極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

下駄を履くか厚底靴にするか。

2021年02月20日 | 緊急|東日本大震災



彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる "招き猫”と、井伊軍団のシンボルとも言える赤
備え(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編成のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ
ー。愛称「ひこにゃん」


                    

15 衛霊公 えいれいこう
-------------------------------------------------------------
「人、遠慮なければ、必ず近憂あり」(12)
「これをいかん、これをいかんといわざる者は、われこれをいかん
ともするなきのみ」(16)
「君子はこれをおのれに求む。小人はこれを人に求む」(21)
「過ちて改めざる、これを過ちと謂う」(30)
「仁に当たりては、師にも譲らず」(36)
-------------------------------------------------------------
27 口達者は徳のさまむげになる。小さな我慢ができぬようでは
大きな仕事を仕損じる。(孔子)

子曰、巧言亂徳、小不忍、則亂大謀。

Confucius said, "Cunning words disturb virtue. You will fail
to accomplish a great plan if you cannot endure small matters."



  

ポストエネルギー革命序論 249:アフターコロナ時代 59
 現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散の時代」


全固体電池の容量を従来の2倍に
2021年1月、東京工業大学らの研究グループは、全固体電池の容量
を従来の2倍とすることに成功した。不純物を含まない電極/固体
電解質界面を作製することで実現。このことで、EV(電気自動車)
の航続距離を延ばすことが可能になるリチウムイオン電池の電極材
料として、LiNi0.5Mn1.5O4が注目されている。現行の電極材料「LiCo
O2系」に比べ、より高い電圧を発生が可能となる。しかも不純物を
含まない電極/電解質界面を作製すると、リチウム含有量が2倍のLi2
Ni0.5Mn1.5O4を「放電状態」、Li0Ni0.5Mn1.5O4を「充電状態」として使
えるため、電池容量が倍増することも分かっていた。ただ、安定し
た充放電動作が行えるかどうかはこれまで報告されていなかったと
いう。研究グループは、不純物を含まない電極/電解質界面を有す
る全固体電池を作製し、充放電動作を検証した。①まず、エピタキ
シャル成長によりLiNi0.5Mn1.5O4薄膜を形成し、②その上にLi3PO4
体電解質を成膜。③最後に負極となるLiを蒸着した。作製した全固
体電池を用い、Li2Ni0.5Mn1.5O4を「放電状態」、Li0Ni0.5Mn1.5O4を「
充電状態」として充放電動作を行った。この結果、50回の安定した
動作を確認した。

この電池は4.7Vと2.8Vで動作し、LiNi0.5Mn1.5O4を用いた従来電池に
比べ容量は2倍になった。電極/電解質界面は不純物を含まないた
め界面抵抗が小さく、高い出力が得られる。確認のため電極/電解
質界面に不純物を混入させた電池で実験すると、充放電動作は全く
観測されなかったという。

電池容量が増大するメカニズムも調べた。LiNi0.5Mn1.5O4薄膜の上に、
固体電解質Li3PO4を堆積させると、リチウムイオンが自発的にLi3PO4
からLiNi0.5Mn1.5O4に移動することが分かった。この電池は4.7Vと2.8
Vで動作し、LiNi0.5Mn1.5O4を用いた従来電池に比べ容量は2倍に
なった。電極/電解質界面は不純物を含まないため界面抵抗が小さ
く、高い出力が得られる。確認のため電極/電解質界面に不純物を
混入させた電池で実験すると、充放電動作は全く観測されなかった
という。電池容量が増大するメカニズムも調べた。LiNi0.5Mn1.5O4
薄膜の上に、固体電解質Li3PO4を堆積させると、リチウムイオンが
自発的にLi3PO4からLiNi0.5Mn1.5O4に移動することが分かった。


LiNi0.5Mn1.5O4全固体電池における界面形成過程と充放電動作の概略図
via 東京工業大学他

放射光X線回折測定を行い結晶構造についても調べた。この結果、Li
Ni0.5Mn1.5O4薄膜の界面近傍で、Li2Ni0.5Mn1.5O4が不均一に存在するこ
とが分かった。そして、固体電解質の上にリチウム電極を堆積させ
て電池を作製すると、リチウムイオンの自発的移動は一段と促進さ
れ、LiNi0.5Mn1.5O4薄膜が、Li2Ni0.5Mn1.5O4薄膜へと完全に変化するこ
とが分かったという。不純物を含まない界面を形成したことで、リ
チウムイオンがスムーズに固体電解質側からLiNi0.5Mn1.5O4側に移動
したものとみる。

【要点】
•不純物を含まない清浄な界面を作製すると、全固体電池の電池容量
が倍増することを発見

•放射光X線回折測定により、界面近傍のリチウム分布や結晶状態を
明らかにした

•LiNi0.5Mn1.5O4全固体電池における電池容量の倍増が実現したこと
により、清浄な電極/電解質界面の新たな役割が浮き彫りとなった。
これまで清浄界面で実現で、低界面抵抗や高速充放電に加え、電池
容量の倍増は全固体電池の応用範囲の拡大につながるため、電極清
浄界面製造事業が急がれる。


【関連特許技術】
・特開2020-119773 電極積層体 トヨタ自動車株式会社
特開2005-353309 リチウム電池素子 国立大学法人東京工業大学
【概要】リチウムの吸蔵が可能な金属としては、インジウム、アル
ミニウム、スズ、ゲルマニウム、ケイ素などが挙げられる。これら
は電解質と接する主面の反対側の主面に予めリチウムが貼り合わさ
れていてもよい。またリチウムを含有する合金としては、インジウ
ム、アルミニウム、スズ、ゲルマニウム、ケイ素の合金が挙げられ
る。これらの材料は、表面がその材料の電位よりも高い電位を有す
る材料で表面修飾されていてもよい。また一般にこれらの材料の極
表面層に不純物層が存在する場合もあり、表面を研磨などしてから
用いるのが望まし
。一方でスズやケイ素の酸化物も適用可能であ
る。



図1 共鳴励起時のZnO(10-10)表面の時間分解光電子分光法
ポンプレーザーパルスhνpump=3.43eVオフまたは負のポンププロー
ブ遅延Δtでhνprobe= 6.3eVで記録された角度積分光電子(PE)ス
ペクトル。挿入図:信号の繰り返し率依存性。破線は目のガイドで
す。 b負のポンププローブ遅延での角度分解PEスペクトルは、分散
のない特徴を示している。 黒い点:強度分布の最大ピーク。cZnO
表面の深い欠陥の光励起による議論された表面金属生成のエネルギ
ー準位図と図。負の遅延:長寿命の欠陥励起子による光ドープ半導
体。小さな正の遅延:金属バンドの形成。dポンププローブ遅延Δt
とエネルギーの関数としての偽色のPE強度の時間的変化。ポンプレ
ーザーフルエンス:27μJ/ cm2。ポンプパルスは、EF以下の電子密
度の急激な増加を引き起こ。紫色のボックス(XC)は、図2aに示す
評価のエネルギー積分ウィンドウを示す。eフェルミ-ディラック分
布フィット(実線)を使用した、さまざまな正の遅延(50〜800 fs)
に対する正規化された角度積分PE強度。挿入図:電子温度対Δt。
エラーバーは標準偏差を表す。f角度分解PE強度の平均は4〜8psで、
分散自由電子のようなバンドを示す。
------------------------------------------------------------
❏ 表面金属の超高速生成と崩壊
化学ドーピングまたは電場によって誘発される半導体表面でのバン
ドベンディングは、高い電子移動度、磁性、または超伝導など、バ
ルクには見られない特性を備えた金属表面を作成する可能性がある。
超高速タイムスケールでのそのような金属表面の光生成は、高速電
子機器にとって魅力的であろう。ここでは光励起によるZnO(10-10
)表面での金属の超高速生成を示す。無機半導体の大部分で発生す
るこれまで知られている超高速の光誘起半導体から金属への転移と
比較して、ZnO 表面のメタライゼーションは3〜4桁低い光子束に
よって開始される。時間分解および角度分解光電子分光法を使用し
て、相転移がドナー型深部表面欠陥の光枯渇による光誘起下向き表
面バンド曲げによって引き起こされることを示す。発見されたメカ
ニズムは、半導体表面の化学ドーピングに類似しており、超高速タ
イムスケールで表面に閉じ込められた金属量を制御するための一般
的なルートを示す。

浅いドナーのドーピング密度が半導体の臨界値を超えて増加すると、
元々不純物サイトの水素ポテンシャルに局在していた過剰な電子が
非局在化し、金属バンドを形成します。注目すべきことに、このモ
ットまたはモット-アンダーソン遷移は低ドーピング密度で、たと
えばリンドープシリコンの104原子あたりの部分ですでに発生して
いる。半導体から金属への遷移(SMT)も、半導体表面で2次元で発
生し、2次元電子ガス(2DEG)の形成につながる。酸化物表面の場
合、2DEGの形成は、酸素空孔や水素などの吸着物などの浅いドナー
欠陥による表面ドーピングによって引き起こされることがよくある。
正に帯電した不純物サイトは表面電位を変更し伝導帯と価電子帯(
それぞれCBとVB)の下向きの表面バンド曲げ(BB)を引き起こす。
低ドーピング密度では、BBは表面の孤立した電子ポケットの周りに
集中する。電子の非局在化は、臨界電子密度を超えるとのみ発生す
る。2DEGは、金属量を超えて、磁性や超伝導などの現象をホストで
き、過去数年間でかなりの関心を集めている。

化学ドーピングに加えて、半導体の金属のような特性も光励起によ
って生成することができる。低光励起密度では、半導体の光学的お
よび電子的応答は、相互作用しない自由キャリアと励起子によって
支配される。対照的に、強い光励起は、3つの異なるメカニズムに
より金属のような動作を引き起こす可能性がある。

(1) 臨界励起フルエンスで、自由励起子間のモット遷移が発生し、
CBとVBに擬フェルミ準位を持つ電子正孔プラズマが形成される。こ
のSMTは、前述のMott-Anderson遷移12と密接に関連している。この
場合、材料は金属のような光学特性と導電性を示す可能性がある。
ただし、平衡バンド構造を変更しないと、平衡フェルミ準位EFの周
囲に状態密度がなく、真のSMTは発生しない。
(2) 実際のSMTは、たとえば、クーロン相互作用のスクリーニング
を変更する強力なキャリア-格子またはキャリア-キャリア相互作用
による、電子バンド構造への光誘起変化によって実現できる。しか
し、無機半導体の場合、二酸化バナジウムの有名な室温PIPTのよう
に、このような光誘起相転移(PIPT)を駆動するには、強力なレー
ザー励起(mJ /cm2)が必要。さらに、エネルギーの取り込みが高い
ため、SMTは通常熱的に安定し、平衡相の回復はナノ秒の持続時間の
熱放散プロセスによって制限される。
(3) 化学ドーピングと同様に、バンド構造はフォトドーピングに
より光学的に操作することもできる。1つの経路は、深いドナーの
光励起である。これにより、水素ポテンシャルに結合した電子正孔
対が生成され、正孔は不純物サイトに局在する。図1cの図の左側を
参照。遊離励起子とは対照的に、これらの欠陥励起子は空間に固定
されており、上記の浅いドナーに直接類似。化学ドーパントに関し
ては、表面でのフォトホールの幾何学的閉じ込めが表面電位を変更
し、それにより局所的な下向きのBBを引き起こす。このような状態
の臨界密度では、金属バンドが形成され(図1c)、表面のメタライ
ゼーションにつながる。

欠陥励起子による光誘起メタライゼーションは、これまでのところ、
半導体の大部分で非常に長いタイムスケールでのみ観察され、光ド
ーピングが準安定である可能性があるという効果を利用。これによ
り、さまざまな半導体で観察されるように、持続的な光伝導性がも
たらされる。それらの中には、ワイドバンドギャップ(3.4 eV)、
本質的にnドープ(CBより約0.2 eV下のEF)半導体ZnOがあり、基本
的なバンドギャップエネルギーより下の広いフォトルミネッセンス
信号につながるさまざまなネイティブの深いドナー欠陥がある。ZnO
の場合、伝導特性の光誘起超高速制御は特に魅力的です。これは、
ナノ構造化の容易さとこの材料の可視光に対する透明性の恩恵を受
けるアプリケーションによる。半導体表面では、欠陥の光励起は電
界効果トランジスタのゲート端子の効果を模倣。このようなフォト
トランジスタは、情報技術やテラヘルツ領域の発光体などのオプト
エレクトロニクスデバイスの超高速電流の制御に使用できる。ここ
では、サブns崩壊を伴う非常に低い励起フルエンスを使用し、少な
くとも256 Kまで実現可能な、ZnOの表面に閉じ込められた超高速光
誘起SMTを明らかにする。この劇的な効果は、表面の光ドーピングに
より可能となる。ギャップ内(欠陥)状態は、一時的な局所的な下
向きBBを誘発し、CBに電子を生成します。わずか13.6μJ/cm2 のし
きい値フルエンスを超えると、光励起された電子は非平衡状態で非
局在化し、金属のすべての定義フットプリントを示しす。部分的に
満たされた分散バンドと電子分布に起因する平衡フェルミエネルギ
ーEF周辺の状態密度200fs 以内の格子で熱化するフェルミディラッ
ク統計に従う。光ドープ電子密度、表面電子のほぼ自由な電子質量
およびVBのエネルギーシフトを監視することで、時間領域でPIPTを
追跡する。表面金属の生成と崩壊は、それぞれ電子スクリーニング
と電子正孔再結合のタイムスケールで発生する。表面金属のキャリ
ア密度は、フォトドーピングによる表面の正帯電時に発生するVBの
下方シフトと同じ蓄積および減衰ダイナミクスを示す。さらに、有
効質量は、浅いドナードーパント間のモットSMTで 予想されるよう
に、臨界形のレーザーフルエンスの関数として変化する。驚くべき
ことに、超高速SMTは 表面BBを超えたバンド構造への光誘起変化を
必要としない。十分な数の深いドナーレベルは、多くの半導体の表
面で同様の効果を可能にするはず。
【結果】
光定常n型ドーピング 時間および角度分解光電子分光法(trARPES)
を使用してPIPTを監視します。最初のフェムト秒レーザーパルス(
ポンプ)がサンプルを励起し、2番目のレーザーパルス(プローブ)
が非平衡電子集団を光放出するポンププローブ方式により、超高速
ダイナミクスの測定が可能になる。これを、超高真空で洗浄された
(10–10)配向のZnOサンプルに適用。超高速メタライゼーションの
ダイナミクスについて説明する前に、半導体の初期状態を確認する
ことが重要。したがい、最初にポンプレーザーパルスを適用せずに
サンプルを調査。参考文献で報告されているものと同様の、VBから
の光電子スペクトル。EFに関して-3.2eVでのVBの最大値を特定。こ
れは、ZnOで一般的なように、平衡フェルミエネルギーがCBより0.2
eV低いnドープサンプルを示す。EFの周りのエネルギー領域に対処す
るために、hν= 6.3 eVのプローブレーザーパルスを使用するす(図
1cのエネルギー準位図)。EFの周りの電子構造が伝導特性を定義す
るため、このエネルギー領域は興味深いものである。ドープされて
いない半導体の場合、禁止ギャップ内の状態は予想されないが、モ
ット密度未満の浅いドナーをドープすると、EFのすぐ下に局在化さ
れた分散のない状態が誘導される。図1aは、そのような状態がフェ
ルミ準位に存在し、EFの下の-0.1 eVを中心とし、数百meVの幅を示
す。図1bの角度分解スペクトルは、この特徴も分散がないことを示
しており、孤立した浅いドナードーパントを示しています。化学ド
ーピングを超えて、浅いドーパントは、その寿命が十分に長いため、
当社のレーザーシステム(200kHz≙ 5μs)によって提供される2つ
の後続のレーザーパルスによって励起およびプローブされる場合、
導入部で概説したように深い欠陥の光励起から生じる可能性がある。
ZnOの欠陥励起子の発光はμsレジームにまで及ぶことが知られてい
るため、長寿命の欠陥励起子のこのような光定常状態の形成が実際
に予想される。レーザーシステムの繰り返し率を通常200kHzから5
5kHzに調整することにより、この仮説をテストする。

これにより、後続の2つのレーザーパルスの間隔が5から 200μsに
変化する。図1aの挿入図に示されているように、光電子強度はほぼ
50%低下し、光定常状態が浅いドナー信号の原点にあることを示して
いる。この光定常状態の個体群の詳細な特性は、本書の範囲外であ
り、他の場所で説明されている。EFより下の-0.1eVでの分散のない
特徴は、浅いドナーのように作用する光定常欠陥励起子に起因する
と結論付ける。

以下では、欠陥励起子の光誘起増強、したがって浅いドナー密度が、
光励起後のフェムトからピコ秒​​のタイムスケールでのみZnO表面のメ
タライゼーションにつながる可能性があることを示す。

❏ 特開2019-62634 磁界を低減した地中送電線 住友電気工業株式会社
【概要】
架空された送電線が発生する電磁波を低減するために、三相交流電
力を伝送する3本の送電線を断面視で三角形の頂点に位置するよう
に配置することで、3本の送電線を断面視で地面に平行に直線状に
並べて架空する場合に比べて磁界(磁束密度)を約20%~約30
%低減できることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、三相交流電力を伝送する3本の電力線を2組(合計6本)架
空し、同相の2本ずつが同じ高さに位置するように、高さ方向に3
つのレベルに配置し、最も下の2本のさらに下に、接地された2本
の補償ループを架空することで、補償ループを架空しない場合に比
べて、磁界(磁束密度)を約20%~約30%低減できることが報
告されている(例えば、非特許文献1参照)。
【非特許文献1】磁界低減技術とコスト評価(資料4)  原子力安
全・保安院  平成19年9月28日

ところで、従来の磁界低減技術では、磁界の低減が必ずしも十分で
はないのと、地中送電ケーブルの場合、埋設スペースの制約から、
磁界を低減することによる発熱が問題になった。  そこで、磁界を
十分に低減し、送電容量を低下させない地中送電線を提供すること
を目的とする。図1のごとく、地中送電線は、断面視で三角形の頂
点に位置するように地中に埋設され、各両端が基準電位点に接続さ
れ、閉ループを構築する3本の補償電線と、断面視で前記3本の補
償電線が配置される三角形の内部に位置するように地中に埋設され、
三相交流電力を伝送する3本の送電ケーブルとを含む構成にするこ
とで磁界を十分に低減した地中送電を提供を可能とする。
【図1】実施の形態の地中送電線100を示す断面図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中において断面視で三角形の頂点に位置するように敷設され、各
両端が3条一括で接続され閉ループを構築する3本の補償電線と、
 地中において断面視で前記3本の補償電線が配置される三角形の内
部に敷設され、三相交流電力を伝送する3本の送電ケーブルとを含
む、磁界を低減した地中送電線。
【請求項2】
前記3本の補償電線のうちの2本は、前記3本の送電ケーブルより
も深い位置に敷設され、残り1本は前記3本の送電ケーブルよりも
浅い位置に敷設される、請求項1記載の地中送電線。
【請求項3】
前記3本の補償電線のうちの残りの1本は、前記3本の送電ケーブ
ルのうち最も近接して配置される送電ケーブルから断面視で500
mm以上上方に離れた位置に敷設される請求項2記載の地中送電線。
【請求項4】
前記3本の補償電線が構築する閉ループの抵抗値は、前記3本の送
電ケーブルの抵抗値の3倍以上であり9倍以下である、請求項1乃
至3のいずれか一項記載の地中送電線。

【図2】地中送電線(A)~(F)の断面構成を示す図



【図3】地中送電線(A)~(F)の断面構成を示す図

【図4】磁束密度の計算結果を示す図


【図5】図4に示す磁束密度の値を示す表


【図6】地中送電線(A)~(F)の磁束密度の値を百分率で示す図

【図7】地中送電線(C)~(E)における補償電線の電流値と、
補償電線の閉ループが送電ケーブルに与える温度上昇とのシミュレ
ーション結果を示す図
✔ 高圧三相交流送電を鉄塔法から埋設法切り換える場合のリスク
軽減技術を超伝導・直流方式と併行させながら考えてみた。



米の寒波・大雪、東海岸へ 死者30人超
2月19日、AFPによると、米国の南部と中部に記録的な寒波をもた
らした冬の嵐は18日、東部沿岸地域へと移動し、大雪や路面凍結な
どにより新型コロナウイルスワクチンの配送にも影響が出たと報じ
た。米国立気象局(NWS)は、バージニア州から北東部にかけての
広い範囲が「大型」の冬の嵐に見舞われ、移動が「危険」な状態に
なると警告。ニューヨーク市では18日午前、降雪が続き、フライト
数百便が欠航。新型コロナウイルスワクチンの配送にも混乱が生じ、
接種会場2か所の開設に遅延が生じた。同市の積雪量は最大で13セ
ンチに達すると予想されている。映像前半はテキサス州の積雪と、
同州のスーパーやファストフード店に食料などを買い求めに来た人
々の長蛇の列。17、18日撮影。後半はニューヨーク市内で18日撮影。
via AFP




新型コロナワクチンはなぜ「筋肉注射」? 痛みは違う? 
新型コロナウイルスワクチンの臨床試験を実施したのが「筋肉注射
」だったため。深く刺すため、「皮下注射」の方が痛い。注射で痛
いのは、皮膚を通る時だが、垂直(筋肉注射)だと短距離、斜め(
皮下注射)だと長くなり、その分、痛くなる。ただ、痛みの差は誤
差の範囲。ワクチンは異物なので、体が反応する、この反応が新型
コロナウイルスワクチンは、まあまあ強く出る。インフルエンザワ
クチンよりも、反応が強く出やすい。接種から1日たつと、接種し
たところが腫れて、熱を帯び、痛くなり、「筋肉注射」は、太もも
に注射することも多が、新型コロナウイルスワクチンのように、肩
に近い上腕部に注射することに慣れていない、医師や看護師が慣れ
ないことが影響するかもしれない。噂やデマが飛び交ってしまうの
は困るため、ワクチンに関して不都合なこと、気になることも包み
隠さず伝えるこれも大事だという。via NNプライムオンライン


米疾病対策センター(CDC)は18日、新型コロナウイルス流行が始
まった2020年上半期、米国の平均寿命が1年縮んだことを明らかに
した。アウトブレイク、エピデミック、パンデミックの比較 CDCが
発表した統計によると、同期の平均寿命は77.8歳で、2019年の78.8
歳からちょうど1年縮み、2006年以降で最短となった。最も大きな
影響を受けたのがマイノリティー(少数派)で、非ヒスパニック系
黒人の寿命は3年、ヒスパニック系の寿命は約2年それぞれ縮んだ。
米国では現在も新型ウイルスの犠牲者が増え続けており、CDCは今
回発表した統計は暫定的なもので、新型コロナウイルス流行の影響
や、薬物過剰摂取による死者の増加などの全体像は反映していない
と説明する。





ちょっと、心配です。ベッド横にはいままでおいていた厚底のウォ
ーキングシューズはなく。スリッパ!これは買い換えなきゃと考え
ることに。さらに、「今夜のアラカルト」で掲載している「LEDラ
イト付き2in1モバイルバッテリ」も購入しておこう。怖いね。




原発避難訴訟、国の責任認める 高裁で2件目
東京電力福島第一原発事故で千葉県内に避難した住民らが国と東電
に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(白井幸夫
裁判長)であった。一審・千葉地裁は国の責任を否定して東電にだ
け賠償を命じたが、高裁は国と東電の両方に同等の責任を認めた。
原発事故をめぐって避難者が国と東電を訴えた集団訴訟は全国で約
30件あり、控訴審判決は今回が3件目。国の責任を認めた判決は昨
年9月の仙台高裁に続いて2件目で、国の責任を否定したのは今年1
月の東京高裁の1件となった。今後、最高裁が統一判断を示すとみ
られる。今回の訴訟の一審・千葉地裁判決は2017年9月に言い渡さ
れた。一審では18世帯45人が国と東電に計約28億円を求め、千葉地
裁は42人に計約3億8千万円を支払うよう、東電に命じた。
via NHK



風蕭々と碧い時代:

 

今夜のアラカルト:LEDライト付き2in1モバイルバッテリー

今夜の寸評:災害は同時に来る時代っていまなの ?
なにが起こっても可笑しくない時代に突入していることは確か。


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傷口を広げる福島第一

2016年10月05日 | 緊急|東日本大震災
  1.  

 

    

         本当に役に立つことは10年後、あるいは100年後かもしれない。
         社会が将来を見据えて、科学を一つの文化として認めてくれるような
         社会にならないかなあと強く願っています。


                               
                                 
                                            Ōsumi Yoshinori?, born Feb.9, 1945

 

 
東京新聞 福島第一原発の現状  Oct. 1, 2016

【傷口を広げる福島原発事故】

4日、電力業界団体の電気事業連合会が、東京電力福島第1原発事故の損害賠償・除染費用について、
東電を含む大手電力各社の負担額が当初計画を約8兆円上回るとの試算をまとめ、超過分を国費で負担
するよう政府に非公式に要望していることが4日明らかになった。政府はこれまで「賠償・除染費用は
原則的に原発事業者の負担」との立場を取ってきており、慎重に検討するとみられるという(毎日新聞
2016.10.04)。

それによると、福島第1原発事故の賠償・除染費用は、

  1. 国がいつでも現金に換えられる「交付国債」を原子力損害賠償・廃炉等支援機構(国の認可法人
    )に渡す
  2. 東電は機構から必要な資金の交付を受け、賠償・除染に充てる
  3. 機構は後に東電を含む大手電力から負担金を受け取り、国に返済する

という仕組み。賠償分は東電と他の大手電力が分担▽除染費用は機構が持つ東電株の売却益を充当▽中
間貯蔵施設の費用は電源開発促進税で賄うことになっている。そして、政府は13年、賠償費用5.4
兆円▽除染費用2.5兆円▽中間貯蔵施設の建設費などを1.1兆円と見込み、機構への資金交付の上限
を9兆円としたが、関係者によると、電事連は、賠償費用が見通しより2.6兆円増の8兆円、除染費用
が4.5兆円増の7兆円になると試算。また、東電株売却益も株価下落で1兆円減少し、合計で8.1兆
円の資金が不足すると見積もる。大手電力各社は「除染費用は東電株の売却益で賄えず、最終的に電力
各社が負担を迫られる」とみる。

一方、原発再稼働の停滞や、電力小売り自由化による競争激化などから大手電力の経営環境が悪化した
として、賠償・除染費用の超過分の政府負担を求めた。 福島第1原発の廃炉費用を巡っては、東電が
2兆
円を工面しているが、数兆円規模の財源不足も予想される。東電ホールディングスは7月、廃炉費
用などの負担
支援を政府に求めている。今回の電事連の要望に廃炉費用は含まれていない。政府は福島
第1原発の賠償や
廃炉費用の負担について、5日から始める「東京電力改革・1F問題委員会」などで
議論することにしており、電
事連の要望も今後協議される可能性があると同社は伝え、これは「事故つ
け回しで無責任」と次のように解説する。

  毎日新聞

電気事業連合会が東電福島第1原発事故の賠償・除染費用の超過分を国に負担するよう要望した。だが、
大手電力各社はこれまで「原発のコストは安い」と説明してきた。事故のつけを国に求める姿勢は「無
責任」との批判が免れない。
電力各社には「原発は『国策民営』で推進されてきたのに、事故が起きた
ときは事業者が責任を取らされる」との不満がある。東電以外の大手には「東電の事故の責任を負わさ
れるのは理不尽」との思いもある。しかし
、大手電力は原発稼働で巨額の利益を上げてきた(どのぐら
いの金額?)。原発の「安全神話」に寄りかかり、事故対策を怠ってきた面は否定できない。福島第1
原発事故に伴う賠償・除染費用が膨大な額に達する見通しになったからといって、国に負担を押しつけ
るのは筋が通らない。国が負担を引き受ければ、最終的に税金が投入され、国民負担につながる。
福島
第1原発事故の処理費用は、国が原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じていったん立て替えるが、最
終的に電力各社が負担する仕組みだ。この制度の趣旨にも大きく反すると指摘する。

14年には原発事業を切り離し国有化するというビジョンをもっていたわたし(たち)にすれば、傷口
を広げる過渡
期的な現実ということになる。



【台風18号チャバの軌跡】

 
Thu, 06 Oct 2016 09:00:00 GMT

Powerful typhoon Chaba barrels toward Japan : 台風18号チャバ日本を強襲

【RE100倶楽部:太陽光パネルに塗るだけで発電量3%増】

太陽光パネルの表面に、反射防止と防汚の機能を併せ持つ材料を塗布することで、1枚当たりの発電量
が約3%増加する革新的な技術が注目を浴びている。この基本技術は、中央自動車工業が製品化し、塗
布材料――新コーティング剤は、オルガノシリカゾルと無機添加剤を主成分としたもの。スピンコート
やディップコート、刷毛塗りといった方法で塗布するだけで、成分中のシリカが針状構造を形成し、親
水性によるセルフクリーニング機能を発揮する。前処理が不要なほか、自然乾燥により1分程度で針状
構造を形成し始めるため、施工が簡単で均質性に優れる。アクリルやポリカーボネート(PC)、ポリ
エステルといった樹脂素材にコーティングした場合、基材表面(30?90ナノメートル)に親水性成
分が入り込むことによって、素材自体の美観を損ねずに皮膜の高密着性を実現。また、無機系のため原
則的に黄変や劣化がない透明皮膜を形成するとともに、光がない場所でも親水性を発揮する。評価試験
では、アクリルおよびPCともにコーティングによる透過率(波長550ナノメートル)の減少がみら
れなかったほか、テープ剥離性試験(セロテープ剥離)で問題がないことを確認ずみ。耐久性も「5年
以上は持つ」(同社)ことから、同社では窓や外壁をはじめアクリルミラーやレンズ、繊維、フィルタ、
ディスプレイといった用途での採用を見込む――は、九州大学と共同で開発したもの。

ARコートとはAnti-Reflecting-Coatの略で、反射防止膜の意味があります。(低反射ガラスという事も
ある)日本では13年頃から徐々に普及しており、各モジュールメーカーが標準装備品として採用して
いるケースがある。品番によって異なるので、ARコートの有無は各モジュールメーカーへ問い合せる。

太陽光発電所で、稼働を停止することなく塗布できる。当初は、先端にスポンジなどを取り付けたモッ
プを使い、人手で塗布していたものの、その後、同社は日鉄住金物産の太陽光パネルの洗浄ロボットを
応用して塗布する手法に変えた(下写真)。事前の洗浄から塗布までこのロボットを使い、適切な薄膜
を均一に形成する。現地では、(1)まず、太陽光パネルの表面のカバーガラスを洗浄する。脱脂が目
的で、純水で洗浄し、乾燥させる。(2)次に微細な凹凸を含む膜を形成する。シリカ系の材料をカバ
ーガラス上に塗布する。無機材料は、液体ではなく、そのままでは塗布できないので、アルコール系の
材料を溶媒に使う。洗浄ロボットで塗布し、溶媒が蒸発すると、カバーガラス上で硬化し、膜が形成さ
れる。

日中に発電しながら塗布できる上、成膜は常温で可能で、光や熱を使った硬化プロセスも不要となって
いる。塗布後の外見は、塗布前に比べて、濃く見えるようになる。紫や黄色といった縞模様を生じるこ
ともある。無機材料のため、経年によって変色したり、機能が劣化したりすることも原則的にはない。
~10年相当の加速試験では、反射防止効果がほぼ変わらないことがわかっている。ただし10年以
上に相当する加速試験では、効果が落ちる場合がある。留意点は、太陽光パネルのメーカーにより保証
対象外とするメーカーもあるので保証内容について、必ずメーカーに確認した上で塗布施工すること。



● 
事例研究:館林ソーラー発電所

群馬県館林市にある出力約2メガワットのメガソーラー「館林ソーラー発電所」では、パワーコンディ
ショナ段階で出力が平均で3.2~3.3%増える効果があったという事例がある。発電事業者は、ダイ
ヤモンドカッターメイカーの三星ダイヤモンド工業(大阪府摂津市)と日鉄住金物産の合弁によるSPC
特定目的会社)であるMDI-SBソーラー(大阪市西区新町)。

この発電所では、インドのモーザーベアー・ソーラー(Moser Baer Solar)製の多結晶シリコン型パネル
を採用。出力は240ワット/枚。PCSはスイスABB製で、定格出力は630キロワット。全体で、3
台のPCSに入力する8640枚の太陽光パネルのうち、1台に入力しているすべてのパネル(2880
枚)に対し、15年4月にこの材料を塗布し発電量を検証。

この結果、塗布した当日からPCSの出力が増した。塗っていないパネルが入力しているPCSに比べ、元々、
接続しているパネル枚数の違いから、平均で1.4%高い出力となっていたが、その後の1年間で、平均
で4.8%高くなり、年間平均で発電量が3.3%増の効果を記録。冬は特に増加した。具体的なメカニ
ズムは不明だが、霜が溶けやすくなるなど、太陽光の入射が増えているためではないかと推測。この効
果を踏まえて、もう1台に入力しているすべてのパネル(3024枚)にも、16年6月にこの材料を
塗布。最後の1台分の2736枚を残して、すべて塗布施工する。

 日経テクノロジー

発電量が平均で3%以上増える効果に対して、塗布費用は、材料費と塗布費を合わせ、1枚当たり600
円と設定し。例えば、出力1メガワットメガソーラーで、出力250ワット/枚の太陽光パネルを設置
の場合、40000枚全部に塗布すると240万円。買取価格が40円/キロワトアワーで、元の年間発
電量が東京都の平均以下の約110万キロワットアワーと想定、その3%の増加分は年間発電量で3.3
万キロワットアワー、売電額は132万円増える。その結果、塗布費用の2400万円は、2年以内に回
収できる計算。発電量を増やす効果を発揮できるのは、製品設計上、もともと反射防止機能のない太陽
光パネルに限定される。こうしたパネルは、買取価格40円/キロワットアワーなど、FIT開始当初に建
設された発電所では、広く採用されていると見ている。日鉄住金物産では、太陽光パネルメーカーを主
なターゲットとしているほか、こうした反射防止機能のないパネルを採用した発電所に採用を働きかけ
ている。

従って、今後は新製品には、出荷前にこのプロセスを組み込んだものを出荷すれば、既存のパネル性能
より3%向上できるので、低コストで高性能なソーラーパネル販売の競合が続くことになる。ある意味、
『デジタル革命渦論』的側面の過酷な競合をパネルメーカーに強いることとなる。政治がやることは、
キャシュフローの是正(=税制改革)にある。

下図に関連特許事例(1)特開2013-185043 光触媒塗工液、太陽光発電システム用カバー、及びその製
造方法(2)特開
2013-203774  有機基材用防曇防汚剤及び当該防曇防汚剤で有機基材を被覆する方法を
掲載しておく。

 特開2013-185043 

 特開2013-203774

  

【折々の読書 齢は歳々にたかく、栖は折々にせばし】    

   Jun. 26, 2016

 

● 朝日新聞「迫る2025ショック取材班」

          
『日本で老いて死ぬということ』6
 

  [目次]

   はじめに

   第1部 日本で老いて死ぬということ

  第1章 生きがいの喪失と回復

  第2章 難しい「平穏な在宅死」
  第3章 口から食べたい
  
  第2部 介護の現実~在宅・施設それぞれのリアル

  第4章 三人介護
  第5章 遠距離介護
  第6章 ダブルケア
  第7章 虐待を防ぐ
  第8章 在宅でみる 
  第9章 訪問看護師の力
  第10章 特養で看取る

  第3部 老いは地域社会で見守れるか

    第11章 地域で暮らす

  第12章 コミュニティ再生
  最終章 未来へつなぐ

  おわりに

  

  
第2章 難しい「平穏な在宅死」
 
     悩ましい胃ろうの選択

  加齢や脳梗塞の後遺症などで口から食べられなくなると、胃に穴を開け、チューブで直接栄養剤
 を入れる「胃ろう」と呼ばれる方法を導入するのが一般的だ。40万~50
万人の人たちが利用し
 ているとされる。2025年に向け、利用者はさらに増えてい
くとみられる.
  ただ、それは「延命」にもなり得る。ベッドに寝たままの状態で胃ろうを使い生きることが、果
 たしてたして本人が望むことなのか。でも、胃ろうをしなければ、自分が命を
終わらせることにな
 ってしまう……。その選択に悩む家族は多い。

  ここでは、胃ろうをつける選択をした家族と、つけない選択をした家族のケースを、それぞれ紹
 介する。


                        つけてよかった。でも、2度目はない」

 「パパ」。妻の呼びかけに、もう反応はなかった。2013年4月28日の夕方、横浜市で在宅介
 護を受けていた大垣進さん(享年82)は、天国に旅立った,妻の佐智子さん(78)や息子らに見守
 られ、穏やかな最期だった。
  進さんは2002年から、脳梗塞などで人退院を繰り返した。左半身のマヒが残った。2008
 年2月から、西神奈川ヘルスケアクリニック院長の赤羽重樹医師(52)の訪問診療を受けていた。
 2009年6月、肺に食べ物や唾液などが入って起きる「誤嘸性肺炎」を起こし、巾内の病院に入
 院した。

  退院を前に、佐智子さんは病院の主治医から告げられた。「このままだと肺炎を繰り返して大変
 です,在宅に戻るなら、胃ろうにした方がいいと思います」
 「胃ろう?]。佐智子さんは、言葉は聞いたことがあったが、どんなものかは知らなかった。でも、
 何となく「終末期の延命治療一というマイナスのイメージがあった。以前、夫に胃ろうをつけた友
 人が「あんなもの、するもんじやない」と言っていたからだ。

  進さんは、胃ろうをするかどうかの判断をできる状態にはなかった。佐智子さんが、難しい判断
 をしなければならなかった。
  胃ろうの選択を迫られる少し前、ケアマネジャーで訪問看護師の大西美智子さん(56)からは「
 自然のままで(逝かせて)もいいんだよ]と言われていた。約7年間、佐智子さんの介護を見てき
 た大西さんの目には、「もう十分やった」と映っていたからだ。
  当初、佐智子さんは「胃ろうはやめよう」という考えに傾いていた。「でもとりあえず赤羽先生
 に相談しよう」。市内の病院から自宅に帰るその足で、赤羽医師のクリニックを訪ねた。「詳しく
 説明しますので、診療が終わるころにまた来てください」と言われた。

  夜、阿びクリニックを訪れると、赤羽医師は、胃ろうに使うチューブなどの器具を何種類か机の
 上に置き、使い方や特徴を説明してくれた。管理にかかる手間や栄養剤の値段なども話してくれた,
  そして、佐智子さんにこう声をかけた,「怖いことは全然ない。もしやるなら、我々医療スタッ
 フが全面的にサポートします」「佐智子さんは、やれるところまでやらないと気が済まない性格で
 しょ? 僕の意見としては、胃ろうをつくった方が、後悔は少ないと思いますよ」

  「先生、お願いします」。佐智子さんの心から、迷いは消えていた。約2時間がたっていた。赤
 羽医師は、このときのことを振り返って言う,「夫婦関係や経済状況、家の造りなども考え、大垣
 さんならやれる、と判断したんです」
  胃ろうの管理は、決して楽ではなかった。1日3回、栄養剤と水を1時間半ずつかけ注入した。
 トラブルの可能性もあるので、その問は目が離せない。実際、栄養剤が管のつなぎ目から漏れて、
 シーツがびしょびしょになったこともある。栄養剤をうまく消化できず、下痢をすることもあった,
 そのときのおむつ替えは大変だった,

  良いこともあった。それは10年ぶりにお酒を少しだけ味わえたことだった,2013年4月1
 日、進さんは、自宅から桜を眺めながら、ウイスキーをほんの少し口に含んだ,「おいしい?」。
 傍らで妻の佐智子さんと歯科衛生士の佐藤由紀子さん(42)が笑顔で見守った。1カ月後、進さん
 は天 国に旅立った。
 「胃ろうのおかげで、夫婦の時間を取り戻せて、本当に良かった一と佐智子さんは振り返る。そう
 言えるのは、佐藤さんら医療スタッフの温かいサポートがあったからだろう。
  最初のうちは、口からも少し食べられた。佐藤さんは、いろいろなものを食べさせてくれた,ゼ
 リーやヨーグルト、うなぎのたれ、手作りのシチュー……,後半は、口に含ませる程度だったが、
 「味やにおいで脳を刺激する{という効果を期待した。進さんののみ込み機能の検査をした鶴見大
 歯学部助教の飯田良平さん(42)のアドバイスを受けた。

  亡くなった後は、佐藤さんから、訪問の際の写真を貼ったアルバムをプレゼントされた。「たく
 さんの優しさと心の学び、楽しい時間をありがとうございました」などのコメントも添えられてい
 た。赤羽医師の存在も大きかった。胃ろうでトラブルが起きると、佐智子さんはすぐ電話した。一
 度こんなことがあった。昼過ぎに買い物に行ってタ方に帰ってくると、昼食用に入れたはずの栄養
 剤が、管が詰まったのか止まっていた。慌てて赤羽医師に電話すると「残りを入れてあげれば、夕
 食は抜いて大丈夫ですよ」。気持ちが落ち着いた。

  結局、自宅で約3年半、胃ろうをつけた生活を過ごした。最後の1年間は反応も乏しくなり、「
 この人は、生かされていてかわいそう」という気持ちも出てきた,それでも今、佐智子さんは「胃
 ろうにして本当によかった」という。進さんは商社に勤めており、単身赴任が長かった。佐智子さ
 んの母親と仲が良く、介護を手伝ってくれたこともあった。胃ろうにすることで、その恩返しがで
 き、一緒にいられなかった夫婦の時間を取り戻せたのだという。
  だが、こうも付け加えた。「未知の世界だから、できた,「もう一回』と言われたらやりません」

   「胃ろうにしない」苦渋の決断

 「胃ろうにしない、という本人の選択を尊重したかったんです」。東京都内に住む父親(享年83)
 を2013年H月に看取った、神奈川県逗子市の長女(49)は、そう振り返る。「胃ろうにしない」
 と決めて退院してから、8日後に穏やかに旅立った。
  2003年に脳梗塞で倒れて以来、人退院を繰り返した。2012年2月に都内の特別養護老人
 ホームに入居したが、2013年10月に誤嘸性肺炎で入院した,肺炎の治療を終えると、主治医か
 ら告げられた,「もうロから摂取するのは難しいと思います。胃ろうにするかどうか、決めて頂け
 ますか?」。母親(77)と長女は「胃ろうにしないと、あとどれぐらい(の命)ですか?」と尋ね
 た。「頑張れる方で、2週間ぐらいでしょうか」

  母親と長女は、ベッドに横たわる父親に確認した。「お父さん、胃ろうの手術をする?」。黙っ
 て首を横に振った。「このままでいいの?」。うなずいた。通常の会話は厳しい状況だったが、判
 断能力はあった。胃ろうにしなければ、父親との別れは早まってしまう……。でも2人は「10年
 間、よく頑張った。本人の意思を尊重しよう」という気持ちに傾いた。
  それを長男(52)に伝えると、「胃ろうにしなかったら、終わりになるんだぞ」と言われた。母
 親は「やっぱり、やった方がいいよ」と長女に迫った。
  母親は、枕元で本人に確認した。「本当にいいの?『さよなら』」いやだから、胃ろうつくろう
 よ」。だが、父親の意思は変わらなかった。母親の心は、揺れた。
  長女の考えは、ほぼ一貫していた。2003年に脳梗塞で倒れた際も、主治医から胃ろうをつく
 る話があった,だが拒否して、ロから食べる訓練を続け、食べる喜びを取り戻していた。

 「10年間、食べる楽しみだけで来た。その楽しみを奪って何年か生き続けることが、本人にとっ
 てどうなのか。父の尊厳を考えたときに、胃ろうにしない方がいい、と思ったんです」
 胃ろうの提案があって、約1週間後。母親と長女は、主治医からこう言われた。「実は私と副主治
 医で、ご主人に改めて意思を確認したんです。やはり胃ろうにしない、というご本人の意思は固か
 ったです」

  これで母親は吹っ切れた,「胃ろうはつくらなくて結構です」。長男も理解してくれた。
  今、長女は複雑な胸の内を明かす。『父の決断を尊重してあげられた喜びの一方、『これでよか
 ったのかな』という思いもあります。でも、私がす.へてを背負うしかない」


死は自分では決められない。それを、残された側で「決断」し「死亡証明書」を作成しなければならな
い。そうして「絶対矛盾」を超えていく。しばらく、悔やみに包まれる。

                                       この項つづく

     ● 今夜の一冊

環境ビジネス白書2016年版は、1997年版の創刊版から数えてシリーズ第19弾となる。収録内
容は前回版に続けて、主に~2016年春までの事象とした。最近3カ年は、

  ●リシェイプの時代-環境ビジネスでリシェイプする企業戦略(2013年版)
  ●環境最前線有望ビジネスを掌握する(2014年版)
  ●格差の時代-格差をつける環境有望ビジネス10選(2015年版)

と続け、好評を博している。今回は副題に“ゼロベースの時代-ゼロベースで考える環境ビジネスの視
点”を掲げた。現在は世界的に先進国の成熟化、新興国の発展による世界秩序及び勢力関係の変化が顕
著になっている。国内においては少子化・高齢化により経済活動が停滞気味である。それらを背景に様
々な企業・ビジネスを巡る問題も起こっている。ここでいうゼロベースとは、

  ・一からのスタート
  ・原点回帰
  ・ゼロからの挑戦
  ・これまでの常識の払拭
  ・高度成長期の成功体験からの脱却
  ・ビジネスモデルの転換

等々である。日本企業・ビジネスがさらなる発展を図るためのキーワードと考え、今回の当「環境ビジ
ネス白書2016年版」についてもこの切り口で整理・分析を行った。本文は2章で構成した。

  Ⅰ.環境ビジネス2016年版の総括
   表:ゼロベースの時代-ゼロベースで考える環境ビジネスの視点
  Ⅱ.ビジネス事例&市場・ビジネスデータ

Ⅰ章は本年版の結論的総括であり、Ⅱ章は本書独自の視点から、環境ビジネスを9大分類、26中分類
に区別し、最新事例を吟味・収録した。また、当該ビジネスへの新規参入及び取り組み強化の参考とし
て「市場・ビジネスデータ」を付加している。
 

 

コメント
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地震予測の失敗学

2016年04月22日 | 緊急|東日本大震災

 

 

   

      食べるということは、おいしいかまずいかではなく、豪華か粗末かでもない。胃や腹、そのほか食欲に
      関係する身体の内部の仕組みが、食べることを欲する状態か否かの問題だ。生理もあり、心理もあり、
      それを左右する風俗、習慣、遺伝子といった数えきれない要因がある。

                              「おいしく愉しく食べてこそ(40)梅色吐息」

 

                                               

                                  Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012  

● 熊本地震速報

【地震予測の失敗学】

地震科学探査機構(JESEA)のメルマガが届く。次のような挨拶文につづき、九州地方の地震予測の対象外としたことへ
の弁明が記載されていた。


 「週刊MEGA地震予測」及び「nexi地震予測」にて3月30日発行号まで「熊本県」を地震予測エリアに入れて 参り
 ましたが、4月6日発行号で地震予測エリアから外しました。予測を取り下げる際には慎重を期すよう心がけており
 ましたが、その直後に地震は起きてしまいました。 改めて地震予測期間の精度を上げることが必要だと認識しており
 ます。今年度中にNTTドコモの電子観測点が全国16か所に建てられJESEAの自社電子観測点と合わせて18か所で
 リアルタイムデータを用いた実証研究が本格的に始まります。 少しでも予測期間の精度が向上できるよう研究を進め
 て参ります。


地殻数十キロ以内に貯まった応力の二・三次元画像的表現の難しさを再確認する。メッシュを細かくし、表面の位置情報
の変化を時間軸を加え四次元的表現(=画像化)できたとしても、それだけの話で、「位置変動の特徴パターンの規定」
という"物差し"がなければ意味をなさない。つまり、今回のように予測を取り下げるといった「誤謬」を生むのだが「慎
重を期す」という「是正処置」をどのように「規定」するのか、ここを明確にしなければ、責任回避の「官僚文書」と誤
解されかねない。

ひずみ滞留(赤点線)域の決定はどのようにされているのか、色マッピングしているところから、色行列変換と近傍色差
から色特徴パターン決定式と歪み強度判定式を照合させ、その演算結果をラベリング処理し、画像処理していると考えら
れるが、これは、地震科学探査機構(JESEA)に問い合わせてみるしかない。

  

【最新印刷工学:スーパーナップ法】

下図に、スーパーナップ法による金属配線の印刷製造プロセスを模式的に示す。(1)基材表面上に形成した非晶性のフ
ッ素系ポリマーの薄層上に、波長172ナノメートルの紫外光を、フォトマスクを通して照射しパターニングする。(2)
これにより、銀ナノ粒子を化学吸着する活性の高い表面(反応性表面)パターンの潜像を得る。(3)次に、基材表面の
全面を、銀ナノインクで濡らしたブレードによって掃引すると、反応性表面上にのみ銀ナノ粒子が選択的に吸着し、銀ナ
ノ粒子どうしの自己融着により銀配線パターンが得られる。

今月20日、産総研は、あらゆる生活シーンのIoT化・タッチセンサー化を加速する新技術-超微細回路を簡便・高速・大
面積に印刷できる新原理の印刷技術――銀ナノインクを表面コーティングするだけで線幅0.8マイクロメートルの超微細
回路を印刷で、紫外光の照射によりパターニングした反応性表面上で銀ナノ粒子が自己融着する現象を利用――の開発に成
功したことを公表した。


印刷電子技術で、微細な電子回路の構成に欠かせない高精細な金属配線を印刷する技術は、冶具・版などの汚染による繰
り返し再現性の乏しさ、塗布後の基材表面上での金属粒子どうしの焼結・融着、高温の後処理によるプラスチック基板の
歪み、基材の屈曲による配線の剥がれなどが課題。この技術は、紫外光の照射で形成した活性の高い基材表面上に、銀ナ
ノインク内の銀ナノ粒子を選択的に化学吸着させ、粒子と粒子との自己融着により低い抵抗の銀配線を形成する。プラス
チック基板に強く密着し、最小線幅0.8マイクロメートルの超高精細な金属配線を、真空技術を一切使うことなく、大
面積基材上に簡便・高速に印刷で作製できる。フレキシブルなタッチパネルセンサーなどに応用される。

上図、得られた銀配線の顕微鏡写真を掲載。最も細いもので線幅0.8マイクロメートルの銀配線が得られた。これはスク
リーン印刷法や通常のインクジェット印刷法の数10倍の精細度である。また、インクの濃度を変えることにより、30
~百ナノメートルの範囲で厚さを制御。さらに通常の印刷法では、塗布したインクの周縁部の厚みが極端に厚くなるコー
ヒーリング効果
で配線の抵抗値が設計から大きくずれるが、この方法では、下図に示すように、得られた銀配線の厚みは
線幅によらず一定で、コーヒーリング効果の影響は見られなかった。電子顕微鏡による観察から、反応性表面上では、銀
ナノ粒子どうしの溶融により球状の形状が消失し、銀薄層を形成していることが分かった。また銀配線は基材表面上に5
メガパスカル以上(大気圧の50倍以上の力)で強く固着していた。この銀配線はフレキシブル基板に影響を与えない温
度(80 ℃以下)での熱処理により十分に高い導電性を示し、10万ジーメンス毎センチメートル(固体銀の約6分の1
)に達した。

今回用いた銀ナノインクは、アルキルアミンの保護層で被覆された銀ナノ粒子を重量比で40~60%もの高濃度で含んみ
山形大学の研究により、この銀ナノインクを乾燥させると、結合力の弱いアルキルアミンが徐々に脱離し、ほぼ常温でも銀
ナノ粒子どうしの凝集と融着が進むことが分かっている(下記掲載の関連特許参照)。このような特異な性質を示す銀ナノ
インクを用いることで、新原理の印刷技術「スーパーナップ法」が実現する。



現在、スマートフォンなどのタッチパネルセンサーには、酸化インジウムスズ(ITO)を用いた透明導電膜が用いられてい
るが、硬い酸化物結晶薄膜なので折り曲げると割れ、真空環境下での製造が必要なことから、フレキシブル化や、低コスト
化・省資源化には難点がある。また肉眼では見えない数マイクロメートルの線幅の金属配線を網状に形成して透明導電膜を
製造する技術開発が進められおり、可視光の回折限界に近い線幅(2マイクロメートル程度)の銀配線をプラスチック基板
上に形成し、フレキシブルなタッチパネルセンサーを試作した(下図5)。このタッチパネルセンサーは、高い曲げ耐性を
示しITOや銀ナノワイヤー、グラフェンなどを用いた他の透明導電膜と比べ、光透過率やシート抵抗も優れていた(下図右)。
常温・常圧下で、銀ナノインクの消費量も極小化した低環境負荷のプロセスにより、これらタッチパネルセンサーを簡単・
高速に製造できる。

※ 関連特許

 Oct 23, 2014

特開2014-198905 被覆銀超微粒子とその製造方法

 Apr 7, 2016

 特開2016-048601 金属パターンの形成方法及び導電体

 

 

【ロックを変えたプリンスが逝く】

「パープル・レイン」「ビートに抱かれて」など数多くの世界的ヒット曲で知られる米国ミュージシャン、プリンスが死
去、享年57。今月14日、アトランタのコンサート中体調を崩し日程をキャンセル、15にはプライベート・ジェット
で途中でインフルエンザが悪化し、緊急着陸してイリノイ州の病院に救急搬送され、一時容体回復し自宅に帰ったが、エ
レベーターの中で意識不明になっているところを発見され、蘇生術を試みたものの死亡、死因は不詳。58
年、ミネソタ
州ミネアポリス生まれ。本名プリンス・ロジャー・ネルソン。ワーナー・ブラザーズと契約し78年にデビューアルバム
For You」をリリース。80
年の「Dirty Mind」、81年の「Controversy」(邦題「戦慄の貴公子」)を経て、82年に
1999」がプラチナ・アルバムに輝く。「Little Red Corvette」「Delirious」「1999」の全米トップ10ヒットを生む。
84
年、自身が主演する自伝的映画「Purple Rain」のサウンドトラックとしてリリースした同名のアルバムは、1300万枚が売
れる大ヒットになり、全米アルバムチャート24週連続1位の記録を打ち立てる。「When Doves Cry」(邦題「ビートに
抱かれて」)「Let's Go Crazy」「Purple Rain」など数多くのヒット曲が生まれ、プリンス自身もこのアルバムでアカデミ
ー賞歌曲・編曲賞を受賞。
その後も86年の「Under The Cherry Moon」、89年の「Batman」などヒットアルバムを連発し、
マイケル・ジャクソンやマドンナらと並ぶスーパースターの仲間入りを果たす。


I never meant to cause you any sorrow
I never meant to cause you any pain
I only wanted to one time to see you laughing
I only wanted to see you
Laughing in the purple rain

Purple rain, purple rain
Purple rain, purple rain
Purple rain, purple rain
I only wanted to see you
Bathing in the purple rain

I never wanted to be your weekend lover
I only wanted to be some kind of friend
Baby, I could never steal you from another
It's such a shame our friendship had to end

Purple rain, purple rain
Purple rain, purple rain
Purple rain, purple rain
I only wanted to see you
Underneath the purple rain

Honey, I know, I know
I know times are changing
It's time we all reach out
For something new, that means you too

You say you want a leader
But you can't seem to make up your mind
I think you better close it
And let me guide you to the purple rain

Purple rain, purple rain
Purple rain, purple rain
If you know what I'm singing about up here
C'mon, raise your hand

Purple rain, purple rain
I only want to see you
Only want to see you
In the purple rain

                                   Purple Rain

この「パープル・レイン」は、映画のクライマックスシーンで、父親にささげる曲としてステージで演奏されるた曲で、
バンドメンバーや、ステージの彼を見つめるアポロニアと、クラブのオーナー、そして彼らのファンの緊張した面持ちの
中で、映画の感動を大いに高める。やるせない気持ちという「紫色の雨」は、いろいろなフラストレーションをかかえな
がら、ミュージシャンとして成長していく青春を象徴する。この作品の前から、正式にプリンスのバンドとして活動する、
ザ・レボリューションは、彼とこ長年にわたり講演共演行動をともにする。、才気高い女性二人組、ウェンディ&リサが、
映画で存在感を示している。この歌詞は、そんな青春期の傷つき悲しんだこころを癒やす、紫雨(しう)として表現され
ているようであり、アルバムに収められた曲と映画とがシンクロし、スタンダードな作品になる。


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経験則を超えた熊本地震

2016年04月18日 | 緊急|東日本大震災

 

 

              災害を予測した人は、災害発生後に現れる     マーフィーの法則

 

 

 


【経験則を超えた熊本地震】

● 地震の今後の展開は予測できない?!

テレビの緊急地震報知で震度7という数値をみて驚き、階上に彼女にそのことを伝えたものの、マグニチュードが6.5
の数値の低さに二度驚いた。翌日の午前1時25分の地震が、6強の7.3のいままでの、つまり、今夜までの最大強度
の最大加速度(マグニチュード)で本震であったことを気象庁が報じ、さらに、「今後の展開は予測できないと」とも
報じた。また、カグニチュード3.5以上の内陸部での発生回数推移は、上図のように04年新潟中越地震を上回るペー
スで発生するという特徴を示している。マグニチュード6を超える揺れが連鎖的に襲い被害を拡大させている熊本を中心
とする今回の大地震。最初の揺れに耐えた住宅が、2度3度目の揺れで倒壊した ケースが相次いだ。14日に起きた震
度7の地震後、現地調査に入った愛媛大の森伸一郎准教授は、その後の本震で倒壊した住宅の状況から、最初の揺れで建
物の耐震性が大きく変質し、その後の倒壊を引き起こしたと見ている。

これは、阪神淡路大震災の教訓から建物の耐震化を行ってきたが、今回の建物被害調査で浮かび上がったことは神戸との
類似性――役場や病院などの公共施設の損傷。犠牲者の大半が圧死・窒息死など、建物や家具が倒壊したことによる被害
が共通している。このように(1)発生回数の多さだけでなく、(2)別府、宮崎など九州全体に波及拡大するかに見え
る断層地震のリンクと、(3)阿蘇山の噴火にみられる火山とのリンク、(4)川内原発の再稼働し続けていること、そ
して、(5)地震災害の拡大による緊急支援物資の遅配が問題になっている。わたし(たち)が一番心配するのは、リン
ク拡大という経験則外の異常事態の発生である。

● 地震連鎖、南西にも 日奈久、布田川断層の延長上!

 

【ジャジーな風に吹かれて Ⅹ】 

 

 Jaco Pastorius (full Album with 2 bonus tracks)

ジャコ・パストリアス (Jaco Pastorius、本名 ジョン・フランシス・パストリアスⅢ世、1951年12月1日 - 1987年9月21日)
は、ジャズとフュージョンのエレクトリックベース・プレーヤーで作編曲家。 1970年代半ばに頭角を現し、1975年
にパッ
ト・メセニーの初リーダー作に参加、翌1976年にはファースト・ソロ・アルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』の発表
(上写真
クリック)と共にウェザー・リポートにベーシストとして参加。その革新的なテクニックをもって、エレクトリ
ックベースをアンサンブルでの花形楽器にまで昇華させ、奇才を生まれながらにもち、36才という若さで夭折。
尚幼少の頃から地元の聖歌隊に参加し、音楽的な素養を身に付けていた。ジャコが7歳の頃、家族はフロリダ州フォート
ローダーデールに移住したことでスティール・ドラムが多く用いられるのは、ロリダで過ごした影響が大きい。

 

 Pat Metheny Live In Switzerland

パット・メセニー(Pat Metheny、1954年8月12日 - )はアメリカ人ジャズギタリストでパット・メセニー・グループのリ
ーダー。ミズーリ州リーズサミット出身。兄にジャズトランペッターのマイク・メセニーがいる。ピックは親指と中指で
つまむ独特の持ち方をし演奏。ピック自体も通常使われる尖った部分ではなく、丸い部分を弦に当てる。ソロ・プレイで
は左手はハンマリングとプリングを多用した基本的にピッキングの少ないレガート奏法が中心。そのテクニックを駆使し
たアルペジオや半音進行を多用した独自のフレーズがトレードマークである。尚、メセニーは若い頃よりミルトン・ナシ
メントやロー・ボルジェス、トニーニョ・オルタ等のブラジル音楽に興味を持つ。オルタとは1980年にブラジル公演に来
た時に女性ギタリスト、セリア・ヴァスの紹介で出会い、意気投合し、レコーディング中のオルタの1980年発表のセカン
ド・アルバム『トニーニョ・オルタ』に2曲参加し、オルタのアメリカでの録音による1983年の『ムーンストーン』にも
参加。1987年にブラジル音楽を取り入れた、『スティル・ライフ』や『レター・フロム・ホーム』を発表する。

 

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5年目に再エネ百%の誓い Ⅱ

2016年03月12日 | 緊急|東日本大震災

 

 

 

    運命や宿命とは何かと言われれば、主としてその人と
         母親との関係で形成されてきたものだと思うのです。

 

                                             

                                    Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924-16 Mar, 2012   

 


   少なくとも


   僕はもういちにち早起きをしたいと思う、

   夜明け前に。鳥が起きだすより、さらに早く。

   冷たい水で顔をさっと洗って

   仕事机に向かいたい。

   だんだん空が白み、まわりの

   家々の煙突から煙がたちのぼり

   始めるころに。

   岩だらけのこの海岸に波が打ち寄せるところを

   見てみたい。一晩じゅう眠りの中で

   それを聞かされるだけじゃなくて。

   海峡を抜けていく、世界じゅうの海洋国から

   やってきた船をまた眺めたい。

   やっと勤いているような古くて汚い貨物船、

   あるいは実に色とりどりに塗装されて

   水面を割って進んでいく、

   スピードの出る新式の荷物運搬船が。

   僕はそれらがやってくるのを見張っていたい。

   それから、灯台の近くにある水先案内人の

   ステーションと船とのあいだの海面を行き来する

   小さなボートを眺めていたい。ボートが一人の男を

   船から降ろし、別の男を乗船させるところを見たい。

   僕は一日を潰して、これが起こるところを見たい。

   そして僕自身の結論に達するのだ。

   欲が深いと思われたくない! 僕は既に

   感謝しなくてはならないことをいっぱい手にしている

   でも僕はもういちにちだけ早起きをしたいのだ、少なくとも

   そしてコーヒーを持って自分の場所に行って、そして待つのだ。 

   ただ待つのだ、これから何か起こるのか見届けるべく

                                   At Least

     I want to get up early one more morning,
    before sunrise. Before the birds, even.
    I want to throw cold water on my face
    and be at my work table
    when the sky lightens and smoke
    begins to rise from the chimneys 
    of the other houses.
    I want to see the waves break
    on this rocky beach, not just hear them
    break as I did in my sleep.
    I want to see again the ships
    that pass through the Strait from every
    seafaring country in the world -
    old, dirty freighters just barely moving along,
    and the swift new cargo vessels
    painted every color under the sun
    that cut the water as they pass.
    I want to keep an eye out for them.
    And for the little boat that plies
    the water between the ships
    and the pilot station near the lighthouse.
    I want to see them take a man off the ship
    and put another one up on board.
    I want to spend the day watching this happen
    and reach my own conclusions.
    I hate to seem greedy - I have so much
    to be thankful for already.
    But I want to get up early one more morning, at least.
    And go to my place with some coffee and wait.
    Just wait, to see what's going to happen.”

 

 

【東日本大震災5年目に再エネ百%の実現を誓う】



昨夜のつづき。

● エネルギーの地産地消 蓄電価格下落

ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドなど日本より先行し電力市場の自由化が進んでいる
国々で、電力
小売り事業者による蓄電池ビジネスが活発化しているという(日経テクノロジー、
2016.03.11)。それによると、これらの国では電力の小売り料金が高騰傾
向にある一方、蓄電池
システム価格が下落し傾向にある。太陽光発電システムなどの自家発電電力を、蓄電池に貯めて
自家消費するエネルギー地産地消が注目されている。つまり、副作用として過剰生産・過当競争
があるが、半導体通信機器の浸透拡大は価格下落に拍車をかけ、基本的には各国の補助金などの
事業支援がある。



● 再生エネ用高性能鉛蓄電池の販売

3月1日、株式会社 GSユアサは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギー分野に使
用でき、5千回の充放電が可能なサイクルサービス用鉛蓄電池SLR-1000を発売。従来の鉛蓄
電池で
は充電不足などの要因により、蓄電池の交換頻度が高くなる問題があったが、長寿命化を
実現。

【主な特長】

1.5,000サイクルの繰り返し使用が可能です。(放電深度 70%、使用環境温度25℃、最大使用年
  数15年)。

2.全ての端子を前面に配置しているため、施工や保守が容易です。(設置方向は横置きのみ)
3.設置効率に優れたユニット構造で、多段搭載でき、省スペース化が可能。
4.大容量(1,000Ah/セル)かつ極めて安全性に優れた蓄電デバイス。

ところで、電力料金の昼夜間の差額によって経済性を見出す用途でコストは重要な要素。蓄電池
に要求されるコストc (円/Wh)は,料金差額をa/kWh、電力貯蔵システムの充放電効率を 0.7
電池のサイクル寿命性能をbサイクルとしたとき、以下に示す(1))式であらわす。

C(円/Wh) ≦  a× 0.7 × b × DOD/100 ‥‥‥(1)


たとえば,a=
10円 / kWh,DOD 50%において、b=2000サイクルを代入すると、c≦7円/ Wh
得られる.この寿命性能に見合う蓄電池のコストはAh単価にすると,約14円/ Ah以下とならな
ければ導入メリットは出ないという一つの答えが得られる。このAh単価では国内製造においては
非常に厳しい価格であり,これを現実的な価格に近づける方策には(1)長寿命化(2)ローコ
スト化(3)差額時間帯の大きい市場への参入が考えられている。

※ DOD:公称要領に対する放電容量の比率(Depth of Discharge の略語)



● 発電量を最大化(25%超)する「パワーオプティマイザー」 

これは、『原発禍5年目の里山汚染』(2016.03.09)に掲載。米国のパワーコンディショナー(
PCS)メーカーであるSolarEdge Technologies社は、「スマートエネルギー
Week 2016」(16年3月2
日~4日開催)に、PCSや「パワーオプティマイザー」と呼ばれる電圧最適化装置な
ど出展。同社
によると、太陽光発電パネルごとにマイクロインバート(電圧一定/電流変換)することで従来
のパワーコンディショナーによる統合システムにくらべ2発電効率を25%以上向上できるとう
たう。
 

パワーオプティマイザーは、一般的な太陽光パネルが裏面に備えるジャンクションボックスの代
わりに取り付け、ジャンクションボックスの役割に加え、通常はPCSが担う最大電力点(MPPT
制御、DC/DC変換器
の機能――イクロインバーターなどと呼称されている―――を持つ。MPP
T
制御は、最大電力点となる電流と電圧で太陽光パネルの出力を制御する機能で、日本で普及す
るメガソーラーではPCSが担っていた。こ
のシステムの特徴は以下の通り。

  1. パネルごとに最大電力点で出力できる――パネルの向きや角度が違ったり、影などにより、
    出力が大きく異なるパネルが1台のPCSに入力する場合、出力の低いパネルに合わせてM
    PPT
    制御されるため高く出力できる状態のパネルは、出力が抑えられ、本来持っている発
    電能力を犠牲となる。
  2. パワーオプティマイザーを追加することになり、導入コストは高くなるが、①パワーオプティマイ
    ザーがMPPT制御などを担うことで、PCSの機能を直流/交流変換専用となりPCSコストが
    下がる。②前項の効率向上で売電収入増となる。③パネルの出力異常を見つけやすく、O&M(
    運用・保守)のコストを低減できる。

尚、導入コストは、複数枚の太陽光パネルでパワーオプティマイザーを共用する方法――太陽光
パネルのジャンクションボックスはそのまま使い、複数枚の太陽光パネルの送電ケーブルを、1
台のパワーオプティマイザーに接続――ことで導入コストは削減できるという(詳細は願ブログ
参照)。

● 水槽に太陽光を当てるだけで水素製造できるシート

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDOは10日、2種類の粉末状の光触媒を用いた混
合粉末型光触媒シートを開発。この混合粉末型光触媒シートは、可視光を吸収する水素および酸
発生用の2種類の光触媒の粉末を混合してガラス基板上に塗布し、その上に導電層を蒸着して
形成
その後、導電層および光触媒層を剥離する粒子転写法プロセスにより開発。これにより、光
触媒と導電
層の接触抵抗を比較的容易に軽減することができ、太陽エネルギーを利用した水から
の水素製造方式でのエネルギー変換効率は、1.1%を達成したとのこと。これをエネルギーに
変換するには直燃及び燃料電池で行なうため、現状では太陽電池より効率が劣り、また触媒の耐
久性が検証できていないものの、10%の変換効率まで向上させ開発を継続する。

以上、直近の再生可能エネルギー情報を例示掲載してみた。今把握している以外にも新規な発明が出
てくる可能性もあり、ナノサイズ・量子ドット型太陽電池の改良技術が飛躍的に向上の他のエネルギー技
術も改良されて、全体として再生エネ百%社会の実現も近いものと考える。その後は?情熱と時間と人
材とそれを支援する強力なパワーということになる。

                                                          この項了

                                                           

  ● 今夜のアラカルト

【イタリアン野外料理|貝殻パスタのシーフードサラダ】

いよいよ春だ。家では男子厨房に入れずだが、アウトドアーは華麗な腕を遺憾なくふるうことが
できる。今夜は、ガーデンパーティでも華やかな一皿なシーフードサラダ。具材は何でもかまわ
ないが、魚介類は茹でて、冷水に浸してからマリネすると、味が入らず、脂だらけのマリネにな
ってしまうので、粗熱をとり、まだ温かいうちにマリネすると、少量のドレッシングですむ。
人もかなりいる。普段はダメ親父も見直されること間違いない。

  1. パスタは茹でて、冷ましておく。
  2. ボールに基本のドレッシングとケッバーを入れ、茫でた野菜、魚介類の粗熱をとったもの
    を順に入れA)、このドレッシングの中で冷ます。
  3. パスタを加え、全体をよく混ぜる。



ミモザを数枚デジカメしたが、ポイントがぼやけ難しいのがギンヨウアカシヤ。やはり、切り取
って、リースなどフラワーアレンジして近接撮影した方が美しいことを再確認する。ダメだ、こ
りゃ?!
 

  ● 今夜の一曲

The Blue Hearts   1000 Violins 

ブルーハーツは久しぶり。宮崎あおいがCMで歌って衣いたので懐かしくなり、ユーチューブ。
いまは、再結成されザ・クロマニオンとして活動しているという。
きょうは昼食をすませ、風は冷たいが快晴とあって、彼女のリスクエストで水ヶ浜の「シャーレ」
まで走る。オーナは湖岸で護岸工事中で、ふたりで挨拶をして、店で「茶をしばく」?!。夏か
らのカフェテラスを拡張工事する完成していた。比良山系が美麗眺望でき美しく、渚ではパドル・
サーファーが湖と戯れている。

※ 南大阪で「茶をしばく」とは、(いっしょに)お茶をする、お茶を飲むことを意味する。

                                        

 

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5年目に再エネ百%の誓い

2016年03月11日 | 緊急|東日本大震災

 

 

 

   品格とか愛国心とか武士道精神といった復古的、懐古的なやり方は、このかつてない
         新しい社会の状態に対して通用するでしょうか。僕は復古的な考えかたは通用しない
         と思っています。



                                                   

                                            Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924-16 Mar, 2012   

 

 【東日本大震災5年目に再エネ百%の実現を誓う】

大仰に感じるかもしれない。リーマンショック前から考え行動しここに至って、むしろ追い詰められているといえばそう言
えるかもしれない。しかし、放り出すこともできる。しかし、そういう風にはならなかった。ゴールはそう遠くはない未来に
実現するという確信がそう思い詰めさせていると言った方がよいだろう。そこで、ここ数日で起こっている関連情報を例
示的に記載してみよう。

 

 ● インドの太陽光設備市場16年は4ギガワット以上で2倍に急成長

今月8日再生可能エネルギーのコンサルティングを行うMercom Capital Group社はインドで16年に設置される
太陽光発電の設備容量が4ギガワット以上に成長し、市場規模が3倍まで増加すると予測している。設置済み
の累積設備容量は、5,632メガワット(=5.6ギガワット)程度、現在、開発中の太陽光発電プロジェク
トが、10ギガワット強に到達。今後2、3カ月間で約8.4ギガワットが入札にかけられる。同社の調査によ
ると直近3カ月間で入札価格が6%も下落、買取価格が4.34ルピー(日本円換算で約7.33円)/キロワ
ット時と最安値を更新。因みに、買取価格が6ルピー(同8.45円)を下回るプロジェクトは、施工コストが
6千万ルピー(=8,450万円)以下でない限り、資金調達も難しい。また、太陽光発電設備の前倒し償却が、
17年度会計以降80%から40%に減額される一方、クリーン環境税が200ルピー(=340円)/トン
から400ルピー/トンと改定され石炭火力コストを押し上げ太陽光発電の追い風となるが、電気料金値上げ
に転嫁されるので、批判の矛先が太陽光に向かうという憶測もある(日経テクノロジー 2016.03.10)。



● ゼロエネルギーハウジング達成度を計測

積水化学工業株式会社住宅カン八二ーは、太陽光発電システム(PV)とホームエネルギーマネジメントシス
テム(HEMS)搭載住宅のゼロエネルギー達成度と蓄電池の運転実績調査を実施。その結果次の通りとなっ
た(積水化学工業株式会社 2016.03.09)。

1.ZEH相当以上のゼロエネルギー邸59%、家電込みゼロエネルギー邸が前年比約3倍の32%を達成。
2.家電家電込みゼロエネルギー邸の年間光熱費収支は約17万8,500円のプラス。

※ 調査基準、統計グラフ及び電力収支、電気料金収支



ところで、積水化学はゼロエネルギーハウジング(=スマートハウス)事業だけでなく、大容量フィルム型リ
チウムイオン電池事業へも乗り出す。同社3月9日、フィルム型の大容量Liイオン蓄電池の開発を完了し、事
業化を進めていくとのこと。定置・住宅用を第一のターゲットに定めている。
太陽光発電などの再生可能エネ
ルギーをより多く導入し、より有効に活用するには、蓄電池システムや電気自動車(EV)なとど併用すること
が鍵となる。同社によると、今後の電力自由化の進展や、再エネの固定価格買取期間が終了する住宅が出てく
る19年以降に向けて、大容量タイプの需要が伸びると予測している。
 



新たに確立した技術は、(1)薄膜(2)耐熱性(3)耐衝撃性(4)安全性(5)長寿命(6)大容量を併
せ持つ蓄電池を提供できる。また量産用設備で製造した単電池と電池システムは、それぞれJET(電気安全環
境研究所)の部品登録認証を取得。定置・住宅向けでは、住宅メーカーによる採用を目指してシステムメーカ
ーと連携し、16年度に出荷を目指す。車載向けは、20年以降の参入を目指す。   


※ 関連特許(抜粋)

  1. 特開2016-027139  微多孔フィルムロール及びその製造方法
  2. 特開2016-006175  ポリオレフィン系樹脂微孔フィルム及びリチウムイオン電池用セパレータ
  3. 特開2015-221889  耐熱性合成樹脂微多孔フィルムの製造方法、耐熱性合成樹脂微多孔フィルム、非水電
    解液二次電池用セパレータ、及び非水電解液二次電池

   地中熱利用空調システムの原理と仕組み

● 省エネに効く地中熱、課題のコストを2018年度までに20%削減

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は都市域での地中熱利用システム普及に貢献する技術の開発
や、再生可能エネルギー熱利用システムの性能を適正評価するシミュレーション技術開発など、再生可能エネ
ルギー熱利用の低コスト化と普及促進を実現するための技術開発6テーマに着手することを公表。このプロジ
ェクトの目標は、18年度まで実施し、地中熱利用システムについて導入コスト・運用コストをそれぞれ20
%低減、その他の再生可能エネルギー熱利用システムについて導入コストを10%程度低減である。

  1. 都市インフラ活用型地中熱利用システムの開発(委託予定先:三菱マテリアルテクノ、秋田大学、日本ピーマック)
  2. 都市域におけるオープンループシステム(帯水層から揚水した地下水熱をヒートポンプで熱交換利用する方式の
    システム)による地下水の大規模熱源利用のための技術開発(委託予定先:地域地盤環境研究所、環境総合テ
    クノス、岡山大学)
  3. オープンループ型地中熱地中熱利用システムの高効率化とポテンシャル評価手法の開発研究(委託予定先:岐
    阜大学、東邦地水、テイコク)
  4. 地中熱利用システムを含む空調熱源トータルシステムシミュレーションの開発(委託予定先:日建設計総合研究
    所、名古屋市立大学)
  5. 太陽熱集熱システム最適化手法の研究開発(委託予定先:ソーラーシステム振興協会、名城大学、建築研究所)
  6. 太陽熱を利用した熱音響冷凍機(ループ管に封入した気体に音波で圧縮-加熱-膨張-冷却サイクルを発生さ
    せる熱音響現象を利用した冷凍機)による雪室冷却装置の開発(委託予定先:新潟県工業技術総合研究所、東
    海大学、新潟機器)

 



● 全方位対応の低騒音、独立電源用縦型小型風車登場

日本の風力発電設備メーカーWINPRO社は、垂直軸型の風力発電機を16年度より本格的販売を計画する。一
般的な風力発電は、3枚のブレードのプロペラ型が主流。同社は13年から小型の街頭路タイプ――高さは約
7メートルの街路灯で、LED照明、出力145ワットの垂直軸型の風力発電と55ワットの太陽光発電、蓄
電池の一体型――を設置展開、大型の出力5キロワット型はプロペラ型とくらべ低速回転の静粛型独立電源用
のモデルが販売される(上図)。

● 一気に普及か?!20キロワットの風力発電設備置

C&Fアジアパシフィック株式会社は、アイルランドC&F Green Energy 社の日本特別仕様CF20 JAPAN Limited
を3月2日より発売を開始。
確実に売電でき、工期が短く、実出力が高い出力20キロワット未満の風力発電
システムの拡販が動き出す。FIT買取価格。16年度は10キロワット以上の太陽光発電の買取(調達)価
格が27円(税別)から同24円に引き下げられる見込み。その一方で、20キロワット未満の風力は同55
円を維持する見込み。利回りを求める顧客は太陽光発電よりも風力発電に注目する。設備はローターとナセル
(下図)、タワー、パワーコンディショナーなどの風力発電システム一式で1980万円+土地取得費用の合
計で2760万円、採算計算例として、年平均風速9メートル毎秒が期待できる場合、20年で約3200万
円の損益となり、7メートル毎秒で5200万円、9メートル毎秒の場合は、約8200万円。また、風力発
電システムは、日本海事協会の風力認証を受け、パワーコンディショナーとの組み合わせも決めている。従っ
て、経済産業省への設備認定手続きに問題なく、電力会社対して系統連系の申し込みをする際や電力購入契約
を結ぶ際のトラブルはないとする。

尚、購入契約後、同社が部材をアイルランドに発注し、到着まで8週間。「この期間に地質調査とボーリング
によるN値の測定を必要とし、基礎工事は2日間。設置所要面積は5メートル角である。

 

 ● 今夜の一曲

Nobyuki Tsujii chopin revolutionary etude private studio

 

 

 

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原発禍5年目の里山除染

2016年03月09日 | 緊急|東日本大震災

 

 

 

       すべては行動を起こすという習慣を身に着けるところから始まる。

                                ケリー・グリーソン

 

                                        

 

 

【森林の除染範囲、里山に拡大】

政府は東京電力福島第一原発事故の放射性物質で汚染された福島県内の森林について、除染範囲を拡大する
方針を固めたという(読売新聞 2016.03.09)。それによると、①同県内の里山約10か所をモデル地区と
して選定し、結果を検証した上で対象範囲を決定する。②地元自治体や林業関係者から除染範囲の拡大を求
める声を受けた措置で、9日の環境省、農林水産省、復興庁の合同検討会で明らかにする。これは、環境省
の有識者会議は昨年12月、住宅などの生活圏から約20メートル以上離れた森林は土壌流出の危険がある
として原則、除
染はしない方針を決定し、地元自治体や林業関係者の反発を招いたもの。

このため政府は、①森林を住民が立ち入る可能性のある「里山」と、それ以外の「奥山」に分類。②里山内
では、急斜面な
ど土砂の流出が起きやすい場所を除き、日常的に人が立ち入る林道やキャンプ場、キノコの
栽培場炭焼き場、散策路、休憩所、駐車場などの除染を行う。④竹林や広葉樹林は、放射線量を測定しなが
ら一部を伐採し、安心して立ち入ることができるよう整備するという。



30年前のチルノブイリ原発事故の経験によれば、干魃などの異常気象などによりホットスポットに濃縮堆
積した汚染草木(ネグロマス&バイオマス)が山火事などで再び上昇気流で再汚染拡散されている)。また、
様々な生物による食物連鎖濃縮され拡散するリスクも懸念されている。このブログでも掲載した「草木系バ
イオマス発電による回収除染」になぜ早期に動かなかったのか今にして後悔される。もう少し踏み込めば、
堆く積まれた除染残渣のフレキシブル・コンテナー・バッグ(通称「フレコン」)ももっと早期に分別処理
し、減量・減容できなかったのかとも後悔する(書き出すときりががないので止める)。「非常事態事業の
資源配分の適正化」という一言に尽きるが、その対応が遅延すればするほど政府の信頼性が低下し、強引に
事を進めれば、後世に禍根をのこすこととなる。福島原発百年を一つの区切りとしてここは「焦らず急げ」
ということになるが、片や「出口なき再稼働」は急ぐことはない。

 毎日新聞2016年2月16日 東京朝刊

※ Shocking Report: ‘Million Cancer Deaths From Fukushima Expected’ « InvestmentWatch,  on November 9th, 2015
 
 2016年3月9日午後3時40分


●  号外「高浜原発3、4号再び差し止め」 

 

【発電量を最大化する「パワーオプティマイザー」日本に上陸】

米国のパワーコンディショナー(PCS)メーカーであるSolarEdge Technologies社は、「スマートエネルギー
Week 2016」(16年3月2日~4日開催)に、PCSや「パワーオプティマイザー」と呼ばれる電圧最適化装置な
ど出典。 いよいよ日本でもスマートグリッドは太陽光発電の分散制御統合管理――エネルギーの『デジタ
ル革命渦論』、言い換えれば生産性の飛躍的向上時代への突入を意味する。くどいようだが、『太陽電池の
変換効率30%超時代』の幕開けでもある。

 

同社は、米国を起点に、パワーオプティマイザーの市場を開拓、拡大していることで知られる企業。パワー
コンディショナ(PCSPower Conditioning System|電源変換機)は、今回の出展を機に、日本での販売を開
始する。日本では、出力24.75kW機、同33.3kW機の2機種を販売する。出力24.75kW機は、日本において開発案件
が多い、低圧連系の出力50kW弱の太陽光発電システムを主なターゲットに展開、米国を中心に、住宅用や
小規模な発電事業用だけでなく、小出力のPCSを使った分散制御型のメガソーラーでも広く採用。世界での
販売実績は、累計2.5ギガワット。日本でも低圧と高圧に連系する太陽光発電所に拡販―― PCSとパワー
オプティマイザー、太陽光パネル段階での遠隔監視・制御システムまで一貫供給する――していく方針。

パワーオプティマイザーは、一般的な太陽光パネルが裏面に備えるジャンクションボックスの代わりに取り
付け、ジャンクションボックスの役割に加え、通常はPCSが担う最大電力点(MPPT)制御、DC/DC変換器
の機能――マイクロインバーターなどと呼称されている―――を持つ。MPPT制御は、最大電力点となる電
流と電圧で太陽光パネルの出力を制御する機能で、日本で普及するメガソーラーではPCSが担っていた。こ
のシステムの特徴は以下の通り。

  1. パネルごとに最大電力点で出力できる――パネルの向きや角度が違ったり、影などにより、出力が大
    きく異なるパネルが1台のPCSに入力する場合、出力の低いパネルに合わせてMPPT制御されるため
    高く出力できる状態のパネルは、出力が抑えられ、本来持っている発電能力を犠牲となる。
  2. パワーオプティマイザーを追加することになり、導入コストは高くなるが、①パワーオプティマイザーがMPPT
    制御などを担うことで、PCSの機能を直流/交流変換専用となりPCSコストが下がる。②前項の効率
    向上で売電収入増となる。③パネルの出力異常を見つけやすく、O&M(運用・保守)のコストを低減
    できる。

尚、導入コストは、複数枚の太陽光パネルでパワーオプティマイザーを共用する方法――太陽光パネルのジ
ャンクションボックスはそのまま使い、複数枚の太陽光パネルの送電ケーブルを、1台のパワーオプティマ
イザーに接続――ことで導入コストは削減できるという。最後のいつものように同社の知財特許を掲載して
おく(:上図「分散型交流電力統合システム」、中図「太陽光発電パネル電源統合接続接続筐体」、下図「
電流帰還制御方式・帰還制御回路・同駆動回路・電源開閉器」
)。

  

   

 

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脱トリチウムと脱産廃

2015年10月20日 | 緊急|東日本大震災

 

  

    蜂がいなくなったら人類は4年しか生きられない。 / アルベルト・アインシュタイン    

 
                  

   

【脱トリチウムの話】

● 全く報道されない「トリチウム」の危険性

 カリフォルニア州ローレンス・リヴァモア国立核研究所での研究(91~93年)では、トリチ
 ウムによる催奇形性(奇形を生じさせる性質)の確率は、致死性癌の確率の6倍にものぼるのだ。
 
特に人体の有機物と結合したトリチウムは、容易に代謝されずに、その分子が分解されるまで1
 5年以上もベータ線を出し続ける。15年とは、生まれたばかりの赤ん坊が、中学を卒業するま
 での長さだ。
そしてトリチウムの原子核についていた中性子が、"マイナスの電荷を持った電子”
 を放出して、"プラスの電荷を持った陽子”に変化し、水素がヘリウムHeになる。
この細胞に
 は、男女(精子・卵子)から受け継がれた染色体が23組46個ずつ含まれている。それぞれの
 染色体は、二重らせん構造のDNAからできていて、その中に多数の遺伝子が含まれている。3・
 11
で地上に降った放射能総量は、ネバダ核実験場で大気中に放出されたそれより「2割」多い
 からだ。


 
 
実は、「トリチウム問題」は現在、日本中の原発から使用済み核燃料を集めてきた青森県の六ヶ
 所村で最大の問題となっています。
六ヶ所再処理工場では、06~08年におこなわれた試験的
 な再処理(アクティブ試験)で、海洋放出廃液のトリチウムの最高濃度が、実に「1億7千万ベ
 クレル/リットル」だったのです。これは、フクシマ原発事故現場のトリチウム放出規制値であ
 る「1500ベクレル/リットル以下」の11万倍ですよ。
だから下流域の岩手県三陸海岸近く
 の住民は、「総量規制をしろ。規制できない再処理を断念しろ」と要求しているのです。このト
 リチウムが、千葉県まで流れてきます。
その時に出される電子が、ベータ線と呼ばれる放射線な
 のである。
この放射能が半分に減るまでの期間、半減期は12.3年なので、安全な千分の1に
 なるのに123年かかるから、この影響はほぼ一世紀続くと思ってよい。

 ところが、ソ連のチェルノブイリ原発事故で大汚染したゴメリなどの地帯では、住民の染色体を
 調べると、この
顕微鏡写真(不掲載)のように、左側の正常な染色体に比べて、右側の染色体のよ
 うに明らかに異常な状態になってい
たのである。 父母の体内の染色体がこのように異常になれ
 ば、当然、その両親のあいだに生まれる子どもには、大きな障害が発生することになり、大被害
 が発生してきたのである。
このトリチウムは、化学的には容易に除去することができないので、福島第
 一原発では、どんどんたまっている。そこで、原子力規制委員会の田中俊一委員長と、委員の田中知《さ
 とる》は、福島第一原発の事故現場で大量に発生しているトリチウムを、「薄めて海に放流してしまえ」と、
 苦しまぎれの暴言を吐いている。大量の海水を持ってきて薄めれば、流していいだって?放流するトリチ
 ウムの量は変らないだろう!  そんなことが分らないのか。実に、おそるべき犯罪者たちである。 

                  「フクシマ原発からの放射能漏洩はトテツモナイ量に!」                        
                                          (「東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命」
                                              ダイヤモンド社 書籍オンライン 2015.07.28)


うっかり八兵衛ならぬ、トリチウム禍の新情報を見逃していたことを反省。そこで、マイ・デジタル
図書に新たなドメイン・ページを作成(下図)。ウォッチングを欠かさないように開設。それにして
も、このシリーズの対談で、広瀬隆の怒りが生々しく伝わり、怒られているような錯覚さえ覚える始
末。すごい方だ。

 

【脱産廃の話】

● 完全な循環社会実現プロジェクト=脱産廃産業

石坂産業の話はこれが初めてしてはないが、TBS「がっちりマンディ」(2015.10.18)で紹介さ
れていたが「脱産廃産業」という言葉に惹かれる。もとは、石坂好男が代表取締役社長だった昭和
62年から01年までは建設廃棄物の中間処理業としての事業を中心としていたが、02年に石坂
好男が代表取締役会長に、娘の石坂典子が取締役社長になると企業改革としてリサイクル工場に転
身、地産地消の考えで敷地内に5千平方メートルの花木園(くぬぎの森)を整備し、地元住民に共有。
この活動がJHEP認証における日本で最高ランク(AAA)の認定をさせる要因となり、11年に日立建機
と共同で建設業界初となる電気駆動式油圧ショベルを使った国内クレジット制度の認定を受けた他
14年には業界初となる国際規格7統合によるマネジメントシステムの運用を開始する。

99年2月1日、久米宏の報道番組『ニュースステーション』(テレビ朝日)で「汚染地の苦悩 
農作物は安全か?」という特集が放映され、翌日、テレビ朝日が「煎茶のダイオキシンも健康に影
響を及ぼすほどではなく、報道が誤っていた」と誤報を認めても、騒動は一向に収まらなかっ
た。
当時、所沢市、川越市、狭山市、三芳町の三市一町にまたがる「くぬぎ山」と言われる雑木林には
何社もの産廃業者があり“産廃銀座”と呼ばれ、
石坂産業は「くぬぎ山」最大手の産業廃棄物処理
業者であり、焼却炉を3基持っていた。
 

01年6月、住民が埼玉県に対し、石坂産業の産業廃棄物処理業許可の取消を求める提訴。絶体絶
命の危機から12年の月日が流れ、「ここから出ていけ」という横断幕がいくつも貼られた当時と
同じ埼玉県入間郡三芳町にあり、建設系産業廃棄物のリサイクル事業を継続中だ。現在、敷地面積
は、東京ドーム3.5個分、8割が里山、2割が工場。里山の中にはいくつもの公園があり、地域
の人たちの憩いの場である。保全前は、ジャングルのように木が生い茂り、昼でも暗く、ゴミが投
棄されるな雑木林だったが、現在では明るい里山に生まれ変わる。里山の中にある「くぬぎの森・
花木
園」と呼ばれる公園には、きれいな水にしか棲まないゲンジボタルや絶滅危惧種のニホンミツ
バチも生息す
る。

● 宝の山を復元する方法

里山再生の作業は、針葉樹を間伐することから始まり、森林は苗木を植えてから15年くらい経ち
木が生長してくるとお互いの枝葉が重なり成長できなくなるため間伐を行うと徐々に絶滅危惧種で
あるシュンランや、オオバのトンボソウなどが増えていく。ミツバチを森で育ててみようと思い、
絶滅しそうなニホンミツバチを飼いはじめ、ニホンミツバチは巣への帰属性が弱く、森に放すと逃
げてしい西洋ミツバチに比べ、非常に飼いにくいがあえてニホンミツバチを飼い養蜂に成功する。
そのようない石坂産業は、企業理念として「
全な循環型社会になるとき、廃棄物とは、言わなく
なるのでしょう。しかし、今はまだ人々の豊かな生活と引き替えに、廃棄物が出ます。その処理は
誰かが必ずやらなければならない仕事。その処理は誰かが必ずやらなければならない仕事。私たち
はこれを使命ととらえ、日々努力し、知恵を凝らします。」と唱うっているが、「完全な循環」と
の言葉に吸収され釘付けとなる。これだ、これを忘れていた。と、言うのは簡単が、これを実現す
るのは、トリチウムの完全回収と再資源化と同様に、つまり比叡山の「千日回峰行」と同じだねぇ
~と自問することとなった。これは面白い気つきだ。

 

  ● 今夜の一曲 

例のトラブル以来、06年の夏の日に体験した右目の異常―――失明の恐怖に怯えている。とは言え、
薬服用や点眼、眼球の温熱治療――濡れたナップキンをポリ袋に入れハンカチで包み約1分間電子レ
ンジで加熱し暖めるなどでその場凌のぎをしているが、凌げそうもなさそうだ。追い込まれたらどう
する?開き直るしかない。歳はたんなる数字だ。ボリューム上げて、一人で夜のレイクサイドを突っ
走る。


       別に大したことじゃない
       そりゃね敵はかリ見えるけど
       よく見てごらんよあいつもヒヒってる
       みんなちょっとはやっぱり不安なんだな

       キンチョーすることはいいことさ
       好きなことをやっている証拠
       チヒるくらいの武者震いを隠したら
       信じた道を突き進むだけ

       攻めていこ-ぜ!守りはコメンだ
       叱られるのなんてほんの一瞬のことだよ
       攻めていこ-ぜ!敵を味方に
       つけちゃうくらいのイキオイで・・・・・・


                                                   『せめていこうぜ!』
                                              歌/作詞/作曲  斉藤和義


 

 

 

 

 

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ウクライナの燎原の火がフクシマに。

2015年10月13日 | 緊急|東日本大震災

 

 

   長編小説を書き終えた作家はほとんどの場合、頭に血が上り脳味噌か過熱して.
      正気を失っています。なぜかといえば、正気の人間には長編小説なんてものは、
      まず書けっこないからです。

                          村上春樹 『職業としての小説家』
                                   

 

 

 

     

【緊急|東日本大震災】

● ウクライナの燎原の火がフクシマに!?

旧ソ連のウクライナのチェルノブイリ原発周辺で、事故発生から29年が過ぎた今年、新たな放射能
汚染の脅
威が浮上している。原発周辺の森林や野原で大規模火災が相次ぎ、一部で大気中に基準値を
超える放射性物質が検出されたためだ。周辺地域の除染が徹底されておらず、土壌や草木に残る放射
性物質が火災の際の強風にあおられ、大気中に拡散したものとみられる(「チェルノブイリで第2の
放射能汚染の危険 森林火災で大気中に拡散し」産経新聞 2015.10.12)。

コハクチウの観察を終え、やっといつもの作業に取りかかり、ネット検索をするとこの記事が飛び込
んでくる。それによると、ロシアの専門家は独自の調査データから「危険性はそれほど高くない」と
公式?見解を主張したというが、これに対し、環境保護団体は、ガンの発生率があがる恐れがある―
―ウクライナ政府に対して徹底した情報公開と対策を要請と、住民の間には事故発生時に真実が発表
されなかった国に対する不信感が今も根強く残り、今後の生活に大きな不安を呼び起した――と、こ
れまたよくある構図を描写。

ところで、大規模火災はこの規制区域内で発生。最初の発生は4月末。炎は風にあおられて燃え広が
り、数メートルの高さの樹木の最上部まで燃え、ウクライナ国家緊急事態省は数百人の消防隊員を現
場に派遣する特別態勢を組み消火活動にあたっている(下図クリック)
。当日は 空中から放水す
るヘリコプターも2機投入されるが、強風の天候が続いて消火作業は困難を極め、火は一時、原発ま
で約10キロのところまで迫る。結局、完全鎮火には約1週間かかり、焼失面積が東京ドーム85個
分の約400ヘクタールを消失。燃え広がる森林の映像や懸命な消火活動の様子はロシアや欧州各国
で報じられていると不安視する住民の声が伝えられている。
 

今年7月の火災で、周囲に設置されたモニタリングポスト1カ所でセシウム137が基準値の10倍
に増大――原発事故で放出された放射性物質――する。地元メディアは、ウクライナ当局は「健康被
害はない」ことを繰り返し強調、関連する他の詳細な情報は伝えられず――ウクライナの環境団体の
は、地元メディアに立ち入り禁止区域で起きた火災は極めて危険で、こうした乾燥した気候が続けば、
火はいつでも燃え広がる可能性がある。放射性物質を含んだ灰はその後、風に運ばれて広範囲に広が
り土壌や河川に降り積もり、これは環境汚染と健康被害に対する大きな脅威――と警鐘を鳴らしてい
る。
ことはそれだけですまず、欧州各国は、経済危機に陥っているウクライナ政府対策が不十分で、
放射能危機
問題に従事する欧州委員会の幹部もロシアのメディアに対し、最悪のシナリオは、この地
域でガンの発生率があがると指摘するも、
この立ち入り禁止区域に、ウクライナとは別の独自のモニ
タリングポストを設けているロシアは「危険性は最小限に過ぎない」と主張。
 

ところが、クライナ政府は沈静化に躍起となり、チェルノブイリ原発や、周囲のモニタリングポスト
の調査から"第2次の放射能汚染"の危険性はないとこれまたよくある広報を繰り返しているが、この
森林火災で大気中に拡散し、その後も大規模火災は相次いだ。6月下旬から7月上旬にかけては13
0ヘクタールが延焼、乾燥した天候が続いた8月、9月にも枯れ草や落ち葉から出火し、再び数十ヘ
クタールが燃え、ウクライナ非常事態省は8月、火災は放火の可能性があると発表。ここで、チェル
ノブイリ周辺で火災が広がる理由として、(1)規制区域の一部で自然発火する恐れのある泥炭地帯
であること、(2)さらに原発事故後の30年間――福島第一原発事故後のよに――適正な管理が加
えられず周辺一帯に落ち葉や枯れ木などが積み重なったっことも火災誘発の原因挙げられている。チ
ェルノブイリ周辺では十分な徐染作業や処理が行われず、大量の放射性物質が草木に付着してたとみ
られているが、これに対し、原発専門家はチェルノブイリ原発周辺では10年にも大規模火災があり
健康を害するレベルの放射性物質のデータが検出されなかった指摘。その上で、原発事故時の汚染さ
れた土壌は地中深くまで浸透しており、大きな影響を及ぼすメカニズムにはない。今回の火災でも異
常は検出されていないと語っている。

しかし、ウクライナ政府はソ連時代の措置を引き継ぎ、原発周辺の30キロ圏内を立ち入り禁止区域
に指定し、この措置に反して、数百人の住民らが故郷の規制区域内に入り、生活しているといわれ、
さらに、発生から29年後の今も、4号機を封じ込める巨大なシェルターの建設工事が行われ、約7
千人が立ち入り禁止区域で作業に従事している。




この記事を読んで、鬼怒川決壊を引き起こしたゲリラ豪雨罹災のフクシマでも洪水により除染廃棄物
回収袋が流された事故が思い出され(『個性的な線状降水帯』2015.09.12)、仮に渇水や干魃に見舞
われたなら、この廃棄物も場合によればマッチを擦るより簡単に発火・類焼に及ぶのではという不安
が過ぎる。ことは、大規模気象変動な「環境リスク本位制時代」である。用心に越したことはないし、『
沈黙の2016年』(2015.09.24)である、悪いことは言わない、ここは、"突っ張り"は不要。




● 世界平均気温の上昇が著しい

それならば、今後も気象変動は大きくなるのだろうか、なるとして、どのようなペースで上昇してい
くのだろうか?  これに対し、気象庁は今年8月度の平気気温の上昇傾向分析し、世界平均気温が再
び顕著な上昇傾向に突入しているのではとの見解を公表。これに足し対し、去年から今年にかけて世
界平均気温が高いことの直接的な原因は、エルニーニョ現象であるといってよいだろう。
エルニーニ
ョ現象は、熱帯太平洋の東部から中部までの水温が上昇する現象で、その逆に熱帯太平洋西部の水温
が上昇するラニーニャ現象との間を数年おきに不規則に行ったり来たりする。地球全体において占め
る面積の大きい東部~中部熱帯太平洋の水温が上昇すると、世界平均気温でみても高温になる傾向が
あると指摘する「地球温暖化リターンズ 世界平均気温が再び顕著な上昇傾向に突入か」(江守正多
2015.10.12)。



具体的にみてみよう。今年はたまたまエルニーニョが起こって世界平均気温が高くなったということ
自体は、いってみれば自然現象であるが、それに伴い世界平均気温の大幅な最高記録更新が起こって
ることの背景に、じわじわとした気温の長期的な上昇傾向が進行していたことを認め、人間活動に
伴う温室効
果ガスの増加により平均気温のベースが上がってきていたところにエルニーニョが重なっ
て起きたことにより
記録的な気温上昇――15年も1月、3月、5月、6月、7月、8月と、ほぼ毎
月という勢いで最高記録更新が続く。
特に今年5月に入り、平年値(81~10年の平均)からの偏
差が5月:+0.38℃、6月:+0.41℃、7月:+0.38℃、8月:+0.46℃と大きく、それまでの記録
がせいぜい+0.3℃強であったことと比べると、ぶっちぎりの記録更新
―が生じているが。が、ちな
みに、この間に日本の平均気温が最高記録を更新したのは15年5月の1回のみ。日本で体感できる
気温のみで考えては、地球全体の傾向を見誤る。


そこで、平洋十年規模振動(Pacific Decadal Oscillation: PDO)とよばれる現象がキーワードとなる。
気候の自然変動パターンはエルニーニョ・ラニーニャのほかに、近年の気温上昇の鈍化との関係で気
候科学者が研究している。
PDOは北太平洋域に変動の中心を持つが、それに伴う熱帯太平洋の変動パ
ターンは、
エルニーニョ・ラニーニャによく似る。そこで、この周期は10年~数十年である。する
と、熱帯太平洋では「エルニーニョっぽい」状態と「ラニーニャっぽい」状態が10年~数十年で入
れ替わる現象――温室効果ガスの増加によって赤外線が地球から宇宙に逃げにくくなり、地球がシス
テム全体として持つエネルギーは増え続け、その増加分が海洋深層に運ばれ、地表付近の気温上昇と
して現れず、このパターンが逆転すると、海洋深層に貯め込まれていた熱が逆に地表付近に運び出さ
れ、
急激な気温上昇が生じる可能性――があり、去年あたりからそのような期間に突入したのかもし
れないと教えてくれる
。これは要細心だ。

● サーモグラフィーカメラ付リモート電子レンジ工学

弁当のおかずなどを部分的に温められる電子レンジが開発された(上図)。サラダや漬物などはそのままで、
ご飯やおかずを温められ、狙った部分にマイクロ波を当てる技術だというから当然、興味が惹く。これを開発し
た、上智大学の堀越智准教授は、半導体発振器を利用した、マイクロ波発生器を使う。

対象物のマイクロ波の吸収率にもよるが、最小で直径3~5センチメートルの範囲を温め、上下のア
ンテナの出力を制御して、上部や下部だけを温めることも可能だ。丼のご飯のみを温めるといった
使い方ができる。堀越准教授は、技術を改良して、将来的には温められる範囲を1センチメートル程
度くらいにしたいと語り、温めたい部分を指定して温め、サーモグラフィーで目的の温度になってい
るかどうか、状況を確認しながら使えるようなシステムを構築―――
複数の発生器でマイクロ波の
形調整
する位相制御で、温める位置を変える――家電メーカーなどとの連携を視野に、20年までの
製品化を目指し、コンビニエンスストアにある電子レンジと同程度の価格で作れるとのこと。ハード
ルも高そうだが、廉価であれば世界展開できる事業になりそうで、これは面白い。



【参考特許】

熱硬化性プラスチック材料を成型用のモールドを、加熱硬化させる手法に熱硬化化性プラスチック材
料にマイクロ波を照射し、マイクロ波のエネルギーによって分子内部に極性のある熱硬化性プラスチ
ック材料の微小振動を励起して発熱させ硬化を促進する、マイクロ波の誘電加熱を利用した装置が知
られている。マイクロ波の誘電加熱利用装置は、ヒーターによりモールドを介して熱硬化性プラスチ
ック材料を伝導加熱するものに比べ、熱硬化性プラスチック材料全体を均一に加熱することができ、
対流の発生を防止することができ、加熱時間を短縮できる。そこで、
マイクロ波(周波数0.3GHz
(ギガヘルツ)~300GHz程度)の熱硬化性プラスチック材料の誘電加熱装置が多く提案されて
きたが、高周波(周波数3MHz(メガヘルツ)~0.3GHz程度)を用いた熱硬化性プラスチッ
ク材料の誘電加熱装置は提案されておらず、これに類するものとして、ゴム製の成形型を用いた熱可
塑性樹脂の成形装置であるが少ない。

  

● 折々の読書 『職業としての小説家』19

 
  ひとつ面白い話があります。一九八〇年代の末頃、僕が『ダンス・ダンス・ダンス』という長
 編小説を潟いていたときのことです。僕はこの小説を初めてワード・プロセッサー(富士通のポ
 ータブル)で書きました。ほとんどはローマのアパートメントで書いたのですか、最後の部分は
 ロンドンに移って書きました。書きhげた原稿をフロッピー・ディスクに入れて、それを持って
 ロンドンに移動したのですが、ロンドンに落ち着いて開けてみると、章が丸ごとひとつ消えてし
 まっていました。一時はまだワープロを使い慣れていなかったので、操作を間違えてしまったの
 でしょう。まあ、よくあることです。もちろんがっくりしてしまいました。かなりのショックで
 した。長い谷だったし、「ここは我なからうまく書けた」と自負していたからです。「まあ、よ
 く
あることだから」と簡単にあきらめることはできません。

    

  でもいつまでもため息をついて首を横に振っているわけにもいかない。気を取り直し、数週間

 前に苦心惨憺して書き上げた文章を、「ええと、こうだったっけなあ……」と思い出しながら再
 現していきました。そしてその本をなんとか復活させることができました。ところが、その小説
 が本になって刊行されたあとで、行方不明になっていたオリジナルの章がひょっこり出てきたの
 です。ぜんぜん予想もつかないフオルダーに紛れ込んでいた。それもまたよくあることですね。
 それで「ええ、参ったな。こっちの方が出来が良かったらどうしよう」と心配しながら読み返し
 てみたのですが、結論から言いますと、あとがら書き直したヴァージョンの方が明らかに優れて
 いました。
 
  ここで僕か言いたいのは、どんな文章だって必ず改良の余地はあるということです。本人が
 どんなに「よくできた」「完璧だ」と思っても、もっとよくなる可能性はそこにあるのです。だ
 から僕は書き直しの段階においては、プライドや自負心みたいなものはできるだけ捨て去り、頭
 の火照りを適度に冷やすように心がけます。ただ火照りを冷やしすぎると、書き直しそのものが
 できなくなるので、そのへんはある程度注意しなくてはなりませんか。そして外からの批判に耐
 えられる体勢を作っていきます。何か、面白くないことを言われても、できるだけ我慢してぐっ
 と.呑み込むようにする。作品が出版されてからの批評はマイペースで適当に受け流せばいい。
 そんなものいちいち気にしていたら身かもちません(ほんとに)。でも作品を書いているあいだ
 にまわりから受ける批評・助言は、できるだけ虚心に謙虚に拾い上げていかなくてはならない。
 それか僕の詐からの持論です。



  僕は小説家として長く仕事をしてきましたが、正直に言って担当編集者の中には、「ちょっと
 合わないかな」と感じる人もいました。人間としては悪くない人だし、ほかの作家にとっては良
 き編集者なのかもしれないけど、僕の作品の編集者としては相性があまり良くないんじゃないか、
 ということです、そういう人の口にする意見は、僕としてはいささか首を傾げたくなることが多
 いし、時として(正直に言って)神経に障ります。いらっとすることもあります。でもお互い仕
 事ですから、そこはうまくやりくりしてやっていくしかありません。

  ある長編小説を書いていたときのことですが、僕は原稿の段階で、あまり「合わない」編集者
 から指摘があった箇所をすべて汽き直しました。ただし大半は、その人の助肯とは真逆の方向に
 書
き直しました。たとえば「ここは長くした方がいい」と言われた部分は短くし、「ここは短く
 した方がいい」と.言われた部分は長くしたわけです。今から思えばかなり乱暴な話なんですか、
 それでもその書きき直しは結果的にうまくいきました。作品はそれでより優れたものになったと
 思います,つまり逆説的にではあるけれど、その編集者は僕にとって有用な編集者であったわけ
 です。少なくとも「おいしいこと」しか口にしない編集者よりはずっと助けになった。僕はその
 ように考えています。

  つまり人事なのは、書き直すという行為そのものなのです。作家か「ここをもっとうまく書き
 直してやろう」と決意して机の前に腰を据え、文章に手を入れる、そういう姿勢そのものが何よ
 り重要な意味を持ちます。それに比べれば「どのように書き直すか」という方向性なんて、むし
 ろ二次的なものかもしれません。多くの場合、作家の本能や直感は、論理件の中からではなく、
 決意の中からより有効に引き出されます。藪を棒で叩いて、中に潜んでいる鳥を飛び羽ばたかせ
 るようなものです。どんな棒で叩こうか、どんな叩き方をしようが、結果にたいした違いはあり
 ません。とにかく鳥を飛び立たせれば、それでいいのです。鳥たちの動きのダイナミズムが、固
 定に向かおうとする視野に揺さぶりをかけます。それが僕の意見です。まあ、かなり乱暴な意見
 かもしれませんが。

  とにかく書き直しにはできるだけ時間をかけます。まわりの人々のアドバイスに耳を傾け(腹
 が立っても立たなくても)、それを念頭に置いて、参考にして書き直していきます。助言は人事
 です。長編小説を書き終えた作家はほとんどの場合、頭に血が上り脳味噌か過熱して.正気を失
 っています。なぜかといえば、正気の人間には長編小説なんてものは、まず書けっこないからで 
 す。ですから正気を失うこと自体にはとくに問題はありませんか、それでも「自分かある程度正
 気を失っている」ということだけは自覚しておかなくてはなりません。そして.正気を失ってい
 る人間にとって、正気の人間の意見はおおむね大事なものです。

  もちろん他人の意見をすべて鵜呑みにしてはいけない。中には見当外れの意見、不当な意見も
 あるかもしれません。しかしどのような意見であれ、それか正気なものであれば、そこには何か
 しらの意味が含まれているはずです。それらの意見は、あなたの頭を少しずつ冷却し、適切な温 
 度へと導いてくれるでしょう。彼らの意見とはすなわち世間であり、あなたの本を読むのは結局
 のところ世間なのですから。あなたか世間を無視しようとすれば、おそらく世間も同じようにあ
 なたを無視するでしょう。もちろん「それでかまわない」ということであれぼ、僕としても全然
 かまいません。しかしもしあなたが、人間とある程度まともな関係を維持したいと考えている作
 家であるなら(おそらく大部分はそうでしょう)、あなたの作品を読んでくれる「定点」をひと
 つなり、ふたつなり周囲に確保しておくのは大事なことです。その定点が正直に率直に感想を述
 べてくれる人でなくてはならないのは当然のことです。たとえ批判を受けるたびに頭に来るとし
 ても。  

                  「第六回 時間を味方につける――長編小説を書くこと」
                            村上春樹 『職業としての小説家』

                                     この項つづく  
 

 

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核の廃棄場所がない?!

2015年05月25日 | 緊急|東日本大震災

 

 

   改革の原動力として3つの「はみ出し者」の存在が挙げられます。
       「ばか者」「よそ者」「若者」です。
                                
                                吉川廣和




朝日新聞 2015.05.23

● 核の廃棄場所がない ?!

原発の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の処分地選定について、政府府は22日、公
募に頗る従来の方式から、国が主導して選ぶ方式に転換する基本方針を閣議決定。科学的に適性
が高いとされる「科学的有望地」の絞り込みが今後の焦点となるが、超長期の隔離が必要な「核
のごみ」の処分地選びは容易ではないという(同上「核ゴミ処分地 公募を転換 めど立たず国
主導に」)。

それによると、高レベル廃棄物は強い放射線を出すため、300メートル以深に埋めて処分する
ことが法律で決まっている。法律に基づく基本方針の改定は7年ぶり。新方針では、科学的に適
性が高いとみられる地域を国が科学的有望地として示し、調査したい意向を自治体などに申し入
れる制度とする。公募も続ける。そのうえで20年程度かけて文献調査、概要調査、精密調査へと
進む。

科学的有望他の条件や基準は、専門家らでつくる経済産業省の作業部会で検討が続く。火山帯や
断層帯は従来通り避ける方針。これまでの議論では、軟弱地盤を避けるため関東や関西などの平
野部も除かれる見通し。地下水の動きが少ない沿岸部や沿岸の海底下などが検討される可能性も
ある。

また、宮沢洋一経産相は22日の閣議後の会見で、科学的有望地の提示について「自治体の数でい
うと相当数になると思っている」と述べ、最初は自治体を示すのではなく、全国を適性が「より
高い」「ある」「低い」と三つ程度に区分けしたイメージを想定しているという。新方針には、
調査の前段階で幅広い立場の住民が意見を交わす継続的な「対話の湯」を設けることや、将来の
技術進歩で別の処分法に見直せる余地を残すため、搬入した廃棄物を回収できるようにすること
も盛り込む。最終処分が始まるまでには長い年月がかかるため、経産省は22日、原発にたまり続
ける使用済み燃料の貯蔵容量を増やす具体策を作る方針も示した。

処分地選定は、電力会社などが出資する原子力発電環境整備機構が2002年から調査の受け入
れを公募するも、高知県東洋町が07年に応募するも後に撤回しただけで調査できていない。最
終処分のめどがないまま原発再稼働をめざす国の姿勢への批判もあり、13年末に関係閣僚会議
が設置され、見直しを決めた経過がある。

ここまで放置を許してきた個人的な後悔もあるが、行政政府に対する不審・不満は、昨今の火山
活動のマグマのように、たまりにたまり続けている。一刻もはやく安全宣言できる状態にもって
いかなければと考える。ここは忍の一字。

                                     



   

【日本の政治史論 15:政体と中枢】  

 「古賀の乱ってなんだ  "I am not ABE"」(『進撃のヘーリオス Ⅱ』2015.04.04)で 触発され
るように、積んでおいた本を取り出し読みはじめた。そして、この国の政体を考えみよう。その
結果、どのようになろうとも未来志向できる手がかりを明らかにしたという動機から掲載してい
きたい。まずは第5章から読み進める。
 
 

   福島のメルトダウンは必然だった…政府閉鎖すら起こる2013年の悪夢とは!?家族の
 生命を守るため、全日本人必読の書。「日本の裏支配者が誰か教えよう」。経産省の現役幹
 部が実名で証言。
発電会社と送電会社を分離する発送電分離。このテーマについて本気で推
  進しようとした官僚が何人かいた。あるいは核燃料サイクルに反対しようとした若手官僚も
  いた。しかし、ことごとく厚い壁に跳ね返され、多くは経産省を去った。私も十数年前、発
 送電分離をパリのOECDで唱えたことがあるが、危うく日本に召喚されてクビになるとこ
 ろだった。その理由とは何だったのか――。(「序章」より)。改革が遅れ、経済成長を促す
 施策や産業政策が滞れば、税収の不足から、政府を動かす資金すらなくなる。そう、「政府
 閉鎖」すら起こりかねないのだ。いや、そうした危機感を煽って大増税が実施され、日本経
 済は奈落の底へと落ちていくだろう。タイムリミットは、ねじれ国会を解消するための参議
 院議員選挙がある2013年、私はそう踏んでいる。(「まえがき」より)

                            古賀 茂明 著『日本中枢の崩壊』  

  目 次  

  序 章 福島原発事故の裏で
  第1章 暗転した官僚人生
  第2章 公務員制度改革の大逆流
  第3章 霞が関の過ちを知った出張
  第4章 役人たちが暴走する仕組み
  第5章 民主党政権が躓いた場所
  第6章 政治主導を実現する三つの組織
  第7章 役人―その困った生態
  第8章 官僚の政策が壊す日本
  終 章 起死回生の策   


  第8章 官僚の政策が壊す日本


                                    官僚は公正中立でも優秀でもない                        

  この中国の新幹線やリニア事件のように、今後も技術が流出して終わりにならないとも限
 ら
ない。
  もちろん、日本政府もこのようなリスクに気がつかないはずはない。民間企業はさらにこ
 の
問題に敏感だ。しかし、政府が動き出すと、客観的な情勢分析に様々なバイアスがかかり、
 正
しい戦略を取れなくなることが多い。とりわけ、パッケージ型インフラ海外展開ピジネス
 を成
長戦略の目玉としてぷちあげてしまった民主党菅政権にとっては、あらゆるプロジェク
 トに前
のめりになっていくリスクが極めて高かった。

  実際、2010年2月末には、仙谷由人民主党代表代行は、国会で予算審議が難航する最
 中
にベトナムを訪れ、「鉄道・原発」の売り込みに玖しんでいた。
  政治がそのような姿勢を取ると官僚はこれを巧みに利用する。民間もうまくリスクを国に
 押
しつけて、おいしいとこ取りを狙う。こうして、戦略的な判断による強かな交渉とは似て
 も似
つかぬ、政官挙げての無防備な突撃作戦になってしまう。まるで特攻である。
  経産省も油谷氏のPRを盛んに行ったようだ。これは、相手国を利する動きになっている。
  たとえば、日本がインドやベトナムで優先交渉権を得たというが、原発の建設予定は一つ
 で
はない。日本以外にも複数の国々と交渉をしており、互いに競わせ、もっとも自国の国益
 にかなう道を探っている。だから、優先交渉権を取れたからといって、大騒ぎするほどのも
 のではない。

  しかし、大きなプロジェクトの受注は政治的な宣伝材料としては格好のものなので、民主
 党は声を大にして「凄いだろう」といいたくなるだろう。
  経産省は、プラント型パッケージセールスの主導権を取りたいがため、これを後押しして
 政権のご機嫌を取る。もちろん、自分たちもそれで高揚しているから、そのうち、本当にこ
 れは凄いことだと思い込んでしまう危険性か高い。
  たとえば、べトナムの優先交渉権取得は厳しい状況だったが、仙谷官房長官が各省に号令
 をかけ、日の丸チームを作って一気に流れが変わった」と持ち上げる解説を、記者たちを呼
 んでやる。経度省にべったりの新聞が早速取り上げ、記事にした。

  そもそも、相手国から見れば、日本だけ本当に特別扱いして儲けさせるなどという発想は
 ない。相手を引きつけて、それから思い切りしやぶり尽くそうと考えるのが当然だ。ベトナ
 ム側からすれば、しめしめである。
  大々的に宣伝すればするほど、日本は後には引けなくなる。条件が折り合わず、途中で降
 りるなどというみっともないまねもできなくなるのだ。
  こうしてベトナムは、いくらでも要求を突きつけられる。一方の日本は、無茶な条件でも
 呑まざるを得なくなるのだ。 

  これでは本当に先が危ぶまれる。交渉が不利になることが分からず、日本が一方的に得し
 ているように思い込んで、内向きの政治宣伝のお先棒を担ぐ官僚、そしてそれを鵜呑みにす
 る記事が出るようなナイーブな国――。こんな国が、強かな新興国を相手に、有利な交渉が
 できるとはとても思えない。

  福島原発事故でのサルコジ大統領の訪日は、フランスの原子力産業のためのセールスに他
 ならない。一歩間違えば日本や世界中から非難されるかもしれないなか、彼の売り込みは一
 定の効果を上げそうだ。平時に売り込みをしたところで、逆に足下を見られて見返りを要求
 される。日本か窮地に立たされているいまなら、恩を売りながらセールスができると踏んだ
 のであろう。
  こうした芸当が日本政府にできるだろうか。残念ながらはなはだ心もとない。



                    天下り法人がドブに捨てた二千数百億円

  第三の問題として、政府が金儲けの目利きができるかという問題かある。とりわけ、20
 年から30年にも及ぶピジネスの先を見通すことは極めてむずかしい。だから民間だけでは
 対応できないというのだか、では、政府が入ることでその確実性か増すのか。
  途上国では、民間よりも政府のほうが人材も優秀だったり、情報収集力でも勝っていたり
 ということで、政府が前に出るメリットがはっきりしている。では、先進国ではどうか。

  アメリカでも国を挙げてインフラを売り込むビジネスは「ステートキャピタリズム」の名
 で
話題になりつつあり、日本でも「新重商主義」として注目が高まっている。しかし、アメ
 リカ
政府の情報収集力はもちろん他の追随を許さないものだ。政府高官には民間企業の経営
 で実績
を示したプロも多い。さらに軍事協力など民間にはできない特別の武器もあり、政府
 か前に出
ることにそれなりの合理性がある。

  それに比べて日本はどうか。ピジネスに関する目利き能力という点では、日本政府ははっ
 き
りいって幼稚園以下である。
  NTTの株式売却収入などを原資にしてご2000億円近くの資金を、経産省がベンチャ
 ー
支援と称してあまたの企業に出資したことがある。結果がどうなったか――。還ってきた
 のは
わずかに5パーセント。なんと2千数巨億円がドプに捨てられたも同然、大損失を出し
 たので
ある。運営したのは天下り法人。それに対して誰一人責任を取っていない。

  そもそも、日本政府がやったインフラ整備の結果を見てみるが良い。車より熊のほうが多
 い
といわれた地方の道路、空港、港湾、至るところで失敗の山。成功例は失敗に比べれば、
 10分
の1以下だろう。インフラについては政府の競争力は極めて低いのである。とにか
 く、政府が
出て行くと金儲けの確実性が増すという考えは捨てたほうが良い。
  インフラをビジネスにすれば、一時期、日立や東芝など複数の日本企業は潤うかもしれな
 い
が、日本の国益という視点でトータルに見た場合、儲けが出るかどうかは別だ。

  ベトナムやインドで原発を作ることによって電力の安定供給が保証される、あるいは高速
 鉄道を整備して物流網を整備するのも同じことだ。もちろん経済協力という側面もあるので、
 その部分は別に考えなければならないが、そうであれば、その分は経済協力の予算を減らし
 て良いことになる。

  いずれにしても、国民に直接稗益しないという面において国内のインフラ整備とは根本的
 に違うのだから、各プロジェクトの推進に政府がリスクを取ることによってどれだけのリタ
 ーンがあるのか、しっかり見極めなければならない。ハイリスクならばハイリターンがなけ
 ればならないのだ




                      役人がインフラビジネスで得る余禄

  最後に、パッケージ型インフラ整備が大失敗に終わる可能性を高める最大の要因について
 指摘しよう。これまで述べたところから概ね推測かつくと思うか、役人がパッケージ型イン
 フラセールス」に執心するのは、おいしい汁が吸える可能性があるからだ。大型プロジェク
 トには、政治家も役人も企業家も蜜に集まる蟻のように寄ってくる
  たとえば、原発を世界に売り込むに当たって、官民出資の投資ファンド、すなわち産業革
 新機構が出資して、国際原子力発電なる新会社を設立した。いまはさすがに天下りは行って
 いないか、そのうち、この会社は役人の天下り機関になる可能性がある。
 
  インフラピジネスは余禄があるだけでなく、経産省や国交省などの役人にとって、とても
 愉
しい仕事でもある。
  受注すれば大きなピジネスになるので、関係企業の社長は、大臣以下、事務次官、局長の
 と
ころに日参して、「お願いします」とペコペコする。貿易保険やJBICの融資を引き出
 した
り、経済協カプロジェクトにつけてやったりすれば、なおのこと、社長は経産省に米揚
 きバッ
クのように頭を下げる。

  経度省は規制や補助金などの利権が少ないので、最近はとくに企業のトップが経産省に頭
 を
下げるという関係は少なくなってきた。それがインフラピジネスなら、続々と社長が集ま
 って
きて、しかもみな頭をドげて帰る。役人にとってこんな気持ちの良いことはない。
  企業から見れば、白分たちが負うべき数巨億円あるいは数千億円単位の巨大なリスクを国
 民
に押しつけることができるのであるから、頭を下げることなど安いものだ。何百回でも頭
 を下
げるだろう。

  ここで、企業が頭を下げるということは、役人の発想では、天下りを送り込める可能性が
 高
いということ。今後、パッケージ型インフラ整備で産業革新機構に出資してもらったり、
 貿易
保険をつけてもらったりした企業などに、天下りやそれに代わる現役出向などで経産省
 の役人
が面倒を見てもらうことになる可能性がト分にある。すでに天下りを受け入れている
 企業で
は、今後もそのポストを提供し続けるということになるだろう。 

  損する可能性の高い事業に役人が平気で国民の税金を注ぎ込めるのは、役人ならではのお
 かしな金銭感覚も関係している。
  役人は、いま損するわけではないものには、あまり考えずにどんどんおカネを出す。役人
 にとって、仕事は予算を取って使うこと。そこで、ピリオドだ。その結果には関心がない。
 投資したキャッシュがすべてなくなっても、キャッシュを追加するわけではない。つまり新
 たな予算とは関係ないので、自分の仕事とは関係ないというのが、役人の感覚なのだ。

  役人の世界では成果を問われない。役人は投資したカネがどのような成果につなかったの
 か、ということには、まるで関心かないのだ。先ほど述べたNTTの株式売却益を2千数百
 億円なくしてしまっても何の問題にもならず、誰も責任を取らなかったのがいい例である。
 

                        わざわざ借金して投資する産業革新機構の愚

  産業値新機構も役人的な発想でできあがった政府系ファンドだ。同機構は、先端技術や特
 許の事業化の支援などを目的として、産業活力再生特別措置法に基づき、2009年7月に
 設置された。投資対象は、先端技術による新事業、有望なベンチャー企業、国際競争力の強
 化につながる大企業の事業再編などとしている。

  政府か出資する投資ファンドを「ソブリンファンド」という。資源国のソプリンファンド
 は石油や天然ガスで儲けて余った国のねカネから成り、資源を持たない先進国では、積み上
 かった年金や外貨準備を原資としている。

   

  日本の産業革新機構も、国のおカネを運用している点ではソプリンファンドに近いが、政

 府が出資している920億円は、基本的に国民からの借金。機構が金融機関から資金調達す
 る場
合、8000億円まで政府保証がつけられるので、最終的リスクは国が負う。
  いずれにしても、わざわざ国が借金しておカネを運用しようとしているという点で、普通
 の
ソプリンファンドとは違う。そもそもこれだけ財政状況が悪化しているときに、借金をし
 てま
で投資をするという発想自体か変だ。結局、無駄のオンパレードとなった昔の財政投融
 資のプ
ロジェクトと似ている。

  現在は財政状況がより悪化しているからもっとたちか悪い。借金返済で首が回らなくなっ
 た
ので、一発逆転、大穴狙いで万馬券の夢を追うというのに近い。
  しかも、時限立法で定められた機構の設置期間は15年。つまり最長15年の間で出資し
 た
おカ參を回収する。
  民間会社の15年先のことは誰にも予測できない。その間に経営者も変わるだろうし、企
 業
を取り巻く環境も大きく変化する。途中で出資した企業が倒産し、焦げつく恐れはいくら
 でも
ある。
  従って、よほど高いリターンでないと、投資する人はいない。しかも、どかんと投資する
 人
は皆無に近い。そこで多くの人から少しずつ出資させて、リスクの分散をはかる。 

  機構のインセンティプの構造がおかしいという問題もある。いま産業革新機構にいる人は、
 案件をたくさん作れば有名になり、当面の市場の評価を得られる仕組みになっている。しか
 し、本当にその案件で儲けられるのか、結果が出るのはずっと先だ。
  15年間、ずっと居続ける人はいないだろう。10年以上先に結果が出たときには、案件
 を作った人はすでにいない。だから、結果は考えず、投資先をなるべく多く見つけようとす
 る。



  私は2003年に立ち上げられた産業再生機構に執行役員として出向していた。産業再生
 機構が成功したのは、組織の存続期間が最長で5年、実際には4年で終わったからだ。しか
 も、個別案件単位では3年以内にプロジヱクトを終了しなければならない。3年先なら、そ
 の案件に携わった人か結果責任を問われる。
  失敗すればその人の市場の評価は下がり、再生機構の廃止後の転職で著しく不利になる。

  短期間で辞めれば逃げたといわれるし、わずか数年前のプロジェクトだから、誰が責任者
 かはすぐ分かる。よって、結果が悪ければその人の評価に響く。
  自分の市場価値に関わるので、参加した民間の人たちは、死に物狂いで成果を出そうとし
 た。産業再生機構が成功した裏には、こうしたインセンティブ構造があったのだ。
  一方、産業革新機構では、そういうインセンティブ構造になっていないところで国のおカ
 ネを使わせる。これはたいへん危険な話だ。

  最近の産業革新機構か取り上げた案件を見ていると、当初考えられていたベンチャー支援
 とは似ても似つかぬ政治案件があったり、大企業支援案件のための打ち出の小槌として使わ
 れ始めたりしている。私にはそうとしか見えない。

  役人の政策か浅はかになるのは、利益の誘導もさることながら、現場をほとんど知らない
 からだ。たとえば経産省の官僚はビジネスマンとして得意先と丁々発止の交渉をしたことも
 なければ、実体経済に詳しいわけでもない。審議会にかけて検討してもらい、まとめるとい
 っても、しょせん耳学問だ。利益誘導を抜きにしても、実情に即した政策を作るだけの経験
 も知識もない。そういう意味でも、回転ドア方式で、震が関に民間の血を入れる必要がある


ここで、米国的行政制度の「回転ドアー方式」に触れておこう。捕虜理論(Regulatory Capture)と
いう、規制機関が規制されるべき事業者側に取り込まれ、規制される事業者側の利益の最大化に
貢献するという最悪の状況である「天下り問題」の根源となる。そこでその解決方法として「回
転ドア方式」が提言され、米国ではは政権が変わったタイミングで公務員のほとんどが辞表を出
して民間のシンクタンクに戻ったり、経営の実務で経験と知識を深め、次の政権交代に備えてき
た歴史があり、この制度を担保するために、必ず能力に見合った仕事が与られている。投資経験、
実務経験、ビジネス・センスを持たない霞ヶ関からの天下り職員が、年金基金の原資を食い潰し
てきた反省に立ち日本でもこの方式採用としてきたが、国家官僚達の激しい抵抗にあい道半ばに
ある。ところが、回転ドアー方式も悪用されるケース――関連企業の意を受け民間人(あるいは
半官半民族)が天登りと天下りを繰り返す――もあるのでよくよく考えておく必要があるが、民
間企業の最前線で働いてきたわたし(たち)も概ね共感できる内容となっている。次回は一旦「
序章」→「4章」に戻り、その後「終章」の順に読み進めていく。


                  
                  この項つづく

 

   ● 今夜の一曲

'Nineteen Hundred And Eighty Five' 
Paul McCartney’s 10 Greatest Songs After The Beatles March 6, 2013 12:00 AM

 

アルバム『バンド・オン・ザ・ラン』収録。オリジナルでは同アルバムの最後を飾る曲。「ポー
ル・マッカートニー・コレクションシリーズ」では後に「愛しのヘレン」(Helen Wheels)など
ボーナストラックが続く。米国と日本では、シングル『バンド・オン・ザ・ラン』のB面に入っ
た。
ラゴスでレコーディングされたものに、ロンドンでストリングスとブラス・セクションをオ
ーバーダビング。印象的なピアノで始まるメロディが繰り返される内にダンスミュージックて、
ロックとなり壮大なオーケストラの最後に「バンド・オン・ザ・ラン」の一節がリプライズで現
れるポールのアレンジャフルサウンド。さては、お楽しみを。

 

  ● 今夜の一枚

理解できないが、理解しよう。^^; ?!

アイルランド、国民投票で同性婚合法化


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想定外と災害ユートピア

2012年06月04日 | 緊急|東日本大震災

 



【溝掃除から防災の死角を知る】

日曜日は農業用水路の定期清掃でだったが、高齢化のため溝に入るメンバー数も10名と先細り明白。
モウアカンワ!という体験を1つ紹介。対象の農業農水路は開口部が約2メートル、全長170メート
ル、直角に近い鋭角箇所が5ヶ所。ところが、通常ならヘドロがそれほど堆積しない直線部に大量の
藻とヘドロが堆積していて作業負荷が急に増える。ところがその理由を長老格の方が、いつもなら、
この左折れ直下の左のり面に堆積する土砂を事前に取り除き、水はけを良くし防いでいたが、その方
も高齢と体調不振ということで参加できなくなったためだという。なるほどと感心しつつ、ここに列
島を覆う国土保全の陥窮の断層を見た。つまり、溝掃除から防災の死角をミタ!という案配だ。

【想定外と災害ユートピア】





よく、「今後、想定外のことも念頭に置いて、対策を講じて参ります」「その他不測の事態にあたっ
ては、関係部局が連携して、柔軟に応急対策を実施するものとする」といった防災マニュアルにあり
がちな一文も、不測の事態、「想定外」に不安を抱く人には全く無内容に映る。なぜなら、想定外と
いう不確定な事象にどうして、緊急時に対応できるのかという素朴な疑問であり。官僚的答弁で常套
句の「善処してまいります」などと同じ、言い逃れ、モラトリアムでありながら「前向きに」とか「
積極的に」という情緒的意味合いを滲ませる官僚言語(「無責任体制用語辞典」という辞書を上梓す
るのも一案か)と同じだろう。想定外の大地震、大洪水、巨大テロなどの大きな災害が起きた後、人
々の間には集団パニックが起き、誰もが他の人を踏みつけにして生き延びようとすると信じられてい
るが、実際の災害現場では違っていて、そこには人びとが相互扶助的に助け合おうとするユートピア
が閃光のように出現するのだと主張する『災害ユートピア』が注目を浴びている。



61年米コネティカット州生まれ。カリフォルニア州で育ち、パリ留学後カリフォルニア大バークリー
校でジャーナリズム修士号。芸術批評などをした後、フリーランス・ジャーナリスト。約10年前から
仏教徒として仏教が持つ寛容さを好み、仏教徒は天災が持つ意味を理解するともいう。地球温暖化や
人権、政治などを題材に執筆。全米批評家協会賞、ラナン文学賞など受賞。主な著書に「災害ユート
ピア」のほか「暗闇のなかの希望」などの著者であるレベッカ・ソルニット(Rebecca Solnit)は主張
する。彼女は実際に、サンフランシスコ大地震(1906年)、カナダのハリファックスの軍需船大爆発
事故(1917年)、ロンドン大空襲(1940年)、メキシコ大地震(1985年)、ニューヨーク911(2001年
)といった災害を生き延びた人々へのインタビューや回想録などを通し、その事実を明らかにしてき
た。いま現在も西欧のメディアから、東北・関東大震災下の日本人たちが略奪も起こさずに整然と行
動している様子が賞賛されて話題になっているが、それは決して日本の文化的特性の問題なのではな
く、西欧社会でもこれまで災害時には起きていたという。

1972年の中米ニカラグアの首都マナグアで起きた大地震は死傷者数万人を出し首都が壊滅状態となっ
た。ソモサ独裁政権が海外からの義援金や支援物資を着服したり復興事業に絡み不正利権を肥やした
ことが発覚し、市民が政権批判を強めこれに政権側が戒厳令で対応し対立が深まり、左派組織サンデ
ィニスタ民族解放戦線は、地震で生まれた政権批判を追い風に勢力を伸ばし、40年以上続いたソモサ
体制を79年に打倒、新政権を樹立する。
どんな災害現場でも、見ず知らずの人に手を差し伸べ、食や
寝場所を与えるといった被災者同士の励まし合い、助け合いが生まれた。危険や喪失、欠乏を共有し
生き抜いた人々の間で連帯感が生まれ、過去の習慣や偏見から解き放たれ、階層から生まれる孤立を
乗り越える。人は普段より情け深く親切になる。本来人間が持つ『つながりたい』という思いや、人
の役に立つ喜びに気づくが、
もちろん文化や豊かさで違があり、同じ地震でもサンフランシスコや日
本と、ハイチやパキスタンは比べられず、日本でも関東大震災では朝鮮半島出身者が殺害され、そう
したパニックは、それまでに植え付けられた『型にはまったイメージ』が原因し、大災害をテーマに
したハリウッド映画では被災者は、犯罪者予備軍、押さえ込んでおく者として描かれ、ヒーローはパ
ニックを鎮める警察官や行政官がその例だ。パニックは、慌てた警察官や行政官が起こすのだ。例え
ば米国も日本も資本主義だから、利己的で物質主義で金を重んじる社会とされる。だが、サンフラン
シスコだけで飢餓をなくそうというグループが50もあるし、ホームレスを救おう、貧しい子供に教育
を与えようというボランティア組織がたくさんあり、子育てで協力し合う母親たちは巨大企業がなく
ても困らないが、助け合いがなくなればとたんに困る。表には出ないが、親切という名の連帯が社会
をつくっている。と彼女は主張する。



また、
ニカラグアでは、72年に首都マナグアを襲った大地震に対応できない政府に市民が愛想をつか
し、革命が起き。メキシコでも地震後、民主化が急速に進み、
「これらの国では治安を守るはずの警
察や軍隊が略奪をしたり、行政が救助や復興に役立たず、海外からの支援が横流しされるのを見た市
民たちが、復興は自分たちがやった方が良いと立ち上がり、政権や与党がいかに機能しないかが暴か
れ、市民は自信をもつ。
一方で政治エリートたちは地震の混乱で行政権限を失うが、失ったものを取
り戻そうと警察や軍を送り戒厳令を発し、市民を再び管理下に置こうとする。メディアも『管理がな
ければ、無法な蛮行が起きる』と伝え、エリートの一員として現状維持に力を貸し
「米国でも同時テ
ロの後にブッシュ大統領がパニックになって不要な戦争を始めた。そしてカトリーナで政権が何もで
きないのを見て、国民は『チェンジが必要だ』と、オバマ大統領を選んだともいう。そのオバマに期
待したが、軍産複合体に逆らえずに戦争を続けていると失望したという。そして、1986年のチェルノ
ブイリ原発事故と5年後のソ連邦崩壊と結び付いたように。福島の事故から生まれた脱原発の思想は
ドイツやイタリアに広がり、震災は既に地球の経済システムを変えつつある。かつて50年前には女性
の権利も定かでなかったのに大きく変わったし、今アラブで革命が起きていることを思えば、日本で
も目覚ましい変化が起こるだろう。それがどんなものかは誰も予想できないが、世界は今、日本を注
視しているのだという。


尚、彼女は、キャスリン・ティアニー著の「エリート・パニック」という言葉も引用している。



しかし、エリート・パニックはひとり行政システムから引き起こされるわけでは、それを解く鍵語に
ステークホルダー」「レジリエンス」がある。前者は「利害関係」で後者は「回復力」という意
だが、市民の生活の再建が復興の究極の目的であり、そのために、住まいと収入が確保される必要

あり、地域でそれを実現すには、破壊された街を物理的に再建する「まちの再建」と「経済の再建」
が必要とされる。社会基盤の機能の「復旧」から始め、このように災害からの復興を実現する過程は
様々なステークホルダー(利害関係者)が関与する複雑な構造をもち、それらの活動がすべて同時並
行で進み、多くの場面
で利害が葛藤し、混乱することが予想される。その以前に、復興の重要な担い
手である市民は、災害が大きければ大きいほど、避難先に避難を余儀なくされ、元のように生活して
いる人がきわめて少なく、市民が復興計画策定過程に参画するのは非常に難しく、住民の参画を欠い
た計画が、その後の実現に多くの困難をもつ。時間的な制約から急いでつくるという要請に応えるこ
とと、計画策定過程に市民の積極的な参画を得ることは、復興計画策定において常に存在する二律背
反の宿命性をもつ。

 

さて、つぎの「レジリエンス」は、この概念は、頑強性(Robustness)、冗長性(Redundancy)、豊
富さ(Resourcefulness)、迅速性(Rapidity
という4つの要素から構成されるという。冗長性とは、ガス・水
道の管路、電力ネットワークを多重化する、自家発電装置をもつ、代替オフィス、データのバックアップセンター
のゆな代替機能をもつ。1つが機能不全に陥っても、別の手段で、機能を維持することが可能である
いうこと意味し、豊富さとは、基本的には災害から復旧するための資産を意味をもつとされるが、お
金だけ
ではなく、災害から立ち直るための知恵、計画も重要な要素となるともいわれる。迅速性とは、
どれだけ早く回復できるかということだが、東日本大震災では、火力発電所の被害、原子力発電所の
重大事故により、東日本の総電力量が不足する事態が発生し、災害直後は「計画停電」が行われた。
東日本の社会・経済活動は大きな影響を受けたが、電気・ガス・水道といったライフラインシステムは、
大規模システムによる効率性を目指してきた。大規模システムは、一度、機能不全に陥るとその影響
が社会全体に波及する。最もわかりやすい例は、都市ガスとプロパンガスであり、東日本大震災では
プロパンガスを利用している家庭が多かったので一部の都市地域を除き、ガスの供給に大きな問題が
発生しなかった。
今後のシステムのあり方を考える際、鍵となる考え方として「自律分散協調」があ
げられており、この言葉が、前述の『災害ユートピア』と有機的に切り結ぶことで、わたし(たち)
が想定してきた<民主自立制>を実現する過程、つまりは、防災という場面で、仏が彫られ、心(ココ
ロ)が入れられることになると考えている。

それだけではない。2011年に発生した東日本大震災において、実に直接被害額だけで17.9兆円に達
る見込みだという。また、各国の保険制度や普及状況等に違いはあるものの、米国では、保険金支

額が1兆円を超える規模のものとして、1992年のハリケーン・アンドリュー(249億ドル)、1994年

ノースリッジ地震(206億ドル)をあげることができる。因みに、2005年ハリケーン・カトリーナで
は72.3億ドルであった。わが国における保険金支払金額は、1991年の台風19号のときが最大で5,675
円であったが、2011年の東日本大震災では2兆5千億円(2011年7月7日現在)を超える保険金支払
いが見込まれている。近年では直接被害額のうち,保険によってカバーされる割合はわが国において
も増加しつつあるが、いまだ十分であるとはいい難い状況にあると指摘されている。これなどは、堅
牢性、災害リスクファイナンスの機能面での重要課題だ。また。防災機能の有効化のための「四面会
」の実践研究も重要な課題である。この技法はもともと「日本ゼロ分のイチ村おこし運動」をベー
スとしたもので、日本の典型的な中山間過疎地域の鳥取県智頭町で、1997年度から行われている住民
運動を参考としている。最小コミュニティ単位である「集落」ごとに、集落ビジョンを描きそれを実
現しようとするもの。ビジョンを描き、知恵やお金を出すのは住民であり、行政は脇役としてサポー
トするにとどまっている。つまり住民主導による徹底したボトムアップ運動だとされる。



このように、「想定外」「災害ユートピア」を巡る考察発展の課題は尽きない。いま考察している「
自然災害と防災」というテーマに悪戦苦闘中だが、もう少しすれば考えがまとまるだろう。

 

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ベイリービーズとルピナス

2012年05月25日 | 緊急|東日本大震災

 




ファイル:TheSun beads.jpg

【ベイリービーズと宇宙の渚】

今月21日に日本で観測された金環日食のデータから、これまで百年以上にわたって正確
には分かっていなかった太陽の直径を、139万2020キロと精度よく求めることに国立天
文台などの研究グループが成功。金環日食の「ベイリービーズ」と呼ばれる月の谷間か
らこぼれた小さな光が玉のように連なる珍しい現象の詳細な観測データから、正確には
分かっていない太陽の直径を光の玉が月のどの谷間によってできているのかを月探査衛
星「かぐや」のデータと照らし合わせて割り出し、観測地点からその谷間を通る直線を
引いて太陽の中心と直角法で太陽の半径が求めた。最終的に太陽の直径は139万2020±
40キロと精度よく計算できたという。太陽の直径を巡っては、およそ120年前から欧米
の研究者が地上の望遠鏡などを使って直接観測して求めていたが、この方法だと太陽の
ふちが正確に把握できず、1300キロのバラツキがあった。



それにしても、これぐらい毎日といってよいぐらい不思議な体験をたくさんしていると
気分的になにがしか引いてしまうところを感じるのは、はたしてわたしだけだろうか。
この間も「宇宙の渚」をテレビで特集していたが、ビジュアルな宇宙を描がかれて解説
されるとこんどは驚きを通り越して、座りの悪い不安におそわれるような感覚に入って
しまう。この番組では、オーロラは太陽活動と周期性をもち、太陽内の水素・ヘリウム
とその同位体が含まれ毎秒100万トンの質量が太陽から放射され。地球の公転軌道に達
するときの速さは約300~900km/s、平均約450km/s、温度は106Kに達することもある太
陽が、地球磁場に影響を与え発生する。高速の太陽風は、コロナホールや太陽フレアに
伴って放出されていると考えられているというが、いまではほとんどの日本人が知って
いることだ。そして、この活動周期は13年で、いまのこの活動期がピークを超えると、
停滞期はマウンダー極小期に入るのだと解説しているが、この原因が宇宙風と太陽風の
バランスが崩れ、宇宙風が勝ることになり地表に降り注がれる宇宙風が大気の水蒸気の
分子を摂動?することで太陽熱を遮断する状態に働き寒冷化を起こすのだという(その
逆ではないかとの説もあるが)。また、そのことと現在進行中の温暖化とどうシンクロ
するのか極めて注意深く観察し行動していかなければならない。

 



そうかと思えば、地上では人類は生死薄氷を踏んでいるわけだ。冗談じゃないぜ、東京オリンピ
ック! 

東京島第一原発事故で大気や海に放出された放射性物質は90万テラベクレルだったとの
推計値を発表。今年2
月に経済産業省原子力安全・保安院が出した推計値の1.8倍で、チ
ェルノブイリ原発事故(520万テラベクレル)の5分の1に迫る。公表まで事故から1年
以上もかかったのに、海への放出量の値など疑問が残るという。東電は昨春から推計に
取り掛かり、原発周辺のモニタリングポストの実測値や、風向き、降水量などの気象デ
ータを基に放出量を算出した。その結果によると、90万テラベクレルの大半は格納容器
内が高温高圧にさらされ、配管の継ぎ目などから蒸気が噴き出すなど、深刻な状態にあ
った事故直後の時期のもの。放出のピークは昨年3月16日朝から昼すぎにかけてで、18
万テラベクレルが放出。この時に炉心の圧力が低下した3号機が発生源とみられるが、
具体的な要因は不明。1号機が爆発した震災直後の同十二日午後には6400テラベクレル
が放出。2号機から大量の白煙が上がった15日には16万テラベクレルの放射性物質が風
で運ばれ、福島県飯舘村など原発の北西方向の広い範囲を汚染した。こうした総放出量
の推計に東電は1年以上を費やしたが、保安院や原子力安全委員会などは事故から1ヶ
月後の昨年4月には最初の推計を公表している。

水素爆発で大きく壊れた東京電力福島第一原子力発電所4号機の耐震性について懸念が
摘されていることから、東京電力が建屋の傾きなどを調べた結果、壁の一部に膨らみ
による傾
きが見つかりる。原子力安全・保安院は、傾きは小さく、耐震性に直ちに重大
な影響があるとは
考えられないとしたが、東京電力に対し、改めて耐震性を評価するよ
う指示。福島第
一原発の中で最も多い数の燃料が建屋上部のプールに保管されてる4号
は、水素爆発で壊れた建屋が傾いているのではないかなどと耐震性に対する懸念が指
されいる。このため、東京電力は今月17日から1週間かけて、建屋の南側と西側の壁
合わせて4か所で傾きを調査。その結果、西側の1か所、水素爆発の爆風でできたとみ
られる膨らみによる傾きが確認。傾きは、13メートルの壁の高さに対して3.3センチで
建築基準法の制限値の半分ほどの傾きだ。東京電力は、ほかに壁にひび割れなどがない
か目視による点検や、特殊なハンマーを使ってコンクリートの強度を調べているが、い
ずれも異常は見つからなかったという。原子力安全・保安院は、確認された傾きは小さ
く、ほかに異常が確認されていないことから、耐震性に直ちに重大な影響があるとは考
えられないというが、東京電力に対し、さらに現場を確認したうえで、改めて耐震性を
評価し、来月29日までに報告するよう指示したという(NHK5月26日 4時41分)



そのNHKのクローズアップ現代「眠れる熱エネルギーを活用せよ」では、節電。省エ
ネで世界一はドイツだと初めて知る(2012.05.24)。GDPと省エネの時系列相関で明
白な事実としてビジュアル化された画像が提示された。それによると1980年のトップが
我が国が1990年以降、対米猛追した日本はドイツに抜かれてしまう。これはわたし(た
ち)には、ある程度感じていたことだったたが、改めて、大変ショッキングなデータだ
った。「油断!」にほかならない。



【INTERMISSION】 





 

ブリットポップ・ムーブメントの近年のイギリスの代表的ロックバンド。オアシスはビ
ートルズ、ローリング・ストーンズなどから続く正統派イングリッシュ・ロックで世界
的にも人気があり、全世界でのCDトータルセールスは7000万枚を超える(2009年)

ンドのギタリストのノエルとボーカルのリアムからなるギャラガー兄弟は、アイルラン
ド系労働者階級出身であるビートルズを大変敬愛していた。その背景からかビートルズ
と比較されることも多く「現代のビートルズ」と称されることも少なくない。「アイ・
アム・ザ・ウォルラス」や「ヘルター・スケルター」などを時折演奏するほか、ファッ
ションや自身の曲にその影響を見ることができるという。そのスキャンダラスな言動は
常に人々の注目を集めたが
1991年結成し、2009年解散したという。そのブリットポップ
とはなにか?と問われれば、平凡な答えだが1970年のリバプールの大兄の克己におよば
すというのが、今夜の感想だ。



ところがである、彼女は魔法の呪文をわたしに放つ。そうなんだ、呪文なのだ。「明日
湖西の風車村につれてゆけ」と。呪術の要素として言葉(呪文)、行為(呪法)、道具
(呪具)、各々を単独で用いるか・組み合わせて用いられ、文化によって異なるという。
呪文は儀式と結び付けられ、呪文を特に尊び、一言一句正確な詠唱を求める文化もあれ
ば、呪法や呪具の効力を認めて、術者による多少の呪文改変を許す文化もあるというそ
れだ。前者はメラネシアのマオリ族やトロブリアンド島民のそれで、アフリカは後者の
例が多という。呪文が詩歌(特に諷刺詩)の原型になったとものは多く見うけられる。

そういう、蘊蓄(うんちく)、講釈はいらんのだ。そう思い快諾する。

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除染準備 その6

2012年05月01日 | 緊急|東日本大震災

 

【除染準備 その6】

  
  
       心地よき 鶯のさえずり 聞き起けば 午後にはマダガスカルジャスミンが 満ちて日をなす



※読み:鶯→とり、マダガスカルジャスミン→はな 


メーディーの朝、鶯のさえずりで目が覚める。除染の残件をはじめ目を休めるために、庭いじり
している彼女と連れ添い野菜の苗を少しだけ買って帰ることに。店先には色とりどりの草木花や
野菜の苗が置かれていて、マダカスカルジャスミンの好い薫りが漂う。やはり仕合わせな気分に
なるねといいながら彼女のスニーカーを運転して家に着く。

ところで、長い間、半導体関連の仕事をしていたものだから、除染剥離材のポリビニルアルコー
ルのことが気になっているのか、目を覚ました途端、ホウ酸が架橋促進材になるし、放射線の減
速緩和にもなるのではと閃き、買い物に帰って下調べすると、半導体のバリア膜形成で、メラミ
ン化合物の1,3,5-トリ(ヒドロキシメチル)メラミンなどの熱硬化促進剤が有効だということに
気付いた。これ以外に硬化剤、靱性剤、密着剤、重金属吸収剤など配合をすれば好いというわけ
だ。


特開2009-283564 

「海洋除染方法を急げ!」

 

汚染された海水や海底土の除染はやっかいだ。広くて薄い。処理方法は高速/大量に処理しなけ
ればならないからコストは膨大だ。それに加え、回収した放射性物質を分離濃縮するのがまた大
変。まぜなら大量のゼオライト等から有機酸などで溶出させた液を逆浸透膜などで濃縮分離しな
ければならない。一見効率は悪そうに見えるが下水道処理の生物処理が有効だろう(これはある
種のバイオファイトレメディエーションに該当)。耐塩水の好気性菌や藻類に一旦吸着させ、緩
速凝沈分離後、脱水乾燥あるいは一旦メタン発酵させ減容化し、バイオマス発電の燃料とすれば
良い。良いが広域の海底土を含んだ大量の海水をどのように送水するかというこになる。大型造
船プラントや下水道設計技術者に連絡し、メガフロートで除染して自家発電する自立分散型除染
浮工法
を開発しましょうか。といっても再び大地震や津波が来ると想定しなければならないから
手強いですが。

もうひとつ、水産物の食物連鎖濃縮対策。水産物を通常通り水揚げし、買い上げ除染処分するこ
と、生活保障を同時に行うというもので、前述した社会的なバイオファイトレメディエーション
とでも呼べそうな方法だ。後は政治的決断だけだと思っている。

 

最終処分方法を急げ!」

高レベル放射性廃棄物の処分費用は、ウラン換算で1トン9千億円。想定処分量3200トン、2兆9
千億円で、2030~2040年に最終処分を(NUMO)が、平成30年代後半を目途に「最終処分
建設地」を
選定し、平成40 年代半ばまでに最終処分の開始を目指すとしている。平成10年代後半
:調査地区
の選定平成20 年代前半:精密調査地区の選定平成30 年代後半:最終処分施設建設地
の選定平成
40年代後半:最終処分の開始因みに、処分法は高レベルガラス固化体法で高レベルガラス固化体
を深度300m以深の地層へ処分。中曽根康弘の申し子の斑目原子力安全委員長の「金で解決」でき
る範疇に入るようだが、これはあ
くまでも日本列島にその処分地があるという前提。岩盤が脆弱
な日本列島では実用が無理と結論される余地も大きい。また、可能だとしても想定処分費用を大
きく上回る可能性もある。


また、処分不可の場合、候補地を探し、処分規路方法が確定できたとしても想定している3兆円
規模を大幅に上回る可能性も大きい。例えば、岩盤のしっかりとした特定場所で埋設処分する方

法として、ネオジウムなどの鉱山などに3百メートル以深に山元還元法として保管することに関
係国の同意をえられれば一石二鳥となる。もっとも、この計算の大前提は現在保有している使用
中および使用済みの燃料に限定した上での話であって、原発稼働継続となれば話はややこしくな
る。3兆円以上の費用をかけるのであれば、それを担保として縮原発路線実験開発段階と位置付
小規模な原発開発設備と最終処分方法の開発を同時に行う)を断行し、20年までに代替エネ
ルギー整備費に投資し「持続可能エネルギー社会」の構築を完了するのが、最適解ではないだろ
うか。
デジタル革命が進行する現在において、この20年間で実現可能なものは多いだろうと。



 

しかし、現実はそれより厳しい。それは福島第一原発禍の経済規模だ。関係住民への現物+生涯
補償額に加え、未確定の海洋除染を含めた除染費用、さらに原発停止による特別損失額を加えた
想定額がわからないのだ。セシウム137に限定して半減期を基準に(今後30年間の補償額の私案
の農畜水産物の国による買い取り制度導入による除染策を前提)として、年間1兆円と仮定して、
30兆円に加え原発関連の被害を、例えば、年間発電量×原発供給量×電気料金=1兆kWh×30%
×18円/kWh=5.4兆円/年と減価償却など組み込まれたとして算定し、私案に準じた新体制の原発
再開移行期間を10年として54兆円を加えると約84兆円となるから、前出の斑目春樹がいうように、
国民総生産の約20%でけりつくことにはなる。それでは被害を受けたものが浮かばれない? と
いうならば「最終事故報告」を待って?訴訟行動を起こせばいいことだ。

以上、急いで「除染および最終処理」についての調査を完了する。これは蛇足だが、常温核融合
のメカニズムが解明でき、実用化のデータがそろえば、放射性物質反応を制御できるので、夢の
システムが実現するかもしれないというイリュージョンを抱く。これについてはじっくり考えて
みたい。

 

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除染準備 その5

2012年04月30日 | 緊急|東日本大震災

 

 

【木質食器革命の準備】

木器として、水につける、漂白剤は原則禁止。使用後は、薄めた洗剤をスポンジにつけて洗い、ぬるま
湯ですすぎ、よく乾燥させて後仕舞いする。水につけたままの放置も禁止。汚れを落としにくい部分は、
綿棒や歯ブラシを使う。

 37型の場合のエコ度
 
【エコで踏みとどまるか液晶ディスプレイ】

慶応大学の小池康博教授の研究グループが、独自のプラスチックを使って、決められた方向に光を出す
「高性能なバックライト」を開発し、従来のフィルムを減らした構造を作ることで消費電力を半分に抑
えた(例えば37インチのテレビなら消費電力がこれまでの半分の百ワット程度で済む)。液晶ディスプ
レイは「バックライト」という部品から出る光の向きや色を偏光フィルムなどの何重ものフィルムによ
って調整しながら映像つくる。光の半分がフィルムを通過する際、熱になって失われ暗くなる。鮮やか
に映し出す「特殊なフィルム」を開発し、画質を高めることもできたという。この技術をもって反転攻
勢に打って出ることができるか?「エコを制するものは世界を制す!」が正しいなら、ナンバーワンに
なれすだろうと。

これは、要約すると、非透過偏光成分を戻り光に変換する機能を持つ偏光フィルム(あるいは偏光板)
を用いることで、ある程度の性能改善は期待できるが、戻り光を受ける側の光学素子(導光板、プリズ
ムシートなど)の偏光成分変換機能が十分でないため、偏りに富んだ戻り光を効率よく自然光に近付け
る機能に欠け、戻り光のリサイクル利用が不十分で、液晶表示パネルの照明に要する消費電力を低減さ
せる障害となっていた。端部から一次光を入力し、光媒体面から照明光を出力する偏光度低下型導光板
に使い、この偏光度低下型導光板は、樹脂マトリックスと、その中にランダムに配向分散した多数の複
屈折性結晶微粒子で構成し、偏光度低下型の(1)プリズム(2)拡散反射(3)偏光の変調と3つの
機能による偏光度低下作用で輝度上昇に大きく寄与することによる。



つまり、導光板内に導入された光は内部反射を繰り返しつつ末端側へ伝播する過程で出射面から徐々に
出射し、プリズムシートを経て反射型または散乱型の偏光フィルムに入射する。P偏光成分は偏光フィ
ルムを透過し、S偏光成分は戻り光となる。戻り光は、導光板内において乱雑さをもった配向状態で均
一に分散した複屈折性結晶微粒子の偏光変換作用を受け、偏光度が低下する。再出射した光は反射型偏
光フィルムに再入射し、その半分近くが透過する。非透過成分は再度戻り光となり同様の過程を繰り返
すことで、液晶表示パネルへ無駄なく光が供給されることになる。

 

【除染準備 その5】 

 

 

上のドライアイス法は水洗浄より除染効率は悪かった。下の発酵法では処理時間の残件。

 



上の人工ゼオライトブロックを用いた住宅地排水溝の除染効率は半減程度。下の吸引作業では、限界距
離:150%向上。作業効率):37%向上(回収重量を100kNとした場合)。落葉回収作業のコストは同等(多
量の落葉等を回収する場合)。減容化率89%を達成した。



以上、海洋を除いた減容化・除染を調査した。途中集約としては、当初通り(1)剥離剤塗布方式(2)
可燃物回収燃焼方式がベターだと結論したものの、バイオファイトレメディエーションや終末処理の構想
まではエネルギーは残らない。しかたがない、1日だけ外延だ。頑張っているんだがね。

 

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除染準備 その4

2012年04月29日 | 緊急|東日本大震災

 

フェラーリの拘りのブライトレッドの高速列車がミラノ、ローマ、ナポリを時速三百キロで滑走する。
乗りたくなるような列車だ。列車は11台とファーストクラス、ビジネスクラス、エコノミークラスの
車に460人の定員。車両はすべて無料Wi-Fi付き本革シート、料金は60ドルというからミラノからロー
マへの航空券と同額。あなたはどっち?! 



「世界の工場」とされた中国から企業の撤退や事業縮小が始まっているという。その背景に件費の高
騰、中国独自のさまざまな規制や参入障壁、参入後の知的財産権侵害があるという。これは米国だけ
でなく日本でも人件費がもろに影響するアパレル業界は敏感に動く。その典型が青山商事で縫製部門
は東南アジアに移転するという。大林組などのゼネコン分野はどの国でも民族資本の支配が大きく閉
口するが完全撤退ではないという。海上国家論をぶち上げた楽天は、わずか1年半で撤退だ。日本貿
易振興機構(JETRO)は、「中国はいまも投資(進出企業)のほうが伸びている」とするが、このブロ
グでも分析掲載した通り、大消費地という後背が見込める限り進出は続くが、人件費の利ざやに依拠
したビジネス行動はいずれ終焉
すると「デジタル革命」の影響支配は不可抗だ。


日銀は27日の金融政策決定会合で、デフレ対策を強化するため、2月以来となる追加金融緩和を決め
国債などの金融資産を買い入れるための基金の規模を5兆円増額して70兆円程度としたという。その
背景には、2012年度の消費者物価指数の上昇率予想を従来の前年度比0.1%から0.3%に、13年度も0.5
%から0.7%に上方修正したが、目標とする1%に届かなかった上、米連邦準備制度理事会のバーナン
キ議長が25日の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加緩和、そしてなによりも需給ギャップは年間15
兆円もの需要不足→金融緩和だけによるデフレ脱却は限界があるという。



現在のデフレは科学技術の進展によりもたらされた(「デジタル革命第4則 デフレーション)を主
張してきたわたし(たち)にとって不況からの脱却法は決まっているので、中川秀直、高橋洋一ら上
げ潮派とは条件付きでシンクロナイズするが、週刊誌好みの「小沢一郎 vs 財務官僚(藤井裕久=勝
栄二郎)」の構図はなるほどと思わせるところがある。はじめに構図ありきの機能主義思考も結果オ
ーライだが、アルカポネばりに仕立てる検察権力風である記事だが、4億円という額は、多少なり大
きな
仕事をしたものなら、フリンジベネフィットを含めた40~80名の年間労務費相応で、あっという
まに
使い切ってしまう金額だと理解できるものだ。そして、ええかっこしいのスタンドプレー中心の
政治家ならいざ知らず、
責任政権の中枢にいた小沢一郎ならその程度の金はすぐにでも用意できるだ
ろうと、この訴訟騒動に価
値なしと最初から見切っていた。重要なのは財務官僚派の面子ではなく、
勤労納税国民の生活なのだからチャ
ッチャッとデフレ脱却しなはれと背中を押すしかない。

藤井裕久 



【木質食器革命の準備】

表面が乾いたら植物油を塗って使っていくうちに表面の乾きを感じたら、もう一度油を塗る。彫り目
のない器は、320番くらいのサンドペーパーをかけてから塗るとつやが増す。また、電子レンジや食
器洗い乾燥機、オーブンなどの使用、直射日光に当てる、ストーブの側に置くなどもやめた方が良い。
尚、表面に漆(ラッカー)以外の合成樹脂などを塗る場合はこの限りでない。

 

【除染準備 その4:道路の特殊水による除染】



機能水(=特殊水)の除染効果は期待できない。但し、オゾン水方式は高圧を必要としないというこ
とで処理水の飛散は小さいと思われるので総合的には利点もあるが、放射性物質の移動に過ぎないの
で回収方法とのセットが前提。切削・剥離除染による建物の除染効果は約50%。特殊水による道路の
除染効果は高圧水洗浄(7MPa)と同程度。超高圧水では、いずれの路面も150Mpa以上の圧力により、
1時間あたり62㎡で放射性物質の90%以上を除去可能。アルミナによるウエットブラストでは、いず
れの路面(透水性舗装を除く)で、1時間あたり24㎡で放射性物質の60~70%を除去可能。建物屋根
については、より高除染率化とバラツキを抑えた安定的な除染手法の開発が必要。超高圧水洗浄、ウ
ェットブラストはコストが課題。本格除染に適用するには、さらに効率化を図る必要があるという。


道路は建物と比べ平坦なため、表面切削・回収は比較的ハードルは低い。

【除染準備 その4:水の除染】


 
事前にビーカー試験でセシウム吸着剤の要否を確認すれば、セシウム吸着剤は利用しないという大前
提で、土壌洗浄などで濃縮された土壌を扱った水中にも100Bq/kgを超えるセシウムイオンは確認でき
ず。凝集作用と細微粒分(SS成分)を捕獲するろ過の組合わせが基本。環境中の水処理においては、
処理する水の性状の事前確認も行うこととして、除染剤がなくとも除去結果は同じということに注目

【除染準備 その4:木材の除染】 

 

                               


樹皮表面は水洗により80%以上の洗浄可能。小型焼却炉で大幅に減容できることが実証。但し、小型
焼却炉は飛灰飛散防止のための圧力制御や排気にフィルタを取り付けるなどの対策が必要。樹皮(バ
ーク)の再利用を進めること、規模拡大と効率化が必要という結果。コストについては不詳。

尚、樹皮表面の被覆材は、塗布と同時に赤外線にて同時に、半自動・自動で乾燥硬化する工夫は必要。
その上、回収しバイオ発電燃料として燃焼させながらセシウムを高性能バグフィルターでアッシュと
して回収するのが一番(次下図参照)。

 

Biomass Generator  

 Log Boiler Navora Cutaway

従来のバイオマス発電システムは設備全体が大型化、大規模化し、設備コスト、排水処理コストおよ
びメンテナンスコスト等が嵩む一方、ガスタービンを利用した動力システムでは騒音トラブルという
他の深刻な問題も抱えている。しかし、小型・軽量化、低騒音化、低コスト化及び低メンテナンスコ
スト化を図った分散型熱電併給設備や分散型バイオマス熱電併給設備を実用化することは困難で、オ
ンサイトで設置可能な分散型熱電併給設備や分散型バイオマス熱電併給設備のニーズが高いにも拘わ
らずこれまで実用化されていなかった。



これを解決するため、上図の装置が提案されている。分散型バイオマス熱電併給設備は、図の外装ケ
ーシング24の左側部分で断熱材11によって外周部が囲まれて断熱構造となった蒸気発生熱交換器
18を備える。図示されていないが、断熱材11の外周に円筒状ハウジングを配置して、この円筒状
ハウジングを外装ケーシング24に支持する構成でも良い。蒸気発生熱交換器18に隣接してバイオ
マス燃焼室12が形成され、バイオマス燃料供給装置14が並列配置されている。バイオマス燃料供
給装置14は蒸気発生熱交換器18の下方に配置された燃焼部16に木質ペレット等のバイオマス燃
料を供給する。燃焼部16により、木質ペレットが燃焼すると、バイオマス燃焼室12に燃焼熱が発
生し、この燃焼熱は蒸気発生熱交換器18を加熱して高圧蒸気を発生させる。排気は煙道19から外
部に排出される(ここでは記されていないが、排気口側に精密バグフィルタを節制していおく)。高
圧蒸気は蒸気ロータリーエンジン20に導入されて動力を発生。動力により発電機22が駆動される。
これら構成部品は外装ケーシング24内に一体的に装備されているが、蒸気ロータリーエンジン20
と発電機22とを外装ケーシング24に隣接した他の外装ケーシングに収納しても良いというものだ。

えん - 外観写真:入口付近

今夜は蒸し暑い。それで切り上げるのではない。いつものやつだといいながら白い金麦を2本飲んで
いる。それにしても昼間の鯖のバッテラとざるそば(「えん」)は美味かったが、そこで、彼女の誕
生日をお祝いした暑い熱い一日だった。

 

コメント (6)
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