極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

量子ドットとネオコン

2013年07月30日 | ネオコンバーテック

 

 

 

 


真夏の量子テレポーテーション】 

液滴エピタキシー法とは、 物質・材料研究機構が1990年に開発した半導体量子ドットの
作製手法。他の量子ドットの作製法と異なり、多様な材料種、多様な基板で量子ドットが
実現できるという。この手法を用いてNIMSの先端フォトニクス材料ユニット黒田 隆主幹
研究員、間野 高明主任研究員らは、北海道大学、仏ツルーズ大学との共同で、半導体量子
ドットを独自手法で改良し、ドットの形を等方的にすることで、世界最高
性能の量子もつ
れ光子源の開発に成功したと発表。本研究成果により、従来不可能であった量子情報通信
の遠距離化を可能とした。本成果は米国の学術誌 Physical Review B報欄に7月19日に
ンライン公開され、Editor's Suggestion (注目論文)に選ばれている

今回の開発の背景として、量子情報通信が、情報の秘匿性が完全に保証される次世代の光
通信技術を巡り、各国で実験室レベルの研究が進められているが、現段階では、光ファイ
バー損失のため、数10キロメートルの通信距離が限界だった。このため、光信号を中継し、
通信距離を飛躍的に延ばす量子中継器の開発が必須とされ、そのための最重要な技術課題
とし
て、量子もつれ光子対(=もつれ光子対)用の光源開発であった。これまでの小規模
な実験で、も
つれ光子対を発生するために非線形光学結晶を使ってきたが、ランダムなタ
イミングで光子が発
生するため、通信システムの実装には、特殊な同期回路(量子メモリ
を開発せねばならず、製品
化の妨げになっていた。一方、量子ドットを用いると、オンデ
マンドで光子対を発生でき、システム
化への展開が極めて容易になる。量子ドットを用い
てもつれ光子対の発生には、ドットの形状が(
自然界の原子と同じく)等方でないといけ
ないが、現実の量子ドットを自己形成手法で
作るため楕円的な形になる。これまでは量子
ドットに強い電場や磁場を加え、等
方的な性質を回復してきたが、素子が大がかりになり、
さらに個々の(形の異なる)量子ドットに応
じて外場を変える必要があり汎用性に欠けて
いた。 



等方的な量ドットを制御性よく実現させ、外部制御を不要とし、世界最高値のもつれあい
度の観測に成功。量子ドットの創製は、前述した液滴エピタキシー法を用いた。量子ドッ
トの成長基板には、通常用いる[100]面(結晶面方位)のガリウム砒素ではなく、[111]A面
のガリウム砒素を用い、[111]A面の原子の配列は正三角形のユニットで構成し、このため
量子ドットの形状も正三角形に近くなり、等方的な性質を持つと期待。作製したガリウム
砒素量子ドットから発する蛍光信号を解析すると、忠実度が86 (±2) % のもつれ光子対
になることを見出した。また、量子もつれの厳密な評価基準である、ベルの不等式の破れ
を、雑音レベルの5倍以上の大きさで観測。いずれも過去の報告値を凌駕する。これまで
の光源では、ポストセレクションと呼ぶ信号選別を経て、量子もつれの特性を得ていたが
開発の光源では、付加的な選別を用いることなく優れた特性を示し、直接、量子通信シス
テムへの実装が可能であるという。



特開2010-206074 半導体光素子と半導体太陽電池

 
特開2009-016710 レーザ発振素子


今日の作業は量子情報通信の現状を基礎から学び知るということではなく、等方性のある
量子ドットの製造という視点から情報収集を行ったので、目的は達成されている。が、真
夏の夢ならぬ、真夏の量子テレポーテーションは、一知半解のままだ。いずれ時間をみて
再チャレンジだ。ねぇ~物理学者のS君!ちゃんと目を覚ましているかい?


 

 




なんだろう、テレビを観ているとナット・キング・コールの「トゥー・ヤング」の曲が流
れていたが、胸が締まるような気分になり、鳥肌が立つ。二度と戻らないただそれだけな
のだが、激しく反応してしまうなんて!?  そう言えば、彼女は英国王室のウィリアム王
子とキャサリン妃の長男の「ジョージ・アレクサンダー・ルイ」の誕生以降、ブレークン
イングリッシュというか、まともに歌えないのに、シーカーズの「ジョージ・ガール」を
口ずさんでいるではないか、なんたる付和雷同!?


 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ネオコンとグリーンリベラリズム

2013年07月29日 | ネオコンバーテック

 

 


【有機薄膜エレクトロニクスとネオコン】

月26日、3g/m2と世界最軽量、2μmと世界最薄であると同時に、くしゃくしゃに折り曲
げても動作する超薄型有機LEDを開発したと発表。同成果は、東大大学院工学系研究科
の染谷隆夫教授、関谷毅准教授らによるもの。オーストリアのヨハネス・ケプラー大学の
Siegfried Bauer教授、Niyazi Serdar Sariciftci教授のグループと共同で行われた。詳細は7
月28日に「Nature Photonics」へ掲載された。この研究グループは先日(25日)も、世界最
軽量、世界最薄の柔らかい電子回路の開発に成功したことを発表したばかりだ。


 

図1 

 

こうしてみると、『ドグ・ホリデイの忘れ物』で掲載した「NEOCONVERTECH 創業論」
はいよいよ本格的な事業領域として具現化することを意味しているんだと、思わずニヤッ
いてしまったが、耐久性・信頼性などの評価などハードルは多いのだが、過去30年間のキ
ャリアと思索の結果のひとつの到達点に過ぎず、「ネオコンバーテック」はこれらを含め
た未来産業領域として見据えたものとして間違いなかったのだと確信する。そのことは、
一旦横に置いておいて、染谷研究グループの2つの成果を俯瞰してみる。まず、世界最軽
量、世界最薄の柔らかい電子回路「特開2012-053050|非単結晶トランジスタ集積回路」か
ら看てみる。



【符号の説明】

1,11,12,14,21,24,38,61,64,66,71 高分子フィルム 2,
3,17,18,27,28,34
電極  4,72 ゲート電極  5,73 ゲート絶縁
膜  6,26,75 有機半導体層  7,77 ソース電極
  8,78 ドレイン電極
9,16,39,62 有機トランジスタ 10 シート 12,22 共通電極  13,

74,76 絶縁膜  15 静電容量型圧力センサ 23 高分子圧電材料部  25 歪セ
ンサ 31 開口
部分  32 遮光部分  33 透明高分子フィルム 35 N型有機半導
体 36 P型有機半導体  37
透明電極  40 光  41 対象  51 センサアレイ 
52 ロー(行)デコーダ 53 カラム(列)セレクタ 
63 保護用ゴムシート 65
感圧導電ゴム


上図の非単結晶トランジスタ集積回路は、高分子フィルムと、高分子フィルムに設けた共
通電極と誘電体と第2の高分子フィルムと圧力が加えられた際に、誘電体の厚さの変化量
を容量の変化として読み出す圧力センサと、圧力センサを読み出すための非単結晶トラン
ジスタを具えることで、多機能化した非単結晶トランジスタ集積回路を提供できるという
もの。また、有機LEDの
開発の決め手は、表面が粗い1マイクロメートル級の高分子フ
ィルムに、ダメージを与えずに有機LEDを製造する低温プロセスを、高温で高エネルギ
ープロセスが必要な酸化インジウムスズ(ITO)の透明電極を利用せず、低温かつ低損
失で形成可能な導電性高分子、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)-ポリ(ス
チレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)を電極(陽極)に活用。陰極には、フッ化リ
チウム(LiF)薄膜を挿入したアルミニウム電極を採用し、
伸縮可能なゴムの上にこの
柔らかい有機LEDフィルムを張り付けることで、アコーディオンのような波型形状の有
機LED(上図)を実現し、百%の伸縮することができるゴムのように伸縮自在な有機L
EDの開発に成功した。このように着実に、世界を牽引する高付加価値の産業技術が形成
されていることを確認した。


 

【スターウォーズ・デザイン:エピソードⅠ】

すべてはでデザインで決まる。

シード宮殿

フランク・ロイド・ライトが晩年に設計したマリン・カントリー・シビック・センターと、イスタンブールの
ブルー・モスクに影響され、シード宮殿は周辺の自然環境とうまく調和するようデザインされた。

シード宮殿と都市建築

ダグ・チャンは、ハイテクな街灯と突き出し燭台式電灯、それに古典的なベネチア式建築

を組み合わせるという特異なやり方で、シードの「時代を超越した外観」を創り出した。


 

【さらば新自由主義】 

わが家で最近様変わりしたことが静かに進行している。それはといえば、家庭菜園。庭い
じりはすっかり彼女の専業に移った。それというのもわたしの性格が少なからず関係し、
或ることに熱中しても、或る了解点を超えるとサット引き下がるというもの。絵画とか楽
器だとかスポーツだとかで熱中していても、これ以上目標を引き上げれば、時間が割かれ
てしまうという理由がそれ。“テーブルファーム”(『テーブルファーム巡礼の明日』)
という概念を思いついた時点で結論するのだが、決着は「培養土解体新書」という着想か
ら“脱土壌育成技術”という概念への確信が生まれた時点でついていた。後は「時間×お
金」と本人の「やる気」だけということになる。

さて、昨日今日と大雨で、津和野は史上最大雨量を記録したとか、大規模気候変動の本格
化だ。少々窮屈な、野放図な放任・市場・自由に対する社会的なコントロールを必要とす
る時代でもある。このような動乱期の政治的な変化を簡単なフレーズでいえば“さらば新
自由主義、ウエルカム・グリーンリベラリズム”ということに、技術工学・産業的には、
ネオコンとグリーンの融合”ということになる。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鯰食と鰻食の和解

2013年07月28日 | 新自給自足時代

 

 

【バックパック型シェルタ】 

バックの形をしたシェルタ。毛布や洗面用品などをバッグに入れておいて、必要時に展開し
た後に、小さなテントとして使えてポータブルシェルタになるものとの触れ込みでネットで
販売されているが、ホームレス用?との見出しも面白いが、防災用品の範疇にも入りそうだ。
この商品公式ホームページにはこの手のアウトドアー(サニーサイド)商品が沢山紹介され
ている。

 


【スターウォーズ・デザイン:エピソードⅠ】

すべてはデザインで決まる。

砂漠でのジェダイの戦いのプロダクション・ペインティング

クワイ=ゴンとダース・モールの一騎打ちが女王の船のすぐ側で展開される。アミダラ女王の
Jタイプ327ヌビアン・スターシップ

 

 

【イタリヤ版食いしん坊万歳:ナマズフィレの黄金焼き】

 

材 料:卵白 1個、ミルク 1カップ、コーンミール 1カップ、塩 小さじ3/4、ガ
    ーリックパウダー 小さじ1/4、唐辛子 こさじ~1/2、胡椒 小さじ1/8
    ナマズフィレ 4切れ、オリーブ油、レモン(ライム)、新漬けオリーブ。
作り方:浅いボウルで卵白を泡立て牛乳を加える(1)。別の浅いボウルにコーンミルク、

    塩、ガーリックパウダー、唐辛子、胡椒を準備し、そこに(1)を混ぜ、ナマズの
    フィ
レを漬け込み、コーンミールで衣をつける。次に、オリーブ油を入れたフライ
    パンに入れ、先ほどのナマズのフィレを入れ3~4分間中・強火で焼き揚げ、レモ
    ン(ライム)を振りかけ、新漬けオリーブを添えればできあがり。

 

 

【ここまできたウナギの完全養殖】

日本の食文化を絶やさないためには養殖が不可欠だが、天然の稚魚を育てる普通の養殖は、
結局は天然資源の動向に左右されてしまう。抜本的な解決策は成魚から採卵して人工授精し、
また成魚に育てる完全養殖の実用化だ。ウナギの完全養殖は2010年、水産総合研究センタが
界で初めて成功。ただ、卵から幼生のレプトセファルス、稚魚のシラスウナギ、成魚へ
育てる養殖サイクルのうち、幼生は餌が不明なため9割以上が死んでしまい、実用化には

らなかったが、鍵を握る餌は昨年、東京大のチームが解明。太平洋で採取した幼生を
調べ、
プランクトンの糞や死骸が餌だったことを突き止めた。最近の研究で、鶏卵
やヤマメの精巣
も餌になることが判明し、幼生は約9割が育つまでになったという。チーム
を率いた塚本勝
巳日本大教授は飼育の大規模化が課題だが、完全養殖の実用化は確実に実
現に近づいている
と話している。

※ 政府は天然資源に頼らない完全養殖の大規模な商業化を2020年までに実現する方針を決
  定、国を挙げた研究が進んでいる。

 

そこで、ネットで下調べすることに。以下は関連新規考案(水産総合研究センタ)

例えば「特開2010-046037 ウナギ仔魚などの浮遊生物用飼育水槽及び浮遊生物の給餌方法
の要約をまとめると、
(1)飼育水層より密度が高い液体飼料層を形成した浮遊生物用飼育
水槽(2)槽内底部に
液体飼料層とより密度が高い飼育水層が形成した同水槽(3)浮遊生
物がウナギ仔魚(4)
同水槽を使用する浮遊生物の給餌方法で、飼育水の密度調整用水溶性
高分子→飼育魚の健康
に影響を与えない、低濃度でゲル化しないもの→デキストリン、カラ
ゲナン、ヘパリン、コンドロイチン
硫酸など→水溶性高分子添加量は、塩分1%分の浸透圧
変化に相当する量、すなわち分子量6千なら百%、分子量6万なら千%、分子量60万な

1万%までの範囲(ただしゲル化させない)。→水槽密度は1.07g/cm以上というこ
とで整理(整頓)でき、2つの関連新規考案がこれにぶら下がることになる。

特開2011-223884  突然変異養殖魚
特開2011-168562 魚類GTHタンパク質および該タンパク質を用いる魚類の成熟誘導方法

 

以上、俯瞰してみてウナギの完全養殖は可ということを理解できたものの、腑に落ちないの
は「ナマズ」でなくて、何故「ウ
ナギ」なのという素朴な疑問、つまり、ウナギも良いが、
ナマズ(西洋ナマズだけでなく、共食い習性をもつ日本ウナギを改質育種することを含め)
の養殖は廉価で、美味く、滋養豊富だという思いが消えないない。とはいえ、菅南中学に通
っていたころ、友達の斉藤くん家が梅田新道で鰻屋で、帰り鰻の蒲焼きだけでなく肝の吸い
物付のフルコースをはじめてごちそうになった、夏の夕暮れのあの頃の暖かい思いでが懐か
しく思い出された。
 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コーエンとペロブスカイト

2013年07月27日 | 時事書評

 

 

 

【インサイダー社会に終止符か?!】 

米連邦検察当局は25日、ヘッジファンド大手SACキャピタル・アドバイザーズが過去10年間にわ
たってインサイダー取引を「組織的な手口」で実施していたとして刑事訴追するとともに民事
提訴したと発表した。その手口は「本格的で、広範囲にわたり、未曽有の規模」だという。連
邦当局は、SACが上場企業に関連した内部情報を繰り返し入手し、それに基づいてトレーディン
グ利益を上げていたと述べた。同当局はこれに関連した民事訴訟でSACの「あらゆる資産」の没
収を求めており、SACには非合法的に入手した内部情報を利用する風潮が根強かったと批判。マ
ンハッタン地区連邦検察庁のプリート・バラーラ検察官は25日の記者会見でSAC社員たちは「野
放図なインサイダー取引」に関与していたと述べ、同社を「市場詐欺師の巣」と断じた。関係
筋によると、連邦検察当局はSACから約100億ドル(約1兆円)を没収する方針だ
という。バラ
ーラ検察官は、どの程度の金額を求めるか言及を避けたが、今回の訴追が投資家
に及ぼす影響
を連邦検察庁が承知していると述べ、投資家の資金を保護するためSACとともに作
業を進めると
語った。

SACの創始者スティーブン・コーエンは約20年前にSACを立ち上げ、ファンド業界大手に仕立て
上げた。今年初め時点の運用資産は約150億ドル(約1兆5000億円)。25日の訴追に先立ち、証
券取引委員会は先週、コーエン氏が顧客資金を運用するのを生涯禁止するよう求めて民事提訴
している。
コーエンは今回の連邦検察庁による SAC訴追で個人的には刑事訴追されておらず、
不正行為を否定している。SACは25日の声明で、「SACはインサイダー取引を奨励、推進、ない
し容認したことは決してないし、コンプライアンスと管理義務を真摯に履行している」と述べ
た。
また、違法行為を犯したと認めた「一握り」の社員は「過去21年間SACで働いてきた数千人
の社員の誠実さ、公明正大さ」と相容れないと強調した。
検察当局はSACについて、インサイダ
ー取引の兆候に無頓着な会社とし、アナリストやポートフォリオマネジャーが情報上の「エッ
ジ(優位性)」を得るよう奨励され、たとえ不適切に得た情報であっても取引に利用するよう
促されていたと指摘した。
検察当局の訴状によれば、SACは1999年から2010年まで行われていた
違法行為により、何億ドルもの利益を得ていたか、あるいは損失を回避していた。そしてSACは
「複数の業界の何十社にも上る上場企業から」得た内部情報に基づいたトレーディング手法に
関与していたという。

民事提訴では、SACで働いていたポートフォリオマネジャーやアナリスト8人の氏名を公表し、
彼らが内部情報を得て、それを利用して自ら取引するか、あるいはSECの別の人物にその情報を
提供していたとされているが、訴状によると、これら8人が得ていた違法な内部情報はヤフー、
3Com、インテル、マーベル・テクノロジー、リサーチ・イン・モーション(現ブラックベリー
)など株式24銘柄に関する情報だという。

コーエン氏は21年前、自己資金約2000万ドルでSACを立ち上げた。1990年代末のハイテクバブル
の頃までに、SACの資産は 10億ドルを突破し、2008年の金融危機前には160億ドルを突破した。
SACの成功の結果、SACは業界で最高レベルの手数料を課すことが可能になった。関係筋によれ
ば、大半の顧客はSACに対し、SACに投資する資金の3%相当を年間手数料として自動的に支払っ
ている。さらに、SACが運用利益を生み出した場合、その最大50%が上乗せして徴収されるとい
う。SACの取引上の好業績によって、コーエン氏は美術品を収集しており、それは世界最高クラ
スのプライベートコレクションとみられている。同氏はさらに数百万ドルの邸宅を幾つも購入
ている。

 

インサイダー取引は、上場会社または親会社・子会社の役職員や大株主などの会社関係者、情
報受領者(会社関係者から重要事実の伝達を受けた者)が、その会社の株価に重要な影響を与
える「重要事実」を知って、その重要事実が公表される前に、特定有価証券等の売買を行うこ
とをいい、金融商品取引法で規制されている金融商品市場の信頼を損なう代表的な不公正取引。
インサイダー取引を禁止する理由には、主に「投資者保護」「金融商品市場への信頼確保」
目的とされているが、米国では、SEC(証券取引委員会)が、インサイダー取引など株取引で

正がないかどうかを厳重に監視しており、摘発される範囲は日本に比べ一般に広いといわれる反面、
「インサイダー取引による利益獲得の機会は、企業の取締役等にとって効率的な報酬形態であ
り、インサイダー取引を報酬の一部であると捉えれば、会
社への忠実義務違反の問題も生じな
い」として法と経済学論者の一部によって、インサイダー
取引の規制は不要だとの主張も少数
ながらある。ストックオプションやRSUなどで一般従業員でも自社株の取引を行うことが多く、
経理担当者など会社の業績の詳細を知りうる立場にある従業員のインサイダー取引が厳重に規
制されることはもとより、それ以外の従業員でも例えば四半期ごとの決算発表の前後1ヵ月間
は自社株の取引を禁止するなどの規制があり、違反者は解雇に加えて刑事告発する旨を明文化
している企業が多いという。



20年前、付加価値を、余剰価値を高め生みだす具体的な勤労者の変わりにシャシャリ出てきた
金貸し業や賭博の胴元に仕切られ、唆されて痛い経験をしそこから多くのことを学習してきた。

しかしながら、何を学んだのかについては千差万別だろうが、わたし(たち)は儲けのためな
ら何でも良いとい
うような風潮やジニ係数の拡大を放置するような社会と決別したいと思って
この一連の訴訟を看ている。

【ペロブスカイト構造利用技術とは?!】

北海道大学触媒化学研究センターの竹口竜弥准教授らの研究グループは、次世代二次電池の材
料として期待されるエネルギー密度の高い「金属・空気二次電池」に使用する高性能空気触媒
の開発にはじめて成功している。二次電池は電気自動車などで需要が高まっており高性能化に
役立つと期待される。従来技術による金属・空気二次電池では、空気極(空気中の酸素を用い
る正極)の放電・充電反応が遅く、大きなエネルギーロスが生じていた。新たに「ペロブスカ
イト
」という構造を持つ3層の酸化物を開発。空気触媒として用いたところ、エネルギーロス
がほとんど生じないことを確認。金属・空気二次電池は、正極の空気極と負極に金属(金属極)
を用いる電池でエネルギー密度が高いことで知られる。リチウムやアルミニウムなどの金属が
使われている。プラグインハイブリッド電気自動車,電気自動車用電源として,リチウムイオ
ン電池が使われているが,本格的普及に向けて航続距離を延長させるためにはエネルギー密度
の高い次世代二次電池の開発が望まれている。有望な次世代二次電池の一つである金属・空気
電池の理論エネルギー密度は、現在実用化されているリチウムイオン電池の200 Wh/kg をはる
かに凌ぎ,リチウム・空気電池では11,140Wh/kg,アルミニウム・空気電池では8,100 Wh/kg
ほぼガソリンのエネルギー密度に匹敵
する。

従来技術の金属空気電池は、空気極の放電・充電の反応速度が遅く、放電・充電時に大きなエ
ネルギーロスが生じる。この発明は、層状ペロブスカイト酸化物、LaSr3Fe3O10(下図の右)を
開発し、空気極触媒として用いたことで放電・充電反応の性能を、従来の触媒A、Bと比較す
し、放電・充電時にエネルギーロスがほとんどなく、安全で高性能、耐久性が高い二次電池の
実用化できそうだ。開発した層状ペロブスカイト酸化物は、同じような組成の単純ペロブスカ
イトよりも還元しやすいことがわかった。従って、層状ペロブスカイト酸化物内に酸素が存在
し、酸素が容易に出入りできるので、下記の充電・放電反応が促進される。

   充電反応    2H2O+ O2 + 4e- → 4OH- 平衡電位 1.2 V
   放電反応    4OH- → 2H2O+ O2+ 4e- 平衡電位 1.2 V

ところで、ペロブスカイトは、構造と組成の多様性に由来して「機能の宝庫」といわれている
材料群.これらの多様性を最大限に生かした新たな触媒機能の創製も可能であるが,環境やエ
ネルギー関連分野における触媒材料として,貴金属フリーあるいはミニマム化の達成を実現す
るための最適材料であるなど元素戦略の観点から極めて重要で、現状の研究レベルを考慮する
と、材料設計や合成法の高度化により達成できる可能性が極めて高い。一般式ABO3で表される
複合金属酸化物の総称で、その関連化合物も含めると結晶構造の多様性が特徴。さらに、多種
多様のAとBの陽イオンの組み合わせが可能で格子欠陥も容易に導入でき、化学組成の点でも
多様性が高く、このような構造と組成の多様性に由来して機能性の制御が可能であることが、
"機能の宝庫"と言われる所以である。

 

触媒としては、1970 年代初めに電気化学触媒、自動車排ガス浄化触媒として白金触媒に匹敵す
る活性を示すという報告を契機に触媒研究の舞台に登場。1970~1980 年代の研究でペロブスカ
イト触媒の基礎的性質はほぼ解明され、研究は一時期小康状態だったが、1990 年代後半から再
び活発化。その最大の原因は、地球環境問題および貴金属資源問題の顕在化に伴い環境、エネ
ルギー関連触媒としてペロブスカイトが再認識にあり、貴金属ミニマム・フリー化触媒の可能
性を示唆する成果が盛んにでてきている。また、『デトロイト破綻とボーイング787』でも
掲載した、ペロブスカイト増感型太陽電池(high-performance perovskite-sensitized solar cells)へ
の応用展開も現実のものとなりつつあるという盛況ぶりだ。

  

 また、下図の新規考案では、「酸素吸蔵材料12は、0.003g/cc以上の単位体積あた
りの酸素吸蔵量を有するのが好ましく、より好ましくは0.005g/cc以上、さらに好ま
しくは0.01g/cc以上である。酸素吸蔵材料12の好ましい例としては、価数変化する
カチオンを含む酸化物としてパイロクロア型酸化物ダブルペロブスカイト型酸化物ブラウ
ンミラーライト型酸化物
、多孔質金属錯体、ガス吸着剤、及びこれらの任意の組み合わせが挙
げられる。パイロクロア型酸化物の例としては、CeO2、CeO2-ZrO2、ダブルペロ
ブスカイト型酸化物
の例としては、Ba(Sr)FeO3、BaYMn2O5等が挙げられる。
ブラウンミラーライト型酸化物の例としては、Ca2(Al0.5Mn0.5)2O5等が挙
げられる。多孔質金属錯体の例としては、[Zn(TCNQ-TCNQ)bpy](TCNQ:
7,7,8,8-テトラシアノ-p-キノジメタン、bpy:4,4'-ビピリジル)等が挙げ
られる。ガス吸着剤の例としては、多孔質セラミックス、メソポーラスシリカ、アルミナ-シ
リカゲル、ゼオライト等が挙げられる」などとして多様な金属酸化化合物の利用提案がなされ
ているほどだ。

 
特開2013-127908「リチウム空気二次電池」

【符号の説明】

10,30,50,100 リチウム空気電池  12,32,52 酸素吸蔵材料  14,
34,54,114 空気極(正極)  16,36,56,116 負極  18,38,58,
118 セパレータ 20,40,60,120 電解液  22,42,62 容器


 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高速鉄道脱線と白斑症状の深層

2013年07月26日 | 時事書評

 



【スターウォーズ・デザイン:エピソードⅠ】

すべてはデザインで決まる。

砲座のコンセプト・デザイン(上図):一時、女王の船は武装が施され、クワイ=ゴンとオビ
=ワンは砲座に乗り込んで、スターファイター・ドロイドと戦うという設定になったことがあ
ったが、これらは、女王の船は平和の船であるとルーカスが決めた時に取り除かれた。

R2-D2のコンセプト・デザイン(下図):アームが飛び出し、頭部がせりあがってフルに全開
体勢をとるR2-D2の姿をこのように見ることができるのは、ルーカスが今回、R2-D2をもっと
活躍させようと考えたためだ。さらにR2-D2には、障害物を避けて飛べるよう、推進装置も備
えられたという。

 

 

 

【信じられないスペイン高速列車事故】

スペインの高速鉄道で起きた事故は、78人が死亡する大惨事となっている。スピードの出し
過ぎで、カーブを曲がりきれなかったとの見方が出ている。事故の瞬間の映像が、監視カメ
ラに映っていた。スペインのサンティアゴ・デ・コンポステラで、列車が脱線した瞬間の映
像を見ると、高速列車が速度を上げたまま、カーブに入ってきた。2両目が、遠心力でやや
外側に膨らんでいるのがわかる。電線のあたりから火花が散った瞬間、2両目から後ろが側
壁に衝突し、煙を上げながら大きく脱線して、先頭車両が横倒しになった。地元警察は、列
車が制限速度80kmを大幅に超えて走行し、カーブを曲がりきれなかった可能性があるとみて
いる。列車は、カーブに速い速度で進入して脱線し、次々と壁に激突した。日本時間25日午
後11時40分現在、事故車両を運び出す作業が続いている。事故現場のカーブは、制限速度は
時速80kmだったが、地元メディアによると、2人の運転士は、このカーブに時速190kmで進入
していたと話している。何らかの原因で、列車が速度オーバーのまま、カーブに進入したこ
とが原因との見方が強まっている。事故路線は、現場の直前まで直線が続いていて、時速二
百キロメートルほどで走行しているが、現場のカーブで一気に減速する必要があり、高い運
転技術が必要とされる。
このカーブを走行するにあたっては、乗客の中から「車両が不安定
になる」といった声も聞かれていた。
捜査当局は、二人の運転士から事情を聴くとともに、
運行状況を記録したブラックボックスを回収し、人為的ミスがあったのかどうか、慎重に解
析を進めている。


この事故をみていて、あのJR福知山線脱線事故の、温州市鉄道衝突脱線事故の悪夢を思い浮
かべてしまったが、ネット上では運転手が事故のあったカーブ直前の交信で事故が起きたら
自分の責任だととれる言葉を交わしていたという情報
が掲載されていたが、運転手の精神状
態の異常さをも感じさせるものだ。また脱線直前のビデオでは、第二車両目(ディーゼル機
関積載車両→電動と内燃の双方を動力とするため)の重心が浮き脱線が起きたことが記録さ
れている。また、カーブ速度をコントロールする列車自動停止システムがあるものの作動せ
ず、制限速度オーバーで通過しているかの情報を目にすると、安全設計・安全管理・安全教
育の欠陥を想像させるに難くないと思われる。
 

 

 

【女性と化粧品の切っても切れない関係】 

ロドデノールを用いた美白化粧品群が、使用者に深刻な白斑症状を引き起こすことが発覚し、
大規模自主回収という事態になったことは知っていたいが、彼女がある被害ユーザの女性が
美白効果がなかったのに6年間使い続けたのは判断が甘いというふうなこを喋るので、半分
冗談に、どうして白斑症状を引き起こすのかよく分からないが、それほど願望が強いんだか
ら仕方ないんじゃないと応えた。それじゃ、というわけで分かる範囲、出来る範囲でネット
情報を集めるてみた。



ロドデノールを使用した化粧品で、「肌がまだらに白くなった」という訴えがあったため、
7月4日 に大規模自主回収を行うと発表し、使用者に対し、手元に問題の製品がある場合、
使用を中止して送料着払いで送ることを求め、商品代金を返金する、と発表]。自主回収発
表の時点で把握していたのは症状は39例で、美白化粧品8ブランド、54製品、約103万個を自
主回収すると発表。ところが、発表の後、10万人を超える人たちから問い合わせがあり、そ
のうち6808人が肌に関する不安を訴え、また「5センチ以上」「顔に明らかな白斑」などの
重い症状を訴えた使用者が2250人にものぼった。23日には、社長の夏坂真澄が記者会見を行
い、経緯の説明とお詫びの言葉を述べた。白斑症状を訴えている使用者が2250人と大きな数
となったことについてコメントを記者から求められると、社長は「正直驚いている。(白斑
などの症状は、自社製品が原因で起きたものではなく、顧客自身の)病気であるという思い
込み、予断があった」と述べたという(出典:Wikipadia)。なお、夏坂社長は記者会見で
の原因について聞かれ、「正直なところメカニズムがわからない。日焼け止めにも使われて
おり、日光との関係性を研究テーマに考えているが、あくまで仮説。万全の基準でやってい
たと過信していた。全ての自主基準を再点検したい」と応えている(出典:SankeiBiz)。
 

07/09/21 平成19年9月21日薬事・食品衛生審議会化粧品・医薬部外品部会議事録

 

しみ、そばかすは、メラニンの生成と排泄のバランスが崩れ、表皮細胞にメラニンが過剰に
蓄積したものである。これらの
原因は、炎症、ホルモンのバランス、遺伝的要因等、様々である
が紫外線の影響により助長される。増加した色素沈着を緩和するのが美白剤である。このう
ち、皮膚の黒化やしみ、そばかすを防ぎ、本来の白い肌を保つための美白化粧料に応用され
ているものとしては、コウジ酸やアスコルビン酸誘導体等が知られている。しかしながら、
これらは美白効果の程度や製剤中での安定性の面等で問題を残しており、これまでに提案さ
れている美白剤は必ずしも満足に足りるものではなかった。一方、フェノール性水酸基を有
する化合物は、メラニン生成の律速酵素である
チロシナーゼの活性を阻害することが知られてお
り、本構造(下図)を有する数種の化合物が美白剤として提案されている。しかしながら、これらの化
合物についても、そのチロシナーゼ阻害活性は十分でなく、効果の面で課題を残している現状があ
る。

 

※ 既存の美白剤に比して優れた効果を有し安全性にも優れたメラニン生成抑制剤とされる。

関連特許とし前述資料掲載してみたが、ここでの安全性確認試験は、「皮膚刺激反応及び皮膚感作
反応を認められず」の結果の一文のみ記載されているのみで、今夜の作業ではなんとも言えないが
メラミン生成抑制剤を含む(美肌)化粧品の安全性評価試験の追加の法整備がなされるだろうと考
える。 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サニーサイドパンツで夢を

2013年07月25日 | 現代歌謡

 
【NEVER STOP CHANGING】

 

 

 

サザンオールスターズはこの作品まで5年間、メンバーソロ活動を主体とした活動を行い、
バンドとしての活動は、一切行わず、特にリーダーの桑田佳祐は大規模なツアーやソロオー
ルタイムベストの発売など活発な活動を行い、2013年に入った時点でもバンド活動に関する
言及は一切無い状態が続いたが、6月25日に公式サイトや新聞広告、マスコミ等の報道を通
じ活動再開を正式に表明、54枚目シングル「ピースとハイライト」の発売及びスタジアム・
ツアー『灼熱のマンピー!! G☆スポット解禁!!』の概要が発表。フォルクスワーゲンによる
CMも解禁され健在振りをアピール。7月10日には、新曲「栄光の男」の演奏シーンを公開。
このシーンは三井住友銀行の企業CMとして6月中旬に撮影されたもので、復活後にメンバー
全員が揃って演奏する姿はこれが初めてだという。12日には、8月7日にリリースするシン
グル「ピースとハイライト」のカップリング「蛍」が、映画「永遠の0」の主題歌に起用さ
れている。この他「ピースとハイライト」には原由子がボーカルを務める「人生の散歩道」
がカップリングされている。

ところで、今回歌謡曲でも、桑田節は顕在!?“Never stop changing”頂きました。

 

 

【半導体ナノ結晶太陽電池への夢】 

ドグ・ホリデイの忘れ物』での掲載した、太陽電池に適した低コストで毒性が少ない半導
体ナノ結晶の合成に成功ニュースの続き。この発明の前段に「特開2008-287900 光電変換素
子及びその製造方法、並びにその素子を用いた太陽電池」をまず俯瞰してみた。
この発明の
光電変換素子は、光吸収に伴って量子ドット内で生じた励起電子は、多孔質膜中のn型半導
体内部に送り込まれる→多孔質膜と同じく金属酸化物n型半導体からなるバリア膜を励起電
子がバリア膜を速やかに通過→透明導電膜に至る→透明導電膜から外部回路を通って対極に
到着した電子が、電解液を介して量子ドットに速やかに戻る→電解液が直接透明導電膜に触
れることなく非晶質のバリア膜で隔離され→透明導電膜から電解液への電子移動(電流の漏
れ)が阻止される。
バリア膜となる半導体と多孔質膜の半導体が酸化チタンは、抗菌などの
光触媒機能を有し、無害で化学的に安定で両者間に異種の化合物が形成を回避できる。




電解液は標準速度定数1×10-1cm/s以上の無機系電解質の水溶液が好ましく、また、無機系
電解質としては、耐光性に優れ、例えばフェリシアン化カリウム/フェロシアン化カリウム

などのフェリシアン化物イオンやフェロシアン化物イオンを含むものが挙げられる。バリア
膜は厚すぎると直列抵抗が増すためバリア膜は1~5nmの分子レベル厚さが、また、多孔質
膜は電解液を保持するためのバリア膜よりも大きい厚さが好ましい。

製造方法は、(1)金属化合物を加水分解させることにより透明導電膜上に非晶質金属酸化
物n型半導体のバリア膜を形成する工程(2)バリア膜上に結晶性金属酸化物n型半導体の
粒子群からなる多孔質膜を形成する工程(3)バリア膜及び多孔質膜を焼成する工程(4)
多孔質膜に量子ドットを担持させる工程(5)多孔質膜に電解液を浸透させる工程からなる。

なお、金属化合物加水分解で非晶質金属酸化物を容易に形成する。金属のビス(アセチルア
セトナト)ジイソプロポキシドが好ましい。

【実施例】

電解液として、Na2X/Na2S水溶液(濃度0.05M/0.1/0.1M)、I3-/I-水溶液(濃
度0.05M/0.7M)、及びFe(CN)63-/Fe(CN)64-水溶液(濃度 0.1M/0.1M)を
準備。フッ素ドープSnO2で透明導電膜のガラス基板を洗浄した。別途、ビス(アセチルア
セトナト)ジイソプロポキシドチタンの0.5M濃度2-プロパノール溶液を調製した。透明導
電膜上に2-プロパノール溶液を噴霧し、450℃で焼き付け、厚さ数 nm程度のバリア膜を形
成。
電解液にガラス基板を浸し、透明導電膜と電解液との間の並列抵抗αを測定。また、バ
リア膜のないガラス基板についても同様に並列抵抗βを測定。並列抵抗αと並列抵抗βの値
に基
づき、漏れ電流減少率を算出(下図参照)。この図から、標準速度定数が1×10-1cm/s
に満たないヨウ化物イオンや多硫化物イオンの場合は、バリア膜の形成前後で抵抗値は変わ
らなかったことがわかる。これに対して、速度定数が1×10-1cm/s以上のフェロシアン化物
イオン/フェリシアン化物イオンの場合は、バリア膜形成後に並列抵抗値が著しく上昇。こ
れにより電流を抑制できることが判った。


 

電解液としてのK3[Fe(CN)6]/K4[Fe(CN)6]水溶液(濃度0.1M/0.1M)、枠
状のPET製スペーサ及び白金薄膜をスパッタした対極を準備した。そして、酸化チタン電
極のTiO2印刷面にスペーサを置き、電解液を酸化チタン電極に浸透させ、その上に対極を
重ね合わせ、クリップで固定することにより、太陽電池を製造した。対照のために、バリア
膜を形成していないこと以外は前記太陽電池と同一条件で別の太陽電池を製造。
これらの太陽
電池を分光計器株式会社製のXeランプ面内均一光照射装置を用いて波長450nmの光を照射
し、電流電圧特性及びIPCEを測定。実線がバリア膜有り、点線がバリア膜無しの結果である。図に
見られるように、バリア膜を形成することにより、電流電圧特性が著しく向上し、IPCE
が最高で43%
に達した(下図)。

 

これに対し、電解液をNa2X/Na2S水溶液(濃度0.05M/0.M)に変えて同一条件でバリ
膜有り及びバリア膜無しの二つの太陽電池を製造。これらの太陽電池について実施例1と
様に電流電圧特性及びIPCEを測定。電流電圧特性及びIPCEともにバリア膜の有無
依存しないことがわかる(下図)。

さらに、Cd(ClO42水溶液に酸化チタン膜付き基板を浸した後、Na2S水溶液に浸す
操作回数を前述の3倍にした以外同一条件で太陽電池を製造して評価したところ光電変換効
率が1%、実線が照射時、点線が暗時の特性である。下図よりフィルファクタを求めると、
0.6という高い値を示し、IPCEは最高で56%に達した。
 

以上の新規提案を踏まえ、橘泰宏らは、2種類の元素の半導体と比較して3種類の元素を用
いた半導体ナノ結晶(半導体の結晶であり、ナノメートル(nm)サイズの粒子のもの。その大
きさは、直径2~20ナノメートル程度のものを指す。特に、電荷が量子的に3次元で閉じ込
められている粒子を量子ドットと呼ぶ。蛍光量子収率が高いCdSe(セレン化カドミウム)
から成る半導体ナノ結晶は、その結晶サイズを変化させることにより、発光波長を制御する
ことができるため、新しい発光材料として期待されている)の合成では元素を1つ増えるた
め条件因子が大幅に増え、半導体形成が
難しいところ、反応前駆体の種類・濃度、反応温度
並びに結晶核生成・成長条件などを検討
した結果、銅・アンチモン・硫黄を含む半導体で、
「安四面銅鉱(Cu12Sb4S13)」と
ファマチナ鉱(Cu3SbS4)」と呼ばれる異なる
結晶構造を持つナノ結晶を、サイズを制
御しながら作ることに成功。

硫黄の割合が小さい安四面銅鉱は、硫黄を含む反応前駆体の濃
度を薄くし生成すること、反
応温度の微妙な調整で単一の構造のナノ結晶を選択的に合成で
きることを発見。そして、安
四面銅鉱ナノ結晶は、コロイド溶液の状態では黒茶色を呈し、前述新規考案では、光吸収が
短波長領域に偏っているが、この化合物では広波長領域の光吸が可能であり太陽電池の光
吸収材として適す。一方、反応温度などの因子の制御で、ナノ結晶の
サイズを自由に選択
きるほか、このナノ結晶コロイドを塗布法で薄膜作製可能で、
安定に光電流が得られる。今回
の研究結果から、銅・アンチモン・硫黄を含む半導体ナノ結晶は、太陽電池材料に向いており、安価・
低毒性の無機半導体コロイドを簡易溶液プロセスでデバイス作製応用の道を切り開いた。

なお、内田 聡 東大特任教授によれば「Solar cell efficiency tables (version 42)」でペロブスカ
イトで 14.1% の記録
は新たに「Perovskite (thin-film)」として分類し直された模様だとかで、
色素増感太陽電池の認証最高効率は従来通りシャープ 11.9% と収まった模様。

 

  

サザンの54枚目シングルのカップリング曲「蛍」について桑田佳祐は次のようにコメントし
ている。「家族のために必ず生きて帰る。それこそが愛ではないか。そう信じ、待っている
人がいることそのものが生きる力となり、生きる原動力となっている。現代を生きる私たち
にも通ずる、そんな主人公宮部久蔵の姿に非常に大きな感動をいただきました。
この映画の
中に流れている平和への祈りのようなメッセージを、私なりに音楽という形を通じて、多く
の方々に伝わっていくためのお手伝いが、少しでも出来ればと思っております。そして、こ
の映画が大成功されることを心よりお祈り申し上げます」と。

今夜は、サニーサイドパンツ姿で夢を追い求めて“Never stop changing”ではじまり、「宮
部久蔵の辞世の詩」を聴き、泪、泪、あぁ~泪!でお後はよろしいようで。^^; 
 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドグ・ホリデイの忘れ物

2013年07月24日 | ネオコンバーテック

 

 

 


『ワイアット・アープ』(原題: Wyatt Earp)-ローレンス・カスダン監督、製作、脚本
による1994年のアメリカ合衆国の映画。西部開拓時代の保安官であるワイアット・アープ
を主人公とした伝記、西部劇映画で、製作も兼任したケビン・コスナーがアープを演じる
-でデニス・クエイド扮するドグ・ホリデイが生死の分かれ目は偶然に過ぎず意味のない
ことだから気がつけばあの世たらに行っているかもしれないと語り「朝、目を覚ますと死
神が顔を覗いている」と吐露し、アープの妻の自殺未遂のごとごとゴタゴタに疲れ果てて
いる彼を慰めるかのようにシニカルな死生観を披露するシーンが印象として残った。映画
そのものは、西部開拓史に登場する数多くの人物と、それぞれの人物が出来きるだけ史実
に忠実に描かれていて、現代米国の深刻な銃社会の精神構造の根深さを再確認できる作品
だ。



話はドグ・ホリデイの台詞のところに戻るが、朝、目を覚ましたら死神が覗き込んでいた
のではなく、「ネオコンバーテック」ブログテーマに掲げているにも関わらずスッポリと
説明というか概念考察や研究が抜けていたことに気付きこれは直ぐさま行動しなければと
思い至る。なぜ、そう考えたか?これも単なる偶然なのだが。そこで「NEOCONVERTEC
H 創業論」というファイルホルダを新設し考察と掲載を開始する(下図はその二つのアイ
コンと概念アニメ)。



なお、コンバーテックは、フィルム・シート(原反、機能性付与タイプ、多層化タイプな
ど)、金属箔、紙・板紙、機能紙、不職布、合成紙、繊維、鋼板、炭素繊維複合シート、
薄膜ガラス、セラミックシート、発泡シートなどのウェブ・シートをベースとする多彩な
要素技術を組み合わせた「集積技術」である表面加工技術(コンバーティング・テクノロ
ジー)のこと。主な産業領域は、「コーティング」「ラミネーティング」「プリンティン
グ」「切る・抜く・巻く」などを駆使したモノ作りであり、コーティング、ラミネーティ
ング、プリンティング(特殊印刷、微細パターン印刷が対象)、スリッティングとして包
装、接着、印刷、ラベル、プラスチック、紙、不織布、繊維、ディスプレイ、医療、バイ
オ、半導体、電子、化学、自動車、建築、機械など広範にまたがる。
これに対し、ネオコ
ンバーテック(ネオコンバーティングテクノロジー)は、1973年に月刊「紙とプラスチッ
ク」を創刊した加工技術研究会が定義した「コンバーテック」を踏まえ、その後、誕生し
たデジタル情報産業革命を担う半導体製造技術と、バイオミミックリを合い言葉に象徴さ
れる21世紀の物理学を担うバイオテクノロジーあるいはナノ・テクノロジーとを融合した
新しい表面加工技術産業のコア産業技術を「ネオコンバテック」と定義した環境工学研究
所 WEEF(ウィーフ)が2008年にはじめて、新事業技術領域として提唱した。

 

その作業も大事なのだが、 大阪大学産業科学研究所の田川精一教授らの研究グループは最先
端の半導体デバイス製造のスループット(1時間あたりの半導体ウエハーの処理枚数)を
10倍以上向上させる技術を開発というニュースと、オーストラリア・ロイヤルメルボルン
工科大学(RMIT)の橘泰宏上級准教授らは太陽電池に適した低コストで毒性が少ない
半導体ナノ結晶の合成に成功というニュースが舞い込みその確認に手を取られるととなる。

 

後者のニュースは、量子ドット型太陽電池の高性能化・廉価化に関連し、溶液中における
化学反応を利用して合成されるコロイド状半導体ナノ結晶は、塗布型印刷プロセスを用い
た安価
な次世代太陽電池の材料として注目を浴びているが、現在利用されている化学(溶
液)プロセスで
合成されたコロイドナノ結晶の主な種類は、カドミウムや鉛など毒性の高
い元素を含む半導体に限られていました。欧州連合(EU)内では、カドミウムや鉛など
の有害な化学物質を含む家電製品類の製造、販売が禁止されおり、低価格かつ低毒性の半

導体ナノ結晶の開発が望まれていた。今回、安価で低毒性の元素として銅・アンチモンを
選択し、
硫黄を組み合わせた3つの元素から成る半導体ナノ結晶の作り分けに成功。さら
に、得られたナノ結晶を用いて、塗布法により薄膜を簡単に作製可能であることが分かり、
薄膜から安定的に光電流が生じることを確認したという。
この発見で、安価で低毒性元素を
利用した、溶液塗布プロセスで作製される太陽電池に適した新材料を開拓。現在、塗布型太陽電
池の作製に取り組んでおり、数年以内の実証実験を経て、実用化を目指し、このコロイドナノ結晶
合成法は、ほかの金属元素にも応用可能であるため、将来的には今回のものと異なる有用な元
素を用いて、太陽電池以外にも使用可能な半導体ナノ結晶の開発にも広く貢献することが期待さ
れるという。

 

特開2008-287900 光電変換素子及びその製造方法、並びにその素子を用いた太陽電池

 

さて、前者のニュースは次世代の最先端の半導体デバイスの製造のためのリソグラフィ技
術の本命として開発が進められている1台百億円と言われる極端紫外線(Extreme Ultra
 Violet
:EUV)リソグラフィの露光装置では、露光光源のパワーが低いため、スループ
ットが目標の10分の1程度と低いことが最大の課題だった。現在、世界中のレジストメー
カーが開発の指針としている標準的な反応理論に基づいたレジストの高感度化は、ほぼ限
界に近づいており、10分の1程度と低い露光パワーでは目標のスループットに到達できな
い。露光プロセスと感光性樹脂(レジスト)の両方を同時に根本的に変革し、従来の反応
理論に縛られない、10分の1程度の低いパワーのEUV露光でもレジストの反応性を高め
て目標のスループットに到達できる新しい技術体系だという。従来のEUV露光プロセスでは、1回
のEUV露光によってレジスト中に酸が発生することにより反応が進む。本技術では、(1)微細パ
ターンを形成するEUV露光と(2)高感度化のための光全面露光の2回の露光を行うこと
により微細パターンを高感度で形成する。

つまりは、最初のEUV露光で酸と同時に光増感剤をレジスト中に発生させ、2回目の光
全面露光では1回目のEUV露光で生成した光増感剤のみが光を吸収する波長の光全面露
光を行うことにより、1回目のEUV露光を行った部分のみに再び酸と増感剤を発生させ
る。このEUV露光部の選択的増感反応により10倍以上の酸増殖ができ、少ないEUV露
光量でも反応に必要な十分の量の酸を発生させることができる
。この酸増殖反応は室温で
起こるので、酸増殖時に酸の拡散がないので解像度を維持したままレジストの大幅な高感
度化が可能
になる。

 

特開2013-127975 極端紫外光源装置 ギガフォトン株式会社

さて、これら2つの研究成果は、いずれも「ネオコンバーテック創業論」の事業対象その
もとなる。付加価値の高い、骨太の事業開発・プロジェクトを欲するひとには、ドグ・ホ
リデイが教えてくれた「忘れ物」は世界をやがて席捲する
 ニュー・ビジネス、ニュー・プロジ
ェクトに大化けする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニュートリノと山本太郎の振動

2013年07月22日 | 環境工学システム論

 

 


昨夜のテレビ番組は選挙結果速報で選択がなかったので、眼精疲労回復の時間つぶしに使えず、
その分、マイピーシーでゲームで余計に悪くさせてしまい自業自得。肝心の選挙といえば、息子
は投票しなかったと冷淡な反応。こちらは予測通りで番狂わせは起きなかったが、東京で無所
属で山本太郎が当選したことが一服の清涼感をもたらしたが、自公圧勝は、革新的な経済政策へ
の期待によるが、この政権の弱点はすでに見透かされている。

核エネルギーの解放は人類の永遠の科学テーマだけれど、人類が初めて作り出した人工核種プル
トニウムの取り扱いが決まらないで問題となっている。しかし、人類はそれでもまた違った問題
を発見する。高エネルギー加速器研究機構(茨城県)や京都大、東京大など11カ国の国際研究
チームは19日に、素粒子のニュートリノが「ミュー型」から「電子型」に変化する現象を世界で
初めて発見する。ニュートリノは電子型、ミュー型、タウ型の3種類があり、互いに別の型に変
化し続けるが、ミュー型から電子型への変化は、実験で確認可能な変化のパターン4通りの中で
唯一確認されていなかった。2011年に国際チームが発見の兆候をとらえ、12年に中国などのチー
ムも間接的な方法で確認したと発表するなど研究が続いてきた。この変化は「ニュートリノ振動」
と呼ばれ、観測が難しく未確認だった最後の1通りの変化を実験で確認になる。宇宙の誕生で決
定的な役割を果たしたとされる物理現象「CP対称性の破れ」→粒子と反粒子はぶつかれば消滅
しエネルギーになるが(対消滅)、現在の宇宙が粒子だけで構成されるには、高温の宇宙初期に
おいて粒子と反粒子の数に差がなくてはならず、「CP対称性の破れ」が起きていたと慨然して
いるが、その現象を自然に説明する理論はまだない。小林・益川両博士が提案した6元模型は「
CP対称性の破れ」を説明するとされ、何故この宇宙が物質だけでできている根元的な問題と密
接な関係-を解明する鍵となる成果だといわれている。

国際チームは、大強度陽子加速器施設(同県東海村、5月の放射能漏れ事故で停止中)で大量の
ミュー型を作り、約三百キロ離れた東大の観測装置「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)
へ向け発射。旧神岡鉱山の地下水槽(直径、高さ各40メートル)で、ニュートリノが水中を通
ることで出るかすかな光(チェレンコフ光)を検出し、到着までに電子型に変化した割合を調べ
た。実験は東日本大震災で施設被災で一時中断していた、10年1月から今年4月の間に神岡で、
532個のニュートリノを検出し、うち28個が電子型で、日本列島の地下を横断するうちに電子型
に変化したものを99.999%以上の確率で他起源のものと見分けることができ、学問的に「発見」
と認定された。同機構の小林隆教授は「最後まで未解明だったニュートリノ振動が明らかになり
『CP対称性の破れ』探索の可能性が開けたと話し、さらに10倍ほど実験データを蓄積し精度を
高めたい」と話したという。それにしても、光速超えが実際に確認され、それをコントロール出
来る世界から、今回の選挙をのぞくとどんな感じになるのか?余裕ができればまた考えてみよう!

 

【宇宙太陽光利用システムとグリーンフロート】

そういったことで退屈もあり、昨夜の「夢の扉」の放送の自分なり肉付け-宇宙太陽光利用シス
テム(SSPS)を「オールソーラシステム構想」と提唱する自身のプロジェクトの上層構想として
位置づけ、この番組で紹介されている清水建設の大型プロジェクト、2025年に赤道直下に環境ア

イランドを浮かべる『グリーン・フロート構想』を下層構想と位置づけ-その現状と課題の俯瞰
してみた。ここでも宇宙航空研究開発機構など日本がトップランナーなのだが、プロジェクトが
大規模なため資金調達も含め国際協働が欠かせないという。放送では、水没の危機が迫る太平洋
の島国、キリバス共和国のアノテ・トン大統領はこの構想を期待を寄せる。大統領に直接説明す
るため、片道丸二日をかけグリーンフロートプロジェクトリーダー竹内真幸(55歳はキリバスを
訪れている。また、巨大なタワーの構造材に、海水から抽出したマグネシウムを使い、エネルギ
ーは、宇宙太陽光発電などを利用。そして、タワー下層部に植物工場を設置し食糧を自給自足す
るという『植物のような都市』を建設する。竹内は無理に説得するのではなく、夢を語り続け、
周囲が『共鳴』していくのを待った。共鳴者を増やし、最先端の研究や技術を結集することで、
プロジェクトは夢ではなく、実現に向け少し着実に進めていくという内容だ。

 

 

  

このグリーンプロジェクトとオールソーラーシステムがどこかでクロスするのか分からないが、この力強い
エネルギーの存在を知り得たこと、また、今回の選挙でまた山本太郎を知り得たことは、大袈裟なもの言
いだが大きな励みなる。 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サニーサイドパンツなガスタービン

2013年07月20日 | 医療健康術

 

 

朝から滋賀県竜王町にある三井アウトレット・パーク(『被災と環境と休息』)のモンベルでトレ
ッキング補充品を調達に出かける。片道の所要時間40分。ただし、国道八号線経由。車中は久し
ぶりの国道ロードということで沿道の変化を確認しながああだ、こおだと言いながら目的地へ。拡
張新設エリアから入るが、似たような店舗展開で記憶が混同し目眩を覚える。パークナビゲータの
若い女性が説明してくれるのだが、それを断り記憶のみでモンベルを探し出す。店内はトレッキン
グブームで盛況で目的の商品を試着購入(下図)し、ランチは摂らずに戻ってくる。途中、彼女が
熊が人間の肉の味を覚え凶暴している話をしてくれたので、カラスや人間の学習能力や進化の話題
となる。昼食は眼精疲労対策もあり徳兵衛でトロを食べに立ち寄るが、当たりが好かったのか、格
別に美味しく感じ、はじめての経験だと話したが妙な感じがした。
 

     

 

ところで、ここ一ヶ月右肩に痛みが取れないでいるが、六十肩というのはあるのかネットで下調べ
たところ、四十肩も五十肩も正式病名でなく、いずれも病名は肩関節周囲炎という。肩関節周囲
炎は
繰り返す事があり、早く治療するのがこつとかで、痛みを我慢していて、関節が硬くなると治
療に時
間がかかり、整形外科で治療した方がいいとのことだが当面静観することに。ところで、加
齢による
筋肉の減少(サルコペニア=加齢性筋肉減弱症)が原因で起こる肥満症が話題となっている。
筋肉の減少と共に脂肪を燃焼させる力が低下したことで、脂肪が蓄積しやすい体質となり、肥満が
進行する。糖尿病や高血圧などの生活習慣病になるリスクが高まるほか、要介護や寝たきりの原因
にもなる。対策としては、筋力トレーニングとたんぱく質を多く含む食品の摂取により、筋肉量を
増やすことが求められるという。というのもジムの鏡で脇腹の贅肉落としの必要性を痛感する。

 

そこで食事では、筋肉を作るのに欠かせないBCAA。BCAAとは、バリン、ロイシン、イソロ
イシンという3つ
の必須アミノ酸をまとめた呼び名で、体の中に入ると筋肉を作ったり修復する。
そのBCAAを豊富に含む食材は、まぐろやかつおなど赤身の魚、レバーなど赤身の肉、大豆製品、
牛乳など。またBCAAを効率良くとるためには、ビタミンB群が必要です。ビタミンB群を豊富

に含む食材は、ごま、きなこ、豚ヒレ肉、玄米など。牛乳、きなこ、すりごま、はちみつを合わせ
たもの、B
CAAとビタミンB群を豊富に含んでいるという。運動メニューは、スクワット、も
も上げ、つま先立ちのSMTが良いとか。スクワット、ローイング、水泳、サウナのSRSSを実
践しているいまはこれも静観することに。

ところで、名古屋大大学院の浅井真人特任講師(腫瘍病理学)らの研究グループが、マウスの実験
から、肥
満を防ぐ遺伝子「MRAP2」を新たに見つけたと、19日付の米科学誌サイエンスに発表。
この遺伝子の欠損したマウスの中には、正常なマウスと比べて体重が約2倍になる個体もいた。M
RAP2はヒトにも存在し、浅井特任講師は「摂取カロリーが同じでも、遺伝子の違いで体重が異
なることがあると分かった。今後、遺伝子面から肥満の解明がさらに進む可能性がある」としてい
るが、ここでも古典的な見解がまたひとつ崩れる。「お腹が減れば、満足するまで食べる」という
単純な行動の裏には、未解析な複雑なプロセスがあるようだ。
 

【14歳からの生物工学入門】

身の回りに急速にバイオ(生物工学、バイオテクノロジー)という言葉が広く浸潤している。例えば、
食品、地球環境、医薬、化粧品、エネルギー、資源など。バイオテクノロジー、バイオインフォマ
ティクス、バイオエタノール、バイオ医薬品など、バイオから始まる言葉も多く、バイオなしには、
語れないかもしれない。遺伝子工学や発生工学、再生医療などの分野の研究が急速に進展し、バイ
オテクノロジーに、改めて大きな期待が寄せられていることのあらわれだろう。バイオと言うと、
物理や化学と
比較し、何となく少し柔らかく感じ、なじみやすいようだが、教科書をじっくりとひ
も解いてみると意外と難しく、あるいは、なんとなく面倒くさいと感じることも多いのではないだ
ろうか。そういうときに
本書はうってつけだろう。最近話題になっているバイオをバイオテクノロ
ジーの基本から最先端の研究、こ
れから発展しそうなことまで、わかりやすく紹介していくれる。
とても読みやすく、難しいことも簡単に理解できるように工夫されている。もちろん、どこから読
んでも楽しい。
本書は、「14歳からの生物工学入門」と副題にあるように、バイオに興味を持ちはじ
めた中高生から大
人まで広範な読者層の疑問に答えてくれるだろう。 

【超臨界圧二酸化炭素ガスタービン】

国内の研究機関や電機メーカーが発電設備から排出された二酸化炭素を、超臨界状態まで温度・圧
力を高め発電に再利用する「CO2ガスタービン」の開発に力を注いでいる。エネルギー総合工学
研究所が
数年後に出力数百キロワットの試作機を開発し、将来的には1千キロワット機で商用化する。また、
東芝は米国の電力会社と共同でCO2もタービン駆動に活用する世界初の25万キロワット級天然ガス火力
ラントを2017年頃に投入する計画だという。オールバイオマスシステム系のバイオマスの燃焼ガ
スとする有力なガスタービンと考えられる。

従来型の発電システムや、単なる超臨界圧CO2ガスタービンサイクルよりもさらに発電効率が高
い発電と熱電可変型の発電システムを併用し、コンパクトで発電効率が高い発電システムを開発と
いうもので、LNG等を燃料とするガスタービンの排ガスダクト内に、その上流側から順に、排ガ
スの熱回収を行う煙道CO2加熱部と蒸気発生器を配置し、煙道CO2加熱部が超臨界圧CO2ガ
スタービンサイクルのCO2加熱器として使用、蒸気発生器で発生した蒸気が従来型ガスタービン
内に注入されるのが特徴だ。複合発電システムの概念図を図9のケース3に示す。LNG等を燃料
とする従来型ガスタービンはコンバスタで燃料を燃焼させることで発生した高温・高圧のガスでタ
ービンを回転させ、発電機を回して電力を外部に送ると共に、自らのコンプレッサを回転させて燃
焼用空気を昇圧。この従来型ガスタービンのタービンの排ガスを煙突に導く排ガスダクト内に煙道
CO2加熱部と蒸気発生器を設ける。両者はいずれもタービンからの排ガスの熱回収を行い煙突か
ら排出される排ガスの温度を下げて、システムの効率を向上させる。この煙道CO2加熱部は図7
に示す超臨界圧CO2ガスタービンサイクルのCO2加熱器に相当し再生熱交換器から出たCO2
を超臨界圧CO2ガスタービンの所定の入口温度まで過熱する一方、蒸気発生器で発生した蒸気は、
ガスタービンに注入されて発電に寄与。この構成により、従来型ガスタービンの排熱を有効に回収
し、その一部を超臨界圧CO2ガスタービンサイクルの加熱源として有効活用すると共に、回収し
た残りで蒸気を発生させ、その蒸気をガスタービンに注入して、発電出力を増大させ、かつ、熱効
率を向上させる。一万kWe級の既存のガスタービンをベースに、他の発電システムとの間で出力
と発電効率を比較(本件の複合発電システム(ケース3)の他に、従来型ガスタービンと蒸気ター
ビンの複合発電システム(ケース1)、超臨界圧CO2ガスタービンと従来型ガスタービンの複合
発電システム(蒸気発生器を有しないもの)(ケース2)、蒸気注入サイクル(ケース4))。

 

上図のごとく、CO2ガスタービンサイクルは1,000kWeから10万kWeの発電領域で従来のガス
エンジンや蒸気タービンサイクルに比べて高い発電効率が得られる
。また、CO2ガスタービンは
一般のガスタービンやガスエンジンとは異なり、完全な閉サイクルであって、サイクルへの熱の供
給は熱交換器壁を介して行う外熱式であるから、バイオマスの燃焼ガスや高炉ガスなどの粒状物を
含む、いわゆる、ダーティなガスも熱源として利用できるという利点があるので、将来この発電領
域での普及が期待されている。
 

特開2013-108491「ソーラーガスタービン」

上図はタワー型集光型太陽光発電システム。集光装置がビームダウン型で、受熱部とガスタービン
の両方とも地上位置にあるため、受熱部からガスタービンまでの高温圧縮空気の導入経路が短く、
熱損失が小さい。また発電のために水を必要としないため、水が貴重な砂漠地域等において有用で
ある。更に空気だけでタービンを回すため、二酸化炭素の排出を完全に抑制することができる既存
の方式よりも熱損失の小さいことを特徴としたソーラーガスタービンシステム。 
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

デトロイト破綻とボーイング787

2013年07月19日 | 時事書評

 



 

英国ロンドンのヒースロー国際空港で12日起きたエチオピア航空の米ボーイング社製787型機の出火で、
英国の航空事故調査当局は18日までに、緊急事態用無線機が原因の可能性があるとして調べていることを
明らかにした。この無線機は米企業ハネウェルの製造で、同社も調査に加わっている。無線機は独自のバ
ッテリーを使用し、墜落などの非常事態に遭遇した際、機体の位置を知らせる機能を持つ(マンガンリチ
ウム電池を使用)。さらに今日、米北東部ボストン発成田行きの日本航空ボーイング787型機が18日午
後(日本時間19日未明)、離陸後にボストンのローガン国際空港に引き返している。操縦室内で燃料ポン
プの不具合に関する表示が出たためで、離陸から約5時間後の同日夕(日本時間同日朝)、同空港に着陸。
同航空はUターンについて、「機長の判断で予防的な措置を講じた」と説明している。同機には乗客184人、
乗員12人が搭乗。787型機を巡っては今年1月、ボストンの同空港で駐機中の日航機から出火するなど、
バッテリー関連のトラブルが相次いだため、世界中で運航が一時停止された。日航と全日本空輸は6月1
日、同型機の定期便の運航を再開したばかりだが、これまでの経緯を看ていると、ボーイング社の管理体
制に不安を感じさせる。

ところで、マンガンリチウム電池といえば、10日に東北大学原始分子材料科学高等研究機構(AIMR)が 材料

由来の欠損メカニズムを解明したというニュースのごとく、不安定要因が発生しやすいものだということ
を学んだば
かりだが、それではということで、その技術的対策についてネットで下調べしてみる。安全性
を実現するには、(1)電解質に、大気安定性やリチウム金属に安定な無機固体電解質を用い、有機電解
液などの液体やポリマー材料を含まない全固体型のリチウム-空気電池へ代替する。(2)非水溶媒をフ
ッ素原子含有芳香族化合物と環状ジエーテルとを含有する非水電解質にすることで、高温環境下での保存
時と充放電サイクル時にガス発生を抑え、低温充電状態の安全性の優れたものに改良する。(3)多孔質
膜の粒子と樹脂材料を含有した基材とし、表面平均粗さSaが1.0μm以上4.0μm以下の凹凸形状にした
非水電解質電池用セパレータを用いる(表面層の3.57N/cm2荷重時の厚さをA、4000N/cm2荷重時の潰れ量
をBとした場合にB/Aで示される圧縮率が0.4以上)。(4)厚みが5μm以上250μm以下の高分子フ
ィルムを2400℃以上で熱処理したグラファイトフィルム(密度が、0.7g/cm3以上1.68g/cm3以下)を用

いる。(5)シアノメタンスルホナート系アニオンのイオン液体と電解質塩を用いた導電率に優れ、安全
性に優れたイオン液体を使用する。(6)(a)不織布の平均見掛け密度が0.05~1.0g/cm3(b)不織布
の平均空隙径が0.5~10μm、最大空隙径が50μm以下(c)繊維太径部・塊部量が不織布中の10%以下の
極細径繊維フィルタを用いるなど新規の提案がされている。

 特開2013-137868 

このうち(1)の特開2013-137868 「無機固体電解質を用いた液体およびポリマーフリーのリチウム-空
気電池」、独立行政法人産業技術総合研究所は、有機材料を使わない全固体型のリチウム-空気電池とし
て、2012年11月5日公表されたもで、電解質として無機固体電解質を用いて、有機電解液等を使わない、
安全性の高いリチウム-空気電池を設計・構築し、常温・空気中での作動を確認した。また、電解液に比
べて安定な固体電解質を用いることによって、充電時と放電時の電圧差を小さくできた。この新型リチウ
ム-空気電池は、高い安全性と高エネルギー密度を両立できるため、電気自動車用の大型蓄電池への応用
が期待されている。ということで、ここでも経営者や政府がへまをやらなければ、オール・ジャパンがこ
の分野でも断トツのトップランナーだという確信をもったわけだ。

 



もうひとつ米国からのニュース。
自動車産業を象徴する大都市、中西部のデトロイト市が資金繰りに行き
詰まり財政破綻した。
最大手の自動車メーカーGM=ゼネラル・モーターズが本社を構え米国の自動車産
業を象徴する大都市だが、
地元の経済を支えてきた自動車産業が長期にわたって衰退し、治安も悪化した
ことから人口の流出が続き、デトロイト市は税収が大きく落ち込んで慢性的な財政難に陥っていたという。

こうした状況を受けてデトロイト市当局は18日、自力での財政再建を断念、裁判所に連邦破産法9条の適
用を申請。
負債総額は180億ドル(日本円にして1兆8千億円)超、アメリカの自治体の財政破綻としては
史上最大。米国は
これまでに6百以上の自治体が連邦破産法9条の適用を申請しているという。昨年は、
南部アラバマ州にある人口70万人のジェファーソン郡が、下水道処理施設の改修工事費が大幅に膨らみ、
日本円で4100億円余りの負債を抱えて財政破綻。
西部カリフォルニア州にある人口30万人のストックト
ン市が、リーマンショックのあと、住宅市場の低迷などで税収が大幅に減ったため、日本円で550億円の負
債を抱え財政破綻した。これは日本でいえば豊田市・愛知県の破綻ということになるが、映画産業と並び
称される立国産業である自動車産業の凋落の象徴でもあり、ボーイング787の相次ぐ航空機事故と、も
のづくり産業の根幹にかかわるニュースが相次いだのだが、「人の振りみてわが振り直せ」ということも
ある。
 

【スターウォーズデザイン:エピソードⅠ】

すべてはデザインで決まる。

 

ポッドレースの準備

アリーナのハンガー外観のコンセプト・デザイン。ダグ・チャンはポッドレースにホース・レース(競馬)

感覚を入れたいと思い、ハンガー(格納庫)部分を舎」として切り離した。タトゥイーンにはできるだけ
変わった住人が必要だと考えたダグ・チャンは、廃品回収業者のために、それらを牽引する「気球ワゴン
を割り出した。また、ポッドレースは事業家にビジネス・チャンスを与えるものでもある。廃品回収業

は、スペア・パーツをレーサーや熱狂的なファンに売るために、ポッドレースに商品を売りにやってくる。



【色素増感から量子ドットへ】

これも、つい最近のニュース。スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームが、色素増感太陽
電池でセル変換効率15%を実現した。ペロブスカイト系色素を多孔性金属酸化膜内へ二段階に分けて蒸着
させるプロセスを用いることで、二段階蒸着法では、第一段階として、溶液中のヨウ化鉛(PdI2)を多孔
性酸化チタン膜内に導入。第二段階として、これをペロブスカイト系色素の残りの構成要素(CH3NH3I)の
溶液に曝すことにより、ペロブスカイト層が形成される。二段階に分けた材料が瞬時に反応することで、
完全な光増感色素が得られる。これまでペロブスカイト系色素を用いた色素増感太陽電池は、ペロブスカ
イト材
料を金属酸化膜へ直接蒸着する方法が一般的だったが、この製法では膜の形態やセル変換効率のバ
ラつきが大
きく実用に適さないという問題があった。今回、二段階に分けて蒸着することで膜の形態制御
性が向上し、性能の
バラつきが抑えられたセル性能のバラつきや安定性の低下を克服したというニュース
だ。



なんだ、それじゃ色素増感型太陽電池と量子ドット型太陽電池ではどれほど違いがあるの?と言うことに
なる。そもそも、量子ドットは、直径2~10nm程度の概略で球状の半導体結晶。量子ドットは「半導
体ナノ粒子」又は「半導体超微粒子」と呼ばれることもあり、およそ10~10個の原子からなる。
量子ドットとしては、溶液法によって作られる場合は、水溶液法で作られる親水性の量子ドット(親水性
の配位子が表面に付く)と、有機溶液法によって作られる疎水性の量子ドット(疎水性の配位子が表面に
付く)がある。いずれの場合もアルコールが貧溶媒となるので、アルコールの添加によってサイズの大き
いものから順に析出する。量子ドットの材料としては、2価の陽イオンになるZn、Cd、Hg、Pb等と2価の
陰イオンになるO、S、Se、Te等との組み合わせ(セレン化カドミウムCdSe、硫化亜鉛ZnS等)、3価の陽
イオンとなるGa、In等と3価の陰イオンとなるP、As、Sb等との組み合わせ(リン化インジウムInP、ヒ化
ガリウムGaAs等)が知られている。また、カルコパイライト型化合物(CuInSe2等)からなる量子ドットも
知られているが、量子ドットは、表面を不活性化して欠陥を除去することでサイズによって決まる波長の
蛍光を発
する。この表面の不活性化または欠陥の除去に、バンドギャップの広い別の半導体で表面を覆う
ことが有効なのだ。

そこで、量子ドットを用いた蛍光体は、耐久性、演色性や輝度は、既存の蛍光体(遷移元素イオン分散無
機材料や
有機色素)にない特徴を持ち、ディスプレイ及び照明用蛍光体以外に、生体分子に結合させて蛍
光試薬として生命
の仕組みの解明、病気の診断等に用いる応用分野が大きい。また、サイズが小さいので、
場合によって半分以上
の原子が表面に配置でき、表面をうまく不活性化することで発光効率が大きく上昇
する。また、表面エネルギーを
下げようとして容易に凝集し、量子ドットの表面を適切なマトリックスで
覆うことが必要になる
。このマトリックスには、
透明な非晶質が好ましいので、ポリマーとガラスの2つ
が用いられる。ガラスはポリマーに比べて化学的耐久性、耐
光性が高く、内容物を保護する性質に優れて
いる。


量子ドットを用いたエネルギー変換

ところで、量子ドットは、色素に比べておおよそ一桁、モル吸光係数が大きい(構成原子1モルあたりで
はなく、量子ドット1モルあたりの吸光係数)。また、サイズが大きくなるにつれて徐々に長波長側に吸
収端が伸びていき、
各種
波長の光を効率的に吸収して電子のエネルギーに変えることが出来るので、エネ
ルギー変換素子として用いること
が可能だ。そこで、色素を吸着した酸化チタンを使う太陽電池は、照射
した光が色素に吸収され、励起された電子が負極に接した酸化チタンに注入。一方で色素に触れている電
解質液で、光吸収で生じたホールが正極に輸送される。このタイプの太陽電池は、この一連の動作によっ
て発電。酸化チタン(または酸化亜鉛)の伝導帯内に電子準位を持つ色素を使うことで、励起された電子
が負極へ注入される。酸化チタンは紫外領域に吸収端があるので、太陽光をほとんど吸収しない。しかし、
色素が効率よく太陽光を吸収し、そのエネルギーを酸化チタンに渡すので、このタイプの太陽電池は色素
増感太陽電池と呼ばれ、実用的なものとして前述した、スイスのグレッツェルにより1991年に発表された
が、このグレッツェルセルは安価に製造できる。しかし、このときに用いる量子ドットは、電子を酸化チ
タンに効率よく受け渡すためにコアシェル構造のシェルをなくしたり、コアシェル構造のシェルを薄くし
たりする手法がとられ、量子ドット表面には欠陥が増え、励起子電子が失活し易くなる。これがエネルギ
ー変換効率の低下に繋がる。

それだけではない。量子ドットはバンドギャップエネルギーの2倍以上のエネルギーの光子を吸収した場
合等に、1個の量子ドット中に2個の励起子が形成される場合があり、太陽光は広いエネルギー幅のスペ
クトルを持ち、エネルギー変換効率の点から最も有利となる大きさのバンドギャップを持つ1種類の半導
体量子ドットを用いた場合、それよりも数倍のエネルギーを持った太陽光エネルギーの成分も量子ドット
に照射され、1個の量子ドット中に2個の励起子が形成されても、それら2個の励起子から2個の電子を
外に取り出す方法がなく界面の制御が必要とされている。

問題解決の課題と手段

量子ドットを用いた光エネルギー変換の現状技術では、量子ドットにできた励起子中の電子を負極中の酸
化チタンに注入するために、量子ドット表面の保護を充分に行わずに酸化チタン表面に付着させているた
め、励起子が量子ドット表面の欠陥によって失活しエネルギーを失う。そこで、量子ドット表面が保護さ
れたエネルギー変換材料を提供することで解決することができる。このため、疎水性有機溶媒に精製した
分散量子ドットを、高純度のチタンアルコキシドを添加し、量子ドットの表面がチタンの酸化物で置換す
るれば、光エネルギーの効率的な変換が実現できる。



この新規考案は(1)量子ドットの少なくとも一部がチタン酸化物でコートされている、量子ドット含有
チタン化合物(2)前記チタン酸化物で直接にコートされたの量子ドット含有チタン化合物(3)チタン
酸化物が、チタンアルコキシドの加水分解生成物での量子ドット含有チタン化合物(4)量子ドットが、
II-VI族、及びIII-V族の疎水性量子ドットの1種の量子ドット含有チタン化合物(5)量子ドットの平均
直径が2~10nmである(6)チタン酸化物のコート厚みが平均で2nm以下である(7)前記量子ドッ
トコートしたチタン酸化物の上に、さらに、シリカガラス層が形成されている(8)量子ドットを不活性
雰囲気中でチタンアルコキシドを含有する非水溶媒中で攪拌する工程の製造方法(9)量子ドットを水相
に接触させ、水相に移動させる工程で製造する(10)この量子ドット含有チタン化合物を用いた光電変換
素子である(11)透明導電膜上に設けた酸化チタン層に担持させた光電変換素子(12)光照射による疾病
治療に用いる量子ドット含有チタン化合物(13)1光子の吸収で量子ドット内に生じた複数個の励起子が
チタニアに移動する量子ドット含有チタン化合物などの特徴を持つ。







以上を含め、朝から作業を開始。気がつけば午後3時になってた。といってもランチの炒飯は食べたが、
特開2013-136754 ナノ結晶でドープしたマトリックス」サムソン社の新規考案を含め頭はパンパン状
態に
なっていた(新規化合物の提案とあってボリュームが半端じゃない)。改めて、時代は、デジタル革
命、量子ドット時代、技術は半導体はネオコン時代、そしてオールソーラー社会できまり。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

環境リスクを計算する米国

2013年07月17日 | 地球温暖化

 

 

 

  

米カリフォルニア州スタンフォード大学のケーティー・アルケマ(Katie Arkema)らの研究チームが、
地球温暖化による海面上昇が米国にもたらす危険性の研究結果を発表した。それによると1平方キロ
メートル当たりの人口、住宅不動産の価値、自然の防御能力、洪水の発生可能性などの要素を計算。
現状の海面水位と自然の防御能力のもとで、米沿岸部の16%が「高危険」地域と判定。この「高危険」
地域では高齢者25万人と貧困ライン以下で生活する3万世帯を含む130万人が暮らし、同地域の住宅不
動産価値は約30兆円にのぼる。さらに、この算定結果から「自然の防御能力」を取り除くと「高危険」
域に含まれる住民数と不動産価値はほぼ倍増する。現在、自然環境力で沿岸部の67%を保護できて
いる
が。生態系が失われることで、危険にさらされる沿岸部は倍増し、貧困世帯や高齢者や危険にさ
らさ
れる不動産の総額が倍増すると指摘する。さらに、地球温暖化による海面上昇で、危険にさらされ
る地域は増加。研究チームは、地球の平均地表気温が今世紀に2.0~5.4℃上昇するA2と呼ばれる一般
的な温暖化モデルで計算を行った結果、住民200万人、総額5000億ドル(約50兆円)の不動産が「高危
険」エリア─メキシコ湾から大西洋の沿岸部の大半と、サンフランシスコ湾(San Francisco Bay)の一
部を含む広範囲なものになった。ここから自然の防御が取り除かれた場合、内陸部まで「高危険」エ
リアが拡大し、該当地域はさらに倍近くに増える。米国の人口の多い上位25都市のうち、23都市は沿
岸部に位置している。今回の研究が政策決定者にどの地域が最も危険にさらされており、どの地域の
自然環境を保護しなければならないかの指針の提供が可能だとしている。

 

いままで地球温暖化対策や二酸化炭素排出量削減には消極的な米国がここにきて姿勢に変化を見せて
いる。
それもそうだろう異常気象が具体的にその猛威を、その被害をもろに被りつつあるのだから当
然といえば当然
だ。1973年にエコロジカルフットプリントが許容量を超えたときから、世界政治経済
の幻想的基軸が地下化石燃料本位制→先端技術本位制→環境リスク本位制に移行することをわたし(
たち)は想定し
ていたから、米国・中国・ロシアなどの覇権大国主義的国家行動は想定内であったに
しろ、事態の推
移に当たっては慎重な思いをもって静観してきたが、毎年集中豪雨に集落が壊滅的な
被害を被れば二度
と立ち上げれない状況を今後目の当たりにすることになる。そのことへの備えを欠
いた選挙中の政治家の薄ぺらな言葉は虚しいが、日本と異なり、一旦、目標が定まれば米国民や政治
家の復元力は想像を超えたものなるかもしれない、超えないかもしれない。

 

【腕時計になるスマートフォン】 

 

 

 

 
【15%超え色素増感型太陽電池時代】

スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームが、色素増感太陽電池でセル変換効率15%を
実現した。ペロブスカイト系色素を多孔性金属酸化膜内へ二段階に分けて蒸着させるプロセスを用い
ることで、セル性能のバラつきや安定性の低下が抑えられているという。2013年7月10日Nature に論
文が掲載された。同研究は、色素増感太陽電池の発明者 Michael Gratzelらによる。新たに開発され
た二段階蒸着法とは、第一段階で、溶液中のヨウ化鉛(PdI2)を多孔性酸化チタン膜内に導入。第二
段階で、これをペロブスカイト系色素の残りの構成要素(CH3NH3I)の溶液に曝すことにより、ペロブ
スカイト層を形成。これにより、二段階に分けた材料が瞬時に反応すし完全な光増感色素が得られる
という説明だ。
これまでペロブスカイト系色素を用いた色素増感太陽電池は、ペロブスカイト材料を
金属酸化膜へ直接蒸着する方法が一般的だったが、この製法では膜の形態やセル変換効率のバラつき
が大きく実用に適さないという問題があったが、今回、二段階に分けて蒸着することで膜の形態制御
性が向上し、性能のバラつきが抑えられた。
作製した色素増感太陽電池をAM1.5Gの標準擬似太陽光の
下で評価したところ、変換効率15%、フィルファクター(FF)0.73という値を得た。既存のアモルフ
ァスシリコン太陽電池に並ぶ変換効率を実現したことになる。



それと、NEDOは次世代太陽光発電システムの本命の一つとされる、有機系太陽電池の早期実用化を目
的とした実証試験を開始しする。有機系太陽電池は、大幅な低コスト化が期待されるだけでなく、少
ない光でも発電する等、従来の太陽電池に比べ様々な利点があることから、国内外で開発競争が行わ
れているが、色素増感太陽電池を用いた「デザインソーラーランタン」を京都市内に設置し、発電量
や耐久性の検証を開始。また、有機薄膜太陽電池を用いた「発電するサンシェード」を仙台市科学館
に設置し、太陽光発電と日射熱のカットによる省エネ効果の検証を年度内に開始する予定である等、
日本各地で新しい設置スタイルに繋がる様々な実証試験を展開すると発表している。「もはやバルク
ではなく量子ドット時代」といよいよ確信する次第。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

除染技術と電子バイオ技術

2013年07月16日 | デジタル革命渦論

 

 

【除染技術の現状】

   環境省 平成23 年度除染技術実証事業において選定された22 件の除染技術

清水建設は環テックスと共同で、除染作業によって除去した放射性物質汚染土壌から植物根といった
有機物を取り除く分別装置「パワーグラインドスクリーン」を開発したという。草木などの有機物は
汚染土壌を分級洗浄処理する減容化の障害となるため、高精度に分別して焼却処理に回す。焼却併用
により中間貯蔵施設への投入量を2分の1以下に減容化できるという。混入した植物根の細部に固着
ている土壌を高精度に自動分別し、粘性の高い細粒堆積物のシルトや粘土質も装置のスクリーンに
目詰まり
させず、確実に分別するシステム。清水建が2012年12月~13年3月に福島県大熊町で実施した
先行除染
で試作機の性能を試験。被ばくを伴う作業員の手選別と同等の分別性能があることを確認し
ているという。

土壌における放射性Cセシウムの保持機構を基に、高濃度汚染土壌は,土壌洗浄のスクラビング・フロ
ーテーションの強化が効果的であると考え一方、低濃度汚染土壌には、分級点を可変化することが有
効とし、下図3のスクラビング・フローテーションを強化。汚染土壌はストックヤードから受け入れ
バンカーへ順次投入→受け入れバンカーに投入された汚染土壌は、湿式フルイにより2mm以上の礫・
粗砂を取り除く→ハイドロサイクロン(図4)で細粒子分(粘土・シルト)と砂・細砂分に分離→放
性セシウムはその多くが細粒子分に付着・吸着しているので細粒子分を分級で砂・細砂分から放射
性セ
シウムを効率良く分離・除去→砂・細砂分は、スクラバーで複数の薬剤により表面処理→スクラ
ビング
(表面摩耗)で土壌粒子表面から汚染粒子が効果的に剥離→土壌中の放射性セシウム 吸着粒子
は、清
浄な土壌粒子との表面性状の違いを利用し選択分離→フローテーションによって洗浄された砂・
細砂分
→脱水サイクロンを経て再利用が可能な洗浄処理土となる→放射性セシウム濃縮濃縮汚染土は
脱水ケー
キとして処分場(放射性物質汚染土壌の場合は中間貯蔵施設での保管後に最終処分施設)へ
搬出。

【電子バイオ技術の現状】 

イーバイオ(e-バイオ)が話題となっているが、その言葉の意味は、電子指向型バイオテクノロジー
electron-oriented biotechnology for energy and ecology)のことを指し、脱化石燃料化(ecologyconscious
uphillバイオの積極的導入を軸とする概念で、uphillバイオは,e-バイオの技術的基盤を形成するもの
であり、現状のバイオシステムで生じているエネルギーロスのミニマム化を図るシステムまたはエネ
ルギー物質(電子,水素)を反応の場に適切に注入することにより成立するバイオプロセスのことも
含むものを意味するという。石井正治東京大学准教授によれば、微生物や植物、蛋白質などがもつ生
物機能を活用したものづくりは、環境に優しい高効率のプロセスといわれて久しいが、し生物の代謝
機能をそのまま利用した場合、得られる生成物質のエネルギー準位は出発物質のそれを超えない。そ
こで生物のエネルギー代謝の根幹ともいえる「電子のながれ」に着目し、これを人為的に操作するこ
とでさまざまな有用物質やエネルギーをより効率よく取り出そうとする試みを、e-バイオ(Electron-
oriented Biotechnology
:電子指向型バイオテクノロジー)の胎動が始まったているという。言葉として
まだ定まっていないので、個人的にはと一応呼ぶことにする。

生物がエネルギーの共通貨幣(ATP)を生成するためには、電子の方向性を持った流れ(電子伝達)を精確
に生じさせ-酸素呼吸はATP生成効率のよい経路であるが-酸素を電子受容体として用いることは、活
性酸素種を生成する危険性と隣り合わせだ。嫌気的代謝を細胞内で駆動する生物には、細胎内の酸素
濃度そのものもコントロールしなければならない。酸素呼吸の恩恵を受けるには、何重もの安全策を講
じる
必要があるといわれる。好熱性水素細菌で最近見つかった新規 peroxidase に関する石井正治らの
研究によれば
細菌と酸素との関係を明らかにし、e-バイオとの関連性を述べているので俯瞰して
みた(出典:「"電子の流れ"で代謝を読み解く Hydroenbacter thermophilus の新規 peroxidase の発見」、
バイ才サイエンスとインダストリ- vol.71 No.4(2013))。

ATP(アデノシン三リン酸)は生体におけるエネルギーの共通貨幣とするが、ATPを生産するシステ
ムである呼吸では1分子の酸素の還元に4電子の消費が必要とする。電子(還元力)は生体内ではN
ADPH
オキシダーゼ
などの電子伝達体により
一時貯蔵・運搬される。これら電子伝達体は多種多様な
酵素と電子の授受を行い、伝達される還元力を利用して種々の代謝反応が進行していく。このように
電子は、呼吸だけでなくあらゆる生命活動の原動力で、エネルギー代謝系の最上流に位置する。この
「細胞内での電子の流れ」に着目し、生体内での各代謝を再考し重み付けを行い、微生物を用いた有
用物質の生産がなされているが、微生物にとって負荷の少ない代謝系の設計は生産効率の向上につな
がると考え、独立栄養生物を用いた物質生産では、目的の代謝系にエネルギーの流れを集中が有益で
あり、電子の流れに基づき代謝の優先順位を理解は、「微生物の立場からの代謝改変」の設計の助けに
なると考える。

電子は酸素に流れ着く

酸素の高い電気陰性度を持ち、非常に強い力で他の元素から電子を奪う元素。これらのことから、地
表付近では多くの場合、電子の流れは最終的に酸素に向かう。同様に好気性生物細胞内の従属栄養生
物は糖などの有機物を分解し、無機栄養生物は無機物の酸化で電子を獲得し、その電子を酸素分子へ
流し呼吸を行う。生物は細胞外の電子を使い種々の代謝が機能し、多くの場合電子の流れの先に酸素
が存在すると考える。

酸素利用による恩恵と損害

多くの生物が酸素呼吸でエネルギーを獲得し、酸素が生物に多大な恩恵を与えているが、酸素利用に
よる恩恵には生体の危機が伴う。呼吸は酸素分子が4電子還元され水に変換。酸素分子が不完全に還
元され活性酸素種と呼ばれる高反応性分子種が生じる(下図
)。呼吸の副産物として生じる活性酸素種
は核酸やタンパク質を含む生体分子と不可逆的に反応、生体に大きなダメージを与える。このため生
物は、酸化ストレス防御酵素を装備し身を守る。このように酸素からの恩恵を享受する呼吸と、酸化
ストレスから身を守る防御系は全く異質でありながら、原動力として電子を必要とする。

好熱性細菌の還元的代謝経路

好熱性水素細菌(Hydroenbacter thermophilus )は水素などの無機物を唯一の還元力源、二酸化炭素を
唯一の炭素源として生育する化学独立栄養性の細菌である。ATPは主に呼吸で生産、酸素が存在する
環境では好気呼吸を利用。この
菌は、脱炭酸経路であるTCA回路を逆回転させ二酸化炭素を固定する、
還元的TCA
回路というユニークな代謝経路を持つ経路では通常のTCA回路で不可逆なのだ。エネルギー的
に不利な反応が可逆的に進行し、経路の利用には強力な還元力の供給を要する。この回路の酸化還元酵素
に還元力を供給するのはNADH、あるいは電子伝達タンパク質のフェレドキシン(Fd)であり、回路を
一回転するために2分子のNADHと2分子の還元型Fdが消費される。この菌のFdは特に高いエ
ネルギ
ー準位を持つ。エネルギー
的に不利な反応を触媒する鍵酵素もFdから還元力を受け機能。また、多く
の細菌では、グル
タミン酸合成酵素である glutamine:2-oxoglutarate aminotransferase (GOGAT)NADH
から電子を受
容し機能。このように細胞質中の中央代謝系は多くの還元力を消費して無機物から有機
化合物を合成し
、その原動力として高エネルギー準位のFdが重要な役割を果たす(下図)。

還元的TCA回路は酸化的環境に非常に弱く、経路中の還元的炭酸固定反応を触媒する鍵酵素は酸素や
活性酸素種でより容易に失
活し、経路に強力な還元力を供給する還元型Fdはその高いエネルギーで酸
化す
る。Peroxidase は還元力を消費する酵素であり、酸化ストレスからの防御には原動力である電子
が多大に消費する。細胞が効率的に増殖するためには電子を同化代謝や呼吸などに使うことが有利と
思われるが、「生存する」ためにはそれらよりもストレスからの防御が必須であり、このためこの細
菌は防御に大きな比重を置きエネルギー利用を行う。生物代謝を利用し効率的な物質生産を行うには、
目的の代謝経路にエネルギーの流れを傾けることが有益であり、そのためにも微生物が防御システム
に電子を消費させない、ストレスフリーな環境を作ることが重要だという。

さて、石井らの研究グループは、e-バイオは、生物のエネルギー代謝の中枢とも言える電子(水素)の
流れに着目し、電子(水素)の生物への注入、生物中の流れの制御、生物からの引き抜きなどにより、
炭素循環をベースとした有用物質生産に資する全く新たな反応場の創生を以下の目的として推し進め
るという。

(1)生命が司る代謝を、特に電子の流れを意識し、明らかにする研究より具体的には、代謝を、特
    に
電子の流れを意識し、明らかにする研究
(2)生命が司る代謝を、特に電子の流れを意識し、細胞の内側・外側から制御する研究
(3)電子の流れを意識したライフサイエンス・バイオテクノロジー研究を推進することを通して、目
    的
達成の道筋を明らかにする

※ e-バイオの産業応用としては、電気化学的手法の利用などが挙げらる。

 

【一酸化窒素を介した酵母の新しい抗酸化メカニズム】

一酸化窒素(NO)は動物の細胞内でアルギニンと酸素からNO合成酵素(NOS)によって生成し、シ
グナ
ル分子として血圧調節、神経伝達、アポトーシス、感染・炎症・免疫など幅広い生命現象に関わって
いる。例え
ば、NOがグアニル酸シクラーゼを活性化することで、サイクリックGMPのレベルが増
加する。また、NO
は直接的なニトロソ化やニトロ化を通して、タンパク質の翻訳後修飾を行う。N
Oはスーパー
オキシドアニオンとの反応によって毒性の高いパーオキシナイトライトを生成し、生体
高分子に酸化やニト
ロ化を惹起する。

酵母 Saccharomyces cerevisiae でも、NOはストレス応答に関与していると考えられ、低濃度のNOは
細胞に高静水圧や銅に対する耐性を付与する。また、過酸化水素で誘導されるアポトーシスにNOが
関与している可能性もある。しかしながら、酵母のゲノムには哺乳類NOSのオルソログが存在しな
い。NOの生成機構や生理機能に関する研究はほとんど進んでいない。高木博史奈良先端科学技術大
学教授らは、酵母において高温処理のような酸化ストレス下で、プロリンオキシダーゼPut1N-アセ
チルトランスフェラーゼMpr1が誘導され、プロリンからアルギニン合成が完進されること、増加した
アルギニンからTah18タンパク質依存的にNOが生成し、細胞にストレス耐性を付与することを見いだ
す(下図A、B)。Tah18はオキシドレダクターゼと推定される機能未知タンパク質の中から同定され、
基質特異性や袖酵素要求性などの点で哺乳類NOSと類似の性質を示す。しかしながら、一次構造上
NOS活性に必須のオキシゲナーゼドメインが欠落しており、Tah18によるNOの合成機構は明らかに
なっていない。Tah18はジフラビンレダクターゼファミリーに属し、通常はDre2タンパク質と相互作
用し、鉄硫黄クラスターの形成に関与している。また、Dre2Tah18依存的なNOS活性を抑制、酸
化ストレスによりTah18-Dre2複合体からTah18が遊離することでNOS活性が誘導される可能性がある
という。



NOのシグナル伝達経路を解析する目的で、非酵素的なNO発生剤の処理後にDNAマイクロアレ
解析を行ったが、酵母の銅イオン代謝(還元、取り込み、細胞内輸送など)に関与する転写因子
Mac1
制御下にある遺伝子群の転写量が増加していることが判明した。Mac1
にはシステイン残基を多く含む
モチーフが存在し、銅イオンが結合することで不活性状態になる。
細胞内の銅イオンが枯渇すると、
何らかのシグナルによりMac1は活性化し、銅イオンの取り込みを促進す
る。Mac1がNOの標的タン
パク質であると予想、実際にSNAP処理を行った酵母では、未処
理の酵母に比べ、細胞内の銅含量や
銅依存型スーパーオキシドジスムターゼの活性が上昇。
酵母は酸化ストレス下で生成したNOにより
活性化されたMac1が細胞内の銅含量を増
加させることでSod1を活性化し、酸化ストレス耐性を獲得す
ると考える。


パン酵母は製パン過程において、冷凍、乾燥、高濃度ショ糖などのストレス環境に曝される。発酵能(炭
酸ガスの発生)が制限される。その原因の1つに、ミトコンドリア膜の損傷や抗酸化酵素群の変性など
による活性酸素種の蓄積が考えられ、パン酵母に高度な酸化ストレス耐性を付与することにより、有
用な菌株の開発が可能になる。高木博史らは高機能型のγ-グルタミルキナーゼPro1(1150T変異体)と
Mpr1(F65L変異体)を同時に発現させることで、過剰合成されたプロリンからアルギニンを経てNOを
効率的に生成するパン酵母の二倍体株を作製。高機能型Pro1・Mpr1 発現株は野生株に比べ、酸化スト
レス耐性が著しく向上し、代表的な製パンストレスである乾燥、冷凍に対しても同様の結果が得られ
る。特に、乾燥後の高機能型Pro1・Mpr1発現株では野生株に比べ、細胞内のNOレベルが有意に上昇し、
ROSレベルは遂に低下しか(図C)。NOが細胞に酸化ストレス耐性を付与し、乾燥・冷凍耐性を獲
得したと考える。さらに、高機能型Pro1・Mpr1発現株は野生株に比べ、乾燥後および冷凍後のパン生
地発酵力(炭酸ガス発生量)がそれぞれ約20%増加(図D)。これらの結果は、NOが複数の製パンスト
レスに対する耐性を向上させることを示すという。酵母におけるNOの生成機構やNOを介したスト
レス耐性機構
が明らかになれば、発酵生産環境において、効率よくNOを生成することで酸化ストレス
耐性を向上させた酵母の育種が期待できる。また、Tah18はそのオルソログが酵母やカビなどの真菌に
高度に保存されており、抗真菌剤の新しい標的分子として利用できる可能性もあるという。

【放物線と知識力】

一酸化窒素の還元エネルギー が注目されているが、傷を癒すことができても(耐ストレス性)、生命を脅かして
は元も子もなくなる。そこに課題が集中する-これが電子バイオ科学技術における現在的なフォーカシングが
存在する。こんなことを知ってどうするのだ、放物線は降下にあって。そんな言葉が耳元で囁く。それでも、村上
春樹は近著で「知識の蓄積は価値だ」と肯定したが、“オン・ザ(ジ)・エッジ”で際どい。 バイオリズムは多少上
向いている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

国民皆遺伝子検診時代

2013年07月15日 | デジタル革命渦論

 

アンジェリーナ・ジョリー革命

アンジェリーナ・ジョリーが5月14日、『ニューヨーク・タイムズ』紙を通して、乳がんにかかる
リスクを減らすために予防的乳房切除を選択をしたことを世界に発表し世界中を衝撃を与えたこと
は記憶に新しい。予防的乳房切除を受けるという決断は、医学的側面、人間の感情的側面から見て、
非常に大きな影響をもつ。通常は血縁に罹患者が多かったり、遺伝的変異が見られる患者(ジョリ
ーの場合だ)、すでに一方の胸ががんにかかった患者に実施される。この治療アプローチは、細胞
内部で損傷したDNAを修復するために重要な2種類のタンパク質をコードするBRCA1遺伝子とBRCA2
遺伝子に変異のある患者に対し薦められ、もし変異があると、BRCA遺伝子が胸や卵巣にがんを発達
させる可能性と、最初の診断から10年以内にがんが再発するリスクが高くなる。この再発は通常、
最初にがんができたのと反対の胸で起こる。このため、予防目的で外科的除去が薦められている。
アンジェリーナの決断は科学界を二分する。予防的切除の道がいいか治療の道がいいかは、すべて
の女性にとって同じではないこと、癌のリスクがあるという状況が過度の不安を生まないのであれ
ば、客観的には半年ごとに検査を受けるほうが有益で、癌ができても早期発見すれば、治療できる
可能性は格段に高くなるが、乳房切除は確かにリスクを減少させるが、完全にゼロになることはな
い。しかし、アンジェリーナの勇気ある選択は、遺伝子診断制度の世界的波及をはやまることなっ
た。すなわち、国内でいえば、国民皆遺伝子検診時代の幕開けを意味する。

 

 
遺伝子解析費用は2万分の1にまで削減!

【人造遺伝子とは】

生物の遺伝情報は、アデニン、グアニン、シトシン、チミンの4つの塩基を組み合わせた配列遺伝
の設計図を構成され機能するほか、抗体や酵素としても機能している。1962年に米国の研究者 A・
リッチが「DNAの塩基の種類を増やすことができれば、DNAの情報や機能を拡張できる可能性があ
るという仮説を発表。これの証明には、塩基の種類を増やしたDNAが正確に複製
されるような新し
い塩基を人工的に作り出す必要があり、今年4月に理化学研究所が、世界的
な開発競争の中で、着
実に研究の成果を積み上げ、2009年には人工塩基対を作製して、天然型
塩基対に近い精度で複製に
に成功したと発表。その概要とは、人工塩基をDNAに組み込み、抗体のように標的タンパク質に結合
してその働きを制御する「DNAアプタマー」を作製し、天然型塩基だけで構成されるDNAアプタマ
ーと比較して標的タンパク質との結合能力が百倍以上も向上すること突き止めた。尚、作製には従
来のSELEXを改良した手法を用いた、DNAの疎水性部分と結合しやすくする、ランダムに配列さ
れたDNA断片に疎水性の人工塩基を組み込んだ5種類の塩基からなるライブラリーを合成し、これ
を用いて標的タンパク質に結合するDNA
プタマーを作製している。DNAに人工塩基を加えること
DNAの機能が飛躍的に向上するという
50年前のリッチの仮説を世界で初めて実証。タンパク質結
合能力と選択性に富む人工塩基を含ん
DNAアプタマーは、従来の抗体技術に代わって診断・検出・
医薬品開発分野での応用が期待さ
れている。

 


【遺伝子解析技術の現状】

ところで、遺伝子解析技術のDNA塩基配列決定には、ゲル電気泳動と蛍光検出を用いた方法が広く
用い
られる。この方法はまず、配列解析のためにDNA断片のコピーを沢山作製DNAの5'末端を始点と
して種々の長さの蛍光標識断片を作製。これらDNA断片の3'末端の塩基種に応じて波長の異なる蛍
光標識を付加しておき、ゲル電気泳動により長さの違いを1塩基の差で識別し、それぞれの断片群
が発する発光を検出。発光波長色から測定中のDNA断片群のDNA末端塩基種を知る。DNAは短い断片
群から順次蛍光検出部を通過するので、蛍光色を計測することで短いDNAから順に末端塩基種を検
知し配列決定をする。このような蛍光式DNAシーケンサーが幅広く普及し、ヒトゲノム解析にも大
いに活躍した。一方、2003年に宣言された様にヒトゲノム配列解析は終了し、配列情報を医療や種
々の産業に活用。そこでは長いDNAの全てを解析する必要はなく、目的とする短いDNA配列を知れば
十分なことが多い。このようなDNA配列解析では簡便な方法・装置が必要とされている。



このような要求に応える方法として生まれた技術にパイロシーケンシングに代表される段階的化学
反応による配列決定がある。この方法ではターゲットとするDNA鎖にプライマーをハイブリダイズ
せ、4種の相補鎖合成核酸基質(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)を1種類ずつ順番に反応液中に加え、
相補鎖合成反応を行い、相補鎖合成反応が起きるとDNA相補鎖が伸長し、副産物としてピロリン酸
(PPi)が生成。ピロリン酸は共存する酵素の働きでATPに変換され、ルシフェリンとルシフェラーゼ
の共存下で反応して発光を生じ、この光を検出することで加えた相補鎖合成基質がDNA鎖に取り込ま
れたことを検出、相補鎖の配列情報、つまりターゲットとなったDNA鎖の配列情報がわかる一方、反
応に使われなかった相補鎖合成基質はアピラーゼなどの酵素により速やかに分解され、次の反応ス
テップへの影響を無くす。このパイロシーケンシングを行う装置は96穴の反応セル(体積100μl
以下)を持つタイタープレートを反応セル板として活用する化学発光検出システムが用いられる場
合が多い。その装置では4種の相補鎖合成核酸基質(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)を別々の反応試薬
溜に保持し、順番に反応セルに注入していく。即ち、あらかじめDNA、プライマー、相補鎖合成酵素、
化学発光試薬などを反応セルにいれ、4本のノズルからなる試薬分注器の、ノズルあるいはタイタ
ープレートをX-Y方向、および回転方向に動かし、試薬溜に空気を加圧し、ノズル先端部から試薬液
滴を順次滴下し発光を検出する。

パイロシーケンシング法は、用いる反応メカニズムが簡便であるため、装置の小型化及び低価格化
に適している。測定には4種類の相補鎖合成核酸基質を必要とし、これらを精度良く分注する必要
があり、小型化及び低価格化のためには、用いる試薬の総量を微量化することが必須で、このため
キャピラリーを用いる加圧分注方式を複数試薬で実現し、さらに分注試薬以外の他の試薬の漏洩を
減少させるため、分注後にキャピラリー先端部に空気層を設けることにより、小型で簡便で低価格
な分析装置を実現する(下図)新規考案が提案されている。

 

特開2011-203263

※ 次世代型高速シーケンサー:2006年ころから登場した網羅的解析可能の遺伝子解析装置。開発
  時の「次世
代」がそのまま呼称となった。現在開発が進む第3 世代の装置。

話は変わるが、故田中豊一が脊髄小脳変性症を患い他界したが、2011年に横浜市立大学 学術院医
学群の松本教授ら研究グループが、常染色体劣性遺伝性脊髄小脳変性症の原因遺伝子の一つを発見
している。常染色体劣性遺伝性小脳変性症(以下ARCA)は、非進行性の小脳低形成や進行性の脊髄
小脳変性症(以下SCA)を含む不均一な疾患の総称。ARCAの原因遺伝子の頻度について正確な統計
はないが、原因不明(原因遺伝子が解らない)の患者が多数存在すると推定される一方、DNA配列
解析能力において飛躍的進歩を遂げた次世代シーケンサーの登場により、これまで解析が難しかっ
た小家系からの疾患責任遺伝子の同定が可能になると期待されていたが、SYT14遺伝子が、成人発
症型の劣性遺伝性脊髄小脳変性症(ARCA)で、1種類のミスセンス変異が同定された。SYT14遺伝
子を解析することによりARCA疾患の確定診断や保因者の検出が可能となってきている。

図1 SYT14のホモ接合性変異c.1451G>Aを認めたSCA家系図、MRI。

左側:常染色体劣性遺伝性SCAを認めた対象家系の家系図。アスタリスクはDNAが得られた対象者。
罹患者はIV-3、IV-4。右側:IV-3およびIV-4の脳MRI、T1強調画像。水平断像(上段)および矢状
断像(下段) 。両症例とも小脳の萎縮が確認できる。

特開2013-000084 常染色体劣性遺伝性脊髄小脳変性症の検出方法

このような情報に接するにつき、このような科学技術の進展を看るにつけ、改めて「個人史として
のデジタル革命」という体験に書かれた時代に遭遇したことに奇蹟を感じ、思わず身が震えてしま
う。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パルスレーザ積層法で立山登山

2013年07月13日 | デジタル革命渦論

 

【立山雄山トレッキング】 

夏山登山するなら盆休み前後にして欲しいと彼女が言う。なので、今日は立山雄山登山を計画。
つものごとく弾丸登山ということになるが、富山廻りで立山駅まで車、そこから室堂ターミナル経
由で雄山のコース。そうする自宅は午前三時出発の往復12時間の旅程見積となった。

室堂ターミナルから立山山頂の雄山神社峰本社に参拝する登山道。夏でも残雪を渡り、一ノ越から
五ノ越と稜線を登ります。山頂からは360度の展望で、遠く富士山、御岳山、黒部川の源流が眺
られる。室堂ターミナル日本最高所に位置する駅。アルペンルートで最大の規模を誇るレスト
ラン
や、コーヒーショップ、展望テラスなど施設がある。全国名水百選に選ばれた「玉殿の湧水」、そ
して江戸時代中期に建てられた日本最古の山
小屋「立山室堂」(国指定重要文化財)を通り抜け祓
堂(はらいどう)へと進む。祓堂は、昔の立山信仰で下界と神域との境界とされた場所にある小さ
。かつてこれより先に進むには、神の聖地を汚さぬためと、祓川で身を清めたあとワラジをぬ
いでお祓いを受け、白けさ、白足袋に着替えた後、頂上へ向ったと言われている。一ノ越と室堂平
との標高差は約300mで、最初はなだらかな登り、後半からは勾配がきつい登りとなる。室堂平から
一ノ越まで続いた、石畳の道はここで終わる。天候がよければ室堂平を始め遠くに見える富山湾や
能登半島の景色が楽しめる。三ノ越一ノ越を境に道は険しくなり雄山への登山道は、大小の石が混
在す
るガレ場を登ります。一ノ越から雄山山頂までの登山道は、一ノ越、二ノ越、三ノ越、四ノ越、
五ノ越(山頂)
に区切られ、それぞれに小さな祠が祀られている。立山は、雄山(3,003m)、大汝
山(3,015m)、富士ノ折立(2,999m)を総称した呼び名。 雄山頂上には雄山神社峰本社があり、こ
こからは360度の展望で、遠く富士山、御嶽山、そして黒部川の源流と富山湾を一望できる。

 

※ 補充品:酸素ボンベ、ヘッドランプ、携帯用マップケース、登山ズボンなど。 

 

立山は単なる地理的な名称ではなく、室堂・地獄谷・弥陀ヶ原や立山カルデラという立山一体を含
んだ地理
的な広がりと、立山信仰や遥拝登山など精神的な広がりを含んだ複合的な意味を持つとい
われる。万葉集
には「多知夜麻」と記され、古くは「たちやま」と呼ばれていたとか。立山が刃を
上にして太刀を横に置いた形だとも。また、たちやまは「太刀山」であるから、本来は剱岳のこと
であるが、なぜ今の場所を立山と言うようになったのかはわからないという。また、日本を作り終
えた神が天界に戻る際に踏み台代わりに足をかけて立った山だから「たちやま」という説もある。
ところで、立山は、飛騨山脈(北アルプス)北部の立山連峰に位置する山で雄山のみを指して立山
ということもあるが、厳密には立山連峰に立山と称する単独峰は存在せず立山連峰の主峰で、中部
山岳国立公園を代表する山の一つ。剱岳とならび、日本では数少ない、現存する氷河を有する山で、
日本三霊山の一つである。日本三名山、日本百名山、新日本百名山及び花の百名山に選定されてい
る。雄山の山頂には、雄山神社本宮があり峰本社神殿右端の前には、測量の基準である大きな黒御
影石の標石がある。

雄山・浄土山・別山を「立山三山」と呼び、その周辺の山々と合わせて狭義の「立山連峰」という
ことがある。広義で「立山連峰」という場合は僧ヶ岳から黒部五郎岳の辺りまでを呼ぶこともある。
古くは、三俣蓮華岳から猫又山に至るまでを立山七十二峰と呼んだという。これとは別に立山火山
がある。室堂山、浄土山、国見岳辺りを最高地点としている。かつて山体は立山カルデラにあり、
元の立山火山の山頂部は侵食で喪失している。弥陀ヶ原と五色ヶ原はこの火山の火砕流堆積物や溶
岩の台地である。ミクリガ池ミドリガ池は火口湖であり、現在の立山火山の主な火山活動は地獄

谷周辺の火山性ガスの噴出と温泉噴出である。

  

 

 【環境リスクフリー自動車時代】

東北大学 原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)のダニエル・パックウッド、白木将、一杉太郎
らの研究
グループは、リチウムイオン電池の正極材料として知られるマンガン酸リチウム薄膜を合
成する際に、薄膜中のリチウムが欠損するメカニズムを数学的に解明しましたという。これは電気
自動車の進化に欠かせない事案で、自動車領域の『デジタル革命渦論』の具現化ということに。こ
れはリチウムの欠損が、導入した酸素分子により、軽い元素であるリチウム原子が強く散乱するた
めに起こるることが原因し、リチウムイオン電池の正極材料のマンガン酸リチウム薄膜を合成する
際に、薄膜中のリチウムが欠損するメカニズムを数学的に解明したことで、不純物の少ない高品質
な薄膜を合成し、リチウムイオン電池や機能性酸化物を用いた高性能デバイスの開発に大きく貢献
し、昨日の『ソーラとバイオの結合』での実現の重要な担保となる。

正極と負極間のリチウムイオン伝導を高速にすることで2次電池の出力、容量を向上するには、

速なイオン伝導を得るための設計指針が必要だ、大きなサイズの単結晶合成のためのエピタキシャ
ル成長技術が重要。薄膜の元となる材料を高温に加熱し気体にし、基板上でエピタキシャル成長さ
せる薄膜合成→その中でも酸化物は、気化する温度が非常に高いため、レーザーを照射して気化さ
せるパルスレーザー堆積法を使うが(上図参照)、コバルト酸リチウムやマンガン酸リチウムなど
リチウムを含んだ遷移金属酸化物の薄膜合成は、リチウムの欠損などその成長メカニズムに不明な
点が多く、高品質な薄膜合成にはその解明が求められていた。また、薄膜成長のシミュレーション
には乱数を利用したモンテカルロ法などが用いられていたが、計算に長時間を要するなどの問題が
あり、簡便で短時間に計算できる解析法やモデルの構築が求められてきた。



この研究によると、マンガン酸リチウムの薄膜合成において、合成時に導入する酸素ガスの圧力と
薄膜中に含まれるリチウム原子とマンガン原子数の関係を調べ、リチウム原子、マンガン原子、酸
素分
子の質量および速度を考慮した衝突・散乱モデルを構築し、薄膜合成時の原子の振る舞いをシ
ミュレーションし薄膜内に取り込まれる原子数比を計算。その結果、酸素の圧力が高くなるほどリ
チウム欠損量が多くなることを発見。またシミュレーション解析で、薄膜中のリチウム欠損が、質
量の軽いリチウム原子が酸素分子との衝突により強く散乱され、広範囲に拡散することが原因であ
ることを明らかにし、マンガン酸リチウムの場合、薄膜中の原子数は、リチウム原子1個に対し、
マンガン原子2個、酸素原子4個の理想的比率に対し、リチウムが多すぎても少なすぎても薄膜の
品質低下につながること突き止めた

※参考特許 特開2010-184848「LiMnO2の安定構造、安定結晶の製造方法、LiMnO2の
      結晶安定化方法、電池及び電子機器
※ Effects of atomic collisions on the stoichiometry of thin films prepared by pulsed
  laser deposition


 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ソーラとバイオの結合

2013年07月12日 | 環境工学システム論

 

 

 

【ダーク・ファンタジーが流行る理由は?!】 

『進撃の巨人』(Attack on Titan)が話題となっている。『進撃の巨人』とは諫山創による日本の
漫画、メディアミックス作品。『別冊少年マガジン』(講談社)2009年10月号(創刊号)から連

載、『週刊少年マガジン』(講談社)にも出張読み切りとして特別編が2度掲載されている。単
行本の発行部数は、2013年6月に第10巻までの累計で2000万部を突破。閉鎖的な世界を舞台に、
圧倒的な力を持つ巨人とそれに抗う人間達の戦いを描いたファンタジーバトル漫画。2009年9月9
日に講談社の少年マガジン編集部から発行が開始された『別冊少年マガジン』10月号(創刊号)

で連載が開始されたという。主人公側の人間達が巨人に襲撃・捕食されるというダーク・ファン
タジー要素が強い世界観である。しかし、新人作家による初連載作品であるにも関わらず2011年
には第35回講談社漫画賞の少年部門を受賞。残酷なシーンが多く描写されている。2012年にはテ
レビアニメ化が発表され、翌年4月から各局で放送中で、2014年には実写映画化も予定されている
という。このように本作は2011年頃より様々なメディアミックス展開が採られ、作者は「読者に
媚びることは、読者を裏切ることと等しい」という考えの元「舞台などの謎が明かされた時が物
語の終わる時」という。





ストーリーは、突如現れた多数の巨大生物「巨人」の侵

攻により、人類は存亡の危機に瀕する。
生き残った人間達は、三重に築かれた巨大な城壁内側に生活圏を確保することで、一時的な安全
を得るに至る。城壁による平和を得てから約百年後。城郭都市の外縁地区「ウォール・マリア」
南端より突出した(甕城)シガンシナ区にて、父・グリシャと母・カルラ、幼馴染のミカサと暮
らす少年エレンは、親友アルミンと共に、幼い頃から「壁の外に出て世界を探検すること」を夢
見ていたが、エレンが10歳を迎えた年、突如として現れた「超大型巨人」によりシガンシナ区の
壁が破られ、多数の巨人が市街地に侵入する。アルミンの機転で助かったエレンとミカサだった
が、二人の眼前で母・カルラは捕食される。ウォール・マリアは放棄され、他の難民と一段内側
の「ウォール・ローゼ」内へ避難するエレンは、巨人の駆逐を心に誓う。

 

壁の崩壊から2年後、エレン、ミカサ、そしてウォール・マリア奪回作戦の失敗で両親を失ったア
ルミンの三人は、第104期訓練兵団に入団し、対巨人戦闘術を学んでいく。その後、3
年が経過し、
第104期兵団は修了・解散するが、その直後に再び超大型巨人が出現する。兵士たちは次々と命を
落とし、立ち向かったエレンも捕食され、戦況は悪化の一途を辿り、ミカサ達生き残りの訓練兵
たちも絶体絶命の窮地に陥ったその時、それまで誰も見たことがなかった「巨人を攻撃する巨人」
が現れ、他の巨人を殺しつくした。その巨人が力尽きたかに思えた時、その体内から現れたのは、
死んだはずのエレンだった。エレンの存在に危機感を抱く憲兵団や民衆は捕縛したエレンの排除
を叫ぶが、調査兵団長のエルヴィンはエレンの能力を活かすことを考え、自らの配下に取り立て
る。母の死後まもなく行方不明になった父の言葉を思い出し、シガンシナ区奪還を目指すエレン。未曾有
の存在となった彼の前途には、数多くの困難が立ち塞がるという筋書きである(出典:Wikipedia)。

※ 諫山 創(いさやま はじめ、1986年8月29日~)は、日本の漫画家。大分県日田市大山町出身。
   大分県立日田林工高等学校、専門学校九州デザイナー学院 マンガ学科出身

 

【リスクフリーな電気自動車とディーゼル車】

昨夜は、環境リスク本位制時代の政策に議論の必要性をブログ掲載してみたが、ここにきて日本
の自動車メーカの復調傾向が顕在化し、それに併せ欧米メーカ、とりわけドイツメーカが従来の
ディーデル車の開発から電気自動車の開発に拍車がかかってきている。温暖化ガス(二酸化炭素
)排出量の削減のためには自動車の削減政策の優先度が重要であることの基本認識が一致しつつ
ある思える。つまり、端的にいうとバイオマスエネルギの内燃機関とソーラエネルギの電動機シ
ステム相互浸潤期に突入しつつある。つまりは、バイオマス由来燃料油+ソーラ発電+水素(液
化ガス)+バイオアルコールをベースとして、その中間に燃料電池あるいは水素内燃機関の実用
化があり、その三つどもえの融合・ボーダレスあるいはシームレス時代にあるといえるだろう。
そんなことを考え作業しながら、下記の新規考案の三事案について下調べしてみた。

【非接触電力伝送装置の電源装置】

給電装置からの出力電力を車両のバッテリに非接触充電する車両用ワイヤレス充電システムには、
電磁誘導方式が提案されている。このシステムは、車両に電力送電する際、送電電力が車両側の
受電装置で反射する場合があり、この反射波が給電装置に伝達されると、給電装置の送信電力信
号が増幅され、発振現象が発生する。これを防止するため(1)送信交流電力が反射増幅された
場合、これを検知して交流電力出力を停止する。(2)磁場共鳴を利用し電力伝送することが提
案されている。磁場共鳴利用システムは、給電装置は高周波電源及び一次側コイルを備え、車両
側の受電装置は二次側コイル、整流器及び充電器を備えている。磁場共鳴利用し電力伝送を効率
良く行うために、給電側(一次側)と受電側(二次側)との共鳴系の共鳴状態を適切な状態にす
る必要があるが、共鳴状態は一次側コイルと二次側コイルとの距離で変化し、その距離は車両が
充電のために停止した停止位置や車両の状況(積載状況やタイヤの空気圧等)によって変化する
ため、高周波電源と一次側コイルとの間に整合器を設け、充電に先立って整合器を調整して共鳴
系の共鳴状態を適切な状態に調整した後、給電装置より電力伝送することが提案されているとい
う。

【符号の説明】

11…電源装置としての高周波電源、12…整合器、15…直流電源、16…インダクタとしての第1のイン
ダクタ、17…スイッチング素子、18…増幅部、22…切替手段、23…保護素子。

しかし、(1)給電送信された交流電力が反射で増幅された場合、これを検知し交流電力出力の
停止できるが、異常が回復するまで給電装置から電力伝送できない。(2)後者の磁場共鳴での
電力伝送方式は、給電装置からの電力伝送に先立って整合器を調整した後は、適切な共鳴状態で
電力伝送できるが、高周波電源の出力インピーダンスの変動が大きく、高周波電源のスイッチン
グ素子に過大な電圧が印加されてスイッチング素子の損傷を招く。このためスイッチング素子と
並列に保護素子を接続し、高周波電源の出力インピーダンスの変動が大きくなったときの過電圧
防止する方法がるが、これだと保護素子でのロスが発生し高周波電源の効率が低下する。この問
題を解決するため
、非接触電力伝送装置の電源装置としての高周波電源11は、直流電源15と、
直流電源15に第1のインダクタ16を介して接続されたスイッチング素子17を有する増幅部
18で構成することで、増幅部18にはスイッチング素子17に切替手段22を介して並列に接
続でき、切替手段22を介しスイッチング素子17に並列に接続された状態では、スイッチング
素子17に過大な電圧が印加されるのを防止する保護素子23を設けることで、保護
素子部分で
のロスを低減し、しかも受電側への電力伝送を中断せずにスイッチング素子の損傷を防止する。


 

【長波長光のアップコンバータ型太陽電池】

太陽電池セルで吸収されずに透過する長波長領域の光を、太陽電池セルで吸収され得る短波長領
域の
光に変換した後、太陽電池セルに戻すことにより、発電効率を向上させるアップコンバージ
ョン型のものが
知られている。アップコンバージョン型の太陽電池モジュールにおいては、太陽
電池セルの裏面に対向す
るように、波長を変換のアップコンバータを配置する場合があるが、波
長変換後、太陽電池セル
の裏面から再び太陽電池セルに入射しさせる両面受光型の太陽電池セル
を用いるが、片面受光と比べ製造プロセスが多
くなるデメリットと電極面積が小さくなり内部抵
抗が大きくなるデメリットある。この問題を解決するために下図のように、太陽電池セル40が
上面40aから太陽光L1を受光して短波長領域の光で発電を行う一方、アップコンバータ50
が、長波長領域の光を短波長領域の光に変換。波長領域が変換された後の光は、太陽電池セル4
0の上面40aに向けて反射。太陽電池モジュール100では、筐体10内に入射した太陽光L1
と、波長領域が変換された後の光との両方が、太陽電池セル40の上面40aで受光されるので
片面受光型の太陽電池セルを採用することが出来、両面受光型の太陽電池セルを用いる場合に比
べて、製造コストの増加を抑制可能であると共に、電極面積の減少に伴う発電効率の低下の抑制
が出来る。

 

 【符号の説明】

10…筐体、11a,12a…内面(反射手段)、13a…内面(反射手段、反射部)、20…開口部、30…シリン
ドリカルレンズ(集光手段),40…太陽電池セル、40a…上面(一方の面)、40b…裏面(他方の面)、
41b…裏面(反射部)、50…アップコンバータ(波長変換手段)、60…ダイクロイックミラー(分光部)、
70…集光レンズ(集光手段)、L1…太陽光。

しかし、このような構造をもつ新規考案がいまさらなが提案されてくるというのも不思議な感じて、先行出
願されていても可笑しくないという思いで目についた事案だった。

【ローコストエネルギ貯蔵装置のダウンサイジング】 

燃料電池やバッテリなどの長期持続または安定電力装置の他に、ウルトラコンデンサ、フライホイール等
の高速エネルギ貯蔵装置(FES)を有する二重エネルギ貯蔵システムなどが提案されている。このシステ
ムでは、高電流の入出力を高速エネルギ貯蔵装置が担うことでバッテリの寿命を延ばす。しかしながら、
エネルギ貯蔵装置に蓄えたエネルギを熱変換し、空調機器への熱供給や、機器の冷却や暖房したい場
合、従来例ではエネルギ貯蔵密度が小さく、必要なエネルギを蓄えるためには、エネルギ貯蔵装置が大
型化し、またな熱需要には、長時間経過後の再始動時に要求される場合が多く長時間ロスなくエネルギ
を貯蔵することが要求される。このため下図のごとく、発電手段12と、該発電手段12と電気
的に接続し
た発電手段12で生成された電力を化学エネルギとして蓄える一方、化学エネルギを
電力変換し、放出
できる二次電池14と、発電手段12と電気的に接続され電力を熱エネルギ変
換する電気ヒータを有した
上で、反応材と可逆的に結合する化学蓄熱材を有し、熱エネルギで化
学蓄熱材と反応材とを分離させて
蓄熱する一方、化学蓄熱材と反応材とを反応させて熱エネルギを放
出できる化学蓄熱装置16と、を備えることで、多量熱需要に対応すると共に、システムの小型化と低コス
ト化を両立できるシステムを提案しする。
 

【符号の説明】

10 エネルギ貯蔵装置 12 発電手段 14 二次電池(第1エネルギ貯蔵手段) 16 化学蓄熱装置(第2エ
ネルギ貯蔵手段) 20 エネルギ貯蔵装置 22 電気ヒータ 24 化学蓄熱材 26 反応材 30 エネルギ
貯蔵装置 40 エネルギ貯蔵装置 42 制御手段 48 動力伝達部 50 蓄電量検出手段 54 動力発生
源 56 電流検出手段 60 温度検出手段 70 熱交換部

以上三つの新規考案を紹介してみた。今後具体的に展開するかについては時に触れ、フォローアップし
ていく。

今日も暑かった。調子も従ってよくない。そんな中、ダーク・ファンタジーの『進撃の巨人』を
はじめて知る。ユーチューブで大筋を看る。このブームは少年達だけで終わるのか、それとも社
会的な広がりをもつのか?分からないが、流行るとすれば何らかの共感があるのだろう。今夜は
そのぐらいのところで留めておこう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする