレイを有する、水素フローフィールドプレートで
あって、前記アノード側触媒層が、前記GH2に接触し、前記GH2
をプロトンおよび電子に分割するように構成される、水素フローフィー
ルドプレートと、各水素燃料電池に配置され、前記各水素燃料電池に
接続されたカソードバッキング層を通して各水素燃料電池内の圧縮さ
れた空気を迂回させるように構成され、前記PEMのカソード側にさ
らに接続されるカソード側触媒層に接続されるカソードガス拡散層
(CGDL)を有する第2のチャネルアレイを有する、酸素フローフ
ィールドプレートであって、前記PEMが、ポリマを含み、プロトン
が前記アノード側から前記カソード側に浸透することを可能にするが、
前記電子を制限する
ように構成される、酸素フローフィールドプレートと、前記アノード
側の触媒層から電子を収集し、航空機コンポーネントに電圧および電
流を供給するように構成される電気回路であって、前記電気回路から
戻る電子が、圧縮された空気中の酸素と結合して酸素イオンを形成し
、次いで、前記プロトンが酸素イオンと結合して、H2O分子を形成
する、電気回路と、各水素燃料電池から、前記H2O分子および前記
圧縮された空気を除去するために、前記第2のチャネルアレイを使用
するように構成される前記酸素フローフィールドプレートの流出端と、
各水素燃料電池から排気ガスを除去するために、前記第1のチャネル
アレイを使用するように構成される前記水素フローフィールドプレー
トの流出端であって、それによって、フローベクトルを有する前記複
数の水素燃料電池のそれぞれの内部にサブコンポーネントを配置し、
前記複数の水素燃料電池を、部品点数を削減したモジュール式に組み
合わせることができる耐障害性ユニットを形成し、燃料電池モジュー
ルによって生成される電力と燃料電池モジュールの重量との比率を、
航空パワートレインに適合したキログラムあたり少なくとも1キロワッ
トにする、前記燃料電池モジュール内で整列された1つまたは複数の
燃料電池スタックに組み立てることを可能にする、水素フローフィー
ルドプレートの流出端とを有する、複数の水素燃料電池を備える、燃
料電池モジュール。



図1A マルチモード熱エネルギ伝達および関連するコンポーネント
のための統合システムを制御する論理を含む、本発明を実施するため
の例示的なシステムブロック図

2.特許527855号 燃料電池システム、その使用及びその動作の方法
ブルー ワールド テクノロジーズ ホールディング アンパーツセルス
ケープ マッヅ バング アナス リスム コースガード
【要約】下図2aのごとく、 燃料電池システム、例えばHTPEM燃
料電池において、燃焼器(7)からの排出ガスを、特に通常動作中に
改質器(6)を加熱するために改質器(6)に、又は始動状況におい
て、改質器(6)を加熱し始める前に燃料電池スタック(16)を
加熱するために改質器を迂回するように選択的に案内することによる
弁システム(8)が採用される。任意に、コンパクトな燃焼器/改質
器ユニット(1)が提供される。

【符号の説明】
 1 燃料電池システム 2 燃焼器7のためのメタノール入口 2a メ
タノール入口2からチャンバ7aへのメタノールの流れ 3 燃料電池
16のアノードからのオフガスのための燃焼器入口 3a アノードオ
フガス 4 オフガス又は燃料を燃焼器7内に噴射するための噴射マニ
ホールド 5 メタノール噴射ノズル 6 改質器 6a メタノールを水
素に改質する、メタノールから水素へのための改質器6内の触媒 6b
改質器壁 6c 改質器の内側円筒壁 6d 改質器6の外側円筒壁 7
燃焼器 7a 燃焼器チャンバ 7b 燃焼器壁 7c 燃焼器端部壁 8
迂回弁 39a 迂回弁8の閉鎖部材 9 煙道ガス出口導管 10 燃焼
器/改質器ユニット 10a 燃焼器壁7bと内側改質器壁6cとの間
の熱交換チャンバ 10b 燃焼器壁7bと内側改質器壁6cとの間の
空間 10c ハウジング43と外側改質器壁6dとの間のさらなる空
間 11 迂回弁8のためのアクチュエータ 12 燃焼器チャンバ7a
から交換チャンバ10a内への煙道ガス導管 12’煙道ガス導管12
内の開口部 12A さらなるガス導管 迂回13 煙道ガスチャンバ
13a 煙道ガス 14 煙道ガス13aと冷却回路22との間の熱交
換のための熱交換器 15 冷却ループ2内の液体のための循環ポンプ
16 燃料電池 17 空気圧縮機 18 例えば、バッテリの加熱のた
めの補助熱交換器 139a 例えば、車室又は他の機器の加熱のため
の補助熱交換器 19 改質器のための水投入供給部 20 改質器のた
めのメタノール投入弁 21 始動燃焼器20のためのメタノール投入
弁 22 燃料電池のための一次冷却回路 23 メタノールタンク
24a 合成ガス生成のためのメタノール/水混合物のための改質器
入口 24b 合成ガスのための改質器出口 25 冷却ループラジエ
ータ 26 バッテリ冷却器 27 凝縮器 28 改質器のためのメタノ
ール/水混合物を蒸発させるための蒸発器 29 カソードのための空
気を予熱するための熱交換器 30 燃焼器7のための空気を予熱する
ための熱交換器 31 燃焼器7のための空気入口 32 空気入口31
から燃焼器チャンバ7aへの空気流

3.特許7165206号 膜-電極アセンブリを製造する方法及びそのため
 の機械 ブルー ワールド テクノロジーズ ホールディング アンパー
 ツセルス バン・マット、ポーク・ヤコブ
【要約】
図5野如く、膜-電極アセンブリを製造する方法及びそのための機械。
膜-電極アセンブリ(MEA)を製造する方法では、液体電解質でド
ープされた膜材料の準エンドレスストリップが電極でラミネートされ、
ストリップの縁部領域および電極間の間隔が押圧されて、余分な電解
質が排出される。


図5.(a)膜のみが存在し電極が存在しない領域を圧縮するための
第2のカレンダー処理ステーションにおけるローラの設計、および(
b)ラミネートステーション後のMEAロールの一部の図。


図1.MEAのロールはナイフ13によって切断され、単一のMEA
14を有するシートが形成され、これらはコンベアベルト15上で組
立テーブル16に移動される。組立テーブル16は、高さが調整可能
である。燃料電池スタック用のエンドプレートは、マガジン17から、
ガスケット付きバイポーラプレートはマガジン18から供給される。
さらに、ボルト19が対応するコンベアによって届けられる。

✔今夜は、 ZeroAvia社は、同社の高温陽子交換膜 (HTPEM) システム
のテストで記録破りの性能を達成ことの最新情報から、急遽、水素燃
料電池発電の情報収集に終始した。実はというと1995年~2000年の間
に、メタノールの小型高分子 燃料電池の調査研究をを行っている(正確
期間は思い出せないが、リコー当たりが先行していたと思うが、①一酸化
炭素による触媒毒、②メタノールの保管・管理(火災禍)に難点があり、③
白金を触媒としていたので「持続可能な製造能力」という側面から問題が
残っている。とはいえあれから20数年後ここまで開発研究が進んできたこと
を再確認する。
                                      この項つづく
--------------------------------------------------------------------------------------------

【ウイルス解体新書 164



序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学

第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第1節 国の動向と対策の特徴
第2節 生物多様性と新興感染症リスク 五箇公一※
この3年間のコロナ禍から私たちが学ぶべきこと
---------------------------------------------------------------
今回の五箇先生のコラムは、生物多様性と新興感染症の関係について。
人間の活動による環境破壊とパンデミックには密接に関わりがあり、
新型コロナウイルスの感染拡大は、「起こるべくして起こった」と五
箇氏。感染症リスクを防ぐために何か必要なのか?
※出典:環境ビジネス 2023年春季号
---------------------------------------------------------------
1.人間社会を脅かす新興感染症問題
 2020年1月から始まった新型コロナ・パンデミックは4年目に入った。
この3年間で私たち人間は、改めて感染症の恐ろしさを思い知ること
となった。今回の新型コロナウイルスのように新たな病原体が人間社
会を突如襲うという問題は今に始まったことではない。
 1970年代以降、「新興感染症」といわれる、これまでに人間社会で
確認されてこなかった感染症の流行が増加しており、その病原体の大
部分が野生動物由来、すなわち人獣共通感染症ウイルスとされる。そ
して、人獣共通感染症が急速に増加している背景には、人間活動によ
る生態系の急速な改変、およびそれがもたらす人と野生勣物の距離の
接近があると議論されている


図1.新型コロナウイルスおよび中国・東南アジアにおける
   野生動物由来のコロナウイルスのRBDタンパク質配列系統樹
Temmam et al, 2022, Nature,https://doi.or9/10.1038/s41586-022-04532-4
    より抜粋
゜改変)

 例えば、AIDSの病原体となるヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、D
NA分析の結果から、もともとアフリカの霊長類に感染していたサル
免疫不全症候群ウイルス群(SIvs)が宿主転換を繰り返す中で突然変異
を起こして、サル類からチンパンジー・ゴリラなどの類人猿への感染
を経て、人間に感染するウイルスに進化したと報告されている。アフ
リカの原住民がこれら霊長類を狩猟の対象として接触・摂食したこと
が感染および流行の契機になったと考えられている。
 1970年代以降に西アフリカで流行を繰り返しているエボラ出血熱は
コウモリが自然宿主と考えられている。野生コウモリを捕食するとい
う習慣を通じて、あるいはコウモリから家畜動物を介して、ヒト型に
変異したウイルスの流行が始まったとされる。

2.新型コロナウイルスの起源推定
新型コロナウイルスSARS-COV-2も野生動物由来であると推定されてお
り、これまでに中国、カンボジア、タイなどアジア地域に生息するさ
まざまなキクガシラコウモリ属のコウモリ種からSARS-COV-2関連のウ
イルスが報告されている。中でも中国・雲南省で捕獲されたキクガシ
ラコウモリ類が保有するRaTG13というウイルス系統が、全ゲノムレベ
ルで新型コロナウイルスに最も近縁とされる。


 Temmamら(2022)は、さらに細かく新型コロナウイルスの直接の起
源を探るべく、ヒト細胞に感染する上で重要な役割を果たすスパイク・
タンパク配列の相同性に注目した。東南アジアにおいてキクガシラコ
ウモリ類およびセンザンコウに感染するコロナウイルスを調査した結
果、RaTG13と比較してスパイク・タンパクの受容体結合ドメイン(R
BD)配列がより新型コロナに類似したウイルス系統を複数検出して
いる(図1)。
 以上の結果から、新型コロナウイルスの直接の宿主は、2023年2月現
在まだ特定されていないが、新型コロナウイルスの前駆体となるウイ
ルス群がアジア地域のコウモリやセンザンコウなどの野生動物集団の
中で、循環と進化を繰り返していたと考えられる
 近年、中国および東南アジアにおいては経済発展が著しく、道路開
発や鉱床掘削、農地拡大を目的とした森林伐採が急速に進んでいる。
野生動物とコロナウイルスの共生圈に人間が侵食したことで、たまた
まヒト型に進化した新型コロナウイルスが人間へのスピルオーバー
自然界からのウイルスの漏出)のチャンスを得てしまったと推察され
る。
 野生生物の世界には菌類や細菌類、ウイルスなどさまざまな病原体
微生物が存在する。人間側の都合から考えれば、病原体は厄介な存在
にしか映らないが、彼らもまた生物多様性の一員として、太古の時代
より、野生生物集団の中で進化を繰り返しており、重要な生態系機能
を担ってきたと考えられる。
 すなわち、病原体は、自然界において、特定の生物種の集団サイズ
が超過し、生態系のバランスを崩すような事態が生じた時に、そうし
た生物集団に対して寄生もしくは感染することで、集団サイズを調整
するという内なる天敵としての機能を示すと考えられる。また、病原
体と宿主間における病原性と免疫力の軍拡競争型共進化などの相互作
用は、病原体および宿主生物双方の多楡既に関わる重要な進化駆動力
であったとされる。
 ウイルスをはじめとする病原体も含めて地域ごとに生態系が構成さ
れており、多様性と持続性が保たれている。今、人間社会を襲う新興
感染症問題をもたらしているのは病原体ではなく、病原体の揺龍とも
言うべき自然生態系をかく乱している人間活動にあると考えなくては
ならない。自然環境が破壊され、病原体と野生動物の共生圈が撹乱さ
れる中で、ウイルスの宿主転換が繰り返されて、一部がヒト型へと進
化を果たし、人間社会に重大な健康被害を及ぼす結果となっている。
 今後、新興感染症リスク拡大させないためには、ウイルスを含む生
物多様性の保全をはかることが、人類共通の喫緊の課題となる。我々
の生息エリアとウイルスの生息エリアの双方を保全し、不可侵の共生
関係を築くことが、これからの安心・安全な人間社会の持続的な発展
には欠かせないであろう。

新型コロナウイルス感染症から得る経済学・社会学的示唆
 新型コロナウイルスが、感染症史上最速と言っていいほど急速に全
世界に拡大した背景には、ウイルス自体の感染力の強さに加えて、過
度に進行したグローバル経済があると考えられる。
全世界に張り巡らされた高速の人流ネットワークとオーバー・ツーリ
ズムに便乗して、このウイルス感染はアマゾンの奥地や南北の極地に
まで瞬時に広がった。
 効率性が優先されるグローバル経済においては、農業・工業問わず
多くの製品生産が製造コストを低く抑えられる地域に集中しており、
医療用品の大部分も多くの国がグローバル・サプライチェーンに依存
していた。そのため新型コロナによって流通が停滞するとともに需要
が沸騰し、全世界がマスクや人工呼吸器不足に陥り、感染者数の急増
に対して治療が追いつかず、医療体制が脆くも崩壊する事態につなが
ったと考えられる。 
 らにこの経済および医療の危機は、多くの国々をナショナリズム(
自国優先主義)に走らせ、天然資源やワクチンの買い占め、利益の独
占など、国および個人の経済の優先が加速することで、国および国民
の間の格差・不平等を一層拡大させる結果を招いた。貧困により医療
を受けられない人、あるいは感染リスクの高い仕事に従事せざるを得
ない人など、社会的弱者に対して新型コロナウイルスは容赦なく襲い
かかり、感染拡大に拍車をかけたとされる。


図3 生態系ピラミッドの崩壊と新興感染症ウイルス
自然生態系では、各生物種が利用・消費できる資源量に応じて、その
バイオマス(生物量)が制限されており、ピラミッド構造が形成されるこ
とで安定した循環システムが維持される(上)。
しかし、人間は化石燃料を利用してエネルギー補填および生活物資の
生産を行い、巨大なバイオマスとして生態系の頂点に君臨することで
生態系のバランスを崩し、様々な地球環境問題を引き起こしている。
その結果、密度超過となっている人間集団に対して天敵として新興感
染症ウイルスが進化してくることとなる(下)
via Goka K,2023,Global Joumal of lnfectiousDiseases and Clinical Research,
in press

新興感染症と地球環境問題
 地球レベルの生態系システムという巨視的視点に立てば、この新型
コロナウイルスのパンデミックも、起こるべくして起こった自然現象
と捉えることができる。本来の自然生態系では、外界から供給される
エネルギーは太陽光エネルギーのみで、植物の光合成から始まり、動
物相の食う一食われる関係(食物網)で栄養流動と生命活動エネルギ
ー生産が行われる。全ての動植物は死ねば屍と化して、徹生物相によ
って無機物へと分解され、再び植物の光合成の原料となる、という完
全循環型のシステムが維持されてきた(図3の上段)。
 そこに人間が登場したことで、生態系のバランスと持続性は崩れた。
人間は、今や80億にものぼる巨大な人口で生態系の頂点に立ち、自然
生態系からあらゆる資源を搾取しながら、石油などの化石燃料に依存
したエネルギー生産および物質生産を繰り返し、大量の廃棄物と温室
効果ガスを自然界に放出し続けている(図3の下段)。
 生態系に大きな負荷を与えるほどまでに過剰に肥大化した動物集団
に対しては、生態系のレジリエンス(回復に向かわせる)機能が働き、
天敵が進化してくる。環境負荷をもたらしている我々人間にとっての
現代の天敵がまさに新興感染症ウイルス群と捉えることができる(図
3の下段)。
 実際に、新型コロナ感染症の拡大に伴って、一時的・地域的ではあ
るが、世界各地の水・大気環境は劇的に改善されたとされ、少なくと
もこの新興感染症ウイルスは地球環境にとっては救世主であったと言
える。
 最近は、新型コロナウイルス流行も次第に収束に近づいているもの
と「希望的観測」が世界に広まっているが、人間が旧態依然な自然資
源搾取型のグローバリズムを繰り返す限り、新たな感染症は、またや
ってくる。
 感染症リスクを含め、自然災害リスクに対しても頑強で、安心・安
全な人間社会を持続的に発展させるためにも、自然と調和した生活ス
タイルおよび経済システムヘのパラダイムシフトと、公平で平和な国
際社会の構築を目指す必要があることを、我々はこの3年間のコロナ
禍から学ばなければならない。
✔ 「惑星生態制御工学」という新領域のフロンティア。

第7節 新型コロナウイルス
第9節 感染予防・検査・治療
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
終 章 備えあれば憂いなし
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風蕭々と碧い時代



Jhon Lennone Imagine



動く!アンドレ・カンドレ(井上陽水)「カンドレ・マンドレ」
1969年9月1日にデビューした曲
実家が南堀江だったので心斎橋の『十字屋楽曲店』に立ち寄っていた
のだが、妙ちきりんな曲に聴き入り、それまでの日本の歌謡曲(演歌
/艶歌)の韻律を破壊するかのように玉蜀黍がポップコーンが弾け踊
るような爽快感が心地よく身体に浸潤する記憶が残っている。

一緒に行こうよ
私と二人で愛の国
きっと行けるさ
二人で行けるさ夢の国
ららら...ららら...

淋しいことなんか
そこにはひとつもあるものか
あなたが愛して
私も愛するそれだけさ
ららら...ららら...

よくお聞きよ二人の言葉
カンドレ・マンドレ
サンタリ・ワンタリ
アラホレ・ミロホレ
1234ABCDEFG

私のこの手を
しっかり握って離さずに
目を閉じ言うのさ
二人の言葉あの言葉
ららら...ららら...

1967年から68年にかけて爆発的にヒットしていた"変な歌”、ザ・フォ
ーク・クルセダーズの「帰ってきたヨッバライ」を聴いて、井上陽水
は自分にもできると思ったので、「カンドレ・マンドレ」という曲を
作ったと述べ、上質なボッブ・ミュージックだったデビュー曲も、残
念ながら発表当時はまったく世の中に受け入れられなかったが、4年
後の1973年に、井上降水に改名し、シングル「夢の中へ」がヒット。
「カンドレ・マンドレ」と「夢の中へ」のタイトルに共通しているの
は、「か」という音韻で、「カンドレ・マンドレ」の歌詞では、「か」
の音韻がワンコーラスに3回出ているが、「夢の中へ」の歌詞には「
か」の音韻が、ワンコーラスになんと11回も出ていて、この歯切れが
よい「か」が積み重なっていくことで、日本語によるピート感とノリ
が自然に生まれ、さらに歌唱法として、ビートルズの音楽に通じる”
軽やかさと華やかざを獲得したと評論されている。(via TAP the POP


●今夜の寸評:
(いまを一声に託す)


 

 

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太陽から降り注ぐ恵み

2023年03月14日 | ネオコンバーテック

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」。



【誰も住みたくなる街:満天星躑躅で持続可能な街】
今年で3年目になるがやっと重い腰を上げる。といっても前から植えら
れものは(サルスベリ、サツキ)はそのまま。また花やハーブも共存さ
せ、平均丈は1メートル。ドウダンツツジ、秋は赤で統一し、冬春夏は
それどれの色合いで彩る。



ドウダンツツジは、ツツジ科ドウダンツツジ属の植物。「ドウダン」は、
枝分かれしている様子が昔、夜間の明かりに用いた灯台の脚部と似通っ
ており、その「トウダイ」から転じたもの。満天星の表記は本種の中国
語名の表記をそのまま引用し和名のドウダンツツジの読みを充てたもの。



春に咲く小さな鈴形の花は愛らしく、秋には燃えるように赤く染まる紅
葉が楽しめ、季節の移ろいを告げてくれる花木です。みずみずしい葉も
美しく、枝ものとしてインテリアに飾っても素敵な、用途の幅広い植物。




この爽やかな葉と枝のグ
リーンな姿はインテリアとし人気。また水が
汚れにくく、長持ちし暑さにも強く、寿命も2週間程。切り花にする
際は、木が水を吸い上げやすいように、切り口に十字に割りを入れ、
水が腐らないようにこまめに取り替えて見映えを保ち、枯れ葉や乾燥
により縮れた葉があれば適宜取り除き、大きな枝をそのままダイナミ
ックに飾ることも、細かく切って小さめの花瓶に飾ることもできる、
剪定の際に切った枝を利用することが進められている。

※ 参考情報:花と紅葉が楽しめる! ドウダンツツジの特徴や種類・
 育て方を解説、GardenStory (ガーデンストーリー)

     





 

● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング

宣言!”再エネ・リサイクル・ゼロカーボン最先進国”





 日・米の水素-水素化ホウ素核融合初観測 人工太陽開発
核融合科学研究所(岐阜県土岐市)は米核融合スタートアップのTAE
テクノロジーズ(カリフォルニア州)と共同で、軽水素(普通の水素)
とホウ素という新たな燃料の組み合わせによる核融合実験に成功した
ことを好評。将来の実用化を目指す核融合発電では一般に、燃料に重
水素と三重水素(トリチウム)を使う想定だが、今回の方法は放射線
である中性子が発生しない点で優れている。ネイチャー コミュニケー
ションズ誌に掲載された最新の研究によるとクリーンで豊富な先進的
水素化ホウ素燃料を核融合エネルギーに利用する可能性があるという。
フットヒルランチ(カリフォルニア州)2023年3月2日 /PRNewswire/ --
世界各地で核融合開発者が核融合エネルギーの商用化を競う中、TAE
Technologiesは、豊富で環境に配慮した燃料である水素化ホウ素(別
名p-B11またはp11B)による最もクリーンでコスト効率の高い電力供給
方法を他社に先駆けて追及している。


via CISION

本日、同社は日本の核融合科学研究所(NIFS)と共同で、世界で初め
て磁場閉じ込め核融合プラズマでの水素化ホウ素核融合実験という画
期的な研究成果を公表。ネイチャー コミュニケーションズ誌に掲載さ
れた査読付き論文(「First measurements of p11B fusion in a magnetically
confined plasma
」)では、NIFSの大型ヘリカル装置(LHD)の実験に
よる水素化ホウ素の核融合反応の結果を説明しています。本論文では、
LHDプラズマ中での水素化ホウ素融合に必要な条件を実現するための
実験作業と、アルファ粒子として知られるヘリウム原子核などの水素
化ホウ素反応の生成物を測定するためのTAEの検出器の開発について
こう話す。


図1.実験装置
(左) ヘリオトロン プラズマの一部を切り取った LHD 真空容器を示
3D CAD モデル。 (右) LHD セパラトリクス近くの PIPS 検出器、
最後の閉じたフラックス表面 (tan) の一部、およびプラズマの下に位
置する PIPS 検出器に到達する、計算されたアルファ粒子の軌道 (緑
色の曲線) を示す CAD 画像。


via  J-Stage「核融合炉開発の展望」


YouTube 【日米】水素・ホウ素の『核融合』実験が成功しました!

この発見は、長年にわたる国際的な核融合共同研究を反映しており、
最もクリーンで、最もコスト競争力があり、最も持続可能な核融合用
燃料サイクルである水素化ホウ素を用いた商業用核融合発電を開発す
るというTAEの使命における画期的な出来事。ネイチャー コミュニケ
ーションズ誌の論文では、核融合炉の炉心を製造する上での課題は、
D-Tよりもp11Bの方が大きいですが、原子炉の工学ははるかにシンプル。
簡単に言うと、p11Bによる核融合への道は、下流の工学的課題と現在
の物理学的課題を交換するもの。物理学的課題は克服できる。水素化
ホウ素アプローチは、TAEの技術共同創設者であるNorman Rostoker
士の「目的を念頭に置く」という哲学から生まれる、商業的な核融合
エネルギーに対するTAEの中核的なビジョンの一部。このように、真
にクリーンで豊かな、コスト競争力のあるエネルギーを目指すという
ビジョンが、TAEを、成長著しい核融合企業とは一線を画す存在にし
ている。この反応は正味のエネルギーを生成していないが、非中性子
融合の実行可能性と水素化ホウ素への依存を示すものである。

✔前回の<レモン>でプラスチック合成や炭化水素系燃料製造技術に注
目し「ホウ化水素シ-ト」を考察してみたら、今夜は「水素化ホウ素
核融合」が飛び込み、急遽考察に入ると、2030年を目標に実用化への
挑戦を開始するという研究グループの新星が誕生、それも、日本人も
絡んでいる。なんとも面白い時代だが、核融合は1990年前後の常温核
融合ヒーバーを回想させる。件のJ-Stage「核融合炉開発の展望」参照。
ここはのめり込みを避け、当初通り「太陽光利用炭化水素系化合物製
造」を”持続可能な製造能力”をコアとして考察を続ける。



出所:環境ビジネス 2023年 冬季号(上図、願クリック) 

最新人工光合成技術動向
※特開2022-129732 二酸化炭素還元触媒、二酸化炭素還元装置、およ
び人工光合成装置 株式会社豊田中央研究所 学校法人東京理科大学
【概要】
これまで、高活性である金属錯体触媒は、レニウム(Re)、ルテニ
ウム(Ru)、イリジウム(Ir)等の希少な元素を用いたり、配位
子の化学構造が複雑であった。二酸化炭素還元技術の実用化のために
は、大量の触媒が必要となることから、資源量が豊富な中心金属と合
成のプロセスが簡便なシンプルな構造の配位子からなる金属錯体の開
発が望まれていたが、二酸化炭素還元触媒は、二酸化炭素還元に要す
る過電圧が高く、性能のさらなる改善が求められていた。電子供与性
の置換基を有するポリピリジンが第6族~12族の金属イオンのうち
の1つに1分子以上配位した金属錯体であり、電気化学的または光触
媒的な二酸化炭素還元反応を触媒する、二酸化炭素還元触媒で、有機
溶媒中および水系溶媒中において、低いバイアスにおいて電気化学的
または光触媒的な二酸化炭素還元反応を進行させることができる二酸
化炭素還元触媒、それを用いた二酸化炭素還元装置および人工光合成
装置の提供。
※ 特開2021-107298 Fe含有複合化合物粒子、その製造方法及びFe
含有複合化合物電極 <株式会社豊田中央研究所
【概要】
Fe含有複合化合物粒子は、β-FeOOH結晶相と、前記β-Fe
OOH結晶相の周囲を覆う3価のNi含有化合物とを含み、前記Fe
含有複合化合物粒子全体におけるNi元素とFe元素との原子数比(
Ni元素/Fe元素)は0.01~0.5であり、前記Fe含有複合
化合物粒子表面におけるNi元素とFe元素との原子数比(Ni元素
/Fe元素)は、前記Fe含有複合化合物粒子全体におけるNi元素
とFe元素との原子数比(Ni元素/Fe元素)の1.5倍以上であ
る中性領域の溶液中で優れた酸化触媒活性を示すFe含有複合化合物
粒子の提供。
※ 特開2021-63246 還元反応用電極、還元反応用電極の製造方法、お
よび還元反応用電極を用いた反応デバイス
【概要】
図1のごとく、基材12と;炭素繊維と炭素との複合基材と、Ru錯
体モノマーとN,S,Bのうち少なくとも1つを含む5~9員環構造
を有する複素環式芳香族化合物とを含んで構成されたRu錯体ポリマ
ーとを含む触媒層16と;を有し、触媒層16におけるRu錯体ポリ
マー中のRu錯体モノマーの含有量は、3.35×10-6mol/
cm2を超え、6.70×10-6mol/cm2未満の範囲であり
複素環式芳香族化合物の含有量は、1.32×10-6mol/cm2
を超え、2.64×10-6mol/cm2未満の範囲である、還元反
応用電極10である。Ru錯体ポリマーを用いた大面積化、高出力化
が可能な還元反応用電極、その還元反応用電極の製造方法、およびそ
の還元反応用電極を用いた反応デバイスを提供する。

図1

 図2

【符号の説明】 1 人工光合成装置、3 二酸化炭素還元装置、10
還元反応用電極、12,20 基材、14 接着層、16 触媒層、18
酸化反応用電極、22 酸化触媒層、24 セパレータ、26 流路、
28 収容部、30 太陽電池セル。
--------------------------------------------------------------

図1人工光合成の概念図(出所:EMIRA

トヨタ系研究所が世界最高水準の高効率を達成
さらなる大型化にも期待できる新たなセル構
2021年4月22日、日本政府は2030年までに二酸化炭素(CO2)排出量を
2013年度比で46%削減するという新たな目標値を発表。従来の目標値
はパリ協定後に国連に提出した26%(同年度比)であり、大幅に上方
修正されたことになるに。目標達成にはあらゆる分野で技術革新が必
要となるが、その中で社会実装されればCO2削減に大きく貢献すると
期待されるのが人工光合成。トヨタグループの一社である株式会社
豊田中央研究所が(1)水から電子を抽出する酸化反応と、(2)抽出
した電子でCO2を還元して有機物(ギ酸)を合成する還元反応という
2つの反応を組み合わせた人工光合成技術を開発。同じく水素キャリ
アとして注目されるアンモニアの沸点が摂氏約マイナス33度の常温常
圧で気体になってしまうのに比べて、ギ酸の沸点は摂氏約101度と水
に近い。さらに常温常圧で液体という性質から扱いやすさの点でギ酸
が優位だが、当時は原理の実証段階にあり、太陽光エネルギーの変換
効率はわずか0.04%。これは植物(スイッチグラス)の変換効率の1/5
程度の数値。その後、豊田中研は2015年に1cm角サイズの人工光合成
セルにおいて植物を超える4.6%の変換効率を達成。社会実装に向けて
大きく前進する。


図2 装置と原理図 ※生成されるギ酸は、水素キャリアの一つとし
  て使用を想定。

世界最高の変換効率を実現した新たなセル構造
しかし、人工光合成セルの変換効率を低下させずに、実用サイズに拡
張させなければならないが、単純にセルを拡張しただけでは、電極の
電気抵抗が大きく、加えてギ酸合成に必要なCO2の供給不足から太陽光
エネルギーの変換効率が低下する。開発した技術では、人工光合成の
プロセスを(1)光を電子に変化する太陽電池、(2)水を電気分解す
る酸化電極、(3)水素イオンと電子とCO2でギ酸を生み出す還元電極
の3つの装置を組み合わせた方式が採用(上図2(右)参照)。
新たに開発されたセル構造の概念図。ポイントは、酸化電極と還元電
極の組を5組並列に接続したこと。太陽光パネルの変換効率は15%、そ
の発電エネルギーの約1/2をギ酸として貯めておくことが可能。その結
果、実用太陽電池サイズ(36cm角)のセルを用いた実証実験で、クラ
ス世界最高となる太陽光エネルギー変換率7.2%の数値を達成する。
図1.

【符号の説明】 1 人工光合成装置、3 二酸化炭素還元装置、10
還元反応用電極、12,20 基材、14 接着層、16 触媒層、18
酸化反応用電極、22 酸化触媒層、24 セパレータ、26 流路、
28 収容部、30 太陽電池セル。

※ 特開2020-25497 再構成膜、再構成膜の作成方法、光酸化反応駆動
方法、および、メタノール製造方法 国立大学法人東京工業大学 大阪
瓦斯株式会社
【概要】
タンガスの有効利用という観点からも、たとえば、排水処理設備や埋
立地等から大気放散しているバイオマス由来低質メタンガスを有効利
用する技術が求められている。この中で、メタンは二酸化炭素よりも
温室効果の高い気体であるが、上記の低質メタンは硫化水素などの不
純物を含んでいるため、既存の無機触媒への利用は困難という実情で
ある。また、持続可能なエネルギーを用いたメタン/メタノール変換
である無機触媒によるメタン/メタノール変換は高温・高圧反応であ
るため大量のエネルギーが必要であるとされている。一方、微生物を
用いたメタン/メタノール変換は無機触媒に比べては低コストである
が、微生物の酵素反応のためには電子源となる高価な還元剤が必要で
あり、継続的に反応を維持するにはコスト的に釣り合わない。そのた
め、より低コストでクリーンなエネルギーで駆動する反応系を構築す
ることが望ましい。非特許文献(Methane Hydroxylation Using Light
Energy by the Combination of Thylakoid and Methane Monooxygenase. RSC
Advances 2014, 4 (17), 8645-8648
.)によるとチラコイドによるNAD+
(還元剤)の光還元を利用することで、水から得た電子がNADH、
NQO(quinone oxidoreductase)、キノンプール、pMMOへと順に
受け渡されることでメタン酸化反応が進行する(図5参照)ことが、
明らかになっている。すなわち、チラコイドとpMMOとは、別々の
膜上の反応系に独立して存在しており、チラコイドに位置する光合成
反応タンパク質PSII(PSII)で光生成した電子をNAD+を
介してpMMOの位置する膜に伝達することで最終的にメタンを酸化
しメタノールを製造するものであるがし、電子伝達経路が複雑となる
ため、よりシンプルな反応系の構築が求められていた。またさらに、
安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法が求められて
いた。メタンモノオキシゲナーゼと、光合成反応タンパク質PSII
とを、キノンプールを内包する状態に保持したことで、よりシンプル
で、安価で簡便に構築できる効率の良い光酸化反応駆動方法となる(
たとえばメタンからメタノールを生産する)。

【図2】再構成膜によるメタン酸化反応を示すグラフ


【図5】非特許文献1(従来)による光酸化反応駆動系の模式図


【図6】本発明の光酸化反応駆動系の模式図
--------------------------------------------------------------
【日本化学会賞】
分子連結系光電荷分離の学理構築とエネルギー・生物学的応用
Molecular Photoinduced Charge Separation for Science and Energy and
Biological Applications
今堀博京都大学教授
1.分子連結系を用いた光電荷分離に関する学理構築
光合成,太陽電池,光触媒において,太陽エネルギー変換を効率良く
行うためには,ドナー(D)・アクセプター(A)系において,いかに
効率良く長寿命の光電荷分離状態を生成するかが鍵となる。今堀氏は,
ドナーとしてポルフィリン,アクセプターとしてフラーレンを用いた
分子連結系において電子移動の再配列エネルギーが小さいことを実証
し多段階電子移動系に展開して,人工光合成分野における数々の世界
記録を打ち立てた。
一方,上記の研究成果はマーカスの古典的な電子移動理論に基づく精
緻な分子設計,合成,物性評価,解析により実現されたものである。
今堀氏は,振動,回転,ゆらぎなどの原子核の運動やそれらの集団運
動に対して,電子やスピンの振る舞いが時間発展的にどのように動的
に関与するのかに興味を持ち,研究を推し進めた。例えば,架橋構造
を工夫することで,D・A 間電子的相互作用を連続的に変化させたポ
ルフィリン・フラーレン連結系を構築した。詳細な物理化学的測定お
よび解析の結果,光励起電子移動で生成する一重項電荷分離状態を,
三重項電荷移動状態を経て,三重項電荷分離状態に高速かつ高効率で
変換することに成功した。これは,分子構造の回転,ゆらぎを通して,
3 次元的な分子軌道を有するフラーレンと平面的なポルフィリン間の
スピン軌道相互作用が増強された結果であることを明らかにした。
 また,単分散ポリチオフェンとフラーレンをオリゴフェニレンで架
橋した有機薄膜太陽電池のモデル分子連結系を構築した。時間分解電
子スピン共鳴分光法により,D・A 界面で電荷分離状態が生成し,さ
らにホールがポリチオフェン主鎖に沿って,非局在化していく様子を
明らかにした。そしてポリチオフェンのアルキル側鎖の集団運動によ
り,エントロピーが増加し,クーロン力に打ち勝って電荷解離が促進
されることを提案した。
このように動的効果を導入することで局所励起状態,電荷移動状態,
電荷分離状態を相互に自在に操れれば,有機太陽電池,有機電界発光
素子などのさらなる高機能化が期待できることから,多様な光機能開
拓の契機となった。

2.有機太陽電池における分子構造・太陽電池特性相関解明
今堀氏は分子設計の観点から,分子構造と太陽電池特性の詳細な相関
を独自性の高い手法で解明してきた。例えば,ポルフィリンが極めて
高いモル吸光係数を400 nm および550 nm 付近に示すことに着目し,
ポルフィリン! 系の非対称拡張により,ポルフィリンの吸収特性と太
陽光分布を合致できることを提案した。ポルフィリンへのD・A置換基
の導入,置換型メチレン構造を介した非対称な縮合環化を組み合わせ
ることで,非対称! 拡張ポルフィリン系色素増感太陽電池として最高
のエネルギー変換効率を達成した。また,今堀氏は金属,半導体表面
上に有機分子が密に自己組織化単分子膜を形成する場合,傾いて配向
することに着目し,酸化チタン電極上に吸着した増感色素の傾きと太
陽電池特性との相関を初めて解明した。具体的には,増感色素と酸化
チタン電極との電子のやりとりは増感分子が酸化チタン電極表面へと
傾いているため,空間を通して起こることを実証した。
 一方,有機薄膜太陽電池に関しては,化学修飾されたフラーレン誘
導体の異性体効果は知られていなかった。今堀氏は異性体を分離・精
製することで,その異性体構造と有機太陽電池特性の相関を明らかに
した。さらに,非フラーレンアクセプターにおいて,会合性の大きな
! 共役系をコア部位に用いることで,溶液中よりも膜中において長い
寿命を有する励起一重項状態生成に成功した。有機薄膜太陽電池の高
効率化には電圧損失を抑制することが重要であると言われており,励
起状態の長寿命化は電圧損失を抑制する独自の戦略につながると期待
される。
3.光を用いた細胞制御工学の開拓
D・A 連結分子における光電荷分離状態は10 6 V/cm と細胞の静止膜
電位10 5 V/cmを一桁上回るナノ電場を発生できる。今堀氏はD・A連
結系を細胞膜に導入し,光を照射すれば,膜電位を制御できるとの仮
説を打ち立てた。実際に,D・A 連結分子を生きた細胞の細胞膜に導
入し,光照射を行ったところ,膜電位の低下とイオンチャンネルタン
パク質の阻害が観測された。また,神経細胞の脱分極による発火にも
成功した。さらに,複数のカチオン性置換基をD・A 連結分子に導入
することで,人工細胞膜中での光電荷分離効率の最高値86% を達成し
た。光を用いた遺伝子工学はオプトジェネティックスとして近年注目
を集めており,今後精神疾患などの医学的治療への応用が期待される。 

以上のように,今堀博氏の世界を先導する光電荷分離に関する業績は
,新たな「光電荷分離ワールド」を切り開いており,多彩な光機能開
拓に広がりつつある。一方で,精緻で独創的な分子設計により,有機
太陽電池の高効率化,細胞機能制御に関する新しい分野を築きつつあ
る。よって,同氏の業績は日本化学会賞に値するものと認められた。
via CHEMISTRY & CHEMICAL INDUSTRY , Vol.76-3 March 2023
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 人工光合成で低濃度CO2から生分解プラ合成
3月9日、大阪公立大学の研究グループは,人工光合成技術を活用し,
廃棄アセトンの約70%を生分解性プラスチック原料である3-ヒドロキシ
酪酸に変換することに成功する。生分解性プラスチックの中でも,水
に不溶かつ強度のあるポリエステルとして包装材等によく使われてい
るポリヒドロキシ酪酸は,3-ヒドロキシ酪酸を重合して得られる。研
究グルプは以前の研究で,二酸化炭素とアセトンから高効率で3-ヒド
ロキシ酪酸を合成できることを報告。研究段階にある二酸化炭素を資
源とする技術の多くは,出発原料として炭酸水素塩,炭酸塩または高
純度の二酸化炭素が使用されている。これをより一層実用化へと近づ
けるためには,二酸化炭素の濃縮過程を経ずに,火力発電所や製鉄所
等からの排ガスに含まれる数%~20%の低濃度二酸化炭素を直接利用す
ることが経済的に望まれている。 また,アセトンは水および油との
混和性が非常に優れているため,除光液や染み抜きなど日常的に使用
する化学薬品や,実験器具の洗浄など広く用いられており,廃棄され
た大量のアセトンの再資源化も求められている。研究グループでは,
以前報告した3-ヒドロキシ酪酸を合成する人工光合成技術に,油性イ
ンクを処理した廃棄アセトンと,火力発電所等からの排ガス相当の低
濃度二酸化炭素を出発原料とし,太陽光と同等の可視光を1日照射す
ることで,アセトンの約70%を3-ヒドロキシ酪酸に変換することに成
功した。この成果は,二酸化炭素を削減するだけでなく,廃棄資源を
再利用しながら生分解性プラスチックを作る革新的な方法となること
が期待される。研究グループは今後,実際に実験室で出てくるアセト
ン廃液や排ガスを原料として利用できる人工光合成技術への展開を目
指す。
【要約】
1.廃棄アセトンと排ガス相当の低濃度CO2から生分解性プラスチック
 原料を合成
2.二酸化炭素と結合させたアセトンからの収率は約70%
3.廃棄資源を再利用する革新的な人工光合成技術へ、大きな一歩。

✔ 人工光合成も2030年には実用化の目処が立っているものと考える。
  正確に言うと、持続可能水と二酸化炭素と光還元触媒を主流とし
  て、再エネ電力水電解の水素と二酸化炭素を使用して、化成品、
  有機溶剤などを持続可能な製造能力な製造システムである。従っ
  て次回のテーマは、持続可能な製造能力な水素濃縮・貯蔵・供給
  システムに移り本シリーズは完結。


図1 マルチモード光ファイバを用いた長距離伝送の動向、
  および本成果の位置づけ

NTT 10空間多重光信号を空間モード多重増幅中継 
従来の10倍以上の長距離・大容量光ネットワークの実現へ貢献
3月6日、日本電信電話株式会社は、これまでの光ファイバと同じ直径
を保ちながら伝送容量を10倍に拡大可能な空間モード多重光ファイバ
による、世界最長(1300 km)の10空間モード多重信号の光増幅中継伝
送に成功。本成果により、従来技術では困難であった10以上の空間多
重数拡張と長距離伝送の両立が可能になるため、光ファイバあたりの
伝送容量の飛躍的な向上を見込む。これにより、将来的なクラウドサ
ービス拡大などにより増大する通信トラヒックを収容可能なペタビッ
ト級の超多重スケーラブル光ネットワークの実現に貢献する。また、
NTTが提唱するIOWN構想・Beyond 5G/6G時代を支える大容量光ネットワ
ークの実現に貢献する次世代の伝送基盤技術として期待する。今回の
成果は、米国カリフォルニア州サンディエゴで開催される光通信技術
に関する国際会議OFC2023(The Optical Networking and Communication
Conference & Exhibition
)の伝送部門において査読委員から最も高く評
価されたトップスコア論文として採択され、3月6日(現地時間)に発
表される。なお、本研究成果の一部は,国立研究開発法人情報通信研
究機構の「Beyond 5G研究開発促進事業」の委託研究(採択番号01001
)により得られたもの。 
【要点】
1.空間モード多重中継増幅器に適用可能な拡張巡回モード群置換技
 術を研究開発し空間チャネル間の伝送特性偏差を平準化することで、
 従来記録の10倍以上の伝送距離に相当する、世界最長の1300 kmにわ
 たる10空間モード多重光伝送実験に成功。
2.上記の増幅中継技術を適用することにより、これまでの光ファイ
 バと同じ直径のMMFを用いて10以上の空間多重信号を長距離伝送でき
 ることを世界に先駆けて示した(図1)。



【展望】
今後、線路技術や光増幅技術などの関連技術分野と連携のもと、10空
間モード多重級の光信号を効率良く処理可能なMIMO信号処理を用いた
システム実現技術の確立をめざ。これにより、将来的なクラウドサー
ビス拡大などにより増大する通信トラヒックを収容可能なペタビット
級の超多重スケーラブル光ネットワークの実現に貢献。また、NTTが
提唱する2030年代のIOWN構想・Beyond 5G/6G時代の大容量光伝送基盤
の実現を推進していく。


SCREEN 直接描画装置のラインアップ拡充
SCREENホールディングスは,ICパッケージ基板やFOPLP(FOWLPの製造
方法をウエハーよりも大きなパネルに適用した半導体パッケージ)な
どに対応した,次世代パターン用直接描画装置「LeVina(レビーナ)」
の2μm対応モデルを開発し,2023年7月に販売を開始する。

キヤノン,前工程向け半導体露光装置を発売

キヤノンは,前工程向け半導体露光装置の新製品として,50×50mmの
広画角と0.5µmの高解像力を両立するi線ステッパー「FPA-5550iX」の
販売を開始。

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine   



J--POPの系譜を探る1968年代】

ザ・テンプターズ The Tempters  神様お願い (1968年3月5日発売)  
ソロ:萩原健一 作詞・作曲:松崎由治 ※ J-POP(ジェイ-ポップ、英: Japanese
Popの略で、和製英語)は、日本で制作されたポピュラー音楽を指す言葉で
あり、1989年頃にその語と概念が誕生した後、1993年頃から青年が歌唱す
る曲のジャンルの一つとして広く認識されるようになった。 つまり   J、-POP
以前と以後の違いは、BPM(テンポ)の速さや洋楽の影響を受けたメロディ・
コード進行・リズムにある。特に、昭和歌謡の時代の邦楽と比較して、歌詞
の構造が解体された代わりにグルーヴが洗練された作品は増加した。なお、
一般的な音楽ジャンルとは異なり、その先に「J-POP」という言葉を定義し、
それに既存の楽曲を当てはめる所から入っていったもので、発生した音楽
ジャンルではない(via Wikipedia)。 ここでは、和製ポップス、グループ・サ
ウンズ(フォークソングを含む)とする。

テンプターズ(誘惑者達)などのグループ・サウンズジと----ジャッキー吉川
とブルーコメッツ、ザ・スパイダース等----呼び始めたのは1967年3月からだ
という説もあるが、ビートルズ 「ハロー・グッドバイ」 ドアーズ 「ハートに火を
つけて」、007は二度死ぬ[英]、ベストセラー 五木寛之、『蒼ざめた馬を見よ
』、大江健三郎、『万延元年のフットボール』、有吉佐和子『華岡青洲の妻』、
多湖輝『頭の体操』がある。 (弊ブログ 2020.12.07 「太陽は沈み太陽はまた
昇る」) その大江健三郎氏が今月3日他界された。享年八十八。
                                          合掌

●今夜の寸評:(いまを一声に託す)ひとつの言葉が励みとなる
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レモンのレシピ研究①

2023年03月11日 | 創作料理

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」

【今日の季節の花:ゼラニウム】



黄砂・杉花粉で車は洗車場は満杯。マスクも外せないものの、ラベン
ダーとゼラニウムを移植し、カランコエは頃合いをみて移植する予定。



【レモンのレシピ研究①】
折角、収穫したのにレモンが「雀の涙の間」に放置したまま。テレビ
で「春キャベツのホットサラダ」(朝イチ)が紹介されていたので、
創作レシピを考えようと思いつく。ところで、縮緬キャベツとレモン
のサラダ(Lemony Savoy Cabbage)のザボイキャベツレモンサラダは
イタリアンサラダと思っていたがフランスのサボイ王朝由来とかザボ
イ地方由来だとは知らなかった。^^; ここでのポイントは、レモンと
ガーリック、あるいは、胡椒、クミン、ナツメ、パセリ、バジル、山
葵などのパウダー(フレーク)のアレンジ、そして、塩の種類や麹菌
などの工夫でかなり料理が楽しくなると確信する。
^

チキン(胸肉)とレモンと香辛料のロースト

春キャベツのホットサラダ

材料:
2~3人分
レモン 輪切り5枚分
塩 小さじ1弱
春キャベツ 300g
春キャベツのホットサラダの作り方・レシピ
1「クイックレモン塩」を作る。 レモンをよく洗って紙タオルで拭き、
端を落とし、皮ごと2~3ミリ厚さの輪切りを5枚作る。 塩小さじ1弱と
共にポリ袋に入れて20~30秒間、皮をやわらかくするようにもみする。
2春キャベツ300gを3~4cm四方のザク切りにして耐熱容器に入れ、ふん
わりとラップをする。電子レンジ(600ワット)に2分間かける。さらに
もみ込んで味をなじませる。冷蔵庫で3~4日保存可能だという。



早速、いつものようにサンヨー食品の「サッポロ一番塩ら~めん」の
かっちんと半熟たまご、ベーコン添えにパセリ、バジルなどに10種類
の香辛料を加え、彼女の「レモン塩和え」を加え(米酢は加えない)
頂いた。結果は申し分ない。



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出所:NEDO➲水素基本:戦略に 「 2030 年頃に~中略~ 30 円 /
 Nm 3 程度の水素コストの実現を目指す 」



持続可能な製造能力 ⑤
【関連特許】
※ 特開2023-30964 炭化水素製造システム 三菱重工業株式会社
【要約】
図1のごとく炭化水素製造システムは、水素化合物部材と、水素化合
物部材を収容する反応容器と、反応容器の内部を加熱する加熱装置と
、反応容器の内部に二酸化炭素を含む二酸化炭素含有ガスを供給する
ガス供給装置と、反応容器の内部に水を供給する水供給装置とを備え
ることで炭化水素の製造コストを改善できる炭化水素製造システムを
提供する。

図1.炭化水素製造システムの構成模式図
【符号の説明】
1 炭化水素製造システム 2 反応容器 3 水素化合物部材 4 加熱装
置 5 ガス供給装置 6 水供給装置 10 熱供給源(熱供給装置)
11 ガス供給源 11a 二酸化炭素分離装置 160 集光装置
【背景技術】
特許文献1に記載の装置は、二酸化炭素を含むガス及び水素源の存在
下において、ステンレス鋼を含む金属体に固体間接触によって単位面
積当たりの接触圧力が30kPa以上となる機械エネルギーを加えて 二酸
化炭素に水素を付加し、炭化水素を精製する。
【参考文献】特開2020-62618公報
しかし、特許文献の装置では、金属体に機械エネルギーを与えるため
に消費される電力が必要となり、製造コストが高いといった課題があ
った。これに対し、本件では、加熱することで水素を放出できる水素
化合物部材が公知であり、水素を貯蔵した状態の水素化合物部材を加
熱して水素を放出中に二酸化炭素を供給すると、炭化水素が生成する
ことを見出し、これを炭化水素の製造に利用できると考える。そこで、
本開示の少なくとも1つの実施形態は、炭化水素の製造コストを改善
できる炭化水素製造システムを提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、本開示に係る炭化水素製造システムは、水
素化合物部材と、前記水素化合物部材を収容する反応容器と、前記反
応容器の内部を加熱する加熱装置と、前記反応容器の内部に二酸化炭
素を含む二酸化炭素含有ガスを供給するガス供給装置と、前記反応容
器の内部に水を供給する水供給装置とを備える。

【発明の効果】
本開示の炭化水素製造システムによれば、水素化合物部材の存在下で
二酸化炭素と水素とを加熱すると両者が反応することにより炭化水素
が生成する。水素化合物部材に水を供給することにより水素化合物部
材に水素を貯蔵することができ、水素を貯蔵させた状態の水素化合物
部材を加熱することにより水素化合物部材から水素を放出することが
できる。したがって、水素化合物部材の存在下で水と二酸化炭素とか
ら炭化水素を製造することにより、炭化水素の製造コストを改善する
ことができる。

【発明を実施するための形態】
本開示の実施形態による炭化水素製造システムについて、図面に基づ
いて説明。以下で説明する実施形態は、本開示の一態様を示すもので
あり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲
内で任意に変更可能である。
<本開示の一実施形態に係る炭化水素製造システムの構成>
図1に示されるように、本開示の一実施形態に係る炭化水素製造シス
テム1は、水素化合物部材3を収容する反応容器2と、反応容器2内
を加熱する加熱装置4と、二酸化炭素を含む二酸化炭素含有ガスを反
応容器2内に供給するガス供給装置5と、反応容器2内に水を供給す
る水供給装置6とを備えている。反応容器2には、反応容器2内の流
体を外部に流出させるための流出部8が設けられている。水素化合物
部材3は、水素(H)以外の元素をXとしたときに、化学式XmHn
で表される水素化合物の二次元的な配列を含有するものであり、化学
量論比m:nは1:1~3:4(例えば、XH、XH2、XH3、X
H4、X2H3、X3H4)である。限定はしないが、元素Xは例え
ばホウ素(B)である。尚、本実施形態では、水素化合物部材3はホ
ウ化水素(HB)であるとして説明する。

加熱装置4は、反応容器2の内部すなわち反応容器2内に収容される
水素化合物部材3を加熱するためのものである。加熱装置4は、反応
容器2内に熱媒体を供給することによって熱媒体が水素化合物部材3
に直接接触する構成のものであってもよいが、以下では、反応容器2
の外面を覆うように設けられたジャケット又は通路のような熱媒体通
路9に熱媒体を流通させて、熱媒体と反応容器2内のガスとを熱交換
させることによって、反応容器2内に収容される水素化合物部材3を
加熱する構成を有するものとして説明する。
尚、熱媒体としては特に限定しないが、水やオイル等の液体状のもの
を使用することが好ましい。加熱装置4は、一端が熱媒体通路9の入
口に接続されるとともに他端が熱媒体通路9の出口に接続されて熱媒
体が循環する熱媒体循環ライン4aを備え、熱媒体循環ライン4aは、
熱媒体循環ライン4aを流通する熱媒体に熱供給源10で発生する熱
を、例えば熱交換によって移動させるように構成されている。ただし、
加熱装置4はこの形態に限定するものではなく、熱供給源10の構成
によっては、熱供給源10で発生する熱を含む流体であって熱供給源
10から直接供給される流体又はその一部を熱媒体として熱媒体循環
ライン4aに流通させるものであってもよい。
尚、熱供給源10の構成については後述する。ガス供給装置5の構成
については特に限定しないが、例えば、ガス供給源11に連通するコ
ンプレッサであってもよい。尚、ガス供給源11としては、二酸化炭
素を貯蔵する二酸化炭素ボンベ等を用いることができるが、その他の
構成のガス供給源11については後述する。水供給装置6は、液体の
水又は蒸気若しくは水又は蒸気の少なくとも一方を主成分として含む
流体(以下では、単に「水」という)を反応容器2内に供給するため
のものである。

<本開示の一実施形態に係る炭化水素製造システムの動作>
次に、本開示の一実施形態に係る炭化水素製造システム1の動作につ
いて説明する。炭化水素製造システム1は、水供給装置6を駆動させ
て水素を水素化合物部材3に貯蔵する動作(水素貯蔵動作)と、加熱
装置4及びガス供給装置5を駆動させて炭化水素を製造する動作(炭
化水素製造動作)とを交互に切り替えるように動作する。まず、水素
貯蔵動作について説明する。反応容器2内の温度が約150℃未満、
好ましくは約80℃以上約150℃未満の状態で、水供給装置6から
反応容器2内に水を供給する。そうすると、下記反応式(1)で表さ
れるように、水素化合物部材3の存在下で水が水素と酸素とに分解し
て、水素が水素化合物部材3に吸蔵される。  

  HB(C1)+yH2O→HB(C2)+zO2 ・・・(1)

尚、反応式(1)において「C1」とは、HBに貯蔵された水素が放
出された状態(状態1)を意味し、「C2」とは、HBに水素が貯蔵
された状態(状態2)を意味する。この反応により、水素化合物部材
3は水素を貯蔵した状態となる。酸素は反応容器2内に滞留するが、
流出部8を介して反応容器2から酸素を流出させることによって、酸
素を回収することができる。
次に、炭化水素製造動作について説明する。反応容器2内に収容され
る水素化合物部材3は、上述の水素貯蔵動作によって、水素を貯蔵し
た状態となっている。熱供給源10で生じる熱を吸収した流体である
熱媒体が熱媒体通路9を流通するように、熱媒体が熱媒体循環ライン
4aを循環するようにする。すなわち、加熱装置4を駆動させる。そ
うすると、熱媒体は、熱媒体通路9を流通する際に反応容器2内のガ
スと熱交換することによって、反応容器2内に収容される水素化合物
部材3が加熱される。水素化合物部材3の温度が約150℃~約300℃の
範囲になったら、ガス供給装置5を起動させて、反応容器2内に二酸
化炭素含有ガスを供給する。

水素を貯蔵した状態の水素化合物部材3の温度が上記温度範囲内にな
ると、水素化合物部材3から水素が放出される。これにより、反応容
器2内は、水素化合物部材3の存在下で、水素と二酸化炭素とが共存
する状態となる。本願発明者らは、水素化合物部材3の存在下で、水
素と二酸化炭素とが反応して炭化水素が生成することを見出した。炭
化水素の生成反応は次の通りであると考察する。
水素化合物部材3を構成する水素化合物はホウ化水素(HB)である
とすると、下記反応式(2)によって、水素化合物部材3から水素が
放出される。

  HB(C2)→HB(C1)+xH2 ・・・(2)

水素化合物部材3の存在下で、反応式(2)によって放出された水素
と、ガス供給装置5によって反応容器2内に供給された二酸化炭素と
が、下記反応式(3)のように反応する。
  aCO2+bH2→CaHb+cH2O ・・・(3) 
本願発明者らの実験では、反応式(2)によって生成する炭化水素と
して、反応式(2)においてa=1かつb=2の場合のメタンに限定
されず、a=2の場合のエタン又はエチレン、a=3の場合のプロパ
ン又はプロピレン等、さらに、a=4の場合のブタンやブテン等まで
生成されることを見出した。このようにして生成した炭化水素は、加
熱装置4及びガス供給装置5を停止した後、流出部8を介して反応容
器2から流出されて、回収すること、又は、炭化水素を必要とする設
備に供給することができる。生成した炭化水素を流出部8から流出さ
せることにより、反応容器2内の温度が低下するので、その後は水素
貯蔵動作が可能となり、炭化水素製造動作及び水素貯蔵動作を順次繰
り返すことにより、継続的な炭化水素の製造が可能となる。
尚、熱媒体通路9に冷却用の熱媒体を流通させることにより(冷却装
置を構成する)、反応容器2内を積極的に冷却して、水素貯蔵動作に
適した温度にすることもできる。
--------------------------------------------------------------
上述の本開示の炭化水素製造技術と、従来の二酸化炭素還元技術とを
対比した結果を下記表1にまとめた。
尚、表1では、それぞれの技術における優位点を「〇」とし、欠点を
「×」とし、どちらとも言えない点を「△」としている。

 
※ホウ素:国内ではボロン鉱が産出されないため原料となる鉱石及び
中間製品を全量輸入している。輸入されているボロン鉱石にはコレマ
ナイト(Ca2B6O11・5H2O)、ウレキナイト(NaCaB5O6(OH)6・H2O)があ
るが、輸入通関にはこれらの鉱石が区別されておらず大部分がコレマ
ナイトであるので、末尾掲載 のマテリアルフロー図では、ボロンの純
分をコレマナイトのボロン純分である 15.78%を用いて算定 した。表
2に示すとおり、我が国の主たる輸入相手国は、鉱石についてはトル
コ、ロシア、ほう酸に ついてはロシア、米国、ほう砂については米国
である。尚、ホウ素の回収としてキレート樹脂吸着方式(NECファシリ
ティ-ズ)などが確立されている。via 超高効率ホウ素除去システム:
エコクロスウォーターソリューション
--------------------------------------------------------------
電解還元技術やメタネーションによれば、本開示の技術と同様にメタ
ンを生成させることができるが、電解還元技術では電力が必要であり
メタネーションでは水素の供給と400℃の熱が必要である。これ
に対し、本開示の技術では、加熱装置4として電気ヒーターを使用し
なければ、上記反応式(1)及び(2)を生じさせるための電力は不
要であり、反応温度が約150℃~約300℃の範囲であることから、
本開示の技術は電解還元技術及びメタネーションに比べて、炭化水素
の製造コストが優れていると言える。また、人工光合成技術は、本開
示の技術とは生成物が異なるが、水と二酸化炭素を原料として光を照
射することで反応を生じさせることができるという優位点があるもの
の、必要な反応面積が多いという欠点があり、本開示の技術に比べて
優位性はないと考えられる。したがって、本開示の炭化水素製造技術
は、従来の二酸化炭素還元技術と比べて、炭化水素の製造コストが優
れていると言える。このように、水素化合物部材3の存在下で二酸化
炭素と水素とを加熱すると両者が反応することにより、炭化水素が生
成する。水素化合物部材3に水を供給することにより水素化合物部材
3に水素を貯蔵することができ、水素を貯蔵させた状態の水素化合物
部材3を加熱することにより水素化合物部材3から水素を放出するこ
とができる。したがって、水素化合物部材3の存在下で水と二酸化炭
素とから炭化水素を製造することにより、炭化水素の製造コストを改
善することができる。

図2 熱供給源を含むプラントと本開示の炭化水素製造システムとを
   組み合わせた構成模式図

<熱供給源10及びガス供給源11の構成>
次に、熱供給源10及びガス供給源11のいくつかの構成について説
明するが、熱供給源10及びガス供給源11はそれぞれ、以下で説明
する構成に限定するものではない。図2には、熱供給源10を含む工
場や発電所等のプラント100と炭化水素製造システム1とを組み合
わせた構成模式図が記載されている。尚、プラント100はガス供給
源11を含んでもよい。熱供給源10及びガス供給源11の構成を具
体的に説明する前に、上図2に基づいて、プラント100から炭化水
素製造システム1に熱媒体及び二酸化炭素含有ガスを供給し、かつ炭
化水素製造システム1で生成された炭化水素を他の設備(プラント1
00を含む)に供給するための一般的な構成について説明する。

工場や発電所等のプラント100には、ボイラ等の燃焼装置や化学反
応装置等が含まれており、これらから熱が発生したり、二酸化炭素を
含む排ガスが排出されたりする場合がある。この熱を含む熱媒体101
を炭化水素製造システム1の反応容器2に供給したり、二酸化炭素を
含む排ガス104または任意の構成の二酸化炭素回収装置102によ
り、二酸化炭素含有量を高めたガス105を二酸化炭素含有ガスとし
て反応容器2内に供給したり、反応容器2内の加熱及び反応容器2内
への二酸化炭素含有ガスの供給が可能になる。炭化水素製造システム
1で生成した炭化水素103は、プラント100で、燃料又は化学反
応の原料等として使用するできる。プラント100の発生排熱を炭化
水素製造システム1が利用し、炭化水素製造システム1の消費エネル
ギーが抑制できる。また、プラント100で発生した二酸化炭素を炭
化水素製造システム1の利用により、プラント100及び炭化水素製
造システム1を含む設備全体の動力効率を向上できた上、本来は大気
中へ排出される二酸化炭素の再利用が可能となる。


図3 熱供給源及びガス供給源を含むGTCC発電プラントと本開示
の炭化水素製造システムとを組み合わせた構成模式図

上図3には、熱供給源10及びガス供給源11を含むプラント100
の一例としてのガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)発電
プラント100aと、炭化水素製造システム1とを組み合わせた構成
模式図が記載されている。GTCC発電プラント100aは、ガスタ
ービン110と、ガスタービン110によって駆動される発電機111
と、ガスタービン110の排ガス112によって蒸気を生成するボイ
ラ113と、ボイラ113で生成された蒸気114によって駆動され
る蒸気タービン115と、蒸気タービン115によって駆動される発
電機116とを備えている。 この形態では、ガスタービン110の
排ガス112の一部を熱媒体118として炭化水素製造システム1の
反応容器2に供給することができるし、図示しない熱交換器において
排ガス112の一部と熱交換された熱媒体118を反応容器2に供給
することができる。したがって、この形態ではガスタービン110が
熱供給源10としての熱供給装置である。



ガスタービン110の排ガス112には二酸化炭素が含まれているこ
とから、この形態では、排ガス112の一部を二酸化炭素含有ガス
119として炭化水素製造システム1の反応容器2内に供給すること
ができるし、二酸化炭素回収装置102によって二酸化炭素含有量を
高めたガスを二酸化炭素含有ガス119として炭化水素製造システム
1の反応容器2内に供給することができる。したがって、この形態で
はガスタービン110がガス供給源11である。ガスタービン110
の排熱を炭化水素製造システム1が利用することにより、炭化水素製
造システム1における消費エネルギーを抑制することができる。また、
ガスタービン110の排ガス中の二酸化炭素を炭化水素製造システム
1が利用することにより、本来は大気中へ排出される二酸化炭素の再
利用が可能になる。 この形態では、炭化水素製造システム1におい
て製造された炭化水素117を、ガスタービン110の燃焼器におい
て燃焼される燃料又はその一部として供給することができる。これに
より、GTCC発電プラント100aにおける発電効率を向上させる
ことができる。

図4.熱供給源及びガス供給源としての二酸化炭素回収装置と本開示
  の炭化水素製造システムとを組み合わせた構成模式図
上図4には、熱供給源10及びガス供給源11として任意の設備に、
設けられた二酸化炭素回収装置120と、炭化水素製造システム1と
組み合わせた構成模式図が記載されている。二酸化炭素回収装置12
0は、どのような目的で設けられたものでもよく、例えば、図2のプ
ラント100に設けられた二酸化炭素回収装置102であってもよい
し、二酸化炭素の回収効率は低いが、大気中に含まれる二酸化炭素を
回収するために設けられたものでもよい。この形態では、炭化水素製
造システム1において製造された炭化水素124は、任意の設備に供
給することができる。この形態に限定した構成ではないが、水蒸気分
解装置125を設けることもできる。水蒸気分解装置125において
炭化水素124をエチレン及びプロピレンに分解し、任意の化学プラ
ントに供給することもできる。これにより、本来は大気中へ排出され
る二酸化炭素の有効利用が可能になる。

図5.熱供給源を含むメタノール合成プラントと本開示の炭化水素製
  造システムとを組み合わせた構成模式図

上図5には、熱供給源10を含むプラント100の一例としてのメタ
ノール合成プラント100bと、炭化水素製造システム1とを組み合
わせた構成模式図が記載されている。メタノール合成プラント100
bは、天然ガスを水蒸気で改質する改質器130と、改質器130で
生成した改質ガスを圧縮する圧縮機131と、圧縮機131によって
供給された改質ガスを用いてメタノールを合成するメタノール合成装
置132と、メタノール合成装置132で生成した粗メタノールを精
製する蒸留塔133とを備えている。 炭化水素製造システム1の水供
給装置6は、改質器130に供給される水蒸気の一部を反応容器2内
に供給できるように構成されている。この形態では、ガス供給源11
の構成は任意である。炭化水素製造システム1において製造された炭
化水素134は、改質器130に供給される天然ガスとともに改質器
130に供給されて、改質ガスを製造するための原料の一部として使
用することができる。これにより、メタノール製造の原料である天然
ガスの使用量を削減できるので、メタノールの製造コストを低減する。
図6.熱供給源及びガス供給源を含む肥料プラントと本開示の炭化水
  素製造システムとを組み合わせた構成模式図

図6には、熱供給源10及びガス供給源11を含むプラント100の
一例としての肥料プラント100cと、炭化水素製造システム1とを
組み合わせた構成模式図が記載されている。肥料プラント100cは、
肥料としての尿素を製造するプラントである。肥料プラント100c
は、天然ガスを水蒸気で改質する改質器140と、改質器140生成
した改質ガス中の一酸化炭素及び水蒸気を二酸化炭素及び水素に変性
させる変性器141と、変性器141から供給されるガス中の二酸化
炭素を回収する二酸化炭素回収装置142と、二酸化炭素回収装置
142において二酸化炭素を回収されたガス中に残存する一酸化炭素
及び二酸化炭素をメタンに変換するメタン化装置143と、メタン化
装置143から流出するガスを圧縮する圧縮機144と圧縮機144
から供給されたガス中の水素と窒素とを反応させてアンモニアを製造
するアンモニア製造装置145と、二酸化炭素回収装置142におい
て回収された二酸化炭素147とアンモニア製造装置145において
製造されたアンモニア148とを反応させて尿素を製造する尿素製造
装置146とを備えている。炭化水素製造システム1の水供給装置6
は、改質器140に供給される水蒸気の一部を反応容器2内に供給で
きるように構成されている。また、炭化水素製造システム1のガス供
給装置5は二酸化炭素回収装置142で回収された二酸化炭素147
の一部を反応容器2内に供給できるように構成されている。さらに、
炭化水素製造システム1において製造された炭化水素150は、改質
器140に供給される天然ガスとともに改質器140に供給されて、
改質ガスを製造するための原料の一部として使用することができる。
これにより、尿素製造の原料である天然ガスの使用量を削減できるの
で、尿素の製造コストを低減することができる。 この形態では、改
質器140における天然ガスの改質反応は吸熱反応であるため、改質
器140内に熱を供給するための熱媒体が改質器140に供給される。
改質器140から流出した熱媒体149は、改質器140に供給され
る際の温度よりも冷却されているが、反応容器2に供給される熱媒体
として使用するためには十分な温度を有している。このため、改質器
140から流出した熱媒体149を反応容器2に供給することができ
る。したがって、この形態では改質器140が熱供給源10としての
熱供給装置である。天然ガスの改質反応のための熱の残りを炭化水素
製造システム1が利用することにより、炭化水素製造システム1にお
ける消費エネルギーを抑制することができる。


図7.太陽光を集光する集光装置と本開示の炭化水素製造システムと
を組み合わせた構成模式図である。

上図7には、熱供給源10として、太陽光を集光する集光装置160
を設けた炭化水素製造システム1が示されている。集光装置160の
構成は特に限定するものではなく、例えば、放物面トラフ、太陽光発
電タワー、パラボラディッシュのいずれのタイプの装置を使用できる
が、最高加熱温度やコスト等を考慮すると、放物面トラフのタイプの
装置が好ましい。その他の構成は、図1に示される炭化水素製造シス
テム1と同じである。

ただし、炭化水素製造システム1が設けられる場所に応じて、ガス供
給源11の具体的構成や、水供給装置6によって供給される水の供給
源が異なる。例えば、炭化水素製造システム1が、図2のプラント1
00に設けられる場合には、プラント100の具体的構成に応じて、
図3~図6のそれぞれに示される炭化水素製造システム1の場合のガ
ス供給源11及び水の供給源と同じにすることができるが、集光装置
160は一般に比較的広い設置個所に設けられること多いので、図2
のプラント100内に設けられるガス供給源11及び水の供給源を利
用できない場合が多い。このような場合には、空気から二酸化炭素を
分離する二酸化炭素分離装置11aをガス供給源11として設けるよ
うにしてもよい。二酸化炭素分離装置11aとしては、例えば、アミ
ン水溶液のような液体の吸収液に二酸化炭素を吸収する構成の装置や、
固体吸収剤に二酸化炭素を吸着させる構成の装置を使用することがで
きる。水の供給源については、設置個所近傍に存在する河川湖沼等を
利用してもよいし、水を貯留するタンクを利用してもよい。
この形態では、熱媒体循環ライン4aを流通する熱媒体に、集光装置
160が集光した太陽光を照射することによって、熱媒体が加熱され
る。太陽光の熱によって反応容器2の内部を加熱するので、熱効率を
向上することができ、その結果、炭化水素の製造コストをさらに改善
することができる。また、ガス供給源11として二酸化炭素分離装置
11aを設けることにより、近くに二酸化炭素の供給源がない場合で
も炭化水素の製造が可能となる。


図8実施例で使用した装置の構成模式図である。
<実施例>
次に、水素を貯蔵した状態の水素化合物部材を加熱して水素を放出中
に二酸化炭素を供給すると、炭化水素が生成することを実施例によっ
て検証した。上図8に、この実施例で使用した装置200の構成を示
す。装置200は、内部に水素化合物部材201(HB)を収容可能
な反応器202(容積0.3L)を備えている。反応器202は、そ
の内部を加熱するためのマントルヒータ203を備えている。反応器
202は、アルゴンボンベ204及び二酸化炭素ボンベ205のそれ
ぞれと連通している。反応器202は、その内部に水を注入するため
のマイクロシリンジ206及びその内部のガスをサンプリングするた
めのガスシリンジ207のそれぞれと連通している。装置200を使
用して、以下の手順で実験を行った。

・アルゴンボンベ204から反応器202へアルゴンを供給し、0.1
MPaGまで反応器202内を加圧した。
・反応器202内の圧力を降下させて、0.01MPaG以下に設定
した。
・ガスシリンジ207を用いて、反応器202内<のガスをサンプリン
グし、サンプリングしたガスの分析をガスクロマトグラフィーで行っ

・マイクロシリンジ206を用いて、反応器202内に0.5ccの
水を注入した。
・二酸化炭素ボンベ205から反応器202へ二酸化炭素を供給し、
0.1MPaGまで反応器202内を加圧した。
・マントルヒータ203を起動して、反応器202内の温度を50℃
毎にステップ状に昇温した。
・反応器202内の温度が200℃に達した直後、ガスシリンジ20
7を用いて、反応器202内のガスをサンプリングし、サンプリング
したガスの分析をガスクロマトグラフィーで行った。
・反応器202内の温度が250℃に達した後は、その温度を維持す
るように調節し、定期的に反応器202内のガスをサンプリングし、
サンプリングしたガスの分析をガスクロマトグラフィーで行った。
実験開始前、実験開始後2時間経過時、実験開始後40時間経過時の
それぞれにおけるガスクロマトグラフィーでの分析結果を表2に示さ
れている。



これによれば、200℃及び250℃のそれぞれの反応温度において、
メタン及びエタンが生成されていることを確認。また、250℃の反
応温度において、C3又はC4相当物質については具体的な組成は定
量していないが、分析で得られたピーク面積と、メタン及びエタンの
検量線データとを用いて、トータルの推定値として「5.0×10-4mol」
という分析結果を記載している。この結果から、C3又はC4相当物
質が生成されていることを確認することができる。したがって、この
実施例により、水素を貯蔵した状態の水素化合物部材を加熱して水素
を放出中に二酸化炭素を供給すると、炭素数が4以下の炭化水素が生
成することを確認している。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。

[1]一の態様に係る炭化水素製造システムは、水素化合物部材(3)
と、前記水素化合物部材(3)を収容する反応容器(2)と、前記反
応容器(2)の内部を加熱する加熱装置(4)と、前記反応容器(2)
の内部に二酸化炭素を含む二酸化炭素含有ガスを供給するガス供給装
置(5)と、前記反応容器(2)の内部に水を供給する水供給装置(
6)とを備える。本開示の炭化水素製造システムによれば、水素化合
物部材の存在下で二酸化炭素と水素とを加熱すると両者が反応するこ
とにより、炭化水素が生成する。水素化合物部材に水を供給すること
により水素化合物部材に水素を貯蔵するでき、水素を貯蔵させた状態
の水素化合物部材を加熱することにより水素化合物部材から水素を放
出することができる。したがって、水素化合物部材の存在下で水と二
酸化炭素とから炭化水素を製造することにより、炭化水素の製造コス
トを改善することができる。

[2]別の態様に係る炭化水素製造システムは、[1]の炭化水素製
造システムであって、水素を貯蔵した状態の前記水素化合物部材(3)
を収容する前記反応容器(2)の内部の温度を前記加熱装置(4)に
よって150℃から300℃の範囲にした状態で、前記ガス供給装置
(5)から前記反応容器(2)の内部に前記二酸化炭素含有ガスが供
給される。このような構成によれば、水素化合物部材から放出された
水素と、反応容器の内部に供給された二酸化炭素とが水素化合物部材
の存在下で反応することにより炭化水素が生成するので、水素化合物
部材の存在下で水と二酸化炭素とから炭化水素の製造が可能となる。

[3]さらに別の態様に係る炭化水素製造システムは、[1]の炭化
水素製造システムであって、 前記水素化合物部材(3)を収容する前
記反応容器(2)の内部の温度が150℃未満の状態で、前記水供給
装置(6)から前記反応容器(2)の内部に水が供給される。このよ
うな構成によれば、水素を放出することにより炭化水素が生成された
後の水素化合物部材に水素を貯蔵することができるので、水素化合物
部材を炭化水素の製造に繰り返し使用することができる。 

[4]さらに別の態様に係る炭化水素製造システムは、[1]~[3]
のいずれかの炭化水素製造システムであって、熱供給装置(10)を
さらに備え、前記加熱装置(4)は、加熱流体によって前記反応容器
(2)の内部を加熱するように構成され、前記加熱流体は 前記熱供給
装置(10)で生じる熱を吸収した流体である。このような構成によ
れば、熱供給装置からの熱によって反応容器の内部を加熱するので、
熱効率を向上することができ、その結果、炭化水素の製造コストをさ
らに改善することができる。

[5]さらに別の態様に係る炭化水素製造システムは、[4]の炭化
水素製造システムであって、二酸化炭素を生成又は回収するガス供給
源(11)をさらに備え、前記ガス供給装置(5)は、前記ガス供給
源(11)に連通する。このような構成によれば、ガス供給源で生成
又は回収された二酸化炭素を炭化水素の製造に使用することにより、
炭化水素の製造コストをさらに改善することができる。 

[6]さらに別の態様に係る炭化水素製造システムは、[1]~[3]
のいずれかの炭化水素製造システムであって、太陽光を集光する集光
装置(160)をさらに備え、前記加熱装置(4)は、加熱流体によ
って前記反応容器(2)の内部を加熱するように構成され、前記加熱
流体は、前記集光装置(160)によって集光された太陽光が照射さ
れて加熱された流体である。このような構成によれば、太陽光の熱に
よって反応容器の内部を加熱するので、熱効率を向上することができ、
その結果、炭化水素の製造コストをさらに改善することができる。 

[7]さらに別の態様に係る炭化水素製造システムは、[6]の炭化
水素製造システムであって、空気から二酸化炭素を分離する二酸化炭
素分離装置(11a)をさらに備え、前記ガス供給装置(5)は前記
二酸化炭素分離装置(11a)に連通する。このような構成によれば、
空気中の二酸化炭素を炭化水素の製造に使用することにより、近くに
二酸化炭素の供給源がない場合でも炭化水素の製造が可能となる。

✔ホウ化水素を触媒とした熱化学反応(300℃以下)でエタン及びアル
デヒドの炭化水素を製造するシステムを読み解き「化学プラント建設
」経験を彷彿とさせ去来するものがあったが、熱エネルギー源が反応
工程由来か、或いは外部由来熱源なのかは定かでないが、原子力発電
由来の線も見えてくるが、安全・環境やなどの内外不経済のリスク比
較評価も必要である。
さて、2017年に我々が世界で初めて合成に成功したホウ化水素(HB)シ
ートが金属や炭素を含まない固体酸触媒として機能することが世界で
初めて明らかにされているので、取り上げてみた。

【特徴】
1.安全: 固体で安定に存在する
2.軽量: 質量水素密度8.5%
3.省エネ、オンデマンド: 光照射のみで水素を放出可能
【関連特許】
特許第7057569号 二次元ホウ化水素含有シート、二次元ホウ素化合物
含有シートの製造方法 国立大学法人 筑波大学/国立大学法人東京工業
大学


【特許請求の範囲】
1. X線光電子分光分析において、負に帯電したホウ素のB1sに由
 来する188eV近傍にピークを示し、マグネシウムに由来するピー
 クを示さないスペクトルを有し、電子線エネルギー損失分光におい
 て、ホウ素のsp2構造に由来する191eVにピークを示すスペ
 クトルを有し、昇温脱離ガス分析と昇温前後の質量測定により算出
 されるホウ素と水素のモル比が1:1である(HB)n(n≧4前
 記(HB)n(n≧4)からなることを特徴とする二次元ホウ化水
 素含有シート。
2.前記二次元ネットワークは、ホウ素原子が六角形の環状に配列し、
 前記ホウ素原子によって形成される六角形が連接してなる網目状を
 なし、前記ホウ素原子のうち隣接する2つが同一の水素原子と結合
 する部位を有することを特徴とする請求項1に記載の二次元ホウ化
 水素含有シート。)からなることを特徴とする二次元ホウ化水素含
 有シート。
3.少なくとも一方向の長さが100nm以上であることを特徴とす
 る請求項1または2に記載の二次元ホウ化水素含有シート。
4.請求項1~3のいずれか1項に記載の二次元ホウ化水素含有シート
 の製造方法であって MB2(但し、Mは、Al、Mg、Ta、Zr、
 Re、Cr、TiおよびVからなる群から選択される少なくとも1
 種である。)型構造の二ホウ化金属と、前記二ホウ化金属を構成す
 る金属イオンとイオン交換可能なイオンを配位したイオン交換樹脂
 とを極性有機溶媒中で混合する工程を有することを特徴とする二次
 元ホウ素化合物含有シートの製造方法。
5.前記イオン交換樹脂は、スルホ基を有することを特徴とする請求
  項4に記載の二次元ホウ素化合物含有シートの製造方法。
6.前記極性有機溶媒は、アセトニトリルまたはメタノールであるこ
  とを特徴とする請求項4または5に記載の二次元ホウ素化合物含有
  シートの製造方法。

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine


BLUE GIANT .4
※映画ブルージャイアント/FIRST NOTE:ドラムセクションコピー演奏

●今夜の寸評:(いまを一声に託す)

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持続可能な製造能力④

2023年03月09日 | ネオコンバーテック

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」



via TouTube ➲ てんびんの里五個荘 近江商人屋敷 藤井彦四郎邸

宮大工による総ヒノキ造りの迎賓館、ユニークな洋風、
ログハウス風の洋館と池泉回遊式の雄大な庭園
宮荘町(旧:五個荘町大字宮荘)出身、スキー毛糸で知られる藤井彦
四郎(1876~1956)の生家でもある旧宅をそっくりそのまま資料館と
したもの。総面積8155.3平方メートルの中に屋敷・土蔵・展示館があ
り、現在の日本経済の礎を築いたといわれる近江商人の暮らしぶりは
もとより、歴史や商法などがわかりやすく展示。日常の生活の場であ
る本屋は、倹約を身上とした近江商人らしく質素なもので、それとは
対照的に客殿は、それぞれの部屋が、螺鈿細工(らでんざいく)など
の高級調度品で飾られ、随所に得意先を大切にした商人らしい気配り
が残る。また、客殿(迎賓館)から見える庭園は、藤井彦四郎自身の
構想で作られたもので、珍石、名木を有し清水をたたえた地泉回遊式
庭園で、大自然を模し野趣に富んだ雄大な作りの庭園。土蔵や展示館
は、合羽や堤灯などの行商や店で使われていた道具・小間物類が展示
され、道中姿や帳場風景も再現されている。


庭園内にある石作りの羅針盤(方位計)



迎賓館には、終戦に向けて奔走した総理大臣「鈴木貫太郎」の書があ
りこの書のサインのところが刀で切られ、徹底抗戦派軍人によるもの
という。庭に面する日本間(迎賓の間)は役所広司主演の映画「日本の
いちばん長い日」(2015年版)の撮影で使われた場所だという。
via フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


【著者略歴】
半藤一利(ハンドウカズトシ)
1930(昭和5)年、東京に生れる。作家。28年、東京大学文学部卒業後、
文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役、同社
顧問などを歴任。

✔2回に分けて観光する。前もって知人の宮荘在住の小原氏に電話を
入れたが終日都合がつかないということで挨拶なしで帰宅する。その
彼の自宅から数メートル離れたところにこのような莫大な総檜づくり
(お風呂も桧風呂)迎賓館の質素にして華麗な屋敷と庭園に圧倒され
ることになり、条里制集落の歴史の重厚さを再確認する。


ポスト・ソヴィエト文学研究会(編)
出版年月2022年9月  東洋書店新社
【概説】
ソ連崩壊からプーチン政権による強権体制、そしてウクライナ戦争。
激変する社会環境の中で作家たちは、ロシアに渦巻く声を代弁してき
た。最新のロシア文学案内から見えてくる、今を生きる作家たちのリ
アルな声を聞け!
【目次】

作家インタビュー 聞き手:奈倉有里
リュドミラ・ウリツカヤ
ドミトリー・ブィコフ 小説
オリガ・スラヴニコワ「チェレパノワ姉妹」岩本和久訳
クセニヤ・ブクシャ「ソスノヴァヤ・ポリャーナ アーシャ」松下隆
志訳
ローラ・ベロイワン「コンデンス―濃縮闇―」高柳聡子訳
パーヴェル・ペッペルシテイン「アイボリット先生」岩本和久訳
ジャナール・セケルバエワ「Zシティのキマイラたち」高柳聡子訳
ロマン・センチン「よそ者」松下隆志訳
エヴゲーニー・ヴォドラスキン「四人のナース」松下隆志訳 論考
レフ・ダニールキン「クラッジ」笹山啓訳
ワレリヤ・プストヴァヤ「ディプティク」越野剛訳
越野剛「アレクシエーヴィチと現代ロシアのノンフィクション文学」
高柳聡子「ロシア現代文学における「女性文学」の系譜」
鴻野わか菜「ロシア現代アートと文学」 編集委員座談会
私の本棚――二一世紀のロシア文学
--------------------------------------------------------------

   世界に輪がある間は
   ナイフも生きている。
   口に蛇がいる聞は
   聖ゲオルギーは客に来る。

   「決闘」という言葉を思い出すために
   二人の騎士はふたたび組み合った。
   ひずめの跡を、長靴の跡を
   雨と血に埋めさせよ。 
                    
             
              パーヴェル・ベッベルシティ 著 
                           岩本 和久 訳          
                            小説『アイボリット先生』より 

訳者解説
ここに訳出したのは、パーヴェル・ペッペルシテイン『カーストの神
話生成的愛』第二巻の三二章である。
ペッペルシテインは一九六六年生まれ。モスクワ・コンセプチュアリ
ズムのアーティストとして、麻薬による幻覚や精神病による妄想を表
現してきた。
長編小説『カーストの神話生成的愛』は第一巻がセルゲイ・アヌフリ
エフとの共著で一九九九年に、第二巻はペッペルシテインの単著とし
て二〇〇二年に刊行された。同じ九九年に発表されたウラジーミル・
ソローキン『青い脂』、ヴィクトル・ペレーヴィン『ジェネレーショ
ン〈P〉』と共にロシア・ポストモダニズムを代表する記念碑的作品
である。
この作品では独ソ戦が党オルグ(組織者)のドゥナーエフの幻覚とし
て提示されている。ドゥナーエフの前に立ちはだかるのも人間の軍隊
ではなく、児童文学の主人公の姿をした妖怪たちだ。
開戦時に工場のピアノを運び出そうとして逃げ遅れたドゥナーエフは、
妖怪「ボボ」の肛門に吸い込まれ、口から吐き出されると、今度は頭
の中に雪娘を埋め込まれる。その後、ドゥナーエフは、森の中にいた
コサック中尉や、不死身のカシチェイらロシア民話の主人公に助けら
れながら、各地を転戦する。敵からの戦利品として「ロバの尻尾」を
贈られたりもするが、これは『クマのプーさん』に登場するロバのイ
ーヨーの尻尾だ。
今回、翻訳した章はソ連領内での戦いの棹尾を飾るもので、ドゥナー
エフは物語の始まった場所である工場でピアノを見出し、医師アイボ
リット(コルネイ・チュコフスキーの作品の主人公で、「あいたた先
生」の題で邦訳されている)と対決し、中尉や不死身のカシチェイと
別れる。この物語の後、ドゥナーエフはルーマニア、ハンガリー、ヴ
ェネツィア、ベルリンと進軍していく。
--------------------------------------------------------------

 ロシア文学深読みキーワード集
  プーチン
 2000年に大統領に就任したプーチンは独裁者や皇帝とも呼ぱれる
 が、不良少年のような言葉づかいを交えつつも、どこかミステリ
 アスな独特のキャラクター作りをしている。 KGB出身という
 経歴も異色だ。
 そのイメージには作家も注目し、アレクサンドル・プロハーノフ
 は『ヘキソーゲン氏』においてプーチンを大統領に押し上げよう
 とする陰謀劇を描き、ヴィクトル・ペレーヴィンは『妖怪の聖典』
 に、連邦保安庁の将校の姿をした狼の妖怪を登場させた。
 ウラジーミル・ソローキン『親衛隊士の日』が風刺するのは、プ
 ーチン政権誕生に伴うロシア社会の変化である。1990年代に政治
 を牛耳っていたオリガルヒ(政商)は一掃され、国家主義的な考
 えが社会を支配するようになった。ソローキンはその変化を粗暴
 な中世に回帰した近未来のロシアというイメージで描いたのだが、
 『ヘキソーゲン氏』も『妖怪の聖典』もこの社会変化に言及して
 いる。
 プーチンの強面ぷりは言葉の世界にも及んでいる。ソ逓解体後、
 それまで控えられていた卑語や罵倒語が小説などに登場するよう
 になったが、2014年には印刷物での使用を禁じられた。90年代に
 は人形劇の風刺ショーがテレビで人気を博していたが、2019年に
 は国家や政府を侮辱することが違法とされた。その一方で、プー
 チンは作家との関係を重視しており、大統領に就任するとすぐに
 行なったのが、ソルジェニーツィン邸への訪問だった。
 プーチンはその後も主要な作家との面会を重ねており、それはあ
 たかも、帝政明の刺帝、あるいは20世紀のスターリンの振舞いを
 反復するかのようだ。一方で、リュドミラ・ウリツカヤやドミト
 リー・ブィコフのようにプーチンから距離を取る作家もおり、プ
 ィコフが連邦保安庁によって毒殺されかけたという疑惑も浮上し
 ている。   
                        (岩本和久)

※岩本和久(いわもと かずひさ):1967年生まれ。東京大学大学院
人文社会系研究科博士課程修了(博士)。札幌大学地域共創学群教授。
専門は現代ロシア文学、ソヴィエト文学。著書に『トラウマの果ての
声:新世紀のロシア文学』(群像社、2007年)、『情報誌の中のロシ
ア:文化と娯楽の空間』(東洋書店、2008年)『沈黙と夢:作家オレ
ーシャとソヴィエト文学』(群像社、2003年)、『フロイトとドスト
エフスキイ:精神分析とロシア文化』(東洋書店、2010年)、訳書に
パーヴェル・ペッペルシテイン『地獄の裏切り者』(水声社、2022年)
がある。

 ♞
 ナヴァ-リヌイ

 アレクセイ・ナヴァーリヌイ(1976~)は、ロシアの反体制政治
  家弁護士、ブロガー。彼の父はウクライナのチェルノブイリ原発
 に近いザリッシャ村の生まれで、祖父母らは原発事故後の強制移
 住を経験した。このことが彼が政治に目覚めるきっかけとなった。
 2000年、リベラル系政党「ヤブロコ」の党員となる(2007年除名)。
 2006年、Livc Jounalにブログを開設。2011年、読者投票でロシア
  語ベストブログに選はれた。2011年12月の下院選挙に対する不満
 から発生した反政府デモでは、プーチンは泥棒だ!」などのシン
 プルなスローガンを掲げて運動を主導。同年、「反汚職闘争基金」
 (FBK)を設立。他方、この頃から彼自身に詐欺などの容疑が
 かけられるようになり、「キーロフの森」事件(2011)や「イヴ・
 ロッシュ」事件(2012)などで有罪判決を受けた。これらの容疑
 は捏造だと言われている。
 2013年、YouYubeにチャンネルを開設。汚職を告発し、社会問題
 を議論る動画を次々に公開。2017年にはさらにライブ中継チャン
 ネル Navalny LIVE
を立ち上げた。同年のメドヴェージェフ首相の
 汚職構造を暴く動画は、若者を中心とする全国的な反政府デモに
 展開した。
 2013年にはモスクワ市長選に立候補し、首位のソビャーニンに次
 ぐ 27・24%の得票率を確保。2016年にはさらに大統領選への立候
 補を表明したが、未解決の罪状があることを理由に受理されなか
  った。彼の政党「未来のロシア」も政党登録を認められていない。
  2020年、シベリアのトムスクからモスクワへ戻る飛行機の中で突
  然意識不明となる。
  オムスクに緊急着陸後、病院に搬送されるも適切な診断を受けら
  れず、ドイツ政府の協力のもとベルリンに搬送され、一命をとり
  とめた。ロシア連邦保安庁が関与する化学兵器ノヴィチョクによ
  る暗殺未遂と考えられている。
  2021年1月、リハビリを終えて帰国するも、空港のパスポート・
  コントロールで即座に逮捕される。これに対して各地で大規模な
  反対デモが行われるが、政府は厳しく弾圧。6月にはFBKとナヴ
  ァーリヌイ事務所は過激派組織に指定された。ナヴァーリヌイは
  2022年5月現在も収監中である。彼には次々に罪状が課され、当
  面の出所の見込みはない。愛妻家で知られ、彼の政治活動を支え
  る妻のユリヤも人気が高い。

                                      (上田洋子)
※上田洋子
ロシア文学者、博士(文学)。ゲンロン代表。編著に『歌舞伎と革命
ロシア』(森話社、2017年)、監修に『プッシー・ライオットの革命』
(DU BOOKS、2018年)、訳書にクルジジャノフスキイ『瞳孔の中』(
共訳、松籟社、2012年)など。

 ♞ プッシー・ライオット
 フェミニストのアクティヴィスト集団。美術史的にはモスクワ・
 アクショニズムの流れを汲む。アートグループ「ヴォイナ」から
 派生した活動体である。2011年秋、プーチン氏が首相から大統領
 に返り咲く意思を示したことで生まれた反体制の機運のなかで、
 匿名の女性パンクバンドとして結成された。最初の作品は同年11
 月の「石畳を解放せよ!」。初期のアクションは、ネオンカラー
 の目出し帽にミニドレス、カラータイツ姿の女性たちが、モスク
 ワのあちこちをジャックして反体制ソングを歌い、その映像R You
  Tube
に投稿されるというものだった。2012年2月21日のアクション
  「聖母よ、プーチンを追い払え」(パンク祈祷)では、クレムリ
 ンのそぱのロシア正教総本山、救世主ハリストス教会に侵入し、
 プーチン氏やキリル総主教を批判する歌を歌った。
 国営を合むマスメディアが取り上げたこともあり、動画は拡散さ
 れ、大きな波紋を呼ぶ。3月にはナジェージダ・トロコンニコワ
 (1989~)、マリヤ・アリョーヒナ(1988~)、エカテリーナ・
 サムツェーヴィチ(1982~)の3名がフーリガン罪で逮捕。8月に
 は2年の実刑判決が下り、再審を経てサムツェーヴィチを除く2人
 が矯正収容所に送られた。
 裁判の過程はネットメディアで中継され、彼女たちの毅然たる態
 度は一部で大きな支持を集めた。また、「歌を歌った」ことが罪
 状となったせいで、マドンナやオノ・ヨーコら、世界の音楽・ア
 ート界が彼女たちを支援した。

 2013年12月に恩赦で釈放。2014年、トロコンニコワとアリョーヒ
 ナは、トロコンニコワの夫(当時)で隠れたメンバーのピョート
 ル・ヴェルジーロフ(1987~)とともにインターネット独立メデ
 ィア「メディアゾーナ」を立ち上げた。現在、若い世代にメンバ
 ーを拡大しつつ、人権擁護活動や戦争報道を続けている。なお、
 2018年にはヴェルジーロフらがサッカーW杯ロシア大会決勝戦で
 ピッチに乗り込み試合を中断させて反政権アクションを行い、世
 界から非難を浴びた。
 トロコンニコワはその後現在米国に拠点を移し、音楽をメインに
 活動。2022年のロシアによるウクライナ侵攻後は、それまでロシ
 アに残って運動を続けていたアリョーヒナをはじめ、複数のメン
 バーが国外脱出を余儀なくされた。 
                         (上田洋子)

 ♞ 公安機関
 公安-国内の防諜および対外的な諜報にかけては、伝統的に悪名
 高いのがロシアである。ソ逓初期、社会にまだ間達さがあった1927
 年の、イリフ&ペトロフによる滑稽小説『十二の椅子』に、主人
 公の一人が外国の間諜と勘違いされ、「GPUが来るぞ」と脅かさ
 れて狼狽する場面があるが、1930年代に至ると、この光景がまっ
 たく笑い事ではなくなった。

 ◆チェー・カー(ChK=反革命および破壊活動との闘争を担う全
 ロシア非常委員会)
 1917年創設。F・ジェルジンスキーが議長を務めた。1919年モス
 クワのルビャンカ広場前に本部を移して以来、現在に至るまで、
 この地がロシア公安機関の本拠地であり続けている。これ以後、
 ロシア公安機関要員は「チェキスト」と俗称されるようになった。
 ◆ゲー・ペー・ウー(GPU=国家政治保安部)
 1922年チェー・力-から改称。1923年オー・ゲー・ペー・ウー(
 OGPU=合同国家政治保安部)と改称された。
 ◆エヌ・カー・ヴェー・デー(NKVD=内務人民委員部)
 1934年、既に警察組織を統括していた内務人民委員部はOGPU
 併せて再編され、下部組織としてゲー・ウー・ゲー・ベー(GUG
 
=国家保安本部)が公安部門を担当した。
  次世界大戦中、公安部門はエヌ・カー・ゲー・べ-(NKGB=国
 安人民委員部)として独立し、国防、海軍、内務を司る各人民委
 員部もスメルシ(「スパイに死を!」の略)と呼ばれる内部防護
 組織を結成した。戦後の1946年、これらはエム・ゲー・ぺー(M
  GB
=国家保安症)として再編されたが1953年、ソ連最高指導者ス
 ターリンの死に際してエム・ヴェー・デー(MVD=内務省)に編
 入された。
 ◆カー・ゲーベー(KGB=国家保安委員会)
 1954年内務省から独立した。ソ連末期に解体されて改変を繰り返
 した末、国内部門としては1995年以降、
 ◆エフ・エス・ベー(FSB=連邦保安庁) 国外部門は1991年以降、
 ◆エス・ヴェー・エル(SVR=対外情報庁)として、現在に至る。
 ちなみにSVRは、旧ソ連構成諸国(CIS)相互の協定により、これ
 らの諸国内では活動できない。そこでロシア政府は協定の抜け連
 として、 FSBにこれら諸国での活動を代行させ、とりわけウクラ
 イナで大いに暗躍させていたことが、2022年の侵攻に際して露見
 した。
                        (桜井厚二)

※桜井厚二(早稲田大学非常勤講師。ロシア文学研究。著書に『現代
用語としてのドストエフスキー』(東洋書店、2000年)、「社会の断
面を描く推理小説」『現代ロシアを知るための60章』(明石書店、20
12年所収)など
                                               この項つづく
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技術的特異点でエンドレス・サーフィング
      
【再エネ革命渦論 99: アフターコロナ時代 298】  


  
 プラスチックの劣化状態を非破壊分析するシステム
結晶の厚みと結晶中の高分子らせんの数を同時計測
2月28日、産業技術総合研究所の研究グループは、プラスチック製品
のX線散乱と近赤外光の吸収を同時に計測し、劣化状態を診断する技
術を開発している。開発した計測装置は透過性が非常に高いX線と近赤
外光を用いるため、フィルム状など計測用に試料を加工せず
、試料を
あるがままの形状で計測することが非破壊で劣化による破壊や変形を
生じた箇所を形状や厚みの制限を受けずに測定でき、かつ、全く同じ
箇所にあるプラスチックの多角的な情報が得られるため、プラスチッ
クの劣化を分析するうえで有用なツールとなります。このため、開発
された計測装置は、使用され劣化したプラスチック部品の品質評価や
、ひいては劣化しにくいプラスチックの設計指針を得ることによりプ
ラスチックの長寿命化へ貢献することが期待できる。(「方法」「結
果及び考察」省略)
【展望】
開発した分析技術を普及させるため、企業と積極的に連携し、様々な
化学分析によって材料の状態を診断し、適切な処置を提案する「材料
の総合病院」として、企業からの診断依頼に幅広く対応させていく。 

 無機ナノファイバーに金属原子を挿入する技術
次世代のエレクトロニクス応用に期待
3月3日、東京都立大学と産総研らの研究グループは、直径数〜数十
ナノメートル程度の遷移金属モノカルコゲナイド(TMC)のナノファイバ
ーの内部に金属原子を効率的に挿入する技術を開発している。

   
図1.(a)三元系TMCの結晶、(b)単一のTMC原子細線の模式図。緑
色が遷移金属原子、橙色がカルコゲン原子、紫色が挿入原子に対応。  

【要約】
1.遷移金属モノカルコゲナイド(TMC)のナノファイバーの内部に金属
 原子を挿入する技術を開発。
2.原子分解能電子顕微鏡で断面を直接観察することにより、挿入さ
 れたIn原子の位置を特定
3.しなやかで安定な繊維状超伝導体の実現に向けた基盤技術として
 期待。
【展望】
今回利用した手法は金属の蒸気に試料を晒すという簡便なものであり
In以外の様々な原子のインターカレーションにも適用可。これまで実
現されていない組成の三元系TMCナノファイバーの実現や、このような
原子の挿入技術は、ナノファイバーの電気伝導特性の理解と制御にも
有用。また、研究で明らかになった結晶構造や格子振動に関する知見
は、TMC系材料の評価のための重要な指針となり、新たなTMCの物質開
発や作製技術の高度化を通じ、超伝導特性を示す柔軟かつ安定なナノ
ファイバーの実現や微細な配線・透明電極・導電性複合材料などの応
用に結びつく。
※インターカレーション:分子結晶や層状結晶などの隙間に他の分子
や原子を挿入する化学反応。グラファイトの層間にリチウムイオンを
挿入したLiC6はリチウムイオン電池の負極剤などに用いられている。


図1.
 
リチウム金属電池用の新しい高分子電解質
月日、香港大学の研究者は、リチウム金属電池アプリケーションのカ
チオン輸送を少なくとも4倍改善できる一連のアニオン ネットワー
ク固体電解質を発見している。
【要約】
最先端のエネルギー貯蔵技術として、リチウムイオン電池は多くの注
目されているが、そのエネルギー密度は有限で、大量のエネルギー貯
蔵に対する圧倒的な需要を満たすことができず、市販の可燃性液体電
解質も安全上の懸念がある。これらの問題を解決し、次世代電池技術
のエネルギー密度を高めるために、優れた電気化学的特性を備えた無
溶媒単一イオンポリマー電解質が開発され、リチウム金属電池アプリ
ケーションのイオン輸送を改善に、一連の無溶媒アニオン ネットワー
ク ポリマー電解質のネットワークを設計する。 アニオン性ネットワ
ークポリマーは、異なる化学量論比の分岐エチレングリコールリンカ
ーによって架橋されたホウ酸アニオンからなるダイヤモンドイド構造
として形成され、ネットワークポリマーの制御されたセグメント移動
を可能にし、増加するセグメント移動度は、高いイオン伝導率を提供
し、イオン輸送は、特に特定のアニオン間距離で、ポリマーのセグメ
ント移動度を操作することによって主に制御されることが明らかとな
る。

ただし、自由分岐を特徴とするネットワークポリマーの高速セグメン
トダイナミクスではイオン輸送が制限されており、配位部位を変更す
る際のフラストレーションが原因である可能性が高く、アニオン間距
離と比較して分岐がイオン輸送にあまり寄与しないことを意味する。
際立ったネットワーク ポリマーは、Li+ 陽イオン輸送において顕著
なイオン選択性と高い酸化安定性を示した。ガルバノスタティック サ
イクリングは、樹状突起の成長に対する優れた耐性を示し無溶媒ネッ
トワーク ポリマーがリチウム金属電池の強力な電解質として機能でき
ることを示唆する。


図1.
持続可能な製造能力④
 光触媒を利用した世界初のサステナブル燃料製造
Syzygyの最先端技術を生かした脱炭素の取り組みを加速

1月30日、住友商事グループは、エネルギー大手のEquinorのコーポレ
ートベンチャーキャピタルであるEquinor Venturesとともに、米国の
スタートアップであるSyzygyが、同国の著名な研究機関であるRTIイ
ンターナショナルと行う、光触媒技術を用いた世界初のサステナブル
燃料製造のプロジェクトに参画することを表明している。世界の脱炭
素化を進めるには、水素やアンモニアなどのCO2を排出しないクリーン
エネルギーの普及が必要不可欠。これらのエネルギーは太陽光・水力
・石炭・天然ガスなど、自然そのままの状態で使用できる一次エネル
ギーとは異なり、化学反応を用いてそれらのエネルギーを転換したう
えで使用する必要がある。例えば、クリーンエネルギーとして近年大
きな注目を集めている水素の製造プロセスでは、水の電気分解、水蒸
気や天然ガスの改質、アンモニアの分解など、さまざまな化学反応が
必要。


図2.本プロジェクトにおける製造過程

プロジェクトでは、Syzygyが持つ最先端の技術により、メタンとCO2
から合成ガス(一酸化炭素と水素の混合ガス)を製造した後、RTIイ
ンターナショナルの設備を用いて従来のジェット燃料、ディーゼル、
ガソリンの代替になり得るSAF(持続可能な航空燃料)やメタノールな
どのさまざまな低炭素燃料を製造します。また、原料となるメタンに
バイオガスを使用することで、より低炭素の燃料の製造も狙う。これ
らの製造過程では、CO2を原料とし、化学反応を起こす際に再生可能エ
ネルギー由来の電源を使用向けに、カーボンニュートラル社会の構築
に大きく寄与できる。本プロジェクトを通して得られたデータを基に
装置の最適化などを行い、住友商事グループは、SAFやディーゼル、メ
タノールなど、各地の需要に応じた低炭素燃料の商業生産を、地産地
消型で行うことを目指す。

 
イオンを捕捉し、次世代太陽電池の生存率を高める
2月27日、ノースカロライナ州立大学の研究グループは、ペロブスカ
イト材料内でイオンを定義された経路に導くことで、ペロブスカイト
太陽電池の安定性と運用性能を改善できることを明らかにしている。
それによると、より軽量で柔軟性があり、実用的に使用可能なより効
率的なソーラーセル技術の新世代が開発できるという。
【要約】
安定性と電流 - 電圧ヒステリシスは、金属ハロゲン化物ペロブスカイ
トの商業化に対する主要な障害となっています。 どちらの現象もイオ
ンの移動に関連しており、安定したデバイスはヒステリシスが低いと
いう逸話的な証拠がるが、複雑な安定性とヒステリシスのリンクの根
底にあるメカニズムは、とらえどころのない。 ここでは、多結晶金属
ハロゲン化物ペロブスカイトにおける空孔媒介ハロゲン化物拡散を説
明するマルチスケール拡散フレームワークを提示し、2〜4桁遅い体積
拡散率から高速粒界拡散率を区別。粒界の活性化エネルギーと体積拡
散の間の反比例の関係を明らかにしており、より小さい体積拡散率を
示す安定した金属ハロゲン化物ペロブスカイトは、より大きな粒界拡
散率と減少したヒステリシスに関連している。金属ハロゲン化物ペロ
ブスカイトにおけるマルチスケールのハロゲン化物拡散の解明により、
粒子体積と粒子境界におけるイオン移動の間の複雑な内部カップリン
グが明らかにした。これにより、金属ハロゲン化ペロブスカイトの安
定性とヒステリシスを予測でき、この分野の未解決の課題に対処する
ためのより明確な道筋が提供されうる。



図1.多結晶固体におけるマルチスケール拡散の模式図、および横方
向拡散プロファイルの定量化とモデリングa、ソースに近い体積拡散を
伴う多結晶 MHP を介した外来イオン拡散の模式図、続いて GB 分離と
GB に沿ったイオンの高速拡散 (i)。 多結晶 MHP におけるさまざまな
タイプの拡散とそれに対応する拡散フロントの概略図 (ii)。
Deff、DV、DGB はそれぞれ実効拡散係数、体積拡散係数、GB 拡散係数
を表し、t は拡散時間を表します。 右側のパネルは、理想化された
タイプ B および C の拡散プロファイルを示す。 C と δは、それぞ
れイオン濃度と GB幅を表す。 b、横方向拡散研究を可能にするために
アニールされたオフセット積層サンプルの概略図。 MA、FA、Cs、およ
び Rb は、それぞれメチルアンモニウム、ホルムアミジニウム、セシ
ウム、およびルビジウムの陽イオンを表す。 c、ホスト MAPbBr3 の
I- の 2D SIMS マップ。 2Dマップは、積層サンプルを 120℃で 2 時
間アニーリングした後に収集される。 破線は、c または d でラベル
付けされたさまざまな領域の境界を示す。 挿入図は、PHI nanoTOF II
装置を使用して収集された GB 拡散領域の 2D SIMS マップを示す。
d、y 軸上の 2D マップで I- 信号を積分することによって得られた
I- の 1D 拡散プロファイル。青と赤の実線は、方程式 (1) と (2) を
使用して、それぞれボリューム領域と GB 拡散領域への erfc 関数の
適合を示す。

 動的核偏極磁気共鳴法で炭素材料の微細表面構造解析に成功
次世代炭素材料の一つにグラフェンや薄膜炭素がある、グラフェンや
薄膜炭素材料作製には、黒鉛を化学的に酸化して炭素層を剥離するこ
とで、酸化グラフェンを得る方法などが知られているが、この酸化グ
ラフェンは触媒となる金属ナノ粒子を担持することや、ポリマーやカ
ーボンナノチューブなどと複合化ができるため、化学反応の触媒、燃
料電池等の電極触媒としてだけでなく、ドラッグデリバリーシステム
などのバイオマテリアル分野を含め、多種多様な分野で応用できる。


図1. DNP-NMRによる観測(信号強度増幅は10倍以上となる。)

このような炭素材料の表面は数多くの欠陥構造があり、水酸基やカル
ボキシル基、エポキシ基、メチル基などの表面官能基が存在し、炭素
材料の性質はこの表面官能基の種類や結合量により、大きく変わる。
よって、この表面官能基の状態を把握し、制御する材料開発では重要
であり、炭素材料の表面官能基についてはX線光電子分光法(XPS)や
昇温脱離法(TPD)といった分析・解析されてきましたが感度は良い
が、精度が課題がを残す、一方、該核磁気共鳴分光法(NMR)では、
官能基の種類の分析は高精度で行えるも、従来の方法では検出感度が
低い問題がある。 今回、京都大学化学研究所などの研究グループは、
動的核偏極(DNP)を応用し従来のTEKPol/有機溶媒系からAMUPol/
水系に変更し、水酸基やカルボキシル基の存在により親水性が増して
いると考えられる炭素表面へラジカル分子の接近を可能とすることで、
DNPによる信号強度増幅を実現。
従来のTEKPol/有機溶媒系からAMUPol/水系に変更し、水酸基やカル
ボキシル基の存在により親水性が増していると考えられる炭素表面へ
ラジカル分子の接近できることで、DNPによる信号強度増幅を実現。
【展望】
今後DNP-NMRを用いて炭素材料の微細表面構造の解析が進むみ、DNP-
NMRを用い、炭素材料の表面構造に残存する微少量の表面官能基の存
在を明らかにし、それぞれの炭素材料の表面状態の違いの解明がで
き、各種触媒元素の担持への適合性などを知ることができるようにな
る。


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❏ 2030年AR/VR表示機器の世界市場,7兆4,301億円に
2月14日、富士キメラ総研は,新機種の投入や関連コンテンツ,ソリ
ューションの進化により今後の拡大が期待されるAR/VR関連市場の最
新動向を調査し,その結果を「AR/VR関連市場の将来展望 2023」にま
とめた。ここでは,AR(Augmented Reality:拡張現実),VR(Virtual
Reality:仮想現実)の技術を活用したコンテンツの表示機器,具体的
にはVR表示機器はHMD(ヘッドマウントディスプレー),AR表示機器
はHUD(ヘッドアップディスプレー)やスマートグラス,スマートコ
ンタクトレンズを対象とした。またAR表示機器の一部として,より高
精度なオーバーレイ表示を可能とするMR(Mixed Reality:複合現実)
表示機器も含む。


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風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine


BLUE GIANT .3
Tomoaki Baba 馬場智章 - Four Arrows 

 

●今夜の寸評:(いまを一声に託す)

 

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持続可能な製造能力③

2023年03月06日 | 環境リスク本位制

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」


山形 駒太郎 大漁 
Screen Rich Haul  1995/S30年 182cm×364cm

   



技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   
【再エネ革命渦論 96: アフターコロナ時代 297】




持続可能な製造能力③:人工光合成のプロセスの課題
太陽エネルギーの利用方法で最も普及しているのは太陽電池(太陽光
発電)です。時計や街灯、電卓の電源として、また、アウトドアや災
害時の補助バッテリーとして暮らしの中に浸透している。大規模な太
陽光発電システムを目にする機会も増えた。これらの一般的な太陽電
池では光を電気に変換する割合(エネルギー変換効率)が15~20%程
度と言われている。対して、人工光合成では変換効率3%以上を目標に
研究が進められている。小さい数字に見えますが、植物の中でも変換
効率が高いサトウキビでも2.2%程度。藍藻類のスピルリナで0.5%程
度、トウモロコシでも0.8%程度。太陽エネルギーの利用方法で最も普
及しているのは太陽電池((太陽光発電)。時計や街灯、電卓の電源と
して、また、アウトドアや災害時の補助バッテリーとして暮らしの中
に浸透している。大規模な太陽光発電システムを目にする機会も増え
た。これらの一般的な太陽電池では光を電気に変換する割合(エネル
ギー変換効率)が15~20%程度と言われている。対して、人工光合成
では変換効率3%以上を目標に研究が進められている。
小さい数字に見えますが、植物の中でも変換効率が高いサトウキビで
も、0.2%程度。 藍藻類のスピルリナで0.5%程度、トウモロコシで
も0.8%程度である。



二酸化炭素の分離・回収・貯留・利用技術 CCSは、“Carbon dioxide
Capture and Storage”の略語で、二酸化炭素(CO2)を分離・回収し、
地中などに貯留する技術のこと。CCUSは、同じく“Carbon dioxide
Capture, Utilization and Storage”を略したもので、回収したCO2の貯留
に加えて利用しようというもの。これらは地球温暖化の大きな要因で
あると考えられている大気中のCO2濃度を削減する必要があることから
注目が高まった技術、活動である
。CO2の分離・回収、地中や海底への
貯留、運搬、直接利用、燃料や化学製品への変換による資源化、炭素
循環(カーボンリサイクル)全体の仕組みなどを対象としたさまざま
な研究が展開されている。CCS/CCUSの基盤となる技術は以前からあっ
たが、特にUtilization(利用)が加わったことで技術の選択肢が格段に
増えた。CO2の分離・回収、資源化の技術、それらを組み合わせた経
済的で合理的なサイクルを構築するため、さまざまなチャレンジが始
まっています。 CO2を分離・回収するだけでなく、利用する 排出源に
合わせたエネルギー効率の良い回収技術 である。
----------------------------------------------------------------
【関連技術論文】
※特開2023-17130 水素分離装置と水素分離方法 三菱ケミカル株式会社
【要約】
図1のごとく、素、酸素、及び水蒸気を含む混合ガスを通過するガス
流通路と、該ガス流通路の下流に水素を分離する分子篩膜を備える水
素分離装置であって、このガス流通路内に、平均粒子径200~1700μ
mの球状脱湿剤が含まれている、水素分離装置で、水素、酸素、及び
水蒸気を含む混合ガスから、水蒸気を低減できること、及び該混合ガ
スが安全性高く取り扱えること、を両立する装置を提供する。


【符号の説明】
1 導入口  2 回収口  3 排出口  10 分子篩膜  10a 分子
篩膜の一方側の表面  10b 分子篩膜の他方側の表面  11 外壁
材  12 外装体  15 無機多孔質基材  20 細隙材  20a
充填剤(脱湿剤)  21 ガス流通路  30 水分解反応器  40
気液分離膜  50 水素分離体  


150℃以下の低温でCO2からCOを選択的に合成できる新触媒技術
  大阪大学,科学技術振興機構 2021.5.27
モリブデン酸化物に白金(Pt)ナノ粒子を担持した触媒をの 水素
化反応に用いると、従来よりも低い140℃という低温でもCO が
高効率かつ選択的に生成されることを発見。さらに、触媒に光を照射
すると反応速度は最大で4倍程度まで向上し、また、今回発見した
光照射による触媒反応の促進は、モリブデン酸化物の表面プラズモン
共鳴効果に由来していることを実験的に裏付けた。

 
※低温で二酸化炭素からメタノールを合成できる触媒 産総研 
  2021.01.14
【概要】
カーボンリサイクルに向けた基盤的な触媒技術
1.低温・低圧で二酸化炭素水素化による高選択的メタノール合成が
 可能な触媒の開発
2.二酸化炭素からのメタノール合成の高効率化に向けた新たな触媒
 設計指針を提示
3.カーボンリサイクルの実用的反応プロセスにつながる触媒技術課
 題.希少金属イリジウムからグリーン材料への切り換え

特許第6092426号 太陽放射から利用される合成ガス生成セルによ
る、
二酸化炭素の炭化水素燃料への変換 サウジ アラビアン オイル
カン
パニー 2016年4月14日 
【要約】 
図1のごとく、熱エネルギーおよび電気を生成するために、太陽熱発
電システムで利用される太陽エネルギーを使用して、二酸化炭素を炭
化水素燃料に変換するためのプロセスであって、燃料供給流を加熱す
るために、熱エネルギーを使用し、加熱された燃料供給流は二酸化炭
素および水を含み、二酸化炭素は燃焼排ガス流から捕捉され、一酸化
炭素および水素を生成するために、合成ガス生成セル中で二酸化炭素
および水を変換し、合成ガス生成セルは、固体酸化物電解質を含み、
触媒反応器中で一酸化炭素および水素を炭化水素燃料に変換する。少
なくとも1つの実施形態では、合成ガス生成セルは、固体酸化物燃料
電池である。少なくとも1つの実施形態では、合成ガス生成セルは、
固体酸化物電解槽セルである。 



図:超高速水透過と脱塩を両立するフッ素化ナノチューブ
uwptnc wdfis
海水を飲み水に変える「極細チューブ」
水を超高速で通し、塩を通さないフッ素ナノチューブを開発
次世代超高効率水処理膜の実現に向けて

持続可能な社会を実現する上で海水の淡水化は必要不可欠な課題。こ
れまでさまざまな水処理膜が開発されたが、地球規模の飲料水不足を
解決するには、現在用いられている水処理膜の能力を破格に高める必
要がある。昨年5月13日、東京大学らの研究グループは、テフロン表面
のように内壁がフッ素で密に覆われた内径0.9ナノメートルのナノチュ
ーブ(フッ素化ナノチューブ)を超分子重合により開発した。このナ
ノチューブは塩を通さないが、これまでの目標であったアクアポリン
の4500倍の速度で水を透過。一般に高い水透過能と高い塩除去能を同
時に満たすことは極めて難しいが、ここでは、密なフッ素表面が水分
子の結合を切断し同時に塩化物イオンの侵入を阻止するために、これ
までにない圧倒的なスピードでの塩水の脱塩が実現された。この成果
は、地球規模の飲料水不足に対応するための超高速水処理膜の開発に
つながると期待されている。
【要点】
1.内壁がテフロン表面のようにフッ素で密に覆われたナノチューブ
 を超分子重合で開発。
2.このナノチューブは塩を通さないが、これまでの目標であったア
 クアポリンの4500倍の速度で水を通した
3.海水を高速で真水に変える次世代水処理膜の開発に貢献する。

【関連論文】
雑誌名:「Science」(オンライン版:5月12日)
論文タイトル:Ultrafast water permeation through nanochannels with a de-
nsely fluorous interior surface.

著者:Yoshimitsu Itoh, Shuo Chen, Ryota Hirahara, Takeshi Konda, Tsubasa
Aoki, Takumi Ueda, Ichio Shimada, James J. Cannon, Cheng Shao, Junichiro
Shiomi, Kazuhito V. Tabata, Hiroyuki Noji, Kohei Sato, and Takuzo Aida

DOI番号:10.1126/science.abd0966  



全ては、『第二次量子革命』 に包括される! でしょうか?
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● 今夜の一冊



 2022年12月に第三者上空飛行が可能となる改正航空法が施行され、ド
ローンの本格的な社会実装、事業化が始まる。未来社会を変えるドロ
ーン、物流・観光活用・災害対策・設備点検…。人手不足を補い、こ
れからのビジネス・地域創生を担うドローン。航空法が改正され、ド
ローンの社会実装の拡大や次世代モビリティへの期待が高まるなか、
ビジネスシーンはもちろん教育現場や自治体でドローンを事業に活か
すために必要な知識ををまとめた学生・実務者必携の一冊。

【目次】 
第1章 次世代エアモビリティの社会実装に向けて(ドローンへの期
 待;ドローンの歴史とその技術 ほか) 
第2章 社会におけるドローン活用(次世代エアモビリティ―人が中
 心となる活用に向けて;政府の取り組み ほか) 
第3章 産業に活かすドローン(日本のドローン産業―歴史と課題;
 ドローン配送実現に向けて ほか) 
第4章 教育現場でのドロー ンの可能性(教育テーマとしてのドロ
  ーン; ドローンと「ハサミ」 ほか) 
第5章 近づく人とドローンの距離(次世代エアモビリティの特徴;
 社会受容の仕組み ほか)

【著者略歴】
鈴木真二:
東京大学未来ビジョン研究センター特任教授、同大名誉教授、工学博士。
1977年東京大学工学部航空学科卒業、1979年同大学院工学系研究科修
士課程修了。豊田中央研究所などを経て、1996年東京大学大学院教授。
2000~01年同大総長補佐、2009年同大航空イノベーション総括寄付講
座代表、2014~2017年同大広報室長、2019年同大スカイフロティア社
会連携講座代表、2019年より現職。日本航空宇宙学会会長、日本機械
学会副会長などを歴任
中村裕子:
 東京大学大学院工学系研究科スカイフロンティア社会連携講座特任准
教授、工学博士。2003年東京大学工学部システム創成学科卒業、2004
年パリ中央工科大学校産業システム工学特別修士課程修了、2006東京
大学大学院工学系研究科環境海洋専攻修士課程修了。日産自動車株式
会社勤務を経て、東京大学総括プロジェクト機構(航空イノベーショ
ン総括寄付講座)。2017年8月より現職。アーバンエアモビリティ自
治体ネットワーク(UIC2‐Japan)発起人
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  2.2.1 広がるドローン市場一農業からイベント開会式まで
 ドローンの活用の幅は測量・農業・インフラ点検などにも広がっ
 ており,これからは技術の質の向上が期待されている.空撮利用
 は既に全国的に定着し、ドローンによる測量も各地で行われてい
 る.測量にはレーザーの使用や撮影データの3Dモデル化などの技
 術が活かされている.農業分野では,農薬散布以外にもドローン
 の活用方法が現れてきた.たとえば,専用のカメラでの空撮によ
 って生育のむらを把握し,均一化につなげるというものがある。
 インフラ点検においては,送電線の点検のような高所や狭陰部で
 の利用が始まっている.その他,2021年に開催された第32回夏季
 オリンピック東京大会開会式でのドローン飛行など,多様な分野
 での利活用の事例が出てきている。


 図2.1は,日本国内のドローンサービス市場の動向である.活用
 の幅の広がりとともに急速な市場の拡大を見せている.民間の調
 査によれば,市場規模は,2016年度の154億円から2021年度数は
 約7倍の1129億円,さらには2025年には4360億円と10年で約30倍
 の市場に達すると見込まれている.分野別にみると,特に測量・
 点検等の成長は著しく,2025年度においては,1962億円と,ドロ
 ーンのサービス市場全体の半分近くを占めると予想されている。
 政府としても,成長が著しいドローン産業に関して,活用拡大と
 安全・安心の確保の両面から政策を推進することが必要であると
 考えており,内閣官房小型無人機等対策推進室が関係省庁と連携
 した対応を行ってきている。

   2.2.2 ドローンの飛行レベル
 ドローンに開するビジネス展開と技術開発に対応しつつ,課題を
 解決していくには,関係する幅広い関係者の知見を結集し,継続
 的に取り組む体制が必要である.このため,政府では,2015年よ
 り官民の専門家・関係者が一堂に会する「小型無人機に係る環境
 整備に向けた官民協議会」を開催している。

 官民協議会では,ドローンの飛行について,飛行する地域の条件
 や操縦の方法などに基づいてレベル分けを行っている.それが以
 下のドローンの飛行レベルである.このうち,2022年度の実現が
 目指されてきたのがレベル4である.レベル4は,ドローンの利
 活用について,重要な1つの目標であり,
 そこで可能になるのは有人地帯における袖助者なしでの目視外飛
 行,たとえば現在はまだ認められていない第三者の上空を飛行し
 ての荷物輸送等が可能となるレベルである.この実現は,ドロー
 ンビジネスの幅を広げるためには不可欠のステップといえる.


 レベル4の実現については,2021年に閣議決定された成長戦略実
 行計画や成長戦略フオローアップに必要となる制度整備,技術開
 発,社会実彼等に関する方針が記載されている.政府はこれらに
 よって,少子高齢化や過疎化,担い手不足といった課題を克服し
 たいと考えている.に把握できるようにする他,安全性に問題の
 ある機体の所有を抑止するといった目的がある.2021年12月20日か
 ら事前登録が始まり,2022年6月20日からは登録が義務化された.
 また前述のように2022年12月からの施行となる機体認証と操縦ラ
 イセンスについては,これまで以上に機体の安全性や操縦者等の
 技能を確保する必要性から検討・創設されることとなった.

 続いて技術開発の取り組みである.1つは安全・安心な機体の開
 発である.政府・公共部門においても,測量やインフラ点検,捜
 索等,ドローンを利活用した業務のニーズが拡大している.こう
 したニーズに対応するため,安全性や信頼性を確保したドローン
 の開発を政府としても支援している.具体例には,NEDO(国
 立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施す
 る事業として,高いセキュリティを実現するドローンの開発があ
 る.

 2021年12月より株式会社ACSLより市場へ役人されているSOTEN
 蒼天)がその成果である3).また,2021年10月,多種多様な行政
 ニーズに対応するためのドローンの開発を支援するための検討会
 が立ち上げられ,検討が進められている.さらに ドローン運航
 管理システム(UTM)の分野でも技術開発に取り組んでいる.
 経済産業省とNEDOが行うUTMの実証実験等を通して得られた課
 題を分析し,今後の制度の検討も進められていくこととなる. 最
  後の社として社会実装がある.ロードマップでは,物流と防災・
 災害対応の分野,そして自治体の連携強化のための取り組みに焦
 点を当てて計画を立ててている.物流分野については,実証実験
 の段階から持続可能な事業形態として実装することを目指してい
 る.そのために2021年にガイドラインを整備レ ドローン物流の
 事業の導入方法や配送手段,関係法令等についてまとめた5).今
 後もそのガイドラインを更新していく予定である.



 防災・災害対応の分野に関しては,運用ルール等の環境整備や運
 航管理等に関わる技術開発を行うとともに先運的な取り組み事例
 を他の地域にも横展開していくことを目指している.また,2022
 年10月現在では,地域で実装を進めていくための検討や実証実験
 が,JUTMをはじめとするさまざまな主体にて行われていると
 ころである6). 自治体の連携強化については,情報共有のプラ
 ットフォームとなるウエブサイト「ドローン情報共有プラットフ
 ォーム」の開設を2022年4月に行い、
2022年9月,兵庫での開催
 を第1回とする定期的なドローンサミットの開催した.既にドロ
 ーンの利活用に関する実証実験を行っている自治体では,効果や
 課題の検討が行われているが,得られた知見を自治体間などで共
 有できる揚が充実していないという状況がある.そこで,情報を
 集約できるプラットフォームを創設するとともに ドローンサミ
 ットを開催することとした。これらを通じ,関係者が連携してド
 ローンの社会実装に向けて取り組む機運を高めたいと考えられて
 いる.
--------------------------------------------------------------



風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine


BLUE GIANT .2



●今夜の寸評:(いまを一声に託す)デッドラインを越えたか?!

 

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持続可能な製造能力②

2023年03月05日 | 環境工学システム論

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」


●今日は天気がよく昼から大津にお出かけ!


ひかるくん(大津市石山寺)


● 雇用のランチは大津そば(石山寺前「小松屋」)





● 紫式部の舞台から叶匠壽庵へ!
大津市大石龍門には、琵琶湖から唯一流れ出る瀬田川のほとり、六万
三千坪の丘陵地に寿長生の郷(すないのさと)あり。梅や柚子などを
植え、農工ひとつの菓子づくりを目指す。自然の谷川を利用し、山林
の部分はそのままに散歩道をめぐらせ、数百種類の野の花が咲く姿は
人々を楽しませてくれる。

 

わたしのチョイスは「草の餅」。蓬をたっぷりと練り込んだ滋賀県産
のもち米(滋賀羽二重もち)でつぶ餡を包みこまれている。あっさり
と炊き上げた小豆と杵つきの蓬餅。

昨今は哀しみつつまれたること多く、ものの哀れに時に涙が頬をつた
うことも多し、今日も、先日の「天秤の里」につづき、彼女に引かれ
心を打ちあわせた。(あわすことはできたかな ?! ^^;
PS.まだ寒く、梅の花も満開には手が届いていない。

>

● 明日のモーニングはジュブリルタン!
近江鶏と季節野菜のホットサンド
白味噌でマリネした近江鶏とケール、人参、カブを使ったホットサン
ド。琵琶湖や庭を眺めながら、ほっとひと息!J’oublie le temps って!



図1.各国別の温室効果ガス排出量シェア 2016 IEA


図2.各国別の温室効果ガス排出量シェア 2020:
Structure of CO2 emissions from fuel combustion by country, 2021,
billions of metric tons of CO2  IEA
排出量最大国は中国

日本が誇る触媒技術を活用した「人工光合成」
人工光合成の概念
さまざまな産業分野のうち、CO2を多く排出しているのはどの産業分野の第
1位は、熱を多く使用する「鉄鋼業」。第2位は、プラスチックなど身近な製品
の原料を製造する「化学産業」。日本で1年間に排出されるCO2の約6%が
、化学産業に由来。


人工光合成のプロセス
人工光合成の鍵となるのは、日本が国際的に強みを持つ「触媒技術」。ここ
では特に、プラスチックなどの原料になる「オレフィン」を合成を記載する。人
工光合成では、まず、「光触媒」と呼ばれる、光に反応して特定の化学反応
をうながす物質を使い、この光触媒は、太陽光
に反応して水を分解し、水素
と酸素を作り出す。次に、「分離膜」を通して水素だけを分離し、取り出しす。
最後に、取り出した水素と、工場などから排出されたCO2とを合わせ、化学
合成をうながす「合成触媒」を使ってオレフィンを作る。 


 出所:資源エネルギー庁:CO2を“化学品”に変える脱炭素化技術
   「人工光合成;artificial photosynthesis

日本では、この人工光合成技術の実現に向けて、「光触媒」「分離膜」
「合成触媒」に関する研究開発がおこなわれ、経済産業省が支援する
研究プロジェクトが2012年度から始まっており、2014年度以降は国立
研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)へと引き
継がれ、日本を代表する企業、大学、国立研究機関等、産学官の連携
により現在も研究が進められている。

CO2とH2から製造される「合成燃料」
また、合成燃料は、CO2(二酸化炭素)とH2(水素)を合成して製造さ
れる燃料。複数の炭化水素化合物の集合体で、“人工的な原油”とも
言われ、原料となるCO2は、発電所や工場などから排出されたCO2を利
用。将来的には、大気中のCO2を直接分離・回収する「DAC技術」を使
って、直接回収されたCO2を再利用することが想定されている。CO2を
資源として利用する「カーボンリサイクル」に貢献することになるた
め、「脱炭素燃料」とみなすことができると考えられている。もうひ
とつの原料である水素は、製造過程でCO2が排出されることがない再生
可能エネルギー(再エネ)などでつくった電力エネルギーを使って、
水から水素をつくる「水電解」をおこなうことで調達する方法が基本
となります。現在主要な水素製造方法は、石油や石炭などの化石燃料
から水蒸気を使って水素を製造する方法だが、この方法と組み合わせ
ると、①化石燃料から水素をつくる ②その製造過程で発生したCO2
を分離・貯留する ③その後別の回収したCO2と合成する…ということ
となり、非効率な製造プロセスになるためである。
尚、再エネ由来の水素を用いた合成燃料は「e-fuel」とも呼ばれている。


出所:資源エネルギー庁
via エンジン車でも脱炭素?グリーンな液体燃料「合成燃料」とは
    スペシャルコンテンツ


図.エネルギー密度の比較
出所:トヨタ自動車
このようなケースで、化石燃料由来の液体燃料を液体合成燃料に置き
換えれば、エネルギー密度をキープしつつCO2の排出量をおさえること
ができる。また合成燃料の大きな特徴として、従来の「内燃機関」(
たとえばガソリンを使うためのエンジンなど)や、すでに存在してい
る燃料インフラを活用できる点がある。水素エネルギーなどのほかの
燃料では新たな機器やインフラを整備しなければならないのにくらべ
て、導入コストをおさえることができ、市場への導入がよりスムーズ
になると考えられる。これまでの化石燃料と変わらない使い勝手の合
成燃料は、エネルギーのレジリエンス(強靭性)やセキュリティの面
でもメリットがある。積雪により停電が発生した地域への燃料配送、
高速道路で立ち往生した自動車への給油もでき、災害対応機能を持っ
た全国のサービスステーションなどでは既存のタンクを活用した備蓄
も可能。また、国内で工業的に大量生産できること、常温常圧で液体
であるため長期備蓄が可能であることなど、さまざまな優位性がある。


図:2017年に発表された国際エネルギー機関(IEA)の見通し
出典:IEA 「ETP(Energy Technology Perspectives) 2017」に基づき経済産
  業省作成

さまざまな分野での合成燃料の活用方法
既存の燃料インフラや内燃機関の活用が可能な合成燃料は、導入コスト
をおさえられるなど産業界にとっても大きなメリットがある。特に石
油精製業では、国内の石油需要の減少で設備能力の削減が求められる
一方、余剰となったタンク、土地、人材などの資源をどうするかとい
う課題がある。合成燃料を導入すれば、既存インフラを活用しながら
新規事業に取り組むことができる。また、灯油・LPガス・都市ガスを
利用した暖房器具は、エアコンとくらべてすぐに暖まる、外気温に影
響されにくいなどの特徴があり、とりわけ寒冷地域では引き続き需要
が残る可能性がある。こうした場合にも、灯油などの代替燃料として
合成燃料を利用できる。また、産業用ボイラーの燃料としての活用も
考えられる。


図.今後10年間で集中的に技術開発・実証をおこない、2030年までに
高効率かつ大規模な製造技術を確立、2030年代に導入拡大・コスト低
減をおこなって、2040年までに自立的な商用化を目指す。

人工光合成 低い変換効率が最大の課題


図1 光触媒の太陽エネルギー変換効率 ※出典:NEDO

上図のごとく、人工光合成の最大の課題は、低い太陽エネルギー変換
効率。既に植物と比較すると技術レベルは、変換効率は植物を超えた
といえる。しかし、生命活動だけに利用する植物とは違い、産業とし
て活用していくためには、さらに高い変換効率が必要になる。

人工光合成としては、2011年に豊田中央研究所が、二酸化炭素と水か
らギ酸(HCOOH)を合成することに成功した他、2012~2013年にはパ
ナソニックがギ酸やメタンを生成するシステムを公開している。さら
に東芝は2014年12月に人工光合成において、太陽エネルギー変換効率
1.5%を実現したとしている。また2015年3月には、NEDO(新エネルギ
ー・産業技術総合開発機構)と人工光合成化学プロセス技術研究組合
(ARPChem)が、人工光合成技術で世界最高レベルとなる太陽エネル
ギー変換効率である2%を達成したことを発表。

太陽エネルギーを活用し、水を分解し、二酸化炭素と合成するという
技術だけを考えれば、太陽光発電を利用し、その電力で水を電気分解
するという方法も取れる。また現状だけを見れば、こちらの手法の方
がエネルギー変換効率も高い。太陽光発電と電気分解設備を利用する
仕組みでは、電気分解設備の初期コストが高くなり、導入への負担が
大きくなる。理論上では人工光合成の方が低価格で実現でき、そのた
め将来的に産業で活用しやすい。そしてもう1つの理由は、人工光合成
は日本が世界に技術面で勝てる領域。太陽光発電や電気分解はある程
度確立された技術で、日本の技術的な優位性はそれほどない。しかし、
光触媒や人工光合成は日本が技術的にも強い領域。NEDOでは、2021年
度までに人工光合成技術で、太陽エネルギー変換効率10%を目指すと
ともに、最終的には基幹化学品製造基盤技術の確立を目指す。パナソ
ニックなども2020年以降に光触媒水素生成デバイスの実用化に向けた
研究開発が進み、実用化に向けた取り組みが本格化している。


出所:東芝

持続可能な製造能力②
最新水電解装置事情 東芝の場合
天候の影響を受けて変動する再エネの電力を水素などに変換し、貯蔵・
輸送を可能にするPower to Gas(P2G)技術において、レアメタルの一
種であるイリジウムの使用量を従来の10分の1に抑えた電極の大型製
造技術を確立した(*1)。P2Gでは、再エネの電力を利用して水を水素
と酸素に電気分解(水電解)し、水素に変換します。 水電解には、再
エネ電力の変動への適応性が良く耐久性の高いPEM(固体高分子膜:
Polymer Electrolyte Membrane)を用いた「PEM水電解」方式が注目され
ているが、電極に用いる触媒に貴金属の中で最も希少なイリジウムを
使用しており、実用化にはイリジウム使用量の削減が課題の一つ。独
自の酸化イリジウムナノシート積層触媒を開発し2017年に従来のイリ
ジウム使用量を1/10に抑えることに成功。本触媒を一度に最大5㎡成
膜化できる技術を開発し、電極の大型製造技術を確立。本技術により、
カーボンニュートラル社会の実現に不可欠なP2Gにおいて、再エネ電
力の変動に対応したP2G技術の早期実用化を見込むことができる。当社
は2023年度以降の製品化を目指す。

この水電解における「持続可能な製造能力」で材料供給における電解
電極に使用されるイリジウム使用量である。東芝は昨年10月、PEM
水電解装置のイリジウム使用量を減らし電極は従来比500倍に大型化
の開発をすすめることを公にしている。それによると、PEM(Polymer
Electrolyte Membrane
:固体高分子膜)型水電解装置の電極で、触媒に
用いるイリジウム(Ir)の単位面積当たりの使用量を従来の10分の1に
抑えながら、1度に最大5m2(従来型の約500倍)の触媒層を成膜できる
技術を開発。同社によると、最大出力200kW程度のPEM型水電解装置の
電極サイズ相当する。均一な成膜と表面積の拡大による発電の高効率
化も実現。量産体制の確立などを急ぎ、2023年度以降の製品化を目指
す。

スパッタリングで均一な酸化Ir層を成膜
水を電気分解して水素を生成するPEM型水電解装置は、カーボンニュー
トラル(温暖化ガスの実質的な排出量ゼロ)実現に向けた水素活用技
術の一環として注目されている。しかし、水電解に使う電解質膜と電
極が一体化した MEA( Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)
の触媒層に、高コストで希少なIrを用いる点が課題となっていた。こ
れに対して東芝は、触媒層の成膜にスパッタリングを用いて、Irの
使用量を削減する手法を2017年に開発。
--------------------------------------------------------------
スパッタリング コーティングや薄膜形成に用いられる物理的気相
成長法(PVD)の一種。真空中にアルゴン(Ar)などの不活性ガスを
導入。成膜材料(ターゲット)にマイナスの電圧を印加して不活性ガ
ス原子をイオン化し、そのイオンを高速でターゲットの表面に衝突さ
せる。この衝突によって、ターゲットの成膜材料の粒子を弾き出し、
基材や基板の表面に付着させて薄膜を形成する。従来は、Ir触媒層を
成膜するのに、酸化イリジウム(IrO2)の粉末を多孔質チタン基材に
塗布する手法を採用していたが、この手法だと塗布むらが生じるため
水電解効率が低下。十分な水電解を行うためにはIrの使用量を減らせ
なかった。そこで同社が考案したのが、多孔質チタン基材上にスパッ
タリングによって触媒層を成膜する手法だった。
--------------------------------------------------------------
【関連特許技術】
※ 特開2022-143974 電気化学装置 東芝 2021年3月18日 
【要約】
随1のごとく、電気化学装置20は、第1流路12を有する第1電極
2と、第2流路13を有する第2電極3と、第1電極2と第2電極3
とで挟持された隔膜4とを備える電気化学セル1と、第1電極2の第
1流路12に接続され、稼働時に第1電極2で生成された生成物及び
第2電極3から第1電極2に浸透する水が送られる気液分離タンク2
7と、気液分離タンク27の液体部分に接続され、停止時に気液分離
タンク27の水を第1電極2の第1流路12に送る水封入配管29と
を具備することで、起動停止操作を実施した際の性能の低下を抑制す
ることを可能にした電気化学装置を提供する。


【符号の説明】
1…電気化学セル、2…第1電極、3…第2電極、4…隔膜、5…第
1触媒層、7…第2触媒層、12…第1流路、13…第2流路、20
…電気化学装置、24…第1水タンク、27…第2水タンク、28…
第2配管(動作用配管)、29…第3配管(水封入配管)、30,
31…逆止弁。
※ 特開2021-169084 電解水生成装置および電解水生成方法 
   東芝 2021年7月5日
【要約】
図14のごとく、電解水生成装置は、電解液を収納する電解液室と、そ
れぞれ隔膜を介して電解液室に対向する陽極14および陰極20が設
けられた電極室と、電解液室に設けられ隔膜を介して陽極に対向する
第2陰極20Bと、陽極、陰極および第2陰極に給電する給電部23
と、電解液を電解することで得られる陽極生成水と陰極生成水を混合
して混合生成水とする生成水混合部と、を備えている。給電部は、陰
極および第2陰極への通電比率を調整し、混合生成水のpHを調整す
pH調整機構を有していることで、生成する次亜塩素酸水のpHを
中性付近に制御可能な電解水生成装置を提供する


【符号の説明】
10…電解水生成装置、11…電解槽(電解セル)、14、134a
…陽極、 16、44a、132a…第1隔膜 18、44b 132b
…第2隔膜、 20、134b…陰極、15a、120…中間室、15
b、126…陽極室、15c、 122…陰極室、30…スペーサ、
32、140…マスク、40…電解液室、 42…電極室、20B…第
2陰極、SW…切換えスイッチ
特許第6612714号 電解水生成装置 東芝 2016年10月31日
【要約】
図3のごとく、電解水生成装置は、筐体52と、筐体内に設けられた
電解槽20と、電解液を収容する密閉構造を有し、筐体内に設けられ
たバッファタンク70と、筐体内に設けられ、電解液を貯溜する外部
タンクからバッファタンクに電解液を供給する第1ポンプ42と、筐
体内に設けられ、第2ポンプ58によりバッファタンクの電解液を電
解槽の電解液室に供給し、電解液室を流れた電解液をバッファタンク
に送る電解液供給部と、を備えることで、ガス臭の発生を抑制すると
ともに小型化が可能な電解水生成装置を提供する。

【符号の説明】
10…電解水生成装置、20…電解槽、15a…中間室、15b…陽
極室、 15c…陰極室、16a…第1隔膜、16b…第2隔膜、18a
…陽極、 18b…陰極、30…給水部、40…電解液供給部、42…
供給ポンプ、 46…循環配管系、48…ドレイン配管、50…装置本
体、52…筐体、 56…循環配管、58…循環ポンプ、60…外部タ
ンク、70…バッファタンク、 72…タンク本体、74…蓋体、90
…フロートセンサ
※ 特開2017-128806 電極、電気化学セル、電気化学装置、スタック
及び電極の製造方法 2017.7.27
【要約】
図1のごとく、実施形態の電極は、基材と、前記基材上に設けられた
中間層と、前記中間層上に設けられた触媒層と、を有する電極であっ
て、前記中間層は、化合物、貴金属の単体又は貴金属を含む合金のう
ち2つ以上の物質を含む混合物であり、前記混合物の組成比率が、前
記基材と中間層とのの界面近傍における中間層の組成比率は、前記触
媒層と中間層との界面近傍における中間層の組成比率と異なる電極で
構成することで高い活性および耐久性を持つ電極を提供する。

✔電解再生システム開発をテーマにしていたこともあり,(合計年数で
2~3年)、新しい電極材料および型式開発には現在も非常に興味を
もっており、①高電解効率化、②高耐久性、③高持続可能な製造能力
に、④高付加価値電極及び電解システム(大面積グラフェン超薄膜電
極➲まるでシルクのごとく➲新超純粋製造濾過膜のように?!)
について今後もリサーチ継続)。とはいえ、日本のレベルは高いので
当面トップを走ることは間違いないだろう。
                                                 この項つづく


図 ⼀重項励起⼦分裂によって⽣成された五重項状態を⽤いた核 スピン
  の⾼偏極化のイメージ

⽔を⾼核偏極化する⾊素材料の開発
⼀重項励起⼦分裂(シングレット・フィッション)の新しい応⽤

シングレットフィッションとは、有機材料中などで生成した励起一重}
項が二つの励起三重項に分裂する過程をさす。
第⼆次量⼦⾰命が勃興するなか、シングレットフィッション過程の存
在は、1960年代に有機結晶の蛍光強度に対する磁場効果の観測により
実証され、2000年代に有機デバイスの高効率化にフィッションが利用
できるのではというアイデアが提唱されて以降、再び研究が活発化。
有機結晶の蛍光強度の磁場依存性を観測し、シングレットフィッショ
ンの機構解明がなされてきた。
また、光合成や太陽電池などの光エネルギー変換システムでは、光が
励起子や電荷を中間体として瞬時に生みだし、必要不可欠なエネルギ
ー源となる。これら変換過程の根源的なしくみは、植物光合成や有機
太陽電池などの複雑で不均一な組織・膜中における光反応初期過程を明
らかにすることで理解され、将来に期待される「光の有効利用する超
高効率デバイス開発の具体的指針が提示できる。従来の一重項励起子
分裂の応用例としては光エネルギー収支に着目した太陽光発電の高効
率化が主流でしたが、一重項励起子分裂によって生み出される五重項
状態と呼ばれる特殊な量子状態に着目した応用研究は未開拓であった。

3月2日、九州大学、北里大学、神戸大学、理化学研究所らの研究グ
ループは、一重項励起子分裂により生じる偏極した五重項状態を用い
水分子の核磁気共鳴(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)信号強度を向
上させる新たな手法の開発。水分子のNMRシグナルの増大は、磁気共鳴
イメージング(MRI)を始めとする生体分析の分野で特に重要で、従来、
一重項励起子分裂は太陽電池などエネルギー分野への応用が想定され
てきたが、この成果により、その量子状態を用いたNMR感度の増感とい
うバイオ分野への新たな応用が提示された。

【要約】
有機一重項核分裂材料を利用して長寿命の遊離三重項を高収率で収穫
することは、潜在的に太陽光発電効率を高めるための基礎となる可能
性があるがし、一重項分裂分野で最も研究されているシステムである
ポリアセンを除いて、スピン絡み合った相関三重項ペアと、一重項分
裂によって生まれた自由な三重項は、比較的特徴付けられない。 ハミ
ルトン受容体置換ジケトピロロピロール誘導体からなる超分子凝集体
薄膜における過渡吸収とフォトルミネッセンス分光法を利用すること
により、光励起がスピン0相関トリプレットペア1(TT)の形成を下部
フレンケル励起状態から引き起こすことを示します。 1(TT) の存在は、
振電カップリングによって有効になり、近赤外線でのアーティファク
トのないトリプレット状態の光誘起吸収と相関するかすかなヘルツベ
ルグ-テラー放出によって証明されます。 驚くべきことに、過渡電子
常磁性共鳴は、長寿命のトリプレットが、1(TT) 解離ではなく古典的
な項間交差によって生成され、2つの経路が競合していることを明ら
かにしています。 さらに、J 様薄膜と H 様薄膜の三重項形成ダイナ
ミクスを同じエネルギー論で比較すると、スピン軌道結合を介した項
間交差が両方で持続することが明らかになりました。 ただし、1(TT)
は J のようなフィルムでのみ形成され、一重項核分裂ダイナミクスに
対する分子間結合ジオメトリの大きな影響を特定する。
【関連論文】
掲載誌:Nature Communications
原題Singlet fission as a polarized spin generator for dynamic nuclear polari-
zation
(動的核偏極法のための偏極スピン⽣成への⼀重項励起⼦分裂の
応⽤)
著者名:川嶋優介・濵地智之・⼭内朗⽣・⻄村亘⽣・中島悠真・藤原
才也・君塚信夫・笠僚宏・⽥村徹・⻄郷将⽣・恩⽥健・佐藤俊輔・⼩
堀康博・⽴⽯健⼀郎・上坂友洋・渡辺豪・宮⽥潔志・楊井伸浩
DOI:10.1038/s41467-023-36698-4
--------------------------------------------------------------


[こぼれ話:量子革命の系譜]
日本では、量子力学を応用する半導体産業や光産業といった第一次量
子革命で強みを発揮し、経済成長を牽引。一方、量子力学を生み出し
た欧州圏や米国では、その間にも量子の性質はどう捉えうるのかとい
った基礎的な部分の議論を引き続き積み重ね共有していた。現在、量
子コンピュータや量子通信といった量子力学の性質を積極的に用いる
ことで初めて可能となる技術の創出、つまり第二次量子革命に注目が
集まっている。新しい分野に挑戦する時は、本質を問い直すことが重
要。
言い換えると、20世紀の量子力学は、いわば外から量子の世界を見て、
その性質を利用し、半導体素子などを作ってきた。人間がよりミクロ
の世界を見られるようになったことで、量子力学に内在する確率的な
性質を統計的に捉えることができるようになったす。ここでは、量子
性をいわばざっくりと見ていて、重ね合わせ状態を「特別な状態」
捉えていても、あまり不都合なことが起こらないが、20世紀終わり
頃から急速に量子制御技術が普及する。このように、量子状態を人間
が直接操作することは、その捉え方が今と昔では大きく違い、量子情
とも呼ばれ、量子情報的な理解が進むことにより、量子力学の性質
が次々と発見されている。

量子コンピュータ・量子センサ
第二次量子革命の可能性
期待の大きい量子コンピュータだが、従来の技術では達成不可能な高
速性が期待されています。一方、量子コンピュータでも、プライバシ
に注目した優位性もあるが、それは量子コンピュータが可能にする秘
密計算。このように、まず何に使うのか、そしてどこに優位性を見出
すかで、さまざまな量子技術が見えてくる。

もう1つ。例えば、期待の大きい量子コンピュータ。従来の技術では
達成不可能な高速性が期待されている。一方、量子コンピュータでも、
プライバシに注目した優位性もある。それは量子コンピュータが可能
にする秘密計算、まず何に使うのか、そしてどこに優位性を見出すか
で、さまざまな量子技術が見えてくる(➲技術の見える化)。測定そ
のものを量子情報的にしで、この限界を超えていけることが理論的に
示されたのが量子センシングであるという。
※第二次量子革命における日本の量子教育の課題と現状、2022年11月
号, 先端教育オンライン






● 今夜の一冊:
物語のつむぎ方入門―“プロット”をおもしろくする25の方法
ジョーンズ,エイミー著 駒田 曜【訳】
創元社(2022/12発売)
【概要】 小説・映画・演劇のどのジャンルにおいても、物語をどの
ように構成すれば、読者の興味を引くかということにかんして、基本
的なセオリーがある。 ストーリーテリングにおけるプロット(筋立
て)は、 その基本のなかの基本で、 本書ではプロの作家が、プロッ
トに関する理論と、具体的なプロットをつくる技術を紹介し、プロッ
トをどのように操作すれば ドラマチックな効果が得られるかを伝え
る。 作家を志す人がアイデアを しっかりとした作品に育てることを
目的とした 実践的な本。
【目次】
キャラクター主導か、
プロット主導か
始まり、中間、結末
フライタークのピラミッド
緑の世界
衝突と対立
ウェルメイド・プレイ(よくできた芝居)
5段階構成の映画
プロットポイント
昔話の構造
英雄の旅〔ほか〕
【著者概歴】 ジョーンズ,エイミー[ジョーンズ,エイミー]
[Joness,Amy]トにあるストロード・カレッジで、英国トップレベル
のシックス・フォーム(大学進学準備教育)課程の英語科の主任を務
め、英語、文学、クリエイティブ・ライティングのほか、ポッドキャ
ストのシナリオ作り、詩、物語論も教えている。本書以外にも、物語
の書き方に関する著書がある。
--------------------------------------------------------------
 あらゆる偉大な物語は、アイディアの萌芽、すなわち、やがて生
 長する“何がから始まる。本書の目的は、作家志望者がそうした
 最初の着想を----散歩中にふとよみがえった記憶、電車の中で耳
 にした議論、夢で見た不思議な場面などを----しっかりした構成
 を持つ作品に育てるお手伝いをすることである。
 ストーリーテリングには、2つの基本要素がある。構造、つまり
 物語のプロットと枠組みに関するもの(本書で扱ぅ)と、方法、つ
 まりストーリーの語り方(姉妹書『Narrative』〔2023年刊行予定〕
 で扱う)である。
  本書ではますプロットの理論(物語を作るすべての人向け)を概
 観し、具体的なプロットモデル(爆竹家や脚本家向け)を取り上げ
 る。次に、古くから使われ続けてきた「必須プロット」とも言うべ
 きパターンに話を移す。続いてプロットと時間軸を論じ、それを
 どう操って劇的効果を生み出すかについて述べてから、幕開けと
 終幕に関するアドバイスを記す。また、折々に、試すに値する実
 践的な方法をいくつか紹介する。
  人類はつねに語り部を必要としてきた。古代の洞窟壁画、アボ
 リジニのドリームタイムの□承、粘土板に刻まれたギルガメシュ
 叙事詩、アフリカのグリオやトルコのアシークといった楽器と歌
 による伝承、ヨーロッパの吟遊詩人などが、物語を連綿と紡いで
 きた。物語は、単なる出来事の羅列ではない。時空け多くの例か
 ら学びを超えた視覚的で直感的なスナップショットのこともある。
 遥か遠い場所の古代の物語は、奇妙で非論理的で、普通の因果関
 係では捉えられない事象の連鎖に見えることもある。イ乍家として
 自分のスタイルを確立したければ、できるだ多くの例から学びど
 んな形のストーリーテリング術も参考にするよう心がけよう。 

  本書は伝統的な文学の構造に的を統って解説しているが、それ
 らを真似る必要はない。あなたは、できる限りの学びを得て、ペ
 ンを取ればよい。準備はできたかな? では始めよう。
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風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine


BLUE GIANT .1

仙台で高校生活をジャズに捧げた大は、上京し世界一のジャズプレー
ヤーになる道を模索する内に、ジャズピアニストの沢辺雪祈と出会い
ます。お互いの音に魅せられた2人はバンド「JASS」を組み、ド素人で
ある大の友人の玉田俊二をドラムに迎え、ぶつかり合いながら成長し
ていくというストーリー。

『BLUE GIANT』(ブルージャイアント)は、石塚真一による日本の漫
画作品。ジャズを題材とした作品で、『ビッグコミック』(小学館)
にて2013年10号から2016年17号まで連載された。マンガ大賞2016で第3
位。2017年、第62回「小学館漫画賞」(一般向け部門)、第20回文化
庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。2022年6月時点でシリーズ累計
発行部数は840万部を記録。2023年2月に劇場アニメ映画版公開制作に
当たり、JASSの各メンバーの演奏パートは、先にプロの演奏家(サック
ス:馬場智章、ピアノ:上原ひろみ、ドラム:石若駿)の演奏を録音
してから映像を作るという順序でおこなう。

●今夜の寸評:(いまを一声に託す)鳥インフルエンザパンデミック?   
        新型コロナウイルスパンデミックから何を学んだか 
        抗パンデミック基金制度の新設を考える必要がある。
        ➲ブログ「ウイルス解体新書」に追加掲載していく。
      
                            

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持続可能な製造能力

2023年03月02日 | 環境リスク本位制

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」


 言葉から言葉つむがずテーブルにアボガドの種芽吹くのを待つ

                         俵 万智 
                     角川『短歌』2月号

   



2月1日、「商家に伝わるひな人形めぐり」に五個荘金堂町近くの
「さがみ」で昼食をとり二人で散策・見学・観賞する。外村繁は出自
である近江商人の世界を客観的に描いた『草筏』で注目され、『筏』
『花筏』と共に長編三部作を成して高く評価された。『落日の光景』
『澪標』は私小説の極致と評され、
第1回の芥川賞にノミネートされ
た異色の近江商人だったことを知る。


二階の展示場に、三島由紀夫外村繁の書評に、その作風に低き丘陵と
喩えながら、低きといえど、(ひとと宗教の造詣)に"気味が悪い"
と評し直している一文に目がとまり、『草筏』などの三部作を読んで
みたいと思った。




【関係情報】
 近江商人  ➲ ウィキペディア(Wikipedia)
 五個荘金堂町➲      ↑ 
 外村 繁   ➲      ↑ 
 藤井彦四郎  ➲      ↑ 
 中江準五郎 ➲五個荘近江商人屋敷「中江準五郎邸」と小幡人形      ↑ 

 

   


技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   

【再エネ革命渦論 95: アフターコロナ時代 296】

シリコンベースのタンデム太陽電池のテラワッ規模の
    製造材料の持続可能性評価(続)
3.結果及び考察
3.1 持続可能なトップセルのオプション


図5 シングル ジャンクションおよびタンデム構造の PERC、TOPCon
および SHJ セルのボトムセル オプションについて、銀材料の使用法
(A) および対応する SMC (B) を取得しました。表 1 に記載されてい
る仮定とパラメーターに基づいて、タンデム デバイスはこれら3つ
の Si セルと同じ金属グリッド ジオメトリを持つと仮定するが、最
高のペロブスカイト/Si タンデム効率は 32.5%である。
図 4A から、PERC、TOPCon、および SHJのSi消費量が類似しており,
約 2.0 ~ 2.5 g/Wの範囲であることが明らかとなる。この違いは、
主に表 1に示す効率の違いによる。一方、 Siの厚さが同じ場合、図
4から、材料消費の削減における高効率の利点を確認できる
。一方、
SHJデバイス (26.81%) と比較し、タンデムデバイス(32.5%) では絶
対効率が 6%近く向上する。研究規模のタンデムに使用され3.16mg/W
という高い材料消費の上限を与える、より厚いSiウェーハの欠点を補
うことはできない。その理由は、ラボスケールのペロブスカイト/Si
タンデム構造の Si ボトムセルの大部分が最大 300μmの厚さのフロー
ト ゾーン (FZ) ウェーハ上に製造されているためである。
これにより、タンデム デバイスのSi消費量が高くなり、単一接合SHJ
セル (1.9 ~ 2.4 g/W、効率 24.02 ~26.81%、150 ~ 167μm Si) に
使用されるよりも 66%以上のSi材料になる可能性がある。ボトムセル
がチョクラルスキー (CZ) ウェーハ上に製造され、シングル ジャン
クション Siセルと同様に約 150μmの範囲の厚さの場合、図4Aに示す
ように、値は約 1.64 g/W になる可能性がある。したがって、CZウェ
ーハは、サイズ、厚さ、および費用対効果の点で産業用PVプロセスと
の互換性に加えて、Siベースのタンデム生産に大規模に採用されるこ
とが期待されている。これは、シリコンセルの薄型化が将来の PV 技
術で求められ続けることを強調する。

図 4Bに示すように、PERC、TOPCon、および SHJ セルの SMCSiも 650
~ 850 GW/年の同様の範囲を共有しているが、Si ベースのタンデムの
SMCSiは 532 ~ 938 GW/年のより広い範囲を示す。シリコン底部の厚
さが150μmで、最高効率が 32.5% であるため、Si ベースのタンデム
の SMCSi は 1 TW/年以上達成できる。 残念なことに、現在の単接合
シリコンセル技術はどれも、米国地質調査所で報告された現在の金属
形態のシリコン供給量で TW/年規模を達成はできない。業界も過大評
価されている。 実際、図2に示されている 2020年の世界のシリコン
供給量は、フェロシリコン (鉄とシリコンの合金) と金属グレード (
MG) シリコン (純度 98% ~ 99%) の両方で構成されている。 その後、
MG Siはポリシリコン (poly-Si) の製造に使用される。2020年の需要
は約 450ktで、同年の全世界の Si 供給量 (8120kt) のわずか 5.5%
に相当する。このうちPV業界は世界のポリシリコン供給量の約 90% を
使用。ポリシリコン生産の拡大は予想されており、避けられない。生
産工場では、計画から完全な生産まで 2.5~6年という比較的長いリー
ドタイムが必要であり、新しい鉱山から本格的な生産レベルが見られ
るようになるまでには10年以上かかる。需要増加のスピードに追いつ
けない可能性がある。これらの数字は、ポリシリコンの生産が費やさ
れている間、シリコンウェーハの厚さを減らし、材料の利用効率を高
めることに研究努力を払うべきであることを示している。これは、TW
/年の目標を達成するために必要なだけでなく、エネルギー集約型のシ
リコン精製に起因する温室効果ガスの排出を削減するためにも必要。

シリコン厚さを薄くするには、さまざまな方法が考えられる。第1に、
ダイヤモンド ワイヤー ソーイング中のカーフロスを減らし、カーフ
ロスを再利用することで、poly-Si の利用効率を高めることができる。
維持される。SHJおよびペロブスカイト/SHJ タンデムの製造に使用さ
れる低温プロセスは、低温プロセスで達成される歩留まりの向上によ
り、より薄いウェーハへの移行を容易にすることができる。高温の焼
成工程から冷却された後の組み込みの張力により、ウエハーの反りが
発生。これは、薄いウエハーには強すぎて、積層プロセス中に破損を
引き起こす可能性がある。たとえば、754 mV という世界記録の開回路
電圧は、最近、厚さ 56.2 μm の SHJ セル (効率 23.27%) によって
達成した。水素化ナノ結晶シリコン (nc-Si:H)薄層による優れた表面
パッシベーション. フォトニック結晶を使用した改善された光トラッ
ピングにより、厚さ3 ~ 20μmの超薄型 Siソーラーで 30% 以上の効
率が達成可能であることが研究で示されている。 さらに シリコン薄
膜技術は、シリコンの使用量を削減する別の道筋を提供するが、この
技術の効率は比較的低く、例えば、アモルファスシリコンモジュール
の安定した効率はわずか 7% にすぎず、ウェーハベースのSiセルと競
合するフィルムアモルファスシリコン太陽電池。 ポリシリコン製造か
らの排出量に関しては、脱炭素化された電力を使用してポリシリコン
製造と精製に電力を供給し、従来のシーメンス反応器から流動層反応
器 (FBR) などの排出量の少ないオプションに移行することで、これら
を劇的に削減できる。 このような FBR は、Siemens およびアップグ
レードされた冶金グレード(UMG) シリコンと比較して、製造されるPV
モジュール 1 GW あたりの排出量を 47.7% 削減できる。 太陽光発電
でのシリコンの使用については、ウェーハの厚さを減らして効率を上
げる努力をしても、ソーラー産業の将来の需要を満たすためにシリコ
ンの生産を大幅に増やす必要があることは避けられないだろう。

3.3 銀電極
2021年には、PV 業界は世界の Ag 供給量の 15%を使用した。これは、
生産量が現在 191 GW/年に達しており、スクリーン印刷された銀接点
が現在シリコン太陽電池の主要なメタライゼーション技術であるとい
う現実である。 PERC の場合、Ag はフロント バスバーの金属/Si コ
ンタクト形成、フィンガ/バスバーの電気伝導、および相互接続用のは
んだ付けパッドに必要で、 PERC の背面では、両面太陽電池を形成す
るフィンガーとバスバーとしてアルミニウムが使用されており、はん
だパッドには少量の銀しか必要としない。 対照的に、TOPCon および
SHJ 太陽電池の両側のバスバーとフィンガーとして Ag が必要なため
PERC よりも大幅に高い銀消費量となる。 ここで、Ag 消費量は、単一
接合 PERC (22.99–24.5%)、TOPCon (23.71–26.1%)、SHJ (.02–26.81%)、
および同じ金属グリッドで作られたタンデム デバイスで計算。 形状
は、これら3つの Si セルと同じですが、ペロブスカイト/Si タンデ
ム効率は 32.5% と最高にある。 結果として得られるすべての消費量
と SMC が図5にプロット。ボトム セルとして PERC を使用するタン
デムの場合、Ag 金属接点はタンデムの前面にのみ使用され、アルミニ
ウム接点は背面にあることに要注意。 詳細な銀金属グリッドの寸法
表S4 に示す

図 5A は、SHJ、TOPCon、および PERC 単接合セルの Ag消費量が、そ
れぞれ 21.5 ~ 24.2、18 ~ 19.9、および 11.2~ 12.4 mg/Wである
ことを示しています。 SHJ と TOPCon は PERC の ~2 倍、~1.6 倍の
Ag を消費します。 その結果、図 5B に示すように、対応する Ag の
SMC は PERC で 379 ~ 418 GW/年、SHJ と TOPCon でそれぞれ 220
GW/年と 260 GW/年未満。タンデム セルの効率が 32.5% であっても、
Ag の SMC は 1.2 ~ 1.4 倍しか改善できない。これは、PERC で Ag
グリッド設計を使用したタンデムの場合、515 ~ 533、253 ~ 254、
および 311 ~313 GW/年に相当。SHJ および TOPCon。 これらの製造
能力は TW/年の目標を大幅に下回り、現在の使用量は 3 TWp.a の目標
使用量である 1.6 mg/W (図 2) を大幅に上回っている。 世界の Ag
供給量の 20%を使用することに基づく。したがって、銀不足を防ぐた
めには、Ag使用量の大幅な削減が急務である。

さまざまなアプローチにより、銀の消費を減らすことができる。まず
2T タンデムは、式 (1) に基づく単一接合セルと比較して Jmp/Vmp比
が低いため、銀の使用量を削減する経路を提供する。

Ploss finger Rs = J mp V mp · ρ m · ρ f · W cell 4 12 · N BB 2 · M Ag · ƞ ,
$$ {Ploss}_{finger\ Rs}=\frac{J_{mp}}{V_{mp}}\cdotp \frac{\rho_m\cdotp
{\rho}_f\cdotp {W}_{cell}^4}{12\cdotp {N}_{BB}^2\cdotp {M}_{Ag}}\cdotp
                 \mathrm{\textnrleg}, $$
    (1)

これは、Jmp/Vmp 比と銀の使用量がセルのフィンガー抵抗による相対
的な電力損失に直接影響を示すために再編成された。 ここで、Jmpと
Vmp はそれぞれ最大電力点でのセルの電流密度と電圧、ρm はフィン
ガーの配線抵抗率、ρfはフィンガーの質量密度、ΝΒΒ はバスバー
の数、Wcell はセルの幅である。MAg は指の「mg」単位の銀の消費量
であり、η はセル効率を表します。表 2 に示すように、2Tタンデム
デバイスの Jmp/Vmp 比は約 0.011 であり、これは単一接合シリコン
セルの約 5分の1から6分の1に相当する。表2のセルのρm、ρf、
Wcell、
および ΝΒΒ のパラメータが同じであると仮定すると、2Tタンデム
デバイスでは、指の抵抗による同じ相対電力損失を維持する場合、使
用するMAg質量を大幅に減らすことができる。

表2. 最大電力点での効率 (η)、電流密度 (Jmp)、電圧 (Vmp)、およ
び単一接合 PERC、TOPCon、SHJ、および 2T ペロブスカイト/Siタンデ
ム デバイスの (Jmp/Vmp) 比。

銀の使用を減らすための 2つ目のアプローチは、指の幅を狭くし、指
のレイダウンを減らすことです。 これまでのところ、パターン トラ
ンスファー プリンティング (PTP™) 技術 60-62 によって 20 μm と
いう狭い指幅が達成されており、指の銀の使用量が約 50% 削減され
ています。 SHJ 太陽電池でロータリー スクリーン印刷 を使用し非
常に低い銀レイダウンが実現されており、バスバーのないデバイスの
場合、銀の消費量を 6 ~ 9 mg/W に減らす。しかし銀の使用量を1.6
mg/W の目標に近づけるためには、スクリーン印刷が主要なメタライゼ
ーション技術として存続するために、革新的な金属グリッド設計と、
銀を減らし/または銀を含まない代替ペーストを開発する必要がある。
たとえば、銀ペーストのシード層を Si 上にスクリーン印刷して金属
とシリコンの界面領域を形成し、次に非銀の導体で覆うか、断続的な
銀のフィンガーをスクリーン印刷して金属とシリコンの界面を形成し
、次に バスバーに横方向の伝導を提供する非銀導体で接続する。初
期の開発では、革新的なフィンガー パターン設計を使用した PERC セ
ルでの Ag 使用量の 8 mg/W への削減が示された。

銀の使用量を削減するもう1つの方法は、銅メッキであり、太陽電池
などの大規模生産で成功裏に展開されている。不動態化されたコンタ
クトおよびSHJアーキテクチャを特徴とする。

3.4  ITO層のインジウム
インジウムは主に、ペロブスカイトおよび SHJ太陽電池の透明導電体
として、および 2Tペロブスカイト/Siタンデムのサブセル間の再結合
層として、ITO および亜鉛ドープ酸化インジウム (IZO) 層で使用さ
れる。前述のように、インジウムの可用性は、ペロブスカイトセルの
SMC の制限要因です。 このセクションでは、SHJセルでのインジウム
の使用と、表 1 および S2 で紹介されているいくつかの選択された
2Tおよび 4Tペロブスカイト/Si タンデム デバイスを詳しく見て、現
在の材料消費量とターゲット材料消費量の違いを明確に把握する。


図6.(A) 現在使用されている ITO の厚さ、(B) 消費範囲で計算され
た値、(C) 単一接合 SHJ およびペロブスカイト セル、2T および 4T
ペロブスカイト/Si タンデム セルの SMCIn。

さまざまなセル技術の ITO の厚さ、消費量、および SMC を図 6に示
す。単一接合 SHJ セルの場合、ITO の厚さは通常、太陽電池の両側
で70 ~ 100 nm で、最高の効率は 26.81% 。 SHJ セルの In 消費量
は、図6Bに示すように 3.5 ~ 5.0 mg/W の範囲であり、 年間の世
界のインジウム供給量のわず 20%を使用して計算された 0.064mg/Wの
目標値の 55 ~ 78 倍。 SHJ に対応する In の SMC はわずか39~5
5GW/年 (図 6C) であり、図 5B に示すように Ag の SMCよりも低くな
っている。その結果、SHJのSMC はインジウムによって制約され、SHJ
セルの TW/年規模の生産目標を達成するのがさらに難しくなる。前述
のように、ペロブスカイトセルに必要な 40 ~ 285 nm厚の ITO 層で
の In の消費量は 1.0 ~ 7.3 mg/W であり、ペロブスカイト セルの
In の SMC は 26 ~ 186 GW/年。 これらは、シングル ジャンクショ
ン SHJ セルとペロブスカイト/Si タンデム セルに加えて、図 6 にも
プロットされている。2Tペロブスカイト/Siタンデムセルの ITO層の厚
さは、表 S2の候補に基づいて 40 ~ 320nmの範囲。 ペロブスカイト
トップセルでは 40 ~ 150 nm、シリコン ボトムセルでは 0~150 nm
で構成され、ボトムセルの種類によって異なる (ペロブスカイト/TOP
Con タンデムは、ペロブスカイト/SHJ タンデムよりもInを消費しない
)。2つのサブセル間の再結合層として40 nm。これらの厚さ計算の詳
細は、表 S3 に含まれる。
24.5%から32.5%の効率で、得られた In使用量は1.1~6.5 mg/Wである
ため、2Tペロブスカイト/Siタンデムの対応する In の SMC は 29~
177 GW/年です。対照的に、2つのサブセル間の再結合層は 4Tタンデ
ム構造では必要ないが、4Tペロブスカイト/Siタンデムは依然として
145~480 nm の ITO を消費します。 表S2の候補に基づくセル。
25.2% から30.1%の効率で、得られるIn使用量は 3.2–12.7mg/Wであり
これは 2T 対応物の 1.9~3 倍です。 その結果、4Tペロブスカイト/
Si タンデムに対応する InのSMCは、15~60GW/年と低くなる。
これらの数値は現在の使用状況では、タンデムデバイスが32.5%の最高
効率を達成したとしても、TW/年の目標を達成することは現実的ではな
いことを示す。

ITO のIn 使用量の限界を理解に、必要な厚さを計算し、図 7 にプロ
ットした。効率が 32.5% のタンデムセルを考える。 世界の年間供給
量と想定される年間生産量は 3 TW。 これらの制約があるため、図 7
に示すように、各タンデム デバイスに使用できるのは厚さ 3.9nm の
ITO 層のみです。このような薄い ITO 層の堆積は、均一性の課題に
直面する可能性があります。 さらに、このような薄い ITO層は、式
(2) に示すように、シート抵抗率 ρsheet が比較的高くなり、それ
に続いて ITO の横方向抵抗による電力損失が大きくなる。

Ploss ITO _ lateral Rs = ρ sheet · S f 2 · J mp 12 · V mp , $$ {Ploss}_{ITO\_
lateral\ Rs}=\frac{\rho_
 {sheet}\cdotp {S}_f^2\cdotp {J}_{mp}}{12\cdotp {V}_{mp}}, $$
(2) 

ここで、Sf は指の間隔を表し、他の用語は以前に定義済み。したが
って、代替材料で構成される TCO 層が緊急に必要とされます。アル
ミニウムをドープした酸化亜鉛 (AZO) は、SHJセルに採用されており
ペロブスカイト/Siタンデムデバイスの SHJ ボトム セルを含む ITO
の代替として有望な性能を実証しており、以前は 29.8% の世界記録
の効率を達成した。最近、Longi75 は、In を含まないTCO層を備えた
SHJ セルで26.09%という世界記録の効率も達成しました。ただし、使
用された材料に関する詳細な情報は報告されていない。

      
図7.26.81% 効率の単一接合 SHJ セルと 32.5% ペロブスカイト/Si
タンデム セルの ITO 厚さの関数としてのインジウム使用量、および
対応する世界のインジウム供給の割合。 青色の数字は、32.5% ペロ
ブスカイト/Si タンデムセルが年間生産量 3-TWに達し、世界のイン
ジウム供給量の 20%、50%、100%を占める場合、許容される ITO の厚
さはセルあたりそれぞれ 3.9、9.7、19.2 nmを示す。

4.結論
TWスケールのPV製造時代が急速に近づくにつれ、Siベースのタンデム
太陽電池は、その高い効率性と大規模展開のための産業適合性のため
に、次世代の太陽光発電を支配すると予想されています。製造におけ
るこのような急速かつ劇的な変化の主な懸念事項の1は、材料消費の
増加です。この作業では、さまざまなトップ セル候補、Si ボトムセ
ル候補の重要な材料の使用法、および ITO に基づく銀金属と横方向
のトランスポート層に関連する要件を調査。このことから、さまざま
な Si ベースのタンデム アーキテクチャの持続可能な製造能力 (SMC
) は、世界の主要な材料供給の 20% のみが必要になるという仮定で
推定される。保守的な評価に基づくと、Ⅲ-V トップセル、CIGS、お
よび CdTe の SMC は、6 GW/年 (Ga による制限)、13 GW/年 (In に
よる制限)、および 3.2 GW/年 (Te による制限) 未満です。 それぞ
れ。 したがって、これらの高効率のトップセル候補はどれも、TWス
ケールの生産を達成できない。 一方、ペロブスカイト太陽電池は、T
CO層にインジウムがなくヨウ素の使用を適切に制御できる場合、SMC
値が1TW/年を超える場合がある。PERC、TOPCon、SHJ の Si消費量は
類似しており、対応する SMCSiはすべて 850 GW/年未満です。現在の
ペロブスカイト/Si タンデム セルの大部分は、厚い FZ シリコンウ
ェーハを使用しているため、タンデム セルの SMCSi は 532 GW/年。
CZウェーハを使用すると、これは 938 GW/年に増加します。 ペロブ
スカイト/Siタンデムの SMC は、150μm のウェーハ厚と 32.5% の効
率で、1TW/年を達成します。 PERC 単一接合セルの Ag の SMC は最
大 418 GW/年で、TOPCon および SHJ単一接合セルの場合は 260 GW/
年未満である。このような SMCは、現在の Ag グリッド設計のボトム
セルとしてそれぞれ PERC、SHJ、および TOPConを使用する 2T タン
デムで、最大 533、254、および 313 GW/年まで改善できる。容量の
増加は、効率の増加と 2Tタンデム デバイスの Jmp/Vmp 比が低いこ
とに大きく起因する。インジウムは、SHJ 単接合セルおよびペロブス
カイト/Si タンデム セルの SMC の制限材料であり、SMC は、SHJセ
ルで最大 55 GW/年、4T および 2T ペロブスカイト/Si タンデム構成
でそれぞれ 60および 177GW/年。 したがって、TW/年の目標を達成す
るためには、シリコンウェーハの厚さの削減と材料の利用効率の向上
を実現する必要がある。これには、革新的なスクリーン印刷メタライ
ゼーション設計と Ag リーン ペーストおよび Si、Ag、および In 材
料の需要を大幅に削減する電池技術が開発されるような In-free TCO
層が含まれる。

PV が消費する最も「持続可能な」数値は、世界の材料の年間供給量
の何パーセントであるかは正確にわからない。この作業は、TW PV生
産の影響を理解するための指標を提供するものであり、世界の年間材
料供給量の公称値を 20% と仮定した。各材料の世界の材料供給の実
際の割合と持続可能な製造能力は動的であると予想され、将来的に新
しい統計に基づいて適宜更新する必要があります。SMC の対応する計
算は、より高い効率、より薄いなど、さらに最適化できます。ウェー
ハ、新しいメタライゼーション デザイン,

新しい材料と技術。
CZTSe セル 78 CuSbS2 セル 79 およびその他の新興セルなど、豊富
な材料で構成される他の潜在的な候補も、効率が大幅に改善されれば、
将来の大規模な PV 展開に適している可能性がある。予想外の今日が
明日の可能性かもしれない。PERCテクノロジーの場合、実験室で世界
記録の効率を達成してから大量生産を実現するまでに 20年以上かか
った。今日、研究室から産業界への技術移転の速度は速くなっている
が、大規模なアプリケーションの業界標準を満たす新しい技術を開発
するには、依然としてかなりの時間を要すTW市場での太陽光発電
の展開は、主に屋上または太陽光発電所での発電に使用されるが、ビ
ル統合型太陽光発電 (BIPV) や宇宙用途など、他の市場も将来的に成
長する可能性がある。これらの用途における太陽光発電の設計要件は
従来の導入方法とは異なる場合がある。 他の特定のセル設計を評価
することは、この作業の範囲を超えているが、材料とリソースの可用
性を考慮すると、すべての PV アプリケーションを全体的に表示する
必要があり、さまざまなセクターの PVコミュニティが協力し、大規
模な PVが直面している材料の課題に取り組む必要がある。一部の物
質は地殻で利用できる可能性があり、年間供給量を拡大できる。採掘
や精製を含むそのような拡大の環境への影響を評価する必要がある。
さらに、PVモジュールの寿命は25年から 30年であるため、PVモジュ
ールで使用される材料は、可能な限りリサイクルされるまでこの期間
を待たなければならず、リサイクル プロセス中に材料の損失が発生
する。 この研究に基づいて、PVは非常に大きな規模で開発されてお
り、純粋に効率を改善することから、PVの持続可能な展開を改善する
方向に、より多くの研究の焦点を移す必要があることに注目せざるえ
ない。これには、物質的な消費と、環境、社会、および人間の幸福へ
の影響の両方を削減することが含まれる。効率の向上と資源枯渇への
妥協が、TW時代の太陽光発電展開への扉を開く鍵となるだろう。


via https://www.nature.com/articles/s41467-022-35122-7
 ハライドペロブスカイトを高生産性全固体合成法
2月23日、ペンシルベニア州立大学の研究グループは、大型のペロブ
スカイト素子を作製するための新しいプロセスを開発。従来よりもコ
ストと時間効率が高く、将来の材料発見を加速させることができる。
高品質で、その特性は単結晶ペロブスカイトと競合できるもの。デバ
イスを作るために、電界・機械式焼結技術(EM-FAST)と呼ばれる焼
結方法を採用。焼結は、微細な粉末を熱と圧力で圧縮し、固体の塊に
する一般的なプロセス。EM-FAST技術は、新しいドーパント、つまり
薄膜を作るのに使われる湿式化学とは相容れない、デバイス特性を調
整するために加えられる成分を含む扉を開き、潜在的に新しい材料の
発見を加速。EM-FASTは火花プラズマ焼結とも呼ばれ、粉末に電流と
圧力を加えて新材料を生成する。このプロセスでは、溶液を用いた加
工では20~30%であるのに対し、すべての原材料が最終的なデバイス
になり収率が100%できる。これにより、ペロブスカイト材料は毎分
0.2インチの速度で作製でき、ラボ工程で高い性能を維持した大型デ
バイスを迅速に作製できる。

【要約】ハロゲン化ペロブスカイトは、基本レベルと応用レベルの両
方で、成長分野で遍在する存在を示す。革新的なペロブスカイトの発
見、調査、および応用は、時間/収量/労力/エネルギー効率の点で合
成方法に大きく依存する。 従来の湿式化学法は、薄膜サンプルの成
長を容易にするが、バルク結晶合成には非効率的な方法である。これ
らを克服するために、ここでは、合成中に電気的および機械的応力場
の両方を同時に適用することにより、高品質のペロブスカイトを合成
するための普遍的な固体ベースのルート、つまり、電気的および機械
的場支援焼結技術を報告する。このレポートでは、デモンストレーシ
ョンのためにさまざまなペロブスカイト組成と任意の幾何学的設計を
採用し、単結晶に近づく優れた品質のバルク製品とともに、超高収率、
高速処理、無溶媒という独自性を備えた合成ルートを確立。 合成さ
れたままのペロブスカイトの光検出と熱電への応用、および将来の技
術開発のために追加の章を開くその他の可能性を例示する。

新手法で次世代太陽電池を作る材料を作成(New method creates m
aterial that could create the next generation of solar cells) 
テック・アイ技術情報研究所



●今夜の一冊:『折紙の文化史―祈り、願い、遊ぶ』
小林 一夫【著】
里文出版(2021/05発売)
サイズ A5判/ページ数 189p/高さ 21cm
商品コード 9784898065051 NDC分類 754.9
--------------------------------------------------------------
初めての折紙の歴史。世界の共通語「ORIGAMI」知っているよ
うで知らないことが多い。折紙に関わる老舗4代目の著者による古代
から現代、そして未来につなぐ画期的な内容。

目次 第1章 古代から平安時代
第2章 鎌倉・室町・安土桃山時代
第3章 江戸時代
第4章 明治・大正・昭和20年以前(戦前)時代
第5章 昭和20年(第二次大戦後)から現代
第6章 折紙発展の功績者たち
第7章 トピックス
第8章 創作折紙をめぐる著作権問題
第9章 世界とのかかわり
第10章 未来につなぐ  

【著者概歴】
1941年生まれ。東京・お茶ノ水にある「お茶の水・おりがみ会館」館
長。1856(安政5)年創業の和紙の老舗「ゆしまの小林」4代目:会長。
内閣府認証NPO法人国際おりがみ協会理事長、文部省・高等学校教
員資格を有す。折紙の展示や、教室の開催、講演などを通じ、和紙、
文化の普及と継承に力を注いでいる。その活動場所は日本のみならず
世界各国に及び、日本文化を紹介し、国際交流にもつとめている。
--------------------------------------------------------------
古くは千代紙(ちよがみ)と呼ばれる彩色豊かな和紙を使用した。こ
の為、折り紙の紙を千代紙という場合もある。また、近年では伝統工
芸品としても千代紙が販売されているが、わたしもそうであるのだが、
国際語でもある「ORIGAMI」。その歴史は意外と知られていない。女
性や子どもの手遊びに過ぎなかった折紙が、いまや芸術として取り上
げられ、著作権を主張したり、専門家が登場したりと混乱を見せてい
ると著者はこの序文で。その原因は日本の紙文化の無理解があるから
だろう。祈りや願いを込めて紙を折るという古代人の心から、やがて
遊びに、あるいはデザインにと発展する折紙の変遷を捉え、その本質
を紹介する。そして狭い枠に囚われるとなく、もっと自由に、もっと
楽しくあるべきと、世界中の折紙愛好家に伝えたいと述べている。


紀州御坊の雛人形「かんぴら」

風蕭々と碧い時代


Jhon Lennon Imagine



千本桜 feat.初音ミク    2011年
作詞:黒うさP     作曲:黒うさP 

大胆不敵にハイカラ革命
磊々落々(らいらいらくらく)反戦国家
日の丸印の二輪車転がし
悪霊退散 ICBM
環状線を走り抜けて
東奔西走なんのその
少年少女戦国無双
浮世の随(まにま)に

千本桜 夜ニ紛レ
君ノ声モ届カナイヨ
此処(ここ)は宴(うたげ) 鋼(はがね)の檻(おり)
その断頭台で見下ろして
三千世界 常世之闇(とこよのやみ)
嘆ク唄モ聞コエナイヨ
青藍(せいらん)の空 遥か彼方
その光線銃(こうせんじゅう)で打ち抜いて... 

「千本桜 feat.初音ミク」は、2011年に黒うさPが作詞・作曲・編曲
し、ボーカルに音声合成ソフト「初音ミク」を使用してインターネッ
ト上で公開した楽曲。インターネットを中心とするVOCALOID初音ミク
の人気ボカロ曲(VOCALOID楽曲)の一つとして知られ、2012年8月に
行われた、レコチョクによる「好きなボカロ曲ランキング」調査で、
1位を獲得。カラオケ曲としても人気があり、2012年度カラオケラン
キングではVOCALOID史上初となる総合カラオケランキング3位を獲得。

 ●今夜の寸評:
(いまを一声に託す)夢が実現できそうだ!

取り残しも多いが、 「オールソーラーシステム事業計画」の中核の
「高付加価値太陽電池製造」(変換効率30%超)の量産とリサイクル
の事業骨格が見えてきた。今後の調査研究は二酸化炭素(温暖化ガス)
を原料とした再エネ(太陽光&人工光)利用し炭化水素化合物の製造
に向かう。思えば色素増感型太陽電池の調査研究に着手し15年近く
経て事業化の目途がたった。思えば実にばかでかい構想であった。             


                           

 

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培養肉を食べる新人類

2023年03月01日 | 新弥生時代

 
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん」


【今夜の推しの一冊】
「日本の折り紙が科学と技術に革命を巻き起こす」とのサブタイトル
が気に入れ一気に段突トップ。古くから人々の目を楽しませ、制作意
欲をかき立ててきた折り紙が今、最先端の分野で、新たな可能性を開
く技法「オリガミ」として注目を集めている。なにせ小さな折り鶴で
手術の技量を凌ぎ合う、ニッポン知らなかった選手権「第1回神の手
チャレンジ」が実況中継されるほどだ
(2022.2.28 23:00 NHK)。



日本では、折り紙は少なくとも17世紀から、紙を折って飾りなどにす
る習慣はそれより何百年も前からあった。当初はごく単純な折り方で、
紙が高価だったため、主に儀式に用いられた。神道の婚礼で銚子など
に付ける「雄蝶(おちょう)と雌蝶(めちょう)」はその一例だ。紙
の価格が下がると、折り紙は贈り物の包みやおもちゃ、さらには子ど
も用の幾何学の教材として活用されたといが、その後、20世紀半ばに
創作折り紙の第一人者、吉澤章が折り紙を芸術の域に高めてみさた。


出所:モンベル 「オルカヤック インレット」

【ウイルス解体新書 162】


---------------------------------------------------------------
序 章 ウイルスとは何か
第1章 ウイルス現象学

第2章 COVID-19パンデミックとは何だったのか
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
終 章 備えあれば憂いなし
---------------------------------------------------------------
第3章 パンデミック戦略「後手の先」
第1節 新型コロナパンデミックから生まれたもの
第1節 新型コロナパンデミックから生まれたもの
1-1 新規ワクチン(予防接種)が誕生
1-1-1 新型コロナウイルスを中和するアルパカ抗体
1-1-2 型コロナウイルスに対するユニバーサル中和抗体の開発
1-2 予防技術
1-2-1 不活化技術
1-2-2 
経鼻ワクチン
2022.08.17 経鼻ワクチンとは:日経バイオテクONLIN
2023.02.28 上気道常在菌が経鼻ワクチンの効果に与える影響を解析 ~
ウイルスの感染を阻止する経鼻ワクチンへの応用に期待~ 東京大学
医科学研究所
2022.10.14 新型コロナに鼻ワクチン、インドで承認 感染予防に期
待 -日本経済新聞
2022.12.05 世界初の新型コロナ経鼻ワクチン、中国で緊急使用が許可
 Science Portal China
2022.09.22 vaccine approved in India; based on Washington University tec-
hnology) テック・アイ生命科学
2023.02.27 インフルエンザワクチン 点鼻液を国内初の承認へ NHK イ
ンフルエンザ

1-2-2 重症化防止
1-2-2-1 腸内細菌
1-3 進化する感染判定技術装置
1-3-1 汗から感染症を検出するウェアブルセンサ
1-3-2 「測定時間1分」と「超高感度」、2種のウイルス検出 
1-3-3 新型コロナ感染を9分で判定、精度はPCR以上 
1-3-4 新型コロナウイルス変異株の抗体量を8分で自動定量
1-3-5 コロナ・インフル同時検査キット
1-3-6 タッチレス事業
--------------------------------------------------------------

   


技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   
【再エネ革命渦論 94: アフターコロナ時代 295】



スイスのミライフーズ社
世界初の培養テンダーロインステーキ発売
培養肉に取り組んでいるスイスを拠点とする食品技術の新興企業であ
Mirai Foods社は、細胞から培養された世界初のとなるテンダーロイ
ン ステーキでブレークスルー。MIirai Foods社の成果は従来の肉を模
倣組織培養で
自然な細胞プロセスで実現。この「Fibration Technology
(繊維技術)と呼ばれる技術は3件の特許申請済みの 培養フィレ。
フィーレとは仏語の「Filet」のことで本来の意味は少量、網、あるい
は、精肉用語ではフィレ肉の事、料理用語では魚の切り身、製菓用語
では砂糖液を101℃~103℃に煮詰めた状態を意味するが、本来は骨盤
の内側にある「ヒレ」と呼ばれる部位で、英語で「テンダーロイン」
と最高級のステーキ肉のことで、テンダーとは「やわらかい、優しい
」の意
で、ほとんど運動しない部位で、赤身で柔らかく、肉中の水分
が多い部位をさす。


Mirai Foods; Founder Christoph Mayr and Suman Das with Cows

培養フィレ
ミライ・フーズ社の共同創業者は、他の種類の肉はすで
に研究生産されてはいるが、フィレ・
ステーキは究極の挑戦であり、
まざまな種類の細胞で構成されており、正しく組み合わせると、複雑
な肉構造となる。この構造化プロセスは技術的に難しく、ステーキを
作るのは非常に困難であり、だからこそMirai Foods社は、初の養殖牛
テンダーロインステーキで持続可能な食肉に向けた重要な一歩を踏み
出したと話す。


The Mirai Foods ‘Rocket’ bioreactor

一枚甲培養肉
ステーキは、Mirai Foods社が独自に開発したバイオリアクター「ザ・
ロケット」で作らた。このステーキは、長くて完全に成熟した培養筋
繊維で作られ、酵素によって結合され、培養脂肪組織で補われている
という。このプロセスにはバイオリアクターで5日間を要し、その後
テンダーロインのセンターピースが完成し、そこからほぼあらゆる厚
さのステーキを切り取ることができるとは話す。 Mayr 氏は、この重
要な技術について3つの国際特許申請と、CSOMirai Foods の共同
創設者の Suman Das氏は、従来の肉に代わる真の代替品を提供でき、
技術を使用すると、本物のステーキとして調理して食べることができ
そのための屠畜する必要がなく、生態系への悪影響もなし、この栄養
価値は、気候保護と動物福祉を向上に大きな手段となる。食肉の需要
は2050年までに2倍になると予測されており、従来の食肉生産方法で
は、この需要を満たせず、持続可能な方法ではない。Mayr氏によると、
同社は遺伝子工学を使わずに肉を作ることができる世界でも数少ない
培養肉会社の 1つでもある。 GMO EU で厳しく制限されており、
Mirai氏は、その肉に技術が含まれていないことは、最高水準の味、品
質、健康を維持しながらヨーロッパの消費者の好みに合わせていると
話す。Mirai Foods 社のテンダーロインのデビューは、チューリッヒに
本拠を置く食品と肉の生産者である Angst AG が他の数人の投資家と
共に会社に加わったことによる。 Angst AG は、この技術が規制当局
の承認を得たら、Mirai社の培養肉をさまざまな製品に取り入れる予定。
2019 年に立ち上げられた Mirai社 は、2021 年のシード ラウンドで
500 万ドル以上の資金調達を済した。

[関連技術情報]
WO2018189738A1 培養肉含有ハイブリッド食品
【要約】 ハイブリッド食品の製造方法が提供される。 この方法は、
ハイブリッド食品中の肉の官能特性および/または肉の栄養特性を高
めるために、植物由来の物質をある量の培養動物細胞と組み合わせる
ことを含み、動物細胞は組織を形成せず、その量は以下であるハイブ
リッド食品の30% (w/w)である。(A23J3/227 肉様食感食品)

✔非遺伝子編集系牛の幹細胞の培養と植物由来培養脂肪組織などと、
 まぜあわせ、厚くて、フィレ風味の厚みのある肉の量産化を始める。

 安定して食の安全を担保できるのか不安を残しつつ販売に踏み切っ
 た。

新熱電池は、低コストで高速・効率的
米国のエンジニアは、最高の潜熱伝達と顕熱伝達を組み合わせたスケ
ーラブルな熱エネルギー貯蔵プロトタイプ システムを構築した。
3年間のテストを経て現在市場に投入予定の技術は、セメント質材料
と熱サイフォンを組み合わで構成することで低コスト・高速・効率的
な熱性能を実現できる優れもの。


Image: Lehigh University


バイオに着想の
ココナッツ繊維でソーラーパネルを冷却
マレーシアの研究グループは、バイオに着想を得たココナッツ繊維を
テスト。太陽電池モジュールを冷却。冷却システムは、ポリウレタン
シートでカプセル化された湿ったココナッツの髄が特徴です。 PVモ
ジュールの表面の裏側に配置され、ヒートシンクとして機能する。


Image: Universiti Malaysia Pahang

タンデム型太陽電池のシリコン表面に傷をつける効果
ドイツの研究グループは、ペロブスカイト シリコン タンデム セルの
表面テクスチャリングの役割を調査し、いくつかの新しいプロセスが
、今日の業界標準よりも小さく、より均一なテクスチャをシリコン セ
ルの表面にエッチングする能力を提供することを発見し。これにより、
その後のシリコン上でのペロブスカイト セルの成長が容易になり、研
究者やメーカーはより高い性能を目標にすることができる。


典型的なセル製造ではシリコン表面は高さが11ミクロンから3ミク
ロンまで変化するピラミッド形状でエッチングされる。画像:EPFL

【要約】
ナノテクスチャ表面は、モノリシックペロブスカイト/シリコンタンデ
ム太陽電池の光学特性を最適化するための興味深いアプローチ。
ここでは、さまざまな市販の添加剤を使用したシリコン表面のさまざ
まなテクスチャの開発について説明し、シリコンヘテロ接合 (SHJ)
および SHJ-ペロブスカイトタンデム太陽電池におけるそれらの性能
について説明しシリコンヘテロ接合 (SHJ) および SHJ-ペロブスカイ
ト タンデム太陽電池におけるそれらの性能について説明する。光学
的および電気的特性評価の後、ナノテクスチャ表面が標準のテクスチ
ャ表面と容易に競合し、単一接合でより高い平均効率が得られること
を示す。さらに、溶液処理されたペロブスカイト トップ セルとの互
換性が実証されており、両側にナノテクスチャを備えたボトムセルで
ペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池効率が 28% を超えている。


図1.一定の KOH および K2SiO3 の体積分率で 75 °C のアルカリ性
KOH 溶液でエッチングされたシリコン表面の走査型電子顕微鏡画像。
添加剤Aの体積分率は、φA = 1.07・10−2(A)、1.17・10−2(B
)、1.27・10−2(C)、F = KOH/K2SiO3 = 1.4であった。


図2.標準的なマイクロテクスチャ表面 (C.2 = 参照) の分布 (上記)
のピラミッドの高さと四分位範囲のヒストグラムと、さまざまな比率
Fでエッチングされた表面ですが、添加剤 A の体積分率は一定である
φA = 1.17・10−2および対応する走査型電子顕微鏡画像。すべてのサ
ンプルは、75℃で20分エッチングした。



図7.ペロブスカイト/シリコン タンデム太陽電池 (A) JV データお
よび (B) チャンピオン デバイスの外部量子効率 (EQE) 測定。 (C)
ナノテクスチャ ボトム セルとタンデムの断面の走査型電子顕微鏡画
像。 FF、フィルファクター。 PCE、電力変換効率。
【関連論文】
Double-sided nano-textured surfaces for industry compatible high-performa-
  nce silicon heterojunction and perovskite/silicon tandem solar cells.
    Progress in Photovoltaics: Research and Applications 
   First published: 21 February 2023、https://doi.org/10.1002/pip.3685 

シリコンベースのタンデム太陽電池のテラワッ規模の
    製造材料の持続可能性評価

【要約】
概要 高効率のシリコンベースのタンデム太陽電池は、2050 年までに
正味ゼロ エミッションへの道筋で、テラワット (TW) 規模の PV 製造
を推進する可能性がある。この作業では、将来のタンデムの材料消費
と持続可能性の問題の包括的な分析を提供。まず、シリコン ベースの
タンデム セルのトップ セルのさまざまな潜在的な候補の材料消費量
と持続可能な製造能力を分析。 III-V、CIGS、および CdTe は、TWス
ケールの製造をサポートするのに適していないことを示しているが、
ペロブスカイトは、セル構造にインジウムが必要ない限り、最も持続
可能なアプローチを提供する。次に、PERC、TOPCon、SHJ を比較して
、シリコン ボトム セル アーキテクチャに注目する。 タンデム セル
は一般に、JMP/VMP 比が有利であるため、単一接合シリコン セルに比
べ、銀の消費量を削減できるが、PERC セル アーキテクチャでは、リ
アp- をAlに依存することで、TOPCon と SHJの両方に比べて Ag の消
費量を大幅に削減できる。タイプコンタクト。TW規模の製造への急速
な移行を推進するためには、現在の生産能力と比較して急速なスケー
ルアップが必要とする。ここに提示された結果は、世界が気候変動の
危険を緩和するのに役立つ将来の高効率タンデムセルを設計する際に
持続可能性の問題を慎重に検討する必要があることを強調している。

1.緒言


図1.Shockley–Quisser は、(A) 2T および (B) 4T 構成のサブセルバ
ンド ギャップの関数としてバランス効率の詳細説明。 白い点線は、
Siボトムセルのバンドギャップを表しています。 色のドットは、この
研究で研究された選択された細胞候補のバンドギャップを表している。
各細胞タイプのバンドギャップ範囲は、(B) の y軸に沿って色付きの
バーでラベル付けされている。

2.方法論(省略)
3.結果及び考察
図 2A は、この作業で特定された重要な要素ごとに、2020年の世界の
年間供給量の合計と 20% の値を示しています。 目標使用量 (mg/W)
も上記の方法を使用して得られ、図 2B に示されています。例として
GaAs セルの場合を考えてみよう。そのような技術が 3 TWの年間生産
量を生成しガリウムとヒ素の 2020年の世界年間供給量の20% しか消費
しない場合、この理想的なシナリオの下でのガリウムとヒ素の「目標
材料消費量」は、それぞれ 0.0218 および 4 mg/W 未満であること。
CIGS (銅、インジウム、ガリウム、セレン)、CdTe (カドミウムとテル
ル)、ペロブスカイト (鉛とヨウ素)、シリコン セル (シリコン) にも
同じ規則が適用されている。金属導体銀のターゲット用途については、
3-TW の生成に寄与するすべてのセルに銀金属接点が含まれていると想
定されいる。


図2.(A) USGS 2020のデータからの年間主要材料供給量と、ガリウ
ム、テルル、インジウム、セレン、銀、カドミウム、ヨウ素、ヒ素、
鉛、シリコンの年間供給量の 20%、および (B) これらの材料の目標
消費量と想定される年間供給量 PV生産量は 3 TWで、年間供給量の20
%しか使用していない。
表 1 に記載されている仮定とパラメーターに基づいて、Ⅲ-V、CIGS、
CdTe、およびペロブスカイトのトップ セル オプションについて、材
料の使用法 (A–C) および対応する SMC (D–F) を取得。
➲表 1. 重要な要素の消費量を見積もるために使用されるセルの種
類、効率、および材料の厚さ(省略)。

3.1 持続可能なトップセルのオプション
Si ベースのタンデム デバイスのトップ セル オプションの材料の持
続可能性を評価するために、Ⅲ-V、CIGS、CdTe、およびペロブスカイ
ト候補の重要な材料の使用法を、前のセクションで詳述した方法を使
用して取得しました。 結果として得られる材料消費量と SMC を図 3
に示します。図 3A ~ C は、各材料の材料消費量の範囲を mg/W 単位
で示し、図 3D ~ F は、これらを採用した場合の持続可能な製造能力
の関連範囲を GW/年単位で示しています。セル技術。各要素の目標使
用量と実際の使用量を直接比較するために、図3A ~ C の破線は、前
に図2に示した目標使用量を示している。


図3.表 1 に記載されている仮定とパラメーターに基づいて、Ⅲ-V、
CIGS、CdTe.およびペロブスカイトのトップセルオプションについて
材料の使用法 (A–C) および対応する SMC (D–F) を取得た。

Ⅲ-V グループの場合、ガリウム (Ga)、インジウム (In)、およびヒ素
(As) の目標消費量は、それぞれ約 0.022、0.064、および 4 mg/W で
ある。実際には、図 3A に示すように、GaAs および GaInP/GaInAsP/
Siセルは 12 ~ 34 mg/W の Ga と 12 ~ 17 mg/W の As を消費する。
これらは、それぞれ少なくとも 545とターゲット使用量の3倍である。
InP およびGaInP/GaInAsP/Siセルからの In使用量は 6 から 104 mg/
W の範囲であり、これは目標値の 94から1625 倍です。 図3Bに示よう
に、Ga、In、および As に対応する SMC は、それぞれ 2 ~ 6、2 ~
32、および 720 ~ 1000 GW/年です。 これは、Ⅲ-V グループの SMC
が Gaにより制限され、SMCGaが 2 ~ 6 GW/年と低いことを示す。 表
1 に示すように 35.9%という高い効率を実現し、このような太陽電池
の最大生産能力は最大6 GW/年であり、TW/年スケールを大幅に下回っ
ている。このSMC値は、次の2つの理由により比較的保守的であること
は注目に値する。
第1に、世界のGa供給の一部のみが高純度で精製され、Ⅲ-V グループ
の太陽電池の製造に使用できる。たとえば、2020年の高純度精製 Gaの
生産量は約 214 tであり、これは同年の全世界のGa 供給量 (327 t) の
65%にすぎない。第2に、この作業で仮定さる材料利用率は 80%であ
り、これは Ⅲ-V材料のエピタキシャル成長中の材料損失のみを占る。
電子グレードのガリウムからⅢ-V 材料に使用される前駆体として使用
されるトリメチル化合物への損失は考慮していない。

CIGS 候補は、図 3B に示すように、1.6 ~ 4 mg/W の Ga、13.7 ~
34.3 mg/W のセレン (Se)、および 14.5 ~ 15.5 mg/W の In を使用
する。これらは、3つの材料の図 2B に示す目標値の 70、86、および
223 倍を超えている。その結果、図 3Eに示すように、これら 3つの材
料の対応する SMCは、それぞれ 16 ~ 41、18 ~ 45、および 12 ~ 1
3 GW/年である。 したがって、CIGS太陽電池の SMC は Se によって制
約され、SMCSe は16 ~ 41GW/年であり、TW/年の生産目標を大幅に下
回っています。 図 3Bに示すように、現在の使用量をカドミウム (Cd)
とテルル (Te) の目標使用量と比較すると、同様の制限が生じる。Cd
Te 候補は、Cd の目標値の20~83倍、Teの目標値の 940 ~ 3750倍を
消費する。したがって、CdTe技術のSMCは、図3Eに示すようにSMCTeが
0.8~3.2GW/年という低いTeによって制限されている。

必要な材料消費量の削減は、効率を改善するか、より薄い吸収層を使
用することで達成できる。 たとえば、わずか 205 nm の 19.9% GaAs
セルが最近製造されたが、このような薄い吸収層 (従来の GaAs の厚
さの 20%) を使用しても、SMCは GaAsセルの4倍にすぎない。従来の
厚さであり、TW展開に必要な厚さよりもさらに薄いです。同様に、現
在の厚さのCIGSセルもCdTeセルも、TW /年スケールのSiベースのタンデ
ムデバイスのトップセル候補として実行可能ではない。

ペロブスカイトセルの場合、鉛 (Pb) とヨウ素 (I) の消費は、FAPbI3
と Cs0.05(FA0.77MA0.23)0.95Pb(I0.77 Br0. 23)3. 図3C に示すよう
に、鉛の消費量は 1.5–3.6 mg/W であり、目標値の 292 mg/W よりも
大幅に低いため、図 3Fに示すように、鉛のSMC は 190–470 TW/年であ
る。 Iの消費量は 1.9–7mg/Wであり、図3Cに示すように目標値の2mg/W
の1-3.5 倍であるため、I のSMCは 714–2490GW/年であり、図3Fでラ
ベル付けされています。 I の使用量を 6 mg/W 未満に制御できる場合、
対応する I の SMC は 1 TW/年より高くなります。 ただし、ペロブス
カイト セルには、横方向の導電性を提供するために TCO層が必要。こ
の作業で選択されたペロブスカイト候補の場合、表S2にリストされて
いる2Tおよび4Tタンデムデバイスのデータによると、ITOの厚さは40〜
285nmの範囲です。単一接合ペロブスカイト セルの最高効率は 25.8%
で、この ITO層のインジウム (In) 消費量は 0.8~5.9 mg/Wに等しく、
ペロブスカイト セルのInのSMCは 26 ~ 186GW/年です。図 3E。 した
がって、TW/年の目標は、ペロブスカイト セルが In free であり、I
の使用を適切に制御できる場合にのみ達成可能。 SHJセルおよびペロ
ブスカイト/Si タンデム セルでの In の消費については、セクション
3.4 で詳しく説明する。

材料の入手可能性に加えて、鉛と溶媒の使用による環境と健康への毒
性と影響を考慮する必要がある。 これまでのところ、ハロゲン化スズ
と二重ハロゲン化ペロブスカイトは、鉛フリーの代替ペロブスカイト
の2つの材料クラスとして登場した. 片方。 さらに重要なことに、不
安定性は無鉛ペロブスカイト セルのもう1つの重要な制限。鉛フリー
のペロブスカイト セルが安定性の要件に適合しない場合でも、鉛を使
用する必要があるかもしれないが、これは、鉛の漏れを十分に防止お
よび管理できるという条件の下で行う必要がある。セル構造の中間層
の使用35、物理的カプセル化と化学吸着36、およびその他の漏れ制御
対策など、この分野に向けてさらに研究努力を行う必要がある。さら
に、ブレード コーティングされたペロブスカイト フィルムに必要な
溶媒の量は 0.5 mL/m2 と推定さる。これは、モジュールが高い生産歩
留まりで製造されると仮定すると、1GWのPV発電電力に3500Lの溶媒が
必要であることを示す。37 有機-無機ハロゲン化物ペロブスカイトの
堆積に広く使用されている 8種類の溶媒の中で、ジメチルスルホキシ
ド (DMSO) は、完全なライフサイクル分析の後、人間の健康と環境へ
の悪影響が最も低いことが示す ( LCA)、38 そのため、DMSO のみまた
は DMSO を主溶媒として高効率のペロブスカイト セルを可能にする新
しい技術を開発する必要がある。

また、PV モジュールでの鉛の使用は、ペロブスカイト セルで使用さ
れるものよりも大きな懸念を処理することにも言及する価値がある。
このような60セル モジュールでは、最大 370Wの電力定格で約 32.4
mg/Wに相当する。フリーハンダは重要。 しかし、現在の鉛フリーはん
だには希少物質の一種であるビスマスが必要であり24、鉛は鉛鉱山に
加えて亜鉛鉱山や銀鉱山でも副生され、回収されやすい31。豊富な材
料からなる鉛フリーはんだ合金の研究だけでなく、適切な代替材料が
使用できない場合の鉛漏れの防止と制御に関する研究も行っている。

3.2 持続可能なシリコンボトムシリコンセルオプション
3つの主要なシリコン太陽電池技術のうち、PERC、TOPConおよび SHJ
太陽電池は、構造と製造プロセスが異なるため、消費する材料の量も
異なる。さらに、これら3つの技術の適応は、多くのペロブスカイト
/Siタンデム デバイスのSiボトムセルとして使用されている。したが
って、PERC、TOPCon、SHJセルだけでなく 報告されているペロブスカ
イト/Siタンデムセルで使用される Siボトムセルについても、材料の
用途を比較する価値がある。最上位のセル候補の材料評価と同様にセ
クション2の方法論を使用して、セルの厚さ、効率、Agメタライゼー
ションの形状、セルの詳細を表1 とS4に示して、Siと銀 (Ag) の重要
な材料消費量を取得した。結果として得られる材料消費量と持続可能
な生産能力は、シリコンと銀についてそれぞれ図4と図5に示されてい
る。


図4 シングルジャンクション PERC、TOPCon、SHJ セル、およびタ
ンデム構造の Si サブセルについて、Si 材料の使用法 (A) と対応す
る SMC (B) を取得した。 表 1 に記載されている仮定とパラメ
ータに基づいている。
【脚注】
SMC(Sustainable manufacturing capacity):持続可能な製造能力
                                       この項了


風蕭々と碧い時代



Jhon Lennon Imagine


曲名:真夜中のドア〜stay with me   唄:松原 みき 1979
作詞:三浦徳子 作曲: 林 哲司 City Pops

To you... yes, my love to you
Yes my love to you you, to you

私は私 貴方は貴方と
昨夜言ってた そんな気もするわ

グレイのジャケットに
見覚えがある コーヒーのしみ
相変らずなのね
ショーウィンドウに 二人映れば

Stay with me...
真夜中のドアをたたき
帰らないでと泣いた
あの季節が 今 目の前
Stay with me...
口ぐせを言いながら
二人の瞬間を抱いて
まだ忘れず 大事にしていた

恋と愛とは 違うものだよと
昨夜言われた そんな気もするわ

二度目の冬が来て
離れていった貴方の心
ふり返ればいつも
そこに 貴方を感じていたの

松原が『真夜中のドア』のレコーディングを行ったのは19歳。
その2年前に大阪から上京し、東京のクラブで歌っていた。林
哲司は、後にシティ・ポップと呼ばれるようになる、洋楽の影
響を受けたニューミュージックの流れを汲んだこの曲を制作し
た]。曲名の「Stay With Me」というフレーズは、洋楽へのオマ
ージュが込められたもので、『ビルボード』誌では「日本人以
外のリスナーの興味を引く」と評価される。

1979(昭和54)年は中国プラント建設さなかにあったが。松原
も大阪は堺市生まれ(1959.11.28~2004.10.07)。日本の女性
歌手、作詞家、作曲家。大阪府堺市平岡町出身、血液型はわた
しと同じO型である。オリコン最高28位、オリコン調べ10万4千
枚、キャニオンレコード発表30万枚のセールスを記録するヒッ
トを記録。また同曲は、2020年頃から日本のみならず海外でも
広く聴かれるようになるが、惜しくも早世。

●今夜の寸評価:(いまを一声に託す)
             混沌が大きくなるとはこんなことか?!  

                           


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