北海道大学大学院先端生命科学研究院産業創出部門の五十嵐靖之招聘客員教授、湯山耕平特任准教授らの研究グループは、植物由来のセラミドがアミロイドsペプチド(As)蓄積を軽減させることを疾患モデルマウスを用いた実験で発見した。本研究成果は2019年11月14日公開の「Scientific Reports」誌に掲載。
アルツハイマー病(AD)の発症原因の一つは、アミロイドsペプチド(As)が脳内に過剰に蓄積することであるとされている。最近の研究によってAs蓄積はAD発症の15年以上前から始まることが明らかになり、As蓄積を抑制することはAD予防を目的とした薬剤や機能性食品の開発戦略の一つとなっている。
ポイント
〇植物(こんにゃく)セラミド摂取により脳内のアルツハイマー病原因物質が減少し認知機能が改善。
〇植物セラミドは同病の発症原因物質を除去する神経細胞由来エクソソームの産生を促進。
〇認知症予防目的の機能性食品素材や新薬開発への貢献に期待。
背景
アルツハイマー病(AD)は主要な老年期の認知症性疾患であり、現在早急な予防法・治療法の確立が望まれている。AD発症には様々な要因が関与しているが、脳内での As蓄積増加が主な原因と考えられており、脳内Asレベルを制御することが治療・予防戦略の一つとして有望視されている。
五十嵐教授らの研究グループ はこれまでに、神経細胞から放出される二重膜で構成されたナノ顆粒 "エクソソーム "が Asを除去する能力をもつことを培養細胞とADモデルマウスを用いた実験で明らかにしてきた。これらの知見から本研究グループではエクソソーム依存性As分解系の促進というアプローチを用いたAD予防法の確立を目的に研究を進めており、本研究では新たに発見したエクソソーム産生を促進する分子の一つである植物セラミドの効果をADモデルマウスを用いた実験で検証した。
研究手法
研究グループは実験材料の植物性セラミドとしてこんにゃく芋から精製したセラミド(グルコシルセラミド)を用いた。こんにゃく芋由来セラミドは機能性食品素材として美肌目的のサプリメントや飲料に配合されている脂質成分である。ADモデルマウスには脳内でAsを過剰発現するAPPトランスジェニックマウスを使用した。このマウスに植物セラミド 1日 1mg量を2週間継続的に経口投与した後、As病理とエクソソーム量を解析した。
研究成果
ADモデルマウスに植物セラミドを経口投与すると大脳皮質や海馬領域でAs濃度の低下とアミロイド斑老人斑様のAs沈着 が 減少していた。また、海馬領域ではシナプス障害の抑制も観察され、行動実験では短期記憶の改善が認められた。さらに同じ脳標本中のエクソソームを解析したところ、神経細胞由来のマーカータンパク質の増加がみられた。
今回の実験で、植物セラミドの経口摂取によってADのようなAs関連病理が低減することが実証され、また、植物セラミドの作用でエクソソーム依存性As分解を促進させる可能性を示唆する結果が得られた。
今後への期待
脳内As蓄積の抑制はAD予防の有効な戦略とされており、本研究で得られた新たな知見は機能性食品素材や新薬開発に繋がる 可能性がある。今後研究グループではヒト介入試験による植物性セラミドの認知機能改善効果の検証を実施する予定である。
◆用語解説
〇アミロイド sペプチド
アミロイド s前駆体タンパク質から切断されて産生される約40アミノ酸からなる生理的ペプチド。アルツハイマー病では、このペプチドの過剰な蓄積がアルツハイマー病発症の引き金と考えられている。
〇エクソソーム
様々な種類の細胞から分泌される直径 50~150nm程度の細胞外小胞。特定の分子を包含し、細胞間で受け渡すキャリアーの役割を担う。神経細胞由来エクソソームは表面膜の糖脂質でAsを捕捉しグリア細胞に運搬することでAs分解を促進させる。
今日の天気は曇り。だんだんと雨模様になりそうで、明日は雨の予報。畑にとってはありがたい雨かな。
散歩で見つけた、塀の”ヘデラ”。”ヘデラ”は常緑蔓性低木の観葉植物で、耐寒性が強く、塀や戸外のグランドカバーなど利用される。冬の散歩で緑を見る、今日の散歩は当たりかな。
”ヘデラ”は”アイビー”とも呼ばれるが、正式名称は”ヘデラ”、”アイビー”は愛称。和名は西洋木蔦(せいようきづた)。種類は、葉(ハート型・星型・丸型・カール型など)や大きさ(大小)、斑入りの有無などで沢山ある。
ヘデラ
別名:アイビー、西洋木蔦(せいようきづた)
英名:English ivy
学名:Hedera helix
ウコギ科ヘデラ属(キヅタ属)
常緑蔓性低木
耐寒性あり(氷点下5℃以上)
原産地はヨーロッパ、アジアなど
開花時期は9月~12月
小さな5枚花びらの花が集まり、かんざし状
アルツハイマー病(AD)の発症原因の一つは、アミロイドsペプチド(As)が脳内に過剰に蓄積することであるとされている。最近の研究によってAs蓄積はAD発症の15年以上前から始まることが明らかになり、As蓄積を抑制することはAD予防を目的とした薬剤や機能性食品の開発戦略の一つとなっている。
ポイント
〇植物(こんにゃく)セラミド摂取により脳内のアルツハイマー病原因物質が減少し認知機能が改善。
〇植物セラミドは同病の発症原因物質を除去する神経細胞由来エクソソームの産生を促進。
〇認知症予防目的の機能性食品素材や新薬開発への貢献に期待。
背景
アルツハイマー病(AD)は主要な老年期の認知症性疾患であり、現在早急な予防法・治療法の確立が望まれている。AD発症には様々な要因が関与しているが、脳内での As蓄積増加が主な原因と考えられており、脳内Asレベルを制御することが治療・予防戦略の一つとして有望視されている。
五十嵐教授らの研究グループ はこれまでに、神経細胞から放出される二重膜で構成されたナノ顆粒 "エクソソーム "が Asを除去する能力をもつことを培養細胞とADモデルマウスを用いた実験で明らかにしてきた。これらの知見から本研究グループではエクソソーム依存性As分解系の促進というアプローチを用いたAD予防法の確立を目的に研究を進めており、本研究では新たに発見したエクソソーム産生を促進する分子の一つである植物セラミドの効果をADモデルマウスを用いた実験で検証した。
研究手法
研究グループは実験材料の植物性セラミドとしてこんにゃく芋から精製したセラミド(グルコシルセラミド)を用いた。こんにゃく芋由来セラミドは機能性食品素材として美肌目的のサプリメントや飲料に配合されている脂質成分である。ADモデルマウスには脳内でAsを過剰発現するAPPトランスジェニックマウスを使用した。このマウスに植物セラミド 1日 1mg量を2週間継続的に経口投与した後、As病理とエクソソーム量を解析した。
研究成果
ADモデルマウスに植物セラミドを経口投与すると大脳皮質や海馬領域でAs濃度の低下とアミロイド斑老人斑様のAs沈着 が 減少していた。また、海馬領域ではシナプス障害の抑制も観察され、行動実験では短期記憶の改善が認められた。さらに同じ脳標本中のエクソソームを解析したところ、神経細胞由来のマーカータンパク質の増加がみられた。
今回の実験で、植物セラミドの経口摂取によってADのようなAs関連病理が低減することが実証され、また、植物セラミドの作用でエクソソーム依存性As分解を促進させる可能性を示唆する結果が得られた。
今後への期待
脳内As蓄積の抑制はAD予防の有効な戦略とされており、本研究で得られた新たな知見は機能性食品素材や新薬開発に繋がる 可能性がある。今後研究グループではヒト介入試験による植物性セラミドの認知機能改善効果の検証を実施する予定である。
◆用語解説
〇アミロイド sペプチド
アミロイド s前駆体タンパク質から切断されて産生される約40アミノ酸からなる生理的ペプチド。アルツハイマー病では、このペプチドの過剰な蓄積がアルツハイマー病発症の引き金と考えられている。
〇エクソソーム
様々な種類の細胞から分泌される直径 50~150nm程度の細胞外小胞。特定の分子を包含し、細胞間で受け渡すキャリアーの役割を担う。神経細胞由来エクソソームは表面膜の糖脂質でAsを捕捉しグリア細胞に運搬することでAs分解を促進させる。
今日の天気は曇り。だんだんと雨模様になりそうで、明日は雨の予報。畑にとってはありがたい雨かな。
散歩で見つけた、塀の”ヘデラ”。”ヘデラ”は常緑蔓性低木の観葉植物で、耐寒性が強く、塀や戸外のグランドカバーなど利用される。冬の散歩で緑を見る、今日の散歩は当たりかな。
”ヘデラ”は”アイビー”とも呼ばれるが、正式名称は”ヘデラ”、”アイビー”は愛称。和名は西洋木蔦(せいようきづた)。種類は、葉(ハート型・星型・丸型・カール型など)や大きさ(大小)、斑入りの有無などで沢山ある。
ヘデラ
別名:アイビー、西洋木蔦(せいようきづた)
英名:English ivy
学名:Hedera helix
ウコギ科ヘデラ属(キヅタ属)
常緑蔓性低木
耐寒性あり(氷点下5℃以上)
原産地はヨーロッパ、アジアなど
開花時期は9月~12月
小さな5枚花びらの花が集まり、かんざし状