久しぶり ならぬ事態に 憤り こころ焦がした 過ぎ去りし日々
【水電池って何よ?!】 水電池の原理
※「酸素濃淡電池」
「水だけで発電でき何度でも使えて、
防災用に使えるのよ」と元気の良い声
が朝からする。「何度でも使えるて本
当なの?」と聞き返す。やりかけの仕
事の手をとめてネット検索する。「な
るほど‘NoPoPo’か」と感心しながら
日本協能電子の「キーラ・アプリケー
ション」の鍵語は「防災」かと確認。
図1
水電池に水を注入する状態を示す断面図
いわゆる「濃淡電池」、すなわち「水
を注入して発電する水電池」は特別変
わったものではない。活性炭等の粉末
充填材を差し込んだ正極集電体と、水
(電解液)を粉末充填材に供給するため
の吸水部材とを含む構成からなり、こ
の電池の構造で、負極外筒体の底面の
注水口から吸収部材を通して粉末充填
材に注入、両電極間に起電力を生じさ
せる。水電池が放電した後に、注水口
から水を注入することによって再び電
気を発生させることができるという仕
掛けだ。図1(実用新案登録 U3112869)
は、上開口と下開口を有する金属ケー
スと、上開口を封止させる封止ブロッ
ク(3)と、ヘッドと封止ブロック
(3)を貫通する陽極ロッドと、金属
ケースに設けられた吸水部材と、封止
ブロック(3)との間の活性炭と、吸
水部材を任意位置に固定するリングと、
貫通孔を有する封止ブロック(6)を
備えている構造をとる。
図2 水電池実施例
図2に示すように、本考案に係る水電
池を組合わせる場合、先ず封止ブロッ
ク(3)によって金属パイプ(1)の
上開口(11)を封止させ、該ロッド本
体(22)を封止ブロック(3)の貫通
孔(31)に挿入させ、金属パイプ(1)
の下開口(11')を通じて金属パイプ
(1)の内部に活性炭(7) が充填さ
れ、次に吸水部材(4)と位置決めリ
ング(5)を順序に金属パイプ(1)
の内部に設置させ、最後に封止ブロッ
ク(6)によって金属パイプ(1)の
下開口(11')を封止させる。また、封
止ブロック(6)によって金属パイプ
(1)の下開口(11')を封止させた後、
封止ブロック(6)と吸水部材(4)
との間に貯水空間(8)が形成される。
陽極ロッド(2')のヘッドとロッド本
体をステンレスからなる一体形成のロ
ッドや、水を含む活性炭を電解液とし
て使用すると、約1.5ボルトの電圧を
発生でき、水電池の電力が弱くする際、
封止ブロック(6)の貫通孔(61)を
通じ、貯水空間(8)に水を注入させ、
水を吸水部材(4)で活性炭(7)に
吸収することにより、水電池を簡単に
再利用することができる。これに対し、
図3改良型水電池(実用新案登録:
U3154488)は、電気化学的面積を広げ
ることにより、電気を発生させ易くす
ることのできる水電池が発生する。そ
のために、注水口の第1端部と、反対
端部と、正極電極と、金属製の負極電
極と、正極活物質からなる粉末充填材
とを含む水電池で、正極電極が円筒状
の正極外筒体と棒状の正極集電体で構
成、充填材が正極の内部に充填され、
負極電極が、正極内筒体から形成され、
正極集電体が、負極内部に配置されて
いる。
図3 改良型水電池構成概説図
【特許】実用新案登録 U3154488
「水電池」
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【課題】
電気化学的面積を広げることによって、
より電気を発生させ易くすることので
きる水電池を提供する。
【解決手段】
水を注入して発電する水電池において、
正極電極が円筒状の正極外筒体15と棒
状の正極集電体34とから形成されてお
り、粉末充填材が正極外筒体15の内部
に充填されており、負極電極が、正極
外筒体15内に配置された円筒状の負極
内筒体17から形成されており、正極集
電体34が、負極内筒体17の内部に配置
されている。
【符号の説明】
10 水電池 11 第1端部 12 第2端部
14 被覆カバー 15 正極外筒体 16 粉
末充填材 17 負極内筒体 19a,19b 注
水口 23 正極蓋部材 34 正極集電体
L1,L2 離間寸法 46,47 スペース部 48,
49 分離壁部
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それ以外に以下の条件をそなえること
いが望ましい。 (1)正極と負極と
の径方向における離間寸法と、負極と
正極集電体との径方向における離間寸
法とがほぼ等しい。(2)正極全体が、
合金製の被覆カバーで覆われている。
(3)注水口が被覆カバーに形成され、
被覆カバーと正極との間には、導電性
部材から形成された、ほぼ十字形の正
極蓋部材が配置されている。(4)正
極と負極のうち少なくとも、負極の内
部には、内部を分離する径方向へ延び
る分離壁部が設け、内部の第2端部側
には、粉末充填材が充填されていない
スペース部が形成されている。
図4 改良型水電池の概要図
図5 改良型水電池の断面図(横)
改良型ミス電池の円筒状の正極に円筒
状の負極内筒体が配置されて、負極内
には、棒状の正極集電体が配置されて
いるため、単に棒状の電極を水電池内
部に挿入する場合に比べて、電気化学
的面積が広がり、より電気を発生させ
易くすることで発電効率が向上する。
図6 改良型水電池の断面図(縦1)
負極蓋部材38の周縁部に、ABS樹
脂などの絶縁部材の封止栓42が配置
され、封止栓42は、開口42aを有
し、開口42aには、負極17が挿通
されている。また、開口42aの突出
部43には、正極15の第2開口端部
22が嵌合されている。正極15と負
極17との間に封止栓42が配置され
ることで導通を遮断できる。正極15
を覆う被覆カバー14の開口端部14
bは、抜け止めの折り返しがほどかさ
れており、封止栓42上に位置しする。
正極15、正極蓋部材23、正極集電
体34は、導電性の高い黒鉛やエボナ
イトなどを用いる。負極17は、金属
マグネシウム、アルミニウム、亜鉛な
どのイオン化傾向の大きい電極活物質、
またはそれらを2種類以上含む合金か
ら形成されている。粉末充填材16は、
酸化力の強い正極活物質、例えば、活
性炭、二酸化マンガン、電解二酸化マ
ンガン、酸化鉄、結晶性の酸化銀など
の混合物から形成される。支持部材37
と封止栓42とは、プラスチックス、
ガラス、セラミックなどの絶縁材料か
ら形成され、正極集電体34と負極蓋
部材38、正極15と負極17との導
通を遮断する。
図7 改良型水電池の断面図(縦2)
改良型水電池10内部では、正極15
と負極17との径方向の離間距離L1
と、負極体17と正極集電体34との
径方向の離間距離L2とがほぼ等しく
なるように、設計、配置されている。
また、注水口19a,19bから注入
され、吸水材33に吸収された水は、
粉末充填材16に浸透、拡散される。
拡散された水は酸化反応触媒としての
役割を果たし、正極15と負極17と
の間と、正極集電体34と負極17と
の間に電位差が生じ、起電力が発生す
る。水電池10内の中心に向かって正
極電極と負極電極とを交互に配置して
いることから、単に棒状の電極を水電
池10内部に挿入する場合に比べて、
電気化学的面積が広がり、より電気を
発生させ易くすることができる(※空
間係数)。長時間の連続使用等によっ
て、水電池10内部が高圧となって、
正極15にひび割れや破損が生じたと
しても、正極15はステンレス等から
形成された被覆カバー14によって覆
われているので、粉末充填材16が外
部にこぼれ出て、漏電を引き起こすお
それはないという。
使用感想を見てみるとと、斬新な製品
だが、まだまだ改善する余地はありそ
うだ。電池の中に水を注入するために、
本製品にはスポイトがついており(1)
スポイトなしでは水は入りにくい。(
2)セットで保管しておかないといけ
ない点が少々面倒で、水の注入にはや
やコツがいるため、(3)水の量次第
では1Vに満たない電圧が発生すること
もある。(4)逆に、水を入れすぎる
と中の黒い物質が水と一緒に溢れるの
で。やはり慣れが必要。買っておいて、
いざというときに使えないのでは困る。
現在、単三形と単四形の2種類が発売さ
れている。
しかし、充電器なしで充電できる水電
池はユニークで改良が進めば空気電池
の欠点を転倒した利点をもったものと
して普及していくだろう(→空気電池
の弱点はなんだろう。空気には蒸気分
圧分の水分が含まれている。この濃度
では水電池が作動しないとすれば、そ
の閾値はどうなんだろう。これがわた
しからの問題提起だ)。 長渕 剛 夏祭り
それと、この例が示すように先行実用
新案で基本的に知財価値が抑えられて
いても、空間設計に詳細な新規性が認
められれば後発実用新案が通れば後者
に知財権は移る。「知財立国」をめざ
すなら努々ご油断なさるべからずとい
うことでもある。彼女に問われ、のめ
りこんでしまい気が付けばこんな時間
になり、仕事が停滞し本の山が残った。
テレビでは「小沢 vs.菅」のニュース
が流れている。