極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

ブラックマッペの超常現象

2017年04月23日 | 知財安全保障

            人は流水に鑑みるなくして、止水に鑑みる

                         徳充符(とくじゅうふ)

                                                 

           ※ 静止した水はいっさいを包む:魯に王馳(おうたい)という兀者(ごつ
         しゃ:足切りの刑に処せられた人間)がいた。たいへん人望があって、
         孔子にも劣らぬほど多くの弟子がいた。「流れる水は鏡にならぬ。だが
         節止した水は、いっさいの姿をうつしだすことができる。王馳はいわぱ
         静止した水のような人物なのだ」と彼を引用し説く。

 

【世界の朝食:インドのドーサ】

南インドのクレープ様の料理の1つ。 米とウラッド・ダール(皮を取って二つに割ったケツルアズ
のダール)を吸水させてからペースト状にすりつぶし、泡が立つまで発酵させた生地を熱した鉄板
の上でクレープのように薄く伸ばして焼く。❶
ジャガイモなどを香辛料と炒め煮にしたものをドーサ
でくるんだマサラ・ドーサ、❷焼く過程で伸ばした生地の焼けていない部分を削り取って薄く焼いた
ペーパー・ドーサ、❸生地に小麦粉の全粒粉を加えたゴドゥマイ・ドーサ、セモリナを加えたラヴァ
・ドーサ、❹シコクビエ粉を加えたラギ・ドーサ、茹でてつぶしたジャガイモを加えたウルライキジ
ャング・ドーサ、❺ジャガリー(黒砂糖)を加えた甘いヴェッラ・ドーサなど、様々なバリエーショ
ンがある。ココナッツやトマトなどの塩味のチャツネやサンバールと一緒に食べることが多い。南イ
ンドでは朝食や昼食の常食レシピ。スリランカではトーサイと呼ばれ特にタミル人の間で人気がある。

ところで、ダールとは、剥いた小粒の豆(ヒラマメなど)を挽き割ったもの、およびそれを煮込んだ
南アジアの料理のこと
である。しばしば香辛料が入るため、欧米や日本では「ダール・カレー」と紹
介されることが多いが、加える水
の量によって濃さはルー状からスープ状まで色々である。語源はサ
ンスクリットで「分けること」という意味のダラ。インド、パキスタン、バングラデシュ、ネパール
の料理では、主菜となることもあり、南インドでは米や野菜と、北インドとパキスタンでは米やチャ
パティ、ロティなどと共に食べられる。

 secret to make crispy dosa

また、ドーサの原材料であるケツルアズキ(別名:黒緑豆)は、はササゲ属アズキ亜属のつる性草本。日
本では主に『もやし豆』として知られている。
耐乾性が強く、黒色~黄緑色の種子を付ける。インド
からバングラデシュ、パキスタン、ミャンマーにかけて分布、野生種(リョクトウ(緑豆)と共通祖
先)から栽培化されたと考えられているもの。
インドでは古来より保存食(乾燥豆)として一般的で、
煮たり煎ったり、あるいは粉に挽いて用いられる。また、未熟な莢はサヤインゲンの様に野菜として
利用される。
2R,5R-ビス(ジヒドロキシメチル)-3R,4R-ジヒドロキシピロリジンを含むマメ科植物には、
血糖値を抑制する効果のあるα-グルコシダーゼ阻害作用を有するものがあり、アズキ、インゲンマメ、
ケツルアズキ(コクリョクトウ)、リョクトウ、黒ダイズの順でその活性が高く、エンドウ及びダイ
ズではほとんどその活性を示さなないと報告されている(Wikipedia)。
 

また、ブラックマッペ(ケツルアズキ)を発芽させたモヤシは、、緑豆モヤシより細めで水分量が
なく、その分モヤシの風味や香りが強い。成分としては緑豆モヤシと同等だが、ビタミンCとカルシ
ウムの量が緑豆モヤシより数値が高くなっている(下表)。ブラックマッペを知れば知るほど――米
小麦に相当し、
スプラウトとして野菜として使え、さらに調理残渣皮、茎、葉、根などすべて再利
用できそうで太陽光型植物工業で大量生産できそう――
凄い食品・堆肥だと感心する。

 

     

 読書録:村上春樹著  『騎士団長殺し 第Ⅰ部』   

    17.どうしてそんな大事なことを見逃していたのか

  陽光が窓から静かにスタジオに差し込んでいた。緩やかな風が白いカーテンをときおり揺らせ
 た。部屋には秋の朝の匂いがした。私は山の上に往むようになってから、季節の匂いの変化にと
 ても敏感になっていた。都会の真ん中に往んでいるときには、そんな匂いがあることにほとんど
 気づきもしなかったのだけれど。

  私はスツールに腰掛け、イーゼルに載せた描きかけの免色のポートレイトを、長いあいだ正面
 から睨んでいた。それがいつもの仕事の始め方だった。自分が昨日おこなった仕事を、今日の新
 たな目で評価し直すこと。手を勤かすのはそのあとでいい。
  悪くない、としばらくあとで私は思った。
悪くない。私か創りだしたいくつかの色彩が免色の
 
骨格をしっかりと包んでいた。黒い絵の具で、立ち上げた彼の骨格は、今ではその色彩の裏側に
 隠されていた。しかしその骨格が奥に潜んでいることは、私の目にははっきり見えていた。これ
 から私はもう一度その骨格を表面に浮かび上がらせていかなくてはならない。暗示をステートメ
 ントに変えていかなくてはならない。

Butterflay Stool


  もちろんその絵は完成を約束してはいない。それはまだひとつの可能性の城に留まっている。
  そこにはまだ何かが不足している。そこに存在するべき何かが、不在の非正当性を訴えている。
 そこに不在するものが、存在と不在を隔てるガラス窓の向こう側を叩いている。私はその無言
 叫びを聞き取ることができる。

  集中して絵を見ているうちに喉が渇いてきたので、途中で台所に行って、大きなグラスでオレ
 ンジ・ジュースを飲んだ。そして肩の力を抜き、両腕を宙に思い切り伸ばした。大きく息を吸い
 込み、そして吐いた。それからスタジオに戻り、もう一度スツールに座って絵を眺めた。気持ち
 を新たにし、イーゼルの上の自分の絵に再び意識を集中した。しかし何かが前とは違っているこ
 とにすぐに私は気がついた。絵を見ている角度がさっきとは明らかに異なっているのだ。

  私はスツールから降りて、その位置をあらためて点検してみた。そしてさっき私がこのスタジ
 オを離れたときとは、位置が少しずれていることに気がついた。スツールは明らかに移動させら
 れていた。どうしてだろう? 私はスツールから降りたとき、その椅子はまったく動かさなかっ
 たはずだ。そのことに間違いはない。椅子をずらさないように静かにそこから降り、戻ってきた
 ときも椅子をずらすことなく、静かにそこに腰掛けた。なぜそんなことをいちいち細かく覚えて
 いるかというと、私は絵を見る位置と角度に関してはとても神経質だからだ。私が絵を見る位置
 と角度はいつも決まっているし、野球のバッターがバッターボックスの中の立ち位置に細かくこ
 
だわるのと同じで、それが少しでもずれると気になって仕方ない。



   しかしスツールの位置は、さっきまで私が座っていたところから五十センチほどずれていたし、
 角度もそのぶん違っていた。私が台所でオレンジ・ジュースを飲んで、深呼吸をしている間に、
 誰かがスツールを動かしたとしか考えられない。私のいない間に誰かがこっそりスタジオに入っ
 てきて、スツールに腰掛けて私の絵を眺め、そして私が戻ってくる前にスツールから降りて、足
 音を忍ばせて部屋を出ていったのだ。そのときに椅子を――故意にかあるいは結果的にか  動
 かした。しかし私がスタジオを離れていたのはせいぜい五分か六分のことだ。だいたいどこの誰
 が何のために、わざわざそんな面倒なことをしなくてはならないのだ? それともスツールが自
 分の意思で勝手に移動をおこなったのだろうか?

  たぶん私の記憶が混乱しているのだろう。自分でスツールを動かしておいて、それを忘れてし
 まったのだ。そう考えるよりほかはなかった。一人きりで過ごす時間が長すぎるのかもしれない。
 そのせいで記憶の順序に乱れが生じてきているのかもしれない。
  私はスツールをその位置に――つまり最初にあったところから五十センチ離れ、いくらか角度
 
を変えた位置に―――留めておいた。そして試しにそこに腰掛け、そのポジションから免色のボ
 ー
トレイトを眺めてみた。するとそこにはさっきまでとは少し追う絵があった。もちろん同じひ
 と
つの絵なのだが、見え方が微妙に追う。光の当たり方が違うし、絵の其の質感も追って見える。
 その絵にはやはり生き生きしたものが含まれている。しかしまたそれと同時に何かしら不足した
 ものがある。しかしその不足の方向性が、さっきまでとは少しばかり違って見える。

  いったい何か違うのだろう? 私は絵を見ることに意識を集中した。その違いが私にきっと何
 かしらを訴えかけているはずなのだ。その違いの中に示唆されているはずのものを、私はうまく
 見出さなくてはならない。私はそう感じた。私は白いチョークを持ってきて、そのスツールの三
 本脚の位置を床にマークした(位置A)。それからスツールを最初にあった位置(五十センチば
 かり横)に戻し、そこ(位置B)にもチョークでしるしをつけた。そしてその二つのポジション
 の間を行ったり来たりして、その二つの異なった角度から交互にひとつの絵を眺めた。

  そのどちらの絵の中にも変わることなく免色がいたが、二つの角度では彼の見え方が不思議に
 違っていることに私は気がついた。まるで二つの異なった人格が彼の中に共存しているみたいに
 も見える。しかしどちらの免色にも、やはり共通して欠如しているものがあった。その欠如の共
 通性が、AとBの二つの免色を不在のままに統合していた。私はそこにある「不在する共通性
 を見つけ出さなくてはならない。位置Aと位置Bと私白身とのあいだで三角測量をおこなうみた
 いに。その「不在する共通性」はいったいいかなるものなのだろう? それ自体が形象を持つも
 のなのだろうか、それとも形象を持たないものなのだろうか? もし後者であるとすれば、私は
 どうやってそれを形象化すればいいのだろう?

  かんたんなことじやないかね、と誰かが言った。
  私はその声をはっきりと耳にした。大きな声ではないが、よく通る声だった。曖昧なところが
 ない。高くも低くもない。そしてそれはすぐ耳元で聞こえたようだった。
  私は思わず息を呑み、スツールに腰掛けたままゆっくりあたりを見回した。しかしもちろんど
 こにも人の姿は見えなかった。朝の鮮やかな光が、床に水たまりのように溢れていた。窓は開け
 放たれて、遠くの方からゴミ収集車の流すメロディーが風に乗って微かに聞こえてきた。「アニ
 ローリー」(なぜ小田原市のゴミ収乗車がスコットランド民謡を流さなくてはならない私には謎
 だった)。それ以外には何ひとつ音は聞こえない。
  おそらく空耳なのだろうと私は思った。自分の声が聞こえたのかもしれない。それは私の心が
 意識下で発した声だったのかもしれない。しかし私が耳にしたのはいかにも奇妙なしゃべり方だ
 った。かんたんなことじゃないかね、私はたとえ意識下であろうがそんな変なしゃべり方はしな
 い。

  annie laurie


  私はひとつ大きく深呼吸をして、スツールの上から再び絵を見つめた。そして絵に意識を集中
 した。それは空耳であったに違いない。
  わかりきったことじやないかい、とまた誰かが言った。その声はやはり私のすぐ耳元で聞こえ
 た。
  わかりきったこと? と私は自分に向かって問いただした。いったい何かわかりきったことな
 んだ?
  メンシキさんにあって、こにないものをみつければいいんじやないのかい、と誰かが言った。

  相変わらずとてもはっきりとした声だった。まるで無響室で録音された声のように残響がない。
 一音一首が明瞭に聞こえる。そして具象化された観念のように、自然な抑揚を欠いている。
  私はもう一度あたりを見回した。今度はスツールから降りて、居間まで調べに行った。すべて
 の部屋をいちおう点検してみた。でも家の中には誰もいなかった。もしいるとしても、屋根裏の
 みみずくくらいのものだ。しかしもちろんみみずくは目をきかない。そして玄関のドアには鍵が
 かかっていた。

  スタジオのスツールが勝手に移動したあとは、このわけのわからない奇妙な声だ。天の声なの
 か、私自身の声なのか、それとも匿名の第三者の声なのか。いずれにせよ、私の頭は変調をきた
 し始めているのかもしれない、そう思わないわけにはいかなかった。あの真夜中の鈴の音以来、
 私は自分の意識の正当性にそれほど自信が持てなくなっていた。しかし鈴の音に関して言えば、
 免色もそこに同席し、私と同じようにその音をはっきり耳にしていた。だからそれが私の幻聴で
 はないことは客観的に証明された。私の聴覚はちゃんと正常に機能していたのだ。だとしたらこ
 の不思議な声はいったい何なのだろう?

  私はもう一度スツールに腰掛け、もう一度絵を眺めてみた。

  メンシキさんにあって、ここにないものをみつければいい。まるで謎かけのようだ。深い森の
 中で迷った子供に、賢い鳥が教えてくれる道筋のようだ。免色にあってここにはないもの、それ
 はいったい何だろう?

  長い時間がかかった。時計が静かに規則正しく時を刻み、東向きの小さな窓から射し込んだ床
 の日だまりが音もなく移動した。鮮やかな色をした身軽な小鳥たちがやってきて柳の彼にとまり
 しなやかに何かを探し、そして鳴きながら飛び去っていった。円い石盤のようなかたちをした白
 い雲が、列をなしていくつも空を流れていった。銀色の飛行機が一機、光った海に向かって飛ん
 でいった。対潜哨戒をする自衛隊の四発プロペラ機だ。耳を澄ませ、目を凝らし、潜在を顕在化
 するのが彼らに与えられた日常の職務だ。私はそのエンジン音が近づいてきて去っていくのを聞
 いていた。 

  P-3 Orion · Lockheed Martin

  それから私はようやく、ひとつの事実に思い当たった。それは文字通り明白な事実だった。ど
 うしてそんなことを忘れてしまっていたのだろう。免色にあって、私のこの免色のポートレイト
 にないもの。それはとてもはっきりしている。彼の白髪だ。降りたての雪のように純白の、あの
 見事な白髪だ。それを抜きにして免色を語ることはできない。どうしてそんな大事なことを私は
 見逃していたのだろう。

  私はスツールから起ち上がり、絵の具箱の中から急いで白い絵の具をかき集め、適当な絵筆を
 手にとって、何も考えずに分厚く、勢いよく、大胆に自由にそれを両面に塗り込んでいった。ナ
 イフも使い、指先も使った。十五分ばかりその作業を続け、それからキャンバスの前を離れ、ス
 ツールに腰掛け、出来上がった絵を点検した。

  そこには免色という人間があった。免色は間違いなくその絵の中にいた。彼の人格は――それ
 がどのような内容のものであれ――私の絵の中でひとつに統合され、顕在化されていた。私はも
 ちろん免色渉という人間のありようを、正確に理解できてはいない。というか、何ひとつ知らな
 いも同然だ。しかし画家としての私は彼を、総合的なひとつの形象として、俯分けできないひと
 つのパッケージとして、キャンバスの上に再現することができる。彼はその絵の中で呼吸をしい
 る。彼の抱える謎さえもが、そのままそこにあった。

  しかしそれと同時に、その絵はどのような見地から見ても、いわゆる「肖像画」ではなかった。
 それは免色渉という存在を絵画的に、画面に浮かび上がらせることに成功している(と私は感じ
 る)。しかし免色という人間の外見を描くことをその目的とはしていない(まったくしていない)。
 そこには大きな違いがある。それは基本的には、私が自分のために描いた絵だった。

  依頼主である免色が、そのような絵を自身の「肖像画」として認めてくれるかどうか、私には
 予側かつかなかった。その絵は彼が当初期待したものからは、何光年も離れたものになってし
 まっているかもしれない。私の好きなように自由に描いてくれればいい、スタイルについて何も
 注文はつけない、と免色は最初に言った。しかしそこにはひょっとして、免色自身がその存在を
 認めたくない何かしらネガティブな要素が、たまたま描き込まれてしまっているかもしれない。
 しかし彼がその絵を気に入ったとしても気に入らなかったとしても、私にはもう手の打ちようが
 なくなっていた。その絵はどう考えても既に私の手から、また私の意思から遠く離れたものにな
 っていたからだ。

  私はそれからなおも半時間近く、スツールに座ってそのポートレイトをじっと見つめていた。
 それは私自身が描いたものでありながら、同時に私の論理や理解の範囲を超えたものになってい
 た。どうやって自分にそんなものが描けたのか、私にはもう思い出せなくなっていた。それは、
 じっと見ているうちに自分にひどく近いものになり、また自分からひどく遠いものになった。し
 かしそこに描かれているのは疑いの余地なく、正しい色と正しい形をもったものだった。

  出口を見つけつつあるのかもしれない、と私は思った。私は目の前に立ちはだかっていた厚い
 壁をようやく抜けつつあるのかもしれない。とはいえ、ものごとはまだ始まったばかりだ。手が
 かりらしきものを手にしたばかりなのだ。私はここでよほど注意深くならなくてはならない。自
 分に向かってそう言い聞かせながら、使用した何本かの絵筆とペインティング・ナイフから、時
 間をかけて絵の具を洗い落とした。オイルと石鹸を使って丁寧に手も洗った。それから台所に行
 って水をグラスに何杯か飲んだ。ずいぶん喉が渇いていた。

  しかしそれにしても、いったい誰があのスタジオのスツールを移動させたのだろう(それは明
 らかに移動させられていた)。誰が私の耳元で奇妙な声で語りかけてきたのだろう(私は明らか
 にその声を耳にした)。誰が私に、あの絵に何か欠けているかを示唆したのだろう(その示唆は
 明らかに有効なものだった)。

  おそらく私自身だ。私か無意識に椅子を動かし、私自身に示唆を与えたのだ。持って回った不
 思議なやり方で、表層意識と深層意識とを自在に交錯させて……。それ以外に私に思いつけるう
 まい説明はなかった。もちろんそれは真実ではなかったのだが。
  午前十一時、食堂の椅子に座って、熱い紅茶を飲みながらあてもなく考えごとをしているとき
 に、免色の運転する銀色のジャガーがやってきた。私はそのときまで、免色と前夜交わした約束
 をすっかり忘れてしまっていた。絵を描くことに夢中になっていたせいだ。それからあの幻聴だ
 か空耳のこともあった。

  免色? どうして免色が今ここに来るのだろう?

 「できれば、もう一度あの石室をじっくりと見てみたいのです」、免色は電話でそう言っていた。
 私は家の前でV8エンジンがいつもの唸りを止めるのを耳にしながら、そのことをようやく思い
 出した。

History of psychology

スツールの移動は超常現象なのか?そうではない。表層意識と深層意識とを自在に交錯させて「もっ
て回ったやり方」がそうさせていたのだと。また、免色にあって、私のこの免色のポートレイトにな
い「白髪」の内省的発見の経緯がこの第17章で語られる。「好奇心が殺すのは猫だけじゃない」へ
と続く。めがはなせない。

                                      この項つづく

 

 



【RE100倶楽部:風力発電篇】

● 改良特許事例:モータ磁力低下防止技術

発電機に永久磁石を用いる場合、永久磁石が一度減磁すると、発電機電流を増加させることになり、
これが減磁を加速させ悪循環に入る。この結果、磁石を含めたロータの部品交換を急きょ行わなけれ
ばならない自体
になり、交換部品の手配など、保守作業に追われることになる。このため、発電機に
永久磁石を用いる上で永久磁石が減磁した際、運転をできる限り長く運転できる対応が求められてい
た。

下図の東芝の特許は、風車、発電機および制御部とを備える。風車は風を受けて回転する。発電機は
ヨークに永久磁石を用い風車の回転動力を電力に変換する。制御部は風車および発電機に設置された
センサから受信した信号を基に維持すべき発電機のトルクを求め、永久磁石の磁力が正常時の予め設
定された発電機のトルクと電流との第1の関係に従い発電機のトルクを決定し発電機による発電を制
御する。制御部は発電機の電流とトルクの経時的な変化から予め設定された許容値を超える永久磁石
の減磁が検知された場合、第1の関係とはトルクと電流の関係が異なる減磁時の第2の関係に従い減
少させるトルクを決定する新規機構考案が呈示されている。
 

Apr. 20/ 2017

【解決手段】風力発電装置は、風車1、発電機2および制御部41とを備える。風車は風を受けて回
転する。発電機はヨークに永久磁石を用い風車の回転動力を電力に変換する。制御部は発電機の電流
とトルクの経時的な変化から予め設定された許容値を超える永久磁石の減磁が検知された場合、第1
の関係とは前記トルクと前記電流との関係が異なる減磁時の第2の関係に従い減少させるトルクを決
定する(
選択図:図1)。

正直、本調子じゃない。
     ところで、世界の軍事3大国の米露中の政治リーダー(層)の選択誤謬(いいかえれば、ミスリ
   ード)により「常在戦場」状況は深まるばかりだ。翻って、自民党政権は調子に乗りすぎの体た
     らくに歯止めが効かないようだ。荘子の「人は流水に鑑みるなくして、止水に鑑みる」の言葉が
     胸を突き刺すかのよう
だ。情けない。


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メカとバイオのことはじめ

2012年03月23日 | 知財安全保障

 

 

【切り餅騒動に新局面】

餅をきれいに焼くために表面に切り込みを入れるアイデアの特許を巡って、業界2位の「越後製菓」が、業界
トップの「佐藤食品工業」に販売の停止などを求めた裁判で、知的財産高等裁判所は、佐藤食品工業に対し、
商品の製造販売の停止と8億円余りの賠償を命じた。越後製菓の商品は餅の側面だけに切り込みが入っている
のに対し、佐藤食品工業の商品には上下の面にも入っていて、それぞれ特許として認められていたが、裁判で
先出願した越後製菓の特許権を侵害しているかどうかが争われていた。1審は、それぞれの特許は別だとして
訴えを退け、2審の知的財産高等裁判所は、去年9月「側面に切り込みが入っていれば越後製菓の特許技術の
範囲だ」として、特許権の侵害と判断、その後、和解調整していたが不調に終わる。22日の判決で、知的財
産高等裁判所は、佐藤食品工業に対し、商品の製造販売の停止を命じたほか「切り込みによって餅がうまく焼
けることが売り上げの増加につながっている」として8億円余りの賠償を命じた。これにより佐藤食品工業は、
執行停止を申し立てて認められなければ商品の製造販売はできなくなくなる。今後、国内的にもそして隣国中
国の無頼行為の不作為問題をはじめとした、世界での知財権取得抗争は新たなる段階の象徴的な事件だ。

【バイオ燃料 ボツリオコッカス・ブラウニーのチカラ?!】

バイオ燃料ブーム。中でも微細藻類は生産性が高く、かつユニークな脂質生産をする種が多い。生息域が水中
で陸上の食用作物と生産の場が競合しない点からも次世代バイオ燃料資源として期待が集まっていが、微細藻
類は、脂肪酸系の脂質を蓄積するものが多いが炭化水素も蓄積する。その1つが淡水性トレボウクシア藻の一
種ボツリオコッカス・ブラウニー(下図)。単細胞性だが、個々の細胞を細胞問マトリクスでつなぎ止めて群
体を形成する。この藻の炭化水素含量は乾燥重量の数18%にも及び、細胞間マトリクス部に蓄積するため、顕
微鏡観察時にカバーガラスで圧迫すると、染み出す様子が観察されるという。1度分泌された炭化水素が細胞
内に再吸収されて栄養源等へ代謝されることはない。

  

 

この藻は生産する炭化水素のタイプによりA、B、Lの3品種に分けられる。A品種は奇数個の炭素鎖からな
る直鋼状のアルカジエンおよびアルカトリエンを生産し、L品種はリコパジエンというテトラテルペンを生産
する。また、B品種は、ボツリオコッセン(BC)類(下図)という本種に特異的なトリテルペンと、メチル化され
スクアレン(SQ)類を生産する。B品種は炭化水素含量が平均的に高いことや、テルペン類が軽質化により高
オクタン価の燃料に変換可能なことから帆バイオ燃料源として有望と考えられ、すでに石油ショック後の1980
年代から世界各地で本藻の大量培養による炭化水素生産に関する研究が行われてきたが、増殖速度が非常に遅
い。岡田茂東京大学准教授らはこの藻の炭化水素生産に、トリテルペン炭化水素生合成酵素遺伝子の同定を試
み新たな知見をえている。

※トリテルペン triterpenes:トリテルペンは、ほとんどの植物に存在し、天然には80種以上のトリテルペン
骨格の存在が分析されています。トリテルペンは高麗人参など人参類、きのこ類の含有成分として知られてい
たが、トリテルペン合成酵素の遺伝子構造が解析されるとともに、抗がんなど新薬の可能性が期待されている
物質。トリテルペンの基本骨格を形成するのはスクワレンC30H50(スクワレンは鮫など動物ばかりでなく植物
にも広く存在)。スクアレンは2経路の変換をしますが、一つはトリテルペン、もう一つはラノステロールLan-
osterolを経てコレステロールC27H46O(386.66)へと変化する経路。トリテルペン、コレステロールはスクアレ
ンから二つの酵素(Squalene epoxidase、Squalene oxidocyclase)で合成される。スクワレンからトリテルペ
ンやステロイド類のコレステロールを生成するメカニズムは、スタンフォード大学のWilliam Summer Johnson
教授(1913-1995:ステロイド類の合成作用解明に多大な貢献があった)らによって、1970年ごろには解明さ
れた(Model Studies of Squalene Cyclization)。青紫蘇などに含有するオレアノール酸 oleanolic acidや
ウルソール酸 ursolic acidの分子構造もトリテルペン。



※参考




この藻が生産するBC類も、マイナー成分であるメチルSQ類も、ともに細胞内で炭素数30の化合物で、順次S-ア
デノシルメチオニン由来のメチル基が導入されて炭素数34程度までの様々な同族体に変換する。両者の構造の
違いは、2つのファルネシル基の結合様式だけで、BCはスクアレン合成酵素qualene synthase=SS)と非常に
よく似た酵素により生成するものと考えられてきた。SSは真核生物に広く分布する酵素で、2段階の反応を行
い、1段階目の反応では2分子のファルネシルニリン酸(FPP)が縮合した中間体であるプレスクアレンニリン酸
(PSPP)を生成し、2段階目の反応でリン酸基の離脱、シクロプロパン環の開裂、炭素一炭素結合の再構築、NA
DPHによる還元が起き、SQが生成すると考えられている。SSは生物種間を超えてよく保存されているアミノ酸残
基からなる5つのドメインI~Vを有し、ドメインⅢおよびIVはSQ合成反応の1段階目に、ドメインVが2段
階目の反応に重要であることが示唆されていた。2段階目の反応におけるシクロプロパン環の間裂様式のみが
SSによる反応と異なればBCは形成し得る。そこで筆者らは、BCの合成酵素はSSにおけるドメインVのみが異な
る酵素であるとの仮説に基づき探索を開始した。事実、藻体ホモジネートにおけるBC合成活性は、SSの特異的
阻害剤であるスクアレスタチンにより阻害された几これはBCの生成がPSPPを経ることを意味しているというこ
とになるが、これはややこしい説明となる。

ボツリオコッカス・ブラウニーは他の生物には例を見ないシステムでBCおよびSQ分子を作ることが明らかにな
ったことにより、最初に同定されたBSSにより作られるSQ分子が、ステロールの前駆体として一次代謝に使われ
る一方、SSL-1とSSL-2の組合せにより作られるSQが、メチルスクアレン類など二次代謝産物としてのSQ誘導体
へと変換されるが詳細はいまだ不明の中にある。また、トリテルペン生合成に直接関与する酵素の遺伝子が同
定されたことで、この藻による炭化水素生産へ遺伝子工学的手法を導入する糸口が得られている。

※「Regulation of Squalene Synthase, a Key Enzyme of Sterol Biosynthesis, in Tobacco

【未来の車いす】 

 

全方向に移動できる4輪の未来型乗り物(1人用)を京都大大学院工学研究科の小森雅晴准教授が開発、22日
発表。電動車椅子などへの応用が期待され、直径約40センチの車輪の周りに、車輪の回転に対して垂直方向
に回転するゴム製ローラー(直径約6センチ)を32個取り付けた。ローラーだけ回転させれば真横に、両方
なら斜め方向に動く仕組みだ。重量がどの程度か写真だけではわからないが、軽量化・コンパクト化や安全性
設計の改良が進めば世界標準(オプション別)に一歩近づくことになり、一大事業がこの2、3年で実現でき
そうだ。
 
【符号の説明】10,10a,10b 移動搬送機構 12 ケーシング 14a,14b モータ 16a 第1の回転軸 16b 第2の回転軸
 18a,18b 入力かさ歯車(第1及び第2の入力部材) 20 ホイール部材 20a 外周 20s ホイール回転中心軸 22 第1
の結合部材 24 第2の結合部材 26 第3の結合部材(回転支持部材) 30,30a,30k,30t,30x,30y 副車輪 31 回
転軸 31x 副車輪回転中心軸 32 プーリ(回転伝達部材) 34,34a,34c,34s,34t 副車輪 36 副車輪 38 ローラ(
回転伝達部材) 42 出力かさ歯車(出力部材) 43 出力かさ歯車回転軸(回転伝達部材) 44 第1の中間歯車(回転伝達
部材) 46 第2の中間歯車(回転伝達部材) 47 中間回転軸(回転伝達部材) 48,48s プーリ(回転伝達部材) 49 伝動
ベルト(回転伝達部材) 49a~49e,49s,49t ベルト(回転伝達部材) 50,50a~50e,50s,50x~50z 第1の入力部
材 51,51a~51e,51s,51x~51z 係合部(第1の係合部) 52,52a~52e,52s,52x~52z 第2の入力部材 53,
53a~53e,53s,53x~53z 係合部(第2の係合部) 54,54a~54e,54s,54x~54z 出力部材 55,55a,55c,
55d 係合部(第3の係合部) 60,60a,60b 移動搬送装置 62 本体 64 底面 68 ボール車輪 70 主車輪71 差動機
構 71a 入力かさ歯車 71b 出力かさ歯車 72 副車輪 73 プーリ(回転伝達部材) 74 副車輪 75 副車輪 76,76a,
76b プーリ(回転伝達部材) 77 プーリ(回転伝達部材) 78,79 丸ベルト(回転伝達部材) 80 主車輪 90 外歯太陽歯
車(第1の入力部材) 92 遊星歯車(出力部材) 93 キャリヤ 94 内歯車(第2の入力部材)

今日は「メカとバイオのことはじめ」と題してブログした。言い換えれば「高齢社会と持続可能な燃料のことはじ」と言い換えられ
る。この2つの事業化は世界に貢献できるものだけに、冒頭の「切り餅特許抗争」のように新規考案をめぐる競合も激しくなる
ものと考えられる。つまりは「世界貢献と野心のことはじめ」とも言い換えられるテーマでもある。改めて時に触れ考えていく。

 

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南西諸島水都構想Ⅰ

2010年08月08日 | 知財安全保障



浜に出で きみがビギニを 背に泳ぐ 今日も想えど 家が離れず   




 apachecorp.com

【ミイラー取りのミイラー

YouTube - ‪オバマ大統領のプラハ演説(日本語字幕付き) 1/3‬‎

臨時国会を見ていて「核抑止力」の容認
論が菅首相や岡田外相から重ねて発言さ
れた。先の二度の世界大戦の経験から、
総生産力殲滅戦争であり不可能な戦争と
笠井潔らと同様にわたし(たち)は捉え
「核抑止力本位制」の幻想を振りまく米
ソ両国の核武装解除を最終課題と考えた。
現実は皮肉なものでオバマ政権になりや
っとその呪縛を解くとの「プラハ演説」
でそのことの自覚を世界共有できた。

 笠井潔

やっとできたたもの「核の拡散」のリス
クは増幅することはあっても収まる気配
がない現実が残った。ブッシュ前大統領
及び同盟国家が起こした中東の半国家・
半宗教諸国への「テロ」封じ込め戦争は
総生産力殲滅戦争から「覇権大国 vs. 対
集団」戦争に変容することで「抑止力
の効かない核」の脅威に曝されている。
戦端を切るのは易し、されど終熄は難し
き日々に悩まされている。だから、米国
との同盟堅持とするなら、その難問の解
き方に糸目を付けないというのが、我が
国の軍事的安全保障の「命題」であると
同時に、日本の「軍事的自立」だと考え
ている。



その意味において「鳩山政権」「菅政権」
も反動勢力に転落している。岡田外相の
国会中継を見ながら、その生真面目な面
容とは別の、つまり「ミイラ取りがミイ
ラ」を思わせる面容を見た。

               





FSO(Floating Storage and Offloading system)

浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備)は、
石油・ガスの生産を行なう設備を持たな
い洋上での貯蔵・積出専用の設備。FSO
は生産設備(固定式の生産設備、TLP
ような貯蔵設備を持たない浮体式の生産
設備、あるいは陸上の生産設備)で生産
された原油を受け入れて設備内のタンク
に貯蔵し、輸送タンカーへ積出を行う設
備。現在世界で約90基のFSOが稼動して
いるという


TLPの概念図

【南西諸島水都構想】



「このクラゲ型海中都市ユニットは、波
力、太陽光、バイオからエネルギーを取
り出し、農業を海上部分で、養殖を海中
で、水耕栽培などは海中室内で行い自給
する。その発光触手は、海に棲息する動
物を集める。謂わば海中のオアシスとい
えば分かり良いと思いますが」とデケフ
ァルドラコのデクシャは熱弁を振るって
いる。

 デケファルドラコ

「電力、食品、空気等の生産、生命維持、
廃棄処理物
理、メンテナンス等の機能構
成されるが...」と大型ディスプレイ型携
帯情報端末に表示された画像を見せてい
ると「暫く他のお客さんがこないから無
線でパネル表示しなさいよ」と
マスター
のキーリオスがカウンタから割り込んだ。
デクシャは彼女の指示に従い情報端末器
を接続した。暫くすると、黒いエンボス
加工の壁の照明消えOLEDs の大画面が浮
かび上がり、こんな映像が表示されたの
で、同席一同が口々に驚きの声が漏れた。

 キーリオス

「外部リソースの風力発電機、庭園、畜
産のコンポーネントは、は、人工島の屋
上に配置、リビングエリアは、海面のす
ぐ下に配置され、建物自体は直立バラス
トとバランシングタンクのシステムを使
用し安定させます」と「移動はできるの
?それと、嵐の時の海上の庭園はどうす
る」とミカニコースが尋ねると「牽引船
が必要です」とアリステファが言い終わ
る同時にデクシャが「硬質の透明バリア
が稼働し側面のみ防波堤を形成します」
と答えた。


 


そうこうしていると、コキノダイモナは
自分のセルラーホンを操作しブラッドビ
ールとゴーヤとウコンのピリ辛ピクルス
を注文すると暫くして、マスターが「ぺ
ースがはやいね」と軽口をたたきながら
注文の品を運びテーブル上に置いて行っ
た。「このクラゲ型海中ユニット間のネ
ットワークは通信、海上移動、海中移動
と空中移動で結ばれるが、近接ユニット
間にフレキシブルチューブ内を専用カプ
セルに乗り移動させるものです。海中コ
ンドミニアムはなんと言っても温調が安
定している点です」と笑うと。一同拍手
を送り「その通りさ」とスモール・トー
クする。

Rain Collector Skyscraper

 

「今日のところはここまでの提案として、
次回は海洋資源とその利用法について具
体的なお話をしたいと思いますが...」
と言い終えると、すかさずコキノダイモ
ナが「ご馳走食べて、カラオケでも歌お
うや」といってテーブルを片付けだした
と同時に部屋の壁が明るくなりBCMのイ
メージ映像が映し出され料理と飲み物が
運ばれ一寸した宴会となる。


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株式投資性行は未来の挑戦

2010年07月23日 | 知財安全保障



現身と 夢繋ぐ 架け橋は 淡路の島に 架かる大橋ぞ 




東亜グラウト工業株式会社

【成長戦略 モグラ産業】

 
FRP内面補修工法

枸杞実を頬張り疾走』で下水の循環を
掲載してから持論の「トンネル技術」を
日本の中核にすえるという確信はさらに
深まったが(『茶の花とシチリア記Ⅵ』)
2つの技術的課題についてあれこれ考え
ていた。その1つが「防災時の懸濁回収
排水の濾過システム及びその技術」で2
つめは「配管の高次補修システム及びそ
の技術」。前者は終末処理状の規模とそ
の配置の最適化で既存の技術の改良で対
応できる(例えば、濾過凝集剤として琵
琶湖の藻やプランクトンからポリアミノ
酸系の凝集剤の製造などは新規考案に該
当)。



2つめの解決策は既にあった。その企業
名は「東亜グラクト工業株式会社」だ。
管路メンテナンスの保有技術は5つに渡
。それだけでない「斜面・法面防災」
「地盤改良工事」なども技術を保有して
いる。従来の土木工学の応用であり格別
飛躍した技術群ではなさそうだが、蓄積
企業技術(know-how)が魅力。老朽化し
た配水管を破壊せず光硬化樹脂と自動内
張装置を使い改修するというから感心だ。
地下建設施工業界は「モグラ産業」とし
て次世代ゼネコンを育生するかも知れな
い。未来への投資主体形成に期待がかか
る。





【南西諸島水都構想】



暑いなとハンカチで額の汗を拭きながら
アポローンはつぶやく。JR南彦根駅の西
口側の階段を下り、蝉時雨の中を5分ば
かり歩と待ち合わせのポルトガル地方の
漆喰壁風のフィネ・バー『フィンガリ・
ローペェ』(月の雫)に到着する。ドア
を開けると表とは対照的に、赤松の単層
フリーリングに、漆黒の壁と星座と月を
あしらった空間から蝋燭光が漆黒の壁か
らにじみ出すかのような照明で統一され
カウンタを除く天井は直接照明で星座と
月の満ち欠けの連続図形パノラマ展開し
よく見ると時間経過により画像が微妙に
変化していることがわかった。



カウンタの対面の6席の2つのテーブル
奥側にコキノダイナモ、ミカニーコスと
デケファルドラコが座って会釈している。
「マスター取り敢えず生ビールや」と大
きな声でコキノダイモスが注文する。「
まぁ座って。暑かったやろう。荷物はト
イレの前の部屋にれておいて」と指さす。
アポロンは指示されるまま杉の木で作ら
れた一番右の最上段のロッカーに鞄と汗
に濡れたコットンブレザーを入れセルラ
ーホンで鍵をかけ、栗の木で作られたテ
ーブルに着席した。

 アポローン

 コキノダイモナ
 ミカニコース

デケファルドラコ

キーリオスは女性だった。BGMを変える
ように、コキノダイモナが彼女の耳元で
何かささやくと新曲を携帯電話で D/L
ると自動演奏されてきた
。テーブルには
付き出しは淡路産の鱧落としの梅肉和
と生ビールが置かれていた。長崎から先
に来ていたデケファルドラコが置かれた
食器類を手でよけ、持ってきた地図を広
げ小声で「これを見て欲しい」と切りだ
した。そこには南西諸島と琉球海溝など
の上からいろんな文字が記されている。






そして、デケファルドラコのデクシャが
「ご存じの通り南西諸島は、九州から台
湾にかけて連なる全長1200kmの島弧です。
ここではフィリピン海プレートが南西諸
島の下へ北西方向に沈み込んでいる。ま
た、南西諸島の北西側では背弧海盆であ
る沖縄トラフが現在拡張している。現在、
南西諸島の形成史は完全に解明されたと
は言い難い」と地図を示しながら説明を
はじめた。その間、デケファルドラコの
アリステファは煙草を旨そうに吸ってい
るが、この店は全域喫煙可能なのだが、
特殊な可動式排気装置でたちどころに吸
引排出できるようにキーリオスが設計施
工したものだ。アポローンが怪訝な顔す
るのでミカニコースは「この店は世界に
一つとないもので溢れているのですよ」
とすかさず説明を入れる。



南西諸島各地における潮位の予測値


「沖縄トラフは現在リフティングの初期段
階であると考えられている。国土地理院
の連続GPS観測結果からも、沖縄トラフ
のリフティングによって南西諸島が南南
東方向に移動しながら同時に海溝軸に平
行に拡張する様子が明らかになっていま
す」と説明しているとデケファルドラコ
のアリステファが「この50km2 の日本
固有海域に未来の水中都市を建設すると
いうのが今回の提案ということです」と
せっかちにコメントをした。

 高機能型浮体構造物

 freedom ship

「日本近海の有望な海底資源は静岡~和
歌山沖、四国沖のメタンハイドレートや
東シナ海の天然ガスがある。メタンハイ
ドレートについては国内の天然ガス14年
分に相当する約1.1兆立方㍍の埋蔵量が
確認されている。マンガン団塊のうち希
少金属のコバルトを多く含む「
コバルト
リッチクラスト
」も世界有数の埋蔵量が
ある。海底資源開発推進法、
海洋基本法
なども整備されて来てはいるが「海洋治
安」(軍事・境界・外交)「海運・造船・
港湾」「海洋資源・エネルギー」「海洋
環境」など分科されて議論されているに
過ぎない」と繋ぎ黙り込んだ。



「つまり、社会生態学的なアプローチが
ないということだね」(『
銃規制の挫折
とイエロー効果
』)とアポローンがだめ
を押すようにスモール・トークした。コ
キノダイモナ生ビールを飲み干しお代わ
りをしながら、携帯電話でBGをリクエス
トするとノラジョーンズの“
What Am I To
You?”
 が流れてきた。



「そうです。海の上・中・底に構築する
人間のシステムの発想をコンクリーや鉄
などでイメージ・設計するのでなく、よ
り自然サイドに立ったイメージ・設計で
構築することです。例えば、動物性プラ
ンクトンやクラゲの様な比較的低級な動
物で構造物を設計するということです」。
なるほどとミカニコースは大きく頷いた。
「環境順応型システム、つまり、環境変
動を動的に帰還制御する最上位とした設
計ということか」と珍しくコキノダイモ
ナが真剣な顔で議論に割り込んできた。



“Warmer Seas will wipe out plankton, source of ocean Life


「勿論、飛び魚やイルカ、甲殻類も対象
ですがあまり欲張らないで1つ1つを完
璧にこなす。海洋は陸域からの距離と水
深により、陸域と接した海浜域、陸棚上
の大部分を占める沿岸域、さらに沖側の
外洋域に大別され、海浜域と沿岸域は陸
域からの栄養塩類の供給と、波浪や湧昇
流による堆積物のかく乱により、陽光性
プランクトンによる一次生産が活発で、
海浜部は底生生物群集の生産量の割合が
高く、沿岸域では植物プランクトンによ
る生産が大半を占め、外洋域の生物群集
は水深に応じた垂直分布する。太陽光の
到達する水深150~200m以浅は浅海水系
と呼ばれ、ここに生育する植物プランク
トンなど浮遊性の浅海水層群集が外洋域
の一次生産者で、それより下方に生息す
る深海底生群集や深海漂泳群集は、浅海
水層群集の生産した栄養物にほぼ依存し
ています・・・」。

 	 ロンシャス
 
話は続いているがカウンターにはいつの
まにか座りプロンシャスがカウンターで
マスターとステアのドライ・マティニを
口にしながら世間話をしている。

※今日はここまで、映画「インセプショ
ン」のナイトショーの鑑賞に。

  




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ワインカクテルと太陽を追って

2010年06月23日 | 知財安全保障



雨の中 買い物済ませ 帰り待つ 残り少なし 点滴は  





 David Ball

【太陽光採光システム】



ミカニコースは日没の光を斜めから受けな
がら
キール・ロワイヤルを飲み干し、テー
ブル越しにプロンシャスに「ところで、セ
カンド・ランド構想はどうしました?」と
切り出した。「コキノダイモナの話による
と、
嶋田プレシジョン特許(特開2010-4
4945『フレキシブル光伝送体、多層フレキ
シブル光伝送体、証明装置及びソーラーパ
ネル受光装置』)が実用化の弾みとなると
聞いているが」とブラックラークを深々と
吸い、辺り一面に紫煙が夕日に漂っている。


   



 ミカニコースのアバター

「まぁ、これは『光環境システム論』の『
太陽光採光システム論』の分科に位置する
が採光部のレンズ・光ファイバー方式に属
する。そして、太陽光追尾装置と連動させ
ることで効率よく採光できる。その上で照
射部に薄膜型TVなどのバックライト用の
拡散板を使えばよりコンパクトで緻密な
植物工場システム
に使える」とゆっくり話
を繋いだ。



ファイル:Light-bulb-grating.png grating

「端面を回折格子にしフレキシブルにして
メカニカルな機構をシンプルに廉価にした
のがミソというわけか」とミカニコースは
スモールトークした。水面の山影に夕日が
静かに美しく沈んでいく。「わたしはベジ
タリアンだから
植物から直接カロリー摂取
すれば牛肉の1/10で済む
。単純に計算すれ
ば農耕面積は1/10で十分なはずだが、これ



 近江牛

を応用した半植物工場システムの太陽光採
光システムを導入すればそのぐらいの生産
性に匹敵するのじゃないかな。そうすると
6千兆円の1/10程度が農産物6百兆円規模
の市場とすれば5百兆円がこの構想のシス
テムが応用の研究の対象となるはずだ」と
結んだことを確認し、安心したかのように
ミカニコースはテーブルの近江牛のステー
キをパクついている。


 高尾正樹

【再資源化産業】

TRIONSITE


  プロンシャスのアバター

コキノダイモナの家ではベゴニアとレプト
ーとオモリフィアで
日本環境設計株式会社
のバイオメタノール(特開2010-4829『可燃
液体の製造方法』)の話で盛り上がってい
る。「資源の再定義に打って付けの情報が
ある。コキノダイモナって先端を言ってい
たことがこれで理解できたわ」とベゴニア
は興奮気味に喋る。「第6次産業っていう
のも分かるわょ」とオモリフィアが続きけ
る。「本当かな?<
還相回向>ってわかるか
よ」とコキノダイモナは念を押すように言
った。



「・・・?」レプトーは怪訝な顔をしてい
る。「まぁいいや、今日のところは」とコ
キノダイモナは水を差した。「綿を含む繊
維製品であればバイオエタノール化できる
できるだから面白いし、例えば衣服などの
衣料品、タオル、シーツなど対象となるし
木質系、草本系、トウモロコシやイネなど
の食物系原料製品と比較して単位質量あた
りのセルロース量が多い(90質量%以上
)という利点があるというじゃない」とベ
ゴニアいうと、オモリフィアが「安さが売
りのファストファッション業界が対象ね」
と割り言った。「結局のところ、新しい動
きが起きることが大切なんだな」「そこか
ら学べるもが多い」とコキノダイモナと結
んだ。


--------------------------------------
【知財コア】

[1]綿を含む繊維製品とβ−グルコシダー
及びβ−グルコシダーゼ以外のセルラーゼ
とを接触させて、繊維製品の糖化液を得る
糖化工程と、前記糖化液を、微生物を用い
て発酵させる発酵工程と、前記発酵によっ
て得られた可燃液体を回収する回収工程と、
を含む可燃液体の製造方法。
[2]前記酵素液におけるβ−グルコシダー
ゼとβ−グルコシダーゼ以外のセルラーゼ
との含有比(質量比)が、8:2〜1:9
である[1]記載の可燃液体の製造方法。
[3] β−グルコシダーゼ以外のセルラー
ゼが、エンドグルカナーゼ、セロビオヒド
ロラーゼ、グルカン1,4−グルコシダーゼ
からなる群より選択された少なくとも1つ
である[1]又は[2]記載の可燃液体の
製造方法。
[4] 前記酵素液がβ−グルコシダーゼと
エンドグルカナーゼの組み合わせを含む[
1]又は[2]に記載の可燃液体の製造方
法。
--------------------------------------

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PTAの真髄から

2010年06月16日 | 知財安全保障


無為包む プラズマ効かせ ブログする 防犯灯に 雨はしたたる 


Hurricane Isabel, 2003.

 

 




Plane in a Hurricane - Superstorm - BBC

スーパーストーム】

体調を崩してから、もう何日目になるだろう
か。コキノダイモナはすっかり生気なくそれ
まで貯め置いた録画の英国のBBC  Worldwide
 
制作のドキュメンタリードラマの
スーパ
ーストーム
』(
Superstorm) を大阪から見舞い
に来ているタクシー・ドライバのエナスダー
コスとケミカル・エンジニアのカミラといっ
しょに見ながら自宅で話し合っている。

 	 エナスダーコスのアバター

 	 カミラのアバター

「ラングミューアの
人工降雨の実験から60年
か」とカミラがつぶやく。「氷点下15℃でも
水分子が微振動などで氷結していない過冷却
泉(領域)を探し出し、ヨウ化銀等の冷却材を
無人飛行機でばらまき雪片を作り、ハリケー
ン内部に氷結ブロック形成させ慣性力を弱め
めハリケーンを消滅すると。ところが、進路
を微妙に変えてしまうというわけか」と続け
た。

アーヴィング・ラングミュア Irving Langmuir 

「その逆に、過冷却状態も人工的につくるこ
とができるのか」とエナスダーコスがテレビ
を見ながら尋ねた。「大和田哲男が開発した
CASフリーザーがそれだよ。セルアライブシ
ステム冷凍(Cells Alive System)は、従来の冷
凍では食品の凍結融解に伴う食味の低下を大
幅に低減することを可能にした。細胞蘇生シ
ステムともいうが、冷凍技術革命がここでも
おきているわけだな」(参照『
磁気冷凍のク
ール革命
』)とカミラが返す。

 大和田哲男

「ハリケーンのコントロールが実際に研究さ
れ、それをもとにテレビドラマが制作される
時代だとさ」とコキノダイモナがアイコンタ
クトを二人に送りながら、篠田プラズマの「
Plasma Tube Array(PTA)」を取り上げた『ルソン
の壺』の録画を流した。

 篠田 傳

【プラズマチューブアレイ】

プラズマ・チューブ・アレイの構造と原理

図 プラズマ・チューブ・アレイの構造と原理
※特許 P2009-282066「大型表示装置」
    P2010-  27598「発光管アレイ型表示サ
           ブモジュール及び表示装置」
    
「これも衝撃だ。厚さがわずか1mmで曲げる
ことができる超大画面のPDP(プラズマ・デ
ィスプレイ・パネル)だ。画面サイズ、消費
電力、形状の自由度、重量などの点で、液晶
パネルやPDP 製品を脅かす可能性を秘めてい
るんじゃない。おっと、これはコキノダイモ
ナの専門じゃないか」とエナスダーコスが戯
けたように付け加えた。「大画面はね。画素
サイズとか、生産プロセスのシンプルさから
いえば依然として蛍の光の有機ELの優位さは
変わらんけど、篠田は我々と同い年や。元気
やね」とどことなく気怠そうに話を継ぎ、ア
サヒの「カフェインゼロ 十六茶」のペット
ポトルの栓を開け口に注ぎながら「あっそう
だ、伊藤園の独走を阻んだ福寿園から茶カテ
キンの含有量が多いお茶の製法特許がでてい
たがね」(「
茶葉および茶抽出物中のカテキ
ン類の含有量比を変化させる方法
」)という
と「米麹などで発酵させるという方法だった
け」とカミラが小声で話を継いだ。「ところ
で、君はいま、どんな仕事をやっているんだ
っけ」とエナスダーコスが切り返した。



【タールフリー】

「大きくいえば、持続可能な循環社会におけ
る『資源』の再定義を行っているんだ。個別
課題でいえば、間伐材の資源化。つまり、バ
イオマス燃料発電の小型分散型の発電システ
ム。細分課題はタールフリー化なんだけれど
分からんかな」とコキノダイモナとぶっきら
棒に返答した。「再定義って?」と二人の訪
問者は同時に聞き返した。「都市鉱山伝説っ
てあるよね。携帯電話のリサイクル過程で回
収される金の質量が高水準なのを知っている
よね。そういう見方をすれば下水道は堆肥製
造工場にもなる。再資源化産業を仮に第6次
産業と呼ぶとすれば世界中はこのビジネスモ
デルで溢れている。そうすると日本に資源が
ないというのは嘘になる」。「なるほど」と
二人のバックチャンネルが入る。

 	 コキノダイモナ

「間伐材も俺たちの『国境なき錬金術師団』
に手にかかればたちどころに分散型発電ビジ
ネスモデルが実現展開するのさ」と少し生気
が戻った顔で「そこで、本題だが、木質バイ
オ燃料をガス化する時に発生するタール害を
なくすためにいろんな方法があるんだが、オ
ールマイティーな改質触媒の開発が焦点だっ
たんだ」と喋っていると、いつのまにかティ
ンカーベルが入って来て「触媒毒になる高濃
度硫黄化合物を含んだ雰囲気下、炭素析出を
起こしやすい縮合多環芳香族主体のタールの
分解反応に適する触媒設計が重要なのね」と
割込んできた。

 	 ティンカールベル


※特許:
P2010-77219A「タール含有ガスの改質方法」

「左のタール分を改質化学反応で右のように
すべて変換するために(1)吸熱反応で降下
する反応温度を加熱しながら、触媒のシンタ
リング、つまり粗大化を防ぎつつ、高濃度の
硫黄に耐える触媒が必要となる。

  CnHm   +  (2n-m/2)H2 →  nCH4               
  CnHm             nCO2 →  2nCO   +         m/2H2  
  CnHm   +           2nH2O →  nCO+  (m/2+2n)H2 

ややこしい話は抜きだが、ニッケル、マグネ
シウム、セリウム、アルミニウムからなる触
媒系ならその条件を満たせるというのや。ど
や、面白い話やろ。『国境なき錬金術師団』
には、メカ、電気、電子通信、化学、物理、
数学、心理学などの専門家が少数精鋭で活躍
する集団。力貸してくれんへんか」と力説し
て喋り終えた。タクシードラバのエナスダー
コスが「えらい急な話やな。うちの母親の面
倒見なあかんから無理やなぁ」と暫く考え込
んだ後、口を開いてこう結んだ。

 墨子

「きょうのところはかまへんから考えといて
な」「大事なことは『資源の再定義』という
ことや」と結ぶと、しばらくして、沈黙が漂
う部屋にベゴニアとレプトーとオモリフィア
の三人がにぎやかに話しながら部屋に入って
きた。

■ 
 
窓の外は梅雨入りで防犯灯が濡れ曇る。自治
会のボランティアで眺める風景も変わった。
防犯灯の不具合を見つければ交換申請をしな
ければなららない。今ままでと違っている。

 “Hear no evil, see no evil, speak no evil


官制談合事件で亡くした友の死を無駄にしな
いためにも「アウトレイジ」な時代背景とは
幾つになっても闘っていかなければならない
と自戒を込め詠う。
■ 

コメント (2)
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磁気冷凍のクール革命

2010年06月08日 | 知財安全保障


流行風邪 もらい引き受け 無為自失 知るか知らずか 花咲くトマト



 藤田麻哉

【新しい冷媒】

 コキノダイモナ


コキノダイモナは流行風邪かご機嫌斜めなの
か気怠そうに話を続けた(『開示性の論理と
アルファ化
』)。


「米粉粘性転換加工技術もすごいが磁気冷凍
技術もすごいぞ。オゾン層の破壊、地球温暖
化で環境破壊を引き起こすフロン系ガス冷媒
にかわるからね。それだけじゃない。磁気冷
凍の冷凍効率は気体冷凍より高い利点がある」。



伊藤園の「お~いお茶」のペットポトルを一
口ラッパ飲みし「この磁気冷凍は磁性体を冷
媒とし、その磁気熱量効果、つまりやね、等
温状態で磁性体の磁気秩序を磁場で変化させ
た際に生じる磁気エントロピー変化や断熱状
態の磁場を変化さ
せた際に生じる断熱温度変
化を利用するというものや」と付け加えた。

Magnetic refrigeration

   

「それも、ネオジム磁石(Neodymium magnet
お陰やね」と酒を飲み干しならがマペット
がスモールトークする。「つまり、ネオジム、
鉄、ホウ素を主成分とする希土類磁石のこと。
永久磁石のうちでは最も強力とされている。
1982年に日本の住友特殊金属(当時。2004年
から日立傘下で日立金属)の
佐川眞人らによ
って発明されたことで小型化でき実用化され
たんだよね」と言いコキノダイモナ一息つい
た。



「ただし、永久磁石を用いた室温磁気冷凍技
術では気体冷媒に対し、ガドリニウムなどの
高粘性な液体冷媒(磁気冷凍作業物質)が用
いられことが一つの特徴で、冷媒流の流れを
最適化し、熱交換効率を向上させなけりゃな
らないからね」とアルティメディアが付け加
えた。「瞬時冷凍できるほどの威力がある」
とすかさずアポローンが補足するように言っ
た。「でも、解凍する装置もいるじゃない」
とティンカーベルが問うと「蒸気潜熱を上手
く使うことで効率よく解凍する装置も売れ出
されているから心配はいらない」とアルティ
メディアが答えた。
----------------------------------------
※特開2010-25435
磁気冷凍デバイス、磁気冷凍システム
                     および磁気冷凍方法」




 磁気冷凍デバイスの模式的構造断面図

【符号の説明】

10 熱交換容器 11a、11b 仕切り板 12a、
12b 永久磁石 14 低温側熱交換部 16 高
温側熱交換部 18 配管 20 ポンプ 22a、
22b ピストン 24a、24b 液体冷媒が充填さ
れた領域 26a、26b 冷媒流制御板 28 流
路変更板 30 流路変更板 32 低温側貯水
槽 34 低温側熱交換器 36 高温側貯水槽
38 高温側熱交換器 40 冷熱部 50 排熱

---------------------------------------

【課題】

従来の解凍装置と同等以上に熱効率に優れか
つ解凍装置の運転の際に解凍室内の相対温度
を略100%に維持することのできる、解凍装置
を提供する。


【解決手段】

解凍室において、式(1):ΔQc≒ΔQv
(式中、ΔQcは前記冷却体による冷却で奪
われる顕熱、ΔQvは前記蒸気放出体からの
蒸気により加えられる潜熱及び顕熱)及び式
(2):Hin>Hout(式中、Hinは、前記蒸
気放出体からの蒸気による加湿量、Houtは
前記冷却体による除湿量)を満たすように、
冷却機構及び蒸気供給機構を制御する制御装
置を設ける。


図 解凍装置

【符号の説明】

1解凍装置 2本体キャビネット 3蒸気
供給機構 
4冷却機構 5解凍室 6蒸気
生成機 7
ドレインセパレータ 8連通管
9蒸気放出体 
9a内管 9a1開口部 
9b外管 9b1開口部 
10蒸気供給管
11排水管 12スチームトラップ 
13
ストレーナー 14減圧弁 15圧力計
16電磁弁 17二方弁 18逆止弁 19
冷却機 
20冷却体 21冷却気体循環管
22電磁弁 
23膨張弁 24アキュミュ
レータ 24吸入圧力調整弁 
25・解凍
室本体 26蓋体 27把手 28蝶番

29トレイ受け 31解凍蒸気流入口 
33解凍蒸気流出口 
34蒸気循環流路 
34a略水平部分 34b略垂直部分 
34c凹部 34d曲面状部分 34e蒸
気流入側循環流路 
34f蒸気流出側循環
流路 39蒸気循環用ファン 
42制御装
置 43転輪

----------------------------------------
beck57 マペット

「どの程度のビジネスになるのや」とどこか
の道の駅買ってきた薄紅色のどぶろくを飲み
ながらマペットが尋ねた。「ヒートポンプに
よる熱交換装置への応用はこれからだけれど
こちらは大がかりなプラントとなる。食品物
流用には冷凍・解凍装置こみで、世界人口×
普及率÷耐久年数×単価、そしてサービス保
全等はその10%を見込んだとして、60億人×
10-5×10年×3百万円として、180億円/年、18
億円/年となりますね」と電卓を叩きながら
ベゴニア言った。「俺の好きなカレーうどん
も解凍するだけで食べられるというのか」と
コキノダイモナが大きな声で叫ぶように反応
した。

beck93 オモリフィアのアバター

「大きい声だしなや」とたねやのバームク
ヘンと練乳を入れたジャスミン茶をテーブ
ルの上に運び配列していたコキノダイモナ
の奥さんのオモリフィアがたしなめるように
言った。
余剰食品は冷凍保存でき鮮度も変
わらないなら無駄なく消費でき、コストダウ
ンと環境や食糧問題がある程度解決できる。
家電販売のビジネスモデルなら普及率は10-3
以上の市場形成は冷媒の確保やリサイクルを
前提として可能だ」とクールにアルティメデ
ィア答えたを横で、首を縦にふりバックチャ
ンネルしている。

air29.gif Potato picture by WingedMisuzu レプトー




John Lennon & Ringo Starr - Only You

【Intermission】


Dave Swift, Jools Holland, Charlie Watts,
Steve White & Gilson Lavis "HoneyDripper"



Yukihiro Takahashi - BLUE MOON BLUE (PV)


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開示性の論理とアルファ化

2010年06月04日 | 知財安全保障



生きている ただそれだけで 辛きこと 顔見合わせて 母と子は泣く


ah my goddess ベゴニア



なかなかに 人とあらずは 桑子にも ならましものを 玉の緒ばかり 

                                       作者不詳/万葉集


今日は珍しくベゴニアがアルティメディア
とアポローンが同席するコキノダイモナの
家で話し込んでいる。「総理大臣が決まり
ましたが?」とティンカーベルが切り出し
た。「誰がやっても同じような気がするが
こんなにコロコロ変わるようじゃ、自民党
と変わらないじゃないか」とマペットがお
茶を飲みながら呑気そうに「内部のゴタゴ
タが簡単に表面化するのは民放の商業主義
や情報通信技術の進歩もあるが政治家の精
神力が弱体化しているのじゃないか」と続
けた。

 ティンカーベル 

「合成誤謬の極大化の抑制が政治過程なら、
政策の凝縮過程での情報漏洩はむろん好ま
しくないのだが」と注釈を書き加えるよう
にアポローンがつぶやくと「開示性の論理
が問われているわけだ」とコキノダイモナ
がスモールトークした。少ししてベゴニア
が「この間、米粉百パーセントのパンを試
食したのですが」と話題を変えると「
ヘラ
クレイトス
の“Panta rhei”つまり、万物
は流転するの
レオロジーやね」とアルティ
メディアが応じた。

 西岡昭博

「山形大学工学部の西岡昭博らの発明だが
プラスチック材料を成形する際に溶かし、
型に流し込み冷やし固める工程を応用した
わけ。成形する時に流れる状態や硬さが製
品の出来上がりに影響する。材料工学の考
え方で取り組んだ結果生み出された」と続
けて話すとコキノダイモナの愛犬レプトー
が何度もバックチャンネルを繰り返した。

air29.gif Potato picture by WingedMisuzu レプトー

-------------------------------------
特願
2009-32725
【アルファ化デンプン粉の製造方法】

【課題】

原料穀物を問わずに無加水にて簡単且つ短
時間でアルファ化デンプン粉を製造するこ
とができる新規技術を提供する。

【解決手段】

原料穀物を所定温度以上、たとえば75℃以
上に加熱することにより水分を蒸発させて
デンプン分子間の水素結合を弱めた状態に
し、その直後から、徐々に温度が低くなる
ような温度勾配条件下で剪断力を与えて粉
砕する。剪断条件下での粉砕処理の開始か
ら終了までに8℃以上、さらには10℃以上
の温度低下を与えることが好ましい。また、
0.5℃/秒以上の速度で温度低下を与える
ことが好ましい。

-------------------------------------
 アルティメディア

「アルファ化とはデンプン分子鎖間の水素
結合が脆弱化されデンプン結晶が完全に崩
れ非晶化された状態で、粘度が高くなった
状態だ。小麦はグルテンというタンパク質
でつくられているが米や蕎麦は非グルテン
で粘度がない。重要なことは、原料穀物を
所定温度以上に予備加熱して一定程度まで
水分量を低下させ、デンプン分子鎖間の水
素結合を弱めると同時に粉砕処理を開始し
温度勾配を与えながら剪断粉砕処理を進行
させることだとされている」とアルティメ
ディアが右耳の中に小指を入れ掻きながら
話す。

beck59 マペット

「そやねん。米粉だけやない。芋や大豆も
できるんや」とマペットは酒焼けした頬を
さすりながら合いの手を入れると「この発
明のインパクトはどのぐらいになるのでし
ょう?」とベゴニアは神妙な顔で質問した。
「巨大な石油タンカーも小さなタグボート
がなければ接岸できないように、重要な技
術も最後の一押しがなければ実際化できな
い。米粉のデンプンのアルファ化でうどん
やそば、小麦といった加工食品の代用が可
能になれば、食料品の安定供給という大き
な目的が達成できるし、同じ非結晶化処理
でもこの新規考案を利用すれば、従来の煮
込み工程が省け環境推進やコストレスにも
なる」とアポローンが応えると、すかさず

 アポローン

アルティメディアが「仮に米で小麦の代用
ができれば集約生産による生産性は上がり
輸入が減り自給率が高まるのじゃないかな」
と注釈を入れた。「それに、コキノダイモ
ナの考えているサブ・ランドだったかセカ
ンド・ランドだったか忘れたがそれが実現
できりゃ生産性は4倍に上がるんじゃない
の?」と付け加えた(『
シイラとセカンド
・ランド構想
』)。

 コキノダイモナ



「水牛のモッツレチーズとチーズ豆腐に米
粉スパゲティーか。まぁ、そんなとこかな
ぁ」と力のない返事のコキノダイモナをど
うして元気がないのかとティンカールは見
咎めた。「いや最近、友達の訃報が続くし、
よりによって俺より歳下の気のおけない仲
間が相次いで逝くなんてつらいことや」

言うと「老人性うつなどバイアグラでも飲
めば直るさぁ」とマペットが悪ふざけて切
り返せば、ティンカーベルは「ロシアの三
人組の美人女性歌手のバイア・グラね」と
合いの手を入れたものだから一同大笑いと
なる。

 Via-Gra - Stop Stop Stop

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鬢長と木質パウダーの普及

2010年04月14日 | 知財安全保障


突然と 戻る寒気の 悪ふざけ さくら乱舞の 北極震動



【木質パウダー燃料の性能とコスト】



ah my goddess ベゴニアのアバター

ベゴニアとアポローン、アルティメディアは鷹取
山に来ていた。早朝からマペットのつくるバイオ
ボイラーの足湯小屋の助っ人として集まっていた
のだ。天然フローリングオイルを塗る手をとめア
ルティメディアは愚痴る。「コンピュータばかり
のしごとばかりだから、体力がついてこないなぁ」
と。「ここのグループの殆どがそんな仕事してい
たから、自然に囲まれたなかで仕事をするのは快
適だといっている」とマペットが壁板を取り付け
ながら応える。「そう、疲れ方がまったく違う。
頭でっかちの統合失調症予備群さ」とオウム返し
に言うと、今度はベゴニアが「あなたのいう頭脳
メタボ症候群」ねと笑いながら間に入る。

beck59 マペットのアバター

 表 バイオマス燃料の化石燃料との対比

化石資源は再生産できないが、木質バイオマス資源は再生産可能である。
大気中の二酸化炭素を固定する。  
燃焼による硫黄酸化物の発生量が少ない。
燃焼による窒素酸化物の発生が少ない。   
木材の揮発分は70~80%程度もあり、灰分は通常1%かそれ以下である。
単位重量及び単位容積当りの発熱量が小さい。メタンの37%。

 

 



 

 アルティメディアのアバター

暫くして、アルティメディアはマペットに「ペレ
ットよりパウダーボイラーの方が燃焼効率も良い
し、タールの発生も少ないのに(『蛸とフィーデ
ィング・フレンジー
』)なぜペレットを使ってい
るんだい」と問うと、パペットは少し強張りなが
ら「ペレットは電気代の3分の1だし、灯油と同
じぐらいの値段だがペレットはおが屑を加圧して
つくるから、パウダーにするための微細化工程に
かかるエネルギーやコストと安いんだ」と応じる
と、アルティメディアは「おが屑から微細化する
費用だってそんなにかからないだろうし、総合的
に試算したことはあるのか。間伐材からバイオマ
ス燃料へ転化する経費は国の補助金があるから何
とかなっているんじゃないですか」と少々挑発的
な口調で反問する。



「パウダー燃料を利用したものは初めて。熱効率
1㌔当たり4,500㌔㌍で、1,900㌔㌍のチップ、
4,000㌔㌍のペレットよりも上。気になるコストの
方も、製造過程で乾燥などの工程が省けることか
らペレットなどよりも安く、1㌔当たり40円
程度。
ただ原油と比べると熱効率が2分の1ですが」と
ベゴニヤがいうと、「原油価格が80円を下回った
場合はコスト高になってしまう。価格高騰(重油、
灯油とも130円台)など原油相場の変動に左右され
ることなく安定価格で原材料を供給できるメリッ
トがある。木材の搬出方法や運搬距離の短縮で、
やり方次第では40円以下に抑えることも可能だし、
企業との二酸化炭素排出権取引で利益も見込める
よ」とアルティメディアが畳みかける。


 
 アポローンのアバター

「あとは例の特許の微細粉製造方法(『鱸とエネ
ルギー争奪の幕引き
』)が実用的かということね」
とベゴニアは呟く。「そう、データの裏付けをす
る。もう少しいうと、政府が踏み込んで技術的方
針を打ち出し、集中させ民営化することで初期投
資リスクを均質化し全国展開しやすいような仕組
みをつくることだ。郵政のユニバーサルサービス
のように、バイオマス燃料のユニバーサルサービ
ス組織を構築すればいい。採算の悪いところは、
組織全体でカバーし、そして、スケールメリット
を出来る限り短期間に出すことが必要だ」とアル
ティメディアがいうと、マペットは両手を挙げ首
をかしげながら「俺には分からない」と言い出し
たので「低コストの微粉化装置の開発が課題ね。
ところで、わたしたちはこれで帰るけれど、来週
に残件を片付けに来るので失礼させてもらうわ」
とベゴニアは切り返した。

イメージ ID=000007


イメージ ID=000006


特開2009-173830 「リグノセルロース系原料
              の微細粉製造方法」

--------------------------------------------

特開2008-208360「固体燃料および製造法



 

「ウォータジェット式微細化原理」


【Intermission】

beck86 
Bump of Chicken 「HAPPY」

beck84 Bump of Chicken 「車輪の唄」



Thala u0.gif

【回転寿司でお馴染みのビンナガ】

ビンナガ(鬢長)、学名 Thunnus alalunga は、スズ
キ目・サバ科に分類される魚の一種。全世界の熱
帯・温帯海域に分布する小型のマグロで、缶詰な
どに用いられる重要な食用魚である
。日本では「
マグロ」をつけてビンナガマグロ、または「長」
を音読みしビンチョウ、ビンチョウマグロとも呼
ばれる。異名としてトンボマグロ、シビマグロ、
他の地方名としてビナガ(宮城)、カンタロウ、
カンタ(三重)、トンボ、トンボシビ(関西・高
知)などもある。




 図 漁獲高の推移

ビンナガ鮪は安くて美味い。さしみ、たたき、ム
ニエル、握り寿司。回転寿司でお馴染みの鮪。


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緑茶と車海老が世界を救う

2010年02月09日 | 知財安全保障


車海老 紹興酒に 跳ね踊り 喉越し通る バブルの一夜 


National Cancer Center Hospital.jpg

【緑茶が世界を救う?】

 辻村みちよ

翠翔」のカウンターでベゴニアは廻りの喧噪を
楽しむかのように、アルティメディアと話してい
る(『
柳葉魚とソフト知財の育成』のつづき)。

「文明と病気は切り離せないけれど、食文化とも
切り離せない。俄然、こここにきて和食が注目さ
れるようになってきたし、ここら辺の情報を整理、
整頓しなきゃね」とグラスに残るビールを飲み干
す。「例えば、お茶文化ね」と空かさずティンカ
ーベルが話しに割り込でくる。「シルクロード周
辺は食道癌が多いしな」とコキノダイモナも参戦。
眼鏡のつるを指で軽くつまむ仕草をしながら「熱
いお茶は粘膜を刺激し、細胞を傷つけやすいかさ
」と突然、スパタロもカウンタに割り込んできた。
それもそのはず、スパタロはコキノダイモナの後
をつけてきたのだ。



「ところで、お茶との付き合い方は?」とベゴニ
アが続けると「20数年前ごろからお茶の産地で胃
がんの死亡率が低いことから研究が始まったが、
熱いお茶でなく温めか冷えたお茶を3~4時間ごと
に呑むのが良い。血中カテキン量は約90分でピー
クに、10~12時間でほぼ消えるからね。日本では
緑茶の成分や機能が古くから研究され、カテキン
が抽出され、1929年に辻村みちよが化学構造を突
き止めた。いまは、抗酸化作用や生活習慣病の予
防効果、抗菌、抗ウィルス作用など世界をリード
する発見に脈々とつながっているんだ」とアルテ
ィメディアつづけた。

 

「茶カテキンは緑茶を普段飲むように熱湯抽出し
て、水を飛ばしてカフェインなどを取り除いてと
れる。それをポリフェノンといい、カテキンの含
有量によっていろいろなグレードに分け精製した
純粋なものがカテキン類で、メインの物質が4種
類、エピガロカテキンガレートEGCg)、エピガ
ロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキ
ンだ」と一息つき、眼鏡を外し右手で顔を拭い、
再び眼鏡を掛けた。

※特許:P2001-114687A「抗癌剤」

【課題】

優れた効果を有し、かつ副作用が少ない抗癌剤を
提供すること。

【解決手段】

一般式Iで表わされるカテキン類と一般式IIで表
わされるイソフラボン類を有効成分とする抗癌剤。

イメージ ID=000002

イメージ ID=000003
 

「米国では、百兆円にも上るといわれる医療費の
削減のため、副作用の少ない天然物を予防薬に活
用しようと大きな期待されているよ。この中で注
目されているのが、マウスを使った実験でエピガ
ロカテキンガレードをあたえるとマウス胃内での
発ガン物質の変異活性を抑制するという結果が出
ている緑茶カテキン抽出物『ポリフェノンE』(エ
ピガロカテキンガレートを60%、カテキンを90%含
有、カフェインは0.5%程度)というわけだ。日本
語にするとき、エピガロカテキンガラートとか没
食子酸エピガロカテキンとするが、英語風にガレ
ートと書くこともある。Gallic acid (没食子酸)と
は、3,4,5-トリヒドロキシ安息香酸ではあるが」。
「統計的手法だけでの応用展開は中途半端じゃな
いかしら」とティンカーベルが空かさず突っ込ん
でくる。



「緑茶から抽出したカテキンのホルムアルデヒド
捕捉能力が非常に高い。ホルムアルデヒドと緑茶
カテキンの求電子置換反応の高い反応性を持つが、
それは、フロログルシノール様の構造持ち、カテ
キンの反応性を分子軌道法で理論的な解析をやっ
ているように、茶カテキンの反応振幅を増大させ
るπ系官能基の働きをさらに解明することや」と
関西弁でコキノダイモナスが難しいことを言うと、
アルティメディアは「なるほど、先を越されまし
たね」と頭を搔くと「こういった知財はいち早く
発信することで、実証期間が短縮できますよね」
とベゴニアが言うと「その肝が美味い」とスパタ
ロは砂肝をパクつきながら叫んだので期せずして
一同が失笑することとなった。



【コキノダイモナスのアバター】







車海老と養殖】



「エビでタイを釣る」「クラゲは海老を目とす」
「蝦おどれども川を出ず」「蝦は跳ねても一代、
鰻はのめっても一代」「ハモも一期、海老も一期」
「海老と名の付く家老殿」「海老の鯛まじり」と
海老に纏わる箴言や例えが多い。さて、クルマエ
ビ(車海老、Marsupenaeus japonicus)は、クルマエ
ビ科
に分類されるエビの一種。内湾の砂泥底に生
息する大型のエビで、重要な食用種である。かつ
ては多くの近縁種と共に Penaeus 属に分類され、
学名を Penaeus japonicus として記載した文献や図
鑑も多い。研究が進んだ結果クルマエビ科の分類
は細分化され、Penaeus はウシエビ、クマエビな
どに限定された「ウシエビ属」となり、クルマエ
ビの属名には Marsupenaeus が充てられた。


図 漁獲量

図 養殖量

クルマエビの稚エビは海岸のごく浅いところにい
て、夏から秋にかけて潮の引いた干潟などで見る
こともできるが、成長するにつれ深場に移動し冬
眠する。寿命は2~3年とみられる。ほぼ1年を通
して漁獲されるが、特に夏の漁獲が多い。重要な
漁業資源だけに発生の研究も進んでいる。明治38
年に熊本県天草諸島の維和島で、海水池を利用し
た天然稚エビの蓄養が開始され、以来天草地方は
クルマエビ蓄養の本場になった。その後1960年代
初めにエビ類では最も早く養殖技術が確立され、
クルマエビの養殖は全世界に広がった
死ぬと急
速に傷んで臭みも出るが、オガクズの中に詰め、
湿度を保っておくと長時間生かしておけるので、
この状態で出荷・流通が行われる


 活け車海老の紹興酒漬け

従来なら、養殖中の汚れ堆積→腐敗→病気等の発
生の原因→池底の清掃や天日干しをおこなって病
気の発生を防止(化学薬品投入し殺菌)している
が、二酸化塩素発生器や水中ロボット等の設備が
必要であり、多大な費用がかかり、天日干しだけ
では、池底内のウイルス等の駆除が困難でだ。特
許:
P2009-225762A養殖池の池底改良工法」では
ラクトバチルスファーメンタムとエンテラコッカ
とが混合された二種混合乳酸菌を30倍に希釈した
二種混合乳酸菌液を、魚の養殖池に投入すること
で、車海老の急性ウイルス血病やビブリオ病が抑
制でき収量が上がったという。
 高純度 植物性乳酸菌 LBPL-403菌

わたしなら、初期投資に経費を掛けても(→実は、
こののところへの政府支援が大切)、先端技術を
投入するだろう。例えば、養殖池は二重構造とし
て堆積物は底から自動排出させる。投餌の管理は
微粒子濃度計で制御、投餌の栄養及び免疫力向上
剤及び抗菌・殺菌剤は天然系有機化合物やオゾン
使用を徹底する。用水は、真水加えるミネラル分
濃度を自動制御管理し、養殖池の槽表面塗装、備



品・什器・容器間
仕切り材は、養殖場と並行し緑
茶栽培し、緑茶から抽出したカテキンを、養殖地
の餌及び抗菌、免疫力向上剤として使用し、養殖
池の排出堆積物を有機堆肥化し緑茶園に還元使用
するようなシステムを新規考案。手前味噌だが医
療と食糧の双方に貢献でき、このモデルを販売・
消費・指導ノウハウをつけて商品販売すれば良い
と思うのだが如何に。



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柳葉魚とソフト知財の育成

2010年02月01日 | 知財安全保障



きょうも漕ぎ 届けし距離は 降りしきる 睦月は雨の 摺針峠




道はなほ学ぶることの 難(かた)からむ 斧を針とせし人もこそあれ
 
                                      弘法大師


太陽光発電所ネットワーク

昨年11月から2倍の値段で電力会社に買ってもら
えるようになったソーラパネル発電。自家消費だ
けでなく売電収入も魅力となり、さらに普及が見
込まれる。だが(1)メンテナンスフリー(整備
や保守が不要)のイメージを売りものにする業者
もいるがいるがこれは明らかに間違い
。(2)き
ちんとチェックをチェックする(3)買電をあて
にし過ぎないことの3つが大切だ。因みに、
NPO
「太陽光発電所ネットワーク」では 全体の約3割
近くが、設置後10年以内に修理や部品交換がされ
ているという。装置は屋上に置かれるのでチェッ
クしづらいく、発電量が落ちても不具合なのか「
天気がわるい」のかわかりにくい。「発電量が激
減でもすれば不具合に気づくのだろうが、気づか
ぬケースも多いだろう」と。



当初見込みの発電量から1割以上下回る状態が長
期間続くなら異状のある可能性があるという。木
の葉一枚でも、パネル表面を覆われた場合、被覆
面積以上の影響を受ける可能性もある。これは、
パネルは直列につながっているためだ。パネルを
覆った状態が長期間続くと故障を招きかねない。
影響を抑える機能も開発されていると言う。普及
が進むに従って「日照権」の問題も目立ってきて
いるが法的救済は後手に廻っている(「朝日新聞」
2010/02/01)。

イメージ ID=000013
イメージ ID=000014
【符号の説明】1a 基板、1b 第1孔、1c 第2孔、
1d 第1電極層、1e 第2電極層、1f 薄膜半導体
層、1g 第3電極層、1h 第4電極層、1i、1j
切断部、10 太陽電池モジュール、11 鋼板、12、
14 絶縁性接着樹脂、13 太陽電池素子、15 透光
性耐候樹脂、21、22 影。

イメージ ID=000015
0.7Iop≦Ir≦0.9Iop(Vr=10Vop印加時)、
0.4Iop≦Ir≦0.8Iop(Vr=5Vop印加時)...(1)

4.5Vop≦Vr≦15Vop(Ir=0.8Iop印加時)、
3.5Vop≦Vr≦5Vop(Ir=0.4Iop印加時) .. (2)

特許:P2006-49552A
「太陽電池モジュールおよび太陽電池素子」



  

映画『ブレードランナー』は中華街の屋台を思わ
せる「
翠翔」のカウンターでベゴニア(『ポイン
セチア、年賀状遅れる
』)はひとりで待っている。
暫くすると、狭い階段を昇りドア音と店員の声と
ともに、アルティメディアが入っていた。鳥とタ
レの焼けた臭いが鼻を突く。「待たせた」とつぶ
やくように着席すると店員に二言、三言話しかけ、
ラークのブラックボックスに火を着け、「上海は、
どうだった?」と切り出した。「不動産バブルね」
と小さくささやくように答えた。

 
「 日本経済に二番底は来ない!!」鈴木淑夫インタビューNo29

ふたりはビールで喉を潤わせ、名古屋コーチンの
刺身の盛り合わせに箸を付けた。彼女は「バブル
が弾けないだろうと思いますが?」と静かに続け
た。大きくを息をつき「鈴木淑夫野口悠紀夫
クールだと思っているんだろう」と笑いながらア
ルティメディアが反問すると「そうなんです、内
需転換ですが...」と不安げに彼の顔を覗き込む。



「コンクリートから人へというスローガンあるが、
天平時代から続いてきた住居建築を最先進国に相
応しいものに替える(『皐月鱒と新道路整備構想
)。例えば、設計単位を10/9倍すると面積22%、
体積にすると36%大きくなる。増えた分を、国内
木材消費促進法で賄うように立法し(『木斛とキ
リマンジャロ
』)、後は各自治体で詳細レシピを
詰めれば良い。環境推進×資産倍増×安定成長の
一石三鳥だね」というと、すかさず「従わない自
治体がでてきたら戦車を差し向ける?」と笑いな
が問いかけると「そりゃ、ファンタメンタリスモ
スだな」と一笑に伏した。




「嘗て日米経済構造で、自動車家電輸出と電子構
文(
Windows vs. Btron )をトレードオフさせまし
たよね。アバターやサロゲートを見ているとソフ
ト産業の格差は歴然で、対米従属、外需一辺倒の
流れをなまなか変えれずにきてしまったという知
財戦略の失敗といって良いほどですが...」とベ
ゴニアは続けた。「第二の敗戦?まぁ、第三次産
業が7割に達した社会への政策不足といえば話し
が終わってしまうが、ソフト知財蓄積や付加価値
の創生の有り様は益々重要となる」とアルティメ
ディアが喋りかけた時、コキノダイモナとティン
カーベルが店に上がり込み割り入り喧噪状態とな
る...








【柳葉魚が鮓に?】



シシャモ(柳葉魚、Spirinchus lanceolatus)は、キュ
ウリウオ目キュウリウオ科に属する魚。食用とさ
れる。世界中でも北海道南部の太平洋沿岸の一部
でしか獲れない。漁獲高の減少のため、輸入品の
カラフトシシャモ(カペリン)が「シシャモ」と
して食卓に上ることも多い。シシャモというのは
アイヌ語の「シュシュハム」から転じたもので、
柳の葉の意味。大昔、天上から柳の葉が地上に落
ちたとき、朽ち葉になるのを可哀想に思った神様
が魚に変えたという伝説がある。

 シシャモのまり寿司

回遊魚であり、10月に産卵のため川を溯上する。
この時期の卵を持った雌は子持ちシシャモといい、
酒肴として珍重されているが、食通や事情通の間
では雄の方が身の味はよいとされる。また雄雌共
に大きいほど味がよいともいわれる。一夜干しの
ほか糠漬けにもされる。また、10~11月の漁期に
は地元で刺身や寿司ネタともなる。北海道勇払郡
むかわ町の町魚である。生で食べられ繊細で上品
な甘さのその味は、平目に勝るとも劣らぬ美味と
いう。

   
 

柳葉魚の印象は安くて旨いということで酒の肴に
嘗てよく食べたが、最近は滅多に口にすることは
ない。その理由は副食とするには物足りない。佃
煮などに使うに大きすぎる。かといってイワシの
ようにアンチョビのようにするには扱いが悪いの
だろうか。素焼きにしてドロ酢には大味すぎるの
だろうか。こう考えてみるとどうも理由が見あた
らない。まだまだ改良余地が有りそうだが如何に。

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ポインセチア、年賀状遅れる

2009年12月25日 | 知財安全保障


兎も角も 無事に向かえる クリスマス ポインセチアは 赤々と燃え


  Hydrogen-fluoride-3D-vdW.png HF

新幹線で米原、そして、近江長岡で下車し、アポロ
ーンの紹介で、伊吹山麓のアルマイティの庵をベゴ
ニヤが訪れた。ベゴニアは、昨日の大阪市淀川区の
森田化学工業事業所で鉄製タンクが爆発し4人が死
亡した事故について、どう思うのかと切り出した。
三フッ化ホウ素は水との化学反応でフッ化水素酸
を発生する。フッ化水素酸はさらに鉄と化学反応し
て水素を発生させる。タンクは鉄製だったから“河
童の川流れ”やね。洗浄不足でフッ化水素酸が残留
したのと違うかなぁ。

Fe 2HF    FeF2H2



尤も、森田化学工業は、ステファケミカル等の化成
メーカでいまブームになっているハイブリッド車用
のリチウム二次電池用のフッ酸化合物の増産に加え
半導体用のフッ酸化合物の生産が堅調な上、フッ酸
廃液リサイクルなど忙し過ぎるので経験上、安全が
手薄になってしまう」と話すが、ベゴニアにはチン
プンカンプンだが、「リチウム電池は充電できるの
ね。それで?」と繋いだ。



  

アルマイティは肯き、「三フッ化ホウ素の製法だが、
非水溶液法とと湿式法とがよく知られている。非水
溶液法は、有機溶剤、例えば、エーテルなどの三フ
ッ化ホウ素と錯化合物を形成した溶媒中にフッ化リ
チウムを作用させて無水ホウフッ化リチウムをつく
る」「火事ですね」「そうだ。非水溶媒へのフッ化
リチウムやホウフッ化リチウムの難溶性で、純度が
悪く、火災などで危険だ。一方、湿式法はホウフッ
酸溶液に炭酸リチウムを作用させてホウフッ化リチ
ウムをつくるが、生成する塩(LiBF4 ・H2O)の脱水
のために200℃程度の加熱が必要だが、折角のホウ
フッ化リチウムが分解し、純度が低下する上に数千
ppmの水分は残る。




高重純度に効率よくリチウム電池用の電解質として
重要な無水ホウフッ化リチウムをつくるには、無水
フッ化水素の存在下に、フッ化リチウムと三フッ化
ホウ素とを反応させる。ホウフッ化リチウムを、無
水フッ化水素と作用させ、さらに、200℃付近から熱
分解が始まり、350℃以上では、LiFに相当する約20
%の重量が残りるが、水が存在しないので、加水分
解が起こらない
。余剰のフッ化水素は、低い温度(
50℃)で容易に除去でき、ホウフッ化リチウムの
熱的分解が避けることができ、脱離したHFの跡には
微細孔となり容易に乾燥できるという」。

LiBF4 ⇔  LiFBF3

※ガス導入管、窒素気流口、排気口及び攪拌機を備
えたフッ素樹脂容器に、無水フッ酸入れ、-10℃に
冷却してLiFを加えて溶解させた溶液にBF3を通して
反応させ、15℃に加温溶解後、-20℃に冷却。ろ過
分離し加熱乾燥→特許:P1998-95609A「ホウフッ化
リチウム・1フッ化水素塩及びその製法、並びに、
それを用いた無水ホウフッ化リチウム」(森田化学
工業)
イメージ ID=000002
イメージ ID=000006
※特許:P2005-26088「 リチウム電池の処理方法お
 よびリサイクル方法」(トヨタ自動車)



なるほど、その道は険しいですねとベゴニアがいう
と、アルマイティは、平坦そうに見えるがそれが王
道と説く。“知力の剣”をえるには見えぬ背景を見
抜く透視術がいることをベゴニアははじめて知るこ
とになる。例えばと彼は続ける。「葉型自動水やり
装置」(上図参照)は空気から水を収集してくれる。
電源を入れて、葉の形をした装置を土中に挿入すれ
ば、空気から水を取り出して、自宅の植物に水をや
ることができる。旅行などで留守をする時の水やり
もこれで安心。長期の旅行でも水やりの心配ないと
いう代物だが、ソーラセルの電源で土壌水分センサ
と連動させると農産物の生産に用いれば無人化に役
立つという。



また、新型シャワーは(上図参照)、制御装置がパ
イプに付き、上から下までのノブがコントローラし
水温、時間、水圧の調整を行う。ノブの操作で位置
調節やノズル角度が調節できれば、立ったままや座
った状態で使用でき、いま流行のマイナスイオン水
粒やマイクロバブルを発生させことができれば大ヒ
ット間違いないといい「必要は発明の母やね」と括
り、最後に彦根の住むコキノダイモナスを紹介した。




旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 我が子羽ぐくめ 天の鶴群
 
                  遣唐使の母 /万葉集 



銀も 金も玉も なにせむに 優れる宝 子に及かめやも

                     山上憶良 
 

コキノダイモナスとベゴニアは夢京橋にいた。陶舗
『こいで』でショットグラスを物色した後、十王の
名水の近くの庵でひとしお「Blanto」バーボンを飲み
干しながら、ティンカーベルとシェルが騒ぐ中、ま
だ見ぬ“知力の剣”について話しを交わしその日を
終えることとなった。



 

【M氏への返信:バイオマスアルコール】

早速のご提案ありがとうございます。

面白いですね(超音波/減圧蒸留/ガス液分離膜な
どの比較検討がいります)。

※「超音波霧化分離

バイオマスアルコール問題は3つあり、1つは、ポ
ストCOP15への取り組み、2には国の政府的先
導の如何。3つめは、1㍑当たり百円の壁を如何に
突破するかだと。釈迦に説法ですがね。

追伸

環境投資は、長期的視点が大切ですが、忘年会でお
配りしたものは、医療・福祉・エネルギーを包括し
た日本企業への投資をカテゴリ・クラスタとしてま
とめたもので、千株単位ても全部に投資すれば5千
万円近い金額になりますが、リスクが絶対ないとい
えませんが、堅実な投資だと確信しています。それ
と来春になれば「一期会」も企画しましょうか。


                            




ポインセチア(英名 poinsettia)はトウダイグサ科ト
ウダイグサ属の植物。常緑性低木。葉は薄く、楕円
形。花はいわゆる杯状花序である。花びら等は存在
しない。その下に着く葉の形の包葉が赤く染まるの
が鑑賞の対象となる。その赤さはキリストの血の色
に例えられる。原産は中央アメリカ(特にメキシコ)。
ポインセチアという名前の由来はアメリカ合衆国の
初代メキシコ公使であったJ・R・ポインセットによ
る。原産国とされるメキシコ合衆国では、「ノーチ
ェ・ブエナ(聖夜)」と呼ばれる。日本には明治時
代に来た。和名はショウジョウボク(猩々木)。大
酒飲みの赤い顔が似ていることから名付けられたと
いう。観葉植物として、クリスマスの時期にあわせ
て短日処理をして、紅葉させて緑色の葉色とのコン
トラストを楽しむ。増やし方は、水を張った容器や、
土に挿し木をすれば発根する(水に挿す場合は、水
に挿す前に切り口から出る乳液状の樹液を拭き取っ
ておく。メキシコ原産の「ポインセチア」。花言葉
は「祝福」。





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クリスマスキャロルのヤドリギ

2009年12月22日 | 知財安全保障



溢れ出て 掬えぬものを 宿り木の 蔓で括りて 座に集まりぬ




【ヤーヌスを向かえる女戦士ベゴニア】

 ヤヌス神

曾根崎で育つたので、近くの太融寺でラジオ体操、
天満天神綱敷天神お初天神堀川戎神社等や、
旧読売新聞(よみうりゴルフガーデン)横の東
田教会
でミサと宗教行事に事欠かなく漬っていた
記憶がある。取り分け、正月には父親に連れられ、
清荒神伏見稲荷石切神社成田不動尊と神社
通い三昧でよくも年中忙しいく働いている親父な
のにと、いま思うと不思議なぐらいだ。さらに、
クリスマスシーズンになれば遊興街は、連日お祭
り騒ぎで曾根崎の幼稚園・小学校の境界壁の小さ
な排水溝の汚れを見ながら通った記憶がよみがえ
る。翻って、彦根の子供達は、ず~っと静かな年
末正月を迎えている。


赤鼻のトナカイみたいな顔のまま私にキスで風邪をうつして

                    
微熱の方程式



つまり、タカアンドトシの漫才の「欧米か!」じ
ゃなく「欧米化」進行の最中にあったわけで、そ
の最頂点として
稲垣潤一の『クリスマスキャロル
の頃には
』があった様に思う。勿論、クリスマス
ソング
の流行はビング・クロスビーの『ホワイト
クリスマス』にはじまり、どうしょう?
マライヤ
キャリー
の『恋人たちのクリスマス』まで、いろ
んなものが消費されてきた。稲垣潤一の歌が流れ
ていた土地不動産バブルが崩壊していたころで、
IT関連器機製造向けの装置・部品を生産してい
たわたし(たち)の職場は休祭日返上、不夜城さ
ながらの活況が続く。その結果は?勿論、日本の
独自政策の<創制>に行き着く。

1940年 


もう少し言うと、欧米化の勢いがとまりやがて退
潮に入ると考えた。現実はクリントン大統領の中
道寄りの住宅資本主義政策と情報通信産業→金融
工学を駆使した欧米型金融資本主義の隆盛に繋が
り長いトンネル状態に入る。稲垣の歌(作詞 秋
元康/作曲 三井誠)が象徴する「邂逅・別離」
に気付かなければならなかった。1994年の年末は、
その意味で決定的なも年となり、
リバタリアニズ
ム(自由至上主義
)をはじめとする新自由主義や
矢内裕幸の『環境哲学-欲望のやすらかな眠り』
を代表とする環境リスク本位制の考察、また「定
年制延長」をはじめとする少子高齢化社会などの
下部構造の変容の考察を猛スピードで行っていた
時期でもある。

[表紙]ミトラス教

サトゥルヌス祭。つまり、クリスマスが冬至の時
期に定まる4世紀頃まで、ローマ帝国では、いく
つかの東方や地中海沿岸諸国の太陽信仰の影響を
受け、ローマ市民の生活に関わる農耕の面でも、
冬至までに短く弱くなる昼の太陽を、農業を司る
神サトゥルヌス (クロノス) が下降を食い止め復
活させることを祝う、サトゥルナリア (サトゥル
ヌス
Saturnalia) があり、12月17日から24日まで
の一週間休みとなり大騒ぎして祝ったとされる。
現代で行われる常緑樹を飾ったり、プレゼントを
贈った風習が見られ、12月25日を「太陽が甦る日」
とするローマ帝国で先行したミトラス教として12
月25日の祭日としてキリスト教と重ねることにな
る(『ベゴニアの可憐な闘いのはじまり』)。

Saturno devorando a sus hijos.jpg

できることなら、ゴヤの「我が子を食らうサトゥ
ルヌス」に、小熊を食らう北極熊のようになりた
くない(『アナナスはエロスか』)。そのために
矢内裕幸の『環境哲学-欲望のやすらかな眠り』
ではないが、内には、コポレートガバナンス(広
義の組織体の内部統治)の優先、外に向かっては
地球益を念頭にした『贈与経済』社会規範(これ
が「鳩山イニシアティブ」とするのもよし)の先
頭に立つことが、この郷土人(くにびと)に住む
大義であり、そこにむけた総力の結集が、今回の
「政権交代」の意味ではないのかと、話しはまた
硬くなくなった ^^;。

7 Hügel Roms.jpg

さて、ここから、クロノス(サートゥルヌス)を
イタリアに向かえに行ったヤーヌス(→成長戦略
としての『双頭の狗鷲』)のごとき、この世界を
切り開き実現すべく、可憐な女戦士ベゴニアの闘
いの神話がはじまるのである。まず、建築家、磯
崎新の手になる現在のカンピオスの丘、「つくば
センタービル」のアポローンを訪れることとなる。

 Tsukuba Center building

「無知が栄えたためしなし」(カール・マルクス)
を座右の銘とするアポローンは、膨大な知の堆積
から、汝の必要とする知識を拾い上げ、それを鍛
錬し知力の剣とせよ。そして、それを2つにわけ、
1つは円卓会議(Roundtable)に附してこの知財
群(Goods)を公開し、必要とする郷土人(くに
びと)が了とする値段で分け与える。請われれば
ともにその知財群の展開を産助する。もう1つは、
内容を公開することなく、関係する郷土人が互い
に協定を結び、円卓会議(Roundtable)にその協議
プロトコルを報告し、知財群(Goods)の展開を産
助する。万が一関連する郷土人が法を犯したなら
ば、関連損失額(時価)の2倍以上額を重罰を過
料する。その規模は、円卓会議の審査所(Coat)
規則に則り処罰することをベゴニアに約束した。


Mistel 2002.jpg

ヤドリギ類(宿木類)はビャクダン目に属すビャ
クダン科・オオバヤドリギ科・ミソデンドロン科
の寄生植物の総称。いずれも樹木の幹や枝の中に
根を下ろした灌木のような姿の植物である。緑の
葉を持っているものが多いので、半寄生植物。本
来ヤドリギを意味する英語 "mistletoe" は、ビャク
ダン科で唯一グレートブリテン島およびヨーロッ
パ原産のオウシュウヤドリギ(学名 Viscum album
を示すという。年末となり慌ただしくなる。今日
は、忘年会の集まりがあるので、ブログを早めに
あげる。そんな歌を描く。日本全土に分布する「
ヤドリギ」。花言葉は「征服」。

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