札幌のjobin.(じょびん)さんは、先月、中央区の喫茶店で個展を開いたばかり。それからこの個展までの間に、東京と仙台でも発表しているというから、驚くほかはありません。
今回は、大きな窓から森が見え、光が差し込む開放的な空間。
もっとも、jobin. さんはむしろ、広くない空間を巧みに利用するほうが得意だったりしますが、今回は、三脚にも似た三角錐型の部品を並べて、そこから雲型の作品やモビー . . . 本文を読む
(承前)
恵庭市民会館主催の4人展「分水嶺」の続きです。
中村哲泰さんの長女八子直子さんは札幌在住。
以前は変形キャンバスによる絵画を手掛けていましたが、近年はそこから発展して、空間全体を作品とするインスタレーションの発表が多くなっています。
今回は1部屋全体を使い、「流点」と題したインスタレーションとしています。
ブラインドを閉ざして電灯をつけていないため、会場は薄暗くなっていま . . . 本文を読む
札幌の Yuko Furukawa さんは毎年この時期開いている個展は、壁に貼ってあるステートメントが長文なのが特徴です。
札幌での個展で、これほど長い文章を添える人はそれほど多くありませんし、正直なところ、別になくてもかまわないテキストもちょくちょく見かけます。しかし、Furukawa さんの文章は一読したほうがいいです。単なるかわいいアクセサリーをつくる作家ではなく、現実社会への問題意識を . . . 本文を読む
詩人・美術評論家の柴橋伴夫さん(札幌)が1982年にギャラリーユリイカ(2008年に閉廊)で企画して開いた「SEVEN DADA 's BABY」展を機縁に、道内の前衛美術を振り返ろうという展覧会。小樽美術館が主催し、柴橋さんが監修に名を連ねています(しつこいようですが、なぜ「BABY」と単数形なのだろう)。
同館が所蔵する代表的な作家で、50年代の日本の版画界に彗星のように現れた一原有徳さ . . . 本文を読む
雪を活用した屋外設置のインスタレーション「Snow Pallert(スノーパレット)」シリーズで知られる札幌の澁谷俊彦さんが、3日間限りの個展を開きました。
澁谷さんの作品系列では「Generation(ジェネレーション)」シリーズにあたり、道内では昨年のCAI03での個展「沈黙の森」からおよそ1年半ぶりとなります。
会場は、大きな寺院の建物内にある本格的な茶室で、そこにつながる廊下と石庭に . . . 本文を読む
Googleマップで検索すると、札幌の自宅から上川管内東川町まで2時間余りと出ます。
自家用車を出すことにしました。
結論からいうと、全くのうそでした(笑)。
札幌から東川町まで3時間余りかかったのです。
道央自動車道の、とくに札幌-岩見沢で、あちこちで工事のために速度規制が行われていて、通常よりも遅くなったのは確かですが、それにしても...。
Googleマップ先生は、高速運転には . . . 本文を読む
(承前)
今回の上京で達成したかったことのひとつに
「大橋鉄郎作品のハシゴ」
がありました。
新人の登竜門として知られる「VOCA(ヴォーカ)展」に、女性がピースサインを出している絵画(イラストレーション)を出品した札幌の若手大橋鉄郎さんは、別のグループ展に、もうひとつのシリーズであるペーパークラフトを出しているので、これは見に行かなくては!
…と思ったのです。
冒頭画像は、両シリーズが . . . 本文を読む
札幌のフォトグラファーで、最近はインストーラーとしてあちこちのギャラリーで搬入の手伝いなどにも忙しい山岸靖司さんの個展。
1998年の第1回個展から見ている自分としては、なかなか感慨深くなるような、これまでの山岸さんの活動の集大成的な側面をあわせもった展示内容だと感じました。
というのは、山岸さんは生業こそ写真家ですが、アートを発表する際には、ストレートフォトではなく、写真を素材にした作品 . . . 本文を読む
江別を拠点に活動している秋元さなえさんの個展の会場はずっと、札幌市北区のななめ通り沿いにあるテンポラリースペースでした。
今回のタイトルになっている「サイアノタイプ」は日光写真の意味。
布に特殊な感光液を塗布し、昨年末から今年初めにかけて、テンポラリースペースの中にさしこんでくる陽光をとらえた作品を、会場内(1階に2枚、2階に2枚)につり下げています。
冒頭の作品は昨年12月30日に制作し . . . 本文を読む
苫小牧市美術博物館の名物「中庭展示」。
札幌国際芸術祭の関連展示で、おそらく最後まで行われているものです。
館の公式サイトに、とてもわかりやすい紹介が載っていたので、コピペいたします。
北海道胆振地方の地域性に根付いた表現活動に焦点を当てる本展では、発案者の奈良美智と飛生とびうアートコミュニティー(北海道白老町)の国松希根太、小助川裕康、奥山三彩からなる4人組のアーティスト・コレクティ . . . 本文を読む
(承前)
非常に精緻な幾何学的な立体作品をつくる伊賀信さんが、青木広宙さんとコラボレートした展覧会。
青木さんが、超小型のライトを透明なチューブの中で順番につけていくシステムを構築し、伊賀さんの作品の影が壁に大きく映し出されてうつろっていきます。
一昨年に札幌芸術文化交流プラザで艾沢詳子よもぎさわしょうこさんと組んで行った展示と、仕組みとしては同じですが、艾沢さんの作品が人間のような . . . 本文を読む
一般社団法人AISプランニングの「アーティスト・イン・スクール」事業で、札幌市北区の光陽小に昨年から通っていた佐竹真紀さんが、1日限りの発表をするというので、見に行ってきました。
佐竹さんは札幌の作家で、コマ撮りアニメーションの手法による作品が、VOCA展で入賞するなど高く評価されています。
こんな人が小学校に来るなんて、自分が子どもだったらわくわくします。
札幌におよそ200校 . . . 本文を読む
今回の、2月25日で閉幕した札幌国際芸術祭SIAF2024について小川秀明ディレクターは「100年前の札幌、100年後の札幌」なんていう言い方をしていましたが、とりわけ100年後=未来に関して言えば
気候変動
が、最大のテーマになっていたことは、多くの皆さんがすでに気づいていることと思います。
欧洲ではとりわけ強い危機感を抱かれているイシューですが、日本は昔から気象災害が多いということ . . . 本文を読む
長谷川哲さんは1946年生まれ、愛知拠点の、写真を素材とした現代美術の作家。
慶応大法学部の卒業で、アートは独学だということです。
北海道との縁は、97年の第26回現代日本美術展で「北海道立帯広美術館賞」を受賞し、作品「HOME」シリーズの1点が同館所蔵となったこと。
当時の学芸課長だった寺嶋さんが現在は後志管内ニセコ町の有島記念館長を務めていることを知った長谷川さんが、昨年、さっぽろ天 . . . 本文を読む
1942年、十勝管内広尾町生まれ、札幌在住の楢原武正さんは、2000年頃から毎年1月に、ギャラリー大通美術館の全館を使った個展を開いている。
さすがに巨大なインスタレーションは設営しなくなったものの、昨年は、レタリング(書き文字)の作品を大々的に展開して、おとずれた人の度肝を抜いた。
今年は、これまでのインスタレーションに用いたパーツを、それぞれ壁に掛けたものが中心 . . . 本文を読む