極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

環境とエネルギー 88

2024年12月26日 | 光電融合電子デバイス革命

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

 

【季語と短歌:10月26日】

          風呂上がり熱燗美味く山眠る 

                    高山 宇 (赤鬼)




✳️  積水化学、曲がる太陽電池を堺で量産
26日、積水化学工業は堺市にあるシャープ本社工場の建物を買い取り、薄
くて曲げられるペロブスカイト太陽電池の量産を2027年に始めると発表し
た。生産量は徐々に引き上げ、30年には原発1基分の発電容量にあたる年
100万キロワット分の電池をつくる。設備の導入費なども含めた投資額は
約3100億円を見込む。うち約1600億円は政府から補助を受ける。工
場の
運営は2025年1月に大阪市に設ける新会社「積水ソーラーフィルム」が担
う。積水化学が86%、日本政策投資銀行が14%を出資する。

【迷惑を掛けない高齢者の健康法⓵】

⛑️ グリナの効能

味の素グリナの効果と副作用を精神科医が詳しく解説します。
睡眠のサプリメントとして、アミノ酸のグリシンが発売されていた。さか
んに宣伝もされているので、深夜作業(PC)打ち込み最寄りのセブンで購
入(三日分)。いずれもこれまでより睡眠時間が延びてはいない?が、深
く眠り感がある。もっとも、夢はいつものように見ている(目覚め時で確
認)。
グリシンの睡眠サプリメントとしては、味の素から「グリナ」が発
売されている。製品ホームページを見てみると、実験データとともに睡眠
に対する効果がうたわれている。ですがこのデータは少ない。グリシンを
服用すると、腸から血中に取り込まれ,
グリシンの血中濃度は30分後をピー
クに増加し、その後4時間ほどかけて半分になる。脳の周りには血液脳関
門というバリアーがあり、脂っぽい物質しか通さないようになっていない。
グリシンはアミノ酸ですから、ほとんど通過できない。

血中と脳のグリシン濃度の比は、45:1に保たれるという結果がでている。
ですから、脳への作用はほとんどないと考えてよい
それではグリシンに
はどのような効果があるのか?ラットの実験で判明しているのは、体表の
血流が増加して深部体温が低下する効果
 
動物は眠ると深部体温は
1℃近く低くなる。冬眠を考えるとイメージしやすいかも知れない。無駄
なエネルギーを使わないために、体温を低くして代謝活動を抑える。グリ
シンには、この働きを強める作用が考えられている。
どうしてこのような
作用があるのかは、はっきりわかっていない。

 ⓵末梢のグリシン受容体への作用
 ⓶視交叉上核のNMDA受容体作用

味の素から、2005年からグリシンの睡眠サプリとしてグリナが発売されて
おり、これまで200万人以上の方に使われてきたとのこと。被験者の数は
11名で、同じ人でグリナ3gを2日続けた場合と偽薬を2日続けた場合の結
果を比較している。2日目にポリソムノグラフィーという睡眠中の脳波の
わかる検査を行っている。
その結果、翌朝の主観的疲労感と熟眠感の改善
が報告された。また、入眠潜時(ステージ2)と徐波睡眠潜時(ステージ3
と4)が短縮したと報告されている。つまり、寝付きやすくなって、深い眠
りに入りやすくなるという。
これだけみれば、良いことだらけ。しかしな
がら、この研究データから睡眠改善効果があるとは、とても評価が難しい
ように感じます。被験者の数がわずか11名の報告が1つしかない。本当に
効果を証明するならば、もっと規模が大きく質の高い試験を行う必要があ
る。
例えばリスクの一つとして、出版バイアスの可能性を考えなければい
けない。
出版バイアスとは、都合のよいものだけが世の中に出されること
で生
じるバイアス。サプリメントの研究は会社が売るために行われている。

本当に効果があるのかをはっきりさせるためには、もっと規模の大きな研
究を行わなければいけない。研究コストをかけられない事情もあるかもし
れませんが、これをもって「効果のエビデンスがある」とは言い難いと思
われます。
誤解がないように伝える、だからといって「効果がない」とい
っていない。効果があるかもしれないし、ないかもしれないし、それを科
学的には証明できているとは言い難いというにすぎない。
グリナは機能性
表示食品となっているが、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではな
いと言われている
。         

                不眠症を生活習慣から改善する方法について、精神科医が詳しくお伝えしていきます。
                 不眠症を生活習慣から解消する方法
                         (睡眠衛生教育)

睡眠により生活習慣についてまとめました。

睡眠が乱れてしまうと、心身の健康に悪影響なだけでなく、日中の集中力
も落ちてしまい、業務効率が落ちてしまいます。睡眠によい生活習慣をご
紹介させていただきますので、不眠悩んでらっしゃる方は、ぜひ試してく
ださい。 (上図クリック)よい睡眠をとるポイントは、リズム・体温・
自信の3つです。それぞれについて説明していきる。


【関連論文】
1.アミノ酸グリシンによる睡眠改善効果の作用機序解明 2014-02-12
2.アミノ酸と結晶多形 1993
3.グリシンが老化の緩和に有効である可能性 2019-11-08


 ✳️ ENEOS、台湾XING MobilityとEV向け液浸冷却の開発

液浸冷却電池システムは、電池セルを絶縁性の冷却液に完全に浸して冷却
する。冷却液とセルが直接接触しているため、通常の空冷や関節冷却と比
べて冷却効率が優れている。また、セルが破壊されても急冷でき、ほかの
セルへの延焼や、火災・爆発を起こしにくい。さらに、電池性能の維持や
長寿命化が可能となる。

ENEOSの製品には、データセンター向けサーバー液浸冷却液がある。その
開発で培った液浸冷却技術や、潤滑油製造で得た添加剤処方技術の知見を
活かし、液浸冷却電池システムに適した冷却液を開発していくという。

XING Mobilityは、台湾に液浸冷却電池システムの量産工場を2024年9月
に開所した。産業機械メーカーのクボタがXING Mobilityの持ち株会社で
あるXING Technologyに出資したほか、12月には日本のVTホールディン
グスの100%子会社である英Caterham(ケータハム)と提携し、Caterham
が開発している電動スポーツカー「Project V」に液浸冷却電池システムを
供給すると発表するなど、日本企業とも関わりがある。今回のENEOSとの
提携により、日本だけでなく海外に向けても液浸冷却電池システムの市場
拡大を狙うとしている。

 液浸冷却電池システムは、電池セルを絶縁性の冷却液に完全に浸して冷却
する。冷却液とセルが直接接触しているため、通常の空冷や関節冷却と比
べて冷却効率が優れている。また、セルが破壊されても急冷でき、ほかの
セルへの延焼や、火災・爆発を起こしにくい。さらに、電池性能の維持や
長寿命化が可能となる。

ENEOSの製品には、データセンター向けサーバー液浸冷却液がある。その
開発で培った液浸冷却技術や、潤滑油製造で得た添加剤処方技術の知見を
活かし、液浸冷却電池システムに適した冷却液を開発していくという。
XING Mobilityは、台湾に液浸冷却電池システムの量産工場を2024年9月
に開所した。産業機械メーカーのクボタがXING Mobilityの持ち株会社で
あるXING Technologyに出資したほか、12月には日本のVTホールディング
スの100%子会社である英Caterham(ケータハム)と提携し、Caterham
が開発している電動スポーツカー「Project V」に液浸冷却電池システムを
供給すると発表するなど、日本企業とも関わりがある。今回のENEOSとの
提携により、日本だけでなく海外に向けても液浸冷却電池システムの市場
拡大を狙うとしている。
【脚注】
・「液浸冷却とは」UniPo株式会社 2024年1月15日
・「スーパーカーから農業機械へ、華麗な転身を果たした新興バッテリー

 メーカー」DG LAB HAUS 2024年3月4日
フッ素系高機能性液体

「脱炭素は重要だが、EVにはまだ課題がある」というあたりまでは双方合
意できるはず。よって、議論となるのは、「技術的な課題を解決してか普
及すべき」か、「普及を進めながら、課題を潰していくべき」なのかとい
うあたりではないか?中国では、EVの販売台数が増えるにつれて、関連す
る政策や産業が洗練されている。ビジネスを動かさなければ、課題も見つ
からないのではないか……。台湾を訪問した際、チェルビック・キャピタ
ルで、まさにEVについて、「走りながら解決策を見つける」スタートアッ
プを教えてもらった。世界のスタートアップ事情に詳しい台湾の投資家、
マット・チェン氏を語り部に、その注目企業を紹介している。
🪄鄭博仁(マット・チェン)ベンチャーキャピタル・心元資本(チェルビ
ック・キャピタル)の創業パートナー。米国、中国を中心として世界各地
のベンチャー企業に出資している。起業家時代から約20年にわたる有力投
資家、中国で「エンジェル投資家トップ10」に選出されている。



◾バッテリーの課題は「熱管理」
寒すぎると、EVの航続距離が激減し、充電速度も落ち、今年1月には米シ
カゴが寒波に見舞われ、多くのEVが充電ステーションの周りで立ち往生す
る光景が話題となった。販売台数世界一のEV大国である中国でも、寒い東
北部ではあまり普及していない。「EVは万里の長城を超えられない」とい
うジョークもあるほど。一方で、高温下でも問題がある。高い温度にさら
されると、熱暴走と呼ばれる現象が起き、最悪では発火し炎上する。リチ
ウムイオン電池の炎上は厄介で、消火が難しい。高温になると、バッテリ
ーに使われている酸化物から酸素が放出されるので、燃焼を止めるにはひ
たすら水をかけて温度を下げるしかない。EVが炎上した場合、消火には4ト
ンもの水が必要。ガソリン車の火災では泡消火剤を使って酸素の供給を断
って消火するのが、EVにはこの手法は使えない。また、巷にはEVよりも大
きなバッテリーも増えている。風力や太陽光発電の電力を貯めておく大型
蓄電システムが普及しつつあるが、こうしたバッテリーシステムで火災が
起きると大変なことになる。2021年7月、オーストラリア・ビクトリア州
で起きた蓄電施設の火災では鎮火までに4日間かかった。
今後は商業施設や
オフィスビル、一般家庭でも蓄電システムの設置が進むが、そうなれば安
全性の要求はますます高いものとなる。
バッテリーは充放電すると発熱す
るが、熱暴走が起きないように冷却し、それでも足りない場合は充放電を
制限する機能を備えている。頻繁に性能が低下するとそれも困りもの。


失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖 
リチウム二次電池の安全工学的考察より

液浸冷却は安全性、出力、耐久性、急速充電性能など優位性を持っていて。
バッテリーを高密度で詰め込むことができ、形状の自由度が高いことも魅
力的。シン・モビリティーはクライアントにあわせてカスタマイズした形
状のバッテリーを製作す。すでにシン・モビリティーのバッテリーを搭載
した、トラックや鉱山機械などの製品を発売。昨年末には日本の農業機器
メーカー、クボタも出資。「トラクタや小型建設機械などの電動化に向け
た技術開発を進め、農地や建設工事現場などの過酷な環境下での高出力運
転を求められ、これらの製品に適合するバッテリーシステムの開発・確保
は大きな課題」と、シン・モビリティーの技術への期待。電源パワー制御
や環境エネルギー関連で事業を展開する株式会社エヌエフホールディング
ス(本社:神奈川県横浜市)とも協業を開始している。


スーパーカーと農業機械の共通点
⓵安全性が高いことに加え、クライアントごとに形状のカスタマイズが可
能、②中国のCATLやBYD、韓国のLGエナジーソリューションなどの大手バ
ッテリーメーカーは通常、大手自動車メーカーの一般的な乗用車しかカス
タマイズを受け付けない。数のはけない工業車、商用車はビジネスのうま
みがなく、そこにスタートアップが参入するチャンスが生まれている。

シン・モビリティーは私たちチェルビック・キャピタルが出資した企業で
はあるが、それだけではなく、彼らの成長ストーリーと戦略的な判断には“
これぞスタートアップのあるべき姿だ”と感心させられた。プロダクトだけ
ではなく、この点も紹介したい。

創業者のロイズ・ホン氏は、大の車好き。なので、最初は電気で走るスー
パーカーを作りたいとシン・モビリティーを創業した。当初はバッテリー
メーカーではなく、レーシングカーを作る会社だったのです。すごいEVレ
ーシングカーを作る手段として、液浸冷却技術の開発が進められた。
液浸冷却バッテリーを搭載したスーパーカーを作ってみたところ、農業機
械などでも同じ悩みがあった。脱炭素は自動車メーカーだけの課題ではあ
った。電動化していない企業とは取引しない、公共工事に入札させないと
いった動きが今後広がることが予想され、今から対応する必がある。

クライアントのニーズをさぐり、そのコストに見合ったバッテリーへと改
良を進め、⓷
もう一つ、液浸冷却というコンセプトは決して新しいもので
はないという点も重要。データセンターなど他の分野では冷却技術として
の有効性は認められていましたから。車載バッテリーについても理論は存
在していた。ただ、それを実現し量産するにはお金も時間も必要です。既
存技術の確立に多額の資金を投入してきた大企業は往々にして、過去の資
産を捨てることになりかねない新技術の開発に尻込みすると……。まさに
スタートアップにとっては大きなチャンス。

④さらに「まずなにをやるか」という優先順位がスタートアップにとって
は何よりも重要。急成長が続くEV市場に参入したくなるのは当然だが、あ
えて確実なニーズがある農業機械や建設機械から始めた。将来的には一般
的な乗用車市場への参入も目指していたが、「まずは」という優先順位を
明確に定めた。
「ニーズを発見してからのピボット」「誰も考えていなか
った技術ではなく、知られていたが実現されていなかった技術への取り組
み」「ビジネスの明確な優先順位」。まるで教科書に出てきそうなスター
トアップの戦略で、新しい技術とスタートアップが活躍する場はまだまだ
無数に存在する。


✳️ 封止なしでも高耐久のペロブスカイトPVを開発

12月.24日、名古屋大学の研究グループは,2,2,2-トリフルオロエタノール
を添加した単層カーボンナノチューブ(SWCNT)電極がペロブスカイト
太陽電池の耐久性を格段に向上させることを見出した。
【要点】
⓵単層カーボンナノチューブ電極を用いるとペロブスカイト太陽電池の耐久性が向上。
⓶電極にフッ素系化合物を添加すると、この太陽電池の耐久性がさらに向上。
⓷ペロブスカイト太陽電池の実用化への課題とされている耐久性の問題解決に寄与する。


ペロブスカイト太陽電池は,一般的に有機無機ハイブリッド型のペロブス
カイト結晶構造である CH3NH3PbI3が使用されている。この材料は,優れ
た光吸収特性と高い電荷キャリア移動度を有するため高い発電効率を実現
するが,CH3NH3PbI3は大気中の酸素や湿気に弱く,PbI2結晶へと分解し
てしまう課題がある。
さらに,金属電極材料も耐久性の問題を引き起こす。例えば,銀電極はペ
ロブスカイト構造に含まれるヨウ素と反応し,ヨウ化銀を形成することで
ペロブスカイト構造を分解する。金電極もペロブスカイト太陽電池内部で
原子状の金が拡散し,ペロブスカイト構造の分解の要因となるという問題
もある。
今回開発した太陽電池は,作製時に14.1%のエネルギー変換効率を示して
いたが,未封止・大気下で280日間保管した後も8.2%の変換効率を記録し
た。一方,従来の銀電極を用いた参照素子は,作製時に16.4%の変換効率
を示していたが,未封止・大気下で260日間保管した時点で,銀電極下の
ペロブスカイト層が黄色に変色し,変換効率は0%にまで低下していた。
解析の結果,2,2,2-トリフルオロエタノールを添加した単層カーボンナノ
チューブ薄膜を電極として使用した場合,ペロブスカイト結晶の分解が抑
制されていることが明らかになった。
研究グループではこれまで,単層カーボンナノチューブ電極がペロブスカ
イト太陽電池の耐久性を向上することを示し続けてきたが,フッ素系化合
物をカーボンナノチューブ電極に添加することで,耐久性が一層向上する
ことがわかった。
ペロブスカイト太陽電池の実用化においては耐久性が最大の問題となって
おり,厳密な封止技術が検討されている。しかし,封止なしでも耐久性が
あるペロブスカイト太陽電池は,封止を施すことで,さらに実用レベルの
耐久性に達する可能性があるとしている。

【掲載論文】

雑誌名:Photochem 2024, 4(3), 319-333.
タイトル:Facile Doping of 2,2,2-Trifluoroethanol to Single-walled
 Carbon Nanotubes Electrodes for Durable Perovskite Solar Cells
DOI: doi.org/10.3390/photochem4030019
URL: https://doi.org/10.3390/photochem4030019
【関連報告書】
✳️ NEDOが考えるCO2の分離回収技術と有効利用の実用化シナリオ名古
屋大学の研究グループは,2,2,2-トリフルオロエタノールを添加した単層
カーボンナノチューブ(SWCNT)電極がペロブスカイト太陽電池の耐久性
を格段に向上させることを見出した


✳️ 「木材保護塗料」1位はキシラデコール、得意分野で
失速の2位オスモ
カラーを引き離す日経クロステック )
「キシラデコールは木材に塗る保護塗料ですが、近年、森林保護・環境貢
献の観点からも大きな注目を集めています。Daigasグループがエネルギー
の面からだけでなく、木材保護の面からも環境貢献に取り組んでいる。
キシラデコールは、防腐・防カビ・防虫木材保護塗料として日本初。一般
の住宅はもちろん、熊本城の天守閣や、国立競技場、国宝、重要文化財、
公共建築物など、あらゆる種類の建築物に活用されています。また、その
性能の高さから、建築雑誌の「木材保護塗料ランキング」では、16年連続
1位に輝くほどプロからも高評価を得ている。

 今日の言葉:信頼喪失⑤

     春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                  春だというのに自然は沈黙している。

                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春』
                           (因果報応の季節風)より

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エネルギーと環境 87

2024年12月25日 | 光電融合電子デバイス革命

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

                      ウォールステッカー クリスマス おしゃれ 無き クリスマスツリー ウィンドウ かわいい ステッカー トナカイ サンタ サンタクロース ボール 背景  オーナメント 窓 ガラス 壁 飾り 壁紙 カフェ 特大 インテリア 雑貨 シール お店 雪ダルマ 雪の結晶 インスタ映え 鐘 ...
【季語と短歌:10月25日】

        朝陽浴び積る雪なきクリスマス 
                       
                    高山 宇 (赤鬼)

原油需要の減速止まらず 先物、4月高値の2割安 OPEC、中国不振で下方修正 - 日本経済新聞
✳️ 中国の石油需要は転換点に近づく
世界最大の自動車市場である同国で、電気自動車(EV)が占める割合が拡
大し
ていることが背景にある。
中国は長年にわたり原油の最大の消費国だった。2023年の世界需要に中国
が占める割合は16%(日量1640万バレル)と、08年の約9%から上昇した。
さらに重要なのは、中国が供給過剰分の最大の買い手だったこと。この期
間、世界の石油需要の伸びの半分以上は中国によるものだった。しかし2
3年に消費が記録的な水準に達して以降、新型コロナウイルスを徹底的に
封じ込める厳格な「ゼロコロナ」政策から脱却した後は、中国の需要は鈍
化している。国際エネルギー機関(IEA)によると、石油消費量の伸び率
は、24年に前年比0.8%、25年は同1.3%にとどまる見込み。

中国のEVブーム、石油企業にダブルパンチ
国のEVブーム、石油企業にダブルパンチ 中国自動車市場の変化で石油需要は転換期に

中国の石油需要は依然としておおむね安定しているように見えるが、その
構成は急速に変化している。ガソリンとディーゼル燃料の需要はピークを
迎えたようだ。IEAの推計では、これらの輸送用燃料に対する中国の2024年
の需要は、21年と比べて3.6%低下する見通し。

中国の住宅バブル崩壊も一因だ。建設の減速により、機械で使用されるデ
ィーゼル燃料の需要が弱まった。だがもっと大きな要因は、中国の個人用
移動手段の急速な変化、特にEVの台頭だ。中国乗用車協会(CPCA)によ
ると、ここ数カ月で販売された乗用車の半分以上が、プラグインハイブリ
ッド車(PHV、PHEV)を含む新エネルギー車だった。主にこのトレンドに
より、IEAの予測では、2025年の中国のガソリン需要は21年のピーク時よ
り6.4%低くなる見込み。
また中国では、ディーゼル燃料の代わりに液化天然ガス(LNG)を使用す
る新型の大型トラックも増えている。2024年の中国の石油需要に占めるデ
ィーゼル燃料とガソリンの割合は44%と、18年の51%から低下するとみ
られる。

輸送用燃料の需要が頭打ちになる一方、中国で成長する石油化学セクター
が石油製品を大量に消費している。いずれも石油化学製品の原料であるナ
フサ、エタン、液化石油ガスの消費量は、2019~24年の間に59%増加した。
しかし中国でEV普及が引き続き進む中では、石油化学セクターによる消費
が拡大しても、ディーゼル燃料とガソリン需要の減少を補うには不十分か
もしれない。

米エネルギー情報局(EIA)によると、中国の石油精製能力は2011~23年
に42%増加し、日量1850万バレルに達した。これは特に現在の景気低迷
期には過剰生産能力となっている。中国は非効率な小規模精製所を淘汰す
る取り組みの一環として、精製能力の上限を日量2000万バレルに設定した。

これは大手の総合石油会社にとってダブルパンチとなる可能性がある。中
国の2023年の石油輸入量は日量1130万バレルと、世界の生産量の10%超
を占めた。同国の構造的な需要の減少は、価格への圧力を通じて石油会社
の上流部門に打撃を与えかねない。一方で、過剰な精製能力は石油メジ
ャーの下流部門の利益率を圧迫する可能性がある。これらの部門は従来、
原油価格が低い時期に財務的なバランスを保つ役割を果たしてきた。
かつ
て中国の好景気の追い風に乗った石油生産企業は、厳しい現実に直面する
可能性がある。

NEDO Web Magazine

 
理論上29%の変換効率29%を超える日本発太陽電池技術!
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✳️ ペロブスカイト太陽電池世界最高クラスの発電効率達成
オックスフォード大と京大の研究が融合
次世代太陽電池として注目されて
いる「ペロブスカイト太陽電池」について、世界最高クラスの発電効率を
達成したと、京都大や英オックスフォード大などの国際研究チームが発表。
実験レベルで従来のシリコン太陽電池の能力を上回り、さらなる向上も期
待できるという。論文が24日、科学誌ネイチャーに掲載される。
従来の太陽電池は硬くて割れやすいシリコンの結晶を使っている。これを
特殊な結晶構造を持つ「ペロブスカイト」と呼ばれる素材に切り替えたの
がペロブスカイト太陽電池。


京大化学研究所の若宮淳志教授(材料化学)らは、幅広い波長の光を効率
良く利用するため、性質の異なるペロブスカイト結晶の層を複数重ねる「
タンデム型」という手法を採用した。化学的な解析をもとに、高品質な結
晶を印刷技術で作れるよう、成分の改良を進めた。

実験レベルで計測された発電効率は、2層重ねた時で最大29・7%に到
達し、シリコンやペロブスカイトの1層構造の性能(24~27%)を上
回った。理論上は35%まで改良できるという。若宮教授は「オックスフ
ォード大のタンデム型の研究と、京大の化学研究の融合で果たせた国際的
な成果だ」と話す。

 産業技術総合研究所の村上拓郎・有機系太陽電池研究チーム長の話 「今
回の発電効率は驚くべき値だ。将来的な手法としてタンデム型の検討も進
めるべきで、その一歩となる研究成果だ」

京都大学,英オックスフォード大学,分子科学研究所,理化学研究所は,
スズを含むSn-Pb系ペロブスカイト半導体の界面構造制御法を開発し,こ
れをボトムセルとして用いることで,オールペロブスカイトのタンデム型
太陽電池の高性能化を実現従来のタイプの単接合型のペロブスカイト太陽
電池の世界最高の光電変換効率は26.7%と,理論限界に近い値にまで向上
している。この単接合型の放射限界を超えて,さらに高い効率が得られる
太陽電池として,異なる光電変換領域をもつ複数のセルを組み合わせた多
接合太陽電池(タンデム型太陽電池)が脚光を浴びている。

特に,接合する全てのセルがペロブスカイト太陽電池である「オールペロ
ブスカイト型のタンデムセル」の高性能化には,長波長領域の光を光電変
換できる狭バンドギャップをもつSn-Pb系ペロブスカイト太陽電池(Eg:~
1.25eV)の特性を改善することが重要となっている。
今回研究グループは,
独自の添加剤として,アミノ酸基とカルボン酸基を分子内に併せもつフェ
ニルアラニンをSn-Pb系ペロブスカイト半導体の前駆体溶液に用いることで
,高品質なSn-Pb系ペロブスカイト半導体膜が作製できる手法を開発した。
各種分光測定の結果と理論計算により,塗布成膜過程でのフェニルアラニ
ンがどのようにペロブスカイトの構成イオンと相互作用し,埋もれたペロ
ブスカイトの下層の界面を選択的に構造制御するのかについて,化学的な
視点からそのメカニズムの詳細を解明した。
この手法で得られた高品質な
Sn-Pb系ペロブスカイト層を用いて作製した,単接合セル,2接合型タンデ
ムセル,および 3接合型タンデムセルの各デバイスでは,それぞれ0.91V,
2.22V,および3.46Vの開放電圧が得られ,23.9%,29.7%(認証値29.26%
),および28.7%の光電変換効率を達成した。

また,1cm2のサイズの3接合デバイスでも,28.4%(産業技術総合研究所
にて27.28%の認証値)の光電変換特性を得ることができたという。さらに
研究では,初めて4接合型のペロブスカイトタンデム型デバイスまで作製
し,4.94Vもの高い開放電圧と27.9%の光電変換特性が得られることを実
証した。
この研究成果は,京大発ベンチャー「エネコートテクノロジーズ」にも技
術移転し,高性能のペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた開発研究を
展開していく予定だとしている。
【関連論文】
タイトル:スズを含むペロブスカイト半導体の界面構造制御法の開発とメ
カニズム解明



🎈世界初の240Hz対応16インチOLED搭載「Blade 16」ゲーミグノートPC


✳️ 喫緊の課題となる充電インフラと国の拡充支援策の要点



😥 再エネだけでは増加分を賄うには不十分か

一つ目が、6口以上の充電器の整備促進、充電回避に向けて、現在渋滞の
回避に向け、充電器の設置が進んでいるが、駐車スペースの整備も含め、
1基1口充電嗣よりもコストか高く。この部分の補助を手厚くすることで、
充電器の複数日化を促進していく。二つ目のポイントか、公共用高出力充
電器の支援拡充。イニシャルコストや導人後の保守管理費・電カコストな
どを考慮し、出力90kW以上の充電器においてコンビニ・ティーラー等で
は、これまで設備費の2分の1を補助していたところを、1分の1を補助す
る形に変更した。二つ目のポイントが、公共用高出力充電器の支援拡充。
イニシャルコストや導入後の保守管理費・電カコストなどを考慮し、出力
90kW以上の充電器においてコンビニ・ディーラー等では、これまで設備
費の2分の1を補助していたところを、1分の1を補助する形に変更し。そし
て、三つ目のポイントが、高出力対応の高圧受電設備への対応。
バスなどのBEVイヒに向けて高出力充電器の導入が進むと、より高い出力
に対応した受電設備が必要になる。以前は、150kW以上の受電設備に対し
て一律400万円を補助していたが、設置設備の総出力に応じて段階的に上
限額を引き上げた。

🎈高速道路の充電インフラ整備は 
国土交通省とともに「高速道路における電動化インフラ整備加速化パッケ
ージ」をとりまとめ、今年3月に公表した。利用者がいつでも快適に充電
できる環境を目指して、高速道路におけるBEV充電器の大幅増加と複数
日化・高出力化を促していくための方針です。前述の通り、2025年までに
2020年度比の2.7倍となる約1,100日の急速充電器の設置を目標に掲げ、充
電インフラ補助金の予算拡充・補前額の引き上げを行った。

 さらに今後は高速道路外のBEV充電器の活用も視野に入れた検討を進め
ていく。具体的には、国土交通省では、一時的に高速道路を降りて充電し
たとしても損をしない料金体系・決算方法の導入を検討しています。また、
サービスエリアやパーキングエリアにおける駐車場の整備に向けた国費支
援制度の創設も審議しています。充電器拡充に向けた補助金による支援だ
けでなく、国土交通省とも連携し、こうした総合的な取り組みを行うこと
で、利用者にとって使い勝手の良いインフラを構築していきたいと考えて
いる。
 整備計画においては、利用者だけでなく、充電インフラを構築・運営す
る事業者の視点も欠かせません。高速道路における充電インフラ整備を加
連させ、一部サービスエリアにおいて頻繁に発生している充電渋滞を解消
するとともに充電器の利用率が高まれば、運営事業者の収益性向上につな
がります。
一方、充電器だけが先に普及し過ぎてしまい利用率が低いままだと、事業
者の経営が厳しくなってしまいます。車両の普及と充電インフラの整備の
両輪でバランス良く進めていくことが重要であり、政府としても状況を注
視しながら補助金などを活用し、BEV普及拡大を促すとともに、2035年
までに乗用車新車販売で電動車100%という目標に向けて取り組んでいく。


政府は補助金政策予算を3倍に増やし、
急速充電器の普及を重点的に促進する

✳️ 電力需給ひっ迫の懸念 全BEV化で約2000億kWh
BEVの導入拡大に向けた動きが加速する一方で、需要の高まりによる電力
不足を懸念する声も聞かれる。
現在も夏場や冬場において電力の需給ひっ迫が懸念される日本でBEV化が
進むと、果たして本当に電力供給不足に陥ってしまうのか。日本エネルギ
ー経済研究所参与の黒木昭弘氏の見解を聞く。(環境ビジネス」2025
年夏季号 より)

🤔 BEV普及によりどのくらい電力需要は増加するか
2020年に自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ自動胆現会長、当時社長)
が「日本国内の年間乗用車販売約400万台および保有台数(6200万台規模
)がすべてBEVに置き換わると、電カピーク時の発電能力は現状より10
~15%増強する必要がある」と発言したことをきっかけにパただでさえ、
夏場や冬場において電力の需給ひっ迫が懸念される日本で、なぜBEV普及
を推し進めるのか」という声が聞かれるようになった。


乗用収をすべてBEV化したら、本当に電力不足に陥ってしまうのか。検証
してみたところ、追加的に必要な電力需要量は約2000億kWh(送電ロスを
勘案した必要な発電電力量)だと分かりました。運輸部門のエネルギー消
費は旅客部門・貨物部門とも自動車による陸ト輸送が大半を占‘めているた
め、これがすべてBEVに置き換わったらどれだけの電力量が必要か、過
去の総エネルギー消費量から試算した。

😥 増加分はどのように賄えるか
大幅な需要の増加が予測されますが、実は現在の電源構成および既存設備
でも十分に賄える可能性があります。今、日本では化石燃料による火力発
電が全体の約80%を占めている。しかし、稼働率は50%を切っているので
す。そのため、この稼働串を61%まで引き上げれば、BEV100%化によって
増加が予測される電力需要を満たすことができる。
ただ、ガソリン車をBEVに変えても充電する電気が火力発電所の炊き増し
によるものであれば、C02削減どころか、排出量の純増になります。脱
炭素社会の実現を掲げている中で、目指すべき姿ではない。

🤔 火力発電以外の代替手段は
BEV100%化によって予測される電力需要の増加量約20闇値kWhを仮に原
子力発電だけで賄う場合、120万kW級の発電所が21基必要になるという。
一方、再生可能エネルギー(再エネ)の場合、現在のエネルギー基本計画で
は2030年度の温室効果ガス46%削減に向けて、36~38%(合計3360~35
30値kWh程度)の導入を目指すとしている。ここから2020年度の発電量
1983値kWhを基に、2030年までの追加分を試算すると1370~1500億kWh
程度となり、2000億kWhには及ばないと言う。

🤔 再エネだけでは増加分を賄うことが不十分か
ただし、日本政府が新車販売の100%電前車化(ハイプリット車を合む)
を目指している2035年、保有車の切り替えが進んでいるであろう2040年
頃であれば、再エネ導入量もさらに拡大しているはずなので、電力不足に
陥ることはないと見込まれる。また、これは再エネだけで賄う場合の試算
であり、そこまで極端なことをしなくても、原子力発電と組み合わせたり、
それでも足りない場合はLNG火力発電で補えば問題ないと断言できます
 日本全体のエネルギー需要は下がっていますし、運輸部門のエネルギー
需要も2002年をピークに減少傾向に転じており、2018年はピーク時に比
べて22%縮小しています。したがって、そこまで厳しい努力をしなくても
再エネによる発電だけで十分に賄えるのではないかと考えられる。

⛑️ 充電が集中することによる系統への影響は
聡電力量を満たしていることを前提とした上で、懸念されるのが需要ピー
ク時の対応です。ただ、この問題は、簡単に解決できます。現在は夕方に
電力需要のピークがあるため、この時間帯にBEVを充電しなければよ
いだけの話です。自家用車は勤務先などから帰宅した後、自宅で充電する
のが主流であり、夕方の電力需要のピークに重なる恐れがあります。一方
で、自家用車の稼働率は5%程度であり、かつBEV充電用コンセントに
はタイマーが付いているので、ピーク時を避けて、電気料金が安くなる時間
帯に充電を行うなど、需要コントロールさえできれば問題ない
 営業車についても稼働率は50%程度なので、停車中のBEVを蓄電池と
して活用する動きが加速しています。英国では既に、停車中のBEVを電力系
統に接続し、搭載バッテリーをスマートグリッド全体の蓄電設備として電
力会社が利用するV2G(vehicle to Grid)技術を活用したビジネスモデルが展
開されており、米国でも同様の動きが見られる。
 テスラも、V2H(vehicle to Home)やV2Gを搭載した車種の発売を発表
しました。 V2HやV2Gは、電力の無駄を省きながら広域での需要と供
給の平準化を実現するとともに、停電時などの災害対策にもなる。
 一方、BEV化に向けて最も懸念されるのが、大型トラックの運用。長
距離トラックは休憩時間などに短時間で充電しなければならないため、10
00kW級の急速充電器が必要になります。集配センターなどに入出力急速
充電設備を5~6基設置して、さらに電力会社と特別高圧契約を結んで大量
の電気を流す必要がある。しかし、トラック数台が一斉に充電を始めたり、
止めたりすると送配電網に負担がかかり、局地的な電力不足に陥る恐れが
ある。

🤔 大型トラックのBEV化に向けた施策は
世界では、大型蓄電設備を活用するケースが見られます。大型トラックが
いっせいに充電する場合は送配電網から電気を送るのではなく、大型蓄電
設備から放電すれば、送配電網への負担を軽減できます。また、施設内の
需要に合わせて適切に蓄電・放電すれば施設全体のエネルギーの自立化に
もつながる。
今年4月にはテスラが大型蓄電システム「メガパック(Megapack)」の

では、産工場を中国・上海で建設すると発表した。中国を拠点に、日本
をはじめとする東南アジア諸国向けに出荷する計画であり、2024年第2四
半期に生産開始予定だといわれる。
 現在、蓄電池の技術開発に関しては、中国メーカーが独走している。 B
EVおよびBEV用バッテリーの大手、BYDが開発したLFP電池(リン
酸鉄リチウムイオン電池)に加え、リチウムに代わる次世代のバッテリー
として、ナトリウムイオン二次電池の実用化が中国で今後急速に進む見通
しです。エネルギー密度が高く安定性があることに加えて、主原料となる
ナトリウムが世界中に分布していることから材料の調達コストが抑えられ、
電池自体の価格も安価になります。また、中国CATLは500Wh/kgという非
常に高いエネルギー密度の「凝縮型バッテリー」を開発したと発表した。
 このように、中国では蓄電池産業戦略が全方位的に進んでいます。 BEV
普及拡大に向けては、蓄電池が大きなカギを握るため、日本も今から技術
やビジネスモデルの開発に積極的に取り組んでいくべきだといえるだろう。


主に三つの点を支援のポイントとしている。

------------------------------------------------------------------
✳️ 車両価格低減、普及の課題

目標の新車販売電動車100%にはBEV、HEV、PHEV、FCEVが含まれる。
その中にあってBEVの車両価格低減の課題には何かあるか。クルマの電勧
化によるCO2削減の道筋とは?(環境ビジネス2023.SM)

🎈BEV普及の課題とは
C02削減にあたってば電気自動車(BEV : Battery Electric vehicle)の普
及が鍵だとされる。それが実現できればよいのですが、私は、解決の難しい
3つの課題がある。

1つ目はリチウムイオン電池に使刑されるリチウムなど資源の枯渇問題。
世界一のBEV市場でもある中国で既に資源の枯渇を深刻な課題と提えて、
そのリスクのないナトリウムイオン電池の実用化を急速に進めていること
から、大きな課題であることがわかる
。資源がなければ、必要とされる電
池の量を製造できない。リサイクル技術もコスト的に成立するレベルには
到達していない。

2つ目は、車両価格に直結するコスト構造の課題です。BEVの原価構造
は、バッテリーのコストの比重が高く、車両価格の3~5割を占めるため自
動車メーカーが利益を出しにくく、中国のBEV企業ですら苦労している。
電池は調速品なので、ガソリン車と違って量産すればスケールメリットで
収益が出せるものでもない。リチウムイオン電池は素材から完成までの製
造プロセスの大半が中国で行われるため、自動車メーカー自身でのコスト
削減が難しく、BEVで収益を確保することが困難な状況。そのため、BE
Vで収益を上げるには、高級BEVを作って利益を生むことが基本となる。
1台当たりの収益が見込めない状態では、たとえ、多くの台数が売れたと
しても収益は期待できないため、普及版、廉価版のBEV市場に対して、
国産の自動車メーカーが勝負を排む意味は小さい。

3つ目の課題は、米中関係の悪化などの地政学的リスクです。現状、BE
Vを製造するための原料や部品は中国に対する依存度が大きく
ならざるを
得ない
。例えば、BYDのような価格的に魅力ある中国製BEVに関して、
製品そのものの完成度とは別に地政学的リスクは導入の障壁になる。

以上、3つの課題が解決できればよいのだが、どれも、簡単には解決できな
いことばかり。そのため、BEVという一本の矢だけではなく、他の方法と
合わせて、何本もの矢により、地球温暖化に対処す
ることが重要だと考え
る。

🎈BEV以外の電動車の可能性は
例えば、プラグインハイブリッド車(PHEV)は、EV走行時には 以上、3つ
の課題が解決できればよいのですが、どれも、簡単には解決できないこと
ばかりです。そのため、BEVという一本の矢だけではなく、他の方法と
合わせて、何本もの矢により、地球温暖化に対処することが重要だと考え
ます。CO2を排出せずに走り、1日あたりのEV走行距離が約80kmと日常
使いには十分。
PHEVは、バッテリー容量がBEVの1/5~1/10と比較的小さいため、BEV
より価格も抑えられる。
また、ハイブリッPHEVの他にも、水素を利用するためのインフラなど、
企業がリスクを取りづらい新しい技術開発やインフラの構築に対して、米
国や中国のように政府による投資や支援が鍵を握る。
カーボンニュートラルは一つの方法で実現できるシンプルなものではなく、
さまざまな手段を排除せず柔軟に考えるべきものです。例えば、BEVやP
HEVなど電動車の普及をしていくことでCO2排出をゼロにするという考
え方に加えて、新車販売の大半を占めるエンジン車のCO2排出を、燃費
向上などで少しでも減らすことができれば、CO
2削減をより早く進めら
れる。
また、ライフサイクル全体のC02排出量は、小型エンジン車より大型B
EVの方が多いとするデータも報告されており、BEVであっても、大型
の電池を搭載したモデルは、多くのCO2を排出することも分かってきた。
重要なのは、データに基づいた包括的なアプローチ。 BEV一辺倒ではな
くPHEVなど有効な選択肢を駆使し適材適所のポートフォリオ最適化
考えて、合理的かつ柔軟に取り組むのがよい。


✳️ 高いと言われる車両価格低廉化できるか
BEV購入にあたっては「車両コストがまだ高い」といった声も聞かれる。製
造コストの大半は、心臓部ともいわれる蓄電池が占めることに要因がある。
BEV普及拡大に向けての補助金政策や蓄電池戦略(経済産業省製造産業局
自動車課自動車戦略企画室長 田遠国治氏)

🎈BEVに関連する補助金とは
クリーンエネルギー自動車の普及拡大に向けて予算額を、昨年度から大幅
に増加しており、今年度(令和4年度補正と令和5年度当初合わせて)は車両
の購入補助に総額900億円を計上しています。補助対象となるのは、電気
自動車(BEV)、小型・軽電気自動車(軽BEV)、プラグインハイブリッド車(P
HEV)、燃料電池自動車(FCEV)、超小型モビリティ、ミニカー、電動二輪
の購入費の一部。BEVであれば基本的に最大65万円、条件付きで85万円、
軽BEVの場合は45~55万円が補助されます。車両価格が高いFCEVにお
いては既存ガソリン車と対象車両価格の差額を比較して補助額を設定して
いますので、最大230~255万円の補助。
一方、より多くの方に補助金を活用してもらい、また自動車メーカーのコ
スト低減のための努力を優遇するためにも、メーカー希望小売価格(税抜)
が840万円以上の高価な車両については算定された補前額に価格係数0.8を
乗じて補前額を減額するなどの設計も行っている。
半導体の不足などからBEVの販売台数が落ち込んだ時期もあったが、そ
うした問題も解消されつつあり、また昨年は目産SAKURAなど人気が出る
軽BEVが発売されたことで、補助金の申請が大きく仲びました。自治体
でもBEVの補助金制度を設けているところが多く、併用可能です。脱炭素
化の推進に向けて営業車のBEV化を検討している企業は、これらの制度
をフル活用すれば低価格で車両を導入できます。
一一補助上限額の上乗せの条件とは補助上限額の上乗せの条件は、一つ目
として、外部給電機能を有することです。必ずしもV2X(vehicle to ever
ything)対応が求められるわけではなく、1,500Wの車載コンセントを装
備していれば対象になります。さらに、今年度は二つ目の条件として、BE
V ・PHEVの乗用車については省エネ法トップランナー制度の2030年
度燃費基準の対象となる車両であることを追加しました。具体的には、同
制度は型式指定を受けている自動車が対象となり、補助対象車両の約8~
9害リが型式指定を取得。

新たな枠組みを設けた背景としては、グリーントランスフオーメーション
(GX)の加速に向けて、単純に補助金による支援のみではなく、規制・
制度と支援の一体化を進めていく狙いがある。

🎈 BEVの低廉化に向けた政策は
BEV生産コストの大半を占めるのが蓄電池です。これまで蓄電池の価格は
年々下落傾向にありましたが、2022年は上昇に転じました。その背景には
リチウムやニッケルの価格変動があります。需要が拡大し大量生産が進め
ば、価格が下がるのが市場の原理です。しかし、BEVの場合は資源価格の変
動が激しく、それが車両価格に跳ね返りやすいため、なかなか一筋縄では
いきません。長期的には、企業の技術開発や競争による価格低下が期待さ
れますが、政府としてもこうした資源価格の動向を注視しながら、補助金
制度を上手く活用して、購入価格の引き下げを行い、BEVの普及拡大を後
押ししていく方針。

 また、経済産業省は2022年8月に蓄電池産業戦略検討官民協議会を開催
し、日本の蓄電池技術や製造基盤強化に関する戦略をとりまとめた「蓄電
池産業戦略」を打ち出した。その背景には、原材料の問題や蓄電池産業を
取り巻く市場環境の変化がある。
一一蓄電池産業戦略のポイントは蓄電池の原材料の多くは、埋蔵量・生産
量ともに豪州、南米などの特定国に遍在しており、また中流の製錬工程は
製造コストの低い中国に集中しています。サプライチェーンの工程が特定
の国や地域に遍在していることは、資源の安定確保・供給における大きな
課題です。蓄電池の製造においても、現在は中韓勢の勢いが増しており、
世界シェアの50%以上を占めている。技術優位で初期市場を確保した日本
勢は2015年には車載用リチウムイオシ電池の世界シェアの51.7%を占めた
が、2020年にはシェアが21.1%まで落ち込む


 戦略では、上流資源の確保を含め、蓄電池の製造基盤を強化するための
大規模投資への支援を行い、国内製造基盤を確立することを掲げており、
官民連携で遅くとも2030年までに150GWh/年の基盤確立を目指している。
その他、次世代電池の実用化に向けた技術開発や人材育成、グローバル市
場でのプレゼンス強化などを焦点としている。
 先日も、ホンダとGSユアサが組み、国内に約4000億円を投じて、BEV
向けのリチウムイオン電池工場を立ち上げると報じられました。 BEVの
普及拡大には蓄電池が大きなカギを握っており、日本メーカーも巻き返し
を図っています。政府としても、補助金による支援だけにとどまらず、資源
の安定的な確保や日本メーカーの産業競争力強化を促すことで、BEVの低
廉化に向けた動きを後押し、真の普及に取り組んでいきたいとのこと。

🪄経産省🏹トヨタの原発増設発言の根拠・背景を探ることとなった(「
環境ビジネス」2024.SM)が、残件が発生し継続考察する。

 今日の楽曲   『 CHAGE&ASKA 史上最大の作戦
                     2007年

今日の言葉:信頼喪失④
『専守防衛』とは「人命は地球より重し」の真髄なり。貨幣価値で喩えれ
ば(失礼!)、人命一人は世界の総生産力以上の価値である。これは、敵
国であれ自国民であれ同じ。そう、その同額以上の費用を費やしても武力
平和維持(戦争回避)の外交に費やすることを意味する(こんなことを言
うと、不埒な連中が集って来るだろうが)。また、軍事研究開発は世界中
(あるいは宇宙中)最高の防御策を常に研究する組織(傭兵制のもと)は
平時で必要最小限研究することを法整備で国会決議しておくというもので
ある(負性国費と定める)。(「専守防衛」批判に答えて)

     春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
                  春だというのに自然は沈黙している。

                  レイチェル・カーソン 『沈黙の春
                           (因果報応の季節風)より

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エネルギーと環境 86

2024年12月23日 | 光電融合電子デバイス革命

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

【季語と短歌:10月23日】


        冬至湯や少なき柚子に明日を見る 

                   高山 宇 (赤鬼)

 

【鋼の高齢者⓵:はじめてのオイコス】


今日は、「カカオ」を1本、明日はバニラ。味付けは問題なく美味い。
就眠時は味の素のグリナ(グリシン)を頂くことに。


✳️ 彦根市の渋滞を緩和する「県道彦根環状線」完成
22日、滋賀県彦根市で、彦根城などに向かう車の渋滞を緩和するための
新たな道路が完成。新たに完成した道路は、長さ1キロあまりのトンネル
をともなった全長およそ1.7キロの「県道彦根環状線」で、名神高速道路
の彦根インターチェンジと彦根駅の東側を結ぶ。22日行われた開通式に
は、滋賀県の三日月知事や彦根市の関係者などおよそ100人が出席した。
そして、出席者によるテープカットが行われたあと、警察の車両が先導し
て関係者が乗った車の列が通行し、新しい道路の完成を祝った。
滋賀県に
よる、これまで名神高速道路の彦根インターチェンジから彦根城がある市
の中心部に向かう主要な道路は1本しかないため、観光客や地元の住民が
渋滞に巻き込まれるケースが多かったということで、新しい道路によって、
渋滞を緩和することができるようになるとしている。
滋賀県湖東土木事務
所道路計画課の渡部博嗣 課長は「交通が分散することで渋滞が解消されて
移動しやすくなり、経済や県政の発展につながることを期待している」と
話していた。






✳️ 中国三峡ダムグループ:ペロブスカイトパネル 
            1MWの試験太陽光発電所を稼働


三峡集団によると、新疆ウィグル自治区のハミにおける100万キロワット級の「太陽熱+太陽光
発電」統合型総合エネルギー実証プロジェクトが本日、送電網に接続し、発電を開始。
© Record China


The Kubuqi Photovoltaic Desert Control Project
Image: China Three Gorges Corporation

中国三峡集団公司の一部門である三峡エネルギーは、中国の内モンゴル自
治区のクブチ砂漠で、不特定のペロブスカイトPVパネルを使用した1MW
の太陽光発電所のスイッチを入れた。
同社は、PVシステムが11,200個のモ
ジュールを使用していると述べたが、サプライヤーや技術的な詳細は明ら
かにしていない。オルドスのハンジンバナー近くの工場は、ペロブスカイ
ト技術を使用した世界初の商用PVシステム。
プロジェクトの主な目的は、クブチ砂漠の乾燥した暑い気候におけるペロ
ブスカイト太陽電池パネルの挙動を研究することであり、同じモジュール
技術をさまざまな地域や気候に適用する計画。中国のメディアである環球
時報(Global Times
)は、このプロジェクトがドローンを使用して、モジュ
ールの下に高品質の牧草と薬草を播種すると報じている。
中国三峡は、ク
ブチ砂漠の農業活動に関連する複数の大規模PVプロジェクトを並行して開
発している。


  Longi solar modules Image: Longi Solar
✳️ Longi 2端子タンデムペロブスカイト太陽電池プロト
   タイプで34.6%の効率を達成

MITのエンジニアは、事実上あらゆる表面を電源に変えることができる
 超軽量のファブリック太陽電池を開発した。その仕組みは次のとおり。

軽量のファブリック太陽電池の作成により、ソーラー技術の画期的な成果
を発表した。人間の髪の毛よりも細く、標準的なソーラーパネルのわずか
100分の1の重さを持つこれらの細胞は、ほぼすべての表面を動力源に変え
る驚くべき能力を持っています。このイノベーションは、半導体インクと
スケーラブルな印刷プロセスの使用によって可能になり、従来のソーラー
パネルの18倍のキログラムあたりの電力生産を実現している。

これらの太陽電池の製造は、電子インクと完全に印刷可能な材料に依存。
このプロセスでは、スロットダイコーターを使用して、厚さ3ミクロンの基
板上にナノ材料層を堆積させます。スクリーン印刷による電極の追加により、
最終的なソーラーモジュールの厚さはわずか15ミクロンになります。その脆
弱性を克服するために、MITは超強力なファブリックであるダイニーマを基
板として利用し、太陽電池をUV硬化型接着剤で固定しています。これらの
セルは、ダイニーマでテストしたところ、キログラムあたり約370ワットを
発電し、従来の太陽電池に対する優位性を示しました。また、その軽量な構
成は、太陽の廃棄物を削減し、500回の圧延と展開を行った後も発電能力の
90%以上を維持した。チームは、超薄型パッケージオプションなど、環境
保護のためのソリューションを引き続き模索する。

要約すると、MITの超軽量ファブリック太陽電池は、ソーラー技術の変革
的な飛躍を表しており、比類のない効率と携帯性を提供します。これらの
セルは、ほぼすべての表面から太陽エネルギーを利用する能力を備えてお
り、持続可能なエネルギー生成の大きな可能性を秘めています。耐久性の
課題にもかかわらず、彼らの革新的なアプローチはソーラー業界に革命を
もたらし、再生可能エネルギー発電のためのより環境に優しく、より適応
性の高いソリューションを提供する可能性がある


✳️ 少ない学習データで高精度に解析 産業分野でAI運用が可能
  
ソフトで省力・省エネ⓵
12月19日、少ない実画像データしかない場合でも、独自の事前学習方法に
より迅速かつ高精度に解析できる「画像解析AI」を開発した。学習データ
が十分に得られない産業分野などでもAIの運用が可能となる。
精度の高い
画像解析AIを構築するには、一般的に数万枚以上という大量の実画像デー
タを用いAIを学習させる必要がある。ところが、ICの製造現場におけるウ
エハー画像や、医療現場における病理画像といった産業画像(非自然画像)
は、大量に入手することが難しい。

このように、少量の画像データしか用意できない場合は、解析したい画像
と特性の近い画像による大規模なデータセットを用い、その特徴をAIに学
習させることで解析精度を高める「事前学習」が有効といわれている。た
だ、非自然画像では、カメラで撮影した画像(自然画像)に比べ十分な精
度が得られないという課題もあった。

自然画像と非自然画像の例
そこで東芝は、独自の事前学習技術により、少数の実画像データを基に学
習データを自動生成し、迅速かつ高精度に解析できる画像解析AIを開発し
た。具体的には、対象画像の一部を切り出した画像を複数組み合わせる。
これらの画像をランダムに回転・反転させ1枚の画像として結合する。この
中から再度部分的に画像を切り出す。これらの作業を行うことによって、
似たような特徴を持つ画像を生成する。こうして生成した画像を学習デー
タとして事前学習させることで、画像解析AIの精度を向上させた。

従来技術と開発技術の比較
開発した技術で事前学習用画像を生成する手順
開発した画像解析AIの精度について、公開されている5種類の非自然画像デ
ータセット(赤外線画像、顕微鏡画像、ウエハー画像、病理画像および、
眼底画像)を用いて評価した。各データセットでランダムに選択した40~
1000枚の画像データを用い、9000~3万枚の事前学習用画像を生成し、画
像を識別した。この結果、ImageNet(学習データは130万枚)を用いて事
前学習した時を上回る精度で画像の識別ができたという。 東芝は今後、
東芝デジタルソリューションズと連携し実証を進める。と同時に精度をさ
らに高める研究に取り組み、早期実用化を目指す。

非自然画像公開データセットを用いた識別タスクによる評価結果
🎈省エネ画像処理技術か?一つの大きな事業と成長する予感?!

 今日の楽曲   竹内まりや ;クリスマスは一緒に

今日の言葉:信頼喪失の時代⓷

春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
             春だというのに自然は沈黙している。

                    レイチェル・カーソン 『沈黙の春』
                              (因果報応の季節風)より

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エネルギーと環境 85

2024年12月22日 | 光電融合電子デバイス革命

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-。

07: エネルギーをみんなにそしてクリーンに 09: 産業と技術革新の基盤をつくろう 12: つくる責任つかう責任 17: パートナーシップで目標を達成しよう


✳️ プリンターで作成できる液滴レーザーディスプレイ

12月19日、筑波大学と産業技術総合研究所(産総研)は,レーザー発光す
る液滴をインクジェットプリンターで吐出させ,高速かつ大量にレーザー
光源を作成する手法を開発し,この液滴を基板上に並べた小さなレーザー
ディスプレーの作成に成功した。これはびっくり 
テレビやパソコン、スマートフォンのディスプレイは絶えず進化しており、
画質や鮮明さ、そしてエネルギー効率が日々向上しています。その次世代
型として期待されているのがレーザーディスプレイで、特に輝度と色再現
度の面で、有機ELや液晶ディスプレイといった従来の発光素子の原理的な
限界を突破することができます。しかしながら、ディスプレイとして利用
するためには、現在実現されている以上に素子を微細化し、高密度かつ大
量に敷き詰めることが必要。

本研究では、インクジェットプリンターで吐出した有機色素を添加したイ
オン液体の液滴が光励起によりレーザー光を発すること、およびその液滴
に電場を印加することでレーザー光のON/OFF切り替えが可能なことを見
いだした。液滴の直径は30µmと非常に小さく、また4cm2ほどの大きな領
域に高密度かつ大量に敷き詰めることができ、この液滴を電極で挟んで電
場を印加したところ、球体の液滴が楕円球体へと変形し、それに伴いレー
ザー光の放出が止まったことから、この液滴が電気的にスイッチ可能な「
レーザーピクセル」として振る舞うことが明らかになりました。また、こ
の液滴を2x3の配列に並べたデバイスにおいても、各ピクセルのレーザー発
光をON/OFFできることが分った。
今後、電気的なデバイス構成やレーザー性能の向上により、実用的なレー
ザーディスプレイの実現に寄与すると期待できるとのこと。

図1 液滴レーザーディスプレイのコンセプトと緻密に並んだ液滴の写真
(左)レーザー光を放出する微細な液滴を基板上に密に並べて作成したレ
ーザーディスプレイの模式図。(右)インクジェットプリンターで基板上
に設置した液滴の写真。

図2 液滴の変形によるレーザースイッチングの模式図
液滴に電場(E)を印加すると、その電場に沿って球体が楕円球体に変形し、
レーザー光の放出が止まる。

図3 電場印加によるレーザー光の変化
電場を印加する前後の液滴の写真(左)。電場を印加すると赤色のレーザ
ー発光が弱まり、自然発光注5)が強くなることが、測定データ(右)か
らも示された。

【掲載論文】
【題名】 Optically Pumped and Electrically Switchable Microlaser Array
Based on Elliptic Deformation and Q-attenuation of Organic Droplet
Oscillators;有機液滴共振器の楕円体変形とQ値減少に基づく光励起で電気
的にスイッチ可能なマイクロレーザーアレイ
【掲載誌】 Advanced Materials
【DOI】 10.1002/adma.202413793


図4 レーザーアレイデバイスの構造とスイッチング性能(原著論文より引用・改変)
レーザーディスプレイとして利用するためのデバイス構造の模式図(左上)
と、実際に作成したデバイスの写真(右上。図中のローマ数字は、それぞ
れの液滴を示す)。このデバイスに電場を印加すると、レーザー光の放出
が止まる(発光が見られなくなる)ことが明らかとなった(左下・右下)。

【補足情報】
2.1 液滴レーザーと電気デバイス
レーザーピクセルは、下部シリコン (Si) 電極、液滴レーザー発振器、およ
び透明な上部電極で構成されていた (図 1a)。下部 Si 電極は、液滴の球状形
態を維持するための超撥油性サポートを提供するナノピラーで完全に覆わ
れていた (図 1c)。ピラーは、著者の以前のレポートに従って、ボッシュ
プロセスを使用して開発 (図 S1、補足情報)。[26] 通常、厚さ 10 nm の金
の薄い層が下部 Si 基板上にスパッタリングされ、800 °C で 2 時間の熱ア
ニールによってサブマイクロメートル スケールの半球状のドットに変換し
た。その後、基板はドライエッチングにかけられ、その間に金の半球がマ
スクとして機能し、平均直径 420 nm、高さ 2.1 µm、間隔 800 nm のナノ
ピラーが生成された。柱の上の金色のドットはAURUM-302で除去され、
Auが完全に除去されたことが元素マッピングによって確認された(図S2、
補足情報)。柱は撥油性が高く、EMIBF4の液滴をキャストする際の接触角
が33°から155°に大幅に改善されましたが、接触角は液体の表面張力に依存
していた。たとえば、比較的小さな表面張力(33 mN m−1)を特徴とす
る1-ブチル-3-メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル
)イミドの液滴は、116°の接触角を示しました(図1c、図S3、補足情報)。

粘性液体専用のインクジェットプリンター(MicrojetモデルLaboJet-600)
を使用して、EMIBF4の液滴を堆積しました。視認性を高めるためにアシッ
ドレッド52(AR52)を添加したEMIBF4のアリコートをプリンターヘッド
に装填し、平均直径30.8µmの球状の液滴として基板上に吐出した(図1e)。
接触角が大きく接触面積が小さいにもかかわらず、液滴は柱にしっかりと
付着し、激しく撹拌しても滑ったり広がったりすることはなかったた。液
滴は、1.4µmの空間精度で(1mm2あたり650液滴、図1d)、広い領域(
20×20mm)に高密度で堆積した(図1e)。3つの液滴が1つのフルカラー
ピクセルを構成することを考えると、図1dに示すアレイ密度は、1インチ
あたり220ピクセルの市販の40インチ8Kモニターの密度に匹敵。インクジ
ェット印刷後、下側にインジウムスズ酸化物 (ITO) をコーティングしたガ
ラス板を、下側の Si 基板から 100 µm 上に配置し、後の実験で、基板に直
交する電気力線で液滴に電界を印加するために使用した。ギャップを維持
するために、厚さ 100 µm の絶縁スペーサーを電極間に挿入した (図 S4、
補足情報)。

基板上の単一の液滴からのフォトルミネッセンス (PL) スペクトルは、図 2a
および S5 (補足情報) に示す光学セットアップを使用して測定されました。
その後、EMIBF4 の液滴に、AR52 の代わりに、レーザー色素として 2-[4-(
ジメチルアミノ)スチリル]-1-メチルピリジニウムヨウ化物 (DASPI、5.0 mg
mL-1) を、抗光退色試薬として β-シクロデキストリン (CD、16 mg mL-1)
をドープしました。液滴は fs レーザーパルス (Δ = 80 fs、λ = 460 nm、
f = 1 kHz、スポットサイズ = 100 µm) で励起され、回転テーブル上に設
置された光ファイバー (コア径 = 355 µm、NA = 0.22) を使用して発光が
収集され、角度分解 PL スペクトルが取得された (図 S5、補足情報)。光フ
ァイバーの角度は θ で示され、その原点は基板の法線上に設定している。


2.4 レーザー発振器のアレイ
レーザーディスプレイのプロトタイプとして、液滴を基板上に堆積させて
2 × 3 アレイを形成し、各液滴に電界を印加するための小さな ITO パッド
のアレイがパターン化された透明なトップパネルで挟む (図 4a、b)。液滴
の間隔は 250 µm で (図 4c)、電極パッドは DC 電源に接続されました (図
S20、補足情報)。励起レーザー (λ = 355 nm、Δ = 1.4 ns、f = 1 kHz) を
各液滴に照射し、それぞれ E = 0 および 8 × 106 V m−1 で PL スペクトル
を観察しました。E がオフのときに液滴はレーザーを放射したが (図 4d)、
電圧を印加するとすべての液滴がレーザーの放射を停止した。レーザーの
切り替えは、6 つの液滴すべてに対して個別に実行できた。その後、励起
レーザーのスポットサイズを拡大して、アレイ全体を同時に励起すること
を試みた。しかし、レーザースポットの電力密度が不均一なため、これま
でのところ試行は成功していない。アレイのスケールアップにも取り組ん
でいたが、この取り組みは現時点ではデバイスの組み立てプロセスと液滴
レーザーの歩留まり率によって制限されている (図 S21、補足情報)。

Details are in the caption following the image
図4 レーザーアレイデバイスの構造とスイッチング性能

✳️ 
UVダブルカットレンズとは  

1.特開2024-143079 眼鏡用レンズ 株式会社ジンズホールディングス
【要約】下図11のごとく、眼鏡用レンズは、基材層とコート膜層とを備え、
基材層とコート膜層とのトータルのUVA平均透過率が基材層のUVA平
均透過率よりも高く、基材層とコート膜層とのトータルのUVB平透過率
が基材層のUVB平均透過率よりも低く、裸眼で自然光を浴びるときに近
い状態にしたい、かつ、UVB領域の波長をカットしたいう相反するニー
ズに対し、適切に対応する眼鏡用のレンズを提供する。


図11.UVA可視光ARコートが形成された各試験片の反射率の比較例を
    示す図

【発明の効果】本発明によれば、長波長のUVAの紫外線をなるべく透過
し、短波長のUVBの紫外線をなるべく透過しない眼鏡用レンズを提供す
ることが可能になる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】  基材層とコート膜層とを備え、  前記基材層と前記コート膜
層とのトータルのUVA平均透過率が前記基材層のUVA平均透過率より
も高く、前記基材層と前記コート膜層とのトータルのUVB平均透過率が
前記基材層のUVB平均透過率よりも低い、眼鏡用レンズ
【請求項2】前記コート膜層は、UVA領域および可視光領域の波長の反
射を防止する反射防止膜層を含む、請求項1に記載の眼鏡用レンズ
【請求項3】前記基材層は、ラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤を含
む、請求項1に記載の眼鏡用レンズ
【請求項4】前記基材層は、ラジカル捕捉剤及び/又は紫外線吸収剤を含み、
  前記コート膜層は、UVA領域および可視光領域の波長の反射を防止する
反射防止膜層を含む、請求項1に記載の眼鏡用レンズ
【請求項5】前記眼鏡用レンズの視感透過率に対する太陽紫外線B領域の
透過率τSUVBが5%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載の
眼鏡用レンズ
【請求項6】前記基材層と前記コート膜層とのトータルのUVB平均反射
率が前記基材層のUVB平均反射率よりも高い、請求項1から4のいずれ
か一項に記載の眼鏡用レンズ
【請求項7】前記コート膜層は、280nm以上315nm未満の波長領
域において、波長が短くなるにつれて反射率が上昇する特性を有する、請
求項1から4のいずれか一項に記載の眼鏡用レンズ
【請求項8】前記基材層と前記コート膜層とのトータルのUVA平均透過
率とUVB平均透過率との差が、前記基材層のみのUVA平均透過率とU
VB平均透過率との差、又は前記基材層と可視光領域における特定の波長
の反射を防止する反射防止膜層とのトータルのUVA平均透過率とUVB
平均透過率との差よりも大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の
眼鏡用レンズ
【請求項9】基材層とコート膜層とを備え、前記基材層と前記コート膜層
とのトータルのUVA平均透過率が前記基材層のUVA平均透過率と略同一
か又はそれ以上であり、前記基材層と前記コート膜層とのトータルのUV
B平均透過率が前記基材層のUVB平均透過率と略同一か又はそれ以下で
あり、前記基材層と前記コート膜層とのトータルのUVA平均透過率とU
VB平均透過率との差が、前記基材層のみのUVA平均透過率とUVB平
均透過率との差、又は前記基材層と可視光領域における特定の波長の反射
を防止する反射防止膜層とのトータルのUVA平均透過率とUVB平均透
過率との差よりも大きい、眼鏡用レンズ

 今日の楽曲   『稲垣潤一 クリスマスキャロルの頃には』



「クリスマスキャロルの頃には」は、 稲垣潤一 の楽曲。 自身の27作目の
シングルとして、 ファンハウス (現・ Ariola Japan / Sony Music Labels)
から 8cmCD で 1992年 10月28日 に発売された。




日本評論社(2012/03発売)

目次
1 原発震災の歴史的意味(原発震災前史;自然の力を軽視したツケ;次
に原発震災が起き
る場所;福島第一原発で起きたことの再検証;電力不足キャンペーンのウ
ソ;今後も続く、とてつもない危機)

2 これは事故を超えて犯罪だ(考え得る原発過酷事故の勢揃い;福島原
発事故による人体被害;汚染日本で暮らすための汚染者負担の原則;未必
の故意による事故と業務上過失で拡
大した被害)

3 討論 福島原発事故の疑問を解く
著者等紹介
槌田敦[ツチダアツシ]1933年東京生まれ。東京都立大学理学部卒。
大学大学院物理課程中途退学、東京大学理学部物理教室助手、理化学研究
所研究員。1966年東京大学理学博士。名城大学経済学部教授、高千穂
大学非常勤講師定年退職。専門:熱物理学、環境経済学

山崎久隆[ヤマザキヒサタカ]1959年富山県生まれ。富山県立桜井高
等学校卒。たんぽぽ舎、劣化ウラン研究会、福島原発市民事故調査委員会

原田裕史[ハラダヒロフミ]筑波大学大学院修了。理工学修士。コンピュ
ータプログラマ。たんぽぽ舎では「地震がよくわかる会」「核開発に反対す
る会」に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


✳️ 反「第7次エネルギー基本計画」概論⓵

先日の新聞各紙が報じた「第7次エネルギー基本計画」。前々から不穏な
空気は報じられていた。官民あげての「電気が足りなくなる」宣伝も始め
られている、山崎久隆さんの記事を転載させていただきます。原稿が書か
れたのは1ヶ月以上前ですが、内容は第7次エネルギー基本計画を察知
たもの。()

第7次エネルギー基本計画、通称「エネ基」の改定作業が経産省で進行中だ。
10月27日の総選挙で敗北した石破首相はエネ基素案を「今年中に取りまと
めるよう」指示したと報じられた。大敗した自公政権に対して、議席数を
大幅に増やした国民民主党の声が強まり、原子力利活用の拡大という悪夢
の政策が拡大する可能性も出てきた。
第7次エネ基の問題は、原子力の扱
いと再生可能エネルギーの位置づけである。
第4次(2013年)から第6次
(2021年)のエネ基では、震災の教訓から「可能な限り原発依存度を低減
する」としてきた。ところが昨年の岸田政権において「脱炭素電源法」(
GX電源法)が成立した際、「原子力の活用」という方針の大転換が行われ
た。
GX電源法は、具体的には主に次の5つの法令改正により成り立ってい
る。原子力基本法、電気事業法、再エネ特措法、原子炉等規制法、再処理
法である。

これらの法令の改正を簡単にまとめると次の通り。
1. 原子力基本法の改正では、原子力利用の目的、基本方針で「地球温
化の防止」と「事故を防止できなかったことを真摯に反省」との言葉が追
加され、安定供給と脱炭素を口実に原発を活用することなどを「国の責務」
として規定した。国策としての原子力推進が前面に押し出された。
2.法定期限を40年と定めたのは炉規法だが、例外的に20年の延長運転を
許可する権限は炉規法から電気事業法に移された。これは許可をする機関
が原子力規制委員会から、推進の経産省に移ることになり、「運転期間は
40年」「延長期間は20年」としつつも、経産大臣が許可すれば、事業者が
予見しがたい事由(震災以降の安全規制に係る制度・運用の変更や司法判
断など)で停止していた期間を運転期間から排除することが認められ、実
質的に60年超の運転が可能になった。

3.既存の原発は運転開始から40年以内に延長が認められなければ廃炉に
なる制限がなくなり、改正炉規法では、①運転開始から30年を超えて運転
しようとする場合、10年以内ごとに「高経年化技術評価」を行い、②その
結果に基づき長期施設管理計画を作成し、規制委の認可を受けることで60
年以上の長期間運転が可能になった。

第7次エネ基を決める前に、エネ基で定めるべき原子力の利活用方針を法
律で規定している以上、岸田政権の原発政策の大転換と同様に、石破政権
のエネ基においても原子力の利活用推進に大転換する。
今回のエネ基では、
何を根拠として原発の比率や発電量を決めるのかが問題になる

🎈デジタル化が電力需要を爆上がりさせる?
原発推進の理由について、ある人の言葉が経産省の主張を代弁している。
その人物とは、河野太郎氏。
もともと自民党内での脱原発派の最左翼と目
され、特に核燃料サイクル政策を批判して、自身のブログでも「六ヶ所村
の再処理工場の稼働に反対する」と主張していた。ところが今回、総裁選
挙に立候補するにあたり「脱原発」の持論を撤回し、超党派の国会議員有
志で作る「原発ゼロの会」を立ち上げた立場からも大転換して、「リプレ
ース(建て替え)も選択肢」と語った。変わり身の早さというか、みっと
もないというか、あまりの変節ぶりにあきれるばかりだ。
その理由らしき
ものが記者会見の場で明らかにされたのだが、それが「今後予想される電
力需要の急騰に対し既存の原発の再稼働でも足りない」ということらしい。

いかにも経産省による「レクチャー」に「説得」された感が大きいのだが、
原発推進側の都合の良い『未来予想』に惑わされるのでは、河野太郎のレ
ベルもその程度かと、残念に思う。
もっとも、デジタル担当大臣としてマ
イナンバーカードの押しつけ、事実上の強制を推進している姿を見ても、
今回の変節は予想できたと思う。
では、本当にそうなるのか。具体的に検
証しよう。

🎈電力需要は現状から「激増」する?
データセンターや生成人工知能(AI)などの新たな電力需要が増えていて、
「再稼働しても足りない可能性がある」というのは本当だろうか。
電力中
央研究所(電中研)による将来予測は、意外な値だ。

将来の電力需要については「基礎的需要について省エネと電化を考慮した
結果、2050年度では最小値8290億から最大値1兆750億kWh」とする。な
お、中位推計では9230億kWhである(以下、kWhを省略)。現在の値はと
いうと、同じ電中研データでは2010年の最終消費電力量が1兆1237億だっ
たのが、2020年の最終消費電力量は9870億で、約12%も減少している。
年率で約1.2%ずつ減少しているのである
2050年の最小値は8290億。今後40年で1580億減る。年間53億、率で0.6%
ずつ減少する。では最大値はどうだろうか。1兆750億だと880億増だが、
年間約30億、率にして0.3%程度だ。
報道では、2021年からの比較で最大
値が3割以上増加するとし、次のような記事を出したメディアもある。

「膨大なデータ計算が必要な生成AI(人工知能)の利用拡大で電力の消費
量が急増する。データの計算や保存を行うデータセンターを新設する企業が
相次ぎ、日本では2050年に4割弱増えるとの予測がある。技術革新に伴い、
想定以上に電力消費が進む。脱炭素化を進める政府のエネルギー戦略に影
響を与える可能性もある。」(日経新聞4月11日)

しかし、最新では2023年度の消費電力量は8020億kWhである。これは前
年度比2%減、最近10年間、最小値を更新している。
電中研は原発を推進
する電力会社系の研究機関で、平岩芳朗理事長は元中部電力副社長、評議
員には東電や原電の社長も名を連ねる。その研究機関の2050年の電力需要
見通しは、最小値では「激増」どころか、減少している。
仮に増えるとし
ても、データセンターだ、AIだからといって、年で3割も増加するわけ
ではない
それでも、猛暑に厳冬と、電力の消費量のピークが増大するか
ら電力が逼迫するということだろうか。
しかし現実にはこれも、年々低下
し続けている。今年の夏は日本の気温は観測史上最高を記録した。しかし
電力消費量は大幅に減っているのである。
日本は少子高齢化が進むと同時
に、人口減少時代に入っている。国の人口推計値は2070年に8024万人とし
ている。
さらに、電気料金は高止まりしているため、省エネの努力が一般
庭だけでなく産業規模でも進んでいる
日経新聞系の「日経クロステッ
ク」は、日本の電力エネルギー構造について次のように書いている。

「日本では2010年をピークに年間消費電力がほぼ右肩下がりに低減してい
るからだ。ちょうどそのころから、地球温暖化の抑制に向けた温暖化ガス
削減の世界的取り組みが盛り上がって、LEDや高効率モーター、そして太
陽光発電など各種の省エネルギー技術の開発や実用化が進んだ。また、2
011年3月には東日本大震災が発生した。これらによって、日本におけるエ
ネルギー消費の“体質”が変わったと考えられる。その意味で2010年は大き
な分水嶺になった。(中略)2010年と2022年の日本の年間消費電力を結ぶ
とその傾きは年率1.2%減。仮にこれが2050年まで続くとすると、電中研が
AIデータセンターや水素生産などに必要になる最大電力量の年率増加率1.0
%を相殺して、まだお釣りが出る。」
このような視点は、原発推進派には全く理解されていないようだ

問題はどこにあるのか?
問題は、原発などの大規模な発電所が不足しているのではなく、電力シス
テムの問題だ。
特に、再生可能エネルギーの大きな供給力を有するのは北
海道や九州で、消費地から遠い。従って、これらの電力を広域的に融通す
システムを構築すれば有効活用ができる。また、日中に発電する太陽光
については、蓄電システム(バッテリーだけではない。物理的な蓄電シス
テムもある)を構築すれば夜間も使える。
電力のリスクは、発電所不足にあるのではない台風や地震に脆弱な広域
に張り巡らされた送電システムや、老朽化した火力、大規模発電所に依存
している供給システムにある。
これを解決するには、小規模で環境負荷の
少ない発電所と、蓄電システムの接続、コンパクトな送電網の構築が喫緊
の課題だ。

日本のように、地震や台風災害の多発する国では、大規模な発電所が停止
するリスクが、そのまま大規模停電の引き金になる。北海道で最大震度7の
北海道胆振東部地震が起こったのは、2018年9月6日3時7分。この地震
にともない、北海道エリアにおいて、3時25分、日本で初めてとなる、エリ
ア全域に及ぶ大規模停電(ブラックアウト)が発生した。
台風被害では、
2019年9月9日に千葉で大規模なブラックアウトが発生した。
台風15号は
千葉県房総で鉄塔2基、多数の電柱をなぎ倒し、約100万戸の停電が発生。
千葉県内では16日になっても6万戸が停電したまま。東電は他電力会社の
応援を含め1万6千人で復旧作業を行ったが、完全復旧に3週間を要している。

🎈こうした自然災害に、原発も極めて脆弱である。
原発そのものには重大な損害がなくても、原子炉建屋の基礎版付近で120
ガル程度の揺れが観測されれば自動停止する。安全のため自動停止する設
計になっているので、安全上止めなければならない。その後点検して安全
確認後に運転開始できても、1週間程度は止まっている。地震などの被害
で広域停電が発生し、電力が必要な時期に原発は動かない。南海トラフの
地震などが発生すれば、西日本全域の原発は止まると考えられる。浜岡や
伊方は甚大な被害を受ける危険性が高いし、福井県や九州の原発も止まる
上、危険にさらされるだろう。

巨額の原子力予算は、電力システムの強靱化や自然災害対策に使うべきだ。
広域的な電力送電システムの構築よりも、地域で電気の地産地消に取り組
むことも重要だ。原発や再処理工場など、電気を生むより核のごみを生み
出すものこそ、廃止するべきだ

🎈私たちはどう生きるか
電中研を含めて多くの研究機関やシンクタンクの推計には、最小値と最大
値で大きな開きがある場合が多い、これは、省エネの進展や再エネの普及、
電気料金の推移、環境問題への取り組みやエネルギー価格の動向など、多
くの変数があるからだが、その中では、私たちの「意思」と産業の「思惑」
が大きい。
消費者が環境負荷の大きい原発や火力エネルギーを忌避する「
意思」を示し、これに応えてエネルギー産業が省エネや再エネへの投資
重視すれば、自ずと低位推計に近い値になっていく。もっと少なくなる可
能性だってあろう。これは、意思がいかに大きな影響を与えるかの証左で
ある。
こうした推計値、特に高位推計を元にした報道を鵜呑みにして「電
力需要爆上がり」などと信じてしまうことが最も大きな問題だ。
私たちは
どう生きるか、それが今問われている。

(脱原発・東電株主運動ニュース331号より転載)



今日の言葉:信頼喪失の時代⓷

春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。
             春だというのに自然は沈黙している。

                    レイチェル・カーソン 『沈黙の春』
                              (因果報応の季節風)より

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沸騰大変動時代(四十七)

2024年05月29日 | 光電融合電子デバイス革命

彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。 

【季語と短歌:源氏物語から学ぶ②】

 嘆きわび空に乱るるわが魂を結びとどめよしたがひのつま
                    六条御意所呈き言
                     「葵」の帖より


    光源氏の正妻・葵の上への嫉妬と自己嫌悪に
    苦しみ、ついに物の怪となって源氏の前に現れ、

    歌を詠む。



【わたしの経済論⑦:為替と円安】

前回は、1372夜 『貨幣論』 ジョン・メイナード・ケインズで松岡正
剛が「モラル・サイエンス」(ロバート・スキデルスキー『
なにがケ
インズを復活させたのか?-ポスト市場原理主義の経済学
』)に触れ
ていた。要は「自由放任の終焉」に触れていたわけで、「経済学のゆ
らぎ」である。そう、あの「常温核融合」騒動である。これも運命と
いうわけかと。



第3章 海を渡りつつ、悪例になるな
安下で「海外ビジネス投資支援室」新設は愚行

中国のカントリーリスクは計り知れない。
今後もウイグルの人権問題などで、中国に工場を持つ企業が痛い目に

遭う事例が増えてくる可能性もある。
では、昨今の円安傾向によって、生産拠点の国内回帰が進むかといえ

ば、これもなかなか難しい。もしそういう事例があったとしてもレア
ケースにすぎない。
企業にしてみれば、長期計画に基づいて本社や工場をどこにつくるか

という話だから、決定してもすぐ実行に移せるわけではない。 円
が定着するかどうかも考慮しなければならず、一時的に円安になった
からといってすぐに意思決定はできないだろう
国内回帰する際に困ることの1つが電気料金の高さだ。企業が工場を

つくるときは必ず電気料金を気にする。生産拠点を国内回帰させよう
と思っても、日本は電気料金が高いから、そういう点も含めて考える
必要がある。
一応、国としても「サプライチェーン対策のための国内投資促進事
費補助金」をはじめ、国内回帰のための補助金も7000億円くら
いは出しているが、それでは足りない。そんな状況下で政府は22年
8月、国内の中小・中堅企業の海外進出を支援する「海外ビジネス投
資支援室」を内閣官房に設置した。これはとんでもないことで、本来
やるべきことは真逆だ。円安のいまだからこそ、国内回帰をどんどん
進めるために「国内復帰推進ビジネス室」でもつくったほうがいい。
こういうことをするのは政府のセンスのなさを感じてしまう。
誰がこれを考えたのかはわからないが、財務省の入れ知恵だろう。本
来、これは経産省の仕事だが、この手の話は中小企業庁が担当してい
るからバッティングしてしまう。だから財務省にポストを与えて、官
邸につくらせたのかもしれない。
もし筆者なら、絶対に逆のことをする。そのほうが景気回復するし、
雇用面からみても工場は海外ではなく国内につくったほうがはるかに
いいからだ
とにかく、いまは猛烈に円安にしておいて、企業が国内に帰ってこざ
るを得ない状況にすればいい

金利を上げればロシアの悪例の二の舞いになる
ここまでは中国を中心に語を進めてきたが、ほかの海外の悪例から学

ぶことも大切だ。本章の最後に、ロシアについてみよう。
「悪い円安諸」を唱える人は、だいたい金利を上げろという。これは

素人意見で、本当に為替を語りたいなら経済の原理原則をきちんと知
るべきだ。
たとえば変動相場制を採用している国なら、「為替の動きについて対

応してはいけない」というのが原則としてある。それを忘れて焦った
あげく、間違った判断を下してしまったのがロシア中央銀行だった。
22年2月、ロシア中央銀行は政策金利を9・5%から倍以上の20%ま

で引き上げた。その背景にはウクライナヘの軍事侵攻がある。欧米諸
国から経済制裁を受けて、ロシア通貨のルーブルが2月末には1ドル
約115ルーブル前後まで急落した。
ルーブルが下落したときに国内金利を上げると、ルーブルが一見高く
なるように見えるが、それによって経済がさらに悪くなる。その結果
3月には一時1ドルー50ルーブルまでさらに急落し、最安値を更新
した。
この政策は最も初歩的な過ちの典型だった。本来、2月の時点では何

もしないのが正解なのだが、ロシアの金融当局は金利を上げてしまっ
たのだ。その後、ロシア中央銀行は政策金利を徐々に引き下げ、22年
6月に9・5%まで回復。それで為替が戻り、23年2月現在はIドル
69ルーブル前後まで持ち直している
こうした悪例があるにもかかわらず、日本では為替が少し円安になっ

たからと大騒ぎして、ただちに利上げをすべきだと主張する人が少な
くない。そのほとんどが経済理論を知らない素人なのだが、実はその
バックに財務省の影が見え隠れする
財務省は「原油価格と原材料費が上昇し、円安になった。円安になる

と原材料費がさらに上がって、最後はインフレになる」などという理
屈で、緊縮政策へ誘導しようとしているのだ。
しかし、日本はなかなかインフレにはならない。単に製造コストが上
がるだけで、それを価格に転嫁しきれないのがいまの日本の経済状況
である。
たしかにその点て中小企業は大変だが、そこで緊縮財政をしようもの

なら、経済はたちまち冷え切ってしまう。
ただちにやるべき正しい政策はガソリン減税、消費減税なのだが、財

務省にはそれを絶対にしたくない一派がいる。
その一派からレクチャーを受けて、口裏を合わせている金融系エコノ

ミストやマスコミたちが、一斉に「金利を上げろ」との大合唱をして
いるのだ。
もちろんそれで経済が活性化するわけがない。マクロ経済においては

金利を上げることは経済抑制政策であり、財政出動しないということ
を意味する。日本はロシアの悪例の轍を踏んではならない。

と結んでおわるが、このようにわたしなら、現代数理工学を駆使して
(いまは、データーサイエンス学部が急速拡大しているが)で説明解
析するだう(言うは易しだが)、高橋教授は果敢である。
                         この項つづく


【光電融合電子デバイス革命①】

現実世界と仮想空間が混然一体となった高度なデジタル社会。膨大な
情報量を処理するため世界中でデータセンター需要は右肩上がりとな
り、電力消費量は爆発的に増える見通しだ。このままではカーボンゼ
ロ実現のお荷物になりかねず、米国のグーグルやアップルなどGAFAは
発電時に温暖化ガスを出さない再生可能エネルギーの導入を急ぐ。

2年前、この難局を乗り切るには電力消費量そのものを大幅に減らす
技術革新を起こすしかない。限界を突破しようと、国内通信のガリバ
ー、NTTが開発を進める「光の半導体」計画が公表。


NTT、「光の半導体」で限界突破 電気から技術転換

【今夜のシネマソング】





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