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電気を使った有機酸と水から高効率なアミノ酸合成に成功

2019-12-21 | 科学・技術
 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の福嶋貴学術研究員と山内美穂教授の研究グループは、木質バイオマスを原料に、再生可能エネルギーから調達した電気と水を使って、アミノ酸を75~99%の高効率で合成することに成功した、と発表した。反応効率はこれまでの報告の10倍以上という。アミノ酸の工業生産には大規模な設備が必要だが、再エネの活用で分散型・小規模の生産が可能になり、環境負荷を少なくすることが期待される。本研究成果は、2019年10月31日にイギリスの王立化学会の速報誌である「Chemical Communications」のweb 上で公開された。
 ポイント
 〇電気エネルギーを使い、水とバイオマスから入手可能なα-ケト酸からの高効率アミノ酸合成を達成。
 〇世界で初めて電力を使ってアミノ酸を連続的に合成するフロー型リアクターを構築した。
 〇本プロセスは新しい低環境負荷型のファインケミカル製造法として注目される。
 アミノ酸は生物の重要な構成要素であるだけでなく、飼料添加物、風味増強剤、医薬品などのさまざまな機能性材料に関与する基本的な物質である。現在、発酵法によりアミノ酸が生産されているが、微生物培養に大量のエネルギーが必要であることや分離・精製工程が煩雑であるなどの問題がある。化学的に合成する既存の方法では、有毒な物質が用いられるため、食
品・医薬品用途には、使用が敬遠されている。
 本研究では、電力をエネルギー源、水を水素源として、木質バイオマスから抽出可能なα-ケト酸と呼ばれる有機酸と含窒素化合物を高選択的に反応させることにより、アラニン、グリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ロイシン、フェニルアラニンおよびチロシンの7種類のアミノ酸を高効率で合成することができた。
 アスパラギン酸、ロイシン、フェニルアラニンおよびチロシンの4種類のアミノ酸は、本研究で電気エネルギーを使って初めて合成された。さらに、アミノ酸を連続的に合成するフロー型リアクターの構築にも世界で初めて成功した。これまで、有毒な鉛や水銀、あるいは高価な白金の電極上でアミノ酸合成が行われた例はあったが、合成効率は非常に低いものであった。
 本研究では、電極触媒として、より安全で安価な酸化チタン(TiO2)を用いることで高選択的にアミノ酸を合成することに成功した。この新しい合成法は、経済的で環境に優しい持続可能なアミノ酸の製造を実現できるという点で他のどの方法よりも優れているため、将来の画期的な合成法となる可能性を秘めている。

 天気は晴れ、雲が多い。風は弱い。
 散歩道の街路樹の”クチナシ”に果実が付いている。葉もまだ落ちていない。果実が付く”クチナシ”は一重咲きである。園芸種の八重咲き(雄しべがない)には果実ができない・・最近はこちらが多いのかな。
 花は、梅雨の頃に甘い芳香のある純白の花である。
 果実は、先端に萼片のなごりの角(つの)様なものが6本付き、側面に角につながって角(かど)が出ている。名(クチナシ)の由来は、果実が熟しても割れたりしないので、「口無:果実が熟しても割れない・・口が無い」説、「口梨:果実の先端に残る角(萼片)を鳥の嘴に見立て、果実を梨に見立て、口のある梨」説などがある。熟すと橙色となり、山梔子(さんしし)と呼ばれ、薬用・染料や食品の黄色の着色料に使われる。
 クチナシ(梔子、巵子、支子)
 学名:Gardenia jasminoides
 アカネ科クチナシ属
 常緑低木
 開花時期は6月~7月
 花は径数cmで強い芳香を出す、花色は初め純白、次第に乳白色になる
 果実は10月~11月ごろに赤黄色となる
 ”クチナシ”の果実にはクロシン(Crocin;カロチノイドの一種)が含まれている。
 果実は山梔子(さんしし)と呼ばれ、漢方方剤や食品の着色料(黄色)に使われる。